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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/77 20180101AFI20240118BHJP
   F24F 11/50 20180101ALI20240118BHJP
   F24F 11/65 20180101ALI20240118BHJP
   F24F 110/00 20180101ALN20240118BHJP
【FI】
F24F11/77
F24F11/50
F24F11/65
F24F110:00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020024548
(22)【出願日】2020-02-17
(65)【公開番号】P2021127898
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】藤井 勝司
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-152516(JP,A)
【文献】特開平02-183745(JP,A)
【文献】特開2016-215117(JP,A)
【文献】特開2001-074301(JP,A)
【文献】国際公開第2019/064616(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0306533(US,A1)
【文献】特開2017-075727(JP,A)
【文献】特開2013-234799(JP,A)
【文献】特開平01-163546(JP,A)
【文献】特開2019-105413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/77
F24F 11/50
F24F 11/65
F24F 110/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風を行う送風ファンと、
送風状態を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、第1の送風状態において、静音命令を受け付けると、前記第1の送風状態よりも前記送風ファンの回転数が少ない第2の送風状態に変更させ、一定時間経過後に、前記第1の送風状態に変更させるものであって、
前記制御部は、前記静音命令が入力されるたびに、前記一定時間の長さを長くしていく
送風装置。
【請求項2】
送風を行う送風ファンと、
送風状態を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、第1の送風状態において、静音命令を受け付けると、前記第1の送風状態よりも前記送風ファンの回転数が少ない第2の送風状態に変更させ、一定時間経過後に、前記第1の送風状態に変更させるものであって、
前記制御部は、前記静音命令が入力されるたびに、前記第2の送風状態の風量を低減させる、送風装置。
【請求項3】
所定空間の空気状態を検知する検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記検知部の検知結果に応じて送風状態を制御し、
前記制御部は、前記静音命令を受けたときに、前記検知部の検知感度を変更させる、請求項1または2に記載の送風装置。
【請求項4】
所定空間の空気状態を検知する検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記検知部の検知結果に応じて送風状態を制御し、
前記制御部は、前記静音命令を受けたときに、前記検知部の検知結果に応じた送風状態の制御を行わない、請求項1または2に記載の送風装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記静音命令を受けたときに、
所定空間の他の送風装置に対し、前記静音命令を受けたことに関連する情報を送信する、請求項1からのいずれか1項に記載の送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風ファンを有する送風装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から空気清浄機やエアコンなどの送風装置に関する様々な技術が提案されている。たとえば、特開2015-64137号公報(特許文献1)には、空気調和機が開示されている。特許文献1によると、音声報知部(音声報知手段)により音声が報知される際に、室内ファン制御部により通常運転時における室内ファンの最大回転数より小さい上限回転数以下に室内ファンの回転数が制限される。
