(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】集積回路及びセンサシステム
(51)【国際特許分類】
H03M 1/46 20060101AFI20240118BHJP
H03K 19/00 20060101ALI20240118BHJP
H03M 1/66 20060101ALI20240118BHJP
H03M 1/80 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
H03M1/46
H03K19/00 210
H03M1/66 Z
H03M1/80
(21)【出願番号】P 2019142424
(22)【出願日】2019-08-01
【審査請求日】2022-07-25
(31)【優先権主張番号】10-2018-0166411
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】洪 赫 基
(72)【発明者】
【氏名】金 載 興
(72)【発明者】
【氏名】姜 誠 贊
(72)【発明者】
【氏名】尹 容 燮
(72)【発明者】
【氏名】李 忠 鎬
【審査官】工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-188240(JP,A)
【文献】特開2010-45723(JP,A)
【文献】特開2009-278433(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0253223(US,A1)
【文献】米国特許第8289011(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K19/00
H03K19/094-19/096
H03M1/12-1/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路において、
アナログ信号をデジタル信号に変換するADC(analog to digital converter)と、
前記デジタル信号を処理するDSP(digital signal processor)と、を含み、
前記ADCは、
複数のキャパシタ、複数のスイッチ、比較器、SARロジック(successive approximation register logic)および電源キャパシタを含み、
前記SARロジックは、前記複数のキャパシタのうち少なくとも1つのキャパシタに連結される電圧を、第1基準電圧から第2基準電圧にスイッチングするとき、前記第1基準電圧から前記電源キャパシタを経て前記第2基準電圧にスイッチングするマルチレベルスイッチングにより前記デジタル信号のビットを決定し、
前記アナログ信号を前記デジタル信号に変換する過程において、
前記マルチレベルスイッチングにより前記電源キャパシタに電圧を充電して電源を生成し、前記電源を介して、前記DSPに電力を供給する集積回路。
【請求項2】
前記少なくとも1つのキャパシタは、
前記複数のキャパシタ
のうちの少なくとも1つのキャパシタであることを特徴とする請求項
1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記ADCは、
前記電源キャパシタの電圧の大きさにより、前記マルチレベルスイッチングを制御し、前記DSPに供給される電力量を調節することを特徴とする請求項
1に記載の集積回路。
【請求項4】
前記ADCは、外部電源から供給された電力に基づき、前記アナログ信号を前記デジタル信号に変換し、
前記DSPは、前記外部電源から電力を供給されず、前記ADCから供給された電力に基づき、前記デジタル信号を処理することを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項5】
センサシステムにおいて、
センサと、
外部電源と、
前記外部電源から供給された電力に基づき、前記センサによってセンシングされたアナログ信号をデジタル信号に変換するADC(analog to digital converter)と、
前記デジタル信号を処理するDSP(digital signal processor)と、を含み、
前記ADCは、
複数のキャパシタ、複数のスイッチ、比較器、SARロジック(successive approximation register logic)および電源キャパシタを含み、
前記SARロジックは、前記複数のキャパシタのうち少なくとも1つのキャパシタに連結される電圧を、第1基準電圧から第2基準電圧にスイッチングするとき、前記第1基準電圧から前記電源キャパシタを経て前記第2基準電圧にスイッチングするマルチレベルスイッチングにより前記デジタル信号のビットを決定し、
前記アナログ信号を前記デジタル信号に変換する過程において、
前記マルチレベルスイッチングにより前記電源キャパシタに電圧を充電して内部電源を生成し、前記内部電源を介して、前記DSPに電力を供給するセンサシステム。
【請求項6】
前記ADCは、前記外部電源から電力を供給され、
前記DSPは、前記外部電源から電力を供給されず、前記ADCから供給された電力に基づき、前記デジタル信号を処理することを特徴とする請求項
5に記載のセンサシステム。
【請求項7】
前記DSPは、
前記外部電源から電力を供給され、前記ADC及び前記外部電源それぞれから供給された電力に基づき、前記デジタル信号を処理することを特徴とする請求項
5に記載のセンサシステム。
【請求項8】
前記ADCは、
前記センサから電力を供給され、前記センサ及び前記外部電源それぞれから供給された電力に基づき、前記アナログ信号を前記デジタル信号に変換することを特徴とする請求項
5に記載のセンサシステム。
【請求項9】
前記DSPは、
前記センサから電力を供給され、前記ADC及び前記センサそれぞれから供給された電力に基づき、前記デジタル信号を処理することを特徴とする請求項
