(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】トラバーサ型水平循環装置
(51)【国際特許分類】
B65G 35/08 20060101AFI20240118BHJP
B65G 54/02 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B65G35/08 A
B65G54/02
(21)【出願番号】P 2020085593
(22)【出願日】2020-05-15
【審査請求日】2022-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】向井 雅之
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-099192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 35/08
B65G 54/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ハウジングと、前記第1ハウジングに設けられた第1ケーブル接続口とを有し、搬送方向にコンベアテーブルを搬送する第1リニアコンベアモジュールと、
第2ハウジングと、前記第2ハウジングに設けられた第2ケーブル接続口とを有し、前記搬送方向に前記コンベアテーブルを搬送する第2リニアコンベアモジュールと、
前記第1リニアコンベアモジュールと前記第2リニアコンベアモジュールとの間で前記コンベアテーブルを移載する移載ユニットと
を備え、
前記搬送方向に直交する隣接方向において、前記第1リニアコンベアモジュールと前記第2リニアコンベアモジュールとは隣接し、
前記第1リニアコンベアモジュールは、前記第2リニアコンベアモジュールに対して前記隣接方向の一方側に配置され、
前記第2リニアコンベアモジュールは、前記第1リニアコンベアモジュールに対して前記隣接方向の他方側に配置され、
前記第1リニアコンベアモジュールでは、前記第1ハウジングの前記一方側の側面に前記第1ケーブル接続口が設けられ、
前記第2リニアコンベアモジュールでは、前記第2ハウジングの前記他方側の側面に前記第2ケーブル接続口が設けられ
、
前記第1リニアコンベアモジュールおよび前記第2リニアコンベアモジュールのそれぞれは、前記コンベアテーブルを同一の姿勢で保持しつつ前記搬送方向に搬送するトラバーサ型水平循環装置。
【請求項2】
前記コンベアテーブルは、可動子と、前記搬送方向に平行に配置されたリニアスケールとを有し、
前記第1リニアコンベアモジュールは、前記搬送方向に平行に配置された第1固定子と、
前記リニアスケールに対向する第1リニアセンサとを有し、
前記第1固定子は、前記可動子との間に生じる磁力によって前記コンベアテーブルを前記搬送方向に駆動し、
前記
第1リニアセンサは、
前記リニアスケールを読み取り、
前記第2リニアコンベアモジュールは、前記搬送方向に平行に配置された第2固定子と、
前記リニアスケールに対向する第2リニアセンサとを有し、
前記第2固定子は、前記可動子との間に生じる磁力によって前記コンベアテーブルを前記搬送方向に駆動し、
前記
第2リニアセンサは、
前記リニアスケールを読み取り、
前記第1固定子と前記第1リニアセンサとの前記隣接方向への配列と、前記第2固定子と前記第2リニアセンサとの前記隣接方向への配列とが同一である請求項1に記載のトラバーサ型水平循環装置。
【請求項3】
前記第1リニアコンベアモジュールは、前記第1リニアセンサが前記リニアスケールを読み取った結果に基づき前記第1固定子による前記コンベアテーブルの駆動を制御する、前記第1ハウジング内に配置された第1ドライバ基板をさらに有し、
前記第2リニアコンベアモジュールは、前記第2リニアセンサが前記リニアスケールを読み取った結果に基づき前記第2固定子による前記コンベアテーブルの駆動を制御する、前記第2ハウジング内に配置された第2ドライバ基板をさらに有し、
前記第1ドライバ基板と前記第2ドライバ基板とは同一の構成を有し、
前記第1ハウジングに保持される前記第1ドライバ基板の姿勢と、前記第2ハウジングに保持される前記第2ドライバ基板の姿勢とが同一である請求項2に記載のトラバーサ型水平循環装置。
【請求項4】
前記第1ケーブル接続口と前記第2ケーブル接続口とは同一の構成を有する請求項1ないし3のいずれか一項に記載のトラバーサ型水平循環装置。
【請求項5】
前記第1リニアコンベアモジュールは、前記第1ケーブル接続口に取り付けられたケーブルと電気的に接続されて、前記第1ハウジング内に配置された第1インターフェースユニットをさらに有し、
前記第2リニアコンベアモジュールは、前記第2ケーブル接続口に取り付けられたケーブルと電気的に接続されて、前記第2ハウジング内に配置された第2インターフェースユニットをさらに有し、
前記第1インターフェースユニットは、前記第1ハウジングの前記隣接方向の両側面のうち、前記一方側の側面に偏って配置され、
前記第2インターフェースユニットは、前記第2ハウジングの前記隣接方向の両側面のうち、前記他方側の側面に偏って配置される請求項1ないし4のいずれか一項に記載のトラバーサ型水平循環装置。
【請求項6】
前記第1インターフェースユニットと前記第2インターフェースユニットとは、同一の構成を有し、
前記第1ハウジングに保持される前記第1インターフェースユニットの姿勢と、前記第2ハウジングに保持される前記第2インターフェースユニットの姿勢とが反転している請求項5に記載のトラバーサ型水平循環装置。
【請求項7】
前記第1インターフェースユニットには、前記第1ケーブル接続口に取り付けられたケーブルから外部電源が入力され、
前記第1リニアコンベアモジュールは、前記第1インターフェースユニットから供給された前記外部電源から内部電源を生成する、前記第1ハウジング内に配置された第1電源基板をさらに有し、
前記第2インターフェースユニットには、前記第2ケーブル接続口に取り付けられたケーブルから外部電源が入力され、
前記第2リニアコンベアモジュールは、前記第1インターフェースユニットから供給された前記外部電源から内部電源を生成する、前記第2ハウジング内に配置された第2電源基板をさらに有し、
前記第1ハウジングでは、前記第1インターフェースユニットの前記他方側に前記第1電源基板が配置され、
前記第2ハウジングでは、前記第2インターフェースユニットの前記一方側に前記第2電源基板が配置される請求項5または6に記載のトラバーサ型水平循環装置。
【請求項8】
前記第1電源基板と前記第2電源基板とは、同一の構成を有し、
前記第1ハウジングに保持される前記第1電源基板の姿勢と、前記第2ハウジングに保持される前記第2電源基板の姿勢とが反転している
請求項7のいずれか一項に記載のトラバーサ型水平循環装置。
【請求項9】
前記第2ハウジングの前記他方側の側面には、前記第2ハウジングの前記搬送方向の両端を接続するように前記搬送方向に平行に延設された直線が設けられ、
前記第1ハウジングの前記一方側の側面には、前記直線が設けられていない請求項1ないし8のいずれか一項に記載のトラバーサ型水平循環装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに並列に配置された複数のリニアコンベアモジュールが水平方向に隣接する構成を具備して、複数のリニアコンベアモジュールの間でコンベアテーブルを移載することでコンベアテーブルを循環搬送するトラバーサ型水平循環装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンベアテーブルを水平循環する装置として、特許文献1に記載のオーバル型水平循環装置や、特許文献2に記載のトラバーサ型水平循環装置が存在する。これらの装置はいずれも、並列に配置された2台のリニアコンベアモジュールと、これらリニアコンベアモジュールの両端に配置された移載ユニットとを備え、移載ユニットが2台のリニアコンベアモジュールの間でコンベアテーブルを移載する。
