IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】熱交換器用流路切換装置
(51)【国際特許分類】
   F28F 27/02 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
F28F27/02 A
F28F27/02 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020031414
(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公開番号】P2021134985
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】兼子 泰明
(72)【発明者】
【氏名】原 伸英
(72)【発明者】
【氏名】中拂 博之
(72)【発明者】
【氏名】上藤 陽一
(72)【発明者】
【氏名】畑中 雅哉
(72)【発明者】
【氏名】谷本 浩一
(72)【発明者】
【氏名】石田 寿幸
(72)【発明者】
【氏名】小田 拓央
(72)【発明者】
【氏名】江口 駿作
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-242395(JP,A)
【文献】特開平07-324844(JP,A)
【文献】特開昭58-028066(JP,A)
【文献】特開2017-190946(JP,A)
【文献】特開2013-231574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器の内部で熱交換を行うための熱交換流路と連通する内部流路、および、該内部流路に連通する1以上の連通孔を有する連通管と、
前記連通管が挿入される挿入孔を有し、該挿入孔に挿入された状態の前記連通管を摺動可能に支持する少なくとも1つのチャンバと、
を備え、
前記連通管は、該連通管の軸方向における前記チャンバに対する相対位置により、前記連通孔と前記チャンバとの連通状態を切り換え可能であり、
前記少なくとも1つのチャンバは、各々の前記チャンバに固定されていて、前記挿入孔が内部に形成された少なくとも1つの固定管を有し、
前記少なくとも1つの固定管は、前記各々の前記チャンバに対応して形成された貫通孔であって、前記固定管の管壁を貫通して前記挿入孔と前記各々の前記チャンバとを連通する貫通孔が形成され、
前記連通管は、前記貫通孔の何れかと前記1以上の連通孔とが重複するような前記相対位置に移動されると、前記1以上の連通孔と重複する前記貫通孔に対応する前記チャンバと前記内部流路とを連通させ、前記1以上の連通孔と重複しない前記貫通孔に対応する前記チャンバと前記内部流路との連通を遮断する
熱交換器用流路切換装置。
【請求項2】
熱交換器の内部で熱交換を行うための熱交換流路と連通する内部流路、および、該内部流路に連通する1以上の連通孔を有する連通管と、
前記連通管が挿入される挿入孔を有し、該挿入孔に挿入された状態の前記連通管を摺動可能に支持する少なくとも1つのチャンバと、
を備え、
前記連通管は、該連通管の軸方向における前記チャンバに対する相対位置により、前記連通孔と前記チャンバとの連通状態を切り換え可能であり、
前記連通管は、少なくとも2つ備えられ、
前記少なくとも1つのチャンバは、前記軸方向に沿って積層された少なくとも2つの前記チャンバを含み、
前記少なくとも2つの前記チャンバは、前記少なくとも2つの連通管がそれぞれ挿入される少なくとも2つの前記挿入孔を有し、
前記少なくとも2つの連通管のそれぞれは、前記連通孔と連通させる1つの前記チャンバを前記少なくとも2つの前記チャンバのうちの何れにするかを前記チャンバに対する前記相対位置によって選択可能に構成されてい
交換器用流路切換装置。
【請求項3】
熱交換器の内部で熱交換を行うための熱交換流路と連通する内部流路、および、該内部流路に連通する1以上の連通孔を有する連通管と、
前記連通管が挿入される挿入孔を有し、該挿入孔に挿入された状態の前記連通管を摺動可能に支持する少なくとも1つのチャンバと、
を備え、
前記連通管は、該連通管の軸方向における前記チャンバに対する相対位置により、前記連通孔と前記チャンバとの連通状態を切り換え可能であり、
前記連通管は、少なくとも4つ備えられ、
前記少なくとも1つのチャンバは、前記軸方向に沿って積層された少なくとも4つの前記チャンバを含み、
前記少なくとも4つの前記チャンバは、前記少なくとも4つの連通管がそれぞれ挿入される少なくとも4つの前記挿入孔を有し、
前記少なくとも4つの連通管のそれぞれは、前記連通孔と連通させる1つの前記チャンバを前記少なくとも4つの前記チャンバのうちの何れにするかを前記チャンバに対する前記相対位置によって選択可能に構成されてい
交換器用流路切換装置。
【請求項4】
熱交換器の内部で熱交換を行うための熱交換流路と連通する内部流路、および、該内部流路に連通する1以上の連通孔を有する連通管と、
前記連通管が挿入される挿入孔を有し、該挿入孔に挿入された状態の前記連通管を摺動可能に支持する少なくとも1つのチャンバと、
を備え、
前記連通管は、該連通管の軸方向における前記チャンバに対する相対位置により、前記連通孔と前記チャンバとの連通状態を切り換え可能であり、
少なくとも2つの前記連通管と、前記軸方向に沿って積層された少なくとも2つの前記チャンバと、をそれぞれ備える第1切換ユニット及び第2切換ユニットを備え、
前記第1切換ユニット及び前記第2切換ユニットは、前記軸方向から見たときに互いに重複しない位置にそれぞれ配置され、
前記第1切換ユニット及び前記第2切換ユニットのそれぞれにおいて、
前記少なくとも2つの前記チャンバは、前記少なくとも2つの連通管がそれぞれ挿入される少なくとも2つの前記挿入孔を有し、
前記少なくとも2つの連通管のそれぞれは、前記連通孔と連通させる1つの前記チャンバを前記少なくとも2つの前記チャンバのうちの何れにするかを前記チャンバに対する前記相対位置によって選択可能に構成されてい
交換器用流路切換装置。
【請求項5】
熱交換器の内部で熱交換を行うための熱交換流路と連通する内部流路、および、該内部流路に連通する1以上の連通孔を有する連通管と、
前記連通管が挿入される挿入孔を有し、該挿入孔に挿入された状態の前記連通管を摺動可能に支持する少なくとも1つのチャンバと、
を備え、
前記連通管は、該連通管の軸方向における前記チャンバに対する相対位置により、前記連通孔と前記チャンバとの連通状態を切り換え可能であり、
前記連通管は、少なくとも8つ備えられ、
前記少なくとも1つのチャンバは、前記軸方向に沿って積層された少なくとも6つの前記チャンバを含み、
前記少なくとも6つの前記チャンバは、前記少なくとも8つの連通管がそれぞれ挿入される少なくとも8つの前記挿入孔を有し、
前記少なくとも8つの連通管のそれぞれは、前記連通孔と連通させる1つの前記チャンバを前記少なくとも6つの前記チャンバのうちの何れにするかを前記チャンバに対する前記相対位置によって選択可能に構成されてい
交換器用流路切換装置。
【請求項6】
熱交換器の内部で熱交換を行うための熱交換流路と連通する内部流路、および、該内部流路に連通する1以上の連通孔を有する連通管と、
前記連通管が挿入される挿入孔を有し、該挿入孔に挿入された状態の前記連通管を摺動可能に支持する少なくとも1つのチャンバと、
を備え、
前記連通管は、該連通管の軸方向における前記チャンバに対する相対位置により、前記連通孔と前記チャンバとの連通状態を切り換え可能であり、
少なくとも4つの前記連通管と、前記軸方向に沿って積層された少なくとも3つの前記チャンバと、をそれぞれ備える第1切換ユニット及び第2切換ユニットを備え、
前記第1切換ユニット及び前記第2切換ユニットは、前記軸方向から見たときに互いに重複しない位置にそれぞれ配置され、
前記第1切換ユニット及び前記第2切換ユニットのそれぞれにおいて、
前記少なくとも3つの前記チャンバは、前記少なくとも4つの連通管がそれぞれ挿入される少なくとも4つの前記挿入孔を有し、
前記少なくとも4つの連通管のそれぞれは、前記連通孔と連通させる1つの前記チャンバを前記少なくとも3つの前記チャンバのうちの何れにするかを前記チャンバに対する前記相対位置によって選択可能に構成されてい
交換器用流路切換装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのチャンバは、前記軸方向に沿って積層された少なくとも2つの前記チャンバを含み、
少なくとも2つの前記チャンバは、前記連通管の前記相対位置に関わらず該チャンバの内部と外部との間で流体の流通が可能な開口部を有する
請求項乃至の何れか1項に記載の熱交換器用流路切換装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのチャンバは、前記軸方向に沿って積層された少なくとも2つの前記チャンバを含み、
前記軸方向に沿って隣り合う前記チャンバ同士の間には、断熱層が設けられている
請求項乃至の何れか1項に記載の熱交換器用流路切換装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのチャンバにおける前記軸方向の寸法は、前記軸方向と直交する方向の寸法よりも小さい
請求項1乃至の何れか1項に記載の熱交換器用流路切換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱交換器用流路切換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な装置やプラント等において、流体の加熱又は冷却を目的に熱交換器が使用されている。熱交換器には様々なタイプのものが存在するが、例えば、筒状のケーシングの内側に、プレートの積層体から形成された熱交換コアを収容した構成のものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3406896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のようにプレートを積層して熱交換コアを形成すると、どうしても熱交換コアの形状に制約ができてしまう。これに対し、近年では、性能向上の著しい3Dプリンタを用いた積層造形によって熱交換器の熱交換コアを製造することが行われるようになっている。積層造形によって熱交換コアを製造すること、熱交換コアの形状の制約を大幅に緩和することができる。
【0005】
しかし、造形装置の大きさによる制約等のため、積層造形によって得られる製品は比較的小型の製品を製品が多い。そこで、積層造形によって製造した熱交換コアを用いて比較的多くの流体の熱交換を行うために、複数の熱交換コアを接続することで熱交換可能な流量を確保することが考えられる。
【0006】
複数の熱交換コアを接続するためには、一般的には配管等を用いて複数の熱交換コアを接続することが考えられる。
しかし、接続する熱交換コアの数や熱交換コア内を流れる流体を並流で流すか対向流で流すかを切り換えるような場合には、配管による接続経路を変更するために熱交換器の使用を一時的に停止しなければならないことが多い。
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みて、熱交換器に流通させる流体の流通経路の変更を容易化できる熱交換器用流路切換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る熱交換器用流路切換装置は、
熱交換器の内部で熱交換を行うための熱交換流路と連通する内部流路、および、該内部流路に連通する1以上の連通孔を有する連通管と、
前記連通管が挿入される挿入孔を有し、該挿入孔に挿入された状態の前記連通管を摺動可能に支持する少なくとも1つのチャンバと、
を備え、
前記連通管は、該連通管の軸方向における前記チャンバに対する相対位置により、前記連通孔と前記チャンバとの連通状態を切り換え可能である。
【発明の効果】