5に記載のセンサシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路及びセンサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路(integrated circuit)内ADC(analog to digital converter)のようなアナログ回路においては、ノイズ強健性(SNR:signal to noise ratio(信号対雑音比))を高めるために、相対的に大きい供給電力が要求される。DSP(digital signal processor)のようなデジタル回路においては、消費電力を減らすために、相対的に低い供給電力が要求される。ただし、集積回路内のアナログ回路及びデジタル回路それぞれに、互いに異なる大きさの電力を供給するためには、PMIC(power management integrated circuit)のような電源装置が必要であり、それにより、PMICにおいて、電圧変換による電力損失問題、またはPMICが利用する外部インダクタやキャパシタによる面積増大問題が存在する。従って、集積回路内のアナログ回路及びデジタル回路それぞれに適する電力を、さらに効果的に供給するための方法が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、集積回路及びセンサシステムを提供することである。本実施形態が解決しようとする技術的課題は、前述のような技術的課題に限定されるものではなく、以下の実施形態から、他の技術的課題が類推されるのである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一側面により、集積回路は、アナログ信号をデジタル信号に変換するADC(analog to digital converter)と、前記デジタル信号を処理するDSP(digital signal processor)と、を含み、前記ADCは、複数のキャパシタ、複数のスイッチ、比較器、SARロジック(successive approximation register logic)および電源キャパシタを含み、前記SARロジックは、前記複数のキャパシタのうち少なくとも1つのキャパシタに連結される電圧を、第1基準電圧から第2基準電圧にスイッチングするとき、前記第1基準電圧から前記電源キャパシタを経て前記第2基準電圧にスイッチングするマルチレベルスイッチングにより前記デジタル信号のビットを決定し、前記アナログ信号を前記デジタル信号に変換する過程において、前記マルチレベルスイッチングにより前記電源キャパシタに電圧を充電して電源(power source)を生成し、前記電源を介して、前記DSPに電力(power)を供給する集積回路。
【0006】
さらに他の側面により、センサシステムは、センサと、外部電源(external power source)と、前記外部電源から供給された電力に基づき、前記センサによってセンシングされたアナログ信号をデジタル信号に変換するADCと、及び前記デジタル信号を処理するDSPと、を含み、前記ADCは、複数のキャパシタ、複数のスイッチ、比較器、SARロジック(successive approximation register logic)および電源キャパシタを含み、前記SARロジックは、前記複数のキャパシタのうち少なくとも1つのキャパシタに連結される電圧を、第1基準電圧から第2基準電圧にスイッチングするとき、前記第1基準電圧から前記電源キャパシタを経て前記第2基準電圧にスイッチングするマルチレベルスイッチングにより前記デジタル信号のビットを決定し、前記アナログ信号を前記デジタル信号に変換する過程において、前記マルチレベルスイッチングにより前記電源キャパシタに電圧を充電して内部電源(internal power source)を生成し、前記内部電源を介して、前記DSPに電力を供給できる。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態によれば、ADCがアナログ信号をデジタル信号に変換する過程において、電源を生成し、該電源を介して、DSPに電力を供給する実施形態を開示しており、集積回路またはセンサシステムの低電力化が可能になる。また、該DSPは、該ADCによって供給された電力だけでも動作が可能であり、DSPに電力を供給するためのPMICのような外部電源が必要ではないので、集積回路及びセンサシステムは、超小型機器に採用可能である。
【0008】
また、本実施形態によれば、ADCは、マルチレベルスイッチングを具現し、スイッチングによる損失エネルギーを節減でき、SAR(successive approximation register)ロジック内レジスタ構造を介して、SAR具現時、トランジスタが占める面積及び電力消耗を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】ADCがマルチレベルスイッチングを制御する実施形態を示す図である。
【
図4A】マルチレベルスイッチングによる損失エネルギー及びエネルギー伝達過程を示す図である。
【
図4B】マルチレベルスイッチングによる損失エネルギー及びエネルギー伝達過程を示す図である。
【
図5】一実施形態によるSARロジック内レジスタを示す図である。
【
図7】ADCがアナログ信号をデジタル信号に変換する方法を示す図である。
【
図8】ADCが少なくとも1つのキャパシタをフローティングさせてデジタル信号のMSBを決定する実施形態を示す図である。
【
図9】ADCがマルチレベルスイッチングを介して、デジタル信号のビットを決定する実施形態を示す図である。
【
図10】一実施形態によるセンサシステムを示す図である。
【
図11】他の実施形態によるセンサシステムを示す図である。
【
図12】さらに他の実施形態によるセンサシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付された図面を参照しながら、例示のための実施形態について詳細に説明する。下記実施形態は、技術的内容を具体化させるためのものであり、権利範囲を制限したり限定したりするものではないということは言うまでもない。詳細な説明、及び実施形態から、当該技術分野の当業者が容易に類推できることは、権利範囲に属すると解釈される。
【0011】
