(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H04M 1/72 20210101AFI20240119BHJP
【FI】
H04M1/72
(21)【出願番号】P 2022509401
(86)(22)【出願日】2021-02-16
(86)【国際出願番号】 JP2021005596
(87)【国際公開番号】W WO2021192729
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】P 2020051159
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】長谷 和俊
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-235184(JP,A)
【文献】特開2018-061155(JP,A)
【文献】特開2009-232437(JP,A)
【文献】特開2017-126887(JP,A)
【文献】特開2013-255156(JP,A)
【文献】特開2016-048413(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0149597(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/00
1/16-1/18
H04M1/00
1/24-1/82
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器との電波の送受信を行う1つまたは複数の無線通信モジュールと、
前記1つまたは複数の無線通信モジュールの出力を制御する出力制御部と、
電子機器の利用状態を検出する状態検知部と、
ID情報を識別するID識別部と、
前記1つまたは複数の無線通信モジュールと、前記出力制御部と、前記状態検知部と、前記ID識別部と、表示部と、を有する第1筐体と、
前記第1筐体とヒンジを介して互いに回動可能に接続され、入力部を有する第2筐体と、
を備え、
前記出力制御部は、前記状態検知部により検出された前記利用状態と、前記ID識別部により識別された前記ID情報と、に基づいて、前記1つまたは複数の無線通信モジュールの前記出力を
制御し、
前記利用状態は、前記第1筐体と前記第2筐体とが対向して配置され、前記表示部が露出する第3状態と、前記第1筐体と前記第2筐体とが回動方向に離れる第4状態と、を含む、
電子機器。
【請求項2】
前記ID識別部は、前記電子機器の位置する国または地域を識別する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
さらに、位置情報を取得する位置情報取得部、を備え、
前記ID識別部は、前記位置情報に基づいて前記電子機器の位置する国または地域を識別する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記電子機器は、
前記1つまたは複数の無線通信モジュールと、前記出力制御部と、前記状態検知部と、前記ID識別部と、を有する第1機器と、
前記第1機器に接続される第2機器と、
を含み、
前記利用状態は、前記第1機器と前記第2機器とが接続されていない第1状態と、前記第1機器と前記第2機器とが接続されている第2状態と、を含む、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記出力制御部は、前記状態検知部により前記第1状態が検出されたときに、前記第2状態が検出されたときよりも前記1つまたは複数の無線通信モジュールの前記出力を下げる、
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1機器は、表示部を有するタブレットであり、
前記第2機器は、入力部を有する本体部である、
請求項4または5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記第1機器は、表示部を有するタブレットであり、
前記第2機器は、前記第1機器に接続されるカーマウンタまたはクレードルである、
請求項4または5に記載の電子機器。
【請求項8】
前記状態検知部は、前記第1筐体と前記第2筐体とのなす開き角度を検出する磁気センサを有する、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記出力制御部は、前記開き角度に基づいて、前記1つまたは複数の無線通信モジュールの前記出力を制御する、
請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記出力制御部は、前記状態検知部により前記第3状態が検出されたときに、前記第4状態が検出されたときよりも前記1つまたは複数の無線通信モジュールの前記出力を下げる、
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
タブレットPC、またはスマートフォン等の電子機器は、無線WANおよび無線LAN等の無線通信モジュールを搭載している。無線通信モジュールのアンテナの放射する電磁波による生体への影響が懸念されている。そこで、各国の関係機関は、人体が電磁波にさらされることによって単位質量の組織に単位時間に吸収されるエネルギー量である比吸収率(SAR:Specific Absorption Rate)を制定している。
