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特許7421851装置を利用して二枚貝類幼体の変態を遅延させる方法
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  • 特許-装置を利用して二枚貝類幼体の変態を遅延させる方法 図1
  • 特許-装置を利用して二枚貝類幼体の変態を遅延させる方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】装置を利用して二枚貝類幼体の変態を遅延させる方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 61/54 20170101AFI20240118BHJP
【FI】
A01K61/54
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023083540
(22)【出願日】2023-05-20
(65)【公開番号】P2023174575
(43)【公開日】2023-12-07
【審査請求日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】202210575558.7
(32)【優先日】2022-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520057601
【氏名又は名称】中国水産科学研究院黄海水産研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100188776
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉男
(72)【発明者】
【氏名】杜美栄
(72)【発明者】
【氏名】▲しょう▼増傑
(72)【発明者】
【氏名】呉彪
(72)【発明者】
【氏名】姜▲うぇい▼▲うぇい▼
(72)【発明者】
【氏名】房景輝
(72)【発明者】
【氏名】高亜平
(72)【発明者】
【氏名】▲りん▼凡
(72)【発明者】
【氏名】李瑞環
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-078438(JP,A)
【文献】特開2018-042505(JP,A)
【文献】特開2015-112066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 61/00 ー 63/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置を利用して二枚貝類幼体の変態を遅延させる方法であって、
前記装置は、幼生培養槽、温度制御槽及び温度制御システム、タイミング給餌モジュール、タイミング水交換モジュール、スクロール遅延変態モジュール及び汚物排出モジュールを備え、
前記幼生培養槽は、円筒状バレル(1)であり、円筒形バレル(1)を移動するための把持ハンドル(2)及び地面に配置された立脚(3)が設けられており、
スクロール遅延変態モジュールは、ガス充填ポンプ(4)、ガス充填管(5)及び調整弁(6)を備え、
円筒状バレル(1)は水平に配置され、ガス充填管(5)は、一端がガス充填ポンプ(4)に接続され、他端が円筒状バレル(1)の内部に延伸し、円筒状バレル(1)の内部側壁に沿って一端から他端まで延伸し、
ガス充填管(5)は、円筒状バレル(1)内壁側に向かってガス充填管(5)の軸方向に沿って配列された排気孔(7)が設けられ、
排気孔(7)から出た気泡は、円筒状バレル(1)の内部側壁に沿って頂部まで上昇し、絶え間なくガスが充填されると、円筒状バレル(1)の内部で円筒状バレル(1)の周方向に沿って回転する渦流を形成し、渦流は、幼生がバレルの壁を匍匐前進する機会を減少させ、幼生の匍匐期間を延長し、幼生の変態を遅延させ、
円筒状バレル(1)の頂部には、円筒状バレル内の幼体を観察したり、幼体を出し入れしたり、円筒状バレル(1)の内部を洗浄したりするための、開閉可能な観察口(25)が設けられ、
前記タイミング水交換モジュールは、濾過海水槽(14)、第2の蠕動ポンプ(15)、第2のタイミングスイッチ(16)、水交換給水管(17)、第1の出水口(18)、排水管(24)及び取り外し可能な出水口篩板(19)を備え、
