(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】画像表示装置、表示システム、及び表示装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20240118BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240118BHJP
H04N 5/66 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
G09G5/00 510V
G09G3/20 633Q
G09G3/20 670F
G09G3/20 680D
G09G5/00 X
G09G5/00 555D
H04N5/66 D
(21)【出願番号】P 2019228377
(22)【出願日】2019-12-18
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】秋山 幹博
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-146664(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0146485(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 5/42
H04N 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示装置と、
前記複数の表示装置をデイジーチェーン接続することで、前記複数の表示装置に映像信号を送信する第1線材と、
前記デイジーチェーン接続された複数の表示装置のうち終段
にあたるN段目(Nは3以上の整数)の表示装置である第2表示装置の出力端子から出力される映像信号を初段
にあたる1段目に配置される表示装置である第1表示装置の入力端子に入力し、前記デイジーチェーン接続を閉ループ接続にした第2線材と
、
前記デイジーチェーン接続された複数の表示装置のうち、前記第1表示装置及び前記第2表示装置を除く
n段目(nは2以上(N-1)以下の整数)の表示装
置と、前記第1表示装置とを通信可能に接続し
た別の第2線材と
を備え、
前記第1表示装置は、
前記第1線材を通じて送信する映像信号である第1映像信号と、
各前記第2線材を通じて接続される前記表示装置の各々から受信する映像信号である第2映像信号との比較結果に基づいて、
各前記第2映像信号の異常の有無と、前記複数の表示装置のうちどの表示装置に送信される段階で前記第2映像信号に異常が発生したのかとを判定する制御部を含む、表示システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1映像信号が示す第1画像と、前記第2映像信号が示す第2画像とが同じであると判断すると、前記第2映像信号が正常であると判定し、
前記第1画像と、前記第2画像とが異なっていると判断すると、前記第2映像信号が異常であると判定する、請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1映像信号が示す第1画像と、前記第2映像信号が示す第2画像との類似度が所定の基準以上であると判断すると、前記第2映像信号が正常であると判定し、
前記第1画像と、前記第2画像との類似度が所定の基準以上でないと判断すると、前記第2映像信号が異常であると判定する、請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
前記第1映像信号は、前記第1表示装置が前記第2映像信号を受信したときよりも、所定時間前
に送信した映像信号である、請求項2又は請求項3に記載の表示システム。
【請求項5】
前記第1映像信号は、前記第1表示装置が前記第2映像信号を受信したとき
に送信した映像信号である、請求項2又は請求項3に記載の表示システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2映像信号が異常であると判定すると、前記複数の表示装置を再起動させる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項7】
表示システムに備えられる複数の表示装置のうちの1の表示装置である画像表示装置であって、
前記複数の表示装置は、映像信号を送信する第1線材によりデイジーチェーン接続され、
前記デイジーチェーン接続された前記複数の表示装置のうち、終段
にあたるN段目(Nは3以上の整数)の表示装置の出力端子から出力される映像信号は、前記デイジーチェーン接続を閉ループ接続にする第2線材を通じて、前記画像表示装置の入力端子に入力され、
前記デイジーチェーン接続された複数の表示装置のうち、前記画像表示装置及び前記
N段目の表示装置を除く
n段目(nは2以上(N-1)以下の整数)表示装
置と、前記画像表示装置とを通信可能
に別の第2線材により接続し、
前記画像表示装置は、
前記第1線材を通じて送信する映像信号である第1映像信号と、
各前記第2線材を通じて接続される前記表示装置の各々から受信する映像信号である第2映像信号との比較結果に基づいて、
各前記第2映像信号の異常の有無と、前記複数の表示装置のうちどの表示装置に送信される段階で前記第2映像信号に異常が発生したのかとを判定する制御部を備える、画像表示装置。
【請求項8】
複数の表示装置を制御する表示装置の制御方法であって、