【0003】
また、特開2016-41210号公報(特許文献2)には、ミスト発生装置が開示されている。特許文献2によると、ミスト運転が開始された後に静音ボタンが操作されたと判断したら、マイクで検知された10秒間の平均音量に基づいて駆動モータの回転数を変化させ所定の風量に切り替えるので、平均音量が45dB未満であり比較的静かであれば風量を強に切り替え、多くのミストを含んだ加湿空気を部屋内へ放出して部屋内のミスト量を増加させることができ、平均音量が50dB以上であり日常生活レベルの音が発生していれば風量を弱に切り替え、器具本体から発生する音を減少させてテレビやオーディオ機器の視聴や会話が阻害される事態を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-64137号公報
【文献】特開2016-41210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、送風ファンから生じる音に関する不具合を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様に従うと、送風を行う送風ファンと、送風状態を制御する制御部と、を備え、制御部は、送風状態に関する外部からの所定の指示を受けたときに、所定の指示を受ける前の第1の送風状態を第2の送風状態に変更させ、第2の送風状態に変更させてから一定時間経過後に、第1の送風状態に変更させる、送風装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、本発明によれば、送風ファンから生じる音に関する不具合を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態にかかる送風システムの全体構成を示すイメージ図である。
図2】第1の実施の形態にかかる空気清浄機の構成を示すブロック図である。
図3】第1の実施の形態にかかる操作パネルを示すイメージ図である。
図4】第1の実施の形態にかかる空気清浄機における情報処理を示すフローチャートである。
図5】第1の実施の形態にかかるサーバの構成を示すブロック図である。
図6】第1の実施の形態にかかる機器情報データを示すイメージ図である。
図7】第5の実施の形態にかかる空気清浄機における情報処理を示すフローチャートである。
図8】第8の実施の形態にかかる送風システムの全体構成を示すイメージ図である。
図9】第8の実施の形態にかかる機器情報データを示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
また、以下では、送風装置の一例として、空気中からホコリや虫を取り除く空気清浄機に関して説明を行う。すなわち、送風システムの一例として空気清浄システムに関して説明を行い、送風機構の一例として空気清浄機構に関して説明を行う。
<第1の実施の形態>
<送風システム1の全体構成>
【0011】
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかる送風システム1の全体構成について説明する。本実施の形態にかかる送風システム1は、主に、空気清浄機などの家電制御用のサーバ100と、インターネットやルータなどを介してサーバ100に接続可能な空気清浄機200と、インターネットやルータなどを介してサーバ100に接続可能なユーザの通信端末300とを含む。
【0012】
なお、サーバ100は、家電を制御する1台の装置に限定されるものではなく、クラウド上の複数の演算装置やデータベースを総称するものであって、天気予報のサーバや音声解析のサーバなどをも含むものである。
【0013】
また、空気清浄機200は、送風ファンを利用して空気を清浄するための機能を有すればよく、図1のような床に置く空気清浄専用の装置に限らず、加湿機能を有する空気清浄機や、空気清浄機能を有するエアコンなどであってもよい。
【0014】
また、通信端末300も、スマートフォンに限らず、ユーザが持ち運び可能であって、通信機能を有すればよく、タブレット端末やウェアラブル端末やスピーカやロボットや自動式掃除機やゲーム機やパーソナルコンピュータなどであってもよい。
<空気清浄機200の構成>
【0015】
図2を参照して、本実施の形態にかかる空気清浄機200の構成の一態様について説明する。本実施の形態にかかる空気清浄機200は、主たる構成要素として、CPU210と、メモリ220と、ディスプレイ230と、操作部240と、通信インターフェイス260と、スピーカ270と、マイク280と、機器駆動部290と、温度センサ291と、湿度センサ292と、ホコリセンサ293と、ニオイセンサ298と、タイマ294などを含む。
【0016】