本明細書で使用される「構成される」または「含む」というような用語は、明細書上に記載された多くの構成要素、または多くの段階を必ずしもいずれも含むと解釈されるものではなく、そのうち、一部構成要素または一部段階は、含まれなかったり、追加的な構成要素または段階をさらに含んだりもすると解釈されなければならない。また、明細書に記載された「…部」、「モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0012】
また、本明細書で使用される「第1」または「第2」というように、序数を含む用語は、多様な構成要素についての説明に使用できるが、そのような用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。
【0013】
【0014】
集積回路(integrated circuit)10は、ADC(analog to digital converter)100及びDSP(digital signal processor)200を含んでもよい。
図1に図示された集積回路10は、本実施形態と係わる構成要素だけが図示されている。従って、
図1に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がさらに含まれてもよいということは、本実施形態と係わる技術分野において当業者であるならば、理解できるであろう。例えば、集積回路10は、PLL(phase lock loop)、MCU(micro controller unit)、CPU(central processing unit)、AP(application processor)及びメモリを含んでもよいが、それらに制限されるものではない。
【0015】
ADC100は、アナログ信号をデジタル信号に変換できる。例えば、ADC100は、逐次比較型ADC(successive approximation ADC)であり、二進探索方式を介して入力されるアナログ信号に対する量子化を行い、デジタル信号を出力できる。
【0016】
ADC100は、アナログ信号をデジタル信号に変換する過程において、電源(power source)を生成でき、生成された電源を介して、DSP200に電力(power)を供給できる。ADC100は、外部電源から供給される電力を介して、アナログ信号をデジタル信号に変換でき、そのような変換過程において、DSP200に電力を供給するための電源を生成できる。具体的には、ADC100は、アナログ信号をデジタル信号に変換する過程において、キャパシタに電圧を充電し、電源を生成できる。
【0017】
DSP200は、ADC100から出力されるデジタル信号を処理できる。DSP200は、ADC100から供給される電力を利用し、デジタル信号を処理できる。DSP200は、外部電源から別途に電力を供給されず、ADC100から供給される電力のみを利用し、デジタル信号を処理できる。
【0018】
集積回路10内において、ADC100のようなアナログ回路においては、ノイズ強健性(SNR:signal to noise ratio)を高めるために、相対的に大きい供給電力が要求され、DSP200のようなデジタル回路においては、消費電力を減らすために、相対的に低い供給電力が要求される。特に、DSP200は、低電力動作のために、低電圧が必要であり、電圧の変動(fluctuation)に性能が影響を受けないデジタル信号体系の動作回路である、DSP200は、ADC100によって供給された電力でも動作が可能である。従って、外部電源からDSP200に供給するための電力を生成しなくてもよいので、集積回路10は、低電力化が可能であり、低発熱効果または期待寿命増進効果も示すことができる。
【0019】
また、DSP200は、ADC100によって供給された電力だけでも動作が可能である。このため、DSP200に電力を供給するためのPMIC(power management integrated circuit)のような外部電源が必要ではないく、集積回路10は、超小型機器に採用される。例えば、集積回路10は、超小型の温度センサ、湿度センサまたは距離探知センサのようなIoT(internet of things)型超小型機器にも採用され、集積回路10は、補聴器、角膜ディスプレイのような超小型ウェアラブルデバイスにも採用され、集積回路10は、脳波または生体信号を感知する挿入可能センサ(implantable sensor)にも採用されるが、それに制限されるものではない。
【0020】
【0021】
ADC100は、逐次比較型ADC(successive approximation ADC)であり、入力信号であるアナログ信号を、細分化された基準電圧と比較し、MSB(most significant bit)からLSB(least significant bit)まで、順次にデジタル信号のビットを決定できる。ADC100は、複数のキャパシタ110、複数のスイッチ120、比較器130、SARロジック(successive approximation register logic)140及び電源キャパシタ150を含んでもよい。
【0022】
SARロジック140は、ADC100内の回路全般を制御でき、複数のスイッチ120を介して、複数のキャパシタ110に連結される電圧をスイッチングし、デジタル信号のビットを決定できる。具体的には、SARロジック140は、複数のキャパシタ110に連結される電圧を順次にスイッチングし、デジタル信号のMSBからLSBまで順次に決定できる。
【0023】
SARロジック140は、複数のスイッチ120のうち少なくとも1つのスイッチを介して、複数のキャパシタ110のうち少なくとも1つのキャパシタに連結される電圧をスイッチングするとき、電源キャパシタ150を経るように電圧をスイッチングするマルチレベルスイッチングを行うことができる。具体的には、SARロジック140は、複数のキャパシタ110のうち少なくとも1つのキャパシタに連結される電圧を、第1基準電圧から第2基準電圧にスイッチングするとき、第1基準電圧から電源キャパシタ150を経て、第2基準電圧にスイッチングするマルチレベルスイッチングを行うことができる。