前記複数の表示装置を第1線材によりデイジーチェーン接続する工程と、
前記デイジーチェーン接続された複数の表示装置のうち終段
にあたるN段目(Nは3以上の整数)の表示装置である第2表示装置の出力端子から出力される映像信号が初段
にあたる1段目に配置される表示装置である第1表示装置の入力端子に入力されるように、第2線材を用いて、前記デイジーチェーン接続を閉ループ接続にする工程と
、
前記デイジーチェーン接続された複数の表示装置のうち、前記第1表示装置及び前記第2表示装置を除く
n段目(nは2以上(N-1)以下の整数)の表示装
置と、前記第1表示装置とを通信可能に
別の第2線材により接続する工程と
を含み、
前記第1表示装置が前記第1線材を通じて送信する映像信号である第1映像信号と、
各前記第2線材を通じて接続される前記表示装置の各々から受信する映像信号である第2映像信号との比較結果に基づいて、
各前記第2映像信号の異常の有無と、前記複数の表示装置のうちどの表示装置に送信される段階で前記第2映像信号に異常が発生したのかとを判定する工程と
を含む、表示装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、表示システム、及び表示装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の表示システムは、マスターモニタである第1モニタと、スレーブモニタである第2モニタ及び第3モニタとを備える、第1モニタと、第2モニタと、第3モニタとはループ状に接続される。第1モニタは、コマンド処理部と、表示部とを備える。コマンド処理部は、第1モニタと第2モニタとに診断要求信号を送信し、診断結果の応答に基づき、表示部に第2モニタと第3モニタとの異常を表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、第1モニタ~第3モニタがディスプレイポート接続される場合、M値とN値の24bitの2つの値によって映像信号のドットクロックを通知しているが、通知を受け取ったモニタが、M値とN値からドットクロックを求める際、境界値の扱いで不具合があると、映像信号が変化したと誤認識して、映像信号をロストする等の問題が生じ、映像信号に異常が生じることがある。また、ハンドシェイク処理において不具合があると、映像信号にノイズが乗ることで、映像信号に異常が生じることがある。しかし、特許文献1に記載の表示システムでは、映像信号の異常の有無は判定されなかった。
【0005】
また、管理用のPC(Personal Computer)を別途用意し、全モニタをコマンド制御することで、第1モニタ~第3モニタの状態を監視することができる。しかし、コマンドによる監視では、各モニタの解像度は確認できるが、画像が乱れる等の映像信号の異常の有無は判定できなかった。
【0006】
本発明は、映像信号の異常の有無を判定できる画像表示装置、表示システム、及び表示装置の制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の局面によれば、表示システムは、複数の表示装置と、第1線材と、第2線材とを備える。前記第1線材は、前記複数の表示装置をデイジーチェーン接続することで、前記複数の表示装置に映像信号を送信する。前記第2線材は、前記デイジーチェーン接続された複数の表示装置のうち終段の表示装置である第2表示装置の出力端子から出力される映像信号を初段に配置される表示装置である第1表示装置の入力端子に入力し、前記デイジーチェーン接続を閉ループ接続にする。前記第1表示装置は、制御部を含む。前記制御部は、前記第1線材を通じて受信又は送信する映像信号である第1映像信号と、前記第2線材を通じて受信する映像信号である第2映像信号との比較結果に基づいて、前記第2映像信号の異常の有無を判定する。
【0008】
本発明の第2の局面によれば、画像表示装置は、表示システムに備えられる複数の表示装置のうちの1の表示装置である。前記複数の表示装置は、映像信号を送信する第1線材によりデイジーチェーン接続される。前記デイジーチェーン接続された前記複数の表示装置のうち前記画像表示装置よりも下流に位置する下流側表示装置の出力端子から出力される映像信号は、前記デイジーチェーン接続を閉ループ接続にする第2線材を通じて、前記画像表示装置の入力端子に入力される。前記画像表示装置は、制御部を備える。前記制御部は、前記第1線材を通じて受信又は送信する映像信号である第1映像信号と、前記第2線材を通じて受信する映像信号である第2映像信号との比較結果に基づいて、前記第2映像信号の異常の有無を判定する。
【0009】
本発明の第3の局面によれば、表示装置の制御方法は、複数の表示装置を制御する。前記表示装置の制御方法は、前記複数の表示装置を第1線材によりデイジーチェーン接続する工程を含む。前記表示装置の制御方法は、前記デイジーチェーン接続された複数の表示装置のうち終段の表示装置である第2表示装置の出力端子から出力される映像信号が初段に配置される表示装置である第1表示装置の入力端子に入力されるように、第2線材を用いて、前記デイジーチェーン接続を閉ループ接続にする工程を含む。前記表示装置の制御方法は、前記第1線材により映像信号を送信する工程を含む。前記表示装置の制御方法は、前記第1表示装置が前記第1線材を通じて受信又は送信する映像信号である第1映像信号と、前記第1表示装置が前記第2線材を通じて受信する映像信号である第2映像信号との比較結果に基づいて、前記第2映像信号の異常の有無を判定する工程を含む。
