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  • 特許-高弾性ナイロン及びその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】高弾性ナイロン及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/16 20060101AFI20240118BHJP
   B29C 44/60 20060101ALI20240118BHJP
   B29C 44/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
C08J9/16 CEZ
C08J9/16 CFG
C08J9/16 CFH
B29C44/60
B29C44/00 F
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022581719
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 CN2021097722
(87)【国際公開番号】W WO2022001557
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】202010632960.5
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523002471
【氏名又は名称】陝西匹克玄鎧新材料有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shaanxi PEAK&XUANKAI New Materials Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.1,Pinshan Avenue,Fuping County,Weinan City,Shaanxi Province,China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李 峰
(72)【発明者】
【氏名】于 鍾梅
(72)【発明者】
【氏名】于 海洋
(72)【発明者】
【氏名】王 兆軍
【審査官】加賀 直人
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110903627(CN,A)
【文献】特表2005-517077(JP,A)
【文献】特表2005-513248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 9/16
B29C 44/60
B29C 44/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナイロン、ポリボロシロキサン、ポリエチレングリコールを取得し、前記ポリボロシロキサンを乾燥するステップと、
前記ナイロン、前記ポリボロシロキサン、前記ポリエチレングリコールを所定の装置に入れて加熱して均一に混合し、第1の混合材料を得るステップと、
シクロペンタンを取得するとともに、前記シクロペンタンと前記混合材料を密閉式混合機に入れて加熱して混錬し、第2の混合材料を得るステップと、
前記第2の混合材料をシートにするとともに、前記シートを造粒機に入れて造粒し、粒子状物質を得るステップと、
前記粒子状物質を発泡させ、高弾性ナイロンを得るステップと、を含み、
前記ナイロンと前記ポリボロシロキサンの質量比は10~100:1であり、前記ポリエチレングリコールの質量は、前記ポリボロシロキサンの質量の10%であり、加熱温度は150~180℃であり、加熱時間は3~5minであり、前記シクロペンタンの質量は、前記第1の混合材料の質量の5~10%であり、混錬温度は150~180℃であり、混錬時間は7~10minであり、発泡温度は160~180℃であり、発泡時間は5~7minであり、発泡圧力は140~160kg/cmであることを特徴とする高弾性ナイロンの製造方法。
【請求項2】
前記シートの厚さは10mmであることを特徴とする請求項1に記載の高弾性ナイロンの製造方法。
【請求項3】
前記所定の装置は押出機であることを特徴とする請求項1に記載の高弾性ナイロンの製造方法。
【請求項4】
前記押出機は、二軸押出機又は単軸押出機であることを特徴とする請求項3に記載の高弾性ナイロンの製造方法。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載の高弾性ナイロンの製造方法で製造された高弾性ナイロン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナイロンエラストマー改質方法の技術分野に関し、特に高弾性ナイロン及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナイロンエラストマー(PEBAX)は、ブロックポリアミドエラストマー製品であり、エンジニアリングポリマーに属する。当該製品は、かなり広範な硬度範囲及び良好な反発弾性を有するだけでなく、その顕著な加工性能によって当該製品が部品生産のための理想的な材料となっている。