濾過海水槽(14)、第2の蠕動ポンプ(15)及び第2のタイミングスイッチ(16)は、水交換給水管(17)を介して円筒状バレル(1)内に順次連通され、
円筒状バレル(1)の側壁には、第1の出水口(18)が設置され、第1の出水口(18)には、取り外し可能な出水口篩板(19)が設置され、弁が設置されている排水管(24)は、第1の出水口(18)に接続され、
水を交換する時、弁を開いて円筒形バレル(1)内部から水を流出させ、取り外し可能な出水口篩板(19)で貝類幼生が水と共に流出することを防止し、
水モジュールは、汚物排出漏斗口(20)、汚物排出管(21)及び汚物排出弁(22)を備え、
前記汚物排出漏斗口(20)は、円筒状バレル(1)の側壁に設置され、使用状態の時に円筒形バレル(1)の底部に位置して汚物排出管(21)に接続され、汚物排出管(21)には汚物排出弁(22)が設けられており、
前記方法は、前記装置を一体に接続し、円筒状バレル(1)に水を入れ、スクロール遅延変態モジュールを開き、気泡が排気孔(7)から出て円筒状バレル(1)の内部側壁に沿って頂部まで上昇し、絶え間なくガスが充填されると、円筒状バレル(1)の内部で円筒状バレル(1)の周方向に沿って回転する渦流を形成することによって、温度を通常の培養温度よりも5~8℃低くなるように培養水温を調整し、貝類幼生を、観察口(25)を通じて円筒状バレル(1)内に入れ、タイミング給餌モジュールを設定して、幼生にタイミングよく給餌し、タイミング水交換モジュールを設定して、水を交換する時、第2の蠕動ポンプ(15)の回転速度を50回転/min以下に設定することによって、水交換給水管(17)と第1の出水口(18)の流速を下げ、培養槽内の渦流速を増加させることに合せて、幼生のスクリーン口への堆積を減少させる目的を達成し、培養時間が長くなると、内部に糞便や排泄されたアンモニア態窒素などの物質が増加すると、下部の漏斗型汚物排出弁(22)を開いて汚物排出処理を行うことを特徴とする装置を利用して二枚貝 幼体の変態を遅延させる方法。
【請求項3】
前記装置は、微細藻類培養ボトル(10)と、タイミングスイッチと、第1の蠕動ポンプ(12)とを含むタイミング給餌モジュールをさらに備え、
前記微細藻類培養ボトル(10)は、接続管(13)を介してタイミングスイッチと第1の蠕動ポンプ(12)に順次接続され、最後に円筒状バレル(1)の内部に入り、
消毒滅菌された第1の蠕動ポンプ(12)管は、微細藻類培養ボトル(10)に接続され、第1の蠕動ポンプ(12)の開閉時間は第1のタイミングスイッチ(11)により設定され、異なる養殖品種、異なる養殖段階の貝類の給餌量に応じて開閉機の時間を設定することを制御し、タイミングよく幼生培養槽内に餌をポンピングすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物試験装置分野に属し、具体に、装置を利用して二枚貝類幼体の変態を遅延させる方法に関する。
【従来技術】
【0002】
二枚貝類(二重殻貝類ともいう)は中国の重要な近海養殖品種であり、養殖生産量は中国の海水養殖生産量の63.38%を占め、中国の海水貝類養殖生産量の91.44%(漁業統計年鑑、2021)を占め、大量の種苗の取得は規模化養殖に貢献している。二枚 貝類幼生(幼虫ともいう)発生は、浮遊生活期と底生生活期を経過する。二枚貝類は卵生型であり、卵の発育から稚貝になるまでそれぞれ胚期、浮遊幼生期及び付着変態期を経験する。胚期及び浮遊幼生はいずれも海水中で浮遊生活し、異なる種類によって浮遊時間は数日から20数日まで様々である。二枚貝類幼生は培養プロセスにおいて、環境変化に敏感であり、常にいくつかの物理化学パラメータの変化により、幼体の大量の死亡を招く。胚、幼体の適切な環境パラメータ、幼体の基本生物学に対する研究は、水産養殖生産、科学研究作業にとって極めて重要である。海洋生物科学研究者にとって、十分に状態が良好な幼体を取得することは、科学研究実験を行う第一歩である。しかし、幼体生物学的習性の制限にとらわれ、浮遊幼体を得れる時間がわずか数日から10日程度に限られ、もしその年の実験が順調でなければ、ほとんど実験を繰り返したり、実験バッチを増やしたり、実験の方向を調整したりすることができず、次の年の繁殖季節を待ってこそ十分な実験用の幼体材料を有することができる。