【0003】
例えば、特許文献1では、近接センサを有し、人体に接近した場合に無線通信モジュールの出力を低下させる電子機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
特許文献1の電子機器は、無線通信モジュールの出力を効率よく制御するという点において未だ改善の余地がある。
【0006】
そこで、本開示は、無線通信モジュールの出力を効率よく制御することのできる電子機器を提供することを目的とする。
【0007】
外部機器との電波の送受信を行う1つまたは複数の無線通信モジュールと、
前記1つまたは複数の無線通信モジュールの出力を制御する出力制御部と、
電子機器の利用状態を検出する状態検知部と、
ID情報を識別するID識別部と、
を備え、
前記出力制御部は、前記状態検知部により検出された前記利用状態と、前記ID識別部により識別された前記ID情報と、に基づいて、前記1つまたは複数の無線通信モジュールの前記出力を制御する。
【0008】
本開示によると、無線通信モジュールの出力を効率よく制御することのできる電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1にかかる電子機器の外観を示す概略図である。
【
図2】
図1の電子機器の内部構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1の電子機器のタブレット状態を示す概略図である。
【
図4】
図1の電子機器のラップトップ状態を示す概略図である。
【
図5】
図1の電子機器の無線通信モジュールの出力を示す表である。
【
図6】
図1の電子機器における無線通信モジュールの出力制御を示すフローチャートである。
【
図7】
図1の電子機器の内部構成の変形例を示すブロック図である。
【
図8】実施の形態2にかかる電子機器の外観を示す概略図である。
【
図9】
図8の電子機器のコンバーチブル状態を示す概略図である。
【
図10】
図8の電子機器の内部構成を示すブロック図である。
【
図11】
図8の電子機器における無線通信モジュールの出力制御を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態2の変形例に係る電子機器を示す概略図である。
【
図13】本開示の実施の形態3にかかる電子機器の内部構成を示すブロック図である。
【
図15】
図13の国ごとの無線通信モジュールの出力を示す表である。
【
図16】
図8の電子機器の第1筐体と第2筐体との開き角度に応じた無線通信モジュールの出力を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示に至った経緯)
無線LANまたは無線WAN等の無線通信モジュールを搭載する電子機器において、アンテナ21aにより放射される電磁波は、許容される比吸収率(SAR:Specific Absorption Rate)が国ごとに定められている。SARとは、人体の単位質量に単位時間当たりに吸収される電磁波エネルギー量をいう。
【0011】
例えば、北米(米国、カナダ)または韓国では、人体の局所的なばく露に対するSARを生体組織1g平均について1.6W/kg以下にするよう規制されている。また、ヨーロッパ、オセアニア諸国、または日本などでは、生体組織10g平均について2.0W/kg以下にするよう規定されている。
【0012】
例えば、タブレットPCのようにタッチパネル等により入出力を行う電子機器は、ラップトップPCのようなキーボード等により入出力を行う電子機器と比較して、使用する際の人体との距離が近くなる傾向にある。このため、特にタブレットPCにおいては、SAR規制を満たすために、無線通信モジュールの出力を低下させることが求められている。
【0013】
例えば、特許文献1に記載の電子機器は、近接センサを用いて、人体と電子機器とが所定の距離よりも接近した場合に無線通信モジュールの出力を低下させることで、SAR規制を満たす構成である。
【0014】
例えば、近接センサを用いる場合、誤検知等により、無線通信モジュールの出力を制御しなくてもよい場合に低出力にしてしまい、無線通信モジュールの出力を効率よく制御するという点において課題がある。
【0015】
また、電子機器に複数のアンテナを配置し、例えば、表示方向、保持方向、または設置状況等の電子機器の使用状況に応じて、使用を中止するアンテナを決定する方法が検討されている。この場合、電子機器に複数のアンテナが搭載されるため、製造コストが高くなってしまうという課題がある。また、電子機器の使用状況に応じて使用されないアンテナが発生するため、電子機器に複数のアンテナを配置するスペースが必要となり、小型化が難しいという課題がある。
【0016】
そこで、本発明者は、SAR規制を満たすために、無線通信モジュールの出力を効率よく制御する構成の電子機器を考案し、以下の発明に至った。
【0017】
本開示の電子機器は、外部機器との電波の送受信を行う1つまたは複数の無線通信モジュールと、
前記1つまたは複数の無線通信モジュールの出力を制御する出力制御部と、
