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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】ドラム洗濯機及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/04 20060101AFI20240119BHJP
   D06F 37/26 20060101ALI20240119BHJP
   D06F 37/40 20060101ALI20240119BHJP
   D06F 39/12 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
D06F37/04
D06F37/26
D06F37/40 Z
D06F39/12 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021561890
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-23
(86)【国際出願番号】 CN2020082802
(87)【国際公開番号】W WO2020211649
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】201910311736.3
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521309570
【氏名又は名称】重慶海爾洗衣机有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】趙志強
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2012-0089821(KR,A)
【文献】国際公開第2018/141914(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108866922(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108866919(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105755741(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107313201(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 37/00 - 37/42
D06F 39/00 - 39/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外槽と、前記外槽内に同軸に設置された内槽と、前記内槽を外部環境と連通させて前記内槽内部の気圧のバランスを取る増圧機構及び/又は減圧機構を含み、
前記内槽は、第1内槽と、前記第1内槽の内部に設置される第2内槽を含み、前記第2内槽は、密閉可能な独立した洗浄室を有しており、衣類を洗浄する際に独立して洗浄水が蓄えられ、
前記増圧機構は、増圧孔及び負圧安全弁を含み、前記負圧安全弁は前記増圧孔に設置されており、
前記減圧機構は減圧孔及び正圧安全弁を含み、前記減圧孔は前記内槽における回転中心軸寄りの位置に設けられており、且つ前記内槽内の最高水位位置よりも常に高くなっており、前記正圧安全弁は前記減圧孔に設置されており、
ドラム洗濯機は、駆動モータ及び内槽軸を含み、前記駆動モータは、前記内槽軸を介して前記内槽に伝動可能に接続されており、前記内槽を回転させ、前記増圧孔及び/又は減圧孔は、前記内槽軸に開設されて前記内槽の内部と外部環境を連通させ、前記内槽内の最高水位は前記内槽軸よりも低いことを特徴とするドラム洗濯機。
【請求項2】
前記第2内槽は孔無し槽であり、前記第2内槽の槽口に開放/閉止可能な第2内槽ドアが装着されており、前記第2内槽ドアが孔無し槽を閉止することで、密閉可能な独立した洗浄室が形成されることを特徴とする請求項1に記載のドラム洗濯機。
【請求項3】
前記第2内槽の側壁には第2排水口が開設されており、前記第2排水口には、排水口を常時閉に維持する第2遠心弁が設置されており、前記第2遠心弁は、前記第2内槽の回転速度が所定値を上回ったときに前記第2排水口を開放して排水することを特徴とする請求項2に記載のドラム洗濯機。
【請求項4】
給水システムを含み、前記第1内槽及び第2内槽はそれぞれ前記給水システムと連通していることを特徴とする請求項1に記載のドラム洗濯機。
【請求項5】
前記第2内槽は、取り外し可能に前記第1内槽の内部に装着されており、且つ、前記第2内槽には、中空軸と連通する連通口が備わっていることを特徴とする請求項4に記載のドラム洗濯機。
【請求項6】
前記第1内槽は孔無し槽であり、前記第1内槽の槽口に開放/閉止可能な第1内槽ドアが装着されており、前記第1内槽ドアが孔無し槽を閉止することで、密閉可能な独立した洗浄室が形成されることを特徴とする請求項1に記載のドラム洗濯機。
【請求項7】
前記第1内槽の側壁には第1排水口が開設されており、前記第1排水口には、排水口を常時閉に維持する第1遠心弁が設置されており、前記第1遠心弁は、前記第1内槽の回転速度が所定値を上回ったときに前記第1排水口を開放して排水することを特徴とする請求項6に記載のドラム洗濯機。
【請求項8】
前記第1内槽の軸方向の高さH1は、前記第2内槽の軸方向の高さH2よりも大きいことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のドラム洗濯機。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のドラム洗濯機の制御方法であって、
