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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
F25D23/00 B
F25D23/00 303
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020028322
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2021131218
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2022-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋吉 浩一
(72)【発明者】
【氏名】岩元 浩二
(72)【発明者】
【氏名】坪川 充央
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-026258(JP,A)
【文献】特開2012-013385(JP,A)
【文献】特開2013-061085(JP,A)
【文献】特開2008-070065(JP,A)
【文献】実開平03-107684(JP,U)
【文献】実開昭60-133385(JP,U)
【文献】実開昭48-029470(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体の下面の前部に固定されている支持脚と、
前記冷蔵庫本体の前記下面の前記前部に固定されている把持部材と、を備えており、
前記把持部材は、
使用者が把持可能な把持部と、
前記把持部から前記支持脚側に延びて前記支持脚を覆っている支持脚覆い部と、を備えており、
前記把持部は、
前記冷蔵庫本体の前記下面の前記前部に固定されており、前記冷蔵庫本体よりも前側に延びている第1腕部と、
前記冷蔵庫本体の前記下面の前記前部に固定されており、前記冷蔵庫本体よりも前側に延びている第2腕部と、
前記第1腕部の先端部と前記第2腕部の先端部に接続されており、前記使用者によって握られる取手部と、を備えており、
前記支持脚覆い部は、
前記支持脚の上側に配置されており、前記支持脚の上部を覆う上壁部と、
前記上壁部の周縁端から下側に向かって延びており、前記支持脚の側部を覆う側壁部と、を備えている、冷蔵庫。
【請求項2】
前記支持脚は、
前記冷蔵庫本体の前記下面の前記前部に固定された状態で、前記冷蔵庫本体よりも前側に延びている基部と、
前記冷蔵庫本体よりも前側で前記基部に締結具によって締結されている脚本体と、を備えており、
前記脚本体は、前記締結具を締める又は緩めることにより前記基部に対する高さ位置が調整可能に構成されており、
上下方向に沿って視た場合、前記支持脚覆い部には前記締結具を覆う位置に開口部が設けられている、請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記支持脚覆い部の前端は、前記取手部の前端よりも前側に配置されている、請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記支持脚覆い部の後端は、前記冷蔵庫本体よりも前側に配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記第1腕部の左右方向の幅は、前記冷蔵庫本体に近づくにつれて増加する、請求項1から4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される冷蔵庫は、冷蔵庫本体と、支持脚と、を備えている。支持脚は、冷蔵庫本体の下面の前部に固定されている。冷蔵庫を床面等の載置面に載置する場合、支持脚は、冷蔵庫本体を支持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-132648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の冷蔵庫では、ユーザが冷蔵庫を運搬する場合、ユーザは、支持脚を把持することとなり、容易に冷蔵庫を運搬することができない。また、上記の冷蔵庫では、ユーザから支持脚が見えるため、冷蔵庫の見栄えが良くない。