【0024】
図2で、説明の便宜上、電源キャパシタ150が1つのキャパシタを含むように図示されているが、電源キャパシタ150は、2以上のキャパシタでも構成される。例えば、電源キャパシタ150が2個のキャパシタで構成される場合、SARロジック140は、少なくとも1つのキャパシタに連結される電圧をスイッチングするとき、電源キャパシタ150内の第1キャパシタ及び第2キャパシタを連続的に経るように電圧をスイッチングするマルチレベルスイッチングを行うことができる。
【0025】
図3は、ADCがマルチレベルスイッチングを制御する実施形態を示す。
【0026】
ADC100は、デジタル信号のn番目ビットを決定するために、複数のスイッチ120のうち第1スイッチ122を制御し、複数のキャパシタ110のうち第1キャパシタ112に連結された電圧を、第1基準電圧から第2基準電圧にスイッチングできる。例えば、ADC100は、第1キャパシタ112に連結された電圧を0[v]から1[v]にスイッチングするか、あるいは0[v]から1[v]にスイッチングできる。その場合、ADC100は、
図3に図示されているように、第1キャパシタ112に連結された電圧が、第1基準電圧から第2基準電圧に直にスイッチングされるように制御せず、中間に、電源キャパシタ150を経てスイッチングされるように制御できる。言い換えれば、ADC100は、第1キャパシタ112の一端が、第1基準電圧、電源キャパシタ150の一端、及び第2基準電圧に順次に連結されるように、第1スイッチ122を制御できる。
【0027】
反対に、ADC100は、第1キャパシタ112に連結された電圧を、第2基準電圧から第1基準電圧にスイッチングする場合、第2基準電圧から電源キャパシタ150を経て、第2基準電圧にスイッチングできる。
【0028】
図3においては、説明の便宜上、電源キャパシタ150が1つのキャパシタを含むように図示されているが、それに制限されるものではない。例えば、電源キャパシタ150が、第1キャパシタ及び第2キャパシタによって構成される場合、ADC100は、第1キャパシタ112の一端が、第1基準電圧、第1キャパシタの一端、第2キャパシタ一端、及び第2基準電圧に順次に連結されるようにスイッチを制御できる。
【0029】
再び
図2を参照すれば、SARロジック140は、複数のスイッチ120のうち少なくとも1つのスイッチを介して、マルチレベルスイッチングを行うことができ、該マルチレベルスイッチングを介して、電源キャパシタ150に電圧を充電し、外部に電力供給が可能な電源を生成できる。具体的には、マルチレベルスイッチング過程において、複数のキャパシタ110のうち少なくとも1つのキャパシタが、電源キャパシタ150と連結され、複数のキャパシタ110のうち少なくとも1つのキャパシタの一部エネルギーまたは一部電圧が、電源キャパシタ150にも保存される。
【0030】
また、マルチレベルスイッチングの結果、スイッチングによる損失エネルギーが節減される。言い換えれば、複数のキャパシタ110に連結された電圧が、第1基準電圧から第2基準電圧に直にスイッチングされることによる損失エネルギーよりも、電源キャパシタ150を経るマルチレベルスイッチングによる損失エネルギーの方がさらに少ない。
【0031】
図4A及び
図4Bは、マルチレベルスイッチングによる損失エネルギー及びエネルギー伝達過程を示す。
【0032】
図4A及び
図4Bでは、説明の便宜のために、複数のキャパシタ110は、キャパシタンスC1値を有するC1キャパシタにもモデリングされ、電源キャパシタ150は、キャパシタンスC2値を有するC2キャパシタにもモデリングされる。また、
図4A及び
図4Bにおいては、第1基準電圧は、0[v]であり、第2基準電圧は、V[v]であると仮定し、C1値よりC2値が大きいと仮定する。また、C2キャパシタは、あらかじめ0.5V[v]が充電されていると仮定する。言い換えれば、C2キャパシタには、0.25CV
2のエネルギーが保存されていると仮定する。
【0033】
まず、
図4Aのリセット(reset)段階において、C1キャパシタは、第1基準電圧である0にも連結される。
【0034】
次に、
図4Aの送信(transfer)段階において、C1キャパシタは、C2キャパシタにも連結される。このとき、既保存のC2キャパシタのエネルギーである0.25CV
2のうち半分である0.125CV
2は、C1キャパシタにも保存され、残り0.125CV
2は、スイッチングによる損失エネルギーとして消耗される。
【0035】
次に、
図4Bの充電(charge)段階において、C1キャパシタは、第2基準電圧であるVにも連結される。このとき、第2基準電圧から供給される0.5CV
2のエネルギーのうち0.375CV
2は、C1キャパシタに保存され、残り0.125CV
2は、スイッチングによる損失エネルギーとして消耗される。
【0036】
次に、
図4Bの保存(store)段階において、C1キャパシタは、C2キャパシタにも連結される。このとき、既保存のC2キャパシタのエネルギーである0.375CV
2のうち0.25CV
2は、C2キャパシタに保存され、残り0.125CV
2は、スイッチングによる損失エネルギーとして消耗される。
【0037】
最後に、
図4Bの放電(discharge)段階において、C1キャパシタは、第1基準電圧である0にも連結される。このとき、既保存のC1キャパシタのエネルギーである0.125CV
2がスイッチングによる損失エネルギーとして消耗される。
【0038】
従って、複数のキャパシタ110がモデリングされたC1キャパシタに連結される電圧を、第1基準電圧からC2キャパシタを経て第2基準電圧にマルチレベルスイッチングする結果による損失エネルギーは、0.25CV2であるので、既存の第1基準電圧から第2基準電圧に直にスイッチングする結果による損失エネルギーである0.5CV2に比べ、損失エネルギーを半分に低減させることができる。また、マルチレベルスイッチング結果、電源キャパシタ150がモデリングされたC2キャパシタには、0.25CV2のエネルギーが保存されるので、C2キャパシタ内に保存されたエネルギーを介して、外部に電力を供給できる。
