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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020112477
(22)【出願日】2020-06-30
(65)【公開番号】P2022011372
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 雅康
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-247552(JP,A)
【文献】実開平05-054940(JP,U)
【文献】特開2017-138359(JP,A)
【文献】特開2005-148577(JP,A)
【文献】特開平08-265890(JP,A)
【文献】特開2016-035360(JP,A)
【文献】特開2020-030010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
G10H 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋内に設置された換気システムと通信可能なカラオケ装置であって、
利用者により選曲された楽曲を予約待ち行列に登録することで楽曲の演奏予約を行う第1の予約部と、
前記第1の予約部により前記予約待ち行列に登録された楽曲毎の演奏時間の合計である合計演奏時間を算出する算出部と、
前記合計演奏時間が所定条件を満たすかどうかを判定する判定部と、
前記合計演奏時間が所定条件を満たす場合、予め設定されている換気楽曲を前記予約待ち行列に登録し、前記合計演奏時間をリセットする第2の予約部と、
演奏手段による前記換気楽曲のカラオケ演奏中、前記換気システムを動作させるシステム制御部と、
を有するカラオケ装置。
【請求項2】
前記カラオケ装置を利用する利用者の人数を取得する取得部を有し、
前記判定部は、取得された前記利用者の人数に応じて前記所定条件を変更することを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記システム制御部は、前記換気楽曲のカラオケ演奏中にマイクを介した音声信号の入力があった場合、当該音声信号に基づく音声の放音を禁止するよう前記演奏手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記システム制御部は、前記換気楽曲のカラオケ演奏中、マイクの殺菌を推奨するメッセージを表示手段に表示させ、且つ前記カラオケ装置に接続されたマイク殺菌装置を動作させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置の利用状況に基づいて、カラオケ装置が設置された部屋の設備を制御する技術が知られている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、カラオケ装置を利用可能な残時間情報を利用者に対して提示すると共に、カラオケボックス内のエアコン、照明、空気清浄機等の機器のうち少なくとも1つを制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-242494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、カラオケルームのような密閉空間において感染症対策を徹底するためには、カラオケ歌唱の状況に応じて適度な換気が行われることが望ましい。
【0006】
本発明の目的は、カラオケ歌唱の状況に応じて、カラオケルーム内の換気を行うことが可能なカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための一の発明は、部屋内に設置された換気システムと通信可能なカラオケ装置であって、利用者により選曲された楽曲を予約待ち行列に登録することで楽曲の演奏予約を行う第1の予約部と、前記第1の予約部により前記予約待ち行列に登録された楽曲毎の演奏時間の合計である合計演奏時間を算出する算出部と、前記合計演奏時間が所定条件を満たすかどうかを判定する判定部と、前記合計演奏時間が所定条件を満たす場合、予め設定されている換気楽曲を前記予約待ち行列に登録し、前記合計演奏時間をリセットする第2の予約部と、演奏手段による前記換気楽曲のカラオケ演奏中、前記換気システムを動作させるシステム制御部と、を有するカラオケ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カラオケ歌唱の状況に応じて、カラオケルーム内の換気を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係るカラオケルームを示す図である。
図2】第1実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
図3】第1実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
図4】第1実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
