(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】媒体搬送のためのハニカムコアプラテン
(51)【国際特許分類】
B41J 11/06 20060101AFI20240118BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240118BHJP
B65H 5/22 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B41J11/06
B41J2/01 305
B65H5/22 B
(21)【出願番号】P 2020101972
(22)【出願日】2020-06-12
【審査請求日】2023-06-05
(32)【優先日】2019-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】カルロス・エム・テレロ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ジェイ・ダンハム
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ジェイ・スペンス
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0305172(US,A1)
【文献】特開2018-058254(JP,A)
【文献】特開2018-002481(JP,A)
【文献】特表2012-505093(JP,A)
【文献】特開2011-063019(JP,A)
【文献】特開2015-123643(JP,A)
【文献】特開2001-270176(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0067403(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 11/06
B41J 2/01
B65H 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷システムに動作可能に関連付けられた媒体搬送システムで使用するためのプラテンであって、
垂直壁の間に形成された中空柱状のセルの配列を備えるハニカムコアと、
前記プラテンの最外層としての少なくとも1つの表面層であって、前記ハニカムコアに動作可能に接続され、前記中空柱状のセルの配列と真空連通する複数のスロットを含む、少なくとも1つの表面層と、
前記ハニカムコアと少なくとも1つの表面層との間に配置された少なくとも1つの内層であって、前記ハニカムコアと少なくとも1つの表面層との間に真空を伝達するように構成された複数の孔を含む内層と、を備え、
前記プラテンの少なくとも1つの表面が、真空源に動作可能に接続し、前記中空柱状のセルの配列及び複数のスロットを通して負圧を伝達するように構成されている、プラテン。
【請求項2】
前記少なくとも1つの表面層の外面上に配置された低摩擦コーティングを更に備え、前記低摩擦コーティングが、前記表面層と、関連するベルトとの間の摩擦を最小化する、請求項1に記載のプラテン。
【請求項3】
前記ハニカムコアの周縁部に取り付けられたフレームを更に備える、請求項1に記載のプラテン。
【請求項4】
前記表面層が、前記ハニカムコアと取り付けられたフレームとの結合表面積を覆うように構成されている、請求項3に記載のプラテン。
【請求項5】
前記フレームが、複数のフレーム部材から構成されている、請求項3に記載のプラテン。
【請求項6】
前記フレームが、装着部材を受容し、かつそれに取り外し可能に接続するように構成された少なくとも装着面を含む、請求項3に記載のプラテン。
【請求項7】
前記装着部材が、少なくとも1つの締結具によってフレーム装着面に取り付けられる、請求項6に記載のプラテン。
【請求項8】
前記ハニカムコアの周縁部に取り付けられたフレームを更に備え、前記表面層及び内積層体が、前記ハニカムコアと取り付けフレームとの結合表面積を覆う、請求項1に記載のプラテン。
【請求項9】
前記ハニカムコアの周縁部に取り付けられたフレームを更に備え、前記フレームが、前記第1の内層と第2の内層との間に、かつ前記ハニカムコアの前記周縁部に隣接して位置付けられている、請求項1に記載のプラテン。
【請求項10】
印刷システムに動作可能に関連付けられた媒体搬送システムで使用するためのプラテンであって、
垂直壁の間に形成された中空柱状のセルの配列を備えるハニカムコアと、
前記プラテンの最外層としての少なくとも1つの表面層であって、前記ハニカムコアに動作可能に接続され、前記中空柱状のセルの配列と真空連通する複数のスロットを含む、少なくとも1つの表面層と、を備え、
前記プラテンの少なくとも1つの表面が、真空源に動作可能に接続し、前記中空柱状のセルの配列及び複数のスロットを通して負圧を伝達するように構成されており、前記少なくとも1つの表面層が、第1の表面層及び第2の表面層を含み、前記第1の表面層及び前記第2の表面層が、前記プラテンの前記最外層である、プラテン。
【請求項11】
前記第1の表面層が、第1のスロットサイズ及び第1のスロット形状を有する複数の第1のスロットを含み、前記第2の表面層が、第2のスロットサイズ及び第2のスロット形状を有する複数の第2のスロットを含む、請求項10に記載のプラテン。
【請求項12】
前記第1のスロットが、前記第2のスロットと同一である、請求項11に記載のプラテン。
【請求項13】
前記ハニカムコアと第1の表面層との間に配置された第1の内層と、前記ハニカムコアと第2の表面層との間に配置された第2の内層と、を更に備える、請求項10に記載のプラテン。
【請求項14】
前記第1の内層が、第1の孔サイズ及び第1の孔形状を有する複数の第1の孔を含み、前記第2の内層が、第2の孔サイズ及び第2の孔形状を有する複数の第2の孔を含む、請求項13に記載のプラテン。
【請求項15】
前記ハニカムコアの周縁部に取り付けられたフレームを更に備える、請求項10に記載のプラテン。
【請求項16】
印刷システムに動作可能に関連付けられた媒体搬送システムであって、
複数のローラ上に装着された複数のベルト穴を含む穿孔ベルトと、
厚さを有し、垂直壁の間に形成された中空柱状のセルの配列から構成されたハニカムコアを含む、前記穿孔ベルトの下に配置された表面を有するプラテンと、
真空源に動作可能に接続されており、前記中空柱状のセルの配列及び複数のベルト穴を通して媒体に負圧を加えて、前記媒体を前記穿孔ベルトに固定するように構成された、真空プレナムと、を備え、
前記プラテンが、前記プラテンの最外層として少なくとも1つの表面層を更に備え、前記ベルトの内側に面する表面に接触するように構成されており、前記表面層は、前記中空柱状のセルの列及びベルト穴と真空連通する複数のスロットを含み、前記プラテンが、前記ハニカムコアと少なくとも1つの表面層との間に配置された少なくとも1つの内層を更に備え、前記内層は、前記ハニカムコアと少なくとも1つの表面層との間に真空を伝達するように構成された複数の孔を含む、媒体搬送システム。
【請求項17】
前記
プラテンが、反転可能である、請求項
16に記載の媒体搬送システム。
【請求項18】
前記ハニカムコアの周縁部に取り付けられたフレームを更に備える、請求項
16に記載の媒体搬送システム。
【請求項19】
前記表面層が、前記ハニカムコアと取り付けられたフレームとの結合表面積を覆うように構成されている、請求項
18に記載のプラテン。
【請求項20】
前記フレームが、複数のフレーム部材から構成されている、請求項
18に記載のプラテン。
【請求項21】
