(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】炉内の燃焼状態をリアルタイムで監視及び調整することができる装置及び方法
(51)【国際特許分類】
F23N 5/08 20060101AFI20240118BHJP
F23N 1/02 20060101ALI20240118BHJP
F23N 5/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
F23N5/08 J
F23N1/02 101
F23N5/00 H
(21)【出願番号】P 2022538823
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(86)【国際出願番号】 CN2020137960
(87)【国際公開番号】W WO2021129564
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-07-05
(31)【優先権主張番号】201911378911.7
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ファン カンペン、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】パン、ユエチン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、カン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、ウェンピャオ
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-325738(JP,A)
【文献】特表2013-530366(JP,A)
【文献】特開平01-312308(JP,A)
【文献】特開2001-280849(JP,A)
【文献】特開平09-088567(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23N 1/00-5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炉内の燃焼状態をリアルタイムで監視及び調整することができる装置であって、
a)加熱室、燃焼室、装填ゲート、排ガス流ポート及び排ガス流ダクトを有する
炉であって、前記燃焼室は、炎を形成するために、燃料及び/又は酸素含有ガスを前記加熱室に導入するために使用され、前記装填ゲートは、原料を追加するために使用され、及び前記加熱室内で燃焼によって生じたガスは、前記排ガス流ポートを介して前記排ガス流ダクトに入る、
炉;
b)前記排ガス流ダクト内の異なる位置に配置された同じタイプの2つのセンサーであって、第1のセンサーは、前記排ガス流ポートの近くに配置され、第2のセンサーは、前記第1のセンサーの5~10メートル下流に配置され、及び2つのセンサー信号間の差は、前記加熱室内の雰囲気状態及び/又は前記排ガス流ダクト内で後燃焼が発生しているかどうかを推定するために使用され得る、2つのセンサー;
c)前記2つのセンサーの信号を受信し、且つ前記信号間の前記差に従い、前記燃焼室に入る燃料及び/又は酸素含有ガスの量を調整するための制御装置
を含むことによって特徴付けられ、両方のセンサーは、炎センサー
である、装置。
【請求項2】
前記排ガス流ポートは、前記加熱室の室壁に位置し、及び前記排ガス流ポートと前記排ガス流ダクトとの間に間隙が存在することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記排ガス流ダクトは、石積みによって耐熱材料で作られており、及び空気は、前記耐熱材料内の間隙を通して前記排ガス流ダクトに入り得ることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の装置内で原料を加熱する方法であって、
a)前記燃焼室を介して前記炉の前記加熱室に燃料及び/又は酸素含有ガスを導入し、それにより炎を形成して前記原料を加熱することであって、燃焼によって生じたガスは、前記排ガス流ポートを介して前記排ガス流ダクトに入る、加熱すること;
b)前記排ガス流ダクト内に空気を導入すること;
c)前記排ガス流ダクト内に同じタイプの少なくとも2つのセンサーを配置することであって、第1のセンサーは、前記排ガス流ポートの近くに配置され、及び第2のセンサーは、前記第1のセンサーの5~10メートル下流に配置される、配置することを行い;前記2つのセンサーの信号を制御装置に送信することであって、前記制御装置は、前記2つのセンサー信号間の差に従い、前記燃焼室に入る燃料及び/又は酸素含有ガスの量を調整する、送信すること
