(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】スリットシート材料が入ったダンネージパッドを製造するダンネージ変換装置
(51)【国際特許分類】
B31D 5/00 20170101AFI20240118BHJP
【FI】
B31D5/00
(21)【出願番号】P 2022554351
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(86)【国際出願番号】 US2021021581
(87)【国際公開番号】W WO2021183570
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-11-08
(32)【優先日】2020-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501132701
【氏名又は名称】ランパック コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】チャイヒ ロバート シー.
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー デニス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】スティナード ブライアン ジェイ.
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-537815(JP,A)
【文献】特表平10-502586(JP,A)
【文献】特表2010-540286(JP,A)
【文献】特表2018-506453(JP,A)
【文献】特開平02-169449(JP,A)
【文献】特開昭60-183136(JP,A)
【文献】国際公開第96/001731(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31D 1/00 - 99/00
B32B 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリットシート材料からダンネージパッドを製造するダンネージ変換装置であって、前記スリットシート材料は、前記スリットシート材料の幅寸法にわたって延びる複数列のスリットを有し、隣り合う列は横方向にオフセットされている、ダンネージ変換装置において、
前記スリットシート材料を未拡張状態のまま供給源から前記幅寸法を横切る下流に向かって第1レートで前進させる前進手段と、
前記前進手段の下流において前記スリットシート材料を拡張する拡張手段であって、前記拡張手段は、前記前進手段の下流において前記幅寸法を横切るように前記スリットシート材料にテンションを掛け、前記スリットを開いて完全に拡張された状態とする、前記拡張手段と、
前記拡張手段の下流において前記スリットシート材料の前記テンションを緩和することにより前記スリットを緩ませて前記完全に拡張された状態から部分的に拡張された状態とする、緩和手段と、
前記部分的に拡張された状態である前記スリットシート材料を少なくとも1つのカバーシートに接続することにより前記ダンネージパッドを形成する、接続手段と、
を含
み、
各スリットは、前記完全に拡張された状態では長さが幅よりも大きい形状に開口し、前記部分的に拡張された状態では幅が長さよりも大きい形状に開口し、
前記前進手段は、前記スリットシート材料を未拡張状態のまま間に挟んで第1の回転数で回転することにより前記スリットシート材料を下流に向かって前進させる、一対の対向するグリップローラを含み、
前記拡張手段は、前記スリットシート材料と係合して第2の回転数で回転するように構成された一対の拡張ローラを含み、前記第2の回転数が前記第1の回転数よりも高いことで前記グリップローラと前記拡張ローラの間の領域において前記スリットシート材料に伸張力を発生させると共に、前記スリットシート材料を下流に向かって更に前進させ、前記伸張力によって前記スリットシート材料が拡張して完全に拡張された状態となり、
前記接続手段及び前記緩和手段は、前記一対の拡張ローラの下流に設けられた一対の緩和ローラで提供され、
前記一対の緩和ローラは、前記スリットシート材料と係合して第3の回転数で回転するように構成され、
前記第3の回転数を前記第2の回転数よりも低くすることで、前記拡張ローラと前記緩和ローラの間の領域で前記スリットシート材料の前記伸張力を緩和すると共に、前記スリットシート材料を下流に向かって更に前進させ、
前記一対の緩和ローラは、カバーシートに対して前記スリットシート材料を前記部分的に拡張された状態のまま捕捉することで前記ダンネージパッドを形成する、
ダンネージ変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載のダンネージ変換装置であって、
使用するために、前記ダンネージパッドを個別の長さに切り分ける切り分け手段を更に含む、
ダンネージ変換装置。
【請求項3】
スリットシート材料からダンネージパッドを製造するダンネージ変換装置であって、前記スリットシート材料は、前記スリットシート材料の幅寸法にわたって延びる複数列のスリットを有し、隣り合う列は横方向にオフセットされている、ダンネージ変換装置において、
一対のグリップローラであって、前記一対のグリップローラは、前記一対のグリップローラの間に前記スリットシート材料を未拡張状態のままグリップして第1の回転数で回転することにより、前記スリットシート材料を前記幅寸法を横切る下流に向かって前進させる、前記一対のグリップローラと、
前記一対のグリップローラの下流にある一対の拡張ローラであって、前記一対の拡張ローラは前記スリットシート材料に係合して第2の回転数で回転するように構成され、前記第2の回転数が前記第1の回転数よりも高いことで前記グリップローラと前記拡張ローラの間の領域において前記スリットシート材料に前記幅寸法を横切る伸張力を発生させると共に、前記スリットシート材料を下流に向かって更に前進させ、前記伸張力によって前記スリットシート材料が拡張して完全に拡張された状態となる、前記一対の拡張ローラと、
前記一対の拡張ローラの下流にある一対の緩和ローラであって、前記一対の緩和ローラは、前記スリットシート材料に係合して第3の回転数で回転するように構成され、前記第3の回転数が前記第2の回転数よりも低いことで、前記拡張ローラと前記緩和ローラの間の領域で前記スリットシート材料の前記伸張力を緩和すると共に、前記スリットシート材料を下流に向かって更に前進させ、前記伸張力の緩和は前記スリットシート材料を緩ませて部分的に拡張された状態とし、前記一対の緩和ローラは、カバーシートに対して前記スリットシート材料を前記部分的に拡張された状態のまま捕捉することで前記ダンネージパッドを形成する、前記緩和ローラと、
を含み、
各スリットは、前記完全に拡張された状態では長さが幅よりも大きい形状に開口し、前記部分的に拡張された状態では幅が長さよりも大きい形状に開口する、
ダンネージ変換装置。
【請求項4】
請求項3に記載のダンネージ変換装置であって、
前記一対のグリップローラ、前記一対の拡張ローラ、及び、前記一対の緩和ローラを支持するハウジングと、
前記ハウジングの上流端に形成され、前記スリットシート材料の供給源から前記スリットシート材料を前記未拡張状態のまま受け入れるように構成された、開口と、
前記ハウジングの下流端に形成され、形成された前記ダンネージパッドを搬送する、排出口と、
を更に含む、
ダンネージ変換装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のダンネージ変換装置であって、
前記一対の緩和ローラは、前記一対の緩和ローラの間において、前記部分的に拡張された状態の前記スリットシート材料の両面にトップカバーシート及びボトムカバーシートが来るように、前記トップカバーシートをトップカバーシート材料の供給源から受け入れ、前記ボトムカバーシートをボトムカバーシート材料の供給源から受け入れる、
ダンネージ変換装置。
【請求項6】
請求項5に記載のダンネージ変換装置であって、
前記一対の緩和ローラは、前記トップカバーシートの外周の少なくとも一部と前記ボトムカバーシートの外周の少なくとも一部を、前記部分的に拡張された状態の前記スリットシート材料の外周の少なくとも一部を間に挟むように、互いに固定することにより、前記スリットシート材料を前記部分的に拡張された状態のまま前記トップカバーシート及び前記ボトムカバーシートの間に捕捉するように構成されている、
