(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】アクティブフロントディフレクター-平面パネル
(51)【国際特許分類】
B62D 37/02 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
B62D37/02 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021121251
(22)【出願日】2021-07-26
(62)【分割の表示】P 2020553608の分割
【原出願日】2019-04-03
【審査請求日】2021-08-06
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518410146
【氏名又は名称】マグナ エクステリアーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】マシューズ マーティン アール
(72)【発明者】
【氏名】リンドバーグ ブレインドン アール
(72)【発明者】
【氏名】ワン ヤオ
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-086452(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102008024893(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0355403(US,A1)
【文献】特開平06-227441(JP,A)
【文献】特開2017-226244(JP,A)
【文献】実開昭58-100874(JP,U)
【文献】特開2017-052501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のためのアクティブフロントディフレクターアセンブリであって、
車両の車体底面に取り付けるためのクロスメンバであって、アクチュエータリンクアセンブリの固定リンクであるクロスメンバを有し、
前記アクチュエータリンクアセンブリは、アクチュエータと、駆動リンクと、浮動リンクと、ブレードとを有し、
前記アクチュエータは前記クロスメンバに連結され、該アクチュエータは駆動連結部を有し、
前記駆動リンクは駆動連結端と従動連結端とを有し、該駆動連結端は前記アクチュエータの前記駆動連結部と連結し、
前記浮動リンクは前記駆動リンクの従動端に回転可能に連結され、
前記ブレードは前記浮動リンクと前記クロスメンバの間に連結された従動リンクであり、該ブレードは、該クロスメンバに1又は2以上のピボットを介して連結され、該ブレードは、前記アクチュエータが作動されたときに該ブレードが該クロスメンバ上の該1又は2以上のピボットを中心にピボット回転するように該浮動リンクにピボット可能に連結され、該ブレードは、格納位置と展開位置の間で該1又は2以上のピボットを中心にピボット回転し、該格納位置は、該ブレードの平面が該クロスメンバの長手平面に対して平行であるときであり、該展開位置は、該ブレードの該平面が該クロスメンバの該長手平面に対して垂直であるときであ
り、
前記ブレードへの衝撃が予め決められたレベルを超えると、前記ブレードは内部クラッチによって解放され、前記ブレードが衝撃とともに移動して損傷を防止する、
ことを特徴とするアクティブフロントディフレクターアセンブリ。
【請求項2】
前記ブレードが、平坦なブレードである、
請求項1に記載のアクティブフロントディフレクターアセンブリ。
【請求項3】
前記ブレードを格納するため
の予め決められた条件は、時速30マイル未満の範囲にある車両速度である、
請求項1に記載のアクティブフロントディフレクターアセンブリ。
【請求項4】
前記展開位置にある時に、前記ブレードは、固定ベースリンクと駆動リンクとの間の角度にあり、該角度は、該固定ベースリンクに対する該ブレードの位置であり、
前記展開位置での前記角度は、75から85度の範囲で選択された1つの角度である、
請求項
3に記載のアクティブフロントディフレクターアセンブリ。
【請求項5】
車両のためのアクティブフロントディフレクターアセンブリであって、
