(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20240118BHJP
【FI】
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2021116038
(22)【出願日】2021-07-14
【審査請求日】2023-01-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2021年6月24日、https://www.cloudsign.jp/においてサービスのリリースにより本願発明を公開し、また同日、複数のウェブサイトにおいて同発明を公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505392916
【氏名又は名称】弁護士ドットコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】柚木 俊亮
(72)【発明者】
【氏名】和田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】沼田 和也
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 将至
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-048739(JP,A)
【文献】特開2002-108790(JP,A)
【文献】特開2007-199909(JP,A)
【文献】特開2021-043623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに異なる組織に属するユーザ間の電子的な契約手続きを実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
第1ユーザ識別情報および第2メールアドレスに紐づけられた契約書データを保存する保存ステップと、
前記契約書データに紐づけられた第3グループ識別情報を取得するステップと、
第4グループ識別情報に紐づけられた第4ユーザ識別情報を有する第4ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う照会ステップと、
を実行させ、
前記照会ステップは、
第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致する場合は、前記契約書データを表示させ、
第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致しない場合は、前記契約書データを第4ユーザへ表示させない、
前記第3グループ識別情報は、前記第1ユーザ識別情報に基づき特定される第1ユーザおよび前記第2メールアドレスに基づき特定される第2ユーザにより前記契約書データに対する確認処理が実行された後に、前記契約書データに紐付けられる、
プログラム。
【請求項2】
前記第2ユーザと、前記第4ユーザと、は同じ組織に属する、
請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに異なる組織に属するユーザ間の電子的な契約手続きを実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
第1ユーザ識別情報および第2メールアドレスに紐づけられた契約書データを保存する保存ステップと、
前記契約書データに紐づけられた第3グループ識別情報を取得するステップと、
第4グループ識別情報に紐づけられた第4ユーザ識別情報を有する第4ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う照会ステップと、
第2メールアドレスに紐づけられた第2ユーザ識別情報を取得するステップと、
第2ユーザ識別情報に紐づけられた第2グループ識別情報を取得するステップと、
前記契約書データに対して第2グループ識別情報を紐づける付与ステップと、
を実行させ、
前記照会ステップは、
第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致する場合は、前記契約書データを表示させ、
第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致しない場合は、前記契約書データを第4ユーザへ表示させない、
プログラム。
【請求項4】
第2メールアドレスへ、契約書データへアクセスするためのアドレスが記載されたメールを送付するステップと、
を実行させ、
前記付与ステップは、前記アドレスへアクセスした後に、前記契約書データに対し第2グループ識別情報を紐づける、
請求項3記載のプログラム。
【請求項5】
第1ユーザ識別情報に紐づけられた第1グループ識別情報を取得するステップと、
を実行させ、
前記保存ステップは、前記契約書データに対し第1グループ識別情報を紐づける、
請求項1から4のいずれか記載のプログラム。
【請求項6】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに異なる組織に属するユーザ間の電子的な契約手続きを実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
第1ユーザ識別情報および第2メールアドレスに紐づけられた契約書データを保存する保存ステップと、
前記契約書データに紐づけられた第3グループ識別情報を取得するステップと、
第4グループ識別情報に紐づけられた第4ユーザ識別情報を有する第4ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う照会ステップと、
第1ユーザ識別情報に紐づけられた第1グループ識別情報を取得するステップと、
を実行させ、
前記照会ステップは、
第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致する場合は、前記契約書データを表示させ、
第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致しない場合は、前記契約書データを第4ユーザへ表示させない、
第3グループ識別情報が存在せず、第1グループ識別情報が存在する場合は、
第4グループ識別情報が第1グループ識別情報と一致する場合は、前記契約書データを第4ユーザへ表示させ、
第4グループ識別情報が第1グループ識別情報と一致しない場合は、前記契約書データを第4ユーザへ表示させない、
プログラム。
【請求項7】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに異なる組織に属するユーザ間の電子的な契約手続きを実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
第1ユーザ識別情報および第2メールアドレスに紐づけられた契約書データを保存する保存ステップと、
前記契約書データに紐づけられた第3グループ識別情報を取得するステップと、
第4グループ識別情報に紐づけられた第4ユーザ識別情報を有する第4ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う照会ステップと、
第2メールアドレスに紐づけられた第2ユーザ識別情報を取得するステップと、
第2ユーザ識別情報に紐づけられた第2グループ識別情報を取得するステップと、
を実行させ、
前記照会ステップは、
第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致する場合は、前記契約書データを表示させ、
第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致しない場合は、前記契約書データを第4ユーザへ表示させない、
第3グループ識別情報が存在せず、第2グループ識別情報が存在する場合は、
第4グループ識別情報が第2グループ識別情報と一致する場合は、前記契約書データを第4ユーザへ表示させ、
第4グループ識別情報が第2グループ識別情報と一致しない場合は、前記契約書データを第4ユーザへ表示させない、
プログラム。
【請求項8】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに異なる組織に属するユーザ間の電子的な契約手続きを実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
第1ユーザ識別情報および第2メールアドレスに紐づけられた契約書データを保存する保存ステップと、
前記契約書データに紐づけられた第3グループ識別情報を取得するステップと、
第4グループ識別情報に紐づけられた第4ユーザ識別情報を有する第4ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う照会ステップと、
第1ユーザ識別情報を有する第1ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う第1照会ステップと、
を実行させ、
前記照会ステップは、
第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致する場合は、前記契約書データを表示させ、
第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致しない場合は、前記契約書データを第4ユーザへ表示させない、
第1照会ステップは、
第3グループ識別情報が存在する場合は、
第1グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致しない場合であっても、前記契約書データを第1ユーザへ表示させる、
プログラム。