前記フレームが、装着部材を受容し、かつそれに取り外し可能に接続するように構成された少なくとも装着面を含む、請求項
18に記載のプラテン。
【請求項22】
前記装着部材が、少なくとも1つの締結具によってフレーム装着面に取り付けられる、請求項
21に記載のプラテン。
【請求項23】
印刷システムに動作可能に関連付けられた媒体搬送システムであって、
複数のローラ上に装着された複数のベルト穴を含む穿孔ベルトと、
厚さを有し、垂直壁の間に形成された中空柱状のセルの配列から構成されたハニカムコアを含む、前記穿孔ベルトの下に配置された表面を有するプラテンと、
真空源に動作可能に接続されており、前記中空柱状のセルの配列及び複数のベルト穴を通して媒体に負圧を加えて、前記媒体を前記穿孔ベルトに固定するように構成された、真空プレナムと、を備え、
前記プラテンが、第1の表面層及び第2の表面層を更に備え、前記第1の表面層及び前記第2の表面層が、前記プラテンの
最外層であり、前記第1の表面層及び前記第2の表面層のうちの一方は、前記ベルトの内面と摺動可能に接触するように構成されている、媒体搬送システム。
【請求項24】
前記第1の表面層が、第1のスロットサイズ及び第1のスロット形状を有する複数の第1のスロットを含み、前記第2の表面層が、第2のスロットサイズ及び第2のスロット形状を有する複数の第2のスロットを含み、真空は、前記真空プレナムから、前記第1の表面層の前記複数の第1のスロット、前記ハニカムコアの前記
中空柱状
のセル、及び前記第2の表面層の前記複数の第2のスロットを通じて、前記ベルトに伝達される、請求項
23に記載の媒体搬送システム。
【請求項25】
前記ハニカムコアの周縁部に取り付けられたフレームを更に備える、請求項23に記載のプラテン。
【請求項26】
印刷システムに動作可能に関連付けられた媒体搬送システムであって、
複数のローラ上に装着された複数のベルト穴を含む穿孔ベルトと、
厚さを有し、垂直壁の間に形成された中空柱状のセルの配列から構成されたハニカムコアを含む、前記穿孔ベルトの下に配置された表面を有するプラテンと、
真空源に動作可能に接続されており、前記中空柱状のセルの配列及び複数のベルト穴を通して媒体に負圧を加えて、前記媒体を前記穿孔ベルトに固定するように構成された、真空プレナムと、を備え、
前記プラテンが、前記ハニカムコアと第1の表面層との間に配置された第1の内層と、前記ハニカムコアと第2の表面層との間に配置された第2の内層と、を更に備える、媒体搬送システム。
【請求項27】
前記第1の内層が、第1の孔サイズ及び第1の孔形状を有する複数の第1の孔を含み、前記第2の内層が、第2の孔サイズ及び第2の孔形状を有する複数の第2の孔を含み、前記第1の表面層が、第1のスロットサイズ及び第1のスロット形状を有する複数の第1のスロットを含み、前記第2の表面層が、第2のスロットサイズ及び第2のスロット形状を有する複数の第2のスロットを含み、真空は、前記真空プレナムから、前記第1の表面層の前記複数の第1のスロット、前記第1の内層の前記複数の第1の孔、前記ハニカムコアの前記
中空柱状
のセル、前記第2の内層の前記複数の第2の孔、及び前記第2の表面層の前記複数の第2のスロットを介して前記ベルトを通して伝達される、請求項
25に記載の媒体搬送システム。
【請求項28】
前記ハニカムコアの周縁部に取り付けられたフレームを更に備える、請求項26に記載のプラテン。
【請求項29】
印刷システムに関連付けられた媒体搬送システムで使用するためのプラテンを作るためのプロセスであって、
垂直壁の間に形成された中空柱状のセルの配列から構成されたハニカムコアを提供する工程と、
接着剤を介して、少なくとも1つの層を前記ハニカムコアの第1の表面に積層する工程と、
前記少なくとも1つの積層表面層及びハニカムコアを印刷機で押圧することによって、実質的に平坦な上面を生成する工程と、を含み、
前記積層工程が、積層体を積層することを含み、前記積層体は、複数の孔を含む内層と、前記ハニカムコアに複数のスロットを含む表面層と、を含み、前記内層が、前記ハニカムコアと表面層との間に配置され、前記複数の孔、複数のスロット、及び中空柱状のセルの配列は、前記プラテンの厚さを通して負圧を伝達するように整列されている、プラテンを作るためのプロセス。
【請求項30】
前記少なくとも1つの層の積層前に、少なくとも1つのフレーム部材が、前記ハニカムコアの周縁部に接着され、前記少なくとも1つの層が、前記ハニカムコアと前記接着した少なくとも1つのフレーム部材との結合表面積を覆うように構成されている、請求項
29に記載のプラテンを作るためのプロセス。
【請求項31】
印刷システムに関連付けられた媒体搬送システムで使用するためのプラテンを作るためのプロセスであって、
垂直壁の間に形成された中空柱状のセルの配列から構成されたハニカムコアを提供する工程と、
接着剤を介して、少なくとも1つの層を前記ハニカムコアの第1の表面に積層する工程と、
前記少なくとも1つの積層表面層及びハニカムコアを印刷機で押圧することによって、実質的に平坦な上面を生成する工程と、を含み、
前記積層が、
第1の複数の孔を含む第1の内層と、前記ハニカムコアの1つの表面に第1の複数のスロットを含む第1の表面層と、を含む第1の積層体を積層する工程と、
第2の複数の孔を含む第2の内層と、前記ハニカムコアの反対側の表面に第2の複数のスロットを含む第2の表面層と、を含む第2の積層体を積層する工程と、を含み、
前記第1の内層が、前記ハニカムコアと第1の表面層との間に配置されており、
前記第2の内層が、前記ハニカムコアと第2の表面層との間に配置されており、
前記第1及び第2の複数の孔、第1及び第2の複数のスロット、並びに中空柱状のセルの配列が、前記プラテンの厚さを通して負圧を伝達するように整列されている、プラテンを作るためのプロセス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、画像を撮像面上に形成するために基材を搬送及び固定するための印刷機基材搬送システムを対象とする。より具体的には、本開示は、大きな基材を印刷ヘッドの下に搬送し、固定し、平坦に維持する均一な平坦性を備える軽量の真空プラテンを対象とする。
【0002】
従来のインクジェット式印刷システムは、様々な方法を使用して、インク液滴を記録媒体に向けさせる。よく知られているインクジェット式印刷装置としては、熱、圧電、及び音響インクジェット印刷ヘッド技術が挙げられる。これらのインクジェット技術の全ては、約4メートル/秒で記録媒体に向けて15~100μmの直径を有する略球状のインク液滴を生成する。これらの印刷ヘッド内には、インク液滴を生成する、噴射トランスデューサ又はアクチュエータが位置している。これらのトランスデューサは、典型的には、印刷制御装置、又はマイクロプロセッサなどの従来のミニコンピュータによって制御される。
【0003】
典型的な印刷制御装置は、関連する複数の印刷ヘッドに対する記録媒体の移動に関連して、複数のトランスデューサ又はアクチュエータを起動させる。トランスデューサ又はアクチュエータの起動と記録媒体の移動とを制御することによって、印刷制御装置は、理論上、記録媒体上に所望の又は予め選択された画像を形成する目的で、生成されたインク液滴を所定の方法で衝突させるべきである。理想的な液滴オンデマンド型の印刷ヘッドは、一般に記録媒体に垂直な方向に、記録媒体に正確に向けられたインク液滴を生成する。
【0004】