【0003】
オーバル型の移載ユニットは、半円状のカーブに沿ってコンベアテーブルを搬送することで、コンベアテーブルの姿勢を反転させつつコンベアテーブルを移載する。トラバーサ型の移載ユニットは、2台のリニアコンベアモジュールにそれぞれ対向する2個の受渡位置の間で移動する可動リニアコンベアを有する。この移載ユニットは、各受渡位置においてリニアコンベアモジュールと可動リニアコンベアとの間でコンベアテーブルを受け渡すことで、コンベアテーブルの姿勢を維持しつつコンベアテーブルを移載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】WO2018/139098号公報
【文献】JP5753060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オーバル型では、半円状のカーブを設けるために、2台のリニアコンベアモジュールの間に十分な間隔を空ける必要がある。これに対して、トラバーサ型では、かかる間隔が必要ないため、2台のリニアコンベアモジュールを近接して配置することができ、広い設置スペースを要しないといった利点がある。ただし、各リニアコンベアモジュールに対しては電源あるいは信号を入力するケーブルが接続される。そのため、2台のリニアコンベアモジュールの間にケーブルを配置するためのスペースが必要になって、2台のリニアコンベアモジュールをさらに近接して配置できなかった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、トラバーサ型水平循環装置のリニアコンベアモジュールの近接配置を可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るトラバーサ型水平循環装置は、第1ハウジングと、第1ハウジングに設けられた第1ケーブル接続口とを有し、搬送方向にコンベアテーブルを搬送する第1リニアコンベアモジュールと、第2ハウジングと、第2ハウジングに設けられた第2ケーブル接続口とを有し、搬送方向にコンベアテーブルを搬送する第2リニアコンベアモジュールと、第1リニアコンベアモジュールと第2リニアコンベアモジュールとの間でコンベアテーブルを移載する移載ユニットとを備え、搬送方向に直交する隣接方向において、第1リニアコンベアモジュールと第2リニアコンベアモジュールとは隣接し、第1リニアコンベアモジュールは、第2リニアコンベアモジュールに対して隣接方向の一方側に配置され、第2リニアコンベアモジュールは、第1リニアコンベアモジュールに対して隣接方向の他方側に配置され、第1リニアコンベアモジュールでは、第1ハウジングの一方側の側面に第1ケーブル接続口が設けられ、第2リニアコンベアモジュールでは、第2ハウジングの他方側の側面に第2ケーブル接続口が設けられる。
【0008】
このように構成された本発明(トラバーサ型水平循環装置)では、隣接方向において、第1リニアコンベアモジュールが一方側に配置され、第2リニアコンベアモジュールが他方側に配置される。そして、第1リニアコンベアモジュールでは、第1ハウジングの一方側の側面に第1ケーブル接続口が設けられ、第2リニアコンベアモジュールでは、第2ハウジングの他方側の側面に第2ケーブル接続口が設けられる。つまり、隣接方向に並ぶ第1および第2リニアコンベアモジュールの外側に第1および第2ケーブル接続口が設けられる。したがって、隣接方向に並ぶ第1および第2リニアコンベアモジュールの内側に対してはケーブルが接続されないため、第1リニアコンベアモジュールと第2リニアコンベアモジュールとの間にケーブルを配置するスペースを空ける必要がない。その結果、これらのリニアコンベアモジュールを近接して配置することが可能となっている。
【0009】
また、コンベアテーブルは、可動子と、搬送方向に平行に配置されたリニアスケールとを有し、第1リニアコンベアモジュールは、搬送方向に平行に配置された第1固定子と、リニアスケールに対向する第1リニアセンサとを有し、第1固定子は、可動子との間に生じる磁力によってコンベアテーブルを搬送方向に駆動し、リニアセンサは、第1リニアスケールを読み取り、第2リニアコンベアモジュールは、搬送方向に平行に配置された第2固定子と、リニアスケールに対向する第2リニアセンサとを有し、第2固定子は、可動子との間に生じる磁力によってコンベアテーブルを搬送方向に駆動し、リニアセンサは、第2リニアスケールを読み取り、第1固定子と第1リニアセンサとの隣接方向への配列と、第2固定子と第2リニアセンサとの隣接方向への配列とが同一であるように、トラバーサ型水平循環装置を構成してもよい。かかる構成では、第1リニアコンベアモジュールおよび第2リニアコンベアモジュールのそれぞれは、コンベアテーブルを同一の姿勢で保持しつつ搬送方向に適切に搬送することができる。
【0010】
また、第1リニアコンベアモジュールは、第1リニアセンサがリニアスケールを読み取った結果に基づき第1固定子によるコンベアテーブルの駆動を制御する、第1ハウジング内に配置された第1ドライバ基板をさらに有し、第2リニアコンベアモジュールは、第2リニアセンサがリニアスケールを読み取った結果に基づき第2固定子によるコンベアテーブルの駆動を制御する、第2ハウジング内に配置された第2ドライバ基板をさらに有し、第1ドライバ基板と第2ドライバ基板とは同一の構成を有し、第1ハウジングに保持される第1ドライバ基板の姿勢と、第2ハウジングに保持される第2ドライバ基板の姿勢とが同一である。かかる構成では、リニアモータを構成する固定子を制御するドライバ基板を、第1リニアコンベアモジュールと第2リニアコンベアモジュールとの間で共通化することができる。
【0011】
また、第1ケーブル接続口と第2ケーブル接続口とは同一の構成を有するように、トラバーサ型水平循環装置を構成してもよい。かかる構成では、ケーブル接続口に取り付けられる部分の構成を、第1リニアコンベアモジュールに接続されるケーブルと第2リニアコンベアモジュールに接続されるケーブルとの間で共通化することができる。
【0012】
また、第1リニアコンベアモジュールは、第1ケーブル接続口に取り付けられたケーブルと電気的に接続されて、第1ハウジング内に配置された第1インターフェースユニットをさらに有し、第2リニアコンベアモジュールは、第2ケーブル接続口に取り付けられたケーブルと電気的に接続されて、第2ハウジング内に配置された第2インターフェースユニットをさらに有し、第1インターフェースユニットは、第1ハウジングの隣接方向の両側面のうち、一方側の側面に偏って配置され、第2インターフェースユニットは、第2ハウジングの隣接方向の両側面のうち、他方側の側面に偏って配置されるように、トラバーサ型水平循環装置を構成してもよい。かかる構成では、第1ケーブル接続口に取り付けられたケーブルに第1インターフェースユニットを近接して配置することができ、第2ケーブル接続口に取り付けられたケーブルに第2インターフェースユニットを近接して配置することができる。
【0013】
また、第1インターフェースユニットと第2インターフェースユニットとは、同一の構成を有し、第1ハウジングに保持される第1インターフェースユニットの姿勢と、第2ハウジングに保持される第2インターフェースユニットの姿勢とが反転しているように、トラバーサ型水平循環装置を構成してもよい。かかる構成では、ケーブルと電気的に接続されるインターフェースユニットを、第1リニアコンベアモジュールと第2リニアコンベアモジュールとの間で共通化することができる。
【0014】
