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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】収容庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 29/00 20060101AFI20240118BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20240118BHJP
   F25D 23/06 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
F25D29/00 Z
F25D23/00 301A
F25D23/00 301K
F25D23/06 H
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021012644
(22)【出願日】2021-01-29
(65)【公開番号】P2022116467
(43)【公開日】2022-08-10
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】板倉 大
(72)【発明者】
【氏名】石塚 正展
(72)【発明者】
【氏名】藤木 義明
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/008247(WO,A1)
【文献】実開昭56-045769(JP,U)
【文献】特開2007-010208(JP,A)
【文献】特開2013-011383(JP,A)
【文献】特開2013-124798(JP,A)
【文献】実開昭53-153263(JP,U)
【文献】特開2003-294359(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0275775(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0021397(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00-31/00
B65G 1/00-1/20
A47F 3/04,5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方が開口した貯蔵室を形成する内箱と、
該内箱の壁面側に配され、前後に延在する固定部材と、
該固定部材に設けられたセンサユニットと、
前記内箱に備えられた棚又は容器と、
前記センサユニットに収容された重量センサと、を備え、
前記センサユニットは、前記棚又は前記容器とは別体であり、前記固定部材の前側の先端部を覆う折り返し部を備える収容庫。
【請求項2】
請求項1において、
前記折り返し部は、前記先端部の上側、前側、及び下側に亘っている収容庫。
【請求項3】
請求項1において、
前記折り返し部は、前記先端部よりもやわらかい材料で形成されている収容庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷蔵庫等の収容庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫等の収容庫内に設置したセンサの情報に基づき、収容物の有無・保存位置等を検出し、収容物の在庫管理を行う技術が提案されている。
【0003】
収容物の保存位置を検出する技術としては、例えば特許文献1に記載の技術がある。特許文献1に記載の技術においては、冷蔵室3を形成する内箱2の側壁に前後方向に亙って凸形成された棚受けビード2aの4隅に圧力センサ11を固着している(0012,0013、図2,3等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-010208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、重量センサを棚や容器とは別体のセンサユニットで収容する場合の、センサユニットの取付構造については何ら開示していない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記事情に鑑みてなされた第1の本発明は、
前方が開口した貯蔵室を形成する内箱と、
該内箱の壁面側に配され、前後に延在する固定部材と、
該固定部材に設けられたセンサユニットと、を備え、
前記センサユニットは、前記固定部材の前側の先端部を覆う折り返し部を備える収容庫。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】冷蔵庫の外観斜視図である。
図2図1のII-II線断面図である。
図3】扉を外した状態における冷蔵庫の正面図である。
図4図1の冷蔵庫を前後方向に切断した斜視図である。
図5】冷蔵庫のシステム構成図である。
図6】上段センサユニットを取り外した状態の外観斜視図である。
図7図6の上段センサユニットに容器を載置した状態を示す外観斜視図である。
図8】カバー部材を外した状態の上段センサユニットの上面図である。
図9図8に内箱や固定部材などを追加したIX-IX線断面図(センサユニット220(取付部本体223とカバー部材224)の内箱側への固定状態を示す断面図)である。
図10】2つのセンサユニットの下方側を視野に入れた斜視図である。
図11図10のXI-XI線断面図である。
図12図10のXII-XII線断面図である。
図13】重量センサの外観斜視図である。
図14】重量センサの分解斜視図である。
図15】配線接続前における箱体内部の角部を下方斜めから見た斜視図である。
図16】配線接続後における箱体内部の角部を下方斜めから見た斜視図である。
図17】配線カバーを装着後における箱体内部の角部を下方斜めから見た斜視図である。
図18】下段センサユニットの上面図である。
図19】カバー部材を外した状態の下段センサユニットの上面図である。
図20】下段センサユニットにトレーと容器を載置した状態を示す冷蔵庫の右半分を削除した断面斜視図である。
図21】下段センサユニットにトレーを載置した状態を示す冷蔵庫の右半分を削除した断面斜視図である。
図22】下段センサユニットと配線の接続関係を示す冷蔵庫の透過外観斜視図である。
図23】冷蔵庫の左半分を削除した断面斜視図である。
図24図23のXXIV部拡大図である。
図25図23のXXIV部拡大図である。
図26図23のXXIV部拡大図である。
図27】容器の左側面図である。
図28図27のXXVIII部拡大図である。
図29図3のXXIX部拡大図(重量センサに容器を載置した状態を示す正面図)である。
図30図29のXXX部拡大図である。
図31】容器を下方斜めから見た下方斜視図である。
図32図4のXXXII部拡大図である。
図33図4のXXXIII部拡大図である。
図34】収容物を載置した容器の左側面図である。
図35】冷蔵庫の右側面を透過した側面図であり、
図36図35のXXXVI-XXXVI線断面図である。
図37】棚を上方から見た外観斜視図である。
図38】棚を下方から見た外観斜視図である。
図39】棚を下方から見た分解斜視図である。
図40】別実施例における図10のXI-XI線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例について添付の図面を参照しつつ説明する。同様の構成要素には同様の符号を付し、同様の説明は繰り返さない。
【0009】
本発明の各種の構成要素は必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、一の構成要素が複数の部材から成ること、複数の構成要素が一の部材から成ること、或る構成要素が別の構成要素の一部であること、或る構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複すること、などを許容する。
【実施例1】
【0010】
本発明の実施例1について、図面を用いて説明する。実施例1では、収容庫の一例として、貯蔵室の温度を調整して保冷可能な冷蔵庫の例について説明する。収容庫としてはその他、温度調整せずに外気と略同一温度となり、周囲が壁面や扉で囲まれた保存庫や、例えば前後の一方または両方が開口した家具とすることができる。
【0011】
図1は冷蔵庫の外観斜視図であり、図2図1のII-II線断面図である。図3は扉を外した状態における冷蔵庫の正面図、図4図1の冷蔵庫を前後方向に切断した斜視図であり、図5は冷蔵庫のシステム構成図である。各図において各方向を矢印にて示すように、使用者の視点から見て前・後・左・右・上・下と定義する。
【0012】
〔冷蔵庫の構成〕
冷蔵庫100は、前方が開口した箱体101(外箱)にて外郭を構成している。箱体101の前方には、開口部を開閉する扉102が備えられている。箱体101は上部を構成する天板101aと、底部を構成する底板101bと、左右側部を構成する側板101cと、背部を構成する背面板101dから構成されている。箱体101の内部には内箱103が備えられている。箱体101と内箱103との間には、発泡断熱材140が充填されている。
【0013】
内箱103で形成される庫内104(貯蔵室)には、上下方向に複数の棚又は容器105(105a,105b,105c,105d,105e)が備えられている。本実施例では、いずれも側壁高さが例えば数cm以上あり、側壁に接続して略水平の面である載置面を備えた容器としている。容器105a,105bの側壁高さの方が容器105c-105eの側壁高さよりも小さい。容器105には、収容物として、肉・魚・野菜・飲み物等の食品が載置される。各容器105a,105b,105c,105d,105eは着脱自在であり、収容物が載置された状態のまま冷蔵庫外に取り出すことができる。また、容器105d等を取り外して、最下段の容器105eに背の高い収容物を載置するような使い方ができる。
