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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】食品用包装材
(51)【国際特許分類】
   B65D 65/10 20060101AFI20240118BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20240118BHJP
   A23L 7/10 20160101ALI20240118BHJP
【FI】
B65D65/10 A
B65D85/50 140
A23L7/10 F
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019223664
(22)【出願日】2019-12-11
(65)【公開番号】P2021091453
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114421
【弁理士】
【氏名又は名称】薬丸 誠一
(72)【発明者】
【氏名】白井 直人
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-331180(JP,A)
【文献】特開2006-264758(JP,A)
【文献】特開2012-218791(JP,A)
【文献】特開2019-034792(JP,A)
【文献】特開2002-186432(JP,A)
【文献】特開2005-280739(JP,A)
【文献】特開2004-248637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 65/10
B65D 85/50
A23L 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向と交差する第2方向に分離可能な外シートと、シート状食品を挟んで外シートに重ね合わせられ、外シートと同方向に分離可能な内シートとを備え、シート状食品を囲むように外シートと内シートとが接合される食品用包装材であって、
食品を挟んで第1方向に二つ折りにすること、両側の余分なシート片を折り重ねて袋状にすること及び開口を封止することによって、正面部、底部、背面部及び側部を有する食品包装体の形態で食品を包装するものであり、
外シートは、食品包装体の正面部、底部及び背面部に相当する大きさに形成され、これにより、食品包装体の正面部の両側縁が外シートの両側縁で構成され、
内シートは、外シートの両側縁からはみ出て食品包装体の形成過程における余分なシート片となる単枚部分を有し、
外シートと内シートとの接合部のうち側部接合部は、外シートの両側縁に沿って外シートの両側部及び内シートを接合することにより形成され、
シート状食品は、食品包装体の正面部、底部及び背面部の範囲内に収まる大きさに形成され、かつ、シートが備える規制部により、食品包装体の正面部、底部及び背面部の範囲内の適正な位置に位置決めされる
食品用包装材。
【請求項2】
側部接合部は、線状シールないし帯状シールであり、シート状食品に対する第2方向における規制部として機能する
請求項1に記載の食品用包装材。
【請求項3】
外シートは、紙、和紙、紙質又は紙様のシートである
請求項1又は請求項2に記載の食品用包装材。
【請求項4】
第1方向と交差する第2方向に分離可能な外シートと、シート状食品を挟んで外シートに重ね合わせられ、外シートと同方向に分離可能な内シートとを備え、シート状食品を囲むように外シートと内シートとが接合される食品用包装材であって、
食品を挟んで第1方向に二つ折りにすること、両側の余分なシート片を折り重ねて袋状にすること及び開口を封止することによって、正面部、底部、背面部及び側部を有する食品包装体の形態で食品を包装するものであり、
外シートは、食品包装体の正面部に相当する幅を有する第1外シート片と、第1外シート片の両側の一対の第2外シート片とで構成されるとともに、第1外シート片の両側部を外側、各第2外シート片の側部を内側として重ね合わせて側部同士を接合することにより、一枚のシートとして構成され、これにより、食品包装体の正面部の両側縁が第1外シート片の両側縁で構成され、
シート状食品は、食品包装体の正面部、底部及び背面部の範囲内に収まる大きさに形成され、かつ、シートが備える規制部により、食品包装体の正面部、底部及び背面部の範囲内の適正な位置に位置決めされる
食品用包装材。
【請求項5】
第1外シート片は、紙、和紙、紙質又は紙様のシートである
請求項4に記載の食品用包装材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を包装するための食品用包装材に関する。
【背景技術】
【0002】
正面形状が三角形状(主として正三角形状)で、所定の厚みを有する立体形状に仕上げられた三角おにぎりを包装するための食品用包装材は、幅方向の中央部に長手方向の一端から他端にかけて開封用条体を有し、開封用条体によって幅方向に分離可能な外シートと、海苔を挟んで外シートに重ね合わせられ、外シートと同方向に分離可能な内シートとを備え、海苔を囲むように外シートと内シートとが接合され、三角おにぎりを挟んで長手方向に二つ折りにすること及び両側の余分なシート片を中心側に折ることによって、三角おにぎりを三角形状に包装する、いわゆる三角包装が一般的である(特許文献1)。
【0003】
