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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】植物栽培設備における作業移動車
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/14 20060101AFI20240119BHJP
   B08B 1/32 20240101ALI20240119BHJP
【FI】
A01G9/14 W
B08B1/04
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019232900
(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公開番号】P2021100397
(43)【公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003834
【氏名又は名称】弁理士法人新大阪国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(74)【代理人】
【氏名又は名称】特許業務法人新大阪国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】弓達 武志
(72)【発明者】
【氏名】山本 和彦
(72)【発明者】
【氏名】坂井 義明
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-74028(JP,A)
【文献】特開2007-204919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/14
A01G 9/00
A01G 31/00
B08B 1/00 - 1/04
B08B 5/00 - 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数条の栽培ベッド(5)の間に床面(FL)から所定距離離間した高さ(H)に設けるレール(13)に沿って走行する植物栽培設備における作業移動車(3)において、車体の下部に清掃作業体(27,46,47)を設け、前記清掃作業体(27,46,47)は床面(FL)に散乱する茎葉を走行方向に押寄せるために下降する作業姿勢と、車体下部に接近し上昇する非作業姿勢に切り替わる構成とし、
前記車体に、前記レール(13)に沿って走行する軌条用走行車輪(23)と、前記床面(FL)を走行する移動用車輪(33)を備え、降下する前記作業姿勢の前記清掃作業体(27)の作用部分が前記軌条用走行車輪(23)の地部よりも下方に位置し、上昇した前記非作業姿勢の前記清掃作業体(27)の作用部分は、前記床面(FL)の移動用の前記移動用車輪(33)の接地部よりも上方に位置するよう構成した植物栽培設備における作業移動車。
【請求項2】
前記清掃作業体を横軸芯周りに回転する回転ブラシ(27)とした請求項1記載の植物栽培設備における作業移動車。
【請求項3】
前記清掃作業体をバケット(46)とした請求項1記載の植物栽培設備における作業移動車。
【請求項4】
前記車体の移動距離を検出する距離検出手段(42)を備え、前記清掃作業体(27,46,47)が前記作業姿勢から前記非作業姿勢に切り替わる回数を設定する堆積数設定手段(41)を設けてなる請求項1から請求項のいずれか一に記載の植物栽培設備における作業移動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物栽培設備における作業移動車に関し、特に床面の清掃を行う作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
植物栽培設備において、ハウス内に複数条の栽培ベッドを配設し、栽培ベッドに並行して設ける暖房用の温湯管を設け、該温湯管をレールとして作業車を走行可能に構成したものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-223216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によると、作業者は移動走行する作業移動車に乗って収穫作業をしたり、収穫果実を載せて搬送したりすることができ、ハウス内での作業効率を向上することができる。
【0005】
ところで、栽培ベッド間の床面には植物の芽欠き作業や葉欠き作業に伴って茎葉が散乱し、清掃作業が容易でない。さらに過剰に散乱すると作業車の腹部に堆積した茎葉が付着することで円滑な収穫作業等を阻害する恐れがある。
【0006】