【0003】
ナイロンエラストマーは、優れた化学薬品耐性、耐熱、耐候性をも有し、運動器具、耐衝撃部品、腕時計ケースなどの分野で広く適用されている。しかしながら、従来のナイロンエラストマーは、圧縮永久歪み率が低く、圧縮されて変形した後に元の状態に回復し難い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術において、従来のナイロンエラストマーは、圧縮永久歪み率が低く、圧縮されて変形した後に元の状態に回復し難いという技術課題に対して、本発明の実施例は、高弾性ナイロン及びその製造方法を提供する。具体的な技術的解決手段は、以下の通りである。
【0005】
第1の態様において、本発明の実施例は、
ナイロン、ポリボロシロキサン、ポリエチレングリコールを取得し、前記ポリボロシロキサンを乾燥するステップと、
前記ナイロン、前記ポリボロシロキサン、前記ポリエチレングリコールを所定の装置に入れて加熱して均一に混合し、第1の混合材料を得るステップと、
シクロペンタンを取得するとともに、前記シクロペンタンと前記混合材料を密閉式混合機に入れて加熱して混錬し、第2の混合材料を得るステップと、
前記第2の混合材料をシートにするとともに、前記シートを造粒機に入れて造粒し、粒子状物質を得るステップと、
前記粒子状物質を発泡させ、高弾性ナイロンを得るステップと、を含み、
前記ナイロンと前記ポリボロシロキサンの質量比は10~100:1であり、前記ポリエチレングリコールの質量は、前記ポリボロシロキサンの質量の10%であり、加熱温度は150~180℃であり、加熱時間は3~5minであり、前記シクロペンタンの質量は、前記第1の混合材料の質量の5~10%であり、混錬温度は150~180℃であり、混錬時間は7~10minであり、発泡温度は160~180℃であり、発泡時間は5~7minであり、発泡圧力は140~160kg/cmである高弾性ナイロンの製造方法を提供する。
【0006】
任意選択的に、前記シートの厚さは10mmである。
【0007】
任意選択的に、前記所定の装置は押出機である。
【0008】
任意選択的に、前記押出機は、二軸押出機又は単軸押出機である。
【0009】
第2の態様において、本発明の実施例は、前記高弾性ナイロンの製造方法で製造された高弾性ナイロンを提供する。
【0010】
本発明の実施例は、ナイロン、ポリボロシロキサン、ポリエチレングリコールを取得し、ポリボロシロキサンを乾燥するステップと、ナイロン、ポリボロシロキサン、ポリエチレングリコールを所定の装置に入れて加熱して均一に混合し、第1の混合材料を得るステップと、シクロペンタンを取得するとともに、シクロペンタンと混合材料を密閉式混合機に入れて加熱して混錬し、第2の混合材料を得るステップと、第2の混合材料をシートにするとともに、シートを造粒機に入れて造粒し、粒子状物質を得るステップと、粒子状物質を発泡させ、高弾性ナイロンを得るステップと、を含む高弾性ナイロンの製造方法を提供する。本発明の実施例により提供される方法で製造された高弾性ナイロンを採用すれば、ポリボロシロキサンにおけるホウ素は、酸素と強い相互作用により物理的架橋及び化学的架橋を形成することができ、従来のナイロンエラストマーと比べ、永久圧縮歪み率を大幅に向上させた。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明瞭に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に紹介する。
図1】本発明の実施例により提供される高弾性ナイロンの製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら本発明の実施例における技術的解決手段を説明する。
【0013】
<実施例1>
図1を参照し、第1の態様において、本発明の実施例は、以下のステップを含む高弾性ナイロンの製造方法を提供する。
【0014】
ナイロン、ポリボロシロキサン、ポリエチレングリコールを取得し、前記ポリボロシロキサンを乾燥する。前記ナイロンと前記ポリボロシロキサンの質量比は10~100:1であり、前記ポリエチレングリコールの質量は、前記ポリボロシロキサンの質量の10%である。
【0015】
なお、上記ナイロン、ポリボロシロキサン、ポリエチレングリコールは、いずれも直接購入することができ、本発明の実施例は、上記各成分の純度及び含有量を特に限定するものではなく、各成分における有効含有量は、上記ナイロンとポリボロシロキサンの質量比が10~100:1であり、ポリエチレングリコールの質量がポリボロシロキサンの質量の10%であるという基準を満たしていればよいことを保証する必要がある。
【0016】