【0039】
再び
図2を参照すれば、SARロジック140は、比較器130の出力信号に基づき、デジタル信号のビットを決定できる。また、SARロジック140は、比較器130の出力信号に基づき、デジタル信号の他の下位ビットを決定するために、複数のスイッチ120を制御できる。具体的には、SARロジック140は、動作可能な時間領域を指定するクロック信号(clock signal)により、比較器130の出力信号の変化を感知し、複数のスイッチ120を制御するための制御信号を生成できる。
【0040】
図5は、一実施形態によるSARロジック内レジスタを示す。
【0041】
SARロジック140は、
図5のレジスタ145を含んでもよい。
【0042】
レジスタ145は、動作可能な時間領域を指定するクロック信号UPD_CLKにより、比較器130の出力信号COMP_OUTP及びCOMP_OUTNの変化を感知し、複数のスイッチ120を制御するための制御信号CTRNP及びCTRPPを生成できる。例えば、レジスタ145は、クロック信号UPD_CLKが指定する動作可能な時間領域内において、出力信号COMP_OUTPが0から1に変化し、出力信号COMP_OUTNが0に維持されることを検出でき、結果として、制御信号CTRNP及びCTRPPを生成できる。
【0043】
レジスタ145は、既存のCMOS(complementary metal-oxide semiconductor)デジタルロジックを利用するレジスタに比べ、相対的に少ないトランジスタ個数で構成され、SAR具現時、トランジスタが占める面積及び電力消耗を節減できる。
【0044】
【0045】
ADC100は、
図2の複数のキャパシタ110、複数のスイッチ120、比較器130、SARロジック140及び電源キャパシタ150を含み、電源状態検出部160をさらに含んでもよい。
【0046】
電源状態検出部160は、電源キャパシタ150の状態を検出できる。具体的には、電源状態検出部160は、電源キャパシタ150の電圧が、既設定の臨界値以上であるか否かということを判断できる。または、電源状態検出部160は、電源キャパシタ150の電圧が、既設定の臨界値以下であるか否かということを判断できる。
【0047】
SARロジック140は、電源状態検出部160による検出結果により、電源キャパシタ150が外部に供給する電力量を調節できる。具体的には、SARロジック140は、電源キャパシタ150の電圧の大きさにより、マルチレベルスイッチングを制御し、電源キャパシタ150が外部に供給する電力量を調節できる。
【0048】
一例により、電源キャパシタ150の電圧が既設定の臨界値以上である場合、SARロジック140は、マルチレベルスイッチングを行うスイッチのうち一部のスイッチについてのみ、マルチレベルスイッチングを行うように制御できる。例えば、SARロジック140は、
図4A及び
図4Bのように、マルチレベルスイッチングを行うスイッチのうち一部のスイッチについては、
図4Bの保存(store)段階を省略するように制御できる。それにより、電源キャパシタ150の電圧は、低下し、外部に供給される電力量が減る。他の例により、電源キャパシタ150の電圧が既設定の臨界値以下である場合、SARロジック140は、マルチレベルスイッチングを行うスイッチのうち一部スイッチについてのみマルチレベルスイッチングを行うように制御できる。例えば、SARロジック140は、
図4A及び
図4Bのように、マルチレベルスイッチングを行うスイッチのうち一部のスイッチについては、
図4Aの送信(transfer)段階を省略するように制御できる。それにより、電源キャパシタ150の電圧は、上昇し、外部に供給される電力量が増える。
【0049】
例えば、電源状態検出部160は、
図6の回路165によっても構成される。回路165は、Dフリップフロップ(D-flip flop)及びインバータなどによっても構成され、クロック信号CLK、周期的に発生する駆動信号CHK、及び電源キャパシタ150の電圧VDDMに基づき、電源キャパシタ150の電圧VDDMと、既設定の臨界値との比較結果である信号Flagを生成できる。
【0050】
図7は、ADCがアナログ信号をデジタル信号に変換する方法を示す。
【0051】
図7に図示された方法は、
図2ないし
図6のADC100の各構成要素によっても遂行され、重複する説明については、省略する。
【0052】
段階S710において、ADC100は、入力信号に対するサンプリングを行う。具体的には、ADC100は、複数のキャパシタ110それぞれに対して、アナログ信号である入力信号を連結し、複数のキャパシタ110それぞれに対して、入力信号を印加できる。
【0053】
段階S720において、ADC100は、複数のキャパシタ110において最上位キャパシタを含む少なくとも1つのキャパシタをフローティングさせ、デジタル信号のMSBを決定できる。一例により、S710において、複数のキャパシタ110それぞれは、入力信号にも連結される、次に、ADC100は、最上位キャパシタを含む少なくとも1つのキャパシタをフローティングさせ、残りキャパシタについては、第1基準電圧または第2基準電圧に連結し、デジタル信号のMSBを決定できる。他の例により、S710において、複数のキャパシタ110それぞれは、入力信号にも連結される、次に、ADC100は、最上位キャパシタを含む少なくとも1つのキャパシタをフローティングさせ、残りキャパシタについては、第1基準電圧及び第2基準電圧の中間電圧に連結し、デジタル信号のMSBを決定できる。
【0054】
従って、ADC100は、デジタル信号のMSBを決定する過程において、最上位キャパシタを含む少なくとも1つのキャパシタについては、スイッチングを行わないので、少なくとも1つのキャパシタに対するスイッチングによる損失エネルギーを節減できる。
【0055】
図8は、ADCが少なくとも1つのキャパシタをフローティングさせ、デジタル信号のMSBを決定する実施形態を示す。
【0056】