Bシリーズの紙サイズ、B1(30インチ×40インチ)、及びB2(23.55インチ×30インチ)などの、大きな記録媒体では、より大きなマーキング領域を形成するために、複数の印刷ヘッドを備える印刷バーが必要である。大きな媒体のシートは、通常、コンベヤベルトシステムによって印刷ヘッドの下を搬送される。コンベヤベルトシステムは、媒体のシートを移動させ、1mm未満の印刷ヘッドの間隙の下で媒体を平坦に維持する。搬送システムは、真空プラテンの上で駆動される穿孔ベルトを含む真空システムであってもよい。真空システムによって、穿孔ベルトとプラテンに真空が引き込まれる。プラテンは、ベルトの平坦性を制御し、その後、印刷ゾーン内の媒体を制御する。大きな媒体の広い印刷領域にわたって平坦性を維持することは非常に困難である。プラテンは、コンベヤシステムのベルトからの抗力を低減するために、摩擦係数が低くなければならない。現在のポリマープラテンコーティングの耐久性は、典型的な印刷システムの平均余命を満たしていない。すなわち、ベルト抗力を低減するためにプラテンに塗布されるコーティングは、時間の経過とともに摩耗し、抗力を増加させ、駆動能力を低下させ得る。老朽化したプラテンの交換は、コストがかかり、望ましくない。
【0005】
更に、印刷ヘッドと媒体基材との間の小さな間隙により、コンベア搬送の平坦性が重要である。間隙の変動は、インク液のフライト時間、分散、及び軌跡の変動に起因して、画質の乱れにつながる。間隙が減少すると、媒体/基材シートが印刷バーに当たり、結果として印刷ヘッドの損傷及び紙詰まりを引き起こす可能性もある。
【0006】
プラテンの平坦性を制御するための現在の方法には、金属(アルミニウム及び/又は鋼)プレートの精密機械加工が含まれる。この用途で平坦性を維持するために必要とされるプレート厚さ(剛性)は、結果として重い部品になる。必要とされる200ミクロン未満の平坦性を達成するための機械加工コストも高くなる。一部のメーカーは、プラテンをより小さく、より扱いやすいプレートに分割することを選択している。しかしながら、2つ以上のプレートが合わさる境界面は、上に重なる媒体基材が妨害されないように適切に管理されなければならない。これは、他の方法ですでに高度に機械加工された部品への、より多くの機械加工を行うことを意味し、コストが増加する。
【0007】
各々が参照により本明細書に組み込まれる、「Print Zone Assembly,Print Patent Device,and Large Format Printer」と題された米国特許出願公開第2017/0239959号、及び「Printing Table for a Flat-Bed Printing Machine」と題された欧州特許第1726446号は、プラテンを所定の位置に撓ますための枢要な箇所を調整することにより、プラテンの平坦性を維持することを対象とする。この調整は、初期状態における平坦性の欠如を補正しようとする。これには、正確な測定及び適時/コストのかかる設定手順が必要である。更に、先行技術の解決策のいずれも、摩耗を受けやすく、交換が面倒な重い部品を有することに関連する問題を解決するものではない。
【0008】
「Ink Jet Printed with Droplet Throw Distance Correction」と題された米国特許第4,540,990号、及び「Methods and Apparatus for Inkjet Printing on Non-planar Substrates」と題された米国特許出願公開第2007/070099号は、印刷間隙が変化するインク滴の軌跡を調整することにより、プラテンの平坦性の欠如を補償することを説明している。これらの解決策には、正確な測定及び制御を必要とする。
【0009】
本開示は、先行技術で経験される問題の全てではないにしてもほとんどを解決又は回避する印刷搬送システムを提供し、それらの問題の多くは上で簡単に説明されているが、インクジェット印刷技術の現在の進歩から生じるほとんどの問題を解決又は回避するインクジェット式印刷システムを設計することも提供する。
【0010】
参照による組み込み
Terreroらによって2016年8月2日に出願された「Media Height Detection System for a Printing Apparatus」と題された米国特許第9,403,380号、
【0011】
Griffinらによって2018年12月25日に出願された「Ink-jet Printing Systems」と題された米国特許第10,160,323号、
【0012】
Mooreによって2013年4月2日に出願された「Sheet Transport and Hold Down Apparatus」と題された米国特許第8,408,539号、
【0013】
Creanによって1985年9月10日に出願された「Ink Jet Printed with Droplet Throw Distance Correction」と題された米国特許第4,540,990号、
【0014】
Beerらによって2007年3月29日に公開された「Methods and Apparatus for Inkjet Printing on Non-planar Substrates」と題された米国特許出願公開第2007/0070099号、
【0015】
Sanchis Estruchらによって2017年8月24日に公開された「Print Zone Assembly,Print Patent Device,and Large Format Printer」と題された米国特許出願公開第2017/0239959号、及び
【0016】
Thieme GmbH&Co.KGによって2006年11月29日に公開された「Printing Table for a Flat-Bed Printing Machine」と題された欧州特許第1726446号は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
発明の詳細な説明
本開示の様々な詳細は、基本的な理解を提供するために以下に要約される。本要約は、本開示の広範な概要ではなく、本開示の特定の要素を特定することも、その範囲を線引きすることも意図していない。むしろ、本要約の主な目的は、以下に提示されるより詳細な説明の前に、本開示のいくつかの概念を簡略化された形で提示することである。
【0018】
本開示の一実施形態では、ハニカムコアを含む印刷システムに動作可能に関連付けられた搬送システムで使用するためのプラテンが説明される。ハニカムコアは、垂直壁の間に形成された中空柱状のセルの配列から構成される。プラテンはまた、プラテンの最外層として少なくとも1つの表面層を含み、少なくとも1つの表面層は、ハニカムコアに動作可能に接続されており、中空柱状のセルの配列と真空連通する複数のスロットを含む。本開示の別の実施形態では、印刷システムに動作可能に関連付けられた媒体搬送システムが説明される。媒体搬送システムは、複数のベルト穴を含む穿孔ベルトを含む。ベルトは、複数のローラ上に装着される。媒体搬送システムはまた、厚さを有し、垂直壁の間に形成された中空柱状のセルの配列、及び媒体を穿孔ベルトに固定するために中空柱状のセルの配列及び複数のベルト穴を通して媒体に負圧を加えるように構成された真空源に動作可能に接続されている真空プレナムから構成されたハニカムコアを含む、穿孔ベルトの下に配置されたプラテンの表面を含む。
【0019】
本開示の別の実施形態では、媒体搬送システムで使用するためのプラテンを作るためのプロセスが説明される。このプロセスは、垂直壁の間に形成された中空柱状のセルの配列から構成されたハニカムコアを提供する工程と、次いで、エポキシを介して、ハニカムコアの上面に少なくとも1つの層を積層する工程と、を含む。積層構造体、積層、及びハニカムコアを一緒に押圧して、実質的に平坦な表面を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下は、本明細書に開示される例示的な実施形態を示す目的で提示され、それを限定する目的ではない図面の簡単な説明である。
