(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】給湯装置用の梱包材
(51)【国際特許分類】
B65D 85/68 20060101AFI20240118BHJP
B65D 81/05 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B65D85/68 Z
B65D81/05 500A
(21)【出願番号】P 2021005549
(22)【出願日】2021-01-18
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390019493
【氏名又は名称】中央紙器工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】小竹 雄一
(72)【発明者】
【氏名】伊東 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】坂 佳洋
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-029972(JP,U)
【文献】特開平10-194342(JP,A)
【文献】特開2008-100740(JP,A)
【文献】特開昭59-174468(JP,A)
【文献】特開昭62-220475(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0210788(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/68
B65D 81/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略直方体の給湯装置本体における前面または背面から排気部が突出する排気タイプに対応させた給湯装置用の梱包材であって、
給湯装置の左右および前後を囲う外装部材と、
給湯装置の下面を保護する下面保護部材と、
給湯装置の天面を保護する天面保護部材と、
天面保護部材の前方または後方のいずれか一方へ突出して外装部材の内面と当接することで、給湯装置の前方または後方に突出する排気部が外装部材へ接触することを防止するスペーサ部材とを備え、
天面保護部材およびスペーサ部材には、双方を係合させる係合部と被係合部が設けられ、スペーサ部材を天面保護部材の前方に取り付ける形態と後方に取り付ける形態とに組み合わせ可能な構成とする給湯装置用の梱包材。
【請求項2】
請求項1に記載の給湯装置用の梱包材において、
天面保護部材およびスペーサ部材には、双方を係合させる係合部と被係合部が複数設けられた構成とする給湯装置用の梱包材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の給湯装置用の梱包材において、
天面保護部材およびスペーサ部材は、少なくとも2面で互いに接触するとともに、当該接触面を係合させる構成とする給湯装置用の梱包材。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の給湯装置用の梱包材において、
天面保護部材は、給湯装置の天面における
左右の天面保護部材から構成され、
左右の天面保護部材は、一方が他方に対して対称形状を有するように構成され、
スペーサ部材は、左右の天面保護部材にそれぞれ取り付けられる
左右のスペーサ部材から構成され、
左右のスペーサ部材は、一方が他方に対して対称形状を有するように構成され、左右のスペーサ部材のそれぞれは、天面保護部材の上面に上から接触する水平片部と、天面保護部材の前面または背面に接触する箱部とを有し、
天面保護部材とスペーサ部材との係合部および被係合部は、スペーサ部材の水平片部側と箱部側とのそれぞれに対応する位置に設けられている給湯装置用の梱包材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、略直方体の給湯装置本体における前面または背面から排気部が突出する排気タイプに対応させた給湯装置用の梱包材に関する。
【背景技術】
【0002】