実験材料を取得する面倒は、二枚貝類幼生の科学研究作業に対して非常に不利であり、多くの科学研究作業を順調に展開することができず、科学研究の進展を深刻に阻害する。したがって、自動化され、温度制御でき、二枚貝類の幼体を取得するための培養時間を延長でき、変態を遅延させる培養装置を開発する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的課題は、装置を利用して二枚貝類幼体の変態を遅延させる方法を提供することである。前記装置は、温度を自動に制御し、タイミングよく自動的に給餌し、水を交換し、槽壁に沿って内部に渦巻流を形成する等、幼生培養期間の自動化制御を実現し、作業負担を軽減し、幼生培養時間を延長することができ、幼生の変態を遅延させ、幼生の実験材料を取得する期間を延長する目的を達成できる。
【0004】
本発明は、以下の技術的解決策により実施される。
【0005】
二枚貝類幼体の変態を遅延させる装置において、前記装置は、幼生培養槽、温度制御槽及び温度制御システム、タイミング給餌モジュール、タイミング水交換モジュール、スクロール遅延変態モジュール及び汚物排出モジュールを備える。
【0006】
前記幼生培養槽は、円筒状バレルであり、円筒形バレルを移動するための把持ハンドル及び地面に配置された立脚が設置されている。
【0007】
スクロール遅延変態モジュールは、ガス充填ポンプ、ガス充填管及び調整弁を備える。円筒状バレルは水平に配置され、ガス充填管は、一端がガス充填ポンプに接続され、他端が円筒状バレルの内部に延伸し、円筒状バレルの内部側壁に沿って一端から他端まで延伸する。ガス充填管は、円筒状バレルの内壁側からガス充填管の軸方向に沿って配列された排気孔が設けられる。排気孔から出た気泡は、円筒状バレルの内部側壁に沿って頂部まで上昇し、絶え間なくガスが充填されると、円筒状バレルの内部で円筒状バレルの周方向に沿って回転する渦流を形成し、渦流は、幼生がバレルの壁を匍匐前進する機会を減少させ、幼生の匍匐期間を延長し、幼生の変態を遅延させる。
【0008】
さらに、前記装置は、円筒状スリーブと、給水管と、排水管と、循環水温度制御器とを含む温度制御システムをさらに備える。円筒状スリーブバレルは、円筒状バレルの外周に被覆され、排水管は、循環水温度制御器の給水口に接続され、給水管は、循環水温度制御器の排水口に接続される。水は、円筒状バレルの底部から排水管を通って出てきて、循環水温度制御器に入って昇温された後、給水管に入り、最後に円筒状バレルに流れ込む。
【0009】
さらに、前記装置は、微細藻類培養ボトルと、タイミングスイッチと、第1の蠕動ポンプとを含むタイミング給餌モジュールをさらに備える。微細藻類培養ボトルは、接続管を介してタイミングスイッチと第1の蠕動ポンプに順次接続され、最後に円筒状バレルの内部に入る。消毒滅菌された第1の蠕動ポンプ管は、微細藻類培養ボトルに接続され、第1の蠕動ポンプの開閉時間は第1のタイミングスイッチにより設定され、異なる養殖品種、異なる養殖段階の貝類の給餌量に応じて開閉機の時間を設定することを制御し、タイミングよく幼生培養槽内に餌をポンピングする。
【0010】
また、前記装置は、濾過海水槽、第2の蠕動ポンプ、第2のタイミングスイッチ、水交換給水管、第1の出水口、排水管及び取り外し可能な出水口篩板を含むタイミング水交換モジュールをさらに備える。濾過海水槽、第2の蠕動ポンプ及び第2のタイミングスイッチは、水交換給水管を介して円筒状バレル内に順次連通され、円筒状バレルの側壁には、第1の出水口が設置され、第1の出水口には、取り外し可能な出水口篩板が設置され、弁が設置されている排水管は、第1の出水口に接続される。水を交換する時、弁を開いて円筒形バレル内部から水を流出させ、取り外し可能な出水口篩板で貝類幼生が水と共に流出することを防止する。
【0011】
また、前記汚物排出モジュールは、汚物排出漏斗口(20)、汚物排出管(21)及び汚物排出弁(22)を備える。汚物排出漏斗口は、円筒状バレルの側壁に設置され、使用状態時に円筒形バレルの底部に位置して汚物排出管に接続され、汚物排出管には、汚物排出弁が設けらている。前記汚物排出モジュールは、幼生の培養時間が長くなると、内部に糞便や排泄されたアンモニア態窒素などの物質が増加するのを降下するために、使用する際には、下部の漏斗型汚物排出弁を開いて汚物排出処理を行う。
