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特許7422226電池、電池モジュール、電池パック及び自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】電池、電池モジュール、電池パック及び自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/636 20210101AFI20240118BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240118BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20240118BHJP
   H01M 50/112 20210101ALI20240118BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20240118BHJP
   H01M 50/317 20210101ALI20240118BHJP
   H01M 50/325 20210101ALI20240118BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20240118BHJP
   H01M 50/529 20210101ALI20240118BHJP
   H01M 50/534 20210101ALI20240118BHJP
   H01M 50/571 20210101ALI20240118BHJP
【FI】
H01M50/636
H01M10/04 W
H01M10/04 Z
H01M50/103
H01M50/112
H01M50/15
H01M50/317 101
H01M50/325
H01M50/35 101
H01M50/529
H01M50/534
H01M50/571
【請求項の数】 38
(21)【出願番号】P 2022529478
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(86)【国際出願番号】 CN2020130024
(87)【国際公開番号】W WO2021098760
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-06-21
(31)【優先権主張番号】201911158918.8
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼▲華▼▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】朱燕
(72)【発明者】
【氏名】王信月
【審査官】鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-046113(JP,A)
【文献】特開2012-146531(JP,A)
【文献】国際公開第2012/123992(WO,A1)
【文献】特開平04-233159(JP,A)
【文献】特公昭49-025568(JP,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0041906(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/636
H01M 10/04
H01M 50/103
H01M 50/112
H01M 50/15
H01M 50/317
H01M 50/325
H01M 50/35
H01M 50/529
H01M 50/534
H01M 50/571
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内に位置する複数の収容キャビティと、
隣接する2つの前記収容キャビティを仕切る仕切り板であって、電極体セットが前記収容キャビティに配置され、複数の電極体セットが第1の方向に沿って順に配列され、かつ直列接続されている、仕切り板と、
前記仕切り板に設置され、この仕切り板の両側にある隣接する2つの収容キャビティを連通させる導液孔及び導気孔と、
導液孔を、開状態及び閉状態を含む設定状態にすることができるブロッキング機構とを含む、ことを特徴とする電池。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記第1の方向に沿って延在する一体構造であり、複数の前記仕切り板は、前記ハウジング内に間隔を隔てて設置され、かつ前記仕切り板の側周面は、前記ハウジングの側壁と嵌合して前記ハウジングの内部を複数の前記収容キャビティに仕切り、前記収容キャビティの壁は、収容キャビティの端部に位置する仕切り板又はエンドカバーと、前記隣接する2つの仕切り板の間又は仕切り板とエンドカバーとの間に位置する前記ハウジングとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記第1の方向に沿って延在する一体構造であり、前記ハウジング内に、セパレータ及び前記仕切り板を含むセルアセンブリが設置され、前記収容キャビティは、前記セパレータの内部に位置し、複数の前記仕切り板は、前記セパレータ内に間隔を隔てて設置され、前記仕切り板の側周面は、前記セパレータと嵌合して前記セパレータの内部を複数の前記収容キャビティに仕切り、
前記収容キャビティの壁は、収容キャビティの端部に位置する仕切り板又はエンドカバーと、隣接する2つの仕切り板の間又は仕切り板とエンドカバーとの間に位置する前記セパレータとを含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記第1の方向に沿って延在する一体構造であり、前記ハウジング内に、セパレータ及び前記仕切り板を含むセルアセンブリが設置され、前記収容キャビティは、前記セパレータの内部に位置し、前記セパレータは、前記第1の方向に沿って設置された複数のサブセパレータを含み、同一の仕切り板が隣接する2つのサブセパレータに接続されており、
前記収容キャビティの壁は、前記サブセパレータと、前記サブセパレータの端部に位置する仕切り板又はエンドカバーとを含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の電池。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記第1の方向に沿って設置された複数のサブハウジングを含み、同一の仕切り板が、隣接する2つのサブハウジングに接続され、前記収容キャビティの壁は、前記サブハウジングと、前記サブハウジングの端部に位置する仕切り板又はエンドカバーとを含む、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電池。
【請求項6】
長さ、幅及び厚さで定義される略直方体であり、長さが幅より大きく、幅が厚さより大きく、前記導気孔と前記導液孔は、電池の幅方向に沿って前記仕切り板に間隔を隔てて設置される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の電池。
【請求項7】
前記ブロッキング機構が第1の状態にあるとき、前記導液孔は、開状態にあり、前記ブロッキング機構が第2の状態にあるとき、前記導液孔は、閉状態にあり、前記ブロッキング機構は、第1の状態と第2の状態との間で切り替え可能である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の電池。
【請求項8】
前記電池の電解液注入前又は電解液注入時に、前記ブロッキング機構は、第1の状態にあり、前記導液孔は、開状態にあり、この仕切り板の両側にある隣接する2つの収容キャビティを連通させ、前記電池の電解液注入後に、前記ブロッキング機構は、第1の状態から第2の状態に切り替わり、前記導液孔を閉じて、前記導液孔を閉状態にする、ことを特徴とする請求項7に記載の電池。
【請求項9】
電解液の注入後の電池形成時に、前記ブロッキング機構は、第1の状態にあり、前記導液孔は、開状態にあり、この仕切り板の両側にある隣接する2つの収容キャビティを連通させ、電解液注入後の電池形成後に、前記ブロッキング機構は、第1の状態から第2の状態に切り替わり、前記導液孔を閉じて、前記導液孔を閉状態にする、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の電池。
【請求項10】
前記導液孔が閉状態にあるとき、前記ブロッキング機構は、前記導液孔に位置し、前記導液孔を閉じて、前記導液孔による隣接する2つの前記収容キャビティの連通を遮断する、ことを特徴とする請求項8又は9に記載の電池。
【請求項11】
前記仕切り板にブロッキング機構配置空間が設置され、前記ブロッキング機構は、前記ブロッキング機構配置空間内に位置し、前記ブロッキング機構配置空間内には、前記ブロッキング機構を収容する第1の位置及び第2の位置が形成され、前記第1の状態は、前記ブロッキング機構が前記電池内の第1の位置に位置する状況を指し、前記第2の状態は、前記ブロッキング機構が前記電池内の第2の位置に位置する状況を指す、ことを特徴とする請求項8~10のいずれか一項に記載の電池。
【請求項12】
前記仕切り板にブロッキング機構配置空間が設置され、前記ブロッキング機構は、前記ブロッキング機構配置空間内に位置し、前記ブロッキング機構配置空間内に前記第1の位置及び前記第2の位置が形成され、かつ前記ブロッキング機構は、力の作用下で、前記第1の位置と前記第2の位置との間に移動でき、前記ブロッキング機構が前記第1の位置に位置するとき、前記導液孔は、開状態にあり、隣接する2つの前記収容キャビティを連通させ、前記ブロッキング機構が前記第2の位置に位置するとき、前記ブロッキング機構は、前記導液孔を閉じて、前記導液孔を閉状態にすることにより、前記導液孔による隣接する2つの前記収容キャビティの連通を遮断する、ことを特徴とする請求項11に記載の電池。
【請求項13】
前記ブロッキング機構配置空間と前記導液孔とは、交差して設置され、前記導液孔は、前記ブロッキング機構配置空間によって、いずれも前記ブロッキング機構配置空間と連通する第1の導液孔及び第2の導液孔に仕切られる、ことを特徴とする請求項12に記載の電池。
【請求項14】
前記ブロッキング機構と前記ブロッキング機構配置空間の内壁とは締り嵌めして接続される、ことを特徴とする請求項12又は13に記載の電池。
【請求項15】
前記ブロッキング機構は、磁性を有する磁性体である、ことを特徴とする請求項12~14のいずれか一項に記載の電池。
【請求項16】
前記ブロッキング機構の外側は弾性スリーブ被覆されている、ことを特徴とする請求項15に記載の電池。
【請求項17】
各電極体セットは、いずれも電流を引き出す第1の電極引き出し部材及び第2の電極引き出し部材を含み、少なくとも1つの電極体セットにおける第1の電極引き出し部材と第2の電極引き出し部材は、それぞれ前記第1の方向に沿って該電極体セットの反対側に位置し、該電極体セットの長さ方向は、前記第1の方向に沿って延在する、ことを特徴とする請求項1~15のいずれか一項に記載の電池。
【請求項18】
導気孔を、開状態及び閉状態を含む設定状態にすることができる導気孔ブロッキング機構を更に含む、ことを特徴とする請求項1~17のいずれか一項に記載の電池。
【請求項19】
前記電池に電解液注入前、又は、注入時、又は、電解液注入後の電池形成時に、前記導気孔ブロッキング機構は、前記導気孔を開状態にして、前記導気孔によりこの仕切り板の両側にある隣接する2つの前記収容キャビティを連通させる、ことを特徴とする請求項18に記載の電池。
【請求項20】
前記電池の電解液注入後に、前記導気孔ブロッキング機構は、前記導気孔を閉じて、前記導気孔を閉状態にし、前記電池の過充電又は短絡時に、前記導気孔ブロッキング機構は、前記導気孔を開状態にして、前記導気孔により前記仕切り板の両側にある隣接する2つの前記収容キャビティを連通させる、ことを特徴とする請求項18又は19に記載の電池。