【0021】
【
図1】マーキングモジュール及び搬送システムを組み込んだ例示的な印刷システムの側面図を示す。
【
図2】印刷システムに関連付けられた例示的な媒体搬送システムの側面図を示す。
【
図3A】本開示の例示的な実施形態による、ハニカムコアを有するプラテンの分解図を示す。
【
図3B】本開示の例示的な実施形態による、ハニカムコアを有するプラテンの分解図を示す。
【
図4】本開示の例示的な実施形態による、ハニカムコアを有するプラテンを利用する搬送システムを示す。
【
図5】本開示による、ハニカムプラテンの例示的な実施形態を示す。
【
図6】外周フレームに取り付けるように構成された例示的なモジュール式装着部を含む、
図5の例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書に開示される構成要素、プロセス、及び機器のより完全な理解は、添付の図面を参照することによって得ることができる。これらの図は、本開示を実証する利便性及び容易さに基づく単なる概略図であり、したがって、装置若しくはその構成要素の相対的なサイズ及び寸法を示すこと、かつ/又は例示的な実施形態の範囲を定義若しくは限定することを意図するものではない。
【0023】
具体的な用語は、明確にするために以下の説明で使用されるが、これらの用語は、図面に例示するために選択された実施形態の特定の構造体のみを指すことを意図するものであり、本開示の範囲を定義又は制限することを意図するものではない。以下の図面及び以下の説明において、同様の数字表記は、同様の機能の構成要素を指すことを理解されたい。
【0024】
単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでない旨を明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0025】
本明細書及び特許請求の範囲で使用されるとき、用語「備える(comprising)」は、「からなる」及び「から本質的になる」の実施形態を含み得る。本明細書で使用するとき、用語「備える(三人称単数可)(comprise(s))」、「含む(三人称単数可)(include(s))」、「有する(having)」、「有する(has)」、「できる(can)」、「含有する(三人称単数可)(contain(s))」、及びそれらの変形は、指定された成分/構成要素/工程の存在を必要とし、他の成分/構成要素/工程の存在を可能にする、制限のない遷移句、用語、又は単語であることが意図される。しかしながら、このような説明は、指定された成分/構成要素/工程だけでなく、そこから生じる可能性のある不純物も存在することを可能にし、他の成分/構成要素/工程を除外する、列挙された成分/構成要素/工程からなる」及び「本質的にからなる」として、組成物、物品、又はプロセスを説明するものとしても解釈されるべきである。
【0026】
本明細書で使用するとき、「印刷装置」、「印刷アセンブリ」、又は「印刷システム」は、「印刷物」又は印刷出力機能を生成するために使用される1つ以上の装置を指し、これは、任意の目的のために「基材媒体」又は「媒体基材」又は「媒体のシート」に関する情報の複製を指す。本明細書で使用するとき、「印刷装置」、「印刷アセンブリ」、又は「印刷システム」は、印刷出力機能を実行するデジタル複写機、製本機械、ファクシミリ装置、複合機などの任意の機器を包含する。
【0027】
本開示を通して使用される「媒体」という用語は、コーティングされているか、又はコーティングされていないかにかかわらず、テキスト、画像、あるいはその両方を含む情報をその上に複製できる、例えば、事前に切断されたほぼ平坦な用紙、フィルム、羊皮紙、スライド、プラスチック、布地、写真仕上げ基材、紙ベースの平坦な基材、又は他の基材を指すものとして、本技術の当業者によって理解される。一般に、予め撮像された基材は、元々デジタルではない画像を含み得るため、記載された情報の少なくとも一部分はデジタル形式であり得る。情報は、ウェブの形式で媒体上の繰り返しパターンとして複製することができる。
【0028】
図1は、マーキングモジュール16及び搬送システム100を組み込んだ例示的な印刷システム10の側面図を示す。概略図は、大きな媒体、例えば、B1及びB2サイズの用紙を印刷するためのデジタル印刷機/システム10を示す。例示的な印刷機10は、供給モジュール12、位置合わせモジュール14、マーキングモジュール16、乾燥機モジュール18、出力モジュール20、及び積み重ね装置モジュール22を含む。モジュール12~22は非限定的であり、印刷機システム10は、媒体処理のための他のモジュールを含み得るか、又は本明細書に記載されるいくつかのモジュールは、システムから完全に存在しなくてもよいことを理解されたい。媒体は、プロセス方向に媒体経路26に沿って印刷機10によって処理される。
図1のプロセス方向は右から左であり、供給モジュール12から積み重ね装置モジュール22への方向として示されている。印刷機10は、供給モジュール12で処理を開始する。供給モジュール12は、媒体のシートを格納し、媒体のシートを媒体経路26に供給することによって印刷プロセスを開始する。媒体経路26は、プロセス方向に媒体のシートを前進させるように構成された複数のローラ又は同様の装置を含んでもよい。媒体のシート/基材は、媒体経路26を介して、プロセス方向に供給モジュール12から位置合わせモジュール14へ搬送され、媒体は、マーキングモジュール16に入るように整列される。位置合わせは、ニップロールのセットによって、又は当該技術分野で既知の他の手段によって達成され得る。ニップロールは、媒体基材の前縁がマーキングモジュール16の搬送システム100によって獲得されたときに解放される。
【0029】
マーキングモジュール16は、媒体基材を獲得し、媒体基材を印刷ゾーンに配設し、印刷中の媒体基材の平坦性を維持し、媒体基材をプロセス方向に沿って次のモジュールに搬送する搬送ベルトを含む、以下でより詳細に説明される、媒体搬送システムを利用する。例えば、マーキングモジュール16による印刷プロセスが完了した後、印刷された媒体基材は、プロセス方向に乾燥機モジュール18内に搬送され、そこで乾燥/硬化される。印刷された媒体基材が乾燥/硬化された後、乾燥/硬化された媒体は、印刷システム10から出力されてもよく、いくつかの実施形態では、積み重ねモジュール22によって積み重ねされてもよい。
【0030】
図2は、印刷ゾーン104へ及び印刷ゾーン104を通って媒体を搬送するためのマーカモジュール16の基本的な媒体搬送システム100を示す。このシステム100は、印刷システム10などの印刷システムに関連付けられた媒体搬送システム100の基本動作及び構成要素を例示するために提示される。例示的な媒体搬送システム100は、ローラR1、R2、R3及びR4などの複数のローラ上に装着された、継ぎ目のある又は継ぎ目のない平滑なベルト108を含む。複数のローラ(R1、R2、R3及びR4)のうちの少なくとも1つのローラは、ベルト108を駆動するためにモータ(図示せず)に動作可能に接続されている。すなわち、動作可能に接続されたモータは、ベルト108上に存在する媒体基材が「搬送される」、すなわち、プロセス方向Dに移動するように、ベルトを前進させる。
図2は、マーキングモジュール16、及び印刷ゾーン104を通る搬送に関連する搬送システムを示しているが、そのような搬送システム100は、媒体基材を所望の方向に搬送するために他のモジュールで使用できることを理解されたい。