【請求項9】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに異なる組織に属するユーザ間の電子的な契約手続きを実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
第1ユーザ識別情報および第2メールアドレスに紐づけられた契約書データを保存する保存ステップと、
前記契約書データに紐づけられた第3グループ識別情報を取得するステップと、
第4グループ識別情報に紐づけられた第4ユーザ識別情報を有する第4ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う照会ステップと、
第1ユーザ識別情報を有する第1ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う第1照会ステップと、
を実行させ、
前記照会ステップは、
第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致する場合は、前記契約書データを表示させ、
第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致しない場合は、前記契約書データを第4ユーザへ表示させない、
第1照会ステップは、
第3グループ識別情報が存在する場合は、
第1グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致する場合であっても、前記契約書データを第1ユーザへ表示させない、
プログラム。
【請求項10】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに異なる組織に属するユーザ間の電子的な契約手続きを実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
第1ユーザ識別情報および第2メールアドレスに紐づけられた契約書データを保存する保存ステップと、
前記契約書データに紐づけられた第3グループ識別情報を取得するステップと、
第4グループ識別情報に紐づけられた第4ユーザ識別情報を有する第4ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う照会ステップと、
第2ユーザ識別情報を有する第2ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う第2照会ステップと、
を実行させ、
前記照会ステップは、
第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致する場合は、前記契約書データを表示させ、
第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致しない場合は、前記契約書データを第4ユーザへ表示させない、
前記第2照会ステップは、
第3グループ識別情報が存在する場合は、
第2グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致しない場合であっても、前記契約書データを第2ユーザへ表示させる、
プログラム。
【請求項11】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに異なる組織に属するユーザ間の電子的な契約手続きを実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
第1ユーザ識別情報および第2メールアドレスに紐づけられた契約書データを保存する保存ステップと、
前記契約書データに紐づけられた第3グループ識別情報を取得するステップと、
第4グループ識別情報に紐づけられた第4ユーザ識別情報を有する第4ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う照会ステップと、
第2ユーザ識別情報を有する第2ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う第2照会ステップと、
を実行させ、
前記照会ステップは、
第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致する場合は、前記契約書データを表示させ、
第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致しない場合は、前記契約書データを第4ユーザへ表示させない、
前記第2照会ステップは、
第3グループ識別情報が存在する場合は、
第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致する場合であっても、前記契約書データを第2ユーザへ表示させない、
プログラム。
【請求項12】
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置であって、
前記プロセッサ
が、請求項1から11のいずれか記載のプログラムを実行
する、
情報処理装置。
【請求項13】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
前記プロセッサ
が、請求項1から11のいずれか記載のプログラムを実行
する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ技術の発達および普及に伴い、これまでは紙媒体が利用されていた書類が電子化されつつある。例えば、当事者の署名および押印が必要となる契約書といった書類も、電子データで管理することが考えられている。特許文献1には、社内においてユーザグループ単位でデータ保存先を制限できるデータ保存先制限装置が開示されている。特許文献2には、作成者端末、確認社端末および契約書管理サーバからなるデジタル契約に関する情報処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021ー51345号
【文献】特開2017ー10096号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような書類管理の分野では、社外と契約書を交換する電子契約システムにおいて、ユーザが契約書の参照および編集できる範囲を制限することは困難であった。
【0005】
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものである。その目的は、社外と契約書を交換する電子契約システムにおいて、ユーザが契約書の参照および編集できる範囲を制限することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によると、プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに異なる組織に属するユーザ間の電子的な契約手続きを実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、第1ユーザ識別情報および第2メールアドレスに紐づけられた契約書データを保存する保存ステップと、契約書データに紐づけられた第3グループ識別情報を取得するステップと、第4グループ識別情報に紐づけられた第4ユーザ識別情報を有する第4ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う照会ステップと、を実行させ、照会ステップは、第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致する場合は、契約書データを表示させ、第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致しない場合は、契約書データを第4ユーザへ表示させない、第1ユーザ識別情報および第2メールアドレスに紐づけられた契約書データを保存する保存ステップと、契約書データに紐づけられた第3グループ識別情報を取得するステップと、第4グループ識別情報に紐づけられた第4ユーザ識別情報を有する第4ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う照会ステップと、を実行させ、照会ステップは、第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致する場合は、契約書データを表示させ、第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致しない場合は、契約書データを第4ユーザへ表示させないプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、社外と契約書を交換する電子契約システムにおいて、ユーザが契約書の参照および編集できる範囲を制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理システム1の全体の構成を示す図である。
【
図2】契約書管理サーバ2の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】作成者端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】作成者端末3の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】契約書データベース211のデータ構造を示す図である。
【
図6】(A)は、契約書グループデータベース212のデータ構造を示す図であり、(B)は、キャビネットデータベース213のデータ構造を示す図である。
【
図7】ユーザデータベース214のデータ構造を示す図である。
【
図8】グループマスタ215のデータ構造を示す図である。
【
図9】契約書作成処理(第一実施例)の動作を示すフローチャートである。
【
図10】契約書確認処理(第一実施例)の動作を示すフローチャートである。
【
図11】グループ表示処理(第一実施例)の動作を示すフローチャートである。
【
図12】契約書作成処理による作成者端末3の表示画面例を示す図である。
