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特許7421900断熱サンドイッチパネル及びそれに用いる硬化性組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】断熱サンドイッチパネル及びそれに用いる硬化性組成物
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/40 20060101AFI20240118BHJP
   B32B 7/027 20190101ALI20240118BHJP
   B32B 27/18 20060101ALI20240118BHJP
   C08G 18/00 20060101ALI20240118BHJP
   C08K 5/5313 20060101ALI20240118BHJP
   C08K 5/5377 20060101ALI20240118BHJP
   C08K 5/5399 20060101ALI20240118BHJP
   C08L 75/04 20060101ALI20240118BHJP
   E04B 1/80 20060101ALI20240118BHJP
   E04C 2/292 20060101ALI20240118BHJP
   E04F 13/12 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B32B27/40
B32B7/027
B32B27/18 B
C08G18/00 H
C08G18/00 L
C08K5/5313
C08K5/5377
C08K5/5399
C08L75/04
E04B1/80 100Q
E04C2/292
E04F13/12 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019188550
(22)【出願日】2019-10-15
(65)【公開番号】P2020097219
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-10-05
(31)【優先権主張番号】P 2018199924
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】510114125
【氏名又は名称】株式会社エフコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】天野 良太郎
【審査官】藤原 敬士
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-105188(JP,A)
【文献】特開2015-078594(JP,A)
【文献】特開2015-059321(JP,A)
【文献】国際公開第2015/064018(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00 - 43/00
C08G 18/00 - 18/87
C08K 3/00 - 13/08
C08L 1/00 - 101/14
E04B 1/62 - 1/99
E04C 2/00 - 2/54
E04F 13/00 - 13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚の面材の間に、断熱層が積層された断熱サンドイッチパネルであって、
該断熱層が、ポリオール化合物、発泡剤、触媒、難燃剤、及びポリイソシアネート化合物を含む硬化性組成物から形成されるものであり、
該難燃剤が、ホスフィン酸塩化合物とリン酸エステル、及び/またはホスホロアミダート化合物を含むこと特徴とする断熱サンドイッチパネル。
【請求項2】
断熱サンドイッチパネルに用いる断熱層用の硬化性組成物であって、
ポリオール化合物、発泡剤、触媒、難燃剤、及びポリイソシアネート化合物を含み、
該難燃剤が、ホスフィン酸塩化合物とリン酸エステル、及び/またはホスホロアミダート化合物を含むことを特徴とする断熱サンドイッチパネル用の硬化性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱性、耐熱性に優れる断熱サンドイッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建築物、土木構築物等の建材として、金属板等の間に断熱材を積層した断熱サンドイッチパネルが使用されている。
近年では、断熱性能に加え、耐熱性能を有するサンドイッチパネルが求められるようになり、例えば断熱性、耐熱性を有する材料として、ロックウールやグラスウール等の無機材料、水酸化アルミニウム、ポリリン酸アンモニウムあるいは炭酸カルシウム等の無機材料粉等を混入したウレタンフォーム等が挙げられ、これらの材料を金属板等の間に積層した技術が研究されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-159734
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記ロックウールやグラスウール等の無機材料では、十分な断熱性能が得られない場合があった。
また上記水酸化アルミニウム、ポリリン酸アンモニウムあるいは炭酸カルシウム等の無機材料粉等を混入したウレタンフォーム等では、十分な耐熱性能が得られない場合あった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、本発明の主たる目的は、断熱性、耐熱性に優れる断熱サンドイッチパネルを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、断熱サンドイッチパネルに用いる断熱層として、ポリオール化合物、発泡剤、触媒、ホスフィン酸塩化合物及び/またはホスホロアミダート化合物を含む難燃剤、ポリイソシアネート化合物を含む硬化性組成物を用いることにより、断熱性、耐熱性に優れる断熱サンドイッチパネルが得られることを見出し、本発明の完成に至った。
【0007】
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.2枚の面材の間に、断熱層が積層された断熱サンドイッチパネルであって、