【0031】
図2に示される印刷ゾーン104は、例示的なブラックインクの印刷ヘッド110K、例示的なシアンインクの印刷ヘッド110L、例示的なマゼンタインクの印刷ヘッド110M、及び例示的なイエローインクの印刷ヘッド110Yで表されるインクジェット印刷ヘッド110の概ね下の領域として示されている。印刷ヘッド110の数及び色は非限定的である。すなわち、追加の印刷ヘッド110Xは、マーキングモジュール16内に含まれ、所望に応じて印刷ゾーン104を画定してもよい。上述のインクジェット印刷ヘッド110K、110L、110M、110Y、110Xの各々は、それ自体の表面プレート120を含み、これらは、搬送ベルト108によって印刷ゾーン104を通して運ばれる媒体基材上にインクを正確に噴射するために、搬送ベルト108に近接して配置されている。
【0032】
搬送ベルト108は、エンドレスループとして例示的な搬送システム100に例示されている。搬送ベルト108のエンドレスループの形状は、複数のローラ、例えば、R1、R2、R3及びR4上にぴったりと嵌合するように寸法決めされている。すなわち、搬送ベルト108は、複数のローラR1、R2、R3及びR4の外面と接触するように構成される内面と、媒体基材と接触し、かつこれを搬送するように構成される外面と、を有する平坦なループである。いくつかの実施形態では、ローラR1、R2、R3及びR4の各々は、ローラR1、R2、R3及びR4の各々を媒体搬送ベルト108の内面から電気的に分離するためのゴムコーティングを有する。搬送システム100はまた、搬送ベルト108の所望の張力を調整するための張力ローラR5を含んでもよい。
【0033】
搬送ベルト108の移動は、複数のローラのうちの少なくとも1つのローラ又は複数のローラに動作可能に接続されたモータによって促進される。媒体基材は、例えば、位置合わせモジュール14又は供給モジュール12から、プロセス方向Dに沿って、搬送ベルト108によって捕捉される。搬送ベルト108がプロセス方向に移動することにより、搬送ベルト108上に配設された媒体基材は、マーキングモジュール14の印刷ゾーン104に向かって前進することを更に可能にする。印刷ゾーン104では、通過する媒体上に所望の画像又はテキストを印刷する目的で、制御された方法で、搬送された媒体上に小さなインク液滴が噴霧される。従来の媒体への直接インクジェット式マーキングエンジンでは、インクジェット印刷ヘッドは、その面120(インクノズルが位置する場所)が、媒体表面から、典型的には1mm以下離間されるように装着される。紙などの媒体は、媒体の少なくとも一部分を搬送ベルト108の表面の上1mm超持ち上げるカール特性を有し得るため、この媒体のカール特性は、印刷ゾーン104を通過するときに用紙が印刷ヘッドに接触するたびに、問題となる。
【0034】
例示的な搬送システム100はまた、搬送ベルト108上の所定の位置に媒体のシートを固定するための機構を含んでもよい。そのような機構の1つは、プラテン112をその上面として有する真空プレナム113などの真空システムを利用することである。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,408,539号は、搬送ベルトと組み合わせて真空プレナムを利用する媒体のシート搬送を開示している。一般に、
図2に示される真空プレナム113は、負圧を加えるチャンバ又は場所である。本明細書で使用される場合、「負圧」は、大気圧よりも低い空気圧を指す。真空源VSは、真空プレナム113に動作可能に接続されているので、真空プレナム113は、プラテン112を通して媒体に負圧を加えて、媒体を搬送ベルト108に対して平坦に保持する。
【0035】
プラテン112は、搬送ベルト108及び運ばれた媒体が保持される上部平坦面を提示する。搬送ベルト108は、ローラR1、R2、R3及びR4のうちの少なくとも1つに動力を供給するモータ(図示せず)によってプラテン112の上部平坦面にわたり摺動して、搬送ベルト108によって運ばれる媒体のシート(図示せず)を移動させる。動作中、プラテン112は、固定面を提示し、搬送ベルト108を、固定面にわたって摺動させる。プラテン112は、その上を搬送ベルト108が並進する真空プレナム133の上部上に含まれてもよい。プラテンは、プレナム113から最上面まで真空を伝達するように構成された複数のスロット115を有してもよい。搬送ベルト108は、真空が搬送ベルト108及びプラテン112を通って下方に流れることができるように、内部に形成された複数の穴109を含んでもよい。換言すれば、スロット115及びベルト穴109は、真空プレナム113及びプラテン112が、搬送ベルト108によって運ばれた媒体を真空にさらすことを可能にする。したがって、プラテン112の上を搬送された媒体のシートは、真空力によってベルト108上に押さえ付けられる。
【0036】
簡潔に上述したように、搬送ベルト108は、その幅にわたって実質的に分布する複数の穴109を含んで穿孔され、搬送ベルト108の下に位置する真空プレナム113が媒体を搬送ベルト108に引き寄せることを可能にする。いくつかの実施形態では、穴109には正方形のパターンが使用されており、個々の穴109は、概ね円形である。いくつかの実施形態では、円形の穴は、約2mmの直径を有する。穴109のサイズ、パターン、及びグループ化は非限定的であり、異なる媒体基材が特定の真空条件/流れを必要とし得るとき、特定の真空状態を達成するように変更されてもよい。
【0037】
本開示は、一部では、軽量で重量比に対して強度が高いハニカムコア202を利用するプラテン設計を更に提供する。ハニカム構造体は、低密度でありながら比較的高い圧縮及び剪断特性を有するコアを提供する。すなわち、ハニカムコア202の体積の50%超が空気によって占められている。いくつかの実施形態では、ハニカムコア202の体積の約50%~約97%が空気によって占められている。
図3Aの例示的な実施形態のハニカムプラテン212Aを参照すると、ハニカム構造体の幾何学的形状は、垂直壁204の間に形成された中空状のセル203の配列を特徴とする。垂直壁204は、中空状のセルの配列を作製するために処理される箔基材で形成されてもよい。垂直壁204は、概ね薄く、約0.025mm~約4.0mmの厚さを有する。セル203は、概ね柱状であり、概ね六角形であるが、管状形状、三角形、及び正方形を含む他の同様の形状も使用され得る。ハニカムコア202は、重量比に対して強度が高いことによって特徴付けられ、安定かつ堅牢な基部を提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、ハニカムコア202は、金属材料から構成される。より具体的な実施形態では、ハニカムコア202の金属材料は、アルミニウムである。他の実施形態では、ハニカムコア202は、非金属材料で作られ、例えば、限定するものではないが、繊維ガラス及び複合材料で作られる。コアのハニカム構造体は、固体金属プラテンなどの均質な材料とほぼ同じ重量で37倍の剛性の向上が可能である。ハニカムコア202は、プラテンが、大きな媒体印刷システムに必要な平坦性を備える大きな面積を有することを可能にする。いくつかの実施形態では、平坦性は、約300マイクロメートル未満である。更なる実施形態では、平坦性は、約200マイクロメートル未満である。また更なる実施形態では、平坦性は150マイクロメートル未満である。
【0038】
