(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】災害時特化常備薬管理システム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20240118BHJP
G06Q 50/22 20240101ALI20240118BHJP
【FI】
G16H20/10
G06Q50/22
(21)【出願番号】P 2023179803
(22)【出願日】2023-10-18
【審査請求日】2023-11-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523364874
【氏名又は名称】株式会社朱里Group
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大倉 里江
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-206195(JP,A)
【文献】特開2005-287848(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第115578223(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
防災用品の購入希望者のユーザ端末に対して通信可能に設けられ、操作部と、記憶部と、制御部と、を有し、かつ、前記防災用品に常用薬情報を付加する情報付加サービスを管理する防災サービス管理サーバ、を含む災害時特化常備薬管理システムであって、
前記制御部は、
前記ユーザ端末から、当該防災用品の購入申し込みを受け付ける購入受付処理と、
前記ユーザ端末から、前記購入受付処理で購入申し込みを受け付ける前記防災用品に対する前記常用薬情報の付加希望を受け付ける付加受付処理と、
前記ユーザ端末に向けての、前記購入希望者の保有するお薬手帳の画像要求を送信する要求送信処理と、
前記要求送信処理で送信した前記画像要求に応じて前記ユーザ端末から送信された、前記お薬手帳の画像を受信する画像受信処理と、
前記画像受信処理で受信された前記お薬手帳の画像に基づく、前記購入希望者の常用薬情報を取得する情報取得処理と、
前記情報取得処理で取得された前記常用薬情報を符号化した常用薬コード情報を生成するコード生成処理と、
前記コード生成処理で生成された常用薬コード情報を随伴させた前記防災用品を対応する前記購入希望者へ発送する発送指示を出力する指示出力処理と、
を実行することを特徴とする災害時特化常備薬管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の災害時特化常備薬管理システムにおいて、
前記制御部は、前記情報取得処理において、
前記お薬手帳の画像を解析して前記常用薬情報の内容を自動認識する
ことを特徴とする災害時特化常備薬管理システム。
【請求項3】
請求項1記載の災害時特化常備薬管理システムにおいて、
前記制御部は、前記情報取得処理において、
前記お薬手帳の画像に対応した前記操作部での入力結果に基づき前記常用薬情報を取得する
ことを特徴とする災害時特化常備薬管理システム。
【請求項4】
請求項1記載の災害時特化常備薬管理システムにおいて、
前記制御部は、前記指示出力処理において、
前記防災サービス管理サーバに対し通信可能に接続された、配送業者端末に対し、前記発送指示を出力する
ことを特徴とする災害時特化常備薬管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災サービス管理サーバを含む災害時特化常備薬管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、お薬手帳の情報を読み取ることで顧客の服薬情報を管理する、服薬管理支援システムについて知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、病人がお薬手帳を常日頃から常時携帯しておくことは困難であり、また、突発的に生じる災害時に備え、ヘルメット等の防災用品にお薬手帳の内容を付属させるサービスがあれば便利であるが、そのような技術は従来存在しなかった。
【0005】