【0014】
重量センサにて重量を測定すべき収容物が傾いて、内箱103に接触すると、検知される重量が真値よりも低くなってしまう。このため、収容物は側壁高さのある容器105に収容されるのが好ましい。具体的な側壁高さとしては、直上の棚までの高さや想定される収納物にもよるが、3cm、4cm、5cm以上にすることが望ましい。例えば本実施例での容器105bは、200mlの紙パックジュースや500ml缶の収納を想定し、側壁高さの上限は9cm又は8cmにできる。
【0015】
また、重量センサユニット用の容器105aと105bとの位置は入れ替えることが可能であるとともに、重量センサユニット用ではない容器105cと105dとの位置は入れ替えることが可能である。なお、重量センサユニット用の容器105a,105bと、重量センサユニット用ではない容器105c,105dとの位置を夫々入れ替えられるようにしても良い。
【0016】
内箱103の内面には、前後方向に延びた複数の内箱上リブ106a、及び複数の内箱下リブ106bが形成されている。この内箱上リブ106a、内箱下リブ106bは内箱103の左右両壁に形成されている。内箱下リブ106bそれぞれの下方には、容器105の載置面を支持すると共に複数の重量センサ200を収容したセンサユニット220が備えられている。実施例1では上段センサユニット220a、中段センサユニット220b、下段センサユニット220cの3つのセンサユニット220を備えている。なお、図4では、中段センサユニット220b、下段センサユニット220cのみを表示している。センサユニットの数は3つに限られるものでは無い。例えば、上段センサユニット220a、中段センサユニット220b、下段センサユニット220cの何れか1つ、或いは何れか2つ設置するようにしても良い。
【0017】
箱体101の下部には、冷媒を圧縮する圧縮機107が備えられている。圧縮機107には、図示しない凝縮器、膨張弁、蒸発器が接続されて冷凍サイクルを構成し、冷媒の気化熱を利用して庫内104を冷却する。内箱103には、冷気を吹き出す吐出口108が形成されており、図示しない冷却ファンから送風された冷気を庫内104に吐出する。
【0018】
箱体101の後部には、圧縮機107等を制御する主制御基板109が備えられている。主制御基板109は、例えば庫内104に設置された庫内温度センサ110が検出した庫内温度に基づき、圧縮機107や冷却ファンを制御する。また、箱体101の後部には、複数の重量センサ200に電源を供給し、重量センサ200の検出結果を取得するセンサ基板111と、このセンサ基板111と接続された無線通信を行うWLAN(Wireless Local Area Network)通信ユニット112が備えられている。庫内104には、使用者が庫内温度を調整したり、WLAN通信ユニット112のスイッチの入切を行う操作基板113が備えられている。
【0019】
重量センサ200は、容器105a,容器105b,容器105eの例えば載置面の下方にそれぞれ配置され、容器105a,容器105b,容器105eそれぞれの載置面に載置された収容物の重量を検出することで、収容物の有無や量、個数を検知又は推定するものである。
【0020】
〔冷蔵庫のシステム構成〕
冷蔵庫100のシステム構成について図5を用いて説明する。主制御基板109には操作基板113が接続され、使用者が設定する温調用ボリューム113aの情報を取得する。また、主制御基板109には、庫内温度センサ110が接続され、庫内104の温度を検出する。主制御基板109は、温調用ボリューム113aの情報と庫内温度センサ110が検出する庫内温度を基に、圧縮機107を制御する。
【0021】
重量センサ200には、主制御基板109からセンサ基板111を介して電源が供給される。容器105a,容器105b,容器105eに食品等の収容物が載置され、或いは容器105a,容器105b,容器105eから食品等の収容物が取り出されると、重量の変化を重量センサ200が検出し、センサ出力としてセンサ基板111に送信される。センサ基板111では、フィルタ回路・増幅回路111bにてノイズの除去、信号の増幅が行われ、重量センサ200の検出信号がサブマイコン111aに入力される。サブマイコン111aでは、変化前の重量センサ200の検出値が記憶されており、変化前と変化後の検出値から容器105に載置された収容物の有無・量を判断する。
【0022】
例えば、サブマイコン111aは、予め登録された最大重量に対する現在の検知重量の割合を算出できる。最大重量については、例えば、ユーザによって載置された所定の商品をいくつか載置面に載置してもらい、この重量を100%とすることができる。具体的には、容器105bに10本のビールを使用者が載置した場合、このときの検出値を最大重量(100%)として記録する。そして、使用者が容器105bから8本のビールを取り出すと、サブマイコン111aは重量センサ200の検出値に基づいて、容器105bには記録した最大重量に対し残り20%(2本)の商品が残っていることを把握する。サブマイコン111aは、ビールの在庫が少なくなったと判断し、WLAN通信ユニット112を介して、ビールの残量が減っているため発注するよう、使用者に通知する。このようにして、冷蔵庫100の在庫管理が行われる。商品名などの情報は、別途ユーザからの設定によってサブマイコン111aに記憶したり、サブマイコン111aが取得可能な外部装置に記憶したりすることができる。なお、商品名の登録は必須ではない。このようにすると例えば、重量センサ200を下部に備える各容器105には、あらかじめ登録した単一種の商品のみが載置されるようにユーザが留意すれば、各容器105の在庫量(在庫数)を算出できる。
【0023】
主制御基板109はセンサ基板111と接続されており、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信が行われている。例えば、主制御基板109はセンサ基板111からの情報を得て、図示しない表示部にビールの在庫数を表示する。また、主制御基板109はセンサ基板111の故障診断を実施する。
【0024】
重量センサ200とセンサ基板111とは、配線で接続されている。重量センサ200は庫内104に設置され、センサ基板111は例えば箱体101の外面、すなわち庫外に設置される。これらを接続する配線処理が必要である。庫内104の配線は、断線やユーザの接触の抑制、美感の向上の観点から、庫内104で露出しないようにすることが望ましい。以下、配線処理について説明する。
【0025】
〔上段センサユニット220a、中段センサユニット220bの構成〕
まず、上段センサユニット220a、中段センサユニット220bの構成について説明する。図6は上段センサユニットを取り外した状態の外観斜視図である。図7図6の上段センサユニットに容器を載置した状態を示す外観斜視図である。図8はカバー部材を外した状態の上段センサユニットの上面図である。なお、中段センサユニット220bは上段センサユニット220aと同一の構成であるので、説明は省略する。また、第一取付部221a側と第二取付部221b側との構成は同様にできる。
【0026】
センサユニット220(上段センサユニット220a、中段センサユニット220b)は、上面から見て前方が開放したU字状に形成されている。センサユニット220は、内箱103の左右壁(すなわち、貯蔵室の側壁)側にそれぞれ取付けられる第一取付部221a(取付部221)及び第二取付部221b(取付部221)と、第一取付部221aと第二取付部221bを繋ぐ接続部222を備えている。第一取付部221aには2つの重量センサ200が備えられている。同様に、第二取付部221bには2つの重量センサ200が備えられている。接続部は第一取付部221aの後端側と第二取付部221bの後端側を繋ぐ、すなわち、内箱103の後壁に略接して沿っていると好ましい。
【0027】
実施例1では、計4つの重量センサ200を備えているが、個数はこれに限定されるものでは無い。重量センサ200が4つ未満の場合、やや精度は劣後し得るが、例えば、第一取付部221a,第二取付部221bのそれぞれに1つの重量センサ200を配置したり、さらに接続部222にもう1つの重量センサ200を配するようにしても良い。重量センサ200は第一取付部221a,第二取付部221bを介して右壁又は左壁のそれぞれに少なくとも1つ以上(全体で少なくとも2つ以上)配置するようにすると良い。図7に示すようにセンサユニット220には、別体の容器105が載置される。すなわち、容器105はセンサユニット220に固定されておらずセンサユニット220から離間させることができる。
【0028】
容器105は、例えば透明の樹脂部材で成形される。こうすると、この容器105よりも下方に配された別の容器105に収容された食品が視認し易くなったり、貯蔵室上方に設けた庫内灯(図示せず)の明かりを広範囲に照明することができる。一方で、容器105の載置面の少なくとも重量センサ200の投影上の領域には、シボ加工部1051を施すことが望ましい。このシボ加工部1051が目隠しとなり、容器105を介して重量センサ200が視認することを抑制でき、意匠性を向上することができる。なお、シボ加工部1051は清掃性を考慮すると、容器105底面の上面側よりも下面側に施すことが望ましい。
【0029】
