(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】ボタン装置、および、電子機器
(51)【国際特許分類】
H01H 13/02 20060101AFI20240118BHJP
H01H 13/14 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
H01H13/02 A
H01H13/14 B
(21)【出願番号】P 2022553836
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(86)【国際出願番号】 JP2021034360
(87)【国際公開番号】W WO2022070996
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-03-28
(31)【優先権主張番号】P 2020163421
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100158780
【氏名又は名称】寺本 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100121359
【氏名又は名称】小沢 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】田邨 嘉隆
(72)【発明者】
【氏名】大堀 若菜
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-21780(JP,A)
【文献】特開2014-44898(JP,A)
【文献】特開2008-21423(JP,A)
【文献】特開2013-37828(JP,A)
【文献】実開昭62-86030(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00 - 13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が光透過性を有するキートップと、
前記キートップの下方に設けられ、少なくとも一部が光透過性を有するスペーサと、
前記スペーサの下方に設けられ、発光部と検出部とを上面に有する基板とを備え、
前記キートップの中央部における下面は、当該中央部の周囲の外縁部における下面よりも上側に位置しており、
前記スペーサは、当該スペーサの中央部における下面に、前記検出部の上方において当該下面の平面部分から下方向へ突出する突出部を有し、当該平面部分は、当該中央部の周囲の外縁部における下面よりも上側に位置しており、
前記キートップが押下されたことによる前記スペーサの下方向への移動に応じて前記突出部が前記検出部を押下
し、
前記キートップが押下されていない状態において、前記スペーサの前記外縁部は前記キートップの前記外縁部と接触し、前記スペーサの前記中央部は前記キートップと接触しない、ボタン装置。
【請求項2】
少なくとも一部が光透過性を有するキートップと、
前記キートップの下方に設けられ、少なくとも一部が光透過性を有するスペーサと、
前記スペーサの下方に設けられ、発光部と検出部とを上面に有する基板とを備え、
前記キートップの中央部における下面は、当該中央部の周囲の外縁部における下面よりも上側に位置しており、
前記スペーサは、当該スペーサの中央部における下面に、前記検出部の上方において当該下面の平面部分から下方向へ突出する突出部を有し、当該平面部分は、当該中央部の周囲の外縁部における下面よりも上側に位置しており、
前記キートップが押下されたことによる前記スペーサの下方向への移動に応じて前記突出部が前記検出部を押下し、
前記スペーサの前記外縁部は、前記キートップが押下されていない状態において、
前記スペーサの前記中央部が前記キートップと間隔を空けて設けられるように、前記キートップの前記外縁部と接触する
、ボタン装置。
【請求項3】
少なくとも一部が光透過性を有するキートップと、
前記キートップの下方に設けられ、少なくとも一部が光透過性を有するスペーサと、
前記スペーサの下方に設けられ、発光部と検出部とを上面に有する基板と、
前記スペーサと前記基板との間に、少なくとも一部が光透過性を有し、弾性変形可能なラバー部とを備え、
前記キートップの中央部における下面は、当該中央部の周囲の外縁部における下面よりも上側に位置しており、
前記スペーサは、当該スペーサの中央部における下面に、前記検出部の上方において当該下面の平面部分から下方向へ突出する突出部を有し、当該平面部分は、当該中央部の周囲の外縁部における下面よりも上側に位置しており、
前記ラバー部は、前記発光部および前記検出部の上方において水平方向に延びる底部を有し、
前記キートップが押下されたことによる前記スペーサの下方向への移動に応じて、前記突出部が前記ラバー部を介して前記検出部を押下する、ボタン装置。
【請求項4】
少なくとも一部が光透過性を有するキートップと、
前記キートップの下方に設けられ、少なくとも一部が光透過性を有するスペーサと、
前記スペーサの下方に設けられ、発光部と検出部とを上面に有する基板と、
前記スペーサと前記基板との間に、少なくとも一部が光透過性を有し、弾性変形可能なラバー部とを備え、
前記キートップの中央部におsける下面は、当該中央部の周囲の外縁部における下面よりも上側に位置しており、
前記スペーサは、当該スペーサの中央部における下面に、前記検出部の上方において当該下面の平面部分から下方向へ突出する突出部を有し、当該平面部分は、当該中央部の周囲の外縁部における下面よりも上側に位置しており、
前記キートップが押下されたことによる前記スペーサの下方向への移動に応じて、前記突出部が前記ラバー部を介して前記検出部を押下し、
前記ラバー部は、前記検出部の真上に位置する部分の上面の少なくとも一部が、前記発光部の真上に位置する部分の上面よりも上側に位置する、ボタン装置。
【請求項5】
少なくとも一部が光透過性を有するキートップと、
前記キートップの下方に設けられ、少なくとも一部が光透過性を有するスペーサと、
前記スペーサの下方に設けられ、発光部と検出部とを上面に有する基板と、
前記スペーサと前記基板との間に、少なくとも一部が光透過性を有し、弾性変形可能なラバー部とを備え、
前記キートップの中央部における下面は、当該中央部の周囲の外縁部における下面よりも上側に位置しており、
前記スペーサは、当該スペーサの中央部における下面に、前記検出部の上方において当該下面の平面部分から下方向へ突出する突出部を有し、当該平面部分は、当該中央部の周囲の外縁部における下面よりも上側に位置しており、
前記キートップが押下されたことによる前記スペーサの下方向への移動に応じて、前記突出部が前記ラバー部を介して前記検出部を押下し、
前記ラバー部は、前記検出部の真上に位置する部分の周囲にスカート部を有する、ボタン装置。
【請求項6】
前記スペーサの前記外縁部は、前記キートップが押下されている状態において、前記キートップの前記外縁部と接触する、請求項1
から請求項5のいずれか1項に記載のボタン装置。
【請求項7】
前記スペーサの前記外縁部と前記キートップの前記外縁部は、中間部材を介して接続される、請求項
3から請求項5のいずれか1項に記載のボタン装置。
【請求項8】
前記キートップは、当該キートップの前記中央部と前記外縁部との間に、上下方向に延びる立ち上がり部を有する、請求項1から請求項
7のいずれか1項に記載のボタン装置。
【請求項9】
前記スペーサは、当該スペーサの前記中央部と前記外縁部との間に、上下方向に延びる立ち上がり部を有する、請求項1から請求項
8のいずれか1項に記載のボタン装置。
【請求項10】
前記キートップは、当該キートップの前記中央部と前記外縁部との間に、上下方向に延びる立ち上がり部を有し、
前記スペーサは、当該スペーサの前記中央部と前記外縁部との間に、上下方向に延びる立ち上がり部を有し、
前記スペーサの立ち上がり部は、上から見たときに、当該立ち上がり部の少なくとも一部が前記キートップの立ち上がり部と重なる位置に設けられる、請求項1から請求項
7のいずれか1項に記載のボタン装置。
【請求項11】
前記突出部の下面は、前記スペーサの前記外縁部の下面よりも上側に位置する、請求項1から請求項
10のいずれか1項に記載のボタン装置。
【請求項12】
前記スペーサと前記基板との間に、少なくとも一部が光透過性を有し、弾性変形可能なラバー部をさらに備え、
前記キートップが押下されたことによる前記スペーサの下方向への移動に応じて、前記突出部が前記ラバー部を介して前記検出部を押下する、請求項1
または請求項2に記載のボタン装置。
【請求項13】
前記突出部は、前記キートップが押下されていない状態において、前記ラバー部と接触する、請求項
3から請求項5、および、請求項12のいずれか1項に記載のボタン装置。
【請求項14】
前記突出部は、前記キートップが押下されている状態において、前記ラバー部と接触する、請求項
3から請求項5、請求項12、および、請求項13のいずれか1項に記載のボタン装置。
【請求項15】
前記検出部は、前記キートップの中心位置の真下に設けられる、請求項1から請求項
14のいずれか1項に記載のボタン装置。
【請求項16】
前記発光部は、前記基板において、前記スペーサの前記中央部のうち前記突出部の真下の部分を除く位置に設けられる、請求項1から請求項
15のいずれか1項に記載のボタン装置。
【請求項17】
請求項1から請求項
16のいずれか1項に記載のボタン装置を有する電子機器。
【請求項18】
前記ボタン装置の前記キートップが設けられる天面と、下方向に膨らんだ形状を有する底面とを有する、請求項
17に記載の電子機器。
【請求項19】
前記電子機器は、ユーザが片手で当該電子機器のハウジングの全体を把持可能な携帯型の機器である、請求項
17または請求項
18に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キートップから光を出射させるボタン装置、および、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キートップから光を出射させるボタン装置がある。例えば、キートップとその下方の受部とを光透過性を有する部材とし、受部の下方にLEDが実装された基板を配置することによって、キートップから光を出射させるボタン装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来においては、受部は平らな形状であるため、キートップが押下された際に、スイッチ以外の基板上の構成(例えば、LED等)に受部が接触する可能性があった。
【0005】
それ故、本発明の目的は、基板上の構成に他の構成が接触する可能性を低減することができるボタン装置、および、電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決すべく、本発明は、以下の(1)~(18)の構成を採用した。
【0007】
(1)
本発明の一例は、キートップと、スペーサと、基板とを備えるボタン装置である。キートップは、少なくとも一部が光透過性を有する。スペーサは、キートップの下方に設けられ、少なくとも一部が光透過性を有する。基板は、スペーサの下方に設けられ、発光部と検出部とを上面に有する。キートップの中央部における下面は、当該中央部の周囲の外縁部における下面よりも上側に位置している。スペーサは、当該スペーサの中央部における下面に、検出部の上方において当該下面の平面部分から下方向へ突出する突出部を有し、当該平面部分は、当該中央部の周囲の外縁部における下面よりも上側に位置している。キートップが押下されたことによるスペーサの下方向への移動に応じて突出部が検出部を押下する。
【0008】
上記(1)の構成によれば、スペーサの中央部における平面部分を、外縁部における下面よりも上側に配置することによって、基板上の構成(例えば、発光部)に他の構成(例えば、スペーサ)が接触する可能性を低減することができる。
【0009】
(2)
スペーサの外縁部は、キートップが押下されていない状態において、キートップの外縁部と接触してもよい。
【0010】
上記(2)の構成によれば、キートップの押下開始に応じてすぐにスペーサを下方向に移動させることができ、キートップの押下を検出しやすくすることができる。
【0011】
(3)
スペーサの外縁部は、キートップが押下されている状態において、キートップの外縁部と接触してもよい。
【0012】
(4)
スペーサの外縁部とキートップの外縁部は、中間部材を介して接続されてもよい。
【0013】
上記(4)の構成によれば、キートップとスペーサとが直接接触していない場合でもキートップに対する押下に応じてスペーサを下方向に移動させることができる。
【0014】
(5)
キートップは、当該キートップの中央部と外縁部との間に、上下方向に延びる立ち上がり部を有してもよい。
【0015】
(6)
スペーサは、当該スペーサの中央部と外縁部との間に、上下方向に延びる立ち上がり部を有してもよい。
【0016】
(7)
キートップは、当該キートップの中央部と外縁部との間に、上下方向に延びる立ち上がり部を有してもよい。スペーサは、当該スペーサの中央部と外縁部との間に、上下方向に延びる立ち上がり部を有してもよい。スペーサの立ち上がり部は、上から見たときに、当該立ち上がり部の少なくとも一部がキートップの立ち上がり部と重なる位置に設けられてもよい。
【0017】
上記(7)の構成によれば、スペーサの中央部のうちの多くの部分について、基板との間隔を長くすることができるので、基板上の構成に他の構成が接触する可能性をより低減することができる。
【0018】
(8)
突出部の下面は、スペーサの外縁部の下面よりも上側に位置してもよい。
【0019】
上記(8)の構成によれば、スペーサを薄型化することができ、ボタン装置の薄型化を図ることができる。
【0020】
(9)
ボタン装置は、スペーサと基板との間に、ラバー部をさらに備えてもよい。ラバー部は、少なくとも一部が光透過性を有し、弾性変形可能である。キートップが押下されたことによるスペーサの下方向への移動に応じて、突出部がラバー部を介して検出部を押下してもよい。
【0021】
上記(9)の構成によれば、スペーサがラバー部を介して検出部を押下するので、ユーザがキートップを押下する際における押し具合のムラを軽減することができる。
【0022】
(10)
突出部は、キートップが押下されていない状態において、ラバー部と接触してもよい。
【0023】
上記(10)の構成によれば、キートップの押下開始に応じてすぐにラバー部を変形させることができ、キートップの押下を検出しやすくすることができる。
【0024】
(11)
突出部は、キートップが押下されている状態において、ラバー部と接触してもよい。
【0025】
(12)
ラバー部は、検出部の真上に位置する部分の上面の少なくとも一部が、発光部の真上に位置する部分の上面よりも上側に位置してもよい。
【0026】
上記(12)の構成によれば、キートップが押下された場合に、ラバー部のうち発光部の直上に位置する部分にスペーサが当たる可能性を低減することができる。
【0027】
(13)
ラバー部は、検出部の真上に位置する部分の周囲にスカート部を有してもよい。
【0028】
上記(13)の構成によれば、キートップが押下された場合にラバー部によってクリック感を生じさせることができる。
【0029】
(14)
検出部は、キートップの中心位置の真下に設けられてもよい。
【0030】
上記(14)の構成によれば、キートップに対する押下を検出部によってより確実に検出することができる。
【0031】
(15)
発光部は、基板において、スペーサの中央部のうち突出部の真下の部分を除く位置に設けられてもよい。
【0032】
上記(15)の構成によれば、スペーサがラバー部を介して発光部に当たる可能性を低減することができる。
【0033】
(16)
本発明の他の一例は、上記(1)~(15)のいずれかのボタン装置を有する電子機器である。
【0034】
上記(16)の構成によれば、基板上の構成に他の構成が接触する可能性が低減された電子機器を提供することができる。
【0035】
(17)
電子機器(具体的には、電子機器のハウジング)は、ボタン装置のキートップが設けられる天面と、下方向に膨らんだ形状を有する底面とを有していてもよい。
【0036】
上記(17)の構成によれば、キートップが斜めに押下される場合であっても、基板に他の構成が接触する可能性を低減することができる。
【0037】
(18)
電子機器は、ユーザが片手で当該電子機器のハウジングの全体を把持可能な携帯型の機器であってもよい。
【0038】
上記(18)の構成によれば、携帯型の電子機器において、基板上の構成に他の構成が接触する可能性を低減することができる。
【発明の効果】
【0039】
上記のボタン装置または電子機器によれば、基板上の構成に他の構成が接触する可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図3】電子機器をユーザが把持した様子の一例を示す図