を含むことによって特徴付けられる方法。
【請求項5】
空気は、前記排ガス流ポートと前記排ガス流ダクトとの間の間隙を通して前記排ガス流ダクトに入ることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記排ガス流ダクトが石積みによって耐熱材料で作られているとき、空気は、前記耐熱材料内の間隙を通して前記排ガス流ダクトに入ることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記原料は、鉄含有材料、銅含有材料、アルミニウム含有材料若しくは他の金属を含有する材料のいずれか及び/又はそれらのいずれかの混合物を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記原料は、廃棄物を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記酸素含有ガスは、モル百分率で少なくとも80%の酸素を含有することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記燃料は、天然ガス、他の炭化水素、石油コークスのいずれか及び/又はそれらのいずれかの混合物を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記炉は、回転炉、反射炉及び/又は高炉を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
前記炉内の前記燃焼状態は、
a)前記炉内の酸素の実際の含有量が、前記炉内での可燃性炭素含有化合物の完全燃焼を達成するために理論的に必要とされる酸素含有量を下回る場合の還元雰囲気;又は
b)前記炉内の酸素の実際の含有量が、前記炉内での可燃性炭素含有化合物の完全燃焼を達成するために理論的に必要とされる酸素含有量とほぼ等しい場合の中性雰囲気;又は
c)前記炉内の酸素の実際の含有量が、前記炉内での可燃性炭素含有化合物の完全燃焼を達成するために理論的に必要とされる酸素含有量を上回る場合の酸化雰囲気
を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
a)両方の炎センサーが炎を検出する場合、前記炉内の雰囲気が還元雰囲気であると推測されること;
b)前記排ガス流ポートの近くの前記第1の炎センサーが一定の時間間隔で炎を検出するが、前記排ガス流ポートから離れている前記第2の炎センサーが炎を検出しない場合、前記炉内の雰囲気が中性雰囲気であると推測されること;又は
c)前記2つの炎センサーのいずれも炎を検出しない場合、前記炉内の雰囲気が酸化雰囲気であると推測されること
を特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記制御装置は、前記加熱室内
の推測された雰囲気状態及び/又は前記排ガス流ダクト内で後燃焼が発生しているかどうかに従い、前記燃焼室に入る燃料及び/又は酸素含有ガ
スの量を調整することにより、前記加熱室内において理想的な雰囲気を実現することを特徴とする、請求項12
又は13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼の分野に属し、且つ炉内の燃焼状態を監視及び調整するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼は、産業界では、例えばアルミニウム、銅、鉛などを含む金属の溶融又は有機物を含有する廃棄物の焼却など、広範囲の用途を有する。このタイプの燃焼は、一般的に、産業用燃焼炉によって実施される。酸素含有ガス又は燃料と酸素含有ガスとを一緒に燃焼炉に送ることにより、炎及び大量の熱が発生する。炉に送られる原料の配合物及び質は、頻繁に変わるため、炉内の燃焼状態もそれに従って変わる。例えば、金属が溶融されるとき、石炭などの添加材が金属原料に追加されることがあり;缶の塗料、コーティング及び残留物などは、大量の炭素を含有し;及び廃棄物中の様々な構成成分も大量の炭素を含有する。これらの可燃性の炭素含有化合物が炉の運転中に酸化剤に曝されるとき、それらは、反応して大量の一酸化炭素を生じる。この現象は、一酸化炭素放出と呼ばれている。一酸化炭素がさらに酸化剤と接触すると、二酸化炭素を生じて大量の熱を放出する。燃焼炉内では、燃焼室を通して炉体キャビティ又は加熱室に導入された酸素富化空気に加えて、新鮮な空気も煙道ガスダクト又は排ガス流ダクトに導入される。そのため、一酸化炭素が排ガス流ダクトに入る場合、新鮮な空気と接触して燃え、二酸化炭素を生じ、同時に大量の熱を放出し、それにより排ガス流の温度を300℃以上高くし得る。煙道ガスダクト又は排ガス流ダクト内での一酸化炭素と酸化剤との間の接触に起因するそのような燃焼は、後燃焼と呼ばれている。