洗濯機は、第1内槽及び/又は第2内槽を稼働させるよう制御して、第1内槽又は第2内槽内の衣類につき分別独立洗浄を実施することを特徴とする制御方法。
【請求項10】
洗濯機が、第1内槽洗濯プログラムを実行する際に、前記第1内槽の回転速度について第1所定値N1を上回るよう制御した場合、第1遠心弁は第1排水口を開放して排水し、
洗濯機が、第2内槽洗濯プログラムを実行する際に、前記第2内槽の回転速度について第2所定値N2を上回るよう制御した場合、第2遠心弁は第2排水口を開放して排水し、
前記第2所定値N2≦第1所定値N1であることを特徴とする請求項9に記載のドラム洗濯機の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機器の技術分野に関し、具体的には、ドラム洗濯機及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、日常生活において最も広く使用されている家庭用電気製品であり、洗濯の煩わしさから人々を解放し、多大な利便性をもたらしている。しかし、生活水準の向上に伴って、洗濯機に対する洗浄要望もますます増加している。具体的に、異なるタイプの衣類は同一の洗浄槽で一緒に洗浄できないとの理由や、家族の各構成員の衣類を同一の洗浄槽で一緒に洗浄できないとの理由から、分別独立洗浄とのニーズが生じている。
【0003】
分別独立洗浄の目的を達成するために、現在のところ、名称を二槽ドラム洗濯機とする中国発明特許(特許文献1)が存在している。特許文献1は、ハウジング、制御パネル、第1収容室、第2収容室を含む二槽ドラム洗濯機を提供している。前記第1収容室と第2収容室は同心であり、且つ、第2収容室の半径が第1収容室の半径よりも小さくなっている。前記制御パネルは、第1収容室と第2収容室が同時に動作するよう制御可能であるとともに、第1収容室と第2収容室が別々に独立して動作するよう制御することも可能である。特許文献1の有益な効果は、巧みな構造設計によって、洗濯機が占めるスペースを削減できるだけでなく、下着と上着、淡色衣類と濃色衣類の洗濯を1つの洗濯フローで完了させられることである。これにより、エネルギー消費の節約になるとともに、衣類別の洗浄要求を満たすことができ、良好な洗浄効果が達せられる。
【0004】
上記特許文献1のドラム洗濯機は、第1収容室と第2収容室を有することで衣類別の洗浄要求を満たしている。しかし、実際には、第1収容室と第2収容室が同時に動作する際に、内槽が脱水孔を有しているため、2つの収容室が連通することになり、2つの収容室の独立した分別洗浄を実現することができない。
【0005】
このほか、洗濯機の節水性及び自動クリーニング性に対する要望もますます高まっている。
【0006】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】中国特許出願第201410806293.2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の目的は、ドラム洗濯機を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ドラム洗濯機は、第1内槽と、第1内槽の内部に設置される第2内槽を含む。前記第2内槽は、密閉可能な独立した洗浄室を有しており、衣類を洗浄する際に独立して洗浄水が蓄えられる。
【0010】
更に、前記第2内槽は孔無し槽であり、第2内槽の槽口に開放/閉止可能な第2内槽ドアが装着されている。第2内槽ドアが孔無し槽を閉止することで、密閉可能な独立した洗浄室が形成される。
【0011】
更に、前記第2内槽の側壁には第2排水口が開設されており、前記第2排水口には、排水口を常時閉に維持する第2遠心弁が設置されている。前記第2遠心弁は、第2内槽の回転速度が所定値を上回ったときに第2排水口を開放して排水する。
【0012】
更に、給水システムを含み、前記第1内槽及び第2内槽はそれぞれ給水システムと連通している。
【0013】
好ましくは、洗濯機は、第1内槽の底部に接続される内槽軸を含む。前記内槽軸は中空軸である。前記給水システムは給水管路を含み、給水管路が中空軸と連通している。前記第1内槽及び第2内槽は、いずれも中空軸と連通している。
【0014】
更に、前記第2内槽は、取り外し可能に第1内槽の内部に装着されている。且つ、第2内槽には、中空軸と連通する連通口が備わっている。
【0015】
好ましくは、前記第2内槽の槽底は、係接構造を介して第1内槽の槽底に係接される。前記第2内槽の槽底の中心位置には連通口が開設されている。
【0016】
更に、前記第1内槽は孔無し槽であり、第1内槽の槽口に開放/閉止可能な第1内槽ドアが装着されている。第1内槽ドアが孔無し槽を閉止することで、密閉可能な独立した洗浄室が形成される。
【0017】
更に、前記第1内槽の側壁には第1排水口が開設されており、前記第1排水口には、排水口を常時閉に維持する第1遠心弁が設置されている。前記第1遠心弁は、第1内槽の回転速度が所定値を上回ったときに第1排水口を開放して排水する。
【0018】
更に、前記第1内槽の軸方向の高さH1は、第2内槽の軸方向の高さH2よりも大きい。
【0019】
本発明の第2の目的は、ドラム洗濯機の制御方法を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【0020】
ドラム洗濯機の制御方法では、洗濯機が、第1内槽及び/又は第2内槽を稼働させるよう制御して、第1内槽又は第2内槽内の衣類につき分別独立洗浄を実施する。
【0021】
