(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】レーザ加工システムのためのフレーム及び外側シュラウド
(51)【国際特許分類】
B23K 26/70 20140101AFI20240118BHJP
B23Q 1/01 20060101ALI20240118BHJP
B23Q 11/08 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B23K26/70
B23Q1/01 F
B23Q11/08 Z
(21)【出願番号】P 2021520929
(86)(22)【出願日】2019-10-15
(86)【国際出願番号】 US2019056216
(87)【国際公開番号】W WO2020081500
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-10-12
(32)【優先日】2018-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593141632
【氏名又は名称】エレクトロ サイエンティフィック インダストリーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】ニューフェルド,コーリー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリー,ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】ビルユー,ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】クローザー,ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ライダー,クリス
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-155167(JP,A)
【文献】特開昭60-114431(JP,A)
【文献】特開2011-255472(JP,A)
【文献】中国実用新案第204522064(CN,U)
【文献】米国特許第05626157(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0089880(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 11/08
B23K 26/70
B23Q 1/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ加工モジュールのためのフレームであって、
上面と下面とを有するプラットフォームと、
前記プラットフォームの前記上面から離間して前記プラットフォームの前記上面の上方に延びる光部品ブリッジと、
前記プラットフォームと前記光部品ブリッジとの間に配置され、前記プラットフォーム及び前記光部品ブリッジに連結されるブリッジサポートと
を備え、
前記プラットフォームと前記光部品ブリッジとからなる群から選択される少なくとも1つは、サンドイッチパネルを含み、
前記サンドイッチパネルは、
第1のプレートと、
第2のプレートと、
前記サンドイッチパネルの内部で前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に配置されるコアであって、前記第1のプレートと前記第2のプレートとが前記コアにより互いに間接的に取り付けられるコアと、
前記サンドイッチパネルの内部で前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に延びる少なくとも1つのチャネルと、
前記サンドイッチパネルの外側に形成され、前記少なくとも1つのチャネルと流体的に接続される第1のポート又は開口と、
前記サンドイッチパネルの外側に形成され、前記少なくとも1つのチャネルと流体的に接続される第2のポート又は開口と
を含む、フレーム。
【請求項2】
前記コアは少なくとも1つのプレートを含む、請求項1に記載のフレーム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのチャネルはチューブを含み、前記チューブは、前記サンドイッチパネルの内部と流体的に接続されないように前記第1のポート又は開口から前記第2のポート又は開口に延びる、請求項1に記載のフレーム。
【請求項4】
前記プラットフォームは、前記サンドイッチパネルを含み、前記サンドイッチパネルは、前記第1のプレートから前記第2のプレートに延びる外側壁をさらに含み、
前記第1のポート又は開口は前記第1のプレートに位置しており、前記第2のポート又は開口は前記外側壁に位置している、
請求項3に記載のフレーム。
【請求項5】
前記光部品ブリッジは、光部品テーブルと光部品壁とを含み、前記光部品テーブルにより規定される面は、前記光部品壁により規定される面とは平行ではなく、
前記光部品ブリッジは、前記サンドイッチパネルを含み、前記第1のプレートから前記第2のプレートに延びる外側壁をさらに含み、
前記第1のポート又は開口は前記第1のプレートに位置し、前記第2のポート又は開口は前記外側壁に位置する、
請求項3に記載のフレーム。
【請求項6】
前記光部品テーブルは、前記第2のプレートから形成される、請求項5に記載のフレーム。
【請求項7】
前記光部品壁は、前記第2のプレートから形成される、請求項6に記載のフレーム。
【請求項8】
前記光部品ブリッジは前記サンドイッチパネルを含み、
前記フレームは、
前記光部品ブリッジの外部のチューブであって、前記サンドイッチパネルの内部と流体的に接続されるチューブ
をさらに備える、
請求項1に記載のフレーム。
【請求項9】
前記チューブは、前記ブリッジサポート内に一体化される、請求項8に記載のフレーム。
【請求項10】
少なくとも1つのパージ出口を有するパージシステムと、前記少なくとも1つのパージ出口に流体を移送することが可能な少なくとも1つのパージチューブとをさらに備え、
前記ブリッジサポートは前記サンドイッチパネルを含み、
前記少なくとも1つのパージチューブは、前記ブリッジサポート内に一体化される、
請求項1に記載のフレーム。
【請求項11】
少なくとも1つのパージ出口を有するパージシステムと、前記少なくとも1つのパージ出口に流体を移送することが可能な少なくとも1つのパージチューブとをさらに備え、
前記ブリッジサポートは前記サンドイッチパネルを含み、
前記少なくとも1つのパージチューブは、前記光部品ブリッジを貫通して延びる、
請求項10に記載のフレーム。
【請求項12】
前記フレームは、花崗岩、輝緑岩、及びコンクリートからなる群から選択される材料を含まない、請求項1に記載のフレーム。
【請求項13】
ワークピースを加工するためのレーザ加工モジュールであって、
請求項1から12のいずれか一項に記載されたフレームと、
レーザエネルギービームを生成可能であるレーザ源であって、前記光部品ブリッジにより支持されるレーザ源と、
前記フレームの前記プラットフォームにより支持される運動ステージと
を備え、
前記運動ステージは、前記ワークピースを前記プラットフォームに対して移動するように構成される、
レーザ加工モジュール。
【請求項14】
前記レーザは、二酸化炭素レーザである、請求項13に記載のモジュール。
【請求項15】
前記二酸化炭素レーザは、200W以上の平均パワーを有するレーザ
エネルギービームを生成可能である、請求項14に記載のモジュール。
【請求項16】
前記光部品ブリッジに取り付けられたシュラウドドアをさらに備え、
前記シュラウドドア及び前記光部品ブリッジは、内部に前記レーザ源を支持可能な光学部品ベイを部分的に規定し、
前記シュラウドドアは開閉が可能であり、
前記シュラウドドアと第2のドアが開き、前記フレームが面上に支持されているときに、前記レーザ源は前記面上に立っているユーザに対してアクセス可能となっている、
請求項15に記載のモジュール。
【請求項17】
前記レーザは紫外線レーザである、請求項13に記載のモジュール。
【請求項18】
前記フレームは、請求項5から7のいずれか一項に記載されたものであり、
前記レーザ源は、前記光部品ブリッジの前記光
部品テーブルにより支持され、
前記モジュールは、
前記ワークピースに対して前記レーザエネルギービームを移動可能なポジショナであって、前記光部品ブリッジの前記光部品壁によって支持されるポジショナ
をさらに備える、
請求項13に記載のモジュール。
【請求項19】
前記フレームは、請求項5から7のいずれか一項に記載されたものであり、
前記光部品ブリッジは、前記光部品壁と反対側にプロセス壁と、前記プロセス壁から前記光部品壁まで前記光部品ブリッジを貫通する光部品ポートとをさらに備え、
前記モジュールは、
前記プロセス壁により支持される少なくとも1つの光学要素
をさらに備える、
請求項13に記載のモジュール。
【請求項20】
前記光部品ブリッジ及び前記プラットフォームに取り付けられたシュラウドと、
前記シュラウドに取り付けられた第1のドアシュラウドと、
前記第1のドアシュラウドに揃えられ、前記プラットフォームの下方の位置で前記フレームに取り付けられた第2のドアシュラウドと
をさらに備え、
前記シュラウド、第1のドアシュラウド、前記光部品ブリッジ、及び前記プラットフォームは、加工中に内部に前記ワークピースを支持可能なプロセスベイを規定し、
前記第1のドアシュラウド及び前記第2のドアシュラウドは開閉が可能であり、
前記第1のドアシュラウド及び前記第2のドアシュラウドが開いているときに、前記少なくとも1つの光学要素はユーザに対してアクセス可能となっている、
請求項19に記載のモジュール。
【請求項21】
前記少なくとも1つのプレートは、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間の前記サンドイッチパネルの内部に空気が流れやすくなるように構成される、請求項3に記載のフレーム。
【請求項22】
前記第1のポート又は開口は、前記第1のプレートに形成され、
前記サンドイッチパネルの内部は、前記
第1のポート又は開口及び前記第2のポート又は開口の少なくとも
一方を通じて前記プラットフォームの外部の領域と流体的に連通される、
請求項1に記載のフレーム。
【請求項23】
プラットフォームと、
前記プラットフォームから離間する光部品ブリッジと、
前記プラットフォームと前記光部品ブリッジとの間に配置され、前記プラットフォーム及び前記光部品ブリッジに連結されるブリッジサポートと
を備え、
前記プラットフォーム及び前記光部品ブリッジからなる群から選択される少なくとも1つは、サンドイッチパネルを含み、
前記サンドイッチパネルは、
第1のプレートと、
第2のプレートと、
前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に配置される複数の
補強材と
を含み、
前記第1のプレートと前記第2のプレートとは互いに前記複数の補強材により間接的に取り付けられ、
前記複数の補強材は、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間の前記サンドイッチパネルの内部に空気が流れやすくなるように構成される、
レーザ加工モジュール。
【請求項24】
前記複数の補強材は、第1の方向に延びる第1のグループの補強材を含む、請求項23に記載のレーザ加工モジュール。
【請求項25】
前記第1のグループの補強材は、前記第1の
方向に垂直な第2の方向に沿って不規則な間隔で互いにオフセットされる、請求項24に記載のレーザ加工モジュール。
【請求項26】
前記複数の補強材は、前記第1の方向とは異なる第2の方向に延びる第2のグループの補強材を含む、請求項24に記載のレーザ加工モジュール。
【請求項27】