【0003】
燃焼室に送られる燃料及び酸素含有ガスの量は、一般的に、燃料の完全燃焼を達成するために必要な酸素の化学量論比を満たすため、燃料及び酸素の両方が十分に利用される。原料が大量の炭素含有材料を含むとき、酸素とのその燃焼によって酸素を消費するため、燃料は、完全に燃やされることができず、燃料の廃棄物を生じる。そのため、従来技術において、燃焼炉内の雰囲気の変化を監視し、且つ燃料及び酸素含有ガスの流量の速やかな調整を行うための多くの方法が開示されている。
【0004】
中国特許第103424005B号明細書は、燃焼炉内で金属原料を加熱する方法を開示しており;これは、加熱室及び/又は排ガス流内に少なくとも1つの光センサーを設置して、燃焼の強さを監視することと、経時的に排ガス流の温度Tの変化dT/dtを監視することと、監視の結果に従って燃料:酸素比を調整することとを含む。この方法は、時間に対する温度変化を測定する必要があり、これによりセンサー及びその制御用機器の複雑さ及びコストが増す。
【0005】
米国特許第8,721,764B号明細書は、燃焼炉内で金属を溶融する方法を開示しており、この方法は、煙道内の後燃焼領域の下流において、予め決められた時間頻度で煙道ガスの温度を測定することと、この温度を閾値と比較することとを含む。その値が閾値を上回ると、燃料の流れ対酸素含有ガスの流れの比が下げられるため、燃焼炉は、還元運転状態に入る。この方法の精度は、閾値が決定される精度に依存する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に照らして、従来技術における上述の欠陥及び不足をなくすために、炉内の燃焼状態をリアルタイムで監視及び調整するためにどのように装置及び方法を設計するかという問題は、産業界における関連する技術者によって喫緊に解決される必要のある課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来技術における上述の技術的な問題を克服するために、本発明は、炉内の燃焼状態をリアルタイムで監視及び調整する、経済的であり、便利であり且つ正確な装置及び方法を提供する。
【0008】
一態様では、本発明は、炉内の燃焼状態をリアルタイムで監視及び調整することができる装置であって、
a)加熱室、燃焼室、装填ゲート、排ガス流ポート及び排ガス流ダクトを有する炉を提供することであって、燃焼室は、炎を形成するために、燃料及び/又は酸素含有ガスを加熱室に導入するために使用され、装填ゲートは、原料を追加するために使用され、及び加熱室内で燃焼によって生じたガスは、排ガス流ポートを介して排ガス流ダクトに入る、提供すること;
b)排ガス流ダクト内の異なる位置に配置された同じタイプの2つのセンサー;
c)2つのセンサーの信号を受信し、且つ信号間の差に従い、燃焼室に入る燃料及び/又は酸素含有ガスの量を調整するための制御装置
を含む装置を開示する。
【0009】
別の態様では、第1のセンサーは、排ガス流ポートの近くに配置され、第2のセンサーは、第1のセンサーの5~10メートル下流に配置され、及び2つのセンサー信号間の差は、加熱室内の雰囲気状態及び/又は排ガス流ダクト内で後燃焼が発生しているかどうかを推定するために使用され得る。
【0010】
別の態様では、両方のセンサーは、炎センサーである。
【0011】
別の態様では、両方のセンサーは、圧力センサーである。
【0012】
別の態様では、両方のセンサーは、酸素濃度センサーである。
【0013】
別の態様では、両方のセンサーは、一酸化炭素濃度センサーである。
【0014】
別の態様では、両方のセンサーは、二酸化炭素濃度センサーである。
【0015】
別の態様では、排ガス流ポートは、加熱室の室壁に位置し、及び排ガス流ポートと排ガス流ダクトとの間に間隙が存在するか、又は排ガス流ダクトは、石積みによって耐熱材料で作られており、及び空気は、耐熱材料内の間隙を通して排ガス流ダクトに入り得る。
【0016】
本発明は、上述のような装置内で原料を加熱する方法であって、
a)燃焼室を介して炉の加熱室に燃料及び/又は酸素含有ガスを導入し、それにより炎を形成して原料を加熱することであって、燃焼によって生じたガスは、排ガス流ポートを介して排ガス流ダクトに入る、加熱すること;
b)排ガス流ダクト内に空気を導入すること;