更に、洗濯機が、第1内槽洗濯プログラムを実行する際に、第1内槽の回転速度について第1所定値N1を上回るよう制御した場合、第1遠心弁は第1排水口を開放して排水する。
【0022】
洗濯機が、第2内槽洗濯プログラムを実行する際に、第2内槽の回転速度について第1所定値N2を上回るよう制御した場合、第2遠心弁は第2排水口を開放して排水する。
【0023】
前記第2所定値N2≦第1所定値N1である。
【発明の効果】
【0024】
本発明のドラム洗濯機では、第1内槽が、独立した洗浄槽として単独で衣類の洗浄を実施可能である。第2内槽は、密閉可能な独立した洗浄室を有しており、独立した洗浄槽とすることも、単独で衣類の洗浄を実施することも可能である。また、第2内槽は密閉可能な独立した洗浄室を有しているため、衣類を洗浄する際に独立して洗浄水が蓄えられる。こうすることで、第1内槽と第2内槽が同時に洗浄を実施する際に、2つの槽内の水が互いに混ざり合うことがないため、2つの槽の同時且つ独立した分別洗浄を実現可能である。
【0025】
従って、本発明のドラム洗濯機は、1つの駆動モータで複数の規格の内槽を駆動可能であり、1つの内槽の運転洗浄、又は複数の内槽の同時洗浄を実現可能である。また、見た目は単なる1台の洗濯機の外観をなしているため、1台の洗濯機が1つのモータで複数の独立した洗浄分別を真に実現することができる。これにより、ベビー専用洗浄、下着洗浄、高齢者衣類洗浄、靴下洗浄等の分別洗浄機能を手軽に実現可能となり、洗浄効果が向上するとともに、ユーザエクスペリエンスが高まる。
【0026】
本発明は、孔無し内槽を有する前開き構造のドラム洗濯機を提供する。本構造はシンプルであり、内槽と外槽の間に洗浄水/すすぎ水を満たす必要がないため、洗濯機の洗浄用水量を極めて大きく減少させられる。また、内槽と外槽の間に汚れが付着する恐れも回避される。よって、ユーザの健康及びユーザエクスペリエンスが極めて大きく向上するとともに、膨大な水資源の節約となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明の実施例1におけるドラム洗濯機の原理図である。
図2図2は、本発明の実施例2におけるドラム洗濯機の原理図である(実施形態1)。
図3図3は、本発明の実施例2におけるドラム洗濯機の原理図である(実施形態2)。
図4図4は、本発明の実施例2におけるドラム洗濯機の原理図である(実施形態3)。
図5図5は、本発明の実施例3におけるドラム洗濯機の原理図である。
図6図6は、本発明の実施例3におけるドラム洗濯機の図5の部分拡大図(減圧状態)である。
図7図7は、本発明の実施例3におけるドラム洗濯機の図5の部分拡大図(増圧状態)である。
図8図8は、本発明の実施例4におけるドラム洗濯機の原理図である。
図9図9は、本発明の実施例4におけるドラム洗濯機の図8の部分拡大図(実施形態1の減圧状態)である。
図10図10は、本発明の実施例4におけるドラム洗濯機の図8の部分拡大図(実施形態1の増圧状態)である。
図11図11は、本発明の実施例4におけるドラム洗濯機の図8の部分拡大図(実施形態2の減圧状態)である。
図12図12は、本発明の実施例4におけるドラム洗濯機の図8の部分拡大図(実施形態2の増圧状態)である。
図13図13は、本発明の実施例5におけるドラム洗濯機の原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、図面を組み合わせて、本発明におけるドラム洗濯機及びその制御方法につき詳述する。
【0029】
図1図13に示すように、本実施例は、孔無し内槽を有する前開き構造のドラム洗濯機を提供する。本構造はシンプルであり、内槽と外槽の間に洗浄水/すすぎ水を満たす必要がないため、洗濯機の洗浄用水量を極めて大きく減少させられる。また、内槽と外槽の間に汚れが付着する恐れも回避される。よって、ユーザの健康及びユーザエクスペリエンスが極めて大きく向上するとともに、膨大な水資源の節約となる。
【0030】
本実施例のドラム洗濯機はハウジング19を有している。ハウジング19は、上部パネル2、前方パネル、後方パネル及びボトムプレートを含む。ボトムプレートには、洗濯機全体を支持するための底脚9が装着固定されている。ハウジング19の内部には外槽18が備わっており、外槽18内に内槽17が同軸に設置されている。外槽18の主な目的は、内槽17からの排水及び内槽17の高速遠心脱水に伴う排水を収集することである。内槽17が回転すると(好ましくは、リフティングリブ43を設置する)、衣類が継続的に昇降して叩き付けられることで洗濯が行われる。内槽17は孔無し構造となっている。また、外槽18は、軸受12が装着固定される中心装着孔を有している。且つ、内槽17にしっかりと接続された内槽軸13が、前記軸受12に挿通されるとともに、駆動モータ16に接続されている。内槽17の前部の槽口には開放/閉止可能な内槽ドア6が装着されており、これにより内槽17の密封室構造が実現される。
【0031】
本実施例のハウジング19には、開放/閉止可能な本体ドア5が装着されている。
【実施例1】
【0032】
本実施例では、主に、孔無し内槽を有するドラム洗濯機について、給水量を如何に正確に決定するかとの課題を解決する。具体的な方案は以下の通りである。
【0033】
ドラム洗濯機は、内槽17、及び内槽17と連通する給水管路を含む。前記内槽17は孔無し内槽であり、衣類を洗浄する際に洗浄水が蓄えられる。また、前記給水管路には、給水流量を検出するための流量センサ1が設置されている。
【0034】
本実施例では、給水管路に流量センサ1を設置して給水時の流量を監視し、所定の給水量に達した場合に給水弁20を閉止することで給水を完了する。本実施例では、流量センサを利用して、孔無し内槽を有するドラム洗濯機の所定水位に基づく給水の問題を解決しているため、洗浄効果が確保される。また、構造がシンプルであり、制御が容易である。