【0010】
本発明の第4の局面によれば、表示システムは、ソース機器と、複数の表示装置と、第1線材と、第2線材とを備える。前記ソース機器は、映像信号を出力する。前記第1線材は、前記ソース機器と前記複数の表示装置とをデイジーチェーン接続することでし、前記複数の表示装置に前記ソース機器から出力された映像信号を送信する。前記第2線材は、前記デイジーチェーン接続された複数の表示装置のうちのいずれかの表示装置の出力端子から出力される映像信号を前記ソース機器の入力端子に入力し、前記デイジーチェーン接続を閉ループ接続にする。前記ソース機器は、制御部を含む。前記制御部は、前記第1線材を通じて送信する映像信号である第1映像信号と、前記第2線材を通じて受信する映像信号である第2映像信号との比較結果に基づいて、前記第2映像信号の異常の有無を判定する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像表示装置、表示システム、及び表示装置の制御方法によれば、映像信号の異常の有無を判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る表示システムを示すブロック図である。
【
図2】表示システムの第1動作を示すフロー図である。
【
図3】映像信号が正常に送信されている状態を示す模式図である。
【
図4】映像信号に異常が発生している状態を示す模式図である。
【
図5】映像信号に異常が発生している状態を示す模式図である。
【
図8】表示システムの第2動作を示すフロー図である。
【
図9】本発明の第3実施形態に係る表示システムを示すブロック図である。
【
図10】表示システムの変形例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0014】
[第1実施形態]
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る表示システム1について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示システム1を示すブロック図である。表示システム1は、例えば、デジタルサイネージの分野で利用される。
【0015】
図1に示すように、表示システム1は、ソース機器10と、第1線材20と、第2線材30と、複数の表示装置とを備える。
【0016】
第1実施形態では、複数の表示装置は、第1表示装置100と、第2表示装置200と、第3表示装置300と、第4表示装置400とで構成される。なお、表示装置の個数は、2つ以上であればよく、第1実施形態の4つに限定されない。
【0017】
ソース機器10と、第1表示装置100~第4表示装置400とには、ソース機器10、第1表示装置100、第2表示装置200、第3表示装置300、及び第4表示装置400の順番に通信可能に接続される。
【0018】
ソース機器10は、映像信号を送信(出力端子から出力)する。ソース機器10は、インターネット等の通信ネットワークを介して取得したコンテンツの映像信号を送信してもよく、ソース機器10の記憶部11又はUSBメモリのような外部記憶装置から読み出したコンテンツの映像信号を送信してもよい。
【0019】
ソース機器10から送信される映像信号は、第1表示装置100、第2表示装置200、第3表示装置300、及び第4表示装置400の順番に送信される。
【0020】
第1実施形態では、第1表示装置100~第4表示装置400の各々は、映像信号を受信する(第1表示装置100~第4表示装置400の各々の入力端子に映像信号が入力される)と、映像信号が示す表示画像を複数の分割画像に分割する。そして、第1表示装置100~第4表示装置400の各々は、複数の分割画像のうち、自装置と対応する分割画像を自装置の表示部に表示させる。その結果、第1表示装置100~第4表示装置400全体で、1つの表示画像を表示する。なお、第1表示装置100~第4表示装置400の各々が、表示画像の分割処理を行うこと無く、表示画像をそのまま表示してもよい。
【0021】
ソース機器10は、記憶部11と、通信部12と、制御部13とを含む。
【0022】
記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置(例えば、半導体メモリー)を含み、補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)をさらに含んでもよい。記憶部11は、制御部13によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。通信部12は、他の機器と通信するためのインターフェイスであり、例えば、有線LAN、無線LAN、RS-232C、USB、DDC/CI(Display Data Channel Command Interface)、HDMI(登録商標)-CEC(High Definition Multimedia Interface Consumer Electronics Control)等が用いられる。通信部12は、例えば、HDMI(登録商標)及びディスプレイポートのような入出力端子と、無線LANボードのような通信モジュールとを含む。制御部13は、CPU(Central Processing Unit)、及びMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサを含む。制御部13は、記憶部11に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、ソース機器10の各要素を制御する。
