(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】ストッカ
(51)【国際特許分類】
B65G 61/00 20060101AFI20240118BHJP
A47G 29/122 20060101ALI20240118BHJP
E05B 65/00 20060101ALI20240118BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B65G61/00 550
A47G29/122 Z
E05B65/00 D
E05B49/00 L
(21)【出願番号】P 2019184269
(22)【出願日】2019-10-07
【審査請求日】2022-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】上垣内 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】河口 真佐義
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-520074(JP,A)
【文献】特開2014-082595(JP,A)
【文献】特開2018-181251(JP,A)
【文献】特開2018-036948(JP,A)
【文献】特開2012-099141(JP,A)
【文献】特開2018-073265(JP,A)
【文献】特開2014-203238(JP,A)
【文献】特開2014-109924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 61/00
A47G 29/122
E05B 65/00
E05B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者の操作を受け付けて物品の納品と受取とが可能なストッカであって、
入力装置と、
前記ストッカの周辺を撮像可能なカメラと、
前記カメラの撮像対象物に光を照射する照明装置と、
前記カメラの画像に基づいて動いている物体を検出したか否かを判定し、前記動いている物体を検出したならば、前記入力装置をスタンバイモードになるように制御し、その後、前記入力装置にコード読取要求が入力されたならば、前記カメラの画像に基づいて前記コードの読取制御を実行する制御装置と、
を備え
、
前記制御装置は、前記カメラの画像に基づいて動いている物体を検出したか否かを判定する際には、前記照明装置を通常モードに設定し、前記コードの読取制御を実行する際には、前記照明装置をコード読取モードに設定し、前記コード読取モードでは、所定の明るさの画面上の前記コードを読み取る第1輝度と紙面上の前記コードを読み取る第2輝度とを交互に切り替え、前記コードの読取制御の実行中にコード読取に失敗したと判定した場合には、最初にコード読取に失敗してから所定時間経過したと判定するまで前記コード読取モードでの前記コードの読取制御を継続する、
ストッカ。
【請求項2】
前記制御装置は、前記通常モードでは、前記照明装置を暗状態に設定
する、
請求項
1に記載のストッカ。
【請求項3】
前記入力装置は、タッチパネルであり、
前記制御装置は、前記入力装置を前記スタンバイモードになるように制御するにあたり、前記タッチパネルのバックライトを暗状態から明状態に切り替えるか、操作者の操作を前記入力装置が受け付けない状態から受け付ける状態に切り替える、
請求項1
又は2に記載のストッカ。
【請求項4】
前記制御装置は、前記コードの読取制御を実行する前後では、前記カメラの画像を記録部に保存する、
請求項1~
3のいずれか1項に記載のストッカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、ストッカを開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作者の操作を受け付けて物品の納品と受取とが可能なストッカとして、人を感知する人感センサと二次元コードを読み取るコードリーダのカメラとを備えたものが知られている。例えば、特許文献1のストッカでは、動作センサ(人感センサ)で配達員を検出し、配達員の操作を受け付け、カメラで配達員が提示するバーコードを読み取り、バーコードから読み取った情報を基に収納扉を解錠し収納室へ荷物の預け入れを許可する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のストッカでは、荷物の預け入れ及び回収を確実に行える一方で、人感センサとカメラの二つの装置をストッカに設けなければならないため、ストッカの製造にコストを要する。