電子機器の利用状態を検出する状態検知部と、
ID情報を識別するID識別部と、
を備える。
【0018】
前記出力制御部は、前記状態検知部により検出された前記利用状態と、前記ID識別部により識別された前記ID情報と、に基づいて、前記1つまたは複数の無線通信モジュールの前記出力を制御する。
【0019】
この構成によると、無線通信モジュールの出力を効率よく制御することのできる電子機器を提供することができる。
【0020】
前記ID識別部は、前記電子機器の位置する国または地域を識別してもよい。
【0021】
この構成により、電子機器の位置する国または地域により異なる無線通信モジュールの制御を行うことができる。
【0022】
さらに、前記電子機器は、
位置情報を取得する位置情報取得部、
を備え、
前記ID識別部は、前記位置情報に基づいて前記電子機器の位置する国または地域を識別してもよい。
【0023】
この構成により、取得した位置情報に基づき、国または地域を識別して無線通信モジュールの制御を行うことができる。
【0024】
前記電子機器は、
前記1つまたは複数の無線通信モジュールと、前記出力制御部と、前記状態検知部と、前記ID識別部と、を有する第1機器と、
前記第1機器に接続される第2機器と、
を含み、
前記利用状態は、前記第1機器と前記第2機器とが接続されていない第1状態と、前記第1機器と前記第2機器とが接続されている第2状態と、を含んでもよい。
【0025】
この構成により、第1機器と第2機器との接続有無に基づいて、無線通信モジュールの出力を制御することができる。
【0026】
前記出力制御部は、前記状態検知部により前記第1状態が検出されたときに、前記第2状態が検出されたときよりも前記1つまたは複数の無線通信モジュールの前記出力を下げてもよい。
【0027】
この構成によると、第1状態と第2状態とで無線通信モジュールの出力を変えることができる。
【0028】
前記第1機器は、表示部を有するタブレットであり、
前記第2機器は、入力部を有する本体部であってもよい。
【0029】
この構成によると、タブレットを着脱可能な電子機器において、タブレット単体で使用する場合に無線通信モジュールの出力を低下させることができる。
【0030】
前記第1機器は、表示部を有するタブレットであり、
前記第2機器は、前記第1機器に接続されるカーマウンタまたはクレードルであってもよい。
【0031】
この構成によると、タブレットをカーマウンタまたはクレードルに接続可能である場合に、タブレット単体で使用するときに無線通信モジュールの出力を低下させることができる。
【0032】
前記電子機器は、
前記1つまたは複数の無線通信モジュールと、前記出力制御部と、前記状態検知部と、前記ID識別部と、表示部と、を有する第1筐体と、
前記第1筐体とヒンジを介して互いに回動可能に接続され、入力部を有する第2筐体と、
を有し、
前記利用状態は、前記第1筐体と前記第2筐体とが対向して配置され、前記表示部が露出する第3状態と、前記第1筐体と前記第2筐体とが回動方向に離れる第4状態と、を含んでもよい。
【0033】
この構成によると、第3状態と第4状態との利用状態で使用可能な電子機器において、利用状態に基づいて無線通信モジュールの出力を制御することができる。
【0034】
前記状態検知部は、前記第1筐体と前記第2筐体とのなす開き角度を検出する磁気センサを有してもよい。
【0035】
この構成によると、第3状態と第4状態とを容易に検出することができる。
【0036】
前記出力制御部は、前記開き角度に基づいて、前記1つまたは複数の無線通信モジュールの前記出力を制御してもよい。
【0037】
この構成によると、第1筐体と第2筐体との開き角度により、よりフレキシブルに無線通信モジュールの出力を制御することができる。
【0038】
前記出力制御部は、前記状態検知部により前記第3状態が検出されたときに、前記第4状態が検出されたときよりも前記1つまたは複数の無線通信モジュールの前記出力を下げてもよい。
【0039】
この構成によると、第3状態を検出されたときに、無線通信モジュールの出力を下げることができる。
【0040】
以下、実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0041】
(実施の形態1)
図1は、本開示の電子機器1の外観を示す概略図である。
図2は、
図1の電子機器1の内部構成を示すブロック図である。
図3は、
図1の電子機器1のタブレット状態を示す概略図である。
図4は、
図1の電子機器1のラップトップ状態を示す概略図である。
【0042】
[全体構成]
図1に示すように、電子機器1は、表示部4を有するタブレット2と、キーボード5を有する本体部3と、を含む。タブレット2と本体部3とは、着脱可能に接続される。なお、タブレット2が本開示の「第1機器」に相当し、本体部3が本開示の「第2機器」に相当する。
図2に示すように、タブレット2は、無線通信モジュール21と、出力制御部22と、状態検知部23と、ID識別部24とを有する。また、本体部3は、第2接続部31および制御部32を有する。
【0043】
電子機器1は、本開示の「第1機器」に相当するタブレット2単体で使用することもできる。電子機器1は、さらに、タブレット2を本開示の「第2機器」に相当する本体部3に接続することにより、キーボード5と表示部4とを含むラップトップPCのように使用することができる(