【0023】
第1表示装置100~第4表示装置400の各々は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、又はプラズマディスプレイである。
【0024】
第1表示装置100は、第1表示部101と、第1記憶部102と、第1通信部103と、第1制御部104とを含む。
【0025】
第1表示部101は、例えば、液晶パネルを含み、画像を表示する。第1記憶部102は、ROM、及びRAMのような主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。第1記憶部102は、第1制御部104によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。第1通信部103は、他の機器と通信するためのインターフェイスであり、例えば、有線LAN、無線LAN、RS-232C、USB、DDC/CI、HDMI(登録商標)-CEC等が用いられる。第1通信部103は、例えば、HDMI(登録商標)及びディスプレイポートのような入出力端子と、無線LANボードのような通信モジュールとを含む。第1制御部104は、CPU、及びMPUのようなプロセッサを含む。第1制御部104は、第1記憶部102に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、第1表示装置100の各要素を制御する。
【0026】
第2表示装置200~第4表示装置400の各要素は、上記した第1表示装置100の各要素と略同様のデバイスで構成されるので、詳細な説明は省略する。
【0027】
第2表示装置200は、画像を表示する第2表示部201と、第2記憶部202と、他の機器と通信するためのインターフェイスである第2通信部203と、第2記憶部202に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより第2表示装置200の各要素を制御する第2制御部204とを含む。
【0028】
第3表示装置300は、画像を表示する第3表示部301と、第3記憶部302と、他の機器と通信するためのインターフェイスである第3通信部303と、第3記憶部302に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより第3表示装置300の各要素を制御する第3制御部304とを含む。
【0029】
第4表示装置400は、画像を表示する第4表示部401と、コンピュータープログラムを記憶する第4記憶部402と、他の機器と通信するためのインターフェイスである第4通信部403と、第4記憶部402に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより第4表示装置400の各要素を制御する第4制御部404とを含む。
【0030】
第1線材20は、例えば、HDMI(登録商標)ケーブル、又はシリアルケーブルのような信号線である。第1線材20は、ソース機器10と複数の表示装置(第1表示装置100~第4表示装置400)とをデイジーチェーン接続する。デイジーチェーン接続には、複数の接続対象を直列に接続することのみならず、環状に接続することも含まれる。
【0031】
第1線材20は、第1映像信号線21と、第2信号線22と、第3信号線23と、第4信号線24とを含む。第1映像信号線21は、ソース機器10の通信部12と、第1表示装置100の第1通信部103とに接続され、ソース機器10から送信される映像信号を第1表示装置100へ送る。第2信号線22は、第1表示装置100の第1通信部103と、第2表示装置200の第2通信部203とに接続され、第1表示装置100から送信される映像信号を第2表示装置200へ送る。第3信号線23は、第2表示装置200の第2通信部203と、第3表示装置300の第3通信部303とに接続され、第2表示装置200から送信される映像信号を第3表示装置300へ送る。第4信号線24は、第3表示装置300の第3通信部303と、第4表示装置400の第4通信部403とに接続され、第3表示装置300から送信される映像信号を第4表示装置400へ送る。
【0032】
第2線材30は、例えば、HDMI(登録商標)ケーブル、又はシリアルケーブルのような信号線である。第2線材30は、第4表示装置400の第4通信部403と、第1表示装置100の第1通信部103とに接続され、第4表示装置400から出力される映像信号を第1表示装置100へ送る。第2線材30は、第1表示装置100と第4表示装置400とをループバック接続する。ループバック接続は、本発明の、デイジーチェーン接続を閉ループ接続にする構成の一例である。
【0033】
第4表示装置400は、本発明の第2表示装置の一例である。
【0034】
以下では、第1線材20の第1映像信号線21を通じて、ソース機器10から第1表示装置100へ送信される映像信号を、入力映像信号と記載することがある。
【0035】
また、第1線材20の第2信号線22を通じて、第1表示装置100から第2表示装置200へ送信される映像信号を、第1映像信号と記載することがある。
【0036】
また、第2線材30を通じて、第4表示装置400から第1表示装置100へ送信される映像信号を、第2映像信号と記載することがある。
【0037】