【
図10】ハウジングの内部におけるホルダの位置の一例を示す図
【
図13】スペーサを設ける場合と設けない場合との光の経路の違いの一例を示す図
【
図15】電子機器が備える構成要素の電気的な接続関係を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0041】
本実施形態の一例に係る電子機器について説明する。本実施形態における電子機器は、スマートフォン等の情報処理装置に関する周辺装置である。なお、情報処理装置は、スマートフォンに限らず、携帯型または据置型のゲーム装置、携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、あるいは、ウェアラブル端末等、任意の種類の情報処理装置であってよい。電子機器は、例えば、携帯型の情報処理装置とともにユーザに携帯される状況で使用される、携帯型の電子機器である。電子機器は、例えば、情報処理装置と通信を行い、当該電子機器に対して行われた操作を示す情報を情報処理装置へ送信したり、当該電子機器において検出された情報を情報処理装置へ送信したりする。また、電子機器は、振動したり、光ったり、音を出力したりすることでユーザに対する通知を行う。例えば、電子機器は、当該電子機器に対して行われた操作に応じて通知を行ったり、当該電子機器が検出した情報に応じて通知を行ったり、情報処理装置からの指示に応じて通知を行ったりする。なお、本実施形態においては上記のような機能を有する電子機器を例として説明するが、電子機器は任意の機能を有するものであってよい。
【0042】
[1.電子機器の外観構成]
まず、電子機器の外観構成について説明する。
図1は、電子機器の一例を示す四面図である。
図1において、(a)は平面図であり、(b)は底面図であり、(c)は背面図であり、(d)は正面図である。
【0043】
図1に示すように、電子機器1はハウジング2を備える。ハウジング2は、天面と底面とを有する形状である。ここで、本実施形態においては、底面から天面への方向(より具体的には、底面の中心から天面の中心への方向)を上方向(すなわち、
図1に示すz軸正方向)とし、上方向の逆向きを下方向(すなわち、
図1に示すz軸負方向)とする。
【0044】
図2は、ハウジング2における各部の一例を示す図である。
図2において、(a)は背面図であり、(b)は正面図である。
図2に示すように、ハウジング2は、天面と底面との間に側面部(
図2において、斜線により示される部分)を有する。なお、天面または底面と側面との境界となる辺をハウジング2が有していない場合、当該天面または底面と側面部との境界は例えば次のように決められてもよい。すなわち、天面と側面部との境界は、ハウジング2の法線と上方向とのなす角度が所定の第1角度となる位置からなる線であり、当該角度が第1角度以上の所定範囲内となる部分が側面部である。また、底面と側面部との境界は、ハウジング2の法線と下方向とのなす角度が所定の第2角度となる位置からなる線であり、当該角度が第2角度以上の所定範囲内となる部分が側面部である。なお、第1角度と第2角度は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0045】
なお、ハウジング2の側面部には端子5が設けられる(
図1参照)。ここで、本実施形態においては、上下方向に対して垂直な方向であって、ハウジング2の中心から端子5への向きを前方向(すなわち、
図1に示すy軸負方向)とし、前方向の逆向きを後方向(すなわち、
図1に示すy軸正方向)とする。つまり、端子5はハウジング2の前端の位置に設けられる。また、上記のように上下方向および前後方向を規定することによって、上下方向に対して垂直であって、かつ、前後方向に対して垂直な、左方向(すなわち、
図1に示すx軸正方向)および右方向(すなわち、
図1に示すx軸負方向)が規定される。
【0046】
本実施形態においては、ハウジング2は、上ハウジング11と下ハウジング12とからなる(
図2参照)。本実施形態においては、上ハウジング11は上記の天面を有し、下ハウジング12は、上記の底面と側面部とを有する。つまり、天面と側面部との境界が、上ハウジング11と下ハウジング12との境界となる。なお、上ハウジング11と下ハウジング12との境界の位置は任意であり、例えば、他の実施形態においては、上ハウジングが側面部の一部または全部を有していてもよい。
【0047】
図1に示すように、ハウジング2は、上から見ると円形状である。ここで、「円形状」とは、外観が概ね円のように見える形状を意味する。円形状とは、真円形状であってもよいし、真円に対して欠けている部分、および/または、真円に対して突出している部分を有する形状であってもよい意味である。円形状とは、その外周の一部が円弧でない形状であってもよい意味である。また、円形状とは、真円が若干歪んだ形状であってもよい意味である。
【0048】
また、ハウジング2は、上から見たときに、外側に膨らむ曲線で形成される形状であると言うことができる。例えば、ハウジング2は、上から見たときに、上記円形状の他、楕円形状あるいは卵型形状となる形状であってもよい(後述する“(ハウジングの形状に関する変形例)”参照)。
【0049】
図1に示すように、ハウジング2は、上下方向の長さが当該上下方向に対して垂直な方向の長さに比べて短い形状である。本実施形態においては、ハウジング2は上から見ると円形状であり、ハウジング2は、上下方向の長さが当該上下方向に対して垂直な任意の方向の長さに比べて短い形状である。また、本実施形態においては、ハウジング2は、上下方向の長さ(すなわち、厚み)が21[mm]であり、上下方向に対して垂直な方向の長さ(すなわち、上から見たときの円形状の直径)が65[mm]である。このように、本実施形態におけるハウジング2は、扁平状であると言うことができる。例えば、上下方向の長さが、上下方向に対して垂直な方向の長さの半分以下であるような形状は、扁平状であると言うことができる。なお、他の実施形態においては、ハウジングは、扁平状とまでは言えない形状であって、上下方向の長さが当該上下方向に対して垂直な方向の長さに比べて短い形状であってもよい。
【0050】
本実施形態においては、ハウジング2の天面は、上方向に膨らんだ形状である(
図1参照)。より具体的には、本実施形態においては、ハウジング2の天面は、上下方向に平行な断面形状が上向きに凸となる形状である。また、電子機器1におけるハウジング2の内部の領域を上下方向に対して垂直な平面で切断したときの断面積は、断面積が最大となるときの当該平面の位置から当該平面が上に行くにつれて小さくなる。なお、「上方向に膨らんだ形状」とは、上記のような形状に限らず、天面の外縁以外の部分が、天面の外縁よりも上側に位置するような形状を指す。例えば、天面が、天面の外縁付近の部分においては、上向きに凸となる形状であって、天面の中央付近の部分においては、平面あるいは下方向に窪んだ形状であるものの天面の外縁よりも上側に位置する場合、このような形状の天面は、「上方向に膨らんだ形状」であると言うことができる。なお、他の実施形態においては、ハウジングの天面は、上方向に膨らんだ形状でなくてもよく、例えば、平面であってもよいし、下方向に窪んだ形状であってもよい。
【0051】
また、本実施形態においては、ハウジング2の底面は、下方向に膨らんだ形状である(
図1参照)。つまり、ハウジング2の底面は、上下方向に平行な断面形状が下向きに凸となる形状である。また、電子機器1におけるハウジング2の内部の領域を上下方向に対して垂直な平面で切断したときの断面積は、断面積が最大となるときの当該平面の位置から当該平面が下に行くにつれて小さくなる。なお、他の実施形態においては、ハウジングの底面は、平面であってもよいし、上方向に窪んだ形状であってもよい。
【0052】
図3は、電子機器1をユーザが把持した様子の一例を示す図である。
図3に示すように、本実施形態においては、ハウジング2は、ユーザが片手でハウジング2の全体を把持可能な程度の大きさである。このように、本実施形態における電子機器1は、ユーザが片手で把持可能な携帯型(可搬型と言うこともできる。)の機器である。例えば、左右方向および前後方向の長さが100[mm]以下であるハウジングは、ユーザが片手でハウジングの全体を把持可能な程度の大きさであると言うことができる。
【0053】
図1に示すように、電子機器1は天面ボタン3を備える。天面ボタン3は、ユーザによる操作入力が行われる入力部の一例であり、より具体的には、ユーザが押下することが可能な種類の入力部である。天面ボタン3はハウジング2の天面に設けられる。具体的には、ハウジング2の天面に孔が形成され、天面ボタン3は、天面ボタン3の一部が当該孔から露出するように設けられる。なお、本明細書において「部材が露出する」とは、当該部材(その一部であってもよい)が電子機器1の外部から視認可能であることを意味する。なお、「部材が露出する」とは、当該部材がハウジングから突出して設けられる態様と、当該部材がハウジングから突出せずに設けられる態様との両方を含む意味である。なお、本明細書においては、天面ボタン3のうち上記孔から露出する部分の面を「露出面」と呼ぶ。なお、他の実施形態においては、ハウジングの天面と天面ボタンの露出面は、例えば弾性を有する材質によって一体的に構成されてもよい。
【0054】
本実施形態においては、上記の孔は円形状であり、天面ボタン3の露出面は円形状である。本実施形態においては、天面ボタン3の露出面は、後述する側面ボタン4の露出面よりも大きい。また、本実施形態においては、天面ボタン3は、上から見てハウジング2の中央に設けられる。より具体的には、天面ボタン3は、上から見てハウジング2の中心と天面ボタン3の中心とが一致する(または近接する)ように設けられる。また、天面ボタン3は、ハウジング2の上端に設けられる。
図1に示すように、天面ボタン3が押下されていない状態においては、天面ボタン3はハウジング2よりも上方向に突出している。詳細は後述するが、天面ボタン3は、露出面が下方向に押下されることに応じて下方向に移動可能である。
【0055】
本実施形態においては、天面ボタン3は光透過性を有する材質で構成される。なお、「光透過性を有する材質」とは、光を透過する材質を意味し、透明な材質(すなわち、当該材質の向こう側にある物の形状を明確に認識できる材質)であってもよいし、半透明な材質(すなわち、当該材質の向こう側にある物の形状を明確に認識できない材質)であってもよい。また、詳細は後述するが、ハウジング2の内部において天面ボタン3よりもハウジング2の内側の位置には天面用発光部(すなわち、
図4に示す天面用発光部42)が設けられる。天面用発光部からの光が天面ボタン3を透過して出射されることで、天面ボタン3が光っているように見せることができる。なお、天面ボタン3の詳細な構成については後述する。
【0056】
図1に示すように、電子機器1は、側面ボタン4を備える。側面ボタン4は、ユーザによる操作入力が行われる入力部の一例であり、より具体的には、ユーザが押下することが可能な種類の入力部である。側面ボタン4はハウジング2の側面部に設けられる。具体的には、ハウジング2の側面部に孔(すなわち、
図8に示す孔2b)が形成され、側面ボタン4は、側面ボタン4の一部が当該孔から露出するように設けられる。上記の孔は横長の形状であり、側面ボタン4のうちハウジング2から露出する部分(すなわち、露出面)は横長の形状である(
図1参照)。また、本実施形態においては、側面ボタン4は、上下方向に関してハウジング2の中央付近に設けられる。
図1に示すように、側面ボタン4が押下されていない状態においては、側面ボタン4は、ハウジング2よりも後方向に突出している。詳細は後述するが、側面ボタン4は、露出面が前方向に押下されることに応じて前方向に移動可能である。
【0057】
図1に示すように、本実施形態においては、側面ボタン4は、ハウジング2の側面部における後端に設けられる。つまり、側面ボタン4と端子5とは、上から見てハウジング2の中心に対して対称となる位置に設けられる。これによれば、ユーザが天面ボタン3および側面ボタン4を操作するように電子機器1を把持した場合(
図3参照)においてユーザの手が端子を覆いにくいので、端子にコード等を接続した状態でも電子機器1を把持しやすくなる。
【0058】
本実施形態においては、側面ボタン4の露出面には孔が形成され、当該孔から後述する導光部23が露出する(
図1参照)。詳細は後述するが、本実施形態においてはハウジング2の内部において側面用発光部(すなわち、
図15に示す側面用発光部224)が設けられ、側面用発光部からの光が導光部23を介して出射されることで導光部23が光っているように見せることができる。なお、側面ボタン4の詳細な構成については後述する。
【0059】
端子5は、電子機器1を他の装置と電気的に接続するための端子である。本実施形態においては、端子5はUSBコネクタ(より具体的には、USBタイプCのメス側コネクタ)である。端子5は、電子機器1が他の装置からの給電を受けるために用いられてもよいし、電子機器1が他の装置と通信を行うために用いられてもよい。詳細は後述するが、本実施形態においては、電子機器1は充電池27(
図4参照)を備えており、端子5を介して供給される電力によって充電池27に対する充電を行うことができる。上記より、本実施形態における端子5は、充電端子と呼ぶことができる。なお、充電端子とは、当該端子を介して充電を行うことが可能な端子を意味し、充電用のみに使用可能な端子(例えば、通信用として用いることができない端子)に限定される意味ではない。なお、他の実施形態においては、端子は、充電用のみに使用可能なものであってもよい。
【0060】
端子5は、ハウジング2の側面部に設けられる(
図1参照)。具体的には、ハウジング2の側面部における前端の位置に孔が形成され、端子5は、端子5の一部(例えば、ピンを含む部分)がハウジング2から露出するように設けられる。なお、端子5は、ハウジング2から突出せず、上記孔の開口部分よりハウジング2の内側に設けられる。
【0061】
本実施形態においては、電子機器1は底面ボタン6を備える。底面ボタン6は、ユーザによる操作入力が行われる入力部の一例であり、より具体的には、ユーザが押下することが可能な種類の入力部である。
図1に示すように、底面ボタン6は、ハウジング2の底面に設けられる。具体的には、ハウジング2の底面に孔が形成され、底面ボタン6は、その一部がハウジング2から露出するように設けられる。本実施形態においては、底面ボタン6は、いわゆるリセットボタンとして機能するものである。底面ボタン6は、例えば、電子機器1と、当該電子機器1と無線通信を行う他の装置との通信接続のための設定処理(例えば、ペアリング)をやり直す指示を受け付けるためのものである。そのため、ユーザが意図せずに底面ボタン6を押下してしまう可能性を低減するべく、底面ボタン6の露出部分(すなわち、露出面)は、ハウジング2の底面に対して窪んだ位置に(すなわち、突出しないように)設けられる(
図1参照)。また、底面ボタン6の露出面の面積は、天面ボタンの露出面の面積および側面ボタンの露出面の面積よりも小さい。
【0062】
本実施形態においては、ハウジング2にはストラップ孔7が形成される。
図1に示すように、ストラップ孔7はハウジング2の底面に形成される。ストラップ孔7は、ハウジング2の底面に形成された2つの開口7aおよび7bがハウジング2の内部において壁によって繋がれた形状である。2つの開口にストラップを通して結ぶことで、電子機器1にストラップを取り付けることができる。
【0063】
本実施形態においては、ストラップ孔7(すなわち、2つの開口7aおよび7b)は、電子機器1の重心位置(ここでは、ハウジング2の中心付近の位置であるとする)を基準として、ハウジング2の後端の位置の側(すなわち、後側)に形成される(
図1参照)。これによれば、電子機器1に取り付けられたストラップをユーザが把持する状態(つまり、電子機器1が吊り下げられた状態)において、電子機器1は、側面ボタン4が上側となり、端子5が下側となる姿勢となる。ここで、本実施形態における電子機器1は、ユーザの親指で天面ボタン3を操作し、人差し指で側面ボタン4を操作するような持ち方で把持されることが想定される(
図3参照)。したがって、電子機器1が上記のような姿勢となる場合、ユーザは、吊り下げられた状態の電子機器1をそのまま(つまり、姿勢を変えずに)把持することで、操作しやすい持ち方で電子機器1を把持することができる。これによって、電子機器1の利便性を向上することができる。
【0064】
なお、他の実施形態においては、ストラップ孔は任意の位置に形成されてもよい。例えば、他の実施形態においては、ハウジングの側面部にストラップ孔が形成されてもよい。なお、ストラップ孔が側面部に形成される場合においても、電子機器1の重心位置を基準としてハウジング2の後端の位置の側にストラップ孔が形成される場合には、本実施形態と同様の効果を奏することができる。また、他の実施形態においては、ストラップ孔が形成されなくてもよい。