前記第2の方向は前記第1の方向に対して垂直である、請求項26に記載のレーザ加工モジュール。
【請求項28】
前記複数の補強材は、第1の方向に延びる第1のグループの補強材を含み、前記第1のグループの補強材中の少なくとも2つの補強材は異なる長さを有する、請求項23に記載のレーザ加工モジュール。
【請求項29】
前記光部品ブリッジは、前記サンドイッチパネルを含み、
前記レーザ加工モジュールは、前記光部品ブリッジにより支持されるレーザ源をさらに含む、
請求項23に記載のレーザ加工モジュール。
【請求項30】
前記光部品ブリッジは、前記サンドイッチパネルを含み、
前記レーザ加工モジュールは、前記光部品ブリッジにより支持される少なくとも1つの光コンポーネントをさらに含み、
前記少なくとも1つの光コンポーネントは、レーザエネルギービームを修正可能である、
請求項23に記載のレーザ加工モジュール。
【請求項31】
前記プラットフォームは、前記サンドイッチパネルを含み、
前記レーザ加工モジュールは、前記プラットフォームに対してワークピースを移動可能な運動ステージをさらに含む、
請求項23に記載のレーザ加工モジュール。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2019年1月4日に提出された米国仮特許出願第62/788,216号及び2018年10月16日に提出された米国仮特許出願第62/746,364号の利益を主張するものであり、それぞれの米国仮特許出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景】
【0002】
I.技術分野
本発明の実施形態は、レーザ加工システムのような加工システムにおいて使用されるフレーム、シュラウド、信号通信、及び関連する側面に関係している。
【0003】
II.関連技術の説明
レーザ加工システムは、数え切れない程の様々な面から加工を制御し、これに影響を与えるために様々なガスを用いている。基板を保持するため、デブリを収集するため、部品を移動するため、熱を除去するため、温度を安定化させるためなどに様々なガスを用いることがよくある。これらのガスの取り回し及び利用は、様々な問題及び困難を伴うものであり得る。標準的なパイプ、チューブ、及びホースを用いることは、面倒で、散らかりやすく、困難であることが多い。構造的要素上に大量の空気流を通過させることは、プロセス及び構造的安定性に与える影響が限定的になり得る。以下の本開示で述べられている例示の実施形態が開発されたのは従来のこれらの制限及び他の制限に鑑みたからである。
【概要】
【0004】
本明細書で述べられる一実施形態は、上面と下面とを有するプラットフォームと、上記プラットフォームの上記上面から離間して上記プラットフォームの上記上面の上方に延びる光部品ブリッジと、上記プラットフォームと上記光部品ブリッジとの間に配置され、上記プラットフォーム及び上記光部品ブリッジに連結されるブリッジサポートとを含むものとして特徴付けることができる、レーザ加工モジュールのためのフレームとして特徴付けることができる。上記プラットフォームと上記光部品ブリッジとからなる群から選択される少なくとも1つは、サンドイッチパネルを含んでいる。上記サンドイッチパネルは、第1のプレートと、第2のプレートと、上記第1のプレートと上記第2のプレートとの間に配置されるコアとを含み得る。上記第1のプレートと上記第2のプレートとが上記コアにより互いに間接的に取り付けられ、上記コアは、上記第1のプレートと上記第2のプレートとの間に延びる少なくとも1つのチャネルを規定し得る。また、上記サンドイッチパネルは、上記サンドイッチパネルの外側に形成され、上記少なくとも1つのチャネルと流体的に接続される第1のポートと、上記サンドイッチパネルの外側に形成され、上記少なくとも1つのチャネルと流体的に接続される第2のポートとを含み得る。
【0005】
本明細書で述べられる他の実施形態は、ワークピースを加工するためのレーザ加工モジュールであって、(例えば、上記で、あるいは本明細書のいずれかの箇所で述べられたような)フレームと、上記光部品ブリッジにより支持されるレーザ源とを備えたレーザ加工モジュールとして特徴付けることができる。この場合において、上記ワークピースは、上記プラットフォーム上に支持可能である。
【0006】
本明細書で述べられるさらに他の実施形態は、システムフレームと、上記システムフレームにより支持されるレーザ源とを備えるレーザ加工モジュールとして特徴付けることができる。この場合において、上記システムフレームは、その間に配置されたコアによって互いに間接的に取り付けられる2つのプレートを含む少なくとも1つのサンドイッチパネルを含み得る。
【0007】
本明細書で述べられるさらに他の実施形態は、200W以上の平均パワーを有するレーザビームを生成可能な二酸化炭素レーザと、フレームとを備えるレーザ加工モジュールとして特徴付けることができる。この場合において、上記レーザは、上記フレームによって支持され、上記フレームは、花崗岩、輝緑岩、及びコンクリートからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含まない。
【0008】
本明細書で述べられるさらに他の実施形態は、200W以上の平均パワーを有するレーザビームを生成可能な二酸化炭素レーザと、フレームとを備えるレーザ加工モジュールとして特徴付けることができる。この場合において、上記レーザは、上記フレームにより支持され、上記フレームは、3つ以下の支持パッドにより外面上に支持される。
【0009】
本明細書で述べられるさらに他の実施形態は、フレームと、上記フレームにより支持され、プロセスベイ内でワークピースを支持するように構成されるチャックと、上記ワークピースを加工するように構成されたレーザビームを生成可能なレーザと、光を出射可能な少なくとも1つの発光素子を含む視覚信号処理システム(例えば、上記視覚信号処理システムは、上記プロセスベイに露出している少なくとも1つの対象物に上記光を照射可能である)と、上記視覚信号処理システムと通信可能に連結されたコントローラとを備えるレーザ加工モジュールとして特徴付けることができる。この場合において、上記コントローラは、上記レーザ加工モジュールの機能的状態、上記レーザ加工モジュール内で加工されるワークピースの種類、加工中に上記ワークピース内又は上記ワークピース上に形成されるフィーチャのパターン、生産運転の状態、上記レーザ加工モジュールのスループット、ワークピースの加工中のサイクル時間、及びタクトタイムからなる群から選択される少なくとも1つに応じて、上記光の少なくとも1つの特性を変化させるように上記視覚信号処理システムを制御可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施形態におけるレーザ加工モジュールの前方斜視図である。
【
図2-3】
図2及び
図3は、それぞれ
図1に示されるレーザ加工モジュールの前方斜視図及び側面図であり、レーザ加工モジュールの内部にユーザがアクセスできるようにシュラウドが構成されている。
【
図4-5】
図4及び
図5は、それぞれ一実施形態による
図1に示されるレーザ加工モジュールにおけるシステムフレームの前方斜視図及び後方斜視図である。
【
図6】
図6は、システムフレームのプラットフォームの下方に位置する平面で切断したときの
図4及び
図5に示されるシステムフレームのベースの断面斜視図であり、一実施形態におけるサポートの配置を図示するものである。
【
図7】
図7は、一実施形態における
図4及び
図5に示されるシステムフレームのベースの底面斜視図である。
【
図8】
図8は、
図5に示されるような一実施形態における電子排気システムの拡大後方斜視図である。
【
図9】
図9は、
図16に示されるような一実施形態における電子排気システムの拡大後方斜視図であり、内部の補強材を明らかにするために外側プレートの図示は省略されている。
【
図10】
図10は、
図4及び
図5に示される一実施形態におけるシステムフレームのプラットフォームの拡大斜視図であり、内部の補強材を明らかにするために外側プレートの図示は省略されている。
【
図11】
図11は、
図4及び
図5に示される一実施形態におけるシステムフレームのプラットフォームに一体化された真空接続システムの拡大斜視図である。
【
図12】
図12は、
図4及び
図5に示される一実施形態におけるシステムフレームの光部品ブリッジの斜視図であり、内部の補強材を明らかにするために外側プレートの図示は省略されている。
【
図13-14】
図13及び
図14は、
図4及び
図5に示されるシステムフレームの光部品ブリッジ及びプラットフォームと交差する異なる平面で切断した断面斜視図である。
【
図15】
図15は、流体(例えば、1以上のガスとワークピースの加工中に生成されたデブリとを含む)を移送可能な経路を描いた破線とともに光部品ブリッジの下面の拡大斜視図である。
【
図16】
図16は、
図12に示されるような一実施形態における光学部品ベイのパージシステムの拡大斜視図である。
【
図17】
図17は、
図12及び
図16に示されるパージシステムの斜視図であり、一実施形態におけるパージシステムを
図4及び
図5に示されるシステムフレームの壁に形成された入口に流体的に接続する管を強調して示すものである。
図17においては、システムフレーム内の構成を示すためにパージ接続チューブが強調されている。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0011】
以下、添付図面を参照しつつ実施形態の例を説明する。明示的に述べている場合を除き、図面においては、構成要素、特徴、要素などのサイズや位置などやそれらの間の距離は、必ずしも縮尺通りではなく、また理解しやすいように誇張されている。図面を通して同様の数字は同様の要素を意味している。このため、同一又は類似の数字は、対応する図面で言及又は説明されていない場合であっても、他の図面を参照して述べられることがある。また、参照番号の付されていない要素であっても、他の図面を参照して述べられることがある。
【0012】
明細書において使用される用語は、特定の例示的な実施形態を説明するためだけのものであり、限定を意図しているものではない。特に定義されている場合を除き、本明細書において使用される(技術的用語及び科学的用語を含む)すべての用語は、当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で使用される場合には、内容が明確にそうではないことを示している場合を除き、単数形は複数形を含むことを意図している。さらに、「備える」及び/又は「備えている」という用語は、本明細書で使用されている場合には、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するものであるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそのグループの存在又は追加を排除するものではないことを理解すべきである。特に示している場合を除き、値の範囲が記載されているときは、その範囲は、その範囲の上限と下限の間にあるサブレンジだけではなく、その上限及び下限を含むものである。特に示している場合を除き、「第1」や「第2」などの用語は、要素を互いに区別するために使用されているだけである。例えば、あるノードを「第1のノード」と呼ぶことができ、同様に別のノードを「第2のノード」と呼ぶことができ、あるいはこれと逆にすることもできる。
【0013】