また、第1インターフェースユニットには、第1ケーブル接続口に取り付けられたケーブルから外部電源が入力され、第1リニアコンベアモジュールは、第1インターフェースユニットから供給された外部電源から内部電源を生成する、第1ハウジング内に配置された第1電源基板をさらに有し、第2インターフェースユニットには、第2ケーブル接続口に取り付けられたケーブルから外部電源が入力され、第2リニアコンベアモジュールは、第1インターフェースユニットから供給された外部電源から内部電源を生成する、第2ハウジング内に配置された第2電源基板をさらに有し、第1ハウジングでは、第1インターフェースユニットの他方側に第1電源基板が配置され、第2ハウジングでは、第2インターフェースユニットの一方側に第2電源基板が配置されるように、トラバーサ型水平循環装置を構成してもよい。かかる構成では、第1・第2リニアコンベアモジュールの第1・第2ハウジング内において、ケーブルが接続される接続口に近接してインターフェースユニットを配置できるとともに、インターフェースユニットより内側を電源基板の配置に利用できる。したがって、第1・第2リニアコンベアモジュールの小型化を図ることが可能となる。
【0015】
また、第1電源基板と第2電源基板とは、同一の構成を有し、第1ハウジングに保持される第1電源基板の姿勢と、第2ハウジングに保持される第2電源基板の姿勢とが反転しているように、トラバーサ型水平循環装置を構成してもよい。かかる構成では、ケーブルから入力された外部電源から内部電源を生成する電源基板を、第1リニアコンベアモジュールと第2リニアコンベアモジュールとの間で共通化することができる。
【0016】
また、第2ハウジングの他方側の側面には、第2ハウジングの搬送方向の両端を接続するように搬送方向に平行に延設された直線が設けられ、第1ハウジングの一方側の側面には、直線が設けられていないように、トラバーサ型水平循環装置を構成してもよい。かかる構成では、複数の第1リニアコンベアモジュールを直列に並べるとともに複数の第2リニアコンベアモジュールを直列に並べて長尺化を図るにあたって、隣接するリニアモジュールの直線の有無を確認することで、異なる種類(第1・第2)のリニアモジュールが誤って混在するのを防止できる。
【0017】
なお、配列が同一であるとは、配列順序および配列間隔が同一であること意味する。構成が同一であるとは、同一の形状および同一の寸法であることを意味する。姿勢とは、三次元直交座標の各軸に対する回転角度を意味する。姿勢が同一であるとは、三次元直交座標の各軸に対する回転角度が同一であることを意味し、姿勢が同一である2個の対象物は、並進操作のみによって重ね合わせることができる。姿勢が反転した2個の対象物は、回転操作と並進操作の組み合わせあるいは回転操作のみによって重ね合わせることができる。例えば、Z方向からの平面視で姿勢が反転した2個の対象物は、Z方向に平行な軸に対する180度の回転操作と並進操作の組み合わせあるいは当該回転操作のみによって重ね合わせることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、トラバーサ型水平循環装置のリニアコンベアモジュールの近接配置が可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係るトラバーサ型水平循環装置を模式的に示す平面図。
【
図2A】一方側に配置されたコンベアラインを構成するリニアコンベアモジュールの外観構成を示す斜視図。
【
図2B】他方側に配置されたコンベアラインを構成するリニアコンベアモジュールの外観構成を示す斜視図。
【
図3A】一方側に配置されたコンベアラインを構成するリニアコンベアモジュールの断面図。
【
図3B】他方側に配置されたコンベアラインを構成するリニアコンベアモジュールの断面図。
【
図4A】一方側に配置されたコンベアラインを構成するリニアコンベアモジュールの側面の構成を模式的に示す一方側面図。
【
図4B】他方側に配置されたコンベアラインを構成するリニアコンベアモジュールの側面の構成を模式的に示す他方側面図。
【
図5】リニアコンベアラインのリニアコンベアモジュールの内側の構成を模式的に示す内部平面図。
【
図6】短尺のリニアコンベアモジュールで使用されるインターフェースユニットの一例を示す斜視図。
【
図7A】長尺のリニアコンベアモジュールで使用されるインターフェースユニットの一例を示す斜視図。
【
図7B】長尺のリニアコンベアモジュールで使用されるインターフェースユニットの一例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は本発明に係るトラバーサ型水平循環装置を模式的に示す平面図である。本明細書では、水平方向であるX方向、X方向に直交する水平方向であるY方向および鉛直方向であるZ方向を適宜示して説明を行う。さらに、Y方向の一方側Yaと他方側Yb(一方側Yaの逆側)を適宜示す。
図1に示すように、トラバーサ型水平循環装置1は、複数のコンベアテーブル10を循環搬送する構成を備える。コンベアテーブル10には、例えばトラバーサ型水平循環装置1が設置される工場での作業対象となるワークを載置することができる。
【0021】
トラバーサ型水平循環装置1は、X方向に平行に配置された2個のコンベアラインLa、Lbを備える。コンベアラインLa、LbはY方向に隣接しており、コンベアラインLaはコンベアラインLbの一方側Yaに位置し、コンベアラインLbはコンベアラインLaの他方側Ybに位置する。つまり、コンベアラインLaおよびコンベアラインLbは並列に配置されている。これらコンベアラインLa、Lbは、X方向に等しい長さを有し、Y方向からの側面視において互いに重複する。
【0022】
コンベアラインLa、Lbのそれぞれには、コンベアテーブル10がX方向の端から係合・離脱することができ、コンベアラインLa、Lbは、それぞれに係合するコンベアテーブル10をリニアモータによってX方向に駆動する。具体的には、コンベアテーブル10は永久磁石である可動子を有し、コンベアラインLa、Lbはコイルである固定子を有する。そして、コンベアラインLa、Lbは可動子と固定子との間に生じる磁力によってコンベアテーブル10を駆動する。
【0023】
さらに、トラバーサ型水平循環装置1は、X方向において、コンベアラインLa、Lbの両側に配置されたコンベアテーブル移載ユニット2を備える。各コンベアテーブル移載ユニット2は、コンベアラインLaからコンベアラインLbへコンベアテーブル10を移載し、コンベアラインLbからコンベアラインLaへコンベアテーブル10を移載する。
【0024】
このコンベアテーブル移載ユニット2は、X方向に平行に配置されたリニアコンベアモジュール21を備える。リニアコンベアモジュール21には、コンベアテーブル10がX方向の端から係合・離脱することができ、リニアコンベアモジュール21は、それに係合するコンベアテーブル10をリニアモータによってX方向に駆動する。
【0025】
また、コンベアテーブル移載ユニット2は、Y方向に平行に配置された単軸ロボット22を有し、リニアコンベアモジュール21は、単軸ロボット22によってY方向に移動可能に支持されている。この単軸ロボット22は、リニアコンベアモジュール21をY方向に駆動することで、コンベアラインLaにX方向から対向する対向位置Paと、コンベアラインLbにX方向から対向する対向位置Pbとの間でリニアコンベアモジュール21を移動させる。対向位置Paに位置するリニアコンベアモジュール21とコンベアラインLaとは、X方向に並んで、コンベアテーブル10を互いに受け渡すことができ、対向位置Pbに位置するリニアコンベアモジュール21とコンベアラインLbとは、X方向に並んで、コンベアテーブル10を互いに受け渡すことができる。
【0026】