図8においては、説明の便宜のために、ADC101の複数のキャパシタ115が、キャパシタンス値8Cを有する8Cキャパシタ、キャパシタンス値4Cを有する4Cキャパシタ、キャパシタンス値2Cを有する2Cキャパシタ、キャパシタンス値Cを有する2個のCキャパシタを含むように図示されているが、これらに制限されるものではない。
【0057】
まず、
図8の上段実施形態について述べれば、ADC101は、複数のキャパシタ115それぞれに対して入力信号を連結し、入力信号に対するサンプリングを行うことができる。
【0058】
次に、
図8の下段実施形態について述べれば、ADC101は、複数のキャパシタ115のうち最上位キャパシタを含む少なくとも1つのキャパシタをフローティングさせ、デジタル信号のMSBを決定できる。具体的には、ADC101は、総5個のキャパシタのうち、8Cキャパシタ、4Cキャパシタ及び2Cキャパシタをフローティングさせ、残り2個のCキャパシタに、第1基準電圧及び第2基準電圧のそれぞれを連結できる。その結果、ADC101は、比較器132を介して、第1基準電圧の1/2と、入力信号との比較を行い、デジタル信号のMSBを決定できる。
【0059】
他の実施形態により、ADC101は、総5個のキャパシタのうち、8Cキャパシタ、4Cキャパシタ及び2Cキャパシタをフローティングさせ、残り2個のCキャパシタに、第1基準電圧及び第2基準電圧の中間電圧を連結できる。例えば、ADC101は、残り2個のCキャパシタに、1[v]である第1基準電圧、及び0[v]である第2基準電圧の中間電圧である0.5[v]を連結できる。その結果、ADC101は、比較器132を介して、第1基準電圧の1/2と、入力信号との比較を行い、デジタル信号のMSBを決定できる。
【0060】
再び
図7を参照すれば、段階S730において、ADC100は、マルチレベルスイッチングを介して、デジタル信号の残りビットを順次に決定できる。言い換えれば、S720において、デジタル信号のMSBを決定した後、ADC100は、デジタル信号の残りビットを決定するスイッチング過程において、マルチレベルスイッチングを行うことができる。例えば、ADC100は、デジタル信号の残りビットを決定する過程において、複数のキャパシタのうち少なくとも1つのキャパシタに連結される電圧を、第1基準電圧から第2基準電圧にスイッチングする場合、第1基準電圧から電源キャパシタを経て第2基準電圧にスイッチングするマルチレベルスイッチングを行うことができる。
【0061】
従って、ADC100は、デジタル信号のビットを決定する過程において、マルチレベルスイッチングを介して、電源キャパシタの電圧を充電し、電源を生成でき、スイッチングによる損失エネルギーを節減できる。また、S730において、ADC100は、S720でフローティングされたキャパシタに対し、第1基準電圧または第2基準電圧を連結するスイッチングを行うが、従来の電圧を変更するスイッチングに比べ、スイッチングによる損失エネルギーを節減させることができる。例えば、MSBを決定するキャパシタに連結される電圧が、第1基準電圧から第2基準電圧に変更するスイッチングに比べ、MSBを決定するキャパシタがフローティングされた状態で、第2基準電圧を連結するスイッチングの方がエネルギー消耗はさらに少ない。
【0062】
図9は、ADCがマルチレベルスイッチングを介して、デジタル信号のビットを決定する実施形態を示す。
【0063】
図9においては、説明の便宜のために、ADC102の複数のキャパシタ117が、キャパシタンス値8Cを有する8Cキャパシタ、キャパシタンス値4Cを有する4Cキャパシタ、キャパシタンス値2Cを有する2Cキャパシタ、キャパシタンス値Cを有する2個のCキャパシタを含むように図示されているが、これらに制限されるものではない。
【0064】
まず、
図9の上段に示す実施形態について述べれば、ADC102は、
図8のように、複数のキャパシタ117のうち、最上位キャパシタを含む少なくとも1つのキャパシタをフローティングさせ、デジタル信号のMSBを決定できる。具体的には、ADC102は、総5個のキャパシタのうち、8Cキャパシタ、4Cキャパシタ及び2Cキャパシタをフローティングさせ、残り2個のCキャパシタに、第1基準電圧及び第2基準電圧それぞれを連結できる。
【0065】
ADC102は、デジタル信号のMSBを決定した後、ADC102は、MSB以下のビットを順次に決定できる。言い換えれば、ADC102は、5個のキャパシタに対応する5個の複数のスイッチを制御し、デジタル信号のMSB以下のビットを順次に決定できる。
【0066】
図9の下段実施形態を参照すれば、ADC102は、MSBの次のビットを決定するために、フローティングされた8Cキャパシタに、第2基準電圧を連結させ、フローティングされた4Cキャパシタに、第1基準電圧を連結させることができ、フローティングされた2Cキャパシタに、第2基準電圧を連結させることができ、Cキャパシタに連結された電圧を、第1基準電圧から第2基準電圧にスイッチングでき、Cキャパシタに連結された第2基準電圧を維持させることができる。このとき、ADC102は、Cキャパシタに連結された電圧を、第1基準電圧から第2基準電圧にスイッチングする過程において、電源キャパシタ152を経るように、マルチレベルスイッチングを行うことができる。言い換えれば、ADC102は、Cキャパシタの一端が、第1基準電圧、電源キャパシタ152の一端、及び第2基準電圧に順次に連結されるように、スイッチを制御できる。その結果、ADC102は、比較器134を介して、第1基準電圧の1/4と、入力信号との比較を行い、デジタル信号のMSBの次のビットを決定できる。
【0067】
従って、ADC102は、LSBを決定するまで、複数のスイッチを制御でき、マルチレベルスイッチングを行うことができる。また、ADC102は、マルチレベルスイッチングを行うスイッチの個数を調節し、スイッチングによる損失エネルギーを調節できる。
図9においては、マルチレベルスイッチングを行うスイッチが下位3ビットに該当するキャパシタに係わるスイッチとして図示されているが、それに制限されて解釈されるものではない。例えば、ADC102内の複数のキャパシタが、12個のキャパシタによって構成された場合、MSBに対応する最上位キャパシタの次の3個のキャパシタについてのみ、マルチレベルスイッチングを制御できる。