c)排ガス流ダクト内に同じタイプの少なくとも2つのセンサーを配置することであって、第1のセンサーは、排ガス流ポートの近くに配置され、及び第2のセンサーは、第1のセンサーの5~10メートル下流に配置される、配置することを行い;2つのセンサーの信号を制御装置に送信することであって、制御装置は、2つのセンサー信号間の差に従い、燃焼室に入る燃料及び/又は酸素含有ガスの量を調整する、送信すること
を含む方法も開示する。
【0017】
上述の方法では、空気は、排ガス流ポートと排ガス流ダクトとの間の間隙を通して排ガス流ダクトに入るか、又は排ガス流ダクトが石積みによって耐熱材料で作られているとき、空気は、耐熱材料内の間隙を通して排ガス流ダクトに入る。
【0018】
上述の方法では、原料は、鉄含有材料、銅含有材料、アルミニウム含有材料若しくは他の金属を含有する材料のいずれか及び/若しくはそれらのいずれかの混合物を含むか、又は原料は、廃棄物を含む。
【0019】
上述の方法では、酸素含有ガスは、モル百分率で少なくとも80%の酸素を含有する。
【0020】
上述の方法では、燃料は、天然ガス、他の炭化水素、石油コークスのいずれか及び/又はそれらのいずれかの混合物を含む。
【0021】
上述の方法では、炉は、回転炉、反射炉及び/又は高炉を含む。
【0022】
上述の方法では、炉内の燃焼状態は、
a)炉内の酸素の実際の含有量が、炉内での可燃性炭素含有化合物の完全燃焼を達成するために理論的に必要とされる酸素含有量を下回る場合の還元雰囲気;又は
b)炉内の酸素の実際の含有量が、炉内での可燃性炭素含有化合物の完全燃焼を達成するために理論的に必要とされる酸素含有量とほぼ等しい場合の中性雰囲気;又は
c)炉内の酸素の実際の含有量が、炉内での可燃性炭素含有化合物の完全燃焼を達成するために理論的に必要とされる酸素含有量を上回る場合の酸化雰囲気
を含む。
【0023】
上述の方法の一態様では、両方のセンサーが炎センサーであるとき、
a)両方の炎センサーが炎を検出する場合、炉内の雰囲気が還元雰囲気であると推測されるか;
b)排ガス流ポートの近くの第1の炎センサーが一定の時間間隔で炎を検出するが、排ガス流ポートから離れている第2の炎センサーが炎を検出しない場合、炉内の雰囲気が中性雰囲気であると推測されるか;又は
c)2つの炎センサーのいずれも炎を検出しない場合、炉内の雰囲気が酸化雰囲気であると推測される。
【0024】
上述の方法の別の態様では、両方のセンサーが圧力センサーであるとき、
a)排ガス流ポートに近い第1の圧力センサーによって検出される圧力が、排ガス流ポートから離れている第2の圧力センサーによって検出される圧力とほぼ等しい場合、炉内の雰囲気が中性若しくは酸化雰囲気であると推測されるか;又は
b)排ガス流ポートに近い第1の圧力センサーによって検出される圧力が、排ガス流ポートから離れている第2の圧力センサーによって検出される圧力よりも低い場合、炉内の雰囲気が還元雰囲気であると推測される。
【0025】
上述の方法では、両方のセンサーが酸素濃度センサーであるとき、
a)排ガス流ポートに近い第1の酸素濃度センサーによって検出される酸素濃度が中性雰囲気の理論値よりも低いが、排ガス流ポートから離れている第2の酸素濃度センサーによって検出される酸素濃度よりも高い場合、炉内の雰囲気が還元雰囲気であると推測されるか;
b)排ガス流ポートに近い第1の酸素濃度センサーによって検出される酸素濃度が中性雰囲気の理論値と等しく、且つ排ガス流ポートから離れている第2の酸素濃度センサーによって検出される酸素濃度よりもわずかに高い場合、炉内の雰囲気が中性雰囲気であり、及び2つの酸素濃度センサー間で後燃焼が発生していると推測されるか;又は
c)2つの酸素濃度センサーによって検出される酸素濃度が両方とも中性雰囲気の理論値よりも高い場合、炉内の雰囲気が酸化雰囲気であると推測される。
【0026】
上述の方法の別の態様では、両方のセンサーが一酸化炭素濃度センサーであるとき、
a)排ガス流ポートに近い第1の一酸化炭素濃度センサーによって検出される一酸化炭素濃度が、排ガス流ポートから離れている第2の一酸化炭素濃度センサーによって検出される一酸化炭素濃度よりも高い場合、炉内の雰囲気が還元雰囲気であると推測されるか;
b)排ガス流ポートに近い第1の一酸化炭素濃度センサーによって検出される一酸化炭素濃度が中性雰囲気の理論値と等しく、且つ排ガス流ポートから離れている第2の一酸化炭素濃度センサーによって検出される一酸化炭素濃度よりもわずかに高い場合、炉内の雰囲気が中性雰囲気であり、及び2つの一酸化炭素濃度センサー間で後燃焼が発生していると推測されるか;又は
c)両方の一酸化炭素濃度センサーがほとんど一酸化炭素を検出しない場合、炉内の雰囲気が酸化雰囲気であると推測される。
【0027】