ハニカムコア202は、1/4インチ(6.35mm)、3/8インチ(9.525mm)、1/2インチ(12.7mm)、5/8インチ(15.875mm)、3/4インチ(19.05)、1インチ(25.4mm)、1と1/18インチ(28.575mm)、1と1/4インチ(31.75mm)、1と3/8インチ(34.925mm)を含む、約1/8インチ(3.175mm)~約1.5インチ(38.1mm)の(柱状のセル203の高さHに対応する)厚さの範囲であってもよい。
【0039】
ハニカムコア202の中空ハニカムセル203は、上述の真空プレナム113などの隣接する真空プラテンによって伝達され得る空気及び/又は真空の通過を可能にする。換言すれば、ハニカムコア202は、真空源に動作可能に接続される。いくつかの実施形態では、ハニカムコア202の表面は、真空プレナム113と直接接触している。他の実施形態では、ハニカムコア202に積層された層の表面(プラテンの最外面)は、真空プレナム113と直接接触し、その結果、真空プレナムの負圧が、ハニカムコア202の中空セル203を通して伝達される。
【0040】
本開示はまた、一部では、積層プロセスを介して一緒に接合される多層プラテン設計を提供する。多層プラテンは、主に個体加工金属から構成される先行技術のプラテンと比較して軽量である。本開示に従って、
図3Aを参照すると、多層プラテン212Aが提供される。
図3Aに示される例示的な実施形態では、ハニカムプラテン212Aは、表面層210Aを含む。表面層210Aは、上述の搬送ベルト108などの、搬送システム100に関連付けられた、関連する搬送ベルトと接触するように構成される上面209を有する。表面層210Aの上面209は、摩擦係数が低い表面であり、その結果、搬送ベルトは、搬送ベルト又はプラテン面209の劣化を最小限に抑えて、表面層210A上を容易に摺動することができる。
【0041】
表面層210Aは、ハニカムコア202のセル203から空気及び/又は真空を伝達するように構成される層を通る複数のスロット211を含む。すなわち、スロット211は、コアの中空セル203と整列して、複数のスロット211を通して真空に引くためにハニカムコア202と真空連通して配設された真空プレナム113などの真空プラテンを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、表面層210Aは、所望の特徴部、例えば、スロット211を用いて製造される金属シートから構成されている。いくつかの実施形態では、スロット211は、上述のベルト108の穴109などの関連する穿孔ベルト内の孔を通って真空を伝達するように更に構成されている。表面層210は、一般に、約1/16インチ(1.5875mm)~約1/4インチ(6.35mm)の厚さを有する薄い材料シートから構成される。
【0042】
いくつかの実施形態では、
図3Aを引き続き参照すると、プラテン212Aは、表面層210Aとハニカムコア202との間に配置された内層206Aを含んでもよい。内層206Aは、ハニカムコア202の柱状のセル203と表面層210Aのスロット211との間に真空を伝達するように構成される複数の孔207を含む。孔207は、内層206Aを通して打ち抜かれるか、又はレーザー切断されてもよい。内層206Aは、一般に、約1/16インチ(1.5875mm)~約1/4インチ(6.35mm)の厚さを有する薄い材料シートから構成される。内層206Aは、プラスチック(ポリマー)材料、金属材料、又はセラミック材料で作られてもよい。内層206Aは、上層に提供される気流を制御するように構成されている。いくつかの実施形態では、内層206Aは、表面層210Aへの気流/真空中の乱流を低減するのに役立つ。
【0043】
図3Aの例示的な実施形態に示されるように、内層206内の複数の孔207は、円として成形されている。孔207の円直径は、約1mm~約10mmであってもよく、2、3、4、5、6、7、8、及び9mmを含み、それらの間の任意の長さであってもよい。内層の孔は、様々な形状であってもよく、
図3Aに示される孔207の円形状は非限定的であることを理解されたい。更に、孔207のサイズ及び形状は、プラテン212Aを通る気流に関連している。したがって、孔207のサイズ及び形状は、特定の気流が達成されるように最適化されてもよく、所望の真空力は媒体のシートに加えられる。
【0044】
一般に、各孔207は、ハニカムコア202の少なくとも1つの柱状のセル203と空気/真空連通するように構成されている。更に、少なくとも1つのスロット211は、少なくとも1つの孔207と空気/真空連通するように構成され、その結果、少なくとも1つの柱状のセル203との空気/真空連通をもたらす。いくつかの実施形態では、スロット211は、下にある内層206内に存在する2つ以上の孔207の長さに及ぶように、表面層の長さに沿って延在している。
【0045】
いくつかの実施形態では、コーティングは、表面層210Aの上面209に塗布されてもよい。コーティングは、表面層210Aと、関連するベルト(搬送ベルト108など)との間の摺動移動を促進することができる。すなわち、コーティングは、テフロン(登録商標)コーティングなどの低摩擦コーティングであってもよい。いくつかの実施形態では、コーティングは、約0.3の摩擦係数を有する表面を提供する。好ましい実施形態では、コーティングは、約0.3未満の係数を有する表面を提供する。
【0046】
本開示はまた、一部では、積層プロセスを介して一緒に接合される両面(反転可能な)多層プラテン設計を提供する。両面多層プラテンは、主に個体加工金属から構成される先行技術のプラテンと比較して軽量である。本開示に従って、
図3Bを参照すると、反転可能な多層プラテン212Bが提供される。中心層は、
図3Aの添付の説明に関して上述したように、軽いハニカムコア202を含む。ハニカムコア202は、重量比に対して強度が高いことによって特徴付けられ、各側面上に積層される積層体の安定かつ堅牢な基部を提供するように構成されている。
【0047】
いくつかの実施形態では、プラテン212Bは、ハニカムコア202の各側面上に表面層210A及び210Bを更に含む。表面層210A~210Bは、プラテン212Bの最外層である。表面層210A~210Bは、ハニカムコア202から真空を伝達するように構成される複数のスロット211を含む。すなわち、真空プレナム113などの真空プラテンは、1つの表面層210A又は210Bの表面と接触/真空連通して配設されてもよく、真空は、プラテン212Bの厚さ全体を通って各層を通して引かれる。いくつかの実施形態では、表面層210A~210Bは、所望の特徴部、例えば、スロット211を用いて製造される金属シートから構成されている。いくつかの実施形態では、スロット211は、ベルト108の穴109などの関連する穿孔ベルト内の孔を通って真空を伝達するように更に構成されている。
【0048】
いくつかの実施形態では、表面層210Aは、表面層210Bと同一である。このようにして、表面層210Aが、関連する搬送ベルトとの接触によって経時的に劣化する場合、プラテン212Bは裏返されてもよく、表面層210Bは、ここで、関連する搬送ベルトと接触して配設される搬送システムの上面になる。この可逆性により、一方の側面が故障するか、又は性能が低下すると交換することができる2つの動作可能な側面を有する、プラテン製品に長い寿命をもたらす。
【0049】
他の実施形態では、表面層210A及び210Bは、同一ではない。いくつかの実施形態では、特徴部、例えば、スロットのパターン、形状、及び/又はサイズは、異なっていてもよい。特徴部のパターン、形状、及びサイズは、一般に、表面の周囲の真空の流れに影響を及ぼす。このようにして、プラテン212Bの一方の側面は、特定の媒体基材に対して最適化されてもよく、他方の側面は、別の媒体基材に対して最適化されてもよい。例えば、限定はしないが、表面層210Aを有する側面などの一方の側面を最適化して、紙媒体の搬送及び平坦性を維持するための真空流を得ることができ、表面層210Bを有する側面などの他方の側面を最適化して、厚紙媒体の搬送及び平坦性を維持するための真空流を得ることができる。本明細書では紙媒体及び厚紙媒体が明示的に説明されているが、当該技術分野で既知である他の媒体材料を使用して、それらのために真空の流れを最適化できることを理解されたい。