【
図13】契約書作成処理による作成者端末3の表示画面例を示す図である。
【
図14】契約書作成処理による作成者端末3の表示画面例を示す図である。
【
図15】確認者端末4に送信される電子メールの表示画面例を示す図である。
【
図16】契約書確認処理による確認者端末4の表示画面例を示す図である。
【
図17】契約書確認処理による確認者端末4の表示画面例を示す図である。
【
図18】契約書確認処理による確認者端末4の表示画面例を示す図である。
【
図19】契約書確認処理による確認者端末4の表示画面例を示す図である。
【
図20】契約書確認処理による確認者端末4の表示画面例を示す図である。
【
図21】グループ表示処理(第一実施例)による一覧表示画面を示す図である。
【
図22】契約書作成処理(第二実施例)の動作を示すフローチャートである。
【
図23】契約書確認処理(第二実施例)の動作を示すフローチャートである。
【
図24】グループ表示処理(第二実施例)の動作を示すフローチャートである。
【
図25】グループ表示処理(第二実施例)による一覧表示画面を示す図である。
【
図26】コンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0010】
<情報処理システム1の概要>
図1は、情報処理システム1の全体の構成を示す図である。本開示における情報処理システム1は、異なる組織に属するユーザ間の電子的な契約手続きを実行させるためのシステムである。
【0011】
<情報処理システム1の基本構成>
本開示における情報処理システム1を
図1に示す。情報処理システム1は、ネットワークNを介して接続された、契約書管理サーバ2、複数の作成者端末3、複数の確認者端末4および表示者端末5を備えて構成されている。
図2は、契約書管理サーバ2の機能構成を示すブロック図である。
図3は、作成者端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4は、作成者端末3の機能構成を示すブロック図である。
【0012】
契約書管理サーバ2は、契約書を管理する情報処理装置である。作成者端末3は、契約書を作成するユーザが操作する情報処理装置である。確認者端末4は、作成者端末3により作成された契約書の内容を確認するユーザが操作する情報処理装置である。表示者端末5は、作成者端末3により作成された契約書の内容を表示するユーザが操作する情報処理装置である。
【0013】
各情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成および、当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。契約書管理サーバ2、作成者端末3、確認者端末4、表示者端末5のそれぞれについて後述するコンピュータの基本ハードウェア構成およびコンピュータの基本機能構成と重複する説明は省略する。
【0014】
以下、各装置の構成およびその動作を説明する。
【0015】
<契約書管理サーバ2の概要>
契約書管理サーバ2は、契約書管理に関するサービスを提供するサービス提供者によって運用される情報処理装置である。例えば、署名、押印、他のデータ入力が行われた契約書を管理する、といったサービスを提供するコンピュータである。
【0016】
<契約書管理サーバ2の機能構成>
契約書管理サーバ2のハードウェア構成が実現する機能構成を
図2に示す。
【0017】
<契約書管理サーバ2の記憶部の構成>
契約書管理サーバ2の記憶部21は、契約書データベース211、契約書グループデータベース212、キャビネットデータベース213、ユーザデータベース214、グループマスタ215を備える。なお、各データベースおよびマスタは複数のサーバに分散して設けられていても良い。また、一部を作成者端末3、確認者端末4、表示者端末5に分散して設けても良く、システムとして記憶部の機能を発揮できるのであればどのような構成としても良い。
【0018】
図5は、契約書データベース211のデータ構造を示す図である。契約書データベース211は、契約書を一意に特定する項目である契約書IDをキーとして、契約書データ(バイナリまたはテキストデータ)、契約書の作成者のユーザID、確認者のメールアドレス、入力領域、確認フラグをレコードとして記憶する。
【0019】
ユーザIDには、契約書の作成者であるユーザを識別するためのユーザIDが記憶される。ユーザIDは、後述するユーザデータベース214においてユーザの氏名と紐づけられて管理される。
【0020】
メールアドレスには、契約書の確認者であるユーザのメールアドレスが記憶される。メールアドレスは、確認者が本開示にかかるサービスに既にユーザ登録されている場合にはユーザデータベース214に含まれる。ただし、確認者は必ずしも本開示にかかるサービスにユーザ登録されている必要はなく、その場合、当該ユーザのメールアドレスはユーザデータベース214に含まれない。
【0021】
入力領域には、契約書を確認するユーザ(確認者)が、契約書確認の際にデータを入力可能な入力領域に関するデータおよび、確認者による入力領域に対する入力データが記憶される。
【0022】
確認フラグには、確認者ごとの確認手続きの完了を識別するための情報が記憶される。確認者による契約書の確認が完了すると、確認フラグ項目にTRUEが記憶される。
【0023】
図6(A)は、契約書グループデータベース212のデータ構造を示す図である。契約書グループデータベース212は、契約書IDをキーとして、キャビネットIDをレコードとして記憶する。
【0024】
図6(B)は、キャビネットデータベース213のデータ構造を示す図である。キャビネットデータベース213は、キャビネットIDをキーとして、グループIDをレコードとして記憶する。キャビネットデータベース213は、キャビネットの名前を示すキャビネットラベルの項目を含んでも良い。
【0025】
図7は、ユーザデータベース214のデータ構造を示す図である。ユーザデータベース214は、ユーザIDをキーとして、氏名、メールアドレス、組織ID、グループIDをレコードとして記憶する。
【0026】
図8は、グループマスタ215のデータ構造を示す図である。グループマスタ215は、グループIDをキーとして、当該グループIDと対応する部署名などのラベル、グループIDの属する会社・学校などの組織IDをレコードとして記憶する。グループマスタ215は、組織内の管理権限者などが編集することができる。
【0027】
<契約書管理サーバ2の制御部の構成>
契約書管理サーバ2の制御部22は、契約書作成制御部221、契約書確認制御部222、グループ表示制御部223の各機能ユニットを備える。なお、各制御部は、複数のサーバに分散して設けられていても良い。また、各制御部は、一部を作成者端末3、確認者端末4、表示者端末5に分散して設けても良く、システムとして制御部の機能を発揮できるのであればどのような構成としても良い。
【0028】
契約書作成制御部221は、作成者端末3からの指示に応じて契約書作成処理を行う。
【0029】
契約書確認制御部222は、確認者端末4からの指示に応じて契約書確認処理を行う。
【0030】
グループ表示制御部223は、表示者端末5からの指示に応じてグループ表示処理を行う。
【0031】
<作成者端末3の概要>
作成者端末3は、契約書管理に関するサービスを利用するユーザによって運用される情報処理装置である。契約書管理サーバ2によって管理される契約書を作成する操作を行う「作成者」が操作する情報処理装置である。
作成者端末3は、スマートフォン、携帯電話、PHS、コンピュータ、PDA、ヘッドマウントディスプレイ、画像生成装置等のコンピュータである。
【0032】
<作成者端末3のハードウェア構成>
作成者端末3のハードウェア構成を
図3に示す。作成者端末3は、入力インタフェース、出力インタフェース、入力装置、出力装置を備える。
【0033】
入力インタフェースは、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置とコンピュータを接続するためのインタフェースである。入力装置は、ユーザからの入力操作を受け付ける装置である。入力装置は、例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、マイク、センサ等を含む。
【0034】
出力インタフェースは、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とコンピュータを接続するためのインタフェースである。出力装置は、ユーザに対し情報を提示する装置である。出力装置は、例えば、ディスプレイ、モニタ、プリンタ、スピーカー等である。
【0035】
<作成者端末3の機能構成>
作成者端末3のハードウェア構成により実現される機能構成を
図3に示す。作成者端末3の記憶部31は、ユーザIDを記憶する。作成者端末3の制御部32は、入力制御部321、出力制御部322、ユーザID取得部323を備える。なお、ユーザIDにはセッションIDなど、作成者端末3を利用しているユーザを識別するための情報を含む。
【0036】
入力制御部321は、入力装置に対するユーザからの操作内容を、入力インタフェースを介して受け付け、作成者端末3に対して入力する。
【0037】
出力制御部322は、作成者端末3の出力内容を、出力インタフェースを介して出力装置へ出力し、出力装置を介してユーザへ提示する。
【0038】
ユーザID取得部323は、作成者端末3の記憶部31に記憶されているユーザIDを取得する。
【0039】
作成者は作成者端末3が備える入力装置を操作することにより契約書を作成する操作を行う。
【0040】
<確認者端末4の概要>
確認者端末4は、契約書管理に関するサービスを利用するユーザによって運用される情報処理装置である。契約書管理サーバ2によって管理される契約書の確認、署名、押印などのデータ操作を行う「確認者」が操作する情報処理装置である。通常、作成者と確認者は異なる会社または学校などの組織に所属することが一般的であるが、作成者と確認者が同じ組織に所属しても良い。