CPU210は、メモリ220あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、空気清浄機200の各部を制御する。
【0017】
メモリ220は、各種のRAMや、各種のROMなどによって実現される。メモリ220は、CPU210によって実行されるプログラムや、CPU210によるプログラムの実行により生成されたデータ、サーバ100から受信したデータ、操作部240を介して入力されたデータなどを記憶する。
【0018】
ディスプレイ230は、CPU210からの信号に基づいて、文字や画像などを出力する。
【0019】
操作部240は、ボタン、タッチパネルなどによって実現され、ユーザからの命令を受け付けて、当該命令をCPU210に入力する。たとえば、図3に示すように、操作部240は、本体上面の操作パネルなどによって実現され、電源ボタン241や、モード切替ボタン242や、イオン発生ボタン243や、静音ボタン244を含む。
【0020】
なお、本実施の形態においては、モード切替ボタン242は、「自動」モード、風量が「強」のモード、風量がさらに強い「ターボ」モード、風量が「中」のモード、風量が「弱」のモード、風量がさらに小さい「静音」モードなどに切り替えるためのものである。なお、「自動」モードは、ニオイセンサ298、ホコリセンサー293での汚れ判定結果が「小」であれば、自動で風量をDOWNさせて、逆に、汚れ判定結果が「大」であれば、自動で風量をUPさせる。
【0021】
静音ボタン244は、所定時間だけ、たとえば5分や10分など、一時的にファンの風量を下げるための命令を入力するためのものである。
【0022】
その他、操作部240は、電源をON/OFFするためのボタン241や、イオンを発生させるためのボタン243などを含む。
【0023】
図2に戻って、ディスプレイ230と操作部240とは、タッチパネル250を構成してもよい。
【0024】
通信インターフェイス260は、アンテナやコネクタなどの通信モジュールによって実現される。通信インターフェイス260は、ルータなどを介して有線通信あるいは無線通信によって他の装置との間でデータをやり取りする。本実施の形態においては、CPU210は、通信インターフェイス260を介して、サーバ100や通信端末300などの他の装置から各種の制御命令を受信したり、サーバ100や通信端末300などの他の装置に各種の情報を送信したりする。
【0025】
たとえば、CPU210は、マイク280に入力された音声のデータを通信インターフェイス260を介してサーバ100に送信し、サーバ100から当該音声に対応する制御命令のコードを受信して、当該制御命令を実行する。つまり、ユーザが、マイク280に「風量を上げて。」と声をかけると、CPU210は、通信インターフェイス260を介してサーバ100から、風量を上げる旨の制御命令を受信して、ファン295のモータ296の回転数を増加させる。あるいは、ユーザが、マイク280に「ちょっと静かに!!」と声をかけると、CPU210は、通信インターフェイス260を介してサーバ100から、一時的に「静音」モードに切り替えるための制御命令を受信して、ファン295のモータ296の回転数を最小に下げる。
【0026】
スピーカ270は、CPU210からの信号に基づいて、音声を出力する。マイク280は、外部からの音声に基づいて音声信号を作成し、CPU210に入力する。
【0027】
機器駆動部290は、CPU210からの信号に基づいて、空気清浄機200の各部、たとえばファン295のモータ296やイオン発生装置や風向き変更モータや虫誘因ランプなど、を制御することによって、空気を吸い込んだり吐き出したり、空気中のホコリや虫などをフィルタによって取り除いたり、イオンを放出したりするものである。
【0028】
温度センサ291は、空気清浄機200が吸い込む空気の温度を測定して、測定結果をCPU210に受け渡す。
【0029】
湿度センサ292は、空気清浄機200が吸い込む空気の湿度を測定して、測定結果をCPU210に受け渡す。
【0030】
ホコリセンサ293は、空気清浄機200が吸い込む空気に含まれるホコリや花粉の量を測定して、測定結果をCPU210に受け渡す。
【0031】
ニオイセンサ298は、空気清浄機200が吸い込む空気に含まれるニオイを検知して、検知結果をCPU210に受け渡す。
【0032】
タイマ294は、一時的な「静音」モードを開始してからの経過時間を測定してCPU210に受け渡す。
【0033】
なお、機器駆動部290やホコリセンサ293などの空気清浄のための主なユニットを合わせて「空気清浄機構」とも言う。
【0034】
