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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】抗ざ瘡有効性を有する皮膚局所用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/185 20060101AFI20240118BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 8/368 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20240118BHJP
   A61K 8/9794 20170101ALI20240118BHJP
   A61K 31/194 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/4015 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/4166 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/60 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/728 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 36/82 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 36/886 20060101ALI20240118BHJP
   A61P 17/10 20060101ALI20240118BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A61K36/185
A61K8/365
A61K8/368
A61K8/49
A61K8/67
A61K8/73
A61K8/9789
A61K8/9794
A61K31/194
A61K31/4015
A61K31/4166
A61K31/60
A61K31/728
A61K36/82
A61K36/886
A61P17/10
A61Q19/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022506271
(86)(22)【出願日】2020-07-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 CN2020102233
(87)【国際公開番号】W WO2021017839
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-08-22
(31)【優先権主張番号】201910694716.9
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511203248
【氏名又は名称】浙江養生堂天然薬物研究所有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】趙 瑞 麗
(72)【発明者】
【氏名】王 莎 莎
【審査官】愛清 哲
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108670878(CN,A)
【文献】特開2015-010061(JP,A)
【文献】特開2008-074796(JP,A)
【文献】特表2018-527881(JP,A)
【文献】Science and Technology of Food industry,2002年,Vol.23, No.10,p.62-63
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/00-36/9068
A61P 17/00-17/18
A61Q 19/00-19/10
A61K 8/00- 8/99
A61K 31/00-31/80
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膚局所用組成物の調製における、(A)濃縮カバノキ樹液と(B)サリチル酸、リンゴ酸、アロエ抽出物、緑茶抽出物、亜鉛PCA、アラントイン、ヒアルロン酸ナトリウムおよびニコチンアミドから選択される1つまたは複数の組合せの使用であって、前記濃縮カバノキ樹液が1.2~4倍の濃縮度を有し、
前記皮膚局所用組成物がさらに添加される水を一切含まない、使用。
【請求項2】
前記濃縮カバノキ樹液が1.2~2倍の濃縮度を有する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記皮膚局所用組成物が、医薬組成物または化粧用組成物である、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
膚局所用組成物であって、(A)1.2~4倍の濃縮度を有する濃縮カバノキ樹液、ならびに(B)サリチル酸、リンゴ酸、アロエ抽出物、緑茶抽出物、亜鉛PCA、アラントイン、ヒアルロン酸ナトリウムおよびニコチンアミドから選択される1つまたは複数の活性物質を含み、