【0035】
更に、本実施例のドラム洗濯機は給水弁20と洗剤ケース3を含んでいる。前記給水管路は、第1給水管と第2給水管を含む。給水弁20の出口端は第1給水管を通じて洗剤ケース3と連通しており、洗剤ケース3の出口端は第2給水管を通じて内槽17と連通している。前記流量センサ1は、第1給水管又は第2給水管に設置される。
【0036】
好ましくは、前記流量センサ1は第1給水管に設置される。これにより、洗剤ケース内の洗剤が流量センサ1に進入しないよう防止可能となる。
【0037】
本実施例のドラム洗濯機は主制御装置4を含む。前記流量センサ1と主制御装置4は回路を通じて電気的に接続される。主制御装置4は、内槽17への給水量をリアルタイムで収集可能であり、所定の給水量に達すると給水弁20を閉止する。
【0038】
本実施例の一実施形態として、前記流量センサ1は、ロータ流量センサ、又はタービン流量センサ、又は超音波流量センサ、又は電磁流量センサ、又はオリフィス流量センサである。
【0039】
流量センサ1は、本実施例における前記給水管路の任意の位置に設置可能であるが、好ましくは、給水弁20の後部に設置して、密封された内槽17に進入する水流量を正確に計測する。前記流量センサ1の回路は主制御装置4に接続されている。主制御装置4は、内槽17への給水量をリアルタイムで収集可能であり、所定の給水量に達すると給水弁20を閉止する。
【0040】
本実施例における孔無し内槽への給水を実現するために、本実施例のドラム洗濯機は駆動モータ16と内槽軸13を含んでいる。前記駆動モータ16は、内槽軸13を介して内槽17に伝動可能に接続されており、内槽17を回転させる。前記内槽軸13内には内槽17の内部と連通する中空経路14が備わっており、前記給水管路が内槽軸13の中空経路と連通している。
【0041】
具体的に、前記内槽軸13は駆動モータ16に接続されている。駆動モータ16はステータ及びロータを含んでおり、ロータが内槽軸13に固定接続されている。前記ロータの中心には貫通孔が設けられており、前記給水管路がロータの貫通孔を貫通して内槽軸13の中空経路14と連通している。
【0042】
更に、前記給水管路とロータの貫通孔の間には第1動的シール構造15が設けられており、ロータの貫通孔と内槽軸13の中空経路14との間には第2シール構造が設けられている。
【0043】
孔無し内槽からの排水を実現するために、本実施例のドラム洗濯機は外槽18を含んでいる。前記内槽17の側壁には内槽排水孔が開設されており、内槽排水孔に常時閉のチェックバルブプラグ11が装着されている。また、前記外槽18には、チェックバルブプラグ11を押し開けて排水するための押上ロッド機構10が装着されている。
【0044】
本実施例の一実施形態として、前記外槽18には、内槽17の回転をロックするためのロック機構が更に設けられており、ロック機構が内槽をロックしたあとに、押上ロッド機構10がチェックバルブプラグ11を押し開けて排水する。
【0045】
本実施例の他の実施形態として、本実施例で記載する内槽17の側壁には複数の脱水孔が開設されている。脱水孔にはいずれも遠心弁が装着されている。内槽が一定の回転速度に達するよう制御することで、前記遠心弁は、脱水時の遠心力の働きで開放されて、洗浄時の排水又は脱水時の排水を行う。
【0046】
本実施例は、更に、前記ドラム洗濯機の制御方法を提供する。洗濯機は、洗浄/すすぎプログラムを実行し、給水過程で流量センサにより給水流量値をリアルタイム検出する。洗濯機は、給水流量値と給水時間に基づいて給水量を算出し、給水量が洗濯機の所定の給水量に達すると給水を停止する。
【0047】
ドラム洗濯機にはユーザが選択可能な複数の給水流量値が設定されており、洗濯機はユーザが選定した給水流量値に基づき給水を行う。
【0048】
ドラム洗濯機は衣類計量機能を有しており、衣類の重量に基づいて給水流量値を決定し、給水を行う。
【実施例2】
【0049】
図2図4に示すように、本実施例のドラム洗濯機は内槽17と給水管路を含む。前記内槽は孔無し内槽であり、衣類を洗浄する際に洗浄水が蓄えられる。また、給水量を計測するための量水装置を更に含む。前記給水管路は量水装置と連通しており、量水装置は内槽と連通している。
【0050】
本実施例のドラム洗濯機は、量水装置を設置することで、水を内槽1に供給する前に量水装置に進入させて定量計測を行う。また、所定の水位に基づいて、量水装置による量水回数を決定する。これにより、孔無し内槽を有するドラム洗濯機の所定水位に基づく給水の問題を解決して、洗浄効果を確保する。また、構造がシンプルであり、制御が容易である。
【0051】
更に、本実施例の前記量水装置は量水タンク21を含んでいる。量水タンク21は入水口と吐水口を有している。入水口は給水管路と連通しており、吐水口は内槽17と連通している。また、前記吐水口には、量水タンク21内の水量が所定の値に達したときに吐水口を開放するよう制御する吐水制御装置が設けられている。
【0052】
本実施例の一実施形態として、図2に示すように、前記量水タンク21は内槽17の底部に設置されている。前記量水装置は、量水タンク21を検出するための水位検出装置22を含んでいる。また、前記吐水制御装置はタンク排水ポンプ23である。前記タンク排水ポンプ23は、量水タンク21内の水位が所定の値に達したことを水位検出装置22が検出したときに起動して、量水タンク21内の水を内槽17に押し出す。
【0053】
本実施例の一実施形態として、図3に示すように、前記量水タンク21は内槽17の上部に設置されている。前記量水装置は、量水タンクを検出するための水位検出装置22を含んでいる。また、前記吐水制御装置はタンク排水弁25である。前記タンク排水弁25は、量水タンク21内の水位が所定の値に達したことを水位検出装置22が検出したときに起動して、量水タンク21内の水を内槽に排出する。