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、熱交換器用流路切換装置におい熱交換器に流通させる流体の流通経路の変更を容易化できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の少なくとも一実施形態に係る熱交換器における熱交換コアの模式的な斜視図である。
図2図1の破線L1に沿って切断した切断面の端面図である。
図3】幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置の模式的な外観を示す斜視図である。
図4図3のIV矢視断面図である。
図5図3のV矢視断面図である。
図6A図4の一部を拡大した図である。
図6B図4の一部を拡大した図である。
図6C図4の一部を拡大した図である。
図6D】連通管の構造を説明するための模式的な斜視図である。
図7A】流体の流れを説明するための概念的な図である。
図7B】流体の流れを説明するための概念的な図である。
図8A】流体の流れを説明するための概念的な図である。
図8B】流体の流れを説明するための概念的な図である。
図9】第1切換ユニットと第2切換ユニットとを有する熱交換器用流路切換装置の模式的な外観を示す斜視図である。
図10A】流体の流れを説明するための概念的な図である。
図10B】流体の流れを説明するための概念的な図である。
図11A】流体の流れを説明するための概念的な図である。
図11B】流体の流れを説明するための概念的な図である。
図12】2つの熱交換コアの流路を切り換え可能に構成された本開示の少なくとも一実施形態に係る熱交換器用流路切換装置の模式的な外観を示す斜視図である。
図13A】流体の流れを説明するための概念的な図である。
図13B】流体の流れを説明するための概念的な図である。
図13C】流体の流れを説明するための概念的な図である。
図14A】流体の流れを説明するための概念的な図である。
図14B】流体の流れを説明するための概念的な図である。
図14C】流体の流れを説明するための概念的な図である。
図15】第1切換ユニットと第2切換ユニットとを有する熱交換器用流路切換装置の模式的な外観を示す斜視図である。
図16】隣り合うチャンバ間に設けられた断熱層について説明するための模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0012】
(流路の切り換えの対象となる熱交換器について)
まず、幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置による流路の切り換えの対象となる熱交換器の概要について説明する。
図1は、一実施形態の熱交換器における熱交換コア1の模式的な斜視図である。図1に示す熱交換コア1は、第1流体と第2流体とが熱交換する熱交換器10に用いられる熱交換コア1であって、本体部2と、本体部2に取付けられる被覆部3とを備えている。ここで、第1流体及び第2流体はそれぞれ、液体でも気体でもよく、通常は両者の温度は異なっている。限定はしないが、本体部2は直方体形状とすることができる。本体部2が直方体形状を有する場合、本体部2の長手方向の一端2aに、被覆部3である矩形の蓋部材3aが取り付けられている。被覆部3は本体部2に対して、ボルトによる締結等によって取外し可能に取付けられてもよいし、溶接や接着剤等で不可逆的に取付けられてもよい。
図1に示す熱交換コア1は、例えば熱交換器10の不図示の筐体に取り付けた状態で用いるようにしてもよい。また、図1に示す熱交換コア1は、架台に設置するか、熱交換コア1に接続される不図示の配管に支持させる等によって、筐体に取り付けずに用いてもよい。この場合、図1に示す熱交換コア1そのものが熱交換器10となる。
【0013】
図2は、図1の破線L1に沿って切断した切断面の端面図である。
図2に示すように、一実施形態に係る本体部2には、熱交換器10(熱交換コア1)の内部で熱交換を行うための熱交換流路であって、主に第1流体が流通する第1流路21と、主に第2流体が流通する第2流路22とが形成されている。第1流路21及び第2流路22はそれぞれ、本体部2の長手方向(図2では紙面に対して垂直な方向)に沿って延びるように形成されている。第1流路21及び第2流路22は、本体部2の長手方向に対して垂直な方向に交互に配列されている。隣り合う第1流路21と第2流路22とは、隔壁23によって隔てられている。尚、第1流路21及び第2流路22それぞれの個数、すなわち隔壁23の個数については、図2で示される個数に限定するものではなく、任意の個数に設計可能である。
【0014】
各第1流路21及び各第2流路22はそれぞれ、複数の区画壁24,25によって複数の分割流路21a及び分割流路22aに区画されてもよい。この場合、分割流路21a及び22aそれぞれの個数、すなわち区画壁24,25の個数については、図2で示される個数に限定するものではなく、任意の個数に設計可能である。
【0015】
図1に示すように、一実施形態に係る熱交換コア1には、第1流体第1ヘッダ流路4と、第1流体第2ヘッダ流路5と、第2流体第1ヘッダ流路6と、第2流体第2ヘッダ流路7とが設けられている。
第1流体第1ヘッダ流路4は、各第1流路21の図1における図示上方の端部と連通している。第1流体第2ヘッダ流路5は、各第1流路21の図1における図示下方の端部と連通している。
第2流体第1ヘッダ流路6は、各第2流路22の図1における図示上方の端部と連通している。第2流体第2ヘッダ流路7は、各第2流路22の図1における図示下方の端部と連通している。
図1に示した例では、本体部2の長手方向の一方及び他方の端部側にヘッダ部8、9が設けられているものとする。説明の便宜上、図1における図示上方のヘッダ部8を第1ヘッダ部8と称し、図1における図示下方のヘッダ部9を第2ヘッダ部9と称する。
【0016】
図1に示す一実施形態に係る熱交換コア1では、第1流体第1ヘッダ流路4又は第1流体第2ヘッダ流路5の何れか一方に供給された流体は、各第1流路21を流通した後、第1流体第1ヘッダ流路4又は第1流体第2ヘッダ流路5の何れか他方から排出される。
同様に、図1に示す一実施形態に係る熱交換コア1では、第2流体第1ヘッダ流路6又は第2流体第2ヘッダ流路7の何れか一方に供給された流体は、各第2流路22を流通した後、第2流体第1ヘッダ流路6又は第2流体第2ヘッダ流路7の何れか他方から排出される。
図1に示す一実施形態に係る熱交換コア1では、第1流路21を流通する流体と第2流路22を流通する流体とは、隔壁23を介して熱交換される。
【0017】
図1に示す一実施形態に係る熱交換コア1のうち本体部2は、その構成の複雑さから、プレートの積層や鋳造等では製造が難しい。このため、本体部2は、原材料としての金属粉末を積層造形することにより製造することが好ましい。この場合、本体部2は、金属粉末の積層造形体である。本体部2の積層造形に用いられる金属粉末は特に限定しないが、ステンレスやチタン等の粉末を用いることができる。尚、蓋部材3aは、その構成が本体部2ほど複雑ではないので鋳造等で製造してもよく、本体部2と同様に金属粉末を積層造形することにより製造してもよい。
【0018】
以下の説明では、幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50による流路の切り換えの対象となる熱交換器として、上述した一実施形態に係る熱交換コア1(熱交換器10)を例に挙げて説明する。しかし、幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50による流路の切り換えの対象となる熱交換器は、上述した一実施形態に係る熱交換コア1(熱交換器10)に限定されず、例えばプレート型の熱交換器等であってもよい。
【0019】
(熱交換器用流路切換装置の全体構成)
図3は、幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50の模式的な外観を示す斜視図である。
図4は、図3のIV矢視断面図であり、熱交換器用流路切換装置50の内部構造を模式的に示している。
図5は、図3のV矢視断面図であり、熱交換器用流路切換装置50の内部構造を模式的に示している。
図6A図6B、及び図6Cは、図4の一部を拡大した図である。
図6Dは、連通管の構造を説明するための模式的な斜視図である。
【0020】
幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50は、少なくとも1つのチャンバ101と、少なくとも1つの連通管201とを備えている。なお、図3乃至図5に示す実施形態では、熱交換器用流路切換装置50は、4つのチャンバ101と4つの連通管201とを備えている。
幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50は、流路の切り換えの対象となる熱交換器10に対して、後述する固定管300の突出長さの分だけ連通管201の軸方向AXに沿って間隔を空けて配置してもよい。
なお、以下の説明では、連通管201の延在方向である、連通管201の軸方向AXのことを単に軸方向AXとも称する。また、以下の説明では、軸方向AXに沿った一方側であって、チャンバを挟んで熱交換器10とは反対側を正面側とし、軸方向AXに沿った他方側を背面側とする。
幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50では、図3に示すように、熱交換器用流路切換装置50における軸方向AXの寸法Dは、軸方向AXと直交する方向の寸法W、Hよりも小さい。なお、幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50では、図4及び図5に示すように、複数のチャンバ101が軸方向AXに沿って積層されている。したがって、各チャンバ101の軸方向AXの寸法dは、熱交換器用流路切換装置50における軸方向AXの寸法Dよりも小さい。したがって、各チャンバ101における軸方向AXの寸法dは、軸方向AXと直交する方向の寸法W、Hよりも小さい。
【0021】
幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50では、連通管201は、連通管201の軸方向AXに沿って延在する内部流路202と、内部流路202に連通する1以上の連通孔203とを有する(図6D参照)。連通孔203は、連通管201の内周面、すなわち内部流路202を構成する内壁面と連通管201の外周面との間を連通管201の径方向に沿って貫通している。連通孔203は、連通管201の周方向に沿って複数設けられているとよい。
【0022】
幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50では、内部流路202は、連通管201の背面側の端面まで延在していて該端面において開口部204を形成している。幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50では、内部流路202は、開口部204において、後述する固定管300の内部と連通している。
【0023】
連通管201は、最も正面側に配置されたチャンバ101を形成する筐体103の正面側の面から正面側に突出可能な正面側軸部205を有する。
幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50では、作業員は、正面側軸部205を軸方向AXに沿って移動させることで軸方向AXにおけるチャンバに対する連通管201の相対位置を変更できるように構成されている。
【0024】
幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50では、チャンバ101のそれぞれは、連通管201が挿入される挿入孔102を有し、該挿入孔102に挿入された状態の連通管201を摺動可能に支持する。
【0025】