この発明は、栽培ベッド間に散乱する茎葉の除去の円滑化を図る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するために、第1の本発明は、複数条の栽培ベッド(5)の間に床面(FL)から所定距離離間した高さ(H)に設けるレール(13)に沿って走行する植物栽培設備における作業移動車(3)において、車体の下部に清掃作業体(27,46,47)を設け、前記清掃作業体(27,46,47)は床面(FL)に散乱する茎葉を走行方向に押寄せるために下降する作業姿勢と、車体下部に接近し上昇する非作業姿勢に切り替わる構成とし、
前記車体に、前記レール(13)に沿って走行する軌条用走行車輪(23)と、前記床面(FL)を走行する移動用車輪(33)を備え、降下する前記作業姿勢の前記清掃作業体(27)の作用部分が前記軌条用走行車輪(23)の地部よりも下方に位置し、上昇した前記非作業姿勢の前記清掃作業体(27)の作用部分は、前記床面(FL)の移動用の前記移動用車輪(33)の接地部よりも上方に位置するよう構成した植物栽培設備における作業移動車である。
第2の本発明は、前記清掃作業体を横軸芯周りに回転する回転ブラシ(27)とした第1の本発明の植物栽培設備における作業移動車である。
第3の本発明は、前記清掃作業体をバケット(46)とした第1の本発明の植物栽培設備における作業移動車である。
第4の本発明は、前記車体の移動距離を検出する距離検出手段(42)を備え、前記清掃作業体(27,46,47)が前記作業姿勢から前記非作業姿勢に切り替わる回数を設定する堆積数設定手段(41)を設けてなる第1から第3のいずれかの本発明の植物栽培設備における作業移動車である。
本発明に関連する第1の発明は、複数条の栽培ベッド5の間を走行する作業移動車3において、車体の下部に清掃作業体27,46,47を設け、前記清掃作業体27,46,47は床面FLに散乱する茎葉を走行方向に押寄せ下降する作業姿勢と、車体下部に接近し上昇する非作業姿勢に切り替わる構成とした植物栽培設備における作業移動車である。
【0008】
本発明に関連する第2の発明は、本発明に関連する第1の発明において、前記車体に、前記複数条の栽培ベッド5の間に設けるレール13に沿って走行する軌条用走行車輪23と、前記床面FLを走行する移動用車輪33を備え、前記レール13を前記床面FLから所定距離離間した高さHに設け、降下する前記作業姿勢の前記清掃作業体27の作用部分が前記軌条用走行車輪23の前記レール13の接地部よりも下方に位置し、上昇した前記非作業姿勢の前記清掃作業体27の作用部分は、前記床面FLの移動用の前記移動用車輪33の接地部よりも上方に位置するよう構成している。
【0009】
本発明に関連する第3の発明は、本発明に関連する第1又は第2の発明において、前記清掃作業体を横軸芯周りに回転する回転ブラシ27とした。
【0010】
本発明に関連する第4の発明は、本発明に関連する第1又は第2の発明において、前記清掃作業体をバケット46とした。
【0011】
本発明に関連する第5の発明は、本発明に関連する第1から第4のいずれかの発明において、前記車体の移動距離を検出する距離検出手段42を備え、前記清掃作業体27,46,47が前記作業姿勢から前記非作業姿勢に切り替わる回数を設定する堆積数設定手段41を設けてなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、清掃作業体27,46,47を作業姿勢とし、車体の走行とともに床面FLに散乱する茎葉を走行方向に押寄せするので、1箇所又は数か所に堆積できて後の廃棄作業が容易となる。そして、本発明によると、上述された効果に加え、清掃作業体27,46,47が作業姿勢では栽培ベッド5間の床面FLに散乱する茎葉を確実に押寄せできる。非作業姿勢には清掃作業体27,46,47は床面FLに接地しないので車体は移動用車輪33による走行が円滑かつ容易となる。
本発明に関連する第1の発明によると、清掃作業体27,46,47を作業姿勢とし、車体の走行とともに床面FLに散乱する茎葉を走行方向に押寄せするので、1箇所又は数か所に堆積できて後の廃棄作業が容易となる。
【0013】
本発明に関連する第2の発明によると、本発明に関連する第1の発明の効果に加え、清掃作業体27,46,47が作業姿勢では栽培ベッド5間の床面FLに散乱する茎葉を確実に押寄せできる。非作業姿勢には清掃作業体27,46,47は床面FLに接地しないので車体は移動用車輪33による走行が円滑かつ容易となる。
【0014】
本発明に関連する第3の発明によると、本発明に関連する第1又は第2の発明の効果に加え、回転ブラシ27,47により床面FLを清掃しつつ押寄せするものであるから、茎葉を効率的に収集できる。
【0015】
本発明に関連する第4の発明によると、本発明に関連する第1又は第2の発明の効果に加え、バケット46により茎葉を収容しつつ押寄せするものであるから、茎葉を効率的に収集できる。