【0065】
本実施形態においては、ハウジング2には音孔2aが形成される。
図1に示すように、音孔2aは、ハウジング2の側面部に形成される。詳細は後述するが、ハウジング2の内部にはスピーカが設けられ、音孔2aはスピーカの近傍の位置に形成される。本実施形態においては、音孔2aは、ハウジング2の中心よりも前側の位置に形成される(
図1参照)。
【0066】
[2.電子機器1の内部構成]
次に、電子機器1の内部構成について説明する。
図4は、電子機器1の内部構成の一例を示す分解斜視図である。
図5は、
図4の一部を拡大した図であり、
図4に示す内部構成のうち、充電池27よりも下側に設けられる部品を示す分解斜視図である。
図6および
図7は、電子機器1の内部構成の一例を示す断面図である。なお、
図6に示す断面図は、上下方向に平行な断面であって、ハウジング2の中心および音孔2aの位置を通る断面を示す断面図である。また、
図7は、基準平面における断面を上から見たときの断面図である。
【0067】
ここで、基準平面とは、上下方向に対して垂直であり、かつ、電子機器1が備える充電池と交わる平面のうちの1つである。本実施形態においては、上下方向に対して垂直であり、かつ、電子機器1が備える充電池27と交わる平面のうちで、当該平面によるハウジング2の内部の空間の断面積が最も大きくなるときの平面を基準平面とする(
図6に示す一点鎖線参照)。なお、上記断面積は、ハウジング2内に部品が何も配置されない場合におけるハウジング2の内部空間の断面積を指し、ハウジング2の内部における部品の有無によって影響を受けない断面積を指す。基準平面は、電子機器1の各部品の配置を説明するために規定されるものであって、電子機器1が備える実際の部品ではない。また、基準平面の全体に沿って何らかの部品が配置される必要はない。
【0068】
なお、基準平面は、上記の断面積が最も大きくなるときの平面に限らず、上下方向に対して垂直であり、かつ、充電池と交わる任意の平面であってよい。例えば、基準平面は、本実施形態においてはハウジングの側面部と交わるが、他の実施形態においては当該側面部と交わらなくてもよい。また、他の実施形態において、上記の断面積が最も大きくなるときの平面と充電池とが交わらない場合には、基準平面は、当該断面積が最も大きくなるときの平面とは異なる平面であってよい。また、上記の断面積が最も大きくなるときの平面と充電池とが交わる場合であっても、基準平面は、当該断面積が最も大きくなるときの平面とは異なる平面であってよい。
【0069】
(側面ボタン)
まず、上述の側面ボタン4について説明する。側面ボタン4は、その一部がハウジング2の外部に設けられるとともに、他の部分がハウジング2の内部に設けられる。
図8は、側面ボタン4の分解斜視図である。なお、
図8においては、側面ボタン4に加えて、ハウジング2の一部およびガイド部21を示している。
図4、
図5、および、
図8に示すように、側面ボタン4は、側面キートップ22、導光部23、および、付勢部24を有する。
【0070】
側面キートップ22は、板状部101、ボタン部102、ストッパー103、突出部104、および、軸部105を有する。板状部101は、前後方向に対して垂直な平面(すなわち、
図8におけるxz平面)に平行に設けられる板状の形状を有する。なお、板状部101は、ハウジング2の内部に配置され、前後方向から見たときの板状部101の大きさは、前後方向から見たときの、ハウジング2の側面部に設けられる孔2bよりも大きい。ボタン部102は、板状部101の後面から孔2bを通って後方向に突出するように設けられる。ボタン部102の後側の面が上述の露出面である。側面ボタン4が押下されていない状態においては、板状部101の後面がハウジング2の内側に接触し、ボタン部102が孔から突出する状態となる。
【0071】
ストッパー103は、板状部101の前面から前方向に突出するように設けられる。本実施形態においては、側面キートップ22は2つのストッパー103を有しており、一方のストッパー103は、板状部101の前面における右上部分に設けられ、他方のストッパー103は、板状部101の前面における左上部分に設けられる。各ストッパー103は、当該ストッパー103の前端よりも後方の位置において、上方向に突出する突出部分を有する。側面ボタン4が押下されていない状態から所定量だけ押下された状態において、各ストッパー103の突出部分は、後述する上基板40(具体的には、上基板40の後側の側部)に当接する。これによって、側面キートップ22は、各ストッパー103が上基板40に当接する状態よりも前に移動しない。このように、側面ボタン4が押下された場合に後述の側面入力検出部25に過大な負荷が加えられることを、ストッパー103によって抑制することができる。また、本実施形態においては、左右2つのストッパー103が設けられることによって、側面ボタン4の右側および左側のいずれかが押下された場合でも、各ストッパー103の突出部分のうち少なくともいずれかが上基板40に当接する。これによって、側面入力検出部25に過大な負荷が加えられることをより確実に抑制することができる。
【0072】
軸部105は、板状部101の前面において、左右方向に関して中央部分付近(2つのストッパー103の間の位置とも言える)に設けられる。軸部105は、板状部101の前面から前方向に突出するように設けられる(
図5参照)。突出部104は、軸部105の上方に設けられ、板状部101の前面よりも前方向に突出するように設けられる。
【0073】
また、電子機器1は、ハウジング2の内部においてガイド部21を備える。ガイド部21は、側面キートップ22の前方に設けられ、例えばネジ止めによって下ハウジング12に固定される。ガイド部21は、水平方向(すなわち、上下方向に対して垂直な方向)に平行な底部111と、底部111から上方向へ垂直に延びる壁部112~115とを有する。本実施形態においては、底部111の上面は、軸部105の下端と接触する。また、上記ストッパー103の一部(具体的には、上記突出部分よりも前側の部分)は、上基板40の下面に接触する。このように、ガイド部21および上基板40によって、側面キートップ22の上下方向の移動が規制される。また、壁部112~115のうちの2つの壁部112および113は、側面キートップ22の軸部105の左右両側に、軸部105に沿って前後方向に延びるように設けられる。つまり、軸部105は、これらの2つの壁部112および113の間に挿入される。これにより、側面キートップ22の左右方向の移動が規制される。以上のように、側面キートップ22は、上下方向および左右方向の移動が規制され、前後方向に移動可能に構成される。
【0074】
また、付勢部24は、上記ストッパー103のうち一方(ここでは、右側のストッパー103)の直下において、当該付勢部24の後端が側面キートップ22の板状部101の前面に接触する状態で、前後方向に延びるように設けられる。なお、本実施形態においては付勢部24はバネ(より具体的には、弦巻バネ)であるが、弾性を有する任意の材質でよい。また、板状部101の前面には、当該前面から前方向に延びる軸が設けられる。付勢部24は、上記の軸が弦巻バネの内側に挿入された状態で配置される。ガイド部21の上記4つの壁部112~115のうち2つの壁部113および114は、付勢部24の左右両側に、付勢部24に沿って前後方向に延びるように設けられる。したがって、付勢部24は、上記の軸と2つの壁部113および114とによって左右方向に関して位置決めされ、上記の軸と、底部111およびストッパー103とによって上下方向に関して位置決めされる。また、上記4つの壁部112~115のうち、左右方向に延びる壁部115は、付勢部24の前端に接触するように設けられる(
図8に示す点線参照)。以上によって、付勢部24は、板状部101を後方向(すなわち、
図8に示すy軸正方向。ハウジング2の内側から外側への向きとも言える)へ付勢する。したがって、側面キートップ22は、側面ボタン4が押下されていない状態では後方向へ付勢されることでハウジング2から最も突出した状態となり、側面ボタン4が押下されることによって前方向へ移動可能となっている。
【0075】
上記のように、入力部の一例である側面ボタン4は、ハウジング2の外側から内側への押下方向(例えば、前方向)に押下可能なキートップ(すなわち、側面キートップ22)と、キートップよりもハウジング2の内側に設けられ、当該キートップを押下方向の反対方向へ付勢する付勢部24とを有する。このように、本実施形態においては、側面ボタン4は、ハウジング2の内部において、押下されたキートップを押し戻す力を加えるための構成を有する。
【0076】
また、電子機器1は、ハウジング2の内部において、側面ボタン4の押下を検出する側面入力検出部25を備える(
図4参照)。側面入力検出部25は、側面ボタン4に対して行われた入力(具体的には、押下入力)を信号に変換する電子部品(例えば、スイッチ)である。側面入力検出部25は、側面キートップ22の突出部104の前方に設けられる。本実施形態においては、側面入力検出部25は、後述する上基板40に設けられる。側面ボタン4が押下された場合、突出部104は前方向に移動する結果、側面入力検出部25を押下する。側面入力検出部25は、突出部104に押下されたことを検出することによって、側面ボタン4が押下されたことを検出する。
【0077】
本実施形態においては、上記ガイド部21は、上述したストラップ孔7の上方(より具体的には、直上)に設けられる。すなわち、ガイド部21の底部111は、2つの開口7aおよび7bをハウジング2の外側から見たときに当該2つの開口7aおよび7bの奥に設けられ、底部111の下面が当該開口の底となる。つまり、本実施形態においては、ガイド部21は、開口の底を形成する底形成部であると言うことができる。ユーザがストラップの紐を開口7aおよび7bの一方に挿入した場合、紐が上記底形成部に当たって開口7aおよび7bの他方に導かれるので、ユーザは開口7aおよび7bの他方から紐を取り出しやすくなり、電子機器1に対してストラップを取り付けやすくなる。なお、他の実施形態においては、開口の底は、底形成部(すなわち、ガイド部21)によって構成されることに代えて、ハウジングによって構成されてもよい。
【0078】
なお、「第1の構成要素が第2の構成要素の上方に設けられる」とは、第1の構成要素が第2の構成要素の上側に位置しており、上から見て第1の構成要素の少なくとも一部が第2の構成要素の少なくとも一部と重なるように見える位置に配置されることを意味する。「第1の構成要素が第2の構成要素の上方に設けられる」とは、上から見て第1の構成要素の全体が第2の構成要素に重なるように配置されることを限定する意味ではない。また、「第1の構成要素が第2の構成要素の直上に設けられる」とは、第1構成要素と第2の構成要素との間に他の構成要素が設けられない状態で、第1の構成要素が第2の構成要素の上方に設けられることを意味する。
【0079】
また、上述のように、ガイド部21は、上記押下方向の反対側を向く面(具体的には、壁部115の後面)を有し、付勢部24は、当該面と側面キートップ22とに挟まれることによって側面キートップ22を押下方向の反対方向へ付勢する。つまり、ガイド部21は、ストラップ孔7の底として機能することに加えて、付勢部24を押さえる機能を有する。このように、ガイド部21に複数の機能を持たせることによって、ハウジング2の内部における部品点数を少なくすることができるので、ハウジング2内において省スペース化を図ることができるとともに、電子機器1の製造が容易になる。
【0080】
導光部23は、ハウジング2の内部の側面用発光部(すなわち、
図15に示す側面用発光部224)からの光をハウジング2外部へと導光するための部品である。導光部23は、光透過性を有する材質(より具体的には、透明な材質)で構成される。
図8に示すように、導光部23は、前後方向に延びる形状であり、後端の面がボタン部102の露出面の孔4aから露出するように設けられる(
図8に示す点線参照)。なお、導光部23は、例えばネジ止めによって側面キートップ22に固定される。本実施形態においては、後述する上基板40に側面用発光部が設けられ、導光部23の前端の面は、当該側面用発光部の近傍に位置するように設けられる。側面用発光部が発光する場合、光は導光部23の前端の面に入射され、導光部23の内部を通過して後端の面から出射される。これによって、露出面に設けられる導光部23の後端の面を光らせることができる。
【0081】
(端子5)
次に、上述の端子5について説明する。
図9は、電子機器1の内部構成の一例を示す図である。
図9は、ハウジング2の内部に配置される部品のうち、後述する上基板40およびそれよりも上側に配置される部品と、後述するホルダ28(
図4参照)とを除いた部品を示している。ただし、
図9では、充電池27については配置位置を破線で示している。また、
図9においては、各部品の配置を見やすくする目的で、ハウジング2については基準平面よりも下側の部分のみを示している。
【0082】
電子機器1は、ハウジング2の内部において、端子5に固定される端子基板26を備える(
図5および
図9参照)。本実施形態においては、端子基板26の上面に端子5の下面が接着されることによって固定される。そのため、端子基板26は端子5の下方に設けられることとなる。また、端子基板26は、例えばネジ止めによって下ハウジング12に固定される。なお、図示しないが、端子5は端子基板26を介して、後述する下基板32と電気的に接続される。
【0083】
本実施形態においては、端子5は、上下方向に対して垂直な方向(すなわち、水平方向)から見て充電池27と重なる位置に設けられる。これによって、上下方向に関するハウジング2の長さを短くすることができ、ハウジング2の薄型化を図ることができる。なお、「重なる位置に設けられる」とは、端子5の少なくとも一部と充電池27の少なくとも一部とが重なっていればよいことを意味し、端子5の全体が充電池27と重なっていることに限定される意味ではなく、充電池27の全体が端子5と重なっていることに限定される意味でもない。
【0084】
(充電池)
図4に示すように、電子機器1は充電池27を備える。本実施形態においては、充電池27は、ハウジング2の中心付近に設けられる。具体的には、充電池27は、ハウジング2の中心位置に重なるように設けられる(
図6参照)。なお、上述の端子5および側面ボタン4は、充電池27の側方に設けられる。
【0085】
本実施形態においては、充電池27は直方体状である(
図4参照)。具体的には、充電池27は、直方体の一部の辺が丸く面取りされた形状を有する。また、充電池27の天面は、上下方向に対して垂直に設けられる。これによって、ハウジング2の上下方向の長さを抑えることができ、電子機器1の薄型化を図ることができる。
【0086】
なお、本明細書においては、充電池27の中心を通る軸であって、水平面に平行な辺のうち長い方の辺に平行な軸を「充電池の長軸」と呼び、中心を通る軸であって、水平面に平行な辺のうち短い方の辺に平行な軸を「充電池の短軸」と呼ぶ。また、充電池27は上記基準平面において長方形状となる(基準平面における断面形状が長方形状となる、と言うこともできる。
図7参照)。本明細書においては、基準平面における充電池27の四辺のうち長い方の辺を「充電池の長辺」と呼び、短い方の辺を「充電池の短辺」と呼ぶことがある。この「充電池の長辺」および「充電池の短辺」とは、直方体における辺である場合の他、直方体における面(具体的には側面)上の直線であることもある。さらに、本明細書においては、基準平面における充電池27の長辺のうち、前側の長辺を「第1の長辺」と呼び、後側の長辺を「第2の長辺」と呼ぶことがある。
【0087】
また、本実施形態においては、充電池27は扁平状である(
図4、
図6参照)。本実施形態においては、充電池27は、面積が最も大きい面が天面(および底面)となる向きで配置される。つまり、充電池27は、ハウジング2と同様、上下方向の長さが、上下方向に対して垂直な方向の長さよりも短くなる向きで配置される。これによって、ハウジング2内におけるスペースを効率良く利用して充電池27を配置することができ、他の向きで配置される場合に比べて電子機器1の薄型化を図ることができる。
【0088】
図9に示すように、本実施形態においては、充電池27は、長軸が前後方向に対して斜めになるように配置される。
図7に示すように、基準平面においては、充電池27の長辺は前後方向に対して斜めになる(具体的には、前後方向と左右方向との中間の方向を向く)。
【0089】
ここで、本実施形態においては、ハウジング2の後端位置には側面ボタン4が設けられる。側面ボタン4(例えば、側面ボタン4の軸部105)は、基準平面において、上記後端位置から、充電池27の第2の長辺とハウジング2の側面部のうち当該第2の長辺に対向する部分との間の位置まで延びる(