前記皮膚局所用組成物がさらに添加される水を一切含まない、皮膚局所用組成物。
【請求項5】
前記濃縮カバノキ樹液が1.2~2倍の濃縮度を有する、請求項4に記載の皮膚局所用組成物。
【請求項6】
前記構成成分(A)濃縮カバノキ樹液の含有量が、前記皮膚局所用組成物の総重量に対して、10~98重量%である、請求項4または5に記載の皮膚局所用組成物。
【請求項7】
前記構成成分(B)の含有量が、前記皮膚局所用組成物の総重量に対して、0.0005~30重量%である、請求項4または5に記載の皮膚局所用組成物。
【請求項8】
前記構成成分(B)の含有量が、0.001~10重量%である、請求項7に記載の皮膚局所用組成物。
【請求項9】
前記構成成分(B)の含有量が、0.1~5重量%である、請求項8に記載の皮膚局所用組成物。
【請求項10】
前記皮膚局所用組成物が医薬組成物または化粧用組成物である、請求項4または5に記載の皮膚局所用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗ざ瘡有効性を有する皮膚局所用組成物であって、(A)約1.1~8倍、好ましくは約1.2~4倍、より好ましくは約1.2~2倍の濃縮度を有する濃縮カバノキ樹液、ならびに(B)サリチル酸、リンゴ酸、アロエ抽出物、緑茶抽出物、亜鉛PCA、アラントイン、ヒアルロン酸ナトリウムおよびニコチンアミドから選択される1つまたは複数の活性物質を含む、皮膚局所用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ざ瘡は、にきび、発疹、吹き出物、暗色のただれ等としても周知であり、毛包の皮脂腺単位に起こる慢性の炎症性皮膚疾患である。これは、青年期に、最も多くの場合、顔、胸上部、背部および首の皮脂腺が活発に分泌する領域において起こる傾向がある。臨床所見は、多くの場合、多形性の皮膚病変、例えばざ瘡、丘疹、膿疱および小結節を特徴とする。重度の場合には、瘢痕も形成されることがある。ざ瘡は発生率が高く、多くの場合長期にわたり続き、容易に再発する。ざ瘡の一部の場合では、処置が適切な時期に行われない場合、色素沈着および瘢痕化さえも引き起こし、これは患者の外見に深刻な影響を与え、患者の心理状態に深刻な負の影響をもたらすであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、ざ瘡の病原性因子は、過剰なアンドロゲンレベル、皮脂分泌の増大、毛包管(follicular duct)の過角化、およびプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)の過剰な増殖であると、一般的に考えられている。現在、薬用の抗ざ瘡製品は、アンドロゲンアンタゴニスト、P.アクネス阻害剤およびトレチノイン薬を主に含む。これらの効果は明らかであるが、毒性および副作用も大きく、肝臓損傷を引き起こすことがあり、乳児奇形さえも引き起こすことがある。抗ざ瘡化粧品は、現在、消費者によるざ瘡の予防および処置のための第一選択である。しかし、現在市場に出ている抗ざ瘡化粧品は、一般的にいくつかの欠点、例えば効き目の遅さ、有意でない抗ざ瘡有効性、さらには刺激を有する。したがって、ざ瘡の生理学的および病理学的特徴に基づく安全かつ有効な抗ざ瘡活性物質を発見することは、抗ざ瘡化粧品の開発において関心の高い事項であり、また化粧品の実務家はこの方向性において共同作業を行っている。
【0004】
カバノキ樹液は、多糖、アミノ酸、ビタミン、ビオチン、サイトカイニン、無機物および微量元素に富む、カバノキ植物由来の液汁である。カバノキ(ベツラ・ペンドラ(Betula Pendula))樹液を洗顔のために使用することが顔のざ瘡を改善するのに役立つという、欧州における記録が存在する。天然原料であるカバノキ樹液は、単独または他の活性物質との組合せで使用され、ざ瘡処置の分野において大きな潜在性を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本発明は、強化された抗ざ瘡有効性を有する皮膚局所用組成物における、(A)濃縮カバノキ樹液と(B)サリチル酸、リンゴ酸、アロエ抽出物、緑茶抽出物、亜鉛PCA、アラントイン、ヒアルロン酸ナトリウムおよびニコチンアミドから選択される1つまたは複数の活性物質との組合せの使用であって、濃縮カバノキ樹液が約1.1~8倍、好ましくは約1.2~4倍、より好ましくは約1.2~2倍の濃縮度を有する、使用に関する。
【0006】
別の態様では、本発明は、抗ざ瘡有効性を有する皮膚局所用組成物であって、(A)約1.1~8倍、好ましくは約1.2~4倍、より好ましくは約1.2~2倍の濃縮度を有する濃縮カバノキ樹液、ならびに(B)サリチル酸、リンゴ酸、アロエ抽出物、緑茶抽出物、亜鉛PCA、アラントイン、ヒアルロン酸ナトリウムおよびニコチンアミドから選択される1つまたは複数の活性物質を含む、皮膚局所用組成物に関する。
【0007】
ざ瘡の病因には、過剰なアンドロゲンレベル、皮脂分泌の増大、毛包管の過角化、およびプロピオニバクテリウム・アクネスの増殖が関与する。ざ瘡の処置には、アンドロゲンにより誘導された皮脂分泌の有効に減少させること、プロピオニバクテリウム・アクネス増殖および毛包口の過角化を予防すること、ならびに結果として生じた炎症性反応を阻害することが重要である。
【0008】