【0005】
本開示はこのような課題を解決するためになされたものであり、人感センサの機能とコードリーダの機能とを備えたストッカを低コストで製造できるようにすることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のストッカは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示のストッカは、
操作者の操作を受け付けて物品の納品と受取とが可能なストッカであって、
入力装置と、
前記ストッカの周辺を撮像可能なカメラと、
前記カメラの画像に基づいて動いている物体を検出したか否かを判定し、前記動いている物体を検出したならば、前記入力装置をスタンバイモードになるように制御し、その後、前記入力装置にコード読取要求が入力されたならば、前記カメラの画像に基づいて前記コードの読取制御を実行する制御装置と、
を備えたものである。
【0008】
本開示のストッカでは、カメラの画像に基づいて動いている物体を検出したか否かを判定し、動いている物体を検出したならば入力装置をスタンバイモードになるように制御する。また、入力装置にコード読取要求が入力されたならば、カメラの画像に基づいてコードの読取制御を実行する。つまり、本開示のストッカでは、カメラの画像を利用して人感センサの機能とコードリーダの機能の両方を実現する。そのため、カメラとは別に人感センサを設ける必要がない。したがって、人感センサの機能とコードリーダの機能とを備えたストッカを低コストで製造できる。
【0009】
なお、「コードの読取制御」では、制御装置は、例えば、カメラの画像にコードが含まれているか否かを判定し、カメラの画像にコードが含まれていたならばそのコードに含まれる情報を読み取るようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】納品庫20と制御ユニット30とを備えるストッカ10の斜視図。
【
図3】制御装置32と他の装置との入出力を示すブロック図。
【
図4】メインルーチンの一例を示すフローチャート。
【
図5】コード読取制御サブルーチンの一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示のストッカの好適な実施形態を、図面を用いて説明する。
図1は納品庫20と制御ユニット30とを備えるストッカ10の斜視図であり、
図2は制御ユニット30の正面図であり、
図3は制御装置32と他の装置との入出力を示すブロック図である。なお、本実施形態において、左右方向、前後方向及び上下方向は、各図に示した通りとする。
【0012】
ストッカ10は、
図1に示すように、物品を納入可能な箱状の複数の納品庫20と、各納品庫20への物品の納入や取り出しに関する各種操作を受け付けたり各納品庫20の施錠や解錠に関する各種処理を行ったりする制御ユニット30とを備える。ストッカ10には、上下に複数個(
図1では4個)ずつの納品庫20が左右に複数列(
図1では5列)並んで配置されており、左端の列の1の納品庫20に代えて制御ユニット30が配置されている。このストッカ10は、オフィスやコンビニエンスストア、駅、学校、マンション、ショッピングセンタなど様々な場所に設置され、屋内だけでなく屋外に設置されることもある。ストッカ10は、いずれかの納品庫20を配達先として配達者(納入者)により物品が納入された後に、受取者が当該納品庫20から物品を取り出して物品を受け取ることで、配達者により配達される物品の受け渡しに用いられる。
【0013】
納品庫20は、
図1に示すように、直方体状の本体20aと、本体20aに開閉可能に取り付けられる矩形板状の扉21とを備え、扉21を開いて本体20a内の空間に物品を納入可能となっている。
【0014】
制御ユニット30は、
図1に示すように、各納品庫20と同じサイズの直方体状の本体30aと、本体30aの前面を覆い各種機器が取り付けられる前面板31と、本体30a内の空間に配置される制御装置32とを備える。前面板31の各種機器としては、
図1及び
図2に示すように、長方形状のタッチパネル33、カードリーダ34、受領印モジュール35、照明装置36、カメラ37、スピーカ38及びシリンダ錠39が取り付けられている。
【0015】