図4参照)。すなわち、電子機器1は、
図3に示すタブレット状態と、
図4に示すラップトップ状態と、で使用することができる。
【0044】
タブレット状態とは、タブレット2と本体部3とが接続されず分離しており、タブレット2単体で使用される状態である。表示部4のタッチパネル等により、電子機器1への入出力が行われる。タブレット状態は、本開示の「第1状態」に相当する。
【0045】
ラップトップ状態とは、タブレット2と本体部3とが接続されており、タブレット2と本体部3とが開いた状態である。ラップトップ状態では、タブレット2が本体部3のソケット6に差し込まれることにより、タブレット2と本体部3とが接続されている。ラップトップ状態では、キーボード5を使用して電子機器1への入出力が行うことができる。キーボード5は入力部の一例である。ラップトップ状態は、本開示の「第2状態」に相当する。なお、タブレット2が本体部3のソケット6に差し込まれ、タブレット2と本体部3とが対向して配置され、タブレット2の表示部4と本体部3のキーボード5とがともに露出していない状態を収納状態という。
【0046】
電子機器1の利用状態が、タブレット状態である場合、表示部4のタッチパネル等を使用して入出力が行われるため、電子機器1と人体との距離が近くなることがある。このため、電子機器1の利用状態がタブレット状態(第1状態)の場合には、SAR規定を考慮すると、無線通信モジュール21の出力を低下させることが好ましい。一方、ラップトップ状態(第2状態)では、電子機器1は人体とある程度の距離を離して使用されることが想定されるため、無線通信モジュール21の出力を低下させなくても、SAR規定を満たすことができる。また、SAR規制は電子機器が使用されている状態において定義されるものであるため、収納状態では無線通信モジュール21の出力を制御しなくてもよい。
【0047】
<無線通信モジュール>
無線通信モジュール21は、外部機器との電波の送受信を行う。例えば、無線LANまたは無線WAN等の機能により、電子機器1をインターネット等に接続することができる。無線通信モジュール21は、アンテナ21aに接続され、アンテナ21aにより電波の送受信を行う。なお、本実施の形態では、1つのアンテナ21aに1つの無線通信モジュール21が接続されているが、アンテナおよび無線通信モジュールの数はこれに限定されない。
【0048】
<出力制御部>
出力制御部22は、無線通信モジュール21の出力を制御する。例えば、米国またはカナダ等、SARの規制値が低い国において無線通信モジュールの出力を低下させることにより、所定のSAR以下となるよう制御することができる。出力制御部22は、後述する、状態検知部23により検出された電子機器1の利用状態と、ID識別部により識別されたID情報(国ID)とに基づいて、無線通信モジュール21の出力を制御する。
【0049】
出力制御部22は、例えば、CPU、MPU、DSP、FPGA、ASIC等で構成することができる。出力制御部22の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。出力制御部22は、出力制御部22内の図示しない記憶領域に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことにより、所定の機能を実現する。
【0050】
図5は、
図1の電子機器1の無線通信モジュールの出力制限を示す表である。出力制御部22は、
図5の表に示すように、電子機器1の位置する国により無線通信モジュールの出力を制御する。
図5の表において、出力制限の列に「低出力A」「低出力B」と記載された国は、無線通信モジュール21の出力を低出力に制御する。低出力Aと低出力Bとは、SARの規制値により無線通信モジュール21の出力の大きさが異なることを示すが、低出力Aと低出力Bとで出力の大きさが同じであっても構わない。一方、
図5の表において、出力制限の列に「標準出力」と記載された国または地域は、無線通信モジュール21の出力を標準出力とする。本実施の形態では、標準出力とは、無線通信モジュール21の出力は特に制御されないことをいう。なお、法規制の変更等により、
図5におけるそれぞれの国または地域の出力制限の値が変更されてもよい。
図5において、例えば、日本のSARの規制値が変更されて無線通信モジュール21の出力を低出力に制御する場合、
図5のテーブルの日本の出力制限を「標準出力」から「低出力A」または「低出力B」に変更することができる。このように、
図5のテーブルをメンテナンスすることで、各国または地域の法規制の変更等に柔軟に対応することができる。
【0051】
<状態検知部>
状態検知部23は、電子機器1の利用状態を検出する。本実施の形態では、状態検知部23は、第1接続部23aと制御部23bとを含む。
【0052】
第1接続部23aは、例えば、タブレット2に配置された接続端子である。本体部3には、第2接続部31が配置され、第1接続部23aと第2接続部31とが接続することにより、タブレット2と本体部3とが電気的に接続される。
【0053】