第一取付部221a,第二取付部221bは、冷蔵庫正面から見て上下方向に沿って切断した断面がU字状に形成された取付部本体223と、断面U字状の上方開放部を覆うカバー部材224を備えている。同様に、接続部222は冷蔵庫側面から見て上下方向の断面がU字状に形成された接続部本体225と、断面U字状の上方開放部を覆うカバー部材226を備えている。そして、第一取付部221a,第二取付部221b,接続部222の内部には、空間が形成され、この空間が図8に示すように重量センサ200とセンサ基板111とを電気的に接続する配線227の配線収容部228となる。また、配線収容部228には4つの重量センサ200が配置され、各重量センサ200には配線227の一端が接続されている。配線227の他端は、配線収容部228から引き出され、箱体101に引き込まれ、センサ基板111と接続される。重量センサ200は上面から見た形状が例えば矩形状となっており、長手方向が箱体101の前後方向に沿うように配置される。このように重量センサ200を配置することにより、重量センサ200を内箱103の前後左右に寄せることができる。すなわち、収容物は重量センサ200よりも内側に設置されやすくなり、容器105の傾きを抑制することができる。
【0030】
接続部222は、第一取付部221aと第二取付部221bそれぞれの中央側又は後端側に設けられており、例えば第一取付部221aと第二取付部221bそれぞれの前側の重量センサ200よりも後方又は後側の重量センサ200よりも後方に位置している。このようにすることでユーザが容器105を取り外す際の邪魔になりにくい。また、後端側であればさらに、配線を配置しやすい。
【0031】
〔上段センサユニット220a、中段センサユニット220bの固定方法〕
次にセンサユニット220(上段センサユニット220a、中段センサユニット220b)の冷蔵庫への固定方法について説明する。図9図8に内箱103や固定部材229などを追加した場合のIX-IX線断面図(センサユニット220(取付部本体223とカバー部材224)の内箱103側への固定状態を示す断面図)である。図10は2つのセンサユニットの下方側を視野に入れた斜視図である。図11図10のXI-XI線断面図である。図12図10のXII-XII線断面図である。
【0032】
内箱103の側壁には、前後方向に沿って延びた固定部材229が配されている。固定部材229は、正面断面で上下に延在する部分(内箱取付面)がねじ231によって内箱103の側壁に取り付けられている。センサユニット220は、固定部材229のうち、正面断面で左右に延在する部分(センサユニット取付面)の上側に配されている。センサユニット220は、例えばワッシャー239を介して、固定部材229のうちセンサユニット取付面に挿通されたねじ230によって取り付けられている。
【0033】
固定部材229はステンレス等の剛性のある金属で形成され、長手方向が内箱103の前後方向に沿うように配置される。固定部材229の先端部229aが剥き出し状態となると先端部229aに触れた物が破損したりする虞があるので、センサユニット220(取付部本体223)の下方(下面)には、取付部本体223の前方先端部を後方に向かって折り返され、固定部材229の前縁を覆う折り返し部223aを備えている。固定部材229の先端部229aは取付部本体223の下面と折り返し部223aとの間に配置する。このようにすることで、例えば金属で形成されている固定部材229の先端部229aは、好ましくはより柔らかな、例えば樹脂で形成された折り返し部223aによって、先端部229aが丸みのある曲面で上側、前側、及び下側に亘って覆われる。食品等の収容物を容器105に載置する際、誤って固定部材229の先端部229aに触れることを抑制できる。また、使用者が誤ってセンサユニット220の前端部を下から突き上げるような力を加えても、折り返し部223aに覆われているため、変形を抑制し、センサユニット220が破損しにくい。
【0034】
固定部材229(固定部)として、内箱103を庫内に向けて突出させ、突出部分を断熱材等で中実に形成したもの、例えばリブを用いてもよい。重量センサにかかる荷重を支える頑健な土台が形成できていればよい。
【0035】
また、図12に示すように、センサユニット取付面の貫通孔229bとセンサユニット220の挿通孔部223bとにはねじ230が挿通される。挿通孔部223bは、貫通孔229bに対して隙間S2をもって遊嵌しており、この遊嵌を以て概ね径方向に位置決めされている。ねじ230が貫通孔229bと挿通孔部223bとに挿通して螺合されることで、センサユニット220は上下方向に位置決めされる。貫通孔229bの大きさは、ねじ頭と貫通孔229bとの間に配されたワッシャー239の外径寸法より小さい。
【0036】
固定部材229(内箱取付面)が内箱103に対して螺合しており、内箱103の外側には、例えば発泡断熱材が発泡充填される。また、内箱103内の空間である貯蔵室は、固定部材229とセンサユニット220の取付工程が行われる常温環境に比して10℃以上低温になり得る。このため、固定部材229とセンサユニット220の相対位置は、発泡断熱材の発泡精度や、発泡断熱材がなかったとしても、内箱103やセンサユニット220の熱収縮による変形の影響から変化する。このため、センサユニット220と固定部材229とが硬く固定されていると熱変形による応力が付与されて破損等の虞がある。実施例1では隙間S2を設けることにより、熱変形等による寸法変化の影響を吸収することができる。S2の好ましい寸法は、冷蔵庫の構造によって変わる。熱収縮による変形などの影響が十分小さいのであれば、ねじ230で直接取付部本体223とセンサユニット取付面を固定しても構わない。
【0037】
〔重量センサの構成〕
次に重量センサの構成について図9図11図13図14を用いて説明する。図13は重量センサの外観斜視図であり、図14は重量センサの分解斜視図である。
【0038】
重量センサ200は、板状のロードセル201と、ロードセル201の長手方向一方側の下部に配置された第1台座202と、第1台座202下方に配置され、ロードセル201が載置されるケース体203と、ロードセル201の長手方向他方側の上部に配置され、縦断面形状がL字状の第2台座204と、ケース体203の上部に配置され、ロードセル201,第1台座202,及び第2台座204を収容するセンサカバー205と、センサカバー205の上部に配置された重量検知部206とを備えている。重量検知部206は、軸方向に力が付与されると軸方向にやや変位可能で、その力に応じた重量を検知できる。重量検知部206の変位前後で、重量検知部206の上端は、センサカバー205よりも上方にある。このため、重量検知部206に棚や容器を載置しても、棚や容器がセンサカバー205に擦れることを抑制できる。
【0039】
センサカバー205のうちケース体203に対向する面は、第2台座204と重量検知部206の間に備えられている。また、センサカバー205は、柔軟性のあるシリコンゴム等で構成されている。板状のロードセル201には、2つの歪みセンサ201a、201bが取り付けられている。歪みセンサ201a、201bはロードセル201に荷重が加わって生じるロードセル201の歪みを検出し、2つの歪みセンサ201a、201bの歪み量の差から重量を検出する。ロードセル201は長手方向が冷蔵庫の前後方向に沿って配置している。
【0040】
ロードセル201の長手方向一方側(後方向)上部にはワッシャー207を設け、上部からねじ208を挿通している。ワッシャー207、ロードセル201、第1台座202、及びケース体203それぞれに形成した貫通孔にねじ208が挿入されている。ケース体203を挟んで第1台座202の反対側に配置したナット209にねじ208を螺合させ、ロードセル201をケース体203に固定する。
【0041】
ロードセル201の長手方向他方(前方向)側下部には、ワッシャー210を設け、下部からねじ211を挿通している。ワッシャー210,ロードセル201それぞれに形成した貫通孔にねじ211が挿入されている。第2台座204にねじ211を螺合し、第2台座204をロードセル201の長手方向他方側上部に固定する。第2台座204は、ロードセル201の長手方向他方側の方が長手方向一方側よりも上下寸法が大きい。
【0042】
第2台座204の上下寸法の小さい側下部にワッシャー212を設け、下部からねじ213を挿通している。ワッシャー212、第2台座204、センサカバー205、センサカバー205の上部に配置したワッシャー214それぞれに形成した貫通孔にねじ213を挿入している。重量検知部206の下部にねじ213を螺合させ、第2台座204と重量検知部206を固定する。
【0043】
実施例1では、重量検知部206と、センサカバー205のうちケース体203に対向する面と、の間にワッシャー214を配置している。ねじ213には、ねじ頭側から順に、ワッシャー212、第2台座204、センサカバ―205、ワッシャー214、重量検知部206が挿通されている。これにより、ねじ213を重量検知部206に螺合させる際にセンサカバー205が捩じれるのを抑制することができる。
【0044】
実施例1のロードセル201としては、例えば金属製の歪ゲージ式ロードセルを用いている。実施例1の重量センサ200は、冷蔵庫100に設置される。冷蔵庫100は扉を開くことにより庫内に外気が導入し、その外気が庫内で冷却されることにより、庫内に結露が生じる。しかし、ロードセル201はセンサカバー205に覆われており、外気に直接触れないため、結露しにくい構造となっている。そのため、重量センサ200の検出精度を維持することができる。
【0045】
また、ロードセル201は、長手方向一方側が第1台座202を介してケース体203に支持され、長手方向他方側が支持されない片持ち構造となっている。ロードセル201の長手方向他方側上部に固定された第2台座204は、ロードセル201の長手方向一方側に向って延びるように配置され、ここに重量検知部206を接続している。
【0046】
同時に、図11に示すように、鉛直方向に延びる重量検知部206の中心線C1とロードセル201の長手方向(左右方向)の中心位置とがほぼ一致するように配置している。このように構成することにより、2つの歪みセンサ201a、201bにはそれぞれ引張と圧縮の歪みが生じ、歪み量の差が生じやすくなることで重量センサ200の検出精度を向上することができる。なお、第2台座204はステンレスのように固い金属の方がロードセル201に荷重が伝わりやすく重量センサ200の検出精度は向上するが、コストや絶縁性を考慮し、樹脂でもよい。