ダンネージ変換装置。
【請求項7】
請求項6に記載のダンネージ変換装置であって、
前記トップカバーシートの前記外周の前記少なくとも一部と、前記ボトムカバーシートの前記外周の前記少なくとも一部と、は何れも粘着コーティングを有し、
前記緩和ローラは、前記トップカバーシートの前記外周の前記少なくとも一部と、前記ボトムカバーシートの前記外周の前記少なくとも一部と、の前記粘着コーティングされた部分を共にプレスすることで、前記トップカバーシートの前記外周の前記少なくとも一部と、前記ボトムカバーシートの前記外周の前記少なくとも一部と、を互いに接着する、
ダンネージ変換装置。
【請求項8】
請求項3から7までの何れか1項に記載のダンネージ変換装置であって、
前記一対の緩和ローラは、前記一対の緩和ローラの間に剥離シートを剥離シートの供給源から受け取ると共に、前記スリットシート材料と少なくとも1つのカバーシートの間に受け取るように、構成されている、
ダンネージ変換装置。
【請求項9】
請求項8に記載のダンネージ変換装置であって、
前記剥離シートの幅寸法は、前記カバーシートの幅寸法よりも小さく、前記部分的に拡張された状態の前記スリットシート材料の幅寸法よりも小さい、
ダンネージ変換装置。
【請求項10】
請求項3から9までの何れか1項に記載のダンネージ変換装置であって、
前記緩和ローラの下流において前記ダンネージ変換装置に搭載された切断装置を更に含み、前記切断装置は前記ダンネージパッドが所望の長さ分形成された後に前記ダンネージパッドを切断するように構成されている、
ダンネージ変換装置。
【請求項11】
スリットシート材料からダンネージパッドを製造するシステムであって、前記スリットシート材料は、前記スリットシート材料の幅寸法にわたって延びる複数列のスリットを有し、隣り合う列は横方向にオフセットされている、前記システムにおいて、
請求項3から10までの何れか1項に記載の前記ダンネージ変換装置と、
前記第1の回転数、前記第2の回転数、前記第3の回転数を維持するように構成されたコントローラと、
前記ダンネージ変換装置への搬送、及び、前記ダンネージパッドの形成のための、シートストック材料の供給源と、
を含む、
システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、
シートストック材料の前記供給源は、
前記一対のグリップローラの間に前記スリットシート材料を未拡張状態のまま搬送する、前記スリットシート材料の供給源と、
前記一対の緩和ローラの間に前記カバーシートを搬送する、
前記カバーシートの供給源と、
を含む、
システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、
スリットシート材料の前記供給源、及び、
前記カバーシートの前記供給源は、ロールのかたちで提供される、
システム。
【請求項14】
請求項11に記載のシステムであって、
前記スリットシート材料及び
前記カバーシートの少なくとも何れかは紙製である、
システム。
【請求項15】
請求項11に記載のシステムであって、
前記スリットシート材料及び
前記カバーシートの少なくとも何れかはクラフト紙製である、
システム。
【請求項16】
スリットシート材料からダンネージパッドを製造する方法であって、前記スリットシート材料は、前記スリットシート材料の幅寸法にわたって延びる複数列のスリットを有し、隣り合う列は横方向にオフセットされている、前記方法は、
前記スリットシート材料を未拡張状態のまま供給源から前記幅寸法を横切る下流に向かって第1レートで前進させる、前進ステップと、
前記幅寸法を横切るように前記スリットシート材料にテンションを掛け、前記スリットを開いて完全に拡張された状態とする、生成ステップと、
前記生成ステップ後において、前記スリットシート材料の前記テンションを緩和することにより前記スリットを緩ませて前記完全に拡張された状態から部分的に拡張された状態とする、緩和ステップと、
前記部分的に拡張された状態である前記スリットシート材料を少なくとも1つのカバーシートに接続することにより前記ダンネージパッドを形成する、接続ステップと、
を含
み、
各スリットは、前記完全に拡張された状態では長さが幅よりも大きい形状に開口し、前記部分的に拡張された状態では幅が長さよりも大きい形状に開口し、
前記前進ステップは、前記スリットシート材料を未拡張状態のまま第1の回転数で回転する一対のグリップローラの間で送り、前記スリットシート材料を下流に向かって前進させ、
前記生成ステップは、第2の回転数で回転する一対の拡張ローラの間で前記スリットシート材料を引っ張ることで、前記スリットシート材料を完全に拡張された状態となるように拡張することを含み、前記第2の回転数が前記第1の回転数よりも高いことで前記グリップローラと前記拡張ローラの間の領域において前記スリットシート材料に伸張力を発生させると共に、前記スリットシート材料が拡張して前記完全に拡張された状態に移行しながら前記スリットシート材料を下流に向かって更に前進させ、
前記緩和ステップは、第3の回転数で回転する一対の緩和ローラの間で前記スリットシート材料を引っ張ることで前記スリットシート材料を緩ませて部分的に拡張した状態とすることを含み、前記第3の回転数を前記第2の回転数よりも低くすることで、前記拡張ローラと前記緩和ローラの間の領域で前記スリットシート材料の前記伸張力を緩和すると共に、前記伸張力の緩和が前記スリットシート材料を緩ませて前記部分的に拡張された状態としながら前記スリットシート材料を下流に向かって更に前進させ、
前記接続ステップは、トップカバーシートとボトムカバーシートの間に前記スリットシート材料を前記部分的に拡張された状態で捕捉することで前記ダンネージパッドを形成する、
方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記ダンネージパッドが所望の長さ分形成された後に前記ダンネージパッドを切断する切断ステップを更に含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、ダンネージ変換システムの分野に関するものであり、より具体的には、ダンネージ変換装置およびシート材料の供給を比較的平坦なダンネージパッドに変換する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ある場所から別の場所へ物品を出荷するために、包装容器に物品を梱包する過程で、通常、保護包装材(ダンネージ製品)が物品と共に包装容器に入れられる。ダンネージ製品は、空所を埋めるため、または出荷プロセス中に物品をクッションするために含まれる。ペーパーパッキングマテリアルは、リサイクル可能で生分解性があり、再生可能な資源で構成された、環境に優しいパッキングマテリアルである。シート状の紙は保護包装材として使用できる可能性があるが、シートを低密度のダンネージ製品に変換することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、拡張可能なスリットシート梱包材は、スリットシート材、スリットシートストック材、ダイカットシートストック材、またはスリット材とも呼ばれ、物品を包むための緩衝材として、またパッケージのボイド充填材として有用である。スリットシート材料は、スリットシート材料の幅寸法に沿って概ね平行に配列された複数のスリットを持ち、各列のスリットは隣接する列のスリットからオフセットされている。このスリットシート材に長さ方向または長さ方向に伸張力を加えると、スリットシート材は幅が縮小する一方で長さと厚さの両方で拡張し、体積が増加し、密度も同等に減少する。したがって、ここでいう拡張とは、3次元拡張または体積拡張を指す。このようなスリットシート紙梱包材およびその製造は、米国特許第5,667,871号および第5,688,578号により詳細に説明されており、その開示は、その全体が参照によりここに組み込まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、カバーシートに対して、またはトップカバーシートとボトムカバーシートとの間に捕捉された部分的に拡張した状態のスリットシート材料を有する比較的平坦なダンネージパッドを製造するためのダンネージ変換装置について説明する。捕捉してカバーシートに固定してダンネージパッドを形成する前に、未拡張状態のスリットシート材料を完全に拡張させ、引き伸ばしたり張力をかけたりして、スリットシート材料を非弾性的に変形させ、体積を増加させ、密度を同等に減少させる。1枚以上のカバーシートを完全に拡張した状態で捕捉して固定すると、完全に拡張されたスリットシート材料は、スリットシート材料が平らにならないように歪んだり、ねじれたりする傾向がある。したがって、結果として生じるダンネージパッドは比較的平坦ではない。したがって、完全に拡張したスリットシート材料は、捕捉されてカバーシートまたはカバーシートに固定される前に、部分的に拡張した状態に緩和される。部分拡張状態または緩和状態では、スリットシート材料は、未拡張状態のスリットシート材料と比較して体積の増加と同等の密度の減少を維持しながら、比較的平坦な構成で静止する。部分的に拡張されたスリットシート材料が捕捉され、カバーシートに固定されると、その組み合わせは、部分的に拡張された状態のスリットシート材料の厚さによって実質的に定義される厚さを持つ、比較的平坦な、または平面のダンネージパッドを形成する。ダンネージパッドは、例えば、梱包箱やバッグの断熱材やライナーとして使用することができる。
