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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】動力出力トルク感知機構
(51)【国際特許分類】
   G01L 3/10 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
G01L3/10 311
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022117309
(22)【出願日】2022-07-22
(65)【公開番号】P2023016794
(43)【公開日】2023-02-02
【審査請求日】2022-07-22
(31)【優先権主張番号】110126997
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】596009559
【氏名又は名称】姚 立和
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】姚 立和
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-126513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 3/00-3/26
B62M 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸棒と、入力ユニットと、出力ユニットと、ねじれ連結軸とからなる動力出力トルク感知機構であって、
前記入力ユニットは、動力駆動のための入力軸スリーブを備え、前記入力軸スリーブは前記軸棒の一端に枢設されるとともに、前記入力軸スリーブの端部には、複数の凸軸ブロックが等間隔に突出し、さらに、前記複数の凸軸ブロックにおける外縁の表面には、軸方向に延在する軸方向ボール溝がそれぞれ形成され、
前記出力ユニットは、前記入力ユニットを駆動させるための出力軸スリーブを備え、前記出力軸スリーブは、前記軸棒の他端に設けられ、
前記ねじれ連結軸は、前記入力軸スリーブと前記出力軸スリーブの間に設けられ、前記ねじれ連結軸は、回転環状台と、トルク変換環状台と、固定環状台を少なくとも備え、そのうち、前記回転環状台の一端は、前記出力ユニットの前記出力軸スリーブ上に固設され、前記回転環状台における前記出力軸スリーブと反対の一端には、前記トルク変換環状台内に挿入される複数の斜め凸ブロックが等間隔に突出するとともに、各前記斜め凸ブロックの側面には、斜め円錐状ボール溝が形成され、さらに、前記トルク変換環状台の内縁には、前記入力軸スリーブにおける前記凸軸ブロックと前記回転環状台における前記斜め凸ブロックの間に対応して挟設される複数のボール溝台がそれぞれ形成されるとともに、各前記ボール溝台は、前記回転環状台における前記斜め円錐状ボール溝に対応する斜め円錐状ボール溝を備えることで、プーリーボールがそれぞれ相対して挟設され、さらに、各前記ボール溝台は、前記入力軸スリーブにおける前記軸方向ボール溝に対応する軸方向ボール溝を備えることで、一揃いのガイドボールが相対してそれぞれ挟設され、前記固定環状台は、前記トルク変換環状台における前記回転環状台と反対の一側に固設されることで、前記トルク変換環状台は、軸方向に推移する際に、前記固定環状台を押圧し、さらに、前記固定環状台における少なくとも一側の表面は、ひずみ感知部品を備え、前記ひずみ感知部品は、有線方式で外部に設けられる制御処理ユニットに連接されることを特徴とする、動力出力トルク感知機構。
【請求項2】
前記軸棒は動力入力軸であり、前記入力ユニットの前記入力軸スリーブは、一方向ベアリングによって軸棒上に設けられるとともに、前記出力ユニットの前記出力軸スリーブにおける前記入力ユニットと反対の一端には、軸座部及び噛合ギア部が突出し、そのうち、前記軸座部にはベアリングが設けられ、前記噛合ギア部は、拍車を覆設且つ嵌設することを特徴とする、請求項1に記載の動力出力トルク感知機構。
【請求項3】
前記軸棒における前記出力ユニットに対応する一側の周縁には、環状凸縁が形成されるとともに、前記環状凸縁の両側における頂縁の隅には、ボール溝がそれぞれ形成され、前記出力ユニットの前記出力軸スリーブにおける前記環状凸縁の両側には、ボールベアリング台がそれぞれ形成されることで、一揃いの鋼球が相対して挟設され、前記軸棒における前記入力ユニットに対応する一側の周縁には、環状固定溝が形成され、それにより、前記入力ユニットにおける前記入力軸スリーブの端部には、止め輪が係合して設けられることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の動力出力トルク感知機構。