図5】変形例1に係るカラオケ本体を示す図である。
図6】第2実施形態に係るカラオケルームを示す図である。
図7】第2実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
図1図4を参照して、第1実施形態に係るカラオケ装置について説明する。
【0011】
==カラオケ装置==
カラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。カラオケ装置Kは、カラオケルームR内に設置されている。カラオケルームRは「部屋」の一例である。
【0012】
図1に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケルームR内に設置された換気システムVと通信可能となっている。換気システムVは、カラオケルームR内の換気を行う。換気システムVは、密閉空間の換気が可能なシステムであれば特に限定されない。一方、一般的なカラオケルームは高い遮音性が求められる。よって、換気システムVは、給気及び排気を機械で行う第一種換気が可能なシステムであることが好ましい。
【0013】
図2に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、及びリモコン装置50を備える。
【0014】
カラオケ本体10は、選曲された楽曲の演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20は、カラオケ本体10からの信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30は、カラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。表示装置30は「表示手段」の一例である。マイク40は、利用者のカラオケ歌唱に基づく歌唱音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。
【0015】
図3に示すように、カラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、演奏手段10d、及び制御手段10eを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0016】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。記憶手段10aは、楽曲データを記憶する。
【0017】
楽曲データは、個々の楽曲を特定するための楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ等を含む。伴奏データは、カラオケ演奏音の元となるデータである。リファレンスデータは、利用者によるカラオケ歌唱を採点するためのデータである。
【0018】
記憶手段10aは、各楽曲に対応する歌詞テロップをカラオケ演奏に合わせて表示装置30等に表示させるための歌詞テロップデータ、カラオケ演奏時に表示装置30等に表示される背景映像等の背景映像データ、及び楽曲の属性情報を記憶する。本実施形態に係る属性情報には、楽曲の演奏時間が含まれる。なお、演奏時間は、楽曲データに含まれていてもよい。
【0019】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、リモコン装置50や換気システムVとの通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、利用者が各種の指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
【0020】
[演奏手段]
演奏手段10dは、制御手段10eの制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏及びマイク40を通じて入力された歌唱音声に基づく信号の処理を行う。演奏手段10dは、音源、ミキサ、アンプ等を含む(いずれも図示なし)。
【0021】
[制御手段]
制御手段10eは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10eは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0022】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、第1の予約部100、演奏制御部200、算出部300、判定部400、第2の予約部500、及びシステム制御部600として機能する。
【0023】
(第1の予約部)
第1の予約部100は、利用者により選曲された楽曲を予約待ち行列に登録することで楽曲の演奏予約を行う。
【0024】