【請求項21】
隣接する2つの前記電極体セットは、電極体コネクタにより直列接続され、前記電極体コネクタは、隣接する2つの前記電極体セットの間の仕切り板を貫通する、ことを特徴とする請求項1~20のいずれか一項に記載の電池。
【請求項22】
前記電極体コネクタと前記仕切り板とは一体成形される、ことを特徴とする請求項21に記載の電池。
【請求項23】
前記電極体コネクタは、銅接続部と銅接続部に接続されたアルミニウム接続部とを含み、前記銅接続部とアルミニウム接続部との接続位置は前記仕切り板内に位置する、ことを特徴とする請求項21又は22に記載の電池。
【請求項24】
ハウジングと、
前記ハウジング内に位置する複数の収容キャビティと、
隣接する2つの前記収容キャビティを仕切る仕切り板であって、電極体セットが前記収容キャビティに配置され、複数の電極体セットが第1の方向に沿って順に配列され、かつ直列接続されている、仕切り板と、
前記仕切り板に設置され、この仕切り板の両側にある隣接する2つの前記収容キャビティを連通させる導液孔及び導気孔と、
記導液孔に位置し、前記導液孔を閉じて、前記導液孔による隣接する2つの前記収容キャビティの連通を遮断するブロッキング機構とを含む、ことを特徴とする電池。
【請求項25】
前記ハウジングは、前記第1の方向に沿って延在する一体構造であり、複数の前記仕切り板は、前記ハウジング内に間隔を隔てて設置され、かつ前記仕切り板の側周面は、前記ハウジングの側壁と嵌合して前記ハウジングの内部を複数の前記収容キャビティに仕切り、前記収容キャビティの壁は、収容キャビティの端部に位置する仕切り板又はエンドカバーと、前記隣接する2つの仕切り板の間又は仕切り板とエンドカバーとの間に位置する前記ハウジングとを含む、ことを特徴とする請求項24に記載の電池。
【請求項26】
前記ハウジングは、前記第1の方向に沿って延在する一体構造であり、前記ハウジング内に、セパレータ及び前記仕切り板を含むセルアセンブリが設置され、前記収容キャビティは、前記セパレータの内部に位置し、複数の前記仕切り板は、前記セパレータ内に間隔を隔てて設置され、前記仕切り板の側周面は、前記セパレータと嵌合して前記セパレータの内部を複数の前記収容キャビティに仕切り、
前記収容キャビティの壁は、収容キャビティの端部に位置する仕切り板又はエンドカバーと、隣接する2つの仕切り板の間又は仕切り板とエンドカバーとの間に位置する前記セパレータとを含む、ことを特徴とする請求項25に記載の電池。
【請求項27】
前記ハウジングは、前記第1の方向に沿って延在する一体構造であり、前記ハウジング内に、セパレータ及び前記仕切り板を含むセルアセンブリが設置され、前記収容キャビティは、前記セパレータの内部に位置し、前記セパレータは、前記第1の方向に沿って設置された複数のサブセパレータを含み、同一の前記仕切り板は、隣接する2つの前記サブセパレータに接続され、前記収容キャビティの壁は、前記サブセパレータと、前記サブセパレータの端部に位置する仕切り板又はエンドカバーとを含む、ことを特徴とする請求項24~26のいずれか一項に記載の電池。
【請求項28】
少なくとも1つの前記仕切り板にブロッキング機構配置空間が設置され、前記ブロッキング機構は、前記ブロッキング機構配置空間内に位置し、前記ブロッキング機構配置空間内には、前記ブロッキング機構を収容する第1の位置及び第2の位置が形成され、前記ブロッキング機構は、第2の位置に位置し、かつ力の作用下で、第2の位置から第1の位置に切り替わるか又は第1の位置から第2の位置に切り替わることができる、ことを特徴とする請求項24~27のいずれか一項に記載の電池。
【請求項29】
前記ブロッキング機構配置空間と前記導液孔とは、交差して設置され、前記導液孔は、前記ブロッキング機構配置空間によって、前記ブロッキング機構配置空間と連通する第1の導液孔及び第2の導液孔に仕切られる、ことを特徴とする請求項28に記載の電池。
【請求項30】
前記ブロッキング機構は、磁性を有する磁性体である、ことを特徴とする請求項28又は29に記載の電池。
【請求項31】
前記ブロッキング機構の外側は弾性スリーブ被覆されている、ことを特徴とする請求項30に記載の電池。
【請求項32】
隣接する2つの前記電極体セットは、電極体コネクタにより直列接続され、前記電極体コネクタは、隣接する2つの前記電極体セットの間の仕切り板を貫通する、ことを特徴とする請求項24~31のいずれか一項に記載の電池。
【請求項33】
前記電極体コネクタと前記仕切り板とは、一体成形される、ことを特徴とする請求項32に記載の電池。
【請求項34】
前記電極体コネクタは、銅接続部と銅接続部に接続されたアルミニウム接続部とを含み、前記銅接続部とアルミニウム接続部との接続位置は、前記仕切り板内に位置する、ことを特徴とする請求項32又は33に記載の電池。
【請求項35】
各前記電極体セットは、いずれも電流を引き出す第1の電極引き出し部材及び第2の電極引き出し部材を含み、少なくとも1つの電極体セットの前記第1の電極引き出し部材と第2の電極引き出し部材は、それぞれ前記第1の方向に沿って該電極体セットの反対側に配置され、該電極体セットの長さ方向は、前記第1の方向に沿って延在する、ことを特徴とする請求項24~34のいずれか一項に記載の電池。
【請求項36】
請求項1~35のいずれか一項に記載の複数の電池を含む、ことを特徴とする電池モジュール。
【請求項37】
請求項1~35のいずれか一項に記載の複数の電池を含むか又は請求項36に記載の複数の電池モジュールを含む、ことを特徴とする電池パック。
【請求項38】
請求項36に記載の電池モジュール又は請求項37に記載の電池パックを含む、ことを特徴とする自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディー カンパニー リミテッドが2019年11月22日に提出した、発明の名称「電池、電池モジュール、電池パック及び自動車」の中国特許出願第「201911158918.8」号の優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、電池の分野に関し、特に、電池、電池モジュール、電池パック及び自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
新エネルギー自動車の普及が進むにつれて、新エネルギー自動車の動力電池の使用に対する要件はますます高まっている。特に、新エネルギー自動車の耐久走行距離に対するユーザの要件がますます高まっているため、新エネルギー自動車に使用される電池パックに関して、その全体的な容量を継続的に増やす必要があり、また、動力電池パックを使用する過程において、内部抵抗による内部消耗を最小限に抑える必要がある。
【0004】
一般的な新エネルギー自動車は、一般的に、幅が1メートル以上であり、長さが数メートルであり、新エネルギー自動車の動力電池パックは、一般的に、新エネルギー自動車の底部に配置され、現在、市販されている動力電池パックは、一般的に、幅方向において新エネルギー自動車の幅と略一致し、約1メートル以上である。長さは、新エネルギー自動車の底部の保留空間に基づいて決定され、一般的に、2メートル以上である。全体として、動力電池パックは、長さ方向と幅方向の両方において1メートルを超える。しかしながら、現在、市場に出回っている単電池の長さが、一般的に、約0.3メートルであるため、少なくとも3つ、更にそれ以上の単電池を動力電池パックに並設する必要がある。
【0005】
複数の単電池を並設する場合、各単電池にいずれも固定構造を追加する必要があると共に、隣接する2つの単電池を、外付けされる動力コネクタを介して動力接続する必要がある。その結果として、単電池の取り付け構造が多くなり、コストが増加するだけでなく、全体重量も増加し、また、電池パックの体積に関して、取り付け構造がパックの内部空間を大きく占めるため、動力電池パック全体の容量が低下し、並設される単電池が多いほど、無駄になる空間が大きくなる。更に、動力接続を行うために複数の外付け動力コネクタを設置する必要があるため、内部抵抗が増加し、動力電池パックの使用中の内部消耗が増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の目的は、上記電解液注入問題を解決するために、各キャビティに電解液を注入するだけでなく、各キャビティの分離を確保することができる電池、電池モジュール、電池パック及び自動車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題を解決するために、本願の技術手段は以下のとおりである。
【0008】
本願に係る電池は、ハウジングと、前記ハウジング内に位置する複数の収容キャビティとを含み、隣接する2つの収容キャビティは、仕切り板で仕切られ、前記収容キャビティ内には、少なくとも1つの電極体を含む電極体セットが設置され、複数の前記電極体セットは、第1の方向に沿って順に配列され、かつ直列接続され、前記仕切り板には、この仕切り板の両側にある隣接する2つの収容キャビティを連通させる導液孔及び導気孔が設置され、前記電池は、導液孔を、開状態及び閉状態を含む設定状態にすることができるブロッキング機構を更に含む。
【0009】
本願の一実施形態では、前記ハウジングは、第1の方向に沿って延在する一体構造であり、複数の前記仕切り板は、前記ハウジング内に間隔を隔てて設置され、かつ前記仕切り板の側周面は、前記ハウジングの側壁としっかりと貼り合わせされて嵌合して前記ハウジングの内部を複数の前記収容キャビティに仕切り、前記収容キャビティの壁は、収容キャビティの端部に位置する仕切り板又はエンドカバーと、前記隣接する2つの仕切り板の間又は仕切り板とエンドカバーとの間に位置する前記ハウジングとを含む。
【0010】
本願の一実施形態では、前記ハウジングは、第1の方向に沿って延在する一体構造であり、前記ハウジング内に、セパレータ及び前記仕切り板を含むセルアセンブリが設置され、前記収容キャビティは、前記セパレータの内部に位置し、前記仕切り板は、前記セパレータ内に間隔を隔てて設置され、前記仕切り板の側周面は、前記セパレータと嵌合して前記セパレータの内部を複数の前記収容キャビティに仕切り、前記収容キャビティの壁は、収容キャビティの端部に位置する仕切り板又はエンドカバーと、隣接する2つの仕切り板の間又は仕切り板とエンドカバーとの間に位置する前記セパレータとを含む。
【0011】
本願の一実施形態では、前記ハウジングは、第1の方向に沿って延在する一体構造であり、前記ハウジング内に、セパレータ及び前記仕切り板を含むセルアセンブリが設置され、前記収容キャビティは、前記セパレータの内部に位置し、前記セパレータは、第1の方向に沿って設置された複数のサブセパレータを含み、前記仕切り板は、隣接する2つのサブセパレータに同時に接続され、隣接する2つの収容キャビティは、1つの前記仕切り板を共用し、前記収容キャビティの壁は、前記サブセパレータと、前記サブセパレータの端部に位置する仕切り板又はエンドカバーとを含む。
【0012】
本願の一実施形態では、前記ハウジングは、第1の方向に沿って設置された複数のサブハウジングを含み、前記仕切り板は、隣接する2つのサブハウジングに同時に接続され、隣接する2つの収容キャビティは、1つの前記仕切り板を共用し、前記収容キャビティの壁は、前記サブハウジングと、前記サブハウジングの端部に位置する仕切り板又はエンドカバーとを含む。
【0013】
本願の一実施形態では、前記電池は、略直方体であり、長さ、幅及び厚さを有し、長さが幅より大きく、幅が厚さより大きく、前記導気孔と前記導液孔は、幅方向に沿って前記仕切り板に間隔を隔てて設置される。
【0014】