給湯装置に用いる梱包材としては、給湯装置の左右および前後を囲う外装部材と、給湯装置の下面を保護する下面保護部材と、給湯装置の天面を保護する天面保護部材とを備えたものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、給湯装置には排気バリエーションがあり、給湯装置本体の上方に設ける排気筒の排気タイプに複数の種類がある。特に、筒状の排気筒を給湯装置本体の前面で前方に突き出した排気タイプと、給湯装置本体の背面で後方に突き出した排気タイプとでは形状が大きく異なる。そのため、梱包材において給湯装置の天面を保護する天面保護部材を排気タイプ毎に応じて複数種類用意されていた。このように排気タイプ毎に応じて専用の天面保護部材を用意すると、その分だけ梱包材の種類が増え、製作費および管理費も余分に生じていた。
【0005】
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、給湯装置の排気部が前方に突出するものと後方に突出するものとの排気タイプが異なる場合でも一種類の部材で対応可能とする給湯装置用の梱包材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る給湯装置用の梱包材は、
略直方体の給湯装置本体における前面または背面から排気部が突出する排気タイプに対応させた給湯装置用の梱包材であって、
給湯装置の左右および前後を囲う外装部材と、
給湯装置の下面を保護する下面保護部材と、
給湯装置の天面を保護する天面保護部材と、
天面保護部材の前方または後方のいずれか一方へ突出して外装部材の内面と当接することで、給湯装置の前方または後方に突出する排気部が外装部材へ接触することを防止するスペーサ部材とを備え、
天面保護部材およびスペーサ部材には、双方を係合させる係合部と被係合部が設けられ、スペーサ部材を天面保護部材の前方に取り付ける形態と後方に取り付ける形態とに組み合わせ可能な構成とする。
【0007】
前記構成より、スペーサ部材を天面保護部材の前方または後方に取り付けることができる。従って、給湯装置本体の前面から排気部が突出する排気タイプの給湯装置を梱包する場合は、スペーサ部材を天面保護部材の前方に取り付けた形態にして給湯装置に装着して外装部材に収容する。これにより、給湯装置の前方に突出する排気部がスペーサ部材によって外装部材へ接触することを防止できる。一方、給湯装置本体の背面から排気部が突出する排気タイプの給湯装置を梱包する場合は、スペーサ部材を天面保護部材の後方に取り付けた形態にして給湯装置に装着して外装部材に収容する。これにより、給湯装置の後方に突出する排気部がスペーサ部材によって外装部材へ接触することを防止できる。このように、一種類の天面保護部材とスペーサ部材とにより、排気部が給湯装置の前方に突出する排気タイプの場合、排気部が給湯装置の後方に突出する排気タイプの場合のいずれの排気タイプでも、排気部が外装部材に接触しないように梱包して保護することができる。
【0008】
以上より、本発明の構成によれば、スペーサ部材を前後で入れ替えるだけで、一種類の天面保護部材とスペーサ部材とで2通りの排気タイプに対応することができる。よって、給湯装置において排気部の突出する位置が異なる排気タイプ毎に対応して専用の天面保護部材を製作する必要がなく、一種類の天面保護部材とスペーサ部材との組み合わせにより対応でき、また、梱包材の製作費および管理費を低減することができる。
【0009】
前記給湯装置用の梱包材において、
天面保護部材およびスペーサ部材には、双方を係合させる係合部と被係合部が複数設けられた構成とすることができる。
これにより、天面保護部材とスペーサ部材とをより強固に係合し、給湯装置の排気部の保護を確実に行うことができる。
【0010】
前記給湯装置用の梱包材において、
天面保護部材およびスペーサ部材は、少なくとも2面で互いに接触するとともに、当該接触面を係合させる構成とすることができる。
これにより、スペーサ部材は、天面保護部材の前後方向、左右方向および上下方向のすべての方向での移動が阻止された状態で、天面保護部材の前方または後方に取り付けられる。従って、一組の天面保護部材とスペーサ部材は、給湯装置へのクッション性能が損なわれることなく確実に確保され、給湯装置の排気部の保護を確実に行うことができる。
【0011】
また、前記給湯装置用の梱包材において、
天面保護部材は、給湯装置の天面における左右の天面保護部材から構成され、左右の天面保護部材は、一方が他方に対して対称形状を有するように構成され、
スペーサ部材は、左右の天面保護部材にそれぞれ取り付けられる左右のスペーサ部材から構成され、左右のスペーサ部材は、一方が他方に対して対称形状を有するように構成され、左右のスペーサ部材のそれぞれは、天面保護部材の上面に上から接触する水平片部と、天面保護部材の前面または背面に接触する箱部とを有し、
