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特許7422117自動小売サプライチェーン及び在庫管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】自動小売サプライチェーン及び在庫管理システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20240118BHJP
   G06Q 10/08 20240101ALI20240118BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B65G1/00 501A
G06Q10/08
B65G1/04 515
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021156451
(22)【出願日】2021-09-27
(62)【分割の表示】P 2019548543の分割
【原出願日】2017-11-29
(65)【公開番号】P2022008553
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2021-10-20
(31)【優先権主張番号】62/427,652
(32)【優先日】2016-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517420902
【氏名又は名称】アラート イノヴェイション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ラート ジュニア ジョン ジー
(72)【発明者】
【氏名】フォスナイト ウィリアム ジェイ
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-246226(JP,A)
【文献】特表2016-533999(JP,A)
【文献】特開平11-035107(JP,A)
【文献】国際公開第2015/052825(WO,A1)
【文献】米国特許第09415935(US,B1)
【文献】特開2001-187603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
B65G 1/04
G06Q 10/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流通センターから実店舗に商品を供給するシステムであって、
前記システムは、トートを保管するように構成された第1組の保管棚を有する保管構造体と、前記保管構造体に、及び、前記保管構造体からトートを移送するように構成された複数の移動ロボットと、
固定された保管構造体に、かつ、前記第1組の保管棚の側部にレールを含むレール構造体であって、当該レール構造体は前記第1組の保管棚にトートを出し入れする際に、前記複数の移動ロボットを支持する、レール構造体と、
複数の列に配置された第2組の保管棚を有する可搬式ラックであって、当該可搬式ラックは、複数の移動ロボットが前記第1組の保管棚にトートを出し入れするのと同様に第2組の保管棚にトートを出し入れするように、前記レール構造体のレールに隣接して固定された保管構造体に取り外し可能に取り付けられるように構成されており、前記複数の移動ロボットが、前記実店舗に出荷する商品を含むトートを、前記可搬式ラックの第2組の保管棚に移す、可搬式ラックと、
前記可搬式ラックを前記保管構造体に取り外し可能に取り付けるように構成された位置合わせ機能であって、前記流通センターから前記実店舗の場所に輸送するために、前記実店舗に出荷するための商品を含むトートを有する前記可搬式ラックをトラックに移すことを可能にするために、前記保管構造体から離脱するように構成された位置合わせ機能と、を備える、
システム。
【請求項2】
さらに、レールを備え、
前記移動ロボットは前記第1組の保管棚に、及び、前記第1組の保管棚から前記トートを移送するために前記レールに沿って移動し、前記位置合わせ機能が前記可搬式ラックを前記保管構造体に固定する際に、前記可搬式ラックの前記第2組の保管棚が前記レールに隣接して配置される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記位置合わせ機能が前記可搬式ラックを前記保管構造体から離脱する際に、前記第2組の保管棚が前記レールから離れる、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
可搬式ラックの下の空間に入り、前記可搬式ラックを持ち上げて前記可搬式ラックを前記保管構造体から離脱させ、前記流通センターから前記実店舗の場所まで輸送するために前記可搬式ラックを前記トラックに運ぶように構成された移動ラックロボットをさらに備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記移動ラックロボットは、コンピュータナビゲーションによって、前記可搬式ラックの下の位置に案内される、
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記移動ラックロボットは、コンピュータナビゲーションによって、前記保管構造体の位置から前記トラックの位置まで前記可搬式ラックを搬送するように案内される、
請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
流通センターから実店舗の位置に商品を供給するシステムであって
第1組の保管棚を含む固定保管構造体と
前記固定保管構造体の保管棚へ、および、前記固定保管構造体の保管棚からトートを運ぶように構成された複数の移動ロボットと、
前記固定保管構造体に、かつ、前記第1組の保管棚の側部にレールを含むレール構造であって、当該レール構造体は前記第1組の保管棚にトートを出し入れする際に、前記複数の移動ロボットを支持する、レール構造体と、
