(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】プロテクタ、電池セル及び電池
(51)【国際特許分類】
H02H 5/04 20060101AFI20240118BHJP
H01M 50/531 20210101ALI20240118BHJP
H01M 50/581 20210101ALI20240118BHJP
H01H 37/32 20060101ALN20240118BHJP
【FI】
H02H5/04 120
H01M50/531
H01M50/581
H01H37/32 D
(21)【出願番号】P 2021515141
(86)(22)【出願日】2020-03-05
(86)【国際出願番号】 CN2020078065
(87)【国際公開番号】W WO2020177746
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-03-18
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-22
(31)【優先権主張番号】201920276506.3
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513054978
【氏名又は名称】寧徳新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Ningde Amperex Technology Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Xingang Road, Zhangwan Town, Jiaocheng District, Ningde City, Fujian Province, 352100, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】余 洋洋
(72)【発明者】
【氏名】宋 華冰
【合議体】
【審判長】高野 洋
【審判官】稲葉 崇
【審判官】千葉 輝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-206732(JP,A)
【文献】特開平7-153499(JP,A)
【文献】特開平2-24930(JP,A)
【文献】特開2018-129201(JP,A)
【文献】特表2001-514435(JP,A)
【文献】特開2001-216883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 5/00-6/00
H01H 37/00-37/56
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロテクタと、タブが設けられた電池セル本体と、を備え、
前記プロテクタは、
前記タブと結合するための第1中継片と、
第2中継片と、前記第1中継片および第2中継片とに結合された第1インピーダンス素子と、
前記第1インピーダンス素子と前記第2中継片との間に接続された第2インピーダンス素子と、を含み、
前記第1インピーダンス素子は、遮断器であり、
前記第1中継片及び前記第2中継片は、金属片であり、
前記第2インピーダンス素子は、電気抵抗を含み、前記第2インピーダンス素子の抵抗値は、1mΩよりも大きい若しくは等しい且つ10mΩよりも小さい若しくは等しいことを特徴とする
電池セル。
【請求項2】
前記第1インピーダンス素子は、第1接続部材と、第2接続部材と、第1素子と、バネとを含み、
前記バネの温度が第1温度より小さい場合に、前記第1接続部材と前記第2接続部材とが直接に電気的に接続され、
前記バネの温度が前記第1温度よりも大きい若しくは等しい場合に、前記第1接続部材、前記第1素子、前記バネ及び前記第2接続部材は直列回路を形成する、請求項1に記載の
電池セル。
【請求項3】
前記第1素子は、前記第1接続部材と前記バネとの間に位置し、
前記バネは、前記第1素子と前記第2接続部材との間に位置する、請求項2に記載の
電池セル。
【請求項4】
前記第1素子は、正温度係数のサーミスタである、請求項2に記載の
電池セル。
【請求項5】
前記第2インピーダンス素子は、正温度係数のサーミスタである、または前記第1インピーダンス素子と同じである、請求項1に記載の
電池セル。
【請求項6】
前記第2インピーダンス素子を少なくとも2つ備える、請求項1に記載の
電池セル。
【請求項7】
請求項