三角おにぎりを食する際には、開封用条体を縦回りに引き回して、外シートを長手方向に分断した後、左右の分断包装体片を横に引っ張り、三角おにぎり及び海苔から分離することにより、三角おにぎりを海苔と一体化させた状態で取り出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3166506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記食品包装体においては、折った両側の余分なシート片にも海苔が存在し、海苔が部分的に曲がった状態になっている。このため、左右の分断包装体片を横に引っ張った際に、海苔が破れることがある。そして、人によっては、破れて分断包装体片内に残った海苔が食されることなく分断包装体片とともに廃棄されることがある。
【0006】
近年は、海苔の不作により、海苔の生産量が減少し、海苔の価格が上昇している。海苔は、今後ますます貴重な食資源となる。このため、使用した海苔をできる限り効果的に顧客に食されるような工夫が必要となる。
【0007】
また、海苔の価格が上昇しているため、今後は三角おにぎり1個あたりの海苔の使用量が削減される方向に動く可能性もある。この場合、海苔のサイズが小さくなることに対する工夫も必要となる。
【0008】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、使用したシート状食品を効果的に食することができるとともに、シート状食品のサイズの違いに好適に対応することができる食品用包装材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る食品用包装材は、
第1方向と交差する第2方向に分離可能な外シートと、シート状食品を挟んで外シートに重ね合わせられ、外シートと同方向に分離可能な内シートとを備え、シート状食品を囲むように外シートと内シートとが接合される食品用包装材であって、
食品を挟んで第1方向に二つ折りにすること、両側の余分なシート片を折り重ねて袋状にすること及び開口を封止することによって、正面部、底部、背面部及び側部を有する食品包装体の形態で食品を包装するものであり、
外シートは、食品包装体の正面部、底部及び背面部に相当する大きさに形成され、これにより、食品包装体の正面部の両側縁が外シートの両側縁で構成され、
内シートは、外シートの両側縁からはみ出て食品包装体の形成過程における余分なシート片となる単枚部分を有し、
外シートと内シートとの接合部のうち側部接合部は、外シートの両側縁に沿って外シートの両側部及び内シートを接合することにより形成され、
シート状食品は、食品包装体の正面部、底部及び背面部の範囲内に収まる大きさに形成され、かつ、シートが備える規制部により、食品包装体の正面部、底部及び背面部の範囲内の適正な位置に位置決めされる
食品用包装材である。
【0010】
ここで、本発明に係る食品用包装材の一態様として、
側部接合部は、線状シールないし帯状シールであり、シート状食品に対する第2方向における規制部として機能する
との構成を採用することができる。
【0011】
また、本発明に係る食品用包装材の他態様として、
外シートは、紙、和紙、紙質又は紙様のシートである
との構成を採用することができる。
【0012】
また、別の本発明に係る食品用包装材は、
第1方向と交差する第2方向に分離可能な外シートと、シート状食品を挟んで外シートに重ね合わせられ、外シートと同方向に分離可能な内シートとを備え、シート状食品を囲むように外シートと内シートとが接合される食品用包装材であって、
食品を挟んで第1方向に二つ折りにすること、両側の余分なシート片を折り重ねて袋状にすること及び開口を封止することによって、正面部、底部、背面部及び側部を有する食品包装体の形態で食品を包装するものであり、
外シートは、食品包装体の正面部に相当する幅を有する第1外シート片と、第1外シート片の両側の一対の第2外シート片とで構成されるとともに、第1外シート片の両側部を外側、各第2外シート片の側部を内側として重ね合わせて側部同士を接合することにより、一枚のシートとして構成され、これにより、食品包装体の正面部の両側縁が第1外シート片の両側縁で構成され、
シート状食品は、食品包装体の正面部、底部及び背面部の範囲内に収まる大きさに形成され、かつ、シートが備える規制部により、食品包装体の正面部、底部及び背面部の範囲内の適正な位置に位置決めされる
食品用包装材である。
【0013】
ここで、別の本発明に係る食品用包装材の一態様として、
第1外シート片は、紙、和紙、紙質又は紙様のシートである
との構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明に係る食品用包装材によれば、包装に供されると、シート状食品は、食品包装体の正面部、底部及び背面部の範囲内に位置する。このため、開封操作に伴うシート状食品の破れは、生じにくい。また、シート状食品のサイズの違いに関わらず、シート状食品は、シートが備える規制部により、食品包装体の正面部、底部及び背面部の範囲内の適正な位置に位置決めされる。このため、本発明に係る食品用包装材によれば、使用したシート状食品を効果的に食することができるとともに、シート状食品のサイズの違いに好適に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る食品用包装材の分解斜視図である。
図2図2は、同食品用包装材の外面図である。
図3図3は、同食品用包装材の内面図である。