本実施の形態においては、CPU210は、操作部240を介して通常の空気清浄運転を開始する命令や終了する命令や運転モードの設定命令や運転強度の設定命令を受け付けて、当該命令に基づいて機器駆動部290を制御する。あるいは、CPU210は、通信インターフェイス260を介してサーバ100から、通常の空気清浄運転を開始する命令や終了する命令や運転モードの設定命令や運転強度の設定命令を受け付けて、当該命令に基づいて機器駆動部290を制御する。あるいは、CPU210は、通信インターフェイス260を介してサーバ100から、ユーザの通信端末300からの各種の遠隔制御命令を受け付けて、当該命令に基づいて機器駆動部290を制御する。
<空気清浄機200における制御処理>
【0035】
図4を参照して、本実施の形態にかかる空気清浄機200における主な処理について説明する。本実施の形態においては、空気清浄機200のCPU210は、メモリ220のプログラムに従って、図4に示す処理を実行する。
【0036】
CPU210は、操作部240からの直接的な操作命令や、通信インターフェイス260を介したサーバ100からの制御命令を受け付けると(ステップS102にてYESである場合)、当該命令が一時的な静音のための命令であるか否かを判断する(ステップS104)。
【0037】
一時的な静音のための命令を受け付けた場合(ステップS104にてYESである場合)、CPU210は、現在のモードをメモリ220に記憶して、「静音」モードに切り替える(ステップS106)。つまり、CPU210は、数分間の間、ファン295のモータ296の回転数を最小に下げる制御を行う。
【0038】
CPU210は、「静音」モードが所定時間、たとえば5分や10分など、継続されると(ステップS108にてYESである場合)、メモリ220を参照して、元のモードに戻す(ステップS110)。
【0039】
一時的な静音のための命令を受け付けなかった場合(ステップS104にてNOである場合)、CPU210は、モードの切り替え命令を受け付けたか否かを判断する(ステップS112)。
【0040】
モードの切り替え命令を受け付けた場合(ステップS112にてYESである場合)、CPU210は、指定された新たなモードに切り替える(ステップS114)。
【0041】
モードの切り替え命令を受け付けなかった場合(ステップS112にてNOである場合)、CPU210は、その他の制御を実行する(ステップS116)。
<サーバ100のハードウェア構成>
【0042】
次に、図5を参照して、本実施の形態にかかる送風システム1を構成するサーバ100のハードウェア構成の一態様について説明する。サーバ100は、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ120と、操作部140と、通信インターフェイス160とを含む。
【0043】
CPU110は、メモリ120に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ100の各部を制御する。たとえば、CPU110は、メモリ120に格納されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、後述する各種の処理を実行する。
【0044】
メモリ120は、各種のRAM(Random Access Memory)、各種のROM(Read-Only Memory)などによって実現され、サーバ100に内包されているものであってもよいし、サーバ100の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ100からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ120は、CPU110によって実行されるプログラムや、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、機器情報データ122、その他の本実施の形態にかかるサービスに利用されるデータベースなどを記憶する。
【0045】
図6を参照して、本実施の形態にかかる機器情報データ122は、本サービスに登録されている空気清浄機200毎に、空気清浄機200の識別情報と、空気清浄機200の機種名と、空気清浄機200のユーザの識別情報と、空気清浄機200の動作状態と、空気清浄機200の周囲の環境情報などの対応関係を含む。
【0046】
図5に戻って、操作部140は、サービスの管理者などの命令を受け付けて、当該命令をCPU110に入力する。
【0047】
通信インターフェイス160は、CPU110からのデータを、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して、空気清浄機200や通信端末300などの他の装置に送信する。逆に、通信インターフェイス160は、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して空気清浄機200や通信端末300などの他の装置からのデータを受信して、CPU110に受け渡す。