【0016】
本発明に関連する第5の発明によると、本発明に関連する第1から第4の発明の効果に加え、適正な量の茎葉を所定距離毎に堆積することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明における実施の形態の植物栽培設備の概要図である。
図2】本発明における実施の形態の栽培設備一部の概要を示す側面図である。
図3】本発明における実施の形態の作業移動車の側面図である。
図4】(A)本発明における実施の形態の作業移動車の平面図、(B)本発明における実施の形態の操作盤部の平面図である。
図5】本発明における実施の形態の作業移動車の背面図である。
図6】本発明における実施の形態の清掃作業体関係斜視図である。
図7】本発明における実施の形態の制御ブロック図である。
図8】本発明における実施の形態の別例の作業移動車の側面図である。
図9】(A)本発明における実施の形態の別例の清掃作業体の斜視図、(B)その側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態の温室設備について以下説明する。
【0019】
図1は栽培施設の一例を示すものであり、この栽培施設は、暖房機や加湿機等により温度及び湿度等の室内環境が管理される温室である栽培室1と、該栽培室1に隣接する出荷室2とを備えている。前記栽培室1内の中央には作業者又は作業移動車(作業台車)3あるいは防除作業車等が通過できるメイン通路4を設けており、このメイン通路4は、路面がコンクリートで構成されたコンクリート通路である。メイン通路4の両側の側方位置には、栽培ユニットとなる栽培ベッド5を多数列配置した作物を栽培するための栽培スペース6を構成している。尚、前記栽培ベッド5は培地となるロックウールで形成された栽培
床部であり、出荷室2内の養液供給装置7から各栽培ベッド5へ養液が供給される構成となっている。
【0020】
また、メイン通路4の両端には開閉扉を備える栽培室1への出入り口8を設け、一方の出入り口8を介して隣接する出荷室2へ行き来できる構成となっている。尚、他方の出入り口8は、栽培施設の屋外から出入りできる構成となっている。そして、作業移動車3をメイン通路4から各々の栽培ベッド5の間のサブ通路9に移動させ、該サブ通路9で栽培ベッド5に沿って作業移動車3を移動させながら栽培する植物に対する各種作業を行うことができる。サブ通路9は、各々の栽培ベッド5の左右間で前後方向に形成される通路となる。尚、作業移動車3は、サブ通路9上に敷設された温室全体を暖房する左右の暖房用管を走行用のレール13として走行する。
【0021】
前記出荷室2内には、前述した養液供給装置7と、収穫されたトマト等の収穫物(果実)を重量や大きさあるいは等級別に選別する選別装置10とを備えている。尚、該選別装置10が、栽培された作物を出荷前に処理する前処理装置となる。選別装置10は、収穫物を搬送して選別する選別コンベア11と、該選別コンベア11の両側の側方に設けられた各階級毎の収穫物収容部12とを備えて構成され、選別コンベア11から各収穫物収容部12へ収穫物を供給して各階級に選別する構成となっている。尚、前記選別コンベア11は、平面視でL字状に屈曲した構成となっている。また、各々の収穫物収容部12には収穫物を収容する収容箱を設けて、この収容箱ごとに収穫物を出荷すればよい。
【0022】
栽培ベッド5の上側には、該栽培条に沿う誘引ワイヤ15を設け、栽培される植物の栽培株は、誘引ワイヤ15から誘引フック16を介して垂れ下がる誘引部材としての誘引紐17により誘引される。尚、誘引フック16は、誘引ワイヤ15に吊り下げられる構成であり、巻き付けた誘引紐17を適宜繰り出して下方に垂れ下がらせる周知の構成となっている。また、植物が所定の高さ(誘引フック16の近く)まで成長した以降は、誘引フック16から誘引紐17を繰り出しながら、順次誘引紐17を前記複数の栽培株の配列方向、すなわち栽培ベッド5の長手方向にずらせて植物の高さを低下させ、植物を継続的に栽培する。従って、例えばトマトを栽培する場合、トマトの茎が栽培ベッド5から誘引紐17を伝って伸長することになる。
【0023】
次いで暖房用管を走行用のレール13として走行する作業移動車3について説明する。図3において、ステップ兼用の車体フレーム20の中央部に駆動源としてのバッテリ又は発電機を収容したボンネット21を備え、ボンネット21の前後一側(図例では後側)にループハンドル22を連結する。車体フレーム20の下部側には前後にそれぞれ左右一対として前記レール13を軌条とする軌条用走行車輪23を設ける。ボンネット21の前方において車体フレーム20の上面に走行モータ24を設け、軌条用走行車輪のうち前側の軌条用走行車輪23は、走行モータ24に連動する駆動チェン25によって正逆転連動される駆動車輪に構成されている。なお、前記レール13を床面FLから所定距離離間した高さHに設けている。