前記ナイロン、前記ポリボロシロキサン、前記ポリエチレングリコールを所定の装置に入れて加熱して均一に混合し、第1の混合材料を得る。加熱温度は150~180℃であり、加熱時間は3~5minである。
【0017】
なお、上記所定の装置は、加温できるとともに所定の時間持続できる任意の装置であってもよく、加熱装置であってもよく、使用者は、加熱時間を自ら記録し、加熱が完了した後、冷却せずに次の工程の製造を直接行うことができ、勿論、自己冷却後に次の工程を行ってもよい。
【0018】
シクロペンタンを取得するとともに、前記シクロペンタンと前記混合材料を密閉式混合機に入れて加熱して混錬し、第2の混合材料を得る。前記シクロペンタンの質量は、前記第1の混合材料の質量の5~10%であり、混錬温度は150~180℃であり、混錬時間は7~10minである。
【0019】
なお、密閉式混合機が作動する際に、2つのロータが相対回転し、仕込み口からの材料が挟まれてロールギャップに持ち込まれ、ロータによって押圧されてせん断され、ロールギャップを通過した後にドロップドアの尖った稜部に当たって2つの部分に分けられ、それぞれ前後室壁とロータの間のキャップに沿ってロールギャップの上方に再び戻る。ロータの周りを1回り流動する間に、材料が常にせん断と摩擦作用を受け、ゴムコンパウンドの温度が急激に上昇し、粘度が低下し、配合剤の表面におけるゴムの湿潤性が増え、ガムが配合剤の表面に十分に接触するようになる。配合剤塊は、ゴムコンパウンドと共にロータとロータのギャップ、ロータとフローティングウエイト、ドロップドア、混錬室の内壁のギャップを通過し、せん断されて粉砕され、引張変形されたゴムに囲まれ、粉砕状態で安定している。同時に、ロータ上のリブにより、ゴムコンパウンドがロータの軸方向に移動し、撹拌混合作用を果たし、配合剤がゴムコンパウンドにおいて均一に混合される。このように配合剤を繰り返しせん断して粉砕することにより、ゴムコンパウンドは繰り返し変形したり回復したりし、ロータのリブによる連続的な撹拌によって、配合剤がゴムコンパウンドにおいて均一に分散し、一定の分散度に達する。密閉式混合機による混錬時にゴムコンパウンドの受けるせん断作用が開放型混合機よりはるかに大きく、ゴム練り温度が高いため、密閉式混合機によるゴム練りの効率は開放型混合機より大幅に高い。具体的には、本実施例において、シクロペンタンと第1の混合物を密閉式混合機の仕込み口に加え、密閉式混合機により上記加工プロセスを行った後に第2の混合物を得る。
【0020】
前記第2の混合材料をシートにするとともに、前記シートを造粒機に入れて造粒し、粒子状物質を得る。
【0021】
なお、第2の混合材料をシートにする方法として、液圧機械により押圧してもよく、粉砕カラムにより粉砕してもよく、物体をシートに粉砕できる他の装置又は方法により製造してもよく、上記造粒機は、材料を特定の形状に製造できる成形機械である。特殊なスクリュー設計及び異なる配置を採用し、減速ケースに高トルクの設計を採用することにより、騒音がなく、安定して作動できるなどの特性を実現した。スクリューとバレルは、特殊な硬化処理を経て、摩耗に耐えられ、混錬性に優れ、収量を高くするという特性を有し、真空排気又は一般的な排気口の設計により、製造中に水分や排ガスを排出することができ、材料の排出をより安定的にし、ゴム粒子をより強くし、製品の良好な品質を保証した。高温溶融、可塑化、押出の過程でプラスチックの物理的特性を変更することにより、プラスチックの可塑化及び成形を達成する。
【0022】
前記粒子状物質を発泡させ、高弾性ナイロンを得る。発泡温度は160~180℃であり、発泡時間は5~7minであり、発泡圧力は140~160kg/cmである。
【0023】
なお、上記発泡に使用される装置は成形機又は蒸解釜であり、発泡成形の基本的なステップは、気泡核の形成、気泡核の成長又は拡大及び気泡核の安定化である。所定の温度と圧力の条件下で、ガスの溶解度が低下し、飽和状態に達し、余分なガスが排出されて気泡を形成することで、気泡核の形成を実現する。具体的には、本願において、上記発泡温度は160~180℃であり、発泡時間は5~7minであり、発泡圧力は140~160kg/cmである。
【0024】
更に、前記シートの厚さは10mmである。
【0025】
更に、前記所定の装置は押出機である。
【0026】
更に、前記押出機は、二軸押出機又は単軸押出機である。
【0027】
なお、スクリュー押出機は、スクリューの回転による圧力とせん断力によって、材料を十分に可塑化して均一に混合し、ダイを通して成形することができる。具体的には、本願において、所定割合のナイロン、ポリボロシロキサン、ポリエチレングリコールを押出機の仕込み口に入れ、押出機の処理により、上記3種類の材料を均一に混合して第1の混合材料である混合材料を得る。
【0028】
第2の態様において、本発明の実施例は、上記高弾性ナイロンの製造方法で製造された高弾性ナイロンを提供する。
【0029】