本願の一実施形態では、前記ブロッキング機構が第1の状態にあるとき、前記導液孔は、開状態にあり、前記ブロッキング機構が第2の状態にあるとき、前記導液孔は、閉状態にあり、前記ブロッキング機構は、第1の状態と第2の状態との間で切り替わることができる。
【0015】
本願の一実施形態では、前記電池の電解液注入前又は電解液注入時に、前記ブロッキング機構は、第1の状態にあり、前記導液孔は、開状態にあり、この仕切り板の両側にある隣接する2つの収容キャビティを連通させ、前記電池の電解液注入後に、前記ブロッキング機構は、第1の状態から第2の状態に切り替わり、前記導液孔を閉じて、前記導液孔を閉状態にする。
【0016】
本願の一実施形態では、前記電池の電解液注入後の電池形成時に、前記ブロッキング機構は、第1の状態にあり、前記導液孔は、開状態にあり、この仕切り板の両側にある隣接する2つの収容キャビティを連通させ、前記電池の電解液注入化後の電池形成後に、前記ブロッキング機構は、第1の状態から第2の状態に切り替わり、前記導液孔を閉じて、前記導液孔を閉状態にする。
【0017】
本願の一実施形態では、前記導液孔が閉状態にあるとき、前記ブロッキング機構は、少なくとも部分的に前記導液孔に位置し、前記導液孔を閉じて、前記導液孔による隣接する2つの収容キャビティの連通を遮断する。
【0018】
本願の一実施形態では、前記第1の状態は、前記ブロッキング機構が前記電池内の第1の位置に位置する状況を指し、前記第2の状態は、前記ブロッキング機構が前記電池内の第2の位置に位置する状況を指す。
【0019】
本願の一実施形態では、前記仕切り板にブロッキング機構配置空間が設置され、前記ブロッキング機構は、前記ブロッキング機構配置空間内に位置し、前記ブロッキング機構配置空間内に前記第1の位置及び前記第2の位置が形成され、かつ前記ブロッキング機構は、力の作用下で、第1の位置と第2の位置との間で移動でき、前記ブロッキング機構が第1の位置に位置するとき、前記導液孔は、開状態にあり、隣接する2つの収容キャビティを連通させ、前記ブロッキング機構が第2の位置に位置するとき、前記ブロッキング機構は、前記導液孔を閉じて、前記導液孔を閉状態にすることにより、前記導液孔による隣接する2つの収容キャビティの連通を遮断する。
【0020】
本願の一実施形態では、前記ブロッキング機構配置空間と前記導液孔とは、交差して設置され、前記導液孔は、前記ブロッキング機構配置空間によって、いずれも前記ブロッキング機構配置空間と連通する第1の導液孔及び第2の導液孔に仕切られる。
【0021】
本願の一実施形態では、前記ブロッキング機構と前記ブロッキング機構配置空間の内壁とは、締り嵌めして接続される。
【0022】
本願の一実施形態では、前記ブロッキング機構は、磁性を有する磁性体である。
【0023】
本願の一実施形態では、前記ブロッキング機構の外部に弾性スリーブが被覆される。
【0024】
本願の一実施形態では、各前記電極体セットは、いずれも電流を引き出す第1の電極引き出し部材及び第2の電極引き出し部材を含み、少なくとも1つの電極体セットの前記第1の電極引き出し部材と第2の電極引き出し部材は、それぞれ第1の方向に沿って該電極体セットの対向する両側に設置され、該電極体セットの長さ方向は、第1の方向に沿って延在する。
【0025】
本願の一実施形態では、前記電池は、導気孔を、開状態及び閉状態を含む設定状態にすることができる導気孔ブロッキング機構を更に含む。
【0026】
本願の一実施形態では、前記電池の電解液注入前、電解液注入時又は電解液注入後かつ化成時に、前記導気孔ブロッキング機構は、前記導気孔を開状態にして、前記導気孔によりこの仕切り板の両側にある隣接する2つの収容キャビティを連通させる。
【0027】
本願の一実施形態では、前記電池の電解液注入後に、前記導気孔ブロッキング機構は、前記導気孔を閉じて、前記導気孔を閉状態にし、電池の過充電又は短絡時に、前記導気孔ブロッキング機構は、前記導気孔を開状態にして、前記導気孔により前記仕切り板の両側にある隣接する2つの収容キャビティを連通させる。
【0028】
本願の一実施形態では、隣接する2つの電極体セットは、電極体コネクタにより直列接続され、前記電極体コネクタは、隣接する2つの電極体セットの間の仕切り板を貫通する。
【0029】
本願の一実施形態では、前記電極体コネクタと前記仕切り板とは、一体成形される。
【0030】
本願の一実施形態では、前記電極体コネクタは、銅接続部と銅接続部に接続されたアルミニウム接続部とを含み、前記銅接続部とアルミニウム接続部との接続位置は、前記仕切り板内に位置する。
【0031】
本願に更に係る電池は、ハウジングと、前記ハウジング内に位置する複数の収容キャビティとを含み、隣接する2つの収容キャビティは、仕切り板で仕切られ、前記収容キャビティ内には、少なくとも1つの電極体を含む電極体セットが設置され、複数の前記電極体セットは、第1の方向に沿って順に配列され、かつ直列接続され、前記仕切り板には、この仕切り板の両側にある隣接する2つの収容キャビティを連通させる導液孔及び導気孔が設置され、前記電池は、少なくとも部分的に前記導液孔に位置し、前記導液孔を閉じて、前記導液孔による隣接する2つの収容キャビティの連通を遮断するブロッキング機構を更に含む。
【0032】
本願の一実施形態では、前記ハウジングは、第1の方向に沿って延在する一体構造であり、複数の前記仕切り板は、前記ハウジング内に間隔を隔てて設置され、かつ前記仕切り板の側周面は、前記ハウジングの側壁としっかりと貼り合わせされて嵌合して前記ハウジングの内部を複数の前記収容キャビティに仕切り、前記収容キャビティの壁は、収容キャビティの端部に位置する仕切り板又はエンドカバーと、前記隣接する2つの仕切り板の間又は仕切り板とエンドカバーとの間に位置する前記ハウジングとを含む。
【0033】
本願の一実施形態では、前記ハウジングは、第1の方向に沿って延在する一体構造であり、前記ハウジング内に、セパレータ及び前記仕切り板を含むセルアセンブリが設置され、前記収容キャビティは、前記セパレータの内部に位置し、前記仕切り板は、前記セパレータ内に間隔を隔てて設置され、前記仕切り板の側周面は、前記セパレータと嵌合して前記セパレータの内部を複数の前記収容キャビティに仕切り、前記収容キャビティの壁は、収容キャビティの端部に位置する仕切り板又はエンドカバーと、隣接する2つの仕切り板の間又は仕切り板とエンドカバーとの間に位置する前記セパレータとを含む。
【0034】
本願の一実施形態では、前記ハウジングは、第1の方向に沿って延在する一体構造であり、前記ハウジング内に、セパレータ及び前記仕切り板を含むセルアセンブリが設置され、前記収容キャビティは、前記セパレータの内部に位置し、前記セパレータは、第1の方向に沿って設置された複数のサブセパレータを含み、前記仕切り板は、隣接する2つのサブセパレータに同時に接続され、隣接する2つの収容キャビティは、1つの前記仕切り板を共用し、前記収容キャビティの壁は、前記サブセパレータと、前記サブセパレータの端部に位置する仕切り板又はエンドカバーとを含む。
【0035】
本願の一実施形態では、少なくとも1つの前記仕切り板にブロッキング機構配置空間が設置され、前記ブロッキング機構は、前記ブロッキング機構配置空間内に位置し、前記ブロッキング機構配置空間内には、前記ブロッキング機構を収容する第1の位置及び第2の位置が形成され、前記ブロッキング機構は、第2の位置に位置し、かつ力の作用下で、第2の位置から第1の位置に切り替わるか又は第1の位置から第2の位置に切り替わることができる。
【0036】
本願の一実施形態では、前記ブロッキング機構配置空間と前記導液孔とは、交差して設置され、前記導液孔は、前記ブロッキング機構配置空間によって、前記ブロッキング機構配置空間と連通する第1の導液孔及び第2の導液孔に仕切られる。
【0037】
本願の一実施形態では、前記ブロッキング機構は、磁性を有する磁性体である。
【0038】
本願の一実施形態では、前記ブロッキング機構の外部に弾性スリーブが被覆される。
【0039】
本願の一実施形態では、隣接する2つの電極体セットは、電極体コネクタにより直列接続され、前記電極体コネクタは、隣接する2つの電極体セットの間の仕切り板を貫通する。
【0040】
本願の一実施形態では、前記電極体コネクタと前記仕切り板とは、一体成形される。
【0041】
本願の一実施形態では、前記電極体コネクタは、銅接続部と銅接続部に接続されたアルミニウム接続部とを含み、前記銅接続部とアルミニウム接続部との接続位置は、前記仕切り板内に位置する。
【0042】
本願の一実施形態では、各前記電極体セットは、いずれも電流を引き出す第1の電極引き出し部材及び第2の電極引き出し部材を含み、少なくとも1つの電極体セットの前記第1の電極引き出し部材と第2の電極引き出し部材は、それぞれ第1の方向に沿って該電極体セットの対向する両側に設置され、該電極体セットの長さ方向は、第1の方向に沿って延在する。
【0043】
本願に係る電池モジュールは、本願に係る複数の電池を含む。
【0044】
本願に係る電池パックは、本願に係る複数の電池を含むか又は本願に係る複数の電池モジュールを含む。
【0045】
本願に係る自動車は、本願に係る電池モジュール又は本願に係る電池パックを含む。
【発明の効果】
【0046】
従来技術と比較して、本願の有益な効果は以下のとおりである。
【0047】
本願に係る電池は、従来の複数の電池を並設する場合と比較して、複数の直列接続された電極体セットを電池のハウジングに設置することにより、ハウジング及び外部取り付け構造を減少させ、空間利用率を向上させ、電池パックの全体容量を保証し、また、外部の電力コネクタの使用を減少させ、ハウジングの内部の隣接する電極体セットを直接的に直列接続することにより、電力コネクタの接続安定性及び信頼性を考慮する必要がなくなり、接続による内部抵抗を低下させ、電池パックの使用中の内部消費量を減少させることができ、更に、本願において、2つの収容キャビティの間に位置する仕切り板に導液孔及び導気孔を共に開設することにより、電解液が注入されるときに導液孔を通して隣接する収容キャビティに流入することができ、また電解液注入中において、導気孔により排気することができ、電解液注入の抵抗力を低減することに役たつ。電解液注入が終了した後に、ブロッキング機構は、導液孔を閉じ、この場合、隣接する2つの収容キャビティが互いに分離し、このように、電解液が隣接する収容キャビティの間に流れなくなり、互いに影響せず、電圧差が大き過ぎることに起因する分解が発生せず、電池の安全性と耐用年数が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本願の一実施形態に係る電池の概略断面図である。
図2】本願の一実施形態における電極体セットの内部概略構成図である。
図3】本願の別の実施形態における電池の分解組立図である。
図4】本願の更なる実施形態における電池の分解組立図である。
図5】本願の他の実施形態における電池の概略図である。
図6】本願の他の実施形態における電池の一部の位置の概略断面図である。
図7】本願の別の実施形態における図1に対して倒置状態にある電池の構造の部分概略断面図である。
図8図7におけるA部の部分拡大図である。
図9図7におけるブロッキング機構を取り除いた後の電池の構造の部分概略断面図である。
図10図9におけるB部の部分拡大図である。
図11】本願の一実施形態における図1に対して倒置状態にある電池の仕切り板の構造分解図である。
図12】本願の別の一実施形態における図1に対して倒置状態にある電池の仕切り板の構造分解図である。
図13】本願の更なる一実施形態における図1に対して倒置状態にある電池の仕切り板の構造分解図である。
図14】本願の別の実施形態に係る電池の概略断面図である。
図15】本願の一実施形態における図1に対して倒置状態にある電池のシールリングを備えた仕切り板の概略構成図である。
図16】本願の一実施形態における図1に対して倒置状態にある電池の仕切り板と電極体接続シートとの一体射出成形構造の概略図である。