【0054】
本実施例における前記水位検出装置22は液位センサである。液位センサはガス室とセンサユニットを含んでおり、前記ガス室が量水タンクと連通している。或いは、前記水位検出装置22は、量水タンク内に設置されて深さ方向に配列される複数の水位検出プローブを含む。
【0055】
本実施例の一実施形態として、前記量水タンク21は内槽17の上部に設置されている。前記吐水口は量水タンク21の底壁に設けられており、吐水制御装置は吐水口を常時閉に保持するタンク逆止弁である。量水タンク内の水量が一定の値に達すると、タンク逆止弁は水圧及び重力によって開放される。そして、量水タンク21内の水が内槽17に排出されると、タンク逆止弁は位置復帰して吐水口の閉塞を維持する。
【0056】
本実施例における前記量水タンク21にはオーバーフローホール24が設けられている。オーバーフローホール24は、量水タンク内から溢れた水を導出するオーバーフロー管路に接続されている。
【0057】
好ましくは、ドラム洗濯機は排水管路8を含み、前記オーバーフロー管路が排水管路8と連通している。
【0058】
本実施例の一実施形態として、図4に示すように、前記量水装置は、量水タンク21内に設置される加熱装置26と、量水タンク内の水温を検出する水温検出装置を含む。
【0059】
本実施例は、更に、前記ドラム洗濯機の制御方法を提供する。洗濯機は、洗浄/すすぎプログラムを実行する。洗濯機は、洗浄水を量水タンク内に進入させるよう制御して、量水タンク内の水量が所定の値に達すると給水を停止する。そして、量水タンク内の水を全て内槽内に排出してから、再び量水タンクへの水の供給を開始する。このようにして、内槽内の水位が所定の値に達するまで繰り返してから給水を終了する。
【0060】
更に、洗濯機は、洗浄水を量水タンク内に進入させるよう制御して、量水タンク内の水量が所定の値に達すると給水を停止する。そして、加熱装置を動作させて洗浄水を加熱するよう制御し、量水タンク内の水温が所定の値に達したことを水温検出装置が検出すると、量水タンク内の水を全て内槽内に排出する。
【実施例3】
【0061】
本実施例では、主に、孔無し内槽を有するドラム洗濯機において密封室の気圧の均衡を如何にして保証するかとの問題を解決する。具体的には、電磁弁が突然断水した場合、特に、水道管網が断水した場合に負圧が形成されて、密封室内の洗浄水が水道管網に逆流するとの問題や、内部にガスが存在することで給水が困難になるとの問題を解決する。
【0062】
図5図7に示すように、本実施例のドラム洗濯機は内槽17を含む。内槽17は孔無し内槽であり、衣類を洗浄する際に洗浄水が蓄えられる。また、内槽17を外部環境と連通させることで内槽内部の気圧のバランスを取る気圧バランス機構を更に含む。
【0063】
給水時には、内槽の密封室内のガスが圧力を受けて当該バランス機構から溢れることで、気圧の均衡を保証することができる。
【0064】
突然断水した場合には、外気が迅速に内槽の密封室に進入して逆流を阻み、気圧の均衡を保証することができる。これにより、水道管網に洗浄水が吸い込まれるとの事態が回避される。
【0065】
このほか、例えば脱水時にも、当該気圧バランス機構によって内槽の気圧の均衡を保証することができる。
【0066】
本実施例の一実施形態として、前記気圧バランス機構は、内槽17に設置される等圧孔27を含む。前記等圧孔27における内槽17の内部と連通する一端は、内槽17における回転中心軸寄りの位置に設けられており、且つ内槽17内の最高水位位置よりも常に高くなっている。
【0067】
本実施例のドラム洗濯機は駆動モータ16と内槽軸13を含んでいる。前記駆動モータ16は、内槽軸13を介して内槽17に伝動可能に接続されており、内槽17を回転させる。前記等圧孔27は、内槽軸13に開設されて内槽17の内部と外部環境を連通させる。また、前記内槽17内の最高水位は内槽軸13よりも低い。これにより、等圧孔からの内槽内の水の流出を防止することができる。
【0068】
本実施例のドラム洗濯機は外槽18を含む。前記内槽17は外槽18の内部に設置されており、内槽17内から排出された水は外槽18を経由して排出される。前記内槽17の槽口には内槽を閉塞する内槽ドア6が装着されており、前記外槽18の槽口は開放されている。前記等圧孔27は、一端が内槽17の内部と連通しており、他端が外槽18の内部に設けられて外槽18と連通している。これにより、極端な状況が防止され、当該孔から水が流出したとしても外槽18内に収集することができる。
【0069】
更に、本実施例の前記内槽17の側壁には内槽排水孔が開設されており、内槽排水孔に常時閉のチェックバルブプラグ11が装着されている。また、前記外槽18には、チェックバルブプラグ11を押し開けて排水するための押上ロッド機構10が装着されている。
【0070】
好ましくは、前記外槽18には、内槽の回転をロックするためのロック機構が更に設けられており、ロック機構が内槽をロックしたあとに、押上ロッド機構がチェックバルブプラグを押し開けて排水する。
【0071】
更に、本実施例のドラム洗濯機は給水管路を含んでいる。また、前記内槽軸13内には、内槽17の内部と連通する中空経路14が備わっており、前記給水管路が内槽軸13の中空経路14と連通している。前記等圧孔27と中空経路14は、それぞれ内槽17の内部と連通するとともに、互いに離隔して設置されている。こうすることで、内槽の密封室内のガスを円滑に排出して内槽内部の気圧の均衡を保証可能になるとともに、進入した水が等圧孔27から直接排出されて漏水するとの事態も防止される。
【0072】