前記トートへの商品の移送または前記トートからの商品の移送を行うために前記複数の移動ロボットから複数のトートを受け取るように構成されたワークステーションと、
前記固定保管構造体に取り外し可能に取り付けられるように構成された可搬式ラックと、を備え、
前記可搬式ラックは、複数の列に配置された第2組の保管棚を備え、前記複数の移動ロボットは、前記ワークステーションで満たされた前記複数のトートを前記可搬式ラック内の前記第2組の保管棚に前記複数の移動ロボットがトートを前記第1の保管棚に移送するのと同様に移送し、前記可搬式ラックは、前記固定保管構造体から離脱され、前記流通センターから前記実店舗の位置に搬送するために、ユニット全体としてトラックに移送されるように構成されている、
システム。
【請求項8】
さらに、可搬式ラックの下の空間に入り、可搬式ラックを持ち上げて前記固定保管構造体から離脱させ、前記流通センターから前記実店舗の場所まで運ぶために前記可搬式ラックを前記トラックに運んでように構成された移動ラックロボットを備える、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
移動ラックロボットは、コンピュータナビゲーションによって、前記可搬式ラックの下の位置に案内される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記移動ラックロボットは、コンピュータナビゲーションによって、前記保管構造体の位置から前記トラックの位置まで前記可搬式ラックを搬送するように誘導される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記固定保管構造体に隣接する水平レールをさらに備え、複数の移動ロボットが、前記可搬式ラックに隣接する前記レールに沿って移動することにより、前記ワークステーションで満たされた前記複数のトートを前記可搬式ラック内の前記第2組の保管棚に移送する、
請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記可搬式ラックは、搬送中に前記可搬式ラック内の前記複数のトートを固定するラッチをさらに備える、
請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
前記可搬式ラックは、前記可搬式ラックを前記固定保管構造体に接続することを可能にする位置合わせ機能をさらに備える、
請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
前記位置合わせ機能は、前記実店舗の位置にある第2の保管構造体と係合して、前記可搬式ラックが前記実店舗の場所にある第2の保管構造体に接続することを可能にするように構成されている、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記可搬式ラックを前記第2の保管構造体に接続することにより、前記実店舗の位置にいる移動式ロボットが、前記実店舗の位置で前記可搬式ラックへ、及び、前記可搬式ラックから前記複数のトートを移送することを可能にする、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記実店舗の位置で空になった複数のトートは、前記実店舗の位置から前記可搬式ラックで前記流通センターに戻される、
請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、2016年11月29日出願の米国特許仮出願第62/427,652号「自動小売サプライチェーン及び在庫管理システム」の優先権を主張するものであり、その出願全体は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年11月17日出願の同時係属米国特許仮出願第62/423,614号「自動サービス小売システム及び方法」に関し、全ての主題は両出願に共通である。この仮出願の開示内容全体は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0003】
(技術分野)
本明細書に記載の例示的かつ非制限的な実施形態は、一般に自動小売サプライチェーン入出庫システムに関し、より詳細には、例示的な実施形態によるサプライチェーンで使用される在庫管理システムに関する。
【背景技術】
【0004】
従来のセルフサービス店舗チェーンにおいて、店舗在庫を補充する最もコスト効率が高い方法は、間違いなく「ケース」単位で補充すること、すなわち供給メーカーから受け取った製品の出荷ケースを店舗に供給することである。代替手段は、「イーチ(each又はeaches)」単位で補充すること、すなわち、店舗に1ケース未満の数量で個々の製品ユニットを供給することであるが、この方法は、非常に経費がかかるので、一般に、スーパーマーケット及び大型スーパーマーケットのような大規模店舗における補充の標準出荷単位は、パレット発送で出荷されるケース単位である。
【0005】
従来の物流モデルにおいて、小売業者は、流通センター(「DC」)でケースのパレットを受け取るが、流通センターの本質的な役割は、各店舗に必要とされる(注文された)製品の特定セットのケースを定期的に出荷することによって店舗ネットワークの在庫を補充することである。大部分のDCにおいて、それらの注文は、手動によるケースピッキングプロセスを使用して履行され、このプロセスにおいて、ケースのパレットは、通路に配列され、人間オペレータは、製品パレットを次々に移動して店舗によって注文された数量のケースを各々から移動させて、選択されたケースを店舗に出荷される注文パレット上に置く。一部のDCにおいて、自動ケースピッキングシステムが使用され、そのうちの最も高度なシステムは、米国特許第8,425,173号に記載されるような移動ロボットを利用する。