より具体的には、各チャンバ101は、各々のチャンバに固定されていて、挿入孔102が内部に形成された少なくとも1つの固定管300を有する。上記少なくとも1つの固定管300は、各々のチャンバ101に対応して形成された貫通孔であって、固定管300の管壁301を貫通して挿入孔102と各々のチャンバ101とを連通する貫通孔305が形成されている。連通管201は、貫通孔305の何れかと上記1以上の連通孔203とが重複するような相対位置に移動されると、連通孔203と重複する貫通孔305に対応するチャンバ101と内部流路202とを連通させ、連通孔203と重複しない貫通孔305に対応するチャンバ101と内部流路202との連通を遮断する。
【0026】
幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50では、内部流路202と連通させることができるチャンバ101は、何れか1つだけであり、上記相対位置を変更することで、内部流路202とを連通させるチャンバ101を切り換えることができる。
このように、幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50では、連通管201は、軸方向AXにおけるチャンバ101に対する該連通管201の相対位置により、連通孔203とチャンバ101との連通状態を切り換え可能である。
【0027】
例えば、図4及び図6Aに示した状態では、内部流路202と連通させることができるチャンバ101は、最も正面側のチャンバ101だけである。また、図6Bに示した状態では、内部流路202と連通させることができるチャンバ101は、正面側から数えて2番目のチャンバ101だけである。
なお、図6Cに示すように、上記相対位置を変更することで、連通孔203が何れの貫通孔305とも重複しない位置に位置する場合、内部流路202は、全てのチャンバ101に対する連通が遮断される。
【0028】
幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50では、固定管300は、最も背面側に配置されたチャンバ101を形成する筐体103の背面側の面から背面側に突出している。固定管300の背面側への突出端は、例えば熱交換コア1における正面側を向いた面13や、外面から突出する不図示のヘッダ配管に接続されている。幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50では、固定管300は、熱交換コア1における何れかのヘッダ流路4、5、6、7と連通している。
上述したように、内部流路202は、開口部204において、固定管300の内部と連通しているので、内部流路202は、熱交換コア1における何れかのヘッダ流路4、5、6、7と連通している。
【0029】
(流路切り換えの具体例)
以下、図4及び図5に示すように、幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50が4つの連通管201と、4つのチャンバ101とを有する場合において、流路の切り換えについて具体的に説明する。
【0030】
ここで、4つの連通管201及び4つのチャンバ101のうち、2つの連通管201及び2つのチャンバ101を含む第1流路グループG1と、他の2つの連通管201及び2つのチャンバ101を含む第2流路グループG2とに分けて流体の流れについて説明する。
図4及び図5において、正面側の2つのチャンバ101と図示左側の2つの連通管201とが第1流路グループG1に属するものとし、背面側の2つのチャンバ101と図示右側の2つの連通管201とが第2流路グループG2に属するものとする。
また、第1流路グループG1に属する正面側の2つのチャンバ101のうち、最も正面側のチャンバ101を第1-1チャンバ111とし、正面側から数えて2番目のチャンバ101を第1-2チャンバ112とする。また、第2流路グループG2に属する背面側の2つのチャンバ101のうち、最も背面側のチャンバ101を第2-1チャンバ121とし、背面側から数えて2番目のチャンバ101を第2-2チャンバ122とする。
【0031】
第1流路グループG1の第1-1チャンバ111には、外部からの流体が流入する流入部104aが設けられていて、外部から第1流体が流入するものとする。また、第1-2チャンバ112には、第1-2チャンバ112内の流体を外部に排出するための排出部105aが設けられているものとする。
第1流路グループG1の2つの連通管201のうちの一方の連通管201(第1-1連通管211)の内部流路202は、熱交換器10の第1流体第1ヘッダ流路4に接続されているものとし、他方の連通管201(第1-2連通管212)の内部流路202は、該熱交換器10の第1流体第2ヘッダ流路5に接続されているものとする。
【0032】
第2流路グループG2の第2-1チャンバ121には、外部からの流体が流入する流入部104bが設けられていて、外部から第2流体が流入するものとする。また、第2-2チャンバ122には、第2-2チャンバ122内の流体を外部に排出するための排出部105bが設けられているものとする。
第2流路グループの2つの連通管201のうちの一方の連通管201(第2-1連通管221)の内部流路202は、熱交換器10の第2流体第1ヘッダ流路6に接続されているものとし、他方の連通管201(第2-2連通管222)の内部流路202は、該熱交換器10の第2流体第2ヘッダ流路7に接続されているものとする。
【0033】
図7Aは、流体の流れを説明するための概念的な図であり、図3のIV矢視断面である図4に相当する図である。
図7Bは、流体の流れを説明するための概念的な図であり、図3のV矢視断面である図5に相当する図である。
図8Aは、流体の流れを説明するための概念的な図であり、図3のIV矢視断面である図4に相当する図である。
図8Bは、流体の流れを説明するための概念的な図であり、図3のV矢視断面である図5に相当する図である。
【0034】
このような場合において、第1流路グループG1の第1-1連通管211の内部流路202を第1-1チャンバ111と連通させ、第1-2連通管212の内部流路202を第1-2チャンバ112と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
図7Aに示すように、流入部104aを介して外部から第1-1チャンバ111に流入した第1流体は、第1-1連通管211の内部流路202を介して熱交換器10において第1流体第1ヘッダ流路4、第1流路21、及び第1流体第2ヘッダ流路5の順に流通する。そして、第1流体第2ヘッダ流路5から流出した流体は、第1-2連通管212の内部流路202を介して第1-2チャンバ112に流入した後、排出部105aを介して第1-2チャンバ112から外部に流出する。
【0035】
また、第1-1連通管211の内部流路202を第1-2チャンバ112と連通させ、第1-2連通管212の内部流路202を第1-1チャンバ111と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
図8Aに示すように、流入部104aを介して外部から第1-1チャンバ111に流入した第1流体は、第1-2連通管212の内部流路を介して熱交換器10において第1流体第2ヘッダ流路5、第1流路21、及び第1流体第1ヘッダ流路4の順に流通する。そして、第1流体第1ヘッダ流路4から流出した流体は、第1-1連通管211の内部流路202を介して第1-2チャンバ112に流入した後、排出部105aを介して第1-2チャンバ112から外部に流出する。
【0036】
このように、幾つかの実施形態によれば、軸方向AXにおけるチャンバ101に対する連通管201の相対位置を変更することで、外部から第1流体を流入させる第1-1チャンバ111、及び、流体を外部へ排出される第1-2チャンバ112を変更することなく、第1流路21における第1流体の流れ逆転させることができる。
【0037】
第2流路グループG2の第2-1連通管221の内部流路202を第2-1チャンバ121と連通させ、第2-2連通管222の内部流路202を第2-2チャンバ122と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
図7Bに示すように、流入部104bを介して外部から第2-1チャンバ121に流入した第2流体は、第2-1連通管221の内部流路202を介して熱交換器10において第2流体第1ヘッダ流路6、第2流路22、及び第2流体第2ヘッダ流路7の順に流通する。そして、第2流体第2ヘッダ流路7から流出した流体は、第2-2連通管222の内部流路202を介して第2-2チャンバ122に流入した後、排出部105bを介して第2-2チャンバ122から外部に流出する。
【0038】
また、第2-1連通管221の内部流路202を第2-2チャンバ122と連通させ、第2-2連通管222の内部流路202を第2-1チャンバ121と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
図8Bに示すように、流入部104bを介して外部から第2-1チャンバ121に流入した第2流体は、第2-2連通管222の内部流路202を介して熱交換器10において、第2流体第2ヘッダ流路7、第2流路22、及び第2流体第1ヘッダ流路6の順に流通する。そして、第2流体第1ヘッダ流路6から流出した流体は、第2-1連通管221の内部流路202を介して第2-2チャンバ122に流入した後、排出部105bを介して第2-2チャンバ122から外部に流出する。
【0039】
このように幾つかの実施形態によれば、軸方向AXにおけるチャンバ101に対する連通管201の相対位置を変更することで、外部から第2流体を流入させる第2-1チャンバ121、及び、流体を外部へ排出される第2-2チャンバ122を変更することなく、第2流路22における第2流体の流れ逆転させることができる。
【0040】
幾つかの実施形態では、第1流路グループG1における流路の切り換え状態を図7Aに示す状態とし、第2流路グループG2における流路の切り換え状態を図7Bに示す状態とした場合、及び、第1流路グループG1における流路の切り換え状態を図8Aに示す状態とし、第2流路グループG2における流路の切り換え状態を図8Bに示す状態とした場合、熱交換コア1内における第1流体と第2流体の流れは並流となる。
また、幾つかの実施形態では、第1流路グループG1における流路の切り換え状態を図7Aに示す状態とし、第2流路グループG2における流路の切り換え状態を図8Bに示す状態とした場合、及び、第1流路グループG1における流路の切り換え状態を図8Aに示す状態とし、第2流路グループG2における流路の切り換え状態を図7Bに示す状態とした場合、熱交換コア1内における第1流体と第2流体の流れは対向流となる。
【0041】
さらに、幾つかの実施形態によれば、第1流路グループG1の第1-1チャンバ111及び第1-2チャンバ112と、第2流路グループG2の第2-1連通管221及び第2-2連通管222との間で連通状態を切り換えるようにすれば、外部から第1流体を流入させる第1-1チャンバ111、及び、流体を外部へ排出される第1-2チャンバ112を変更することなく、第2流路22に第1流体を流通させること、及び、第2流路22における第1流体の流れ逆転させることができる。
同様に、幾つかの実施形態によれば、第2流路グループG2の第2-1チャンバ121及び第2-2チャンバ122と、第1流路グループG1の第1-1連通管211及び第1-2連通管212との間で連通状態を切り換えるようにすれば、外部から第2流体を流入させる第2-1チャンバ121、及び、流体を外部へ排出される第2-2チャンバ122を変更することなく、第1流路21に第2流体を流通させること、及び、第1流路21における第2流体の流れ逆転させることができる。
【0042】
なお、図3に示した実施形態では、4つのチャンバ101を軸方向AXに沿って積層させているが、4つのチャンバ101のうちの2つのチャンバ101によって第1流体の流れを切り換えるための第1切換ユニット51を構成し、他の2つのチャンバ101によって第2流体の流れを切り換えるための第2切換ユニット52を構成してもよい。
図9は、第1切換ユニットと第2切換ユニットとを有する熱交換器用流路切換装置50の模式的な外観を示す斜視図である。
図10Aは、流体の流れを説明するための概念的な図であり、図9のXa矢視断面を示す。