特に示されている場合を除き、「約」や「その前後」、「およそ」などは、量、サイズ、配合、パラメータ、及び他の数量及び特性が、正確ではなく、また正確である必要がなく、必要に応じて、あるいは許容誤差、換算係数、端数計算、測定誤差など、及び当業者に知られている他のファクタを反映して、概数であってもよく、さらに/あるいは大きくても小さくてもよいことを意味している。本明細書において、「下方」、「下」、「下側」、「上方」、及び「上側」などの空間的に相対的な用語は、図に示されるような、ある要素又は特徴の他の要素又は特徴に対する関係を述べる際に説明を容易にするために使用され得るものである。空間的に相対的な用語は、図において示されている方位に加えて異なる方位を含むことを意図するものであることは理解すべきである。例えば、他の要素又は特徴の「下方」又は「下」にあるとして説明される要素は、図中の対象物が反転した場合には、他の要素又は特徴の「上方」を向くことになる。このように、「下方」という例示的な用語は、上方及び下方の方位の双方を含み得るものである。対象物が他の方位を向く場合(例えば90度回転される場合や他の方位にある場合)には、本明細書において使用される空間的に相対的な記述子はこれに応じて解釈され得る。
【0014】
本明細書において使用されるセクション見出しは、特に言及している場合を除いて、整理のためだけのものであり、述べられた主題を限定するものと解釈すべきではない。本開示の精神及び教示を逸脱することなく、多くの異なる形態、実施形態及び組み合わせが考えられ、本開示を本明細書で述べた実施形態の例に限定して解釈すべきではないことは理解できよう。むしろ、これらの例及び実施形態は、本開示が完全かつすべてを含むものであって、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように提供されるものである。
【0015】
I.概要
本明細書で述べられる実施形態は、概して、ワークピースを加工し、変化させ、あるいは加工することが可能なレーザ加工システムのためのフレーム、外側シュラウド、視覚的状態表示器、及びそれらの構成要素に関するものである。一般的に、ワークピースにレーザエネルギービームを照射して、ワークピースを形成している1以上の材料の1以上の特性又は性質(例えば、化学的組成、原子構造、イオン構造、分子構造、電子構造、微細構造、ナノ構造、密度、粘性、屈折率、透磁率、比誘電率、テクスチャ、色、硬さ、電磁放射に対する透過率など、又はこれらを任意に組み合わせたもの)を加熱し、溶融し、蒸発させ、アブレートし、クラックを生じさせ、脱色し、研磨し、粗くし、炭化し、発泡させ、あるいは改質することにより、ワークピースを全体にわたって、あるいは部分的に加工することができる。加工は、ワークピースの外部で行われてもよいし、あるいは、完全にワークピースの内部で行われてもよい。
【0016】
開示されたレーザ加工用装置により行うことができるプロセスの具体例としては、ビアのドリル加工又は他の孔の形成、カッティング、打ち抜き、溶接、スクライビング、彫刻、マーキング(例えば、表面マーキング、サブ表面マーキングなど)、レーザ誘起フォワード転送、洗浄、漂白、高輝度ピクセルの修復(例えば、カラーフィルタ暗化、OLED材料の改質など)、膜除去、表面テクスチャリング(例えば、粗くする、滑らかにするなど)、又はこれに類似するもの、あるいはこれらを任意に組み合わせたものが挙げられる。このように、加工の結果として、ワークピース上に、あるいはワークピース内に形成され得る1以上のフィーチャは、開口、スロット、ビア又は他の孔、溝、トレンチ、スクライブライン、切溝、凹部、導電トレース、オーム接触、抵抗パターン、人間が読み取ることができる又は機械により読み取ることができる印(例えば、視覚的に又はテクスチャにおいて区別できる1以上の特性を有するワークピース内又はそのようなワークピース上の1以上の領域を備える)、又はこれに類似するもの、あるいはこれらを任意に組み合わせたものを含み得る。開口、スロット、ビア、孔などのフィーチャは、上面視において任意の好適な又は望ましい形状(例えば、円形、楕円形、正方形、矩形、三角形、管状、又はこれに類似するもの、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの)を有していてもよい。さらに、開口、スロット、ビア、孔などのフィーチャは、(例えば、いわゆる「貫通ビア」、「貫通孔」などを形成するように)ワークピースを完全に貫通して延びていてもよいし、あるいは(いわゆる「非貫通ビア」、「非貫通孔」などを形成するように)ワークピース内を部分的にのみ延びていてもよい。
【0017】
加工され得るワークピースは、1以上の金属、ポリマー、セラミック、複合物、又はこれらを任意に組み合わせたもの(例えば、合金であるか、化合物であるか、混合物であるか、溶液であるか、複合物であるかなどを問わない)から形成されるものとして総称して特徴付けることができる。したがって、加工され得る材料には、Al、Ag、Au、Cr、Cu、Fe、In、Mg、Mo、Ni、Pt、Sn、Tiなど、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの(例えば、合金であるか、複合物であるかなどを問わない)などの1以上の金属、導電性金属酸化物(例えばITOなど)、透明な導電性ポリマー、セラミック、ワックス、樹脂、層間誘電体材料(例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素など、メチルシルセスキオキサン(MSQ)、水素シルセスキオキサン(HSQ)、フッ化オルトケイ酸テトラエチル(FTEOS)など、あるいはこれらを任意に組み合わせたもののようなlow-k誘電体材料)、有機誘電体材料(例えば、SILK、ベンゾシクロブテン、Nautilus(いずれもDow社により製造される)、ポリフルオロテトラエチレン(DuPont社により製造される)、FLARE(Allied Chemical社により製造される)など、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの)、半導体又は光学素子基板材料(例えば、Al2O3、AlN、BeO、Cu、GaAS、GaN、Ge、InP、Si、SiO2、SiC、Si1-xGex(0.0001<x<0.9999)など、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの又は合金)、ガラス(例えば、溶融石英、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ナトリウムガラス、酸化鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、酸化ゲルマニウムガラス、アルミン酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス、カルコゲナイドガラス、アモルファス金属など、又はこれらの任意の組み合わせ)、サファイヤ、高分子材料(例えば、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアセタール、ポリカーボネート、改質ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレン、又はこれらの任意の化合物、複合物、又は合金)、革、紙、組立材(例えば、「ABF」としても知られる、味の素ビルドアップフィルムなど)、ソルダレジストなど、あるいはこれらの任意の複合物、積層体、又は他の組み合わせが含まれる。
【0018】
加工され得るワークピースの具体例としては、プリント回路基板(PCB)のパネル(本明細書においては「PCBパネル」ともいう)、PCB、PCB積層体(例えば、FR4、高Tgエポキシ、BT、ポリイミドなど、あるいはこれらの任意の組み合わせ)、PCB積層体プリプレグ、基板状PCB(SLP)、フレキシブルプリント回路(FPC)のパネル(本明細書においては「FPCパネル」ともいう)、FPC、FPC用ラミネート(「FPCラミネート」ともいう)、カバーレイフィルム、集積回路(IC)、IC基板、ICパッケージ(ICP)、発光ダイオード(LED)、LEDパッケージ、半導体ウェハ、電子又は光学デバイス基板、インターポーザ、リードフレーム、リードフレームブランク、ディスプレイ基板(例えば、TFT、カラーフィルタ、有機LED(OLED)アレイ、量子ドット(QD)LEDアレイなど、又はこれらを任意に組み合わせたものが形成された基板)、レンズ、ミラー、タービン翼、粉末、膜、箔、板、型(例えば、ワックスモールド、射出成形プロセスやインベストメント鋳造プロセス用の型など)、布地(織物、フェルトなど)、外科用器具、医療用インプラント、パッケージされた製品、靴、自転車、自動車、自動車部品又は航空部品(例えば、フレーム、ボディパネルなど)、器具(例えば、電子レンジ、オーブン、冷蔵庫など)、(例えば、腕時計、コンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ウェアラブル電子デバイスなど、あるいはこれらを任意に組み合わせたもののための)デバイスハウジングが挙げられる。
【0019】
一般的に、レーザ加工システムは、レーザエネルギービームを生成可能なレーザ源と、少なくとも1つのポジショナとを含んでいる。また、レーザ加工システムは、典型的には、レーザ源により生成されたレーザエネルギービームをワークピースに到達する前に集束し、拡大し、コリメートし、整形し、波長変換し、偏光し、フィルタし、分割し、結合し、クロップし、あるいは修正し、調整するなどのために使用される1以上の光学要素(例えば、高調波発生結晶、ビームエキスパンダ、ビーム整形器、アパーチャ、フィルタ、コリメータ、レンズ、ミラー、偏光器、波長板、回折光学素子、屈折光学素子、光シャッタ、プリズム、パルスゲーティング又はピッキング装置など、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの)を含んでいる。また、レーザ加工システムは、レーザ源や少なくとも1つのポジショナなどの動作をサポートする1以上の他の装置を含み得る。そのような他の装置の例としては、コントローラ、コンピュータ、チラー、ファン、センサ、真空装置などが挙げられる。
【0020】
レーザ源により出力されるレーザエネルギービームは、電磁スペクトルの紫外光域(UV)、可視光域又は赤外光域(IR)の1以上の波長を有することができる。電磁スペクトルのUV範囲にあるレーザ光は、100nm、121nm、124nm、157nm、200nm、334nm、337nm、351nm、380nmなど、あるいはこれらの値のいずれかの間の波長のような、10nm(又はその前後)から385nm(又はその前後)の範囲にある1以上の波長を有していてもよい。電磁スペクトルの可視緑色光域のレーザ光は、511nm、515nm、530nm、532nm、543nm、568nmなど、あるいはこれらの値のいずれかの間の波長のような、500nm(又はその前後)から560nm(又はその前後)の範囲にある1以上の波長を有していてもよい。電磁スペクトルのIR域のレーザ光は、600nmから1000nm、752.5nm、780nmから1060nm、799.3nm、980nm、1047nm、1053nm、1060nm、1064nm、1080nm、1090nm、1152nm、1150nmから1350nm、1540nm、2.6μmから4μm、4.8μmから8.3μm、9.4μm、10.6μmなど、あるいはこれらの値のいずれかの間の波長のような、750nm(又はその前後)から15μm(又はその前後)の範囲にある1以上の波長を有していてもよい。
【0021】