【0005】
このように、典型的なスリットシート材は、隣接する列が横方向にオフセットされてシートの幅寸法を横断して延びる複数のスリット列を有しており、スリットシート材からダンネージパッドを製造するための典型的なダンネージ変換装置は、(1)スリットシート材を幅寸法を横断する下流方向の供給源から未拡張状態で第1のレートで前進させる手段、(2)前進手段の下流に向かってスリットシート材を拡張させる手段、拡張手段は、前進手段の下流の幅寸法を横断するスリットシート材に張力を生じさせ、スリットを完全に拡張させた状態に開く手段を含む、(3)拡張手段の下流にあるスリットシート材の張力を低下させ、スリットを完全拡張状態から部分拡張状態に緩和させる手段、(4)部分的に拡張した状態のスリットシート材を少なくとも1枚のカバーシートに接続し、ダンネージパッドを形成する手段、を含む。
【0006】
上記のダンネージ変換装置の例示的な実施形態は、使用するために、前記ダンネージパッドを個別の長さに切り分ける切り分け手段を更に含む。
【0007】
上記のダンネージ変換装置の1つ以上のさらなる実施形態では、a)前進手段は、未拡張状態でスリットシート材料をその間に挟み、第1の回転数で回転してスリットシート材料を下流方向に前進させるように構成された一対の対向グリップローラを含む。b)拡張手段には、スリットシート材に係合して第2の回転数で回転するように構成された一対の拡張ローラが含まれ、第2の回転数は、第1の回転数よりも速く、グリップローラと拡張ローラの間の領域でスリットシート材に伸張力を生じさせ、下流方向にスリットシート材をさらに前進させる。この場合、伸張力は、スリットシート材を完全に拡張した状態に拡張させる。またはc)緩和手段は、拡張ローラのペアの下流にある一対の緩和ローラによって提供され、緩和ローラのペアは、スリットシート材料を係合させ、第3の回転数で回転するように構成され、第3の回転数は、第2の回転数よりも遅くなって、拡張ローラと緩和ローラの間の領域でスリットシート材料への伸張力を緩和させ、下流方向にスリットシート材料をさらに前進させるように構成され、ここで、伸張力の緩和は、スリットシート材料を部分的に拡張した状態に緩和させ、緩和ローラのペアは、カバーシートに対して部分的に拡張した状態のスリットシート材料を捕捉してダンネージパッドを形成するように構成されている。
【0008】
スリットシート材からダンネージパッドを製造するためのもう一つの例示的なダンネージ変換装置は、(1)幅寸法を横断する下流方向にスリットシート材を前進させるために、拡張させない状態でスリットシート材をその間に挟み、第1の回転数で回転するように構成された一対のグリップローラを含む。(2)1対のグリップローラの下流に1対の拡張ローラがあり、1対の拡張ローラは、スリットシート材と係合し、第2の回転数で回転するように構成されており、第2の回転数は、第1の回転数よりも速く、グリップローラと拡張ローラの間の領域で、幅寸法を横断するスリットシート材に伸張力を生じさせ、下流方向にスリットシート材をさらに前進させ、この伸張力により、スリットシート材は完全に拡張した状態に拡張する。(3)拡張ローラ対の下流側に1対の緩和ローラがあり、1対の緩和ローラ対は、スリットシート材に係合して第3の回転数で回転し、第3の回転数が第2の回転数よりも遅いことにより、拡張ローラと緩和ローラとの間の領域におけるスリットシート材への伸張力を低減して、スリットシート材をさらに下流方向に前進させ、伸張力の低減により、スリットシート材を部分的に拡張した状態に緩和し、1対の緩和ローラ対は、カバーシートに対して部分的に拡張した状態のスリットシート材を捕捉して、ダンネージパッドを形成するように構成されている。
【0009】
ダンネージ変換装置の1つ以上の実施形態は、一対のグリップローラ、一対の拡張ローラ、および一対の緩和ローラを支持するハウジングを含む。ハウジングの上流端には、スリットシート材料の供給から拡張していない状態でスリットシート材料を受け取るように構成された開口部があり、ハウジングの下流端には、形成されたダンネージパッドを送り出すための排出口があってもよい。
【0010】
ダンネージ変換装置の1つ以上の実施形態では、a)緩和ローラのペアは、トップカバーシート材料の供給からトップカバーシートを受け取り、ボトムカバーシート材料の供給からボトムカバーシートをその間で、部分的に拡張されたスリットシート材料の両面で受け取るように構成されている。b)緩和ローラのペアは、トップカバーシートの少なくとも一部の周辺部とボトムカバーシートの少なくとも一部の周辺部を互いに固定することにより、トップカバーシートとボトムカバーシートの間の部分的に拡張した状態でスリットシート材料を捕捉するように構成されており、部分的に拡張した状態のスリットシート材料の少なくとも一部の周辺部がその間に固定されている。c)トップカバーシートの少なくとも一部の周辺部とボトムカバーシートの少なくとも一部の周辺部には、それぞれ粘着コーティングが施されており、緩和ローラは、粘着コーティングされた部分を押し合わせることによって、トップカバーシートの少なくとも一部の周辺部とボトムカバーシートの少なくとも一部の周辺部を互いに接着するように構成されている。d)緩和ローラのペアは、スリットシート材と少なくとも1枚のカバーシートの間に、剥離シートの供給源から剥離シートを受け取るように構成されている。またはe)剥離シートの幅が、カバーシートの幅および部分的に拡張した状態のスリットシート材の幅のそれぞれよりも小さい。
【0011】
ダンネージ変換装置の1つ以上の実施形態は、緩和ローラの下流のダンネージ変換装置に取り付けられた切断装置を含み、この切断装置は、所望の長さが形成された後にダンネージパッドを切断するように構成されている。
【0012】
スリットシート材からダンネージパッドを製造するシステムの例としては、上記のようなダンネージ変換装置、第1の回転数、第2の回転数、第3の回転数を維持するように構成されたコントローラがある。また、ダンネージ変換装置への搬送とダンネージパッドの形成のためのシートストック材料の供給を受ける。
【0013】
システムの1つ以上の実施例では、シートストック材料の供給には、一対のグリップローラの間に拡張されていない状態でスリットシート材料を配送するためのスリットシート材料の供給と、一対の緩和ローラの間にカバーシートを配送するためのカバーシート材料の供給が含まれる。
【0014】
スリットシート材の供給とカバーシート材の供給はロールの形で提供することもできるし、少なくとも1つのスリットシート材とカバーシート材は紙製であってもよいし、少なくとも1つのスリットシート材とカバーシート材はクラフト紙製であってもよい。
【0015】
スリットシート材料からダンネージパッドを製造するための代表的な方法は、以下のステップを含む:(1)幅寸法を横断する下流方向の供給から、スリットシート材料を未拡張状態で前進させる。(2)幅寸法を横断するスリットシート材料に張力を発生させ、スリットを完全に拡張した状態で開く;(3)作成工程後のスリットシート材の張力を低下させ、スリットを完全に拡張した状態から部分的に拡張した状態に緩和させる。(4)部分的に拡張した状態のスリットシート材を少なくとも1枚のカバーシートに接続し、ダンネージパッドを形成する。