図4図4(a)は、図2のA-A線断面図であり、図4(b)は、図4(a)のB部拡大図である。
図5図5(a)及び(b)は、同食品用包装材を用いて食品を包装する過程の斜視図である。
図6図6(a)及び(b)は、同食品用包装材を用いて食品を包装する過程の斜視図である。
図7図7(a)及び(b)は、同食品用包装材を用いて食品を包装する過程の斜視図である。
図8図8は、本発明の第2実施形態に係る食品用包装材の分解斜視図である。
図9図9は、同食品用包装材の外面図である。
図10図10は、同食品用包装材の内面図である。
図11図11(a)は、図9のA-A線断面図であり、図11(b)は、図11(a)のB部拡大図である。
図12図12は、本発明の第3実施形態に係る食品用包装材の分解斜視図である。
図13図13は、同食品用包装材の外面図である。
図14図14は、同食品用包装材の内面図である。
図15図15(a)は、図13のA-A線断面図であり、図15(b)は、図15(a)のB部拡大図である。
図16図16は、他の実施形態に係る食品用包装材の外面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
以下、本発明に係る第1実施形態として、三角おにぎりを挟んで長手方向に二つ折りにすること、両側の余分なシート片を折り重ねて袋状にすること及び開口を封止することによって、三角おにぎりを包装する、いわゆる四角包装に用いられる食品用包装材及びこの食品用包装材により包装された食品包装体について、図1ないし図7を参酌して説明する。
【0017】
図1ないし図3に示すように、本実施形態に係る食品用包装材1は、互いに直交する方向の一方が他方よりも長い形状を有する一対のシート(外シート2、内シート3)が、三角おにぎりに巻く海苔からなるシート状食品4を挟んで重ね合わせられ、シート状食品4を囲むようにして、長手方向の一端10a側及び他端10b側の端部接合部11,11と両側部の側部接合部12,12により四方が封止された本体10を備える。なお、以下では、上記一方(図2及び図3では、上下方向)を「長手方向」又は「第1方向」といい、上記他方(図2及び図3では、左右方向)を「幅方向」又は「第2方向」という。
【0018】
外シート2は、内層に熱溶着層(ヒートシール層)を有する紙、和紙、紙質又は紙様(以下においては、これらを合わせて「紙等」ということがある。)のシートからなり、長手方向に二つ折りにした状態で食品を包み込める大きさの長方形状(矩形状)を有する。本実施形態においては、外シート2は、紙シートにポリプロピレン(PP)シートをラミネートした積層シートである。なお、外シート2は、たとえば紙等のシートの両面に樹脂シートをラミネートした積層シートを用いることにより、紙等の外層にも熱溶着層(ヒートシール層)を有するようにしてもよい。
【0019】
外シート2は、内シート3より幅が小さく、シート状食品4より幅が僅かに大きい。これにより、外シート2の側部2aの側縁からはみ出る内シート3の部分は、食品用包装材1における単枚部分となる。
【0020】
外シート2の一端10aには、幅方向に所定間隔を有して離間する一対の切込線23,23が形成される。切込線23は、全切線、半切線(ハーフカット)、ミシン目等によって形成される。切込線23の形成によって開封起点としての摘み部24が形成される。
【0021】
摘み部24から外シート2の他端10bにかけて、外シート2の内面には、細幅の帯状又は線状の開封用条体25が設けられる。摘み部24を引き下ろすことにより、開封用条体25が所定の幅で外シート2を破断し、外シート2が幅方向(左右)に分離(分割)可能となる。本実施形態においては、開封用条体25は、外シート2の幅方向の中央部に配置される。
【0022】
開封用条体25は、一対設けられる。一対の開封用条体25,25は、外シート2の一端10aから他端10bにかけて、二つの波が形成されるよう、長手方向(本実施形態においては、外シート2の幅方向の中心線)に対して蛇行した形で、外シート2に全長に亘って貼着される。一対の開封用条体25,25は、長手方向に対して線対称に設けられ、これにより、外シート2の一端10aから他端10bにかけて、二箇所で交差する。二箇所の交点の間には、幅広部が形成される。
【0023】
開封用条体25は、外シート2を破断することができる強度を有するたとえばカットテープや糸等である。本実施形態においては、開封用条体25は、カットテープである。カットテープ22は、二軸延伸ポリエステルないしポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の熱溶着性を有するプラスチックシートを細くカットしたものである。
【0024】
内シート3は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱溶着性を有するプラスチックシートからなり、長手方向に二つ折りにした状態で食品を包み込める大きさの長方形状(矩形状)を有する。本実施形態においては、内シート3は、マット処理が施された二軸延伸ポリプロピレン(OPP)シートである。
【0025】
図4にも示すように、内シート3は、長手方向に沿って内側部同士が重ね合わせられた一対の内シート片(第1内シート片30及び第2内シート片31)を備える。本実施形態においては、内シート片30,31の内側部30a,31a同士の重ね合わせ部32は、内シート3の幅方向の中央部に配置され、開封用条体25,25と配置が重なる。
【0026】