しかしながら、注文履行プロセスが手動か又は自動化されているかを問わず、ほとんど全ての製品に関して店舗が利用可能な唯一の注文単位はケースである。このことは、店舗は、所与の製品(在庫維持単位つまり「SKU」によって表された)の在庫を補充する必要があるときはいつでも、その製品が一般に店舗内で経験する販売速度に無関係に、少なくとも、メーカーによって供給された標準出荷ケース内に収容されるそのSKUのイーチの数量を受け取ることになることを意味する。用語「SKU」は、本明細書では、単一の製品又は商品(別名、イーチ)を指すために利用される。しかしながら、本発明は、当業者であれば理解できるように、SKUを有するアイテムのみに限定されない。SKUは、説明を明暸にする目的で選択された例示的な実施形態に関連して本明細書で利用されるにすぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第8,425,173号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
経営上効率的であるが、ケースレベルの補充は、小売業者に、補充に対する唯一の配慮すべき事柄が在庫切れの回避である場合、必要とされるよりもかなり多くの在庫を店舗内に置くことを強いる。在庫切れを防止するために必要とされる最小補充量は、DCからの補充配送の速度及び確実性に左右され、平均供給日数で評価した最小安全補充量(「MSRQ」)として定義することができる。MSRQにおけるイーチ数はSKU固有であるが、MSRQを計算するために使用される補給日数は、典型的には全てのSKUについて同じであろう。例えば、DCが所与の店舗に1日の配送サービスレベルを保証する場合、その店舗のMSRQは、全てSKUにわたってわずか4平均供給日数とすることができる。従って、販売量が平均して5単位/日であるSKUであれば、20イーチのMSRQを有することになるが、販売量がわずか1単位/日であるSKUは、4イーチのMSRQを有することになる。
【0008】
少数の「高速」製品を除いて、製品の典型的な出荷ケースは、そのSKUの販売量の3週間分又はそれ以上を収容する場合がある。換言すると、店舗は、その製品に、純粋に在庫切れを回避するために必要とされると思われる最低量(例えば、各製品のMSRQ)の3~5倍の棚スペースを割り当てる必要がある。従って、店舗が全てのSKUにわたって補充量を1/3に削減することができる場合、小売業者は、製品の同じ品揃えに対して店舗を2/3に規模縮小するか又は提供される製品の数を3倍に増やすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1又は2以上の商品を実店舗位置に供給するシステム及び方法が提供され、本方法は、1又は2以上の商品を流通センターDCで1又は2以上の供給業者から受け取るステップを含み、流通センター(DC)は、通路によって分離された複数のラックモジュールを備え、複数の保管レベルを有するDC保管構造体を備え、DC保管構造体は空のトート、製品トート、又はその組み合わせで構成された複数のトートを保管し、少なくとも1つのDC移動ロボットは、トートをDC保管構造体の中に置き、DC保管構造体からトートを取り出し、トートを保管構造体にわたって移送し、ピッカーは、ワークステーションで1又は2以上の商品を空のトート又は製品トートに置き、1又は2以上の商品が空のトートの中に置かれた場合、空のトートは製品トートとして指定され、1又は2以上の商品はイーチとして指定され、1又は2以上の商品が製品トートの中に置かれた場合、1又は2以上の商品はイーチとして指定され、少なくとも1つのDC移動ロボットのうちの1つは、製品トートをDC保管構造体に移送し、保管のために製品トートをDC保管構造体の中に置き、少なくとも1つのDC移動ロボットのうちの1つは、DC保管構造体から製品トートを取り出し、物理店舗への出荷のために製品トートを出荷ドックに移送し、物理店舗は、自動履行セクション、検査セクション含む出荷セクション、及び配送セクションを有する建屋を備え、物理店舗は、製品トートを受け取りセクションで受け取る。
【0010】
1つの態様において、物理店舗は、通路によって分離され、複数の保管レベルを有する複数のラックモジュールを備える店舗保管構造体をさらに備え、店舗保管構造体は、空の保管トートの場合には空であり、保管トートの場合にはイーチを収容し、注文トートの場合には注文を収容し、又は、その組み合わせである複数のトートを保管し、物理店舗は、店舗保管構造体にわたって水平及び垂直に自身で移動し、トートを店舗保管構造体に移送し、トートをDC保管構造体から取り外し、トートを輸送する少なくとも1つの店舗移動ロボットをさらに備える。
【0011】
別の態様において、物理店舗での自動注文履行システムは、1又は2以上の代替可能な商品を製品トートイーチからピッキングし、1又は2以上の代替可能な商品を物理店舗内の顧客に配送するために1又は2以上の注文トートに纏める。
【0012】
別の態様において、本方法は、空のトート及び/又は製品トート内に収まるようにサイズ決定、寸法決定、及び構成された1又は2以上のサブトートをさらに含み、複数の空のトート及び/又は製品トートは、標準パレット上に収まるようにサイズ決定、寸法決定、及び構成される。
【0013】
別の態様において、標準パレットは、北アメリカ向けパレット、ヨーロッパ向けパレット、オーストラリア向けパレット、又はアジア向けパレットの1又は2以上を備える。
【0014】
別の態様において、1又は2以上のサブトートは、1/4サブトート、1/2サブトート、及び/又は、3/4サブトートの1又は2以上を備える。
【0015】
別の態様において、ワークステーションでピッカーが1又は2以上の商品を空のトート又は製品トートに配置するステップは、1又は2以上の商品が1又は2以上のサブトートの中に置かれるステップをさらに含む。
【0016】