意外なことに、発明者らは、濃縮カバノキ樹液またはサリチル酸、リンゴ酸、アロエ抽出物、緑茶抽出物、亜鉛PCA、アラントイン、ヒアルロン酸ナトリウムおよびニコチンアミドの単独での使用と比較して、濃縮カバノキ樹液とサリチル酸、リンゴ酸、アロエ抽出物、緑茶抽出物、亜鉛PCA、アラントイン、ヒアルロン酸ナトリウムおよび/またはニコチンアミドとの組合せが、特に5α-レダクターゼの活性を有効に阻害する能力において、これらの付加効果よりもはるかに高い有意により良好な抗ざ瘡有効性を有し、それによりジヒドロテストステロンの産生を減少させ、油の分泌を減少させ、プロピオニバクテリウム・アクネスの増殖を有効に阻害し、それにより、これらから誘導される炎症反応におけるIL-1αおよびTNF-αの量を減少させ、したがってより良好な抗ざ瘡有効性を示すことを発見した。
【0009】
本発明に関与するカバノキ樹液は、ベツラ・アルバ(Betala alba)、ベツラ・プベセンス(Betula pubescens)、ベツラ・ペンドラ(Betula Pendula)およびベツラ・プラチフィラ(Betula platyphylla)の4つの変種を含む、カバノキ属カバノキ科(Betula Betulaceae)から得られる。カバノキ樹液は、雪が溶け始める時期から木が葉を出す時期までの、人工的な穿孔およびカバノキの木の幹の基部からの収集により得られる、無色透明であり、沈殿剤も不純物も有しない栄養に富む液汁である。カバノキ樹液は市販されており、そのまま使用され(この場合、カバノキ樹液原液(original fluid)と呼ばれる)、例えば、Daxinganling Chaoyue Wild Berry Development Co.,Ltd.から購入することができる。
【0010】
本発明において使用される濃縮カバノキ樹液は、上述の市販のカバノキ樹液原液製品を濃縮することにより得られる。濃縮のための方法は当該技術分野において公知であり、例えば加熱濃縮、低温および真空濃縮、ならびに膜濃縮である。本発明では、濃縮は、好ましくは低温凍結濃縮または膜濃縮法により行われる。例えば、市販のカバノキ樹液原液は、異なる濃縮度を有する濃縮カバノキ樹液を得るための低温および真空濃縮法のために、低温乾燥デバイスに導入され、約-40~-70℃に冷却され、約0.1~30Paまで真空にされる。
【0011】
さらに、本発明者らは、濃縮カバノキ樹液の抗ざ瘡有効性は、その濃縮度と単純な直線関係になく、濃縮度の増大に伴い、初めは増大するがその後に低減することも発見した。したがって、カバノキ樹液の濃縮度を調整することが重要である。本発明では、カバノキ樹液の濃縮度は、約1.1~8倍、好ましくは約1.2~4倍、より好ましくは約1.2~2倍に調整される。
【0012】
(A)濃縮カバノキ樹液の含有量は、抗ざ瘡有効性を有する皮膚局所用組成物の総重量に対して、約10~98重量%、好ましくは20~98重量%、より好ましくは約30~97重量%である。
【0013】
構成成分(B)サリチル酸、リンゴ酸、アロエ抽出物、緑茶抽出物、亜鉛PCA、アラントイン、ヒアルロン酸ナトリウムおよびニコチンアミドは、当該技術分野において公知であり、これらはすべて市販されており、本発明においてそのまま使用される。
【0014】
構成成分(B)の総含有量は、抗ざ瘡有効性を有する皮膚局所用組成物の総重量に対して、約0.0005~30重量%、好ましくは約0.001~10重量%、より好ましくは約0.1~5重量%、最も好ましくは約0.5~3重量%である。
【0015】
皮膚局所用組成物は、医薬組成物および化粧用組成物、特にスキンケア化粧用組成物を含む。
【0016】
本発明の皮膚局所用組成物は、さらに添加される水を一切含まないが、構成成分の各々に本質的に含有される水分を除外しない。
【0017】
好ましくは、本発明の皮膚局所用組成物は、キレート化剤、例えばEDTA塩、リン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムおよびグルコン酸を含まない。
【0018】
構成成分(A)および(B)に加えて、皮膚局所用組成物は、場合により、構成成分(C)ビヒクル、活性成分、賦形剤等を含む医薬組成物または化粧用組成物において一般的に使用される成分も含んでもよい。構成成分(C)は当該技術分野において公知であり、当業者は、必要に応じて、その種類および量を選択することができる。例えば、構成成分(C)の含有量は、典型的に、組成物の総重量に対して約0~70重量%である。
【0019】
ビヒクルは当該技術分野において公知であり、例えば希釈剤、分散剤または担体等が挙げられる。例には、限定されるものではないが、エタノール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール等が挙げられる。化粧用組成物中のビヒクルの含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(C)の総重量の約0.5~20%である。
【0020】
活性成分には、抗菌剤、抗炎症剤、収斂剤、抗酸化剤、保水剤、皮膚軟化剤、油調整剤、剥離成分(exfoliating ingredients)等が挙げられる。
【0021】