【0012】
また、円筒状バレルの頂部には、円筒状バレル内の幼体を観察したり、幼体を出し入れしたり、円筒状バレルの内部を洗浄したりするための、開閉可能な観察口が設けられている。
【0013】
本発明は、前記装置の使用方法をさらに提供する。前記装置を一体に接続し、円筒状バレルに水を入れ、スクロール遅延変態モジュールを開き、気泡が排気孔から出て円筒状バレルの内部側壁に沿って頂部まで上昇し、絶え間なくガスが充填されると、円筒状バレルの内部で円筒状バレルの周方向に沿って回転する渦流を形成することによって、温度を通常の培養温度よりも5~8℃低くなるように培養水温を調整し、貝類幼生を、観察口を通じて円筒状バレル内に入れ、タイミング給餌モジュールを設定して、幼生に対してタイミングよく給餌する。タイミング水交換モジュールを設定し、水を交換する時、第2の蠕動ポンプの回転速度を50回転/min以下に設定することによって、水交換給水管と第1の出水口の流速を下げ、培養槽内の渦流速を増加させることに合わせて、幼生のスクリーン口への堆積を減少させる目的を達成し、培養時間が長くなると、内部糞便や排泄されたアンモニア態窒素などの物質が増加すると、下部の漏斗型汚物排出弁を開いて汚物排出処理を行う。
【0014】
従来技術と比較して本発明の有益な効果
本発明の装置は、幼生の匍匐期間を延長し、変態を遅延させ、幼生の実験材料を取得する時間を延長することができる。また、温度制御が正確で、使用しやすく、幼生の生存率を向上させ、培養された幼生の活性度が高く、摂食状態が良好で、次ステップの実験の展開に役立つ。また、本発明の装置は、自動化程度が高く、人の関与度を低下させ、作業負担を軽減少させ、人力を節約し、同時に集積度が高く、携帯や輸送が便利である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明における装置の正面図である。
図2】本発明における装置の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の技術的解決策を実施例によりさらに説明するが、本発明の保護範囲は、実施例による何らかの形式で制限されることはない。
【0017】
実施例1
図1及び図2に示すように、二枚貝類幼体の変態を遅延させる装置において、前記装置は、幼生培養槽、温度制御槽及び温度制御システム、タイミング給餌モジュール、タイミング水交換モジュール、スクロール遅延変態モジュール及び汚物排出モジュールを備える。
【0018】
幼生培育槽は、直径が20~40cmで、長さが30~60cmの円筒形バレル1をであり、円筒形バレル1を移動するための把持ハンドル2及び地面に配置された立脚3が設置されている。
【0019】
スクロール遅延変態モジュールは、ガス充填ポンプ4、ガス充填管5及び調整弁6を備える。円筒状バレル1は水平に配置され、ガス充填管5は、一端がガス充填ポンプ4に接続され、他端が円筒状バレル1の内部に延伸し、円筒状バレル1の内部側壁に沿って一端から他端まで延伸する。ガス充填管5は、円筒状バレル1の内壁側に向かってガス充填管5の軸方向に沿って配列された排気孔7が設けられる。排気孔7から出た気泡は、円筒状バレル1の内部側壁に沿って頂部まで上昇し、絶え間なくガスが充填されると、円筒状バレル1の内部で円筒状バレル1の周方向に沿って回転する渦流を形成し、渦流は、幼生がバレルの壁を匍匐前進する機会を減少させ、幼生の匍匐期間を延長し、幼生の変態を遅延させる。
【0020】
前記装置は、円筒状スリーブと、給水管23と、排水管8と、循環水温度制御器9とを含む温度制御システムをさらに備える。円筒状スリーブバレルは、円筒状バレル1の外周に被覆され、排水管8は、循環水温度制御器9の給水口に接続され、給水管23は、循環水温度制御器9の排水口に接続される。水は、円筒状バレル1の底部から排水管8を通って出てきて、循環水温度制御器9に入って昇温された後、給水管23に入り、最後に円筒状バレル1に流れ込む。
【0021】