たとえば、カラオケ装置Kの利用者Uは、リモコン装置50を操作してカラオケ歌唱を希望する楽曲X1を選曲する。第1の予約部100は、利用者Uが選曲した楽曲X1の楽曲IDを記憶手段10aの予約待ち行列に登録することで、楽曲X1の演奏予約を行う。その後、利用者Uが連続して楽曲X2を選曲したとする。この場合、第1の予約部100は、楽曲X2の楽曲IDを楽曲X1の楽曲IDに続いて予約待ち行列に登録することで、楽曲X2の演奏予約を行う。すなわち、第1の予約部100は、利用者が選曲した順番で楽曲IDを予約待ち行列に登録する。なお、以下では、カラオケ装置Kの利用者が1名の場合について説明するが、利用者が複数であってもよい。
【0025】
(演奏制御部)
演奏制御部200は、楽曲の演奏制御を行う。
【0026】
たとえば、演奏制御部200は、リモコン装置50を介した利用者からの演奏開始の指示入力に応じて、予約待ち行列に登録されている楽曲IDを元に、対応する楽曲の伴奏データを記憶手段10aから取得する。そして、演奏制御部200は、取得した伴奏データを演奏手段10dに出力し、カラオケ演奏を行わせる。
【0027】
(算出部)
算出部300は、第1の予約部100により予約待ち行列に登録された楽曲毎の演奏時間の合計である合計演奏時間を算出する。
【0028】
算出部300は、第1の予約部100により予約待ち行列に楽曲が予約される毎に合計演奏時間を算出する。たとえば、最初に楽曲X1が予約待ち行列に登録された場合、算出部300は、楽曲X1の属性情報を参照し、楽曲X1の演奏時間T1を取得する。この場合、算出部300は、演奏時間T1を合計演奏時間ST1として算出する。
【0029】
次に、楽曲X2が予約待ち行列に登録された場合、算出部300は、楽曲X2の属性情報を参照し、楽曲X1の演奏時間T2を取得する。算出部300は、演奏時間T1に対して演奏時間T2を加え、合計演奏時間ST2を算出する。
【0030】
同様に、楽曲X3が予約待ち行列に登録された場合、算出部300は、楽曲X3の属性情報を参照し、楽曲X3の演奏時間T3を取得する。算出部300は、演奏時間T1及び演奏時間T2(すなわち合計演奏時間ST2)に対して演奏時間T3を加え、合計演奏時間ST3を算出する。楽曲X4が予約待ち行列に登録された場合、算出部300は、楽曲X4の属性情報を参照し、楽曲X4の演奏時間T4を取得する。算出部300は、演奏時間T1、演奏時間T2、及び演奏時間T3(すなわち合計演奏時間ST3)に対して演奏時間T4を加え、合計演奏時間ST4を算出する。
【0031】
なお、算出部300は、属性情報に含まれる演奏時間を取得する代わりに、楽曲データ(たとえば楽曲データの構成及びテンポ)から求めた演奏時間を用いてもよい。また、算出部300は、予め記憶手段10aに記憶された、楽曲(楽曲ID)と演奏時間とを紐付けたテーブルを参照することにより、演奏時間を取得してもよい。
【0032】
(判定部)
判定部400は、合計演奏時間が所定条件を満たすかどうかを判定する。
【0033】
所定条件は、カラオケルームRの換気を行うかどうかを決定するための基準である。所定条件は、カラオケルームRの広さ等を考慮した一の基準が予め設定されている。たとえば、所定条件は「15分以上」といった時間とすることができる。
【0034】
判定部400は、合計演奏時間が算出される毎に判定を行う。判定部400は、判定結果を第2の予約部500に出力する。
【0035】
たとえば、算出部300が合計演奏時間ST1を算出したとする。判定部400は、合計演奏時間ST1が所定条件CTを満たすかどうかを判定する。判定部400は、判定結果J1を第2の予約部500に出力する。同様に、算出部300が合計演奏時間ST2を算出したとする。判定部400は、合計演奏時間ST2が所定条件CTを満たすかどうかを判定する。判定部400は、判定結果J2を第2の予約部500に出力する。算出部300が合計演奏時間ST3を算出したとする。判定部400は、合計演奏時間ST3が所定条件CTを満たすかどうかを判定する。判定部400は、判定結果J3を第2の予約部500に出力する。算出部300が合計演奏時間ST4を算出したとする。判定部400は、合計演奏時間ST4が所定条件CTを満たすかどうかを判定する。判定部400は、判定結果J4を第2の予約部500に出力する。
【0036】
なお、以下の説明では、判定結果J1~判定結果J3が「合計演奏時間が所定時間を満たさない」という結果である一方、判定結果J4が「合計演奏時間が所定時間を満たす」という結果であるとする。
【0037】
(第2の予約部)
第2の予約部500は、合計演奏時間が所定条件を満たす場合、予め設定されている換気楽曲を予約待ち行列に登録し、合計演奏時間をリセットする。
【0038】
換気楽曲は、記憶手段10aに記憶されている複数の楽曲のうち、少なくとも一の楽曲である。換気楽曲は、カラオケ歌唱可能な楽曲の中から選ばれたものであってもよいし、カラオケ歌唱可能な楽曲とは別に準備された楽曲(たとえば歌詞のないBGM楽曲)であってもよい。換気楽曲は、換気システムVの性能等に応じて、換気に十分な時間を確保できるような演奏時間の楽曲が選曲される。
【0039】
上記例において、判定結果J4が入力された場合、第2の予約部500は、記憶手段10aから換気楽曲VMの楽曲IDを読み出し、予約待ち行列に登録することで換気楽曲VMの演奏予約を行う。この場合、換気楽曲VMは、楽曲X4の後に演奏予約がなされることとなる。
【0040】