内シート3は、第1内シート片30の内側部30aを覆う被覆片33をさらに備える。被覆片33は、内シート片30,31と同様、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱溶着性を有するプラスチックシートからなり、内シート3の幅方向に所定の幅を有して内シート3の長手方向に沿って長尺な帯状である。本実施形態においては、被覆片33は、エンボス加工が施された無延伸ポリプロピレン(CPP)シートである。
【0027】
被覆片33は、内シート3の一端10aから他端10bの全域にわたる長さを有し、被覆片33の内側部33aが内シート3の一端10aから他端10bの全域にわたって第1内シート片30の内側部30aを覆うように配置される。これにより、第2内シート片31の内側部31aと被覆片33の内側部33aとの間に、第1内シート片30の内側部30aが挿入されて、第2内シート片31の内側部31a、第1内シート片30の内側部30a及び被覆片33の内側部33aの3層のシートによるラビリンス構造が形成される。
【0028】
被覆片33は、外側部33b側にて第2内シート片31に接合される(接合部34)。被覆片33は、第2内シート片31よりは幅狭であり、第2内シート片31のうち、側部接合部12の位置と重なる位置又は近接する位置に接合される。接合部34は、被覆片33の外側部33bの側縁に沿って第2内シート片31及び被覆片33をヒートシールすることにより形成される。本実施形態においては、接合部34は、5mmないし15mmの幅を有する一条の線状シールないし細幅の帯状シールである。
【0029】
なお、内シート片30,31として、マット処理が施されたシートを用い、被覆片33として、エンボス処理が施されて表面が凹凸となっているシートを用いるのは、被包装物である三角おにぎりやシート状食品4とのすべり性を得るためである。しかし、たとえば被包装物やシート状食品4が油分を含んでいて、すべり性に問題がないのであれば、これらのシートを用いず、通常のシートを用いるようにしてもよい。あるいは、内シート片30,31及び被覆片33のいずれも、マット処理が施されたシートを用いるようにしてもよい。あるいは、内シート片30,31及び被覆片33のいずれも、エンボス処理が施されて表面が凹凸となっているシートを用いるようにしてもよい。
【0030】
図2及び図3に示すように、端部接合部11は、内シート片30,31の重ね合わせ部32を除き、外シート2及び内シート3の一端10a及び他端10bに沿って外シート2及び内シート3をヒートシールすることにより形成される。側部接合部12は、外シート2の両側部2a,2aの側縁に沿って外シート2の両側部2a,2a及び内シート3をヒートシールすることにより形成される。上述のとおり、外シート2は、内シート3よりも幅狭であり、かつ、シート状食品4よりも僅かに幅広であるため、側部接合部12は、シート状食品4の側縁に近接した位置に形成される。このようにして構成された本体10の内部がシート状食品4の収容部となる。本実施形態においては、端部接合部11は、それぞれが一端10a及び他端10bに沿って延び、互いに外シート2及び内シート3の長手方向に所定間隔を有して平行する複数の線状ないし細幅の帯状(複数条)の接合部で構成される。また、本実施形態においては、側部接合部12は、5mmないし15mmの幅を有する一条の線状シールないし細幅の帯状シールである。
【0031】
端部接合部11よりも内側であって、シート状食品4の一端及び他端に近接した位置には、外シート2及び内シート3を接合することにより、規制部13が形成される。規制部13は、長手方向におけるシート状食品4の移動を規制するものである。幅方向におけるシート状食品4の移動の規制については、側部接合部12が規制部として機能する。これらにより、シート状食品4は、本体10の適正な位置に位置決めされる。本実施形態においては、規制部13は、外シート2及び内シート3の一端10a及び他端10bに沿って外シート2及び内シート3をヒートシールすることにより形成される接合部であり、端部接合部11としても機能する。
【0032】
食品用包装材1(本体10)の両側部の両端部、すなわち、四隅の角部(単枚部分となっている内シート3の各角部)には、切欠部14が形成される。切欠部14は、食品用包装材1を用いて食品を包装する際の、両側の余分なシート片の一部を切欠部14により無くすことにより、袋状体の開口を封止するにあたり、シート片の重なりを少なくするためのものである。
【0033】
切欠部14は、食品用包装材1(内シート3)の一端10a及び他端10bから長手方向に沿って所定長さ延びる第1外形線14aと、第1外形線14aの終端を始端として食品用包装材1の各側部の側縁(第1内シート片30の外側部30bの側縁及び第2内シート片31の外側部31bの側縁)に延びる第2外形線14bとで構成される。本実施形態においては、第1外形線14aは、長手方向と平行な直線であり、第2外形線14bは、食品用包装材1の各側部の側縁に対して鋭角(たとえば30ないし60度)に交わる直線の斜線である。
【0034】
食品用包装材1(本体10)の両側部の中央部にも、切欠部15が形成される。切欠部15は、食品用包装材1を用いて食品を包装する際の、両側の余分なシート片の一部を切欠部15により無くすことにより、底部の両端に形成される耳片を封止するにあたり、シート片の重なりを少なくためのものである。
【0035】