本発明の目的は、災害時に備え、ヘルメット等の防災用品にお薬手帳の内容を付属させるサービスを提供可能な災害時特化常備薬管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、防災用品の購入希望者のユーザ端末に対して通信可能に設けられ、操作部と、記憶部と、制御部と、を有し、かつ、前記防災用品に常用薬情報を付加する情報付加サービスを管理する防災サービス管理サーバを含む災害時特化常備薬管理システムであって、前記制御部は、前記ユーザ端末から、当該防災用品の購入申し込みを受け付ける購入受付処理と、前記ユーザ端末から、前記購入受付処理で購入申し込みを受け付ける前記防災用品に対する前記常用薬情報の付加希望を受け付ける付加受付処理と、前記ユーザ端末に向けての、前記購入希望者の保有するお薬手帳の画像要求を送信する要求送信処理と、前記要求送信処理で送信した前記画像要求に応じて前記ユーザ端末から送信された、前記お薬手帳の画像を受信する画像受信処理と、前記画像受信処理で受信された前記お薬手帳の画像に基づく、前記購入希望者の常用薬情報を取得する情報取得処理と、前記情報取得処理で取得された前記常用薬情報を符号化した常用薬コード情報を生成するコード生成処理と、前記コード生成処理で生成された常用薬コード情報を随伴させた前記防災用品を対応する前記購入希望者へ発送する発送指示を出力する指示出力処理と、を実行することを特徴としている。
【0007】
本願発明においては、ユーザ(購入希望者)は、ユーザ端末を介し、防災サービス管理サーバに対して防災用品の購入を申し込む。その申し込みは、防災サービス管理サーバの制御部が実行する購入受付処理において受け付けられる。そのようなオンラインによる購入申し込みの際、ユーザは、お薬手帳に記載されている情報(日頃からかかりつけの病院で処方され薬局で投薬を受けている常用薬情報)を当該防災用品に付加するオプションサービスを希望することができる。
ユーザ端末からそのような付加希望がなされると、上記制御部が実行する付加受付処理で受け付けられ、その後、要求送信処理において、お薬手帳の画像要求がユーザ端末へと送信される。
【0008】
これに対応してユーザが適宜の撮像手段(デジタルカメラ又はユーザ端末のカメラ機能等)により自らのお薬手帳のページを撮影し、画像をユーザ端末から送信すると、上記制御部が実行する画像受信処理において当該お薬手帳の画像が受信される。その後、受信された画像に基づく上記常用薬情報が、情報取得処理において取得される。この取得は、防災サービス管理サーバの制御部が自動的に公知の画像認識処理により取得してもよいし、上記画像に基づき防災サービス管理サーバの操作部を介してサーバ操作者が手動操作にて常用薬情報を入力しその入力結果を取得するようにしてもよい。
【0009】
取得された常用薬情報に基づき、制御部が実行するコード生成処理において、当該常用薬情報をバーコード等に符号化した常用薬コード情報が生成される。
その後、制御部が指示出力処理を行うことにより、上記生成した常用薬コード情報を随伴させた防災用品の発送が、対応するユーザに対して行われる。防災用品への随伴の手法としては、防災用品に常用薬コード情報を直接形成(刻印等)してもよいし、常用薬コード情報をシールにして防災用品に貼り付けてもよいし、常用薬コード情報をカード化して当該カードを防災用品のポケット等に収納したり取り付けるようにしてもよい。
【0010】
防災用品に対しこのような常用薬コード情報を随伴させることにより、災害発生時に、例えばユーザが怪我したり意識を失ったりして自らの常用薬を介護者・救助者に報知できない場合等においても、介護者・救助者が当該常用薬コード情報に対して適宜の読み取り手段にて読み取りを行うことで、当該ユーザの常用薬の種類・服薬すべき量などを知ることができる。
【0011】
なお、介護者・救助者による常用薬コード情報の読み取りによりお薬手帳に記載の内容そのものが直接当該介護者・救助者の携帯端末等に表示されるようにしてもよいし、読み取りにより防災サービス管理サーバへのアクセスが行われ、前述の情報取得処理において取得されて防災サービス管理サーバの記憶部(データベースなど)に記憶されていた常用薬情報が介護者・救助者の携帯端末等に送信されて表示されるようにしてもよい。
以上のようにして、本願発明によれば、防災用品におくすり手帳の内容を付属させるサービスを実現し、ユーザの利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、災害時に備え、ヘルメット等の防災用品にお薬手帳の内容を付属させるサービスを提供でき、ユーザは災害現場において適切な救護や介護を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る災害時特化常備薬管理システム(情報付加サービスシステム)の機能構成を示す概略的な機能ブロック図である。
【
図2】災害時特化常備薬管理システム(情報付加サービスシステム)のオンライン購入申し込み時における操作端末の画面の表示の一例を表す図である。図である。
【
図3】装着時における防災用ヘルメットの側面図(A)及び防災用ヘルメットの正面図(B)である。
【
図4】背面収納袋体及び保護カバーの一例の裏面図である。
【
