特許 7421952 塗布容器

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-01-17

(45)【発行日】2024-01-25

(54)【発明の名称】塗布容器

(51)【国際特許分類】

   A45D 34/04 20060101AFI20240118BHJP

   B65D 51/32 20060101ALI20240118BHJP

【ＦＩ】

A45D34/04 515C

B65D51/32 100

A45D34/04 510A

A45D34/04 515A

A45D34/04 515E

【請求項の数】 4

(21)【出願番号】P 2020031180

(22)【出願日】2020-02-27

(65)【公開番号】P2021132840

(43)【公開日】2021-09-13

【審査請求日】2022-09-02

【前置審査】

(73)【特許権者】

【識別番号】000006909

【氏名又は名称】株式会社吉野工業所

(74)【代理人】

【識別番号】100156867

【弁理士】

【氏名又は名称】上村 欣浩

(72)【発明者】

【氏名】前田 信也

【審査官】宮部 愛子

(56)【参考文献】

【文献】韓国公開特許第１０－２０１２－０１１４６７８（ＫＲ，Ａ）

【文献】実開平０３－１０３０１４（ＪＰ，Ｕ）

【文献】特表２０１３－５２９５３４（ＪＰ，Ａ）

【文献】実開平０３－０２０９１３（ＪＰ，Ｕ）

【文献】特開２００８－０９３４４６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００７－０４４５０１（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００６－２９６８２４（ＪＰ，Ａ）

【文献】韓国登録特許第１０－０８５２７２６（ＫＲ，Ｂ１）

【文献】特開２０１０－２５９５４５（ＪＰ，Ａ）

【文献】実開平１－１３５０１４（ＪＰ，Ｕ）

【文献】米国特許出願公開第２００７／０１４１８６２（ＵＳ，Ａ１）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ａ４５Ｄ ３４／０４

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

上方を開放した口部の内側に内容液を収容する容器と、軸部の先端に塗布具を有し前記口部に装着される塗布具付きキャップとを備える塗布容器であって、
前記容器は、
前記口部を有するとともに内容液の収容空間を有する容器本体と、
前記口部の内側に設けられ、上方に向けて凸状をなす弾性変形可能な隔壁と該隔壁を貫くスリットとを有し、前記塗布具付きキャップを該口部に装着した際は該スリットが開いて前記軸部を挿通させる一方、該塗布具付きキャップを該口部から取り外した際は該スリットが閉じるスリット弁と、を備え、
前記塗布具の下端部には、上方から下方に向けて先細りとなる先端塗布部が設けられ、
上面視で円形の前記隔壁の下端部から径方向外側に突出する係合突起が設けられ、前記係合突起は、前記容器内で前記口部の下端部に下方から引っ掛かり、
前記隔壁において前記係合突起が設けられた部分から、前記隔壁と同軸の配置で前記係合突起に対し下方に延出する筒状部が設けられ、
前記塗布具が引き上げられて行き前記隔壁が前記先端塗布部に当接する状態では、前記隔壁は上方に向けて凸状をなす形状に復元するとともに、前記隔壁の中央の先端部には、前記先端塗布部の外周面に沿って下方に屈曲して前記外周面に当接する部分が形成される塗布容器。

【請求項2】

前記容器は、前記口部の内側に設けられ前記塗布具に付着した内容液を掻き落とし可能であって、前記塗布具付きキャップを該口部に装着した際に前記軸部が挿通されるしごき筒部を備え、
前記スリット弁は、前記しごき筒部よりも前記収容空間寄りに設けられる、請求項１に記載の塗布容器。

【請求項3】

前記塗布具は、
前記軸部の軸線から離れる向きに突出する複数の突出部で構成されるブラシ部を備え、
前記先端塗布部は、前記ブラシ部の下方に設けられる請求項１又は２に記載の塗布容器。

【請求項4】

前記塗布具は、
前記塗布具の根元側に位置し前記軸部に保持される保持部と、
前記保持部から前記塗布具の先端側に向けて延在し、外周面から前記突出部を突出させて周囲に前記ブラシ部を有するとともに先端に前記先端塗布部を有する棒状部と、を備え、
前記突出部は、前記保持部、前記棒状部、及び前記先端塗布部よりも低い硬度の素材で形成される、請求項３に記載の塗布容器。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、内容液を塗布するための塗布具を備える塗布容器に関する。