【請求項4】
前記入力軸スリーブにおける前記ねじれ連結軸に対応する前記凸軸ブロックは、端部に形成されるとともに、前記複数の凸軸ブロックにおける付け根部の側面には、嵌合段差がそれぞれ形成され、前記トルク変換環状台の各前記ボール溝台は、前記入力軸スリーブにおける前記嵌合段差に対応する嵌合段差を備えることを特徴とする、請求項1に記載の動力出力トルク感知機構。
【請求項5】
前記ねじれ連結軸の前記固定環状台における前記トルク変換環状台に対応する一側には、複数の爪形ブロックによって第1環状ボール台が挟設され、前記第1環状ボール台と前記トルク変換環状台の相対部には、ボール溝がそれぞれ形成されることで、一揃いの鋼球が挟設されることを特徴とする、請求項1に記載の動力出力トルク感知機構。
【請求項6】
前記ねじれ連結軸の前記固定環状台における前記入力ユニットに対応する一側には、第2環状ボール台が設けられるとともに、前記入力ユニットの前記入力軸スリーブには、互いに対応する第3環状ボール台が設けられ、前記第2環状ボール台と前記第3環状ボール台の相対部には、ボール溝がそれぞれ形成されることで、一揃いの鋼球が挟設されることを特徴とする、請求項1または請求項5に記載の動力出力トルク感知機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力出力のトルク検知技術に関し、特に、トルク値を詳細且つ正確に検出することができるとともに、有線方式で検出信号を送信する動力出力トルク感知機構に関する。
【背景技術】
【0002】
回転運動エネルギーの出力は反力のため、元の駆動ユニットよりさらに大きな動力を入力するまたは別の補助動力を提供してはじめて回転運動エネルギーをスムーズ且つ安定した状態に保つことができる。例えば、電動アシスト自転車または電動自転車のうち電動アシスト自転車において補助動力を入力する必要があるかどうかを検出するための従来のトルク検出機構は、主に、クランク軸の表面に貼設されたひずみゲージによって前記回転運動中のクランク軸におけるトルク変形によるひずみ量を検出するとともに、無線を用いて信号を送信し、受信機によって補助モーターの出力動力を制御する。それにより、騎乗者が坂道を上る際の労力を節約することができる。
【0003】
しかしながら、上述の構造において、回転運動中における無線送信の際に生じる干渉または送信が遮られるといった不安定現象は、モーターが出力する補助動力にまで影響を及ぼし、車両がスムーズに走行することができないとともに、フィードバック遅延現象や補助動力が即時に且つ正確に生成されないといった問題が同時に存在する。
【0004】
しかしながら、上述の機構は回転運動であるため、回転トルク値を検出するためのトルク検出部品(ひずみゲージ)は、トルク値信号を出力する際、通常、無線方式で送信するが、その信号は依然として干渉されたり遮られたりする。検出されたトルク値信号を無線で送信する際に生じる問題を解決するため、カーボンブラシの原理が利用されて信号が送信されたが、その構造が複雑であるとともに、製造精度の要求が高いため、生産及びメンテナンスが難しく見えない部分で全体的なコストが高くなる。
【0005】
言い換えると、従来の検出部品(ひずみゲージ)における信号を送信する方法は設計が不完全であるため、そのトルク値のフィードバック歪みまたはフィードバック遅延の問題が生じ、さらに、補助動力を正確且つ即時に入力できないことで、補助效果を失ってしまう。本発明は、上述の問題をいかに克服するかを検討する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、主に、有線方式によりトルク値の検出信号を送信することで、トルク値を送信する際のノイズ干渉による歪みを防ぐことのできる動力出力トルク感知機構を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、さらに、回転軸のトルク変化を検出する際、有線方式で確実且つ正確に出力できることで、後に続く補助動力が即時に且つより確実に入力されるようにできる動力出力トルク感知機構を提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、さらに、効果的に構造を簡易化することで、製造及びメンテナンスを容易にし、さらに全体的なコストを低減できる動力出力トルク感知機構を提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、さらに、感知機構が迅速且つ正確にトルク値を検出できることで、補助動力を即時に且つ正確に生成することができ、それにより、停滞または突進が生じないことで、動力補助の確動性、即時性、及び、正確性を向上させることのできる動力出力トルク感知機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の動力出力トルク感知機構は、軸棒と、入力ユニットと、出力ユニットと、ねじれ連結軸とからなる。