本発明の実施例は、ナイロン、ポリボロシロキサン、ポリエチレングリコールを取得し、ポリボロシロキサンを乾燥するステップと、ナイロン、ポリボロシロキサン、ポリエチレングリコールを所定の装置に入れて加熱して均一に混合し、第1の混合材料を得るステップと、シクロペンタンを取得するとともに、シクロペンタンと混合材料を密閉式混合機に入れて加熱して混錬し、第2の混合材料を得るステップと、第2の混合材料をシートにするとともに、シートを造粒機に入れて造粒し、粒子状物質を得るステップと、粒子状物質を発泡させ、高弾性ナイロンを得るステップと、を含む高弾性ナイロンの製造方法を提供する。本発明の実施例により提供される方法で製造された高弾性ナイロンは、従来のナイロンエラストマーと比べ、永久圧縮歪み率を大幅に向上させた。
【0030】
<実施例2>
上記実施例1を基に、本発明の実施例は、具体的な実例によって本案を更に説明する。
【0031】
ステップ1において、ナイロン、ポリボロシロキサン(PBDMS)を乾燥し、10:1の質量比で押出機に加え、更に押出機に総質量の10%のポリエチレングリコール-400を加え、押出機の加熱モジュールをオンにして加熱し、温度が150℃であり、時間が5minであり、各種の材料を均一に混合した。
【0032】
ステップ2において、ステップ1で得られた材料と発泡剤であるシクロペンタンを100:5の質量比で密閉式混合機に投入して加熱して混錬し、加熱温度が150℃であり、混錬時間が10minであった。
【0033】
ステップ3において、ステップ2で得られた材料を10mmのシートにした。
【0034】
ステップ4において、ステップ3で得られたシートを造粒機に送り込んで造粒した。
【0035】
ステップ5において、ステップ4で得られた材料を発泡させ、発泡温度が160℃であり、発泡時間が5minであり、圧力が160kg/cmであり、高弾性ナイロンを得た。
【0036】
<実施例3>
ステップ1において、ナイロン、ポリボロシロキサン(PBDMS)を乾燥し、10:1の質量比で押出機に加え、更に押出機に総質量の10%のポリエチレングリコール-400を加え、押出機の加熱モジュールをオンにして加熱し、温度が180℃であり、時間が3minであり、各種の材料を均一に混合した。
【0037】
ステップ2において、ステップ1で得られた材料と発泡剤であるシクロペンタンを100:10の質量比で密閉式混合機に投入して加熱して混錬し、加熱温度が180℃であり、混錬時間が7minであった。
【0038】
ステップ3において、ステップ2で得られた材料を10mmのシートにした。
【0039】
ステップ4において、ステップ3で得られたシートを造粒機に送り込んで造粒した。
【0040】
ステップ5において、ステップ4で得られた材料を発泡させ、発泡温度が180℃であり、発泡時間が7minであり、圧力が140kg/cmであり、高弾性ナイロンを得た。
【0041】
<実施例4>
ステップ1において、ナイロン、ポリボロシロキサン(PBDMS)を乾燥し、10:1の質量比で押出機に加え、更に押出機に総質量の10%のポリエチレングリコール-400を加え、押出機の加熱モジュールをオンにして加熱し、温度が150℃であり、時間が5minであり、各種の材料を均一に混合した。
【0042】
ステップ2において、ステップ1で得られた材料と発泡剤であるシクロペンタンを100:5の質量比で密閉式混合機に投入して加熱して混錬し、加熱温度が180℃であり、混錬時間が7minであった。
【0043】
ステップ3において、ステップ2で得られた材料を10mmのシートにした。
【0044】
ステップ4において、ステップ3で得られたシートを造粒機に送り込んで造粒した。
【0045】
ステップ5において、ステップ4で得られた材料を発泡させ、発泡温度が170℃であり、発泡時間が7minであり、圧力が140kg/cmであり、高弾性ナイロンを得た。
【0046】
<実施例5>
ステップ1において、ナイロン、ポリボロシロキサン(PBDMS)を乾燥し、10:1の質量比で押出機に加え、更に押出機に総質量の10%のポリエチレングリコール-400を加え、押出機の加熱モジュールをオンにして加熱し、温度が180℃であり、時間が3minであり、各種の材料を均一に混合した。
【0047】
ステップ2において、ステップ1で得られた材料と発泡剤であるシクロペンタンを100:10の質量比で密閉式混合機に投入して加熱して混錬し、加熱温度が170℃であり、混錬時間が8minであった。
【0048】
ステップ3において、ステップ2で得られた材料を10mmのシートにした。
【0049】
ステップ4において、ステップ3で得られたシートを造粒機に送り込んで造粒した。
【0050】
ステップ5において、ステップ4で得られた材料を発泡させ、発泡温度が180℃であり、発泡時間が6minであり、圧力が140kg/cmであり、高弾性ナイロンを得た。
【0051】
<実施例6>