車両の車体底面に取り付けるクロスメンバであって、アクチュエータリンクアセンブリの固定リンクであるクロスメンバを備え、
前記アクチュエータリンクアセンブリは、アクチュエータと、駆動リンクと、浮動リンクと、ブレードとを有し、
前記アクチュエータは前記クロスメンバに連結され、該アクチュエータはアクチュエータハウジングを通る貫通駆動連結部を有し、該貫通駆動連結部は該アクチュエータハウジングの両側に2つの連結開口部を有し、該2つの連結開口部の各々が雌形状面を有し、
前記駆動リンクは前記貫通駆動連結部に連結され、該駆動リンクは、ブリッジで互いに連結された2つの部品を有し、該ブリッジは、該駆動リンクの2つの部品の両方の互いの同期移動のためのものであり、該駆動リンクの2つの部品の各々が駆動連結端と従動連結端を有し、該駆動連結端は該貫通駆動連結部の前記2つの連結開口部のうちのそれぞれの1つに連結し、各駆動リンク連結端が前記2つの連結開口部のそれぞれの1つの前記雌形状面との嵌合連結を提供するための雄形状面を有し、
前記浮動リンクは、前記駆動リンクの2つの部品の各従動端に回転可能に連結され、
前記ブレードは、前記浮動リンクと前記クロスメンバの間に連結された従動リンクであり、前記ブレードは1又は2以上のピボットを用いて前記クロスメンバに連結され、前記ブレードは前記アクチュエータが作動されたとき前記ブレードが前記クロスメンバ上の1又は2以上のピボットを中心に格納位置と展開位置との間でピボット回転するように該浮動リンクにピボット可能に連結されている、
ことを特徴とするアクティブフロントディフレクターアセンブリ。
【請求項6】
前記ブレードは、格納位置と展開位置の間で前記1又は2以上のピボットを中心にピボット回転し、
前記格納位置は、前記ブレードの平面が前記クロスメンバの長手平面に対して平行であるときであり、前記展開位置は、前記ブレードの平面が前記クロスメンバの長手平面に対して直交するときである、
請求項
5に記載のアクティブフロントディフレクターアセンブリ。
【請求項7】
前記ブレードは、前記展開位置と前記格納位置の間のいずれの位置にも位置決め可能である、
請求項
6に記載のアクティブフロントディフレクターアセンブリ。
【請求項8】
前記ブレードを移動する1つのアクチュエータリンクアセンブリがある、
請求項
5に記載のアクティブフロントディフレクターアセンブリ。
【請求項9】
前記ブレードは、平坦ブレードである、
請求項
5に記載のアクティブフロントディフレクターアセンブリ。
【請求項10】
前記アクチュエータは、予め決められた条件に基づいて該アクチュエータの作動を指令するために車両通信ネットワークと相関する、
請求項
5に記載のアクティブフロントディフレクターアセンブリ。
【請求項11】
前記予め決められた条件は、車両速度、風向、ヨーレート、及びこれら組合せから構成された群から選択される、
請求項
10に記載のアクティブフロントディフレクターアセンブリ。
【請求項12】
前記ブレードを展開するための前記予め決められた条件は、少なくとも時速30マイルの範囲にある車両速度である、
請求項
11に記載のアクティブフロントディフレクターアセンブリ。
【請求項13】
前記ブレードを格納するため
の予め決められた条件は、時速30マイル未満の範囲にある車両速度である、
請求項
5に記載のアクティブフロントディフレクターアセンブリ。
【請求項14】
前記展開位置にあるとき、前記ブレードは、固定ベースリンク及び駆動リンク間のある角度にあり、該角度は、前記固定ベースリンクに対する前記ブレードの位置であり、
前記展開位置での角度は、75から85度の範囲で選択された1つの角度である、
請求項
5に記載のアクティブフロントディフレクターアセンブリ。
【請求項15】
車両のためのアクティブフロントディフレクターアセンブリであって、
車両の車体底面に取り付けられアクチュエータリンクアセンブリの固定リンクであるクロスメンバと、
前記車両の車体底面に連結される前記クロスメンバの複数のスリップジョイント連結部と、を有し、
前記アクチュエータリンクアセンブリは、アクチュエータと、駆動リンクと、浮動リンクと、ブレードとを有し、
前記アクチュエータは前記クロスメンバに連結され、前記アクチュエータは駆動連結部を有し、
前記駆動リンクは、前記駆動連結部に連結され、