切欠部15は、食品用包装材1の各側部の側縁(第1内シート片30の外側部30bの側縁及び第2内シート片31の外側部31bの側縁)から幅方向中心側に向かって先細りする形状に形成される。本実施形態においては、切欠部15は、一対の直線の斜線により、V字状に形成される。
【0036】
本実施形態に係る食品用包装材1は、以上の構成からなり、次に、この食品用包装材1を用いた食品の包装方法について説明する。
【0037】
まず、図5(a)に示すように、食品用包装材1の内シート3の上に三角おにぎり5を配置する。このとき、三角おにぎり5が内シート片30,31上に左右均等に配置され、かつ、三角おにぎり5の一つの角部(頂角部)が食品用包装材1の一端10a側の摘み部24に向くように三角おにぎり5を配置する。なお、三角おにぎり5の幅は、シート状食品4の幅とほぼ同じである。
【0038】
次に、食品用包装材1を、一端10a側とこれに対向する他端10b側を合わせるように長手方向に二つ折りにする。これにより、食品用包装材1の長手方向の一端10a側半分が三角おにぎり5の正面を覆い、他端10b側半分が三角おにぎり5の背面を覆うとともに、食品用包装材1の両側(左右)のシート片が余分なシート片となる。本実施形態においては、外シート2の幅が食品包装体の正面部となるため、内シート3の単枚部分が余分なシート片となる。
【0039】
そこで、図5(b)に示すように、食品用包装材1の長手方向の一端10a側半分及び他端10b側半分のいずれか一方の左右の余分なシート片を直角に折って、三角おにぎり5の側部に対向させた後、図6(a)に示すように、いずれか他方の左右の余分なシート片を直角に折って、先に折っている部分の上に重ね、食品用包装材1を袋状にする。
【0040】
このとき、袋状体の側部には、余分なシート片の重ね合わせ部(一方の余分なシート片の外面と他方の余分なシート片の内面とが接するようにして、一対の余分なシート片が重ね合わせられた重ね合わせ部)が形成されるが、切欠部14,14同士は、第1外形線14a,14aが一致する配置とすることで、シート片の重なりは、少なくなっている。また、袋状体の底部の両端には、食品用包装材1の余分なシートが重なって扁平状となった耳片16が形成されるが、切欠部15により、シート片の重なりは、少なくなっている。
【0041】
そして、図6(b)に示すように、両側の余分なシート片の重ね合わせ部をたとえばヒートシールすることにより接合し(接合部17)、袋状体を固定する。
【0042】
また、耳片16は、耳片16の突出方向の軸回りに余分なシート片が折り畳まれただけである。折り畳まれているので、基本的には開口は生じていないが、折り畳みが不十分であったり、折り畳まれたシートの弾発力により、開口が生じる可能性は否定できない。そして、これにより、食品包装体の内外が連通した状態となり、ここから異物等が混入する余地が残る。そこで、耳片16をたとえばヒートシールすることにより接合し、封止部18を形成する。耳片16は、切欠部15により、シート片の重なりが少なくなっている。このため、耳片16を確実にヒートシールすることができる。
【0043】
そして、図7(a)に示すように、袋状体の側部の開口側端部を内側に折り込み(谷折りにし)、開口を閉じた上で、図7(b)に示すように、食品用包装材1の重なった一端10a及び他端10bに沿って開口を閉じた部分をたとえばヒートシールすることにより接合し(接合部19)、袋状体の開口を封止する。袋状体の開口は、谷折りによって両端部におけるシート片の枚数が増えるが、この両端部は、切欠部14により、シート片の重なりが少なくなっている。このため、袋状体の開口を確実にヒートシールすることができる。
【0044】
なお、袋状体の開口の封止は、接合でなく、閉じた開口縁部を折り込んでから、この折り込み部分にラベルを貼付するようにしてもよい。あるいは、閉じた開口縁部を折り込んでから、この折り込み部分をポイントシール等により接合してもよい。また、接合部17,19及び封止部18の形状は、図示のような線状ないし細幅の帯状に限らず、円形状、長円形状、楕円形状、多角形状等の種々の形状とすることができ、接合部の数も、複数にしてもよい。このようにして、図7(b)に示すように、食品包装体が完成する。食品包装体は、外シート2の幅に相当する正面部、底部及び背面部と、外シート2から幅方向に突出する内シート3の重ね合わせ部である側部(襠部)とを有する四角形状となる。
【0045】
三角おにぎり5を食する際には、摘み部24を摘み、摘み部24を引っ張って開封用条体25,25を縦回りに引き回し、外シート2を長手方向に分断する。この際、開封用条体25,25は、互いに間隔を有する一対からなるので、分断開口は、幅広となる。また、外シート2は、分断された結果、右側の第1外シート片と左側の第2外シート片とに分断される。第1外シート片は、第1内シート片30に対応したシート片で、第1内シート片30と端部接合部11及び側部接合部12を介して一体化されていて、第1分断包装体片を構成する。第2外シート片は、第2内シート片31に対応したシート片で、第2内シート片31と端部接合部11及び側部接合部12を介して一体化されていて、第2分断包装体片を構成する。
【0046】
そこで、まず、第1分断包装体片及び第2分断包装体片のいずれか一方を(耳片16を持って)横に引っ張り、いずれか一方を三角おにぎり5及びシート状食品4から分離する。そして次に、いずれか他方を(耳片16を持って)横に引っ張り、いずれか他方を三角おにぎり5及びシート状食品4から分離する。これにより、三角おにぎり5をシート状食品4と一体化させた状態で取り出すことができる。