次に、
図1~
図6を参照して、表示システム1の第1動作について説明する。
図2は、表示システム1の第1動作を示すフロー図である。
図3は、ソース機器10から第1線材20及び第2線材30を通じて映像信号が送信されている状態を示す図である。
【0038】
第1動作では、ソース機器10から送信された映像信号がロストする、映像信号にノイズが乗る、及び映像信号が示す画像が変色する等の映像信号の異常が生じることなく、映像信号が第1線材20を通じて正常に送信されたか否かを判定する判定処理が行われる。
【0039】
第1実施形態では、第1表示装置100が判定処理を行う。
【0040】
また、第1実施形態では、まず、ステップS10及びステップS20において、準備処理が行われ、その後、ステップS30以降において、判定処理が行われる。準備処理では、判定処理で用いられるパラメータである映像信号の遅延量が設定される。
【0041】
図1及び
図2に示すように、ステップS10において、第1表示装置100の第1通信部103に複数の入出力端子が含まれる場合、ユーザーは、複数の入出力端子のうちから、第2線材30が接続される入出力端子を設定する。この場合、ユーザーは、例えば、リモコン(リモートコントローラー)のような第1表示装置100の操作部を操作して、入出力端子を設定する。なお、第1通信部103に第2線材30専用の入出力端子が設けられている場合は、ステップS10に示す処理は不要となる。
【0042】
ステップS20において、ユーザーは、第1表示装置100の操作部を操作して、映像信号の遅延量を設定する。映像信号の遅延量は、第1表示装置100から第1映像信号が出力されるタイミングと、第1表示装置100に第2映像信号が入力されるタイミングとの間に発生するタイムラグである。
【0043】
ユーザーが映像信号の遅延量を設定する手順の一例を説明する。
【0044】
まず、ユーザーは、ソース機器10からテスト用の映像信号を送信させる。その結果、第1表示装置100から第2表示装置200へテスト用の第1映像信号が流れると共に、第4表示装置400から第1表示装置100へテスト用の第2映像信号が流れる。次に、ユーザーは、第1表示装置100の第1表示部101に所定のUI(User Interface)画面を表示させる。所定のUI画面には、テスト用の第1映像信号が示す第1テスト画像と、テスト用の第2映像信号が示す第2テスト画像が表示される。このとき、上記したタイムラグにより、第2テスト画像は、リアルタイムで表示されている第1テスト画像よりも数フレーム前の画像となっている。そして、ユーザーは、第1テスト画像と第2テスト画像とが同じ画像になるように、第1表示装置100の操作部を操作して、第1テスト画像をリアルタイムで表示されているものよりも数フレーム前の画像に戻す。そして、第1テスト画像と第2テスト画像とが同じ画像になったときの、第1テスト画像のフレームの戻し量が、映像信号の遅延量として設定される。
【0045】
なお、第1実施形態では、ユーザーが、第1表示装置100の操作部を操作して映像信号の遅延量を設定したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1表示装置100の第1制御部104が、第1テスト画像と第2テスト画像との比較結果に基づいて、映像信号の遅延量を設定してもよい。
【0046】
映像信号の遅延量を設定する処理が終了すると、ソース機器10からのテスト用の映像信号の送信が終了する。
【0047】
ステップS30において、第1表示装置100の第1制御部104は、所定期間(例えば、数分程度)、待機する。理由は、第1線材20及び第2線材30を流れる信号を安定化させるための時間を確保するためである。
【0048】
ソース機器10は、テスト用の映像信号を送信する処理を終了すると、判定処理の対象となる映像信号を送信する。
【0049】
ステップS40において、第1制御部104は、第1通信部103が入力映像信号を受信したか否かを判定する。第1通信部103が入力映像信号を受信したと第1制御部104が判定すると(ステップS40で、Yes)、処理がステップS50へ移行する。第1通信部103が入力映像信号を受信していないと第1制御部104が判定すると(ステップS40で、No)、処理が終了する。
【0050】
ステップS50において、第1制御部104は、第1通信部103が第2映像信号を受信したか否かを判定する。第1通信部103が第2映像信号を受信したと第1制御部104が判定すると(ステップS50で、Yes)、処理がステップS70へ移行する。第1通信部103が第2映像信号を受信していないと第1制御部104が判定すると(ステップS50で、No)、処理がステップS60へ移行する。
【0051】
ステップS70において、第1制御部104は、入力映像信号に含まれる基本情報と、第2映像信号に含まれる基本情報とが一致しているか否かを判定する。基本情報は、映像信号が示す画像に関する情報であり、例えば、映像信号が示す画像の解像度を示す情報、フレームレートを示す情報、及び/又は、フォーマットを示す情報を含む。
【0052】
入力映像信号に含まれる基本情報と、第2映像信号に含まれる基本情報とが一致していると第1制御部104が判定すると(ステップS70で、Yes)、処理がステップS80に移行する。入力映像信号に含まれる基本情報と、第2映像信号に含まれる基本情報とが一致していないと第1制御部104が判定すると(ステップS70で、No)、処理がステップS60に移行する。