図7参照)。充電池27は、上記のように前後方向に対して斜めに配置されることによって、側面ボタン4に対して干渉しないように配置される(上から見て重ならないように配置されると言うこともできる。)。また、側面ボタン4は、ハウジング2の内部に配置される部品(例えば、付勢部24や軸部105)を有するが、本実施形態においては、これらの部品を充電池27と干渉することなく配置することができる。これによって、電子機器1の小型化を図ることができる。
【0090】
また、側面ボタン4は、ハウジング2の側面部において、上下方向に対して垂直な向きから見て充電池27と重なる位置に設けられると言うこともできる。なお、他の実施形態においては、側面ボタンは、上下方向に対して垂直な向きから見て充電池と重なる位置であって、基準平面とは交わらない位置に設けられてもよい。上記のように、側面ボタン4と充電池27とを同程度の高さに配置することによって、電子機器1の薄型化を図ることができる。
【0091】
また、本実施形態においては、ハウジング2の前端位置には端子5が設けられる。基準平面において、端子5は、ハウジング2の前端位置から、充電池27の第1の長辺とハウジング2の側面部のうち当該第1の長辺に対向する部分との間の位置まで延びる(
図7参照)。また、端子5は、ハウジング2の側面部において、上下方向に対して垂直な向きから見て充電池27と重なる位置に設けられる。充電池27は、上記のように前後方向に対して斜めに配置されることによって、端子5に対しても干渉しないように配置される。
【0092】
ここで、仮に長軸が前後方向と平行となるように充電池27を配置するとすれば、端子5および側面ボタン4に対して充電池27が干渉しないようにするべく、充電池27の長軸方向の長さを本実施形態よりも短くする(あるいは、ハウジング2を大きくする)こととなる。なお、
図9に示す一点鎖線は、長軸が前後方向と平行となり、かつ、端子5および側面ボタン4に対して干渉しないように充電池27を配置する場合の充電池27の位置の一例を示す。このように、充電池27を長軸が前後方向を向くように配置する場合には、本実施形態(
図9に示す点線)よりも小さい充電池27しか配置することができない(あるいは、ハウジング2の小型化を図ることができない)。これに対して、本実施形態においては、上記のように充電池27の長軸が前後方向に対して斜めになるように充電池27を配置することによって、ハウジング2の内壁により近い位置にまで充電池27を配置することができ、より大きな充電池27を配置しやすくなる。
【0093】
なお、本実施形態においては、上記のように充電池27を前後方向に対して斜めに配置することによって、端子5および側面ボタン4をハウジング2内において配置するスペースを確保しやすくなると言うこともできる。ここで、本実施形態においては、充電池27と交わる平面であって、上下方向に対して垂直な平面によるハウジング2の内部の空間の断面形状は円形状となる(
図7参照)。そのため、ハウジング2の内部における、充電池27と同じ高さの領域に関しては、充電池27とハウジング2の内壁との間に他の部品を配置するスペースが制約される。これに関して、本実施形態においては、充電池27を上記のように斜めに配置することで、上記のスペースが制約される状況においても端子5および側面ボタン4を配置しやすくすることができる。
【0094】
なお、本実施形態においては、前後方向と充電池27の長軸とのなす角度は約55°であるが、当該角度はこれに限らない。上述のように、充電池27の長軸が前後方向に対して斜めになるように充電池27を配置することで、少なくとも上記の効果を得ることができる。例えば、上記角度が30°以上60°以下の範囲である場合には十分な効果を得ることができる。
【0095】
他の実施形態においては、充電池の長軸と前後方向との角度が直角となるように充電池が配置されてもよい。このような配置であっても本実施形態と同様、端子および側面ボタンに対して充電池が干渉しないように配置しやすくなる。なお、本実施形態のように充電池27を前後方向に対して斜めに配置する場合には、充電池27の長軸と前後方向との角度が直角となる場合に比べて、端子5と充電池27との間のスペース(具体的には、後述するスピーカが配置されるスペース)、および、側面ボタン4と充電池27との間のスペース(具体的には、後述する振動子が配置されるスペース)を広くすることができるので、ハウジング2内において部品を配置しやすくなる。
【0096】
図4に示すように、電子機器1はホルダ28を備える。ホルダ28は、充電池27を保護するために、充電池27の少なくとも一部を覆う。本実施形態においては、ホルダ28は、充電池27の上方に設けられ、充電池27における天面側(すなわち、上側)の部分の少なくとも一部を覆う。具体的には、ホルダ28は、上下方向に対して垂直な天井部121と、天井部121から下方向に延びる側壁部122とを有する(
図6参照)。ホルダ28は、天井部121が充電池27の天面を覆い、かつ、側壁部122が充電池27の側面を囲む位置に設けられる。これによって、ホルダ28は、充電池27の天面および4つの側面を覆う。なお、他の実施形態においては、ホルダは、充電池27の底面の一部をさらに覆ってもよい。例えば、ホルダは、上記側壁部の下端から水平方向に延びる突出部をさらに有しており、突出部が充電池27の底面の一部を覆うように設けられてもよい。本実施形態においては、ホルダ28は充電池27の底面を覆わないので、充電池27の下方において後述する下基板32を充電池27に近接(または接触)して配置することができ、電子機器1の薄型化を図ることができる。
【0097】
本実施形態においては、充電池27はホルダ28に固定される。固定方法は任意であるが、本実施形態においては、充電池27の天面とホルダ28の天井部121における下側の面とが例えば両面テープによって接着されることで、充電池27がホルダ28に固定される。また、ホルダ28は、例えばネジ止めによって下ハウジング12に固定される。以上によって、充電池27は下ハウジング12に対して固定されている。
【0098】
図9に示すように、本実施形態においては、充電池27は、側面とそれに隣り合う側面との間の各辺がハウジング2の内壁(より具体的には、ハウジング2の側面部の内壁)に近接する程度の大きさである。
図7に示すように、基準平面においては、充電池27は、長辺(すなわち、基準平面において長方形状となる充電池27の長辺)の両端がハウジング2に近接する。これによって、ハウジング2内におけるスペースを効率良く利用して充電池27を配置することができ、電子機器1の小型化を図ることができる。なお、本実施形態においては、充電池27の側面がホルダ28によって囲まれているので、充電池27の側面とハウジング2の側面部との間にはホルダ28が存在する(
図7参照)。ただし、他の実施形態においては、ホルダは充電池の側面を覆っていなくてもよく、このとき、充電池の側面はハウジングの内壁に接触していてもよい。なお、本実施形態においては、ホルダ28はハウジング2の側面部の内壁に接触していてもよいし、(近接するものの)接触していなくてもよい。
【0099】
また、本実施形態においては、ハウジング2の内壁には、充電池27の角に近接または接触する箇所に窪み2cが形成される(
図9参照)。ホルダ28は、当該ホルダ28の一部が窪み2cに入った状態で配置される。これによって、ハウジング2の小型化を図ることができる(ハウジング2内においてなるべく大きな充電池を収納することができる、と言うこともできる)。なお、ホルダ28は、窪み2cに接触していてもよいし、接触していなくてもよい。また、本実施形態においては、充電池27の下側の4つの頂点に対応する4箇所に窪み2cが形成される(
図9参照)。ただし、他の実施形態においては、窪みが形成される箇所は1箇所から3箇所のいずれかであってもよい。また、他の実施形態においては、ハウジングの内壁において、充電池27の上側の4つの頂点に対応する4箇所の少なくともいずれかに窪みが形成されてもよい。また、他の実施形態においてホルダが充電池の側面を覆っていない場合には、充電池の一部が窪みに入った状態で配置されてもよい。このとき、充電池は、窪みに接触していてもよいし、接触していなくてもよい。
【0100】
(振動子およびスピーカ)
図4および
図5に示すように、電子機器1は振動子29を備える。振動子29は、自身の振動によって電子機器1全体を振動させ、振動によってユーザに対して通知を行うためのものである。振動子29は、長手方向を有する形状(一方向に長い形状とも言える)であり、より具体的には、長手方向に延びる柱状の形状である。振動子29は、ハウジング2の内部において、充電池27の側方(より具体的には、左後側)に設けられる(
図6、
図9参照)。
図9に示すように、振動子29は、上から見て、充電池27の側面(具体的には、第2の長辺を含む側面)と、ハウジング2の内壁(より具体的には、ハウジング2の側面部の内壁)のうちで当該側面に対向する部分との間の空間(例えば、
図9に示す点線で囲まれる空間A)に設けられる。より具体的には、振動子29は、上記空間内において、充電池27と、ハウジング2の内壁と、側面ボタン4とによって囲まれる位置に設けられる。なお、基準平面においては、振動子29は、充電池27の第2の長辺と、ハウジング2の側面部のうち当該第2の長辺に対向する部分との間の位置(例えば、上記空間A内の位置)に設けられることとなる(
図7参照)。上述のように、本実施形態においては充電池27を斜めに配置することによって、上記の空間を広くとることができ、振動子29を配置しやすくなっている。
【0101】
本実施形態においては、振動子29は、振動子29の長手方向が水平方向に対して平行となるように配置される。振動子29は、水平方向から見て充電池27と重なる位置に設けられる。これによって、ハウジング2内におけるスペースを効率良く利用して振動子29を配置する(すなわち、上下方向の長さが短くなるように振動子29を配置する)ことができ、ハウジング2の薄型化を図ることができる。
【0102】
また、本実施形態においては、振動子29は、振動子29の長手方向と充電池27の長軸とが近い向き(すなわち、45°より小さい角度)となるように配置される(
図9参照)。なお、振動子29の長手方向と充電池27の長軸とが平行となるようにスピーカが配置されてもよい。これによって、上記の空間内においてスペースを効率良く利用して振動子29を配置することができ、他の向きで配置される場合に比べて電子機器1の小型化を図ることができる。また、より大きな振動子を配置しやすくなると言うこともできる。
【0103】
振動子29は下ハウジング12に固定される。具体的には、下ハウジング12は、水平方向に関して振動子29を囲む枠部131を有する(
図5、
図9参照)。枠部131は、下ハウジング12の底面の裏側の内壁から上方向に延びる壁を有し、振動子29は、壁によって四方から挟まれる。振動子29は、壁からある程度の力が加えられた状態で壁によって挟まれることで、下ハウジング12に固定される。
【0104】
また、振動子29はホルダ28によっても固定される。
図10は、ハウジング2の内部におけるホルダ28の位置を示す図である。なお、
図10では、ハウジング2の内部に配置される部品のうち、ホルダ28よりも上側に配置される部品を省略している。また、
図10においては、各部品の配置を見やすくする目的で、ハウジング2については基準平面よりも下側の部分のみを示している。
【0105】
図10に示すように、充電池27を覆うホルダ28は、振動子29の上方まで延びる第1腕部123を有する。第1腕部123は、振動子29の上部に接触し、振動子29を上から押さえる(
図6参照)。したがって、上下方向に関しては、振動子29は下ハウジング12の内壁とホルダ28とによって挟まれることによっても固定される。これによって、振動子29をハウジング2に対してよりしっかりと固定することができる。また、振動子29による振動をハウジング2に対して伝わりやすくすることができる。
【0106】
図4および
図5に示すように、電子機器1はスピーカ30を備える。本実施形態においては、スピーカ30は、表面および裏面が他の面に比べて広い扁平状であり、表面および裏面は縦長形状である。スピーカ30は、ハウジング2の内部において、充電池27の側方(より具体的には、右前側)に設けられる(
図6、
図9参照)。
図9に示すように、スピーカ30は、上から見て、充電池27の側面(具体的には、第1の長辺を含む側面)と、ハウジング2の内壁(より具体的には、ハウジング2の側面部の内壁)のうちで当該側面に対向する部分との間の空間(例えば、
図9に示す点線で囲まれる空間B)に設けられる。より具体的には、スピーカ30は、上記空間内において、充電池27と、ハウジング2の内壁と、端子5とによって囲まれる位置に設けられる。なお、基準平面においては、スピーカ30は、充電池27の第1の長辺と、ハウジング2の側面部のうち当該第1の長辺に対向する部分との間の位置に設けられることとなる(
図7参照)。上述のように、本実施形態においては充電池27を斜めに配置することによって、上記の空間を広くとることができ、スピーカ30を配置しやすくなっている。
【0107】
また、本実施形態においては、スピーカ30は、スピーカ30の長手方向と充電池27の長軸とが近い向き(具体的には、45°より小さい角度となる向き)となるように配置される。なお、スピーカ30の長手方向と充電池27の長軸とが平行となるようにスピーカ30が配置されてもよい。これによって、上記の空間内においてスペースを効率良く利用してスピーカ30を配置することができ、他の向きに配置される場合に比べて電子機器1の小型化を図ることができる。また、より大きなスピーカを配置しやすくなると言うこともできる。
【0108】
なお、電子機器1は台座31を備える(
図4参照)。スピーカ30は、台座31を介して下ハウジング12に固定される。具体的には、台座31は、例えばネジ止めによって下ハウジング12の底面の裏側の内壁に固定される。また、スピーカ30は、例えば、両面テープによって接着されることで、台座31に固定される。
【0109】
また、本実施形態においては、スピーカ30は、上記ホルダ28によっても固定される。
図10に示すように、充電池27を覆うホルダ28は、スピーカ30の上方まで延びる第2腕部124を有する。第2腕部124は、緩衝材を介してスピーカ30を上から押さえる(
図6参照)。したがって、スピーカ30は台座31とホルダ28とによって挟まれることによっても固定される。これによって、スピーカ30をハウジング2に対してよりしっかりと固定することができる。
【0110】
上記のように、本実施形態においては、充電池27の少なくとも一部を覆うホルダ28は、振動子29を上から押さえるとともに、スピーカ30を上から押さえる。つまり、本実施形態においては、充電池27、振動子29、および、スピーカ30のそれぞれを固定するための部材が一体化されていると言うことができる。これによって、ハウジング2の内部における部品点数を少なくすることができるので、ハウジング2内において省スペース化を図ることができるとともに、電子機器1の製造が容易になる。なお、本実施形態においては、ホルダ28によって充電池27、振動子29、および、スピーカ30を固定することとしたが、他の実施形態においては、ホルダは、充電池27のみを固定するものであってもよいし、充電池27に加えて、振動子29およびスピーカ30のいずれか一方を固定するものであってもよい。また、他の実施形態においては、電子機器1は、振動子29を上から押さえる部品としてホルダ30とは異なる部品を備えていてもよいし、スピーカ30を上から押さえる部品としてホルダ30とは異なる部品を備えていてもよい。
【0111】
図6に示すように、本実施形態においては、扁平状のスピーカ30は、表面および裏面が水平面に対して傾いて配置される。具体的には、スピーカ30は、充電池27の長軸と概ね平行(基準平面における充電池27の長辺と平行とも言える)な軸回りの回転方向に傾いて配置される。より具体的には、スピーカ30は、充電池27に近い側が下となり、充電池27に遠い側が上となるように傾いている。スピーカ30は、上から見たときのハウジング2の中央に近い側が下となり、中央に遠い側が上となるように傾いていると言うこともできる。上記によれば、扁平状のスピーカ30を傾けずに水平に配置する場合と比べて、充電池27の長軸に対して垂直な方向に関するスピーカ30の幅(つまり、上から見たときのスピーカ30の幅)を小さくすることができ、電子機器1の小型化を図ることができる。また、より大きなスピーカを配置しやすくなると言うこともできる。なお、スピーカ30が傾く方向は、充電池27の長軸と平行な軸回りの回転方向に限らず、充電池27の短軸よりも長軸に近い方向を向く任意の軸回りの回転方向であってもよい。このとき、本実施形態と同様に、電子機器の小型化を図ることができる。なお、他の実施形態においては、扁平状のスピーカは、表面および裏面が水平面に対して平行となるように配置されてもよいし、表面および裏面が水平面に対して垂直となるように配置されてもよい。
【0112】
また、上述の音孔2aは、ハウジング2の側面部のうちスピーカ30の近傍の位置に形成される(