かかるコンベアテーブル移載ユニット2によれば、コンベアラインLaからコンベアラインLbへのコンベアテーブル10への移載を次のように実行できる。まず、コンベアテーブル移載ユニット2は、単軸ロボット22によってリニアコンベアモジュール21を対向位置Paに位置させる。そして、コンベアラインLaから対向位置Paのリニアコンベアモジュール21にコンベアテーブル10が移動する。次に、コンベアテーブル移載ユニット2は、単軸ロボット22によって対向位置Paから対向位置Pbにリニアコンベアモジュール21を移動させる。最後に、対向位置Pbのリニアコンベアモジュール21からコンベアラインLbにコンベアテーブル10が移動する。こうして、コンベアテーブル10の移載が完了する。なお、これと逆の動作を実行することで、コンベアラインLbからコンベアラインLaへコンベアテーブル10を移載することができる。かかるトラバーサ型水平循環装置1では、コンベアテーブル10を循環的に搬送することができる。
【0027】
また、
図1に示すように、コンベアラインLaは、X方向に直列に配列された複数のリニアコンベアモジュール3aを有し、コンベアラインLbは、X方向に直列に配列された複数のリニアコンベアモジュール3bを有する。これらリニアコンベアモジュール3a、3bは、次に詳述する構成をそれぞれ具備する。
【0028】
図2Aは一方側に配置されたコンベアラインを構成するリニアコンベアモジュールの外観構成を示す斜視図であり、
図2Bは他方側に配置されたコンベアラインを構成するリニアコンベアモジュールの外観構成を示す斜視図であり、
図3Aは一方側に配置されたコンベアラインを構成するリニアコンベアモジュールの断面図であり、
図3Bは他方側に配置されたコンベアラインを構成するリニアコンベアモジュールの断面図であり、
図4Aは一方側に配置されたコンベアラインを構成するリニアコンベアモジュールの側面の構成を模式的に示す一方側面図であり、
図4Bは他方側に配置されたコンベアラインを構成するリニアコンベアモジュールの側面の構成を模式的に示す他方側面図であり、
図5はリニアコンベアラインのリニアコンベアモジュールの内側の構成を模式的に示す内部平面図である。
図2A、
図2B、
図4A、
図4Bおよび
図5では、X方向に隣接する2個のリニアコンベアモジュールが示されている。
【0029】
先ずは、リニアコンベアモジュール3a、3bの共通する構成について説明する。リニアコンベアモジュール3a、3bは、リニアハウジング31を備える。リニアハウジング31は、X方向に延設されたメインハウジング32を有する。このメインハウジング32は、Y方向に間隔を空けて配置された2枚の側壁板321、322を有し、側壁板321は側壁板322の一方側Yaに配置され、側壁板322は側壁板321の他方側Ybに配置されている。側壁板321、322は、X方向に平行に延設された平板であり、Z方向に平行に立設されている。また、メインハウジング32は、2枚の側壁板321、322の上端を接続する天板323を有する。天板323は、X方向およびY方向に平行な平板である。このように、メインハウジング32は、Y方向から2枚の側壁板321、322に挟まれるとともにZ方向の上側から天板323によって覆われる収容空間324を有する。この収容空間324には、後述するリニアコンベアモジュール3a、3bの電装系が収容される。
【0030】
さらに、リニアハウジング31は、メインハウジング32の下端から側方(Y方向)に突出するフランジ33を有する。このフランジ33は、メインハウジング32のY方向の両端から延設されている。メインハウジング32およびフランジ33それぞれの底面は面一であり、リニアコンベアモジュール3a、3bの底面を構成する。そして、フランジ33がX方向に並ぶ複数の締結個所で締結部材(ネジ)によって設置台に締結される。これによって、リニアコンベアモジュール3a、3bは設置台に固定される。
【0031】
リニアコンベアモジュール3a、3bは、リニアハウジング31に上方から対向するリニアカバー35を備える。このリニアカバー35は、メインハウジング32の天板323を上方から覆う。なお、
図2Aおよび
図2Bでは、右下のリニアコンベアモジュール3a、3bのリニアカバー35が取り外された状態が示されている。リニアカバー35はX方向に延設されており、コンベアテーブル10は、X方向において、リニアカバー35の両端から外嵌・離脱することができる。そして、テーブルガイド53に外嵌したコンベアテーブル10は、リニアカバー35に沿ってX方向へ移動する。
【0032】
また、リニアコンベアモジュール3a、3bは、メインハウジング32の天板323に対してリニアカバー35を支持する複数の支柱36を備える。複数の支柱36は、X方向に間隔を空けて一列に配列されている。各支柱36は、メインハウジング32の天板323の上面からZ方向に立設された平板であり、各支柱36の上端にリニアカバー35が締結されている。
【0033】
さらに、リニアコンベアモジュール3a、3bは、複数のリニアセンサ37を備える。複数のリニアセンサ37は、X方向に間隔を空けて一列に配列され、メインハウジング32の天板323の上面では、支柱36とリニアセンサ37とがX方向に交互に並ぶ。つまり、各リニアセンサ37は、2個の支柱36の間に配置される。各リニアセンサ37は磁気センサである。
【0034】
また、リニアコンベアモジュール3a、3bは、メインハウジング32の天板323とリニアカバー35との間に配置されたリニアモータ固定子38を備える。リニアモータ固定子38は、X方向に配列された複数のコイルを有し、コンベアテーブル10に設けられたリニアモータ可動子(永久磁石)とコイルとの間に生じる磁力によってコンベアテーブル10をX方向に駆動する。このリニアモータ固定子38は、メインハウジング32の天板323の上面においてX方向に平行に延設される。
【0035】
リニアコンベアモジュール3a、3bでは、複数のリニアセンサ37に対応して複数のリニアモータ固定子38が設けられており、互いに対応するリニアセンサ37とリニアモータ固定子38とはY方向において対向する。つまり、リニアモータ固定子38はリニアセンサ37の一方側Yaに位置し、リニアセンサ37はリニアモータ固定子38の他方側Ybに位置する。かかるリニアセンサ37とリニアモータ固定子38とのY方向における配列は、リニアコンベアモジュール3aとリニアコンベアモジュール3bとで同一である。
【0036】
また、リニアコンベアモジュール3a、3bは、メインハウジング32とリニアカバー35との間に配置された一対の直動案内レール39を有する。一対の直動案内レール39は、メインハウジング32の天板323の上面にY方向に間隔を空けて配置され、当該上面のY方向の両端に取り付けられている。つまり、上述の支柱36、リニアセンサ37およびリニアモータ固定子38は、Y方向において一対の直動案内レール39の間に配置される。各直動案内レール39はX方向に平行に延設されており、コンベアテーブル10は、各直動案内レール39のX方向の両端に対して係合・離脱することができる。そして、各直動案内レール39に係合するコンベアテーブル10の移動は、各直動案内レール39によってX方向に案内される。
【0037】
図2Aおよび
図3Aに示されるように、コンベアテーブル10は、リニアカバー35に上側から対向する載置板11を有する。載置板11は、X方向およびY方向に平行に配置された平板である。また、コンベアテーブル10は、リニアコンベアモジュール3a、3bの一対の直動案内レール39に対応する一対のスライダ12を有する。一対のスライダ12は一対の直動案内レール39に係合し、一対の直動案内レール39によってX方向に案内されつつ移動する。また、コンベアテーブル10は、載置板11のY方向の両端に対して設けられた一対の支持フレーム13を有する。一対の支持フレーム13には一対のスライダ12が取り付けられており、支持フレーム13はスライダ12に対して載置板11を支持する。
【0038】