【0047】
本実施例では、重量検知部206の鉛直方向の中心線C1とロードセル201の長手方向(図11中、前後方向)の中心位置とがほぼ一致するような配置構造としたが、その他、例えば、図40に示すように、第2台座204とねじ213を設けずにねじ211に直接重量検知部206を螺合させることで、鉛直方向の中心線C1がロードセル201の長手中心から離れたところを通る、非中心荷重の構成にしても良い。この場合、第2台座204、ねじ208等の部品が不要となり、部品数が減ってコストが安くなるだけでなく、重量センサ200の高さも低くなり、コンパクトな構造にできる。このため、貯蔵室の床面に重量センサ200付の棚や容器を設ける場合に生じ得るデッドスペースを低減できる。
【0048】
しかしこの場合、2つの歪みセンサ201a、201bにはどちらも圧縮の歪みが生じ、歪み量の差が小さくなりやすく、ロードセル202の中心を、上下寸法の中心線C1が通る中心荷重方式に比して検出精度が低下するが、デッドスペース低減を重視すると特に効果が高い小形の収容庫(例えば、内容積201L以下)には好ましい。
【0049】
さらに実施例1の重量センサ200は、図9に示すように、鉛直方向に延びる重量検知部206の左右寸法の中心線C2が、固定部材229を通過するようにしている。また、図11に示すように、第1台座202のねじ穴中心線C3も固定部材229上に載るようにしている。中心線C2,C3に係る位置関係、特に中心線C3に係る位置関係により、重量センサ200にかかる荷重を固定部材229がしっかり支えてくれるため、検出精度を確保することができる。
【0050】
ロードセル201,第1台座202,第2台座204は、センサカバー205とケース体203によって覆われている。センサカバー205は、柔軟性のあるシリコーンゴム等で構成されており、端部205aがケース体203とカバー部材224によって挟まれる構造となっている。カバー部材224とケース体203を跨ったねじ215等の部材が配されており、両者は締結されている。この締結によって、端部205aがケース体203側にも押圧されて潰れ、密着することで水の浸入を抑制できる。そのため、重量検知部206の周辺に水等の液体が零れた場合であっても、端部205aがケース体203に密着しているので、センサユニット220に液体が入り込もうとしても堰き止めることができ、センサカバー205の内部に液体が浸入することを抑制することができる。
【0051】
柔軟性のあるシリコーンゴム等で構成されたセンサカバー205は、重量検知部206の動きに合わせて撓むので、重量センサ200の検出精度に影響を与えることを抑制できる。センサカバー205は、硬度(ショアA硬度)や厚さが小さ過ぎると自重の影響も含め変形しやすく、組立時にセンサカバー205が所定の位置からずれて固定されたり、破損したりする可能性があるため強度の観点で好ましくない。また、硬度や厚さが大き過ぎると重量検知部206の動きに追従しにくくなり、検出精度に影響が出るため柔軟性の観点で好ましくない。このため、硬度の下限は20以上が好ましく、上限は70以下が好ましい。また、厚さの下限は0.5mm以上が好ましく、上限は2.5mm以下が好ましい。なお、厚さについてはセンサカバー全体で一定である必要はなく、変形させる箇所が少なくとも上記範囲内であればよい。もちろん、強度や柔軟性が確保できれば、センサカバー205の材質や硬度、厚さはこの限りではない。
【0052】
図11に例示するように、重量センサ200の重量検知部206は、カバー部材224から上方に露出または突出するように設けられている。カバー部材224のうち重量検知部206の周囲には、隙間S1を介して、上方に向けて突出した突出部224aが形成されている。隙間S1の寸法は、隙間S1に粘着性の液体やゴミ、霜等の異物が入り込んだとしても、異物によって重量検知部206がカバー部材224に拘束されるのを抑制できる距離が好ましく、例えば4mm、又は5mm以上である。また、図33に例示するように、突出部224aは、重量検知部206の周囲を囲うことでセンサユニット220に水が流れ込むことを抑制している。また、突出部224aは、重量検知部206の周囲360°全域に亘るのではなく、一部が切欠かれて排水部224bが形成されている。排水部224bをガイドレール249の切欠き部250に位置させている。この構成により、センサユニット220に液体が滴下しても、排水部224bから排液することができる。排液しきれなかった一部は、上述のように端部205a周囲に達し得るが、センサユニット220手前でせきとめられ、経時で蒸発していく。
【0053】
〔上段センサユニット220a、中段センサユニット220bへの配線引き込み方法〕
次にセンサユニット220(上段センサユニット220a、中段センサユニット220b)に配置された配線227を箱体101側へ引き込む方法について説明する。
【0054】
図15は配線接続前における箱体内部の角部を下方斜めから見た斜視図であり、図16は配線接続後における箱体内部の角部を下方斜めから見た斜視図であり、図17は配線カバーを装着後における箱体内部の角部を下方斜めから見た斜視図である。
【0055】
センサユニット220は、上記したように冷蔵庫の内箱103に固定される。接続部222の左右一方側の端部、本実施例では右側端部には、下方に向かって開口した接続部開口232が形成されている。接続部222の配線収容部228に収容された配線227の他端は接続部開口232から引き出され、外部に露出する。配線227の他端には雄コネクタ233が備えられている。
【0056】
一方、センサ基板111には配線234の一端が接続され、センサ基板111からの配線234は、箱体101(外箱)と内箱103の間を通り、内箱103の壁面に形成された切欠き開口114から引き出され、外部に露出する。配線234の他端には雌コネクタ235が備えられている。
【0057】
そして、図16に示すよう、雄コネクタ233と雌コネクタ235を接続し、接続したコネクタ同士を接続部222の配線収容部228に押し込む。この状態において接続部開口232及び切欠き開口114から配線234が露出することになる。そこで、配線234を覆うようにセンサユニット220の下方には、配線カバー236を配置する。配線カバー236は、接続部開口232と切欠き開口114を繋ぐように配置され、配線234を収容する空間を形成する。配線カバー236の内箱103側に位置する部分にはフランジ部236aが形成され、このフランジ部236aを内箱103の壁面に接触させ、ねじ237で固定する。配線カバー236は2つ以上の部材から構成されていてもよい。
【0058】
実施例1では、センサユニット220に配線227を収容する配線収容部228を形成し、この配線収容部228から箱体101に至る配線234(センサ基板111側の配線)を覆う配線カバー236を備えるようにしているので、配線227,234が露出することがなく、配線227,234の断線を抑制することができる。
【0059】
なお、接続したコネクタ233,235が収容されるのは配線収容部228でなく配線カバー236内でもよいし内箱103と箱体101(外箱)との間でもよい。配線収容部228や配線カバー236内であれば、コネクタの接続作業を容易に行える点で好ましい。
【0060】
〔下段センサユニット220cの構成〕
下段ユニットの構成について説明する。図18は下段センサユニットの上面図、図19はカバー部材を外した状態の下段センサユニットの上面図であり、図20は下段センサユニットにトレーと容器を載置した状態を示す冷蔵庫の右半分を削除した断面斜視図であり、図21は下段センサユニットにトレーを載置した状態を示す冷蔵庫の右半分を削除した断面斜視図である。
【0061】
センサユニット220(下段センサユニット220c)は、上面から見て中央部がくり抜かれたドーナツ状に形成されている。下段センサユニット220cは、内箱103の左右底部に取付けられる第一取付部241a(取付部241)と第二取付部241b(取付部241)と、第一取付部241aと第二取付部241bを繋ぐ接続部242を備えている。第一取付部241aには2つの重量センサ200が備えられている。同様に、第二取付部241bには2つの重量センサ200が備えられている。実施例1では、計4つの重量センサ200を備えているが、個数はこれに限定されるものでは無い。例えば、第一取付部241a,第二取付部241bのそれぞれに1つの重量センサ200を配置するようにしても良い。第一取付部241a,第二取付部241bには、それぞれ少なくとも1つ以上(全体で少なくとも2つ以上)の重量センサ200を配置するようにすると良い。下段センサユニット220cは、図示しないねじ等によって、内箱103の底部に固定されている。
【0062】
また、内箱103の内面には、前後方向に延びた複数の内箱上リブ106a、及び複数の内箱下リブ106bが形成されている。
【0063】
第一取付部241a,第二取付部241b,接続部242は、上方が開放した取付部本体243,接続部本体245と、取付部本体243及び接続部本体245の上方開放部を覆うカバー部材244を備えている。そして、第一取付部241a,第二取付部241b,接続部242には、空間が形成され、この空間が図19に示すように重量センサ200とセンサ基板111とを電気的に接続する配線247の配線収容部248となる。また、配線収容部248には4つの重量センサ200が配置され、各重量センサ200には配線247の一方が接続されている。配線247の他方は、配線収容部248から引き出され、箱体101に引き込まれ、センサ基板111と電気的に接続される。
【0064】