天面保護部材とスペーサ部材との係合部および被係合部は、スペーサ部材の水平片部側と箱部側とのそれぞれに対応する位置に設けられているものとすることができる。
これによっても、スペーサ部材は、天面保護部材の前後方向、左右方向および上下方向のすべての方向での移動が阻止された状態で、天面保護部材の前方または後方に取り付けられる。従って、一組の天面保護部材とスペーサ部材とは、給湯装置へのクッション性能が損なわれることなく確実に確保され、給湯装置の排気部の保護を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態による給湯装置用の梱包材において、給湯装置本体の前面から排気筒が突出する排気タイプの給湯装置を梱包する場合の形態を示す分解斜視図である。
【
図2】
図1に示す梱包材における天面保護部材およびスペーサ部材の第1形態の構成を説明するための斜視図である。
【
図3】
図1に示す梱包材における天面保護部材およびスペーサ部材の第1形態にて給湯装置の梱包状態を部分的に示す側面図である。
【
図4】実施形態による給湯装置用の梱包材において、給湯装置本体の背面から排気筒が突出する排気タイプの給湯装置を梱包する場合の形態を示す分解斜視図である。
【
図5】
図4に示す梱包材における天面保護部材およびスペーサ部材の第2形態の構成を説明するための斜視図である。
【
図6】
図4に示す梱包材における天面保護部材およびスペーサ部材の第2形態にて給湯装置の梱包状態を部分的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
実施形態の梱包材は、
図1および
図4に示すように、給湯装置4の排気筒(排気部)43が給湯装置本体40における前面4a(
図1)または背面4b(
図4)から突出する排気タイプに対応させた給湯装置用の梱包材である。
【0014】
図1に示した給湯装置4Aは、略直方体の給湯装置本体40の前面4aから筒状の排気筒43が前方へ突出する排気タイプの給湯装置4である。給湯装置4Aは、給湯装置本体40の前面4aには、前面扉44が取り付けられ、給湯装置本体40と前面扉44との境界部には、外周フランジ41が全周にわたって張り出し形成され、給湯装置本体40の背面4bの上端部には、壁面等へ取り付けるための取付金具42が給湯装置4Aの天面から上方へ突出するように設けられている。
【0015】
一方、
図4に示した給湯装置4Bは、略直方体の給湯装置本体40の背面4bから筒状の排気筒43が後方へ突出する排気タイプの給湯装置4である。また、この給湯装置4Bでは、給湯装置本体40の背面4bに取付金具42を取り付けていないものであり、それ以外は、
図1に示した給湯装置4Aと同様の構成を有する。
【0016】
梱包材は、
図1および
図4に示すように、給湯装置4の左右および前後を囲う外装部材5と、給湯装置4の下面を保護する下面保護部材3と、給湯装置4の天面を保護する天面保護部材2と、天面保護部材2の前方または後方のいずれか一方へ突出して取り付けられるスペーサ部材1とを備える。
【0017】
外装部材5は、梱包材の外箱を構成するものであり、矩形筒状に形成され、上端の四辺には梱包材の上方開放部を塞ぐフラップ50が折り曲げ可能に形成されている。この外装部材5は、例えば、段ボール紙で形成される。
【0018】
下面保護部材3は、例えば、段ボール紙から形成され、右下面保護部材3bと左下面保護部材3aとの左右一対の部材により構成される。左右の下面保護部材3a,3bは、略直方体の左右対称形状を有し、内面および上面に開放する段部30が形成されている。左右の下面保護部材3a,3bは、有底の底箱51内に配置して、段部30に下面保護シート31を介して給湯装置4の下面の左右両側部に嵌め込まれて給湯装置4の下面を保護する。
【0019】
天面保護部材2は、
図2、
図5を参照して、例えば、段ボール紙から形成され、右天面保護部材2bと左天面保護部材2aとの左右一対の部材により構成される。左右の天面保護部材2a,2bは、略直方体の左右対称形状を有し、内面および下面に開放する段部20が形成されている。左右の天面保護部材2a,2bは、段部20に上面保護シート32を介して給湯装置4の天面の左右両側部に嵌め込まれて給湯装置4の天面を保護する。
【0020】
天面保護部材2は、内側面の下部において、前面側寄りには給湯装置4の外周フランジ41を嵌入可能とする前スリット21が下端から所定高さで形成され、後面寄りには給湯装置4の背面4bに取付金具42が取り付けられている場合に対応して取付金具42を嵌入可能とする後スリット22が下端から所定高さで形成されている。また、天面保護部材2の内側面には、前スリット21の前端側に前スリット21の上部を含んで上方へ延びる垂直面部26が形成され、後スリット22の後端側に垂直端部27が形成されており、