【0068】
【0069】
センサシステム1は、センサ305、ADC105、DSP205及び外部電源405を含んでもよい。
図10に図示されたセンサシステム1は、本実施形態と係わる構成要素だけが図示されている。従って、
図10に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がさらに含まれてもよいということは、本実施形態と係わる技術分野において当業者であるならば、理解できるであろう。
【0070】
図10のADC105は、
図1ないし
図7のADC100、
図8及び
図9のADC101,102に係わる内容を含むが、重複する内容については、説明を省略する。また、
図10のDSP205は、
図1のDSP200に係わる内容を含むが、重複する内容については、説明を省略する。
【0071】
センサ305は、センシング結果により、アナログ信号を出力できる。具体的には、センサ305は、周辺の熱、光、温度、圧力、音などの物理的な量や、その変化を感知し、アナログ信号を出力できる。
【0072】
外部電源405は、電力をADC105に供給でき、ADC105は、供給された電力に基づいて、アナログ信号をデジタル信号に変換できる。外部電源405は、バッテリまたはPMICのうち少なくとも一つにもなる。
【0073】
ADC105は、アナログ信号をデジタル信号に変換する過程において、内部電源(internal power source)を生成でき、生成された電源を介して、DSP205に電力を供給できる。具体的には、ADC105は、アナログ信号をデジタル信号に変換する過程において、キャパシタに電圧を充電し、内部電源を生成できる。
【0074】
DSP205は、ADC105から出力されるデジタル信号を処理できる。DSP205は、ADC105から供給される電力を利用し、デジタル信号を処理できる。DSP205は、外部電源405から別途に電力を供給されず、ADC105の内部電源から供給される電力のみを利用し、デジタル信号を処理できる。従って、外部電源405からDSP205に供給するための電力を生成しなくてもよいので、センサシステム1は、低電力化が可能であり、低発熱効果または期待寿命増進効果も示すことができる。
【0075】
また、DSP205は、ADC105によって供給された電力だけでも動作が可能であり、DSP205に電力を供給するためのPMICのような外部電源が必要ではないので、センサシステム1の面積または体積を減らすことができる。従って、センサシステム1は、小型化が可能であるため、超小型機器に採用可能である。例えば、センサシステム1は、超小型の温度センサ、湿度センサまたは距離探知センサのようなIoT(internet of things)型超小型機器にも採用され、センサシステム1は、補聴器、角膜ディスプレイのような超小型ウェアラブルデバイスにも採用され、センサシステム1は、脳波または生体信号を感知する挿入可能センサ(implantable sensor)にも採用されるが、それらに制限されるものではない。
【0076】
図10のセンサシステム1内のセンサ305、ADC105、DSP205及び外部電源405のそれぞれは、複数個存在できる。例えば、センサシステム1が、多チャンネルの高品質音響センサシステム、または多チャンネル高品質視覚センサシステムである場合、センサシステム1は、多チャンネルのためのセンサ、ADC、DSPまたは外部電源を含んでもよい。
【0077】
図11は、他の実施形態によるセンサシステムを示す。
【0078】
センサシステム2は、センサ305、ADC105、DSP205及び外部電源405を含んでもよい。
図11に図示されたセンサシステム2は、本実施形態と係わる構成要素だけが図示されている。従って、
図11に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がさらに含まれてもよいということは、本実施形態と係わる技術分野において当業者であるならば、理解できるであろう。
【0079】
図11のセンサ305、ADC105、DSP205及び外部電源405は、
図10のセンサ305、ADC105、DSP205及び外部電源405に係わる内容を含むが、重複する内容については、説明を省略する。
【0080】
DSP205は、外部電源405から電力を供給され、また、ADC105から電力を供給される。DSP205は、ADC105及び外部電源405のそれぞれから供給される電力を利用し、デジタル信号を処理できる。
【0081】
一例により、DSP205は、ADC105から供給される電力を利用し、低電力の一定(always-on)モードで動作でき、外部電源405から供給される電力を利用し、さらなる演算及び作業を遂行できる。他の例により、DSP205は、ADC105から供給される電力を利用し、ADC105から出力されるデジタル信号に対するデータサプレッション(data suppression)を行うことができ、外部電源405から供給される電力を利用し、さらなる演算及び作業を遂行できる。
【0082】
図12は、さらに他の実施形態によるセンサシステムを示す。
【0083】
センサシステム3は、センサ305、ADC105、DSP205及び外部電源405を含んでもよい。
図12に図示されたセンサシステム3は、本実施形態と係わる構成要素だけが図示されている。従って、
図12に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がさらに含まれてもよいということは、本実施形態と係わる技術分野において当業者であるならば、理解できるであろう。
【0084】
図12のセンサ305、ADC105、DSP205及び外部電源405は、
図10のセンサ305、ADC105、DSP205及び外部電源405に係わる内容を含むが、重複する内容については、説明を省略する。
【0085】