レーザ源により出力されるレーザエネルギービームは、任意的に、10fsから900msの範囲のパルス幅(すなわち、時間に対するパルス中の光パワーの半値全幅(FWHM)に基づく)を有する一連のレーザパルスとして表すことができる。しかしながら、パルス持続時間を10fsよりも短くしてもよく、あるいは900msよりも長くしてもよいことは理解できよう。このように、レーザ源により出力される少なくとも1つのレーザパルスは、10fs、15fs、30fs、50fs、100fs、150fs、200fs、300fs、500fs、600fs、750fs、800fs、850fs、900fs、950fs、1ps、2ps、3ps、4ps、5ps、7ps、10ps、15ps、25ps、50ps、75ps、100ps、200ps、500ps、1ns、1.5ns、2ns、5ns、10ns、20ns、50ns、100ns、200ns、400ns、800ns、1000ns、2μs、5μs、10μs、15μs、20μs、25μs、30μs、40μs、50μs、100μs、300μs、500μs、900μs、1ms、2ms、5ms、10ms、20ms、50ms、100ms、300ms、500ms、900ms、1sなど、あるいはこれらの値のいずれかの間の値より短いパルス持続時間、これよりも長いパルス持続時間、あるいはこれと等しいパルス持続時間を有することができる。
【0022】
レーザ源により出力されるレーザエネルギービームは、5mWから50kWの範囲にある平均パワーを有することができる。しかしながら、平均パワーを5mWよりも低くしてもよく、あるいは50kWよりも高くしてもよいことは理解できよう。このように、レーザ源により出力されるレーザエネルギービームは、5mW、10mW、15mW、20mW、25mW、50mW、75mW、100mW、300mW、500mW、800mW、1W、2W、3W、4W、5W、6W、7W、10W、15W、18W、25W、30W、50W、60W、100W、150W、200W、250W、500W、2kW、3kW、20kW、50kWなど、あるいはこれらの値のいずれかの間の値よりも低い平均パワー、これよりも高い平均パワー、あるいはこれと等しい平均パワーを有することができる。
【0023】
レーザエネルギービームが一連のレーザパルスとして表される場合、レーザエネルギービームは、5kHzから5GHzの範囲にあるパルス繰り返し率でレーザ源により出力され得る。しかしながら、パルス繰り返し率は、5kHzよりも低くてもよく、あるいは5GHzよりも高くてもよいことは理解できよう。このように、5kHz、50kHz、100kHz、175kHz、225kHz、250kHz、275kHz、500kHz、800kHz、900kHz、1MHz、1.5MHz、1.8MHz、1.9MHz、2MHz、2.5MHz、3MHz、4MHz、5MHz、10MHz、20MHz、50MHz、60MHz、100MHz、150MHz、200MHz、250MHz、300MHz、350MHz、500MHz、550MHz、600MHz、900MHz、2GHz、10GHzなど、あるいはこれらの値のいずれかの間の値よりも低いパルス繰り返し率、これよりも高いパルス繰り返し率、あるいはこれと等しいパルス繰り返し率でレーザ源によりレーザパルスを出力することができる。
【0024】
波長、パルス持続時間、平均パワー、及びパルス繰り返し率に加えて、ワークピースに照射されるレーザパルスは、パルスエネルギー、ピークパワーなどの1以上の他の特性により特徴付けることができる。そのような特性は、(例えば、1以上の所望の特性を有する1以上のフィーチャを形成するために)ワークピースを加工するのに十分な光強度(W/cm2で測定される)やフルエンス(J/cm2で測定される)などでワークピースのプロセススポットを照射するために(例えば、必要に応じて波長、パルス持続時間、平均パワー、パルス繰り返し率などの1以上の他の特性に基づいて)選択することができる。
【0025】
レーザ源を特徴付け得るレーザの種類の例としては、ガスレーザ(例えば、二酸化炭素レーザ、一酸化炭素レーザ、エキシマレーザなど)、固体レーザ(例えば、Nd:YAGレーザなど)、ロッドレーザ、ファイバレーザ、フォトニック結晶ロッド/ファイバレーザ、パッシブモードロック固体バルク又はファイバレーザ、色素レーザ、モードロックダイオードレーザ、パルスレーザ(例えば、msパルスレーザ、nsパルスレーザ、psパルスレーザ、fsパルスレーザ)、CWレーザ、QCWレーザなど、あるいはこれらを任意に組み合わせたものが挙げられる。構成によっては、ガスレーザ(例えば、一酸化炭素レーザ、二酸化炭素レーザなど)は、1以上のモード(例えば、CWモード、QCWモード、パルスモード、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの)で動作するように構成され得る。レーザ源として提供され得るレーザ源の具体例としては、EOLITE社により製造されるBOREAS、HEGOA、SIROCCO又はCHINOOKシリーズのレーザ、PYROPHOTONICS社により製造されるPYROFLEXシリーズのレーザ、COHERENT社により製造されるPALADIN Advanced 355又はDIAMONDシリーズ(例えば、DIAMOND Eシリーズ、Gシリーズ-、J-2シリーズ、J-3シリーズ、J-5シリーズ)、FLARE NXシリーズ、MATRIX QS DPSSシリーズ、MEPHISTO Qシリーズ、AVIA LXシリーズ、AVIA NXシリーズ、RAPID NXシリーズ、HYPERRAPID NXシリーズ、RAPIDシリーズ、HELIOSシリーズ、FIDELITYシリーズ、MONACOシリーズ、OPERAシリーズ、又はRAPID FXシリーズのレーザ、SPECTRA PHYSICS社により製造されるPALADIN Advanced 355シリーズ、DIAMONDシリーズ(例えば、DIAMOND Eシリーズ、Gシリーズ-、J-2シリーズ、J-3シリーズ、J-5シリーズ)、ASCENDシリーズ、EXCELSIORシリーズ、EXPLORERシリーズ、HIPPOシリーズ、NAVIGATORシリーズ、QUATA-RAYシリーズ、QUASARシリーズ、SPIRITシリーズ、TALONシリーズ、又はVGENシリーズのレーザ、SYNRAD社により製造されるPULSTARシリーズ又はFIRESTARシリーズのレーザ、いずれもTRUMPF社により製造されるTRUFLOWシリーズのレーザ(例えば、TRUFLOW 2000、2600、3000、3200、3600、4000、5000、6000、6000、8000、10000、12000、15000、20000)、TRUCOAXシリーズのレーザ(例えば、TRUCOAX 1000)又はTRUDISKシリーズ、TRUPULSEシリーズ、TRUDIODEシリーズ、TRUFIBERシリーズ、又はTRUMICROシリーズのレーザ、IMRA AMERICA社により製造されるFCPAμJEWEL又はFEMTOLITEシリーズのレーザ、AMPLITUDE SYSTEMES社により製造されるTANGERINE及びSATSUMAシリーズのレーザ(及びMIKAN及びT-PULSEシリーズの発振器)、IPG PHOTONICS社により製造されるCLシリーズ、CLPFシリーズ、CLPNシリーズ、CLPNTシリーズ、CLTシリーズ、ELMシリーズ、ELPFシリーズ、ELPNシリーズ、ELPPシリーズ、ELRシリーズ、ELSシリーズ、FLPNシリーズ、FLPNTシリーズ、FLTシリーズ、GLPFシリーズ、GLPNシリーズ、GLRシリーズ、HLPNシリーズ、HLPPシリーズ、RFLシリーズ、TLMシリーズ、TLPNシリーズ、TLRシリーズ、ULPNシリーズ、ULRシリーズ、VLMシリーズ、VLPNシリーズ、YLMシリーズ、YLPFシリーズ、YLPNシリーズ、YLPPシリーズ、YLRシリーズ、YLSシリーズ、FLPMシリーズ、FLPMTシリーズ、DLMシリーズ、BLMシリーズ、又はDLRシリーズのレーザ(例えば、GPLN-100-M、GPLN-500-QCW、GPLN-500-M、GPLN-500-R、GPLN-2000-Sなどを含む)、又はこれに類するもの、あるいはこれらを任意に組み合わせたもののような1以上のレーザ源が挙げられる。
【0026】
少なくとも1つのポジショナは、ワークピースに対してレーザエネルギービームを移動させることができるか(この場合には、少なくとも1つのポジショナは、1以上のガルバノメータミラー、ポリゴンスキャニングミラー、ファストステアリングミラー、音響光学偏向器、電気光学偏向器など、あるいはこれらを任意に組み合わせたものとして提供される)、あるいはレーザエネルギービームに対してワークピースを移動させることができるか(この場合には、少なくとも1つのポジショナは、1以上の直線運動ステージ、回転運動ステージなど、あるいはこれらを任意に組み合わせたものとして提供される)、あるいはこれらを任意に組み合わせたものである。
【0027】
レーザ源、光学要素、又はポジショナのいずれかが、ワークピース上又はワークピース内の特定の位置に(又は特定の位置から一定の範囲内に)レーザエネルギービームを正確かつ確実に照射できるというレーザ加工システムの能力に影響を与える限りにおいて、本明細書においてはそのような構成要素を総称して「プロセスコンポーネント」と呼ぶ。
【0028】
以下でより詳細に述べるように、レーザ加工システムは、レーザ源、少なくとも1つのポジショナ、及び上述した光学要素又は他のデバイスのいずれかを支持するためのシステムフレームを含んでいる。また、レーザ加工システムは、粒子状物質(ワークピースの加工中に生成されたものであるか、レーザ加工システムの外部の環境に存在しているものかを問わない)がレーザ源及び光学要素の光学表面上に蓄積することを最小限にするあるいは防止するための1以上のシュラウドを含み得る。また、1以上のシュラウドは、ワークピースの加工中に生成された粒子状物質(このような粒子状物質は潜在的に人間の健康に対して有害なものであり得る)がレーザ加工システムを取り囲む外部環境へ拡散することを防止するあるいは最小限にするのに役立ち得る。
【0029】
II.外側シュラウドに関する実施形態
概して
図1から
図3を参照すると、上述したレーザ加工システムは、レーザ加工モジュール100のようなレーザ加工モジュールを含み得る。図示はされていないが、レーザ加工モジュール100は、(例えば、上述した)レーザ源と、(例えば、上述した)少なくとも1つのポジショナと、(例えば、上述した)1以上の光学要素と、(例えば、上述した)1以上の他のデバイスとを含み得る。レーザ加工モジュール100は、レーザ源、少なくとも1つのポジショナ、及び上述した光学要素又は他のデバイスのいずれかを支持するためのシステムフレームを含んでいる(
図1及び
図3においてはその一部が示されているが、
図4から
図6においてより明確かつ完全に示されている)。また、レーザ加工モジュール100は、レーザ加工モジュール100の外観を(例えば少なくとも構造的に)規定する複数の外側シュラウドを含んでいる。外側シュラウドは、システムフレームに取り付けられ、あるいは互いに取り付けられ、あるいはこれらを組み合わせた形態で取り付けられていてもよい。
【0030】
外側シュラウドは、システムフレームに取り付けられたプロセスベイシュラウド102と、第1のシュラウド102に取り付けられた第1のドアシュラウド104と、システムフレームに取り付けられた複数の第2のドアシュラウド106と、システムフレームに取り付けられた複数の第3のドアシュラウド108と、システムフレームに取り付けられた光学部品ベイドアシュラウド110とを含み得る。1以上のユーザインタフェイスコンポーネントを外側シュラウドのいずれかに一体化してもよい。例えば、コンピュータモニタ101(例えば、ディスプレイスクリーン、タッチスクリーンなど)のようなユーザインタフェイスコンポーネントを第1のシュラウド102に一体化してユーザに情報を表示するようにしてもよい。また、第1のシュラウド102は、ユーザが(例えば、レーザ加工モジュール100によりサポートされる1以上の動作を制御するため、あるいはより一般的にはレーザ加工システムを制御するための)情報を入力できるようにキーボード、トラックパッド、コンピュータマウス、マイクロフォン、又は他のデバイスのようなユーザインタフェイスコンポーネントを提供するためのベイ103を含んでいてもよい。ユーザインタフェイスコンポーネントは、レーザ源、少なくとも1つのポジショナ、又は他のデバイス(例えば、1以上のチラー、ファン、センサ、真空装置など)の動作をサポートする1以上の他のデバイス(例えば、1以上のコントローラ、コンピュータなど)と通信可能に接続され得る。