1~6の何れか一項に記載の電池セルを備えることを特徴とする電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池技術分野に関し、具体的には、プロテクタ、電池セル及び電池に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池には、プロテクタとして、通常温度感知遮断器(TCO)が設けられている。電池セルが過充電されるなど電池が濫用される場合には、発熱により温度感知遮断器が作動し、電流を遮断または大幅に低減して、電池セルに対して保護する役割を果たす。
【0003】
しかしながら、現在の温度感知遮断器には、通常すぐに作動できない問題があり、これにより、遮断器は電流をタイムリーに遮断または大幅に低減できず、電池セルを効果的に保護することができない。
【発明の概要】
【0004】
関連技術における上記の問題に対して、本発明は、プロテクタの動作がもっと適時であり、電池セル及び電池を効果的に保護することができるプロテクタ、電池セル及び電池を提案する。
【0005】
本願の技術案はこのようにして実現される。
【0006】
本発明の一態様によるプロテクタは、一方のタブと結合するための第1中継片と、第1インピーダンス素子と、前記第1インピーダンス素子及び前記第1中継片に結合された第2中継片と、前記第1インピーダンス素子と前記第2中継片との間に接続された第2インピーダンス素子と、を含む。
【0007】
本発明の一実施例によれば、前記第1インピーダンス素子は、第1接続部材と、第2接続部材と、第1素子と、バネとを含み、
前記バネの温度が第1温度より小さい場合に、前記第1接続部材と前記第2接続部材とが直接に電気的に接続され、
前記バネの温度が前記第1温度よりも大きい若しくは等しい場合に、前記第1接続部材、前記第1素子、前記バネ及び前記第2接続部材は直列回路を形成する。
【0008】
本発明の一実施例によれば、前記第1素子は、前記第1接続部材と前記バネとの間に位置し、
前記バネは、前記第1素子と前記第2接続部材との間に位置する。
【0009】
本発明の一実施例によれば、前記第1素子は、正温度係数のサーミスタである。
【0010】
本発明の一実施例によれば、前記第2インピーダンス素子は、電気抵抗を含む。
【0011】
本発明の一実施例によれば、前記第2インピーダンス素子の抵抗値は、1mΩよりも大きい若しくは等しい、且つ10mΩよりも小さい若しくは等しいである。
【0012】
本発明の一実施例によれば、前記第2インピーダンス素子は、正温度係数のサーミスタであるまたは前記第1インピーダンス素子と同じである。
【0013】
本発明の一実施例によれば、前記プロテクタは、前記第2インピーダンス素子を少なくとも2つ備える。
【0014】
本発明の別の態様には、上述のプロテクタと、前記第1中継片に結合される第1タブが設けられた電池セル本体と、を備えた電池セルが提供される。
【0015】
本発明のさらに別の態様には、上記の電池セルを含む電池が提供される。
【0016】
本願は、第1インピーダンス素子と第2中継片との間に第2インピーダンス素子を接続することで、第1インピーダンス素子から第2中継片までの放熱経路を、第1インピーダンス素子から第2インピーダンス素子まで、さらに第2中継片までと延長される。そこで、第1インピーダンス素子から第2中継片までの放熱距離を延長し、第1インピーダンス素子の放熱速度を低減した。電池セルが過充電される過程において、第2インピーダンス素子自体が熱を発生することができ、第1インピーダンス素子が外に放熱することを抑制できるので、本願のプロテクタは、適時に動作して、電池セルを効果的に保護する役割を果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本願の実施例または従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下に実施例において必要な図面を簡単に紹介する。明らかなように、以下において説明される図面は、ただ本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的労働を支払わない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0018】
【
図1】
図1は、本願発明の実施例による温度感知遮断器の概略構成図である。
【
図2】
図2は、本願発明の実施例によるプロテクタの概略構成図である。
【
図3】