ステップ1において、ナイロン、ポリボロシロキサン(PBDMS)を乾燥し、10:1の質量比で押出機に加え、更に押出機に総質量の10%のポリエチレングリコール-400を加え、押出機の加熱モジュールをオンにして加熱し、温度が150℃であり、時間が5minであり、各種の材料を均一に混合した。
【0052】
ステップ2において、ステップ1で得られた材料と発泡剤であるシクロペンタンを100:5の質量比で密閉式混合機に投入して加熱して混錬し、加熱温度が180℃であり、混錬時間が7minであった。
【0053】
ステップ3において、ステップ2で得られた材料を10mmのシートにした。
【0054】
ステップ4において、ステップ3で得られたシートを造粒機に送り込んで造粒した。
【0055】
ステップ5において、ステップ4で得られた材料を発泡させ、発泡温度が170℃であり、発泡時間が6minであり、圧力が150kg/cmであり、高弾性ナイロンを得た。
【0056】
<実施例7>
ステップ1において、ナイロン、ポリボロシロキサン(PBDMS)を乾燥し、10:1の質量比で押出機に加え、更に押出機に総質量の10%のポリエチレングリコール-400を加え、押出機の加熱モジュールをオンにして加熱し、温度が150℃であり、時間が5minであり、各種の材料を均一に混合した。
【0057】
ステップ2において、ステップ1で得られた材料と発泡剤であるシクロペンタンを100:5の質量比で密閉式混合機に投入して加熱して混錬し、加熱温度が180℃であり、混錬時間が7minであった。
【0058】
ステップ3において、ステップ2で得られた材料を10mmのシートにした。
【0059】
ステップ4において、ステップ3で得られたシートを造粒機に送り込んで造粒した。
【0060】
ステップ5において、ステップ4で得られた材料を発泡させ、発泡温度が180℃であり、発泡時間が5minであり、圧力が150kg/cmであった。
【0061】
<試験例>
実施例2、3及び対照例に対して圧縮永久歪み試験を行い、試験方法としては、温度が70℃の環境において、10%圧縮変形させ、24h処理した後、圧縮永久歪み率CSを計算し、CSの計算方法は、以下の通りである。
CS=(h0-h2)/(h0-h1)
式中において、h0は、試料の圧縮前の高さ/mmであり、h1は、圧縮変形の高さ/mmであり、h2は、試料の回復後の高さ/mmである。
【0062】
対照例の製造方法は、以下の通りである。
【0063】
ステップ1において、ナイロン、ポリエチレングリコール-400、シクロペンタンを100:10:5の質量比で密閉式混合機に投入して加熱して混錬し、加熱温度が150℃であり、混錬時間が10minであった。
【0064】
ステップ2において、ステップ1で得られた材料を10mmのシートにした。
【0065】
ステップ3において、ステップ2で得られたシートを造粒機に送り込んで造粒した。
【0066】
ステップ4において、ステップ3で得られた材料を発泡させ、発泡温度が160℃であり、発泡時間が5minであり、圧力が160kg/cmであった。
【0067】
試験結果は、以下の通りである。
【0068】
試験結果から分かるように、実施例2及び実施例3は、対照例と比べ、その圧縮永久歪み率CSがそれぞれ16.7%、25%向上し、本特許の方法により、ナイロンエラストマーの永久圧縮歪み率を明らかに向上可能であることを示している。
【0069】
なお、本明細書において、第1や第2などの関係用語は、1つの実体又は操作を別の実体又は操作と区別するためのものに過ぎず、これらの実体又は操作の間に任意のこのような実際の関係又は順序が存在することを必ず要求又は示唆するとは限らない。また、「含む」、「包含」という用語又はそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含を網羅することを意図し、それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されていない他の要素を更に含むか、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素を更に含む。更に限定されていない限り、「1つの…を含む」という語句で限定された要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に別の同じ要素が更に存在することを排除するものではない。
【0070】
本明細書における各実施例は、いずれも関連する形で説明され、各実施例の同じ又は類似する部分は、互いに参照すればよく、各実施例に対して他の実施例との相違点を重点として説明した。特に、システムの実施例について、方法の実施例に実質的に類似するため、簡単に説明したが、関連する部分は、方法の実施例の説明の一部を参照すればよい。
【0071】
以上は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の精神と原則で行われる如何なる修正、同等置換、改善などは、全て本発明の保護範囲に含まれる。
図1