確認者端末4は、スマートフォン、携帯電話、PHS、コンピュータ、PDA、ヘッドマウントディスプレイ、画像生成装置等のコンピュータである。
【0041】
<確認者端末4のハードウェア構成および機能構成>
確認者端末4のハードウェア構成および機能構成は、それぞれ
図3および
図4記載の作成者端末3のハードウェア構成および機能構成と同様であるため説明を省略する。
【0042】
確認者は確認者端末4が備える入力装置を操作することにより契約書に対する確認、署名、押印などのデータ操作を行う。
【0043】
<表示者端末5の概要>
表示者端末5は、契約書管理に関するサービスを利用するユーザによって運用される情報処理装置である。契約書管理サーバ2によって管理される契約書の表示を行う「表示者」が操作する情報処理装置である。表示者には、作成者および確認者が含まれても良い。
表示者端末5は、スマートフォン、携帯電話、PHS、コンピュータ、PDA、ヘッドマウントディスプレイ、画像生成装置等のコンピュータである。
【0044】
<表示者端末5のハードウェア構成および機能構成>
表示者端末5のハードウェア構成および機能構成は、それぞれ
図3および
図4記載の作成者端末3のハードウェア構成および機能構成と同様であるため説明を省略する。
【0045】
表示者は表示者端末5が備える入力装置を操作することにより契約書の表示を行う。
【0046】
<情報処理システム1の動作>
以下、
図9~
図11を参照しながら、実施形態における情報処理システム1の各処理について説明する。
【0047】
図9は、契約書管理サーバ2による契約書作成処理(第一実施例)の動作を示すフローチャートである。
図10は、契約書管理サーバ2による契約書確認処理(第一実施例)の動作を示すフローチャートである。
図11は、契約書管理サーバ2によるグループ表示処理(第一実施例)の動作を示すフローチャートである。
【0048】
<契約書作成処理(第一実施例)>
作成者端末3が契約書管理サーバ2にアクセスして契約書を作成する契約書作成処理(第一実施例)を、
図9のフローチャートと、
図12~
図14の表示画面を参照して説明する。なお、
図9は、契約書管理サーバ2の契約書作成制御部221による処理動作を示すフローチャートである。
図12~
図14は、契約書管理サーバ2による契約書作成処理により作成者端末3に表示される表示画面例を示す図である。
図15は、契約書管理サーバ2による契約書作成処理により確認者端末に送信される電子メールの表示画面例を示す図である。
【0049】
作成者端末3の記憶部31には、ユーザデータベース214に記憶されたユーザID「ユーザA1」が記憶され、ユーザA1と関連付けられているものとする。
【0050】
ステップS11において、契約書管理サーバ2の契約書作成制御部221は、アクセスされた作成者端末3からの指示に応じて契約書データを生成して、契約書データベース211の契約書データ項目に作成者のユーザID「ユーザA1」と紐づけて記憶する処理を行う。契約書データベース211へ記憶する処理を行うと、契約書データベース211に新たなレコードが追加され、当該レコードには契約書ID「CONTRACT1」が新たに紐づけられる。なお、契約書IDは、契約書データベース211において、契約書を一意に識別する識別子である。契約書IDは、契約書作成制御部221が自動的に紐づけても作成者端末3からの指示に応じて任意の文字列または数字として紐づけてもよい
【0051】
契約書データは、例えば、予め記憶されているテンプレートデータのうち、作成者端末3から選択されたテンプレートデータを用いたり、作成者端末3から入力された文書を含んだものとなる。なお、生成された契約書データ62は、
図12に示すように、契約書管理サーバ2から作成者端末3の表示画面に表示制御される。
【0052】
ステップS12において、契約書管理サーバ2の契約書作成制御部221は、作成者端末3からの指示に応じて、契約書データに、当該契約書データを閲覧させる「確認者(ユーザ)」と、当該「確認者」がデータを入力可能な「入力領域」と、を設定して契約書データベース211に記憶する処理を行う。具体的に、作成者端末3は、まず、契約書データを閲覧させる「確認者」としてユーザB1のメールアドレス「UB1@xxxxxx.xx」といったアドレスデータを入力する。すると、契約書管理サーバ2の契約書作成制御部221は、
図12の符号611に示すように、契約書データを閲覧させる「確認者」を設定して、当該「確認者」の情報を契約書データに関連付けて契約書データベース211のメールアドレス項目に記憶する。なお、契約書データに設定する「確認者」の情報としては、上述したアドレスデータに加えて、契約者の氏名および会社名を設定してもよい。
【0053】
なお、
図12の例では、契約書データを閲覧させる「確認者」を設定するだけであり、「入力領域」は設定していない。つまり、この例では、ユーザB1は、後述するように、契約書データの内容の確認を行うだけである。
【0054】
作成者端末3が契約書データを閲覧させる「確認者」を追加する場合(ステップS13においてYes)、確認者の追加操作として、さらに契約書データを閲覧させる「確認者」としてユーザB2のメールアドレス「UB2@xxxxxx.xx」を入力する(ステップS12)。すると、契約書管理サーバ2の契約書作成制御部221は、
図13の符号612に示すように、契約書データを閲覧させる確認者としてユーザB2のメールアドレスを契約書データベース211のメールアドレス項目に追加する。
【0055】
このとき、さらに、ユーザB2に契約書データ内で入力させる項目がある場合には、作成者端末3が「入力領域」を指定して、入力場所を指示する。例えば、
図13の例では、作成者端末3は、「入力領域」の入力領域一覧60から所望の「入力領域」(入力タグ)を選択して、契約書データ62の所望の場所にドラッグ&ドロップする。すると、契約書管理サーバ2の契約書作成制御部221は、
図13の符号621に示すように、契約書データ上に、当該契約書データを閲覧させるユーザB2が入力可能な「入力領域」(符号621)を設定して、契約書データに関連付けて契約書データベース211の入力領域項目に記憶する。
【0056】
ここで、
図13の例における「入力領域」は、印鑑を押印する欄である。これにより、後述するように、設定されたユーザB2は、設定された「入力領域」である押印欄(符号621)に、印鑑データを押印することができる。なお、「入力領域」は、例えば、
図13の入力領域一覧60に示させるように、署名データおよび他のテキストデータを入力する欄、あるチェック項目を選択するデータを入力するチェックボックス欄など、いかなるデータが入力される項目であってもよい。
【0057】
作成者端末3が契約書データを閲覧させる「確認者」をさらに追加する場合には(ステップS13でYes)、「確認者」としてユーザC1のメールアドレス「UC1@xxxxxx.xx」を入力し、当該「確認者」に入力させる「入力領域」を指定する(ステップS12)。すると、契約書管理サーバ2の契約書作成制御部221は、
図14の符号613に示すように、新たな「確認者」として設定し、ユーザC1が入力可能な「入力領域」(符号622)を設定して、契約書データに関連付けて契約書データベース211に記憶する。
【0058】
このとき、
図14の例では、符号613に示すユーザC1の「入力領域」622を設定しているが、契約書管理サーバ2から作成者端末3に表示される契約書データには、既にユーザB2に設定された「入力領域」621も表示された状態となる。但し、現在、設定対象となっていないユーザB2の「入力領域」は、グレーアウトまたは点線などの異なる表示形態で表示され、設定対象の「入力領域」とは区別可能となる。
【0059】
以上のようにして、本実施形態では、契約書データの「確認者」として、ユーザB1、ユーザB2、ユーザC1に示される3人が設定され、このうち、ユーザB1には「入力領域」が設定されず、ユーザB2、ユーザC1の2人の「確認者」にはそれぞれ「入力領域」が設定される。
【0060】
なお、本開示ではステップS12において契約書データ作成時に契約書データベース211へレコードを追加する実施形態を記載したが、S11~S14までの一部またはすべての入力項目の入力時に入力された項目を契約書データベース211へレコードを追加および記憶するものとしてもよい。
【0061】
契約書データを閲覧させる「確認者」の追加が終了となると(ステップS13でNo)、ステップS14において作成者端末3は契約書管理サーバ2に対して、確認要求を指示する操作を行う。すると、契約書管理サーバ2の契約書作成制御部221は、設定された全ての「確認者」のメールアドレスを宛先として、契約書データの閲覧要求通知を行う。本実施形態では、設定された全ての「確認者」に対して、電子メールで閲覧要求を行う。契約書管理サーバ2の契約書作成制御部221は、
図15に示すような電子メール70を送信する。
【0062】
このとき、契約書管理サーバ2の契約書作成制御部221は、閲覧要求通知を行う「確認者」毎に、契約書データにアクセスするためのアクセスアドレス51を生成して、閲覧要求通知に含めて送信する。上記アクセスアドレスは、例えば、契約書データにアクセス可能なURLといったアドレスであると共に、「確認者」を識別する識別子を含んでいる情報である。このようにすることで、契約書管理サーバ2は、後述するように通知されたアクセスアドレスに基づいてアクセスしてきた「確認者」を認識することができる。
【0063】
但し、アクセスアドレスは、上述した形式であることに限定されず、閲覧対象となる契約書データと、当該契約書データを閲覧すべくアクセスしてきた「確認者」と、を識別できる情報であれば、いかなる形式の情報であってもよい。また、アクセスアドレスは、契約書データを特定するものであればよく、必ずしも「確認者」を識別できなくてもよい。その場合には、別の方法でアクセスしてきた「確認者」を識別することとしてもよい。