上述の方法の別の態様では、両方のセンサーが二酸化炭素濃度センサーであるとき、
a)排ガス流ポートに近い第1の二酸化炭素濃度センサーによって検出される二酸化炭素濃度が、排ガス流ポートから離れている第2の二酸化炭素濃度センサーによって検出される二酸化炭素濃度よりも低い場合、炉内の雰囲気が還元雰囲気であると推測されるか;
b)排ガス流ポートに近い第1の二酸化炭素濃度センサーによって検出される二酸化炭素濃度が中性雰囲気の理論値と等しく、且つ排ガス流ポートから離れている第2の二酸化炭素濃度センサーによって検出される二酸化炭素濃度よりもわずかに低い場合、炉内の雰囲気が中性雰囲気であり、及び2つの二酸化炭素濃度センサー間で後燃焼が発生していると推測されるか;又は
c)2つの二酸化炭素濃度センサーによって検出される二酸化炭素濃度がほぼ等しい場合、炉内の雰囲気が酸化雰囲気であると推測される。
【0028】
上述の方法の別の態様では、制御装置は、加熱室内の推測された雰囲気状態及び/又は排ガス流ダクト内で後燃焼が発生しているかどうかに従い、燃焼室に入る燃料及び/又は酸素含有ガスの量を調整することにより、加熱室内において理想的な雰囲気を実現する。
【0029】
従来技術と比較して、本発明で提供される技術的解決法は、以下の利点を有する:
1.全ての種類の燃焼炉及び全ての種類の原料に好適である。
2.還元雰囲気又は酸化雰囲気に限定されず、燃焼炉内の様々な雰囲気条件を検出することができる。
3.センサー及び制御装置は、構造的に単純であり、且つ低価格である。
4.炉内の雰囲気は、同じタイプの2つのセンサーの測定値の比較に基づいて調整される。複雑な較正プロセス又は理論計算が必要ないため、技術的解決法は、より直接的であり、正確であり且つ便利である。
【0030】
本発明の利点及び趣旨のさらなる理解は、本発明の以下の詳細な説明及び添付図面を通して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明によって提供される装置の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面では、1 - 加熱室;2 - 燃焼室;3 - 装填ゲート;4 - 排ガス流ポート;5 - 排ガス流ダクト;10 - 酸素含有ガス経路;11 - 燃料経路;20 - 第1のセンサー;21 - 第2のセンサー;30 - 制御装置である。
【0033】
本発明の具体的な実施形態を下記で添付図面と併せて詳細に説明する。しかしながら、本発明は、下記で説明するような実施形態に限定されないことが理解されるべきであり、本発明の技術的な概念は、他の周知の技術又はそれらの周知の技術と同じ機能を有する他の技術と組み合わせて実施され得る。
【0034】
以下の具体的な実施形態の説明では、本発明の構造及び動作方法を明確に示すために、説明のための多くの方向に関する単語が使用されるが、例えば、「前」、「後ろ」、「左」、「右」、「外側」、「内側」、「外向き」、「内向き」、「軸方向」及び「半径方向」などの単語は、限定的な用語ではなく、便宜上の用語であると理解されるべきである。
【0035】
下記の具体的な実施形態の説明では、用語「長さ」、「幅」、「上方」、「下方」、「前」、「後ろ」、「左」、「右」、「垂直方向」、「水平方向」、「頂部」、「底」、「内側」及び「外側」などによって示される向き又は位置の関係は、図面に示す向き又は位置の関係に基づいており、言及される装置又は要素が特定の向きを有し、且つ特定の向きで構築及び動作される必要があることを示したり又は暗示したりするのではなく、単に本発明の説明を容易にし、且つ説明を単純にするためのものであることが理解されるべきであり、そのため、本発明の限定と理解されるべきではない。
【0036】
本発明では、他に特に明確に規定及び定義がなければ、「設置された」、「一緒に接続された」、「接続された」及び「固定された」などの用語は、広い意味で理解されるべきであり、例えば固定して接続されることを意味し得るだけでなく、取り外し可能に接続されること又はシングルピースを形成することを意味し得;機械的に接続されることを意味し得るだけでなく、電気的に接続されることを意味し得;直接一緒に接続されることを意味し得るだけでなく、中間媒体を介して間接的に接続されることを意味し得;且つ2つの要素間の内部連通又は2つの要素間の相互作用関係を意味し得る。当業者は、特定の状況に従い、本発明において上述の用語の特定の意味を理解することができる。
【0037】
別段の指示が明確にない限り、本明細書で定義される各態様又は実施形態は、任意の他の1つ若しくは複数の態様又は1つ若しくは複数の実施形態と組み合わされ得る。特に、指示されるいずれかの好ましい又は有利な特徴は、指示される任意の他の好ましい又は有利な特徴と組み合わされ得る。