図17】本願の一実施形態における電池全体の概略構成図である。
図18】本願の一実施形態における電池パックの概略構成図である。
図19】本願の一実施形態における電池モジュールの概略構成図である。
図20】本願の一実施形態における、複数の電池モジュールを含む電池パックの概略構成図である。
図21】本願の一実施形態における、電池モジュールを含む自動車の概略構成図である。
図22】本願の一実施形態における、電池パックを含む自動車の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本願の実施形態を詳細に説明し、上記実施形態の例は図面に示され、全体を通して同一又は類似する符号は、同一又は類似する部品、若しくは同一又は類似する機能を有する部品を示す。以下、図面を参照しながら説明される実施形態は、例示的なものに過ぎず、本願を解釈するためのものであり、本願を限定するためのものであると理解すべきではない。
【0050】
本願の説明において、用語「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有すると共に、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものとして理解すべきではない。
【0051】
また、用語「第1」、「第2」は、説明目的のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆し、或いは示された技術的特徴の数を暗示的に示すものとして理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。本願の説明において、「複数」とは、別に明確かつ具体的な限定がない限り、2つ又は2つ以上を意味する。
【0052】
本願において、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接的な連結であってもよく、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品の内部の連通又は2つの部品の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0053】
本願に係る電池は、ハウジングと、上記ハウジング内に位置する複数の収容キャビティとを含み、隣接する2つの収容キャビティは、仕切り板で仕切られ、上記収容キャビティ内には、少なくとも1つの電極体を含む電極体セットが設置され、複数の上記電極体セットは、第1の方向に沿って順に配列され、かつ直列接続され、上記仕切り板には、この仕切り板の両側にある隣接する2つの収容キャビティを連通させる導液孔及び導気孔が設置され、上記電池は、導液孔を、開状態及び閉状態を含む設定状態にすることができるブロッキング機構を更に含む。
【0054】
従来技術と比較して、本願の有益な効果は以下のとおりである。従来の複数の電池を並設する場合と比較して、複数の直列接続された電極体セットを電池のハウジング内に設置することにより、ハウジング及び外部取り付け構造を減少させ、空間利用率を向上させ、電池パックの全体容量を保証し、また、外部の電力コネクタの使用を減少させ、ハウジングの内部の隣接する電極体セットを直接的に直列接続することにより、電力コネクタの接続安定性及び信頼性を考慮する必要がなくなり、接続による内部抵抗を低下させ、電池パックの使用中の内部消費量を減少させることができる。更に、本願において、2つの収容キャビティの間に位置する仕切り板に導液孔及び導気孔を共に開設することにより、電解液が注入されるときに、導液孔を通して隣接する収容キャビティに流入することができ、また電解液注入中において、導気孔により排気することができ、電解液注入の抵抗力を低減することに役たつ。電解液注入が終了した後に、ブロッキング機構は、導液孔を閉じ、この場合、隣接する2つの収容キャビティが互いに分離し、このように、電解液が隣接する収容キャビティの間に流れなくなり、互いに影響せず、電圧差が大き過ぎることに起因する分解が発生せず、電池の安全性と耐用年数が確保される。
【0055】
図1図2を共に参照して、図1は、本願に係る電池100の概略断面図であり、図2は、電極体セット2の内部概略構成図である。上記電池100は、ハウジング1及び電極体セット2を含む。上記ハウジング1内に複数の収容キャビティ11があり、隣接する2つの収容キャビティ11は、仕切り板12で仕切られる。各収容キャビティ11内には、いずれも、少なくとも1つの電極体201を含む上記電極体セット2が設置され、複数の上記電極体セット2は、第1の方向に沿って順に配列され、かつ直列接続される。上記仕切り板12には、この仕切り板12の両側にある隣接する2つの収容キャビティ11を連通させる導液孔121及び導気孔150が設置される。上記電池100は、導液孔121を、開状態及び閉状態を含む設定状態にすることができるブロッキング機構122を更に含む。
【0056】
すなわち、図1に示すように、本願において、2つの収容キャビティ11の間に位置する仕切り板12に導液孔及び導気孔150を共に開設することにより、電解液が注入されるときに導液孔を通して隣接する収容キャビティ11に流入することができ、また電解液注入中において、導気孔150により排気することができ、電解液注入の抵抗力を低減することに役たつ。電解液注入が終了した後に、ブロッキング機構は、導液孔を閉じ、この場合、隣接する2つの収容キャビティが互いに分離し、このように、電解液が隣接する収容キャビティの間に流れなくなり、互いに影響せず、電圧差が大き過ぎることに起因する分解が発生せず、電池の安全性と耐用年数が確保される。
【0057】
図1に示すように、一実施形態では、上記ハウジング1は、第1の方向に沿って延在する一体構造である。複数の上記仕切り板12は、上記ハウジング1内に間隔を隔てて設置され、かつ上記仕切り板12の側周面は、上記ハウジング1の側壁としっかりと貼り合わせされて嵌合して上記ハウジング1の内部を複数の上記収容キャビティ11に仕切り、上記収容キャビティ11の壁は、収容キャビティ11の端部に位置する仕切り板12又はエンドカバー13と、上記隣接する2つの仕切り板12の間又は仕切り板12とエンドカバー13との間に位置する上記ハウジング1とを含む。すなわち、電池100の第1の方向に沿う端部にある収容キャビティ11は、端部収容キャビティであり、電池100の中間位置にある収容キャビティ11は、中間収容キャビティであり、端部収容キャビティの壁は、エンドカバー13と、仕切り板12と、エンドカバー13と仕切り板12との間に位置する一部のハウジング1とを含み、中間収容キャビティの壁は、隣接する2つの仕切り板12と、該隣接する2つの仕切り板12の間に位置する一部のハウジング1とを含む。
【0058】
本願における上記エンドカバー13とは、上記仕切り板12と平行であり、かつハウジング1の第1の方向に沿う端部に位置して上記端部を密閉する端部エンドカバーを指す。
【0059】
上記ハウジング1の第1の方向に沿う両端のうちの少なくとも一端は、開口部であり、上記エンドカバー13は、上記ハウジングの開口部である端部を密閉してハウジング1と嵌合して封止構造を形成する。
【0060】
例えば、上記ハウジング1の第1の方向に沿う両端がいずれも開口部である場合、上記ハウジング1は、筒状構造であってもよく、上記ハウジングの第1の方向に沿う両端にいずれもエンドカバー13が設置されて、上記ハウジング1の両端の開口部を密閉する。
【0061】
本願において、第1の方向は、図1における左右方向であり、すなわち図1に示されるX方向である。
【0062】
本願において、言及された電極体201は、動力電池の分野の一般的な電極体であり、電極体201及び電極体セット2は、電池100のケースの内部の構成要素であり、電池100自体として理解すべきではなく、電極体201は、巻回して形成された電極体201であってもよく、積層の方式で製造された電極体201であってもよく、一般的に、電極体201は、少なくとも正極板、セパレータ、負極板及び電解液を含み、電極体201は、一般的に、完全にシールされていないアセンブリを指す。したがって、本願において言及された電池は、電池100であり、複数の電極体201を含むため、それを電池モジュール又は組電池として簡単に理解すべきではない。本願において、電極体セット2は、1つの独立した電極体201で構成されてもよく、少なくとも2つの電極体201を含み、かつ少なくとも2つの電極体201が並列接続されて上記電極体セット2を構成してもよい。例えば、2つの電極体201が並列接続されて電極体セット2を構成するか又は4つの電極体201が並列接続されて電極体セット2を構成する。
【0063】
図3を参照して、別の実施形態における電池100の概略断面図である。更なる実施形態では、上記ハウジング1は、第1の方向に沿って延在する一体構造であり、上記ハウジング1内に、セパレータ111及び上記仕切り板12を含むセルアセンブリ120が設置され、上記収容キャビティ11は、上記セパレータ111の内部に位置し、上記仕切り板12は、上記セパレータ111内に間隔を隔てて設置され、上記仕切り板12の側周面は、上記セパレータ111と嵌合して上記セパレータセパレータ111の内部を複数の上記収容キャビティ11に仕切り、上記収容キャビティ11の壁は、収容キャビティ11の端部に位置する仕切り板12又はエンドカバー13と、隣接する2つの仕切り板12の間又は仕切り板12とエンドカバー13との間に位置する上記セパレータ111とを含む。すなわち、電池100の第1の方向に沿う端部にある収容キャビティ11は、端部収容キャビティであり、電池100の中間位置にある収容キャビティ11は、中間収容キャビティであり、端部収容キャビティの壁は、エンドカバー13と、仕切り板12と、エンドカバー13と仕切り板12との間に位置する一部のセパレータ111とを含み、中間収容キャビティの壁は、隣接する2つの仕切り板12と、該隣接する2つの仕切り板12の間に位置する一部のセパレータ111とを含む。
【0064】
セパレータ111は、電解液中のリチウムイオンをハウジング1と分離させる。リチウムイオンとハウジング1との接触を効果的に防止し、リチウム-アルミニウム反応の可能性を低下させて、電池100の安全性及び使用信頼性を向上させることができる。また、セパレータ111は、絶縁の役割を果たすこともできる。
【0065】
図3に示される実施形態では、上記セパレータ111は、第1の方向に沿って延在する一体構造であり、セパレータ111は、各仕切り板12の外周壁を包み、かつエンドカバー13の少なくとも一部の外周壁を包むように延在することにより、上記仕切り板12及び/又はエンドカバー13と嵌合して複数の収容キャビティ11を形成する。
【0066】
図4に示すように、他の実施形態では、上記ハウジング1は、第1の方向に沿って延在する一体構造であり、上記ハウジング1内に、セパレータ111及び上記仕切り板12を含むセルアセンブリ120が設置され、上記収容キャビティ11は、上記セパレータ111の内部に位置し、上記セパレータ111は、第1の方向に沿って設置された複数のサブセパレータ1111を含み、上記仕切り板12は、隣接する2つのサブセパレータ1111に同時に接続され、隣接する2つの収容キャビティ11は、1つの上記仕切り板12を共用し、上記収容キャビティ11の壁は、上記サブセパレータ1111と、上記サブセパレータ1111の端部に位置する仕切り板12又はエンドカバー13とを含む。すなわち、電池100の第1の方向に沿う端部にある収容キャビティ11は、端部収容キャビティであり、電池100の中間位置にある収容キャビティ11は、中間収容キャビティであり、端部収容キャビティの壁は、上記エンドカバー13と、仕切り板12と、エンドカバー13と仕切り板12との間に位置するサブセパレータ1111とを含み、中間収容キャビティの壁は、隣接する2つの仕切り板12と、該隣接する2つの仕切り板12の間に位置するサブセパレータ1111とを含む。