【0048】
たとえば、本実施の形態においては、CPU110は、通信インターフェイス160を介して音声データを受け付けると、音声解析を行い、機種毎の制御命令のコード、たとえば風量や風向きやイオン発生の有無などの指定など、に変換し、通信インターフェイス160を介して空気清浄機200に当該制御命令を送信する。
<第2の実施の形態>
【0049】
上記の実施の形態においては、CPU210は、操作部240や通信端末300やサーバ100から「静音」モードに一時的に切り替える旨の制御命令を受け付けて、ファン295のモータ296の回転数を最小に下げるものであった。
【0050】
しかしながら、CPU210は、操作部240や通信端末300やサーバ100からの一時的な静音のための命令を受け付けた場合(ステップS104にてYESである場合)、CPU210は、現在のモードをメモリ220に記憶して、ファン295の風量を所定量だけ下げる制御を行う(ステップS106)。たとえば、CPU210は、数分間の間、ファン295のモータ296の回転数を一段階下げる制御を行う。
【0051】
そして、CPU210は、操作部240や通信端末300やサーバ100からの一時的な静音のための命令を、再度、受け付けた場合(ステップS104にてYESである場合)、CPU210は、ファン295の風量をさらに下げる制御を行う(ステップS106)。たとえば、CPU210は、数分間の間、ファン295のモータ296の回転数をさらに一段階下げる制御を行う。
【0052】
つまり、一時的な静音のための命令を受け付けるたびに、ファン295の風量を下げていく。
【0053】
そして、CPU210は、「静音」モードの開始から所定時間が経過すると(ステップS108にてYESである場合)、メモリ220を参照して、元のモードに戻す(ステップS110)。
<第3の実施の形態>
【0054】
上記の実施の形態においては、CPU210は、操作部240や通信端末300やサーバ100から「静音」モードに一時的に切り替える旨の制御命令を受け付けると、所定の時間、たとえば5分や10分など、ファン295のモータ296の回転数を下げるものであった。
【0055】
しかしながら、CPU210は、操作部240や通信端末300やサーバ100からの一時的な静音のための命令を受け付けた場合(ステップS104にてYESである場合)、CPU210は、現在のモードをメモリ220に記憶して、第1の時間だけ、ファン295の風量を下げる制御を行う(ステップS106)。
【0056】
そして、CPU210は、操作部240やサーバ100からの一時的な静音のための命令を、再度、受け付けた場合(ステップS104にてYESである場合)、CPU210は、さらに第1の時間分延長して、ファン295の風量を下げる制御を継続する(ステップS106)。
【0057】
なお、CPU210は、一時的な静音モード中に操作部240やサーバ100からの一時的な静音のための命令を再度受け付けた場合に第1の時間を延長してもよいし、操作部240やサーバ100からの一時的な静音のための命令を受け付けてから、連続して、たとえば3秒以内などに、同じインターフェイスから一時的な静音のための命令を受け付けた場合に第1の時間を延長していってもよい。
【0058】
また、CPU210は、一時的な静音モードが終了してから(ステップS110)、所定の期間、たとえば1分や3分など、が経過する前に、一時的な静音のための命令を再度受け付けた場合には、第1の時間よりも長い第2の時間、たとえば10分や30分など、ファン295の風量を下げる制御を行うことが好ましい(ステップS106)。つまり、一時的な静音モードが終了してから、すぐに、次の一時的な静音モードの命令を受け付けると、今度は長めの期間一時的な静音モードを続ける。
<第4の実施の形態>
【0059】
なお、単に、CPU210は、操作部240や通信端末300やサーバ100からの指示に基づいて、ファン295の風量を下げる程度を調節できることが好ましい。たとえば、ユーザは、操作部240を介して静音モードにおける風量を選択したり、静音モードの期間を長くしたり短くしたりすることができる。また、ユーザは、通信端末300の制御アプリケーションプログラムを利用して、サーバ100やルータを介して、空気清浄機200の静音モードにおける風量を選択したり、静音モードの期間を長くしたり短くしたりすることができる。
<第5の実施の形態>
【0060】
なお、上記の実施の形態においては、CPU210は、所定時間、たとえば5分や10分など、経過後に元のモードに戻すものであった。しかしながら、CPU210は、所定時間の経過後に、さらに他の条件が満たされている場合に、元のモードに戻してもよい。