前記入力ユニットは、動力駆動のための入力軸スリーブを備え、前記入力軸スリーブは軸棒の一端に枢設されるとともに、前記入力軸スリーブの端部には、複数の凸軸ブロックが等間隔に突出し、さらに、前記複数の凸軸ブロックにおける外縁の表面には、軸方向に延在する軸方向ボール溝がそれぞれ形成される。前記出力ユニットは、入力ユニットを駆動させるための出力軸スリーブを備え、前記出力軸スリーブは、軸棒の他端に設けられる。前記ねじれ連結軸は、前記入力軸スリーブと出力軸スリーブの間に設けられ、前記ねじれ連結軸は、回転環状台と、トルク変換環状台と、固定環状台を少なくとも備える。そのうち、前記回転環状台の一端は、出力ユニットの出力軸スリーブ上に固設され、前記回転環状台における出力軸スリーブと反対の一端には、トルク変換環状台内に挿入される複数の斜め凸ブロックが等間隔に突出するとともに、各前記斜め凸ブロックの側面には、斜め円錐状ボール溝が形成される。さらに、前記トルク変換環状台の内縁には、入力軸スリーブにおける凸軸ブロックと回転環状台における斜め凸ブロックの間に対応して挟設される複数のボール溝台がそれぞれ形成されるとともに、各前記ボール溝台は、回転環状台における斜め円錐状ボール溝に対応する斜め円錐状ボール溝を備えることで、プーリーボールがそれぞれ相対して挟設される。さらに、各前記ボール溝台は、入力軸スリーブにおける軸方向ボール溝に対応する軸方向ボール溝を備えることで、一揃いのガイドボールが相対してそれぞれ挟設され、前記固定環状台は、前記トルク変換環状台における回転環状台と反対の一側に固設されることで、前記トルク変換環状台は、軸方向に推移する際に、固定環状台を押圧する。さらに、前記固定環状台における少なくとも一側の表面は、ひずみ感知部品を備え、前記ひずみ感知部品は、有線方式で外部に設けられる制御処理ユニットに連接される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の斜視外観図である。
図2】本発明の斜視分解図である。
図3】本発明を組み立てた場合の側面断面図である。
図4】本発明の部分斜視分解図である。
図5】本発明を組み合わせた場合の部分斜視図である。
図6】本発明における組み合わせた際の動作を示した別の部分斜視図である。
図7】本発明における図5の部分側面断面図である。
図8】本発明における図5の部分端面断面図である。
図9】本発明におけるトルク値を検出する際の側面動作を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1図2に示す通り、本発明の動力出力トルク感知機構の構成は、軸棒10の両端に入力ユニット20と、入力ユニット20によって駆動される出力ユニット30がそれぞれ設けられる。本発明の特色として、前記入力ユニット20と出力ユニット30の間にはねじれ連結軸50が設けられ、それにより、前記ねじれ連結軸50は迅速且つ正確に回転トルク値を検出するとともに、有線方式で即時且つ正確に送信する。
【0013】
図2図3に示す通り、本発明の各主要部品の詳細な構成は以下の通りである。前記軸棒10は、動力入力軸(例えば、電動アシスト自転車のクランク軸)または固定軸(例えば、電動自転車の動力モジュール軸棒)であることができるとともに、前記軸棒10における出力ユニット30に対応する一側の周縁には、環状凸縁11が形成される。さらに、前記環状凸縁11の両側における頂縁の隅にはボール溝111とボール溝112がそれぞれ形成され、それにより、前記出力ユニット30は覆設且つ枢設される。また、前記軸棒10における入力ユニット20に対応する一側の周縁には環状固定溝15が形成され、それにより、前記入力ユニット20の位置が制限される。
【0014】
前記入力ユニット20は、一方向ベアリング22によって軸棒10に入力軸スリーブ21が設けられるとともに、前記入力軸スリーブ21は、上述の環状固定溝15に係合して設けられる止め輪23によって、前記軸棒10上(止め輪23はすべての部品が組み立てられてから係合して設けられ前記入力軸スリーブ21を制限する)に制限され、さらに、前記入力軸スリーブ21におけるねじれ連結軸50に対応する一端には、ねじれ連結軸50の一部の部品を設置するための軸座段24が凸設されるとともに、前記入力軸スリーブ21における軸座段24の端部には、ねじれ連結軸50内に挿入することのできる複数の凸軸ブロック25(図4図5に図示)が等間隔に突出している。本発明の入力軸スリーブ21は、4つの等間隔の凸軸ブロック25を好ましい実施例とする。さらに、前記複数の凸軸ブロック25の付け根部における上述の一方向ベアリング22の空回りとは異なる方向の側面には、嵌合段差26がそれぞれ形成され、それにより、前記ねじれ連結軸50が位置決めされる。また、前記複数の凸軸ブロック25における外縁の表面には、軸方向に延在する軸方向ボール溝27がそれぞれ形成される。
