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特許7422078セグメント化された可撓性光ガイドにおけるホットスポットの低減
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】セグメント化された可撓性光ガイドにおけるホットスポットの低減
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240118BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20240118BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240118BHJP
【FI】
F21S2/00 434
F21V8/00 330
F21V8/00 100
F21Y115:10 700
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020541435
(86)(22)【出願日】2019-01-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 NL2019050049
(87)【国際公開番号】W WO2019151853
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】18154107.9
(32)【優先日】2018-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18195780.4
(32)【優先日】2018-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502015784
【氏名又は名称】ネーデルランドセ オルガニサティエ フォール トエゲパスト-ナトールヴェテンシャッペリク オンデルゾエク ティエヌオー
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】ハルケマ,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ファン デン ブラント,ジェローン
(72)【発明者】
【氏名】デ コック,マルガレータ マリア
(72)【発明者】
【氏名】ファン デア ヴァール,アドリ
(72)【発明者】
【氏名】シュラム,ジェローン フランシスクス マリヌス
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-149635(JP,A)
【文献】特開平11-353917(JP,A)
【文献】特開2002-250820(JP,A)
【文献】特開2000-340061(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0239203(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 1/00- 8/00
F21V 9/00-15/04
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照らされたアイコン又は画像を表示する為の表示領域を有するディスプレイであって、
1以上のLED装置を受け入れる為のインカップリング面を有する光ガイドを備えており、該LED装置が、該インカップリング面から、該アイコン又は画像を画定するアウトカップリング面に進む光路を画定する為の主光射出方向を有し、
該光ガイドが、該主光射出方向からそれる方向の該LED装置からの光を遮蔽する側縁部を有し、
該光ガイドが、該LED装置に沿って延在する該インカップリング面を向く頂点を有する光均質化ゾーンを備えている透明部を備えており、上記均質化ゾーンが、上記インカップリング面に沿ってインカップリング面から離れており、且つ該光射出方向に沿ってほぼ該LED装置の長さに延在し、
該側縁部が、該光ガイドに隣接して且つ相補的に形成された非透明材料によって与えられている、
前記ディスプレイ。
【請求項2】
均質化ゾーンが、該透明部内の1以上の空洞によって与えられている、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
該空洞の側面が、該LED装置から放射された光に対する全内面反射効果を与えるように、該主光射出方向に相対的に方向付けされている、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項4】
上記1以上の空洞が1以上の三角形又は丸みを帯びた三角形を有する、請求項2又は3に記載のディスプレイ。
【請求項5】
該1以上の空洞が、三角形又は丸みを帯びた三角形の1面に粗化部を備えている、請求項1~4のいずれか1項に記載のディスプレイ。