【0047】
以上のとおり、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、包装に供されると、シート状食品4は、食品包装体の正面部、底部及び背面部の範囲内に位置し、開封操作方向(左右の分断包装体片の引っ張り方向、すなわち第2方向)に沿った配置となる。このため、開封操作に伴うシート状食品4の破れは、生じにくい。このため、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、破れて分断包装体片内に残ったシート状食品4が食されることなく分断包装体片とともに廃棄される頻度が減り、これにより、使用したシート状食品4を効果的に食することができる。
【0048】
また、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、シート状食品4のサイズの違いに関わらず、シート状食品4は、規制部12,13により、食品包装体の正面部、底部及び背面部の範囲内の適正な位置に位置決めされる。このため、シート状食品4の使用量を減らすことでシート状食品4のサイズが小さくなっても、食品用包装材1におけるシート状食品4の位置ずれ、ひいては、三角おにぎり5に対するシート状食品4の位置ずれは、生じない。このため、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、シート状食品4のサイズの違いに好適に対応することができる。
【0049】
また、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、外シート2に紙シートを用いることにより、プラスチックの使用量を削減することができる。近年は、廃棄プラスチックが全世界的な環境問題となっているが、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、この環境問題に対し、有効な対策となる。
【0050】
また、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、外シート2に紙シートを用いることにより、シートに腰が付与され、食品包装体の自立性が向上する。
【0051】
また、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、食品包装体の正面部の両側縁が外シート2の側部2a,2aの側縁で構成される。これにより、食品包装体の正面部の両側縁は、鮮鋭なエッジとなる。このため、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、鮮鋭な正面視の食品包装体(美麗な外観の食品包装体)を得ることができる。
【0052】
また、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、食品包装体の形成過程における袋状体の側部は、外シート2がない、内シート3の単枚部分で構成され、さらに、切欠部14,15により、当該箇所のシート片の枚数が減る。このため、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、食品包装体を完成させるための各箇所を確実にヒートシールすることができ、これにより、食品包装体の包装が不測に崩れるのを防止することができる。
【0053】
<第2実施形態>
以下、本発明に係る第2実施形態として、第1実施形態とは異なる構成の食品用包装材について、図8ないし図11を参酌して説明する。
【0054】
本実施形態に係る食品用包装材1が第1実施形態に係る食品用包装材1と異なる点は、次のとおりである。
i)外シート2は、内シート3と同じ大きさである点
ii)外シート2は、食品包装体の正面部に相当する幅を有する第1外シート片20と、第1外シート片20の両側の一対の第2外シート片21,21とで構成される点
である。それ以外の構成は、第1実施形態に係る食品包装材1と同じである。このため、本実施形態に係る食品用包装材1の構成のうち、第1実施形態に係る食品包装材1と同じないし共通する構成については、第1実施形態における説明を引用することとし、ここでは敢えて説明しない。
【0055】
第1外シート片20は、内層に熱溶着層(ヒートシール層)を有する紙、和紙、紙質又は紙様のシートからなり、長手方向に二つ折りにした状態で食品を包み込める大きさの長方形状(矩形状)を有する。本実施形態においては、第1外シート片20は、紙シートにポリプロピレン(PP)シートをラミネートした積層シートである。なお、第1外シート片20は、たとえば紙等のシートの両面に樹脂シートをラミネートした積層シートを用いることにより、紙等の外層にも熱溶着層(ヒートシール層)を有するようにしてもよい。
【0056】
第2外シート片21は、内シート3と同様、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱溶着性を有するプラスチックシートからなり、長方形状(矩形状)を有する。本実施形態においては、第2外シート片21は、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)シートである。
【0057】