【0024】
前記車体フレーム20の下部に、昇降アーム26を介して回転ブラシ27を設ける。すなわち、回転ブラシ27の支持軸28の左右端部を車体フレーム20の下面に横軸周りに上下回動自在に支持された左右の昇降アーム26の各先端部に回転自在に支持する。そして昇降アーム26は昇降シリンダ機構29のピストン29pの下端に連結する昇降リンク30に連結されていて、単一の昇降シリンダ機構29のピストン29pの上下摺動作動に伴って昇降リンク30を介して左右の昇降アーム26は車体フレーム20側を支点に先端側が昇降し、もって回転ブラシ27が床面FLに接近又は接触する下降作業姿勢と、適宜高さに上昇する非作業姿勢に高さ変更できるよう構成している。
【0025】
なお、回転ブラシ27は、下降作業姿勢の状態で車体フレーム20の後端部に位置している。そして伝動機構31によって回転ブラシ27は正転又は逆転に駆動される構成である。したがって、例えば図3において作業移動車3を前進Fさせ、回転ブラシ27を図3中矢印イ方向に回転駆動すると、床面FLに散乱する茎葉は回転ブラシ27で作業移動車3の移動と共に押寄せされる。回転ブラシ27の回転は茎葉の床面FLの清掃を促進して残葉等を少なくできる。
【0026】
前記回転ブラシ27の伝動機構31は、回転ブラシ27の後位に適宜に固定した駆動モータ31aと該駆動モータ31aと回転ブラシ27の支持軸28との間に架け渡す伝動チェン31b等からなる(図6)。
【0027】
作業移動車3の移動とともに回転ブラシ27の前方に茎葉が堆積する。堆積量が増大し一定の堆積量を超えると、昇降シリンダ機構29を後述の昇降スイッチで、ピストン上昇側に作動して昇降アーム26を上昇側に連動し回転ブラシ27は非作業姿勢とされる。さらに作業移動車3を前進させて非作業姿勢の回転ブラシ27が茎葉の堆積部を超えると、昇降アーム26を降下連動し、回転ブラシ27は降下の作業姿勢に復帰する。以後回転ブラシ27の昇降を繰り返し、上記同様の作業、非作業を行い、所定サブ通路9の床面FL上に所定間隔毎に茎葉の堆積を築いていく。そして作業移動車3をこのサブ通路9から別のサブ通路9に移動して清掃作業を継続する。なお、所定間隔に堆積された茎葉は別途回収して一括廃棄処分されるものである。
【0028】
前記車体フレーム20の下方には、前記軌条用走行車輪23に加えて、非駆動の移動用車輪33を備える。この移動用車輪33は、車体フレーム20の前部下方に左右一対設けられるもので、平面視でレール13より外側に位置し、かつ接地高さ(地上高)hを軌条用走行車輪23の接地高さ、すなわち前記レール13高さHよりも低く設定している。したがって、レール13から外れた作業移動車3は、移動用車輪33が接地し、ループハンドル22操作によって移動し得る。この際軌条用走行車輪23は非接地状態を保つことができる。
【0029】
ここで軌条用走行車輪23、床面FLの移動用車輪33、及び清掃作業体としての回転ブラシ27の作業姿勢・非作業姿勢との関係について説明すると、図3に示す軌条走行状態の側面視において、降下する作業姿勢の回転ブラシ(清掃作業体)27の接地作用部分(作用部分)が軌条用走行車輪23の接地部よりも下方に位置し、一方、上昇した非作業姿勢の回転ブラシ(清掃作業体)27の接地作用部分(作用部分)は、床面FL移動用の移動用車輪33の接地部よりも上方に位置する関係に構成されている。このように構成すると、回転ブラシ(清掃作業体)27を作業姿勢におく清掃作用中、栽培ベッド5間の床面FLに堆積する茎葉を確実に押寄せすることができる。また回転ブラシ(清掃作業体)27を非作業姿勢におく非清掃作用中には回転ブラシ(清掃作業体)27が接地しないので移動が円滑となる。
【0030】
なお、移動用車輪33について、上記実施例では車体フレーム20の前部下方左右に配置したが、前後一対ずつ配設し四輪としてもよい。
【0031】
前記車体フレーム20のボンネット21よりも外側左右に張り出す部分をキャリア20aとし、作業員が乗って高所作業を行う踏み台としたり、栽培管理に必要な資材の置き場に利用したりできる。
【0032】
前記昇降シリンダ機構29について、例えばエアシリンダを採用し、図外バルブを切替え圧縮空気をシリンダ29bに給排することによって伸縮制御できる構成とし、バルブ切替えは、例えば回転ブラシ27の作業姿勢と非作業姿勢の切替えを司る作業スイッチ35の上昇側、下降側への切換操作に連動させた構成とする。作業スイッチ35はループハンドル22の中央箇所に固定した操作盤36に配置される。操作盤36には、作業スイッチ35の他、車体前進・後進設定する走行スイッチ37、回転ブラシ27正転又は逆転に切り換えるブラシ回転スイッチ38、自動走行モード又は手動走行モードを選択設定できる走行モード設定スイッチ39、緊急停止スイッチ40を備えている。