下段センサユニット220cには、トレー251と、トレー251の上方に載置された容器105eを備えている。容器105eには収容物が収容され、重量センサ200によって重量が検出される。また、実施例1では、トレー251の上に容器105eを載置しているが、容器105eと取外し、トレー251に収容物を載置するようにしても良い。トレー251若しくは容器105eに収容物が収容・載置され、トレー251若しくは容器105eに荷重が加わると、トレー251若しくは容器105eの中央部が下方に向かって突出するように変形する。この変形した中央部が下段センサユニット220cに接触すると、重量センサ200に荷重が伝達されず、重量センサ200の検出精度が低下する恐れがある。そこで、実施例1では下段センサユニット220cは、上面視で環状となっており、中央部は空隙である。このようにドーナツ状に形成し、トレー251若しくは容器105eの変形した中央部が下段センサユニット220cに接触することを回避するようにしている。このように構成することにより、トレー251若しくは容器105eの中央部が下方に向かって突出するように変形した場合であっても、変形した中央部が下段センサユニット220cに接触することなく、重量センサ200の検出精度を確保することができる。
【0065】
重量センサ200は上面から見た形状が矩形状となっており、長手方向が箱体101の左右方向に沿うように配置される。このように重量センサ200を配置することにより、重量センサ200を内箱103の前後左右に寄せている。
【0066】
〔下段センサユニット220cへの配線引き込み方法〕
次に下段センサユニット220cに配置された配線247を箱体101側へ引き込む方法について説明する。
【0067】
図22は下段センサユニットと配線の接続関係を示す冷蔵庫の透過外観斜視図である。図23は冷蔵庫の左半分を削除した断面斜視図であり、図24図26図23のXXIV部拡大図である。
【0068】
下段センサユニット220cは、上記したように冷蔵庫の内箱103底部に固定される。
【0069】
第一取付部241aの前後方向中央部には上方に向かって開口した取付部開口252が形成されている。第一取付部241aの配線収容部248に収容された配線247の他端は取付部開口252から引き出され、外部に露出する。配線247の他端には雄コネクタ253が備えられている。
【0070】
一方、センサ基板111には配線254の一端が電気的に接続され、センサ基板111からの配線254は、箱体101と内箱103の間を通り(図22)、内箱103の壁面に形成された切欠き開口115から引き出され、外部に露出する。配線254の他端には雌コネクタ255が備えられている。
【0071】
そして、図25に示すよう、雄コネクタ253と雌コネクタ255を接続し、接続したコネクタ同士を第一取付部241aの取付部開口252に押し込む。この状態においては、取付部開口252及び切欠き開口115からコネクタ253,255及び配線254が露出することになる。そこで、コネクタ253,255及び配線254を覆うように下段センサユニット220cの上方には、配線カバー256が配置される。配線カバー256は、取付部開口252と切欠き開口115を繋ぐように配置され、配線254を収容する空間を形成する。そして、配線カバー256の第一取付部241aに位置する部分をねじ257で固定する。配線カバー256は2つ以上の部材で構成されていてもよい。
【0072】
実施例1では、下段センサユニット220cに配線247を収容する配線収容部248を形成し、この配線収容部248から箱体101に至る配線254(センサ基板111側の配線)を覆う配線カバー256を備えるようにしているので、配線247,254が露出することがなく、配線247,254の断線を抑制することができる。
【0073】
〔重量センサへの容器の載置方法〕
次に重量センサ200に対する容器105の載置方法について、図6図7図27図33を用いて説明する。図27は容器の左側面図であり、図28図27のXXVIII部拡大図であり、図29図3のXXIX部拡大図(重量センサに容器を載置した状態を示す正面図)であり、図30図29のXXX部拡大図であり、図31は容器を下方斜めから見た下方斜視図である。図32図4のXXXII部拡大図であり、図33図4のXXXIII部拡大図である。なお、以下の説明は、上段センサユニット220a、中段センサユニット220bに対するものである。下段センサユニット220cでも同様にし得る。
【0074】
図6図27図28図32図33に示すように、第一取付部221a及び第二取付部221bの上部(センサユニット220の左右上部)には、上方に向かって突出したガイドレール249が備えられている。このガイドレール249は、前後方向に沿って延び、容器105を案内する。ガイドレール249には、一部が切欠かれた切欠き部250を備えている。切欠き部250の位置には、第一取付部221a及び第二取付部221bそれぞれの前方に配置された重量センサ200が備えられている。ガイドレール249の後端部249aの後方には、第一取付部221a及び第二取付部221bそれぞれの後方に配置された重量センサ200が備えられている。
【0075】
図31に示すように、容器105の底面(載置面の下面)には、下方に向かって露出または突出するセンサ接触部120(前センサ接触部120a,後センサ接触部120b)を備えている。後センサ接触部120bの前後方向及び左右方向の長さは、前センサ接触部120aに比べ長くなっている。また、容器105の底面には、前後方向に沿って形成された底面ガイドリブ121が形成されている。底面ガイドリブ121は、前センサ接触部120a,後センサ接触部120bよりも左右方向内側に形成されている。底面ガイドリブ121は、例えば、前センサ接触部120aから後センサ接触部120bまでにかけての前後距離以上の長さに亘っている。
【0076】
前センサ接触部120aと底面ガイドリブ121との間には、ガイドレール249と接して摺動する摺動部122が備えられている。容器105は、冷蔵庫の内箱103から前後方向に引き出し可能となっている。その際、容器105は、摺動部122及び後センサ接触部120bがガイドレール249の上を摺動する。容器105をセンサユニット220がある場所に装着する際は、まずガイドレール249の前側先端部の上に後センサ接触部120bを載置する。そして、ガイドレール249に沿って容器105を押し込むと、ガイドレール249の後方で後センサ接触部120bがガイドレール249から落ちて重量センサ200の重量検知部206に載置される。また、ガイドレール249の切欠き部250で摺動部122がガイドレール249から落ちて重量センサ200の重量検知部206に載置される。このようにして、容器105が重量センサ200に設置される。後センサ接触部120bはガイドレール249上を進む際、切欠き部250を通過するが、後センサ接触部120bの前後方向の長さは、切欠き部250の前後方向に長さよりも長く形成されているので、後センサ接触部120bが切欠き部250において、ガイドレール249から落ちることがない。
【0077】
さらに容器105の両側面には、左右方向に向かって突出し、前後方向に沿って形成された側面リブ123が形成されている。側面リブ123は、容器105をセンサユニット220がある場所に装着する際、内箱103に形成された内箱上リブ106aと内箱下リブ106bとの間に形成された空間に挿入する。この際、側面リブ123は、内箱上リブ106a及び内箱下リブ106bには接触しない。また、側面リブ123は、摺動部122及び後センサ接触部120bがガイドレール249から落ちた場合であっても、内箱上リブ106a及び内箱下リブ106bには接触しない。このため、容器105に収容物を載せた場合であっても、収容物の荷重が内箱上リブ106a及び内箱下リブ106bに伝わることがなく、重量センサ200の検出精度を維持することができる。容器105は、内箱103に固定されることなく、重量センサ200に載置されているだけなので、例えば、容器105の前端或いは後端に許容以上の荷重が加わると、容器105の後方或いは前方が上方向に移動し傾き、容器105が内箱103から落下する恐れがある。実施例1では、容器105が傾いた際、側面リブ123が内箱上リブ106a及び内箱下リブ106bに接触し、容器105の後方或いは前方が上方向に移動することを規制されるので、容器105の傾きを抑制し、容器105が内箱103から落下することを抑制することができる。
【0078】
〔吐出口108と重量センサ200の位置関係〕
図32に示すように、内箱103には庫内に冷気を吹き出す吐出口108が形成されている。吐出口108は、吹き出す冷気125の向きが内箱103の庫内中央に向くように設置している。すなわち、実施例1では吐出口108から吹き出す冷気125が、重量センサ200に直接当たるのを抑制している。このように構成することにより、実施例1では重量センサ200の温度による影響を受け難くし、重量センサ200の検出精度を確保することができる。吐出口108からの冷気の吹出し方向は、例えば、吐出口108からの風速が略最高の向きと考えることができる。
【0079】
また、重量センサ200の近傍には温度センサ(不図示)を配してもよい。重量センサ200の検知値は温度にも依存するところ、庫内温度センサ110の検知温度と重量センサ200近傍の温度とは一致しないこともあるためである。この温度センサの検知値を用いて重量センサ200の検知値を補正することができる。もちろん、庫内温度センサ110の検知値を用いてもよい。
【0080】
この点、重量センサ200それぞれと、重量センサ200の検知値の補正に用いる温度センサとがともに、吐出口108からの冷気を直接受ける位置にあるか直接受けない位置に在るようにすることができる。温度センサとして庫内温度センサ110を用いる場合は、庫内温度の検出精度も担保する観点から、ともに直接冷気を受けない位置にすることが好ましい。温度センサとして、重量センサ200の近傍に庫内温度センサ110とは異なる温度センサを配する場合は、直接冷気を受ける位置でもよいし受けない位置でもよい。