【背景技術】

【0002】

マニキュアやリップグロス、マスカラ、アイライナー等の内容液を収容する容器として、例えば特許文献１に示されている如きブラシ状や筆状になる塗布具を備えた塗布容器が既知である。このような塗布容器は、軸部の先端に塗布具を有し、内容液を収容する容器に装着される塗布具付キャップを備えているため、内容液を塗布するにあたって塗布具を別異に用意する必要がなく、利便性に優れている。また塗布具付キャップを口部に装着することによって塗布具に内容液を付着させることができるため、塗布具付キャップを取り外して内容液をすぐに塗布することができる。そして口部の内側には、下方に向かって縮径し、塗布具付キャップを口部に装着した際に軸部を挿通させるしごき部が設けられている。しごき部の先端は、塗布具付キャップを口部に装着した際に軸部の周囲に弾性的に当接しているため、塗布具付キャップを取り外すと、軸部や塗布具の周囲に付着した内容液をしごき部の先端で掻き落とすことができる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２０１０－８８５１６号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

このようにしごき部を備える塗布容器では、塗布具付キャップを取り外せば、軸部や塗布具の周囲に付着した余分な内容液を掻き落とすことができる一方、塗布具の先端に付着した内容液は掻き落とされないため、塗布具の先端には、内容液がつらら状に残ってしまうことがある。このため、塗布先に塗布する前に、塗布具の先端をしごき部材に擦りつけて余分な内容液を掻き落としたり、ティッシュペーパー等で拭い取ったりしなければならないことがある。

【0005】

本発明はこのような問題点を解決することを課題とするものであって、塗布具付キャップを取り外すことによって、塗布具の先端に付着している余分な内容液を掻き落とすことができる塗布容器を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明は、上方を開放した口部の内側に内容液を収容する容器と、軸部の先端に塗布具を有し前記口部に装着される塗布具付きキャップとを備える塗布容器であって、前記容器は、前記口部を有するとともに内容液の収容空間を有する容器本体と、前記口部の内側に設けられ、上方に向けて凸状をなす弾性変形可能な隔壁と該隔壁を貫くスリットとを有し、前記塗布具付きキャップを該口部に装着した際は該スリットが開いて前記軸部を挿通させる一方、該塗布具付きキャップを該口部から取り外した際は該スリットが閉じるスリット弁と、を備え、前記塗布具の下端部には、上方から下方に向けて先細りとなる先端塗布部が設けられ、上面視で円形の前記隔壁の下端部から径方向外側に突出する係合突起が設けられ、前記係合突起は、前記容器内で前記口部の下端部に下方から引っ掛かり、前記隔壁において前記係合突起が設けられた部分から、前記隔壁と同軸の配置で前記係合突起に対し下方に延出する筒状部が設けられ、前記塗布具が引き上げられて行き前記隔壁が前記先端塗布部に当接する状態では、前記隔壁は上方に向けて凸状をなす形状に復元するとともに、前記隔壁の中央の先端部には、前記先端塗布部の外周面に沿って下方に屈曲して前記外周面に当接する部分が形成される塗布容器である。

【0007】

前記容器は、前記口部の内側に設けられ前記塗布具に付着した内容液を掻き落とし可能であって、前記塗布具付きキャップを該口部に装着した際に前記軸部が挿通されるしごき筒部を備え、
前記スリット弁は、前記しごき筒部よりも前記収容空間寄りに設けられる、ことが好ましい。

【0008】

前記塗布具は、前記軸部の軸線から離れる向きに突出する複数の突出部で構成されるブラシ部を備え、前記先端塗布部は、前記ブラシ部の下方に設けられることが好ましい。

【0009】

前記塗布具は、
前記塗布具の根元側に位置し前記軸部に保持される保持部と、
前記保持部から前記塗布具の先端側に向けて延在し、外周面から前記突出部を突出させて周囲に前記ブラシ部を有するとともに先端に前記先端塗布部を有する棒状部と、を備え、
前記突出部は、前記保持部、前記棒状部、及び前記先端塗布部よりも低い硬度の素材で形成されることが好ましい。