図10Bは、流体の流れを説明するための概念的な図であり、図9のXb矢視断面を示す。
図11Aは、流体の流れを説明するための概念的な図であり、図9のXa矢視断面を示す。
図11Bは、流体の流れを説明するための概念的な図であり、図9のXb矢視断面を示す。
【0043】
図9に示す熱交換器用流路切換装置50は、2つの連通管201と、軸方向AXに沿って積層された2つのチャンバ101と、をそれぞれ備える第1切換ユニット51及び第2切換ユニット52を備える。第1切換ユニット51及び第2切換ユニット52は、軸方向AXから見たときに互いに重複しない位置にそれぞれ配置される。
第1切換ユニット51及び第2切換ユニット52のそれぞれにおいて、2つのチャンバ101は、上述した実施形態に倣い、2つの連通管201がそれぞれ挿入される2つの挿入孔102を有する。
第1切換ユニット51及び第2切換ユニット52のそれぞれにおいて、2つの連通管201のそれぞれは、上述した実施形態と同様に、連通孔203と連通させる1つのチャンバ101を2つのチャンバ101のうちの何れにするかをチャンバ101に対する連通管201の相対位置によって選択可能に構成されている。
例えば第1切換ユニット51は、以下で説明するように、上述した第1流路グループG1に相当する構成を有しているとよい。また、例えば第2切換ユニット52は、以下で説明するように、上述した第2流路グループG2に相当する構成を有しているとよい。
【0044】
第1切換ユニット51における正面側のチャンバ101を第1-1チャンバ111とし、背面側のチャンバ101を第1-2チャンバ112とする。
第2切換ユニット52における背面側のチャンバ101を第2-1チャンバ121とし、正面側のチャンバ101を第2-2チャンバ122とする。
幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50では、図9に示すように、熱交換器用流路切換装置50における軸方向AXの寸法Dは、軸方向AXと直交する方向の寸法W、Hよりも小さい。なお、幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50では、図10A及び図10Bに示すように、複数のチャンバ101が軸方向AXに沿って積層されている。したがって、各チャンバ101の軸方向AXの寸法dは、熱交換器用流路切換装置50における軸方向AXの寸法Dよりも小さい。したがって、各チャンバ101における軸方向AXの寸法dは、軸方向AXと直交する方向の寸法W、Hよりも小さい。
【0045】
第1切換ユニット51の第1-1チャンバ111には、外部からの流体が流入する流入部104aが設けられていて、外部から第1流体が流入するものとする。また、第1-2チャンバ112には、第1-2チャンバ112内の流体を外部に排出するための排出部105aが設けられているものとする。
第1切換ユニット51の2つの連通管201のうちの一方の連通管201(第1-1連通管211)の内部流路202は、熱交換器10の第1流体第1ヘッダ流路4に接続されているものとし、他方の連通管201(第1-2連通管212)の内部流路202は、該熱交換器10の第1流体第2ヘッダ流路5に接続されているものとする。
【0046】
第2切換ユニット52の第2-1チャンバ121には、外部からの流体が流入する流入部104bが設けられていて、外部から第2流体が流入するものとする。また、第2-2チャンバ122には、第2-2チャンバ122内の流体を外部に排出するための排出部105bが設けられているものとする。
第2切換ユニット52の2つの連通管201のうちの一方の連通管201(第2-1連通管221)の内部流路202は、熱交換器10の第2流体第1ヘッダ流路6に接続されているものとし、他方の連通管201(第2-2連通管222)の内部流路202は、該熱交換器10の第2流体第2ヘッダ流路7に接続されているものとする。
【0047】
このような場合において、第1切換ユニット51の第1-1連通管211の内部流路202を第1-1チャンバ111と連通させ、第1-2連通管212の内部流路202を第1-2チャンバ112と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
図10Aに示すように、流入部104aを介して外部から第1-1チャンバ111に流入した第1流体は、第1-1連通管211の内部流路202を介して熱交換器10において第1流体第1ヘッダ流路4、第1流路21、及び第1流体第2ヘッダ流路5の順に流通する。そして、第1流体第2ヘッダ流路5から流出した流体は、第1-2連通管212の内部流路202を介して第1-2チャンバ112に流入した後、排出部105aを介して第1-2チャンバ112から外部に流出する。
【0048】
また、第1-1連通管211の内部流路202を第1-2チャンバ112と連通させ、第1-2連通管212の内部流路202を第1-1チャンバ111と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
図11Aに示すように、流入部104aを介して外部から第1-1チャンバ111に流入した第1流体は、第1-2連通管212の内部流路を介して熱交換器10において第1流体第2ヘッダ流路5、第1流路21、及び第1流体第1ヘッダ流路4の順に流通する。そして、第1流体第1ヘッダ流路4から流出した流体は、第1-1連通管211の内部流路202を介して第1-2チャンバ112に流入した後、排出部105aを介して第1-2チャンバ112から外部に流出する。
【0049】
このように、図9に示した実施形態によれば、軸方向AXにおけるチャンバ101に対する連通管201の相対位置を変更することで、外部から第1流体を流入させる第1-1チャンバ111、及び、流体を外部へ排出される第1-2チャンバ112を変更することなく、第1流路21における第1流体の流れ逆転させることができる。
【0050】
第2切換ユニット52の第2-1連通管221の内部流路202を第2-1チャンバ121と連通させ、第2-2連通管222の内部流路202を第2-2チャンバ122と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
図10Bに示すように、流入部104bを介して外部から第2-1チャンバ121に流入した第2流体は、第2-1連通管221の内部流路202を介して熱交換器10において第2流体第1ヘッダ流路6、第2流路22、及び第2流体第2ヘッダ流路7の順に流通する。そして、第2流体第2ヘッダ流路7から流出した流体は、第2-2連通管222の内部流路202を介して第2-2チャンバ122に流入した後、排出部105bを介して第2-2チャンバ122から外部に流出する。
【0051】
また、第2-1連通管221の内部流路202を第2-2チャンバ122と連通させ、第2-2連通管222の内部流路202を第2-1チャンバ121と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
図11Bに示すように、流入部104bを介して外部から第2-1チャンバ121に流入した第2流体は、第2-2連通管222の内部流路202を介して熱交換器10において、第2流体第2ヘッダ流路7、第2流路22、及び第2流体第1ヘッダ流路6の順に流通する。そして、第2流体第1ヘッダ流路6から流出した流体は、第2-1連通管221の内部流路202を介して第2-2チャンバ122に流入した後、排出部105bを介して第2-2チャンバ122から外部に流出する。
【0052】
このように図9に示した実施形態によれば、軸方向AXにおけるチャンバ101に対する連通管201の相対位置を変更することで、外部から第2流体を流入させる第2-1チャンバ121、及び、流体を外部へ排出される第2-2チャンバ122を変更することなく、第2流路22における第2流体の流れ逆転させることができる。
【0053】
幾つかの実施形態では、第1切換ユニット51における流路の切り換え状態を図10Aに示す状態とし、第2切換ユニット52における流路の切り換え状態を図10Bに示す状態とした場合、及び、第1切換ユニット51における流路の切り換え状態を図11Aに示す状態とし、第2切換ユニット52における流路の切り換え状態を図11Bに示す状態とした場合、熱交換コア1内における第1流体と第2流体の流れは並流となる。
また、幾つかの実施形態では、第1切換ユニット51における流路の切り換え状態を図10Aに示す状態とし、第2切換ユニット52における流路の切り換え状態を図11Bに示す状態とした場合、及び、第1切換ユニット51における流路の切り換え状態を図11Aに示す状態とし、第2切換ユニット52における流路の切り換え状態を図10Bに示す状態とした場合、熱交換コア1内における第1流体と第2流体の流れは対向流となる。
【0054】
(複数の熱交換コアの流路を切り換え可能な熱交換器用流路切換装置について)
以下、複数の熱交換コア1の流路を切り換え可能な熱交換器用流路切換装置について説明する。
図12は、2つの熱交換コア1の流路を切り換え可能に構成された一実施形態に係る熱交換器用流路切換装置150の模式的な外観を示す斜視図である。
図13Aは、流体の流れを説明するための概念的な図であり、図12のXIII矢視断面に相当する図である。
図13Bは、流体の流れを説明するための概念的な図であり、図12のXIV矢視断面に相当する図である。
図13Cは、流体の流れを説明するための概念的な図であり、図12のXIV矢視断面に相当する図である。
図14Aは、流体の流れを説明するための概念的な図であり、図12のXIII矢視断面に相当する図である。
図14Bは、流体の流れを説明するための概念的な図であり、図12のXIV矢視断面に相当する図である。
図14Cは、流体の流れを説明するための概念的な図であり、図12のXIV矢視断面に相当する図である。
【0055】
複数の熱交換コア1の流路を切り換え可能な熱交換器用流路切換装置150において、図3に示す熱交換器用流路切換装置50と同様の構成については、同じ符号を付して表し、詳細な説明については省略する。
複数の熱交換コア1の流路を切り換え可能な熱交換器用流路切換装置150では、連通管201は、少なくとも8つ備えられ、チャンバ101は、軸方向AXに沿って少なくとも6つ積層されているとよい。
図12に示す、2つの熱交換コア1の流路を切り換え可能に構成された熱交換器用流路切換装置150は、6つのチャンバ101と8つの連通管201とを備えている。
幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置150では、図12に示すように、熱交換器用流路切換装置150における軸方向AXの寸法Dは、軸方向AXと直交する方向の寸法W、Hよりも小さい。なお、幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置150では、図13A及び図13Bに示すように、複数のチャンバ101が軸方向AXに沿って積層されている。したがって、各チャンバ101の軸方向AXの寸法dは、熱交換器用流路切換装置50における軸方向AXの寸法Dよりも小さい。したがって、各チャンバ101における軸方向AXの寸法dは、軸方向AXと直交する方向の寸法W、Hよりも小さい。
【0056】
複数の熱交換コア1の流路を切り換え可能な熱交換器用流路切換装置150では、上記少なくとも6つのチャンバ101は、上記少なくとも8つの連通管201がそれぞれ挿入される少なくとも8つの挿入孔102を有しているとよい。
上記少なくとも8つの連通管201のそれぞれは、連通孔203と連通させる1つのチャンバ101を上記少なくとも6つのチャンバ101のうちの何れにするかをチャンバ101に対する連通管201の相対位置によって選択可能に構成されているとよい。具体的には、図3に示す熱交換器用流路切換装置50と同様に、図4図5、及び図6A乃至図6Dに示す構成と同様の構成を有しているとよい。
【0057】
図12に示す熱交換器用流路切換装置150では、6つのチャンバ101は、8つの連通管201がそれぞれ挿入される8つの挿入孔102を有している。