制御部23bは、第1接続部23aと第2接続部31との接続有無に基づいて、電子機器1の利用状態を決定する。制御部23bは、例えば、CPU、MPU、DSP、FPGA、ASIC等で構成することができる。制御部23bの機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。制御部23bは、制御部23b内の図示しない記憶領域に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことにより、所定の機能を実現する。
【0054】
本体部3の制御部32は、例えば、第1接続部23aと第2接続部31とが接続されている場合に、本体部3のキーボード5からの入力内容をタブレット2の制御部23bに伝える役割を有する。本体部3の制御部32は、タブレット2の制御部23bと同様の構成である。
【0055】
状態検知部23の制御部23bは、第1接続部23aと第2接続部31との電気的な接続の有無に基づいて、電子機器1の利用状態を検出する。例えば、状態検知部23は、第1接続部23aと第2接続部31とが接続されていない場合、電子機器1が第1状態であることを検出する。状態検知部23は、第1接続部23aと第2接続部31とが接続されている場合、第2状態であることを検出する。
【0056】
<ID識別部>
ID識別部24は、ID情報を識別する。本実施の形態では、ID識別部24は、電子機器1の位置する国または地域を示す国IDを識別する。すなわち、本実施の形態では、国IDが、本開示の「ID情報」に相当する。国IDは、例えば、電子機器1に含まれる図示されていない記憶装置等に記憶することができる。また、国IDの初期値は、例えば、電子機器1の仕向け地に応じて予め設定することができる。
【0057】
ID識別部24は、電子機器1に設定された国IDを識別し、電子機器1の位置する国または地域を特定することができる。ID識別部24により識別された国または地域の情報に基づいて、出力制御部22が、無線通信モジュール21の出力を制御する。
【0058】
[動作]
図5および
図6を参照して、電子機器1における無線通信モジュール21の出力制御の動作を説明する。
図6は、
図1の電子機器1における無線通信モジュールの出力制御を示すフローチャートである。
【0059】
電子機器1が起動すると、ID識別部24により、電子機器1に設定された国IDが識別される(ステップS100)。ID識別部24により識別された国IDに基づいて、出力制御部22が出力制限国であるか否かを判定する(ステップS101)。出力制限国であるか否かの判定は、
図5の表に示すテーブルに基づいて実行される。
図5のテーブルは、例えば出力制御部22内の記憶領域に格納することができる。
【0060】
例えば、本実施の形態では、ID識別部24により識別された国が北米または韓国である場合、出力制限があるため、ステップS101でYesとなる。一方、ID識別部24により識別された国が、北米または韓国以外である場合、出力制限がないためステップS101でNoとなる。出力制限がない場合、ステップS108に進み、出力制御部22は、無線通信モジュール21の出力を標準出力とする。
【0061】
ID識別部24により識別された国が、出力制限のある国である場合、状態検知部23により、電子機器1の利用状態が検出される(ステップS102)。出力制御部22は、状態検知部23により検出された利用状態が、タブレット状態であるか否かを判定する(ステップS103)。タブレット状態でないと判定した場合(ステップS103のNo)、出力制御部22は、無線通信モジュール21の出力を標準出力とする(ステップS107)。タブレット状態であると判定した場合(ステップS103のYes)、出力制御部22は、無線通信モジュール21の出力を低出力とする(ステップS104)。
【0062】
無線通信モジュール21の出力が低出力であるとは、出力制御部22により無線通信モジュール21の出力が下げられることをいう。出力制御部22は、状態検知部23によりタブレット状態(第1状態)が検出されたときに、ラップトップ状態(第2状態)が検出されたときよりも無線通信モジュール21の出力を下げる。
【0063】
例えば、ID識別部24により識別された国が北米であり、利用状態がタブレット状態である場合、出力制御部22は、北米のSAR規制値である1.6W/kg(1g平均)を満たすよう、無線通信モジュール21の出力を標準出力から低下させる。無線通信モジュール21の出力の大きさは、標準出力または低出力の2種類だけでなく、各国のSAR規制値に応じて異なる値が設定されてもよい。
【0064】
続いて、状態検知部23により、電子機器1の利用状態が変更されたか否かの判定が行われる(ステップS105)。電子機器1の利用状態が変更されると(ステップS105のYes)、ステップS103に戻る。電子機器1の利用状態が変更されていない場合(ステップS105のNo)、出力制御部22は、無線通信モジュール21の出力を固定する(ステップS106)。電子機器1の電源がオフになると、処理が終了する。
【0065】
(変形例)
図7は、実施の形態1の変形例にかかる電子機器1aを示すブロック図である。
図7に示すように、電子機器1aは、位置情報を取得する位置情報取得部25を有していてもよい。位置情報取得部25は、例えば、GPS信号を受信して、電子機器