具体的に、前記中空経路27は、内槽軸の中心軸線方向に一端から他端まで延伸している。また、前記等圧孔は第1孔部と第2孔部を含んでいる。第1孔部は中空経路と平行に設置されており、一端が内槽の内部と連通している。且つ、第2孔部は、一端が第1孔部と連通しており、他端が内槽軸の外周壁まで延伸して外槽の内部と連通している。
【0073】
好ましくは、前記第2孔部と第1孔部は垂直に設置されてL字状の等圧孔を形成している。
【0074】
更に、前記内槽軸13は駆動モータ16に接続されている。駆動モータ16はステータ及びロータを含んでおり、ロータが内槽軸に固定接続されている。前記ロータの中心には貫通孔が設けられており、前記給水管路がロータの貫通孔を貫通して内槽軸の中空経路と連通している。
【0075】
好ましくは、前記給水管路とロータの貫通孔の間には第1動的シール構造が設けられており、ロータの貫通孔と内槽軸の中空経路との間には第2シール構造が設けられている。
【0076】
本実施例で記載するドラム洗濯機は、前記内槽17の側壁に複数の脱水孔が開設されている。また、脱水孔にはいずれも遠心弁が装着されている。前記遠心弁は、脱水時の遠心力の働きにより開放されて脱水時の排水を行う。
【実施例4】
【0077】
本実施例では、主に、孔無し内槽を有するドラム洗濯機において密封室の気圧の均衡を如何にして保証するかとの問題を解決する。具体的には、電磁弁が突然断水した場合、特に、水道管網が断水した場合に負圧が形成されて、密封室内の洗浄水が水道管網に逆流するとの問題や、内部にガスが存在することで給水が困難になるとの問題を解決する。
【0078】
図8図12に示すように、本実施例のドラム洗濯機は内槽17を含む。内槽17は孔無し内槽であり、衣類を洗浄する際に洗浄水が蓄えられる。また、内槽を外部環境と連通させることで内槽17内部の気圧のバランスを取る増圧機構及び/又は減圧機構を更に含む。
【0079】
本実施例における前記増圧機構は、増圧孔28及び負圧安全弁29を含む。前記負圧安全弁29は増圧孔28に設置されており、内槽17の内部の圧力が外部環境の大気圧よりも小さいときに増圧孔28を一方向に開通させる。これにより、外部環境のガスが増圧孔28から内槽17の内部に進入して増圧し、内槽17内部の気圧と外部環境の気圧が均衡すると、負圧安全弁29が閉止される。
【0080】
本実施例における前記減圧機構は、減圧孔30及び正圧安全弁31を含む。前記減圧孔30は、内槽17における回転中心軸寄りの位置に設けられており、且つ内槽17内の最高水位位置よりも常に高くなっている。前記正圧安全弁31は減圧孔30に設置されており、内槽17の内部の圧力が外部環境の大気圧よりも大きいときに減圧孔30を一方向に開通させて減圧する。そして、内槽17内部の気圧と外部環境の気圧が均衡すると、正圧安全弁31が閉止される。
【0081】
図9に示すように、給水時には、内槽17の密封室内のガスが圧力を受ける。そして、正圧安全弁の所定値よりも大きくなると、正圧安全弁が開放されて、当該減圧孔からガスが溢れ出すことで、気圧の均衡を保証可能となる。
【0082】
図10に示すように、突然断水した場合には、内槽17の密封室内のガスが圧力を受ける。そして、正圧安全弁の所定値よりも小さくなると、外気が迅速に密封室に進入して逆流を阻む。これにより、気圧の均衡が保証されるため、洗浄水が水道管網に吸い込まれるとの事態が回避される。
【0083】
このほか、例えば脱水時にも、当該気圧バランス機構によって内槽の気圧の均衡を保証することができる。
【0084】
本実施例のドラム洗濯機は駆動モータ16と内槽軸13を含んでいる。前記駆動モータ16は、内槽軸13を介して内槽17に伝動可能に接続されており、内槽17を回転させる。前記増圧孔28及び/又は減圧孔30は、内槽軸13に開設されて内槽17の内部と外部環境を連通させる。また、前記内槽17内の最高水位は内槽軸13よりも低い。
【0085】
本実施例のドラム洗濯機は外槽18を含む。前記内槽17は外槽18の内部に設置されており、内槽17内から排出された水は外槽18を経由して排出される。前記内槽17の槽口には内槽を閉塞する内槽ドア6が装着されており、前記外槽18の槽口は開放されている。前記増圧孔28及び/又は減圧孔30は、一端が内槽17の内部と連通しており、他端が外槽18の内部に設けられて外槽18と連通している。
【0086】
本実施例のドラム洗濯機は給水管路を含んでいる。前記内槽軸13内には内槽17の内部と連通する中空経路14が備わっており、前記給水管路が内槽軸13の中空経路14と連通している。前記減圧孔30と中空経路14は、それぞれ内槽17の内部と連通するとともに、互いに離隔して設置されている。
【0087】
図9及び図10に示すように、前記中空経路14は、内槽軸13の中心軸線方向に一端から他端まで延伸している。また、前記減圧孔30は第1孔部と第2孔部を含んでいる。第1孔部は中空経路と平行に設置されており、一端が内槽の内部と連通している。且つ、第2孔部は、一端が第1孔部と連通しており、他端が内槽軸の外周壁まで延伸して外槽の内部と連通している。
【0088】
好ましくは、前記第2孔部と第1孔部は垂直に設置されてL字状の減圧孔を形成している。
【0089】
本実施例のドラム洗濯機は給水管路を含んでいる。また、前記内槽軸13内には内槽17の内部と連通する中空経路14が備わっており、前記給水管路が内槽軸13の中空経路14と連通している。前記増圧孔28は中空経路14と連通している。
【0090】
更に、前記中空経路14は、内槽軸13の中心軸線方向に一端から他端まで延伸している。また、前記増圧孔28は、一端が中空経路14と連通しており、他端が内槽軸13の外周壁まで延伸して外槽18の内部と連通している。
【0091】