図12に示す熱交換器用流路切換装置150では、8つの連通管201のそれぞれは、連通孔203と連通させる1つのチャンバ101を6つのチャンバ101のうちの何れにするかをチャンバ101に対する連通管201の相対位置によって選択可能に構成されている。
【0058】
(2つの熱交換コアにおける流路切り換えの具体例)
以下、図12に示す熱交換器用流路切換装置150を用いた2つの熱交換コア1の流路の切り換えについて具体的に説明する。
【0059】
ここで、8つの連通管201及び6つのチャンバ101のうち、4つの連通管201及び3つのチャンバ101を含む第1流路グループG1と、他の4つの連通管201及び3つのチャンバ101を含む第2流路グループG2とに分けて流体の流れについて説明する。
図12において、正面側の3つのチャンバ101と図示左側の4つの連通管201とが第1流路グループG1に属するものとし、背面側の3つのチャンバ101と図示右側の4つの連通管201とが第2流路グループG2に属するものとする。
また、第1流路グループG1に属する正面側の3つのチャンバ101のうち、最も正面側のチャンバ101を第1-1チャンバ111とし、正面側から数えて3番目のチャンバ101を第1-2チャンバ112とし、第1-1チャンバ111と第1-2チャンバ112とで挟まれた、正面側から数えて2番目のチャンバ101を第1-3チャンバ113とする。また、第2流路グループG2に属する背面側の3つのチャンバ101のうち、最も背面側のチャンバ101を第2-1チャンバ121とし、背面側から数えて3番目のチャンバ101を第2-2チャンバ122とし、第2-1チャンバ121と第2-2チャンバ122とで挟まれた、背面側から数えて2番目のチャンバ101を第2-3チャンバ123とする。
【0060】
図12に示した2つの熱交換コア1のうち、図示上側の熱交換コア1を第1熱交換コア1Aとし、図示下側の熱交換コア1を第2熱交換コア1Bとする。
【0061】
第1流路グループG1の第1-1チャンバ111には、流入部104aが設けられていて、第1-2チャンバ112には、排出部105aが設けられているものとする。
第1流路グループG1の4つの連通管201のうち、図12における最も上側の連通管201(第1-1連通管211)の内部流路202は、第1熱交換コア1Aの第1流体第1ヘッダ流路4に接続されているものとし、上から2番目の連通管201(第1-2連通管212)の内部流路202は、第1熱交換コア1Aの第1流体第2ヘッダ流路5に接続されているものとする。
上から3番目の連通管201(第1-3連通管213)の内部流路202は、第2熱交換コア1Bの第1流体第1ヘッダ流路4に接続されているものとし、最も下側の連通管201(第1-4連通管214)の内部流路202は、第2熱交換コア1Bの第1流体第2ヘッダ流路5に接続されているものとする。
【0062】
第2流路グループG2の第2-1チャンバ121には、流入部104bが設けられていて、第2-2チャンバ122には、排出部105bが設けられているものとする。
第2流路グループの4つの連通管201のうち、図12における最も上側の連通管201(第2-1連通管221)の内部流路202は、第1熱交換コア1Aの第2流体第1ヘッダ流路6に接続されているものとし、上から2番目の連通管201(第2-2連通管222)の内部流路202は、第1熱交換コア1Aの第2流体第2ヘッダ流路7に接続されているものとする。
上から3番目の連通管201(第2-3連通管223)の内部流路202は、第2熱交換コア1Bの第2流体第1ヘッダ流路6に接続されているものとし、最も下側の連通管201(第2-4連通管224)の内部流路202は、第2熱交換コア1Bの第2流体第2ヘッダ流路7に接続されているものとする。
【0063】
(並列接続且つ対向流の場合)
図13A及び図13Bを参照して、並列接続した第1熱交換コア1Aと第2熱交換コア1Bとに第1流体と第2流体とを対向流で流通させる場合の流路の切り換えの一例を説明する。
【0064】
この場合、第1流路グループG1において、例えば第1-2連通管211及び第1-4連通管214の内部流路202を第1-1チャンバ111と連通させ、第1-1連通管211及び第1-3連通管213の内部流路202を第1-2チャンバ112と連通させる。
また、第2流路グループG2において、例えば第2-1連通管221及び第2-3連通管223の内部流路202を第2-1チャンバ121と連通させ、第2-2連通管222及び第2-4連通管224の内部流路202を第2-2チャンバ122と連通させる。
【0065】
図13Aに示すように、流入部104aを介して外部から第1-1チャンバ111に流入した第1流体は、第1-2連通管212の内部流路202を介して第1熱交換コア1Aにおいて第1流体第2ヘッダ流路5、第1流路21、及び第1流体第1ヘッダ流路4の順に流通する。そして、第1熱交換コア1Aの第1流体第1ヘッダ流路4から流出した流体は、第1-1連通管211の内部流路202を介して第1-2チャンバ112に流入した後、排出部105aを介して第1-2チャンバ112から外部に流出する。
同様に、流入部104aを介して外部から第1-1チャンバ111に流入した第1流体は、第1-4連通管214の内部流路202を介して第2熱交換コア1Bにおいて第1流体第2ヘッダ流路5、第1流路21、及び第1流体第1ヘッダ流路4の順に流通する。そして、第2熱交換コア1Bの第1流体第1ヘッダ流路4から流出した流体は、第1-3連通管213の内部流路202を介して第1-2チャンバ112に流入した後、排出部105aを介して第1-2チャンバ112から外部に流出する。
【0066】
図13Bに示すように、流入部104bを介して外部から第2-1チャンバ121に流入した第2流体は、第2-1連通管221の内部流路202を介して第1熱交換コア1Aにおいて第2流体第1ヘッダ流路6、第2流路22、及び第2流体第2ヘッダ流路7の順に流通する。そして、第2流体第2ヘッダ流路7から流出した流体は、第2-2連通管222の内部流路202を介して第2-2チャンバ122に流入した後、排出部105bを介して第2-2チャンバ122から外部に流出する。
同様に、流入部104bを介して外部から第2-1チャンバ121に流入した第2流体は、第2-3連通管223の内部流路202を介して第2熱交換コア1Bにおいて第2流体第1ヘッダ流路6、第2流路22、及び第2流体第2ヘッダ流路7の順に流通する。そして、第2流体第2ヘッダ流路7から流出した流体は、第2-4連通管224の内部流路202を介して第2-2チャンバ122に流入した後、排出部105bを介して第2-2チャンバ122から外部に流出する。
【0067】
(並列接続且つ並流の場合)
図13A及び図13Cを参照して、並列接続した第1熱交換コア1Aと第2熱交換コア1Bとに第1流体と第2流体とを並流で流通させる場合の流路の切り換えの一例を説明する。
【0068】
この場合、第1流路グループG1において、上述した図13Aのように、例えば第1-2連通管211及び第1-4連通管214の内部流路202を第1-1チャンバ111と連通させ、第1-1連通管211及び第1-3連通管213の内部流路202を第1-2チャンバ112と連通させる。
また、第2流路グループG2において、例えば第2-連通管22及び第2-4連通管224の内部流路202を第2-1チャンバ121と連通させ、第2-1連通管221及び第2-3連通管223の内部流路202を第2-2チャンバ122と連通させる。
【0069】
流入部104aを介して外部から第1-1チャンバ111に流入した第1流体は、図13Aを参照して上述したように、第1熱交換コア1A及び第2熱交換コア1Bの内部を流通する。
【0070】
図13Cに示すように、流入部104bを介して外部から第2-1チャンバ121に流入した第2流体は、第2-2連通管222の内部流路202を介して第1熱交換コア1Aにおいて、第2流体第2ヘッダ流路7、第2流路22、及び第2流体第1ヘッダ流路6の順に流通する。そして、第2流体第1ヘッダ流路6から流出した流体は、第2-1連通管221の内部流路202を介して第2-2チャンバ122に流入した後、排出部105bを介して第2-2チャンバ122から外部に流出する。
同様に、流入部104bを介して外部から第2-1チャンバ121に流入した第2流体は、第2-4連通管224の内部流路202を介して第2熱交換コア1Bにおいて、第2流体第2ヘッダ流路7、第2流路22、及び第2流体第1ヘッダ流路6の順に流通する。そして、第2流体第1ヘッダ流路6から流出した流体は、第2-3連通管223の内部流路202を介して第2-2チャンバ122に流入した後、排出部105bを介して第2-2チャンバ122から外部に流出する。
【0071】
(直列接続且つ対向流の場合)
図14A及び図14Bを参照して、直列接続した第1熱交換コア1Aと第2熱交換コア1Bとに第1流体と第2流体とを対向流で流通させる場合の流路の切り換えの一例を説明する。
【0072】
この場合、第1流路グループG1において、例えば第1-4連通管214の内部流路202を第1-1チャンバ111と連通させ、第1-1連通管211の内部流路202を第1-2チャンバ112と連通させ、第1-2連通管212及び第1-3連通管213の内部流路202を第1-3チャンバ113と連通させる。
また、第2流路グループG2において、例えば第2-1連通管221の内部流路202を第2-1チャンバ121と連通させ、第2-4連通管224の内部流路202を第2-2チャンバ122と連通させ、第2-2連通管222及び第2-3連通管223の内部流路202を第2-3チャンバ123と連通させる。
【0073】
図14Aに示すように、流入部104aを介して外部から第1-1チャンバ111に流入した第1流体は、第1-4連通管214の内部流路202を介して第2熱交換コア1Bにおいて第1流体第2ヘッダ流路5、第1流路21、及び第1流体第1ヘッダ流路4の順に流通する。そして、第2熱交換コア1Bの第1流体第1ヘッダ流路4から流出した流体は、第1-3連通管213の内部流路202を介して第1-3チャンバ113に流入する。
第1-3チャンバ113に流入した第1流体は、第1-2連通管212の内部流路202を介して第1熱交換コア1Aにおいて第1流体第2ヘッダ流路5、第1流路21、及び第1流体第1ヘッダ流路4の順に流通する。そして、第1熱交換コア1Aの第1流体第1ヘッダ流路4から流出した流体は、第1-1連通管211の内部流路202を介して第1-2チャンバ112に流入した後、排出部105aを介して第1-2チャンバ112から外部に流出する。
【0074】
図14Bに示すように、流入部104bを介して外部から第2-1チャンバ121に流入した第2流体は、第2-1連通管221の内部流路202を介して第1熱交換コア1Aにおいて第2流体第1ヘッダ流路6、第2流路22、及び第2流体第2ヘッダ流路7の順に流通する。そして、第2流体第2ヘッダ流路7から流出した流体は、第2-2連通管222の内部流路202を介して第2-3チャンバ122に流入する。
第2-3チャンバ122に流入した第2流体は、第2-3連通管223の内部流路202を介して第2熱交換コア1Bにおいて第2流体第1ヘッダ流路6、第2流路22、及び第2流体第2ヘッダ流路7の順に流通する。そして、第2流体第2ヘッダ流路7から流出した流体は、第2-4連通管224の内部流路202を介して第2-2チャンバ122に流入した後、排出部105bを介して第2-2チャンバ122から外部に流出する。
【0075】
(直列接続且つ並流の場合)
図14A及び図14Cを参照して、直列接続した第1熱交換コア1Aと第2熱交換コア1Bとに第1流体と第2流体とを並流で流通させる場合の流路の切り換えの一例を説明する。
【0076】
この場合、第1流路グループG1において、上述した図14Aのように、例えば第1-4連通管214の内部流路202を第1-1チャンバ111と連通させ、第1-1連通管211の内部流路202を第1-2チャンバ112と連通させ、第1-2連通管212及び第1-3連通管213の内部流路202を第1-3チャンバ113と連通させる。