外シート2は、第1外シート片20及び各第2外シート片21の側部同士を接合することにより、一枚のシートとして構成される。より詳しくは、第1外シート片20の内層の熱溶着層(ヒートシール層)と第2外シート片21の外層とが接するようにして、第1外シート片20の各側部20aと各第2外シート片21の内側部21aとが重ね合わせられ、この重ね合わせ部にて、第1外シート片20と各第2外シート片21とが接合される(接合部22)。接合部22は、第1外シート片20の側部20aの側縁及び第2外シート片21の内側部21aの側縁に沿って第1外シート片20及び第2外シート片21をヒートシールすることにより形成される。本実施形態においては、接合部22は、5mmないし15mmの幅を有する一条の線状シールないし細幅の帯状シールである。
【0058】
側部接合部12は、外シート2及び内シート3の各側部の側縁(一方の第2外シート片21の外側部21bの側縁及び第1内シート片30の外側部30bの側縁、他方の第2外シート片21の外側部21bの側縁及び第2内シート片31の外側部31bの側縁)に沿って外シート2及び内シート3をヒートシールすることにより形成される。本実施形態においては、側部接合部12には、幅方向に通気可能なように連通部12aが長手方向に適宜間隔で設けられ、側部接合部12は、連通部12aによって複数に分割された形態となる。
【0059】
側部接合部12は、第1実施形態に係る食品用包装材1の側部接合部12が線状シールないし細幅の帯状シールであるのに対し、幅広の帯状シールである。側部接合部12は、複数箇所から内側に突出した突出部12bを備える。この突出部12bは、幅方向におけるシート状食品4の移動を規制する規制部として機能する。この規制部12b及び長手方向における規制部13により、シート状食品4は、本体10の適正な位置に位置決めされる。
【0060】
本実施形態に係る食品用包装材1によっても、第1実施形態に係る食品用包装材1が奏する上述の作用効果のうち、本実施形態に係る食品用包装材1の構成に対応する作用効果を奏する。
【0061】
<第3実施形態>
以下、本発明に係る第3実施形態として、第1実施形態及び第2実施形態とは異なる構成の食品用包装材について、図12ないし図15を参酌して説明する。
【0062】
本実施形態に係る食品用包装材1が第1実施形態及び第2実施形態に係る食品用包装材1と異なる点は、次のとおりである。
i)外シート2は、内シート3と同じ大きさである点
ii)外シート2は、単一のシートからなる点
である。それ以外の構成は、第1実施形態及び第2実施形態に係る食品包装材1と同じである。このため、本実施形態に係る食品用包装材1の構成のうち、第1実施形態及び第2実施形態に係る食品包装材1と同じないし共通する構成については、第1実施形態及び第2実施形態における説明を引用することとし、ここでは敢えて説明しない。
【0063】
外シート2は、内シート3と同様、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱溶着性を有するプラスチックシートからなり、長手方向に二つ折りにした状態で食品を包み込める大きさの長方形状(矩形状)を有する。本実施形態においては、外シート片2は、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)シートである。
【0064】
本実施形態に係る食品用包装材1によっても、第1実施形態に係る食品用包装材1が奏する上述の作用効果のうち、本実施形態に係る食品用包装材1の構成に対応する作用効果を奏する。
【0065】
なお、本発明に係る食品用包装材は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0066】
たとえば、上記各実施形態においては、本体10に切欠部14,15が設けられる。しかし、これら切欠部14,15は、必須ではない。また、切欠部14を設けるとしても、食品用包装材の四隅の角部の一部の角部だけに設けるようにしてもよいし、切欠部15を設けるとしても、食品用包装材の一方の側部だけに設けるようにしてもよい。また、切欠部の形状も、特に限定されるものではない。切欠部の形状は、シート片の重なりを少なくすることができる形状であれば、どのような形状であってもよい。
【0067】
また、上記第1実施形態、第2実施形態においては、プラスチックの使用量を削減する観点から、外シート2の全部又は一部に、紙シートが用いられる。いずれの実施形態においても共通しているのは、紙シートは、外シート2のうち、食品包装体の正面部、底部及び背面部となる部分に用いられるということである。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。一例として、紙、和紙、紙質又は紙様のシートは、外シートのうち、食品包装体の正面部となる部分にのみ用いられるようにしてもよい。この場合、食品包装体の底部及び背面部となる部分には、たとえばプラスチックシートが用いられ、紙等のシートとプラスチックシートとは、側部同士を接合することにより、一枚のシートとして構成される。また、別の例として、紙等のシートは、外シートのうち、食品包装体の正面部及び背面部となる部分に用いられるようにしてもよい。この場合、食品包装体の底部となる部分には、たとえばプラスチックシートが用いられ、一対の紙等のシートとプラスチックシートとは、それぞれ側部同士を接合することにより、一枚のシートとして構成される。
【0068】