【請求項6】
均質化ゾーンが、該透明部内に設けられた単一の空洞によって形成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のディスプレイ。
【請求項7】
1以上のLED装置を受け入れる為のインカップリング面が平面透明層の側面であり、該LED装置が、該平面透明層に相当する厚さを有する直立LEDである、請求項1~6のいずれか1項に記載のディスプレイ。
【請求項8】
該インカップリング面が、非平坦で、該インカップリング面と該LED装置との間に空洞を含む、請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項9】
反射コーティングが該透明部と該側縁部との間に設けられている、請求項1~8のいずれか1項に記載のディスプレイ。
【請求項10】
該透明部と該側縁部とが、セグメント化され且つ相補的な形状の2以上の層と1つのカバー層との単一の一体化されたスタックを形成する、請求項1~9のいずれか1項に記載のディスプレイ。
【請求項11】
該単一の一体化された層が複数のLEDのアレイに隣接して設けられており、各LEDが、アウトカップリング面を有する各透明部に面している、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項12】
該カバー層が光反射コーティングを備えている、請求項10又は11に記載のディスプレイ。
【請求項13】
該光反射コーティングが、該アウトカップリング面から離れた該スタックの底面に設けられた該インカップリング面から離れると反射が少なくなるグラジエント化されたパターンを有する、請求項12に記載のディスプレイ。
【請求項14】
該グラジエント化された光反射パターンが該アウトカップリング面の下側に延在する、請求項13に記載のディスプレイ。
【請求項15】
該光ガイドが、0.1~5mmの厚さの透明な平面層によって形成されており、且つ該インカップリング面が、該アウトカップリング面から約5~8mmの距離で配置されている、請求項1~14のいずれか1項に記載のディスプレイ。
【請求項16】
該側縁部及び該透明部が射出成形によって製造されたものである、請求項1~15のいずれか1項に記載のディスプレイ。
【請求項17】
照らされたアイコン又は画像を表示する為の表示領域を有するディスプレイであって、
1以上のLED装置を受け入れる為のインカップリング面を有する光ガイドを備えており、該LED装置が、該インカップリング面から、該アイコン又は画像を画定するアウトカップリング面に進む光路を画定する為の主光射出方向を有し、
該光ガイドが、該主光射出方向からそれる方向の該LED装置からの光を遮蔽する側縁部を有し、
該光ガイドが、該LED装置に沿って延在する該インカップリング面を向く頂点を有する光均質化ゾーンを備えている透明部を備えており、上記均質化ゾーンが、上記インカップリング面に沿ってインカップリング面から離れており、且つ該光射出方向に沿ってほぼ該LED装置の長さに延在し、
反射コーティングが該透明部と該側縁部との間に設けられている、
前記ディスプレイ。
【請求項18】
照らされたアイコン又は画像を表示する為の表示領域を有するディスプレイであって、
1以上のLED装置を受け入れる為のインカップリング面を有する光ガイドを備えており、該LED装置が、該インカップリング面から、該アイコン又は画像を画定するアウトカップリング面に進む光路を画定する為の主光射出方向を有し、
該光ガイドが、該主光射出方向からそれる方向の該LED装置からの光を遮蔽する側縁部を有し、
該光ガイドが、該LED装置に沿って延在する該インカップリング面を向く頂点を有する光均質化ゾーンを備えている透明部を備えており、上記均質化ゾーンが、上記インカップリング面に沿ってインカップリング面から離れており、且つ該光射出方向に沿ってほぼ該LED装置の長さに延在し、
該透明部と該縁部とが、セグメント化され且つ相補的な形状の2以上の層と1つのカバー層との単一の一体化されたスタックを形成する、
前記ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、組み込まれたLEDからの改善された均質性の光を有する、セグメント化された可撓性光ガイド(light guides)に関する。
【0002】
LEDを有する光ガイドの照明セクションは、光ガイドの他の部分に望ましくない光の漏れをもたらす。その上、1~10mmではLEDの近くに強度が突出する部分ができる故に、LEDは、このLEDからの光をアウトカップリングする領域から遠く離れたところに配置されている。被照明領域に現れるこの突出部を避ける為に、この距離は長くされ、その結果、システム全体の面積が望ましくなく増大する。
【0003】