【0031】
一般的に、プロセスベイシュラウド102は、システムフレームにより部分的に規定され、加工中にワークピースを支持することができる空間(本明細書では「プロセスベイ」とも呼ばれる)を取り囲んでいる。したがって、ワークピースが加工されているときは、プロセスベイ内にレーザエネルギーが存在することになる。図示された実施形態においては、プロセスベイシュラウド102は、その側面に形成された1以上のポート(例えばポート112)を含んでおり、このポートを通じてワークピースを(例えば、レーザ加工モジュール100に取り付けられた図示しないローダモジュールから)レーザ加工モジュール100にロードすることができ、あるいはワークピースをレーザ加工モジュール100から(例えば、レーザ加工モジュール100に取り付けられた図示しないアンローダモジュールに)アンロードすることができる。この場合において、ローダモジュールとアンローダモジュールは、レーザ加工システムの一部であると考えることができる。しかしながら、他の実施形態においては、プロセスベイシュラウド102は、そのようなポートのいずれも含んでおらず、このため、加工中にワークピースを支持することができる空間のすべての側部においてシステムフレームまで延びている。
【0032】
第1のドアシュラウド104は、例えば、
図1に示されている状態から
図2及び
図3に示されている状態に回転できるようにプロセスベイシュラウド102に取り付けられている。必要に応じて、第1のドアシュラウド104は、(例えば、人がプロセスベイを覗き込めるようにする)窓114を含み得る。当該技術分野において知られているようなレーザエネルギービームの波長で光の伝搬をフィルタあるいはブロックするように窓114が設けられていてもよい。複数の第2のドアシュラウド106は、例えば、
図1に示される状態から
図2及び
図3に示される状態に回転できるようにシステムフレームに取り付けられている。
【0033】
第1のドアシュラウド104及び複数の第2のドアシュラウド106が(例えば、
図2及び
図3に示されるような)「開」状態であるときには、人(例えば、操作者、技術者など)がプロセスベイにアクセスすることができる。プロセスベイにアクセスする際に、プロセスベイ内に配置された1以上の対象物の清浄、除去、置換、設置、位置合わせなどを行うことができる。プロセスベイ内に配置できる対象物の例としては、ワークピース、スキャンレンズ、ガルバノメータミラー、真空デブリ捕捉ノズル、チャック、運動ステージなどが挙げられる。以下でより詳細に述べるように、第1のドアシュラウド104及び複数の第2のドアシュラウド106が「開」状態であるときに、人が(例えば、
図2及び
図3に示されるように)プロセスベイに立ち入ることができるようにシステムフレームに凹部が形成されていてもよい。このように、システムフレームは、人が簡単にプロセスベイにアクセスしてプロセスベイ内に配置された1以上の対象物の清浄、除去、置換、設置、位置合わせなどを行うことができるようにしている。
【0034】
複数の第3のドアシュラウド108は、例えば、
図1に示される状態から
図2及び
図3に示される複数の第2のドアシュラウド106のいずれかの状態と同様の「開」状態に回転できるようにシステムフレームに取り付けられていてもよい。いずれかの第3のドアシュラウド108が開状態にあるときに、人(例えば、操作者、技術者など)がシステムフレーム内の電子ベイにアクセスすることができる。
電子ベイにアクセスする際に、電子ベイ内に配置された1以上の対象物の清浄、除去、置換、設置、位置合わせなどを行うことができる。電子ベイ内に配置できる対象物の例としては、1以上のコントローラ、コンピュータ、ポンプ、チラー、ファンなどが挙げられる。
【0035】
一般的に、光学部品ベイドアシュラウド110は、システムフレームにより部分的に規定され、レーザ源及び上述した光学要素のいずれかが収容される空間(本明細書では「光学部品ベイ」とも呼ばれる)を取り囲んでいる。光学部品ベイドアシュラウド110は、例えば、
図1に示される状態から
図2及び
図3に示される第1のドアシュラウド104の開状態と同様の「開」状態に回転できるようにシステムフレームに取り付けられている。光学部品ベイドアシュラウド110が開状態にあるときに、人(例えば、操作者、技術者など)が光学部品ベイにアクセスすることができる。プロセスベイにアクセスする際に、光学部品ベイ内に配置されたレーザ源や1以上の光学要素、他の対象物の清浄、除去、置換、設置、位置合わせなどを行うことができる。
【0036】
III.システムフレームに関する実施形態
一般的に、システムフレームは、レーザ源、少なくとも1つのポジショナ、上述した光学要素又は他のデバイスのうちいずれかを支持あるいは収容するように互いに連結された複数のサンドイッチパネルを含むものとして特徴付けることができる。本明細書で使用される場合には、「サンドイッチパネル」は、比較的薄くて強く、堅い1対のプレートが、これらのプレートの間に介在するコアにより互いに間接的に取り付けられた構造を意味する。一実施形態においては、プレートは、(例えば、鋼から形成され得る)シートメタルのような材料から形成される。コアは、一般的に、プレートに取り付けられる1以上のプレート、チューブなど(本明細書ではそれぞれを総称して「補強材」と呼ぶ)、あるいはこれらを任意に組み合わせたものとして提供される。一般的に、コアにおける補強材の寸法、機械的特性(例えば、弾性係数、引っ張り強さ、伸び、硬さ、及び疲労限度のうち1つ以上を含み得る)、個数、及び配置は、サンドイッチパネルのプレートがサンドイッチパネルのローディング中(例えば、機械的ローディング中、熱的ローディング中など)にそれらの相対位置を確実に維持できるように選択される。一実施形態においては、プレートと補強材は、(例えば、鋼から形成され得る)シートメタルのような材料から形成され、それぞれのプレートは、(例えば、溶接により、接着材を介して、あるいはこれに類するものにより、あるいはこれらを組み合わせることにより)補強材に取り付けられている。一実施形態においては、それぞれの補強材は、孔の空いた、あるいは孔の空いていないプレートとして形成され得る。
【0037】
システムフレームのサンドイッチパネルが適切に設計されている場合には、花崗岩、輝緑岩、コンクリート、鋼、木などのブロックとして従来形成されている大質量ベース、ガントリ又は他の支持部を使う必要なく、プロセスコンポーネントを外部の振動(すなわち、レーザ加工システムを取り巻く環境に存在する振動)と内部の振動(すなわち、例えば、少なくとも1つのポジショナの動作中などにレーザ加工モジュール100内で生成された振動)から少なくとも部分的に隔絶するのに役立ち得る。さらに、システムフレームのサンドイッチパネルが適切に設計されている場合には、管状ビームフレーム構造を使う必要なく、レーザ源、少なくとも1つのポジショナ、上述した光学要素又は他のデバイスのうちいずれかを支持するのに役立ち得る。
【0038】
さらに、以下でより詳細に述べるように、光学部品ベイのパージ、デブリ抽出、熱抽出、熱ローディング安定化、真空チャック動作、ホース及びケーブルの取り回しなど、あるいはこれらを任意に組み合わせたもののような1以上の機能を果たすためにシステムフレーム内に内部チャネルを形成することができる。
【0039】
図4及び
図5に例示的に示されているように、一実施形態においては、システムフレームは、ベース402とプラットフォーム404と光部品ブリッジ406とを含むシステムフレーム400として提供され得る。ベース402はプラットフォーム404を支持しており、プラットフォーム404は光部品ブリッジ406を支持している。また、
図4及び
図5には、プラットフォーム404に装着された運動ステージ401と、運動ステージ401に装着されたチャック403とが示されている。図示はされていないが、光部品ブリッジは、レーザ源、上述した光学要素のいずれか、ワークピースに対してレーザエネルギービームを移動させることが可能な上述したポジショナのいずれか、真空デブリ捕捉ノズルなど、あるいはこれらを任意に組み合わせたもののような1以上の対象物を支持又は収容し得る。
【0040】
図示された実施形態においては、運動ステージ401は、いわゆる「スタック型」運動ステージ(すなわち、1つの運動ステージが別の運動ステージ上に装着され、別の運動ステージによって搬送される運動ステージアセンブリ)である。運動ステージ401は、(例えば、プラットフォーム404の上面と平行な平面内で)2つの運動軸に沿ってチャック403を直線状に移動させるように構成される。しかしながら、他の実施形態においては、運動ステージ401は、単一の運動軸に沿ってチャック403を直線状に移動させ、あるいは、2つよりも多くの運動軸に沿って(例えば、直線状に、回転的に、あるいはこれらを任意に組み合わせて)チャックを移動させるように構成され得る。チャック403は、真空チャック、静電チャック、機械的チャック、磁力チャックなど、あるいはこれらを任意に組み合わせたものとして提供され得る。
【0041】
A.ベースに関する実施形態
例えば、
図4から
図9を参照すると、ベース402は、基礎パネル408と、複数のベースサポート410aと、複数のベースサポート410bと(包括的にベースサポート410という)を含んでいる。
【0042】
一般的に、基礎パネル408の外側側面は、複数の外側壁(例えば、前方外側壁412a、凹部外側壁412b、側方外側壁412c、及び後方外側壁412d)により規定される。凹部外側壁412bによって互いに横方向に離間されている前方外側壁412aの間の空間は、システムフレーム400の上述した凹部を規定するのに役立っており、これにより、上述したように人がプロセスベイに立ち入ることが可能となっている。
図5及び
図9に示されるように、後方外側壁412dには複数の開口414が形成されている。開口414は後方外側壁412dに形成されているものとして図示されているが、これに加えて、あるいはこれに代えて、上述した外側壁のうち1つ以上に1以上の開口414が形成されていてもよいことは理解できよう。
【0043】
基礎パネル408は、1対のプレート(例えば、第1の基礎プレート416aと第2の基礎プレート416b)と(例えば、
図9に示されるような複数の補強材416cとして提供される)コアとから形成されるサンドイッチパネルとして提供され得る。
図9に示されるように、補強材416cには孔(すなわち開口418)が形成されていてもよい。補強材416cにおける開口418のサイズ、個数、及び配置は、(基礎パネル408の内部において)第1の基礎プレート416aと第2の基礎プレート416bとの間の空間に空気が流れやすくなるように、あるいは、基礎パネル408の内部における異なる領域にケーブル又はホースを取り回しやすくなるように、あるいはこれに類するように、あるいはこれを組み合わせるように選択され得る。
【0044】
図8を参照すると、第1の基礎プレート416aに1以上の開口800を形成することにより、基礎パネル408の内部を基礎パネル408の外部の領域と流体的に接続してもよい。一実施形態においては、基礎パネル408の外側から内部に空気を取り込むように(例えば、開口800のうち1つ以上の近傍又はその内部に)1以上のファン(図示せず)を設けてもよい。また、補強材416cにおける開口418のサイズ、個数、及び配置は、空気が基礎パネル408の内部を通過し、開口414を介して基礎パネル408の内部から出ていくように(例えば、1以上のファンにより吸い込まれる)空気の流れを促進し得る。また、開口800が基礎パネル408の内部にどのように形成されているのかが