【0038】
本発明の燃焼炉は、産業界において従来使用されている様々なタイプの炉、例えば回転ドラム炉とも呼ばれる回転炉又は反射炉、高炉などを含む。適切な炉は、加熱される原料のタイプ、経費の考慮事項及び汚染物質排出基準などに従って選択される。原料が加熱及び溶融される燃焼炉内の領域は、加熱室である。燃焼室は、加熱室内に延在し、且つ酸素含有ガス又は酸素含有ガスと燃料とを入力することにより、加熱室内で炎を発生させる。炎によって発生した熱が金属を溶融し、且つ有機物を焼却する。
【0039】
燃焼室を通過する燃料及び酸素含有ガスの流量は、調整可能である。加熱室内に他の可燃性物質がないとき、燃料対酸素含有ガスの比は、加熱室内の燃料対酸素のモル比が燃料及び酸素の燃焼のための化学量論比を満たすように調整され得る。そのような状況では、燃料及び酸素は、完全に燃やされる。理論では、酸素又は燃料は、残留せず、及び炉内の雰囲気は、中性である。加熱室内の酸素対燃料のモル比が燃料及び酸素の燃焼のための化学量論比を上回る場合、燃料が完全に消費されており、加熱室内に残留酸素があり、及び炉内の雰囲気が酸化雰囲気である。加熱室内の酸素対燃料のモル比が燃料及び酸素の燃焼のための化学量論比を下回る場合、理論的には、酸素が完全に消費されており、加熱室内に残留燃料及び/又は一酸化炭素があり、及び炉内の雰囲気が還元雰囲気である。
【0040】
加熱室に送られる燃料及び酸素含有ガスの比が燃料及び酸素含有ガスの燃焼のための化学量論比を満たす場合でも、炉内の雰囲気が常に中性雰囲気であることを保証することは、不可能である。これは、原料中の不純物の存在並びに加熱室に入る異なるバッチの原料中の不純物の内容及びタイプが異なることが多いことに起因する。再生金属の溶融を例にすると、金属製缶は、コーティング、塗料、内容物残留物及びプラスチックなどの不純物を有することが多い。これらの不純物中の可燃性炭素含有構成成分は、高温で酸素と接触すると燃えて、一酸化炭素を生じる。その結果、酸素が消費されるため、燃料による完全燃焼には酸素が不十分となり、炉内の主成分は、過剰な燃料及び生成された一酸化炭素となる。そのような雰囲気は、還元雰囲気と呼ばれる。炉内の雰囲気を中性雰囲気に調整する必要がある場合、加熱室に送られる燃料の量が削減され得るか、又は加熱室に送られる酸素の量が増加され得る。
【0041】
中性雰囲気は、加熱室に送られる燃料及び酸素含有ガスを最大限利用し得るが、中性雰囲気は、原料の処理の観点から常に好適であるわけではない。例えば、アルミニウムは、簡単に酸化し;原料の損失を回避するために加熱室内を還元雰囲気に維持するべきである。別の例として、廃棄物が焼却されるとき、廃棄物のほとんどは、可燃性材料である。そのような状況では、加熱室内に送る燃料を少なくするか又は燃料を送らず、酸素のみを送ることが可能であり、それにより、加熱室内に酸化雰囲気を作り出す。溶融中の金属が銅又は鉛などの簡単に酸化される金属でない場合、加熱室内を中性雰囲気に維持して、燃料又は酸素を無駄にすることを回避し得る。好適な炉内雰囲気を達成するために、加熱室内の雰囲気をリアルタイムで監視し、且つ必要に応じて燃料又は酸素含有ガスの流量を調整することが絶対に必要であることが分かる。
【0042】
加熱室内で発生したガスは、排ガス流ポートを通して排ガス流ダクトに入る。様々な設計の排ガス流ダクトがある。例えば、回転炉の排ガス流ポートと排ガス流ダクトとの間に間隙があり;吸気ファンが排ガス流ダクト内に設置されて、間隙から排ガス流ダクト内に新鮮な空気を吸気し、高温の排ガス流を冷却する。反射炉及び他の炉の排ガス流ダクトは、排ガス流ポートにシームレスに接続され、及び排ガス流ダクトは、石積みによって耐熱材料で作られており;ダクトの内部と外部との間の圧力差により、耐熱材料内の間隙を通して新鮮な空気がダクトに入り込み、これも高温排ガス流を冷却する効果を有し得る。しかしながら、炉内の雰囲気が還元雰囲気である場合、排ガス流は、大量の一酸化炭素を含有する。高温の一酸化炭素が、排ガス流ダクト内において、酸素を含有する新鮮な空気と遭遇すると、燃えて二酸化炭素を生じる。そのような燃焼は、加熱室の外部にある排ガス流ダクトで発生し、後燃焼と呼ばれる。後燃焼により、大量の熱を放出し、これにより排ガス流ダクトに老化及び損傷を引き起こす可能性がある。後燃焼の存在から、排ガス流が大量の一酸化炭素を含有するという結論が下され得、及びさらに加熱室内の雰囲気が還元雰囲気であるという結論が下され得る。
【0043】