図3に示すように、垂直面部26には給湯装置4の外周フランジ41が当接可能とされ、垂直端部27には給湯装置4に取り付けられた取付金具42が当接可能とされている。
【0021】
スペーサ部材1は、
図2および
図5を参照して、例えば、段ボール紙から形成され、右スペーサ部材1bと左スペーサ部材1aとの左右一対の部材により構成される。左右のスペーサ部材1a,1bは、上面、下面、外方面12及び内方面13から形成する矩形筒状の箱部10と、箱部10の上面から一方へ連続して延設される水平片部11とを有する。左右のスペーサ部材1a,1bは、各々が対応する左右の天面保護部材2a,2bの前方または後方のいずれか一方へ突出して取り付けられて外装部材5の内面50aと当接して給湯装置4から突出する排気筒43が外装部材5へ接触することを防止する部材となる。
【0022】
また、天面保護部材2およびスペーサ部材1には、双方を係合させる係合部a~fと被係合部A~Fが複数設けられ、スペーサ部材1を天面保護部材2の前方に取り付ける第1形態(
図1)と、スペーサ部材1を天面保護部材2の後方に取り付ける第2形態(
図4)とに組み合わせ可能な構成とする。
【0023】
まず、スペーサ部材1を天面保護部材2の前方に取り付ける第1形態を説明する。
図2に示すように、左右の天面保護部材2a,2bは、内側面の上端中央部に切り欠き形成された第1被係合部Aと、上面25にて長辺のうち外側の長辺における前面側寄りに切り込み形成された第2被係合部Bと、前面23の内側辺の下部側寄りに切り欠き形成された第3被係合部Cとが設けられている。
【0024】
左右のスペーサ部材1a,1bは、水平片部11の先端辺11aにおける一端寄りに切り込み形成された第1係合部aと、水平片部11の他方側辺11bにおける基端寄りに切り込み形成された第2係合部bと、箱部10の内方面13における一方側辺13aにおける下部側寄りに切り込み形成された第3係合部cとが設けられている。
【0025】
そして、スペーサ部材1を天面保護部材2の前方に配置して、スペーサ部材1の箱部10の内方面13および水平片部11を、天面保護部材2の前面23および上面25に当接させると、スペーサ部材1の第1~第3係合部a~cが、天面保護部材2の第1~第3被係合部A~Cに対応して位置する。この状態で、スペーサ部材1の第1~第3係合部a~cを内側に押し込んで切り起こして、天面保護部材2の第1~第3被係合部A~Cに強制的に嵌め込むと、第1~第3係合部a~cが第1~第3被係合部A~Cに抜け止め状態に係合される。すなわち、スペーサ部材1の第1~第3係合部a~cは、基端側が狭幅で先端側が広幅となったT字形に切り込み形成されており、天面保護部材2の第1~第3被係合部A~Cの幅は、第1~第3係合部a~cの基端側の狭幅と略一致する幅に形成されている。従って、スペーサ部材1の第1~第3係合部a~cの狭幅に天面保護部材2の第1~第3被係合部A~Cが嵌め込まれてロックされる。このようにして、スペーサ部材1と天面保護部材2とを比較的離れて位置する3箇所でロックするので、スペーサ部材1は、天面保護部材2の前後方向、左右方向および上下方向のすべての方向での移動が阻止された状態で、天面保護部材2の前方に取り付けられる。
【0026】
そして、
図3に示すように、給湯装置本体40の前面4aから排気筒43が突出する排気タイプの給湯装置4Aには、スペーサ部材1を天面保護部材2の前方に取り付けた第1形態にして、スペーサ部材1側を給湯装置4Aの前面4a側に配置して給湯装置4Aの天面に装着して外装部材5に収容する。これにより、スペーサ部材1における箱部10の外方面12と天面保護部材2における後部24とが外装部材5の内面50aに当接するため、給湯装置4Aの前方に突出する排気筒43がスペーサ部材1によって外装部材5の内面50aへ接触することを防止できる。スペーサ部材1は、上述のとおり、天面保護部材2の前方にて、前後、左右、上下のすべての方向で移動が阻止された状態で取り付けられているから、給湯装置4Aへのクッション性能が損なわれることなく確実に確保され、給湯装置4Aの排気筒43の保護を確実に行うことができる。
【0027】
次に、スペーサ部材1を天面保護部材2の後方に取り付ける第2形態を説明する。