【0067】
例えば、他の実施形態では、上記セパレータ111は、複数の独立したサブセパレータ1111を含み、サブセパレータ1111は、第1の方向に沿って、隣接する2つの仕切り板12の側周壁又はエンドカバー13の側周壁と該エンドカバー13に隣接する仕切り板12の側周壁とを包むように延在することにより収容キャビティ11を形成する。
【0068】
上記複数のサブセパレータ1111は、互いに分離した複数の独立した部分であり、すなわち、上記セパレータ111は、分離型セパレータ体であり、各上記サブセパレータ1111は、両端が開口した筒状構造であり、上記電極体セット2は、筒状のサブセパレータ1111の内部に位置し、上記仕切り板12又は上記エンドカバー13は、対応するセパレータ111の開口部に封止接続されて収容キャビティを形成する。
【0069】
本願において、上記セパレータ111と上記仕切り板12又は上記エンドカバー13との封止接続方式及び具体的な構造が特に限定されず、例えば、上記仕切り板12又は上記エンドカバー13の材質は、プラスチック材質であり、上記セパレータ111がプラスチックで製造される場合、上記セパレータ111と上記仕切り板12又は上記エンドカバー13との間に熱融着で封止接続されてもよい。
【0070】
しかしながら、本願の別のいくつかの実施形態では、電池100は、セパレータバッグを更に含み、電極体セット2は、セパレータバッグ内に位置し、仕切り板12は、セパレータバッグの内部を複数の収容キャビティ11に仕切る。セパレータバッグは、絶縁の役割を果たし、電解液中のリチウムイオンとハウジング1との接触を防止して、電池100の耐用年数を延長させることができる。
【0071】
すなわち、別のいくつかの実施形態では、上記セパレータ111の代わりにバッグ状のセパレータバッグを用いてもよく、仕切り板12は、セパレータバッグの内部に位置してセパレータバッグを複数の収容キャビティ11に仕切り、各収容キャビティ11内に少なくとも1つの電極体セット2が設置される。
【0072】
本願において、セパレータ又はセパレータバッグを設置することにより、ハウジング1内にシール包み構造が追加され、電池100全体のシール性を向上させる。
【0073】
いくつかの実施形態では、ハウジング1は、アルミニウムハウジングのような金属ハウジングであり、当然のことながら、必要に応じて他の金属で製造されてもよい。電池100の内部に直列接続された複数の電極体セット2が含まれるため、異なる電極体セット2の所在する収容キャビティ11の外側にあるハウジング1は、帯びている電圧が異なり、場合によっては、アルミニウムハウジングの一部の位置での電位が低すぎて、リチウムイオンがアルミニウムハウジングに埋め込まれてリチウムアルミニウム合金を形成して、電池100の耐用年数に影響を与える可能性がある。セパレータ又はセパレータバッグにより、リチウムイオンとハウジング1との接触を効果的に防止し、リチウム-アルミニウム反応の可能性を低下させて、電池100の安全性及び使用信頼性を向上させることができる。また、セパレータ又はセパレータバッグは、絶縁の役割を果たすこともできる。
【0074】
本願において、上記セパレータ111又はセパレータバッグの壁はいずれも二層膜であってもよい。
【0075】
セパレータ111及びセパレータバッグは、いずれも一定の絶縁性及び電解液腐食耐性を有し、具体的にはイオンセパレータを採用してもよい。イオンセパレータの材料については、絶縁性を有し、電解液と反応しない限り、特に限定されない。いくつかの実施形態では、イオンセパレータの材料は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)又は多層複合フィルムを含んでもよく、例えば、セパレータは、内層、外層、及び内層と外層との間に位置する中間層を含み、内層にはプラスチック材料が含まれ、例えば、内層は、電解液との反応性が低く、かつ絶縁特性を有する材料で製造されてもよく、中間層には金属材料が含まれ、電池の外部の水蒸気の侵入を防止すると共に、内部の電解液の漏れを防止することができる。金属層としては、アルミニウム箔、ステンレス鋼箔、銅箔などを使用することが好ましく、成形性能、軽量及びコストを考慮して、アルミニウム箔を使用することが最も好ましく、アルミニウム箔の材料としては、純アルミニウム系合金材料又はアルミニウム-鉄系合金材料を使用することが好ましい。外層は、保護層であり、主に融点の高いポリエステル材料又はナイロン材料で製造され、機械的性能が高く、外力による電池の損傷を回避して、電池を保護するという役割を果たす。外層は、例えば、アルミニウムプラスチック複合フィルムである。
【0076】
図5及び図6を参照して、図5は、更なる実施形態における電池100の概略図であり、図6は、更なる実施形態における電池100の一部の位置の概略断面図である。別の実施形態では、上記ハウジング1は、第1の方向に沿って設置された複数のサブハウジング101を含み、上記仕切り板12は、隣接する2つのサブハウジング101に同時に接続され、隣接する2つの収容キャビティ11は、1つの上記仕切り板12を共用し、上記収容キャビティ11の壁は、上記サブハウジング101と、上記サブハウジング101の端部に位置する仕切り板12又はエンドカバー13とを含む。すなわち、電池100の第1の方向に沿う端部にある収容キャビティ11は、端部収容キャビティであり、電池100の中間位置にある収容キャビティ11は、中間収容キャビティであり、端部収容キャビティの壁は、エンドカバー13と、仕切り板12と、エンドカバー13と仕切り板12との間に位置するサブハウジング101とを含み、中間収容キャビティの壁は、隣接する2つの仕切り板12と、該隣接する2つの仕切り板12の間に位置するサブハウジング1とを含む。
【0077】
例えば、別の実施形態では、上記ハウジング1は、第1の方向に沿って連続的ではなく、隣接する2つのサブハウジング101が1つの仕切り板12を共用し、かつ上記仕切り板12の周方向側壁の一部の領域を覆うように延在することにより、各サブハウジング101は、対応する仕切り板12及び/又はエンドカバー13と嵌合して上記収容キャビティ11を形成する。図5に示すように、隣接する2つのサブハウジング101が互いに間隔を隔て、隣接する2つのサブハウジング101の隔てられた領域から上記仕切り板12の周方向側壁が露出する。
【0078】
図5に示される実施形態では、最外端の2つのサブハウジング101のうちの少なくとも1つは、仕切り板12に対向する開口部を有し、上記エンドカバー13は、第1の方向に沿う最外端のサブハウジング101の開口部に設置され、上記開口部を封止し、かつ上記サブハウジング101及び対向する仕切り板12と嵌合して収容キャビティ11を形成する。
【0079】
本実施形態では、ハウジング1を、連続的ではない複数のサブハウジング101となるように設置することにより、一見して単電池が把握でき、かつ各収容キャビティ11の位置を区別しやすく、電池の管理及びメンテナンスを行いやすい。
【0080】
上記電池100は、略直方体であり、長さ、幅及び厚さを有し、長さが幅より大きく、幅が厚さより大きく、上記導気孔150と上記導液孔121は、幅方向に沿って上記仕切り板12に間隔を隔てて設置される。
【0081】
図1に示すように、ハウジング1内に2つの仕切り板12が設置され、2つの仕切り板12は、ハウジング1の内部を3つの収容キャビティ11に仕切ると共に、各収容キャビティ11内に1つの電極体セット2がそれぞれ設置され、電極体セット2は順に直列接続される。本願の他の実施形態では、仕切り板12は、1つであるか又は2つより大きくてもよく、また、図2に示すように、各収容キャビティ11内に、1つの電極体セット2のみが収容されてもよく、1つの収容キャビティ11内に2つ又は3つのような複数の電極体セット2が並んで収容されてもよい。電池100を電力使用対象、例えば自動車1000に取り付けられる場合、上記導気孔150は、仕切り板12上の、上記導液孔121より地面から離れた位置に位置する。
【0082】
電解液注入が完了した後又は電池100を電力使用対象に取り付けて正常に使用した後、導気孔150は、隣接する収容キャビティ11の間の接続を更に導通させ、電池100に過充電又は短絡が発生すると、導気孔150により気体をできるだけ早く排出して、電池の膨張による危険を回避することができる。
【0083】
上記ブロッキング機構122が第1の状態にあるとき、上記導液孔121は、開状態にあり、上記ブロッキング機構122が第2の状態にあるとき、上記導液孔121は、閉状態にあり、上記ブロッキング機構122は、第1の状態と第2の状態との間で切り替わることができる。
【0084】
該ブロッキング機構122は、第2の状態にある場合、導液孔121を閉じる。図7~8は、電解液注入後の電池100の状態を示し、このとき、ブロッキング機構122は、第2の状態にあり、電池100の通常の使用状態と同じであり、該状態では、ブロッキング機構122は、導液孔121を閉じる。
【0085】
本願のいくつかの実施形態では、隣接する収容キャビティ11の間の電解液の分離を実現することができる限り、ブロッキング機構122は、上記導液孔121を完全に閉じてもよく、導液孔121を部分的に閉じてもよい。電池100の一般的な使用条件で、収容キャビティ11は、完全に閉じられて分離していないが、導液孔121が特定の高さを有するため、使用中に電解液の相互流動を引き起こすことは困難である。
【0086】
すなわち、いくつかの実施形態では、電解液注入が完了した後に、上記ブロッキング機構122は、少なくとも部分的に上記導液孔121に位置し、上記導液孔121を閉じて、上記導液孔121による隣接する2つの収容キャビティ11の連通を遮断する。したがって、電池100については、電解液注入が完了した後に、導液孔121を導通させる必要がなく、このとき、上記ブロッキング機構122は、上記導液孔121を常に閉じて、上記導液孔121による隣接する2つの収容キャビティ11の連通を常に遮断することができる。
【0087】
本願の一実施形態では、電池の電解液注入前に、導液孔及び導気孔は、いずれも、仕切り板12の両側にある隣接する2つの収容キャビティを連通させ、このように、そのうちの1つの収容キャビティに対して真空引き操作を行うときに隣接するもう1つの収容キャビティ内の空気が導液孔を通して該収容キャビティに流れることができることで、各収容キャビティに対してそれぞれ真空引き操作を行う必要がないため、作業効率を向上させて、コストを低減することに役立つ。
【0088】
図7図10を参照して、本願の一実施形態では、電池100の電解液注入時に、図9及び図10に示すように、導液孔121は、隣接する2つの収容キャビティ11を連通させ、電池100の電解液注入後の状態又は通常の使用状態にあるとき、ブロッキング機構122は、第2の状態にあり、図7及び図8に示すように、導液孔121を閉じて、導液孔121による隣接する2つの収容キャビティ11の連通を遮断する。したがって、隣接する2つの収容キャビティ11を完全に分離させる。
【0089】
すなわち、上記電池100の電解液注入前又は電解液注入時に、上記ブロッキング機構122は、第1の状態にあり、上記導液孔121は、開状態にあり、この仕切り板12の両側にある隣接する2つの収容キャビティ11を連通させ、上記電池100の電解液注入後に、上記ブロッキング機構122は、第1の状態から第2の状態に切り替わり、上記導液孔121を閉じて、上記導液孔121を閉状態にする。
【0090】
いくつかの実施形態では、上記電池100の電解液注入後かつ化成時に、上記ブロッキング機構122は、第1の状態にあり、上記導液孔121は、開状態にあり、この仕切り板12の両側にある隣接する2つの収容キャビティ11を連通させ、上記電池100の電解液注入化成後に、上記ブロッキング機構122は、第1の状態から第2の状態に切り替わり、上記導液孔121を閉じて、上記導液孔121を閉状態にする。