【0053】
ステップS80において、第1制御部104は、第1映像信号が示す第1画像G2と、第2映像信号が示す第2画像G5とを比較する。
【0054】
なお、第1実施形態において、第2画像G5と比較される第1画像G2は、現時点で第1表示装置100の第1表示部101に表示されている画像ではなく、現時点よりも所定時間前に第1表示部101に表示されていた画像である。言い換えれば、第1画像G2を表す第1映像信号は、第1表示装置100が第2映像信号を受信したときよりも、所定時間前に第1線材20を通じて送信した映像信号である。所定時間は、ステップS20において設定された遅延量が示す時間である。その結果、第1制御部104は、第1画像G2を現時点よりも遅延量の分だけ前のフレームの画像とすることで、比較対象となる第1画像G2と第2画像G5とを略同フレームの画像とすることができる。
【0055】
ステップS90において、第1画像G2と第2画像G5とが同じであると第1制御部104が判断すると(ステップS90で、Yes)、処理がステップS100に移行する。この場合、第1制御部104は、第2映像信号が正常であるので、第1線材20を通じて映像信号が正常に送信されたと判定する。
【0056】
第1画像G2と第2画像G5とが異なっていると第1制御部104が判断すると(ステップS90で、No)、処理がステップS60に移行する。この場合、第1制御部104は、第2映像信号が異常であるので、第1線材20を通じて映像信号が正常に送信されていないと判定する。
【0057】
ステップS100において、第1制御部104は次のフレームの第2映像信号を受信するまで待機する。ステップS100に示す処理が終了すると、処理がステップS40に移行する。
【0058】
ステップS60において、第1制御部104は、リブート処理を行う。リブート処理の説明は後述する。
【0059】
ステップS60に示す処理が終了すると、処理がステップS30に移行する。
【0060】
次に、
図1~
図5を参照して、ステップS80及びステップS90において、第1制御部104が、第1画像G2と第2画像G5とが同じであるか否かを判断するときの表示システム1の状態の一例について説明する。
【0061】
図3は、映像信号が正常に送信されている状態を示す模式図である。
【0062】
図1~
図3に示すように、映像信号にノイズ等が生じることなく、映像信号が正常に送信される場合、第1制御部104は、第1画像G2と第2画像G5とが同じであると判断する(ステップS90で、Yes)。
【0063】
図4及び
図5は、映像信号に異常が発生している状態を示す模式図である。
【0064】
図1、
図2及び
図4に示すように、映像信号が第1線材20を通じて送信される際に、例えば、途中の表示装置(第1実施形態では、第3表示装置300)において、信号強度に応じた増幅処理(AutoEQ等)の異常等によりノイズが発生した場合、第2画像G5にノイズが生じることで、第1制御部104は、第1画像G2と第2画像G5とが異なっていると判断する(ステップS90で、No)。
【0065】
図1、
図2及び
図5に示すように、映像信号が第1線材20を通じて送信される際に、第1表示装置100の第1通信部103が第2線材30を通じた第2映像信号を受信しない場合、第1制御部104は、第1画像G2と第2画像G5とが異なっていると判断する(ステップS90で、No)。
【0066】
次に、
図2、
図6、及び
図7を参照して、リブート処理(
図2のステップS60参照)について説明する。
図6は、リブート処理の第1例を示す模式図である。
【0067】
図2及び
図6に示すように、第1表示装置100は、第2表示装置200に対してリブートコマンドを送信すると共に、再起動する。リブートコマンドを受信した第2表示装置200は、第3表示装置300に対してリブートコマンドを送信すると共に、再起動する。リブートコマンドを受信した第3表示装置300は、第4表示装置400に対してリブートコマンドを送信すると共に、再起動する。リブートコマンドを受信した第4表示装置400は、再起動する。その結果、リブート処理が完了する。なお、リブートコマンドは、DDC/CIを用いた映像信号用の経路を通じて送信されてもよく、RS-232C等の専用の制御経路を用いて送信されてもよい。
【0068】
【0069】
図2及び
図7に示すように、表示システム1は、安定化電源40をさらに備える。安定化電源40は、複数の表示装置(第1表示装置100~第4表示装置400)に接続される。安定化電源40は、複数の表示装置に電力を供給する。複数の表示装置の各々は、安定化電源40を制御可能である。
【0070】
第1制御部104は、リブート処理を行う際、安定化電源40に対して、中断コマンドを送信する。中断コマンドは、第1表示装置100~第4表示装置400の各々に対して、電力の供給を中断し、その後、一定期間(例えば、5秒程度)経過した後、電力の供給を再開するコマンドである。これにより、第1表示装置100~第4表示装置400が再起動する。その結果、リブート処理が完了する。なお、中断コマンドは、例えば、RS-232C等の専用の制御経路を用いて送信される。
【0071】
なお、ステップS60において、第1表示装置100の第1制御部104は、リブート処理に代えて、映像信号を加工する処理(例えば、映像信号の強度を上げる、映像信号が示す画像の解像度を下げる等)を行ってもよい。また、第1制御部104は、第2映像信号の異常の程度に応じて、リブート処理を行うか、又は、映像信号を加工する処理を行うかを選択してもよい。