図9に示されている。
【0045】
図7を参照すると、システムフレーム400は、基礎パネル408の第2の基礎プレート416bに取り付けられた複数の支持パッド700を含み得る。上述したように、システムフレーム400のサンドイッチパネルは、花崗岩、輝緑岩、コンクリート、鋼、木などのブロックとして従来形成されている大質量ベース、ガントリ又は他の支持部を使う必要なく、プロセスコンポーネントを外部の振動と内部の振動から(少なくとも好適な程度又は利益のある程度に)好ましくは隔絶するのに役立ち得る。3つの支持パッド700だけでレーザ加工モジュール100を(例えば、製造設備の床又は他のプラットフォーム上で)好適に支持できるようにレーザ加工モジュール100のシステムフレーム400は十分に小さくて軽くて頑丈にすることができる。したがって、製造設備の床が十分に水平であるとすると、(支持パッド700がシステムフレーム400から均一の距離にあるとすると)レーザ加工モジュール100も水平になるか、あるいは、(例えば、1つの支持パッド700だけを調整することにより)直ぐに水平にすることができる。
【0046】
概して、ベースサポート410は、プラットフォーム404の基礎パネル408から延びている。任意の好適な又は望ましい方法でベースサポート410をプラットフォーム404の基礎パネル408に固定することができる(例えば、溶接、接着材、ネジ、リベット、クランプなど、又はこれらを任意に組み合わせたものにより固定する)。基礎パネル408、プラットフォーム404、及びベースサポート410の間の1以上の領域は、上述したように1以上のコントローラ、コンピュータ、ポンプ、チラー、ファンなどを収容可能な電子ベイとして使用することができる。
【0047】
例えば、
図4から
図6を参照すると、ベースサポート410は、複数のビーム410aと複数のプレート410bとを含み得る。ビーム410aは、基礎パネル408の周縁に沿って配置される管状ビームとして提供され得る。プレート410bは、(例えば、図示されるように)基礎パネル408の中央の領域内で基礎パネル408の周縁に沿って配置され得る。基礎パネル408からプラットフォーム404の間の異なる領域にわたって空気を流れやすくするため、あるいは、基礎パネル408からプラットフォーム404の間の異なる領域にわたってケーブル又はホースの取り回しをしやすくするため、あるいは、他の好適な又は望ましい目的のために、様々なサイズ及び形状の開口をプレート410bに形成してもよい。上記の説明にかかわらず、ベース402内のベースサポート410の個数、種類、及び配置は、図面に示されているものとは異なっていてもよく、好適な形で又は望ましい形で選択されてもよいことは理解できよう。
【0048】
図6に示されるように、ベース402は、ベースサポートの一部に(例えばビーム410aの一部に)取り付けられる複数のアタッチメント構造(例えばポスト)を含み得る。複数の第2のドアシュラウド106のそれぞれは、それぞれの第1のアタッチメント構造600に接続されていてもよい。同様に、複数の第3のドアシュラウド108のそれぞれは、それぞれの第2のアタッチメント構造602に接続されていてもよい。
【0049】
B.プラットフォームに関する実施形態
例えば、
図4、
図5、
図10、
図11、
図13、及び
図14を参照すると、プラットフォーム404は、1対のプレート(例えば、第1のプラットフォームプレート420aと第2のプラットフォームプレート420b)と(例えば、
図9に示されるような複数の補強材420cとして提供される)コアとから形成されるサンドイッチパネルとして提供され得る。
図10、
図13、及び
図14に示されるように、補強材420cには孔(すなわち開口422)が形成されていてもよい。補強材420cにおける開口422のサイズ、個数、及び配置は、(プラットフォーム404の内部において)第1のプラットフォームプレート420aと第2のプラットフォームプレート420bとの間の空間に空気が流れ易くなるように、あるいは、プラットフォーム404の内部における異なる領域にケーブル又はホースを取り回しやすくなるように、あるいはこれに類するように、あるいはこれを組み合わせるように選択され得る。
図10を参照すると、第1のプラットフォームプレート420aと第2のプラットフォームプレート420bとの間の補強材420cの配置、補強材420c内の開口422の個数、サイズ、及び配置、あるいはこれらを任意に組み合わせたものは、プラットフォーム404の内部の少なくとも大部分を空気が有利にあるいは好適に流れやすくなるように選択又は提供され得る。
【0050】
一般的に、プラットフォーム404の外側側面は、複数の外側壁(例えば、前方外側壁424a、凹部外側壁424b、側方外側壁424c、及び後方外側壁424d)により規定される。凹部外側壁424bによって互いに横方向に離間されている前方外側壁424aの間の空間は、システムフレーム400の上述した凹部を規定するのに役立っており、これにより、上述したように人がプロセスベイに立ち入ることが可能となっている。
図5及び
図9に示されるように、複数の開口414は後方外側壁412dに形成されている。開口414は後方外側壁412dに形成されているものとして示されているが、これに加えて、あるいはこれに代えて、上述した外側壁のうち1つ以上に1以上の開口414が形成されていてもよいことは理解できよう。
【0051】
図11を参照すると、プラットフォーム404は、(例えば、プラットフォーム404の内部に一体化された)チャック接続モジュールも含んでいてもよい。チャック接続モジュールは、(例えば、後方外側壁424dに形成された)第1の接続ポート1100と、(例えば、第1のプラットフォームプレート420aに形成された)1以上の第2の接続ポート1102を含み得る。チャック接続モジュールは、(例えば、プレナムからプラットフォーム404の内部に流体が移送されるのを防止するように)プラットフォーム404の内部の他の部分から封止されたプレナムを規定していてもよい。第1の接続ポート1100は、プレナムを介してそれぞれの第2の接続ポート1102と流体的に接続されている。チャック接続モジュールを通して、電気ケーブル又は真空ホースをケーブル又はホースの一端を好適にチャック(例えばチャック403)に接続できるように取り回してもよい。
【0052】
図13を参照すると、(例えば、図示されるように第1のプラットフォームプレート420a内、あるいは第2のプラットフォームプレート420b内、あるいはいずれかの外側壁424a、424b、424c又は424d、あるいはこれらを任意に組み合わせたものの)プラットフォーム404に1以上の開口1300(本明細書では「プラットフォーム開口」ともいう)を形成することにより、プラットフォーム404をプラットフォーム404の外部の領域と流体的に接続するようにしてもよい。以下により詳細に述べるように、流体(例えば、空気、窒素など)をプラットフォーム開口1300を通じてプラットフォーム404の内部に導入してもよく、あるいはプラットフォーム開口1300を通じてプラットフォーム404の内部から除去してもよく、あるいはこれらを組み合わせてもよい。
【0053】
C.光部品ブリッジに関する実施形態
例えば、
図4、
図5、
図12、及び
図14を参照すると、光部品ブリッジ406は、光部品テーブル500、光部品壁502、及びプロセス壁426を含んでいる。光部品ブリッジ406は、対向する1対のブリッジサポート116a及び116bによりプラットフォーム404上に取り付けられていてもよい。概して、ブリッジサポート116a及び116bは、本明細書では単に「ブリッジサポート116」という。概して、光部品テーブル500、光部品壁502、及びブリッジサポート116は、光学部品ベイドアシュラウド110とともに、上述した光学部品ベイを規定するのに役立つ。上述したプロセスベイシュラウド102は、(例えば、光部品壁502とプロセス壁426との間に延びる上側シェルフ428で、あるいはブリッジサポート116の外面で、あるいは支持部430の前面などで、あるいはこれらを組み合わせた場所で)光部品ブリッジ406においてシステムフレーム400に取り付けられていてもよい。同様に、光学部品ベイドアシュラウド110は、(例えば、光部品ブリッジ406の上側シェルフ428で)光部品ブリッジ406においてシステムフレーム400に取り付けられていてもよい。
【0054】
概して、光部品テーブル500、光部品壁502、又はこれらの組み合わせは、レーザ源を支持することができる。光部品壁502と必要に応じて光部品テーブル500とは、上述した光学要素のいずれか、あるいはワークピースに対してレーザエネルギービームを移動させることが可能な上述したポジショナのいずれか、あるいはこれに類するもの、あるいはこれらを任意に組み合わせたものを支持することができる。同様に、プロセス壁426は、上述した光学要素のいずれか、あるいはワークピースに対してレーザエネルギービームを移動させることが可能な上述したポジショナのいずれか、あるいはこれに類するもの、あるいはこれらを任意に組み合わせたものを支持することができる。しかしながら、一般的に、スキャンレンズ(図示せず)は、レーザエネルギービームがワークピースに照射される前に入射レーザエネルギービームの焦点を合わせるように、プロセス壁426により支持される(すなわち、プロセス壁426に搭載される)。図示はされていないが、(例えば、直交して回転可能な1対のガルバノメータミラーを含む)ガルボブロックのようなポジショナも、当該技術分野において知られているように、入射レーザエネルギービームがスキャンレンズに伝搬される前に入射レーザエネルギービームを移動させるようにプロセス壁426により支持される(すなわち、プロセス壁426に搭載される)。
【0055】
光部品ブリッジ406は、光学部品ポート432のような1以上の光学部品ポートをさらに含んでおり、これらのポートは、光部品壁502からプロセス壁426に延び、(例えば、当業者に知られている公知の方法により1以上のミラー、プリズムなどを用いて)レーザエネルギービームが光学部品ベイからプロセスベイに伝搬することを可能にしている。
【0056】
例えば、
図12から
図14を参照すると、光部品テーブル500、光部品壁502、及びプロセス壁426は、1対のプレート(例えば、第1のブリッジプレートと第2のブリッジプレート)及び(例えば、複数の補強材1200として提供される)コアから形成されるサンドイッチパネルとして提供される共通のブリッジパネルの異なる面である。この場合において、
図13及び
図14に最も良く示されているように、光部品テーブル500及び光部品壁502を形成するように第1のブリッジプレートを曲げることができ、(例えば、光部品壁502に平行な)プロセス壁426を形成し、(例えば、光部品テーブル500に平行な)光部品テーブル500の下方にも延びるように第2のブリッジプレートを曲げることができる。
図12から
図14に示されるように、補強材1200には孔が形成されていてもよく、そのサイズ、個数、及び配置は、(ブリッジパネルの内部において)第1のブリッジプレートと第2のブリッジプレートとの間の空間に空気が流れやすくなるように、あるいは、ブリッジパネルの内部における異なる領域にケーブル又はホースを取り回しやすくなるように、あるいはこれに類するように、あるいはこれを組み合わせるように選択され得る。
【0057】
例えば、
図5、
図12から