【0064】
<契約書確認処理(第一実施例)>
確認者端末4A、4B、4Cが契約書管理サーバ2にアクセスして契約書を確認する契約書確認処理(第一実施例)を、
図10のフローチャートと、
図15~
図20の表示画面を参照して説明する。確認者端末4A、4B、4Cの記憶部には、それぞれユーザID「ユーザB1」、「ユーザB2」、「ユーザC1」が記憶され、それぞれのユーザIDと関連付けられている。確認者端末4A、4B、4Cは、それぞれのユーザに送信された電子メールを閲覧することができる。
【0065】
図10は、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222による処理動作を示すフローチャートである。
図15は、契約書管理サーバ2による契約書確認処理により確認者端末4A、4B、4Cに送信される電子メールの表示画面例を示す図である。
図16~
図20は、契約書管理サーバ2による契約書確認処理により確認者端末4A、4B、4Cに表示される表示画面例を示す図である。
【0066】
契約書作成処理のステップS14において電子メールが送信されると、確認者端末4A、4B、4Cは、契約書管理サーバ2の契約書作成制御部221から送信された確認要求通知としての
図15に示すような電子メール70をそれぞれ受信する。そして、各確認者端末4A、4B、4Cは、電子メールに含まれるURLといったアクセスアドレス71を選択して、契約書管理サーバ2にアクセスすることができる。
【0067】
ステップS21において、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、確認者端末4A、4B、4Cからのアクセスを受け付ける。
【0068】
ステップS22において、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、アクセスアドレス71からアクセスしてきたユーザを「確認者」として特定する。なお、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、上述したように、閲覧要求通知を行う際に生成したアクセスアドレス71に「確認者」を識別する識別子を含めているため、確認者端末4A、4B、4Cがアクセスする際に用いたアクセスアドレス71内の識別子から、アクセスしてきた「確認者」がユーザB1、ユーザB2、ユーザC1であることを特定する。
【0069】
なお、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222によるアクセスしてきた確認者端末4A、4B、4Cの特定は、他の方法で行われてもよい。例えば、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、確認者端末4A、4B、4Cからアクセスを受け付けたときにユーザIDなどの各ユーザを識別する情報を受け付けて、ユーザデータベース214に記憶されたユーザIDおよびメールアドレスなどの登録情報と照合することで、アクセスしてきた「確認者」を特定してもよい。このように、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、確認者端末4A、4B、4Cからのアクセス状況に基づいて、「確認者」がユーザB1、ユーザB2、ユーザC1であることを特定する。
【0070】
ステップS23において、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、アクセスアドレス71によって特定される契約書データを、契約書データベース211の契約書データ項目から読み出して、各確認者端末4A、4B、4Cに表示するよう送信する。このとき、契約書データ内に、アクセスしてきた「確認者」に対応した「入力領域」が設定されている場合には、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、「確認者」ごとに契約書データベース211の入力領域項目からデータを読み出して、かかる「入力領域」にそれぞれの「確認者」がデータを入力可能なよう契約書データを表示する。
【0071】
<確認者端末4Aにおける処理>
ここで、
図16から
図20を参照して、各「確認者」による契約書データの確認処理の様子を説明する。まず、
図16は、確認者端末4Aからアクセスを受けた際に(ステップS21)、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222から確認者端末4Aに表示出力された確認画面を示している(ステップS22、23)。
【0072】
この画面に示すように、確認画面には契約書データが表示されるが、ユーザB1には「入力領域」が設定されていないため、データが入力可能な「入力領域」は表示されない。但し、ユーザB2、ユーザC1には「入力領域」621、622が設定されているため、かかる「入力領域」621、622は、ユーザB1の確認者端末4Aからはデータの入力ができないように表示される(例えば、グレーアウト表示または点線表示)。また、確認画面には、この契約書データを確認する「確認者」であるユーザB1、ユーザB2、ユーザC1の情報が上部に表示される。これにより、ユーザB1は、他の確認者および当該他の確認者による入力領域を認識することができる。
【0073】
ステップS24において、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、確認者端末4Aから確認完了の入力を受ける。
【0074】
ステップS25において、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、その旨の情報を契約書データに関連付けて、契約書データベース211の確認フラグ項目にTRUEを設定する。ユーザB1には、「入力領域」が設定されていないため、契約書データを確認したことだけが記憶される。
【0075】
<確認者端末4Bにおける処理>
次に、
図17から
図18は、符号612に示すように設定された「確認者」の確認者端末4Bからアクセスを受けた際に(ステップS21)、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222から確認者端末4Bに表示出力された確認画面を示している(ステップS22、S23)。
【0076】
図17の画面に示すように、確認画面には契約書データが表示されるが、上述したようにユーザB2には「入力領域」621が設定されているため、当該「入力領域」621がデータ入力可能なよう表示される(ステップS23)。一方で、符号622の「入力領域」はユーザC1に設定された「入力領域」622であるため、かかる「入力領域」622は、ユーザB2の確認者端末4Bからはデータの入力ができないように表示される。また、確認画面には、この契約書データを確認するユーザB1、ユーザB2、ユーザC1の情報が上部に表示される。
【0077】
そして、ユーザB2は、
図17に示す画面上で契約書データの内容を確認するとともに、自身に対してデータ入力が可能な「入力領域」621に対してデータ入力操作を行う。この例では、「入力領域」621は印鑑を押印する欄であるため、ユーザB2が確認者端末4Bから所定の操作を行うことで、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222によって、
図18に示すように「入力領域」621に印鑑データが押印されることとなる(ステップS24)。ここで、印鑑データは、予めユーザB2に対応して登録されたものであったり、押印時にユーザB2によって作成および認証されたものである。なお、「確認者」によって入力されるデータは、「入力領域」に応じてテキストデータであったり、署名データであってもよい。
【0078】
そして、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、確認者端末4Bから確認完了の入力を受けると、その旨の情報を契約書データに関連付けて、契約書データベース211の確認フラグ項目にTRUEを設定する(ステップS25)。ユーザB2の場合には、「入力領域」に入力された押印データが、契約書データに関連付けられて契約書データベース211の入力領域項目に記憶される。
【0079】
<確認者端末4Cにおける処理>
次に、
図19から
図20は、ユーザC1の確認者端末4Cからアクセスを受けた際に(ステップS21)、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222から確認者端末4Cに表示出力された確認画面を示している(ステップS22、23)。
【0080】
図19の画面に示すように、確認画面には契約書データが表示されるが、上述したようにユーザC1には「入力領域」622が設定されているため、当該「入力領域」622がデータ入力可能なよう表示される(ステップS23)。一方で、符号621の「入力領域」はユーザB2に設定された「入力領域」621であるため、かかる「入力領域」621にはユーザC1の確認者端末4Cからはデータの入力ができないように表示される。さらに、ユーザB2に設定された「入力領域」621にすでにデータが入力されて記憶されている場合には、入力済みのデータ(ここではユーザB2の押印データ)も表示される。また、確認画面には、この契約書データを確認するユーザB1、ユーザB2、ユーザC1の情報が上部に表示される。
【0081】
そして、ユーザC1は、
図19に示す画面上で契約書データの内容を確認するとともに、自身に対してデータ入力が可能な「入力領域」622に対してデータ入力操作を行う。この例では、「入力領域」622は印鑑を押印する欄であるため、ユーザC1が確認者端末4Cから所定の操作を行うことで、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222によって、