【0050】
いくつかの実施形態では、プラテン212Bは、一対の内層206A及び206Bを更に含む。内層206A~206Bは、ハニカムコア202と各表面層210A~210Bとの間に挟まれている。内層206A~206Bは、ハニカムコア202と表面層210A~210Bとの間で真空を伝達するように構成される複数の孔207を含む。孔207は、内層206に打ち抜かれるか、又はレーザー切断されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、内層206Aは、内層206Bと同一である。他の実施形態では、内層206A及び206Bは、同一ではない。いくつかの実施形態では、特徴部、例えば、孔207のパターン、形状、及び/又はサイズは、異なっていてもよい。孔の特徴部のパターン、形状、及びサイズは、一般に、隣接する表面層(210A又は210bのいずれか)のスロット211のパターン、形状、及びサイズと組み合わせて、表面周囲の真空の流れに影響を及ぼす。
【0052】
一般に、各孔207は、ハニカムコア202の少なくとも1つの柱状のセル203と空気/真空連通するように構成されている。更に、少なくとも1つのスロット211は、少なくとも1つの孔207と空気/真空連通するように構成され、その結果、少なくとも1つの柱状のセル203との空気/真空連通をもたらす。いくつかの実施形態では、スロット211は、下にある内層206内に存在する2つ以上の孔207の長さに及ぶように、表面層の長さに沿って延在している。いくつかの実施形態では、表面層210A及び210Bは各々、同一のコーティングでコーティングされている。コーティングは、デュポンから入手可能なテフロン(登録商標)コーティングなどの低摩擦コーティングであってもよい。いくつかの実施形態では、表面層210Aのコーティングは、表面層210Bのコーティングとは異なる。すなわち、表面層210Aのコーティングは、層210Bのコーティングの摩擦係数とは異なる摩擦係数を有してもよい。
【0053】
本開示の別の態様に従って、
図4を参照すると、ハニカムコアプラテンを有する搬送システム300が提供される。搬送システム300は、ローラR1、R2、R3及びR4などの複数のローラ上に装着された、継ぎ目のある又は継ぎ目のない穿孔ベルト308を含む。複数のローラのうちの少なくとも1つのローラは、ベルト308を駆動するためにモータ(図示せず)に動作可能に接続されており、ベルト308上にある媒体のシート301を「搬送させる」、すなわち、プロセス方向Dに移動させる。
【0054】
穿孔ベルト308は、一般に、エンドレスループとして形成され、複数のローラ、例えばR1、R2、R3及びR4上にぴったりと嵌合するように構成されている。いくつかの実施形態では、ローラR1、R2、R3及びR4の各々は、ローラR1、R2、R3及びR4の各々を媒体搬送ベルト308の内面から電気的に分離するためのゴムコーティングを有する。搬送システムはまた、穿孔ベルト308の所望の張力を調整するための張力ローラR5を含んでもよい。
【0055】
搬送システム300は、ハニカムコアプラテン312をその上面として有する真空プレナム313を含む。真空プレナム313は、真空源VS(例えば、真空ポンプ)への接続部を介して負圧を加えるチャンバである。真空プレナム313は、ハニカムコアプラテン312の反対側の表面(
図4に表面320Bとして図示されている)に動作可能に接続されたプレナム表面314を有する。真空プレナム313は、媒体301をベルト308に保持するために、ハニカムコアプラテン312を通して媒体301に負圧を加えるように構成されている。
【0056】
ハニカムコアプラテン312は、媒体搬送穿孔ベルト308が保持される平坦な表面320Aを提示する。穿孔搬送ベルト308は、ローラR1、R2、R3及びR4のうちの少なくとも1つに動力を供給するモータ(図示せず)によってプラテン312の平坦面にわたり摺動して、媒体搬送ベルト308によって運ばれる媒体のシート(図示せず)をプロセス方向Dに移動させる。いくつかの実施形態では、媒体搬送システム300は、印刷システムのマーキングモジュールに組み込まれ、搬送システムは、印刷ゾーンを通して媒体基材を搬送するように構成されている。動作中、プラテン312は、固定面を提示し、搬送ベルト308は、固定面にわたって摺動する。
【0057】
例示的な搬送システム300のハニカムコアプラテン312は、真空プレナム313と空気/真空連通する。ハニカムコアプラテン312は、上述の
図3A~
図3Bのハニカムコア202と同様に構成されたハニカムコア302を含む。ハニカムコア302は、薄い垂直壁304間に形成された複数の中空セル303を含む。セル303は、概ね柱状であり、概ね六角形であるが、上述のように、セルの形状は非限定的である。中空セル303は、ベルト308の下に位置する真空プレナム313を有効にして、媒体をベルト308に引き寄せ、その上に媒体基材を保持し、かつ固定するために、関連するベルト308を実質的に横切って延在する複数の穴309を通して真空プレナム313から引かれた真空を伝達するように構成されている。
【0058】
ハニカムコア302の中空ハニカムセル303は、隣接する真空プレナム313によって伝達され得る空気及び/又は真空の通過を可能にする。換言すれば、ハニカムコア302は、真空源に動作可能に接続される。
図4の例示的な実施形態では、ハニカムコア302に積層された表面層の表面320Bは、真空プレナム313と直接接触し、その結果、真空プレナム313の負圧は、ハニカムコア302の中空セル303を通って、媒体のシート301に伝達される。
【0059】
ハニカムプラテン312は、複数の積み重ねた層を含むプラテン212A及び212Bとして様々に具現化され得る。すなわち、プラテン312は、複数のスロット311を含む少なくとも1つの表面層310を有してもよく、複数の孔307を含む少なくとも1つの内層306を有してもよい。スロット311及び孔307は、プラテン312の厚さT全体にわたって真空を伝達するために、ハニカムセル303と、及び互いに整列されてもよい。いくつかの実施形態では、ハニカムプラテン312は、表面320A又は320Bのいずれかが、ベルト308に隣接する上面又は真空プレナム313と直接接触する上面であり得る反転可能なプラテンである。
【0060】
本開示の別の態様によれば、大きな媒体搬送システムで使用するためのプラテンを作製するためのプロセスが提供される。プラテンは、コア202、302などのハニカムコアと、内層206A又は206Bなどの少なくとも1つの内層と、表面層210A又は210Bなどの少なくとも1つの表面層と、を含む。各層は、接着剤を介して隣接する層に接着される。いくつかの実施形態では、接着剤は、エポキシである。他の実施形態では、接着剤は、UV硬化接着剤である。他の実施形態では、接着剤は、熱硬化接着剤である。すなわち、少なくとも1つの内層206A、206Bは、エポキシを介してハニカムコア202に積層され、少なくとも1つの表面層210A、210Bは、少なくとも1つの内層の外面に積層される。積層の順序は限定されないが、例えば、作製された積み重ねがハニカムコア202に積層される前に、内層及び表面層(それぞれ206及び210)が一緒に積層されてもよいことを理解されたい。