図16を参照すると、ブリッジパネルは、(例えば、ブリッジパネルの内部に一体化された)デブリ捕捉チューブ1202を含んでいてもよく、(例えば、システムフレーム400の後面に形成された)第1の接続ポート504と(例えば、
図15で1500で示されるような第2のブリッジプレートに形成された)1以上の第2の接続ポートとを含んでいてもよい。デブリ捕捉チューブ1202は、(例えば、デブリ捕捉チューブ1202からブリッジパネルの内部に流体が移送されるのを防止するように)ブリッジパネルの内部の他の部分から封止されていてもよい。第1の接続ポート504は、それぞれの第2の接続ポートと流体的に接続されている。
図15においては、破線1502は、デブリ捕捉チューブ1202内で流体(例えば、1以上のガス及びワークピースの加工中に生成したデブリ)を(第2の接続ポート1500から第1の接続ポート504に)移送できる経路を描いたものである。真空ホースの一端をデブリ捕捉ノズルに好適に接続できるように真空ホースをデブリ捕捉チューブ1202に通して取り回してもよい。他の実施形態においては、デブリ捕捉チューブ1202自体が、(第2の接続ポートで)デブリ捕捉ノズルを連結することができる真空ホースとして機能してもよく、真空ポンプを第1の接続ポート504に接続することができる。
【0058】
一実施形態においては、それぞれのブリッジサポート116は、例えば、上述した他のサンドイッチパネルと同様の方法により、その間に介在するコアにより互いに間接的に取り付けられた1対のプレートから形成されるサンドイッチパネルとして提供されてもよい。このため、それぞれのブリッジサポート116のコアにおける補強材には孔が形成されていてもよく、そのサイズ、個数、及び配置は、(ブリッジサポート116の内部において)プレート間の空間に空気が流れやすくなるように、あるいは、ブリッジパネルの内部における異なる領域にケーブル又はホースを取り回しやすくなるように、あるいはこれに類するように、あるいはこれを組み合わせるように選択され得る。
【0059】
例えば、
図13及び
図14を参照すると、1以上のブリッジサポート116は、テーブル接続チューブ(図示せず)とその内部に一体化された壁接続チューブ(図示せず)とを含んでいてもよい。一実施形態においては、テーブル接続チューブ及び壁接続チューブの一方又は両方は、(例えば、接続チューブのいずれかからブリッジサポート116の内部に流体が移送されるのを防止するように)ブリッジサポート116の内部から封止されている。テーブル接続チューブの一端は、第1の開口1302でブリッジサポート116のプレートと交差してもよく、テーブル接続チューブの他端は、光部品テーブル500の下方の位置で光部品ブリッジ406の内部と(例えば、第2のブリッジプレートに形成された開口を介して)流体的に接続されていてもよい。同様に、壁接続チューブの一端は、第2の開口1304でブリッジサポート116のプレートと交差してもよく、
壁接続チューブの他端は、光部品壁502とプロセス壁426との間の位置で光部品ブリッジ406の内部と流体的に接続されていてもよい。以下でより詳細に述べるように、テーブル開口1302、壁開口1304、又はこれらの組み合わせを通して流体(例えば、空気、窒素など)を光部品ブリッジ406の内部に導入してもよい(あるいは光部品ブリッジ406の内部から除去してもよい)。
【0060】
例えば、
図5及び
図13から
図17を参照すると、光部品ブリッジ406は、流体を光学部品ベイに導入するように構成されたパージシステムをさらに含んでいてもよい。例えば、光学部品ベイ内の粒子が光学部品ベイ内の光学要素の光学表面上に溜まることを防止又は最小限にするため、あるいは(例えば、プロセスベイに対して、あるいはレーザ加工モジュール100の外部の環境などに対して、あるいはこれらを組み合わせたものに対して)光学部品ベイを加圧するためなど、あるいはこれらを組み合わせた理由といった1以上の理由により流体(例えば、空気のような気体)を光学部品ベイに導入してもよい。
【0061】
パージシステムは、1以上のパージアセンブリを含み得る。それぞれのパージアセンブリは、パージヘッド506とパージ接続チューブ508とを含んでいる。パージ接続チューブ508は、パージヘッド506に連結される第1の端部と、(例えば、
図13及び
図14に例示的に示されるような第3の開口1306でブリッジサポート116のプレートに交差する)第2の端部とを含んでいてもよい。一般的に、パージヘッド506は、内部プレナムを規定しており、内部プレナムを介してパージ接続チューブ508と流体的に接続される複数のパージ孔510を含んでいる。一実施形態においては、パージ接続チューブ508は、(例えば、パージ接続チューブ508からブリッジパネルの内部に流体が移送されるのを防止するように)ブリッジパネルの内部から封止されている。以下でより詳細に述べるように、パージ孔510を介して流体(例えば、空気、窒素など)を光学部品ベイに導入してもよい。
【0062】
図4を参照すると、パージシステムは、流体をパージヘッド506又はパージ接続チューブ508から(例えばプロセスベイパージ開口434を介して)プロセスベイに移送するように必要に応じて構成され得る。例えば、プロセスベイパージチューブ(図示せず)は、パージヘッド506からブリッジパネルを通って延び、プロセスベイに開口していてもよい。プロセスベイパージチューブは、(例えば、プロセスベイパージチューブからブリッジパネルの内部に流体が移送されるのを防止するように)ブリッジパネルの内部の他の部分から封止されていてもよい。
【0063】
図15及び
図17を参照すると、パージシステムは、流体をパージヘッド506又はパージ接続チューブ508から(例えば電子ベイパージ開口1504を介して)電子ベイに移送するように必要に応じて構成され得る。例えば、電子ベイパージチューブ(図示せず)は、パージ接続チューブ508からプラットフォーム404を通って延び、電子ベイに開口していてもよい。電子ベイパージチューブは、(例えば、電子ベイパージチューブからプラットフォーム404の内部に流体が移送されるのを防止するように)プラットフォーム404の内部の他の部分から封止されていてもよい。
【0064】
IV.流体に関する実施形態
上記で述べた「流体」は、周囲環境(すなわち、レーザ加工モジュール100を取り囲む環境)の温度よりも高い温度を有していてもよく、低い温度を有していてもよく、あるいは同じ温度を有していてもよい。一実施形態においては、プラットフォーム404の内部、光部品ブリッジ406のブリッジパネルの内部、光学部品ベイなど、あるいはこれらを組み合わせたものに導入される流体は、周囲環境の空気(すなわち、「周囲空気」)中に存在する粒子状物質よりも少ない粒子状物質を含み得るか、あるいは、周囲空気中に存在する粒子状物質と同じ量又はこれよりも多くの粒子状物質を含み得る。
【0065】
一実施形態においては、ブリッジサポート116のうちの1つ(例えばブリッジサポート116a)の近傍の位置でプラットフォーム404に(例えば、第1のプラットフォームプレート420aに)形成されたプラットフォーム開口1300を通じて流体(例えば、空気、窒素など)をプラットフォーム404の内部に導入してもよく、ブリッジサポート116のうちの他の1つ(例えばブリッジサポート116b)の近傍の位置でプラットフォーム404に(例えば、第1のプラットフォームプレート420aに)形成されたプラットフォーム開口1300を通じてプラットフォーム404から流体を除去してもよい。
【0066】
一実施形態においては、いずれもブリッジサポート116のうちの1つ(例えばブリッジサポート116a)に形成されたテーブル開口1302及び壁開口1304を通じて流体(例えば、空気、窒素など)をブリッジパネルの内部に導入してもよく、いずれもブリッジサポート116のうちの他の1つ(例えばブリッジサポート116b)に形成されたテーブル開口1302及び壁開口1304を通じて光部品ブリッジ406から流体を除去してもよい。
【0067】
上述したように、流体は、同一のブリッジサポート116に形成された開口を通じてプラットフォーム404と光部品ブリッジ406のブリッジパネルの内部に導入され(あるいはこれらの内部から除去され)、流体は、同一のブリッジサポート116に形成された開口を通じてプラットフォーム404と光部品ブリッジ406のブリッジパネルの内部から除去される。この場合において、開口1300,1302,1304のそれぞれは、上述したように流体をシステムフレーム400に導入する又は流体をシステムフレーム400から除去するために、異なるホースにそれぞれ接続されていてもよい。他の実施形態においては、システムフレーム400は、
図10に示されるシェル1000のようなシェルを含んでいてもよい。このシェルは、シェル1000の内部からシェル1000の外側の領域に流体が直接漏れ出すことを防止するように、ブリッジサポート116及びプラットフォーム404に対して封止されている。上述した開口1300,1302,1304,1306は、すべてシェル1000の内部に露出していてもよく、シェル1000の内部に導入された流体を受け入れるようになっていてもよい。流体は、任意の好適な方法又は望ましい方法で(例えば、
図11に例示的に示されているようにシェル1000及びブリッジサポート116に対して封止されているプレート1106に形成された開口1104を通じて)シェル1000の内部に導入されてもよい。他の任意的な実施形態においては、流体が、(例えば、パージホース(図示せず)を開口1104を通してシェル1000の内部に挿入し、パージホースを第3の開口1306に直接接続することにより)第3の開口1306を通じてパージアセンブリに別個に導入されてもよい。
【0068】
V.視覚信号処理に関する実施形態
従来から、レーザ加工システムは、システムの機能的状態に関する情報を(例えば、レーザ加工システムの操作者に、あるいは技術者になど)視覚的に伝達する1以上のメカニズムを含んでいることが多い。そのようなメカニズムの例としては、視覚ディスプレイスクリーン(例えば、コンピュータモニタ)、(例えば、BANNER ENGINEERING社により製造されるTL50BLビーコンタワーライトのような)ビーコンタワーライト、又は(例えば、PIRANHA-WHITNEY社により製造されるプレートLASER 1530金属切断機と同様の)他の外部ライトが挙げられる。しかしながら、そのようなメカニズムは、効果的に伝達できる情報量が一般的に制限されており、(ディスプレイスクリーンやビーコンタワーライト、他の外部ライトのようなメカニズムの場合には)遠くから視認することが難しい。さらに、ビーコンタワーライトのようなメカニズムは、含めることができる発光素子の数やそれぞれの発光素子が駆動時に発することができる色の点において制限されることが多い。したがって、ビーコンタワーライトのユーザは、駆動される発光素子の組み合わせとして、あるいは駆動される発光素子の順序として、あるいは(発光素子を点滅又は明滅させるように)発光素子が間欠的に駆動される速さとして情報を符号化することにより伝達可能な情報量を増やそうとすることができる。このため、ビーコンタワーライトにより視覚的に伝達しようとする情報が増えるにつれて、最終的に出力される視覚信号を見る者が素早く解釈することがより難しくなる。この問題は、多くのレーザ加工装置(それぞれビーコンタワーライトを備える)を工場の床上でグループ化した場合にはさらに悪くなり得る。
【0069】
DAYTRON DYNAMICS社により製造されるDATRON M8CUBE CNCミリングマシンは、機械ビットを支持するガントリに3色LED間接照明システムを組み込んだものとして理解され、3色LED間接照明システムは、機械の状態を示すことが可能になっている。3色LED間接照明システムは外部設置型ビーコンライトタワーの必要性をなくすものであるが、ガントリシステムに組み込まれる間接照明システムは、視覚的に小さく、遠くから視認することが難しいままである。