【0005】
本明細書では、冷蔵庫を容易に運搬することができるとともに冷蔵庫の見栄えを良くすることができる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される冷蔵庫は、冷蔵庫本体と、前記冷蔵庫本体の下面の前部に固定されている支持脚と、前記冷蔵庫本体の前記下面の前記前部に固定されている把持部材と、を備えている。前記把持部材は、ユーザが把持可能な把持部と、前記把持部から前記支持脚側に延びて前記支持脚を覆っているカバー部と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施例の冷蔵庫の縦断面図である。
図2図1の冷蔵庫の前部の下端部を拡大した図である。
図3】冷蔵庫本体の一部と支持脚と把持部材の斜視図である。
図4】冷蔵庫本体に固定された把持部材を下から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施例)
図1から図4を参照して、第1実施例の冷蔵庫10を説明する。図1に示すように、冷蔵庫10は、冷蔵庫本体12と、複数の扉14、16、18、20と、冷却器32、34と、ファン36、38と、後部把持部材42と、固定脚44と、支持脚46と、前部把持部材64と、を備えている。冷蔵庫本体12の色は、白系色である。冷蔵庫本体12は、内部にポリウレタン樹脂が充填されていることにより、断熱性を有する。冷蔵庫本体12は、その内部に、冷蔵室24と、野菜室26と、第1冷凍室28と、第2冷凍室30と、を有する。下方向に向かって、冷蔵室24と、野菜室26と、第1冷凍室28と、第2冷凍室30が順番に配置されている。本実施例では、冷蔵庫10の高さ方向を上下方向と呼び、冷蔵庫10の奥行き方向を前後方向と呼び、上下方向及び前後方向に直交する方向を左右方向と呼ぶ。
【0009】
扉14、16、18、20の色のそれぞれは、白系色である。扉14、16、18、20の色は、冷蔵庫本体12の色と同系色である。冷蔵室24と野菜室26と第1冷凍室28と第2冷凍室30の前面開口のそれぞれは、扉14、16、18、20のそれぞれによって閉じられる。
【0010】
冷却器32、34には、コンプレッサ(図示省略)から凝縮器(図示省略)とキャピラリチューブ(図示省略)を経て、冷媒が圧送される。冷却器32、34は、圧送された冷媒によって、周囲の温度を冷却する。冷却器32、34を通過した冷媒は、逆止弁(図示省略)を経て、コンプレッサ(図示省略)に戻る。ファン36は、冷却器32により冷却された空気を、冷蔵室24と野菜室26に圧送する。これにより、冷蔵室24と野菜室26が冷蔵温度帯に冷却される。また、ファン38は、冷却器34により冷却された空気を、第1冷凍室28と第2冷凍室30に圧送する。これにより、第1冷凍室28と第2冷凍室30が冷蔵温度帯に冷却される。ファン36、38やコンプレッサ(図示省略)を含む冷蔵庫10の冷却に関する部品は、図示省略の制御部によって制御される。
【0011】
後部把持部材42は、例えば、樹脂材料から成る。樹脂材料は、例えば、ABS樹脂やポリプロピレンである。なお、変形例では、後部把持部材42は、金属材料から成っていてもよい。後部把持部材42は、冷蔵庫本体12の後面の上部から後側に向かって延びている。なお、変形例では、後部把持部材42は、冷蔵庫本体12の上面の後部から後側に向かって延びていてもよい。後部把持部材42は、ボルトにより冷蔵庫本体12に固定されている。なお、変形例では、後部把持部材42は、冷蔵庫本体12と一体的に形成されていてもよい。後部把持部材42は、例えば、冷蔵庫10を運搬する場合に、ユーザに把持される。
【0012】
固定脚44は、冷蔵庫本体12の下面12aの後部から下側に向かって延びている。固定脚44は、ボルトにより冷蔵庫本体12に固定されている。図1では図示省略されているが、固定脚44は、冷蔵庫本体12の下面12aの後部において、左端部と右端部のそれぞれに固定されている。冷蔵庫10が床面等の載置面に載置されている状態では、固定脚44は、冷蔵庫本体12と載置面との間に配置されて、冷蔵庫本体12を支持する。固定脚44は、冷蔵庫本体12の高さ調整することができない。