抗菌剤には、限定されるものではないが、ウルソール酸、フタバムグラ(oldenlandia diffusa)フラボノイド、スイカズラ(Lonicera japonica)花抽出物、ティーツリー精油、キチン、シナモン茎抽出物、コーラルジンジャー揮発油、クローブ抽出物、マッシュルーム抽出物、アルテミシア・アルギイ(Artemisia argyi)抽出物、1-ペンタデカノールおよびその誘導体、セダレン、カリオフィレンおよびロンギホレンの1つまたは複数が挙げられる。皮膚局所用組成物中の抗菌剤の含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(C)の総重量の0.01~30%である。
【0022】
抗炎症剤には、限定されるものではないが、サフラワーイエロー、グリチルリチン酸二カリウム、カテイルポルン(cattail pollen)抽出物、オモダカ(Sagittaria)抽出物、アシアチコシド、キュウリ抽出物、ニンニク抽出物、ゴボウ抽出物、レスベラトロール、クララ(Sophora flavescens)抽出物、マグノリア木皮抽出物等の1つまたは複数が挙げられる。皮膚局所用組成物中の抗炎症剤の含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(C)の総重量の0.01~50%である。
【0023】
収斂剤には、限定されるものではないが、緑茶ポリフェノール、ハマメリス抽出物、ビタミンA、乳酸メントール(menthol lactate)、藻抽出物、青黛、硫黄、アカヤジオウ、アンジェリカ、乳酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸等の1つまたは複数が挙げられる。皮膚局所用組成物中の収斂剤の含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(c)の総重量の0.01~30%である。
【0024】
抗酸化剤には、限定されるものではないが、ホワイトティーポリフェノール、Feddeアルカノイド、サンザシフラボノイド、コエンザイムQ10、ブドウ種子抽出物、アスパラガス抽出物、ラディッシュ抽出物、VLTAMLN-C、サフラワー水抽出物、アシアチコシド、オオオバナオケラ(Atractylodes macrocephala)多糖、ビタミンEおよびその誘導体の1つまたは複数が挙げられる。皮膚局所用組成物中の抗酸化剤の含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(C)の総重量の0.01~30%である。
【0025】
保水剤の例には、限定されるものではないが、グリセリン、ジグリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、ポリエチレングリコール-8、ポリエチレングリコール-32、メチルグルセス-10、メチルグルセス-20、PEG/PPG-17/6コポリマー、グリセレス-7、グリセレス-26、グリセリルグルコシド、PPG-10メチルグルコースエーテル、PPG-20メチルグルコースエーテル、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセロール、スクロース、トレハロース、ラムノース、マンノース、ラフィノース、ベタイン、エリスリトール、キシリトール、尿素、グリセレス-5ラクテート、ヒアルロン酸ナトリウム、加水分解ヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、ポリグルタミン酸ナトリウム、加水分解スクレロチウムガム、プルラン、トレメラム(tremellam)および、タマリンド種子多糖体等の1つまたは複数が挙げられる。皮膚局所用組成物中の保水剤の含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(C)の総重量の約1~30%である。
【0026】
皮膚軟化剤の例には、限定されるものではないが、オリーブ油、マカデミアナッツ油、スイートアーモンド油、ブドウ種子油、アボカド油、トウモロコシ油、ゴマ油、大豆油、ピーナッツ油、メドウフォーム種子油、ベニバナ種子油、イヌバラ(rosa canina)果実油、アルガンノキ(argania spinosa)核油、ホホバ(simmondsia chinensis)種子油、ヒマワリ種子油、オオミテングヤシ(mauritia flexuosa)果実油、スクアラン、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、硬化ポリイソブチレン、イソセタン、イソドデカン、炭酸ジエチルヘキシル、炭酸ジオクチル、イソプロピルラウロイルサルコシネート、イソノナン酸イソノニル、硬化ポリデセン、トリエチルヘキサノイン、エチルヘキサン酸セチル、ビス-ジエトキシジグリコールシクロヘキサン1,4-ジカルボキシレート、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、エルカ酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデカノール、オクチルドデカノール、ポリジメチルシロキサン、オクチルポリメチルシロキサン、セチルジメチコン、シクロペンタジメチルシロキサン等の1つまたは複数が挙げられる。