センサーは、特定の設定パラメータを測定し、それを電気信号に変換し、その後、この信号を無線及び/又は有線の方法によって制御装置に送信する要素である。本発明に好適なセンサーは、炎センサー、温度センサー、圧力センサー、酸素濃度センサー、一酸化炭素濃度センサー、二酸化炭素濃度センサーなどを含む。センサーは、従来、要求に応じて様々な市販のモデルから選択され得る。制御装置は、センサーから信号を受信し、且つ燃料及び酸素含有ガスの流量の調整を行うかどうか、並びにこの調整に基づいて、それに応じて燃料及び/又は酸素含有ガスの流量の調整を行うかどうかについて論理判断を行う。好適な制御装置の例は、プログラマブル論理制御装置(PLC)である。
【0044】
図1は、本発明の実施形態を説明する。燃焼室2及び装填ゲート3が加熱室1の一方の端部に設置され;加熱される原料が装填ゲート3を通して加熱室1に入る。酸素含有ガス経路10及び燃料経路11が燃焼室2内に提供され;燃料及び酸素含有ガスが加熱室1内で炎を形成する。加熱室1内のガスは、排ガス流ポート4から出る。この実施形態では、排ガス流ポート4と排ガス流ダクト5との間に間隙があり、新鮮な空気が排ガス流ダクト5に入ることを可能にする。同じタイプの2つのセンサーが排ガス流ダクト5に提供される。これらのうちの第1のセンサー20は、排ガス流ポート4の近くに配置され;第1のセンサーによって測定されたデータは、本質的に、加熱室の内部からちょうど出たガスの性質を反映する。第2のセンサー21が第1のセンサーの5~10メートル下流に配置され;正確な位置は、実験又は経験によって決定され、その目的は、起こり得る後燃焼の下流に第2のセンサーを配置することである。排ガス流ダクト内で後燃焼がある場合、第2のセンサー21の位置で測定されたデータは、燃焼が起こった後のガスの性質を反映する。2つのセンサーは、測定した信号を制御装置30に送信し、及び制御装置30は、2つのセンサーの信号間の差に従い、燃料及び/又は酸素含有ガスの流量を調整し、そのため、加熱室内の雰囲気を変更するという目的を達成する。
【0045】
具体的には、2つのセンサーは、両方とも炎センサーであり得る。一般的に使用される炎検出センサーは、紫外線及び赤外線炎検出センサーを含み、それらの両方は、特定の波長範囲内の放射線の強さを検出し、且つそれを電気信号に変換することができる。本発明では、紫外線炎検出センサーは、一般的に、炎の性質に従って選択され;炎検出センサーは、炎の強さを検出する必要なく、炎が存在するかどうかを検出する必要があるのみである。加熱室内が還元雰囲気であるとき、排ガス流は、大量の一酸化炭素を含有し、それが排ガス流ダクトに入った後、新鮮な空気と接触して燃えて、炎を生じる。このとき、排ガス流ダクト内に配置された2つのセンサーは、両方とも炎を検出することができる。加熱室内の雰囲気が中性である場合、酸素対燃料の比は、本質的に、燃料の完全燃焼を保証することができる。しかしながら、原料を追加するために装填ゲート3が開放するたびに、ある程度の炭素含有不純物が必然的に加熱室に導入され、これらの不純物は、酸素と一緒に燃えて一酸化炭素を生じる。そのため、装填ゲートが周期的に開放されるとき、加熱室内で一酸化炭素の吹き出しも周期的に放出される。排ガス流ダクトに入った直後、一酸化炭素は、新鮮な空気と混合されて燃え;そのため、排ガス流ポートに配置された第1の炎センサーは、装填ゲートが開放される時間間隔で炎を検出する。中性雰囲気中での一酸化炭素の濃度は、高すぎないため、排ガス流ポートにおいてほとんど完全に燃えることから、排ガス流ダクト内の奥に位置する第2の炎センサーは、炎を検出しない。加熱室が酸化雰囲気であるとき、排ガス流中に不完全に燃えた一酸化炭素が存在せず、及び排ガス流ダクト内で後燃焼が発生しないため、2つの炎検出センサーのいずれも炎を検出することができない。
【0046】
任意選択的に、両方のセンサーは、圧力センサーである。好適な圧力センサーは、圧力伝送器である。加熱室内が還元雰囲気であるとき、排ガス流は、大量の一酸化炭素を含有し、これは、排ガス流ダクトに入った後、新鮮な空気と接触して燃える。燃焼により、ガスを膨張させ、温度が上昇し、それに対応してガス圧力が上昇する。このとき、排ガス流ダクトの奥に配置された第2の圧力センサーは、後燃焼後のガスの圧力を検出し、及びこの圧力は、排ガス流ポートに位置する第1の圧力センサーによって検出される後燃焼前のガスの圧力よりも高い必要がある。加熱室内に酸化又は中性雰囲気があるとき、排ガス流ダクト内で後燃焼が発生しないため、2つの圧力センサーによって検出される圧力は、ほぼ等しい。
【0047】