前記装置は、微細藻類培養ボトル10と、タイミングスイッチと、第1の蠕動ポンプ12とを含むタイミング給餌モジュールをさらに備える。微細藻類培養ボトル10は、接続管13を介してタイミングスイッチと第1の蠕動ポンプ12に順次接続され、最後に円筒状バレル1の内部に入る。消毒滅菌された第1の蠕動ポンプ12管は、微細藻類培養ボトル10に接続され、第1の蠕動ポンプ12の開閉時間は第1のタイミングスイッチ11により設定され、異なる養殖品種、異なる養殖段階の貝類の給餌量に応じて開閉機の時間を設定することを制御し、タイミングよく幼生培養槽内に餌をポンピングする。
【0022】
前記装置は、濾過海水槽14、第2の蠕動ポンプ15、第2のタイミングスイッチ16、水交換給水管17、第1の出水口18、排水管24及び取り外し可能な出水口篩板19を含むタイミング水交換モジュールを備える。濾過海水槽14、第2の蠕動ポンプ15及び第2のタイミングスイッチ16は、水交換給水管17を介して円筒状バレル1内に順次連通され、円筒状バレル1の側壁には、第1の出水口18が設置され、第1の出水口18には、取り外し可能な出水口篩板19が設置され、弁が設置されている排水管24は、第1の出水口18に接続される。水を交換する時、弁を開いて円筒形バレル1内から水を流出させ、取り外し可能な出水口篩板19で貝類幼生が水と共に流出することを防止する。
【0023】
タイミング給餌及び水交換システムは、タイマーを用いて制御し、タイマーのタイミング開閉により微細藻類飼料のタイミング給餌と、タイミング水交換を実現する。
【0024】
前記汚物排出モジュールは、汚物排出漏斗口20、汚物排出管21及び汚物排出弁22を備える。汚物排出漏斗口20は、円筒状バレル1の側壁に設置され、使用状態の時に円筒形バレル1の底部に位置して汚物排出管21に接続され、汚物排出管21には、汚物排出弁22が設けられている。前記汚物排出モジュールは、幼生の培養時間が長くなると、内部に糞便や排泄されたアンモニア態窒素などの物質が増加するのを降下するために、使用する際には、下部の漏斗型汚物排出弁22を開いて汚物排出処理を行う。
【0025】
円筒状バレル1の頂部には、円筒状バレル内の幼体を観察したり、幼体を出し入れしたり、円筒状バレル1の内部を洗浄したりするための、開閉可能な観察口25が設けられている。
【0026】
前記装置を利用して二枚貝類幼体の変態を遅延させる方法は、前記装置を一体に接続し、円筒状バレル1に水を入れ、スクロール遅延変態モジュールを開き、気泡が排気孔7から出て、円筒状バレル1の内部側壁に沿って頂部まで上昇し、絶え間なくガスが充填されると、円筒状バレル1の内部で円筒状バレル1の周方向に沿って回転する渦流を形成することによって、温度を通常の培養温度よりも5~8℃低い、17℃に培養水温を調整する。貝類幼生を、観察口を通じて円筒状バレル1内に入れ、タイミング給餌モジュールを設定して、幼生にタイミングよく給餌する。タイミング水交換モジュールを設定して、水を交換する時、第2の蠕動ポンプ15の回転速度を50回転/min以下に設定することによって、水交換給水管17と第1の出水口18の流速を下げ、培養槽内の渦流速を増加させることに合せて、幼生のスクリーン口への堆積を減少させる目的を達成する。培養時間が長くなると、内部に糞便や排泄されたアンモニア態窒素などの物質が増加すると、下部の漏斗型汚物排出弁22を開いて汚物排出処理を行う。
【0027】
前記装置を使用してホタテガイやカキ幼生の養殖を行うと、幼生はバレルの壁内に形成された渦流の中で浮遊して生活し、通常2日以内に変態を完成しまう幼生が、15日間延長して付着変態を完了し、生存率が85%に達し、幼生を得る時間を大幅に延長することができ、科学研究者に対して、実験の思想を調整し、実験バッチを増加して、何度も実験を繰り返すことができ、非常に有益である。
【符号の説明】
【0028】
1 円筒状バレル
2 把持ハンドル
3 立脚
4 ガス充填ポンプ
5 ガス充填管
6 調整弁
7 排気孔
8 排水管
9 循環水温度制御器
10 微細藻類培養ボトル
11 第1のタイミングスイッチ
12 第1の蠕動ポンプ
13 接続管
14 濾過海水槽
15 第2の蠕動ポンプ
16 第2のタイミングスイッチ
17 水交換給水管
18 第1の出水口
19 篩板
20 汚物排出漏斗口
21 汚物排出管
22 汚物排出弁
23 給水管
24 排水管
25 観察口
図1
図2