【0081】
〔収容物と容器の関係〕
図34は収容物を載置した容器105の側面図である。ここでは左側面視である。容器105の前側には、収容物が載置されている。重量センサ200の重量検知部206は、容器105の支持点であるから、容器105の傾きを抑制するために、上面視で、収容物が載置されるスペースよりも外側に位置させることが好ましい。しかしながら、使用者の使用状況によっては重量検知部206の外側に収容物が載置される可能性がある。そのため、重量検知部206の外側の位置に収容物が載置された場合であっても、容器105が傾かないように設計することが好ましい。
【0082】
図34において、X1は重量検知部206から収容物の重心位置までの距離であり、X2は重量検知部206から容器105の重心位置までの距離である。W1は収容物の重量であり、W2は容器105の重量である。
【0083】
容器105に収容物を載置した際、以下の条件を満たすと容器105が傾くことがない。
【0084】
X1*W1<X2*W2
従って、重量センサ200の位置、容器105の設計にあたっては、容器105に載置される収容物の最大重さを考慮し、上記式を満たすようにX1、X2、W2を設定すれば良い。
【0085】
〔ホットガスパイプと重量センサの位置関係〕
図35は冷蔵庫の側面を透過した側面図であり、図36図35のXXXVI-XXXVI線断面図である。図35では右側面を描いている。冷蔵庫100の側面には、箱体101への結露を抑制するために、冷凍サイクル中で圧縮機によって圧縮された冷媒が流通するホットガスパイプ130が配置されている。箱体101と内箱103との間にはウレタンフォーム等の発泡断熱材140が充填されている。ホットガスパイプ130は箱体101側に寄せて配置されている。ホットガスパイプ130には高温の冷媒が流れるため、重量センサ200がホットガスパイプ130からの熱の影響を受ける可能性がある。そこで、実施例1ではホットガスパイプ130を箱体101側に寄せて、ホットガスパイプ130と内箱103(重量センサ200)との間に発泡断熱材140を配置している。このため、ホットガスパイプ130からの熱は、発泡断熱材140によって緩和されるので、重量センサ200が受ける熱の影響を抑制し、重量センサ200の検出精度を維持することができる。
【0086】
また、重量センサ200は、側面視においてホットガスパイプ130の投影上に配置しないことが好ましい。ホットガスパイプ130は、図35に示すように冷蔵庫100の上下端側で折り返され、上下方向に沿って配置される。重量センサ200(好ましくは、歪みセンサ201a,201b)は、冷蔵庫100を側面から見て、前後方向に隣り合うホットガスパイプ130同士の間に位置させるようにする。このように構成することにより、重量センサ200が受ける熱の影響を抑制し、重量センサ200の検出精度を維持することができる。
【0087】
この点、重量センサ200と、重量センサの検知値の補正に用いる温度センサとが、ともに、ホットガスパイプ130の投影上に配置されないようにするか、ともに配置されるようにしてもよい。上述の吐出口との関係と同様、温度センサとして庫内温度センサ110を用いる場合は、ともに投影上に配置されないようにするのが良い。温度センサとして庫内温度センサ110とは異なる温度センサを用いる場合は、どちらにしてもよい。
【実施例2】
【0088】
次に本発明の実施例2について図37図39を用いて説明する。実施例1では、センサユニット220に重量センサ200を配置するようにしていたが、実施例2では棚260に重量センサ200を配置するようにしている。
【0089】
図37は棚を上方から見た外観斜視図であり、図38は棚を下方から見た外観斜視図であり、図39は棚を下方から見た分解斜視図である。
【0090】
棚260は載置部260aと、載置部260aより高さが高い堰部260bを備えている。
【0091】
堰部260bの下方には、上方が開放され、内箱103の左右に取付けられる取付部本体223と、取付部本体223を繋ぐ接続部本体225を備えている。取付部本体223には、下方に向かって開口した複数のセンサ開口271が形成されている。センサ開口271の位置には重量センサ200を配置し、重量センサ200の重量検知部206がセンサ開口271から下方に突出するようにしている。取付部本体223と接続部本体225の上部は堰部260bで覆われ、第一取付部221a,第二取付部221b、第一取付部221aと第二取付部221bを繋ぐ接続部222を構成している。第一取付部221a、第二取付部221b、接続部222の内部には空間が形成され、この空間が重量センサ200とセンサ基板111とを電気的に接続する配線227の配線収容部228となる。
【0092】
すなわち、実施例2では、第一取付部221a、第二取付部221b、接続部222、堰部260bによって、重量センサ200を収容するセンサユニットを構成している。
【0093】
実施例2では、計4つの重量センサ200を備えているが、個数はこれに限定されるものでは無い。例えば、第一取付部221a,第二取付部221bのそれぞれに1つの重量センサ200を配置するようにしても良い。第一取付部221a,第二取付部221bには、それぞれ少なくとも1つの重量センサ200を配置するようにすると良い。棚260を三角形状に形成し、各辺に1つ以上の重量センサ200を配してもよい。
【0094】
配線収容部228には4つの重量センサ200が配置され、各重量センサ200には配線227の一端が接続されている。配線227の他端は、配線収容部228の下方に形成された接続部開口232から引き出される。配線227の他端部には雄コネクタ233が備えられており、図示しないセンサ基板111からの雌コネクタ235(配線234)と接続される。配線の引き込み方法については実施例1の図15図17と同様の構造にすることができる。一方、この際、重量検知精度の観点から、配線カバー236(図17に例示)が取付部本体223に触れないように、配線カバー236と棚260とが離間するようにすると好ましい。これは、棚260にかかる荷重が配線カバー236に伝わり、重量センサ200の検出精度の低下を防ぐためである。
【0095】
さて、棚260に重量センサ200を設置した場合には、重量センサ200の重量検知に影響を与えないように、棚260を内箱103側に固定すると好ましい。
【0096】
例えば、取付部本体223を所定の隙間を空けて固定部材229(図9)に固定する。重量センサ200は重量検知部206が下方を向くようにして堰部260bに下方に固定し、センサ開口271から重量検知部206を突出させる。重量センサ200の重量検知部206が固定部材229のセンサユニット取付面に接触することで載置部260aに載置された収容物の重量に応じてロードセル201の歪が変化し、収容物の重量を検出する。
【0097】
実施例2では、棚260に配線227を収容する配線収容部228を形成し、この配線収容部228から箱体101に至る配線を覆うようにしているので、配線が露出することがなく、配線の断線を抑制することができる。
【0098】
センサユニット220は、配線227によって箱体101側と有線で結線しているが、センサユニット220内に電池やWLAN基板などを搭載し、無線で主制御基板109とつなげてもよい。この場合、実施例1、2のように配線カバー236を設ける必要がない。また、実施例2のような棚260を収容庫内の指定された箇所だけでなく収容庫内の好きな場所、あるいは無線が届く範囲であれば収容庫外でも使用することが可能になる。
【0099】
なお、本発明は、上述した実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。上述した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。実施例で用いた各ねじは、ボルト等その他の挿通部材又は螺合部材の一例である。
【0100】
[本明細書が包含する技術的思想]
本願は、次の思想を包含する。
【0101】
<付記1について>
特開2007-010208号公報に記載の技術においては、冷蔵室3を形成する内箱2の側壁に前後方向に亙って凸形成された棚受けビード2aの4隅に圧力センサ11を固着している(0012,0013、図2,3等)。
特開2013-124798号公報は、棚上段54と棚下段55と、これらの隙間空間に設けた歪ゲージセンサ56や電気配線が一部材の棚とされている。電気配線は、棚の背面側に設けられたセンサ側防水コネクタ58に嵌装されると共に、冷蔵庫51の本体側防水コネクタ59に接続される(0026,0027,0031,0032、図2等)。棚上段54、棚下段55、及び隙間空間が一体となって引き出される構造である(0032)。単一の歪ゲージセンサ56によって重量検知を行うことを前提としている(0012,0036等)。
棚受けの4隅又はこの近傍それぞれの一部又は全部にセンサを設置するにあたっては、センサと制御回路部を電気的に接続する必要があるが、特開2007-010208号公報に記載の技術においては、センサの収容方法や配線の接続方法については考慮されていなかった。
特開2013-124798号公報は、棚上段54の中央に単一の歪ゲージセンサ56を配する方式での検知精度改善のための収容構造を開示するものであり、複数のセンサを前提とした方式については何ら記載も示唆もしていない。
【0102】
[付記1-1]
前方が開口した貯蔵室を形成する内箱と、
前記貯蔵室に配された棚又は容器と、
前記棚又は前記容器に載置された収容物の重量を受ける複数の重量センサと、
センサユニットと、を備え、
前記センサユニットは、
前記重量センサの少なくとも1つと、該重量センサに接続する配線の少なくとも一部とを収容し、前記貯蔵室の壁面に沿った方向に延在する第一取付部と、
該第一取付部に接続されており、前記重量センサの少なくとも他の1つと、該重量センサに接続する配線の少なくとも一部とを収容する第二取付部と、を備え、