【0091】
上記導液孔121が閉状態にあるとき、上記ブロッキング機構122は、少なくとも部分的に上記導液孔121に位置し、上記導液孔121を閉じて、上記導液孔121による隣接する2つの収容キャビティ11の連通を遮断する。
【0092】
例えば、図1に示すように、上記ブロッキング機構122は、柱状構造であり、上記導液孔121内に部分的に延在して上記導液孔121を閉じてもよい。
【0093】
図11に示すように、上記ブロッキング機構122は、シート状構造であり、上記導液孔121内に部分的に伸びて上記導液孔121を閉じてもよい。
【0094】
上記第1の状態は、上記ブロッキング機構122が上記電池100内の第1の位置に位置する状況を指し、上記第2の状態は、上記ブロッキング機構122が上記電池100内の第2の位置に位置する状況を指す。
【0095】
図9及び図10に示すように、本願の一実施形態では、仕切り板12にブロッキング機構配置空間125が設置され、上記ブロッキング機構配置空間125内には上記ブロッキング機構122を収容するための第1の位置及び第2の位置が形成され、かつ上記ブロッキング機構122は、力の作用下で、第1の位置から第2の位置へ移動することができ、上記電池100の電解液注入前又は電解液注入中又は電解液注入化成前に、上記ブロッキング機構122は、第1の位置にあり、すなわち上記ブロッキング機構125は、第1の状態にあり、上記導液孔121は、隣接する2つの収容キャビティ11を連通させ、上記電池100の電解液注入後又は通常の使用状態又は電解液注入化成後に、上記ブロッキング機構122は、第2の位置にあり、すなわち上記ブロッキング機構122は、第2の状態にあり、上記導液孔121を閉じて、上記導液孔121による隣接する2つの収容キャビティ11の連通を遮断する。
【0096】
図9及び図10に示すように、ブロッキング機構配置空間125は、導液孔121と連通する。
【0097】
上記実施形態では、ブロッキング機構配置空間125は、仕切り板12の内部に設置された空間であり、すなわちブロッキング機構配置空間125は、仕切り板12の周方向に開口部を有さず、ブロッキング機構122は、ブロッキング機構配置空間125内に配置されている。電解液注入前に、ブロッキング機構122は、ブロッキング機構配置空間125内の第1の位置に位置し、このとき、ブロッキング機構122は、導液孔121を閉じない。電解液注入後に、ブロッキング機構122に外力を印加して、それをブロッキング機構配置空間125内の第1の位置から第2の位置に移動させ、かつ上記導液孔121を閉じて、上記導液孔121による隣接する2つの収容キャビティ11の連通を遮断する。
【0098】
本願において、外力は、重力、電磁力、慣性力又は熱力から選択される1種又は複数種である。本願のいくつかの実施形態では、ブロッキング機構は、重力、電磁力又は慣性力の個別の作用下又は総合的な作用下で、第1の位置から第2の位置に切り替わることができ、別のいくつかの実施形態では、ブロッキング機構は、熱力の作用下で、熱融着の方式で上記電解液注入孔を閉じることができる。
【0099】
本願の一実施形態では、図10に示すように、ブロッキング機構配置空間125と導液孔121とは、交差して設置され、導液孔121は、ブロッキング機構配置空間125によって第1の導液孔1211及び第2の導液孔1212に分割され、第1の導液孔1211及び第2の導液孔1212は、いずれもブロッキング機構配置空間125の閉じた空間と連通し、すなわち、いずれもブロッキング機構配置空間125と連通して、隣接する2つの収容キャビティ11を連通させる。
【0100】
別の一実施形態では、第1の導液孔1211及び第2の導液孔1212は、円柱形孔であり、かつ同軸に設置される。組み立て中に、特に電解液注入中に、電解液の液面高さの一致性をよく判断することができ、少なくとも電解液の液面レベルが第1の導液孔1211及び第2の導液孔1212の中心軸まで上昇すると、各収容キャビティ11内の電解液の液面が一致することを判断することができる。
【0101】
更に、第1の導液孔1211及び第2の導液孔1212の内径が同じであり、また、第1の導液孔1211及び第2の導液孔1212が同軸に設置されることを更に維持することで、電解液注入量及び電解液の高さをよりよく制御することができる。
【0102】
本願の上記実施形態では、ブロッキング機構122が球体であり、ブロッキング機構122の外径が第1の導液孔1211及び/又は第2の導液孔1212の外径よりも大きいため、球体状のブロッキング機構122は、第1の導液孔1211及び/又は第2の導液孔1212をよりよく閉じて、隣接する2つの収容キャビティ11の連通を遮断することができる。
【0103】
該実施形態では、図8に示すように、球体状のブロッキング機構122が第1の導液孔1211及び/又は第2の導液孔1212を閉じるとき、球体状のブロッキング機構122の上側は、少なくとも部分的に第1の空間内に位置し、ブロッキング機構122の下側は、少なくとも部分的に第2の空間内に位置する。第1の空間は、ブロッキング機構122がその内に位置するとき、導液孔121を遮断することができる空間であり、すなわち閉じた空間であり、第2の空間は、第1の空間と連通してブロッキング機構122が動くための空間である。球体状のブロッキング機構122の閉じた空間に位置する部分が第1の導液孔1211及び/又は第2の導液孔1212を閉じ、かつ上部及び下部がいずれも閉じた空間の外部に位置し、ブロッキング機構122は、閉じた空間によりよく締り嵌めして、第1の導液孔1211及び/又は第2の導液孔1212を完全に閉じることができる。
【0104】
本願において、ブロッキング機構122による第1の導液孔1211及び/又は第2の導液孔1212の分離を実現するために、ブロッキング機構122は、ブロッキング機構配置空間125の内壁と締り嵌めして接続されることにより、第1の導液孔1211及び/又は第2の導液孔1212の少なくとも1つの、内部が閉じた空間に対応する開口部をシールすることができる。
【0105】
本実施形態では、ブロッキング機構122は、仕切り板12に内蔵され、かつハウジング1内に位置し、電池100の組み立て中に、一般的に、ブロッキング機構122を有する仕切り板12を電極体セット2と組み合わせてからハウジング1内に入れる。組み立て後にハウジング1の内部に電解液を注入し、シールのステップが電解液注入後に発生するため、どのように仕切り板12に内蔵されたブロッキング機構122を非シール位置からシール位置へ調整すると共に、シールの信頼性を保証できるかは、ブロッキング機構122を内蔵する解決手段の重要な問題である。
【0106】
本願の一実施形態では、磁性を有する磁性シール体を選択して本願のブロッキング機構122として使用することができる。電池100の製造中に、ブロッキング機構122を仕切り板12内に配置し、かつ仕切り板12内にブロッキング機構配置空間125を設置する。ブロッキング機構122が磁性を有するため、電解液注入後に、ブロッキング機構122の外部に磁場が印加されて、ブロッキング機構122に対して吸引力を生成し、それを第1の位置から第2の位置に移動させ、該解決手段では、外部磁場の作用により、磁力がブロッキング機構122への外力として使用されることで、仕切り板12に対して他の構造的な設計を行わずにブロッキング機構122の移動動作をよく行うことができる。また、磁場の大きさを制御することにより、ブロッキング機構122が受けた外力の大きさを調整することができるため、異なる適用シナリオに応じて受けた力の大きさを調整して、ブロッキング機構122のシール作用を保証することができる。
【0107】
一般的に、磁性を有する磁性体は、硬度及び靱性が高い。仕切り板12は、その接続及び支持作用のために、一般的に、靱性及び硬度も高い。本願において、ブロッキング機構122を締り嵌めによって仕切り板12の内部にパッケージングする必要があり、ブロッキング機構122と仕切り板12はいずれも硬度が高い場合、両者は、効果的な締り嵌めを形成することができず、かつシール効果が低い。したがって、本願の一実施形態では、ゴム層などの絶縁層は磁性シール体の外側に被覆され、その変形効果が高く、シール体と仕切り板12との締り嵌めを効果的に実現でき、かつシール効果及び信頼性を保証することができる。
【0108】
上記ブロッキング機構122と上記ブロッキング機構配置空間125の内壁とは、締り嵌めして接続される。
【0109】
図7、8に示すように、上記ブロッキング機構122が磁性を有する磁性体である場合、上記ブロッキング機構122の外部に弾性スリーブが更に被覆される。すなわち、上記ブロッキング機構122は、上記磁性体が弾性スリーブ1221を備える磁性材料ボール1222であり得るものであってもよい。磁性材料ボール1222は、磁石ボール又は鉄などの材質の金属ボールであってもよく、上記弾性スリーブ1221は、ゴムスリーブであってもよい。該解決手段では、磁性材料ボール1222は、シールの強さを保証し、弾性スリーブ1221は、シールの緊密性を向上させる。
【0110】
本願の一実施形態では、図7~8、図11に示すように、ブロッキング機構122は、円柱体、楕円柱、シート状体又は球体のうちのいずれか1種である。
【0111】
いくつかの実施形態では、図7~11に示すように、上記ブロッキング機構122は、シールプラグであり、上記ブロッキング機構配置空間125は、シール孔であってもよい。
【0112】
図7~8に示すように、上記シールプラグは、球形であり、かつ上記導液孔121の孔壁及び導液孔121とシール孔との連通口と締り嵌めする。
【0113】
図12に示すように、いくつかの実施形態では、上記シールプラグは、楔形構造であり、第1の端から第2の端へ寸法が次第に大きくなり、上記シールプラグの第1の端は、上記シール孔を貫通してから上記導液孔121内に位置することにより導液孔121を閉状態にし、上記シールプラグの第2の端は、上記導液孔121から離れる一側に位置する。
【0114】
図13を参照して、別の実施形態では、上記シールプラグは、ナット及びスタッドを含むボルト構造であり、上記スタッドは、雄ねじを有し、上記シール孔は、雌ねじを有し、上記スタッドと上記シールプラグとはねじで接続され、かつ上記スタッドは、導液孔内に回転して導液孔を閉状態にする。
【0115】
一実施形態では、上記シールプラグは、円柱形構造であり、かつ上記シールプラグの柱面は、雄ねじを有し、上記シール孔は、雌ねじを有し、上記シールプラグと上記シール孔とはねじで接続される。
【0116】
いくつかの実施形態では、上記シールプラグと上記シール孔とはスナップフィットにより接続されて固定され、上記シールプラグの周方向に弾性シールリングが設置され、上記シールプラグがシール孔を通過するとき、弾性シールリングは、シールプラグとシール孔との間に締り嵌めしてシールを実現する。
【0117】
図14を参照して、別の実施形態における電池100の概略断面図である。別の実施形態では、上記電池は、導気孔150を、開状態及び閉状態を含む設定状態にすることができる導気孔ブロッキング機構151を更に含む。電池の一般的な使用条件で、収容キャビティは、完全に閉じられて分離していないが、導気孔が特定の高さを有するため、使用中に電解液の相互流動を引き起こすことは困難である。しかしながら、念の為、最も好ましい効果を達成するために、使用中に、導気孔ブロッキング機構は、導気孔を閉状態にして、収容キャビティの間の連通を遮断することができる。
【0118】
上記電池100の電解液注入前、電解液注入時又は電解液注入後かつ化成前又は電解液注入後かつ化成時に、上記導気孔ブロッキング機構151は、上記導気孔150を開状態にして、上記導気孔150により、この仕切り板12の両側にある隣接する2つの収容キャビティ11を連通させる。