図6】二次元バーコード情報に符号化された常用薬情報の内容を説明する概念図である。
【
図7】災害時特化常備薬管理システム(情報付加サービスシステム)において実行される各処理のフローを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本発明の技術的範囲を制限するものではない。したがって、当業者であれば下記の各構成要素を均等なものに置換した実施形態を採用することができ、それらについても本発明の技術的範囲に含まれる。また、以下の説明では、本発明の理解を容易にするため、重要でない公知の技術的事項の説明を適宜省略又は簡略化する。
【0015】
<システム構成>
図1に実施形態に係る情報付加サービスシステム(災害時特化常備薬管理システムの一例に相当)の機能構成を示す概略的な機能ブロック図を示す。本実施形態の情報付加サービスシステムは、例えばユーザ保有のスマートフォンからなる操作端末10と、情報付加サービスの運営会社の管理するサービス管理サーバ20と、防災用品を管理し配送する防災用品会社が管理するメーカ配送サーバ30と、を有する。なお、操作端末10がユーザ端末の一例に相当する。サービス管理サーバ20が防災サービス管理サーバの一例に相当する。メーカ配送サーバ30が配送業者端末の一例に相当する。
【0016】
サービス管理サーバ20及びメーカ配送サーバ30のそれぞれは、例えばインターネット等の通信ネットワーク2を介して、情報付加サービスを利用するユーザが所有、使用する操作端末10との間で、またサービス管理サーバ20及びメーカ配送サーバ30どうしの間で各種の情報を送受可能となっている。
【0017】
操作端末10は、いわゆるスマートフォン、タブレット端末、もしくはデスクトップ型又はノート型の汎用パーソナルコンピュータを利用できる。操作端末10は、特定のWEBサイト上からインターネットを介してサービス管理サーバ20の制御部21と情報送受を行う。このとき、サービス管理サーバの記憶部23に記憶されたアプリケーションプログラム(アプリ)を介して情報送受を行ってもよい。もしくは、予めサービス管理サーバ20からダウンロードし、インストールしたアプリケーションプログラム(アプリ)を利用してサービスサーバ20との間の情報送受を行ってもよい。
図1の防災サービスプログラム25がアプリケーションプログラムの一例である。
【0018】
本実施形態において、サービス管理サーバ20は、防災用品に常用薬情報を付加する情報付加サービスを提供する事業者(以下「サービス会社」という。)が運用するサーバである。サービス管理サーバ20は、顧客に関する情報を記憶したデータベース22を備えている。メーカ配送サーバ30は、防災用品の在庫管理及び配送を行うメーカ配送会社等が運用するサーバである。本実施形態の例では、メーカ配送サーバ30は、サービス会社と送受した情報や過去の配達履歴等に関する情報を記憶したデータベース32を備えている。
【0019】
<操作端末について>
操作端末10は、CPU、ROM、RAM、HDD、フラッシュメモリ、通信インタフェース等で構成されるスマートフォン、タブレット端末、もしくはデスクトップ型又はノート型の汎用パーソナルコンピュータ等の端末であり、通信制御処理、アプリケーション表示処理、WEBサイト表示処理、各種の情報処理を実行する制御部12(制御手段)を有している。
【0020】
操作端末10は、さらに、ディスプレイ等の表示部11(表示手段)と、ユーザによって操作される操作部13(操作手段)と、防災サービスプログラム25を含む各種のプログラム等を記憶することができる記憶部14とを少なくとも備えている。操作端末10がスマートフォンやタブレット端末である場合、表示部11及び操作部13は、特にタッチパネルとして機能する。
【0021】
<各サーバについて>
サービス管理サーバ20及びメーカ配送サーバ30は、それぞれCPU、ROM、RAM、HDD、フラッシュメモリ、通信インタフェース等で構成されるコンピュータであり、上述した各データベース22、32と併せて通信制御処理、アプリケーション表示処理、WEBサイト表示処理、各種の情報処理を実行する制御部21、31を有している。
【0022】
サービス管理サーバ20が備えるデータベース22は、制御部21が防災サービスプログラムを実行するために必要な各種情報を記憶するデータベースである。データベース22は、例えば契約中のユーザに関する情報(ユーザの個人情報、ユーザの契約情報、ユーザの服薬情報及び持病やかかりつけの病院等に関する情報等)、配送会社に関する情報が記憶されている。
【0023】
メーカ配送サーバ30が備えるデータベース32は、配送指示を送信するサービス会社に関する情報や、過去の配達履歴等に関する情報が記憶されている。
【0024】
<操作端末10に表示される画面について>