図20に示すように「入力領域」622に印鑑データが押印されることとなる(ステップS24)。ここで、印鑑データは、予めユーザC1に対応して登録されたものであったり、押印時にユーザC1によって作成および認証されたものである。なお、「確認者」によって入力されるデータは、「入力領域」に応じてテキストデータであったり、署名データであってもよい。
【0082】
そして、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、確認者端末4Cから確認完了の入力を受けると、その旨の情報を契約書データに関連付けて、契約書データベース211の確認フラグ項目にTRUEを設定する(ステップS25)。ユーザC1の場合には、「入力領域」に入力された押印データが、契約書データに関連付けられて契約書データベース211の入力領域項目に記憶される。
【0083】
その後、契約書管理サーバ2は、契約書データに設定された全ての「確認者」から「入力領域」に対する入力及び確認完了の操作を受けると、確認処理完了の契約書データとして設定して、契約書データベース211に記憶する。
【0084】
<グループ表示処理(第一実施例)>
表示者端末5が契約書管理サーバ2へアクセスして契約書を表示するグループ表示処理(第一実施例)を
図11のフローチャートと、
図21の一覧表示画面を参照して説明する。表示者端末5に関連付けられているユーザ(表示者)をユーザZとする。表示者であるユーザZには、「作成者」であるユーザA1、「確認者」であるユーザB1、ユーザB2、ユーザC1を含め任意のユーザが含まれる。なお、
図11は、グループ表示制御部223による処理動作を示すフローチャートである。
図21は、契約書管理サーバ2によるグループ表示処理により表示者端末5に表示される一覧表示画面の表示例を示す図である。
【0085】
グループ表示処理において、ユーザZは、自身が所属するグループ(チーム、部署)に基づき、自身が「作成者」または「確認者」ではない契約書データを契約書管理サーバ2へ照会し表示させることができる。これにより、他のユーザの契約書データを表示することができる。
【0086】
まず、表示者端末5は、グループ表示処理のための所定のアクセスアドレスを選択して、契約書管理サーバ2へアクセスする。
【0087】
ステップS31において、契約書管理サーバ2のグループ表示制御部223は、表示者端末5からのアクセスを受け付ける。表示者端末5は、自身を識別するためのユーザIDを契約書管理サーバ2へ送信する。
【0088】
ステップS32において、契約書管理サーバ2のグループ表示制御部223は、表示者端末5からユーザIDを受け取る。契約書管理サーバ2のグループ表示制御部223は、ユーザZのユーザIDを検索キーとしてユーザデータベース214を検索することでユーザZに設定されたグループID項目(以下、グループZ)を取得する。
【0089】
ステップS33において、契約書管理サーバ2のグループ表示制御部223は、ユーザZのグループIDであるグループZを検索キーとしてキャビネットデータベース213を検索することで、グループIDにグループZが紐づけられたキャビネットIDを取得する。次に、キャビネットIDを検索キーとして契約書グループデータベース212を検索することで、グループIDにグループZが紐づけられた契約書データを取得し、表示対象リストに追加する。
【0090】
ステップS34において、契約書管理サーバ2のグループ表示制御部223は、契約書グループデータベース212においてキャビネットIDが紐づけられていない契約書データを検索する。キャビネットIDが紐づけられていない契約書データについて「作成者」のユーザIDおよび「確認者」のメールアドレスを検索キーとして、ユーザデータベース214を検索することにより、「作成者」および「確認者」のグループID(以下、拡張グループID)を特定する。
キャビネットIDが紐づけられていない契約書データのうち拡張グループIDにグループZが含まれる契約書データを表示対象リストに追加する。
なお、契約書グループデータベース212に当該契約書データが含まれていない場合の他に、当該契約書データに対してNULL値、0などのキャビネットIDが紐づけられていないことを示す情報が記憶されている場合の他、システムにより全ての契約書データに対して一律の値が記憶されている場合、組織IDごとに一律の値が記憶されている場合もキャビネットIDに紐づけられていない契約書データに含まれる。
【0091】
ステップS35において、契約書管理サーバ2のグループ表示制御部223は、キャビネットIDが紐づけられており表示対象リストに含まれていない契約書データを検索する。検索された契約書データのうち、契約書データに紐づけられた「作成者」のユーザIDにユーザZのユーザIDが含まれる場合には、当該契約書データを表示対象リストに追加する。
【0092】
ステップS36において、契約書管理サーバ2のグループ表示制御部223は、キャビネットIDが紐づけられており表示対象リストに含まれていない契約書データを検索する。検索された契約書データのうち、契約書データに紐づけられた「確認者」のメールアドレスにユーザZのメールアドレスが含まれる場合には、当該契約書データを表示対象リストに追加する。
【0093】
その後、契約書管理サーバ2のグループ表示制御部223は、得られた表示対象リストを表示者端末5に表示させる。
【0094】
<グループ表示処理表示画面(第一実施例)>
図21は、グループ表示処理(第一実施例)において、ユーザZがユーザB1~ユーザB5である場合のグループ表示処理により得られた表示対象リストに含まれる契約書データの一覧表示画面を示す図である。以下のケースを代表事例として処理内容を説明する。
【0095】
ユーザZがユーザB1である場合において、契約書ID「CONTRACT1」にかかる契約書の表示処理を説明する。ユーザB1には、グループIDとして「BCOMPANY-A」、「BCOMPANY-B」が紐づけられている(
図7)。契約書ID「CONTRACT1」には、キャビネットIDとして「ACABINET-A」が紐づけられている。また、キャビネットID「ACABINET-A」には、グループIDとして「ACOMPANY-A」および「BCOMPANY-A」が紐づけられている(
図6)。
ステップS33において、契約書ID「CONTRACT1」のグループIDには、ユーザB1のグループIDである「BCOMPANY-A」が含まれているため、表示対象リストに追加されユーザB1へ表示される。
【0096】
ユーザZがユーザB1である場合において、契約書ID「CONTRACT2」にかかる契約書の表示処理を説明する。契約書ID「CONTRACT2」には、キャビネットIDが紐づけられていないため、ステップS33においては表示対象リストに追加されない。
ステップS34において、確認者のユーザB2、ユーザB4に基づき、それぞれ、拡張グループIDの「BCOMPANY-C」、「BCOMPANY-A」が特定される。ユーザB1のグループIDが拡張グループIDに含まれているため、表示対象リストに追加されユーザB1へ表示される。
【0097】
ユーザZがユーザB2である場合において、契約書ID「CONTRACT1」にかかる契約書の表示処理を説明する。ステップS33において、契約書ID「CONTRACT1」にキャビネットIDを介して紐づけられたグループIDには、ユーザB2のグループIDが含まれないため、ステップS33においては表示対象リストに追加されない。契約書ID「CONTRACT1」には、キャビネットIDが紐づけられているため、ステップS34においては表示対象リストに追加されない。ステップS35において、契約書ID「CONTRACT1」の「確認者」のメールアドレスにはユーザB2のメールアドレスが含まれるため、表示対象リストに追加されユーザB2へ表示される。
【0098】
ユーザZがユーザB2である場合において、契約書ID「CONTRACT5」にかかる契約書の表示処理を説明する。契約書ID「CONTRACT5」には、キャビネットIDを介してグループID「BCOMPANY-B」が紐づけられている(
図6)。
ステップS33において、契約書ID「CONTRACT5」にキャビネットIDを介して紐づけられたグループIDには、ユーザB2のグループIDが含まれないため、ステップS33においては表示対象リストに追加されない。契約書ID「CONTRACT5」には、キャビネットIDが紐づけられているため、ステップS34においては表示対象リストに追加されない。ステップS35において、契約書ID「CONTRACT5」の「作成者」のユーザIDにはユーザB2が含まれるため、表示対象リストに追加されユーザB2へ表示される。
【0099】
<契約書作成処理(第二実施例)>
図22は、契約書作成処理(第二実施例)の契約書管理サーバ2の契約書作成制御部221による処理動作を示すフローチャートである。ステップS11~S14までの処理は契約書作成処理(第一実施例)と同様であるため説明を省略する。
【0100】
ステップS15において、契約書管理サーバ2の契約書作成制御部221は、ユーザA1、ユーザB1、ユーザB2、ユーザC1のメールアドレスを検索キーとして、ユーザA1、ユーザB1、ユーザB2、ユーザC1に紐づけられたグループIDを特定する。
【0101】
ステップS16において、契約書管理サーバ2の契約書作成制御部221は、ステップS15において特定したグループIDから、キャビネットデータベース213を参照しキャビネットIDを特定する。契約書管理サーバ2の契約書作成制御部221は、契約書データの契約書IDおよびキャビネットIDを、契約書グループデータベース212の契約書ID項目およびキャビネットID項目へ記憶する。
【0102】
なお、ステップS15、ステップS16において、作成者または確認者の一方のキャビネットIDのみを記憶する構成としても良い。
【0103】