前記センサユニットは、前記棚又は前記容器より下方に設けられ、該棚又は該容器とは別体である収容庫。
【0103】
[付記1-2]
付記1-1において、
前記センサユニットは、カバー部を備え、
前記重量センサの重量検知部は、前記カバー部よりも上側に露出または突出しており、それ以外の部分の少なくとも一部が前記センサユニットにおける前記カバー部の下方の空間に収容されている収容庫。
【0104】
[付記1-3]
付記1-1において、
前記センサユニットは、前記第一取付部及び前記第二取付部を繋ぎ、前記第一取付部及び前記第二取付部とは異なる方向に延在している接続部を備え、
前記接続部は、前記配線の少なくとも一部を収容している収容庫。
【0105】
[付記1-4]
付記1-1において、
前記貯蔵室の壁面に沿って設けられた固定部材を備え、
前記センサユニットは前記固定部材に固定された収容庫。
【0106】
[付記1-5]
付記1-4において、
前記固定部材は、前後方向に沿って設けられた金属製の部材であり、
前記センサユニットの下方には、前方先端部を後方に向かって折り返した折り返し部を備え、
前記固定部材の先端部は前記センサユニットの下面と前記折り返し部との間に配置した収容庫。
【0107】
[付記1-6]
付記1-1において、
前記センサユニットには、前記配線を引き出す接続部開口が形成され、
前記収容庫の壁面には、別の配線を引き出す切欠き開口が形成され、
前記接続部開口と前記切欠き開口を繋ぐ1つ以上の配線カバーを備え、
前記センサユニット又は前記配線カバーには、前記配線及び/又は前記別の配線に取付けられたコネクタが収容されている収容庫。
【0108】
[付記1-7]
付記1-1において、
前記貯蔵室の壁面の左右には、前後方向に延びた内箱上リブ及び内箱下リブを備え、
前記容器を備え、
前記容器の左側面及び/又は右側面には、左右方向に向かって該左側面及び/又は右側面から突出し、前後方向に沿って形成された側面リブを備え、
前記側面リブは、前記内箱上リブと前記内箱下リブの間に位置させた収容庫。
【0109】
[付記1-8]
付記1-1において、
前記センサユニットの左右それぞれに設けられた前記第一取付部及び前記第二取付部の上部には、前後方向に延び、上方に向かって突出したガイドレールを備え、
前記ガイドレールには、一部が切欠かれた切欠き部を備え、
前記重量センサは前記切欠き部の位置に配置した収容庫。
【0110】
[付記1-9]
付記1-1において、
前記重量センサは、前記センサユニットの左右それぞれに設けられた前記第一取付部及び前記第二取付部の前後側それぞれに備えられ、
前記第一取付部及び前記第二取付部の上部には、前後方向に延び、上方に向かって突出したガイドレールを備え、
前記ガイドレールには、一部が切欠かれた切欠き部を備え、
前記重量センサは前記ガイドレールの後端部側の位置に配置した収容庫。
【0111】
[付記1-10]
付記1-2において、
前記重量検知部は、可動であり、
前記センサユニットのうち、前記重量検知部の周辺に位置する部分には、上方に向けて突出した突出部が形成され、
前記重量検知部の外周部と前記突出部との間には、隙間を形成した収容庫。
【0112】
[付記1-11]
付記1-10において、
前記第一取付部及び前記第二取付部の上部には、前後方向に延び、上方に向かって突出したガイドレールを備え、
前記突出部には、一部が切欠かれた排水部が形成され、前記排水部を前記ガイドレールの前記切欠き部に位置させた収容庫。
【0113】
[付記1-12]
前方が開口した貯蔵室を形成する内箱と、
前記貯蔵室に配された棚又は容器と、
前記棚又は前記容器に載置された収容物の重量を受ける複数の重量センサと、
センサユニットと、を備え、
前記センサユニットとして、
前記重量センサの少なくとも1つと、該重量センサに接続する配線の少なくとも一部とを収容する第一取付部と、
該第一取付部に接続されており、前記重量センサの少なくとも他の1つと、該重量センサに接続する配線の少なくとも一部とを収容する第二取付部と、を備え、
前記センサユニットは、前記棚又は前記容器に取り付けられており、
前記棚又は前記容器を支持する固定部材を備え、
前記重量センサの重量検知部が下方を向いて設けられていて、前記固定部材に接触可能な収容庫。
【0114】
[付記1-13]
付記1-12において、
前記センサユニットには、前記配線を引き出す接続部開口が形成され、
当該収容庫の壁面には、別の配線を引き出す切欠き開口が形成され、
前記接続部開口と前記切欠き開口を繋ぐ1つ以上の配線カバーを備え、
前記センサユニット及び前記配線カバーは、離間している収容庫。
【0115】
[付記1-14]
付記1-12において、
前記センサユニットは、取付部本体を備え、
前記重量センサの重量検知部は、前記取付部本体よりも下側に露出または突出している収容庫。
【0116】
[付記1-15]
付記1-1又は1-12において、
前記容器を備え、該容器の側壁高さは3cm以上9cm以下である収容庫。
【0117】
<付記2について>
上述の特開2007-010208号公報は、圧力センサや歪みゲージセンサが板状のロードセルを備えるタイプのものとしては検討されておらず、このようなタイプのセンサを収容庫中に配置するに際して、重量検知精度や収容庫中の貯蔵スペースの好適な確保に寄与する態様については何ら開示していない。
【0118】
[付記2-1]
ケース体と、
ロードセルと、
該ロードセルの長手方向の一方側で、前記ケース体側に接続した第1台座と、
該ロードセルの長手方向の他方側で、前記ケース体とは反対側に接続した第2台座と、
該第2台座のうち、前記ロードセルに取り付けられている部分から前記ロードセルの長手方向の一方側に延在した部分に接続した重量検知部と、を備える重量センサと、
該重量センサが配された貯蔵室と、
前記ケース体を支持するセンサユニット取付面と、を備え、
鉛直方向に延びる、前記第1台座の中心線は、前記センサユニット取付面を通過する収容庫。
【0119】
[付記2-2]
ケース体と、
ロードセルと、
該ロードセルの長手方向の一方側で、前記ケース体側に接続した第1台座と、
該ロードセルの長手方向の他方側で、前記ケース体とは反対側に接続した重量検知部と、を備える重量センサと、
該重量センサが配された貯蔵室と、
前記ケース体を支持するセンサユニット取付面と、を備え、
鉛直方向に延びる、前記第1台座の中心線は、前記センサユニット取付面を通過する収容庫。
【0120】
[付記2-3]
ケース体、
ロードセル、及び
重量検知部を備え、
前記重量検知部から、前記ロードセルの他方側、前記ロードセルの一方側を経て、前記ケース体に接続した第1台座まで機械的に接続している重量センサと、
前記ケース体を支持するセンサユニット取付面と、を備え、
鉛直方向に延びる、前記第1台座の中心線は、前記センサユニット取付面を通過する収容庫。
【0121】
[付記2-4]
付記2-1乃至2-3何れか一項において、
前記重量センサは、貯蔵室の左壁側又は右壁側に設けられ、
前記貯蔵室の前方は、開口しており、
前記ロードセルの長手方向は、前記貯蔵室の左壁又は右壁に沿って配置されている収容庫。
【0122】
[付記2-5]
付記2-1乃至付記2-3何れか一項において、
前記重量センサは、貯蔵室の最下段に配される棚又は容器に対応する位置に配されており、
前記貯蔵室の前方は、開口しており、
前記ロードセルの長手方向は、前記貯蔵室の左右方向に沿って配置されている収容庫。
【0123】
<付記3について>
冷蔵庫の貯蔵室には、貯蔵室内の温度を検知する温度センサが通常配されている。また、重量センサの検知値は周囲温度にも依存するため、重量センサが配されている貯蔵室内の温度センサを用いて検知値を補正することが望ましい。
しかし、貯蔵室には冷気を供給する吐出口が設けられており、冷蔵庫壁面には冷蔵庫外との温度差による結露を抑制するためのホットガスパイプ等が設けられている。これらによって与えられる温度影響が、重量センサと温度センサとで大きく異なってしまうと、補正が精確に行えない。このような点について上述の特開2007-010208号公報は何ら検討していない。
【0124】
[付記3-1]
貯蔵室と、
該貯蔵室に配された重量センサと、
前記貯蔵室に配された庫内温度センサと、
前記貯蔵室に冷気を供給する吐出口と、を備え、
該吐出口の冷気吐出方向は、前記重量センサ及び前記庫内温度センサを避けた向きである冷蔵庫。
【0125】
[付記3-2]
貯蔵室と、
該貯蔵室に配された重量センサと、
前記貯蔵室に配された庫内温度センサと、
圧縮された冷媒が流通するホットガスパイプが這わされた面と、を備え、
前記重量センサの一部又は全部と前記庫内温度センサとは、前記面の正面視で前記ホットガスパイプと重ならない位置に配されている冷蔵庫。
【0126】
[付記3-3]
付記3-1又は3-2において、
前記庫内温度センサは、前記重量センサの検知値の補正と、前記貯蔵室への送風に用いられる冷却ファン及び/又は冷媒を圧縮する圧縮機の制御に使用される冷蔵庫。
【0127】
[付記3-4]
貯蔵室と、
該貯蔵室に配された重量センサと、
前記貯蔵室の温度を検知し、前記貯蔵室への送風に用いられる冷却ファン及び/又は冷媒を圧縮する圧縮機の制御に使用される庫内温度センサと、
前記貯蔵室に冷気を供給する吐出口と、
前記重量センサの検知値の補正に用いられ、前記庫内温度センサとは異なる温度センサと、を備え、
前記重量センサと前記温度センサは、前記吐出口の冷気吐出方向を、ともに避けた位置又はともに避けない位置に配されている冷蔵庫。
【0128】
[付記3-5]
貯蔵室と、
該貯蔵室に配された重量センサと、
圧縮された冷媒が流通するホットガスパイプが這わされた面と、
前記貯蔵室の温度を検知し、前記貯蔵室への送風に用いられる冷却ファン及び/又は冷媒を圧縮する圧縮機の制御に使用される庫内温度センサと、