【発明の効果】

【0010】

本発明の塗布容器が備えるスリット弁は、塗布具付きキャップを装着する際に押し付けられる塗布具によって、上方に向けて凸状をなす隔壁が、下方に向けて捲れるように押込まれる。そして塗布具付きキャップを取り外す際、下方に向けて捲れていた隔壁は、上方に向けて移動する塗布具に接触したまま復元する。すなわち、上方に向けて移動する塗布具が隔壁から抜け出すまで、スリット弁の隔壁は塗布具に接触した状態にあるため、塗布具の先端に残った余分な内容液を掻き落とすことができる。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】本発明に従う塗布容器の一実施形態を示す正立姿勢での断面図である。

【図2】図１に示すスリット弁の平面視での断面図、及び底面図である。

【図3】塗布具付きキャップを該口部から取り外す状況について示した図である。

【図4】取り外した塗布具付きキャップで内容液を塗布する状態について示した図であって、（ａ）はマスカラを塗布する状態を示し、（ｂ）はアイラインを描く状態を示す。

【図5】塗布部の変形例を示した図である。

【発明を実施するための形態】

【0012】

以下、図面を参照しながら本発明に従う塗布容器の一実施形態（塗布容器１０）について説明する。なお、本明細書等において、「上」方向、「下」方向とは、図１に示すように塗布容器１０を正立姿勢にした状態（容器本体（符号１）が下方に位置し、蓋体本体（符号３）が上方に位置する状態）での向きをいう。

【0013】

本実施形態の塗布容器１０は、本明細書等における「容器」を構成するものとして、容器本体１としごき部材２を備えている。また塗布容器１０は、本明細書等における「塗布具付キャップ」と構成するものとして、蓋体本体３、軸部材４、及び塗布具５を備えている。これらの部材は、何れも図１に示すように軸線Ｏを中心とする形状で形作られている。

【0014】

容器本体１は、有底筒状をなすように形作られている。具体的には、円板状をなすとともに中央部を上方に向けて湾曲させた底部１ａと、底部１ａの縁部から上方に向けて立ち上がる円筒状の胴部１ｂと、上方を開放するとともに下端部が胴部１ｂに連結し、外径が胴部１ｂよりも小さくなる円筒状の口部１ｃと、口部１ｃの外周面に設けられた雄ねじ部１ｄとを備えるものである。また容器本体１は、底部１ａ、胴部１ｂ、及び口部１ｃで取り囲まれる空間（収容空間Ｓ）を備えていて、この収容空間Ｓには、図１に示すように例えばマスカラやアイライナーとして使用される内容液Ｌが収容される。

【0015】

しごき部材２は、例えばゴムやエラストマーの如き軟質部材によって形成されていて、弾性変形させることが可能である。本実施形態のしごき部材２は、口部１ｃの内側に取り付けられるものであって、容器本体１に取り付ける前は図２に示す如き形態をなすものである。

【0016】

図２に示すように本実施形態のしごき部材２は、水平方向に延在するフランジ部２ａと、フランジ部２ａの内縁部から下方に向けて延在する筒状部２ｂと、筒状部２ｂの外周面から径方向外側に向けて突出する係合突起２ｃを備えている。図１に示すようにこのようなしごき部材２を容器本体１に取り付けた際、フランジ部２ａは口部１ｃの上端部に引っ掛かり、また係合突起２ｃは、口部１ｃの下端部に引っ掛かるため、しごき部材２が容器本体１の内側に落ち込んだり、口部１ｃから不用意に抜け出したりすることはない。

【0017】

またしごき部材２は、筒状部２ｂの内周面から径方向内側に向けて突出していて、径方向内側に向かうにつれて下向きに傾斜し、中央部に円形の孔を有するしごき筒部２ｄを備えている。後述するようにしごき筒部２ｄは、塗布具５に付着した余分な内容液Ｌを掻き落とす際に使用される。

【0018】

しごき部材２は、しごき筒部２ｄの下方において（しごき部材２を口部１ｃの内側に取り付けた状態で、しごき筒部２ｄよりも収容空間Ｓ寄りにおいて）、上方に向けて凸状をなしていてドーム状の如き形態となる弾性変形可能な隔壁２ｅを備えている。

【0019】

そして隔壁２ｅには、隔壁２ｅを貫いて延在するスリット２ｆが設けられている。本実施形態のスリット２ｆは、図２の底面図に示したように、直線状に延在する２本のスリット部分が隔壁２ｅの中央部で交差して十字状になるものであって、隔壁２ｅの中央部を４つの部分に分離している。隔壁２ｅは弾性変形可能であるため、通常時においてスリット２ｆは閉塞しているものの、隔壁２ｅに力が加わると、スリット２ｆによって分離した部分が弾性変形して、スリット２ｆが開放する。すなわち、しごき部材２における隔壁２ｅ及びスリット２ｆが設けられた部位は、スリット弁として機能する。