【0015】
また、前記出力ユニット30は、前記軸棒10に套設される出力軸スリーブ35を備えるとともに、前記出力軸スリーブ35の内部には、軸棒10における環状凸縁11の両側に対応する2つのボールベアリング台31、ボールベアリング台32が前記軸棒10上に覆設且つ枢設される。さらに、両側のボールベアリング台31及びボールベアリング台32と環状凸縁11におけるボール溝111及びボール溝112の間には、一揃いの鋼球310及び鋼球320がそれぞれ挟設され、それにより、前記出力軸スリーブ35は安定且つスムーズに軸棒10上で回転することができる。また、前記出力軸スリーブ35における入力ユニット20と反対の一端には、軸座段36と噛合ギア部37が突出している。そのうち、前記軸座段36には、固定筺体の内壁に設けることのできるベアリング38(前記固定筺体は電動アシスト自転車のボトムブラケット等であることができる)が設けられ、前記噛合ギア部37によって、拍車(例えば、電動アシスト自転車の拍車等)を覆設且つ嵌設することができたり、出力歯車の外縁と相互に噛み合うようにしたりすることができる。
【0016】
前記ねじれ連結軸50は、少なくとも、回転環状台51と、トルク変換環状台52と、固定環状台55を備える。さらに、図4図5、及び、図6を参照する。そのうち、軸棒10に通すことのできる前記回転環状台51の一端は、出力ユニット30の出力軸スリーブ35上に固設され、それにより、前記出力軸スリーブ35が駆動されて同時に回転する。また、前記回転環状台51における出力軸スリーブ35と反対の一端には、トルク変換環状台52内に挿入することのできる複数の斜め凸ブロック511が等間隔に突出している。(図6図7及び図8に図示)本発明の回転環状台51の斜め凸ブロック511では、入力軸スリーブ21に対応する凸軸ブロック25の数を好ましい実施例とする。さらに、各前記斜め凸ブロック511における一方向ベアリング22の空回り方向と反対の側面には、斜め円錐状ボール溝512(つまり、プーリーボール溝)が形成され、さらに、前記トルク変換環状台52の内縁には、入力軸スリーブ21における凸軸ブロック25と回転環状台51における斜め凸ブロック511の間に対応して挟設される複数のボール溝台521がそれぞれ形成されるとともに(図5図6及び図8に図示)、前記トルク変換環状台52の各前記ボール溝台521は、回転環状台51における斜め円錐状ボール溝512に対応する斜め円錐状ボール溝522を備えることで、プーリーボール523がそれぞれ相対して挟設される。(図7に図示)それにより、前記トルク変換環状台52は、回転する過程で押し上げられて移動することができる。また、前記トルク変換環状台52の各前記ボール溝台521は、入力軸スリーブ21における嵌合段差26に対応する嵌合段差524を備えることで(図7に図示)、前記トルク変換環状台52は入力軸スリーブ21に位置決めされ、さらに、前記トルク変換環状台52の各前記ボール溝台521は、入力軸スリーブ21における軸方向ボール溝27に対応する軸方向ボール溝525を備えることで、一揃いのガイドボール526(図7に図示)が相対してそれぞれ挟設される。それにより、前記トルク変換環状台52は、鋭敏且つ安定して軸方向に推移する。また、前記固定環状台55は、上述の固定筺体(前記固定筺体は、電動アシスト自転車のボトムブラケット等であることができる)に位置決めされるとともに、前記固定環状台55におけるトルク変換環状台52に対応する一側には、複数の爪形ブロック551によって第1環状ボール台53が挟設され、前記第1環状ボール台53とトルク変換環状台52との相対部には、ボール溝531とボール溝528がそれぞれ形成されることで、一揃いの鋼球535が挟設される。それにより、トルク変換環状台52は、固定された固定環状台55に相対して安定して回転することができる。さらに、前記固定環状台55におけるトルク変換環状台52に対応する一側の表面は、径方向に設置された少なくとも1つのひずみ感知部品56を備えることで、前記固定環状台55の変形量または軸方向に推移する圧力値を検知することができるとともに、前記ひずみ感知部品56は、有線方式で外部に設けられる制御処理ユニット(未図示。例えば、電動アシスト自転車における補助モーターの制御装置)に連接される。さらに、前記固定環状台55の他側には、第2環状ボール台57が設けられるとともに、上述の入力ユニット20における入力軸スリーブ21の軸座段24には、互いに対応する第3環状ボール台58が設けられる。前記第2環状ボール台57と第3環状ボール台58の相対部には、ボール溝571とボール溝581がそれぞれ形成されることで、一揃いの鋼球585が挟設され、それにより、入力ユニット20は、固定された固定環状台55に相対して安定して回転する。