均質性を達成する為の最も典型的な方法は、大きく間隔を空けることか、又は光を多く拡散させる及び/又は吸収することのいずれかであり、その結果、光ガイドによって放射される光の輝度はかなり減少させられる。すぐそばにある隣り合うアイコンに対して、典型的な光ガイドは、これらのアイコン間のクロストークを数%に、又は1%にさえ低減する為の解決策を有しない。従って、1つのアイコンを点けることは、他のアイコンからの望ましくない発光をもたらす。さらに、光ガイドは、LEDから少なくとも5~10mm離れた放射領域を生成するだけで得られるよりも効果的に光が広がって、光がより均質になるような形状にされることができる。しかし、場合によっては、この距離は遠すぎる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、照明セクションの均質性を改善し且つLEDのこのセクションまでの距離を減少させる光学設計特徴を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この為に、照らされたアイコン又は画像を表示する、光ガイドを備えているディスプレイが提供され、ここで、該光ガイドは、1以上のLED装置を受け入れる為のインカップリング面(incoupling face)を有し、LED装置は、インカップリング面から、アイコン又は画像を画定するアウトカップリング面(outcoupling face)に進む光路を定める為の主光射出方向を有する。該光ガイド10は、該主光射出方向Lからそれる方向のLED20からの光を遮蔽する側縁部を有する。該光ガイドは、該LED装置に沿って延在する該インカップリング面を向く頂点を有する光均質化ゾーンを備えている透明部に設けられており、該均質化ゾーンは、上記面に沿ってLED装置の長さより短い側面から離れており、光射出方向に沿ってほぼLED装置の長さに延在する。1つの例において、空気ポケットがLEDに設けられて、光ガイドとの境界で光の屈折を与える。
【0006】
該提案される設計は、均質性への顕著な改善を提供する。該LEDと発光セクションとの間の5~10mmの間隔を用いる代わりに、距離は、5mmよりも短く、おそらく3mmまでにすら短縮されることができる。この光ガイドは、屈折を与える為に、LEDにおいてわずかな空気ポケットを含みうる。
【0007】
このようにして、(典型的には極めて不均質である)LEDディスプレイによって放射される光はすでにLEDの近くで均質である。
【0008】
その上、同じ材料のタイプの異なる光学的密度のセクションを一緒になるように融合して適切な光ガイド形状を形成することが提案される。このようにして、ディスプレイは、セグメント化され且つ相補的な形状の2以上の層の単一の一体化されたスタックを形成する透明部と縁部とを有する。
【0009】
例えば、高温ステップ、例えば高圧積層によって単一の層に溶かされた熱可塑性ポリウレタン(TPU:thermoplastic polyurethane)物質によって形成された不透明セクションと透明セクションとから光ガイドを生成することによって、及び/又はカバー層を設けることによって光の漏れは低減されうる。該光ガイドは、光がアウトカップリングするまで光が捕らえられる閉じられたセクションとして提供される。本発明では、この部分は完全に可撓性があり、効率的な導光の為の全ての要素と開口とを含んで所望のいかなる見え方も生成することができる。この要素は、形成前又は後に、3次元の予め形成された硬質又は半硬質の要素に容易に一体化されることができる。
【0010】
複数の高温TPUを使用して単一の層を形成することによって、透明セクション間の間隔が1mmよりも狭くても、光は隣り合うセクションの間で完全に遮蔽されることができる。
【0011】
本開示の装置、システム及び方法のこれらの及び他の特徴、観点及び利点が、下記の説明、添付の特許請求の範囲及び添付の図面からより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A図1Aは、不透明マトリックス及び透明マトリックスを使用して、光ガイドをセグメント化して、隣り合う照明区域への漏れを低減する製品部分の図である。
図1B図1Bは、LEDにおける、又は対向する境界部における例示的な構造物の図である。1つの構造物が描かれているが、構造物のアレイでありうる。LEDにおいては、空気ポケットは、その形状、大きさを最適化し、それとは別に積層方法(温度及び圧力)を最適化することによって保たれることができる。
図1C図1Cは、光ガイドの様々な形状の図である。
図2A図2Aは、均質化構造物及びそれらの光学的応答の図である。
図2B図2Bは、均質化構造物及びそれらの光学的応答の図である。
図2C図2Cは、均質化構造物及びそれらの光学的応答の図である。
図3図3は、上面、及び段階的に光を拡散する為のパターンを含む底面を示す、アイコン表示の例示的な上面図である。
図4A図4Aは、組立体の例示的な積層スタックの図であり、ここで、光ガイド並びに反射側及び裏側層は射出成形によって加えられている。