換気楽曲VMを予約待ち行列に登録した後、第2の予約部500は、それまでに演奏予約された楽曲X1~楽曲X4の合計演奏時間ST4をリセットする。従って、たとえば、換気楽曲VMが予約された後、新たな楽曲X5が予約待ち行列に登録された場合、算出部300は、楽曲X5の属性情報を参照し、楽曲X5の演奏時間T5を取得する。この場合、算出部300は、演奏時間T5を合計演奏時間ST5として新たに算出する。
【0041】
一方、判定結果J1~判定結果J3が入力された場合、第2の予約部500は、合計演奏時間が所定時間を満たさないため、特段の処理を実行しない。
【0042】
なお、判定部400は、「合計演奏時間が所定時間を満たす」場合のみ、判定結果を第2の予約部500に出力してもよい。この場合、第2の予約部500は、判定結果の入力に応じて換気楽曲を予約待ち行列に登録し、合計演奏時間をリセットする。
【0043】
(システム制御部)
システム制御部600は、演奏手段10dによる換気楽曲のカラオケ演奏中、換気システムVを動作させる。
【0044】
たとえば、楽曲X1~楽曲X4、換気楽曲VM、楽曲X5の順で予約待ち行列に登録されているとする。
【0045】
演奏制御部200は、利用者からの演奏開始の指示入力に応じて演奏手段10dを制御し、楽曲X1から順にカラオケ演奏を行わせる。
【0046】
システム制御部600は、楽曲X1~楽曲X4のカラオケ演奏中は、特段の処理を実行しない。一方、システム制御部600は、換気楽曲VMのカラオケ演奏開始に合わせて、換気システムVに対して駆動開始の信号を送信する。換気システムVは、当該信号に基づいてカラオケルームR内の換気を開始する。その後、システム制御部600は、換気楽曲VMのカラオケ演奏終了に合わせて、換気システムVに対して駆動停止の信号を送信する。換気システムVは、当該信号に基づいてカラオケルームR内の換気を停止する。換気楽曲VMのカラオケ演奏が終了した後、演奏制御部200は、演奏手段10dを制御し、楽曲X5のカラオケ演奏を行わせる。
【0047】
==カラオケ装置における処理について==
次に、図4を参照して本実施形態に係るカラオケ装置Kにおける処理について述べる。図4は、カラオケ装置Kにおける処理を示すフローチャートである。なお、カラオケ装置Kは、カラオケルームR内に設置された換気システムVと通信可能となっている。
【0048】
第1の予約部100は、利用者により選曲された楽曲を予約待ち行列に登録することで楽曲の演奏予約を行う(楽曲の演奏予約。ステップ10)。
【0049】
算出部300は、第1の予約部100により予約待ち行列に登録された楽曲の合計演奏時間を算出する(合計演奏時間を算出。ステップ11)。
【0050】
判定部400は、ステップ11で算出された合計演奏時間が所定条件を満たすかどうかを判定する。
【0051】
合計演奏時間が所定条件を満たす場合(ステップ12でYの場合)、第2の予約部500は、予め設定されている換気楽曲を予約待ち行列に登録する(換気楽曲の演奏予約。ステップ13)、その後、第2の予約部500は、ステップ11で算出された合計演奏時間をリセットする(合計演奏時間のリセット。ステップ14)。
【0052】
利用者からの演奏開始の指示入力があった場合(ステップ15でYの場合)、演奏制御部200は、演奏手段10dを制御し、予約待ち行列に登録されている順に楽曲のカラオケ演奏を開始する。
【0053】
ここで、換気楽曲のカラオケ演奏を開始した場合(ステップ16でYの場合)、システム制御部600は、換気システムVの動作を開始させる(換気システムの動作開始。ステップ17)。その後、換気楽曲のカラオケ演奏が終了した場合、システム制御部600は、換気システムVの動作を終了させる(換気システムの動作終了。ステップ18)。
【0054】
カラオケ装置Kは、利用者がカラオケ装置Kの利用を終了するまで(ステップ19でYの場合まで)、ステップ10からステップ18の処理を繰り返し行う。
【0055】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、カラオケルームR内に設置された換気システムVと通信可能である。カラオケ装置Kは、利用者により選曲された楽曲を予約待ち行列に登録することで楽曲の演奏予約を行う第1の予約部100と、第1の予約部100により予約待ち行列に登録された楽曲毎の演奏時間の合計である合計演奏時間を算出する算出部300と、合計演奏時間が所定条件を満たすかどうかを判定する判定部400と、合計演奏時間が所定条件を満たす場合、予め設定されている換気楽曲を予約待ち行列に登録し、合計演奏時間をリセットする第2の予約部500と、演奏手段10dによる換気楽曲のカラオケ演奏中、換気システムVを動作させるシステム制御部600と、を有する。
【0056】
このようなカラオケ装置Kによれば、複数の楽曲の演奏予約がされている場合であっても、適当なタイミングでカラオケルームRの換気が自動的に行われる。よって、利用者は、常に快適な環境でカラオケ歌唱を行うことができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、カラオケ歌唱の状況に応じて、カラオケルーム内の換気を行うことができる。
【0057】