このような制御を行うことにより、ユーザZが「作成者」または「確認者」であっても、契約書データにキャビネットを介して紐づけられたグループに含まれない場合には、契約書の表示を制限することができる。例えば、ユーザZが当初「確認者」として契約書データに関連する業務に携わっていたものの、後日異動により異なるグループに所属することになったような場合が相当する。
【0104】
<契約書確認処理(第二実施例)>
図23は、契約書確認処理(第二実施例)の契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222による処理動作を示すフローチャートである。ステップS21~S25までの処理は第一実施例にかかる契約書確認処理と同様であるため説明を省略する。
【0105】
<確認者端末4Aにおける処理>
確認者端末4Aからアクセスを受けた際に、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、アクセスアドレス71によって特定される契約書データの契約書IDおよびユーザB1のメールアドレスを、契約書データベース211から読み出す(ステップS26)。
【0106】
ステップS27において、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、ユーザB1のメールアドレスを検索キーとしてユーザB1に紐づけられたグループIDを読み出す。
【0107】
ステップS28において、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、ステップS27において読み出したグループIDから、キャビネットデータベース213を参照しキャビネットIDを特定する。契約書データの契約書IDおよびキャビネットIDを、契約書グループデータベース212の契約書ID項目およびキャビネットID項目へ記憶する。
【0108】
これにより、契約書データのキャビネットIDとしてユーザB1のグループIDに紐づけられたキャビネットIDを設定することができ、操作者による契約書データのキャビネットIDとの紐づけ作業を省略することができ紐づけ忘れなどのミスを防止することができる。また、確認者であるユーザB1の操作に基づき、契約書データにキャビネットIDを介してユーザB1のグループIDが紐づけられることから、ユーザB1の所属する組織にとってはセキュリティ上望ましい処理といえる。
【0109】
<確認者端末4Bにおける処理>
確認者端末4Bからアクセスを受けた際に、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、アクセスアドレス71によって特定される契約書データの契約書IDおよびユーザB2のメールアドレスを、契約書データベース211から読み出す(ステップS26)。
【0110】
ステップS27において、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、ユーザB2のメールアドレスを検索キーとしてユーザB2に紐づけられたグループIDを読み出す。
【0111】
ステップS28において、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、ステップS27において読み出したグループIDから、キャビネットデータベース213を参照しキャビネットIDを特定する。契約書データの契約書IDおよびキャビネットIDを、契約書グループデータベース212の契約書ID項目およびキャビネットID項目へ記憶する。
【0112】
<確認者端末4Cにおける処理>
確認者端末4Cからアクセスを受けた際に、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、アクセスアドレス71によって特定される契約書データの契約書IDおよびユーザC1のメールアドレスを、契約書データベース211から読み出す(ステップS26)。
【0113】
ステップS27において、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、ユーザC1のメールアドレスを検索キーとしてユーザB2に紐づけられたグループIDを読み出す。
【0114】
ステップS28において、契約書管理サーバ2の契約書確認制御部222は、ステップS27において読み出したグループIDから、キャビネットデータベース213を参照しキャビネットIDを特定する。契約書データの契約書IDおよびキャビネットIDを、契約書グループデータベース212の契約書ID項目およびキャビネットID項目へ記憶する。
なお、契約書確認処理(第二実施例)において、ステップS26~S28の処理を、ステップS23、ステップS24、ステップS25のいずれかのステップの処理後に実行するように構成しても良い。
例えば、ステップS25におけるユーザによる契約書の確認処理完了後に行われるものとしても良い。また、複数の「確認者」がいる場合は、最後の「確認者」による確認完了後に、複数の「確認者」のうちの一部または全員に対してステップS26~S28の処理を実行するように構成しても良い。
これにより、「確認者」により確認が完了した契約書データに対し自動的にキャビネットIDを付与し記憶することができる。確認者の同僚や上司などが、「確認者」により確認が完了した契約書データを参照できるようになる。
【0115】
<グループ表示処理(第二実施例)>
第二実施例にかかる契約書を表示する処理を
図24のフローチャートと、
図25の一覧表示画面を参照して説明する。なお、なお、
図24は、グループ表示制御部223による処理動作を示すフローチャートである。
図25は、契約書管理サーバ2によるグループ表示処理により表示者端末5に表示される一覧表示画面の表示例を示す図である。
【0116】
なお、ステップS31~S34までの処理は第一実施例にかかる契約書確認処理と同様であるため説明を省略する。
【0117】
第二実施例におけるグループ表示処理においては、ステップS35およびS36が含まれない。つまり、ユーザZが契約書データの作成者または確認者であったとしても、契約書データにキャビネットIDを介してグループIDが紐づけられている場合に、当該グループIDにユーザZのグループIDが含まれない場合には表示しない。
【0118】
このような制御を行うことにより、ユーザZが「作成者」または「確認者」であっても、契約書データに設定されたグループに含まれない場合には、契約書の表示を制限することができる。例えば、ユーザZが当初「確認者」として契約書データに関連する業務に携わっていたものの、後日異動により異なるグループに所属することになったような場合が相当する。
【0119】
<グループ表示処理表示画面(第二実施例)>
図25は、グループ表示処理(第二実施例)において、ユーザZがユーザB1~ユーザB5である場合のグループ表示処理により得られた表示対象リストに含まれる契約書データの一覧表示画面を示す図である。以下のケースを代表事例として処理内容を説明する。
【0120】
ユーザZがユーザB2である場合において、契約書ID「CONTRACT1」にかかる契約書の表示処理を説明する。ステップS33において、契約書ID「CONTRACT1」のキャビネットIDを介して紐づけられたグループIDには、ユーザB2のグループIDが含まれないため、ステップS33においては表示対象リストに追加されない。契約書ID「CONTRACT1」には、キャビネットIDが紐づけられているため、ステップS34においては表示対象リストに追加されない。契約書ID「CONTRACT1」は表示対象リストに含まれないため、ユーザB2に表示されない。
【0121】
ユーザZがユーザB2である場合において、契約書ID「CONTRACT5」にかかる契約書の表示処理を説明する。契約書ID「CONTRACT5」には、キャビネットIDを介してグループID「BCOMPANY-B」が紐づけられている(
図6)。
ステップS33において、契約書ID「CONTRACT5」のキャビネットIDを介して紐づけられたグループIDには、ユーザB2のグループIDが含まれないため、ステップS33においては表示対象リストに追加されない。契約書ID「CONTRACT5」には、キャビネットIDが紐づけられているため、ステップS34においては表示対象リストに追加されない。契約書ID「CONTRACT5」は表示対象リストに含まれないため、ユーザB2に表示されない。
【0122】
<コンピュータの基本ハードウェア構成>
図26は、コンピュータの基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータは、プロセッサ、主記憶装置、補助記憶装置、通信インタフェースを備える。これらは通信バスにより相互に電気的に接続される。
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータに分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータを仮想的に実現することができる。このように、コンピュータは、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータだけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0123】
プロセッサとは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサは、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0124】
主記憶装置とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0125】
補助記憶装置とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD―ROM、DVD―ROM、半導体メモリ等である。
【0126】