タッチパネル33は、前面板31の中央に配置されている。タッチパネル33は、タッチ操作が可能な長方形状の画面33aを有している。また、タッチパネル33は、物品の納品や受取に関する操作案内などを表示する案内画像Gaを画面33aの上部に表示すると共に、物品の納品や受取に関する入力操作などを受け付ける操作画像Gbを画面33aの下部に表示する。なお、
図2では、一例として、操作者に荷物の納品か受取を選択させるための案内画像Gaと、操作者に納品処理をさせるための納品ボタン及び操作者に荷物の受け取りをさせるための受取ボタンを有する操作画像Gbとが表示されている。タッチパネル33は、画面33aを後方から照らし出すバックライト33bを備えている(
図3参照)。
【0016】
カードリーダ34及び受領印モジュール35は、前面板31におけるタッチパネル33の右側に上方から下方に向かってこの順で配置されている。カードリーダ34は、例えば物品の配達者や受取者の識別情報などが登録されたICカードなどを読み取るものである。受領印モジュール35は、例えば物品の配達伝票などに受領印を押印可能なスタンプユニットである。なお、制御装置32は、配達者による納品庫20への納品が完了した際に受領印モジュール35に配達伝票の挿入を促す案内画像Gaをタッチパネル33の画面33aに表示し、配達伝票が挿入されると受領印を押印するように受領印モジュール35を制御する。
【0017】
照明装置36、カメラ37、スピーカ38及びシリンダ錠39は、前面板31におけるタッチパネル33の左側に上方から下方に向かってこの順で配置されている。照明装置36は、カメラ37の撮像対象物に光を照射する。カメラ37は、ストッカ10の前方の所定範囲を撮像可能に配置され、配達者や受取者やコードなどの被写体を含む画像を撮像する。スピーカ38は、物品の納入や取り出しに関する操作案内などを複数の音声出力孔を介して音声で出力する。シリンダ錠39は、ストッカ10の管理者などにより鍵穴に挿入された鍵の操作により前面板31を解錠したり施錠したりする。なお、前面板31は、本体30aに開閉可能に取り付けられており、シリンダ錠39の解錠により開操作が可能となる。
【0018】
制御装置32は、
図3に示すように、周知のCPU32a、ROM32b、RAM32c、HDD32dなどで構成される。制御装置32は、タッチパネル33からの入力信号、カードリーダ34からのカード読み取り信号及びカメラ37からの画像信号を入力可能である。制御装置32はタッチパネル33への制御信号、カードリーダ34への制御信号、受領印モジュール35への制御信号、照明装置36への制御信号、カメラ37への制御信号及びスピーカ38への音声信号を出力する。
【0019】
こうして構成されたストッカ10では、配達者や受取者などの利用者は、タッチパネル33の案内画像Gaの表示に従って操作画像Gbを操作して必要な情報を入力したり、カードリーダ34を用いて必要な情報を読み取らせたりする。また、ストッカ10は、タッチパネル33を介して入力された情報やカードリーダ34を介して読み取った情報、カメラ37が撮像した画像に基づいて得られた情報、及び各種センサからの検出信号などに基づいて、必要な納品庫20を解錠したり施錠したりする。配達者や受取者などの利用者は、解錠された納品庫20の扉21を開けて物品を納入したり、解錠された納品庫20の扉21を開けて物品を取り出したりする。
【0020】
次に、ストッカ10の動作について
図4、
図5を用いて説明する。以下には、ストッカ10で実行される納品処理及び受取処理について説明する。ここでは、予め二次元コードにより認証番号を付与された配達者がストッカ10を操作して荷物を納品処理をする場合又は二次元コードにより受取番号を付与された受取者がストッカ10を操作して受取処理する場合について主として説明する。
図4はメインルーチンの一例を示すフローチャートであり、
図5はコード読取制御サブルーチンの一例を示すフローチャートである。メインルーチンとコード読取制御サブルーチンは、HDD32dに記憶され、制御装置32のCPU32aで常時実行されている。
【0021】
CPU32aは、メインルーチンを開始すると、まず、タッチパネル33及び照明装置36を初期状態に設定する(S100)。タッチパネル33は、初期状態では、バックライト33bが消灯されると共にタッチパネル33への入力操作を受け付けないように設定される。なお、バックライト33bを消灯する代わりに、バックライト33bを所定の低輝度に設定してもよい。また、照明装置36は、通常モードに設定される。通常モードとは、照明装置36が消灯された状態又は輝度が所定の低輝度に設定された状態である。