前記駆動リンクは、ブリッジで互いに連結された2つの部品であり、前記ブリッジは前記駆動リンクの2つの部品の両方を一緒に移動するためのものであり、前記駆動リンクの2つの部品の各々が駆動連結端と従動連結端を有し、前記駆動連結端が前記アクチュエータの駆動連結部に連結され、
前記浮動リンクは、前記駆動リンクの2つの部品の各従動端に回転可能に連結され、
前記ブレードは、前記浮動リンクと前記クロスメンバの間に連結された従動リンクでもあり、前記ブレードは、1又は2以上のピボットを介して前記クロスメンバに連結され、前記ブレードは、前記アクチュエータが作動されたとき前記ブレードが前記クロスメンバ上の1又は2以上のピボットを中心にピボット回転するように、前記浮動リンクにピボット的に連結される、
ことを特徴とするアクティブフロントディフレクターアセンブリ。
【請求項16】
前記ブレードは、格納位置と展開位置の間で前記1又は2以上のピボットを中心にピボット回転し、
前記格納位置は、前記ブレードの平面が前記クロスメンバの長手平面に対して平行であるときであり、前記展開位置は、前記ブレードの平面が前記クロスメンバの長手平面と直交するときである、
請求項
15に記載のアクティブフロントディフレクターアセンブリ。
【請求項17】
前記ブレードは、平坦ブレードである、
請求項
15に記載のアクティブフロントディフレクターアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、2018年4月3日出願の米国仮特許出願第62/651,859号の利益を主張するものである。上記出願の開示は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、車両抗力を低減して燃費を改善することによって車両全体の空力特性を改善するための平面パネルアクティブフロントディフレクターに関する。
【背景技術】
【0003】
車両では特に車両の下及び周りの気流に起因して空力効率のかなりの損失がある。可撓性材料を使用する固定パネル又は固定空気ディフレクター/ダムのような従来構成は公知であり、かつ望ましい要件を満たしていない。これらの固定空気ディフレクター/ダムは、それらを仕様又は他の車両機能を損なうことなく最適高さにすることができないので、依然として妥協の産物である。更に、これらの空気ダムは、可撓性の時であっても、オフロード走行中又は追加の地上高さが必要である時に依然として損傷する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、展開された時の改善された空力特性のための空力面を提供するが、車両をその初期設計意図に戻すために予め決められた条件下で邪魔にならないように格納可能であるアクティブフロントディフレクターが要望されている。更に、滑らかな車体底面気流を提供し、タイヤの前面でのラムエアを低減し、車両下側に真空を生成し、空気ダム制約の影響を最小限にし、かつ他の空力システムとの効果を最適化することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
展開位置、格納位置、又はそれらの間のいずれかの位置の間を移動することができる車両のためのアクティブフロントディフレクターアセンブリ。アクティブフロントディフレクターアセンブリは、車両の車体底面に取り付けるためにクロスメンバを有する。このフレーム部材は、車両の車体底面に連結するための複数のスリップジョイント連結部も含む。クロスメンバは、アクチュエータと、駆動リンクと、浮動リンクと、ブレードとを有するアクチュエータリンクアセンブリの固定リンクである。
【0006】
アクチュエータリンクアセンブリの一部であるアクチュエータがクロスメンバに連結されている。アクチュエータは、クロスメンバに連結するためにアクチュエータハウジングから延びる少なくとも1つのフランジを有する。アクチュエータは、アクチュエータハウジングの対向する両側に2つの連結開口部を有するアクチュエータハウジングを通る貫通駆動連結部も含む。2つの連結開口部の各々は、雌形状面を有する。
【0007】