固形の皮膚軟化剤の例には、限定されるものではないが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、スクアリルアルコール、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミツロウ、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ラノリン、オゾケライト、ホホバ種子ワックス、パラフィンワックス、微結晶ワックス、硬化米糠ワックス、硬化ココグリセリド、グリセリルベヘネート/エイコサジオエート、ミリスチルミリステート、ビス-ジグリセリルポリアシルアジペート-2、シアーバターノキ(butyrospermum parkii)(シアバター)およびアストロカリウム・ムルムル種子バターの1つまたは複数が挙げられる。皮膚局所用組成物中の皮膚軟化剤の含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(C)の総重量に対して1~50%である。
【0027】
油調整剤の例には、限定されるものではないが、サンザシ抽出物、セイヨウキヅタ抽出物、ユキノシタ抽出物、トウガン(BENINCASA CERIFERA)種子抽出物、コデマリ抽出物、ビタミンB5、カリコシン-7-グルコシドおよびプエラリン、ヒノキ(CHAMAECYPARIS OBTUSA)葉抽出物、丹参(Salvia miltiorrhiza)根抽出物、エナンティア・クロランサ(ENANTIA CHLORANTHA)木皮抽出物、ウィローオーキッド(Willow orchid)葉抽出物、デンドロビウム(Dendrobium)抽出物、セージ抽出物、アボカド抽出物等が挙げられる。皮膚局所用組成物中の油調整剤の含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(C)の総重量の0.01~30%である。
【0028】
剥離成分の例には、限定されるものではないが、ブロメライン、フルーツ酸、乳酸、クエン酸、酵素クチン剥離剤(enzyme cutin exfoliant)、ポリエチレンビーズ、グリコール酸、マンデル酸、酒石酸、アゼライン酸、酢酸等の1つまたは複数が挙げられる。皮膚局所用組成物中の剥離成分の含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(C)の総重量の0.01~30%である。
【0029】
賦形剤には、例えば乳化剤、増粘剤、保存剤、香料等が挙げられる。
乳化剤の例には、これらに限定されるものではないが、オリーブ油脂肪酸セテアリル、オリーブ油脂肪酸ソルビタン、ポリソルベート-60、ポリソルベート-80、セスキステアリン酸メチルグルコース、セスキステアリン酸PEG-20メチルグルコース、PEG-40硬化ヒマシ油、PPG-26-ブテス-26、ステアリン酸PEG-4ポリグリセリル-2、PEG-60硬化ヒマシ油、ステアレス-2、ステアレス-21、PPG-13-デシルテトラデセス-24、セテアリルグルコシド、ステアリン酸PEG-100、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリルSE、ココグルコシド、セテアレス-25、ステアリン酸PEG-40、ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコース、クエン酸ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、ジオレイン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸ポリグリセリル-10、イソステアリン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-10、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸ポリグリセリル-6、ミリスチン酸ポリグリセリル-6、ステアリン酸スクロースおよびポリステアリン酸スクロースの1つまたは複数が挙げられる。皮膚局所用組成物中の乳化剤の含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(C)の総重量の0.5~10%である。
【0030】
増粘剤の例には、限定されるものではないが、高分子ポリマー、例えばカルボマー、アクリレートおよびその誘導体、キサンタンガム、アラビアガム、ポリエチレングリコール-14M、ポリエチレングリコール-90M、スクシニル多糖、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースの1つまたは複数が挙げられる。皮膚局所用組成物中の増粘剤の含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(C)の総重量の0.1~10%である。
【0031】
保存剤の例には、限定されるものではないが、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾリジニル尿素、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、クロロフェネシン(chlorophenesin)、デヒドロ酢酸ナトリウム等の1つまたは複数が挙げられる。皮膚局所用組成物中の保存剤の含有量は当該技術分野において公知であり、例えばこれは、典型的に構成成分(C)の総重量の0.01~50%である。