【0016】
この方法の1つ以上の実施形態では、前進ステップは、スリットシート材料を第1の回転数で回転する一対のグリップローラの間に未拡張状態で供給して、スリットシート材料を下流方向に前進させることを含み、生成ステップは、第2の回転数で回転する一対の拡張ローラの間にスリットシート材料を引っ張ることによって、スリットシート材料を完全に拡張状態に拡張させることを含み、第2の回転数は、第1の回転数よりも速く、グリップローラと拡張ローラの間の領域でスリットシート材料に伸張力を生じさせ、完全に拡張した状態に拡張するにつれて、スリットシート材料を下流方向にさらに前進させることを含む。そして、第3の回転数で回転する一対の緩和ローラの間にスリットシート材を引き込むことで、第3の回転数が第2の回転数より遅くなることで、スリットシート材を部分拡張状態に緩ませることで、拡張ローラと緩和ローラの間の領域でスリットシート材にかかる伸張力を低減し、伸張力の低減によってスリットシート材を部分拡張状態に緩ませながら、スリットシート材をさらに下流方向に前進させる緩和ステップである。接続ステップには、トップカバーシートとボトムカバーシートの間の部分的に拡張した状態でスリットシート材料を捕捉し、ダンネージパッドを形成することが含まれる。
【0017】
この方法の1つ以上の実施例は、所望の長さのダネージパッドが形成された後に、ダネージパッドを切断するステップをさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1は、内部に部分的に拡張した状態のスリットシート材を有するダンネージパッドを製造するためのシステムの概略レイアウトである。
図2は、未拡張状態の典型的なスリットシート材料の斜視図である。
図3Aは、完全に拡張した状態の典型的なスリットシート材料の斜視図である。
図3Bは、完全に拡張された状態のスリットシート材料のスリットの概略図である。
図4Aは、部分的に拡張した状態の典型的なスリットシート材料の斜視図である。
図4Bは、部分的に拡張した状態のスリットシート材料のスリットの概略図である。
図5は、例示的なダンネージパッドの斜視図である。
図6Aは、内部にスリットシート材料を有するダンネージパッドを製造するための例示的なシステムの斜視図である。
図6Bは、
図6Aに示された例示的システムの別の斜視図である。
図6Cは、
図6A-Bのシステムにおける抵抗部材の斜視図である。
図7は、例示的なダンネージ変換装置の断面斜視図である。
図8は、内部に部分的に拡張した状態のスリットシート材を有するダンネージパッドの製造方法の概略レイアウトである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
代表的なスリットシート材は、隣接する列が横方向にオフセットされてシートの幅寸法を横断して延びる複数のスリット列を有しており、スリットシート材からダンネージパッドを製造するための代表的なダンネージ変換装置は、(1)スリットシート材を幅寸法を横断する下流方向の供給から未拡張状態で第1のレートで前進させる手段、(2)前進手段の下流に向かってスリットシート材を拡張させる手段、前進手段の下流に向かってスリットシート材に張力を発生させ、前進手段の下流の幅寸法を横断してスリットを完全に拡張させる手段を含む。(3)拡張手段の下流にあるスリットシート材の張力を低下させ、スリットを完全拡張状態から部分拡張状態に緩和させる手段;および(4)は、部分的に拡張した状態のスリットシート材を少なくとも1枚のカバーシートに接続して、カーリングの問題が緩和または解消された平らに横たわるダンネージパッドを形成する手段である。
【0020】
ここで図面に目を向け、最初に
図1を参照すると、
図1は、部分的に拡張した状態のスリットシート材14を有するダンネージパッド12を製造するための例示的なシステム10の一般的な概略図を示している。システム10は、ダンネージ変換装置18に引き渡すためのシートストック材料の供給源16を含む。
図7を参照してより詳細に説明するダンネージ変換装置18は、シートストック材料の供給源16を結果として得られるダンネージパッド12に変換するように構成された変換アセンブリ15を有する。ダンネージ変換装置18は、変換アセンブリ15によって所望の長さのダンネージパッド12が形成された後、ダンネージパッド12を切断または分離するための切断装置19または他の手段を含むことができる。システム10はまた、ダンネージ変換装置18の動作を制御するためのコントローラ13を含むことができる。コントローラ13は、ダンネージ変換装置18自体の一部である場合もあれば、ダンネージ変換装置18とは別に設けられる場合もある。
【0021】
ダンネージ変換装置18に供給され、ダンネージパッド12を形成するために使用されるシートストック材料16の供給には、拡張可能な非拡張スリットシート材料の供給源20が含まれる。つまり、拡張可能な非拡張スリットシート材料の供給源20のスリットシート材14は、未拡張状態にある。スリットシート材14は、完全に拡張した状態まで拡張可能であり、その後、部分的に拡張した状態まで緩和可能であり、そこでは、トップカバーシートの供給源26によって提供されるトップカバーシートと、ボトムカバーシートの供給源28によって提供されるボトムカバーシートとの間で捕捉される。
【0022】
スリットシート材14は、クラフト紙などの紙を含むことができ、典型的には単層のクラフト紙を含む。適切なクラフト紙は、例えば20ポンドや40ポンドのような様々な基準重量を持つことができる。紙自体は、0から100%のリサイクル素材でできている場合がある。いくつかの実施形態では、スリットシート材料は、ラミネートされていてもよく、または別の紙、プラスチックシート、金属箔、またはそれらの任意の組み合わせなどの他の適切な材料を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、スリットシート材料は紙を含まない場合がある。
【0023】
図2から
図4Bを参照すると、様々な拡張状態の典型的なスリットシート材14が示されている。
図2は、拡張可能な非拡張スリットシート材料の供給源20から供給されるため、未拡張状態63のスリットシート材14を示している。スリットシート材14は、複数のスリット22が、複数のスリット22の縦方向に間隔を置いた(すなわち、スリットシート材14の長さLmに沿って)横方向に延びる(すなわち、スリットシート材14の幅Wmに沿って)列24に配置されている。各列24のスリット22は、隣接する列24のスリット22から幅寸法に沿って概ねオフセットされている。スリットシート材14は、スリット22または異なるシート厚(すなわち、
図2、
図3A、
図4Aに示す斜視図における紙の面に垂直な寸法)の多くの代替配置のいずれかを有することができる。スリット22の異なる配置には、互いに相対的な列24の異なる配置、異なるサイズのスリット22、スリット22間の異なる間隔、隣接するスリット22に対する角度の位置付けなどの異なるスリット形状またはスリット位置のいずれかまたは複数を含めることができる。スリット22は、スリットシート材14の幅Wmにわたって断続的にスリットシート材14を切断するなどして穿孔するか、または弱めて形成することができる。
【0024】
スリット22の列24は、一般的に互いに平行であり、一般的に周期的に、典型的には等間隔で、互いに縦方向に間隔を置いている。スリット22は、断続的ではあるが周期的に列24に分散しており、各列24のスリット22は、直接隣接する列24のスリット22に対して一般的に千鳥状になっている。スリット22の各列24にわたって、各スリット22の間に配置された非スリット領域の長さを合わせたものよりも、組み合わせたスリット領域の長さが長くなることがあり、スリットシート材14の最適な拡張量を提供する。スリットシート材14は、一次元以上に拡張するように構成されている。つまり、幅方向に延びるスリット22を挟んで、スリットシート材14に縦方向の伸張力(張力)が加わると、スリットシート材14の体積拡張が発生する。
【0025】
図3Aは、縦方向(すなわち、スリットシート材14の長さLmに沿って)に伸張力が加わったときの、完全に拡張した状態65のスリットシート材14を示している。伸張力を加えると、未拡張状態63のスリットシート材14と比較して、スリットシート材14の長さLmは増加し、幅Wmは減少する。具体的には、スリットシート材14に長手方向に伸張力を加えると、