また、上記各実施形態においては、内シート3は、内側部30a,31a同士の重ね合わせ部32を有する一対の内シート片30,31で構成されるとともに、重ね合わせ部32を覆う被覆片33であって、重ね合わせ部32において、第1内シート片30の内側部30aを第2内シート片31の内側部31aとで挟み込む被覆片33を備えることにより、内シート3の内外の気密性を高めたものである。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。たとえば、内シートは、上記被覆片(第1被覆片)に加え、重ね合わせ部を覆う第2被覆片であって、重ね合わせ部において、第1被覆片の内側部を第1内シート片の内側部とで挟み込む第2被覆片をさらに備えることにより、第2内シート片の内側部、第1内シート片の内側部、第1被覆片の内側部及び第2被覆片の内側部の4層のシートによるラビリンス構造を形成し、内シートの内外の気密性をさらに高めたものであってもよい。あるいは、内シートは、一対の内シート片の内側部を合掌状に重ね合わせ、この重ね合わせ部を折り込むことにより、内シートの内外の気密性を高めたものや、一枚のシートからなり、ミシン目やハーフカット等を設けることにより、幅方向に分離可能なものや、一対の内シート片を内側部同士を重ね合わせることなく配置するとともに、両内側部を覆うように帯状のシートを設けるもの等、種々の形態のものを採用することができる。
【0069】
また、上記実施形態においては、開封用条体は、一対の波形で互いに交差するものである。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。開封用条体は、一対の波形で互いに交差しないものや、一本の直線状のものや、二本の平行な直線状のものや、幅広な帯状のもの等、種々の形態のものを採用することができる。
【0070】
また、「三角形状」、「長方形状」、「矩形状」、「中央部」、「端部」、「側部」、「均等」、「一致」、「平行」、「垂直」、「直角」といった形状、部位又は状態を特定する用語は、本発明において、そのもののほか、それに近いないし類するという意味の「略」の概念も含むものである。
【0071】
また、上記各実施形態においては、食品は、三角おにぎり(米飯加工食品)であり、シート状食品は、海苔である。しかし、包装対象の食品は、食品用包装材で包むことができる形であれば、おにぎり以外の米飯加工食品(たとえば、ピラフ、チャーハン、寿司等)や、米飯加工食品以外の食品(たとえば、饅頭等の和菓子、ケーキ等の洋菓子、パン、サンドイッチ、ハンバーガー等)であってもよく、食品の種類は、特に限定されるものではない。シート状食品も、食品用包装材の平面状の収容部に収容できる形であれば、シート状の昆布、畳鰯等であってもよく、シート状食品の種類は、特に限定されるものではない。
【0072】
また、上記各実施形態においては、シート状食品4は、一枚であって、食品包装体の正面部、底部及び背面部の範囲内に収まる大きさに形成される。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。たとえば、図16に示すように、シート状食品4は、二枚とし、それぞれ食品包装体の正面部、背面部の範囲内に収まる大きさに形成することができる。この場合、シート状食品4は、食品包装体の底部に相当する部分が不要となり、使用量を削減することが可能となる。なお、この場合、シート状食品4が長手方向中心側に移動するのを規制するために、シート状食品4の長手方向中心側の端に近接した位置にも規制部13を設ける必要がある。この規制部13は、シート状食品4の反対側の端に近接した位置に設けられる規制部13と同様、開封用条体25に掛かると、開封用条体25による開封性が阻害されるおそれがある。このため、いずれの規制部13も、開封用条体25に掛からない配置となっている。
【0073】
また、包装対象の食品の形状も、特に限定されるものではない。たとえば、正面が三角形状ではなく、正面が円形状や四角形状の扁平な柱状であってもよい。また、ブロック状であってもよい。また、球状等、全面が連続した曲面状のものであってもよい。これらは一例にすぎず、要は、包装材で包むことができる形であれば、どのような形状であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1…食品用包装材、10…本体、10a…一端、10b…他端、11…端部接合部、12…側部接合部、12a…連通部、12b…規制部、13…規制部、14…切欠部、14a…第1外形線、14b…第2外形線、15…切欠部、16…耳片、17…接合部、18…封止部、19…接合部、2…外シート、2a…側部、20…第1外シート片、20a…側部、21…第2外シート片、21a…内側部、21b…外側部、22…接合部、23…切込線、24…摘み部、25…開封用条体、3…内シート、30…第1内シート片、30a…内側部、30b…外側部、31…第2内シート片、31a…内側部、31b…外側部、32…重ね合わせ部、33…被覆片、33a…内側部、33b…外側部、34…接合部、4…シート状食品、5…おにぎり
図1
図2
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図4
図5
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図7
図8
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図10
図11
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