【0020】

蓋体本体３は、図１に示すように有蓋筒状をなすものである。本実施形態の蓋体本体３は、円板状をなす頂壁３ａと、頂壁３ａの外縁部から下方に向けて延在する円筒状の外周壁３ｂとを備えている。また外周壁３ｂの内周面には、雄ねじ部１ｄに対応する雌ねじ部３ｃが設けられている。

【0021】

軸部材４は、円形筒状をなす上部環状壁４ａを備えている。上部環状壁４ａは、外周壁３ｂの内周面に嵌合するように形成されていて、これにより軸部材４は、蓋体本体３に保持される。上部環状壁４ａの下端部には、円板状壁４ｂが連結していて、円板状壁４ｂの中央部には、下方に向けて延伸する円柱状の軸部４ｃが設けられている。そして軸部４ｃの先端には、塗布具５を保持するための嵌合穴４ｄが設けられている。図１に示すように本実施形態の嵌合穴４ｄは、上方における内径に対して下方の内径が小さくなっている。

【0022】

塗布具５は、塗布具５の根元側（上方側）に位置し、嵌合穴４ｄに挿入されて嵌合保持される保持部５ａを備えている。保持部５ａは、嵌合穴４ｄに対応させて、上方における外径に対して下方の外径が小さくなるように形成されていて、これにより軸部材４に対して強固に保持されている。保持部５ａの下方には、横断面形状が円形であって軸線Ｏに沿って延在する棒状部５ｂが設けられている。そして棒状部５ｂの外周面には、軸線Ｏから離れる向き（径方向外側）に向けて突出する複数の突出部５ｃが設けられていて、これら突出部５ｃによってブラシ部５ｄを構成している。また棒状部５ｂの先端には、上方から下方に向けて先細りとなる円錐状の先端塗布部５ｅが設けられている。

【0023】

塗布具５は、単一の素材で形成してもよいし、２種以上の素材で形成してもよい。本実施形態では、保持部５ａ、棒状部５ｂ、及び先端塗布部５ｅは比較的硬度の高い素材（例えばポリプロピレン（ＰＰ）等の合成樹脂）で形成される一方、突出部５ｃは、比較的硬度の低い素材（例えばゴムやエラストマーの如き軟質材）で形成されている。なお、このように複数の素材で１つの部材を形成するには、例えば２色成形やインサート成形などを利用すればよい。

【0024】

このような塗布容器１０において、容器本体１に蓋体本体３を取り付けるにあたっては、塗布具５をしごき部材２の内側に挿入させつつ蓋体本体３を下方に押込んで、図１に示すように雄ねじ部１ｄと雌ねじ部３ｃを螺合させる。ここで、塗布具５をしごき部材２の内側に挿入させつつ蓋体本体３を下方に押込んでいくと、上方に向けて凸状をなす隔壁２ｅは、先端塗布部５ｅによって押込まれて弾性変形し、図１に示すように下方に向けて捲れるような状態で軸部４ｃの外周面に当接する。

【0025】

またこの状態においては、容器本体１における口部１ｃの上端部と軸部材４の円板状壁４ｂとによってしごき部材２のフランジ部２ａが挟持されている。すなわち、収容空間Ｓに収容した内容液Ｌの揮発を抑制することができるため、比較的長い期間経過しても、内容液Ｌの品質を維持することができる。またこの状態では、しごき筒部２ｄの先端も軸部４ｃの外周面に当接しているため、内容液Ｌの揮発を更に抑制することができる。

【0026】

内容液Ｌを塗布するにあたっては、容器本体１に対して蓋体本体３を回転して雄ねじ部１ｄと雌ねじ部３ｃとの螺合を解除し、蓋体本体３をそのまま引き上げる。これにより、軸部材４をしごき部材２から引き抜くことができる。なお、例えば容器本体１を傾けることによって軸部４ｃの外周面には内容液Ｌが付着することがあるが、軸部４ｃの外周面にはしごき筒部２ｄの先端や下方に向けて捲れた隔壁２ｅが当接しているため、蓋体本体３を引き上げることによって、軸部４ｃの外周面に付着した内容液Ｌを掻き落とすことができる。