なお、換気楽曲は複数設定されていてもよい。この場合、第2の予約部500は、所定の順番で、或いはランダムに換気楽曲を選び、予約待ち行列に登録することができる。また、1回のカラオケ装置Kの利用が長時間に渡る場合、換気楽曲の演奏予約が複数回なされることとなる。この場合、第2の予約部500は、常に同じ換気楽曲を予約待ち行列に登録してもよいし、それぞれ異なる換気楽曲を予約待ち行列に登録してもよい。
【0058】
また、1回の換気において十分な時間を確保することができれば、1回の換気に対して演奏予約される換気楽曲は1曲に限られない。たとえば、演奏時間が5分の換気楽曲VM1、演奏時間が6分の換気楽曲VMが設定されているとする。また、十分な時間が10分であるとする。この場合、上記例において、第2の予約部500は、楽曲X4と楽曲X5の予約の間に、換気楽曲VM1及び換気楽曲VM2の演奏予約を行うことができる。
【0059】
また、演奏制御部200は、換気楽曲のカラオケ演奏の音量を通常のカラオケ演奏の音量よりも下げて放音するよう、演奏手段10dを制御してもよい。この場合、カラオケルームRのドアや窓を開けることで、換気の効率を上げることができる。
【0060】
また、予約待ち行列に登録された楽曲の予約がキャンセルされることがある。この場合、算出部300は、予約のキャンセルに基づいて、合計演奏時間を算出し直す(すなわち、既に求めた合計演奏時間からキャンセルされた楽曲の演奏時間を減算する)。判定部400は算出し直した合計演奏時間が所定条件を満たすかどうかを判定する。
【0061】
また、システム制御部600は、換気楽曲のカラオケ演奏中、カラオケルームR内の換気を行っている旨のメッセージを表示装置30に表示させることができる。
【0062】
<変形例1>
カラオケルームの換気を行うタイミングは、当該カラオケルームを利用する利用者の数により変更することが好ましい。
【0063】
図5に示すように、本変形例においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、第1の予約部100、演奏制御部200、算出部300、判定部400、第2の予約部500、システム制御部600、及び取得部700として機能する。
【0064】
(取得部)
取得部700は、カラオケ装置Kを利用する利用者の人数を取得する。
【0065】
人数の取得は様々な方法により行うことができる。たとえば、カラオケルームR内に撮影手段を設ける。取得部700は、撮影手段から出力された映像を公知の手法を用いて解析することにより、カラオケルームRにいる利用者の人数を取得することができる。或いは、取得部700は、カラオケ装置Kにログインした利用者のログイン情報に基づいて、利用者の人数を取得することができる。
【0066】
(判定部)
本変形例に係る判定部400は、取得された利用者の人数に応じて所定条件を変更する。
【0067】
所定条件は、利用者の人数が多くなるほど、換気楽曲が早く演奏予約されるよう変更されることが好ましい。すなわち、所定条件が示す時間は、利用者の人数が多くなるほど短くなることが好ましい。
【0068】
たとえば、「15分以上」という所定条件CT1が予め設定されているとする。ここで、取得部700で取得された人数が1名の場合、判定部400は、合計演奏時間が所定条件CT1を満たすかどうかを判定する。
【0069】
一方、取得部700で取得された人数が2名の場合、判定部400は、所定条件CT1を「13分以上」という所定条件CT2に変更する。判定部400は、合計演奏時間が所定条件CT2を満たすかどうかを判定する。或いは、取得部700で取得された人数が3名の場合、判定部400は、所定条件CT1を「11分以上」という所定条件CT3に変更する。判定部400は、合計演奏時間が所定条件CT3を満たすかどうかを判定する。
【0070】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケ装置Kは、カラオケ装置Kを利用する利用者の人数を取得する取得部700を有する。判定部400は、取得された利用者の人数に応じて所定条件を変更する。このようなカラオケ装置Kによれば、カラオケ歌唱の状況及び利用者の人数に応じて、カラオケルーム内の換気を行うことができる。
【0071】
<変形例2>
カラオケルームの換気中は、カラオケ歌唱を行わないことがより好ましい。本変形例におけるシステム制御部600は、換気楽曲のカラオケ演奏中にマイク40を介した音声信号の入力があった場合、当該音声信号に基づく音声の放音を禁止するよう演奏手段10dを制御する。
【0072】
たとえば、カラオケルームR内の換気中であることを知らない利用者Uが、換気楽曲VMのカラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行おうとしたとする。この場合、カラオケ装置Kには、マイク40を介した音声信号が入力される。
【0073】
一方、システム制御部600は、音声信号に基づく音声の放音を禁止するよう演奏手段10dを制御する。演奏手段10dは、スピーカ20に対して換気楽曲VMの演奏信号を出力する一方、音声信号の出力は行わない。従って、スピーカ20からは換気楽曲VMのカラオケ演奏音のみが放音され、歌唱音声は放音されない。