【0061】
図7を参照して、本実施の形態にかかる空気清浄機200における主な処理について説明する。本実施の形態においては、空気清浄機200のCPU210は、メモリ220のプログラムに従って、図7に示す処理を実行する。
【0062】
CPU210は、操作部240からの直接的な操作命令や、通信インターフェイス260を介したサーバ100からの制御命令を受け付けると(ステップS102にてYESである場合)、当該命令が一時的な静音のための命令であるか否かを判断する(ステップS104)。
【0063】
一時的な静音のための命令を受け付けた場合(ステップS104にてYESである場合)、CPU210は、現在のモードや現在の周囲の環境情報などをメモリ220に記憶して、「静音」モードに切り替える(ステップS106)。つまり、CPU210は、数分間の間、ファン295のモータ296の回転数を最小に下げる制御を行う。
【0064】
CPU210は、「静音」モードが所定時間、たとえば5分や10分など、継続されると(ステップS108にてYESである場合)、メモリ220を参照して、空気清浄機200の周囲の状況などに関する所定の条件が満たされているか否かを判断する(ステップS209)。
【0065】
たとえば、CPU210は、ホコリセンサ293を利用して、ホコリが所定よりも多い場合に所定の条件が満たされていると判断する。あるいは、CPU210は、マイク280を利用して、周囲の雑音が小さい場合に所定の条件が満たされていると判断する。あるいは、CPU210は、元のステップS104における周囲の雑音が大きい場合は、マイク280を利用して、現在のステップS209における周囲の雑音が小さい場合に所定の条件が満たされていると判断する。
【0066】
CPU210は、所定の条件が見されている場合に(ステップS209にてYESである場合)、メモリ220を参照して、元のモードに戻す(ステップS110)。
【0067】
一時的な静音のための命令を受け付けなかった場合(ステップS104にてNOである場合)、CPU210は、モードの切り替え命令を受け付けたか否かを判断する(ステップS112)。
【0068】
モードの切り替え命令を受け付けた場合(ステップS112にてYESである場合)、CPU210は、新たなモードに切り替える(ステップS114)。
【0069】
モードの切り替え命令を受け付けなかった場合(ステップS112にてNOである場合)、CPU210は、その他の制御を実行する(ステップS116)。
<第6の実施の形態>
【0070】
上記の実施の形態の機能に加えて、空気清浄機200のCPU210は、一時的な静音のための命令を受け付けた場合(ステップS104にてYESである場合)、「静音」モードに切り替えるとともに、ホコリセンサ293やニオイセンサ298の検知結果による制御を停止させたり、ホコリセンサ293やニオイセンサ298の感度を下げたりする(ステップS106)。
【0071】
そして、CPU210は、「静音」モードが所定時間、たとえば5分や10分など、継続されると(ステップS108にてYESである場合)、元のモードに戻すとともに、ホコリセンサ293に関する制御や閾値なども元に戻す(ステップS110)。
<第7の実施の形態>
【0072】
上記の実施の形態においては、一時的に静音モードになってから元の制御に戻すものであったが、一時的な変更であれば別の制御であってもよい。例えば、一時的に風量アップをアップして、すなわち所定時間が経過すると元の風向き制御に戻してもよい。あるいは、一時的に風向を変更し、すなわち所定時間が経過すると元の風向き制御に戻してもよい。これによって、ユーザが手動で元の制御に戻すことを失念しても元の制御に戻すことができるし、ユーザの手を煩わせることもなくなる。
<第8の実施の形態>
【0073】
上記の実施の形態においては、1つの空気清浄機200に関して一時的な制御変更について説明したが、ユーザが1つの空気清浄機200や通信端末300に一時的な制御変更命令を入力すると、サーバ100は、図8に示すように、当該空気清浄機200や通信端末300と同じ部屋に置かれている複数の空気清浄機200Bやエアコン200Cなどにも一時的な制御変更命令を入力してもよい。より詳細には、サーバ100のCPU110は、図9に示すような、メモリ120の機器情報データ122Bを参照することによって、空気清浄機200や通信端末300と同じ部屋に置かれている複数の空気清浄機200Bやエアコン200Cなどを特定する。そして、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、複数の空気清浄機200Bやエアコン200Cなどに一時的な制御命令を送信する。CPU110は、所定時間が経過すると、通信インターフェイス160を介して、当該空気清浄機200や通信端末300と同じ部屋に置かれている複数の空気清浄機200やエアコンなどに元の制御に戻すための命令を送信してもよい。