【0027】

また蓋体本体３の引き上げを継続して行くと、図３（ａ）に示すようにしごき筒部２ｄ及び隔壁２ｅは、ブラシ部５ｄの外周面に当接したままの状態にあるため、これらによってブラシ部５ｄの外周面に付着した余分な内容液を掻き落とすことができる。

【0028】

そして更に蓋体本体３の引き上げを継続して行くと、図３（ｂ）に示すように、先端塗布部５ｅが隔壁２ｅに差し掛かる。先端塗布部５ｅは、上方から下方に向けて先細りとなっているが、下方に向けて捲れていた隔壁２ｅは、上方に向けて凸状をなすように復元していくため、隔壁２ｅは先端塗布部５ｅの外周面に当接したままの状態にある。このため、図３（ｃ）に示すように先端塗布部５ｅが隔壁２ｅから抜け出すまで、先端塗布部５ｅの外周面に付着した余分な内容液Ｌを隔壁２ｅによって掻き落とすことができる。

【0029】

上記のように蓋体本体３を引き上げて軸部材４と塗布具５をしごき部材２から引き抜いた後は、蓋体本体３を指で摘まんだままの状態で、図４に示すように、塗布具５に付着した内容液Ｌを塗布先に塗布することができる。本実施形態の塗布具５は、ブラシ部５ｄを備えているため、図４（ａ）に示すように、まつげに内容液Ｌ（この場合はマスカラ）を塗布することができる。この際、上述したようにブラシ部５ｄでは余分な内容液が掻き落とされているため、まつげでダマになりにくく、塗布作業を良好に行うことができる。またブラシ部５ｄを構成する突出部５ｃは、比較的硬度の低い素材で形成されているため、塗布作業においてまぶたの先を傷つけてしまうことがない。

【0030】

本実施形態の塗布具５は、先端塗布部５ｅも備えているため、図４（ｂ）に示すように、アイラインを描くこともできる。この場合も先端塗布部５ｅから余分な内容液が掻き落とされているため、まぶたに内容液Ｌが付き過ぎることがなく、塗布作業を良好に行うことができる。

【0031】

なお、例えば仕上げを行う場合のように、ブラシ部５ｄや先端塗布部５ｅに付着した内容液Ｌを更に掻き落としたい場合は、ブラシ部５ｄや先端塗布部５ｅをしごき筒部２ｄに擦りつければよい。

【0032】

このように本実施形態の塗布具５によれば、内容液Ｌをまつげに塗布する際もまぶたに塗布する際も良好に使用することができる。すなわち、一般にアイメイクに必要な器具は多く、例えば外出先で全ての器具を使用しようとすると荷物が嵩張ることになるが、本実施形態の塗布具５によれば、マスカラを塗布する際もアイラインを描く際も使用できるため、持ち運ぶ荷物を減らすことができる利点がある。

【0033】

なお、塗布容器１０に使用される塗布具５は図示したものに限られず、例えば図５に示すように、従来使用されているブラシ状の塗布具６（軸線Ｏに沿う中心部分に針金を使用し、針金に対して間隔をあけて植毛されている）を使用することも可能である。この場合も、蓋体本体３を引き上げることによって、塗布具６の先端に付着した余分な内容液を掻き落とすことができる。

【0034】

以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上記の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。また、上記の実施形態における効果は、本発明から生じる効果を例示したに過ぎず、本発明による効果が上記の効果に限定されることを意味するものではない。

【符号の説明】

【0035】

１：容器本体
１ａ：底部
１ｂ：胴部
１ｃ：口部
１ｄ：雄ねじ部
２：しごき部材
２ａ：フランジ部
２ｂ：筒状部
２ｃ：係合突起
２ｄ：しごき筒部
２ｅ：隔壁
２ｆ：スリット
３：蓋体本体
３ａ：頂壁
３ｂ：外周壁
３ｃ：雌ねじ部
４：軸部材
４ａ：上部環状壁
４ｂ：円板状壁
４ｃ：軸部
４ｄ：嵌合穴
５：塗布具
５ａ：保持部
５ｂ：棒状部
５ｃ：突出部
５ｄ：ブラシ部
５ｅ：先端塗布部
６：塗布具
１０：塗布容器
Ｌ：内容液
Ｓ：収容空間

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】