該断熱層が、ポリオール化合物、発泡剤、触媒、難燃剤、及びポリイソシアネート化合物を含む硬化性組成物から形成されるものであり、
該難燃剤が、ホスフィン酸塩化合物とリン酸エステル、及び/またはホスホロアミダート化合物を含むこと特徴とする断熱サンドイッチパネル。
2.断熱サンドイッチパネルに用いる断熱層用の硬化性組成物であって、
ポリオール化合物、発泡剤、触媒、難燃剤、及びポリイソシアネート化合物を含み、
該難燃剤が、ホスフィン酸塩化合物とリン酸エステル、及び/またはホスホロアミダート化合物を含むことを特徴とする断熱サンドイッチパネル用の硬化性組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、断熱性、耐熱性に優れる断熱サンドイッチパネルが提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0010】
本発明は、2枚の面材の間に、断熱層が積層された断熱サンドイッチパネルである。
【0011】
本発明の断熱サンドイッチパネルは、例えば、建築物の壁材用として使用でき、さらに、プラント、トンネル等の土木構築物用、冷蔵・冷凍庫、車輌、船舶、航空機、保温ボックス、電子機器、家電等の用途でも使用することができる。本発明の断熱サンドイッチパネルは、防耐火性を有するパネルとして使用することもでき、例えば、建築物外壁用の防耐火断熱建材として使用できる。
【0012】
本発明で用いる面材としては、例えば、ガルバリウム鋼板(登録商標)、亜鉛メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、チタン板、表面処理鋼板等の金属板、スレート板、モルタル板、セメント板、セラミック板、ケイ酸カルシウム板、炭酸カルシウム板、石膏ボード、窯業ボード等の無機質板、木質ボード、プラスチックボード等、また、樹脂フィルム、織布、不織布、クラフト紙、段ボール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を複合して用いることができる。
【0013】
本発明で用いる断熱層は、ポリオール化合物、発泡剤、触媒、ホスフィン酸塩化合物及び/またはホスホロアミダート化合物を含む難燃剤、及びポリイソシアネート化合物を含む硬化性組成物から形成されるものである。
このような硬化性組成物は、ウレタンフォームを形成するもので、難燃剤としてホスフィン酸塩化合物を含むことにより、断熱性と耐熱性を兼ね備えた断熱サンドイッチパネルを得ることができる
【0014】
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリペンタジエンポリオール、ひまし油系ポリオール等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
【0015】
このうち、ポリエステルポリオールとしては、例えば、芳香族ポリエステルポリオール、脂肪族ポリエステルポリオール、芳香族/脂肪族ポリエステルポリオール等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
具体的に、芳香族ポリエステルポリオールは、1分子中に芳香族炭化水素を有するポリオールのことで、例えば、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸等の芳香族多塩基酸と多価アルコールとを反応させて得られる縮合ポリエステルポリオール、ポリエチレンテレフタレート等のフタル酸系ポリエステル成形物を分解して得られるフタル酸系ポリエステルポリオール等が挙げられる。また、多価アルコールとしては、例えば、2価以上のアルコール類及びその誘導体、2価以上のフェノール類、ポリオール類等が挙げられる。
脂肪族ポリエステルポリオールは、1分子中に脂肪族炭化水素を有するポリオールのことで、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族多塩基酸と多価アルコールとを反応させて得られる縮合ポリエステルポリオール等が挙げられる。
芳香族/脂肪族ポリエステルポリオールは、1分子中に脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素を有するポリオールのことで、芳香族多塩基酸及び脂肪族多塩基酸と多価アルコールとを反応させて得られる縮合ポリエステルポリオール等が挙げられる。
本発明では、ポリオール化合物としてポリエステルポリオールを含むことが好ましい。
【0016】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、芳香族ポリエーテルポリオール、リン含有ポリエーテルポリオール、グリセリン系ポリエーテルポリオール、アミノ基含有ポリエーテルポリオール等が挙げられる。具体的に、芳香族ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ビスフェノールAを開始剤としてアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)を付加することで得られるビスフェノールA型ポリエーテルポリオール、芳香族アミン(例えば、トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、p-フェニレンジアミン、o-フェニレンジアミン、ナフタレンジアミン、トリエタノールアミン、マンニッヒ縮合物等)を開始剤としてアルキレンオキサイドを付加することで得られる芳香族アミン系ポリエーテルポリオール等が挙げられる。リン含有ポリエーテルポリオールとしては、例えば、リン酸エステル構造を有するジオールであるジアルキル-N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート等が挙げられる。グリセリン系ポリエーテルポリオールとしては、グリセリンを開始剤としてアルキレンオキサイドを付加することで得られるポリエーテルポリオール等が挙げられる。アミノ基含有ポリエーテルポリオールとしては、例えば、低分子量アミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ネオペンチルジアミン等)を開始剤としてアルキレンオキサイドを付加したもの等が挙げられる。
【0017】