また、第2流路グループG2において、例えば第2-4連通管224の内部流路202を第2-1チャンバ121と連通させ、第2-1連通管221の内部流路202を第2-2チャンバ122と連通させ、第2-2連通管222及び第2-3連通管223の内部流路202を第2-3チャンバ123と連通させる。
【0077】
流入部104aを介して外部から第1-1チャンバ111に流入した第1流体は、図14Aを参照して上述したように、第1熱交換コア1A及び第2熱交換コア1Bの内部を流通する。
【0078】
図14Cに示すように、流入部104bを介して外部から第2-1チャンバ121に流入した第2流体は、第2-4連通管224の内部流路202を介して第2熱交換コア1Bにおいて、第2流体第2ヘッダ流路7、第2流路22、及び第2流体第1ヘッダ流路6の順に流通する。そして、第2流体第1ヘッダ流路6から流出した流体は、第2-3連通管223の内部流路202を介して第2-3チャンバ123に流入する。
第2-3チャンバ123に流入した第2流体は、第2-2連通管222の内部流路202を介して第1熱交換コア1Aにおいて、第2流体第2ヘッダ流路7、第2流路22、及び第2流体第1ヘッダ流路6の順に流通する。そして、第2流体第1ヘッダ流路6から流出した流体は、第2-1連通管221の内部流路202を介して第2-2チャンバ122に流入した後、排出部105bを介して第2-2チャンバ122から外部に流出する。
【0079】
なお、図12に示した実施形態では、6つのチャンバ101を軸方向AXに沿って積層させているが、6つのチャンバ101のうちの3つのチャンバ101によって第1流体の流れを切り換えるための第1切換ユニット151を構成し、他の3つのチャンバ101によって第2流体の流れを切り換えるための第2切換ユニット152を構成してもよい。
図15は、第1切換ユニットと第2切換ユニットとを有する熱交換器用流路切換装置150の模式的な外観を示す斜視図である。
第1切換ユニット151及び第2切換ユニット152は、軸方向AXから見たときに互いに重複しない位置にそれぞれ配置されるとよい。
【0080】
例えば第1切換ユニット151は、図12に示す熱交換器用流路切換装置150における第1流路グループG1に相当する構成を有しているとよい。また、例えば第2切換ユニット152は、図12に示す熱交換器用流路切換装置150における第2流路グループG2に相当する構成を有しているとよい。これにより、図12に示す熱交換器用流路切換装置150と同様に、2つの熱交換コア1における第1流体及び第2流体の流れを並列接続且つ対向流で流通させること、並列接続且つ並流で流通させること、直列接続且つ対向流で流通させること、及び、直列接続且つ並流で流通させることが可能となる。
【0081】
幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置150では、図15に示すように、熱交換器用流路切換装置150における軸方向AXの寸法Dは、軸方向AXと直交する方向の寸法W、Hよりも小さい。なお、図15に示す熱交換器用流路切換装置150では、複数のチャンバ101が軸方向AXに沿って積層されている。したがって、各チャンバ101の軸方向AXの寸法dは、図15に示す熱交換器用流路切換装置150における軸方向AXの寸法Dよりも小さい。したがって、各チャンバ101における軸方向AXの寸法dは、軸方向AXと直交する方向の寸法W、Hよりも小さい。
【0082】
(隣り合うチャンバ101間の断熱について)
図16は、隣り合うチャンバ間に設けられた断熱層について説明するための模式的な断面図である。
幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50、150では、軸方向AXで隣り合うそれぞれのチャンバ101を流通する流体の温度が異なる。そのため、例えば、図16に示すように、軸方向AXに沿って隣り合うチャンバ101同士の間に、断熱層107が設けられているとよい。
なお、隣り合う2つのチャンバ101において同じ流体が流通している場合は、熱交換コア1において熱交換することで温度を上げた(又は下げた)流体の温度が、該隣り合う2つのチャンバ101において熱交換してしまうことで下がって(又は上がって)しまうこととなり、熱交換効率を低下させるおそれがある。
そこで、幾つかの実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50、150では、軸方向AXで隣り合うチャンバ101同士の間のうち、少なくとも同じ流体が流れるチャンバ101同士の間には、断熱層107が設けられているとよい。
【0083】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0084】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る熱交換器用流路切換装置50、150は、熱交換器10の内部で熱交換を行うための熱交換流路と連通する内部流路202、及び、該内部流路202に連通する1以上の連通孔203を有する連通管201と、連通管201が挿入される挿入孔102を有し、該挿入孔102に挿入された状態の連通管201を摺動可能に支持する少なくとも1つのチャンバ101と、を備える。連通管201は、該連通管201の軸方向AXにおけるチャンバ101に対する相対位置により、連通孔203とチャンバ101との連通状態を切り換え可能である。
【0085】
上記(1)の構成によれば、簡単な構成で熱交換器10の内部の熱交換流路(第1流路21及び第2流路22)と熱交換器10の外部のチャンバ101との連通状態を切り換えることができる。
【0086】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、上記少なくとも1つのチャンバ101は、各々のチャンバ101に固定されていて、挿入孔102が内部に形成された少なくとも1つの固定管300を有する。上記少なくとも1つの固定管300は、各々のチャンバ101に対応して形成された貫通孔305であって、固定管300の管壁301を貫通して挿入孔102と各々のチャンバ101とを連通する貫通孔305が形成されている。連通管201は、貫通孔305の何れかと上記1以上の連通孔203とが重複するような相対位置に移動されると、上記1以上の連通孔203と重複する貫通孔305に対応するチャンバ101と内部流路202とを連通させ、上記1以上の連通孔203と重複しない貫通孔305に対応するチャンバ101と内部流路202との連通を遮断する。
【0087】
上記(2)の構成によれば、連通管201が有する1以上の連通孔203と固定管300に形成されている貫通孔305とが重複するか否かによって連通管201の内部流路202とチャンバ101との連通状態を切り換え可能であるので、簡単な構成で熱交換器10の内部の熱交換流路(第1流路21及び第2流路22)と熱交換器10の外部のチャンバ101との連通状態を切り換えることができる。また、固定管300を流路の切り換えの対象となる熱交換器10の熱交換流路(第1流路21及び第2流路22)に接続すれば、チャンバ101と該熱交換器10との相対位置の変更を行わなくてもよくなるので、装置構成を簡略化できる。
【0088】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、連通管201は、少なくとも2つ備えられている。上記少なくとも1つのチャンバ101は、軸方向AXに沿って積層された少なくとも2つのチャンバ101を含む。この少なくとも2つのチャンバ101は、上記少なくとも2つの連通管201がそれぞれ挿入される少なくとも2つの挿入孔102を有する。上記少なくとも2つの連通管201のそれぞれは、連通孔203と連通させる1つのチャンバ101を上記少なくとも2つのチャンバ101のうちの何れにするかをチャンバ101に対する相対位置によって選択可能に構成されている。
【0089】
上記(3)の構成において、2つの連通管201と、2つのチャンバ101とに着目する。
2つのチャンバ101のうちの一方のチャンバ101に外部から流体が流入し、他方のチャンバ101内の流体が外部に流出するものとする。また、2つの連通管201のうちの一方の連通管201の内部流路202が流路の切り換えの対象となる熱交換器10の熱交換流路の一方端に接続されているものとし、他方の連通管201の内部流路202が該熱交換器10の熱交換流路の他方端に接続されているものとする。
このような場合において、一方の連通管201の内部流路202を一方のチャンバ101と連通させ、他方の連通管201の内部流路202を他方のチャンバ101と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
外部から一方のチャンバ101に流入した流体は、一方の連通管201の内部流路202を介して熱交換器10の熱交換流路を一方端から他方端に向かって流通する。そして、熱交換流路の他方端から流出した流体は、他方の連通管201の内部流路202を介して他方のチャンバ101に流入した後、他方のチャンバ101から外部に流出する。
また、一方の連通管201の内部流路202を他方のチャンバ101と連通させ、他方の連通管201の内部流路202を一方のチャンバ101と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
外部から一方のチャンバ101に流入した流体は、他方の連通管201の内部流路202を介して熱交換器10の熱交換流路を他方端から一方端に向かって流通する。そして、熱交換流路の一方端から流出した流体は、一方の連通管201の内部流路202を介して他方のチャンバ101に流入した後、他方のチャンバ101から外部に流出する。
このように、上記(3)の構成によれば、連通管201の軸方向AXにおけるチャンバ101に対する相対位置を変更することで、外部から流体を流入させるチャンバ101、及び、流体を外部へ排出されるチャンバ101を変更することなく、熱交換流路における流体の流れ逆転させることができる。
【0090】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、連通管201は、少なくとも4つ備えられている。少なくとも1つのチャンバ101は、軸方向AXに沿って積層された少なくとも4つのチャンバ101を含む。上記少なくとも4つのチャンバ101は、上記少なくとも4つの連通管201がそれぞれ挿入される少なくとも4つの挿入孔102を有する。上記少なくとも4つの連通管201のそれぞれは、連通孔203と連通させる1つのチャンバ101を上記少なくとも4つのチャンバ101のうちの何れにするかをチャンバ101に対する相対位置によって選択可能に構成されている。
【0091】
上記(4)の構成において、4つの連通管201と、4つのチャンバ101とに着目する。そして、4つの連通管201及び4つのチャンバ101のうち、2つの連通管201及び2つのチャンバ101を含む第1流路グループG1と、他の2つの連通管201及び2つのチャンバ101を含む第2流路グループG2とに分けて流体の流れについて検討することとする。
第1流路グループG1の2つのチャンバ101のうちの一方のチャンバ101(第1-1チャンバ111)に外部から第1流体が流入し、他方のチャンバ101(第1-2チャンバ112)内の流体が外部に流出するものとする。また、第1流路グループG1の2つの連通管201のうちの一方の連通管201(第1-1連通管211)の内部流路202が流路の切り換えの対象となる熱交換器10の第1熱交換流路(例えば第1流路21)の一方端に接続されているものとし、他方の連通管201(第1-2連通管212)の内部流路202が該熱交換器10の第1熱交換流路の他方端に接続されているものとする。
第2流路グループG2の2つのチャンバ101のうちの一方のチャンバ101(第2-1チャンバ121)に外部から第2流体が流入し、他方のチャンバ101(第2-2チャンバ122)内の流体が外部に流出するものとする。また、第2流路グループG2の2つの連通管201のうちの一方の連通管201(第2-1連通管221)の内部流路202が流路の切り換えの対象となる熱交換器10の第2熱交換流路(例えば第2流路22)の一方端に接続されているものとし、他方の連通管201(第2-2連通管222)の内部流路202が該熱交換器10の第2熱交換流路の他方端に接続されているものとする。