【0119】
具体的には、上記電池100の電解液注入前、電解液注入時又は電解液注入後かつ化成前又は電解液注入後かつ化成時に、上記導気孔ブロッキング機構151は、第1の位置にあることにより、導気孔150を開状態にして、上記導液孔150により隣接する2つの収容キャビティ11を連通させる。
【0120】
上記電池100の電解液注入後又は通常の使用状態又は電解液注入化成後に、上記導気孔ブロッキング機構151は、上記導気孔150を閉じて、上記導気孔150を閉状態にし、上記電池100の過充電又は短絡時に、上記導気孔ブロッキング機構151は、上記導気孔150を開状態にして、上記導気孔150により、上記仕切り板12の両側にある隣接する2つの収容キャビティ11を連通させる。
【0121】
上記電池100の電解液注入後又は通常の使用状態又は電解液注入化成後に、上記導気孔ブロッキング機構151は、第2の位置にあることにより、導気孔150を閉状態にすることができる。
【0122】
これにより、電解液注入中に、導気孔150を導通状態にすることにより、電解液注入中に空気を流通させることに役立ち、電解液注入速度を増加させることができる。電解液注入が完了した後又は通常の使用状態又は電解液注入化成後に、導気孔150を閉状態にすることができ、前述したように、このときに導液孔121も閉状態にあるため、隣接する収容キャビティ11が完全に分離して、電解液が2つの収容キャビティ11の間を流れることによる短絡などの問題を回避する。
【0123】
また、電池100が過充電状態又は短絡状態にある可能性があり、このような状態で、電池100の内部の気体をできるだけ早く排出する必要があり、上記電池100の過充電又は短絡時に、上記導気孔ブロッキング機構151は、上記導気孔150を開状態にして、上記導気孔150により上記仕切り板12の両側にある隣接する2つの収容キャビティ11を連通させることにより、その内の気体をハウジングの外部にできるだけ早く排出する。或いは、ある収容キャビティ11内の電極体セット2に過充電状態又は短絡状態が発生すると、上記導気孔150を導通させて収容キャビティ11の隣接する収容キャビティ11を連通させることにより、収容キャビティ内の気体が過充電及び短絡による温度により膨張すると、この気体を他の収容キャビティ11に排出して、収容キャビティ11内の空気圧を低下させることができる。したがって、電池100が過充電状態又は短絡状態にあるとき、導気孔ブロッキング機構151は、上記導気孔150を開状態にして、導気孔150は、隣接する2つの収容キャビティ11を連通させる。
【0124】
仕切り板12に導気孔ブロッキング機構配置空間が更に設置されてもよく、上記導気孔ブロッキング機構配置空間内には、上記導気孔ブロッキング機構151を収容するための第1の位置及び第2の位置が形成され、かつ上記導気孔ブロッキング機構151は、力の作用下で、第1の位置から第2の位置へ移動することができ、上記電池100の電解液注入前又は電解液注入中又は電解液注入化成前に、上記導気孔ブロッキング機構151は、第1の位置にあり、上記導気孔150は、隣接する2つの収容キャビティ11を連通させ、上記電池100の電解液注入後又は通常の使用状態又は電解液注入化成後に、上記導気孔ブロッキング機構151は、第2の位置にあり、上記導気孔150を閉じて、上記導気孔150による隣接する2つの収容キャビティ11の連通を遮断する。上記電池100の使用中に過充電又は短絡が発生すると、上記導気孔ブロッキング機構151は、第1の位置に切り替わり、上記導気孔150を開状態にして、上記導気孔150により上記仕切り板12の両側にある隣接する2つの収容キャビティ1を連通させる。
【0125】
導気孔ブロッキング機構配置空間は、導気孔150と連通する。
【0126】
上記実施形態では、導気孔ブロッキング機構配置空間は、仕切り板12の内部に設置された空間であり、すなわち導気孔ブロッキング機構配置空間は、仕切り板12の周方向に開口部を有さず、導気孔ブロッキング機構151は、導気孔ブロッキング機構配置空間に配置されている。
【0127】
上記導気孔150、導気孔ブロッキング機構151、導気孔ブロッキング機構配置空間の構造及び相互関係は、前述の導液孔121、ブロッキング機構122及びブロッキング機構配置空間125と基本的に同じであり、前述の導液孔121、ブロッキング機構122及びブロッキング機構配置空間125の各変形の実施形態は、いずれも上記導気孔150、導気孔ブロッキング機構151、導気孔ブロッキング機構配置空間に適用することができる。例えば、導気孔ブロッキング機構151は、円柱体、楕円柱、シート状体又は球体のうちのいずれか1種である。また、例えば、導気孔ブロッキング機構151は、球形であり、かつ上記導気孔150の孔壁と締り嵌めする。ここでは説明を省略する。
【0128】
更に、いくつかの実施形態では、上記導気孔150、導気孔ブロッキング機構151及び導気孔ブロッキング機構配置空間と、前述の導液孔121、ブロッキング機構122及びブロッキング機構配置空間125とは、仕切り板12に設置された対称構造であってもよい。
【0129】
本願において、電極体セット2は、1つの独立した電極体201で構成されてもよく、少なくとも2つの電極体201を含み、かつ少なくとも2つの電極体201が並列接続されて上記電極体セット2を構成してもよい。図2に示すように、2つの電極体201が並列接続されて電極体セット2を構成するか又は4つの電極体201が並列接続されて電極体セット2を構成する。
【0130】
ハウジング1の内部に少なくとも1つの仕切り板12が設置され、仕切り板12は、1つ、2つ、3つ又はそれ以上であってもよく、一般的に、好ましくは2つ以上である。
【0131】
本願において、電池100が長すぎると、その中の電解液が大きな圧力差により分解され、電池100の性能に影響を与えるという問題を解決するために、特に、隣接する収容キャビティ11の間に仕切り板12を設置する。好ましくは、絶縁分離の役割をよりよく果たすために、仕切り板12自体が絶縁材料で製造されてもよく、すなわち、仕切り板12が絶縁仕切り板12である。このようにして、他の操作を行わずに仕切り板12により2つの収容キャビティ11を直接的に分離させ、かつ両者の間の絶縁性を維持することができる。
【0132】
仕切り板12は、ハウジングの内部を少なくとも2つの収容キャビティ11に分割し、電極体セット2が収容キャビティ11内に収容される。一般的に、図2に示すように、1つの収容キャビティ11内に1つの電極体セット2が収容される。少なくとも2つの電極体セット2が直列接続され、一般的に、直列接続された電極体セット2の数は、各電極体セット2の出力電圧、電池パックの幅及び電池パック全体の電圧需要に応じて決定される。例えば、ある車種については、電池100のシステムにより出力される電圧が300Vであることが要求されるが、従来の鉄リチウム電池100の電圧が3.2Vであるため、従来技術において、需要を満たすために、電池パック内に100個の電池100を直列接続する必要がある。本願に係る電池パックにおいて、1つの電池100の内部に2つの電極体セット2が直列接続されると仮定すると、50個の電池100を配列すればよい。電池パック全体の設計及び電池100の配列を大幅に簡略化させ、空間を効果的に利用し、空間利用率を向上させることができる。
【0133】
当然のことながら、1つの収容キャビティ11内に複数の電極体セット2が収容されてもよく、各収容キャビティ11内の複数の電極体セット2が並列接続される。例えば、1つの収容キャビティ11内の電極体セット2の数は2つ又は3つであり、2つの電極体セット2が並列接続されるか又は3つの電極体セット2が並列接続される。理解できるように、実際の使用需要に応じて、各収容キャビティに収容される電極体セットの数は、同じであっても異なってもよい。
【0134】
本願において、異なる収容キャビティ11内に位置する電極体セット2は直列接続される。
【0135】
なお、隣接する2つの収容キャビティ内の電極体セットの直列接続は、直接的な直列接続であってもよく、間接的な直列接続、例えば中間部品による直列接続であってもよい。
【0136】
図15図16を共に参照して、本願の一実施形態では、電池100は、電極体コネクタ3を更に含み、隣接する2つの電極体セット2は、上記電極体コネクタ3により直列接続される。本願において、隣接する2つの電極体セット2が共に1つのハウジングの内部に位置するため、2つの電極体セット2の間の距離を大幅に短縮させ、2つの電池100が電力コネクタにより連結される場合に比べて、後続の電池パックの組み立てプロセスを簡略化するとともに、材料の使用を減少させ、重量を軽減する。また、2つの電極体セット2が同じハウジング内に取り付けられることにより、電極体コネクタ3の安定性及び堅牢性の要件を大幅に低下させ、接続信頼性を考慮する必要がないため、電極体コネクタ3により大きな設計空間を与えることができることで、流れ面積を増加させ、電池100の内部抵抗を低減する。
【0137】
電極体コネクタ3について、本願の一実施形態は、電極体コネクタ3と仕切り板12との接続及び位置関係を開示する。図14に示すように、仕切り板12に連通孔123がさらに開設され、電極体コネクタ3は、連通孔123内に穿設され、すなわち、電極体コネクタ3は、上記連通孔123を貫通し、電極体コネクタ3の一端は、仕切り板12の一側にある電極体セット2に接続され、電極体コネクタ3の他端は、仕切り板12の他側にある電極体セット2に接続される。仕切り板12の両側にある収容キャビティ11を分離させるために、連通孔123内にパッケージ構造130が設置され、該パッケージ構造130は、電極体コネクタ3を連通孔123内にパッケージングすると共に、連通孔123を閉じて、仕切り板12の両側にある隣接する収容キャビティ11を分離させることができる。
【0138】
上記は本願の一実施形態に係る具体的な電極体コネクタ3の取り付け解決手段であるが、該解決手段では、連通孔123を2回パッケージングする必要があり、操作が非常に不便であり、また、2回パッケージングするとき、パッケージ構造130に使用される材料の選択は複雑であり、電池100の内部の電解液に影響を与える可能性がある。これに鑑み、本願の別の実施形態では、図15に示すように、電極体コネクタ3と仕切り板12とを一体成形する解決手段が提供される。該解決手段では、電極体コネクタ3を仕切り板12と一体成形し、具体的には、まず電極体コネクタ3を製造し、更に電極体コネクタ3の外部に仕切り板12を射出成形する。組み立て中に、電極体セット2を電極体コネクタ3に直接的に接続すればよく、パッケージングする必要がある連通孔123がなく、プロセスを簡略化すると共にリスクを低減する。
【0139】
いくつかの実施形態では、電極体コネクタは、異なる材料で製造された2つの接続部を含む。
【0140】
図15及び図16に示すように、電極体コネクタ3は、銅接続部301及びアルミニウム接続部302を含み、銅接続部301及びアルミニウム接続部302は電気的に接続され、その電気的接続位置が上記仕切り板12の内部に位置する。該実施形態では、銅接続部301は、仕切り板12の一側にある電極体セット2の電極引き出し部材22に接続され、アルミニウム接続部302は、仕切り板12の他側にある電極体セット2の電極引き出し部材22の引き出し端子に接続される。
【0141】
より具体的には、まず銅接続部301とアルミニウム接続部302とを複合接続して、複合接続部を形成し、次に、複合接続部の外部に射出成形して仕切り板12を形成する。このようにして、銅接続部301とアルミニウム接続部302とが接触する位置(複合接続部)が仕切り板12の内部にシールされることにより、複合接続部が電池100の内部空間に露出することを回避し、特に、複合接続部と電解液との接触を防止し、銅とアルミニウムとの接続位置が腐食されることを回避する。