両方のセンサーは、酸素濃度センサーでもあり得る。加熱室内の燃焼が酸素と燃料との間の化学量論比でのみ発生する場合、依然として加熱室内に残留酸素濃度があり、これは、中性雰囲気の酸素の理論値である。加熱室内が還元雰囲気であるとき、これは、炭素含有不純物との燃焼によってより大量の酸素が消費されることを意味する。そのような状況では、排ガス流ポートに位置する第1の酸素濃度センサーによって検出される酸素濃度は、中性雰囲気の酸素の理論値よりも低く、及び排ガス流ダクト内での後燃焼によって酸素を消費し続けるため、排ガス流ダクトの奥に位置する第2の酸素濃度センサーによって検出される酸素濃度は、さらに低下する。加熱室内の雰囲気が中性であるとき、第1の酸素濃度センサーによって検出される酸素濃度は、中性雰囲気の酸素の理論値とほぼ等しく;排ガス流ダクト内で少量の後燃焼が発生し、そのため、酸素が消費され続ける場合、第2の酸素濃度センサーによって検出される酸素濃度は、さらに低下する。加熱室内が酸化雰囲気であるとき、両方の酸素濃度センサーによって検出される酸素濃度は、中性雰囲気の酸素の理論値を上回る。
【0048】
両方のセンサーは、一酸化炭素濃度センサーでもあり得る。加熱室内の燃焼が酸素と燃料との間の化学量論比でのみ起こる場合、加熱室内の一酸化炭素は、基準濃度を有し、これは、中性雰囲気の一酸化炭素の理論値である。加熱室内が還元雰囲気である場合、後燃焼が排ガス流ダクト内で発生して、一酸化炭素を消費する。そのため、排ガス流ポートに位置する第1の一酸化炭素濃度センサーによって検出される一酸化炭素濃度は、排ガス流ダクトの奥に位置する第2の一酸化炭素濃度センサーによって検出される一酸化炭素濃度よりも高い。加熱室内の雰囲気が中性であるとき、第1の一酸化炭素濃度センサーによって検出される一酸化炭素濃度は、中性雰囲気の一酸化炭素の理論値とほぼ等しく;少量の後燃焼が排ガス流ダクト内で発生し、そのため、一酸化炭素が消費され続ける場合、第2の一酸化炭素濃度センサーによって検出される一酸化炭素濃度は、さらに低下する。加熱室内が酸化雰囲気であるとき、加熱室内の一酸化炭素は、酸素と反応して二酸化炭素を生じ、2つの一酸化炭素濃度センサーは、ほとんど一酸化炭素を検出しない。
【0049】
両方のセンサーは、二酸化炭素濃度センサーでもあり得る。加熱室内の燃焼が酸素と燃料との間の化学量論比でのみ起こるとき、加熱室内の二酸化炭素は、基準濃度を有し、これは、中性雰囲気の二酸化炭素の理論値である。加熱室内が還元雰囲気であるとき、後燃焼が排ガス流ダクトで発生し、一酸化炭素を消費し、且つ二酸化炭素を生じる。そのため、排ガス流ポートに位置する第1の二酸化炭素濃度センサーによって検出される二酸化炭素濃度は、排ガス流ダクトの奥に位置する第2の二酸化炭素濃度センサーによって検出される二酸化炭素濃度よりも低い。加熱室内の雰囲気が中性であるとき、第1の二酸化炭素濃度センサーによって検出される二酸化炭素濃度は、中性雰囲気の二酸化炭素の理論値とほぼ等しい。少量の後燃焼が排ガス流ダクト内で発生し、そのため、二酸化炭素が生じ続ける場合、第2の二酸化炭素濃度センサーによって検出される二酸化炭素濃度は、上昇する。加熱室内が酸化雰囲気であるとき、後燃焼は、場合により発生し得ず、2つの二酸化炭素濃度センサーによって検出される二酸化炭素濃度は、ほぼ等しい。
【0050】
加熱室内の還元雰囲気が中性雰囲気に調整される必要がある場合、燃料の入力が減少されるか又は酸素含有ガスの入力が増加され得るため、加熱室内の酸素の量は、燃料及び他の炭素含有不純物との完全燃焼に十分である。反対に、加熱室内の酸化雰囲気が中性雰囲気に調整される必要がある場合、燃料の入力が増加されるか又は酸素含有ガスの入力が減少される。
【0051】
別段の定めをした場合を除き、本明細書に出現する「第1」及び「第2」と同様の修飾語は、発生順、量又は重要性の定義を示すものではなく、単にこの技術的解決法における1つの技術的特徴を別の技術的特徴から区別するためのものである。同様に、本明細書に出現する「1つの(a)」と同様の修飾語は、量の定義を示すものではなく、前述の文章に出現しなかった技術的特徴を説明するものである。同様に、本明細書で数字の前に出現する「約」及び「ほぼ」と同様の修飾語は、一般的に、数字自体を含み、及びその具体的な意味は、内容の意味と併せて理解されるべきである。同様に、特定の数量を表す単語によって修飾されない限り、本明細書の名詞は、単数形及び複数形の両方を含むとみなされるべきであり、すなわち、技術的解決法は、関係する技術的特徴の1つのみを含み得るだけでなく、複数の技術的特徴を含み得る。
【0052】
上記は、単に本発明の好ましい特定の実施形態であり、これは、本発明を限定することなく、単に本発明の技術的解決法を説明するものである。論理的分析、推論又は限られた実験により、本発明の概念に従って当業者が得ることができる全ての技術的解決法は、本発明の範囲に含まれるものとする。