図6参照)。例えば、音孔2aは、上から見てハウジング2の中心と音孔2aとの間にスピーカ30が配置されるような位置に形成される。これによって、スピーカ30からの音がハウジング2の外部に伝わりやすくなる。なお、他の実施形態においては、音孔の位置は任意であり、例えば、スピーカの近傍の位置であって、ハウジングの天面または底面に音孔が形成されてもよい。
【0113】
上記のように、本実施形態においては、振動子29およびスピーカ30は、当該振動子29と当該スピーカ30とによって充電池27を挟む位置に配置される(
図9参照)。つまり、ハウジング2の内部において、振動子29は充電池27の一方側に配置され、スピーカ30は充電池27の他方側に配置される。これによれば、ハウジング2の内部における、充電池27以外のスペースを効率良く利用して振動子29およびスピーカ30を配置することができ、電子機器1の小型化を図ることができる。また、より大きな振動子29やより大きなスピーカ30を配置しやすくなる。
【0114】
他の実施形態においては、振動子およびスピーカは、充電池27を基準として同じ側に配置されてもよい。また、他の実施形態においては、電子機器は、振動子29およびスピーカ30を備えることに代えて、振動を発生することが可能であるとともに、音を発生することが可能である振動部(例えば、ボイスコイルモータ)を備えていてもよい。例えば、上記振動部は、スピーカ30が配置される空間(すなわち、
図9に示す点線で囲まれる空間B)に配置されてもよい。
【0115】
また、本実施形態においては、スピーカ30および振動子29は、前後方向に関して位置がずれて設けられる(
図9参照)。ここで、上述のように、本実施形態においては、充電池27の長軸が前後方向に対して斜めになる。そのため、ハウジング2の左右のうち一方側(ここでは、右側)では、ハウジング2の中央よりも前側においてスペース(例えば、
図9に示す点線で囲まれる空間B)が生じる一方、他方側(ここでは、左側)では、ハウジング2の中央よりも後側においてスペース(例えば、
図9に示す点線で囲まれる空間A)が生じる。したがって、ハウジング2の右側と左側とにそれぞれ配置されるスピーカ30および振動子29を、前後方向に関して位置をずらして配置することで、充電池27に干渉しないようにスピーカ30および振動子29を配置することができる。
【0116】
なお、本実施形態においては、スピーカ30は振動子29よりも前側の位置に設けられる。スピーカ30および音孔2aはハウジング2の中心より前側(側面ボタン4が設けられる側と反対側と言うこともできる)に設けられる。ここで、本実施形態においては、ユーザは親指で天面ボタン3を操作し、側面ボタン4を人差し指で操作するように電子機器1を把持することが想定される(
図3参照)。このとき、電子機器1の前側(すなわち、端子5が設けられる側)がユーザから見て手前側に近づき、電子機器1の後側(すなわち、側面ボタン4が設けられる側)がユーザから見て奥側に遠ざかるように電子機器1を傾けて把持すると想定される。上記のようにユーザが電子機器1を把持する場合、本実施形態のようにハウジング2の中心より前側にスピーカ30および音孔2aを配置することによって、スピーカ30からの音をユーザに聞こえやすくすることができる。なお、他の実施形態においては、本実施形態におけるスピーカ30と振動子29との配置を入れ替えてもよい。
【0117】
また、本実施形態においては、充電池27は、上から見て、ハウジング2の中心と充電池27の中心とが一致または近接するように設けられる。これによって、ハウジング2内において、充電池27の両側に同程度の広さのスペースを確保することができる(すなわち、
図9に示す空間Aと空間Bとを同程度の広さとすることができる)。なお、他の実施形態においては、上から見て充電池の中心はハウジングの中心と異なる位置に設けられてもよい。他の実施形態において、例えば振動子よりもスピーカの体積が大きい場合、充電池は、上記空間Bが空間Aよりも広くなるように配置されてもよい。
【0118】
(下基板)
図4に示すように、電子機器1は下基板32を備える。下基板32は、電子機器1における制御処理を実行する制御回路(すなわち、
図15に示す制御回路221)が設けられる基板である。また、電子機器1は、加速度センサ(すなわち、
図15に示す加速度センサ222)およびコネクタ141(
図9参照)を備える。本実施形態においては、上記の加速度センサおよびコネクタ141は下基板32に設けられる。下基板32は、充電池27の下方に設けられる(
図6参照)。下基板32は、例えばネジ止めによって下ハウジング12(より具体的には、下ハウジング12の底面の裏側の内壁)に固定される。
【0119】
加速度センサは、慣性センサの一例であり、電子機器1に加えられる加速度を検知する。本実施形態においては、加速度センサは、下基板32における底面側の面(すなわち、下側の面)に設けられる。底面側の面に加速度センサが設けられることによって、下基板32と、その上方に配置される充電池27との間隔を狭くすることができ、省スペース化を図ることができる。これによって、電子機器1の薄型化を図ることができる。また、充電池27と加速度センサとが接触しないようにすることができる。なお、他の実施形態においては、電子機器は、加速度センサに代えて(または加速度センサとともに)、他の種類の慣性センサ(例えば、角速度センサ)を備えていてもよいし、加速度センサを備えていなくてもよい。
【0120】
コネクタ141は、下基板32と充電池27とを電気的に接続するためのものである。本実施形態においては、充電池27にはコードが接続されており、当該コードは、ホルダ28に形成された孔28aからホルダ28の外側へ延びてコネクタ141に接続される。これによって、コネクタ141は充電池27と電気的に接続される。なお、コネクタ141は、下基板32における天面側の面(すなわち、上側の面)のうち、充電池27の真下の部分(すなわち、上から見たときに充電池27によって隠される部分)とは異なる位置に設けられる(
図9参照)。つまり、コネクタ141は、上から見て充電池27と重ならない位置に設けられる。これにより、下基板32と、その上方に配置される充電池27との間隔を狭くすることができ、電子機器の薄型化を図ることができる。
【0121】
本実施形態においては、下基板32における天面側の面のうち充電池27の直下の部分には、当該下基板32から突出する部品が設けられない(
図6参照)。これによって、下基板32と、その上方に配置される充電池27との間隔を狭くすることができ、電子機器の薄型化を図ることができる。なお、下基板32と充電池27とは、間隔を空けて配置されてもよいし、接触して配置されてもよい。また、下基板32と充電池27とは接着されてもよい。
【0122】
また、下基板32は、水平方向から見て、振動子29およびスピーカ30と重なる位置に設けられる(
図6参照)。これによって、上下方向に関するハウジング2の長さを短くすることができ、ハウジング2の薄型化を図ることができる。
【0123】
(底面ボタン)
底面ボタン6は、その一部がハウジング2の底面の孔から露出するように設けられる。本実施形態においては、底面ボタン6は、底面キートップ33と、底面キーラバー34とを有する。底面キートップ33は、上面と下面とを有し、露出面となる下面がハウジング2の底面の孔をハウジング2の内側から覆うように設けられる。底面キーラバー34は、水平方向に平行に延びる天井部分と、天井部分の外周から下方向に延びる側壁部分とを有する。底面キーラバー34は、底面キートップ33の上方に設けられ、天井部分の下面が底面キートップ33の上面に接触する。下ハウジング12は、上記孔の周囲において、下ハウジング12の内壁から上方向に延びる枠部132を有する(
図5参照)。この枠部が底面キーラバー34の側壁部分と接触することによって、底面キーラバー34は水平方向に関して固定される。また、上下方向に関して、底面キーラバー34は、上方の下基板32と下方の下ハウジング12とに挟まれることで固定される。
【0124】
底面キーラバー34の上記天井部分の上面には、中心付近に突出部が設けられる。下基板32の下面における突出部の直上の位置には、底面ボタン6の押下を検出する底面入力検出部(すなわち、
図15に示す底面入力検出部223)が設けられる。底面ボタン6が押下されていない状態では、突出部は底面入力検出部を押下しない。一方、底面ボタン6が押下された場合、底面キーラバー34が弾性変形し、突出部は上方向に移動する結果、底面入力検出部を押下する。底面入力検出部は、突出部に押下されたことを検出することによって、底面ボタン6が押下されたことを検出する。
【0125】
(上基板)
図4に示すように、電子機器1は上基板40を備える。上基板40は、ハウジング2の内部におけるホルダ28の上方に設けられる(
図6参照)。上基板40は、例えばネジ止めによって上ハウジング11(より具体的には、上ハウジング11の天面の裏側の内壁)に固定される。本実施形態においては、上基板40には、上述の側面入力検出部25、および、側面用発光部(すなわち、
図15に示す側面用発光部224)が設けられる。側面入力検出部25は、上述の側面ボタン4の側面キートップ22における突出部104の前方に配置されるように、上基板40の後端に設けられる。また、側面用発光部は、上述の側面ボタン4の導光部23の前端の近傍に配置されるように、上基板40の前端付近に設けられる。なお、側面用発光部は、例えばLEDである。
【0126】
また、電子機器1は、天面ボタン3の押下を検出する天面入力検出部41、および、天面用発光部42を備える。天面入力検出部41は、天面ボタン3に対して行われた入力(具体的には、押下入力)を信号に変換する電子部品(例えば、スイッチ)である。本実施形態においては、天面入力検出部41は、上基板40の上面において、天面ボタン3の露出面における中心位置の真下に設けられる(後述する
図12参照)。このように、上基板40における天面側の面(すなわち、上面)に天面入力検出部41を設けることによって、上基板40における底面側の面(すなわち、下面。充電池27側の面とも言える)と充電池27との間隔を狭くすることができ、省スペース化を図ることができる。これによって、電子機器1の薄型化を図ることができる。
【0127】
また、本実施形態においては、電子機器1は4つの天面用発光部42を備える。なお、天面用発光部42は、天面ボタン3を光らせるための光源であり、例えばLEDである。4つの天面用発光部42は、上基板40の上面において、それぞれ天面入力検出部41の周囲に設けられる。このように、上基板40における天面側の面に天面用発光部42を設けることによって、光透過性を有する天面ボタン3を介してハウジング2の外部へ光を出射させることができる。これによって、天面ボタン3を光らせることができる(天面ボタン3が光っているように見せることができる、とも言うことができる。)。なお、他の実施形態においては、天面用発光部の数は任意であり、4つに限られない。なお、詳細は後述するが、複数の天面用発光部42を設けることによって、天面ボタン3の露出面をムラ無く光らせることができる。
【0128】
また、電子機器1は、上述の情報処理装置と通信を行うためのアンテナ(すなわち、
図15に示すアンテナ225)を備える。本実施形態においては、アンテナは上基板40に設けられる。
【0129】
上記のように、本実施形態においては、上基板40における底面側の面(すなわち、下面)のうち充電池27の真上の部分(すなわち、下から見たときに充電池27によって隠される部分)には、上基板40から突出する部品が設けられない(
図6参照)。これによって、上基板40における底面側の面と充電池27との間隔を狭くすることができ、電子機器1の薄型化を図ることができる。なお、詳細は後述するが、本実施形態においては、上基板40の下面とホルダ28の上面とは例えば両面テープによって接着される。ただし、他の実施形態においては、上基板の下面とホルダの上面とは接着されなくてもよいし、接触していなくてもよい。
【0130】
また、本実施形態においては、下基板32の片面の面積と上基板40の片面の面積との合計は、上下方向に対して垂直な平面のうち、当該平面によるハウジング2の内部の空間の断面積が最も大きくなるときの平面(本実施形態においては、基準平面)によるハウジング2の内部の空間の断面積よりも大きい。これによれば、1つの基板とすると当該基板がハウジング2内に収まりきらない程度に基板の面積が大きい場合であっても、各基板をハウジング2内に収納することができ、電子機器1の小型化を図ることができる。
【0131】
また、本実施形態においては、上述のスピーカ30および振動子29は、上基板40よりも下方に配置される(
図6参照)。したがって、上から見てスピーカ30および振動子29を上基板40と重ねて配置することができ、水平方向(すなわち、左右方向または前後方向)に関するハウジング2の長さを短くすることができる。これによって、電子機器1の小型化を図ることができる。
【0132】
(天面ボタン3)
図11および
図12等を参照して、天面ボタン3の詳細な構成について説明する。
図11は、天面ボタン3の分解斜視図である。なお、
図11においては、天面ボタン3に加えて上ハウジング11を示している。
図12は、電子機器1の内部構成の一例を示す断面図である。なお、
図12においては、上基板40とそれより上側の構成を示している。
【0133】
天面ボタン3は、上基板40の上方に設けられる(
図12参照)。
図11に示すように、本実施形態においては、天面ボタン3は、天面キートップ43、スペーサ44、および、天面キーラバー45を有する。上基板40の上方には天面キーラバー45が設けられ、天面キーラバー45の上方にはスペーサ44が設けられ、スペーサ44の上方には天面キートップ43が設けられる。天面キートップ43は、その一部が上ハウジング11の孔から突出するように設けられる。
【0134】
図12に示すように、天面キートップ43は、中央部151と、外縁部152と、立ち上がり部153とを有する。中央部151は、その上面が上ハウジング11の孔から露出する部分であり、水平方向に延びる平板上である。中央部151は、上から見て円形状であり、上記孔と同じあるいは当該孔よりやや小さい大きさである。なお、本実施形態においては、中央部151の上面(すなわち、上述の露出面)は、上方向にやや膨らんだ曲面であるが、平面であってもよい。
【0135】
外縁部152は、天面キートップ43の外縁の部分であり、中央部151の周囲に設けられる。上から見た場合、外縁部152は、中央部151を囲む円環状である。外縁部152の下面は、中央部151の下面よりも下側に設けられる。
【0136】
また、立ち上がり部153は、中央部151と外縁部152との間の部分である。上から見たときの立ち上がり部153は、中央部151を囲む円環状である。
図12に示すように、立ち上がり部153は、上下方向に延びるように設けられる。具体的には、立ち上がり部153は、外縁部152の内周側の部分から上方向に延び、上端が中央部151の外周部分に繋がっている。また、立ち上がり部153は、上ハウジング11の上記孔の開口部の側方に位置する。以上のように、本実施形態においては、天面キートップ43が立ち上がり部を有するので、天面キートップ43はハウジング2に対して水平方向にずれにくく、また、ハウジング2から天面キートップ43が外れにくくなっている。なお、上記「上下方向に延びる」とは、延びる方向が上下方向の成分を有していればよい意味であって、上下方向に対して平行に延びる意味に限定されない。
【0137】
なお、天面キートップ43は、全体として光透過性を有する材質で構成される。ただし、他の実施形態においては、天面キートップは、その一部(例えば、中央部)のみが光透過性を有するものであってもよい。
【0138】
スペーサ44は、中央部161と、外縁部162と、立ち上がり部163とを有する。中央部161は、水平方向に延びる平板上であり、上から見て円形状である。スペーサ44の中央部161は、天面キートップ43の中央部151の下方に設けられる。なお、本実施形態においては、スペーサ44の中央部161の下面は、天面キートップ43の外縁部152の下面と同程度の高さ(すなわち、上下方向の位置)に配置される。これによって、天面キートップ43とスペーサ44とからなる部品の薄型化を図ることができ、天面ボタン3の薄型化を図ることができる。また、スペーサ44の中央部161の上面は平面である。スペーサ44は、中央部161の下面において、下面の平面部分から下方向へ突出する突出部164を有する。突出部164は、上から見た中心の位置(天面キートップ43の露出面の中心とも言うことができる)に設けられる(
図12参照)。
【0139】
上記外縁部162は、スペーサ44の外縁の部分であり、中央部161の周囲に設けられる。上から見た場合、外縁部162は、中央部161を囲む円環状である。また、外縁部162の下面は、中央部161の下面よりも下側に設けられる。上記突出部164の下面は、外縁部162の下面よりも上側に位置する。これによって、天面ボタン3の薄型化を図ることができる。