本発明におけるポリオール化合物の水酸基価は、特に限定されないが、50mgKOH/g以上500mgKOH/g以下であることが望ましい。
なお水酸基価は、試料1gに含まれる水酸基と等モルの水酸化カリウムのmg数によって表される値であり、JIS K 1557-1:2007 プラスチック-ポリウレタン原料ポリオール試験方法-第1部:水酸基価の求め方に基づいて測定した値である。ポリオール化合物の水酸基価とは、全てのポリオール化合物の混合物で測定した値である。
【0018】
発泡剤としては、例えば、ハイドロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロオレフィン、ハイドロクロロフルオロオレフィン、水、液化炭酸ガス等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
【0019】
このうち、ハイドロカーボンとしては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、へプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン等が挙げられる。ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)としては、例えば、1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン(HCFC-141B)、1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン(HCFC-142B)、クロロジフルオロメタン(HCFC-22)等が挙げられる。ハイドロフルオロカーボン(HFC)としては、例えば、ジフルオロメタン(HFC32)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC125)、1,1,1-トリフルオロエタン(HFC143a)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC134)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC134a)、1,1-ジフルオロエタン(HFC152a)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC227ea)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC245fa)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC365mfc)、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロペンタン(HFC4310mee)等が挙げられる。
【0020】
ハイドロフルオロオレフィン(HFO)としては、例えば、1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO1225ye)等のペンタフルオロプロペン、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO1234ze)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO1234yf)、1,2,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO1234ye)等のテトラフルオロプロペン、3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO1243zf)等のトリフルオロプロペン、テトラフルオロブテン(HFO1345)、ペンタフルオロブテン(HFO1354)、ヘキサフルオロブテン(HFO1336)、ヘプタフルオロブテン(HFO1327)、ヘプタフルオロペンテン(HFO1447)、オクタフルオロペンテン(HFO1438)、ノナフルオロペンテン(HFO1429)等、あるいはこれらの異性体(シス体、トランス体)等が挙げられる。ハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)としては、例えば、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233zd)、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xf)、ジクロロトリフルオロプロペン(HCFO1223)等、あるいはこれらの異性体(シス体、トランス体)等が挙げられる。
本発明における発泡剤としては、ハイドロフルオロオレフィン、ハイドロクロロフルオロオレフィン、水から選ばれる1種または2種以上が好適であり、例えばハイドロフルオロオレフィンと水、ハイドロクロロフルオロオレフィンと水、ハイドロフルオロオレフィンとハイドロクロロフルオロオレフィンと水等、各発泡剤を組み合わせて使用することができる。
【0021】
発泡剤の混合量は、ポリオール化合物100重量部に対して、好ましくは10重量部以上200重量部以下、より好ましくは20重量部以上180重量部以下、さらに好ましくは30重量部以上150重量部以下である。また、発泡剤として、ハイドロフルオロオレフィン及び/またはハイドロクロロフルオロオレフィンと水を含む場合、ハイドロフルオロオレフィン及び/またはハイドロクロロフルオロオレフィンと、水との混合比率(重量比率)が100:0.5~100:5(さらには100:0.8~100:4)であることが好ましい。このような範囲であることにより、優れた低熱伝導性、耐熱性、さらには優れた強度を有するフォームを得ることができる。
【0022】
触媒としては、特に限定されないが、例えば、ヌレート化触媒、樹脂化触媒、泡化触媒等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
【0023】