<第9の実施の形態>
【0074】
上記の実施の形態の送風システム1の各装置の役割の一部または全部を他の装置が実行してもよい。たとえば、サーバ100や空気清浄機200や通信端末300の各々の役割の一部または全部を別の装置が担ったり、サーバ100や空気清浄機200や通信端末300の各々の役割の一部または全部を複数の装置で担ったり、サーバ100や空気清浄機200や通信端末300のいずれかがサーバ100や空気清浄機200や通信端末300のいずれかの役割の一部または全部を担ったりしてもよい。
【0075】
具体的な一例として、空気清浄機200がローカルで、音声解析などの処理を実行してもよい。たとえば上記の実施の形態においては、一時的な静音モードへの命令は、操作部240やサーバ100などから空気清浄機200に入力されるものであったが、CPU210はユーザの音声による命令をサーバ100を介さずにマイク280から直接的に受け付けてもよい。逆に、図4図7の処理の一部または全部をクラウド上のサーバ100や通信端末300やHEMSなどが実行してもよい。
<まとめ>
【0076】
上記の実施の形態においては、送風を行う送風ファンと、送風状態を制御する制御部と、
を備え、制御部は、送風状態に関する外部からの所定の指示を受けたときに、所定の指示を受ける前の第1の送風状態を第2の送風状態に変更させ、第2の送風状態に変更させてから一定時間経過後に、第1の送風状態に変更させる、送風装置が提供される。
【0077】
好ましくは、制御部は、所定期間内に受けた所定の指示の回数に応じて、一定時間の長さを変更させる。
【0078】
好ましくは、制御部は、所定期間内に受けた所定の指示の回数に応じて、第2の送風状態の風量を変更させる。
【0079】
好ましくは、送風装置は、所定空間の空気状態を検知する検知部をさらに備える。制御部は、検知部の検知結果に応じて送風状態を制御し、制御部は、所定の指示を受けたときに、検知部の検知感度を変更させる。
【0080】
好ましくは、送風装置は、所定空間の空気状態を検知する検知部をさらに備える。制御部は、検知部の検知結果に応じて送風状態を制御し、制御部は、所定の指示を受けたときに、検知部の検知結果に応じた送風状態の制御を行わない。
【0081】
好ましくは、制御部は、所定の指示を受けたときに、所定空間の他の送風装置に対し、所定の指示を受けたことに関連する情報を送信する。
【0082】
好ましくは、制御部は、所定の命令が入力されると、「弱モード」または「静音モード」に切り替える。
【0083】
好ましくは、制御部は、所定の命令が入力されるたびに、風量がより弱いモードに変更していく。
【0084】
好ましくは、空気清浄機は、ホコリまたは花粉を検知するためのセンサをさらに備える。制御部は、所定の命令が入力されると、所定の時間の間、センサの検知結果に基づく制御を停止する
【0085】
好ましくは、空気清浄機は、ホコリまたは花粉を検知するためのセンサをさらに備える。制御部は、所定の命令が入力されると、所定の時間の間、センサの感度を下げる。
【0086】
好ましくは、制御部は、所定の期間内に所定の命令が再度入力されると、所定の時間よりも長い時間、送風ファンの風量を下げる。
【0087】
好ましくは、制御部は、所定の命令が連続して入力されると、所定の時間を長く設定する。
【0088】
好ましくは、制御部は、所定の時間を変更する命令を受け付けて、所定の時間を変更する。
【0089】
好ましくは、制御部は、所定の時間が経過後に、所定の条件を満たしている場合に、元のモードに戻す。
【0090】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0091】
1 :送風システム
100 :サーバ
110 :CPU
120 :メモリ
122 :機器情報データ
140 :操作部
160 :通信インターフェイス
200 :空気清浄機
210 :CPU
220 :メモリ
230 :ディスプレイ
240 :操作部
241 :電源ボタン
242 :モード切替ボタン
243 :イオン発生ボタン
244 :静音ボタン
250 :タッチパネル
260 :通信インターフェイス
270 :スピーカ
280 :マイク
290 :機器駆動部
291 :温度センサ
292 :湿度センサ
293 :ホコリセンサ
294 :タイマ
295 :ファン
296 :モータ
300 :通信端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9