【0022】
続いて、CPU32aは、カメラ37がストッカ10の周辺を撮像した画像を入力し、HDD32dに記録する(S110)。続いて、CPU32aは、カメラ37の画像に基づいて、ストッカ10の周辺で動いている物体を検出したか否かを判定する(S120)。例えば、CPU32aは、現時点から所定時間遡るまでの間にカメラ37から入力した複数の画像に基づいて、時間経過に伴って位置が変化している物体があるか否かを判定することによって、動いている物体があるか否かを判定する。S120でストッカ10の周辺で動いている物体を検出していないと判定したならば、CPU32aは、再びS110に戻る。一方、S120でストッカ10の周辺で動いている物体を検出したと判定したならば、CPU32aは、タッチパネル33をスタンバイモードに設定する(S130)。タッチパネル33は、スタンバイモードでは、バックライト33bが点灯されると共に画面33aに
図2に示す案内画像Gaと操作画像Gbが表示され、タッチパネル33への入力操作を受け付けるように設定される。操作画像Gbには、納品ボタン及び受取ボタンがタッチ操作可能な状態で表示される。
【0023】
続いて、CPU32aは、カメラ37がストッカ10の周辺を撮像した画像を入力してHDD32dに記録する作業を停止する(S135)。続いて、CPU32aは、納品ボタン及び受取ボタンのいずれのボタンが選択されたか判定する(S140)。
【0024】
S140で納品ボタンが選択されたならば、CPU32aは、画面33aに案内画像を表示させるなどして、配達者に認証番号の入力を求める(S150)。具体的には、CPU32aは、認証番号の入力を、コード読取により行うか、コード読取以外の他の方法により行うかの選択画像を画面33aに表示させ、配達者に選択させる。続いて、CPU32aは、コード読取要求が入力されたか、コード読取要求以外の他の要求が入力されたかを判定する(S160)。S160でコード読取要求が入力されたならば、CPU32aは、二次元コードをカメラ37にかざすよう案内画像を画面33aに表示させると共に、コード読取制御サブルーチンを実行する(S170)。
【0025】
図5は、コード読取制御サブルーチンの一例を示すフローチャートである。CPU32aは、コード読取制御サブルーチンを開始すると、照明装置36をコード読取モードに設定する(S400)。具体的には、CPU32aは、所定の明るさの携帯機器画面に表示された二次元コードを読み取るのに適した第1輝度と、紙面に印刷された二次元コードを読み取るのに適した第2輝度とが交互に切り替わるように、照明装置36を制御する。続いて、CPU32aは、カメラ37の画像に基づいてコード読取制御を実行する(S410)。具体的には、CPU32aは、第1輝度の光が照射された際のカメラ37の画像に基づいてコード読取制御を実行したり、第2輝度の光が照射された際のカメラ37の画像に基づいてコード読取制御を実行する。続いて、CPU32aはコード読取に成功したか失敗したかを判定する(S420)。カメラ37にかざされた二次元コードが所定の明るさの携帯機器画面に表示されたものだった場合、CPU32aは、第2輝度の光が照射されたときにはコード読取に失敗しやすいが、第1輝度の光が照射されたときにコード読取に成功しやすい。一方、カメラ37にかざされた二次元コードが紙面に印刷されたものだった場合、CPU32aは、第1輝度の光が照射されたときにはコード読取に失敗しやすいが、第2輝度の光が照射されたときにコード読取に成功しやすい。S420でコード読取に失敗したならば、CPU32aは、最初にコード読取に失敗してから所定時間経過したか否かを判定する(S430)。S430で所定時間が経過していないならば、CPU32aは再びS400に戻り、S430で所定時間が経過していたならば、CPU32aは、画面33aにエラー画像を表示させるなどして、配達者にエラーを報知し(S440)、再びメインルーチンのS100に戻る。S420でコード読取に成功したならば、CPU32aは、二次元コードに含まれる番号を認識し(S450)、二次元コードに含まれる認証番号を取得する。その後、CPU32aは、照明装置36を通常モードに設定し(S460)、コード読取制御サブルーチンを終了し、メインルーチンのS190に進む。
【0026】