さらに、コンベアテーブル10は、リニアモータ固定子38に対応して設けられたリニアモータ可動子14を有する。リニアモータ可動子14は永久磁石を有し、一対の支持フレーム13のうちの一方側Yaの支持フレーム13に取り付けられている。また、コンベアテーブル10は、リニアセンサ37に対して設けられたリニアスケール15を有する。リニアスケール15は磁気スケールであり、一対の支持フレーム13のうちの他方側Ybの支持フレーム13に取り付けられている。こうして、リニアモータ可動子14とリニアスケール15とはY方向に間隔を空けて配置され、リニアモータ可動子14はリニアスケール15の一方側Yaに配置され、リニアスケール15はリニアモータ可動子14の他方側Ybに配置される。
【0039】
コンベアテーブル10がリニアコンベアモジュール3a、3bに係合した状態では、リニアモータ可動子14がリニアモータ固定子38に対してY方向の両側およびZ方向の上側から対向し、リニアスケール15がリニアセンサ37に対してY方向の他方側Ybから対向する。そして、リニアモータ固定子38は、リニアモータ可動子14との間に生じる磁力によってコンベアテーブル10を駆動し、リニアセンサ37は、対向するリニアスケール15(換言すれば、対応するリニアモータ固定子38によって駆動されるコンベアテーブル10のリニアスケール15)を読み取ることでコンベアテーブル10の位置を検出する。
【0040】
図3A、
図3Bおよび
図5に示すように、リニアコンベアモジュール3a、3bの収容空間324では、複数のドライバ基板41がX方向に一列に並んでいる。これら複数のドライバ基板41は、複数のリニアセンサ37に対応するとともに、複数のリニアモータ固定子38に対応する。各ドライバ基板41は、メインハウジング32の収容空間324の天井(換言すれば、天板323の下面)に例えばネジ等によって取り付けられており、X方向およびY方向に平行に支持されたプリント基板と、当該プリント基板に搭載された電子部品とで構成される。かかるドライバ基板41の構成は、リニアコンベアモジュール3aとリニアコンベアモジュール3bとで同一である。したがって、ドライバ基板41は、リニアコンベアモジュール3aおよびリニアコンベアモジュール3bとで共通して使用可能である。
【0041】
メインハウジング32の天板323は、リニアセンサ37、リニアモータ固定子38およびドライバ基板41をX方向からの正面視において所定の相対的位置関係で支持する。こうして支持されたドライバ基板41は、対応するリニアセンサ37によって検出されたコンベアテーブル10の位置に応じて、対応するリニアモータ固定子38のコイルに流す電流を調整することで、コンベアテーブル10の位置を制御する。
【0042】
なお、上述の通り、リニアセンサ37およびリニアモータ固定子38との配列は、リニアコンベアモジュール3aとリニアコンベアモジュール3bとで同一である。これに対して、ドライバ基板41は、リニアセンサ37およびリニアモータ固定子38と所定の位置関係を有するように天板323に取り付けられている。リニアセンサ37およびリニアモータ固定子38に対するドライバ基板41の位置関係は、リニアコンベアモジュール3aとリニアコンベアモジュール3bとで同一である。そのため、天板323によって支持されるドライバ基板41の姿勢は、リニアコンベアモジュール3aとリニアコンベアモジュール3bとで同一である。
【0043】
以上がリニアコンベアモジュール3a、3bに共通する構成である。次にリニアコンベアモジュール3a、3bによって異なる構成について説明する。リニアコンベアモジュール3a、3bに対しては、電源ケーブル接続口51と、信号ケーブル接続口52とが設けられている。リニアコンベアモジュール3aでは、一方側Yaの側壁板321において、電源ケーブル接続口51および信号ケーブル接続口52が開口し、リニアコンベアモジュール3bでは、他方側Ybの側壁板322に電源ケーブル接続口51および信号ケーブル接続口52が開口する。このように、リニアコンベアモジュール3aとリニアコンベアモジュール3bとでは、電源ケーブル接続口51および信号ケーブル接続口52の場所が、側壁板321と側壁板322とで異なる。
【0044】
リニアコンベアモジュール3aの側壁板321では、X方向の両端部に2個の信号ケーブル接続口52が設けられ、これら信号ケーブル接続口52の間に2個の電源ケーブル接続口51がX方向に並ぶ。また、リニアコンベアモジュール3bの側壁板322では、X方向の両端部に2個の信号ケーブル接続口52が設けられ、これら信号ケーブル接続口52の間に2個の電源ケーブル接続口51がX方向に並ぶ。
【0045】
ちなみに、電源ケーブル接続口51の構成は、リニアコンベアモジュール3aとリニアコンベアモジュール3bとで同一であり、信号ケーブル接続口52の構成は、リニアコンベアモジュール3aとリニアコンベアモジュール3bとで同一である。ただし、上述の通り、これらの場所は異なる。そのため、Z方向からの平面視において(換言すれば、Z方向に平行な軸に関して)、リニアコンベアモジュール3aの電源ケーブル接続口51の姿勢と、リニアコンベアモジュール3bの電源ケーブル接続口51の姿勢とは互いに反転しており、リニアコンベアモジュール3aの信号ケーブル接続口52の姿勢と、リニアコンベアモジュール3bの信号ケーブル接続口52の姿勢とは互いに反転している。
【0046】
また、リニアコンベアモジュール3a、3bの収容空間324では、インターフェースユニット43が配置されている。このインターフェースユニット43は、電源ケーブル接続口51および信号ケーブル接続口52のそれぞれに差し込まれたケーブルと電気的に接続される。つまり、インターフェースユニット43には、電源ケーブル接続口51に差し込まれた電源ケーブルから外部電源が入力されるとともに、信号ケーブル接続口52に差し込まれた信号ケーブルCsから制御信号が入力される。インターフェースユニット43は、電源ケーブルから入力された外部電源を後述する電源基板47に供給するとともに、信号ケーブルCsから入力された制御信号をドライバ基板41に送信する。そして、ドライバ基板41は、制御信号が示す指令(例えば、位置指令)に従ってリニアモータ固定子38を制御する。
【0047】
リニアコンベアモジュール3aでは、側壁板321および側壁板322のうち、一方側Yaの側壁板321に偏ってインターフェースユニット43が配置される。こうして、インターフェースユニット43は、側壁板321に近接して配置される。そして、インターフェースユニット43は、Z方向およびX方向に平行な側壁板321の内壁面にネジ等によって取り付けられている。
【0048】
リニアコンベアモジュール3bでは、側壁板321および側壁板322のうち、他方側Ybの側壁板322に偏ってインターフェースユニット43が配置される。こうして、インターフェースユニット43は、側壁板322に近接して配置される。そして、インターフェースユニット43は、Z方向およびX方向に平行な側壁板322の内壁面にネジ等によって取り付けられている。
【0049】
インターフェースユニット43は、Z方向およびX方向に平行に支持されたプリント基板と、当該プリント基板に搭載された電子部品とで構成される。かかるインターフェースユニット43としては、後述するように複数の種類のインターフェースユニット43を用いることができる。この際、リニアコンベアモジュール3a、3bとで同一の種類のインターフェースユニット43、すなわち同一の構成のインターフェースユニット43は共用することができる。
【0050】
例えば
図3Aおよび
図3Bでは、同一の構成のインターフェースユニット43が示されている。また、これらインターフェースユニット43の姿勢は互いに反転している。すなわち、Z方向からの平面視において、リニアコンベアモジュール3aのインターフェースユニット43の姿勢と、リニアコンベアモジュール3bのインターフェースユニット43の姿勢とは互いに反転している。
【0051】
インターフェースユニット43は、電源ケーブル接続口51に対応して電源コネクタ431を有する。リニアコンベアモジュール3aの側壁板321に取り付けられたインターフェースユニット43の電源コネクタ431は、側壁板321の電源ケーブル接続口51を介して一方側Yaに露出する。側壁板321の電源ケーブル接続口51に一方側Ya側から差し込まれた電源ケーブルは、一方側Yaに露出する電源コネクタ431に係合して、インターフェースユニット43に電気的に接続される。こうして、電源ケーブルが電源ケーブル接続口51に一方側Yaから取り付けられる。