図3は、本願発明の一実施例による第1インピーダンス素子の概略構成図である。
【
図4】
図4は、本願の各実施例によるプロテクタの構成を示す模式図である。
【
図5】
図5は、本願の各実施例によるプロテクタの構成を示す模式図である。
【
図6】
図6は、本願の各実施例によるプロテクタの構成を示す模式図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例による電池セルの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本願実施例における図面を合わせて、本願実施例における技術案を明確且つ全体的に説明するが、ここで述べる実施例は、あらゆる実施例ではなく、本願の一部の実施例に過ぎないことが明らかである。本願の実施例に基づき、創造的な労働なしに当業者に得られるあらゆる他の実施例についても、本願の保護範囲内に属される。
【0020】
ある要素がもう1つの要素に「接続される」と考えられる場合、それは前記もう1つの要素に直接に接続されてもよく、または他の要素を介して前記もう1つの要素に接続されてもよい。ある要素がもう1つの要素に「設けられる」と考えられる場合、それは前記もう1つの要素に直接に設けられてもよく、または他の要素を介して前記もう1つの要素に設けられてもよい。
【0021】
別段の定義がない限り、本文で使用するすべての技術及び科学的用語は、本願の技術分野に属する技術者が一般的に理解する意味と同様である。本願明細書において使用する用語は、具体的な実施例を説明する目的に過ぎず、本願を限定する旨ではない。本明細書で使用される用語「または/及び」は、1つまたは複数の関連する項目の任意及びすべての組み合わせを含む。
【0022】
図1は、従来技術の温度感知遮断器(TCO)の構成を模式的に示している。温度感知遮断器100は、第1中継片110と、遮断器120と、第2中継片130と、を含む。遮断器120は、第1中継片110と第2中継片130との間に接続され、且つ第1中継片110を介して電池セルと直列に接続されている。具体的には、第1中継片110は、電池セルのタブと結合するために用いられる。電池セルが過充電される過程において、第2中継片130の温度がより低いため、遮断器120から第2中継片130へ熱が伝わり、遮断器120の温度が低下することを招き、遮断器120の動作が遅延され、ひいては電池セルが更に充電されて過熱燃焼する。
【0023】
温度感知遮断器が適時に作動できない問題を解決するために、作動温度の低い温度感知遮断器を用い、電池セルが発熱する時に、温度感知遮断器が適時に作動することを保証することが一つの方法となる。しかし、作動温度の低い温度感知遮断器を用いることは、電池セルの大電流放電能力を制限したり、大電力放電モードで温度感知遮断器を作動させたりするので、電池セルが正常に作動できなくなり、設備がシャットダウンするなどの問題が発生する。もう一つの方法は、電解液を改善することにより電池システムの過充電性能を向上させることである。しかし、改善された電解液は、電池セルの電気化学的性質、例えば、電池セルの高温貯蔵性能などを悪化させる。
【0024】
図2は、本発明の実施例によるプロテクタの構成を示す図であり、プロテクタ200は、第1中継片210と、第1インピーダンス素子220と、第2中継片230と、第2インピーダンス素子240とを備える。第1インピーダンス素子220は、第1中継片210と第2中継片230とに結合されている。ここで、第1中継片210は、電池セルの第1タブと結合するために用いられる。第2インピーダンス素子240は、第1インピーダンス素子220と第2中継片230との間に接続されている。
【0025】
上記の技術態様によれば、第1インピーダンス素子220と第2中継片230との間に第2インピーダンス素子240が接続されることで、第1インピーダンス素子220から第2中継片230までの放熱経路が、第1インピーダンス素子220から第2インピーダンス素子240まで、さらに第2中継片230までと延長されるため、第1インピーダンス素子220から第2中継片230までの放熱距離が延長される。これと同時に、電池セルが過充電される過程において、第2インピーダンス素子240自体が熱を発生でき、第1インピーダンス素子220が外へ放熱することが抑制されるため、第1インピーダンス素子220の放熱速度は低下される。よって、本願のプロテクタは、電池セルに対して効果的な保護作用を奏するように適時に作動することができる。
【0026】
また、