アクチュエータリンクアセンブリは、アクチュエータの貫通駆動連結部に連結された駆動リンクも含む。駆動リンクは、ブリッジで互いに連結された2つの部品であり、ブリッジは、駆動リンクの2つの部品の両方を一緒に移動するためのものである。駆動リンクの2つの部品の各々は、駆動連結端と従動連結端とを含み、駆動連結端は、貫通駆動連結部の2つの連結開口部のそれぞれに連結している。各駆動連結端は、2つの連結開口部のうちのそれぞれの1つの雌形状面との嵌合連結を提供するための雄形状面を有する。浮動リンクは、駆動リンクの2つの部品の各従動端にピボットピン連結を用いて回転可能に連結される。
【0008】
アクチュエータリンクアセンブリは、浮動リンクとクロスメンバの間に連結された従動リンクでもあるブレードを更に含む。ブレードは、1又は2以上のピンピボットを用いてクロスメンバに連結され、ブレードは、アクチュエータが作動された時にブレードがクロスメンバ上の1又は2以上のピボットピンの周りにピボット回転するように浮動リンクに枢動可能的に連結される。
【0009】
本発明の適用の更に別の分野は、以下に提供する詳細説明から明らかになるであろう。詳細説明及び特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示しながらも例示目的だけを意図しており、本発明の範囲の限定を意図していないことは理解しなければならない。
【0010】
本発明は、詳細説明及び添付図面からより完全に理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ブレードが展開位置にあるアクティブフロントディフレクターアセンブリの後部上面等角投影図である。
【
図2】ブレードが格納位置にあるアクティブフロントディフレクターアセンブリの後部上面等角投影図である。
【
図3】ブレードが展開位置にあるアクティブフロントディフレクターアセンブリの上面図である。
【
図4】ブレードが展開位置にあるアクティブフロントディフレクターアセンブリの前面等角投影図である。
【
図5】ブレードが展開位置にあるアクティブフロントディフレクターアセンブリの後面等角投影図である。
【
図6】ブレードが展開位置にあるアクティブフロントディフレクターアセンブリの底面図である。
【
図7】ブレードが展開位置にあるアクティブフロントディフレクターシステムの側面断面図である。
【
図8】ブレードが格納位置にあるアクティブフロントディフレクターシステムの側面断面図である。
【
図9】アクチュエータ及び駆動リンクの拡大分解側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
好ましい実施形態に関する以下の説明は、本質的に単なる例示に過ぎず、本発明、その適用、又は用途を限定することを意図していない。
【0013】
図1から
図8を全体として参照すると、本発明により、予め決められた条件下で格納位置(又は「収容位置」)と展開位置(又は「展開位置」)の間で移動可能である全体的に10で示すアクティブフロントディフレクターアセンブリが提供される。アクティブフロントディフレクターアセンブリ10は、車両要件に基づいて展開及び格納するブレード12を提供する。これは、固定パネルシステムよりも低い展開を可能にし、アクティブフロントディフレクターアセンブリ10と組み合わせて使用した時に抗力を有意に低減し、エミッションを低減し、燃費を改善し、から能動グリルシャッター性能を改善する。これに加えて、それは、システムを格納することを可能にし、従って、車両は、地上高さ、ランプ角、オフロード要件などを依然として満足することができる。システムが展開されている間の衝突の事象では、アクチュエータ14は、損傷の防止を支援するためにシステムを格納及び/又は自由に移動させる。これらは、基本的かつあまり有効でない空力的改善を達成するのにダッシュボードの下及び/又は近くに固定された犠牲パネルを利用する典型的な車両システムに対して有意な改善である。
【0014】
アクティブフロントディフレクターアセンブリ10は、車両の車体底面に取り付けるためのクロスメンバ16を有する。クロスメンバ16は、車両の車体底面に連結するための複数のスリップジョイント連結部18も含む。アクティブフロントディフレクターアセンブリ10は、ブレード12を移動するのに4棒リンケージを使用する。4棒リンケージは、固定リンクであるクロスメンバ16と、アクチュエータ14と、駆動リンク22と、浮動リンク26と、ブレード12とを含むアクチュエータリンクアセンブリ20を含む。