別の態様において、1又は2以上の商品が空のトートの中に置かれた場合、1又は2以上の商品は、空のトート内の1又は2以上のサブトート内に置かれ、1又は2以上の商品が製品トートの中に置かれた場合、1又は2以上の商品は、製品トート内の1又は2以上のサブトート内に置かれる。
【0017】
別の態様において、単一の製品トート内に収容されたイーチは、異なる在庫維持単位(SKU)を有する。
【0018】
別の態様において、単一のサブトート内に収容されたイーチは、同じSKUを有する。
【0019】
別の態様において、単一の製品トート内に収容されたイーチは、異なるSKUを有する。
【0020】
別の態様において、単一のパレット上に収容されたイーチは、異なるSKUを有する。
【0021】
別の態様において、1又は2以上の商品をDCで1又は2以上の供給業者から受け取るステップは、供給業者からの出荷ケースをDCのデキャンティング・ワークステーションでデトラッシュ(de-trash)するステップさらに含む。
【0022】
別の態様において、1又は2以上の商品をDCで、1又は2以上の供給業者から受け取るステップは、少なくとも1つの移動ロボットが出荷ケースを出荷ドックからデキャンティング・ワークステーションに移送するステップをさらに含む。
【0023】
別の態様において、本方法は、製品トートの各々の中に収容されたイーチの数量及び場所をSKUに従ってリアルタイムに追跡するステップと、ピッカーの1つに所定の数量のイーチを製品トートに割り当てるように指示するステップとをさらに含むことができる。
【0024】
別の態様において、イーチの所定の数量は、関連した自動店舗での在庫要件に基づいて決定される。
【0025】
別の態様において、在庫要件は、関連した自動店舗でのSKUに基づく自動化されたリアルタイム在庫カウントに基づく。
【0026】
別の態様において、在庫要件は、関連した自動店舗からの人間による注文に基づく。
【0027】
別の態様において、在庫要件は、関連した自動店舗での販売履歴に基づく。
【0028】
別の態様において、ピッカーは、人間である。
【0029】
別の態様において、ピッカーは、移動ロボットである。
【0030】
別の態様によれば、方法が提供され、DC保管構造体は、通路によって分離された複数のラックモジュールを備え、複数の保管レベルを有し、DC保管構造体は、空のトート、製品トート、又はその組み合わせで構成された複数のトートを保管し、少なくとも1つのDC移動ロボットは、トートをDC保管構造体の中に置き、トートをDC保管構造体から取り外し、トートを保管構造体にわたって輸送し、DCは、物理店舗から、イーチのパレットを満たす従来必要とされる数量未満であるイーチの所望の数量の補充要求を受け取り、本方法は、少なくとも1つのDC移動ロボットに、1又は2以上のサブトートをイーチの所望の数量を収容するDC保管構造体から取り出す仕事を課すステップを含み、少なくとも1つのDC移動ロボットは、1又は2以上のサブトートを取り出し、物理店舗に配送するために1又は2以上の製品トートの中に置く。
【0031】
別の態様によれば、本方法は、少なくとも1つのDC移動ロボットが、1又は2以上の製品トートをピックアップして物理店舗に移送するために出荷ドックに輸送することさらに含む。
【0032】
別の態様によれば、1又は2以上の製品トートの単一の製品トート内に収容されたイーチは、異なる在庫維持単位(SKU)を有する。
【0033】
別の態様によれば、1又は2以上のサブトートの単一のサブトート内に収容されたイーチは、同じSKUを有する。
【0034】
別の態様によれば、本方法は、物理店舗が、1又は2以上の製品トートを受け取りセクションで受け取ることをさらに含む。
【0035】
別の態様によれば、物理店舗は、自動履行セクション、検査セクション含む出荷セクション、及び配送セクション有する建屋を備える。
【0036】
別の態様によれば、本方法は、物理店舗が、製品トートを受け取りセクションで受け取ることをさらに含む。
【0037】
別の態様によれば、物理店舗での自動注文履行システムは、1又は2以上の代替可能な商品を製品トートイーチからピッキングし、1又は2以上の代替可能な商品を物理店舗内の顧客に配送するために1又は2以上の注文トートに纏める。
【0038】
別の態様によれば、複数の物理店舗は、DCとネットワーク通信を行い、イーチの補充を複数の物理店舗からのリアルタイム要求に基づいて行うことができ、複数の物理店舗は、標準化されたサイズのサブトート及びトートを利用する。
【0039】
別の態様によれば、本方法は、人間による相互作用なしに完全に自動化される。
【0040】
本開示の実施形態の上記及び他の特徴は、添付図面を参照して以下の詳細な説明からより完全に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の例示的な実施形態による自動流通センターの概略図を示す。
図2】本開示の実施形態の下での小売業者の供給チェーンを介した製品の流れを示す流れ図である。
図3A】流通センター内の自動デキャンティング・ワークステーションを示す。
図3B】流通センター内の自動デキャンティング・ワークステーションを示す。
図4】流通センター内の自動サブトートピッキング・ワークステーションを示す。
図5A】自動店舗への輸送のための補充Pトートを保持する可搬式ラックを含む、流通センターのI/Oインターフェースの詳細を示す。
図5B】自動店舗への輸送のための補充Pトートを保持する可搬式ラックを含む、流通センターのI/Oインターフェースの詳細を示す。
図6A】半自動又は手動デキャンティング・ワークステーションの詳細を示す。
図6B】半自動又は手動デキャンティング・ワークステーションの詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1図6Bは、本発明による方法及びシステムの例示的な実施形態を示す。本発明は、図中に示す例示的な1又は複数の実施形態を参照して説明されるが、多くの代替形態によって本発明を具現化できることを理解されたい。さらに、当業者は、本発明の精神及び範囲に依然として沿う方法で、要素又は物体の大きさ、形状、又はタイプなどの開示された実施形態のパラメータを変更するための種々の方法を認識するであろう。