次に、情報付加サービスのオンライン購入申し込み時に、操作端末10に表示される具体的な画面の表示例と、当該画面におけるユーザの操作内容等について説明する。
【0025】
本実施形態の例では、ユーザが操作端末10を操作し、防災用品の購入を受け付けるWEBサイトにアクセスすると、表示部11には、
図2に示すような防災用品の商品リストが表示される。ここでは、購入できる防災用品として、防災用ヘルメットの例について説明するが、ヘルメット以外の防災用品でもかまわない。
【0026】
表示部11に表示された「大人用ブラック」、「大人用ホワイト」、「子供用ブルー」、「子供用ピンク」の4つは情報付加サービスが付随していない商品であり、購入した場合、防災ヘルメットのみが配送されてくる。「大人用常用薬管理アフターフォロー付(白色のみ)」、「子供用常用薬管理アフターフォロー付(ブルー)」、「子供用常用薬管理アフターフォロー付(ピンク)」の3つは、防災ヘルメットに、情報付加サービスがオプションとして付随された商品であり、防災ヘルメットに、口述する二次元バーコード情報が付加される。これらのオプションが付随された商品の左に配置されたチェックボックスに所定操作によりレ点を入力し、サービスサーバ20に送信することで、情報付加サービスのオプションが付随した防災用品の購入を申し込むことができる。
【0027】
<防災用ヘルメット>
図3、
図4及び
図5を用いて本実施形態に係る防災用ヘルメット100の一例を説明する。
図3において、防災用ヘルメット100は、利用者の頭部を覆うように適宜キャップ状に成形された合成樹脂製のヘルメット本体110と、顧客の常用薬情報を符号化した二次元バーコード情報200とを備える。二次元バーコード情報200は常用薬コード情報の一例である。この例では二次元バーコード情報200はシールに印刷されヘルメット本体110の正面に貼り付けられている。
【0028】
二次元バーコード情報200は災害時に救助者から見てわかりやすい場所に配置されることが好ましいが、配置箇所は特に限定されず、任意の場所に配置することができる。二次元バーコード情報200は、防災ヘルメットに直接刻印(印字)されていてもよい。また、二次元バーコード情報200をカード等に印刷し、ヘルメット本体110に別途設けた収納ケースやカバー内部に収納するようにしてもよい。
【0029】
この例では、防災用ヘルメット100は、さらにヘルメット本体110の背面側に着脱可能な背面収納袋体120と、利用者の耳部を覆う左右一対の側面収納袋体130と、を備える。また、ヘルメット本体110の内側下端には、後部被装着部111と、側面被装着部112とが接着される。ヘルメット本体110に対して、背面収納袋体120は装着部121を介して着脱可能に取り付けられ、ヘルメット本体110に対して、側面収納袋体130は装着部131を介して着脱可能に取り付けられる。後部被装着部111、側面被装着部112、装着部121、装着部131は互いに係合可能な面ファスナーやボタン等を含み構成される。
【0030】
図4に示すように、背面収納袋体120は、後部被装着部111に取り付けられる装着部121と、ヘルメット本体100を装着した際に身体外側に位置するとともに、身体左右の一方側(
図3において左手側)に収納口122を備える第1収納部123と、
図5に示すように、ヘルメット本体110を装着した際に身体内側に位置するとともに、身体下方側である下端側に収納口124を備える第2収納部125と、を備える。
【0031】
第2収納部125には、非使用時には保護カバー126が適宜巻き取り状態或いは折り畳み状態等によって収納され、使用時には下向きの収納口124から引き出されて展開状態で使用できるようになっている。
保護カバー126には、難燃性又は不燃性を備える生地を用いるのが好ましい。
また、保護カバー126は、展開状態における利用者の身体面側に、少なくとも1つ以上の小物収納部(
図2では上下左右の4か所)127を設けることができ、小物収納部127には、ユーザの常備薬等が収納されるようになっている。
【0032】
側面収納袋体130は、側面被装着部112に取り付けられる装着部131と、上方に開口する収納部本体132とを備える。側面収納袋体130は耳の外側を保護する観点から厚手の生地等で構成されることが好ましい。
【0033】
この例では、ヘルメット本体110に取り付け可能な保護カバー126に常用薬を収納している防災ヘルメット100について説明したが、防災ヘルメット100はこのような構成に限られず、ヘルメット本体110と、二次元バーコード情報200とを備える防災ヘルメットであれば、どのようなものであってもよい。
【0034】