1aの位置する国または地域を特定することができる。または、無線アクセスポイントの位置情報を取得して、この位置情報に基づいて電子機器
1aの位置する国または地域を識別してもよい。
【0066】
電子機器1aでは、位置情報取得部25により取得した位置情報に基づいて国IDが更新される。ID識別部24は、更新された国IDにより電子機器1aの位置する国または地域を識別することができる。
【0067】
この場合、予め設定された国IDの示す国または地域以外で電子機器1aを使用する場合に、国IDが自動的に更新される。このため、例えば、
図5の表において「標準出力」である国または地域から「低出力A」または「低出力B」の国または地域に移動した場合、またはその逆の場合に、手動で国IDを更新しなくてもよい。したがって、出力制限の異なる国または地域をまたがって電子機器1aを使用する場合にも、国IDと利用状態とに基づいて、出力制御部22が適切に無線通信モジュールの出力を制御することができる。
【0068】
[効果]
上述した実施の形態によると、無線通信モジュールの出力を効率よく制御することのできる電子機器を提供することができる。
【0069】
また、状態検知部23により、電子機器1の利用状態を検出することで、利用状態に基づいて無線通信モジュール21の出力を制御することができる。例えば、電子機器1と人体との距離が近くなることがあるタブレット状態の場合に、無線通信モジュール21の出力を低下させることができる。
【0070】
また、利用状態に基づいて無線通信モジュール21の出力を制御するため、近接センサ等の部品を使用しなくてもよい。近接センサ等を使用せずに無線通信モジュール21の出力を制御することにより、コストの高い部品を使用せずにSAR規制を満たす電子機器を提供することができる。
【0071】
また、近接センサ等を使用しないため部品点数が少なくなり、電子機器1の小型化が容易である。
【0072】
また、ID識別部24の識別する情報は国IDに限定されず、無線通信モジュール21の出力を制御するための識別IDであればよい。
【0073】
なお、上述した実施の形態では、タブレット2と本体部3とが着脱可能な構成の電子機器1について説明したが、電子機器は着脱可能な構成に限定されない。
【0074】
また、上述した実施の形態では、無線通信モジュール21には、1つのアンテナ21aが接続されている構成について説明したが、無線通信モジュール21には複数のアンテナが接続されていてもよい。また、無線通信モジュール21のアンテナ21aは、GPS信号を受信可能であってもよい。
【0075】
また、上述した実施の形態では、出力制御部22は、無線通信モジュール21の出力を標準出力または低出力に制御する構成について説明したが、例えば、無線通信モジュール21を低出力にする場合に国ごとの規制値に応じて出力値を変化させてもよい。
【0076】
また、上述した実施の形態では、状態検知部23は、第1接続部23aと第2接続部31との電気的な接続の有無により、電子機器1の利用状態を判定する構成について説明したが、状態検知部23の構成はこれに限定されない。例えば、状態検知部23は、例えばスイッチ等により第1接続部23aと第2接続部31との物理的な接続の有無を判定してもよい。
【0077】
さらに、上述した実施の形態では、電子機器1、1aがタブレット2と本体部3とが接続される構成を説明したが、例えば、電子機器1、1aは、カーマウンタ状態およびクレードル状態で使用することができる。カーマウンタ状態とは、タブレット2を、自動車に搭載するための周辺機器であるカーマウンタに接続した状態である。クレードル状態とは、タブレット2を、充電のための、または台として使用するための周辺機器であるクレードルに接続した状態である。カーマウンタおよびクレードルが本開示の「第2機器」に相当し、カーマウンタ状態およびクレードル状態は、本開示の「第2状態」に相当する。
【0078】
(実施の形態2)
図8~
図11を参照して、実施の形態2について説明する。なお、実施の形態2においては、実施の形態1と同一または同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0079】
図8は、実施の形態2にかかる電子機器1bの外観を示す概略図である。
図9は、
図8の電子機器1bのコンバーチブル状態を示す概略図である。
図10は、
図8の電子機器1bの内部構成を示すブロック図である。
【0080】
実施の形態2では、
図8~
図10に示すように、電子機器1bが、第1筐体20と、第1筐体20とヒンジ7を介して互いに回動可能に接続された第2筐体30とを有し、第1筐体20の状態検知部28は磁気センサ23cを有し、第2筐体30は磁石33を有する点で実施の形態1と異なる。
【0081】
本実施の形態では、状態検知部28は、第1筐体20と第2筐体30とのなす開き角度を検出する磁気センサ23cを含む。具体的には、
図10に示すように、状態検知部28は、制御部23bに電気的に接続された磁気センサ23cを有する。また、第2筐体30には、磁石33が配置されている。磁気センサ23cと磁石33とにより、第1筐体20と第2筐体30との開き角度を検出することができる。状態検知部23では、磁気センサ23cにより磁石33の磁束の方向が検出され、磁気センサ23cにより検出された磁束の方向に基づいて、制御部23bが第1筐体20と第2筐体30との開き角度が決定される。開き角度とは、ヒンジ7を介して回動可能に接続された第1筐体20と第2筐体30とのなす角度である。