【0043】
セルフサービス店舗と比較して、2016年11月17日出願の米国特許仮出願第62/423,614号「自動化されたサービス小売システム及び方法」(引用により全体が本明細書に組み込まれている)に教示されているような自動小売店舗は、セルフサービス包装商品マーケットを「入出庫システム」に教示されているようなロボットイーチピックシステムに置き換えることによって、小売店舗の建設の空間及び労働効率並びに経営の両方の劇的な向上を可能にする。そのイーチピックシステムの重要な要素は、一次保管コンテナ(トート)を、二次コンテナ(サブトート)を使用して各々が異なる製品を収容する複数の区画に再分割することができる「トート/サブトート」収容構造である。この構造の主な理由は、分割仕切りという普及している代替的方法よりはむしろ、トート及びサブトートが、ロボットによって操作されるように設計されており、イーチは、単にこのイーチを収容するサブトートを移送することによって各トートの間で移送することができることである。
【0044】
また、この能力は、小売店舗ネットワーク、特に自動小売店舗ネットワークを補充する方法の完全自動化、すなわち店舗にメーカーから受け取った製品の出荷ケースを補充する従来の方法に優る有意な改良も可能にする。
【0045】
ケースレベルの在庫保管に基づく従来の保管設備において、在庫が比較的多いこと及び他の非効率性に起因して補充時間又は周期が長いのに対して、本発明の実施形態では在庫を少なくして補充頻度を高めること及び細分性を高めることができ、本明細書で説明するように在庫レベルを低減することで在庫精度が改善される。例示的な実施形態は、DCでの店舗補充注文を履行するプロセスを変更するために自動店舗で使用される自動イーチピッキングシステムのトート/サブトート収容構造を利用することによって、在庫及び関連の保管空間要件を低減する。本発明の例示的な実施形態によれば、DCは、自動DCである。本発明の方法及びシステムにおいて、1又は2以上の供給業者又は供給メーカーからパレットで到着する製品ケースは、ます開封され、収容されたイーチは、1又は2以上のデキャンティング・ワークステーションでサブトートに移送される。このプロセスは、「デキャンティング」と呼ばれ、好ましくは、ケースがDCで受け取られるとすぐに実行される。開示される実施形態に必須ではないが、人間ではなくロボットがケースからサブトートまでの商品の移送を行うようにこのデキャンティングプロセスを自動化することが好都合であろう。当業者であれば理解できるように、本発明は、自動化、半自動化、又は人間によるデキャンティングを実行するように構成されている。
【0046】
デキャンティングプロセスが終了すると、デキャンティングプロセス中に満たされたサブトートは、「製品トート」に積み込まれる。同じ商品又はSKUの複数のケースが典型的には連続してデキャンティングされることになるので(同じパレットで到着した後に)、これらの製品トートは、典型的には単一の製品又は単一のSKUトートとすることができる。換言すると、トート内のイーチの全ては、同じSKUとすることができるが、典型的にはトートの内部で複数のサブトートにわたって分散されることになる。
【0047】
例示的な実施形態の特徴は、所与のSKUのイーチが、単一サイズのサブトートに限定されないように、複数のサイズのサブトートにデキャンティングできることである。従って、各SKUの補充量は、各店舗内のそのSKUに関して算出されたMSRQに基づいて店舗毎に様々とすることができる。例示的な実施形態のさらなる特徴は、サブトートが、ケースで出荷され数量未満で、サブトートにつき単一イーチに至るまでを含む何らかの数量のイーチを収容することである。
【0048】
本発明の例示的な実施形態によれば、トートは、製品で満たされると、移動ロボットによってデキャンティング・ワークステーションから移送され、DC保管構造体の中に入れられ、ここでは、在庫は利用可能な状態であり遠隔店舗からの補充注文を満たすようになっている。それらの注文の注文履行プロセスは、本明細書に組み込まれている米国特許仮出願第62/423,614号で説明されているように、顧客注文を履行するために店舗で実行されるイーチピッキングプロセスとほとんど同じである。詳細には、移動ロボットは、製品トート(Pトート)を保管構造体から持て来て、注文トート(Oトート)をワークステーションに持って行き、イーチは、PトートからOトートに移送される。相違点は、この例示的な実施形態において、移送は、イーチを取り扱う人間又はロボットのピッカーではなく、イーチを収容するサブトートを取り扱う移動ロボットによって直接実行される点である。当業者であれば理解できるように、このプロセスは、本発明の範囲から逸脱することなく人間のピッカーによって同様に実行することができる。
【0049】
各々が典型的に複数の単一SKUサブトートに収容された複数のSKUを収容する、履行されたOトートは、DCから、DCがサポートする自動店舗ネットワークに出荷される。各店舗において、配送されたOトートは、Pトートとして受け取られ、店舗の中で作動する自動イーチピックシステムに導入され、配送されたOトートは、本明細書に組み込まれている米国特許仮出願第62/423,614号に説明されるように、顧客注文を満たすためにイーチを割り振りできる状態で保管保持される。
【0050】
本発明の例示的な実施形態の自動小売供給チェーンは、自動DC及びDCから補充在庫が供給される自動小売店舗ネットワークを含む。図1は、自動DCを概略的な形態で示し、詳細内容を以下により詳細に説明する。
【0051】