図4B図4Bは、組立体の例示的な積層スタックの図であり、ここで、光ガイド並びに反射側及び裏側層は射出成形によって加えられている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
特定の実施態様を説明する為に使用される語は、本発明を限定するように意図されたものではない。本明細書に使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈においてそうでないことを明示していなければ、複数形も包含することを意図される。「及び/又は」という語は、関連する列挙項目のうちの1以上の任意の及び全ての組み合わせを包含する。「備えている(comprises)」及び/又は「備えている(comprising)」という語は、述べられた特徴が存在することを特定するが、1以上の他の特徴が存在する、又は加わることを排除しないことはさらに理解されよう。方法の特定のステップが別のステップの後に続くと称される場合、そうでないことを明記していなければ、これは、上記他のステップのすぐ後に続くことができるか、又は1以上の中間ステップが特定のステップを実行する前に実行されうるとさらに理解されよう。同様に、構造物間又は構成要素間の接続が記載されるとき、この接続は、そうでないことを明記されていなければ、直接的に或いは中間構造物又は中間構成要素を介して確立されうることは理解されよう。
【0014】
本発明は、本発明の実施態様が示されている添付の図を参照して、より完全に下記に説明される。該図において、システム、構成要素、層及び領域の絶対的及び相対的な大きさが、明確の為に誇張されうる。実施態様は、本発明のおそらく理想化された実施態様及び中間構造物の概略図及び/又は断面図を参照して説明されうる。発明の詳細な説明及び図面において、全体を通して、同様の番号は同様の要素を云う。相対的な語及びその派生語は、そのときに説明されている方向、又は論じられている図に示されている方向を参照していると解釈されるべきである。これらの相対的な語は、説明を便利にする為のものであり、且つシステムが特に明記されていない限り、特定の方向で組み立てられる又は動作される必要はない。
【0015】
図1Aにおいて、ディスプレイ100が光ガイド10及びLED装置20から形成されている実施態様が示されている。より詳細には、光ガイド10は、1以上のLED装置20を受け入れる為のインカップリング面110を有し、該LED装置20が、インカップリング面110から、アイコン、スリット又は画像を画定する為のアウトカップリング面120に進む光路を画定する為の主光射出方向を有する。
【0016】
光ガイド10は、主光射出方向Lからそれる方向のLED20からの光を反射及び/又は遮蔽する側縁部30を有する。
【0017】
より詳細には、図1Bは、光ガイド10が、LED装置20に沿って延在するインカップリング面110に面する頂点を有する光均質化ゾーン130を備えている透明部102を備えていることを示す。該光均質化ゾーンの形状は、中央の頂点が形成され且つ側部がLED装置から離れる方向を向く境界面を有するようなものである。均質化ゾーン130は側面110に近く、特に、(頂点から測定された)LED装置20のその発光面に沿って測定された長さよりも短い距離を有する。均質化ゾーン130は、LED装置20のほぼ長さにわたって光射出方向Lに沿って延在する。図1A及び1Bの例において、均質化構造物130は、単一の三角形の空洞であるが、これは、三角形の均質化構造物130を形成する複数の空洞、例えば、1以上の三角形又は丸みを帯びた三角形、とすることができる。均質化構造物130の縁はさらに、RGB側面LEDを使用する場合、光の拡散及び光の混合を改善する為に粗くされうる。
【0018】
図1Bは、側縁部が、光ガイド10に隣接して且つ相補的に形成されている非透明材料101によって与えられていることを示す。白色TPUが、電気的な設計図が印刷されている基板102として使用されうる。代替的には、TPUは白色ライナを有しうる、又は該基板は白色コーティングを有するPEN基板でありうる。このTPU上のこのインクを硬化することは、その高い処理温度140℃の故に容易である。白色は、プリント回路に接合されたLEDから生じる発光を基板の境界で反射させることに役立つ。側面放射LED20は、好ましくは<2mm、より好ましくは<1mm、等の高さを有するAgプリント回路に接合されうる。高出力LEDが好ましい(出力>1000nit)。マトリックス101はまた、セクションがレーザ又は別の方法によって切断される白色TPUによって形成されうる。マトリックス101はまた、設計に依存して、黒色、又は黒色と白色との組み合わせでありうる。黒色TPUは、完全に光を吸収し非透明であるので光を遮蔽することに役立つ。これは、光学システムの出力効率の損失をもたらすが、一方では、望ましくない光の漏れが避けられることを保証し、従って、明確に画定された照明領域をもたらす。