図3Bに示すように、スリット22の長手方向両側のスリットシート材14の領域が引き離され、スリット22は、スリット22の長さLsがスリットの幅Wsよりも大きい形状に開口する。
【0026】
スリットシート材14に縦方向に伸張力が加わると、未拡張状態63では、スリット22間のスリットシート材14の一部が、スリットシート材14の前の直線面に対して回転する。これにより、スリットシート材14の厚さも、スリットシート材14の回転領域が、スリットシート材14の前の直線面を超えて延長または突出するにつれて増加する。したがって、完全に拡張した状態65のスリットシート材14の厚さは、このように引き伸ばされた場合、拡張していない状態63のスリットシート材14の厚さより一桁以上大きくなる可能性がある。
【0027】
また、スリットシート材14に縦方向の伸張力が加わり、スリットシート材14が完全に拡張した状態65に拡張すると、スリットシート材14は非弾性的に変形する。この非弾性変形により、スリットシート材14は拡張状態のままとなり、スリットシート材14が以前の未拡張状態63に戻る傾向が減少する。言い換えれば、加えられる伸張力は、スリットシート材14を弾性限界を超えて拡張させるのに十分である。
【0028】
完全拡張状態65では、伸張力によってスリットシート材14に生じる張力により、スリットシート材14は、スリットシート材14の幅Wmに沿った様々な場所で、反り、ねじれ、凝縮を起こしやすい。このため、完全に拡張された状態65のスリットシート材14は、通常、拡張されていない状態63の場合のように平らにはならない。また、スリットシート材14を完全に拡張した状態65で別のシートに固定すると、結果として生じるダンネージ製品も歪んだり、ねじれたりする。したがって、比較的平坦でありながら拡張したスリットシート材14を実現するために、ダンネージ製品に固定される前に、完全に拡張した状態65まで引き伸ばされた後に、スリットシート材14に加えられる伸張力を緩和させることによって、スリットシート材を部分的に拡張した状態67まで緩めることができる。
【0029】
図4Aは、縦方向の伸張力が緩和したときの、部分拡張状態67のスリットシート材14を示している。伸張力が低下すると、完全拡張状態65のスリットシート材14と比較して、スリットシート材14の長さLmは減少し、幅Wmは増加する。具体的には、スリットシート材14の長手方向の伸張力を小さくすると、
図4Bに示すように、スリット22の長手方向の両側のスリットシート材14の領域が接近し、開いたスリット22が部分的に長さLsよりも幅Wsが長い形状に閉じる。しかし、スリットシート材14を完全拡張状態65に引き伸ばすことで生じる非弾性変形により、スリットシート材14が完全拡張状態65から緩められても、スリットシート材14は未拡張状態63には戻らない。むしろ、スリットシート材14は、完全に拡張した状態65から部分的に拡張または緩和した状態67に緩められる。
【0030】
図1に戻ると、シートストック材料の供給源16には、ダンネージパッド12用のトップカバーシート材料の供給源26と、オプションでボトムカバーシート材料の供給源28を含めることもできる。シートストック材料の供給源16には、剥離シート材料の供給源30を含めることもできる。例えば、例示的なダンネージパッド12は、
図5に示されており、トップカバーシート材料の供給源26から供給されるトップカバーシート32、スリットシート材料の供給源20から供給されるスリットシート材14、剥離シート材料の供給源30から供給される剥離シート36、およびボトムカバーシート材料の供給源28から供給されるボトムカバーシート34で形成されている。別の実施形態では、ダンネージパッド12は、一層以上のスリットシート材14を有することができる。剥離シート36は、比較的厚いダンネージパッド12を形成するために、スリットシート材14の層が互いに入れ子にならないように含めることができる。代わりに、または追加的に、剥離シート36を含めて、形成されたダンネージパッド12に追加の絶縁またはクッションを提供し、それによってダンネージパッド12の熱的、保護的、およびクッション性を保持および強化することができる。
【0031】
トップカバーシート32、ボトムカバーシート34、剥離シート36は、一般的にスリットが入っていない。トップカバーシート32、ボトムカバーシート34、および剥離シート36のいずれかは、紙(例えばクラフト紙、ティッシュペーパーなど。)、プラスチックシート、金属箔、またはこれらの任意の組み合わせなど、任意の適切なシート材料であってもよい。
【0032】
システム10のそれぞれの供給品20、26、28、および30は、それぞれのシートストック材料14、32、34、および36のロールの形で提供することができる。
図6A及び
図6Bに示されている例示的なシステム10では、ダンネージ変換装置18と補給品20、26、28、30が共通フレーム49に搭載されている。図示するように、サプライ20、26、28、および30は、それぞれのシートストック材料14、32、34、および36のロールの形で提供される。図の実施例では、それぞれのシートストック材料14、32、34、および36は、それぞれ別々に中空のコア(代表的には50で示されている)に巻き付けられ、フレーム(代表的には52で示されている)に結合されたスピンドル、シャフト、またはその他の供給サポート上で受け取ることができる。この配置では、シートストック材14、32、34、36は、それぞれのロールの中心軸を中心に回転し、シートストック材14、32、34、36がそれぞれのロールから供給方向に巻き戻され、中心軸を横断するように、それぞれのシートストック材14、32、34、36の幅寸法に平行になる。各ロールの中空コア50は板紙製でもよい。
【0033】
ロールの一つまたは複数は、中空コア50に動作可能に接続され、フレーム49に固定された抵抗部材を含み、シートストック材料14、32、34、および36がそこから巻き取られるときにロールへの調整可能な摩擦抵抗を提供することができる。この摩擦抵抗により、変換装置18が停止したときにシートストック材14、32、34、および36がオーバーランしてそれぞれのロールから巻き取られ続ける度合いを防止または低減し、各シートストック材14、32、34、および36がそれぞれのロールから引き出されるときに適切な張力が確実に適用されるようにする。この適切な張力と抵抗がなければ、シートストック材14、32、34、および36は、それぞれのロールから制御されていない一貫性のない方法で巻き取られる可能性があり、その結果、巻き取られたシートストック材14、32、34、および36が過剰に巻き取られたり、シートストック材14、32、34、および36が引き裂かれたりして、変換プロセスに干渉し、結果として得られるダンネージ製品の品質が低下する可能性がある。
【0034】
代表的な抵抗部材を
図6Cにおいて代表的に符号70で示している。図の実施例では、抵抗部材70は、一方の端でフレームに固定され(図には示されていない)、もう一方の端でロールの中空コア50に固定されたベルト保持部材74に巻き付けられたベルト72を含む。ベルト保持部材74は、各シートストック材14、32、34、36がロールから巻き取られる際に、ベルト保持部材74が中空コア50とともに回転するように構成されるように、ロールの中空コア50に固定される。ベルト保持部材74が回転(シートストック材14、32、34、および36がそれぞれのロールから引き出されたり、引き出されたりするとき)すると、ベルト72とベルト保持部材74との間に摩擦が生じ、巻き戻しに対する抵抗が生じる。
【0035】
他の実施形態では、それぞれの供給品20、26、28、および30は、扇形に折り畳まれたスタックのような別の適切な配置で追加的または代替的に提供されてもよく、その場合、それぞれのシートストック材料14、32、34、および36は交互に折り畳まれて、ほぼ長方形のページのスタックになる。
【0036】
次に
図7を参照して、代表的なダンネージ変換装置18をより詳細に説明する。
図7は、ダンネージ変換装置18の断面を、シートストック材の供給源16とともに示している。具体的には、図の実施形態では、シートストック材料の供給源16には、前述のロール状で提供される、スリットシート材料の供給源20、トップカバーシート材料の供給源26、ボトムカバーシート材料の供給源28、および剥離材料の供給源30が含まれる。