図2は、例示的な実施形態による、自動小売供給チェーンを介した製品の流れを示す。製品の流れは、1又は2以上の供給業者によって出荷されたケースを収容するパレットの自動DCでの到着から始まる。典型的には、パレットは単一製品又は単一SKUパレットであり、すなわち製品の全てのケースは、同じSKUである。当業者であれば理解できるように、一部のパレットは、複数の単一SKUレイヤーを備える「レインボー」パレットとすることができるが、このプロセスにおけるわずかな複雑性は、本開示の目的上無視される。到着すると、オペレータは、SKUが既知のものであること、すなわち、製品の身元及び他の属性は、システム内にすでに取り込まれていること、及び受け取った実際の製品は、登録済みのSKU属性に一致していることを確認する必要がある。このステップは、セルフサービスの店舗をサポートする手動又は自動ケースピッキングDCで行われることと実質的に同様であるか又は同じであるが、SKU確認後、最新の開示された本実施形態は、このような店舗から離れる。フローの第2のステップは、受け取ったケースをデキャンティング・ワークステーションに直ちに送ることであり、これらはサブトートに移送され、サブトート自体は、トートの中に収容される。
【0052】
このフローチャートは、例えば、商品イーチがパレット上のケース内にある状態で、トラック又は他の適切な移送手段が流通センターのどこに到着することができるかを示す。パレットをスキャンしてケース情報を確認することができる。どのタイプのワークステーションにパレットを導くべきかの決定が行われ、パレットは、適切なデキャンティング・ワークステーションに導かれる。例えば、デキャンティング・ワークステーションは、手動デキャンティング・ワークステーション、自動デキャンティング・ワークステーション又は半自動デキャンティング・ワークステーションのうちの1つとすることができる。第1のロボットは、ケースをパレットからボックスオープナーに移送し、ここでは、ボックスは自動的に開封/切断され、第1のロボットは、ケースの上端を処分する。第2のロボットは、適正な対応する大きさのサブトートを選択し、サブトートをトート(例えば、製品トート)の中に入れる。その後、第2のロボットは、イーチを開封ケースからサブトートの中に置き、トートが満たされたサブトートで一杯である場合、移動ロボットは、完了した(又は、部分的に完了した)トートを保管ラックシステム内に保管する。サブトートのサイズの選択及び/又はサイズの混合は、供給される所与の店舗の製品速度条件の関数とすることができる。例えば、サブトートのサイズの混合は、異なる店舗の製品速度条件に基づいて供給されるそれらの店舗の関数として提示することができる。これらのステップの各々は、上記の受け取りラインに示すように図2のフローに表されている。
【0053】
所与の店舗から商品の注文を受け取るか又は商品の需要が作成された場合、図2に示す注文履行プロセスが始まる。注文履行は、移動ロボットが空の(又は、部分的に空の)注文トートをピッキング・ワークステーションに移送するように差し向けることから始まる。その後(又は並行して、又は他の方法で)、他の移動ロボットは、サブトートを有する製品トートをピッキング・ワークステーションに持って行き、ここでピッキングロボットは、サブトート全体を注文トートに移送して注文を履行する。当業者であれば理解できるように、サブトートは、所与の店舗に必要とされる在庫の所望量に基づいて混ぜ合わせることができる。本発明の例示的な実施形態によれば、いつ注文が必要になるか及び/又はいつ注文トートが出荷されるか、注文トートが直ちに必要な場合に注文トートを可搬式ラックに移動させるか否か、又は注文トートが将来必要になる場合に注文トートを短期/長期保管に移動させるか否かに関する決定が行われる。所与の可搬式ラックは、1又は2以上の注文を満たすために一杯であるか又は適切なレベルにある場合、ネットワーク化された店舗に輸送されるように所与のトラック又は移送手段に供すことができる。本発明の例示的な実施形態によれば、注文トート又はラックは、トラック又は移送手段が現在利用可能か否かに関する決定に基づいて、保管手段又はトラック又は移送手段に移動させることができる。フローチャートは、本明細書で説明する可能性のあるシーケンスを例示し、このフローチャートの中で代替的な組み合わせを行うことができる。ここで、製品トート、注文トート、及びその他のスケジューリング及び発送決定は、注文及びサブトートサイズ及び受注タイミング及びいつ注文を履行して最適化する必要があるかに基づいて行うことができる。
【0054】
図3A及び図3Bは、デキャンティング・ワークステーションの詳細図を示す。図3Aに示すように、移動式パレットロボットは、商品ケースを有するパレットをデキャンティング・ワークステーションに移送する。トラックを出る際に、バーコードスキャナ、無線周波数識別(RFID)読取り装置、又は他の識別技術を利用して、ケース及び収容された商品イーチを識別する。目的地デキャンティング・ワークステーションは、ケース及び/又はイーチに基づいて選択することができ、デキャンティング・ワークステーションは、図2に関して説明したように操作されるように最良に構成される。
【0055】
本発明の例示的な実施形態によれば、第1の多関節アームロボットは、遠位リンク上に取り付けられたカメラを使用してパレット上に置かれたケースの位置を識別する。第1のロボットは、可変幅グリッパーを先に識別されたケースのサイズに調整し、カメラを使用してケースを把持してパレットから持ち上げて第1のコンベヤ上に置く。
【0056】
ケースは、回転ヘッド上のブレードを使用してケースの底部外周部に沿って切断するボックスカッターに搬送される。ボックスカッターは、カメラと連動してケースの識別表示を使用して、回転ヘッドをケースの外周部の周りに案内する。あるいは、ボックスカッターは、ボックスがボックスカッターを通って2つの直交方向に搬送される場合にボックスの底部を切断する固定ブレードを使用することができる。
【0057】