【0019】
図1Aのように組み合わせられる場合に、ディスプレイ100は、セグメント化され且つ相補的な形状の2以上の層の一体化された単一のスタック50を形成する透明部102及び縁部101を有する。相補的な構造物を個別に切り離して、そして両方の構造物を重ねて単一の層を形成することによって組み合わせがなされることができる。重ねられた後、例えば、カバー層(図4を参照)による積層は、装置100についての一体化された構造物を保持することを提供することができる。
【0020】
図1Cは、光ガイド10が方形又は矩形ではなく、光をさらに広げて、アウトカップリング面120の中央部に比べて側部121での光の強度の低下を避ける形状を含むことを示す。複数のLEDは近距離で強くアウトカップリングし、このことは、それは、この距離でより広い面積にわたって均質な放射を達成することを困難にする。該光ガイドは、光を拡散する為に、インカップリングの位置においてインカップリング面におけるパターニングを提供されうる。従って、該インカップリング面は、インカップリング面とLED装置との間に空洞を含むように、非平坦でありうる。
【0021】
例えば、光ガイド10は、LED発光面20に、光ガイド10との境界で光の屈折を与える空気ポケット150を含む。これらの空気ポケット150によって該LEDの長さDは、アウトカップリング面120の幅に対して制限されることができるが、それでも、均質に照らされた側面を有する。典型的な比が、該LEDの長さDの約150~300%のアウトカップリング面の幅でありうる。該空気ポケットは、おそらく、丸みを帯びた曲線と、丸みを帯びた三角形状の三角形の底辺の粗化部とを有する三角形であり、この粗化部は色分割を防ぐ。該インカップリング面の反対側は、同様に屈折構造物を備えうる。
【0022】
図2A図2Cは、光ガイド10の様々な構造の幾つかの均質化ゾーンについての光学的応答を示す。図2Aにおいて、基本の光学的応答が、光ガイド10について与えられており、ここで、均質化構造物は設けられていない。アウトカップリング面が、特に中央付近で不均質性を示すことが示されている。図2Bにおいて、均質化ゾーン30が、透明部102における単一の空洞によって与えられている。均質性は、特に側部の方で改善されていることが示されている。図2Cにおいて、優れた均質性が、該均質化ゾーンに含まれる完全なレンズの形態の均質化構造物について示されている。この実施態様は製造することが困難である。
【0023】
図3は、アウトカップリング(outcoupling)上面120のアイコン表示121、及びグラジエントパターン140を有するグラジエント化された底面140の例示的な上面図を示す。該グラジエントパターンは反射面に形成され、従って、LED20から放射された光を部分的に反射する。該反射面は通常、グラジエント化されたパターンを有する光反射コーティングによって与えられている。該パターンは、インカップリング面110から離れると少なくなる反射を有する。この例において、該グラジエント化された光反射パターンは、アウトカップリング面120の下側に延在する。
【0024】
LEDインカップリング面110の及び/又は均質化ゾーン130の側面は、例えば、RGB LEDを使用する場合に、色分割を防ぐ為に粗化部を有することが示されている。この例において、LED装置を受け入れるインカップリング面110は平面状の透明な層の側面である。LED装置20は、光ガイド10の透明層に対応する厚さを有する直立LEDである。該光ガイドのセクション10は、透明な又は曇ったTPUから切断され得、そして、該白色光ガイドの縁部30内に配置されている。別途に、任意的に曇った又は光の拡散を与える為に修正されたカバーフォイル(PET、PEN、TPU、PVB、PC、又はその他)が、光が光ガイドを出ることができる開口を有して、反射コーティング、例えば誘電体インク、でプリントされることができる。代替的には、該カバー層は、プリントコーティング、例えばTPU層上のコーティング、でありうる。この白色誘電体反射コーティングは、透明部と縁部との積層組立ステップの間に、TPUに向けられたカバーフォイルとすることができる。該カバーフォイルの上部には、さらなる層がプリントされうる(誘電性、耐擦傷性、又はその他)。導光(Light guiding)及びアウトカップリングは、内部及び/又は外部における彫刻パターンを施与することによって改善されることができるが、また内側に組み込まれうる。このパターンはランダムでありうるが、また本質的に周期的でありうる。例えば、PEN及びPC内にCOレーザでレーザ加工された50ミクロンごとの30ミクロンまでの線を刻むことで良好な結果が得られることができる。示された例において、該光ガイドは、2mmの厚さの透明な平面層によって形成され、且つ該インカップリング面は、アウトカップリング面から約5~8mmの距離に配置されている。均質化ゾーン130は、高温でその形状が大きく変化しないように、耐熱材料で与えられている。