【0070】
ROLAND DG社により製造されるDWX-4W湿式デンタルミリングマシンにおいて用いられているような他のメカニズムは、ミリングマシンの状態に応じて異なる色で窓付格納容器(すなわち、この内部でワークピースの機械的ミリングが行われる)の内部を照明する。DWX-4W湿式デンタルミリングマシンにおいては、青色の光はマシンが「スタンバイ」状態にあることを示しており、5分以内に動作が始まらない場合にはすべての光が消される。白色の光はミリング動作の一時停止を示し、黄色の光はエラーが生じてマシンが一時停止していることを示している。赤色の光はエラーによりミリングが停止し、ユーザの介入が必要であることを示している。赤色の点滅光はユーザがマシンを再始動する必要があることを示している。DWX-4W湿式デンタルミリングマシンの状態照明システムは、上述した視覚状態表示システムのうち他のものよりも簡単に遠くから視認することができるが、効果的に伝達することができる情報の量が比較的限られている。
【0071】
上述したもののような情報を伝達するための従来のメカニズムに関連する問題を解決するために、レーザ加工モジュール100は、光(本明細書では「信号光」ともいう)をプロセスベイに出射するように構成され、レーザ加工モジュール100の外部から信号光を(例えば窓114を通して)見えるようにした視覚信号処理システムを含み得る。以下でより詳細に説明するように、視覚信号処理システムは、信号光の1以上の特性を選択し、あるいは変化させることにより情報を伝達するために使用され得る。信号光の特性の例としては、色、明るさ、及び持続性(すなわち、信号光が点滅していないか点滅しているか、点滅している場合にはそれぞれの点滅の時間、及び光が点滅する速さ)が挙げられる。
【0072】
視覚信号処理システムは、それぞれプロセスベイ内の1以上の対象物を信号光で照明するように配置及び構成された1以上の発光素子(例えば、1以上のLED、OLEDS、QD LEDなど、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの)を含み得る。必要に応じて、視覚信号処理システムは、当該技術分野において知られているように、1以上の発光素子により出射された光を所望の位置に広げる又は案内するための1以上の光ガイド、ディフューザなど、あるいはこれらを任意に組み合わせたものを含み得る。
【0073】
レーザ加工モジュールの外部から窓114を通して信号光を見やすくするために、プロセスベイに露出している1以上の面(例えば、第1のシュラウド102の内面、プロセス壁426の面、第1のプラットフォームプレート420aの面など、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの)を1以上の発光素子から出射された信号光を(例えば、比較的拡散する方法で)反射するように構成してもよい。例えば、上述した面のうち1つ以上の面を白や他の色で塗ってもよく、あるいは上述した面のうち1つ以上の面に反射層や箔又はフィルムでコーティングを施してもよい。
【0074】
レーザ加工モジュール100(あるいは、より一般的にはレーザ加工システム)の機能的状態(例えば、「アイドル」、「動作中」、「動作一時停止」、「動作エラー」、「メンテナンス要」など)、レーザ加工モジュール100内で加工されるワークピースの種類(例えば、FPCラミネート「A」、FPCラミネート「B」、PCBパネル「A」、PCBパネル「B」など)、加工中にワークピース内又はワークピース上に形成されるフィーチャのパターン(例えば、フィーチャパターン「A」、フィーチャパターン「B」など)、生産運転の状態(「生産運転」とは加工されるワークピースの数をいう)、レーザ加工モジュール100(あるいは、より一般的にはレーザ加工システム)のスループット、ワークピースの加工中のサイクル時間(「サイクル時間」とは単一のワークピースを加工するのに要した合計時間をいう)、タクトタイム(「タクトタイム」とはあるワークピースの加工の完了から異なるワークピースの加工の開始までに経過した合計時間をいう)など、あるいはこれらを任意に組み合わせたものに応じて、信号光の1以上の特性(例えば、色、明るさ、持続性など)を変化させるように視覚信号処理システムの動作を(例えば、電子ベイ内に配置されたコントローラ、コンピュータなどにより)制御してもよい。
【0075】
一般的に、レーザ加工モジュール100(あるいは、より一般的にはレーザ加工システム)の機能的状態に関連付けられた信号光の少なくとも1つの特性は、レーザ加工モジュール100(あるいは、より一般的にはレーザ加工システム)の異なる機能的状態に関連付けられた信号光の対応する特性とは異なる。ワークピースの種類又はワークピースに形成されるフィーチャのパターンに関連付けられた信号光の少なくとも1つの特性(例えば色など)は、レーザ加工モジュール100(あるいは、より一般的にはレーザ加工システム)の1以上の機能的状態に関連付けられた信号光の対応する特性とは同じであってもよく、あるいはこれと異なっていてもよい。例えば、「アイドル」の機能的状態を黄色の非点滅信号光により表してもよく、「動作一時停止」の機能的状態を第1の色(例えば黄色)の点滅信号光により表してもよく、「動作エラー」の機能的状態を第2の色(例えば赤色)の信号光により表してもよく、「メンテナンス要」の機能的状態を第3の色(例えば橙色)の信号光により表すなどしてもよい。現在加工されているワークピースの種類又は現在ワークピースに形成しているフィーチャのパターンにも関連付けられた第4の色(例えば、青色、紫色、ピンク、シアン、マゼンダなど)の非点滅信号光により「動作中」の機能的状態を表してもよい。
【0076】
ワークピースの加工中のサイクル時間に関連付けられた信号光の特性(例えば色)は、加工されるワークピースの種類(又は加工中にワークピースに形成されるフィーチャのパターン)に関連付けられた信号光の対応する特性と同一であってもよい。しかしながら、ワークピースの加工中のサイクル時間に関連付けられた信号光の少なくとも1つの他の特性(例えば、強度、持続性など)は、加工されるワークピースの種類(又は加工中にワークピースに形成されるフィーチャのパターン)に関連付けられた信号光の対応する特性と異なっていてもよい。例えば、加工されるワークピースの種類(又は加工中にワークピースに形成されるフィーチャのパターン)に関連付けられ、生産運転において加工されたワークピースの種類(又は生産運転中にワークピースに形成されるフィーチャのパターン)に関連付けられた信号光は、非点滅の緑色であってもよいが、信号光は、ワークピースの加工が終了しそうなところかあるいは終了したことを定性的に伝達するために、時間の経過とともに、その強度が増加するか減少してもよく(すなわち明るくなるか暗くなってもよく)、さらに/あるいは、(例えば一定の速さで又は次第に速くなるように)点滅し始めてもよい。あるいは、ワークピースの加工中のサイクル時間に関連付けられた信号光の色は、加工されたワークピースの種類(又は加工中にワークピースに形成されたフィーチャのパターン)に関連付けられた信号光の色の特性とは異なっていてもよい。
【0077】
生産運転の状態に関連付けられた信号光の特性(例えば色)は、生産運転において加工されるワークピースの種類(又は生産運転中にワークピースに形成されるフィーチャのパターン)に関連付けられた信号光の対応する特性と同じであってもよい。しかしながら、生産運転の状態に関連付けられた信号光の少なくとも1つの他の特性(例えば、強度、持続性など)は、生産運転において加工されるワークピースの種類(又は生産運転中にワークピースに形成されるフィーチャのパターン)に関連付けられた信号光の対応する特性とは異なっていてもよい。例えば、生産運転において加工されるワークピースの種類(又は生産運転中にワークピースに形成されるフィーチャのパターン)に関連付けられ、生産運転において加工されるワークピースの種類(又は生産運転中にワークピースに形成されるフィーチャのパターン)に関連付けられた信号光は、非点滅の緑色であってもよいが、信号光は、生産運転が終了しそうなところかあるいは終了したことを定性的に伝達するために、時間の経過とともに、その強度が増加するか減少してもよく(すなわち明るくなるか暗くなってもよく)、さらに/あるいは、(例えば一定の速さで又は次第に速くなるように)点滅し始めてもよい。あるいは、生産運転の状態に関連付けられた信号光の色は、生産運転において加工されたワークピースの種類(又は生産運転中にワークピースに形成されるフィーチャのパターン)に関連付けられた信号光の色の特性とは異なっていてもよい。必要に応じて、生産運転の状態に関連付けられた信号光の特性(例えば、強度、持続性など)は、生産運転においてワークピースを加工するためのサイクル時間に関連付けられた信号光の対応する特性と異なっていてもよい。
【0078】
タクトタイムに関連付けられた信号光の特性(例えば色)は、機能的状態(例えば、アイドル、動作一時停止、動作エラーなど)に関連付けられた信号光の対応する特性と同一であってもよい。しかしながら、タクトタイムに関連付けられた信号光の少なくとも1つの他の特性(例えば、強度、持続性など)は、機能的状態(例えば、アイドル、動作一時停止、動作エラーなど)に関連付けられた信号光の対応する特性とは異なっていてもよい。例えば、タクトタイムに関連付けられ、機能的状態(例えばアイドル)に関連付けられた信号光は、非点滅の黄色色であってもよいが、信号光は、レーザ加工モジュール100(又はレーザ加工システムがアイドル状態になったまま所定の閾値の時間が経過したことを定性的に伝達するために、時間の経過とともに、その強度が増加するか減少してもよく(すなわち明るくなるか暗くなってもよく)、さらに/あるいは、(例えば一定の速さで又は次第に速くなるように)点滅し始めてもよい。
【0079】
上記の例と実施形態は、ビーコンタワーライトやディスプレイスクリーンなどの従来の情報伝達メカニズムに代わるものとして上記視覚信号処理システムを述べているが、そのような従来の情報伝達メカニズムに関連して上記視覚信号処理システムを用いることができることは理解できよう。
【0080】
レーザ加工モジュール100の機能的状態、レーザ加工モジュール100内で加工されるワークピースの種類、加工中にワークピース内又はワークピース上に形成されるフィーチャのパターン、生産運転の状態、レーザ加工モジュール100(あるいは、より一般的にはレーザ加工システム)のスループット、ワークピースの加工中のサイクル時間、及びタクトタイムに応じて視覚信号処理システムの動作を制御可能であるものとして述べたが、他の任意の好適な方法又は望ましい方法で視覚信号システムを制御できることは理解できよう。
例えば、(例えば、1以上のユーザインタフェイスコンポーネントを介した)ユーザの命令に応答して視覚信号処理システムを制御することができる。
【0081】
VI.結論
上記は、本発明の実施形態及び例を説明したものであって、これに限定するものとして解釈されるものではない。いくつかの特定の実施形態及び例が図面を参照して述べられたが、当業者は、本発明の新規な教示や利点から大きく逸脱することなく、開示された実施形態及び例と他の実施形態に対して多くの改良が可能であることを容易に認識するであろう。したがって、そのような改良はすべて、特許請求の範囲において規定される本発明の範囲に含まれることを意図している。例えば、当業者は、そのような組み合わせが互いに排他的になる場合を除いて、いずれかの文や段落、例又は実施形態の主題を他の文や段落、例又は実施形態の一部又は全部の主題と組み合わせることができることを理解するであろう。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲とこれに含まれるべき請求項の均等物とによって決定されるべきである。