【0061】
積層された積層体(表面層210、内層206、コア202、内層206、表面層210)は、印刷機内に配設される。印刷機は、積層体に圧力を加えるように構成されており、結果として生じるプラテン214の平坦性は、印刷機の対向するプレートの平行度によって制御される。いくつかの実施形態では、印刷機はまた、積層された積層体に熱を提供する。
【0062】
いくつかの実施形態では、テフロン(登録商標)コーティングなどの低摩擦コーティングは、表面層210の外面に塗布される。低摩擦コーティングは、押圧プロセスの前又は後に、表面層210に塗布されてもよい。
【0063】
図5は、本開示による、別の例示的なハニカムコアプラテン500の分解図を示す。ハニカムプラテン500は、矩形のハニカムコア502を含む矩形の形状である。ハニカムコア502は、六角形を各々有する中空柱状のセル503の配列である。ハニカムコア502は、アルミニウムから構成されている。
【0064】
複数のコアフレーム部材531、532、533及び534は、周縁部の周りのハニカムコア502に接続されている。換言すれば、矩形の形状を有するハニカムコア502は、各縁部に沿ったフレーム部材を含む。フレーム部材531~534は、複数の締結具によって、又は接着剤によってハニカムコアに接続されてもよい。いくつかの実施形態では、フレーム部材531~534は、ハニカムプラテン500に追加の構造剛性を提供する。換言すれば、フレーム部材531~534は、プラテン500の曲げ及び屈曲の防止に役立つ。他の実施形態では、フレーム部材531~534は、プラテン502を印刷システム、例えば、
図1の印刷システム10に接続するためのタブ535などの構造体を含んでもよい。他の実施形態では、以下でより詳細に説明されるように、複数のフレーム部材531~534は、モジュール式装着アダプタを受容し、これに接続するように構成されている。
【0065】
第1の内層506A及び第2の内層506Bは、ハニカムコア502の第1及び第2の側面に接着剤を介してそれぞれ積層される。すなわち、ハニカムコア502は、複数のフレーム部材531~534と組み合わせて、ハニカムコア502の第1及び第2の側面の各々上にコア表面積を画定する。いくつかの実施形態では、第1の内層506A及び第2の内層506Bは、コア表面積全体を覆うように積層されている。他の実施形態では、第1の内層506A及び第2の内層506Bは、ハニカムコアの表面のみを覆い、複数のフレーム部材によって提供される追加の表面積と重なり合わないように成形されている。
【0066】
第1の内層506A及び第2の内層506Bは、層の厚さ全体を通して複数の孔507を含む。
図5の例示的な実施形態による複数の孔507は、矩形のハニカムコア502の長辺に垂直な複数の列505内に設けられている。複数のフレーム部材531~534がハニカムコアに取り付けられている実施形態では、内層506A及び506Bは、フレーム部材531~534によって提供された表面積の上に孔507が存在しないように構成されている。
【0067】
第1の表面層510A及び第2の表面層510Bは、内層506A及び506Bの各々の露出面にそれぞれ積層されている。換言すれば、内層506Aは、第1の表面層510Aとハニカムコア502との間にあり、第2の内層506Bは、第2の表面層510Bとハニカムコア502との間にある。
【0068】
表面層510A及び第2の表面層510Bは、層の厚さ全体を通して複数のスロット511を含む。
図5の例示的な実施形態によれば、複数の細長いスロット511は、矩形の形状の長辺に平行な長軸と、矩形の形状の長辺に垂直な短軸と、を有する。長軸は、下にある内層(506A、506B)の少なくとも1つの孔507に対応するように、表面に沿って延在してもよい。いくつかの実施形態では、長軸は、内層のカバー2、3、4、5、6、7、8、9及び10、並びに孔507まで延在する。スロットの短軸は、内面の孔507の幅に対応する幅を有してもよい。すなわち、スロット511の短軸は、ほぼ単一の孔507の直径の長さから単一の孔の直径の約2倍である。複数のフレーム部材531~534がハニカムコアに取り付けられている実施形態では、表面層510A及び510Bは、フレーム部材によって提供された表面積の上にスロット511が存在しないように構成されている。
【0069】
柱状のセル503、孔507、及びスロット511は、真空源から加えられた負圧が、一方の表面510Aから他方の表面510Bへ、及びその逆に空気を引き込むことができるように実質的に整列していることを理解されたい。これにより、媒体のシート507を、関連する搬送システムの穿孔ベルト(ベルト308など)と平坦に接触させることができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、
図5及び
図6を参照すると、複数のフレーム部材531~534は、プラテン500の外周の周りの複数のモジュール式装着部541~544を受容し、かつ取り外し可能に接続するように構成されている。接続は、締結具545、例えば、ねじによって提供されてもよい。フレーム部材513~534は、モジュール式装着部の対応する装着面を受容することができる装着面を提供する。モジュール式装着部541~544の形状及び特徴は、機械の所望の用途又は特定の必要性に依存し得る。すなわち、モジュール式装着部541~544は、センサ、印刷構成要素、媒体整列構成要素、搬送ベルトなどを受容するように構成されてもよい。モジュール式装着部541~544は、取り外し可能に取り付けられているため、特定のアクセサリを装着するために設計された特定のモジュール式装着部、若しくは搬送システム又は関連する印刷機の特定の構成要素と相互作用するように設計された特定の装着部は、必要に応じてスワップイン又はスワップアウトすることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、モジュール式部材は、フレーム部材のタブ536を各々受容するように構成された複数の穴546を含む。タブ536は、モジュール式部材をフレーム部材に固定するために、関連する締結具545の一組の雄ねじと係合するように構成された一組の雌ねじを含んでもよい。
【0072】
フレーム部材531~534は、ハニカムコア502に接着され、内層と表面層との間に積層されるように開示されているが、フレーム部材531~534は、少なくとも1つの積層を含むハニカムコアプラテンに接着され得ることを理解されたい。これらの実施形態では、フレーム部材は、ハニカムプラテンの最外面が連続的であり、フレーム部材が追加された状態でも均一になるように構成されている。
【0073】
様々な上記に開示したもの並びに他の特徴及び機能の変形、又はそれらの代替物が、多くの他の異なるシステム又はアプリケーションに組み合わされてもよいことが理解されるであろう。様々な現在予期されない、又は先行例のない代替物、修正、変形、又は改善が、当業者によって後に行われてもよく、これらはまた、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。
【0074】
特許庁及び本出願のいずれかの読み手、及び本明細書に添付の特許請求の範囲を解釈する際のあらゆる結果として得られる特許を支援するために、出願人らは、「のための手段(means for)」又は「のための工程(step for)」という言葉が特定の特許請求項において明示的に使用されていない限り、添付の特許請求の範囲又は特許請求要素のいずれも米国特許法第112(f)条行使することを意図していない。