【0032】
本発明による皮膚局所用組成物は、当該技術分野において公知の好適な方法のいずれかにより調製することができる。例えば、これは、化粧品の分野において一般的に使用されるデバイス、例えば溶解タンク、乳化ポット、分散機、移送ポンプ等を使用して調製することができる。調製中、水溶性物質を水相溶解ケトルに装入し、油溶性物質を油相溶解ケトルに装入し、2つのケトルをそれぞれ約80℃に加熱し、容易に凝集する原料については、分散機を使用して事前に分散させることができる。溶解が完了したら、油相および水相を乳化ポットに移し、約5~15分均質化および乳化する。乳化が完了したら、バルクを室温に冷却し、場合により芳香剤、保存剤等を添加し、必要に応じて生成物のpHを調整する。
【0033】
上記の調製方法は、剤形の要件に応じて変更または調整することができる。様々な剤形、例えば液体、エマルション、軟膏、クリームまたはゲルの医薬組成物または化粧用組成物を必要に応じて調製することができ、化粧用組成物は、ローション、スプレー、乳、エキス、BBクリーム、日焼け止め剤および他の形態であり得る。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明を、実施例を参照して、以下にさらに詳細に説明する。しかし、これらの実施例および比較例は、本発明を具体的に例示するためのみに使用されることが理解されるべきであり、どのような形であっても本発明の添付の特許請求の範囲を限定するものと理解されるべきではない。
実施例1:5α-レダクターゼ活性の阻害
この実施例では、5α-レダクターゼ活性に対する、異なる濃縮度を有するカバノキ樹液、サリチル酸、リンゴ酸およびこれらの組合せの効果を、調査および比較した。
【0035】
1.カバノキ樹液の濃度
Daxinganling Chaoyue Wild Berry Development Co.,Ltd.から購入した新鮮なカバノキ(ベツラ・アルバ)樹液原液を、低温乾燥デバイスに供給し、-65℃に冷却し、0.1Paに真空化し、それぞれ2倍および10倍に濃縮した。
【0036】
2.試験
実験機器:天秤、高速度ブレンダー、恒温型発振器、高速凍結遠心分離機、マイクロプレートリーダー。
【0037】
実験試薬および材料:
フィナステリド:Shanghai Modern Pharmaceutical Co.,Ltd.(錠剤 5mg/錠剤);
還元型コエンザイムII(NADPH):American Roche company(粉末 10mg);
テストステロンElisaキット:Wuhan Ulsheng Company(カタログ番号CEA458Ge);
5α-レダクターゼ粗酵素:自身で用意した;
PBS:Wuhan Boster Company;
フッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF):American Sigma company;
ジチオスレイトール(DTT):American Sigma Company;
1M Tris-HCl:Wuhan Boster Company。
【0038】
試料積載情報:単一の原料の積載量が原料の全量となり、配合された原料の試料積載量は、半分がカバノキ樹液原料、および半分が0.1%の他の活性な原料であった。
【0039】
5α-レダクターゼ活性のin vitroの分析ステップは、以下のとおりであった。
【0040】
(1)粗酵素の調製:5匹の正常なマウスを頸椎脱臼により殺し、腹腔を開け、精巣をいくつかの部分に分け、2ml EP管に入れ、適切な量の粗酵素抽出物を1:4の比で添加し、高速ブレンダーにより4℃で破壊してホモジネートとし、4℃、高速(10000 rpm/分、10分)で冷却遠心分離にかけ、上清を採取し、4℃で保管した。タンパク質濃度をBCA法により決定し、濃度が1mg/mlを上回る場合にはその後の実験を行った。
【0041】
(2)ブランク対照の決定:2群の200μl EP管(各群中4)に、5α-レダクターゼ粗酵素、PBS溶液(pH=7.4)および還元型コエンザイムIIをそれぞれ添加した。1つの群を、混合したらすぐに沸騰水中で5分煮沸し、遠心分離にかけ、50μlの液体を、ブランク対照群の最初のテストステロン含有量としてその後のElisa検出のために吸引し、他の群を、混合したら一定温度の振盪器で60分よく混合し、沸騰水中で5分煮沸し、遠心分離にかけ、50μlの液体をその後のElisa検出のために吸引した。これと最初の含有量との間の差は、転換後のブランク対照群のテストステロン含有量である。
【0042】
(3)試料群の決定:2群の200μl EP管(各群中4)に、5α-レダクターゼ粗酵素、PBS溶液(pH=7.4)、還元型コエンザイムIIおよび試験原料をそれぞれ添加した。1つの群を、混合したらすぐに沸騰水中で5分煮沸し、遠心分離にかけ、50μlの液体を、阻害剤群の最初のテストステロン含有量としてその後のElisa検出のために吸引し、他の群を、混合したら一定温度の振盪器で60分よく混合し、沸騰水中で5分煮沸し、遠心分離にかけ、50μlの液体をその後のElisa検出のために吸引した。これと最初の含有量との間の差は、転換後の阻害剤群のテストステロン含有量である。4つの並行した試料を、各実験において用意した。