なお、流路の切り換えの対象となる熱交換器10は、第1熱交換流路を流れる流体と第2熱交換流路を流れる流体との間で熱交換可能に構成されているものとする。
【0092】
このような場合において、第1流路グループG1の第1-1連通管211の内部流路202を第1-1チャンバ111と連通させ、第1-2連通管212の内部流路202を第1-2チャンバ112と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
外部から第1-1チャンバ111に流入した第1流体は、第1-1連通管211の内部流路202を介して熱交換器10の第1熱交換流路を一方端から他方端に向かって流通する。そして、第1熱交換流路の他方端から流出した流体は、第1-2連通管212の内部流路202を介して第1-2チャンバ112に流入した後、第1-2チャンバ112から外部に流出する。
また、第1-1連通管211の内部流路202を第1-2チャンバ112と連通させ、第1-2連通管212の内部流路202を第1-1チャンバ111と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
外部から第1-1チャンバ111に流入した第1流体は、第1-2連通管212の内部流路202を介して熱交換器10の第1熱交換流路を他方端から一方端に向かって流通する。そして、第1熱交換流路の一方端から流出した流体は、第1-1連通管211の内部流路202を介して第1-2チャンバ112に流入した後、第1-2チャンバ112から外部に流出する。
このように、上記(4)の構成によれば、連通管201の軸方向AXにおけるチャンバ101に対する相対位置を変更することで、外部から第1流体を流入させる第1-1チャンバ111、及び、流体を外部へ排出される第1-2チャンバ112を変更することなく、第1熱交換流路における第1流体の流れ逆転させることができる。
【0093】
第2流路グループG2の第2-1連通管221の内部流路202を第2-1チャンバ121と連通させ、第2-2連通管222の内部流路202を第2-2チャンバ122と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
外部から第2-1チャンバ121に流入した第2流体は、第2-1連通管221の内部流路202を介して熱交換器10の第2熱交換流路を一方端から他方端に向かって流通する。そして、第2熱交換流路の他方端から流出した流体は、第2-2連通管222の内部流路202を介して第2-2チャンバ122に流入した後、第2-2チャンバ122から外部に流出する。
また、第2-1連通管221の内部流路202を第2-2チャンバ122と連通させ、第2-2連通管222の内部流路202を第2-1チャンバ121と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
外部から第2-1チャンバ121に流入した第2流体は、第2-2連通管222の内部流路202を介して熱交換器10の第2熱交換流路を他方端から一方端に向かって流通する。そして、第2熱交換流路の一方端から流出した流体は、第2-1連通管221の内部流路202を介して第2-2チャンバ122に流入した後、第2-2チャンバ122から外部に流出する。
このように、上記(4)の構成によれば、連通管201の軸方向AXにおけるチャンバ101に対する相対位置を変更することで、外部から第2流体を流入させる第2-1チャンバ121、及び、流体を外部へ排出される第2-2チャンバ122を変更することなく、第2熱交換流路における第2流体の流れ逆転させることができる。
【0094】
さらに、上記(4)の構成において、第1流路グループG1の第1-1チャンバ111及び第1-2チャンバ112と第2流路グループG2の第2-1連通管221及び第2-2連通管222の間で連通状態を切り換えるようにすれば、外部から第1流体を流入させる第1-1チャンバ111、及び、流体を外部へ排出される第1-2チャンバ112を変更することなく、第2熱交換流路に第1流体を流通させること、及び、第2熱交換流路における第1流体の流れ逆転させることができる。
同様に、上記(4)の構成において、第2流路グループG2の第2-1チャンバ121及び第2-2チャンバ122と第1流路グループG1の第1-1連通管211及び第1-2連通管212の間で連通状態を切り換えるようにすれば、外部から第2流体を流入させる第2-1チャンバ121、及び、流体を外部へ排出される第2-2チャンバ122を変更することなく、第1熱交換流路に第2流体を流通させること、及び、第1熱交換流路における第2流体の流れ逆転させることができる。
【0095】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、少なくとも2つの連通管201と、軸方向AXに沿って積層された少なくとも2つのチャンバ101と、をそれぞれ備える第1切換ユニット51及び第2切換ユニット52を備える。第1切換ユニット51及び第2切換ユニット52は、軸方向AXから見たときに互いに重複しない位置にそれぞれ配置される。
第1切換ユニット51及び第2切換ユニット52のそれぞれにおいて、上記少なくとも2つのチャンバ101は、上記少なくとも2つの連通管201がそれぞれ挿入される少なくとも2つの挿入孔102を有する。
第1切換ユニット51及び第2切換ユニット52のそれぞれにおいて、上記少なくとも2つの連通管201のそれぞれは、連通孔203と連通させる1つのチャンバ101を上記少なくとも2つのチャンバ101のうちの何れにするかをチャンバ101に対する連通管201の相対位置によって選択可能に構成されている。
【0096】
上記(5)の構成において、第1切換ユニット51及び第2切換ユニット52のそれぞれにおける2つの連通管201と、2つのチャンバ101とに着目する。
第1切換ユニット51の2つのチャンバ101のうちの一方のチャンバ101(第1-1チャンバ111)に外部から第1流体が流入し、他方のチャンバ101(第1-2チャンバ112)内の流体が外部に流出するものとする。また、第1切換ユニット51の2つの連通管201のうちの一方の連通管201(第1-1連通管211)の内部流路202が流路の切り換えの対象となる熱交換器10の第1熱交換流路(例えば第1流路21)の一方端に接続されているものとし、他方の連通管201(第1-2連通管212)の内部流路202が該熱交換器10の第1熱交換流路の他方端に接続されているものとする。
第2切換ユニット52の2つのチャンバ101のうちの一方のチャンバ101(第2-1チャンバ121)に外部から第2流体が流入し、他方のチャンバ101(第2-2チャンバ122)内の流体が外部に流出するものとする。また、第2切換ユニット52の2つの連通管201のうちの一方の連通管201(第2-1連通管221)の内部流路202が流路の切り換えの対象となる熱交換器10の第2熱交換流路(例えば第2流路22)の一方端に接続されているものとし、他方の連通管201(第2-2連通管222)の内部流路202が該熱交換器10の第2熱交換流路の他方端に接続されているものとする。
なお、流路の切り換えの対象となる熱交換器10は、第1熱交換流路を流れる流体と第2熱交換流路を流れる流体との間で熱交換可能に構成されているものとする。
【0097】
このような場合において、第1切換ユニット51の第1-1連通管211の内部流路202を第1-1チャンバ111と連通させ、第1-2連通管212の内部流路202を第1-2チャンバ112と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
外部から第1-1チャンバ111に流入した第1流体は、第1-1連通管211の内部流路202を介して熱交換器10の第1熱交換流路を一方端から他方端に向かって流通する。そして、第1熱交換流路の他方端から流出した流体は、第1-2連通管212の内部流路202を介して第1-2チャンバ112に流入した後、第1-2チャンバ112から外部に流出する。
また、第1-1連通管211の内部流路202を第1-2チャンバ112と連通させ、第1-2連通管212の内部流路202を第1-1チャンバ111と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
外部から第1-1チャンバ111に流入した第1流体は、第1-2連通管212の内部流路202を介して熱交換器10の第1熱交換流路を他方端から一方端に向かって流通する。そして、第1熱交換流路の一方端から流出した流体は、第1-1連通管211の内部流路202を介して第1-2チャンバ112に流入した後、第1-2チャンバ112から外部に流出する。
このように、上記(5)の構成によれば、連通管201の軸方向AXにおけるチャンバ101に対する相対位置を変更することで、外部から第1流体を流入させる第1-1チャンバ111、及び、流体を外部へ排出される第1-2チャンバ112を変更することなく、第1熱交換流路における第1流体の流れ逆転させることができる。
【0098】
第2切換ユニット52の第2-1連通管221の内部流路202を第2-1チャンバ121と連通させ、第2-2連通管222の内部流路202を第2-2チャンバ122と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
外部から第2-1チャンバ121に流入した第2流体は、第2-1連通管221の内部流路202を介して熱交換器10の第2熱交換流路を一方端から他方端に向かって流通する。そして、第2熱交換流路の他方端から流出した流体は、第2-2連通管222の内部流路202を介して第2-2チャンバ122に流入した後、第2-2チャンバ122から外部に流出する。
また、第2-1連通管221の内部流路202を第2-2チャンバ122と連通させ、第2-2連通管222の内部流路202を第2-1チャンバ121と連通させたときの流体の流れは次の通りである。
外部から第2-1チャンバ121に流入した第2流体は、第2-2連通管222の内部流路202を介して熱交換器10の第2熱交換流路を他方端から一方端に向かって流通する。そして、第2熱交換流路の一方端から流出した流体は、第2-1連通管221の内部流路202を介して第2-2チャンバ122に流入した後、第2-2チャンバ122から外部に流出する。
このように、上記(5)の構成によれば、連通管201の軸方向AXにおけるチャンバ101に対する相対位置を変更することで、外部から第2流体を流入させる第2-1チャンバ121、及び、流体を外部へ排出される第2-2チャンバ122を変更することなく、第2熱交換流路における第2流体の流れ逆転させることができる。
【0099】
また、上記(5)の構成によれば、第1切換ユニット51及び第2切換ユニット52が軸方向AXから見たときに互いに重複しない位置にそれぞれ配置されるので、軸方向AXに沿った熱交換器用流路切換装置50、150の寸法を抑制できる。
【0100】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、連通管201は、少なくとも8つ備えられている。上記少なくとも1つのチャンバ101は、軸方向AXに沿って積層された少なくとも6つのチャンバ101を含む。上記少なくとも6つのチャンバ101は、上記少なくとも8つの連通管201がそれぞれ挿入される少なくとも8つの挿入孔102を有する。上記少なくとも8つの連通管201のそれぞれは、連通孔203と連通させる1つのチャンバ101を上記少なくとも6つのチャンバ101のうちの何れにするかをチャンバ101に対する相対位置によって選択可能に構成されている。
【0101】
上記(6)の構成において、8つの連通管201と、6つのチャンバ101とに着目する。そして、8つの連通管201及び6つのチャンバ101のうち、4つの連通管201及び3つのチャンバ101を含む第1流路グループG1と、他の4つの連通管201及び3つのチャンバ101を含む第2流路グループG2とに分けて流体の流れについて検討することとする。