【0037】
図示のダンネージ変換装置18は、変換アセンブリ15のハウジング54と切断装置19を含む。変換アセンブリ15は、ハウジング54に取り付けられた少なくとも三組のローラを含む。各一対のローラは、スリットシート材14を前進させるように構成され、それらが協力して、スリットシート材14をハウジング54を通して上流端39から下流端41(ここでは「下流方向」と呼ぶ)まで前進させる。具体的には、一対のグリップローラ42と、一対のグリップローラ42の下流に取り付けられた一対の拡張ローラ44と、一対の拡張ローラ44の下流に取り付けられた一対の緩和ローラ46がある。一対のグリップローラ42、一対の拡張ローラ44、および一対の緩和ローラ46は、すべて同じ縦断面に整列されていてもよく、その結果、スリットシート材14は、その縦断方向に沿って直線的にハウジング54を通って前進することができる。変換アセンブリ15内のローラ42、44、46の下流では、変換アセンブリ15によって所定の長さのダンネージパッド12が形成された後、ダンネージパッド12を切断するための切断装置19がハウジング54内に取り付けられている。ダンネージ変換装置18はまた、ハウジング54内に、スリットシート材14、トップカバーシート32、ボトムカバーシート34、および剥離シート36を受けて変換装置18を介して前進する際に、それらを支持または誘導するためにその中に取り付けられた一つ以上のガイド部材47を含めることができる。
【0038】
スリットシート材14、トップカバーシート32、ボトムカバーシート34、および剥離シート36がそれぞれの供給物20、26、28、および30からダンネージ変換装置18までたどる経路が、ハッシュされた矢印の線で概略的に描かれている。具体的には、図に示すように、ハウジング54は、スリットシート材料の供給源20からスリットシート材14を受け取るために、上流端39に位置する第一または入口開口部38を有することができる。入口開口部38は、一対のグリップローラ42に隣接して、かつ、一対のグリップローラ42の上流側に同じ直線面に配置することができる。入口開口部38からハウジング54に入った後、一対のグリップローラ42の間にスリットシート材14が引き込まれる。
【0039】
ハウジング54はさらに、ボトムカバーシート材料の供給源28からボトムカバーシート34を受け、剥離シート材料の供給源30から剥離シート36を受けるための第二の開口部39を有することができる。図の実施例では、2番目の開口部も上流端39に位置し、1番目の開口部38に隣接し、その下にある。ただし、第二の開口部39は、ハウジング54の他の場所に配置することもできるが、一般的には緩和ローラ46の対の上流にある。しかし、いずれの実施形態においても、第二の開口部48は、第一の開口部38がスリットシート材14を受け入れるよりも下の位置から、ボトムカバーシート34と剥離シート36を受け入れるように構成されており、スリットシート材14がハウジング54を通って下流方向に進むにつれて、ボトムカバーシート34と剥離シート36がスリットシート材14の下に残るようになっている。具体的には、ボトムカバーシート34は剥離シート36の下に残り、両者はスリットシート材14の下に残る。第二の開口部39からハウジング54に入った後、ボトムカバーシート34と剥離シート36は、グリップローラ42と拡張ローラ44のペアの両方をバイパスし、代わりに緩和ローラ46のペアによって直接受け取られ、その間に引き込まれ、スリットシート材14の下にある。
【0040】
ハウジング54はまた、トップカバーシート材料の供給源26からトップカバーシート32を受けるための第三の開口部56を含むことができる。図の実施例では、3番目の開口部56は、ハウジング54の上側、グリップローラ42および拡張ローラ44の下流に位置している。ただし、3番目の開口部56は、ハウジング54の他の場所に配置することもできるが、通常は緩和ローラ46のペアの上流にある。いずれの実施形態においても、第三の開口部56は、第一の開口部38がスリットシート材14を受け入れる上方の位置から、スリットシート材14がハウジング54を通って下流方向に前進するときに、トップカバーシート32がスリットシート材14の上方にとどまるように、トップカバーシート32を受け入れるように構成される。3番目の開口部56からハウジング54に入った後、トップカバーシート32もまた、グリップローラ42のペアと拡張ローラ44のペアの両方をバイパスし、代わりに、スリットシート材14の上の緩和ローラ46のペアによって直接受け取られ、その間に引き込まれる。ハウジング54はまた、切断装置19の下流の下流端41に、形成されたダンネージパッド12を排出するための排出口40を含む。
【0041】
ここで、グリップローラ32、拡張ローラ44、緩和ローラ46の構成と動作をより詳細に説明する。ダンネージ変換装置18の上流端39とハウジング54の第一の開口部38の下流側のダンネージ変換装置18には、一対のグリップローラ42が取り付けられている。グリップローラ42のペアは、供給源からスリットシート材料を前進させる手段を提供し、スリットシート材14がスリットシート材料の供給源20からハウジング54の第一の開口部38に入った後、その間にスリットシート材14を受け入れるように構成されている。一対のグリップローラ42は、その間を通過するスリットシート材14の横幅Wmにわたって一定かつ同等の把持力を提供するために、互いにバイアスされている。一対のグリップローラ42は、スリットシート材14を把持し、第1の回転数で回転することにより、ハウジング54を介してスリットシート材14を下流方向に前進させる。
【0042】
グリップローラ42は、スリットシート材14を把持し、一対のグリップローラ42が第1の回転数で回転するとき、第1の回転数でスリットシート材14を下流方向に前進させるのに十分な摩擦材で覆われていてもよいし、そうでなくてもよい。摩擦材料には、ポリ塩化ビニルなどの熱収縮性ポリマーで作られた収縮管状材料が含まれる場合がある。あるいは、摩擦材はゴムスプレーや塗装コーティングを含んでいてもよい。さらに、摩擦材にはビニールテープやゴムが含まれることもある。摩擦材による摩擦やグリップの量には、スリットシート材14の損傷を避けることを除いて理論上の上限はない。そのため、研磨材や粗い素材の使用は避けるべきである。
【0043】
拡張ローラ対44は、グリップローラ対42の下流のダンネージ変換装置18に搭載されている。拡張ローラ対44は、グリップローラ42と協働して、スリットシート材を完全に拡張した状態まで拡張させる手段を提供し、グリップローラ対42からスリットシート材14を下流方向に前進させた後、その間にスリットシート材14を受け入れるように構成されている。一対の拡張ローラ44は、上下方向において一対のグリップローラ42と同一の縦断面上にハウジング内に取り付けてもよく、これにより、スリットシート材14は、その縦断方向において、一対のグリップローラ42から一対の拡張ローラ44まで直線的に前進させることができる。
【0044】
一対の拡張ローラ44は、スリットシート材14と係合し、第2の回転数で回転するように構成されている。第2の回転数は第1の回転数より速い。グリップローラ42と拡張ローラ44の間の回転数のこの違いは、ここでは、グリップローラ42と拡張ローラ44の間の領域でスリットシート材14に伸張力とも呼ばれる張力を作り出す。伸張力は、スリットシート材14を未拡張状態63から完全拡張状態65まで拡張させるのに十分である。したがって、伸張力は、前述のように、スリットシート材14のスリット22の開口、つまり拡張を引き起こす。また、伸張力は、完全に拡張した状態65でスリットシート材14に非弾性変形を生じさせるのに十分な場合もあるが、スリットシート材14を引き裂くのに十分ではない。
【0045】
完全に拡張した状態65でスリットシート材14を押しつぶすことなく、スリットシート材14とかみ合うように、拡張ローラ44にグリップ手段を設けてもよい。グリップ手段は、拡張ローラ44の少なくとも一つの表面に沿って均一に分布する複数の適度に硬い剛毛であってもよい。毛は外側の端にフック手段があり、フックのバーブはリード位置に向けられているため、バーブは拡張ローラ44の回転中に材料のスリットとかみ合う。あるいは、拡張ローラ44は、それぞれの拡張ローラ44の幅と円周の一つ以上にわたって間隔を置いて、その間に拡張したスリットシート材14を密接に係合させることができる。これらの密接した係合部分は、拡張したスリットシート材料の局部的な部分を押しつぶして平らにすることができるが、接触点の外側の完全に拡張した状態65でのスリットシート材14の全体的な厚さを変更することはない。拡張ローラ対44も、これらのいずれかの方法で、または別の方法で、スリットシート材14をさらに下流方向に、緩和ローラ46まで前進させるように構成されている。