【0015】
アクチュエータリンクアセンブリ20の一部であるアクチュエータ14が、クロスメンバ16に連結されている。アクチュエータ14は、例えば、以下に限定するものではないが、貫通駆動連結部28の回転を引き起こす1組のギアを有するブラシ付き又はブラシレスDCモータのような電気モータである。より一般的に、アクチュエータ14は、用途及び予め決められた車両必要性に応じて、例えば、フィードバックオプションを有する回転式アクチュエータ、六角タイプ、スクリュータイプ駆動式の高速アクチュエータ、電気式、機械式、例えば電流オーバーライド回路を有するリニア式、クラッチ解除式、油圧式、空圧式、展開式、パワーリフト式アクチュエータ、又はいずれかの他のアクチュエータ、及びその組合せである。アクチュエータ14は、車両ネットワークを用いて信号を送受信することができるコネクタ32を通して車両ネットワークから信号を受信することによって制御される。コネクタ32は、モータを作動するための電力も供給する。アクチュエータ14は、クロスメンバ16に連結するためにアクチュエータハウジング30から延びる少なくとも1つのフランジ34を有する。
【0016】
アクチュエータ14は、アクチュエータハウジング30を通る貫通駆動連結部28を含む。貫通駆動連結部28は、アクチュエータハウジング30の対向する両側に2つの連結開口部を有する。貫通駆動連結部28の2つの連結開口部の各々は、雌形状面を有する。雌形状面は、実質的にあらゆる形状とすることができるが、正方形、三角形、六角形、八角形、又はあらゆる他の適切な形状を含む。
【0017】
特に
図9を参照すると、アクチュエータリンクアセンブリ20の一部分の詳細が示されている。アクチュエータリンクアセンブリ20は、アクチュエータ14の貫通駆動連結部28に連結された駆動リンク22を含む。駆動リンク22は、ブリッジ40で互いに連結された2つの部品36、38であり、ブリッジは、駆動リンク22の2つの部品36、38の両方を一緒に移動するためのものである。駆動リンク22の2つの部品36、38の各々は、駆動連結端42、42’と従動連結端44、44’を含む(
図2に示す)。駆動連結端42、42’は、通駆動連結部28の2つの連結開口部のうちのそれぞれの1つに連結する。各駆動連結端42、42’は、2つの連結開口部のうちのそれぞれの1つの雌形状面41、41’との嵌合連結を提供するための雄形状面43、43’を有する。雄形状面は、実質的にあらゆる形状とすることができるが、正方形、三角形、六角形、八角形、又はあらゆる他の適切な形状を含む。
【0018】
図2を参照すると、各従動連結端44、44’に連結されるのは、浮動リンク26である。浮動リンク26は、駆動リンク22の2つの部品36、38の各従動端42、42’に回転可能に連結される。各駆動連結端44、44’と浮動リンク26の間の回転可能な連結は、駆動連結端44、44’上に形成されて浮動リンク26の面から延びるピンを受け入れる開口を使用して達成される。
【0019】
ブレード12は、この特定の実施形態では複合プラスチックで作ることができる。しかし、本発明の範囲から逸脱することなくブレード12を予め決められた荷重に耐えるために鋼又はアルミニウム(特定の用途に応じて)、塗装した炭素繊維、押出ゴム、又は他の適切な耐衝撃性材料のような異なる材料で形成されるように製造することも本発明の範囲内である。これに加えて、ブレードは、例えば成形複合プラスチックの単一部品であるが、ブレード12が互いに組み立てられた複数の部品で作られることも本発明の範囲内である。
【0020】
ブレード12が完全に展開された位置にある時に、それは、クロスメンバ16の長手軸線48又はその平面に対して約90度又は垂直に延びる。ブレード12が0と90度の間のいずれかの中間位置に位置決めされることも本発明の範囲内である。従って、ブレード12は、空気が車両下に潜り込むこと及びそれが車両の下の構成要素の全てに起因して乱流である車両の下で渦を巻くことを防止して抗力を低減するために車両前面に沿ってほぼ垂直に延びる。ブレード12は、ほぼ平坦であるが、それは、車両の前端の曲率に従うように成型又は成形することができ、及び/又は用途に応じて空気流れを更に誘導するために掘り込む又は凹面にする又は他の適切な形状/プロファイルにすることができる。ブレード12が展開位置に降下した時に、それは、走行した地面までの距離の約4分の1から2分の1、好ましくはその距離の約3分の1だけ一般的に展開される。