【0013】
図2に示すように、支持脚46は、冷蔵庫本体12の下面12aの前部に固定されている。図2では図示省略されているが、支持脚46は、冷蔵庫本体12の下面12aの前部において、左端部と右端部のそれぞれに固定されている。冷蔵庫10が載置面に載置されている状態では、支持脚46は、冷蔵庫本体12を支持する。支持脚46は、基部50と、締結具56と、脚本体62と、を備えている。基部50は、例えば、金属材料から成る。基部50は、ボルトによって、冷蔵庫本体12の下面12aの前部に固定されている。基部50は、冷蔵庫本体12に固定された状態で、冷蔵庫本体12よりも前側に延びている。また、基部50は、扉20の前面20aよりも前側に延びていない。
【0014】
基部50には、雌ねじ部52が形成されている。雌ねじ部52は、冷蔵庫本体12よりも前側であって、扉20の前面20aよりも後側に配置されている。雌ねじ部52は、基部50を厚み方向(即ち、上下方向)に貫通している。雌ねじ部52は、上下方向に延びる軸の周りを螺旋状に延びている。
【0015】
締結具56は、例えば、金属材料から成る。締結具56の外周面には、雄ねじ部58が形成されている。雄ねじ部58は、上下方向に延びる軸の周りを螺旋状に延びている。雄ねじ部58は、雌ねじ部52に螺合した状態で、雌ねじ部52に挿通されている。締結具56を上下方向に延びる軸を中心にして第1方向に回転させると、締結具56は、基部50に対して上方向に移動する(以下では、締結具56を締めるという)。一方、締結具56を上下方向に延びる軸を中心にして第1方向と反対の第2方向に回転させると、締結具56は、基部50に対して下方向に移動する(以下では、締結具56を緩めるという)。
【0016】
締結具56の上面には、工具穴60が形成されている。工具穴60には、ドライバや六角レンチ等の工具を差し込むことができる。ユーザは、工具穴60に工具を差し込むことにより、締結具56を容易に締める又は緩めることができる。
【0017】
脚本体62は、例えば、樹脂材料や弾性材料から成る。脚本体62は、締結具56の下端部に配置されている。脚本体62は、締結具56により基部50に締結されている。脚本体62は、冷蔵庫本体12よりも前側であって、扉20の前面20aよりも後側に配置されている。脚本体62は、冷蔵庫10が載置面に載置された場合、載置面に当接する。脚本体62は、締結具56を締める又は緩めることにより、基部50に対する高さ位置が調整可能に構成されている。これにより、冷蔵庫10のガタツキを抑制することができる。
【0018】
図3に示すように、冷蔵庫10は、前部把持部材64を備えている。図3では、前部把持部材64を理解し易くするために、扉20が図示省略されている。前部把持部材64は、「把持部材」の一例である。前部把持部材64の色は、白系色である。前部把持部材64の色は、冷蔵庫本体12の色と扉14、16、18、20の色と同系色である。前部把持部材64は、例えば、樹脂材料から成る。樹脂材料は、例えば、ABS樹脂やポリプロピレンである。なお、変形例では、前部把持部材64は、金属材料から成っていてもよい。冷蔵庫10が載置面に載置されている状態で冷蔵庫10を前側から視た場合、前部把持部材64は、冷蔵庫本体12と載置面との隙間の一部と支持脚46を隠す。これにより、冷蔵庫10の見栄えを良くすることができる。
【0019】
図4に示すように、前部把持部材64は、把持部66と、カバー部90と、を備えている。図4では、前部把持部材64の形状を理解し易くするため、支持脚46のうちの締結具56のみ破線で図示されており、基部50と脚本体62が図示省略されている。把持部66は、左右方向において支持脚46の横に並んでいる。把持部66は、例えば、冷蔵庫10を運搬する場合に、後部把持部材42を把持したユーザと異なるユーザにより把持される。
【0020】