センサ305は、ADC105に電力を供給できる。また、センサ305は、DSP205に電力を供給できる。一例により、センサ305がピエゾセンサ(piezoelectric sensor)である場合、振動による電力を生成でき、ADC105またはDSP205に電力を供給できる。他の例により、センサ305が人体に挿入可能なセンサである場合、熱伝導によって電力を生成でき、ADC105またはDSP205に電力を供給できる。さらに他の例により、センサ305が風力を感知するセンサである場合、風力によって電力を生成でき、ADC105またはDSP205に電力を供給できる。
【0086】
従って、ADC105は、外部電源405及びセンサ305それぞれから供給された電力に基づき、アナログ信号をデジタル信号に変換できる。また、DSP205は、ADC 105及びセンサ305それぞれから供給された電力に基づき、デジタル信号を処理できる。
【0087】
前述の本実施形態による集積回路またはセンサシステムは、プロセッサ、プログラムデータを保存して実行するメモリ、ディスクドライブのような永久保存部(permanent storage);外部装置と通信する通信ポート;タッチパネル、キー(key)、ボタンのようなユーザインターフェース装置などを含んでもよい。ソフトウェアモジュールまたはアルゴリズムによって具現される方法は、前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータで読み取り可能なコードまたはプログラム命令として、コンピュータで読み取り可能な記録媒体上にも保存される。ここで、該コンピュータで読み取り可能な記録媒体として、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(read-only memory)、RAM(random access memory)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)及び光学的判読媒体(例えば、CD-ROM(compact disc read only memory)、DVD(digital versatile disc))などがある。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークに連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式で、コンピュータで読み取り可能なコードが保存されて実行される。該媒体は、コンピュータで読み取り可能であり、メモリに保存され、プロセッサによっても実行される。
【0088】
本実施形態は、機能的なブロック構成、及び多様な処理段階によっても示される。そのような機能ブロックは、特定機能を実行する多様な個数のハードウェアまたは/及びソフトウェア構成によっても具現される。例えば、本実施形態は、1以上のマイクロプロセッサの制御、または他の制御装置によって多様な機能を実行できる、メモリ、プロセッシング、ロジック、ルックアップテーブル(look-up table)のような直接回路構成を採用できる。構成要素が、ソフトウェアプログラミングまたはソフトウェア要素によっても実行されるのと類似し、本実施形態は、データ構造、プロセス、ルーチン、または他のプログラミング構成の組み合わせによっても具現される多様なアルゴリズムを含み、C、C++、ジャバ(Java(登録商標))、アセンブラ(assembler)のようなプログラミング言語またはスクリプティング言語によっても具現される。機能的な側面は、1以上のプロセッサで実行されるアルゴリズムによっても具現される。また、本実施形態は、電子的な環境設定、信号処理、及び/またはデータ処理などのために、従来技術を採用できる。「メカニズム」、「要素」、「手段」、「構成」のような用語は、汎用され、機械的であって物理的な構成として限定されるものではない。前記用語は、プロセッサなどと連繋され、ソフトウェアの一連の処理(routines)の意味を含んでもよい。
【0089】
本実施形態で説明する特定の実行は例示であり、いかなる方法によっても、技術的範囲を限定するものではない。明細書の簡潔さのために、従来の電子的な構成、制御システム、ソフトウェア、前述のシステムの他の機能的な側面の記載は、省略される。また、図面に図示された構成要素間の線連結または連結部材は、機能的な連結、及び/または物理的または回路的な連結を例示的に示したものであり、実際の装置においては、代替可能であったり、追加されたりする多様な機能的な連結、物理的な連結、または回路連結としても示される。
【0090】
本明細書(特に、特許請求の範囲)において、「前記」の用語、及びそれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数のいずれにも該当するものである。また、範囲(range)を記載した場合、前記範囲に属する個別的な値を含むものであり(それに反する記載がなければ)、詳細な説明に、前記範囲を構成する各個別的な値を記載した通りである。最後に、方法を構成する段階について、明白に順序を言及する記載がなければ、そのような段階は、適する順序によっても行われる。全ての例、または例示的な用語(例えば、など)の使用は、単に技術的思想について詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲によって限定されない以上、それらによって範囲が限定されるものではない。また、当業者であるならば、多様な修正、組み合わせ、及び変更が付加された特許請求の範囲、またはその均等物の範疇内において、設計条件及びファクタによっても構成されるということを理解できるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明の、ADC、集積回路及びセンサシステムは、例えば、電子機器関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0092】
1,2,3 センサシステム
10 集積回路
100,105 ADC
110 キャパシタ
120 スイッチ
130 比較器
140 SARロジック
145 レジスタ
150 電源キャパシタ
160 電源状態検出部
165 回路
200,205 DSP
305 センサ
405 外部電源