【0043】
5α-レダクターゼの阻害率を、以下のとおりに算出した:
I%=(ΔA~ΔA)/ΔA×100%
(式中、
ΔA-対照群におけるテストステロンの減少;
ΔA-阻害剤群におけるテストステロンの減少)。
【0044】
試験の結果を、以下の表に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
上記の結果は、5α-レダクターゼの阻害に関して、2倍濃縮カバノキ樹液とサリチル酸またはリンゴ酸との組合せが、カバノキ樹液原液、2倍濃縮カバノキ樹液、サリチル酸またはリンゴ酸単独よりも有意により良好であり、またカバノキ樹液原液とサリチル酸またはリンゴ酸との組合せよりも有意により良好であることを示した。カバノキ樹液を10倍に濃縮した場合、他の活性物質とのその組合せは有意に低減した有効性を示し、カバノキ樹液原液と他の活性成分との組合せにさえ劣った。
実施例2:抗菌実験
身近な化学物質の抗菌有効性を評価するためのQB/T2738-2012法に従って、異なる濃度を有するカバノキ樹液、亜鉛PCAおよびこれらの組合せを、細菌阻害リング法(bacteria-inhibiting ring method)により決定した。
【0047】
1.実験材料:
器具および材料:濾紙(抗菌剤担体)、ノギス。
【0048】
試薬:栄養寒天培地、細菌懸濁液。
株の供給源:プロピオニバクテリウム・アクネス、China Center for Type Culture Collectionから市販されている。
【0049】
試料積載情報:単一の原料の試料積載量が原料の全量となり、配合された原料の試料積載量は、半分がカバノキ樹液原料、および半分が0.1%の他の活性な原料であった。
【0050】
2.試験
抗菌実験の操作ステップ:
(1)抗菌錠剤の調製:20μLの液体試料を円形の滅菌乾燥濾紙の中心に直径5mmで滴下添加し、濾紙を清潔な滅菌プレート中に平らに置き、後の使用のために、蓋を開けたままインキュベーター(37℃)中で乾燥させるか、または室温で自然に乾燥させた。
【0051】
(2)試験細菌の接種:1×10cfu/ml~9×10cfu/mlの試験細菌懸濁液に滅菌綿棒を浸し、栄養寒天培地プレートの表面に3回均一に塗布した。各塗布について、プレートは60度回転させるべきであり、綿棒はプレートの縁に沿って塗布するべきである。プレートに蓋をし、室温で5分乾燥させた。
【0052】
(3)抗菌試験試料の配置:各試験について1つの染色したプレートを置き、各プレートに4つの試験用標本および1つの対照標本、合計5つの標本を置いた。標本を、滅菌ピンセットを使用して除去し、プレートの表面に、各標本の中心の間が25mmを超え、プレートの辺縁から15mmを超える距離で置いた。置いた後、滅菌ピンセットを使用して標本を優しく押し、これらをプレートの表面に接近させた。プレートに蓋をし、37℃のインキュベーター中に入れ、16~18時間インキュベートした。結果を観察した。抗菌リング(パッチを含む)の直径を、ノギスを使用して測定し、記録した。実験を3回繰り返した。
【0053】
試験の結果を、以下の表に示した。
【0054】
【表2】
【0055】
抗菌試験の結果は、カバノキ樹液原液、2倍濃縮カバノキ樹液、亜鉛PCA単独、およびカバノキ樹液原液と亜鉛PCAとの組合せと比較して、2倍濃縮カバノキ樹液と亜鉛PCAとの組合せが、プロピオニバクテリウム・アクネスの増殖を阻害する能力を有意に改善することを示した。カバノキ樹液を10倍に濃縮した場合、他の活性物質とのその組合せは有意に低減した有効性を示し、カバノキ樹液原液と他の活性成分との組合せにさえ劣った。
実施例3:ラット外耳モデルの実験
この実施例では、血清中のIL-1αおよびTNF-αに対する、異なる濃度を有するカバノキ樹液およびアロエ抽出物、緑茶抽出物、アラントイン、ニコチンアミド、ならびにこれらの組合せの能力を、マウス耳モデル実験に基づいて試験した。
【0056】
1.材料
実験動物:SPFグレード SD雄の健康なラット、重量(200±20)g、Zhejiang Medical Academyにより提供。
【0057】
薬物および試薬:100%オレイン酸、ELISA IL-1αキット、ELISA TNF-αキット。
【0058】
試料積載情報:単一の原料の試料積載量が原料の全量となり、配合された原料の試料積載量は、半分がカバノキ樹液原料、および半分が0.1%の他の活性な原料であった。
【0059】
2.方法
(1)モデリング方法:ラットを2群に無作為に分け、正常群8匹、残りをモデリング群とした。モデル群では、100%オレイン酸を1mlシリンジで1日1回、各回約0.3mlで3週、各ラットの右外耳皮膚に均一に塗布した。100%オレイン酸の塗布後の22日目に、2匹のモデルラットを無作為に選択し、オレイン酸を塗布した右耳の2つの耳切片を切り離し、10%ホルムアルデヒドで固定し、パラフィンに包埋し、薄片を作製し、HEで染色し、病理組織学的変化を光学顕微鏡下で観察した。光学顕微鏡下での観察は、角質層の肥厚、過角化、毛包の膨張、角質化した物質で満たされた毛包口および毛包漏斗部、角栓の詰まり、ポット型の膨張、および皮脂腺消失を示した。実験的なざ瘡組織学の等級基準により、ラット外耳の実験的ざ瘡モデルを形成した。
【0060】