把持部66は、第1腕部68と、第2腕部78と、補強部80と、取手部82と、を備えている。第1腕部68と第2腕部78と補強部80と取手部82が繋がることにより、把持部66は、四角環状形状を有する。第1腕部68は、根本領域70と、中間領域72と、先端領域74と、を備えている。根本領域70は、冷蔵庫本体12の下面12aの前部にボルトにより固定されている。根本領域70は、冷蔵庫本体12の下面12aの前部に固定された状態で、冷蔵庫本体12よりも前側に延びている。中間領域72は、根本領域70の前端部から前側に延びている。中間領域72の左右方向の幅は、根本領域70から離れるのに従って、即ち、冷蔵庫本体12から離れるのに従って、狭くなる。中間領域72の左右方向の幅は、冷蔵庫本体12に近い側の端部で最も広い。先端領域74は、中間領域72の前端部から前側に延びている。先端領域74の左右方向の幅は、前後方向に一定である。先端領域74は、扉20の前面20aよりも前側に延びていない。
【0021】
第2腕部78は、第1腕部68よりも支持脚46側に配置されている(図3参照)。第2腕部78は、冷蔵庫本体12の下面12aの前部にボルトにより固定されている。第1腕部68の根本領域70が冷蔵庫本体12の下面12aの前部にボルトにより固定されていることから、把持部66は、冷蔵庫本体12の下面12aの前部に2点で固定されている。第2腕部78は、冷蔵庫本体12の下面12aの前部に固定された状態で、冷蔵庫本体12よりも前側に延びている。第2腕部78は、扉20の前面20aよりも前側に延びていない。図4では、扉20の位置を理解し易くするため、扉20が二点鎖線で図示されている。第2腕部78の左右方向の幅は、略一定である。
【0022】
補強部80は、第1腕部68の根本領域70から第2腕部78の後端部まで延びている。第1腕部68と第2腕部78は、それぞれの後端部において、補強部80により、一体化している。補強部80は、上下方向に関して、冷蔵庫本体12の下面12aと重なり合っている。
【0023】
取手部82は、ユーザによって握られる部分である。ユーザは、取手部82を握ることにより、例えば、冷蔵庫10を容易に運搬することができる。取手部82は、第1腕部68の先端領域74から第2腕部78の前端部まで延びている。第1腕部68と第2腕部78は、それぞれの先端部において、取手部82により、一体化している。取手部82は、冷蔵庫本体12よりも前側であって、扉20の前面20aよりも後側に配置されている。取手部82は、冷蔵庫本体12から離れている。取手部82と冷蔵庫本体12との間の幅は、ユーザの手指が入る幅よりも大きく、例えば、2センチメートル以上である。また、取手部82の左右方向の幅(第1腕部68と第2腕部78との間の幅)は、ユーザの複数本の手指が入る幅よりも大きく、例えば、5センチメートル以上である。
【0024】
カバー部90は、第2腕部78から支持脚46側に向かって延びている。カバー部90は、左右方向において把持部66の横に並んでいる。カバー部90は、冷蔵庫本体12の側面を越えて延びていない。カバー部90は、冷蔵庫本体12よりも前側であって、扉20の前面20aよりも後側に配置されている。カバー部90は、支持脚46の上部を覆っている。なお、変形例では、カバー部90は、支持脚46の全体、即ち、支持脚46の上部から下部まで覆っていてもよい。図2に示すように、カバー部90は、上壁部90aと、側壁部90bと、を備えている。上壁部90aは、支持脚46よりも上側に配置されている。側壁部90bは、上壁部90aの周縁端から下側に向かって延びている。側壁部90bは、扉20の前面20aよりも後側で、締結具56と脚本体62を覆っている。このため、脚本体62の高さ位置の調整のために締結具56が上側に移動する場合であっても、締結具56と脚本体62は、側壁部90bに接触しない。
【0025】
上壁部90aには、開口部92が設けられている。開口部92は、上壁部90aを厚み方向に貫通している。開口部92の直径は、締結具56の直径よりも大きい。脚本体62の高さ位置の調整のために締結具56が上側に移動する場合であっても、締結具56は、上壁部90aに接触しない。開口部92は、上下方向に沿って視た場合、締結具56を覆う位置に配置されている。このため、ユーザは、工具を開口部92に挿通させて、締結具56の工具穴60に容易に差し込むことができる。
【0026】