【0017】
以上により、前記ねじれ連結軸50によって前記入力ユニット20が前記出力ユニット30を駆動させる回転トルクを検出することができるとともに、有線方式で前記回転トルク値の信号を送信できることで、迅速且つ正確に検出できるとともに送信時に信号が歪まない、正確且つ確実な動力出力トルク感知機構を構成することができる。
【0018】
本発明の動力出力トルク感知機構の構造を実際に作動させた場合、電動アシスト自転車を例とすると以下の通りである。前記クランク軸をなす軸棒10は主要入力源と定義され、前記入力ユニット20は補助入力源と定義される。図9に示す通り、前記軸棒10が両端のクランク(未図示)を踏むことで回転する場合、入力ユニット20における一方向ベアリング22によって前記入力軸スリーブ21が駆動され、それにより、前記入力軸スリーブ21は凸軸ブロック25によって前記ねじれ連結軸50のトルク変換環状台52を作動させる。このように、前記トルク変換環状台52と前記回転環状台51における斜め円錐状ボール溝522及び斜め円錐状ボール溝512によって挟設されるプーリーボール523によりパッキン作用が生じ、それにより、前記回転環状台51が駆動されると、前記出力ユニット30の出力軸スリーブ35を同時に駆動して回転させることで、前記出力軸スリーブ35に嵌合される拍車を作動させる。
【0019】
坂道を上る場合または負荷が増えた場合、拍車の反力は、出力ユニット30の出力軸スリーブ35によって前記ねじれ連結軸50における回転環状台51及びトルク変換環状台52に送信され、前記トルク変換環状台52は、入力軸スリーブ21の間の相対する軸方向ボール溝525及び軸方向ボール溝27と、一緒に挟設されたガイドボール526の作用を利用できることで、前記トルク変換環状台52は、固定された固定環状台55の一側の方向に軸方向に移動することができ、それにより、前記固定環状台55は押圧される。さらに、前記固定環状台55におけるひずみ感知部品56は、即時に且つ正確に検出するとともに、回転トルク値に換算された後、外部の制御処理ユニット(例えば、補助モーターの制御装置)に有線で送信される。このように、ニーズに応じ、補助モーターによって前記入力ユニット20の入力軸スリーブ21が作動することで、補助動力を提供する目的が達成される。
【0020】
上述の設計と説明から分かる通り、本発明の動力出力トルク感知機構は、前記入力ユニット20における入力軸スリーブ21の凸軸ブロック25及び前記ねじれ連結軸50における回転環状台51と、トルク変換環状台52の設計によって、回転トルクを軸方向に変換して移動させることができるとともに、固定された固定環状台55に設けられるひずみ感知部品56を組み合わせることで、検知された回転トルク値を有線方式で送信することができ、それにより、従来の無線で送信する場合に生じるノイズ干渉による歪みの問題を防ぐことができるとともに、回転軸のトルク変化を検出する際、有線方式により即時に且つ正確に出力できることで、後に続く補助動力が即時に且つ確実に入力されるようにでき、さらに、効果的に構造を簡易化することで、製造及びメンテナンスを容易にし、さらに全体的なコストを低減することができる。
【符号の説明】
【0021】
10 軸棒
11 環状凸縁
111 ボール溝
112 ボール溝
15 環状固定溝
20 入力ユニット
21 入力軸スリーブ
22 一方向ベアリング
23 止め輪
24 軸座部
25 凸軸ブロック
26 嵌合段差
27 軸方向ボール溝
30 出力ユニット
31 ボールベアリング台 珠碗座
310 鋼球
32 ボールベアリング台
320 鋼球
35 出力軸スリーブ
36 軸座部
37 噛合ギア部
38 ベアリング
50 ねじれ連結軸
51 回転環状台
511 斜め凸ブロック
512 斜め円錐状ボール溝
52 トルク変換環状台
521 ボール溝台
522 斜め円錐状ボール溝
523 プーリーボール
524 嵌合段差
525 軸方向ボール溝
526 ガイドボール
528 ボール溝
53 第1環状ボール台
531 ボール溝
535 鋼球
55 固定環状台
551 爪形ブロック
56 ひずみ感知部品
57 第2環状ボール台
571 ボール溝
58 第3環状ボール台
581 ボール溝
585 鋼球
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9