一方、S160でコード読取要求以外の他の要求が入力されたならば、CPU32aは、他の処理を実行し認証番号を取得する(S180)。例えば、CPU32aは、認証番号の直接入力を促す案内画像と、入力用のテンキーと、を画面33aに表示させるなどの処理を行う。そして、配達者がタッチパネル33を操作することにより認証番号が入力される。
【0027】
続いて、CPU32aは、S170又はS180のあと、取得した認証番号が予めストッカ10のHDD32dに登録された正規の認証番号と一致するか否かの照合を行う(S190)。S190で認証番号が照合されなかったならば、CPU32aは、画面33aにエラー画像を表示させるなどして、配達者にエラーを報知し(S200)、再びS100に戻る。一方、S190で認証番号が照合されたならば、CPU32aは、カメラ37がストッカ10の周辺を撮像した画像を入力してHDD32dに記録する作業を再開する(S210)。
【0028】
続いて、CPU32aは、扉21に設けられた図示しない施錠装置を制御し、納品庫20を解錠する(S220)。その後、CPU32aは、図示しないセンサから荷物の検出信号が入力され、本体20a内の空間に荷物が納品されたことを確認した後、施錠装置を制御し、納品庫20を施錠する(S230)。その後、CPU32aは、受取者が荷物を受け取る際に必要な受取番号を生成し、受取番号をHDD32dに記録し、図示しないネットワークを介して図示しない受取者の携帯機器に受取番号及び受取番号をコード化した受取コードを送信し(S240)、再びS100に戻る。
【0029】
次に、S140で受取ボタンが選択された場合のルーチンについて説明する。S140で受取ボタンが選択されたならば、CPU32aは、画面33aに案内画像を表示させるなどして、受取者に受取番号の入力を求める(S250)。具体的には、CPU32aは、受取番号の入力を、コード読取により行うか、コード読取以外の他の方法により行うかの選択画像を画面33aに表示させ、受取者に選択させる。続いて、CPU32aは、コード読取要求が入力されたか、コード読取要求以外の他の要求が入力されたかを判定する(S260)。
【0030】
S260でコード読取要求が入力されたならば、CPU32aは、S170と同様のコード読取制御サブルーチンを実行し(S270)、受取番号を取得する。一方、S260でコード読取以外の他の要求が入力されたならば、CPU32aは、S180と同様の処理を行い、受取番号を取得する(S280)。
【0031】
続いて、CPU32aは、S270又はS280のあと、取得した受取番号がS240でCPU32aにより生成されHDD32dに記録された受取番号と一致するか否かの照合を行う(S290)。S290で受取番号が照合されなかったならば、CPU32aは、受取者にエラーを報知し(S300)、再びS100に戻る。一方、S290で受取番号が照合されたならば、CPU32aは、カメラ37がストッカ10の周辺を撮像した画像を入力してHDD32dに記録する作業を再開する(S310)。
【0032】
続いて、CPU32aは、扉21に設けられた図示しない施錠装置を制御し、納品庫20を解錠する(S320)。続いて、CPU32aは、図示しないセンサから荷物の検出信号が入力されなくなり、荷物が取り出されたことを確認した後に、図示しない施錠装置を制御し、納品庫20を施錠し(S330)、再びS100に戻る。
【0033】
以上説明した本実施形態のストッカ10では、CPU32aがカメラ37の画像に基づいて、ストッカ10の周辺に動いている物体を検出したか否かを判定し、動いている物体を検出したならば、タッチパネル33をスタンバイモードになるように制御する。また、タッチパネル33にコード読取要求が入力されると、カメラ37が撮像した画像に基づいてコード読取制御を実行する。つまり、ストッカ10では、カメラ37の画像を利用して人感センサの機能とコードリーダの機能を実現する。そのため、カメラ37とは別に人感センサを設ける必要がない。したがって、人感センサの機能とコードリーダの機能を備えたストッカを低コストで製造できる。
【0034】
また、動いている物体を検出する際の通常モードでは、照明装置36の消費電力を低く抑えることができる。また、コード読取モードでは、二次元コードが紙に印刷されている場合及び二次元コードが所定の明るさの画面に表示されている場合のいずれの場合であっても確実にコードを読み取ることができる。
【0035】