ヌレート化触媒としては、イソシアヌレート化に有効な触媒であれば、特に限定されず、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドまたはその有機酸塩(有機酸として、例えば、酢酸、カプロン酸(n-ヘキサン酸)、オクチル酸(2-エチルヘキサン酸)、ミリスチン酸、乳酸等)、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等のトリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドまたはその有機酸塩(有機酸として、例えば、酢酸、カプロン酸(n-ヘキサン酸)、オクチル酸(2-エチルヘキサン酸)、ミリスチン酸、乳酸等)、アルキルカルボン酸(例えば、酢酸、カプロン酸(n-ヘキサン酸)、オクチル酸(2-エチルヘキサン酸)、ミリスチン酸、乳酸等)の金属塩、アルミニウムアセチルアセトン、リチウムアセチルアセトン等のβ-ジケトンの金属キレート化合物、塩化アルミニウム、三フッ化硼素等のフリーデル・クラフツ触媒、チタンテトラブチレート、トリブチルアンチモン酸化物等の有機金属化合物、ヘキサメチルシラザン等のアミノシリル基含有化合物等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
【0024】
樹脂化触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン(TEDA)、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチル-(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルグアニジン、1,3,5-トリス(N,N-ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン等の3級アミンまたはその有機酸塩、ビスマストリス(2-エチルヘキサノエート)、ビスマストリス(ネオデカノエート)、ビスマストリス(パルミテート)、ビスマステトラメチルヘプタンジオエート、オクチル酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレエート、ジブチルスズジアセテート、ジオクチルスズジアセテート、オクチル酸スズ等の有機金属、1-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-イソプロピルイミダゾール、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール等のイミダゾール、または、N-メチル-N′-(2-ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N’-ジメチルピペラジン、N-メチルピペラジン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、1,1’-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)イミノ)ビス(2-プロパノール)等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
【0025】
泡化触媒としては、例えば、N,N,N’,N’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’,N’’-ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N-ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’-トリメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、N,N,N’,N’’-テトラメチル-N’’-(2-ヒドロキシルエチル)トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’’-テトラメチル-(2-ヒドロキシルプロピル)トリエチレンジアミン等の3級アミンまたはその有機酸塩等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
【0026】
触媒の混合量はポリオール化合物100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上25重量部以下、より好ましくは0.5重量部以上20重量部以下、さらに好ましくは1重量部以上18重量部以下、最も好ましくは2重量部以上15重量部以下である。なお触媒に活性水素含有成分が含まれる場合、触媒に含まれる活性水素含有成分も考慮してイソシアネート指数を算出する。
本発明では特に、ヌレート化触媒とともに、樹脂化触媒及び/または泡化触媒を含むことが好ましく、フォーム形成性等に有利である。なお触媒に活性水素含有成分が含まれる場合、触媒に含まれる活性水素含有成分も考慮してイソシアネート指数を算出する。
【0027】
難燃剤としては、ホスフィン酸塩化合物及び/またはホスホロアミダート化合物を含むことを特徴とする。ホスフィン酸塩化合物を含むことにより、断熱サンドイッチパネルの耐熱性を向上させることができる。
【0028】
ホスフィン酸塩化合物としては、例えば、ホスフィン酸ナトリウム、ホスフィン酸カルシウム、ホスフィン酸アルミニウム、ホスフィン酸亜鉛、ジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、トリス(メチルエチルホスフィン酸)アルミニウム、トリス(ジブチルホスフィン酸)アルミニウム、トリス(ブチルエチルホスフィン酸)アルミニウム、トリス(ジフェニルホスフィン酸)アルミニウム、ビス(ジエチルホスフィン酸)亜鉛、ビス(メチルエチルホスフィン酸)亜鉛、ビス(ジフェニルホスフィン酸)亜鉛、ビス(ジエチルホスフィン酸)チタニル、テトラキス(ジエチルホスフィン酸)チタニル、ビス(メチルエチルホスフィン酸)チタニル、テトラキス(メチルエチルホスフィン酸)チタニル、ビス(ジフェニルホスフィン酸)チタニル、テトラキス(ジフェニルホスフィン酸)チタニル等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