【0140】
上記立ち上がり部163は、中央部161と外縁部162の間の部分である。上から見た場合、立ち上がり部163は、中央部161を囲む円環状である。
図12に示すように、立ち上がり部163は、上下方向に延びるように設けられる。すなわち、立ち上がり部163は、外縁部162の内周側の部分から上方向に延び、上端が中央部161の外周部分に繋がっている。スペーサ44に立ち上がり部163を設けることによって、スペーサ44の中央部161と上基板40との間隔を長くすることができる。これによって、天面ボタン3が押下された場合に、上基板40上に設けられる部品(例えば、天面用発光部42)が天面キーラバー45を介して当該中央部161に当たる可能性を低減することができる。なお、本実施形態においては、立ち上がり部163は外縁部162から斜め上方向に延びるが、他の実施形態においては、外縁部162から真上方向に延びるように設けられてもよい。
【0141】
また、スペーサ44の立ち上がり部163は、上から見たときに、当該立ち上がり部163の少なくとも一部が天面キートップ43の立ち上がり部153と重なる位置に設けられる。なお、スペーサ44の立ち上がり部163は、天面キートップ43の立ち上がり部153の近傍に設けられるとも言うことができる(
図12参照)。これによれば、スペーサ44の中央部161のうちの多くの部分について、上基板40との間隔を長くすることができるので、天面ボタン3が押下された場合に、上基板40上に設けられる部品が天面キーラバー45を介して当該中央部に当たる可能性を低減することができる。
【0142】
なお、スペーサ44は、全体として光透過性を有する材質で構成される。ただし、他の実施形態においては、スペーサは、その一部(例えば、中央部)のみが光透過性を有するものであってもよい。
【0143】
スペーサ44は天面キートップ43に固定される。具体的には、天面キートップ43の外縁部152とスペーサ44の外縁部162とが固定される。本実施形態においては、天面キートップ43は外縁部152の下面に突起154を有し、スペーサ44の外縁部162には、当該突起154の位置において孔44aが形成される(
図11参照)。なお、本実施形態においては上記突起154および孔44aはそれぞれ3つであるが、突起154および孔44aが設けられる数は任意である。上記突起154が上記孔44aに挿入された状態で熱カシメを施すことによって、天面キートップ43とスペーサ44とが固定される。
【0144】
上記のように、本実施形態においては、天面キートップ43が押下されていない状態において、スペーサ44の外縁部162は天面キートップ43の外縁部152と接触する(
図12参照)。これによれば、天面キートップ43の押下開始に応じてすぐにスペーサ44が下方向に移動するので、天面ボタン3の押下を検出しやすくすることができる。なお、本実施形態においては天面キートップ43が押下されていない状態においても天面キートップ43が押下されている状態においても、スペーサ44の外縁部162は天面キートップ43の外縁部152と接触する。ただし、他の実施形態においては、天面キートップ43が押下されていない状態においては、スペーサ44の外縁部162は天面キートップ43の外縁部152と接触しておらず、天面キートップ43が押下されている状態においては、スペーサ44の外縁部162は天面キートップ43の外縁部152と接触するように構成されてもよい。
【0145】
また、他の実施形態においては、スペーサ44の外縁部162と天面キートップ43の外縁部152は、中間部材を介して接続されてもよい。例えば、電子機器は、中間部材として、スペーサ44の外縁部162の上面と天面キートップ43の外縁部152の下面との間に挟まれる緩衝材を備えていてもよい。この場合であっても、天面キートップ43に対する押下に応じてスペーサ44を下方向に移動させることができる。
【0146】
なお、上ハウジング11の内壁には、下方向に延びる枠部171が設けられる(
図11参照)。枠部171は、天面キートップ43の外縁部152の周囲を囲むように設けられる(
図12参照)。上から見たときの天面キートップ43の外縁部152は、大略的には円形状であるが、その一部に円の外側へ突出する突出部155を有する。枠部171には上記突出部155が嵌合可能な凹部172が設けられており、天面キートップ43は突出部155が凹部172に水平方向に関して嵌合するように配置される。これによって、天面キートップ43(および、スペーサ44)は水平方向に関して位置決めされるとともに、上下方向に関して移動可能に構成される。なお、本実施形態においては上記突出部155および凹部172の数は4つであるが、1つ以上の任意の数であってよい。
【0147】
天面キーラバー45は、底部181と、側壁部182とを有する(
図12参照)。底部181は、スペーサ44の下方において、水平方向に延びるように設けられる。側壁部182は、環状であり、底部181の外周から上方向へ延びるように設けられる。側壁部182の上端は、上ハウジング11の内壁(より具体的には、内壁における孔の周囲の部分)に接触するかあるいは当該内壁の近傍まで延びる。上ハウジング11の上記枠部171の外側に当該側壁部182の内側が接触することによって、天面キーラバー45は水平方向に関して位置決めされる。また、底部181の下面の一部が上基板40の上面に接触し、底部181の上面の一部が上ハウジング11の枠部171の下端に接触することによって、天面キーラバー45は上下方向に関して位置決めされる。
【0148】
天面キーラバー45は、光透過性を有し、かつ、弾性を有する材質で構成される。なお、本実施形態においては、天面キーラバー45は、全体として光透過性を有する材質で構成される。ただし、他の実施形態においては、天面キーラバーは、その一部(例えば、底部)のみが光透過性を有するものであってもよい。
【0149】
図12に示すように、底部181のうち、上基板40に設けられる天面入力検出部41および天面用発光部42の上方の部分は、上方向に突出している(底部181の下面が上方向に窪んでいると言うこともできる)。これにより、底部181のうち、天面入力検出部41および天面用発光部42の上方の部分以外の部分を上基板40に接触または近接する位置に配置することができ、天面ボタン3の薄型化を図ることができる。
【0150】
また、底部181の上面のうち、スペーサ44の下面の突出部164の直下の位置には、上方向に突出する上突出部183が設けられる(
図12参照)。本実施形態においては、天面キートップ43が押下されていない状態において、上突出部183はスペーサ44の突出部164の下面と接触する。また、底部181の下面のうち、スペーサ44の突出部164の下方の位置には、下方向に突出する下突出部184が設けられる(
図12参照)。天面ボタン3が押下されていない状態においては、下突出部184の下面は天面入力検出部41と接触していてもよいし、接触していなくてもよい。
【0151】
なお、本実施形態においては、天面キーラバー45は、天面入力検出部41の真上に位置する部分の上面の少なくとも一部(すなわち、上突出部183)が、天面用発光部42の真上に位置する部分の上面よりも上側に位置する。これによれば、天面ボタン3が押下された場合に、天面キーラバー45のうち天面用発光部42の真上に位置する部分にスペーサ44が当たる可能性を低減することができるので、スペーサ44が天面キーラバー45を介して天面用発光部42に当たる可能性を低減することができる。
【0152】
また、本実施形態においては、天面用発光部42は、上基板40において、スペーサ44の中央部161のうち突出部164の真下の部分を除く位置に設けられる(
図12参照)。これによっても、スペーサ44が天面キーラバー45を介して天面用発光部42に当たる可能性を低減することができる。
【0153】
以上の構成により、天面ボタン3は上下方向に移動可能であるとともに、天面入力検出部41は天面ボタン3に対する押下入力を検出することができる。具体的には、天面ボタン3が押下されていない状態においては、天面キートップ43は、上ハウジング11から最も突出した状態となる。すなわち、天面キートップ43の外縁部152の上面が、上ハウジング11の内壁に当たる状態となる。なお、本実施形態においては、天面キートップ43の外縁部152の上面が、緩衝材を介して上ハウジング11の内壁に当たるものとするが、他の実施形態においては、天面キートップ43の外縁部152の上面が上ハウジング11の内壁に直接当たってもよい。
【0154】
また、天面ボタン3が押下されていない状態において、スペーサ44の突出部164は天面キーラバー45の上突出部183と接触する。そのため、天面キートップ43およびスペーサ44は、上下方向に関して力が加えられない限りは移動しないようになっている。また、上記によれば、天面キートップ43の押下開始に応じてすぐに天面キーラバー45が変形するので、天面ボタン3の押下を検出しやすくすることができる。なお、他の実施形態においては、上記の状態においてスペーサの突出部は天面キーラバーの上突出部と接触していなくてもよい。
【0155】
また、天面ボタン3が押下されていない状態においては、天面キーラバー45の下突出部184は天面入力検出部41を押下していない。なお、このとき、天面キーラバー45の下突出部184は、天面入力検出部41に対して力がほとんど加わらない程度に天面入力検出部41と接触していてもよいし、接触していなくてもよい。
【0156】
天面キートップ43がユーザによって押下されると、天面キートップ43およびスペーサ44が下方向に移動する。なお、天面ボタン3が押下されている状態においては、スペーサ44の突出部164は天面キーラバー45の上突出部183と接触する。したがって、スペーサ44が下方向に移動することに応じて、天面キーラバー45は変形し、天面キーラバー45の下突出部184が下方向に移動する。また、上記の状態において、天面キーラバー45の下突出部184は天面入力検出部41と接触するので、天面キーラバー45の下突出部184は天面入力検出部41を押下する。天面入力検出部41は、天面キーラバー45の下突出部184に押下されたことを検出することによって、天面ボタン3が押下されたことを検出する。このとき、天面入力検出部41は、押下されたことを示す信号を出力する。
【0157】
上記のように、本実施形態においては、電子機器1は、スペーサ44と基板(すなわち、上基板40)との間に、光透過性を有し、弾性変形可能なラバー部(すなわち、天面キーラバー45)を備える。キートップ(すなわち、天面キートップ43)が押下されたことによるスペーサ44の下方向への移動に応じて、スペーサ44の突出部164がラバー部を介して検出部(すなわち、天面入力検出部41)を押下する。これによれば、キートップが押下された場合にキートップを押し戻す力をラバー部によって付与することができる。また、ラバー部を介して検出部が押下されるので、キートップを押下する際における押し具合のムラを軽減することができる。
【0158】
また、本実施形態においては、上記検出部(すなわち、天面入力検出部41)は、キートップ(すなわち、天面キートップ43)の中心位置の真下に設けられる(
図12参照)。したがって、キートップに対する押下を検出部によってより確実に検出することができる。
【0159】
なお、本実施形態においては、天面入力検出部41は、押下された場合にクリック感を生じさせる機能を有する。例えば、天面入力検出部41はタクタイルスイッチである。なお、押下された場合にクリック感を生じさせるための具体的な構成は任意である。ここで、本実施形態においては、天面キートップ43と天面キーラバー45との間にスペーサ44を配置することで、天面キーラバー45を薄くすることができる。したがって、天面キーラバー45を介して天面入力検出部41が押下される場合であっても、天面入力検出部41によるクリック感が天面キートップ43まで伝わり、天面ボタン3を押下したユーザに対してクリック感を与えることができる。
【0160】
本実施形態においては、天面キーラバー45の底部181のうち、天面キートップ43の外縁部152の突起154、および、スペーサ44の外縁部162の孔44aの真下の部分を含む位置に、下方向へ窪む窪みが形成される(
図12参照)。また、上基板40のうちの上記の位置には、孔が形成される(
図12参照)。これによって、天面ボタン3が押下された場合に、上記突起154の下端(すなわち、熱カシメが施された部分)が上基板40に接触する可能性を低減することができる。なお、本実施形態においては、天面キーラバー45における上記窪み、および、上基板40における上記孔は、天面ボタン3が押下された場合に天面キートップ43の突起が接触しないような大きさに設定される。
【0161】
本実施形態では、天面用発光部42からの光が天面ボタン3を通過してハウジング2の外部へ出射されることで、天面ボタン3を光らせることができる。なお、本実施形態においては、天面キートップ43の露出面には、光を散乱するフィルムが設けられる。これによって、天面用発光部42が発光する場合には天面ボタン3の露出面が光っているように見える。
【0162】
ここで、本実施形態においては、スペーサ44によって、光源の光を露出面から均等に出射させることができる。
図13は、スペーサ44を設ける場合と設けない場合との光の経路の違いの一例を示す図である。なお、
図13に示す(a)は、天面キートップ43の下方にスペーサ44を設けない構成における光の経路を示しており、
図13に示す(b)は、本実施形態のように、天面キートップ43の下方にスペーサ44を設ける構成における光の経路を示している。なお、
図13においては、図面を見やすくする目的で、1つの天面用発光部42のみから出射される光の経路を示している。
【0163】
図13の(a)に示すように、スペーサ44を設けない場合には、天面キートップ43は、天面ボタン3が押下された場合にスペーサ44の代わりに天面キーラバー193を押下するための軸部191が設けられる。この軸部191は、天面キートップ43の中央部192における下面から下方向に延びる。そのため、天面用発光部42から出射された光の一部は、天面キートップ43の露出面から出射されるまでに軸部191を通過することで光の経路が変更される一方、他の一部は軸部191を通過せずに露出面から出射される。その結果、例えば、
図13の(a)に示す例においては、露出面における経路bと経路cとの間隔が広くなっている。そのため、露出面から出射される光にムラが生じやすくなり、露出面を均一に光らせることが難しくなる。また、軸部191が光透過性を有する材質であっても光が軸部191を通過する場合には空気中を通過する場合よりもロスは大きくなるので、経路cにおいては光が軸部191を通過する分、軸部191を通過しない経路bよりも、露出面から出射される光量は小さくなる。この理由によっても、露出面から出射される光にムラが生じやすくなる。
【0164】
これに対して、
図13の(b)に示すようにスペーサ44が設けられる場合は、上記の軸部191が設けられないので、天面用発光部42から出射された光の一部の経路が軸部191によって変更されることがない。そのため、例えば、
図13の(b)に示す例においては、露出面における経路bと経路cとの間隔が、
図13の(a)に示す例に比べて狭くなっている。したがって、露出面から出射される光にムラを生じにくくすることができ、露出面を均一に光らせやすくなる。
【0165】
なお、本実施形態においては、スペーサ44の下面に突出部164を設けたが、他の実施形態においては、スペーサの下面を平面とする(つまり、突出部164を設けない)ようにしてもよい。これによれば、天面用発光部42から出射された光の一部が突出部164を通過することによって光の経路が変更されることがなくなるので、露出面から出射される光にムラがより生じにくくなる。
【0166】
なお、本実施形態においては、突出部164は、上下方向に関して、天面キートップ43の外縁部152の上面よりも下側の位置に設けられる(
図12参照)。これによって、天面用発光部42からスペーサ44を通過して露出面から出射される光が突出部164を通過しにくくなるので、露出面から出射される光にムラが生じにくくなる。なお、突出部164は、上下方向に関して、天面キートップ43の外縁部152の下面よりも下側の位置に設けられてもよい。これによれば、天面用発光部42からスペーサ44を通過して露出面から出射される光が突出部164をより通過しにくくなり、露出面から出射される光にムラがより生じにくくなる。
【0167】
また、他の実施形態においては、上記の軸部191に起因して、露出面から出射される光にムラが生じることを軽減するべく、スペーサを用いる構成に代えて、天面キートップの中央部の厚さ(すなわち、上下方向の長さ)を増す構成が採用されてもよいし、天面キーラバーの底部の厚さを増す構成が採用されてもよい。天面キートップの中央部の厚さを増す構成とは、例えば、天面キートップの中央部の下面を外縁部の下面と同程度の高さとする(すなわち、上下方向に関する位置を同程度とする)ことで、天面キートップの中央部の下面が天面キーラバー45に接触または近接する構成である。