図2に示すように、第1中継片210と第1インピーダンス素子220、第1インピーダンス素子220と第2インピーダンス素子240、及び第2インピーダンス素子240と第2中継片230との間は、レーザ溶接により接続されてもよい。いくつかの実施例において、第1中継片210と第1インピーダンス素子220、第1インピーダンス素子220と第2インピーダンス素子240、第2インピーダンス素子240と第2中継片230との間も、他の適切な方法で接続されてもよい。
【0027】
第2インピーダンス素子240は、PTC(Positive Temperature Coefficient,正温度係数)サーミスタ241を含んでもよい。PTCサーミスタは、温度感受性を有する半導体抵抗であり、一定の温度(キュリー温度)を超えると、温度の上昇に伴ってその抵抗値がステップアップする。このため、PTCサーミスタ241を第1インピーダンス素子220と第2中継片230との間に接続することにより、第1インピーダンス素子220から第2中継片230までの放熱距離を長くした一方で、PTCサーミスタ241自体が抵抗値を有しており、熱を発生し、第1インピーダンス素子220の外への放熱を抑制することができる。
【0028】
図3は、本実施例による第1インピーダンス素子220の構成を模式的に示している。第1インピーダンス素子220は、第1接続部材222、第2接続部材224、第1素子226及びバネ228を含んでいる。バネ228の温度が第1温度(例えば、所定の作動温度)より小さい場合には、第1接続部材222と第2接続部材224とが直接に電気的に接続される。例えば、第1接続部材222と第2接続部材224は、接点229により直接電気的に接続される。バネ228の温度が第1温度よりも大きい若しくは等しい場合には、第1接続部材222、第1素子226、バネ228及び第2接続部材224は直列回路を形成する。例えば、バネ228は、第1接続部材222と第2接続部材224とを直接接続するための接点229が切断されるように、変形される。また、バネ228は、第1接続部材222と第1素子226とバネ228と第2接続部材224とが直列回路をなすように、変形される。
【0029】
一実施例では、第1素子226が第1接続部材222とバネ228との間に位置し、バネ228が第1素子226と第2接続部材224との間に位置している。なお、第1インピーダンス素子220の第1接続部材222、第2接続部材224、第1素子226及びバネ228の配置形態を任意に適宜配置してもよく、本願はこれに限定されない。
【0030】
図3に示すように、第1素子226は、PTCサーミスタであってもよい。上述したように、一定の温度(キュリー温度)を超えると、温度の上昇に伴ってPTCサーミスタの抵抗値はステップアップする。従って、バネ228の温度が第1温度よりも大きい若しくは等しい場合に、第1接続部材222、第1素子226、バネ228及び第2接続部材224は直列回路を形成し、このとき、PTCサーミスタには大きな電流が流れ、PTCサーミスタの抵抗値は上昇し、第1接続部材222、第1素子226、バネ228及び第2接続部材224からなる直列回路に大きな抵抗が直列に接続されることに相当する。これにより、回路が遮断に近づき、温度の継続的な上昇を避けて、電池セルを保護する。
【0031】
図4は、本発明の実施例によるプロテクタの構成を示す概略図である。
図4に示すように、第2インピーダンス素子240は、電気抵抗242を含む。第1インピーダンス素子220と第2中継片230との間に電気抵抗242を接続することにより、第1インピーダンス素子220から第2中継片230までの放熱距離を長くすることができる。しかも、電気抵抗242自体が抵抗値を有し、熱を発生することができるので、第1インピーダンス素子220の外への放熱を抑制することができる。
【0032】
いくつかの実施例において、プロテクタ200は、少なくとも2つの第2インピーダンス素子240を含む。つまり、第2インピーダンス素子240の数は2つまたは2つ以上であることが可能である。
図5は、本発明の実施例によるプロテクタの構成を模式的に示している。
図5には、第2インピーダンス素子240の数が2つであり、2つの第2インピーダンス素子240が何れも電気抵抗242を有する様子が示されている。なお、具体的な応用により、第2インピーダンス素子240は他の任意の適切な要素であってもよく、第2インピーダンス素子240の数も他の任意の適切な数であってもよい。
【0033】
図6は、本発明の実施例によるプロテクタの構成を示す模式図である。