図6に二次元バーコード情報200に符号化された常用薬情報の内容を説明する概念図を示す。防災ヘルメット100に貼り付けられた二次元バーコード情報200には、ユーザのお薬手帳300から読み取られたユーザの常用薬情報が符号化されている。前記常用薬情報は、例えばユーザが操作端末10に内蔵されたカメラでお薬手帳300の任意のページの所定領域を撮影してサービス会社に送信し、サービス会社がこれを画像認識により自動もしくは担当スタッフより手動で読み取って記録した情報から、二次元バーコード情報200として符号化する。
【0035】
この図では、例えばユーザが現在服用している常用薬情報である「●●フェタミン3錠/日、□□□カプセル2カプセル/日、△△漢方顆粒3包/日」が二次元バーコード情報200に符号化されている。これ以外にも、ユーザの持病名やかかりつけの病院名や連絡先等の情報についても、符号化されていてもよい。また、二次元バーコード情報200として、サービス会社の連絡先となるウェブサイトへのURLが符号化されていてもよい。
【0036】
<処理フローについて>
次に、情報付加サービスシステムにおいて実行される各処理でのフローを、
図7を参照しつつ説明する。以下の処理は、ユーザにより操作端末10が操作されサービス会社が提供する防災用品のオンライン購入サイトに接続することにより開始される。この時、サービス管理サーバ20の防災サービスプログラム25が必要に応じて起動する。
【0037】
ステップS1において、サービス管理サーバ20の制御部21は、操作端末10の制御部12に、防災用品の購入申込画面の表示信号を出力する。
【0038】
ステップS2において、操作端末10の制御部12は、操作端末10の表示部11に、
図2で説明したような、防災用品の購入申込画面を表示する。
【0039】
ステップS3において、操作端末10の制御部12は、ユーザの所定操作を介して、表示部11において防災ヘルメットの購入申し込みが行われた場合、これをサービス管理サーバ20に送信する。
【0040】
ステップS4において、サービス管理サーバ20の制御部21は、ステップS3においてユーザ端末10から送信された防災ヘルメットの購入申し込みを受け付ける。このS4で制御部21が実行する処理が購入受付処理の一例である。
【0041】
ステップS5において、操作端末10の制御部12は、ステップS4で購入申し込みを受け付けた防災ヘルメットに情報付加サービスがオプションとして追加されているか否かを判定し、追加されている(Yes判定)場合はステップS6に移行する。追加されていない(No判定)場合は、S16に移行する。
【0042】
ステップS6において、操作端末10の制御部12は、お薬手帳情報の付加申し込み通知(常用薬情報の付加希望通知)をサービス管理サーバ20の制御部21に送信する。
【0043】
ステップS7において、サービス管理サーバ20の制御部21は、ステップS5で購入申し込みを受け付けた防災ヘルメットに対するお薬手帳情報の付加申し込み(常用薬情報の付加希望)を受け付ける。このステップS7で制御部21が実行する処理が付加受付処理の一例である。
【0044】
ステップS8において、サービス管理サーバ20の制御部21は、ユーザ端末10の制御部12に向けて、購入希望者の保有するお薬手帳300の画像要求を送信する。この時、例えばユーザ端末10の表示部11には、「お客様のお薬手帳の最新ページを撮影して画像をお送りください」等のメッセージが表示される。このステップS8において制御部21が実行する処理が要求送信処理の一例である。
【0045】
ステップS9において、ユーザ端末10の制御部12は、前記メッセージに応じて、ユーザの所定操作を介して撮影されたお薬手帳300の画像を、サービス管理サーバ20の制御部21に送信する。
【0046】
ステップS10において、サービス管理サーバ20の制御部21は、ステップS9でユーザ端末10から送信された、お薬手帳300の画像を受信する。このステップS10で制御部21が実行する処理が画像受信処理の一例である。
【0047】
ステップS11において、サービス管理サーバ20の制御部21は、所定の画像解析手段により、ステップS10で受信したお薬手帳300の画像から購入希望者の常用薬情報を自動認識して取得する。なお、お薬手帳300の画像や、追加の情報入力欄等に基づく手動入力により、常用薬情報を取得してもよい。このステップS11で制御部21が実行する処理が、情報取得処理の一例である。
【0048】
ステップS12において、サービス管理サーバ20の制御部21は、ステップS11で取得された常用薬情報を符号化した二次元バーコード情報200を生成する。二次元バーコード情報200が常用薬コード情報の一例である。このステップS12で制御部21が実行する処理がコード生成処理の一例である。
【0049】