更に、スタンバイモードにおいて、タッチパネル33が明状態に切り替わることで、操作者が検出されたことを操作者に対して知らせることができるし、操作者の操作を受け付ける状態に切り替わることで、操作者がタッチパネル33を操作できるようになる。
【0036】
更にまた、制御装置32は、コード読取制御を実行する前後では、カメラ37の画像をHDD32dに保存する。そのため、操作者が物品を収納したり受け取ったりする動作を支障なく記録することができる。
【0037】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0038】
例えば、上述した実施形態では、CPU32aは、カメラ37の画像に基づいて動いている物体を検出したか否かを判定したが、更に動いている物体に対して人の顔を認識できたか否かを判定してもよい。こうすれば、動いている物体が人か否かを判定することができる。
【0039】
上述した実施形態では、CPU32aは、コード読取モードでは、第1輝度と第2輝度とが交互に切り替わるように照明装置36を制御した。しかし、CPU32aは、コード読取モードでは、第1輝度と第2輝度に第3輝度(例えば、第1輝度と第2輝度との中間の輝度や、第2輝度よりも高い輝度や、第1輝度よりも低い輝度など)を加えて、第1輝度と第2輝度と第3輝度とが切り替えるように照明装置36を制御してもよい。こうすれば、コード読取に成功する確率が向上する。
【0040】
上述した実施形態では、CPU32aは、カメラ37がストッカ10の周辺を撮像した画像を入力してHDD32dに記録する作業を一時的に中断し、認証番号又は受取番号を取得した後に再開したが、CPU32aは、絶えずカメラ37がストッカ10の周辺を撮像した画像を入力しHDD32dに記録するようにしてもよい。こうすれば、操作者が番号の入力を行っている様子やコードを読み取らせている様子も記録できる。
【0041】
本開示のストッカは以下のように構成してもよい。
【0042】
本開示のストッカにおいて、前記カメラの撮像対象物に光を照射する照明装置を備え、前記制御装置は、前記カメラの画像に基づいて動いている物体を検出したか否かを判定する際には、前記照明装置を通常モードに設定し、前記コードの読取制御を実行する際には、前記照明装置をコード読取モードに設定してもよい。こうすれば、動いている物体の検出及びコード読取制御の処理にそれぞれ適した光を照射することができる。
【0043】
本開示のストッカにおいて、前記制御装置は、前記通常モードでは、前記照明装置を暗状態に設定し、前記コード読取モードでは、所定の明るさの画面上の前記コードを読み取る第1輝度と紙面上の前記コードを読み取る第2輝度とを交互に切り替えてもよい。こうすれば、動いている物体を検出する際の通常モードでは、照明装置の消費電力を低く抑えることができる。また、コード読取モードでは、コードが紙に設けらされている場合及びコードが画面に表示されている場合のいずれの場合であっても確実にコードを読み取ることができる。
【0044】
本開示のストッカにおいて、前記入力装置は、タッチパネルであり、前記制御装置は、前記入力装置を前記スタンバイモードになるように制御するにあたり、前記タッチパネルのバックライトを暗状態から明状態に切り替えるか、操作者の操作を前記入力装置が受け付けない状態から受け付ける状態に切り替えてもよい。こうすれば、スタンバイモードにおいて、タッチパネルが明状態に切り替わることで、操作者が検出されたことを操作者に対して知らせることができるし、操作者の操作を受け付ける状態に切り替わることで、操作者がタッチパネルを操作できるようになる。
【0045】
本開示のストッカにおいて、前記制御装置は、前記コードの読取制御を実行する前後では、前記カメラの画像を記録部に保存してもよい。こうすれば、操作者が物品を収納したり受け取ったりする動作を支障なく記録することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、収容庫やストッカの製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
10 ストッカ、20 納品庫、20a 本体、21 扉、30 制御ユニット、30a 本体、31 前面板、32 制御装置、32a CPU、32b ROM、32c RAM、32d HDD、33 タッチパネル、33a 画面、33b バックライト、34 カードリーダ、35 受領印モジュール、36 照明装置、37 カメラ、38 スピーカ、39 シリンダ錠、Ga 案内画像、Gb 操作画像