図6に示すように、第2インピーダンス素子240は、第1インピーダンス素子220と同じ素子であってもよい。一実施例において、第2インピーダンス素子240は、
図3に示す構造を有していてもよい。本実施例では、第1インピーダンス素子220の接続ピンと第2インピーダンス素子240の接続ピンとは、レーザ溶接を直接使用することができない金属(例えば、銅)であり、ニッケル(Ni)シートによって第1インピーダンス素子220と第2インピーダンス素子240とを接続することができる。第2インピーダンス素子240が第1インピーダンス素子220と同じ素子であるため、第2インピーダンス素子240は、第1インピーダンス素子220の放熱経路を延長させながら、電池セルと第2インピーダンス素子240との間の熱伝導を改善し、第1インピーダンス素子220の外への放熱を抑制することができる。
【0034】
いくつかの実施例において、第2インピーダンス素子240の抵抗値は、1mΩよりも大きい若しくは等しい且つ10mΩよりも小さい若しくは等しいである。具体的な応用によれば、第2インピーダンス素子240の抵抗値を適切に配置することができ、本願はこれに限定されない。
【0035】
以下、本発明のプロテクタによる作用効果について実施例により説明する。本願に係るプロテクタを電池セルに接続して過充電試験を行う。第2インピーダンス素子を有さない温度感知遮断器を備える電池セルを比較例1として、1C/10V過充電試験を行い、各実施例及び比較例1の過充電通過率を観察して記録する。各実施例と比較例1との過充電通過率の比較結果を表1に示す。
【0036】
[実施例1]
実施例1の電池セルは、
図6に示すプロテクタ200を用いている。ここで、第1インピーダンス素子220と第2インピーダンス素子240の抵抗値がいずれも3mΩであり、実施例1の電池セルについて1C/10V過充電試験を行った。
【0037】
[実施例2]
実施例2の電池セルは、
図2に示すプロテクタ200を用いている。ここで、PTCサーミスタ241の抵抗値が5mΩであり、実施例2の電池セルについて1C/10V過充電試験を行った。
【0038】
[実施例3]
実施例3の電池セルは、
図4に示すプロテクタ200を用いている。ここで、電気抵抗242の抵抗値が4mΩであり、実施例3の電池セルについて1C/10V過充電試験を行った。
【0039】
[実施例4]
実施例4の電池セルは、
図5に示すプロテクタ200を用いている。ここで、2つの電気抵抗242の抵抗値が何れも2mΩであり、実施例4の電池セルについて1C/10V過充電試験を行った。
【0040】
【0041】
表1に示す過充電試験の結果から、実施例1~実施例4の通過率は何れも10/10Passであり、比較例1の通過率である7/10Passよりも顕著に優れている。また、実施例1から実施例4のプロテクタの作動時における電池セルの表面温度も比較例1よりも低い。これは、本願が提供するプロテクタが電池セルの過充電試験過程においてより作動し易いこと(トリガー)を示す。換言すると、本願が提供するプロテクタは、電池セルの過充電試験過程において動作がより適時である。また、実施例1の第2インピーダンス素子は、第1インピーダンス素子の放熱経路の延長に有利であり、第2インピーダンス素子と電池セルとの間の熱伝導の改善に有利であるため、実施例1の電池セルの改善効果はより顕著である。
【0042】
図7に示すように、本願の他の一態様による電池セル700は、電池セル本体710と上記のプロテクタ200とを備え、電池セル本体710には第1タブ712が設けられ、第1タブ712はプロテクタ200の第1中継片210に結合されている。
図7には、
図2に示したプロテクタ200を電池セルが備えている様子を示しており、本願の電池セルは上述のいずれのプロテクタを含んでいても良いことが理解されるべきである。
【0043】
本発明のさらに別の態様には、上記の電池セルを含む電池が提供される。
【0044】
以上述べた内容は、本願の好適な実施例に過ぎず、本願をいかなる形態で制限されるものではなく、本願の好ましい実施例については既に上述のように開示されたが、上記の実施例は本願を限定するものではない。本技術分野に精通した技術者は、本出願の技術案から逸脱しない範囲で、上記開示の技術内容を利用して、若干の変更または修正を行って、等価な実施例を得ることができる。本願の技術案の主旨から逸脱していない限り、本願の技術的精神に基づいて上記の実施例に対して行ったいかなる簡単な修正、均等な変化及び修飾は、いずれも本願の技術案の範囲内に属される。