本発明では、特に、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、トリス(メチルエチルホスフィン酸)アルミニウム、トリス(ジブチルホスフィン酸)アルミニウム、トリス(ブチルエチルホスフィン酸)アルミニウム、トリス(ジフェニルホスフィン酸)アルミニウム、ビス(ジエチルホスフィン酸)亜鉛、ビス(メチルエチルホスフィン酸)亜鉛、ビス(ジフェニルホスフィン酸)亜鉛、ビス(ジエチルホスフィン酸)チタニル、テトラキス(ジエチルホスフィン酸)チタニル、ビス(メチルエチルホスフィン酸)チタニル、テトラキス(メチルエチルホスフィン酸)チタニル、ビス(ジフェニルホスフィン酸)チタニル、テトラキス(ジフェニルホスフィン酸)チタニル等のアルキルホスフィン酸金属塩化合物を用いることが好ましく、この中でも特に、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、トリス(メチルエチルホスフィン酸)アルミニウム、トリス(ブチルエチルホスフィン酸)アルミニウム、トリス(ジフェニルホスフィン酸)アルミニウムから選ばれるトリス(アルキルホスフィン酸)アルミニウムが好適である。
【0029】
ホスホロアミダート化合物としては、例えば、下記式1、2で示されるホスホロアミダート、下記式3、4で示される環状ホスホロアミダート等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。本発明では特に、環状ホスホロアミダートが好適である。
(式1)
O-R1

O=P-N(R2)

O-R1
(式2)
O-R1 O-R1
│ │
O=P-N(R2)-R3-(R2)N-P=O
│ │
O-R1 O-R1
(R1は同じでも異なっていてもよく炭素数1以上12以下のアルキル基、R2は同じでも異なっていてもよく水素原子または炭素数1以上12以下のアルキル基、R3は炭素数1以上12以下のアルキレン基を示し、また、N(R2)、N(R2)-R3-(R2)Nが含窒素複素環構造でもよい。)
(式3)
R2 R1-O
\ / \
C P=O
/ \ / \
R2 R1-O N(R3)
(式4)
R2 R1-O O-R1 R2
\ / \ / \ /
C P=O O=P C
/ \ / \ / \ / \
R2 R1-O N(R3)-R4-(R3)N O-R1 R2
(R1は同じでも異なっていてもよく炭素数1以上3以下のアルキレン基、R2は同じでも異なっていてもよく炭素数1以上12以下のアルキル基、R3は同じでも異なっていてもよく水素原子または炭素数1以上12以下のアルキル基、R4は炭素数1以上12以下のアルキレン基を示し、また、N(R3)、N(R3)-R4-(R3)Nが含窒素複素環構造でもよい。)
【0030】
難燃剤として、上記ホスフィン酸塩化合物以外の難燃剤を含むこともできる。例えば、ハロゲン系難燃剤、有機臭素系難燃剤、窒素系難燃剤、金属水和物系難燃剤、アンチモン系難燃剤、ホウ素系難燃剤、シリコン系難燃剤等、また、リン酸エステル、環状リン酸エステル、ポリリン酸塩化合物、ハロゲン化ホスファゼン、赤燐、三塩化リン、五塩化リン等のリン系難燃剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
【0031】
具体的に、リン酸エステルとしては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリスノニルフェニルフォスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、レゾルシノールビスジフェニルフォスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビスジキシレニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、ビス(2、3-ジブロモプロピル)-2、3-ジクロロプロピルホスフェート、トリス(2,3-ジブロモプロピル)ホスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート、ハイドロキノニルジフェニルホスフェート、フェニルノニルフェニルハイドロキノニルホスフェート、フェニルジノニルフェニルホスフェート、ジフェニル-4-ヒドロキシ-2,3,5,6-テトラブロモベンジルホスフォネート、ジメチル-4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモベンジルホスフォネート、ジフェニル-4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモベンジルホスフォネート等が挙げられる。
環状リン酸エステルとしては、例えば、3,9-ビス(フェニルメチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((2-メチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((3-メチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((4-メチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((2,4-ジメチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((2,6-ジメチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((3,5-ジメチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((2,4,6-トリメチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((2-sec-ブチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((4-sec-ブチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((2,4-ジ-sec-ブチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((2,6-ジ-sec-ブチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((2,4,6-トリ-sec-ブチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((2-tert-ブチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((4-tert-ブチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((2,6-ジ-tert-ブチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((4-ビフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((1-ナフチル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((2-ナフチル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((1-アントリル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((2-アントリル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス((9-アントリル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス(1-フェニルエチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス(2-メチル-2-フェニルエチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス(ジフェニルメチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス(トリフェニルメチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3-フェニルメチル-9-((2,6-ジメチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3-フェニルメチル-9-((2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3-フェニルメチル-9-(1-フェニルエチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3-フェニルメチル-9-ジフェニルメチル-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3-((2,6-ジメチルフェニル)メチル)-9-(1-フェニルエチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3-((2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)メチル)-9-(1-フェニルエチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3-ジフェニルメチル-9-(1-フェニルエチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3-ジフェニルメチル-9-((2,6-ジメチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3-ジフェニルメチル-9-((2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)メチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。
【0032】
ポリリン酸塩化合物としては例えば、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸ピペラジン、ポリリン酸メレム、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メロン等が挙げられる。
【0033】
ハロゲン化ホスファゼンとしては、例えば、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン、オクタクロロシクロテトラホスファゼン、デカクロロシクロペンタホスファゼン、ドデカクロロシクロヘキサホスファゼン、ヘキサブロモシクロトリホスファゼン、ヘキサフルオロシクロトリホスファゼン、オクタフルオロシクロテトラホスファゼン、デカフルオロシクロペンタホスファゼン、ドデカフルオロシクロヘキサホスファゼン、ヘキサメトキシシクロトリホスファゼン、エトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン、ジエトキシテトラフルオロシクロトリホスファゼン、フェノキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、メトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、プロポキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、ブトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン等が挙げられる。
【0034】
難燃剤の混合量は、ポリオール化合物100重量部に対して、好ましくは1重量部以上1000重量部以下(より好ましくは5重量部以上600重量部以下、さらに好ましくは10重量部以上400重量部以下)である。
さらに本発明では、難燃剤としてホスフィン酸塩化合物を含む場合は、ポリオール化合物100重量部に対して、ホスフィン酸塩化合物は10重量部以上200重量部以下(より好ましくは20重量部以上120重量部以下、さらに好ましくは25重量部以上10重量部以下)であることが好ましい。またリン酸エステルとホスフィン酸塩化合物を併用することが好ましく、リン酸エステルとホスフィン酸塩化合物を併用する場合、ポリオール化合物100重量部に対して、リン酸エステルは30重量部以上900重量部以下(好ましくは40重量部以上600重量部以下、さらに好ましくは50重量部以上400重量部以下)、ホスフィン酸塩化合物は10重量部以上200重量部以下(より好ましくは20重量部以上120重量部以下、さらに好ましくは25重量部以上100重量部以下、最も好ましくは30重量部以上70重量部以下)であることが好ましい。また、リン酸エステルとホスフィン酸塩化合物の混合比率(重量比)は、リン酸エステル:ホスフィン酸塩化合物比率で、90:10~50:50、さらには85:15~55:45、さらには80:20~60:40であることが好ましい。このような範囲であることにより、耐熱性をより向上させることができる。