【0021】
作動では、アクチュエータ14は、ブレード12を格納位置から展開位置まで移動するように作動された時に、貫通駆動28の雌部材を第1の方向に回転させ、これは、駆動リンク22を下向きに回転させて浮動リンク22にブレード12を押させてそれを1又は2以上のピボットピン46の周りにピボット回転させ、ブレード12をクロスメンバ16に対して下向きに移動する。
図7に示すように、展開位置にあるブレード12は、クロスメンバ16の長手軸線に沿って延びる平面に対して約90度又は垂直である位置まで移動する。同じく
図7に示すように、ブレード12は、展開位置にある時に異なる角度に移動することができる。例えば、この角度は、クロスメンバ16又は固定ベースリンクの長手軸線48又はその平面に対するブレード12の位置として定められる。ブレード12が0と90度のあらゆる角度に位置決めされることも本発明の範囲内である。本発明の一部の実施形態では、ブレード12は、75から85度の範囲で選択された1つの角度まで展開される。
【0022】
図8は、クロスメンバ16の底部長手平面48に対して平行である格納位置まで移動された時のブレード12を示している。格納位置までの移動は、アクチュエータ14が貫通連結28を第1の方向とは反対の第2の方向に回転させ、これが駆動リンク22をクロスメンバ16に対して上向きに回転させる時に達成される。駆動リンク22の移動は、浮動リンク26を上向きに移動してブレード12を1又は2以上のピボットピン46の周りに
図8に示す位置まで回転させる。
【0023】
アクチュエータ14は、システムへの損傷を防止するためにクラッチされており、これは別の有意な利点である。展開位置で物体がブレード12に衝突する事象では、システムは、エネルギを吸収するように設計されるが、衝撃が予め決められた設定レベルを超える場合に、それは、アクチュエータ14内部クラッチによって解除され、それが衝撃と共に移動してシステムへの損傷を防止することを可能にする。
【0024】
好ましい実施形態では、アクチュエータ14は、アクティブフロントディフレクターアセンブリ10への損傷を防止するのを支援するために予め決められた条件下でギアをクラッチ解除又は係合解除してブレード12を邪魔にならないように回転又は移動することを可能にする内部クラッチを有する。一例として、ブレード12への予め決められた力の衝撃時に、アクチュエータ14クラッチは、ブレード12が邪魔にならないように自由に移動することができるようにギアを係合解除することになる。
【0025】
アクチュエータ14は、密封され、かつコネクタ32を通した車両との通信機能を有する。アクチュエータ14と車両はまた、車両速度、風向、偏揺れなど、及びその組合せのような予め決められた条件に基づいてブレード12を展開及び格納するように通信する。非限定的な例として、ブレード12は、車両が時速30マイル、例えば、約30から40mphの予め決められた速度に達するまで格納され、次に、ブレード12は、展開されて車両が予め決められた速度よりも下に再度落ちるか又はブレード12を展開位置にしておくことがもはや実際的ではない他の予め決められた条件になるまで展開されたままである。
【0026】
アクチュエータ14内には、遮断機能を提供する電子機器がある。一態様では、予め決められた条件に基づいてモータに指令するために、例えば、予め決められた車両速度範囲と相関させてモータの作動を指令するために車両通信ネットワークと相関するコネクタ接点を有する遮断プリント回路基板(PCB)がある。PCB電子機器は、オーバーライドに対する電流スパイクを感知し、これは、クラッチが駆動システムを係合解除してそれを自由に回転させることを可能にする。
【0027】
本発明の説明は、本質的に単なる例示に過ぎず、従って、本発明の要旨から逸脱しない変形は、本発明の範囲内であるように意図している。そのような変形は、本発明の精神及び範囲からの逸脱と見なさないものとする。