【0052】
また、リニアコンベアモジュール3bの側壁板322に取り付けられたインターフェースユニット43の電源コネクタ431は、側壁板322の電源ケーブル接続口51を介して他方側Ybに露出する。側壁板322の電源ケーブル接続口51に他方側Ybから差し込まれた電源ケーブルは、他方側Ybに露出する電源コネクタ431に係合して、インターフェースユニット43に電気的に接続される。こうして、電源ケーブルが電源ケーブル接続口51に他方側Ybから取り付けられる。
【0053】
さらに、インターフェースユニット43は、信号ケーブル接続口52に対応して信号コネクタ432を有する。リニアコンベアモジュール3aの側壁板321に取り付けられたインターフェースユニット43の信号コネクタ432は、側壁板321の信号ケーブル接続口52を介して一方側Yaに露出する。側壁板321の信号ケーブル接続口52に一方側Ya側から差し込まれた信号ケーブルCsは、一方側Yaに露出する信号コネクタ432に係合して、インターフェースユニット43に電気的に接続される。こうして、信号ケーブルCsが信号ケーブル接続口51に一方側Yaから取り付けられる。
【0054】
また、リニアコンベアモジュール3bの側壁板322に取り付けられたインターフェースユニット43の信号コネクタ432は、側壁板322の信号ケーブル接続口52を介して他方側Ybに露出する。側壁板322の信号ケーブル接続口52に他方側Ybから差し込まれた信号ケーブルCsは、他方側Ybに露出する信号コネクタ432に係合して、インターフェースユニット43に電気的に接続される。こうして、信号ケーブルCsが信号ケーブル接続口51に他方側Ybから取り付けられる。
【0055】
ちなみに、信号ケーブル接続口52に対しては、信号ケーブルCs以外に、ブリッジケーブルCb(
図2B)を取り付けることができる。このブリッジケーブルCbは、X方向に隣接する2個のリニアコンベアモジュール3bそれぞれの信号ケーブル接続口52に対して取り付けられ、これらリニアコンベアモジュール3bそれぞれのインターフェースユニット43を電気的に接続する。
【0056】
また、リニアコンベアモジュール3a、3bの収容空間324では、電源基板47が配置されている。この電源基板47は、インターフェースユニット43から供給された外部電源から内部電源を生成して、この内部電源をドライバ基板41に供給する。ドライバ基板41は、電源基板47から供給された内部電源によって、上述の要領でコンベアテーブル10の駆動を実行する。
【0057】
リニアコンベアモジュール3aの収容空間324では、Y方向においてインターフェースユニット43の他方側Ybに電源基板47が配置される。また、電源基板47は、ドライバ基板41の下側に位置する。そして、電源基板47は、側壁板322の内壁面にネジ等によって取り付けられている。
【0058】
リニアコンベアモジュール3bの収容空間324では、Y方向においてインターフェースユニット43の一方側Yaに電源基板47が配置される。また、電源基板47は、ドライバ基板41の下側に位置する。そして、電源基板47は、側壁板321の内壁面にネジ等によって取り付けられている。
【0059】
電源基板47は、X方向およびY方向に平行に支持されたプリント基板と、当該プリント基板に搭載された電子部品とで構成される。リニアコンベアモジュール3aの電源基板47と、リニアコンベアモジュール3bの電源基板47とは同一の構成を有する。ただし、電源基板47の姿勢は、リニアコンベアモジュール3aとリニアコンベアモジュール3bとで反転している。すなわち、Z方向からの平面視において、リニアコンベアモジュール3aの電源基板47の姿勢と、リニアコンベアモジュール3bの電源基板47の姿勢とは互いに反転している。
【0060】
以上がリニアコンベアモジュール3aとリニアコンベアモジュール3bとの主な違いである。ところで、上述のように、複数のリニアコンベアモジュール3aを直列に並べてコンベアラインLaを構成し、複数のリニアコンベアモジュール3bを直列に並べてコンベアラインLbを構成することができる。
図4Bに示すように、リニアコンベアモジュール3bの他方側Ybの側壁板322には、X方向に平行な識別直線325が設けられている。この識別直線325は、側壁板322のX方向の一端から他端に渡って、これらを接続するように設けられている。かかる識別直線325は、溝あるいは突条により構成される。そのため、隣接する2個のリニアコンベアモジュール3bそれぞれの識別直線325は、相互に繋がって一本の直線を構成する。一方、リニアコンベアモジュール3aの一方側Yaの側壁板321には、かかる識別直線325が設けられていない。
【0061】
以上に説明したトラバーサ型水平循環装置1では、Y方向(隣接方向)において、リニアコンベアモジュール3a(第1リニアコンベアモジュール)が一方側Yaに配置され、リニアコンベアモジュール3b(第2リニアコンベアモジュール)が他方側Ybに配置される。そして、リニアコンベアモジュール3aでは、メインハウジング32(第1ハウジング)の一方側Yaの側面(側壁板321の側面)に電源ケーブル接続口51および信号ケーブル接続口52(第1ケーブル接続口)が設けられ、リニアコンベアモジュール3bでは、メインハウジング32(第2ハウジング)の他方側Ybの側面(側壁板322の側面)に電源ケーブル接続口51および信号ケーブル接続口52(第2ケーブル接続口)が設けられる。つまり、Y方向に並ぶリニアコンベアモジュール3a、3bの外側の側面に電源ケーブル接続口51および信号ケーブル接続口52が設けられており、リニアコンベアモジュール3a、3bの内側の側面にはケーブル接続口が設けられていない。したがって、Y方向に並ぶリニアコンベアモジュール3a、3bの内側に対してはケーブルが接続されないため、リニアコンベアモジュール3aとリニアコンベアモジュール3bとの間にケーブルを配置するスペースを空ける必要がない。その結果、これらのリニアコンベアモジュール3a、3bを近接して配置することが可能となっている。
【0062】
また、コンベアテーブル10は、リニアモータ可動子14(可動子)と、X方向(搬送方向)に平行に配置されたリニアスケール15とを有する。これに対して、リニアコンベアモジュール3aは、X方向に平行に配置されたリニアモータ固定子38(第1固定子)と、リニアスケール15に対向するリニアセンサ37(第1リニアセンサ)とを有する。また、リニアコンベアモジュール3bは、X方向に平行に配置されたリニアモータ固定子38(第2固定子)と、リニアスケール15に対向するリニアセンサ37とを有する。そして、リニアコンベアモジュール3aにおけるリニアモータ固定子38とリニアセンサ37とのY方向への配列と、リニアコンベアモジュール3bにおけるリニアモータ固定子38とリニアセンサ37とのY方向への配列とが同一である。かかる構成では、リニアコンベアモジュール3aおよびリニアコンベアモジュール3bのそれぞれは、コンベアテーブル10を同一の姿勢で保持しつつX方向に適切に搬送することができる。
【0063】
また、リニアコンベアモジュール3aは、メインハウジング32内に配置されたドライバ基板41(第1ドライバ基板)を有し、リニアコンベアモジュール3bは、メインハウジング32内に配置されたドライバ基板41(第2ドライバ基板)を有する。そして、リニアコンベアモジュール3a、3bそれぞれのドライバ基板41は同一の構成を有し、リニアコンベアモジュール3aのメインハウジング32に保持されるドライバ基板41の姿勢と、リニアコンベアモジュール3bのメインハウジング32に保持されるドライバ基板41の姿勢とが同一である。かかる構成では、リニアモータ固定子38を制御するドライバ基板41を、リニアコンベアモジュール3aとリニアコンベアモジュール3bとの間で共通化することができる。