好ましくは、前記増圧孔28は中空経路14と垂直に設けられている。
【0092】
本実施例の前記内槽軸は駆動モータに接続されている。駆動モータはステータ及びロータを含み、ロータが内槽軸に固定接続されている。前記ロータの中心には貫通孔が設けられており、前記給水管路がロータの貫通孔を貫通して内槽軸の中空経路と連通している。
【0093】
好ましくは、前記給水管路とロータの貫通孔の間には第1動的シール構造が設けられており、ロータの貫通孔と内槽軸の中空経路との間には第2シール構造が設けられている。
【0094】
図11及び図12に示すように、増圧孔28と減圧孔30はいずれも内槽軸13に設けられている。且つ、大気と連通する開口がいずれも外槽18の内側に位置しており、内槽17の密封室と連通する開口がいずれも内槽軸13の給水経路14の内側に位置している。
【0095】
連想可能なように、好ましくは、増圧孔28と減圧孔30はいずれも内槽軸13に設けられている。且つ、大気と連通する開口がいずれも外槽18の内側に位置しており、内槽17の密封室と連通する開口がいずれも密封室の内側に位置している。
【実施例5】
【0096】
図13に示すように、本実施例のドラム洗濯機は、第1内槽1701と、第1内槽1701の内部に設置される第2内槽1702を含む。前記第2内槽1702は、密閉可能な独立した洗浄室を有しており、衣類を洗浄する際に独立して洗浄水が蓄えられる。
【0097】
本実施例のドラム洗濯機では、第1内槽1701が、独立した洗浄槽として単独で衣類の洗浄を実施可能である。第2内槽1702は、密閉可能な独立した洗浄室を有しており、独立した洗浄槽とすることも、単独で衣類の洗浄を実施することも可能である。また、第2内槽1702は密閉可能な独立した洗浄室を有しているため、衣類を洗浄する際に独立して洗浄水が蓄えられる。こうすることで、第1内槽1701と第2内槽1702が同時に洗浄を実施する際に、2つの槽内の水が互いに混ざり合うことがないため、2つの槽の同時且つ独立した分別洗浄を実現可能である。
【0098】
従って、本発明のドラム洗濯機は、1つの駆動モータで複数の規格の内槽を駆動可能であり、1つの内槽の運転洗浄、又は複数の内槽の同時洗浄を実現可能である。また、見た目は単なる1台の洗濯機の外観をなしているため、1台の洗濯機が1つのモータで複数の独立した洗浄分別を真に実現することができる。これにより、ベビー専用洗浄、下着洗浄、高齢者衣類洗浄、靴下洗浄等の分別洗浄機能を手軽に実現可能となり、洗浄効果が向上するとともに、ユーザエクスペリエンスが高まる。
【0099】
第2内槽が密閉可能な独立した洗浄室を有し得るよう、前記第2内槽1702は孔無し槽とする。第2内槽1702の槽口には、開放/閉止可能な第2内槽ドア602を装着し、第2内槽ドア602が孔無し槽を閉止することで、密閉可能な独立した洗浄室が形成される。
【0100】
第2内槽1702には孔無し槽構造を採用しているため、第2内槽1702からの排水を実現するために、前記第2内槽1702の側壁には第2排水口が開設されている。前記第2排水口には、排水口を常時閉に維持する第2遠心弁33が設置されている。前記第2遠心弁33は、第2内槽1702の回転速度が所定値を上回ったときに第2排水口を開放して排水する。遠心弁による排水構造設計を採用することで、洗浄過程では、第2内槽1702の回転速度が遠心弁の開放回転速度に達し得ないため、第2内槽1702内の衣類について独立洗浄が実施される。一方、排水又は脱水時には、内槽1702の回転速度が所定値を上回るよう制御して遠心弁を開放することで、排水を実現する。
【0101】
第2内槽1702には孔無し槽設計を採用しているため、第2内槽1702は洗浄槽にも貯水槽にもなる。第2内槽1702への給水を実現するために、本実施例のドラム洗濯機は給水システムを含む。前記第1内槽及び第2内槽は、それぞれ給水システムと連通している。
【0102】
好ましくは、洗濯機は、第1内槽1701の底部に接続される内槽軸13を含む。前記内槽軸13は中空軸である。また、前記給水システムは給水管路を含み、給水管路が中空軸と連通している。前記第1内槽1701及び第2内槽1702は、いずれも中空軸と連通している。
【0103】
更に、本実施例で記載する第2内槽1702は、取り外し可能に第1内槽の内部に装着されている。且つ、第2内槽には、中空軸と連通する連通口が備わっている。こうすることで、ユーザは、具体的な洗浄状況に応じて第2内槽1702を使用するか否かを選択可能なため、ユーザの洗浄体験が向上する。
【0104】
好ましくは、前記第2内槽1702の槽底は、係接構造を介して第1内槽1701の槽底に係接される。前記第2内槽1702の槽底の中心位置には連通口が開設されている。
【0105】
本実施例の第1内槽は、従来の孔有り内槽としてもよいし、孔無し槽としてもよい。本実施例におけるドラム洗濯機の節水性及び自動クリーニング性を更に向上させるために、本実施例で記載する第1内槽1701は孔無し槽となっている。第1内槽1701の槽口には、開放/閉止可能な第1内槽ドア601を装着し、第1内槽ドア601が孔無し槽を閉止することで、密閉可能な独立した洗浄室が形成される。
【0106】
且つ、第1内槽からの排水を実現するために、前記第1内槽1701の側壁には第1排水口が開設されており、前記第1排水口には、排水口を常時閉に維持する第1遠心弁32が設置されている。前記第1遠心弁32は、第1内槽1701の回転速度が所定値を上回ったときに第1排水口を開放して排水する。
【0107】
本実施例における前記第1内槽1701の軸方向の高さH1は、第2内槽1702の軸方向の高さH2よりも大きいため、本願の洗濯機は容積の異なる2つの内槽を有している。ユーザは、実際の状況に応じて対応する内槽を選択することで、独立した分別洗浄を実現可能である。