【0046】
拡張ローラ対44の下流のダンネージ変換装置18には、緩和ローラ対46が搭載されている。緩和ローラ対46は、拡張ローラ44と協調して、スリットシート材の張力を低減する手段を提供し、スリットシート材14を拡張ローラ対44から下流方向に前進させた後、その間にスリットシート材14を受け入れるように構成されている。緩和ローラ対46は、拡張ローラ対44と同じ長手面に取り付けて、スリットシート材14をその長手方向に、拡張ローラ対44から緩和ローラ対46まで直線的に前進させることができる。
【0047】
一対の緩和ローラ46は、スリットシート材14と係合し、第3の回転数で回転するように構成されている。第3の回転数は第2の回転数よりも遅い。この拡張ローラ44と緩和ローラ46の回転数の差によって、拡張ローラ44と緩和ローラ46の間の領域でスリットシート材14にかかる伸張力が緩和する。この伸張力の緩和により、スリットシート材14は完全に拡張した状態65から部分的に拡張した状態67に緩和される。したがって、伸張力の緩和は、前述したように、スリットシート材14のスリット22の部分的な閉鎖、すなわち緩和を引き起こす。
【0048】
また、緩和ローラ46には、部分的に拡張した状態67でスリットシート材を押しつぶすことなく、またはスリットシート材14を最小限に押しつぶすことなく、スリットシート材14とかみ合うためのグリップ手段が設けられていてもよい。グリップ手段は、拡張ローラ44に関して前述したグリップ手段と同じであってもよい。緩和ローラ対46も、スリットシート材料を下流方向にさらに前進させるように構成されている。
【0049】
緩和ローラ46の対はまた、部分的に拡張した状態のスリットシート材料を少なくとも一つのカバーシートに接続する手段を提供し、例示された実施形態では、トップカバーシート32とボトムカバーシート34の間の部分的に拡張した状態67のスリットシート材14を捕捉してダンネージパッド12を形成するように構成される。具体的には、一対の緩和ローラ46は、スリットシート材14の上にあるトップカバーシート32をその間に受け、スリットシート材14の下にあるボトムカバーシート34をその間に受け、少なくともトップカバーシート32とボトムカバーシート34を一緒に固定することによって、スリットシート材14をその間に部分拡張状態67で捕捉するように構成される。別の言い方をすると、緩和ローラ46は、トップカバーシート32とボトムカバーシート36をその間に受け、同じくその間に受けられたスリットシート材14の両面に受けるように構成されている。剥離シート36をダンネージ変換装置18に供給する実施形態では、緩和ローラ46もまた、スリットシート材14とトップカバーシート32およびボトムカバーシート34の少なくとも一方との間に剥離シート36を受け入れ、その間に剥離シート36を捕捉するように構成される。
【0050】
一対のグリップローラ42、一対の係合ローラ44、および一対の緩和ローラ45の少なくとも一方の少なくとも一つのローラは、それぞれのローラの軸方向の長さにわたって実質的に均一な半径方向の厚さを持つことができる。実質的に均一な半径方向厚さは、増加した半径方向厚さの複数の領域のそれぞれの間の横方向に間隔を置いた位置にそれぞれ配置された減少した半径方向厚さの複数の部分を含むことができる。別の実施形態では、それぞれのローラ42、44、および46のペアの少なくとも一方のローラの少なくとも一方は、増加した半径方向厚さを持つローラの二つの端部の間に配置された減少した半径方向厚さの単一の拡張領域を含む可変半径方向厚さを含むことができる。
【0051】
図の実施例では、緩和ローラ46のペアは、軸方向の長さに沿って実質的に均一な半径方向の厚さを持つトップローラと、軸方向の長さに沿って可変の半径方向の厚さを持つボトムローラを含み、可変の半径方向の厚さは、増加した半径方向の厚さを持つ二つの端部の間に配置された、減少した半径方向の厚さの単一の拡張領域を持つ。一対の緩和ローラ46のトップローラは、実質的に均一な半径方向の厚さを持ち、トップカバーシート32を実質的に平坦に保ち、一対の緩和ローラ46の間に受けている間、しわが発生しないようにする。また、トップカバーシート32が設けられていない実施形態では、一対の緩和ローラ46のトップローラは、一対の緩和ローラ46の間を前進する際に、一対の緩和ローラ46の領域で、スリットシート材14が変換アセンブリ15で詰まるのを防ぐのに役立つ。これは、一対の緩和ローラ46のトップローラが、一対の緩和ローラ46の間でスリットシート材14を実質的に平坦かつ制御された状態で引っ張るためである。一対の緩和ローラ46のボトムローラは、トップローラに対して拡張した状態でスリットシート材14を押しつぶさないように、放射状の厚みが増した端部のみでシート材と係合する。
【0052】
緩和ローラ対46は、トップカバーシート32の少なくとも一部の周辺部とボトムカバーシート34の少なくとも一部の周辺部とを接着するなどして固定することにより、トップカバーシート32とボトムカバーシート34との間の部分的に拡張した状態のスリットシート材14を捕捉するように構成することができる。固定には、ステッチ、圧入、または他の適切な形式のシートを一緒に固定することも含まれる。また、スリットシート材14の外周の少なくとも一部を部分的に拡張させた状態で固定してもよい。剥離シート36が供給される実施形態では、剥離シート36は、スリットシート材14と、トップカバーシート32およびボトムカバーシート34の少なくとも一方との間に、固定または接着されずに横たわっていてもよい。剥離シート36の幅は、トップカバーシート32の幅、ボトムカバーシート34の幅、および部分拡張状態67のスリットシート材14の幅のそれぞれより小さくてもよい。ただし、別の実施形態では、剥離シート36は、スリットシート材14と、トップカバーシート32およびボトムカバーシート34の少なくとも一方との間に固定してもよい。
【0053】
トップカバーシート32とボトムカバーシート34との間で緩和または部分的に拡張した状態67のスリットシート材14を捕捉するために、トップカバーシート32とボトムカバーシート34のそれぞれの部分は、典型的にはそれぞれの周辺部の一部に、その上に粘着コーティングを有することができる。例えば、トップカバーシート32とボトムカバーシート34のそれぞれは、トップカバーシート32とボトムカバーシート34のそれぞれの横方向の外縁の共通面上の狭い縦方向に延びる帯状部分に沿って粘着コーティングを有することができる。トップカバーシート材の供給源26とボトムカバーシート材の供給源28は、ダンネージ変換装置18と連携して、トップカバーシート32とボトムカバーシート34の粘着コーティングされた面を対向させてから緩和ローラ46に入るように構成されている。この実施例では、緩和ローラ46も、トップカバーシート32の粘着コーティングを施した周辺部とボトムカバーシート34の粘着コーティングを施した周辺部とを、それぞれの部分を押し合わせて接着するように構成されている。これには、開いたスリット22を通して互いにかみ合う粘着コーティング部分を接着して、スリットシート材14をトップカバーシート32とボトムカバーシート34に固定することが含まれる。
【0054】
ローラ42、44、46のペアの少なくとも一方がモーターで駆動される。ローラ42、44、46のすべてを駆動するために共通のモーターを使用してもよいし、ローラ42、44、46の一組以上を別のモーターで別々に駆動してもよい。ローラ42、44、46のそれぞれのペアの相対速度は、ギアやチェーンなどの駆動要素の適切な構成によって設定することも、コントローラ13を介して電子的に速度を設定することもできる。また、コントローラ13は、例えば制御された長さのダンネージを生成するように、ローラ42、44、46の始動と停止を制御することもでき、また、切削装置19の動作を制御することもできる。
【0055】