ステップS13において、サービスサーバ20の制御部21は、ステップS12で生成した二次元バーコード情報200をメーカ配送サーバ30の制御部31に送信する。
【0050】
ステップS14において、メーカ配送サーバ30の制御部31は、ステップS13で送信された二次元バーコード情報200を受信する。
【0051】
ステップS15において、メーカ配送サーバ30の制御部31は、ステップS14で受信した二次元バーコード情報200を印刷したシールを形成する。
【0052】
ステップS16において、ユーザ端末10の制御部12は、ユーザの所定操作を介して、購入確認の最終確認をサービス管理サーバ20の制御部21に送信する。
【0053】
ステップS17において、サービス管理サーバ20の制御部21は、メーカ配送サーバ30の制御部31に、ステップS12で生成された二次元バーコード情報200を随伴させた防災ヘルメット100を対応するユーザへ発送する発送指令を送信する。このステップS17で制御部21が実行する処理が指示出力処理の一例である。
【0054】
メーカ配送サーバ30の制御部31は、ステップS17で送信された配送指令を受信すると、購入申し込みされた所定のヘルメット本体100に、対応する二次元バーコード情報200を印刷したシールを貼り付けた防災ヘルメット100を、対応するユーザに配送する。そして、このフローを終了する。
【0055】
なお、メーカ配送会社を介さず、サービス会社が、防災用品の管理や発送を行ってもかまわない。この場合、上述したステップS17で実行される指示出力処理において、サービス管理サーバ20の制御部21は、自社内で配送業務を取り行う配送部署の操作端末等に前記発送指令を送信し、前記配送部署の担当者が、前記二次元バーコード情報200を印刷し、これを貼り付けた防災ヘルメット100を、ユーザに発送する。
【0056】
また、サービス会社が、防災用品の管理を行い、配送のみを、配送業者に委託してもかまわない。この場合、サービス会社が自社で管理するヘルメット本体110に前記二次元バーコード情報200を印刷したシールを貼り付けたうえで、上述したステップS17で実行される指示出力処理において、サービス管理サーバ20の制御部21が、配送業者の操作端末等に前記発送指令を送信すると、前記配送業者は防災ヘルメット100を適宜集荷したのち、ユーザに発送する。
【0057】
<本実施形態による効果>
本実施形態においては、ユーザ(購入希望者)は、ユーザ端末10を介し、サービス管理サーバ20に対して防災ヘルメット100の購入を申し込む。その申し込みは、サービス管理サーバ20の制御部21が実行する購入受付処理(S4)において受け付けられる。そのようなオンラインによる購入申し込みの際、ユーザは、お薬手帳300に記載されている情報(日頃からかかりつけの病院で処方され薬局で投薬を受けている常用薬情報)を当該防災ヘルメット100に付加するオプションサービスを希望することができる。
【0058】
ユーザ端末10からそのような付加希望がなされると、上記制御部21が実行する付加受付処理(S7)で受け付けられ、その後、要求送信処理(S8)において、お薬手帳300の画像要求がユーザ端末へと送信される。
これに対応してユーザが適宜の撮像手段(デジタルカメラ又はユーザ端末10のカメラ機能等)により自らのお薬手帳300のページを撮影し、画像をユーザ端末10から送信すると、上記制御部21が実行する画像受信処理(S10)において当該お薬手帳の画像が受信される。その後、受信された画像に基づく上記常用薬情報が、情報取得処理(S11)において取得される。この取得は、サービス管理サーバ20の制御部21が自動的に公知の画像認識処理により取得してもよいし、上記画像に基づきサービス管理サーバ20の操作部24を介してサーバ操作者が手動操作にて常用薬情報を入力しその入力結果を取得するようにしてもよい。
【0059】
取得された常用薬情報に基づき、制御部21が実行するコード生成処理(S12)において、当該常用薬情報をバーコード等に符号化した二次元バーコード情報200が生成される。
その後、制御部21が指示出力処理(S17)を行うことにより、上記生成した二次元バーコード情報200を随伴させた防災ヘルメット100の発送が、対応するユーザに対して行われる。防災ヘルメット100への随伴の手法としては、防災用品に二次元バーコード情報200を直接形成(刻印等)してもよいし、二次元バーコード情報200をシールにして防災ヘルメット100に貼り付けてもよいし、二次元バーコード情報200をカード化して当該カードを防災ヘルメット100のポケット等に収納したり取り付けるようにしてもよい。
【0060】