第1流路グループG1の3つのチャンバ101のうちの1つのチャンバ101(第1-1チャンバ111)に外部から第1流体が流入し、他の1つのチャンバ101(第1-2チャンバ112)内の流体が外部に流出するものとする。
また、第1流路グループG1の4つの連通管201のうちの1つの連通管201(第1-1連通管211)の内部流路202が流路の切り換えの対象となる第1熱交換器(例えば第1熱交換コア1A)の第1熱交換流路(例えば第1流路21)の一方端に接続されているものとし、他の1つの連通管201(第1-2連通管212)の内部流路202が該第1熱交換器の第1熱交換流路の他方端に接続されているものとする。
さらに、第1流路グループG1の4つの連通管201のうちのさらに他の1つの連通管201(第1-3連通管213)の内部流路202が流路の切り換えの対象となる第2熱交換器(例えば第2熱交換コア1B)の第1熱交換流路(例えば第1流路21)の一方端に接続されているものとし、残りの1つの連通管201(第1-4連通管214)の内部流路202が該第2熱交換器の第1熱交換流路の他方端に接続されているものとする。
【0102】
同様に、第2流路グループG2の3つのチャンバ101のうちの1つのチャンバ101(第2-1チャンバ121)に外部から第2流体が流入し、他の1つチャンバ101(第2-2チャンバ122)内の流体が外部に流出するものとする。
また、第2流路グループG2の4つの連通管201のうちの1つの連通管201(第2-1連通管221)の内部流路202が流路の切り換えの対象となる第1熱交換器(例えば第1熱交換コア1A)の第2熱交換流路(例えば第2流路22)の一方端に接続されているものとし、他の1つの連通管201(第2-2連通管222)の内部流路202が該第1熱交換器の第2熱交換流路(例えば第2流路22)の他方端に接続されているものとする。
さらに、第2流路グループG2の4つの連通管201のうちのさらに他の1つの連通管201(第2-3連通管223)の内部流路202が流路の切り換えの対象となる第2熱交換器(例えば第2熱交換コア1B)の第2熱交換流路(例えば第2流路22)の一方端に接続されているものとし、残りの1つの連通管201(第2-4連通管224)の内部流路202が該第2熱交換器の第2熱交換流路の他方端に接続されているものとする。
なお、流路の切り換えの対象となる第1熱交換器及び第2熱交換は、第1熱交換流路を流れる流体と第2熱交換流路を流れる流体との間で熱交換可能に構成されているものとする。
【0103】
上記(6)の構成によれば、連通管201の軸方向AXにおけるチャンバ101に対する相対位置を変更することで、外部から第1流体を流入させる第1-1チャンバ111、及び、流体を外部へ排出される第1-2チャンバ112を変更することなく、第1熱交換器の第1熱交換流路における第1流体の流れ逆転させることができるとともに、第2熱交換器の第1熱交換流路における第1流体の流れ逆転させることができる。また、第1熱交換器の第1熱交換流路と2熱交換器の第1熱交換流路とを直列に接続することができるとともに、並列に接続することができる。
また、上記(6)の構成によれば、連通管201の軸方向AXにおけるチャンバ101に対する相対位置を変更することで、外部から第2流体を流入させる第2-1チャンバ121、及び、流体を外部へ排出される第2-2チャンバ122を変更することなく、第1熱交換器の第2熱交換流路における第2流体の流れ逆転させることができるとともに、第2熱交換器の第2熱交換流路における第2流体の流れ逆転させることができる。また、第1熱交換器の第2熱交換流路と2熱交換器の第2熱交換流路とを直列に接続することができるとともに、並列に接続することができる。
さらに、上記(6)の構成によれば、第1熱交換器の第2熱交換流路に第1流体を流通させること、及び、第1熱交換器の第2熱交換流路における第1流体の流れ逆転させることができる。
上記(6)の構成によれば、第1熱交換器の第1熱交換流路に第2流体を流通させること、及び、第1熱交換器の第1熱交換流路における第2流体の流れ逆転させることができる。
上記(6)の構成によれば、第2熱交換器の第2熱交換流路に第1流体を流通させること、及び、第2熱交換器の第2熱交換流路における第1流体の流れ逆転させることができる。
上記(6)の構成によれば、第2熱交換器の第1熱交換流路に第2流体を流通させること、及び、第2熱交換器の第1熱交換流路における第2流体の流れ逆転させることができる。
【0104】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、少なくとも4つの連通管201と、軸方向AXに沿って積層された少なくとも3つのチャンバ101と、をそれぞれ備える第1切換ユニット151及び第2切換ユニット152を備える。第1切換ユニット151及び第2切換ユニット152は、軸方向AXから見たときに互いに重複しない位置にそれぞれ配置される。
第1切換ユニット及び第2切換ユニットのそれぞれにおいて、上記少なくとも3つのチャンバ101は、上記少なくとも4つの連通管201がそれぞれ挿入される少なくとも4つの挿入孔102を有する。
第1切換ユニット151及び第2切換ユニット152のそれぞれにおいて、上記少なくとも4つの連通管201のそれぞれは、連通孔203と連通させる1つのチャンバ101を上記少なくとも3つのチャンバ101のうちの何れにするかをチャンバ101に対する相対位置によって選択可能に構成されている。
【0105】
上記(7)の構成において、第1切換ユニット151及び第2切換ユニット152のそれぞれにおける4つの連通管201と、3つのチャンバ101とに着目する。
第1切換ユニット151の3つのチャンバ101のうちの1つのチャンバ101(第1-1チャンバ111)に外部から第1流体が流入し、他の1つのチャンバ101(第1-2チャンバ112)内の流体が外部に流出するものとする。
また、第1切換ユニット151の4つの連通管201のうちの1つの連通管201(第1-1連通管211)の内部流路202が流路の切り換えの対象となる第1熱交換器(例えば第1熱交換コア1A)の第1熱交換流路(例えば第1流路21)の一方端に接続されているものとし、他の1つの連通管201(第1-2連通管212)の内部流路202が該第1熱交換器の第1熱交換流路の他方端に接続されているものとする。
さらに、第1切換ユニットの4つの連通管201のうちのさらに他の1つの連通管201(第1-3連通管213)の内部流路202が流路の切り換えの対象となる第2熱交換器(例えば第2熱交換コア1B)の第1熱交換流路(例えば第1流路21)の一方端に接続されているものとし、残りの1つの連通管201(第1-4連通管214)の内部流路202が該第2熱交換器の第1熱交換流路の他方端に接続されているものとする。
【0106】
同様に、第2切換ユニットの3つのチャンバ101のうちの1つのチャンバ101(第2-1チャンバ121)に外部から第2流体が流入し、他の1つチャンバ101(第2-2チャンバ122)内の流体が外部に流出するものとする。
また、第2切換ユニットの4つの連通管201のうちの1つの連通管201(第2-1連通管221)の内部流路202が流路の切り換えの対象となる第1熱交換器(例えば第1熱交換コア1A)の第2熱交換流路(例えば第2流路22)の一方端に接続されているものとし、他の1つの連通管201(第2-2連通管222)の内部流路202が該第1熱交換器の第2熱交換流路の他方端に接続されているものとする。
さらに、第2切換ユニットの4つの連通管201のうちのさらに他の1つの連通管201(第2-3連通管223)の内部流路202が流路の切り換えの対象となる第2熱交換器(例えば第2熱交換コア1B)の第2熱交換流路(例えば第2流路22)の一方端に接続されているものとし、残りの1つの連通管201(第2-4連通管224)の内部流路202が該第2熱交換器の第2熱交換流路の他方端に接続されているものとする。
なお、流路の切り換えの対象となる第1熱交換器及び第2熱交換は、第1熱交換流路を流れる流体と第2熱交換流路を流れる流体との間で熱交換可能に構成されているものとする。
【0107】
上記(7)の構成によれば、連通管201の軸方向AXにおけるチャンバ101に対する相対位置を変更することで、外部から第1流体を流入させる第1-1チャンバ111、及び、流体を外部へ排出される第1-2チャンバ112を変更することなく、第1熱交換器の第1熱交換流路における第1流体の流れ逆転させることができるとともに、第2熱交換器の第1熱交換流路における第1流体の流れ逆転させることができる。また、第1熱交換器の第1熱交換流路と2熱交換器の第1熱交換流路とを直列に接続することができるとともに、並列に接続することができる。
また、上記(7)の構成によれば、連通管201の軸方向AXにおけるチャンバ101に対する相対位置を変更することで、外部から第2流体を流入させる第2-1チャンバ121、及び、流体を外部へ排出される第2-2チャンバ122を変更することなく、第1熱交換器の第2熱交換流路における第2流体の流れ逆転させることができるとともに、第2熱交換器の第2熱交換流路における第2流体の流れ逆転させることができる。また、第1熱交換器の第2熱交換流路と2熱交換器の第2熱交換流路とを直列に接続することができるとともに、並列に接続することができる
【0108】
また、上記(7)の構成によれば、第1切換ユニット151及び第2切換ユニット152が軸方向AXから見たときに互いに重複しない位置にそれぞれ配置されるので、軸方向AXに沿った熱交換器用流路切換装置150の寸法を抑制できる。
【0109】
(8)幾つかの実施形態では、上記(3)乃至(7)の何れかの構成において、少なくとも2つのチャンバ101は、連通管201の相対位置に関わらず該チャンバ101の内部と外部との間で流体の流通が可能な開口部である流入部104a、104b及び排出部105a、105bを有する。
【0110】
上記(8)の構成によれば、少なくとも2つのチャンバ101における1つのチャンバ101に外部から流体を流入させることができるので、外部から熱交換器用流路切換装置50、150に供給された流体を流路の切り換えの対象となる熱交換器10の熱交換流路に供給できる。また、上記(8)の構成によれば、少なくとも2つのチャンバ101における他の1つのチャンバ101内の流体を外部に流出させることができるので、熱交換器10の熱交換流路から流出する流体を熱交換器用流路切換装置50、150の外部に排出できる。
【0111】
(9)幾つかの実施形態では、上記(3)乃至(8)の何れかの構成において、軸方向AXに沿って隣り合うチャンバ101同士の間には、断熱層107が設けられている。
【0112】
上記(9)の構成によれば、軸方向AXに沿って隣り合うチャンバ101間での望ましくない熱伝達を抑制して、熱交換効率の低下を抑制できる。
【0113】
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れかの構成において、少なくとも1つのチャンバ101における軸方向AXの寸法dは、軸方向AXと直交する方向の寸法W、Hよりも小さい。
【0114】
流路の切り換えの対象となる熱交換器では、例えば上述した幾つかの実施形態に係る熱交換コア1(熱交換器10)やプレート型の熱交換器等のように、構造上、熱交換流路の一方端及び他方端が比較的離れた位置に配置される場合がある。このような場合であっても、上記(10)の構成によれば、例えば2つ以上の連通管201が連通管201の軸方向AXと交差する方向に離れたとしても、熱交換器用流路切換装置50、150において軸方向AXの寸法を抑制できる。
【符号の説明】
【0115】
1 熱交換コア
2 本体部
10 熱交換器
21 第1流路
22 第2流路
50、150 熱交換器用流路切換装置
51、151 第1切換ユニット
52、152 第2切換ユニット
101 チャンバ
104a、104b 流入部
105a、105b 排出部
201 連通管
202 内部流路
203 連通孔
300 固定管
301 管壁
305 貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図15
図16