【0033】
走行モード設定スイッチ39を手動走行モードに設定するときは、走行スイッチ37、作業スイッチ35及びブラシ回転スイッチ38を操作しつつ清掃作業を行う。
【0034】
また、走行モード設定スイッチ39を自動走行モードに切り替えると以下のように自動制御される。なお予め、サブ通路9清掃作業中に回転ブラシ27を非作業姿勢として茎葉の堆積を何回形成するかを設定できる堆積数設定ダイヤル41にて、該当の数値(図例では、1回から5回のいずれか)を設定しておく。また、自動走行に際して、制御部Cには、軌条用走行車輪23の車軸23a回転を検出することにより車体の移動距離を検出するロータリエンコーダ42、サブ通路9の奥側に達したことを検出する通路端検出スイッチ43の検出信号を入力し、軌条用走行車輪23への駆動又は停止信号、回転ブラシ27駆動又は停止信号、及び回転ブラシ27の上昇又は下降信号をそれぞれ出力する。堆積数設定手段として上記実施例では堆積数設定ダイヤル41としたが、堆積数設定手段としてはダイヤルに代わる数値入力手段で代替できる。
【0035】
自動走行モードを選択すると、回転ブラシ27は停止し上昇の非作業姿勢に設定され、軌条用走行車輪23は後進出力される。作業移動車3は後退移動しサブ通路9の奥側端に達するとレール13端に形成した凸条にリミットスイッチ形態の通路端検出スイッチ43が作用してONし、軌条用走行車輪23に停止出力する。作業開始スタート位置となり、ここではまず回転ブラシ27を回転し、ついで下降出力する。回転ブラシ27が作業姿勢に降下すると軌条用走行車輪23に前進出力され、作業移動車3は回転ブラシ27が茎葉を集積しつつ前進移動する。前記堆積数設定ダイヤル41で設定された回数に基づき、サブ通路9長さとの関係によって設定回数に至る移動距離が算出できる構成である。そして、ロータリエンコーダ42のカウント数入力によって移動距離演算を実行しながら、第1回目、第2回目…の堆積箇所に達すると、回転ブラシ27を非作業姿勢に上昇し、次々に茎葉を堆積する。各堆積箇所では所定短時間作業移動車3を停止又は微速させるよう構成し、確実に回転ブラシ27を上昇させてから移動させてもよい。
【0036】
図8図9に基づき、回転ブラシ27に代替する清掃作業体の構成について説明する。図3図5と共通する部材については共通の符号を付している。
【0037】
車体フレーム20の中央下部に連結された昇降アーム45の前下方にバケット46を連結している。図例では収容バケット46で囲われる内方に回転ブラシ47を配設する。具体的には図9に示すように、昇降アーム45の先端に、左右壁部46aと底板部46bと後部壁46cからなるバケット46を横軸芯(回動支点)P周りに回動自在に連結し、回動支点がこの横軸芯Pと一致する回転ブラシ47を、バケット46内の後部壁46c寄りに収容状態に配置している。回転ブラシ47の回転軸47aは、左右壁部46aに支持構成され、一側に駆動モータ48の回転を駆動チェン49を介して伝動可能に設けている。なお、駆動モータ48は、バケット46の後部壁46cの外側面に適宜に固定されている。
【0038】
前記バケット46の上方に、前記後部壁46cの上端に回動支点Qを有する検知板50を構成する。検知板50は、常時は水平姿勢であるがバケット46内に茎葉の収容物が堆積するとその圧力によって回動支点Q回りに上方回動するように構成している。検知板50の所定上方角度に達すると作動するリミットスイッチ51を備え、バケット46の所定量に堆積したことを検知できる構成としている。
【0039】
このように構成し、バケット46の茎葉が所定以上に堆積すると、制御部Cは走行モータ24に停止信号を出力し、昇降シリンダ機構29による昇降アーム45上昇信号を出力する。昇降アーム45の上昇は、回動支点Pを上昇することとなるが、バケット46は茎葉の堆積も相まって回動支点P回りに回動し堆積する茎葉を床面FLに排出する。このようにバケット46を構成すると、所定量堆積される毎に、バケット上昇して堆積させることができる。
【0040】
なお、バケット46の下部前後に小径ローラ52を設けている。これによって床面FLの走行性を向上する。
【符号の説明】
【0041】
5 栽培ベッド
13 暖房用管(レール)
23 軌条用走行車輪
27 回転ブラシ(清掃作業体)
33 移動用車輪
41 堆積数設定ダイヤル(堆積数設定手段)
42 ロータリエンコーダ(距離検出手段)
46 バケット(清掃作業体)
47 回転ブラシ(清掃作業体)
FL 床面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9