通信インタフェース(Interface)とは、有線又は無線の通信規格を用いて、外部の装置と通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
【0127】
<コンピュータの基本機能構成>
コンピュータの基本ハードウェア構成(
図26)により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、通信部、記憶部を備える。
【0128】
プロセッサは、プログラムを補助記憶装置から読み出して主記憶装置に展開し、当該プログラムに従って処理を実行する。これにより、制御部を各種機能ユニットとして機能させることができる。また、プログラムがネットワークを介してコンピュータに配信される場合、配信を受けたコンピュータが当該プログラムを主記憶装置に展開し、当該プログラムに従って処理を実行してもよい。
なお、コンピュータが備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータに分散して設けても実現することができる。コンピュータは、単一のコンピュータだけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0129】
通信部は、通信インタフェースにより実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータと通信を行うための機能を実現する。他のコンピュータから送信される情報を受信したり、他のコンピュータへ情報を送信することができる。ネットワークは、インターネット、LAN、図示しない無線基地局によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z―Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が使用されてもよい。通信部は、有線で接続する場合、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により接続してもよい。
【0130】
記憶部は、主記憶装置、補助記憶装置により実現される。記憶部は、データ、プログラム、各種データベースを記憶する機能を実現する。プロセッサは、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置または補助記憶装置に確保することができる。
【0131】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0132】
(付記1)
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに異なる組織に属するユーザ間の電子的な契約手続きを実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、第1ユーザ識別情報および第2メールアドレスに紐づけられた契約書データを保存する保存ステップ(S11)と、契約書データに紐づけられた第3グループ識別情報を取得するステップ(S33)と、第4グループ識別情報に紐づけられた第4ユーザ識別情報を有する第4ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う照会ステップ(S31)と、を実行させ、照会ステップは、第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致する場合は、契約書データを表示させ(S33)、第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致しない場合は、契約書データを第4ユーザへ表示させない(S33)、プログラム。
これにより、ユーザが契約書を参照および編集できる範囲をグループ単位で効率的に制限することができる。
【0133】
(付記2)
第2メールアドレスに紐づけられた第2ユーザ識別情報を取得するステップ(S26)と、第2ユーザ識別情報に紐づけられた第2グループ識別情報を取得するステップ(S27)と、契約書データに対して第2グループ識別情報を紐づける付与ステップ(S28)と、を実行させる付記1記載のプログラム。
これにより、異なる組織に所属する「作成者」が作成した契約書に対してもグループを自動的に設定することができ、契約書管理のヌケ、モレを抑制することができる。
【0134】
(付記3)
第2メールアドレスへ、契約書データへアクセスするためのアドレスが記載されたメールを送付するステップ(S14)と、を実行させ、付与ステップは、アドレスへアクセスした後に、契約書データに対し第2グループ識別情報を紐づける(S28)、付記1または2記載のプログラム。
これにより、「確認者」が契約書を確認する際のより新しいタイミングで、「確認者」に設定されたグループを当該契約書のグループに自動的に設定することができる。「作成者」が契約書を作成した後に、「確認者」が部署異動などによりグループが変更された場合にも契約書に対して最新の「確認者」のグループを設定することができる。
【0135】
(付記4)
第1ユーザ識別情報に紐づけられた第1グループ識別情報を取得するステップ(S15)と、を実行させ、保存ステップは、契約書データに対し第1グループ識別情報を紐づける(S16)、付記1~3のいずれか記載のプログラム。
これにより、「作成者」は契約書を作成したタイミングで、「確認者」は契約書を確認するタイミングで、「作成者」および「確認者」のそれぞれに設定されたグループを当該契約書のグループに自動的に設定することができる。契約書管理のヌケ、モレを抑制することができる。
【0136】
(付記5)
第1ユーザ識別情報に紐づけられた第1グループ識別情報を取得するステップと、を実行させ、照会ステップは、第3グループ識別情報が存在せず、第1グループ識別情報が存在する場合は、第4グループ識別情報が第1グループ識別情報と一致する場合は、契約書データを第4ユーザへ表示させ(S34)、第4グループ識別情報が第1グループ識別情報と一致しない場合は、契約書データを第4ユーザへ表示させない(S34)、付記1~4のいずれか記載のプログラム。
これにより、ユーザが契約書を参照および編集できる範囲を当該契約書の「作成者」と同一グループに所属するユーザに制限することができる。
【0137】
(付記6)
第2メールアドレスに紐づけられた第2ユーザ識別情報を取得するステップと、第2ユーザ識別情報に紐づけられた第2グループ識別情報を取得するステップと、を実行させ、照会ステップは、第3グループ識別情報が存在せず、第2グループ識別情報が存在する場合は、第4グループ識別情報が第2グループ識別情報と一致する場合は、契約書データを第4ユーザへ表示させ(S34)、第4グループ識別情報が第2グループ識別情報と一致しない場合は、契約書データを第4ユーザへ表示させない(S34)、付記1~5のいずれか記載のプログラム。
これにより、ユーザが契約書を参照および編集できる範囲を当該契約書の「確認者」と同一グループに所属するユーザに制限することができる。
【0138】
(付記7)
第1ユーザ識別情報を有する第1ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う第1照会ステップと、を実行させ、第1照会ステップは、第3グループ識別情報が存在する場合は、第1グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致しない場合であっても、契約書データを第1ユーザへ表示させる(S35)、付記1~6のいずれか記載のプログラム。
これにより、契約書に設定されたグループに、「作成者」自身のグループが含まれていない場合も「作成者」は契約書を照会することができる。
【0139】
(付記8)
第1ユーザ識別情報を有する第1ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う第1照会ステップと、を実行させ、第1照会ステップは、第3グループ識別情報が存在する場合は、第1グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致する場合であっても、契約書データを第1ユーザへ表示させない、付記1~6のいずれか記載のプログラム。
これにより、契約書に設定されたグループに、「作成者」自身のグループが含まれていない場合に「作成者」であっても契約書を照会することができず、セキュリティを向上させることができる。
【0140】
(付記9)
第2ユーザ識別情報を有する第2ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う第2照会ステップと、を実行させ、第2照会ステップは、第3グループ識別情報が存在する場合は、第2グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致しない場合であっても、契約書データを第2ユーザへ表示させる(S36)、付記1~8のいずれか記載のプログラム。
これにより、契約書に設定されたグループに、「確認者」自身のグループが含まれていない場合も「確認者」は契約書を照会することができる。
【0141】
(付記10)
第2ユーザ識別情報を有する第2ユーザからの照会リクエストに対して処理を行う第2照会ステップと、を実行させ、第2照会ステップは、第3グループ識別情報が存在する場合は、第4グループ識別情報が第3グループ識別情報と一致する場合であっても、契約書データを第2ユーザへ表示させない、付記1~8のいずれか記載のプログラム。
これにより、契約書に設定されたグループに、「確認者」自身のグループが含まれていない場合に「確認者」であっても契約書を照会することができず、セキュリティを向上させることができる。
【符号の説明】
【0142】
1 情報処理システム、2 契約書管理サーバ、21 記憶部、22 制御部、3 作成者端末、31 記憶部、32 制御部、4A,4B,4C 確認者端末、5 表示者端末