図5に示すように、左右の天面保護部材2a,2bは、内側面の上端中央部に切り欠き形成された第4被係合部D(第1被係合部Aと同一のものである。)と、上面25にて長辺のうち外側の長辺における後面側寄りに切り込み形成された第5被係合部Eと、内側面の後辺における上部側寄りに切り込み形成された第6係合部fとが設けられている。
【0028】
左右のスペーサ部材1a,1bは、水平片部11の先端辺11aにおける一端寄りに切り込み形成された第4係合部dと、水平片部11の一方側辺11cにおける基端寄りに切り込み形成された第5係合部eと、箱部10の内方面13における他方側辺寄りに切り欠き形成された第6被係合部Fとが設けられている。
【0029】
そして、スペーサ部材1を天面保護部材2の後方に配置して、スペーサ部材1の箱部10の内方面13および水平片部11を、天面保護部材2の後部24および上面25に当接させると、スペーサ部材1の第4、第5係合部d,eおよび第6被係合部Fが、天面保護部材2の第4、第5被係合部D,Eおよび第6係合部fに対応して位置する。この状態で、スペーサ部材1の第4、第5係合部d,eを内側に押し込んで切り起こし、天面保護部材2の第6係合部fを外側に引っ張り出して切り起こして、天面保護部材2の第4、第5被係合部D,Eおよびスペーサ部材1の第6被係合部Fに強制的に嵌め込むと、第4~第6係合部d~fが第4~第6被係合部D~Fに抜け止め状態に係合される。すなわち、スペーサ部材1の第4、第5係合部d,eは、基端側が狭幅で先端側が広幅となったT字形に切り込み形成されており、また、天面保護部材2の第6係合部fは、基端が狭幅で先端が広幅となった台形状に切り込み形成されており、天面保護部材2の第4、第5被係合部D,Eおよびスペーサ部材1の第6被係合部Fの幅は、第4~第6係合部d~fの基端側の狭幅と略一致する幅に形成されている。従って、スペーサ部材1の第4、第5係合部d,eおよび天面保護部材2の第6係合部fの狭幅に天面保護部材2の第4、第5被係合部D,Eおよびスペーサ部材1の第6被係合部Fが嵌め込まれてロックされる。このようにして、スペーサ部材1と天面保護部材2とを比較的離れて位置する3箇所でロックするので、スペーサ部材1は、天面保護部材2の前後方向、左右方向および上下方向のすべての方向での移動が阻止された状態で、天面保護部材2の後方に取り付けられる。
【0030】
そして、
図6に示すように、給湯装置本体40の背面4bから排気筒43が突出する排気タイプの給湯装置4Bには、スペーサ部材1を天面保護部材2の後方に取り付けた第2形態にして、スペーサ部材1側を給湯装置4の背面4b側に配置して給湯装置4の天面に装着して外装部材5に収容する。これにより、スペーサ部材1における箱部10の外方面12と天面保護部材2における後部24とが外装部材5の内面50aに当接するため、給湯装置4Bの後方に突出する排気筒43がスペーサ部材1によって外装部材5の内面50aへ接触することを防止できる。スペーサ部材1は、上述のとおり、天面保護部材2の後方にて、前後、左右、上下のすべての方向で移動が阻止された状態で取り付けられているから、給湯装置4Bへのクッション性能が損なわれることなく確実に確保され、給湯装置4Bの排気筒43の保護を確実に行うことができる。
【0031】
以上のように、本実施形態の梱包材によれば、スペーサ部材1を前後で入れ替えるだけで、一種類の天面保護部材2とスペーサ部材1とで、排気筒43が給湯装置4の前方または後方に突出する2通りの排気タイプに対応することができる。よって、給湯装置4において排気筒43の突出する位置が前方と後方とで異なる排気タイプ毎に対応して専用の天面保護部材を製作する必要がなく、一種類の天面保護部材2とスペーサ部材1との組み合わせにより対応でき、また、梱包材の製作費および管理費を低減することができる。
【0032】
なお、本発明は、前記実施形態のみに限定されず、特許請求の範囲内で様々な変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0033】
1,1a,1b スペーサ部材
2,2a,2b 天面保護部材
3,3a,3b 下面保護部材
4 給湯装置
4a 前面
4b 背面
5 外装部材
10 箱部
11 水平片部
11a 先端辺
11b 他方側辺
11c 一方側辺
12 外方面
13 内方面
13a 一方側辺
20 段部
21 前スリット
22 後スリット
23 前面
24 後部
25 上面
26 垂直面部
27 垂直端部
30 段部
31 下面保護シート
32 上面保護シート
40 給湯装置本体
41 外周フランジ
42 取付金具
43 排気筒
44 前面扉
50 フラップ
50a 内面
51 底箱
a~f 係合部
A~F 被係合部