また、環状ホスホロアミダートを含む場合は、ポリオール化合物100重量部に対して、環状ホスホロアミダートは1重量部以上100重量部以下(より好ましくは5重量部以上70重量部以下、さらに好ましくは10重量部以上50重量部以下)であることが好ましい。このような範囲であることにより、施工性に優れるとともに、耐熱性をより向上させることができる。
【0035】
ポリイソシアネート化合物としては、ポリウレタンの技術分野において公知の各種ポリイソシアネート化合物が使用できる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等が挙げられる。本発明では、取扱の容易性、反応の速さ、得られるフォームの物理特性、コスト面での優位性等の点から、MDIが好ましい。MDIとしては、例えば、モノメリックMDI、ポリメリックMDI(ポリメチレンポリフェニルイソシアネート)等が挙げられる。
【0036】
本発明の硬化性組成物は、イソシアネート指数が130以上500以下(さらには150以上480以下、さらには170以上450以下)であることが好ましい。
このような範囲で上記ポリオール化合物と上記ポリイソシアネート化合物等を混合することにより、優れた耐熱性を得ることができる。なお、イソシアネート指数とは、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の当量数を、活性水素含有成分(ポリオール化合物、及び水等)の活性水素の総当量数で除した数値の100倍で表されるものである。
【0037】
本発明の硬化性組成物は、上述の成分に加え、整泡剤を含むことができる。整泡剤としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーン化合物等のシリコーン系整泡剤や、含フッ素化合物系整泡剤等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。ポリエーテル変性シリコーン化合物としては、例えば、ポリジメチルシロキサンとポリオキシエチレングリコールまたはポリオキシエチレン-プロピレングリコールとのグラフト共重合体等が挙げられる。整泡剤の混合量は、ポリオール化合物100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上40重量部以下、より好ましくは0.5重量部以上30重量部以下である。
【0038】
また本発明の硬化性組成物は、上述の成分に加え、エチレン性不飽和二重結合含有化合物を含むことができる。エチレン性不飽和二重結合としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、アリル基、プロペニル基等が挙げられる。本発明では、このようなエチレン性不飽和二重結合含有化合物の使用により、耐熱性、貯蔵安定性等を一層高めることができる。
特に本発明では、エチレン性不飽和二重結合含有化合物とともに、有機リン化合物としてアルキルホスフィン酸塩化合物を含む場合、難燃効果が高まり、より優れた耐熱性を付与することができる。また、エチレン性不飽和二重結合含有化合物とともに、有機リン化合物として環状ホスホロアミダートを含む場合、難燃効果が高まり、より優れた耐熱性を付与することができる。
【0039】
エチレン性不飽和二重結合含有化合物としては、上述の効果等の点から、1分子中のエチレン性不飽和二重結合濃度が0.5mmol/g以上20mmol/g以下であるものが好ましく、5mmol/g以上15mmol/g以下であるものがより好ましい。なお、分子中のエチレン性不飽和二重結合濃度は、分子内のエチレン性不飽和二重結合のモル数で表されるものであり、分子内のエチレン性不飽和二重結合の数を分子量で除した数値の1000倍(mmol/g)で表わされるものである。
【0040】
エチレン性不飽和二重結合含有化合物の具体例としては、例えば、多価アルコール(例えば2価以上のアルコール類及びその誘導体、2価以上のフェノール類、ポリオール類等)と不飽和カルボン酸((メタ)アクリル酸等)との反応物、アミン(例えば、2価以上のアミン類、アルカノールアミン類等)と不飽和カルボン酸との反応物、チオールの不飽和カルボン酸チオエステルまたは不飽和アルキルチオエーテル、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物と不飽和カルボン酸との反応物、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
【0041】
このうち、多価アルコールと不飽和カルボン酸との反応物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルキレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0042】
上記ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
【0043】
上記分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物としては、水酸基含有(メタ)アクリルモノマーとジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、アルキレンオキシド変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0044】
エチレン性不飽和二重結合含有化合物の混合量は、ポリオール化合物100重量部に対して、好ましくは1重量部以上100重量部以下、より好ましくは5重量部以上90重量部以下、さらに好ましくは10重量部以上80重量部以下である。なおエチレン性不飽和二重結合含有化合物に複数の水酸基が含まれる場合は、ポリオール化合物とみなす。またエチレン性不飽和二重結合含有化合物に含まれる活性水素含有成分も考慮してイソシアネート指数を算出する。