(2)動物の群分けおよび投与:モデリングに成功した後、モデル中の残りのラットを、これらの体重により、各群8匹のラットで、モデルブランク群および異なる濃度を有するカバノキ樹液の群に無作為に分けた。実験の22日目、局所投与を開始した。各群の投薬量は0.1mlであり、投与部位はラットの右外耳のモデル部位であり、1日1回、2週とした。正常群およびモデル群には薬物を塗布しなかった。
【0061】
(3)標本の収集および検出方法:最終投与の24時間後、各群の動物の大腿動脈の血液を採取し、血清を分離し、後の使用のために-20℃で保管した。血清中のIL-1αおよびTNF-αの含有量を、2抗体サンドイッチABC-ELISA法により決定した。
【0062】
(4)GraphPad Prism Programソフトウェアを製図のために使用し、T検定統計分析を使用した。
【0063】
試験の結果を、以下の表に示す。
【0064】
【表3】
【0065】
【0066】
上記の結果は、カバノキ樹液原液、2倍濃縮カバノキ樹液、アロエ抽出物、緑茶抽出物、アラントインまたはニコチンアミド単独の使用と比較して、カバノキ樹液原液とアロエ抽出物、緑茶抽出物、アラントインまたはニコチンアミドとの組合せ、2倍濃縮カバノキ樹液とアロエ抽出物、緑茶抽出物、アラントインまたはニコチンアミドとの組合せが、血清中のIL-1αおよびTNF-αに対する能力を有意に改善することを示した。カバノキ樹液を10倍に濃縮した場合、他の活性物質とのその組合せは有意に減少した有効性を示し、カバノキ樹液と他の活性成分との組合せにさえ劣った。
実施例4:ヒト皮膚の皮脂含有量
この実施例では、ヒト皮脂含有量に対する、異なる濃度を有するカバノキ樹液および亜鉛PCA、ヒアルロン酸ナトリウムならびにこれらの組合せの効果を調査した。
【0067】
過剰な皮脂分泌は、ざ瘡を引き起こす主な原因の1つである。この実験では、皮脂測定器(Sebumeter SM815、German CK company)を使用して、化粧品を使用する前後の皮脂腺分泌を定量的に測定して、化粧品の抗ざ瘡有効性を評価した。SM815測定原理は光度計原理に基づき、厚さ0.1mmの特別なマットテープがヒト皮膚上の油を吸収した後に半透明のテープとなり、その光透過が変化し、脂肪を吸収するほど光透過が大きくなり、それにより皮脂の含有量を測定することができる。
【0068】
試料積載情報:単一の原料の積載量が原料の全量となり、配合された原料は、半分がカバノキ樹液、および半分が0.1%の他の活性な原料であった。
【0069】
実験工程:油の分泌過多を患う患者被験者(20~35歳、男女半々)を選択し、各群8名で群に分けた。油試験の日、被験者の顔を洗浄し、30分後に3mg/cmの異なる製品を頬に塗布した。皮脂含有量を、SM815を用いて、0時間、2時間、4時間および8時間でそれぞれ動的に決定し、皮脂含有量の変化を算出した。
【0070】
二重盲検化ラベリング法を、実験評価および被験者の両方に使用した。試験を、一定の温度および湿度の実験室で、25±1℃の温度および60%±5%の湿度で行った。
【0071】
試験の結果を、以下の表に示した。
【0072】
【表4】
【0073】
対照群の皮脂は時間と共に徐々に増大し、被験者が強力な油分泌を有することを示した。試料群の結果は、カバノキ樹液原液、2倍濃縮カバノキ樹液、亜鉛PCA、ヒアルロン酸ナトリウム単独、およびカバノキ樹液原液と亜鉛PCAまたはヒアルロン酸ナトリウムとの組合せと比較して、2倍濃縮カバノキ樹液と亜鉛PCAまたはヒアルロン酸ナトリウムとの組合せが、被験者の過剰な油分泌をより有意に阻害することを示した。カバノキ樹液を10倍に濃縮した場合、他の活性物質とのその組合せは有意に減少した有効性を示し、カバノキ樹液原液と他の活性成分との組合せにさえ劣った。
実施例5:抗ざ瘡エキスの調製および性能調査
異なる活性物質を含む抗ざ瘡エキスの処方を、以下の表に示した:
【0074】
【表5】
【0075】
調製方法は以下のとおりであった:A相の原料を秤量し、よく混合し、完全に溶解し、60℃に加熱し、20分保持した。撹拌しながら45℃に冷却し、相Bを連続的に添加し、よく撹拌して上述の様々な抗ざ瘡エキス製品を得た。
【0076】
製品の実際の使用の有効性を試験するために、上述の異なる抗ざ瘡エキス製品を集団内で別々に試験した。各製品について60名の、20~35歳のざ瘡を有する患者に試料を配布し、1カ月試用させた。同時に、質問票に記入させ、最後に結果を計算した。
【0077】
等級付けのための基準は以下のとおりであった:
有意に有効:治癒または>60%の皮膚病変が鎮静した
有効:20~60%の皮膚病変が鎮静した
無効:<20%の皮膚病変が鎮静したか、または増悪した。
【0078】
集団試験調査の結果は、以下のとおりであった。
【0079】
【表6】
【0080】
上記の結果は、カバノキ樹液原液、2倍濃縮カバノキ樹液、サリチル酸単独を含む抗ざ瘡エキス、およびカバノキ樹液原液とサリチル酸との組合せと比較して、2倍濃縮カバノキ樹液とサリチル酸との組合せを含むエキスは、より有意な抗ざ瘡不安定性を示した。
【0081】
上述の実施例の技術的解決法は、本発明の好ましい実施形態であった。いくつかの改善および変更を、本発明の原理から逸脱することなく行うことができ、これらの改善および変更も、本発明の保護範囲内に当てはまると考えられるべきである。