【0108】
本実施例におけるドラム洗濯機の制御方法では、洗濯機が第1内槽及び/又は第2内槽を稼働させるよう制御して、第1内槽又は第2内槽内の衣類につき分別独立洗浄を実施する。
【0109】
更に、洗濯機が、第1内槽洗濯プログラムを実行する際に、第1内槽の回転速度について第1所定値N1を上回るよう制御した場合、第1遠心弁は第1排水口を開放して排水する。
【0110】
洗濯機が、第2内槽洗濯プログラムを実行する際に、第2内槽の回転速度について第1所定値N2を上回るよう制御した場合、第2遠心弁は第2排水口を開放して排水する。
【0111】
前記第2所定値N2≦第1所定値N1である。
【実施例6】
【0112】
本実施例は、実施例5で記載したドラム洗濯機の制御方法を提供する。ドラム洗濯機は、第1内槽と、第1内槽の内部に設置される第2内槽を含む。前記第2内槽は、密閉可能な独立した洗浄室を有しており、衣類を洗浄する際に独立して洗浄水が蓄えられる。洗濯機は、第1内槽及び/又は第2内槽を稼働させるよう制御して、第1内槽又は第2内槽内の衣類につき分別独立洗浄を実施する。
【0113】
本実施例におけるドラム洗濯機の制御方法では、第1内槽及び/又は第2内槽が稼働するよう制御することで、第1内槽が独立して動作する場合、第2内槽が独立して動作する場合、又は第1内槽と第2内槽が共に動作する場合の給水、洗浄、脱水、排水等の動作を実現する。これにより、第1内槽又は第2内槽内の衣類について分別独立洗浄を実施するとの目的を達成する。
【0114】
更に、前記第2内槽は孔無し槽であり、第2内槽の槽口に開放/閉止可能な第2内槽ドアが装着されている。第2内槽ドアが孔無し槽を閉止することで、密閉可能な独立した洗浄室が形成される。前記ドラム洗濯機は、更に、第2内槽の内部と連通する給水システムを含む。
【0115】
本実施例におけるドラム洗濯機の第2内槽には孔無し槽設計を採用しているため、単独での衣類洗浄を実現可能である。前記制御方法は、給水過程において第2内槽の静止を維持し、給水システムの水を第2内槽内にのみ進入させる第2内槽独立動作モードを含む。
【0116】
更に、前記第2内槽の側壁には第2排水口が開設されており、前記第2排水口には、排水口を常時閉に維持する第2遠心弁が設置されている。
【0117】
前記制御方法において、洗濯機は、第2内槽の回転速度が第2所定値N2を上回るよう制御する。すると、前記第2遠心弁が第2排水口を開放し、第2内槽内の水が第1内槽内に排出される。
【0118】
本実施例の制御方法は、更に、第1内槽及び第2内槽共動作モードを含む。当該動作モードでは、給水過程において、第2内槽の回転速度が第2所定値N2を上回るよう制御する。すると、前記第2遠心弁が第2排水口を開放し、給水システムから第2内槽内に進入した水が第1内槽内に排出される。
【0119】
第1内槽内の水位が所定値に達すると、第2内槽の回転速度を第2所定値N2未満に制御するか、静止を維持するよう制御する。そして、第2内槽内の水位が所定値に達すると、給水システムは給水を停止する。
【0120】
更に、排水過程又は脱水過程では、第2内槽の回転速度が第2所定値N2を上回るよう制御する。すると、前記第2遠心弁が第2排水口を開放し、第2内槽内の水が第1内槽内に排出されたあと、第1内槽から排出される。
【0121】
本実施例の一実施形態として、前記第1内槽は孔無し槽であり、第1内槽の槽口に開放/閉止可能な第1内槽ドアが装着されている。第1内槽ドアが孔無し槽を閉止することで、密閉可能な独立した洗浄室が形成される。前記第1内槽の側壁には第1排水口が開設されており、前記第1排水口には、排水口を常時閉に維持する第1遠心弁が設置されている。
【0122】
本実施例で記載する制御方法では、給水過程において、第2内槽の回転速度を第2所定値N2以上、第1所定値N1未満に制御する。すると、前記第2遠心弁が第2排水口を開放し、第1遠心弁が第1排水口の閉止を維持して、給水システムから第2内槽内に進入した水が第1内槽内に排出される。また、前記第2所定値N2は第1所定値N1よりも小さい。
【0123】
更に、排水過程又は脱水過程では、第1内槽及び第2内槽が第1所定値N1よりも大きな回転速度で同期して回転するよう制御する。すると、前記第2遠心弁が第2排水口を開放し、第1遠心弁が第1排水口を開放して、第2内槽内の水が第2排水口から第1内槽内に排出されたあと、第1内槽の第1排水口から排出される。
【0124】
更に、洗浄又はすすぎ過程では、第1内槽及び第2内槽が第2所定値N2よりも小さな回転速度で同期して回転するよう制御する。すると、第1遠心弁が第1排水口の閉止を維持し、第2遠心弁が第2排水口の閉止を維持する。
【0125】
本実施例の制御方法では、第1内槽及び第2内槽の回転速度を規定することで、第1内槽と第2内槽が同時に動作する際の給水、洗浄、排水、脱水等の動作を実現して、2つの内槽の同時且つ独立した洗浄を実現する。
【0126】
第1内槽と第2内槽の双方に孔無し槽構造を採用している場合、前記制御方法は第2内槽独立動作モードを含む。当該動作モードにおいて、洗濯機は、第2内槽と第1内槽が第2所定値N2よりも小さな回転速度で共に回転して洗浄動作を実行するよう制御するとともに、第2内槽と第1内槽が第1所定値N1よりも大きな回転速度で共に動作して排水又は脱水動作を実行するよう制御する。
【0127】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
図1
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図11
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