【0045】
本発明の硬化性組成物には、上記成分の他に、例えば、着色剤、界面活性剤、重合禁止剤、繊維等を混合することができる。
着色剤としては、例えば、顔料、染料等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等が挙げられる。このような界面活性剤は、貯蔵安定性、分散安定性を付与することができる。
重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン系重合禁止剤、ベンゾキノン系重合禁止剤、カテコール系重合禁止剤、ピペリジン系重合禁止剤等が挙げられる。このような重合禁止剤は、後述する2液型の形態において、長期貯蔵安定性を付与するとともに、ポリオール製造過程で添加した場合は、製造安定性にも寄与する。
繊維としては、例えば、セルロース繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、木材繊維、ポリアミド繊維等の有機繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維等の無機繊維等が挙げられる。このような繊維は、施工性、フォーム形成性、寸法安定性等を付与することができる。本発明では、繊維を用いなくてもよいが、繊維を混合した場合は、少量の繊維で効果を発揮することができる。
【0046】
本発明の硬化性組成物は、流通時に2液型の形態としておき、使用時(フォーム形成時)に混合して使用することが好ましい。このような2液型の形態においては、例えば、第1液が、ポリオール化合物、発泡剤、触媒、及び難燃剤を含む形態、第2液がポリイソシアネート化合物を含む形態とすることができる。
【0047】
本発明は、上記2枚の面材の間に、上記硬化性組成物から形成された断熱層が積層されたもので、製造方法としては、予め断熱層を製造しておき2枚の面材を貼り合わせる方法、一つの面材に硬化性組成物を塗付して発泡させ断熱層を形成させた後、もう一つの面材を貼り合わせる方法、2枚の面材の間に硬化性組成物を注入して発泡させ断熱層を形成させる方法等が挙げられる。
本発明では、特に2枚の面材の間に硬化性組成物を注入して発泡させ断熱層を形成させる方法が好ましく、注入型の硬化性組成物として好適なものである。
【0048】
断熱サンドイッチパネルの厚みは、使用用途によって適宜選定することができるが、面材は、0.1mm以上7mm以下、さらには0.2mm以上5mm以下、断熱層は、10mm以上250mm以下、さらには15mm以上200mm以下であることが好ましい。
【実施例
【0049】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0050】
第1液として、表1に示す重量割合にて下記原料を均一に混合したものを用意した。第2液としては、ポリメリックMDIからなるものを用意した。
・ポリオール化合物:芳香族ポリエステルポリオール(テレフタル酸系ポリエステルポリオール、粘度1900mPa・s、酸価:0mgKOH/g、水酸基価:250mgKOH/g)
・発泡剤1:ハイドロクロロフルオロオレフィン
・発泡剤2:水(水酸基価:6233mgKOH/g)
・触媒1:ヌレート化触媒(2-エチルヘキサン酸テトラアルキルアンモニウムのグリコール溶液)
・触媒2:樹脂化触媒(オクチル酸ビスマスのオクチル酸溶液)
・難燃剤1:トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム
・難燃剤2:トリス(クロロプロピル)ホスフェート
・難燃剤3:環状ホスホロアミダート(式4におけるR1:すべてメチレン基、R2:すべてメチル基、R3:すべて水素原子、R4:ブチレン基の環状ホスホロアミダート)
・難燃剤4:環状ホスホロアミダート(式4におけるR1:すべてメチレン基、R2:すべてメチル基、N(R3)-R4-(R3)N:含窒素6員環構造(ピペリジン構造)の環状ホスホロアミダート)
・二重結合化合物:エチレン性不飽和二重結合含有化合物(トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレン性不飽和二重結合濃度10mmol/g、水酸基価:0mgKOH/g)
・整泡剤:シリコーン系整泡剤
【0051】
(実施例1~10、比較例1)
第1液、第2液をそれぞれ20℃に保ち、これらを表1に示すイソシアネート指数となるように混合し、2枚のガルバリウム鋼板(登録商標)(300mm×300mm、厚み0.5mm)の間(鋼板間距離:50mm)に、得られた混合液を注入し60℃にて発泡させて、ウレタンフォームを断熱層とする断熱サンドイッチパネルを得た。得られた断熱サンドイッチパネルについて、下記の方法で各試験を実施した。結果は表1に示す。
【0052】
(1)熱伝導率
得られた断熱サンドイッチパネルのウレタンフォーム部分を切り出し、熱伝導率計を用いて、熱伝導率を測定した。評価基準は以下のとおりである。
○:熱伝導率が0.03W/(m・K)以下
×:熱伝導率が0.03W/(m・K)超
【0053】
(2)耐熱性
得られた断熱サンドイッチパネルを10cm×10cmに切り出し、ISO 5660に規定されるコーンカロリーメーターを用いて耐熱性試験を実施した。なお、加熱強度は50kW/m、加熱時間は20分でそれぞれ行った。次の評価項目ついて評価を行った。評価基準は、以下のとおりである。
(2-1)耐熱性1(寸法変化)
A:試験後の厚み方向の寸法変化が5mm以下
B:試験後の厚み方向の寸法変化が5mm超10mm以下
C:試験後の厚み方向の寸法変化が10mm超
(2-2)耐熱性2(総発熱量)
A:総発熱量が5MJ/m以下
B:総発熱量が5MJ/m超8MJ/m以下
C:総発熱量が8MJ/m
(2-3)耐熱性3(最大発熱速度)
A:最大発熱速度が80kW/m以下
B:最大発熱速度が80kW/m超120kW/m以下
C:最大発熱速度が120kW/m
【0054】
(実施例11~12)
2枚のガルバリウム鋼板(登録商標)(300mm×300mm、厚み0.5mm)の間(鋼板間距離)を30mmに変更した以外は、実施例1と同様の方法で断熱サンドイッチパネルを得、実施例1と同様の方法で、熱伝導率、耐熱性を評価した。
【0055】
【表1】