【0142】
いくつかの実施形態では、上記電極体セット2の両端の電極引き出し部材22の材料は異なり、かつ対向する仕切り板12の電極体コネクタ3の接続部の材質とそれぞれ同じであってもよい。例えば、電極体セット2が電極体コネクタ3の銅接続部301に接続された電極引き出し部材22の材質も銅であり、電極体セット2の他端が電極体コネクタ3のアルミニウム接続部302に接続された電極引き出し部材22の材質もアルミニウムである。
【0143】
本願の一実施形態では、電極体セット2の両端の電極引き出し部材22は、第1の方向に沿って電極体セット2の対向する両側に設置され、ハウジング内の全ての電極体セット2は、第1の方向に沿って配列され、第1の方向は電池100の長さ方向である。すなわち、電極体セット2は、端部と端部とが接続されるという配列方式を採用し、このような配列方式により電極体セット2の間の直列接続を実現しやすく、接続方式、加工、組み立てプロセスが比較的に簡単である。
【0144】
本願の一実施形態では、図1に示すように、ハウジング1の開口部は、ハウジング1の第1の方向(図1におけるX方向)に沿う端部に設置され、エンドカバー13は、ハウジング1の開口部を密閉し、ハウジング1の上下側は、ハウジング1の側壁本体である。一般的な設計では、エンドカバー13に電解液注入孔を設置することを選択するが、本願において、仕切り板12に導液孔121が設置され、このようにして、電池100の端部のエンドカバー13のみから電解液を注入すれば、電解液を各収容キャビティ11内に導入することができる。この解決手段では、複数回開口して電解液を複数回注入する必要がなく、一度に電解液を各収容キャビティ11に注入することができる。図1に示すように、本願の一実施形態では、第1の方向(左右方向)は、電池100の長さ方向であり、電池100の内部の電極体セット2の配列方向(直列接続方向)でもある。
【0145】
しかしながら、別の実施形態では、電解液注入孔の数が2つである場合、複数の仕切り板12のうちの1つの仕切り板12に導液孔121が設置されなくてもよい。例えば、ハウジング1の第1の方向に沿う両端にいずれもエンドカバー13が設置され、各エンドカバー13に電解液注入通路、すなわち電解液注入孔が設置される。複数の仕切り板12のうちの1つ仕切り板12に導液孔121が設置されず、該仕切り板12は、第1の仕切り板としてマークされる。残りの仕切り板にいずれも導液孔が設置され、かつ第2の仕切り板としてマークされる。第1の仕切り板の第1の側に位置するエンドカバー13の電解液注入通路により第1の側に位置する収容キャビティ11に電解液を注入し、第1の仕切り板の第2の側に位置するエンドカバー13の電解液注入通路により第2の側に位置する収容キャビティ11に電解液を注入し、第2の仕切り板の導液孔121が第2の仕切り板の両側に位置する収容キャビティ11を連通させる。これにより、第1の仕切り板の第1の側に位置するエンドカバー13の電解液注入通路から注入された電解液は、第1の側に設置された第2の仕切り板の導液孔121を通して第1の仕切り板の第1の側にある全ての収容キャビティ11内に流入し、第1の仕切り板の第2の側に位置するエンドカバー13の電解液注入通路から注入された電解液は、第2の側に設置された第2の仕切り板の導液孔121を通して第1の仕切り板の第2の側にある全ての収容キャビティ11内に流入する。当然のことながら、電解液注入通路の位置は、実際の需要に応じてハウジング1に設置されてもよい。例えば、ハウジング1のある収容キャビティ11に対応するハウジング壁に設置されてもよい。
【0146】
動力電池の分野において、各電池100の動作状況の一致性は、非常に重要であり、電池パック全体の性能に直接的に影響を与える。同様に、本願において、電池100の内部の各電極体セット2の動作状況の一致性も各電池100全体の性能の表現に影響を与え、更に電池パック全体の性能に影響を与える。電池100の内部では、電解液の量は、容量、活性などの電池100の性能表現に影響を与える。したがって、本願において、少なくとも2つの仕切り板12は、ハウジング1の内部を少なくとも3つの収容キャビティ11に分割し、各仕切り板の導液孔121は、第1の方向に上記仕切り板12を貫通する円柱形孔であり、かつ同軸に設置される。このようにして、導液孔121の中心軸を基準線として、各収容キャビティ11内の電解液の液面高さをよく制御することができ、すなわち、各収容キャビティ11内の電解液の量の一致性をよく制御することにより、各電極体セット2の一致性を保証することができる。


【0147】
また、より好ましくは、各導液孔121を、内径が同じで同軸に設置されるように作成することを選択することができ、このようにして、電解液の量の一致性をより容易かつ正確に制御することができる。そして、電解液の液面高さが一致するか否かを中心軸の軸線以下で判断することができる。一致性が全体的に向上し、かつ一致性判断の難しさが低下し、操作可能性が向上し、電池100の性能が保証される。
【0148】
いくつかの実施形態では、上記電池100は、導気孔ブロッキング機構151及び導気孔ブロッキング機構配置空間を含まなくてもよい。電池100の一般的な使用条件で、収容キャビティ11の間の導気孔150が開けられたが、導気孔150が特定の高さを有するため、使用中に電解液の相互流動を引き起こすことは困難である。
【0149】
いくつかの実施形態では、上記導気孔150の予め設定された部位の孔壁は、予め設定された方向に凹んで電解液貯蔵溝を形成し、上記予め設定された方向は、上記電池100を電力使用対象、例えば自動車1000のに取り付けた後に正常に使用するときに地面に向かう方向であり、上記予め設定された部位の孔壁は、上記導気孔150の地面に近い孔壁である。これにより、極端な状況で、例えば電池100の傾斜角度が大き過ぎる場合、少量の電解液が導気孔150内に流入しても、該少量の電解液が電解液貯蔵溝内に導入されるため、電解液が導気孔150を通って隣接する電極体セット2の間に流れることを回避し、短絡の発生を回避し、電池の安全性を向上させることができる。
【0150】
上記電池100が電力使用対象に取り付けられた後に正常に使用されるとき、上記収容キャビティ11内に収容された電解液の液面が上記導気孔150より明らかに低い。
【0151】
いくつかの実施形態では、上記ハウジング1内には、上記電極体セット2の電気的パラメータをサンプリングするためのサンプリングラインが設置される。上記サンプリングラインは、複数含まれてもよく、複数のサンプリングラインは、複数の収容キャビティ11内の電極体セット2の電気的パラメータをそれぞれサンプリングする。
【0152】
上記電気的パラメータは、電圧、電流、温度のうちの少なくとも1種を含んでもよい。電池100の短絡、過充電などの異常状態は、サンプリングラインによりサンプリングされた電気的パラメータにより得ることができる。
【0153】
一実施形態では、各サンプリングラインは、対応する電極体セット2の電極引き出し部材22に接続され、かつ仕切り板12を貫通した後にハウジング1の内側壁から上記ハウジング1の端部に延在し、ハウジング1の端部に設置されたエンドカバー13により外部管理ユニットと電気的に接続されてもよい。
【0154】
別の実施形態では、各サンプリングラインは、対応する電極体セット2の電極引き出し部材22に接続され、かつ隣接する仕切り板12を介してハウジング1の上記仕切り板12に対応する部位からハウジング1の外部に延在して外部管理ユニットと電気的に接続されてもよい。
【0155】
更に、複数のサンプリングラインは、いずれも電気的接続インタフェースに延在して、上記電気的接続インタフェースにおける複数のピンと1つずつ電気的に接続され、かつ上記電気的接続インタフェースにより外部管理ユニットと挿抜可能に接続されてもよい。
【0156】
本願の一実施形態では、電池100の長さは、第1の方向に沿って延在し、第1の方向は、電池100の長さ方向である。
【0157】
図17に示すように、電池100は、略直方体であり、長さL、幅H及び厚さDを有し、長さLが幅Hより大きく、幅Hが厚さDより大きい。電池100の長さは、400~2500mmである。電池100の長さと幅の比は、4~21である。
【0158】
なお、電池が略直方体であることは、電池が直方体形状、立方体形状であってもよく、局所に異形があるが、ほぼ直方体形状又は立方体形状であってもよく、或いは、その一部に切欠き、突起、面取り、弧度、湾曲が存在するが、全体として略直方体形状、立方体形状であることが理解されたい。
【0159】
図2に示すように、本願に係る電池100では、各電極体201は、タブ202を含み、電極体セット2の電極引き出し部材22は、電極体セット2における電極体201のタブ202を組み合わせて溶接して形成された引き出し部材である。図Xに示すように、電極体201のタブ202は、電極体コネクタ3に接続されてもよく、例えば、両者は、積み重ねられて溶接されて、動力接続領域203を形成することができる。
【0160】
図6に示すように、本願の1つの具体的な実施形態では、各上記電極体セット2の電極引き出し部材22は、いずれも、電流を引き出す第1の電極引き出し部材221及び第2の電極引き出し部材222を含み、少なくとも1つの電極体セット2の上記第1の電極引き出し部材221及び第2の電極引き出し部材222は、第1の方向に沿って該電極体セット2の対向する両側にそれぞれ設置され、該電極体セット2の長さ方向は、第1の方向に沿って延在する。第1の電極引き出し部材221及び第2の電極引き出し部材222は、電極体セット2における電極体201のタブを組み合わせて溶接して形成された引き出し部材であってもよい。
【0161】
上記電池100は、リチウムイオン電池であってもよい。
【0162】
図18を参照して、本願に係る電池パック200は、トレイ300と、トレイ300に配列された電池100とを含む。
【0163】
本願の一実施形態では、ハウジング1は、金属ハウジング1、例えばアルミニウムハウジングであり、当然のことながら、必要に応じて他の金属で製造されてもよい。
【0164】
図19に示すように、本願に係る電池モジュール400は、本願に係る複数の電池100を含む。
【0165】
図18及び図20に示すように、本願に係る電池パック200は、本願に係る複数の電池100又は本願に係る電池モジュール400を含む。
【0166】
図21及び図22に示すように、本願に係る自動車1000は、本願に係る電池モジュール400又は電池パック200を含む。
【0167】
以上から分かるように、本願は、以上に記載の優れた性能を有するため、使用において、従来技術が達成できない効果の向上により実用性を有し、実用的価値の高い製品となる。
【0168】
以上の記載は、本願の好ましい実施形態に過ぎず、本願を限定するものではなく、本願の思想及び原則内に行われるいかなる修正、同等置換又は改善などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0169】
電池100、ハウジング1、エンドカバー13、電極体セット2、サブハウジング101、電極体201、タブ202、動力接続領域203、仕切り板12、導液孔121、第1の導液孔1211、第2の導液孔1212、ブロッキング機構122、導気孔150、導気孔ブロッキング機構151、弾性スリーブ1221、磁性材料ボール1222、ブロッキング機構配置空間125、パッケージ構造130、連通孔123、収容キャビティ11、電極体コネクタ3、銅接続部301、アルミニウム接続部302、セパレータ111、サブセパレータ1111、トレイ300、電池パック200、電極引き出し部材22、第1の電極引き出し部材221、第2の電極引き出し部材222、電池モジュール400、自動車1000。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22