【0168】
また、天面キーラバーの底部の厚さを増す構成とは、例えば、天面キートップの中央部の下面に接触または近接する程度の高さに天面キーラバーの上面が配置される構成である。この構成の一例を
図14に示す。
図14は、天面ボタン3の比較例の一例を示す図である。
図14に示す比較例は、スペーサを用いない点、および、天面キーラバーの形状が異なる点で本実施形態と相違する。
【0169】
上記比較例においては、天面キーラバー200は、中央部201、下突出部202、スカート部203、底部204、および、側壁部205を有する。上記比較例においては、中央部201は、天面キートップ43の中央部151の下方に設けられる。また、下突出部202は、中央部201の下面において天面入力検出部41の直上の位置に設けられ、当該下面から下方向に突出する。なお、天面キーラバー200の中央部201は、その上面が天面キートップ43の下面に接触し、天面ボタン3が押下された場合に中央部201の下面が天面用発光部42に接触しない程度に、厚く形成される。
【0170】
また、スカート部203は、中央部201の下面の外周から、斜め下方向へ(より具体的には、下方向の成分を有する方向であって、かつ、中央部201の外側に向けて)延びるように設けられる。スカート部203は、円錐の側面のうち、当該側面を通り水平方向に平行な2つの平面の間となる部分の形状を有する。底部204は、スカート部203の外周からさらに外側へ、水平方向に延びるように設けられる。側壁部205は、上記実施形態における側壁部182と同様の形状であり、底部204の外周から上方向へ延びるように設けられる。スカート部203、底部204、および、側壁部205は、それぞれ環状の形状である。
【0171】
上記比較例においては、天面キートップ43がユーザによって押下されると、天面キートップ43が下方向に移動する。これに応じて、天面キーラバー200の中央部201が下方向に移動し、下突出部202が天面入力検出部41を押下する。天面入力検出部41は、天面キーラバー45の下突出部184に押下されたことを検出することによって、天面ボタン3が押下されたことを検出する。なお、天面キートップ43が押下された状態ではスカート部203が変形するので、押下が解除された場合にはスカート部203が元の形状に戻ることで、天面キートップ43は押下前の位置に戻る。
【0172】
なお、天面キートップ43の中央部の厚さを増す構成の場合には、天面キートップ43の製造(例えば、上述の光を散乱するフィルムを露出面に形成すること)が難しくなるおそれがある。また、上記比較例のように天面キーラバー45の底部の厚さを増す構成の場合には、天面ボタン3を押下したときの操作感が悪くなる(例えば、天面キーラバー200が厚いために、天面キーラバー200がある程度変形してから押下が検出されることから、天面キートップ43を押下してすぐには押下が検出されない)おそれがある。これに対して、本実施形態においては、スペーサ44を設けることで、天面キートップ43や天面キーラバー45を厚くする必要がないので、天面キートップ43の製造を容易にすることができるとともに、天面ボタン3を押下したときの操作感を向上することができる。
【0173】
なお、他の実施形態においては、天面キーラバーは、本実施形態における天面キーラバー45の構造に代えて、天面入力検出部41の真上に位置する部分(すなわち、中央部201)の周囲に、上記比較例に示したようなスカート部を有する構造であってもよい。これによれば、天面ボタン3が押下された場合に天面キーラバーによってクリック感を生じさせることができる。このとき、天面入力検出部41は、クリック感を生じさせる機能を有しなくてもよい。なお、天面キーラバーのスカート部によってクリック感を生じさせるためには、スカート部がある程度の高さを有することとなる。これに対して、本実施形態においては、天面キーラバーにスカート部を設けないようにすることで、天面キーラバーの薄型化を図ることができ、天面ボタンの薄型化を図ることができる。
【0174】
(電子機器1の組み立て)
本実施形態においては、電子機器1は、例えば、上ハウジング11に各部品を取り付けるとともに、下ハウジング12に各部品を取り付けた後、各部品が取り付けられた上ハウジング11と下ハウジング12とを互いに固定することで組み立てることができる。上ハウジング11については、上ハウジング11に天面ボタン3が配置された状態で上基板40を上ハウジング11に取り付けることで、各部品を取り付けられた状態とすることができる。また、下ハウジング12については、側面ボタン4と、底面ボタン6と、振動子29と、スピーカ30が固定された台座31と、下基板32と、端子5および端子基板26とを下ハウジング12に取り付けた後、充電池27が固定されたホルダ28を下ハウジング12に取り付けることで、各部品が取り付けられた状態とすることができる。
【0175】
本実施形態においては、上ハウジング11と下ハウジング12とは、係止部211および被係止部212によって固定される。具体的には、上ハウジング11は、上ハウジング11の外周部分におけるハウジング2の内部側において係止部211を有する(
図11参照)。係止部211は、上ハウジング11のうちで係止部211を除く部分の下端から、下方向に突出するように設けられる。なお、係止部211は、上ハウジング11の上記部分から下方向に延びる軸部と、当該軸部から外側(すなわち、上ハウジング11の外側)の方へ突起する爪部とを有する。なお、
図11では、2つの係止部211のみが示されているが、本実施形態においては上ハウジング11は3つの係止部を有する。また、他の実施形態においては、係止部の数は任意である。また、係止部および被係止部の形状も任意である。
【0176】
また、下ハウジング12は、下ハウジング12の内部において被係止部212を有する(
図9参照)。被係止部212は、係止部211が掛止可能な形状を有しており、上ハウジング11の縁部分と下ハウジング12の縁部分とを合わせた状態で係止部211に係止する位置に設けられる。本実施形態においては、被係止部212は、ハウジング2の中心の方へ延びる下向きの面を有する形状である。当該下向きの面に係止部211の爪部が引っ掛かることで、係止部211が被係止部212に係止する。
【0177】
上記のように、本実施形態においては、上ハウジング11は係止部211を有し、下ハウジング12は、係止部211が係止可能な被係止部212を有する。したがって、上記被係止部212を係止部211に係止させることで、上ハウジング11と下ハウジング12とを互いに固定することができる。また、例えば上ハウジング11と下ハウジング12とを接着によって固定する場合、各ハウジングに接着面を設けるため、ハウジングが大型化するおそれがある。これに対して、本実施形態においては、各ハウジングに接着面を設ける必要がないので、ハウジングの小型化を図ることができる。なお、他の実施形態においては、下ハウジングに係止部が設けられ、上ハウジングに被係止部が設けられてもよい。つまり、上ハウジングおよび下ハウジングの一方は係止部を有し、上ハウジングおよび下ハウジングの他方は被係止部を有する構成であってよい。
【0178】
なお、下ハウジング12において、被係止部212のうち少なくとも1つ(ここでは、2つ)は、ハウジング2の内壁のうち、充電池27の短軸に平行な面(充電池27の短辺を含む面と言うこともできる)に対向する部分に設けられる(
図9参照)。ここで、充電池27の短軸に平行な面とハウジングの内壁とに挟まれる空間は、充電池27の長軸に平行な面と側面部とに挟まれる空間よりも狭く、振動子29あるいはスピーカ30を配置しにくい空間である。このような空間に、振動子29あるいはスピーカ30よりも小さい被係止部を配置することで、ハウジング2の内部におけるスペースを効率良く利用して部品を配置することができ、電子機器1の小型化を図ることができる。
【0179】
本実施形態においては、上ハウジング11および下ハウジング12はネジによっても互いに固定される。具体的には、下ハウジング12の側面部における端子5の左右両側に孔2dが形成される(
図1参照)。また、図示しないが、上ハウジングには、当該孔の奥にネジ孔が形成される。下ハウジング12の孔を貫通する状態で上ハウジング11のネジ孔にネジを螺号させることで、上ハウジング11および下ハウジング12が固定される。このように係止部および被係止部に加えてネジ止めによって上ハウジング11および下ハウジング12を固定することで、上ハウジング11と下ハウジング12とをよりしっかりと固定することができる。
【0180】
また、本実施形態においては、上ハウジング11に下ハウジング12を取り付ける際、ホルダ28における天面側の面と、上基板40における底面側の面とが接着される。これによって、ハウジング2の内部の部品をよりしっかりと固定することができる。なお、上述のように、本実施形態においては、上基板40は上ハウジング11に固定され、ホルダ28は下ハウジング12に固定される。したがって、上ハウジング11と下ハウジング12とは、係止部と被係止部との係合によって固定されることに加えて、ホルダ28と上基板40との接着によっても固定されることとなる。これによって、上ハウジング11と下ハウジング12とをよりしっかりと固定することができる。
【0181】
本実施形態においては、ハウジング2の天面は上方向に膨らんだ形状を有し、底面は下方向に膨らんだ形状を有する。ここで、上下方向に対して垂直な方向から見て、下ハウジング12の高さは上ハウジング11の高さよりも高い(
図6参照)。つまり、上ハウジング11と下ハウジング12との境界は、上下方向に対して垂直な方向に関するハウジングの端部(例えば、前端、後端、右端、および、左端)とは異なる位置に設けられる(具体的には、端部よりも上側に設けられる)。これによって、境界部分が他の物にぶつかって上ハウジングと下ハウジングとが外れる可能性を低減することができる。また、本実施形態のようにハウジング2の側面部に孔が形成される場合には、2つのハウジング2の高さを異ならせることによって、孔を一方のハウジング2(ここでは、下ハウジング12)に形成することができる。これによれば、孔の開口を一体の部品で構成することができるので、孔の部分の強度を向上することができる。
【0182】
[3.電気的構成]
図15は、電子機器1が備える構成要素の電気的な接続関係を示すブロック図である。
図15に示すように、制御回路221は、充電池27、加速度センサ222、端子5、底面入力検出部223、側面入力検出部25、天面入力検出部41、側面用発光部224、天面用発光部42、および、アンテナ225と電気的に接続される。
【0183】
制御回路221は、プロセッサとメモリとを備える処理回路であり、例えばMCU(Micro Controller Unit)である。制御回路221は、下基板32に設けられる上述のコネクタ141を介して充電池27と電気的に接続される。制御回路221は、当該制御回路221に電気的に接続される各部品(具体的には、加速度センサ222、底面入力検出部223、側面入力検出部25、天面入力検出部41、側面用発光部224、天面用発光部42、および、アンテナ225)に対して、充電池27からの電力を供給する。また、端子5が例えば充電器またはACアダプタに電気的に接続されることで、端子5から外部電力が電子機器1に対して供給される場合、制御回路221は、供給された電力によって充電池27を充電する。
【0184】
また、制御回路221は、加速度センサ222から出力される信号を取得する。この信号は、例えば、加速度センサ222が検出した検出結果(すなわち、電子機器1に加えられる加速度)を示す。制御回路221は、例えば、上記検出結果に基づいて処理を実行したり、アンテナ225を介して上記検出結果を上述の情報処理装置へ送信したりする。制御回路221は、加速度センサ222による検出結果に基づいて、例えば、ユーザによる運動に関する運動情報(例えば、ユーザが歩行していることを示す情報や、ユーザが歩いた歩数を示す情報)を算出してもよいし、睡眠中におけるユーザの体動に関する体動情報(例えば、睡眠中においてユーザが寝返りを打ったことを示す情報)を算出してもよい。
【0185】
また、制御回路221は、各入力検出部(具体的には、底面入力検出部223、側面入力検出部25、および、天面入力検出部41)からの信号を取得する。この信号は、例えば、入力検出部の検出結果、すなわち、各ボタン(具体的には、底面ボタン6、側面ボタン4、および、天面ボタン3)に対する入力の有無を示す。制御回路221は、例えば、上記検出結果に基づいて処理を実行したり、アンテナ225を介して上記検出結果を上述の情報処理装置へ送信したりする。
【0186】
また、制御回路221は、各発光部(具体的には、側面用発光部224および天面用発光部42)に電力を供給することで発光させる。制御回路221は、例えば、当該制御回路221によって実行される処理の結果、あるいは、アンテナ225を介して受信される情報処理装置からの指示に応じて、各発光部を発光させる。
【0187】
[4.本実施形態の作用効果および変形例]
(充電池27を斜めに配置することに関する構成)
上記のように、上記実施形態においては、電子機器1は、以下の構成を備える。
・天面および底面を有し、上下方向の長さが当該上下方向に対して垂直な方向の長さに比べて短い扁平状であり、当該上下方向に対して垂直な基準平面における断面形状が円形状であるハウジング2
・ハウジング2における天面と底面との間の側面部において露出する充電端子(すなわち、端子5)
・基準平面における断面形状が第1の長辺と第1の短辺を有する長方形状となる直方体状の充電池であって、側面部において充電端子が露出する第1位置(すなわち、ハウジング2の前端位置)から、当該第1位置の反対側の位置(より具体的には、上から見たときのハウジング2の中心に対して第1位置の反対側となる位置)である側面部の第2位置(すなわち、ハウジング2の後端位置)への方向に対して第1の長辺が当該基準平面において斜めになるように、ハウジング2の内部に設けられる充電池27
・基準平面と交わる位置であって、基準平面において充電池27の第1の長辺と、側面部のうち当該第1の長辺に対向する部分との間の位置に設けられる振動子29およびスピーカ30の少なくとも一方
【0188】
上記のように、上記実施形態においては充電池が斜めに配置されることによって、充電池と充電端子とを干渉せずに配置しやすくなる。さらに、斜めに配置された充電池とハウジングとの間に振動子および/またはスピーカを配置することで、充電池と、充電端子と、振動子および/またはスピーカとを基準平面と交わる位置に配置することできる。これによって、電子機器の小型化を図ることができたり、あるいは、より大きな部品(例えば、充電池、振動子、スピーカ等)をハウジング内に配置することができたりする。このように、上記実施形態によれば、電子機器の内部における構成の配置を改善することができる。
【0189】
なお、上記実施形態においては、電子機器1は振動子29およびスピーカ30の両方を備えているが、他の実施形態においては、電子機器は振動子29およびスピーカ30のいずれか一方のみを備えていてもよい。この場合であっても上記実施形態と同様、充電池27を斜めに配置することによって電子機器1の内部における構成の配置を改善することができる。
【0190】
また、上記実施形態においては、ハウジング2は、天面が上方向に膨らんだ形状を有し、底面が下方向に膨らんだ形状を有する。なお、ハウジング2は、天面が上方向に膨らんだ形状、および、底面が下方向に膨らんだ形状のうち少なくとも一方の形状を有していてもよい。ハウジング2がこのような形状である場合、上から見たときのハウジング2の外周付近については、上下方向に関する長さは中央付近の長さよりも短くなるので、ハウジング2の内部において当該外周付近においては部品を配置するスペースが制約される。これに関して、本実施形態においては、上記のように充電池27を斜めに配置することによって、配置スペースが制約される状態であっても充電端子5や、振動子29および/またはスピーカ30といった部品を配置しやすくなる。
【0191】
また、上記実施形態においては、電子機器1は、上記第2位置に設けられ、ユーザによる操作入力が行われる第1入力部(すなわち、側面ボタン4)をさらに備える。上記実施形態においては、上記のように充電池27を斜めに配置することで、充電池27と干渉することなくハウジング2の側面部に第1入力部を配置することができる。
【0192】
また、上記実施形態においては、電子機器1は、ハウジング2の天面に設けられる第2入力部(すなわち、天面ボタン3)と、第1基板(すなわち、上基板40)とをさらに備える。第1基板は、ハウジング2の内部において充電池27よりも天面側に設けられ、第1基板には、第2入力部に対して行われた入力を信号に変換する入力検出部が設けられる。これによれば、第2入力部に対する入力を検出するための各構成を充電池27の上側にまとめて配置することで、ハウジング内におけるスペースを効率良く利用して当該各構成を配置することができる。
【0193】
さらに、上記実施形態においては、電子機器1は、ハウジング2の内部において充電池27よりも底面側に設けられる第2基板(すなわち、下基板32)をさらに備える。これによれば、基板を2つに分けることで、1つの基板の大きさを小さくすることができるので、電子機器1の小型化を図ることができる。
【0194】
また、上記実施形態においては、電子機器1は、以下の構成を備えるとも言うことができる。
・天面および底面を有し、上下方向の長さが当該上下方向に対して垂直な方向の長さに比べて短く、上から見て円形状であるハウジング2
・ハウジング2の内部に設けられ、上から見て第1の長辺と第1の短辺を有する直方体状の充電池27
・上から見て第1の長辺と、ハウジング2の外周のうち当該第1の長辺に対向する部分との間に設けられ、一部が露出する端子5
・上から見て、第1の長辺とハウジング2の内周のうち当該第1の長辺に対向する部分との間、または、第1の長辺の対辺である第2の長辺とハウジング2の内周のうち当該第2の長辺に対向する部分との間に設けられる振動子29およびスピーカ30の少なくとも一方
【0195】
なお、本明細書において、「ある部品(具体的には、端子5、振動子29、または、スピーカ30)が、充電池の長辺とハウジングのうち当該長辺に対向する部分との間に設けられる」とは、当該ある部品の一部が、充電池の長辺とハウジングのうち当該長辺に対向する部分との間の空間内に存在していればよく、当該ある部品の全部が当該空間内に存在することを条件とすることではない意味である。
【0196】
上記のように、上記実施形態においては充電池27が斜めに配置されることによって、充電池27と端子5とを干渉せずに配置しやすくなる。さらに、斜めに配置された充電池27とハウジング2との間に振動子29および/またはスピーカ30を配置することで、充電池27と振動子29および/またはスピーカ30とを干渉せずに配置しやすくなる。このように、上記実施形態によれば、電子機器1の内部における構成の配置を改善することができる。
【0197】
(基板および充電池27等の配置に関する構成)
上記のように、上記実施形態においては、電子機器1は、以下の構成を備える。
・天面および底面を有し、上下方向の長さが当該上下方向に対して垂直な方向の長さに比べて短い扁平状であるハウジング2
・ハウジング2の内部において上下方向に対して垂直な基準平面と交わる位置に設けられる扁平状の充電池27
・充電池27よりも天面側において、基準平面と平行に設けられる第1基板(すなわち、上基板40)
・充電池27よりも底面側において、基準平面と平行に設けられる第2基板(すなわち、下基板32)
・基準平面と交わる位置に設けられる振動子29およびスピーカ30の少なくとも一方
【0198】
上記実施形態においては、電子機器1は、以下の構成を備えると言うこともできる。
・天面および底面を有し、上下方向の長さが当該上下方向に対して垂直な方向の長さに比べて短いハウジング2
・ハウジング2の内部において、上下方向に対して垂直な方向に設けられる扁平状の充電池27
・充電池27よりも天面側において、当該天面と平行に設けられる第1基板(すなわち、上基板40)
・充電池27よりも前記底面側において、当該底面と平行に設けられる第2基板(すなわち、下基板32)
・充電池27の側面とハウジング2の内周との間に設けられる振動子29およびスピーカ30の少なくとも一方
【0199】
上記の構成によれば、2つの基板を充電池27の両側に分けて配置することで、ハウジング2の内部において基板を効率良く配置することができ、電子機器1の小型化を図ることができる。また、振動子29および/またはスピーカ30を充電池27の側方に配置することで、電子機器1の薄型化を図ることができる。このように、上記実施形態によれば、電子機器1の内部における構成の配置を改善することができる。
【0200】
また、上述のように、本実施形態においては、基準平面は、上下方向に対して垂直な平面のうち、当該平面によるハウジング2の内部の空間の断面積が最も大きくなるときの平面である。この基準平面に交わるように充電池27と振動子29およびスピーカ30の少なくとも一方とが配置されることで、電子機器1の小型化を図ることができる。
【0201】
また、上述のように、上記実施形態においては、ハウジング2の天面および底面は、上下方向に膨らんだ形状を有しており、ハウジング2の内部における外周付近においては部品を配置するスペースが制約される。これに関して、本実施形態においては、充電池27、各基板、ならびに、振動子29および/またはスピーカ30を上記のように配置することによって、配置スペースが制約される状態であっても充電池27や振動子29および/またはスピーカ30といった部品を配置しやすくなる。
【0202】
(天面ボタン3に関する構成)
上記実施形態においては、電子機器1は、以下の構成を備えるボタン装置(すなわち、天面ボタン3、天面入力検出部41、天面用発光部42、および、上基板40)を有する。
・光透過性を有するキートップ(すなわち、天面キートップ43)
・キートップの下方に設けられ、光透過性を有するスペーサ44
・スペーサ44の下方に設けられ、発光部(すなわち、天面用発光部42)と検出部(すなわち、天面入力検出部41)とを上面に有する基板
ここで、キートップの中央部における下面は、当該中央部の周囲の外縁部における下面よりも上側に位置している(
図12参照)。スペーサ44は、当該スペーサ44の中央部における下面に、検出部の上方において当該下面の平面部分から下方向へ突出する突出部を有し、当該平面部分は、当該中央部の周囲の外縁部における下面よりも上側に位置している(
図12参照)。キートップが押下されたことによるスペーサ44の下方向への移動に応じて突出部が検出部を押下する。
【0203】
なお、「ある構成要素が他の構成要素の上側に位置する」とは、ある構成要素に関する上下方向の位置が、他の構成要素に関する上下方向の位置よりも上の位置であることを意味し、上から見てある構成要素と他の構成要素とが重なって見えるように両者が配置される(すなわち、ある構成要素が他の構成要素の上方に位置する)ことを限定する意味ではない。
【0204】
上記の構成によれば、スペーサ44を上記のような形状(すなわち、中央部における下面が、外縁部における下面よりも上側に位置している形状)にすることによって、基板上の構成(例えば、発光部)に他の構成(例えば、スペーサ44)が接触する可能性を低減することができる。また、スペーサ44自体の薄型化を図ることができるので、ボタン装置の薄型化を図ることができる。
【0205】
なお、上記のボタン装置は、本実施形態における電子機器1とは異なる電子機器において用いることも可能である。例えば、上記のボタン装置は、球状のハウジングを有する電子機器において用いられてもよい。このとき、押下されたキートップが移動する方向が下方向であり、下方向の反対の方向が上方向である。
【0206】
また、上記実施形態においては、電子機器1は、ボタン装置のキートップが設けられる天面と、下方向に膨らんだ形状を有する底面とを有する(
図1参照)。このとき、電子機器1は斜めに傾きやすく、電子機器1の下面が接するように平面上に電子機器1が載置された状態でキートップが押下されると、ユーザはキートップを斜めに押下してしまいやすい。そして、キートップが斜めに押下されると、基板に他の構成が接触するおそれがある。これに関して、上記実施形態においては、スペーサ44を上記のような形状とすることによって、キートップが斜めに押下される場合であっても、基板に他の構成が接触する可能性を低減することができる。
【0207】
(充電池に関する変形例)
なお、他の実施形態においては、電子機器は、充電池27に代えて、電池(充電池を含む意味である)を収容可能な収容ケースを備える構成であってもよい。つまり、電子機器は、収容ケースまたは電池である電源部(電源部とは、収容ケースおよび電池の総称である)を備える構成であってよい。
【0208】
収容ケースは、電池を取り外し可能に収容する。収容ケースは、充電池27と同様、直方体状である。また、収容ケースは、上下方向の長さが、上下方向に対して垂直な方向の長さより短い扁平状であってもよい。なお、電子機器が充電池27に代えて収容ケースを備える場合、電子機器はホルダ28を備えていなくてもよいし、ホルダ28を備えていてもよい。電子機器がホルダ28を備えていない場合、収容ケースは、ホルダ28の第1腕部123と同様の腕部(すなわち、振動子29の上方まで延び、振動子29を上から押さえる腕部)を有していてもよい。また、上記の場合、収容ケースは、ホルダ28の第2腕部124と同様の腕部(すなわち、スピーカ30の上方まで延び、スピーカ30を上から押さえる腕部)を有していてもよい。
【0209】
また、電子機器が充電池27に代えて収容ケースを備える場合、電子機器は充電端子を備えていなくてもよい。また、この場合、電子機器は上記実施形態と同様の端子5を備えていてもよく、他の装置との通信のために端子5が用いられてもよい。
【0210】
また、収容ケースは、4つの側面のうち1つの側面が開口する(すなわち、1つの側面がない、あるいは、1つの側面に孔が形成される)形状であってもよい。このとき、ハウジングのうち、収容ケースの上記開口する側面に対向する部分に孔が形成され、電子機器は、当該孔を覆うように取り付けられる電池蓋を備える。上記孔は、当該孔を介してハウジングの外部から収容ケース内に電池を挿入することができる程度の大きさである。また、電池蓋は、ハウジングに対して着脱可能である。上記の構成によって、ユーザは収容ケース内の電池を容易に交換することができる。
【0211】
なお、上記開口する側面は、より具体的には、収容ケースの短軸に平行な側面であってもよい。これによれば、収容ケースに対して電池を取り出したり取り外したりする際に、収容ケースの長軸に平行な側面に対向する位置に設けられる振動子やスピーカが邪魔にならないので、収容ケース内の電池をより容易に交換することができる。
【0212】
また、他の実施形態においては、収容ケースは、上記実施形態におけるホルダ28と同様、下側が開口する形状であってもよい。このとき、ハウジングの底面のうち、収容ケースの開口部分に対向する部分に孔が形成され、電子機器は、当該孔を覆うように取り付けられる電池蓋を備える。なお、下基板は、収容ケースの上方(かつ、上基板の下方)に配置される。また、底面ボタンは、ハウジングの底面のうち上記孔以外の部分に設けられる(あるいは、底面ボタンと同様の機能のボタンがハウジングの側面部または天面に設けられてもよい)。上記の構成によっても、ユーザは収容ケース内の電池を容易に交換することができる。
【0213】
上記実施形態においては、電源部の一例である充電池27は、上から見て長方形状となる形状であったが、電源部の形状はこれに限らない。例えば、他の実施形態においては、電源部は、上から見て正方形状となる形状であってもよい。このとき、電源部は、水平面に平行な辺が前後方向に対して斜めになるように配置されなくてもよい。なお、電源部の形状に関わらず、2つの基板を電源部の上下両側に分けて配置することで、ハウジングの内部において基板を効率良く配置することができる。
【0214】
(ハウジングの形状に関する変形例)
上記実施形態においては、ハウジングは、水平方向から見て扁平状であり、かつ、上から見て円形状である形状であったが、ハウジングの形状はこれに限らない。ハウジングの形状(電子機器の外観形状と言うこともできる)は、例えば、以下に示す形状であってもよい。
【0215】
他の実施形態においては、ハウジングは、上から見て、外側に膨らむ曲線で形成される形状であって、かつ、長手方向を有する形状(例えば楕円形状または卵型形状)であってもよい。ハウジングがこのような形状であっても、上記実施形態と同様に、電源部の長軸が前後方向に対して斜めになるように配置することで、電源部を他の部品(例えば、端子および/または側面ボタン)と緩衝せずに配置しやすくなる。
【0216】
なお、ハウジングの長手方向が前後方向に一致する場合(つまり、長手方向の一端に側面ボタンが設けられ、長手方向の他端に端子が設けられる場合)には、電源部は、電源部の長軸が前後方向に対して斜めになり、かつ、当該長軸がハウジングの短手方向よりも長手方向に近くなるように(例えば、長軸と長手方向とのなす角が、45°未満となるように)、配置されてもよい。これによれば、より大きい電源部を配置しやすくなる。
【0217】
また、ハウジングは、上から見て四角形状であってもよい。ハウジングを上から見たときの形状によらず、2つの基板を電源部の上下両側に分けて配置することで、ハウジングの内部において基板を効率良く配置することができる。
【0218】
他の実施形態においては、ハウジングは、扁平状ではなく、上下方向の長さが当該上下方向に対して垂直な方向の長さと同じになる形状(例えば、球状)であってもよい。なお、ハウジングがこのような形状である場合、振動子は、電源部の下方に配置されてもよい。なお、この場合における電源部の下方向とは、直方体状の電源部の面のうちで最も広い面に対して垂直な方向であって、電源部から下基板への方向である。また、上記の場合、スピーカは、電源部の側方の位置から下方向に延びるように配置されてもよい。上記の場合、電源部の下方において部品を配置するスペースが生じやすいので、上記のように振動子およびスピーカを配置することで、より大きな振動子やスピーカを配置しやすくなる。
【0219】
(側面ボタンおよび端子の配置に関する変形例)
上記実施形態においては、側面ボタン4と端子5とは、上から見てハウジング2の中心に対して対称となる位置に設けられるが、側面ボタンおよび端子の配置はこれに限らない。例えば、側面ボタンはハウジング2の後端以外の位置に設けられてもよいし、端子はハウジング2の前端以外の位置に設けられてもよい。また、電子機器は、側面ボタンを備えていなくてもよいし、端子を備えていなくてもよい。なお、電子機器がハウジングの側面部に端子を備えていない場合、側面ボタンを基準として電子機器の前後方向が規定されてもよい。例えば、上下方向に対して垂直な方向であって、ハウジングの中心から側面ボタンへの向きを後方向とし、後方向の逆向きを前方向としてもよい。なお、側面ボタンおよび端子の位置が上記実施形態とは異なる場合であっても、電源部は、側面ボタンおよび端子と干渉しないように配置されてもよい。例えば、電源部は、当該電源部の側面と、ハウジング2の内壁(より具体的には、ハウジング2の側面部の内壁)のうちで当該側面に対向する部分との間の空間(例えば、
図9に示す空間Aおよび/または空間B)に側面ボタンおよび端子が配置されるように、設けられてもよい。
【0220】
(入力部に関する変形例)
上記実施形態においては、ユーザによる操作入力が行われる各入力部(すなわち、天面ボタン3、側面ボタン4、および、底面ボタン6)は、ユーザが押下することが可能な種類の入力部であったが、入力部の種類はこれに限らない。例えば、他の実施形態においては、入力部は、スライドスイッチであってもよいし、タッチセンサによりユーザのタッチ入力を検出するタッチボタンであってもよい。また、入力部は、方向入力が可能な種類の入力部(例えば、ジョイスティック)であってもよい。さらに、入力部は、ユーザが押下することが可能であり、かつ、方向入力が可能な種類の入力部(例えば、押下入力が可能なジョイスティック)であってもよい。例えば、電子機器は、天面ボタンに代えて、ジョイスティックが天面に設けられる構成であってもよい。
【0221】
なお、他の実施形態において、ハウジングの表面および内部に設けられる各構成要素の大きさ、形状、数、設置位置、および、設置方法は任意である。電子機器は、上記実施形態における構成要素の一部を備えていなくてもよいし、上記実施形態において実行される処理の一部を実行しなくてもよい。例えば、電子機器は、上記実施形態における一部の特定の効果を奏するためには、当該効果を奏するための構成要素を備え、当該効果を奏するための処理を実行すればよく、その他の構成要素を備えていなくてもよいし、その他の処理を実行しなくてもよい。また、他の実施形態において、電子機器は、上記実施形態における構成要素とは異なる構成要素を備えていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0222】
上記実施形態は、基板上の構成に他の構成が接触する可能性を低減すること等を目的として、例えばボタン装置や電子機器に利用することができる。
【符号の説明】
【0223】
1 電子機器
2 ハウジング
3 天面ボタン
4 側面ボタン
5 端子
6 底面ボタン
7 ストラップ孔
27 充電池
28 ホルダ
29 振動子
30 スピーカ
32 下基板
40 上基板
41 天面入力検出部
42 天面用発光部
43 天面キートップ
44 スペーサ
45 天面キーラバー