【0074】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケ装置Kのシステム制御部600は、換気楽曲のカラオケ演奏中にマイク40を介した音声信号の入力があった場合、当該音声信号に基づく音声の放音を禁止するよう演奏手段10dを制御する。このようなカラオケ装置Kによれば、カラオケ歌唱を行おうとした利用者に対し、カラオケルームRが換気中であることを容易に認識させることができる。
【0075】
<第2実施形態>
次に、図6及び図7を参照して、第2実施形態に係るカラオケ装置について説明する。本実施形態では、カラオケルームの換気時間を利用してマイクの殺菌を推奨する例について述べる。第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0076】
==カラオケ装置==
図6に示すように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、マイク殺菌装置Sが接続されている。マイク殺菌装置Sは、たとえば特開2011-097511に記載されているマイクロフォン消毒装置や、UVS消毒器(合同会社Bless。URL:https://bless1225.com/bbs/board.php?bo#table=mall&wr#id=4)のような公知の装置を利用できる。
【0077】
(システム制御部)
本実施形態に係るシステム制御部600は、換気楽曲のカラオケ演奏中、マイク40の殺菌を推奨するメッセージを表示手段に表示させ、且つカラオケ装置Kに接続されたマイク殺菌装置Sを動作させる。
【0078】
具体的に、システム制御部600は、換気楽曲VMのカラオケ演奏が開始された場合、マイク40の殺菌を推奨するメッセージ(たとえば「マイクをマイク殺菌装置にセットしてください」)を表示装置30の表示画面に表示させる。また、システム制御部600は、マイク殺菌装置Sに対して駆動開始の信号を送信する。マイク殺菌装置Sは、当該信号に基づいて動作を開始する。メッセージを見た利用者がマイク40をマイク殺菌装置Sにセットすることにより、マイク殺菌装置Sは、マイク40の殺菌処理を行う。
【0079】
一方、システム制御部600は、換気楽曲VMのカラオケ演奏が終了した場合、メッセージの表示を終了する。また、システム制御部600は、マイク殺菌装置Sに対して駆動停止の信号を送信する。マイク殺菌装置Sは、当該信号に基づいて動作を終了する。
【0080】
なお本実施形態において、換気楽曲VMは、マイク殺菌装置Sによる殺菌処理に要する時間よりも長い演奏時間を有する楽曲であることが好ましい。
【0081】
==カラオケ装置における処理について==
次に、図7を参照して本実施形態に係るカラオケ装置Kにおける処理について述べる。図7は、カラオケ装置Kにおける処理を示すフローチャートである。なお、カラオケ装置Kは、カラオケルームR内に設置された換気システムVと通信可能となっている。また、カラオケ装置Kは、マイク殺菌装置Sが接続されている。
【0082】
ステップ20からステップ27は、第1実施形態のステップ10からステップ27と同様である。
【0083】
システム制御部600は、マイク40の殺菌を推奨するメッセージを表示装置30に表示させ、且つマイク殺菌装置Sの動作を開始させる(メッセージ表示、マイク殺菌装置の動作開始。ステップ28)。カラオケ装置Kは、ステップ27とステップ28を並行して実行することができる。
【0084】
その後、換気楽曲のカラオケ演奏が終了した場合、システム制御部600は、換気システムVの動作を終了させる(換気システムの動作終了。ステップ29)。また、システム制御部600は、マイク40の殺菌を推奨するメッセージの表示を終了させ、且つマイク殺菌装置Sの動作を終了させる(メッセージ表示終了、マイク殺菌装置の動作終了。ステップ30)。カラオケ装置Kは、ステップ29とステップ30を並行して実行することができる。
【0085】
カラオケ装置Kは、利用者がカラオケ装置Kの利用を終了するまで(ステップ31でYの場合まで)、ステップ20からステップ30の処理を繰り返し行う。
【0086】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kにおけるシステム制御部600は、換気楽曲のカラオケ演奏中、マイク40の殺菌を推奨するメッセージを表示装置30に表示させ、且つカラオケ装置Kに接続されたマイク殺菌装置Sを動作させる。このようなカラオケ装置Kによれば、カラオケルームの換気時間を利用してマイクの殺菌を行うことができる。よって、カラオケルームのような密閉空間における感染症対策をより徹底して行うことができる。
【0087】
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
100 第1の予約部
200 演奏制御部
300 算出部
400 判定部
500 第2の予約部
600 システム制御部
700 取得部
K カラオケ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7