ローラ42、44、46の対がそれぞれ回転する速度は、スリットシート材14が未拡張状態から完全拡張状態に引き伸ばされるときの変形の弾性と永続性に影響する。たとえば、ローラ42、44、46のペアの回転数が遅いと、ローラ42、44、46のペアの回転数が速いよりも弾性変形が大きくなり、非弾性変形が大きくなる。したがって、ローラ42、44、および46のペアの回転数が遅いと、スリットシート材14が弾性復帰によって少なくとも部分的に緩和する可能性があるため、緩和ローラ46のペアによる緩和の必要性が低くなる。
【0056】
コントローラ13は、ローラ42、44、および46の始動と停止を断続的に制御して、成形されたダンネージパッドが排出口から断続的に排出されるときに、ユーザーが希望の構成に折り畳むことができるようにすることができる。たとえば、コントローラ13は、ローラ42、44、および46のペアに第1の所定の長さのダンネージパッドを生成させ、次にローラ42、44、および46のペアを停止させることができる。停止した場合、使用者は、パッドを排出口に折り曲げるなどして、パッドを折り畳むことができる。その後、コントローラ13は、ローラのペア42、44、46を再び停止させる前に、ローラのペア42、44、46に第二の所定の長さのダンネージパッドを生成させることができる。再び停止すると、ユーザーは以前と同様にパッドを再び折りたたむことができる。コントローラ13は、ダンネージパッドの望ましい長さと構成(長方形の構成など)が形成されるまで、この方法でローラ42、44、および46の起動と停止を制御することができる。カッターは、目的の構成とダンネージパッドの長さが生成された後にパッドを切断するように構成されている。
【0057】
次に、先に説明したダンネージ変換装置18を用いて、スリットシート材14を部分的に拡張させたダンネージパッド12を作製する方法の一例を
図8を参照して説明する。この方法は、一対のグリップローラ42の間にスリットシート材14を未拡張状態63で供給する工程を含む。前述のように、一対のグリップローラ42は、スリットシート材14をグリップし、第1の回転数で回転してスリットシート材を下流方向に前進させるように構成されている。
図8に示すように、未拡張状態63のスリットシート材14は、第1の幅Wm1を有する。
【0058】
この方法には、一対の拡張ローラ44の間にスリットシート材14を引き、スリットシート材14を完全に拡張した状態65に拡張させる工程も含まれる。前述のように、拡張ローラ44は、スリットシート材14と係合し、第2の回転数で回転するように構成されている。第2の回転数は第1の回転数よりも速く、グリップローラ42と拡張ローラ44の間の領域でスリットシート材に伸張力を生じさせ、スリットシート材14をさらに下流方向に前進させる。伸張力は、スリットシート材料を完全に拡張した状態65に拡張させる。
図8に示すように、完全に拡張した状態65のスリットシート材14は、第2の幅Wm2である。
【0059】
次に、この方法は、一対の緩和ローラ46の間にスリットシート材14を引くことによって、スリットシート材14を部分的に拡張した状態67に緩和するステップを含む。前述のように、緩和ローラ46は、スリットシート材14と係合し、第3の回転数で回転するように構成されている。第3の回転数を第2の回転数より遅くすることで、拡張ローラ44と緩和ローラ46との間の領域におけるスリットシート材14への伸張力を低減し、スリットシート材14をさらに下流方向に前進させる。伸張力の低減は、スリットシート材14を部分拡張状態67に緩和させる。
図8に示すように、部分拡張状態67のスリットシート材14は第3の幅Wm3である。第1の幅Wm1は第2の幅Wm2より大きく、第3の幅Wm3より大きい。つまり、未拡張状態63のスリットシート材14は、完全拡張状態65および部分拡張状態67のいずれにおいても、スリットシート材14よりも大きな幅を有する。部分拡張状態67のスリットシート材14は、完全拡張状態65のスリットシート材14よりも幅が大きい。
【0060】
この方法には、トップカバーシート32とボトムカバーシート34との間に、スリットシート材14を部分的に拡張した状態67で固定し、ダンネージパッド12を形成する工程も含まれる。
【0061】
スリットシート材14をトップカバーシート32とボトムカバーシート34との間に部分的に拡張した状態67で固定する工程には、先に説明し、
図8に示したように、スリットシート材14の両面にある一対の緩和ローラ46の間に、トップカバーシート32とボトムカバーシート34を送り込む工程を含めることができる。この方法は、さらに、スリットシート材14と、トップカバーシート32およびボトムカバーシート34の少なくとも一方との間の緩和ローラ46の対の間に、剥離材30を供給することを含んでもよい。例えば、
図8に示す実施例では、スリットシート材14とボトムカバーシート34との間の一対の緩和ローラ46の間に剥離シート36が供給される。
【0062】
固定の工程は、トップカバーシート32の外周の少なくとも一部33とボトムカバーシート34の外周の少なくとも一部35を互いに接着し、その間に部分的に拡張した状態のスリットシート材14の外周の少なくとも一部を固定することを含んでもよい。図の実施例では、剥離シート30の幅Wssは、トップカバーシート32の幅Wt、ボトムカバーシート34の幅Wb、および部分拡張シートにおけるスリットシート材14の第3の幅Wm3のそれぞれよりも小さい。したがって、図の実施形態では、剥離シート36は、スリットシート材14と、トップカバーシート32およびボトムカバーシート34の少なくとも一方との間に、固定または接着されることなく横たわっている。
【0063】
固定ステップを達成するために、トップカバーシート32の周辺部の部分33とボトムカバーシート34の周辺部の部分35は、その上に粘着コーティングを含んでもよい。したがって、接着のステップは、各部分33、35の粘着性コーティングされた表面を一緒に押して、ダンネージパッド12を形成することによって達成することができる。したがって、ダンネージパッド12の幅Wpは、
図8に示すように、トップカバーシート32の幅Wtおよびボトムカバーシート34の幅Wbと同じである。この方法には、目的の長さのダンネージパッド12が形成された後に、ダンネージパッド12を切断するステップを含めることができる。ダンネージパッド12を切断する前に、この方法はさらに、形成されたダンネージパッドの望ましい構成を作成するために、一以上のそれぞれ所定の長さのダンネージパッド14が形成された後に、形成されたダンネージパッドを折り畳む一以上のステップを含むことができる。
【0064】
要約すると、典型的なダンネージ変換装置18は、(i)スリットシート材14を下流方向に前進させるために第1の回転数で回転するように構成された一対のグリップローラ42を含む。(ii)第1の回転数よりも速い第2の回転数で回転するように構成された一対の拡張ローラ44は、スリットシート材14に伸張力を生じさせ、さらにスリットシート材14を前進させて、スリットシート材を完全に拡張させた状態65に拡張させる。(iii)第2の回転数よりも遅い第3の回転数で回転するように構成された一対の緩和ローラ46は、伸張力を緩和させ、スリットシート材14をさらに前進させ、スリットシート材14を部分拡張状態67に緩和させる。緩和ローラ対46(iii)も、トップカバーシート32とボトムカバーシート34の間にスリットシート材14を部分拡張状態67で固定して、ダンネージパッド12を形成するように構成されている。
【0065】
以下のクレームによって定義された発明は、ある実施形態に関して示され説明されているが、本明細書及び添付図面を読んで理解すると、当業者にとって同等の変更及び修正が生じる。特に、上記の整数によって実行される様々な機能(コンポーネント、アセンブリ、デバイス、コンポジションなど。)に関して、そのような整数を記述するために使用される用語(「手段」への参照を含む)は、特に示されていない限り、本発明の例示された例示的な実施形態において機能を実行する開示された構造と構造的に同等ではないとしても、記述された整数の特定の機能を実行する任意の整数(すなわち、それは機能的に等価である)に対応することを意図している。加えて、本発明の特定の特徴は、いくつかの例示された実施形態のうちの1つのみに関して上記で説明されているかもしれないが、そのような特徴は、任意の所定のまたは特定の用途に対して望まれ、有利であるように、他の実施形態の1つ以上の他の特徴と組み合わせることができる。