【0072】
以上、
図1~
図6を参照して説明したように、第1表示装置100と第4表示装置400とが第2線材30により通信可能に接続されることで、第1表示装置100の第1制御部104は、第1映像信号が示す第1画像G2と、第2映像信号が示す第2画像G5とを比較して、第2映像信号の異常の有無を判定できる。
【0073】
また、第1制御部104により第2映像信号に異常があると判定されると、第1制御部104が第1表示装置100~第4表示装置400を再起動させることで、第2映像信号の異常を改善させることができる。従って、管理者が表示システム1の設置場所に存在していなくても、映像信号の異常の問題に対処できる。その結果、表示システム1の管理コストを低減できる。
【0074】
[第2実施形態]
図1及び
図8を参照して、本発明の第2実施形態に係る表示システム1について説明する。
図8は、表示システム1の第2動作を示すフロー図である。
【0075】
第2動作は、映像信号の遅延量の設定(
図2のステップS20参照)が行われない点が
図2に示す第1動作と異なる。以下では、主に、第1動作と異なる点を説明する。
【0076】
図1及び
図8に示すように、ステップS10に示す処理が終了すると、処理がステップS30に移行する。そして、ステップS30~ステップS70に示す処理が終了すると、処理がステップS81に移行する。
【0077】
ステップS81において、第1制御部104は、第1映像信号が示す第1画像G2と、第2映像信号が示す第2画像G5とを比較する。
【0078】
第2実施形態では、第2画像G5と比較される第1画像G2は、現時点で第1表示装置100の第1表示部101に表示されている画像である。言い換えれば、第1画像G2を表す第1映像信号は、第1表示装置100が第2映像信号を受信したときに、第1線材20を通じて送信した映像信号である。従って、第2実施形態では、第1映像信号に対する第2映像信号のタイムラグにより、第2画像G5は、第1画像G2よりも数フレーム前の画像となっている。
【0079】
ステップS91において、第1画像G2と第2画像G5との類似度が所定の基準以上であると第1制御部104が判断すると(ステップS91で、Yes)、処理がステップS100に移行する。この場合、第1制御部104は、第2映像信号が正常であるので、第1線材20を通じて映像信号が正常に送信されたと判定する。
【0080】
第1画像G2と第2画像G5との類似度が所定の基準以上でないと第1制御部104が判断すると(ステップS91で、No)、処理がステップS60に移行する。この場合、第1制御部104は、第2映像信号が異常であるので、第1線材20を通じて映像信号が正常に送信されていないと判定する。
【0081】
第1画像G2と第2画像G5との類似度が所定の基準以上であることは、第1画像G2を構成する複数の画素と、第2画像G5を構成する画素とが、所定数以上同じであることを示す。第1画像G2と第2画像G5との類似度が所定の基準以上でないことは、第1画像G2を構成する複数の画素と、第2画像G5を構成する画素とが、所定数よりも多く異なっていることを示す。
【0082】
第2実施形態では、第1実施形態で行われた映像信号の遅延量の設定する処理(
図2のステップS20参照)を省略する代わりに、ステップS91において、第1実施形態よりも第2映像信号の異常の有無の判断基準を緩くして、第1画像G2と第2画像G5とが異なっていても、類似度が所定の基準以上であれば、第2映像信号が正常であると判定する(
図2のステップS20、ステップS90参照)。その結果、映像信号の遅延量を設定する処理が省略されるので、判定処理を簡素化できる。
【0083】
[第3実施形態]
図2、
図8、及び
図9を参照して、本発明の第3実施形態に係る表示システム2について説明する。
図9は、本発明の第3実施形態に係る表示システム2を示すブロック図である。
【0084】
第3実施形態は、ソース機器10が判定処理を行う点が、第1実施形態及び第2実施形態と異なる。以下では、主に、第1実施形態及び第2実施形態と異なる点を説明する。
【0085】
図8に示すように、第2線材30は、第4表示装置400の第4通信部403と、ソース機器10の通信部12とに接続され、第4表示装置400から送信される映像信号をソース機器10へ送る。
【0086】
以下では、第2線材30を通じて、第4表示装置400からソース機器10へ送信される映像信号を、第3映像信号と記載することがある。
【0087】
第3実施形態では、
図2に示す表示システム1の第1動作のフロー図において、第1表示装置100の代わりに、ソース機器10が判定処理を行う。この場合、ソース機器10の制御部13は、
図2に示すステップS80において、ソース機器10から出力される信号(入力映像信号)が示す画像G1(
図4参照)と、第3映像信号が示す画像とを比較する。
【0088】
また、
図8に示す表示システム1の第2動作のフロー図において、第1表示装置100の代わりに、ソース機器10が判定処理を行ってもよい。この場合、ソース機器10の制御部13は、
図8に示すステップS81において、ソース機器10から出力される信号(入力映像信号)が示す画像G1(
図5参照)と、第3映像信号が示す画像とを比較する。
【0089】
以上、図面(
図1~