ケースは、底部外周部に沿って切断されると第2の直交コンベヤ上へ搬送され、ケースの上面と側面は、第1の多関節アームロボットによって上方に持ち上げられる。第1のロボットは、ケースの上面と側面を第2のコンベヤの真下に示された第3の段ボールコンベヤ上に破棄する。その後、段ボールは、再利用されるように回収される場所に第3のコンベヤで移送される。
【0058】
第2の多関節アームロボットは、可変幅エンドエフェクタを使用して、サブトートを可変サイズのサブトートのスタックから取り込み、選択されたサブトートをトートの中に置く。選択されるサブトートのサイズは、移送されるイーチの識別表示及びサブトート内に保管されるイーチの所望の数量に対応する。例えば、サブトート内に置かれたイーチの数量は、自動DCが対応する小売店舗での特定のイーチの在庫ルール及び速度に基づいて計算される。異なるサイズ及び構成のサブトートは、保管密度及びデキャンティング効率を最大にするために、トート内に配置することができる。識別表示記号(例えば、英数字又はバーコード)は、第2のロボット上に取り付けられたカメラによって読み取られて記憶される。
【0059】
サブトートがトート内に配置されると、第2のロボットは、ピッキングされるイーチにその可変ピッチ真空カップグリッパーを調整する。第2のロボットは、遠位リンク上に取り付けられたカメラを使用して把持部を位置付けて、イーチを開封されたケースからサブトートに移送する。当業者であれば理解できるように、代替的に第2のロボットには真空式以外の各ピッキンググリッパーを使用することができる(例えば、機械式、共形など)。第2のロボットは、移送されるイーチに基づいてグリッパー形式を自動的に変更するように構成することもできる。
【0060】
全てのイーチが開封ケースから移送された後、第2のコンベヤは、ケースの底部を搬送してその端部から第3の段ボール移送コンベヤ上に落下させる。
【0061】
本発明の例示的な実施形態の主な特徴は、所与のSKUのイーチをデキャンティング・ワークステーションで異なるサイズのサブトートに積み込むことができることであり、これによって、各SKUの補充量を店舗毎に変更できることができる。本発明の例示的な実施形態によれば、標準補充量(「SRQ」)は、各店舗の各SKUについてそのSKU/店舗のMSRQに基づいて計算することができる。一例として、1/8サブトートが所与のSKU(「XYZ」)の4個のイーチを保持することができる場合、1/4サブトートは、そのSKUの8個のイーチを保持することができ、1/2サブトートは、そのSKUの16個のイーチを保持することができる。さらに、この実施例において、所与のDCによってサポートされた全ての店舗のMSRQは、全てのSKUにわたって5平均補給日数である。次に、この実施例において、SKU XYZのSRQは、販売量がわずか5.6個のXYZイーチ/週である全ての店舗については、4個のイーチを収容する1/8サブトートとなる(4/(5/7)=5.6)。販売量が5.7~11.2個のイーチ/平均週である全ての店舗については、SRQは、8個のイーチを収容する1/4サブトートになり、販売量が11.3~22.4個のXYZイーチ/平均週である店舗であれば、SKU XYZをDCから注文する場合には1/2サブトートのSRQを使用することになる。SRQは複数のサブトートの組み合わせとすることもできることに留意されたい。例えば、店舗の販売量が22.5~28.0個のSKU XYZのイーチ/平均週である場合、SRQは、16個のイーチを収容する1/2サブトートと4個のイーチを収容する1/8サブトートとの組み合わせになる。
【0062】
本発明の例示的な実施形態によれば、所与のSKUのイーチの全数がデキャンティング・ワークステーションで積み込まれるサブトートサイズの分散は、一般的に、DCによってサポートされた全ての店舗全体にわたってそのSKUに関するSRQの全てを合計することによって生成されたサブトートサイズの分散と一致する必要がある。例えば、DCによってサポートされた100店舗があり、SKU XYZのケースがデキャンティングされている場合、SKU XYZのそれらの店舗のSRQでのサブトート大きさの全ての合計によって、1/8サブトートが40個、1/4サブトートが60個、1/2サブトートが10個となる場合、イーチが積み込まれるサブトートの36%は、1/8サブトートである必要があり(40/110=.36)、55%は、1/4サブトートである必要があり(60/110=.55)、9%は、1/2サブトートである必要がある(10/110=.09)。
【0063】
例示的な実施形態による物流における次のステップは、満たされたサブトートが積み込まれたトートを保管構造体の中に置くことであり、このステップは、1又は2以上の移動ロボットによって実行される。特に、トートがイーチを収容するサブトートで満たされると、満たされたトートは、開示内容全体が引用により本明細書に組み込まれている2016年6月2日出願の米国特許出願第15/171,802号「入出庫システム」に記載されているように、移動ロボットによって取り出されて保管構造体又はラックの中に置かれる。これらのトートは、注文履行プロセスにおいて使用された製品トートとすることができる。
【0064】
物流における次のステップは、補充サブトートが製品トートから注文トートに移送される注文履行プロセスであり、このプロセスも、完全にロボット制御に実行される。
【0065】
移動ロボットは、図4に示すように、イーチを収容するサブトート(製品トート)をピッキング・ワークステーションに配送する。移動ロボットは、空のトート(注文トート)もピッキング・ワークステーションに配送する。第3の多関節アームロボットは、イーチを収容する注文サブトートを空の注文トートに移動するために使用される。注文トートがイーチを収容するサブトートで満たされると、移動ロボットは、トートを保管構造体内に保管するか又は図5A及び図5Bに示す一時的に付加された可搬式保管ラックに直接移送することができる。
【0066】