防災ヘルメット100に対しこのような二次元バーコード情報200を随伴させることにより、災害発生時に、例えばユーザが怪我したり意識を失ったりして自らの常用薬を介護者・救助者に報知できない場合等においても、介護者・救助者が二次元バーコード情報200に対して適宜の読み取り手段にて読み取りを行うことで、当該ユーザの常用薬の種類・服薬すべき量などを知ることができる。
【0061】
なお、介護者・救助者による二次元バーコード情報200の読み取りによりお薬手帳に記載の内容そのものが直接当該介護者・救助者の携帯端末等に表示されるようにしてもよいし、読み取りによりサービス管理サーバ20へのアクセスが行われ、前述の情報取得処理(S11)において取得されてサービス管理サーバ20の記憶部23(データベースなど)に記憶されていた常用薬情報が介護者・救助者の携帯端末等に送信されて表示されるようにしてもよい。
【0062】
以上のようにして、本実施形態によれば、防災ヘルメット100にお薬手帳300の内容を付属させるサービスを実現し、ユーザの利便性を向上することができる。
【0063】
また、本実施形態で説明したように、防災ヘルメット100に少量の常用薬そのものが予め収納されている場合に、上記のように二次元バーコード情報200の読み取りを行うことで、その収納されている常用薬がほんとうに正しいものなのかどうか、の答え合わせをすることもできる。例えば災害時にユーザが気を失って倒れているとき、ユーザのヘルメットのすぐ近くに薬が落ちていたからと言ってそのユーザ本人の常用薬とは限らないし、ヘルメットのポケットに薬が入っていたとしても本人の勘違いで誤った薬が入っている可能性もある。この場合は、上記防災ヘルメット100に随伴させる二次元バーコード情報200は、介護者・救助者が、防災用品の収納部に収納された常用薬の正誤をチェック(判定)するための答え合わせ情報として機能することになる。
【0064】
また、本実施形態の情報取得処理(S11)において、取得されたお薬手帳300の画像がサービス管理サーバ20により自動認識される場合は特に、サーバ操作者がいちいち手入力で操作入力する手間を省略でき、誤入力の恐れもない。
【0065】
また、本実施形態の情報取得処理(S11)において、取得されたお薬手帳300の画像等に基づき手動入力で常用薬情報を取得する場合には、取得されたお薬手帳300の画像の内容をそのまま記録するのでなく、サーバ操作者により、適宜の情報の取捨選択や詳細情報・補足情報等の追加入力を行うことができる。
【0066】
また、本実施形態では特に、配送業者端末への指示出力処理(S17)を実行することにより、常用薬情報に対応した二次元バーコードの生成業務と、防災用品の配送業務とを切り分けることで、サービス実行時の効率を向上することができる。
【0067】
なお、上述したステップは一例であって、上記ステップの少なくとも一部を削除又は変更してもよいし、上記以外のステップを追加してもよい。また、上記ステップの少なくとも一部の順番を変更してもよいし、複数のステップが単一のステップにまとめられてもよい。
【0068】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0069】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0070】
10 操作端末(ユーザ端末の一例)
11 表示部
12 制御部
13 操作部
14 記憶部
20 サービス管理サーバ
21 制御部
22 データベース
23 記憶部
24 操作部
30 メーカ配送サーバ
25 防災サービスプログラム
31 制御部
32 データベース
100 防災用ヘルメット
110 ヘルメット本体
111 後部被装着部
112 側面被装着部
120 背面収納袋体
121 装着部
122 収納口
123 第1収納部
124 収納口
125 第2収納部
126 保護カバー
127 小物収納部
130 側面収納袋体
131 装着部
132 収納部本体
200 二次元バーコード情報
300 お薬手帳
【要約】
【課題】災害時に備え、ヘルメット等の防災用品にお薬手帳の内容を付属させるサービスを提供する。
【解決手段】
ユーザ端末10から、防災用品の購入申し込みを受け付ける購入受付処理(S4)と、ユーザ端末10から、前記防災用品に対する常用薬情報の付加希望を受け付ける付加受付処理(S7)と、ユーザ端末10にお薬手帳の画像要求を送信する要求送信処理(S8)と、ユーザ端末10から送信された、お薬手帳の画像を受信する画像受信処理(S10)と、前記お薬手帳の画像に基づく、購入希望者の常用薬情報を取得する情報取得処理(S11)と、前記常用薬情報を符号化した常用薬コード情報を生成するコード生成処理(S12)と、前記常用薬コード情報を随伴させた防災用品を対応する購入希望者へ発送する発送指示を出力する指示出力処理(S17)とを実行することを特徴とする防災サービス管理サーバ20を有する。
【選択図】
図7