【0064】
また、リニアコンベアモジュール3aの電源ケーブル接続口51(第1ケーブル接続口)と、リニアコンベアモジュール3bの電源ケーブル接続口51(第2ケーブル接続口)とは同一の構成を有する。かかる構成では、電源ケーブル接続口51に取り付けられる部品の構成を、リニアコンベアモジュール3aに接続される電源ケーブルとリニアコンベアモジュール3bに接続される電源ケーブルとの間で共通化することができる。
【0065】
また、リニアコンベアモジュール3aの信号ケーブル接続口52(第1ケーブル接続口)と、リニアコンベアモジュール3bの信号ケーブル接続口52(第2ケーブル接続口)とは同一の構成を有する。かかる構成では、信号ケーブル接続口52に取り付けられる部品の構成を、リニアコンベアモジュール3aに接続される信号ケーブルとリニアコンベアモジュール3bに接続される信号ケーブルとの間で共通化することができる。
【0066】
また、リニアコンベアモジュール3aは、電源ケーブル接続口51および信号ケーブル接続口52に取り付けられたケーブルと電気的に接続されるインターフェースユニット43(第1インターフェースユニット)をメインハウジング32内に有し、リニアコンベアモジュール3bは、電源ケーブル接続口51および信号ケーブル接続口52に取り付けられたケーブルと電気的に接続されるインターフェースユニット43(第2インターフェースユニット)をメインハウジング32内に有する。そして、リニアコンベアモジュール3aでは、インターフェースユニット43は、メインハウジング32のY方向の両側面のうち、一方側Yaの側面(側壁板321の側面)に偏って配置され、リニアコンベアモジュール3bでは、インターフェースユニット43は、メインハウジング32のY方向の両側面のうち、他方側Ybの側面(側壁板322の側面)に偏って配置される。かかる構成では、リニアコンベアモジュール3a、3bそれぞれにおいて、電源ケーブル接続口51および信号ケーブル接続口52に取り付けられたケーブルにインターフェースユニット43を近接して配置することができる。
【0067】
また、リニアコンベアモジュール3aのインターフェースユニット43とリニアコンベアモジュール3bのインターフェースユニット43とは、同一の構成を有する。そして、リニアコンベアモジュール3aのメインハウジング32に保持されるインターフェースユニット43の姿勢と、リニアコンベアモジュール3bのメインハウジング32に保持されるインターフェースユニット43の姿勢とが反転している。かかる構成では、ケーブルと電気的に接続されるインターフェースユニット43を、リニアコンベアモジュール3aとリニアコンベアモジュール3bとの間で共通化することができる。
【0068】
また、リニアコンベアモジュール3aは、メインハウジング32内に配置された電源基板47(第1電源基板)を有し、リニアコンベアモジュール3bは、メインハウジング32内に配置された電源基板47(第2電源基板)を有する。そして、リニアコンベアモジュール3aのメインハウジング32では、インターフェースユニット43の他方側Ybに電源基板47が配置され、リニアコンベアモジュール3bのメインハウジング32では、インターフェースユニット43の一方側Yaに電源基板47が配置される。かかる構成では、リニアコンベアモジュール3a、3bのメインハウジング32内において、ケーブルが接続される電源ケーブル接続口51および信号ケーブル接続口52に近接してインターフェースユニット43を配置できるとともに、インターフェースユニット43より内側を電源基板47の配置に利用できる。したがって、リニアコンベアモジュール3a、3bの小型化を図ることが可能となる。
【0069】
また、リニアコンベアモジュール3aの電源基板47とリニアコンベアモジュール3bの電源基板47とは、同一の構成を有し、リニアコンベアモジュール3aのメインハウジング32に保持される電源基板47の姿勢と、リニアコンベアモジュール3bのメインハウジング32に保持される電源基板47の姿勢とが反転している。かかる構成では、ケーブルから入力された外部電源から内部電源を生成する電源基板47を、リニアコンベアモジュール3aとリニアコンベアモジュール3bとの間で共通化することができる。
【0070】
また、リニアコンベアモジュール3bの他方側Yb(外側)の側面(側壁板322の側面)には、メインハウジング32のX方向の両端を接続するようにX方向に平行に延設された識別直線325(直線)が設けられる。これに対して、リニアコンベアモジュール3aのメインハウジング32の一方側Ya(外側)の側面には、当該識別直線325が設けられていない。かかる構成では、リニアコンベアモジュール3aとリニアコンベアモジュール3bとが誤って混在すると、電源ケーブル接続口51および信号ケーブル接続口52が設けられた外側の側面において、識別直線325が存在する範囲と存在しない範囲とが混在する。したがって、複数のリニアコンベアモジュール3aを直列に並べるとともにリニアコンベアモジュール3bを直列に並べて長尺化を図るにあたって、隣接するリニアコンベアモジュール3a、3bの直線の有無を確認することで、異なる種類のリニアコンベアモジュール3a、3bが誤って混在するのを防止できる。
【0071】
以上に説明したように、本実施形態では、トラバーサ型水平循環装置1が本発明の「トラバーサ型水平循環装置」の一例に相当し、コンベアテーブル10が本発明の「コンベアテーブル」の一例に相当し、リニアモータ可動子14が本発明の「可動子」の一例に相当し、リニアスケール15が本発明の「リニアスケール」の一例に相当し、コンベアテーブル移載ユニット2が本発明の「移載ユニット」の一例に相当し、リニアコンベアモジュール3aが本発明の「第1リニアコンベアモジュール」の一例に相当し、リニアコンベアモジュール3bが本発明の「第2リニアコンベアモジュール」の一例に相当し、リニアコンベアモジュール3aのメインハウジング32が本発明の「第1ハウジング」の一例に相当し、リニアコンベアモジュール3bのメインハウジング32が本発明の「第2ハウジング」の一例に相当し、リニアコンベアモジュール3aのリニアセンサ37が本発明の「第1リニアセンサ」の一例に相当し、リニアコンベアモジュール3bのリニアセンサ37が本発明の「第2リニアセンサ」の一例に相当し、リニアコンベアモジュール3aのリニアモータ固定子38が本発明の「第1固定子」の一例に相当し、リニアコンベアモジュール3bのリニアモータ固定子38が本発明の「第2固定子」の一例に相当し、リニアコンベアモジュール3aのドライバ基板41が本発明の「第1ドライバ基板」の一例に相当し、リニアコンベアモジュール3bのドライバ基板41が本発明の「第2ドライバ基板」の一例に相当し、リニアコンベアモジュール3aのインターフェースユニット43が本発明の「第1インターフェースユニット」の一例に相当し、リニアコンベアモジュール3bのインターフェースユニット43が本発明の「第2インターフェースユニット」の一例に相当し、リニアコンベアモジュール3aの電源基板47が本発明の「第1電源基板」の一例に相当し、リニアコンベアモジュール3bの電源基板47が本発明の「第2電源基板」の一例に相当し、リニアコンベアモジュール3aの電源ケーブル接続口51および信号ケーブル接続口52が本発明の「第1ケーブル接続口」の一例に相当し、リニアコンベアモジュール3bの電源ケーブル接続口51および信号ケーブル接続口52が本発明の「第2ケーブル接続口」の一例に相当し、識別直線325が本発明の「直線」の一例に相当し、X方向が本発明の「搬送方向」の一例に相当し、Y方向が本発明の「隣接方向」の一例に相当し、一方側Yaが本発明の「一方側」の一例に相当し、他方側Ybが本発明の「他方側」の一例に相当する。
【0072】