【0082】
図8に示すように、第1筐体20と第2筐体30とが回動方向に離れる状態のとき、すなわち、第1筐体20と第2筐体30とが開いた状態のとき、状態検知部23は、電子機器1bの利用状態をラップトップ状態であると判定する。また、本実施の形態では、第1筐体20を
図8の状態から矢印の方向(表示部4とキーボード5とが遠ざかる方向)に回転させることができる。第1筐体20を回転させると、
図9に示すように、第1筐体20と第2筐体30とが対向して配置される。このように、第1筐体20と第2筐体30とが対向して配置され、表示部4が露出している場合、状態検知部23は、電子機器1bの利用状態をコンバーチブル状態であると判定する。コンバーチブル状態においては、第1筐体20と第2筐体30との開き角度が360度となる。コンバーチブル状態においては、表示部4と入力部であるキーボード5とがそれぞれ露出し、表示部4と反対側の第1筐体20の背面とキーボード5と反対側の第2筐体30の背面とが重なっている。
【0083】
コンバーチブル状態では、実施の形態1のタブレット状態と同様、表示部4のタッチパネル等により、電子機器1bへの入出力が行われる。このため、電子機器1bの利用状態がコンバーチブル状態(第3状態)の場合には、SAR規定を考慮すると、無線通信モジュール21の出力を低下させることが好ましい。一方、ラップトップ状態(第4状態)では、電子機器1は人体とある程度の距離を離して使用されることが想定されるため、無線通信モジュール21の出力を低下させなくても、SAR規定を満たすことができる。なお、本実施の形態における、コンバーチブル状態が本開示の「第3状態」に相当し、ラップトップ状態が本開示の「第4状態」に相当する。
【0084】
[動作]
図11は、
図8の電子機器1bにおける無線通信モジュール21の出力制御を示すフローチャートである。
図11を参照して、本実施の形態における、無線通信モジュール21の出力制御の動作を説明する。
【0085】
図11のステップS200~ステップS202、およびステップS204~ステップS208は、実施の形態1のステップS100~ステップS102、およびステップS104~ステップS108とそれぞれ同一であるため、説明を省略する。
【0086】
ステップS203において、状態検知部23は、電子機器1bの利用状態がコンバーチブル状態であるか否かを判定する。コンバーチブル状態でないと判定した場合(ステップS203のNo)、出力制御部22は、無線通信モジュール21の出力を標準出力とする(ステップS207)。コンバーチブル状態であると判定した場合(ステップS203のYes)、出力制御部22は、無線通信モジュール21の出力を低出力とする(ステップS204)。
【0087】
無線通信モジュール21の出力が低出力であるとは、出力制御部22により無線通信モジュール21の出力が下げられることをいう。出力制御部22は、状態検知部23によりコンバーチブル状態(第3状態)が検出されたときに、ラップトップ状態(第4状態)が検出されたときよりも無線通信モジュール21の出力を下げる。
【0088】
(変形例)
図12は、実施の形態2の変形例にかかる電子機器1cを示す概略図である。
図12に示すように、電子機器1cでは、第1筐体20を第2筐体30から一旦取り外し、第1筐体20を
図12に示す軸Z周りに180度回転させた状態で再度第2筐体30に接続する。その状態から第1筐体20が第2筐体30のキーボード5側を覆うように、第1筐体20と第2筐体30とを閉じることにより、電子機器1cをコンバーチブル状態(第3状態)とすることができる。このとき、第1筐体20と第2筐体30との開き角度は0度である。この場合、表示部4が露出するが、キーボード5は第1筐体20に覆われて露出しない。
【0089】
[効果]
上述した実施の形態によると、ヒンジ7により第1筐体20と第2筐体30との開き角度を変えることができる電子機器1b、1cにおいても、コンバーチブル状態(第3状態)の場合に、無線通信モジュール21の出力を低下させることができる。
【0090】
なお、上述した実施の形態では、第1筐体20に磁気センサ23cが配置され、第2筐体30に磁石33が配置された構成について説明したが、第1筐体20に磁石が配置され、第2筐体30に磁気センサが配置されていても構わない。また、磁気センサ23cおよび磁石33は、それぞれ複数配置されていてもよい。
【0091】
また、上述した実施の形態では、第1筐体20と第2筐体30との開き角度を磁気センサ23cおよび磁石33により検出したが、角度センサ、ジャイロセンサ、または加速度センサ等、第1筐体20と第2筐体30との開き角度を検出でいるものであればよい。
【0092】
また、実施の形態1と実施の形態2とは、組み合わせてもよいし、それぞれ単独であってもよい。
【0093】
(実施の形態3)
図13~
図15を参照して、実施の形態3について説明する。なお、実施の形態3においては、実施の形態1と同一または同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態3では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0094】