この開示された実施形態による物流における次のステップは、満たされた補充トートをDCから店舗に出荷することである。
【0067】
図5Aは、保管構造体に一時的に付加された可搬式ラック、トラックに移送される可搬式保管ラック、及び小売店舗宛のトラック内に位置する可搬式保管ラックを示す。積み込まれたトートを保管ラックに一時的に付加された可搬式ラックに移送する移動ロボットが示されている。
【0068】
可搬式保管ラックは、可搬式保管ラックを移動するように構成された移動ラックロボットを用いて輸送される。詳細には、移動ラックロボット自体は、可搬式保管ラックの下に配置され、可搬式保管ラックを僅かに持ち上げて、コンピュータナビゲーションを利用して可搬式保管ラックを目的地に移動する。移動ラックロボットは、狭い端面でその支持脚の間で又はその長さに沿った支持脚の間で、可搬式保管ラックの下の空間に入ることができる。代替的に、移動ラックロボットは、人間オペレータが制御することができる。
【0069】
代替的に、可搬式保管ラックは、取り付けられた車輪で又は人間によって案内される車輪付きのリフトを使用して手動で運ぶことができる。
【0070】
移動ロボットがトートを積み込むことができる可搬式保管ラックの開放側は、保管構造体に付加されていない場合、保管位置から滑り出ないようにトートを固定するラッチを有する。さらに、トレーラーの上部は、トレーラーの長さに沿うビームを有することができ、ビームは、可搬式保管ラックをトレーラーの中に案内するのを助け、可搬式保管ラックが輸送中に倒れるのを防止する。
【0071】
図5Bは、レール構造体を示し、移動ロボットは、可搬式保管ラックにトートを置くか又はそこからピッキングする場合にその上を移動する。位置合わせピン又は運動学的結合部などの位置合わせ特徴部は、可搬式保管ラックをレール構造体及び保管構造体に正確に位置決めするためにレール構造体の底部に配置することができる。
【0072】
小売店舗でのレール構造体及び保管構造体は、同じ位置合わせ特徴部を含み、可搬式保管ラックを迅速かつ正確にレール構造体と整列させてトートを保管構造体に移送できるようになっている。到着する満載トートが店舗の保管構造体に移送された後、空のサブトートを有する空のトートは、元の自動DCに移送するために可搬式保管ラック上に移送することができる。
【0073】
トート及びサブトートを可搬式保管ラックで移送して自動DCに戻すために十分な空間が用意されていないシナリオにおいて、店舗は、通常はイーチをピッキングするのに使用される自動ピッキング・ワークステーションを使用することで、又は保管密度を増大させるためにサブトートをトート間に移送することで、すなわち保管サブトートの細分化を解消することで、サブトート及びトートを入れ子にすることができる。入れ子になったトート及びサブトートは、元の自動DCに配送するためにトラック上に置くことができる。
【0074】
小売店舗に到着すると、可搬式保管ラックはトラックから移動され、店舗の保管構造体に付加される。店舗において、移動ロボットは、イーチを収容するサブトートを有するトートを店舗内で作動する各自動ピッキングシステムの保管構造体に移送する。
【0075】
開示された実施形態による製品の流れの残りのステップは、開示内容全体が引用により本明細書に組み込まれている、2016年6月2日出願の米国特許出願第15/171,802号「入出庫システム」に記載されているように、各ピッキング・ワークステーションでの顧客注文の履行及び顧客への全注文の移送を含む。
【0076】
デキャンティング・ワークステーション、ピッキング・ワークステーション、保管ラック、及び可搬式ラックの全ては、単純化のために単数形として例示及び説明されるが、自動流通センターは、相互作用するイーチの倍数を収容することが期待される。
【0077】
図6A及び図6Bは、手動デキャンティング・ワークステーションを示す。本質的に、多関節ロボットが設けられているいずれの場所においても、人間を単独で又は組み合わせて配置することができ、パレット及びラック移動ロボットは、人間が引っ張る「パレットジャッキ」と置き換えることができる。人間に置き換えるのが最も難しいロボットは、特に、速度及び容積制約の理由から移動ロボットであろう。
【0078】
本明細書で使用される場合、用語「ロボット」及び「ボット」は、従来の意味に従って本明細書で置き換え可能に使用され、具体的には、有用なマシン又はデバイス、すなわち、様々なタスク、割り当て、指示などの実行のために材料、部品、工具、又は専用デバイスを様々なプログラムされた動きによって移動させることができる、プログラム可能な多機能デバイス;及び/又は、単純又は複雑な一連のアクションを実行することができるマシン又はデバイス;及び/又は、人の仕事とすることができる又は人の仕事とすることができないタスクを実行することができるマシン又はデバイス;及び/又は、タスクを実行し、人による相互作用の助けを借りずに環境と相互作用することができるプログラム可能な機械的デバイスであるマシン又はデバイス;及び、自動的に作動することができるか又はコンピュータによって制御されるマシン又はデバイスである。
【0079】
本発明の数多くの変更例及び代替実施形態は、上記の説明を考慮して当業者には明らかになるであろう。従って、この説明は、例示的にすぎないと解釈されるべきであり、当業者に本発明を実行する最良の形態を教示することを目的とする。構造の細部は、本発明の精神から逸脱することなく実質的に変わる場合があり、全ての変更例の排他的使用が保留される。本明細書の範囲で、実施形態は、明瞭かつ簡潔な明細書を書くことができるようなやり方で記載されているが、実施形態は、本発明から逸脱することなく、様々に組み合わせることができ又は分離することができることが意図されており、このことが理解されるであろう。本発明は、適用可能な法規によって必要とされる程度まで限定されるにすぎないことが意図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B