次に、冷蔵庫本体12に前部把持部材64及び支持脚46を取り付ける方法を説明する。まず、第1腕部68の根本領域70と第2腕部78の後端部のそれぞれが、ボルトにより冷蔵庫本体12の下面12aに固定される。これにより、前部把持部材64が冷蔵庫本体12の下面12aに固定される。次に、支持脚46の基部50が、ボルトにより冷蔵庫本体12の下面12aに固定される。この状態では、開口部92は、上下方向に沿って視た場合、基部50の雌ねじ部52を覆う位置に配置されている。次いで、締結具56の雄ねじ部58を雌ねじ部52に螺合させて締結具56を締めることにより、脚本体62が基部50に締結される。
【0027】
(効果)
以上、第1実施例の冷蔵庫10について説明した、上記の実施例では、支持脚46は、冷蔵庫本体12の下面12aの前部にボルトにより固定されている。また、前部把持部材64は、冷蔵庫本体12の下面12aの前部に固定されている。前部把持部材64は、ユーザが把持可能な把持部66と、把持部66から支持脚46側に延びて支持脚46を覆っているカバー部90と、を備えている。この構成によれば、ユーザは、把持部66を把持して、冷蔵庫10を運搬することができる。また、カバー部90が把持部66から支持脚46側に延びて支持脚46を覆うことにより、支持脚46を隠すことができる。これらの結果、前部把持部材64が冷蔵庫本体12に固定されることにより、冷蔵庫10を容易に運搬することができるとともに、冷蔵庫10の見栄えを良くすることができる。
【0028】
また、支持脚46の基部50は、冷蔵庫本体12の下面12aの前部に固定された状態で冷蔵庫本体12よりも前側に延びている。支持脚46の脚本体62は、冷蔵庫本体12よりも前側で、基部50に締結具56によって締結されている。また、脚本体62は、締結具56を締める又は緩めることにより、基部50に対する高さ位置が調整可能である。上下方向に沿って視た場合、カバー部90には、締結具56を覆う位置に開口部92が設けられている。この構成によれば、開口部92が締結具56を覆う位置に設けられているため、ユーザは、締結具56を容易に締める又は緩めることができる。これにより、基部50に対する脚本体62の高さ位置を容易に調整することができる。
【0029】
また、前部把持部材64の色と冷蔵庫本体12の色とが同系色である。冷蔵庫10が載置面に載置される場合、冷蔵庫本体12の下面12aと載置面との間に隙間が形成される。前部把持部材64は、冷蔵庫本体12の下面12aの前部に固定されているため、その隙間の前部に配置される。上記の構成によれば、前部把持部材64の色と冷蔵庫本体12の色とが同系色であるため、上記の隙間を、冷蔵庫本体12の色と同系色である前部把持部材64によって隠すことができる。これにより、冷蔵庫10の見栄えを良くすることができる。
【0030】
また、把持部66とカバー部90とは一体となっている。この構成によれば、1個の金型により把持部66とカバー部90とを作製することができる。また、従来冷蔵庫を出荷する場合にカバー部である前面グリルを冷蔵庫本体の貯蔵室に設置するために必要であった梱包材料を使用せずに済む。
【0031】
また、第1腕部68の根本領域70と第2腕部78のそれぞれは、ボルトにより、冷蔵庫本体12の下面12aに固定されている。即ち、把持部66は、2点で冷蔵庫本体12の下面12aに固定されている。この構成によれば、例えば、把持部66が1点でのみ冷蔵庫本体12の下面12aに固定されている場合と比較して、冷蔵庫本体12と把持部66との固定強度を高くすることができる。ユーザが取手部82を把持して、例えば、冷蔵庫10を運搬する場合、冷蔵庫10の重みにより、把持部66が破損することを抑制することができる。
【0032】
また、補強部80は、第1腕部68と第2腕部78を連結している。補強部80は、把持部66を補強する。この構成によれば、ユーザが取手部82を把持して、例えば、冷蔵庫10を運搬する場合、冷蔵庫10の重みにより、第1腕部68と第2腕部78に応力が集中することを抑制することができる。これにより、第1腕部68と第2腕部78の破損に伴い、把持部66が破損することを抑制することができる。
【0033】