図13は、本開示の実施の形態3にかかる電子機器1dの内部構成を示すブロック図である。
図14は、
図13の電子機器1dのアンテナの配置を示す図である。
図15は、
図13の電子機器1dのID識別部24により識別された国ごとの無線通信モジュール26、27の出力を示す表である。
【0095】
実施の形態3では、
図13に示すように、電子機器1dが2つの無線通信モジュール26、27を有する点で実施の形態1と異なる。無線通信モジュール26は2つのアンテナ26a、26bに接続され、無線通信モジュール27は2つのアンテナ27a、27bに接続されている。それぞれのアンテナ26a~27bは、
図14に示すように、タブレット2に配置される。なお、
図14のアンテナ26a~27bの配置は、一例であり、アンテナ26a~27bの配置位置はこれに限定されない。本実施の形態では、無線通信モジュール26は無線LAN用のモジュールであり、無線通信モジュール27は無線WAN用のモジュールである。
【0096】
本実施の形態では、ID識別部24により識別された国IDごとに、無線通信モジュール26および無線通信モジュール27の出力をそれぞれ制御する。
図15の表に示すように、無線通信モジュール26(無線LAN)と無線通信モジュール27(無線WAN)とで異なる出力制御とすることができる。
【0097】
例えば、日本では、無線LANの場合はSAR規制値を超えることはないが、無線WANの場合にはSAR規制値を超える場合がある。そこで、
図15の表に示すように、ID識別部24により識別された国IDが日本を示す場合、電子機器1dの利用状態に基づいて、出力制御部22は無線通信モジュール27に対しては出力を低下させる制御を行う。一方、出力制御部22は、無線通信モジュール26に対しては、出力を低下させない。
【0098】
[効果]
上述した実施の形態によると、ID識別部24により識別された国に基づいて、2つある無線通信モジュール26、27のうち国ごとのSAR規制を超える可能性がある場合に、出力制御部22により出力を低下させることができる。電子機器1dが複数の無線通信モジュールを有する場合にも、センサ等の部品を使用することなく、出力制御を行うことが可能である。
【0099】
なお、上述した実施の形態では、電子機器1dが2つの無線通信モジュールを有する構成について説明したが、無線通信モジュールは1つまたは複数であってもよい。
【0100】
(実施の形態4)
図16を参照して、実施の形態4について説明する。なお、実施の形態4においては、実施の形態2と同一または同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態4では、実施の形態2と重複する記載は省略する。
【0101】
図16は、
図1の電子機器1の第1筐体20と第2筐体30との開き角度に応じた無線通信モジュールの出力を示す表である。
【0102】
実施の形態4では、第1筐体20と第2筐体30とのなす開き角度に基づいて無線通信モジュール21の出力を制御する点で、実施の形態2と異なる。開き角度とは、実施の形態2の変形例で説明した
図12の電子機器1cがコンバーチブル状態(表示部4が露出しキーボード5は露出しない状態)のときの第1筐体20と第2筐体30とのなす角度を0度とした、第1筐体20と第2筐体30とのなす角度である。
【0103】
図16において、低出力1における出力が最も小さく、低出力2、低出力3、低出力4、標準出力、の順に無線通信モジュール21の出力が大きくなる。コンバーチブル状態から開き角度が15度までは、出力制御部22により無線通信モジュール21の出力が最も低く制御される。開き角度が0度~180度の場合、開き角度に応じて、無線通信モジュール21の出力が段階的に大きくなるように制御される。開き角度が180度を超えると、無線通信モジュール21は標準出力に制御される。なお、実施の形態2の
図9に示す電子機器1bのコンバーチブル状態(表示部4とキーボード5がともに露出している状態)では、第1筐体20と第2筐体30とのなす開き角度は360度であるため、開き角度が0度~180度の場合に無線通信モジュール21を標準出力に制御し、開き角度が180度から360度に大きくなるにつれて、無線通信モジュール21の出力が低くなるように制御すればよい。
【0104】
開き角度は、上述した
図10に示す磁気センサ23c等を使用して、状態検知部28により検出される。
【0105】
[効果]
上述した実施の形態によると、よりフレキシブルに無線通信モジュール21の出力を制御することができる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本開示は、無線通信モジュールを搭載した電子機器に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0107】
1、1a~1d 電子機器
2 タブレット
3 本体部
4 表示部
5 キーボード
7 ヒンジ
20 第1筐体
21、26、27 無線通信モジュール
21a、26a、26b、27a、27b アンテナ
22 出力制御部
23、28 状態検知部
23c 磁気センサ
24 ID識別部
25 位置情報取得部
30 第2筐体