図9)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で実施することが可能である(例えば、(1)~(3))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0090】
(1)第1実施形態、及び第2実施形態では、最下流の第4表示装置400から最上流の第1表示装置100へ映像信号(第2映像信号)が送信されて、第1表示装置100が映像信号の異常の有無を判定する判定処理を行う(
図1、
図2、及び
図8参照)。しかし、本発明は、これに限定されない。判定処理を行う表示装置(判定表示装置)は第1表示装置100に限定されず、また、判定処理の対象となる映像信号を送信する表示装置(送信表示装置)は第4表示装置400に限定されない。判定表示装置は、第1線材20によりデイジーチェーン接続される複数の表示装置のうちの最下流に位置する表示装置(第4表示装置400)以外であればいずれの表示装置でもよい。また、送信表示装置は、複数の表示装置のうちの判定表示装置よりも下流に位置する表示装置であればよい。例えば、判定表示装置を第2表示装置200とし、送信表示装置を第3表示装置300として、第2表示装置200と第3表示装置300とを第2線材30により通信可能に接続してもよい。判定表示装置は、本発明の複数の表示装置のうち前段の表示装置の一例である。送信表示装置は、本発明の複数の表示装置のうち終段の表示装置の一例である。
【0091】
(2)第1実施形態、及び第2実施形態では、第1表示装置100が判定処理を行う際、第1表示装置100から出力される第1映像信号が示す第1画像G2と、第2映像信号が示す第2画像G5とを比較する(
図1、
図2のステップS80、
図3、及び
図8のステップS81参照)。しかし、本発明はこれに限定されない、第1表示装置100は、判定処理を行う際、第1表示装置100に入力される入力映像信号が示す画像G1と、第2映像信号が示す第2画像G5とを比較してもよい。なお、第1映像信号は、本発明の「第1線材を通じて受信又は送信する映像信号」のうちの「送信する映像信号」の一例である。また、入力映像信号は、本発明の「第1線材を通じて受信又は送信する映像信号」のうちの「受信する映像信号」の一例である。
【0092】
(3)第1実施形態、及び第2実施形態では、第1表示装置100は、1つの表示装置(第4表示装置400)から映像信号を受信して判定処理を行う。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0093】
図10は、表示システム1の変形例である表示システム3を示すブロック図である。
図10に示すように、第1表示装置100は、第1表示装置100よりも下流に位置する複数の表示装置の各々(例えば、第2表示装置200~第4表示装置400の各々)と第2線材30により通信可能に接続され、複数の表示装置の各々から送信される映像信号毎に判定処理を行ってもよい。その結果、映像信号が第1線材20を通じて複数の表示装置に順番に送信される際、複数の表示装置のうちのどの表示装置に送信される段階で映像信号に異常が発生したのかを第1表示装置100の第1制御部104が判断することができる。
【0094】
(4)第1実施形態では、ステップS90において、第1画像G2と第2画像G5とが同じときに、第2映像信号が正常であると判定される。しかし、本発明はこれに限定されない。この場合、第2実施形態と同様に、第1画像G2と第2画像G5との類似度が所定の基準以上であると第1制御部104が判断したときに、第2映像信号が正常であると判定するように構成してもよい。その結果、例えば、僅かなタイムラグ等が生じることにより、第1画像G2と第2画像G5とが僅かに異なる場合でも、異常と判定されず、表示システム1を稼働させ続けることができるので、表示システム1を円滑に稼働させることができる。
【0095】
(5)第2実施形態では、ステップS91において、第1画像G2と第2画像G5との類似度が所定の基準以上のときに、第2映像信号が正常であると判定される。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、第1表示装置100から第1映像信号が送信されるタイミングと、第1表示装置100が第2映像信号を受信するタイミングとの間に発生するタイムラグが考慮しなくてもよい程に小さい場合は、第1実施形態と同様に、遅延量を設定する処理(
図2のステップS20参照)が行われ、第1画像G2と第2画像G5とが同じであると第1制御部104が判断したときに、第2映像信号が正常であると判定するように構成してもよい。
【0096】
(6)第1実施形態、及び第2実施形態において、第1表示装置100の第1制御部104は、第2映像信号が異常であると判定すると、表示システム1に不具合が発生したことを示す異常情報を、第1表示部101に表示させる、管理者の端末に送信する等して管理者に通報してもよい。また、第3実施形態においても同様に、ソース機器10の制御部13は、第2映像信号が異常である判定すると、異常情報を、ソース機器10に備えられる表示部に表示させる、管理者の端末に送信する等して管理者に通報してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、画像表示装置、表示システム、及び表示装置の制御方法の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 表示システム
20 第1線材
30 第2線材
100 第1表示装置
104 第1制御部
400 第4表示装置