また、第1腕部68の中間領域72は、冷蔵庫本体12の下面12aから冷蔵庫本体12の前面よりも前側に延びている。第1腕部68の中間領域72の左右方向の幅は、根本領域70に近づくのに従って、即ち、冷蔵庫本体12に近づくのに従って、広くなる。この構成によれば、ユーザが取手部82を把持して、例えば、冷蔵庫10を運搬する場合、冷蔵庫10の重みにより、第2腕部78に加わる応力を分散することができる。これにより、第2腕部78の破損に伴い、把持部66が破損することを抑制することができる。
【0034】
また、脚本体62は、冷蔵庫本体12よりも前側であって、扉20の前面20aよりも後側に配置されている。これにより、脚本体62が扉20の陰に隠れ、冷蔵庫10の見栄えを良くすることができる。また、前部把持部材64を、冷蔵庫本体12よりも前側であって、扉20の前面20aよりも後側に配置することができる。これにより、例えば、前部把持部材64が扉20の前面20aよりも前側に配置される場合と比較して、冷蔵庫10の見栄えを良くすることができる。
【0035】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0036】
(第2実施例)
第2実施例では、第1実施例と異なる点のみを説明し、第1実施例と同様の点については、同様の符号を付して説明を省略する。第2実施例では、前部把持部材64の色が、第1実施例と異なる。前部把持部材64の色を、冷蔵庫本体12の色及び扉14、16、18、20の色と異なる系統色とする場合、前部把持部材64の色は、黒系色であることが好ましい。冷蔵庫10が載置面に載置された場合、冷蔵庫本体12の下面12aと載置面との間に形成される隙間は、冷蔵庫本体12の存在により、薄暗くなっている。前部把持部材64の色が黒系色であるため、前部把持部材64が冷蔵庫本体12の下面12aの前部に固定されている場合であっても、ユーザは、上記の隙間に配置された前部把持部材64に気付き難くなる。これにより、冷蔵庫10の見栄えを良くすることができる。
【0037】
(変形例)
(1)冷蔵庫本体12の色と、扉14、16、18、20の色と、前部把持部材64の色は、白系色以外であってもよい。また、冷蔵庫本体12の色と、扉14、16、18、20の色と、前部把持部材64の色とが同系色でなくてもよい。
【0038】
(2)第2実施例では、冷蔵庫本体12の色と、扉14、16、18、20の色が、黒系色であってもよい。この場合、冷蔵庫本体12の色と、扉14、16、18、20の色と、前部把持部材64の色とが同系色となる。このため、冷蔵庫本体12の下面12aと載置面との間に隙間を、冷蔵庫本体12の色と同系色である前部把持部材64によって隠すことができる。これにより、冷蔵庫10の見栄えを良くすることができる。
【0039】
(3)上壁部90aに開口部92が設けられていなくてもよい。この場合、ユーザが脚本体62を直接触り、締結具56を締める又は緩めることにより、基部50に対する脚本体62の高さ位置が調整される。
【0040】
(4)把持部66は、補強部80を備えていなくてもよい。
【0041】
(5)支持脚46の脚本体62は、扉20の前面20aよりも前側に配置されていてもよい。この場合、前部把持部材64は、扉20の前面20aよりも前側に配置されて、支持脚46を覆っている。これにより、冷蔵庫10の見栄えを良くすることができる。
【0042】
(6)前部把持部材64の把持部66は、ユーザが手指を引っ掛ける形状であってもよい。具体的には、把持部66の中央開口が追加の部材により閉塞されており、取手部82が追加の部材よりも下側に突出している。これにより、ユーザは、取手部82に手指を引っ掛けて、例えば、冷蔵庫10を運搬することができる。
【0043】
本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0044】
10 :冷蔵庫
12 :冷蔵庫本体
12a :下面
14、16、18、20:扉
20a :前面
42 :後部把持部材
44 :固定脚
46 :支持脚
50 :基部
56 :締結具
62 :脚本体
64 :前部把持部材
66 :把持部
68 :第1腕部
70 :根本領域
72 :中間領域
74 :先端領域
78 :第2腕部
80 :補強部
82 :取手部
90 :カバー部
90a :上壁部
90b :側壁部
92 :開口部
図1
図2
図3
図4