前記重量センサの検知値の補正に用いられ、前記庫内温度センサとは異なる温度センサと、を備え、
前記重量センサと前記温度センサは、前記面の正面視において、前記ホットガスパイプに重なる位置にともに配されている又は重ならない位置にともに配されている冷蔵庫。
【0129】
<付記4について>
上述の特開2007-010208号公報は、重量センサを棚や容器とは別体のセンサユニットで収容する場合、センサユニットの取付構造については何ら開示していない。
【0130】
[付記4-1]
前方が開口した貯蔵室を形成する内箱と、
該内箱の壁面側に配され、前後に延在する固定部材と、
該固定部材に設けられたセンサユニットと、を備え、
前記センサユニットは、前記固定部材の前側の先端部を覆う折り返し部を備える収容庫。
【0131】
[付記4-2]
付記4-1において、
前記折り返し部は、前記先端部の上側、前側、及び下側に亘っている収容庫。
【0132】
[付記4-3]
付記4-1において、
前記折り返し部は、前記先端部よりもやわらかい材料で形成されている収容庫。
【0133】
<付記5について>
上述の特開2007-010208号公報は、ビード2aから圧力センサ11がその高さ寸法分突出しているから、圧力センサ11上に棚10を載置するには、圧力センサ11の概ね真上を経由して、使用者が棚10を持ち上げた状態で移動させることになると推察される。使用者にとってはビード2a上を摺動させて棚10を移動させるのが容易であると考えられるところ、このようにすると、棚10が圧力センサ11の前面に衝突し、圧力センサ11を破損させる虞があるし、結局、圧力センサ11の手前で一度棚10を持ち上げる等する必要がある。
【0134】
[付記5-1]
前方が開口した室と、
該室に配される棚又は容器と、
重量検知部を備える重量センサと、
前記棚又は前記容器に備えられ、前記重量検知部に接触可能なセンサ接触部と、
ガイドレールと、を備え、
前記棚又は前記容器が前記ガイドレールを摺動して前記重量センサより前方の位置から後方に移動すると、前記センサ接触部は、前記重量センサより高い高さで後方に移動して前記重量検知部に接近し、該重量検知部に上方から接触する収容庫。
【0135】
[付記5-2]
付記5-1において、
前記棚又は前記容器が前記ガイドレールを摺動して前記重量センサより前方の位置から後方に移動すると、前記センサ接触部は、前記重量センサより高い高さから後方に移動して前記重量検知部に接近し、さらに下方に移動して、該重量検知部に上方から接触する収容庫。
【0136】
[付記5-3]
付記5-2において、
前記重量センサは、前後に並んで複数が配されており、
前記センサ接触部として、前側の前記重量センサの重量検知部に接触可能な前側センサ接触部と、後側の前記重量センサの重量検知部に接触可能な後側センサ接触部と、を有し、
前記棚又は前記容器が前記ガイドレールを摺動して、前側の前記重量センサより前方の位置から前記後側センサ接触部が後方に移動すると、前該後側センサ接触部は前側の前記重量センサ上を通過し、後側の前記重量センサ上で下方に移動して、後側の該重量センサの重量検知部に上方から接触する収容庫。
【0137】
[付記5-4]
付記5-1において、
前記棚又は前記容器は、側方に突出した側面リブを側面に備え、
前記室の側壁は、前記側面リブの下方に突出した下リブを備え、
前記棚又は前記容器が前記ガイドレールを摺動している場合、及び、前記センサ接触部が前記重量検知部に接触している場合、前記側面リブは、前記下リブから離間しており、
前記下リブは、前記棚又は前記容器が前記ガイドレールを摺動している場合、又は、前記センサ接触部が前記重量検知部に接触している場合に、前記棚又は前記容器が傾いたとき、前記側面リブに接触する位置に配されている収容庫。
【0138】
[付記5-5]
付記5-1において、
前記棚又は前記容器は、側方に突出した側面リブを側面に備え、
前記室の側壁は、前記側面リブの下方に突出した下リブを備え、
前記棚又は前記容器が前記ガイドレールを摺動している場合、及び、前記センサ接触部が前記重量検知部に接触している場合、前記側面リブは、前記下リブから離間しており、
前記ガイドレールとは別に、該ガイドレールより上方に、別の棚又は別の容器を支持可能な構造を備え、
前記下リブは、上下方向について、前記ガイドレールと前記構造との間に配されている収容庫。
【0139】
[付記5-6]
付記5-1において、
前記棚又は前記容器は、側方に突出した側面リブを側面に備え、
前記室の側壁は、前記側面リブの上方に突出した上リブを備え、
前記棚又は前記容器が前記ガイドレールを摺動している場合、及び、前記センサ接触部が前記重量検知部に接触している場合、前記側面リブは、前記下リブから離間しており、
前記ガイドレールとは別に、該ガイドレールより上方に、別の棚又は別の容器を支持可能な構造を備え、
前記上リブは、上下方向について、前記ガイドレールと前記構造との間に配されている収容庫。
【0140】
<付記6について>
人の手操作等による圧力の変化を検出して制御する機器に使用される感圧センサに係る特開平9-139148号公報は、感圧ゴム12を導体パターンに押圧するための弾性押圧体13を開示する(0001,0010、図1)。
特開平9-139148号公報は、人の手操作のレベルの力が付与される前提の構造である。一方、冷蔵庫等の収容庫において、収容食材の重量を検知する用途に用いられる重量センサを想定すると、食品荷重として特開平9-139148号公報より大きなレベルの力を想定する必要が生じる。
発明者らは、荷重を検知する構造としても、特開平9-139148号公報に比して大きい傾向にある荷重を受けるセンサ側の構成として、例えばロードセルを用いたような、特開平9-139148号公報とは別タイプの構造を含めて検討した。結果、食品を収容する棚や容器がセンサカバーに擦れると、センサカバーを硬い材料にするとセンサカバーが荷重の一部を受けてしまい、センサカバーと接触する他部品に、センサ側に伝達される荷重が分散されて検知精度が低下すること、センサカバーを柔らかい材料にするとセンサカバーの破損の虞が増大すること、という課題を見出した。
【0141】
[付記6-1]
ケース体と、
センサカバーと、
前記ケース体及び前記センサカバーで囲まれた空間に配されたセンサと、
該センサ側に荷重を伝達し、一部が前記センサカバーから突出した重量検知部と、を備える重量センサ。
【0142】
[付記6-2]
付記6-1において、
前記センサカバーは、硬度70以下及び/又は厚さ2.5mm以下である重量センサ。
【0143】
[付記6-3]
付記6-1又は6-2に記載の重量センサを収容するセンサユニットであって、
前記センサカバーのうち、前記ケース体に接触している端部を挟んで、前記ケース体と反対側に位置するカバー部材を備え、
該カバー部材は、前記端部を前記ケース体に向けて押圧しているセンサユニット。
【0144】
[付記6-4]
付記6-1又は6-2において、
前記センサカバーのうち、前記重量検知部の側面に対向する縁は、該重量検知部に対して隙間を備える重量センサ。
【0145】
[付記6-5]
付記6-1又は6-4において、
前記縁は、前記重量検知部の周囲360°には亘らずに、以て一部が排水孔として機能する重量センサ。
【0146】
[付記6-6]
付記6-1又は6-2において、
前記センサカバーと前記重量検知部との間にワッシャーを介している重量センサ。
【符号の説明】
【0147】
100…冷蔵庫、101…箱体、101a…天板、101b…底板、101c…側板、101d…背面板、102…扉、103…内箱、104…庫内、105,105a,105b,105c,105d,105e…容器、106a…内箱上リブ、106b…内箱下リブ、107…圧縮機、108…吐出口、109…主制御基板、110…庫内温度センサ、111…センサ基板、111a…サブマイコン、111b…フィルタ回路・増幅回路、112…通信ユニット、113…操作基板、113a…温調用ボリューム、114…切欠き開口、115…切欠き開口、120…センサ接触部、120a…前センサ接触部、120b…後センサ接触部、121…底面ガイドリブ、122…摺動部、123…側面リブ、125…冷気、130…ホットガスパイプ、140…発泡断熱材、200…重量センサ、201…ロードセル、201a,201b…歪みセンサ、202…第1台座、203…ケース体、204…第2台座、205…センサカバー、205a…端部、206…重量検知部、207…ワッシャー、208…ねじ、209…ナット、210…ワッシャー、211…ねじ、212…ワッシャー、213…ねじ、214…ワッシャー、220…センサユニット、220a…上段センサユニット、220b…中段センサユニット、220c…下段センサユニット、221…取付部、221a…第一取付部、221b…第二取付部、222…接続部、223…取付部本体、223a…折り返し部、223b…センサユニット220の挿通孔部、224…カバー部材、224a…突出部、224b…排水部、225…接続部本体、226…カバー部材、227…配線、228…配線収容部、229…固定部材、229a…先端部、229b…貫通孔、230…ねじ、230a…ねじ部、231…ねじ、232…接続部開口、233…雄コネクタ、234…配線、235…雌コネクタ、236…配線カバー、236a…フランジ部、237…ねじ、239…ワッシャー、241…取付部、241a…第一取付部、241b…第二取付部、242…接続部、243…取付部本体、244…カバー部材、245…接続部本体、247…配線、248…配線収容部、249…ガイドレール、249a…後端部、250…切欠き部、251…トレー、252…取付部開口、253…雄コネクタ、254…配線、255…雌コネクタ、256…配線カバー、257…ねじ、260…棚、260a…載置部、260b…堰部、271…センサ開口
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