【0025】
図4Aは、例示的な、層のスタックを示し、ここで、LED20が、光ガイド10の側面から結合するLEDであることが示されている。スタック100は縮尺通りでなく、任意的な層の数を示す為だけのものである。中央の光ガイド(light guide)層50は、透明なPMMAからセグメント化される。層40は、強化された導光の為のグラジエント彫刻で修正されたPMMA界面である。彫刻されたカバー層40は、底部可飾フォイル(bottom decorative foil)106に積層されたデンサイト(densite)白色フォイル104と接触して配置されている。光ガイドスタックは、白色コーティング104’によって光学的に閉ざされており、散乱フォイル(scatter foil)105及び頂部フォイル(top foil)106’によって仕上げられている。
【0026】
図4Bは、側縁部及び透明部が射出成形によって製造されている変形例を示す。この例において、カバー層40は、例えば、250ミクロンのコーティングされたポリカーボネート(PC:polycarbonate)透明前面フォイル107によって与えられている。反射白色面104は、グラジエントパターンで光反射コーティングをすることによって、従って、上側のセグメント化された透明光ガイドスタックGをグラジエントパターンでカバーすることによって与えられている。反射白色コーティング104の側部104aは、カバーフォイルでの導光を遮蔽する黒色コーティングによって終端されうる。PCカバーフォイル107は、外側が黒色の白黒インクのスタックである頂部コーティング104b、104wをさらに備えている。コーティング104は、照らされた場合に、透明なポリカーボネート層がアイコンを示すように、アイコン画像を空けたままにしている。カバー層40の裏側には、光ガイドスタックGが、透明部10に隣接して且つ相補的に形成された非透明材料によって与えられたセグメント化された光側縁部30によって形成されている。従って、光ガイド100は、セグメント化され且つ相補的な形状の2以上の層50と1つのカバー層40との単一の一体化されたスタックを形成する。
【0027】
これは、結果として、機能層が射出成形部50の上にスタックとして与えられ、好適な厚さを与えるのに役立つ。例えば、裏面基板の上の裏側層はTPU層によって与えられうるが、射出成形されることもできる。層31は、相補的な形状の層50とともに同時に射出成形される。この側の型の形状を変えることによって、層31の形状は非平坦にすることができ、それが非平坦反射面を生成することを可能にし、それによって潜在的に有利な光学的効果を与える。層32は、単一のフォイル、又は機能フォイルと非機能フォイルの組み合わせで、平坦であるか、又は成形過程中に保護される裏側接触用のビア又はスロット用の接点を含む。チップ、センサ、又は装置の形態の機能性がこの部分に付け加えられ、それによって前面部が接触されうる、又は電力を供給されうることもまた想像されることができる。また、上部放射LEDは層32に付け加えられることができる。図4におけるスタックは、射出成形された白色形状50に変えられるが、層32としてプリント回路及び構成要素を有する白色反射フォイルを有する。
【0028】
明瞭で且つ簡潔な説明をする為に、特徴が、同じ又は別々の実施態様の一部分として本明細書に記載されているが、本発明の範囲は、記載された特徴の全て又は幾つかの組み合わせを有する実施態様を包含しうることは認識されるであろう。
【0029】
添付の特許請求の範囲の解釈において、「備えている(comprising)」という語は、所与の請求項に列挙された要素以外の他の要素又は作用が存在することを排除するものではないこと、要素の前にある「1つの(a)」又は「1つの(an)」という単語は、このような要素が複数存在することを排除するものではないこと、請求項中のいかなる参照符号も、その範囲を限定するものではないこと、幾つかの「手段」が、同じ又は異なる1以上の項目、或いは具現化される構造又は機能によって表されうること、そうでないことを明示されていなければ、開示される装置のいずれか又はそれらの部分は互いに組み合わせられうる、或いはさらなる部分に分離されうることは理解されるべきである。1つの請求項が別の請求項を参照する場合、これは、これらのそれぞれの特徴の組み合わせによって達成される相乗的な利点を示しうる。しかし、特定の手段が互いに異なる請求項に記載されているという事実だけで、これら手段の組み合わせは有利に使用されることができないということを示すわけではない。従って、本実施態様は、これらの請求項の全ての有効な組み合わせを包含しうる。ここで、文脈によって明確に除外されていなければ、各請求項は、原則としては、任意の先行する請求項を参照することができる。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B