ところで、上述のように、リニアコンベアモジュール3a、3bでは、複数の種類のインターフェースユニット43を共用できる。つまり、
図2A、
図2B、
図4A、
図4Bおよび
図5では、X方向に異なる長さを有する2個のリニアコンベアモジュール3aが直列に配列され、X方向に異なる長さを有する2個のリニアコンベアモジュール3bが直列に配列されている。このように、リニアコンベアモジュール3a、3bの長さの違いに応じて、異なる種類のインターフェースユニット43を使用できる。続いては、この点について説明する。
【0073】
図6は短尺のリニアコンベアモジュールで使用されるインターフェースユニットの一例を示す斜視図である。
図6に示すインターフェースユニット43は、X方向に延設されたメインフレーム44を有する。X方向において、メインフレーム44の中央には、Y方向に貫通する開口441が設けられ、メインフレーム44の両端には、下方に開いた切り欠け442が設けられている。
【0074】
X方向に並ぶ2個の電源コネクタ431は、開口441から外側に突出して、メインフレーム44に取り付けられている。また、インターフェースユニット43は、信号コネクタ432を支持する支持基板433を有する。この支持基板433は、切り欠け442にY方向から対向するようにメインフレーム44の両端に取り付けられ、支持基板433に支持された信号コネクタ432は、切り欠け442から外側に突出する。
【0075】
短尺なリニアコンベアモジュール3bにおいては、インターフェースユニット43は、
図6に示す姿勢で、メインハウジング32の他方側Ybの側壁板322に取り付けられる。一方、短尺なリニアコンベアモジュール3aにおいては、インターフェースユニット43は、Z方向からの平面視において
図6に示す姿勢から反転した姿勢で、メインハウジング32の一方側Yaの側壁板321に取り付けられる。
【0076】
図7Aおよび
図7Bは長尺のリニアコンベアモジュールで使用されるインターフェースユニットの一例を示す斜視図である。
図7Aに示すインターフェースユニット43は、X方向に延設されたメインフレーム45を有する。同図において、メインフレーム45の左端部には、Y方向に貫通する開口451が設けられ、メインフレーム45の右端部には、下方に開いた切り欠け452が設けられている。
【0077】
側壁板321、322に外側から正対した視点において、側壁板321、322の右端にメインフレーム45は取り付けられており、X方向に並ぶ2個の電源コネクタ431のうち、右側の電源コネクタ431は、開口451から外側に突出して、メインフレーム45に取り付けられている。また、インターフェースユニット43は、信号コネクタ432を支持する支持基板433を有する。
図7Aに示す支持基板433は、
図6に示す支持基板433と同一の構成を有する。この支持基板433は、切り欠け452にY方向から対向するようにメインフレーム45に取り付けられ、支持基板433に支持された信号コネクタ432は、切り欠け452から外側に突出する。なお、側壁板321、322に外側から正対した視点において、X方向に並ぶ2個の信号コネクタ432のうち、右側の信号コネクタ432が支持基板433に取り付けられる。
【0078】
図7Bに示すインターフェースユニット43は、X方向に延設されたメインフレーム46を有する。同図において、メインフレーム46の右端部には、Y方向に貫通する開口461が設けられ、メインフレーム46の左端部には、下方に開いた切り欠け462が設けられている。
【0079】
側壁板321、322に外側から正対した視点において、側壁板321、322の左端にメインフレーム46は取り付けられており、X方向に並ぶ2個の電源コネクタ431のうち、左側の電源コネクタ431は、開口461から外側に突出して、メインフレーム46に取り付けられている。また、インターフェースユニット43は、信号コネクタ432を支持する支持基板433を有する。
図7Bに示す支持基板433は、
図6に示す支持基板433と同一の構成を有する。この支持基板433は、切り欠け462にY方向から対向するようにメインフレーム46に取り付けられ、支持基板433に支持された信号コネクタ432は、切り欠け462から外側に突出する。なお、側壁板321、322に外側から正対した視点において、X方向に並ぶ2個の信号コネクタ432のうち、左側の信号コネクタ432が支持基板433に取り付けられる。
【0080】
上述の通り、側壁板321に外側から正対した視点において、
図7Aのインターフェースユニット43は、側壁板321の右端部に取り付けられ、
図7Bのインターフェースユニット43は、側壁板321の左端部に取り付けられる。また、側壁板322に外側から正対した視点において、
図7Aのインターフェースユニット43は、側壁板322の右端部に取り付けられ、
図7Bのインターフェースユニット43は、側壁板322の左端部に取り付けられる。また、長尺なリニアコンベアモジュール3bにおいては、インターフェースユニット43は、
図7Aおよび
図7Bに示す姿勢で、メインハウジング32の他方側Ybの側壁板322に取り付けられる。一方、長尺なリニアコンベアモジュール3aにおいては、インターフェースユニット43は、Z方向からの平面視において
図7Aおよび
図7Bに示す姿勢から反転した姿勢で、メインハウジング32の一方側Yaの側壁板321に取り付けられる。
【0081】
上記の
図6、
図7Aおよび
図7Bに示す例では、リニアコンベアモジュール3a、3bで、インターフェースユニット43を共用することができるといった利点がある。
【0082】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、一方側Yaおよび他方側Ybの取り方は、適宜変更が可能であり、上記の例と逆の取り方をすることができる。
【0083】
また、コンベアラインLaを構成するリニアコンベアモジュール3aの個数や、コンベアラインLbを構成するリニアコンベアモジュール3bの個数は適宜変更が可能である。
【0084】
また、リニアセンサ37とリニアモータ固定子38とのY方向への配列を上記の例の逆にしてもよい。この場合、コンベアテーブル10のリニアスケール15とリニアモータ可動子14とのY方向への配列も逆となる。
【0085】
また、ドライバ基板41、インターフェースユニット43および電源基板47の配置を、上記の例から適宜変更してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
この発明は、互いに並列に配置された複数のリニアコンベアモジュールが水平方向に隣接する構成を具備して、複数のリニアコンベアモジュールの間でコンベアテーブルを移載することでコンベアテーブルを循環搬送するトラバーサ型水平循環装置の全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0087】
1…トラバーサ型水平循環装置
10…コンベアテーブル
14…リニアモータ可動子(可動子)
15…リニアスケール
2…コンベアテーブル移載ユニット(移載ユニット)
3a…リニアコンベアモジュール(第1リニアコンベアモジュール)
3b…リニアコンベアモジュール(第2リニアコンベアモジュール)
32…メインハウジング(第1ハウジング、第2ハウジング)
37…リニアセンサ(第1リニアセンサ、第2リニアセンサ)
38…リニアモータ固定子(第1固定子、第2固定子)
41…ドライバ基板(第1ドライバ基板、第2ドライバ基板)
43…インターフェースユニット(第1インターフェースユニット、第2インターフェースユニット)
47…電源基板(第1電源基板、第2電源基板)
51…電源ケーブル接続口(第1ケーブル接続口、第2ケーブル接続口)
52…信号ケーブル接続口(第1ケーブル接続口、第2ケーブル接続口)
325…識別直線(直線)
X…X方向(搬送方向)
Y…Y方向(隣接方向)
Ya…一方側
Yb…他方側