(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】パワーデバイスモニタリングシステム及びモニタリング方法
(51)【国際特許分類】
H03K 17/00 20060101AFI20240119BHJP
H02M 1/00 20070101ALI20240119BHJP
H03K 17/567 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
H03K17/00 B
H02M1/00 C
H03K17/567
(21)【出願番号】P 2021559928
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(86)【国際出願番号】 KR2020004038
(87)【国際公開番号】W WO2020209526
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-10-08
(31)【優先権主張番号】10-2019-0042103
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【復代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100232275
【氏名又は名称】和田 宣喜
(72)【発明者】
【氏名】カン、ソンヒ
【審査官】工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-251104(JP,A)
【文献】特開2006-271098(JP,A)
【文献】特開2007-336620(JP,A)
【文献】特開2019-193126(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3282584(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0157904(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J7/00-7/30
H02M1/00
H02M1/08-1/096
H03K17/00
H03K17/56-17/567
G01R19/165-19/17
G01R19/32
G01R31/26-31/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが半導体エレメントを含む第1パワーデバイス及び第2パワーデバイスと、
前記第1パワーデバイス及び前記第2パワーデバイスのそれぞれに接続され、前記第1パワーデバイスに流れる第1電流を検知する第1センサ、及び前記第2パワーデバイスに流れる第2電流を検知する第2センサと、
前記第1パワーデバイスと前記第2パワーデバイス間に流れる第3電流を検知する第3センサと、
前記第3電流を基準に、前記第1電流及び前記第2電流と比較し、
前記第1電流又は前記第2電流のどちらかが前記第3電流と同じ場合、前記第1パワーデバイス又は前記第2パワーデバイスに状態異常がないと判断し、
前記第1電流又は前記第2電流のどちらかが前記第3電流と電流量の違いがある場合、第1電流又は第2電流のどちらが前記第3電流より電流量が高いか低いかによって、個別に前記第1パワーデバイス又は前記第2パワーデバイスのどちらかに異常があることを判断する
ことを特徴とするパワーデバイスモニタリングシステム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1センサ及び前記第2センサ
の各センサは温度センサを含み、前記第1パワーデバイスと前記第2パワーデバイスの温度情報を取得し、前記第1センサ又は前記第2センサの少なくとも1つから電流と温度情報を受信すると、受信した前記電流を前記温度情報に基づいて補償することを特徴とする請求項1に記載のパワーデバイスモニタリングシステム。
【請求項3】
前記制御部は、
各パワーデバイス毎に各パワーデバイスの特性に応じて温度と電流の関係をモデリングしたテーブルに基づいて前記補償を行い、前記第1電流又は前記第2電流を検出することを特徴とする請求項2に記載のパワーデバイスモニタリングシステム。
【請求項4】
前記第1センサ及び前記第2センサは電圧センサであり、
前記制御部は、
前記第1センサ又は前記第2センサから電圧情報及び温度情報を受信すると、各パワーデバイス毎に各パワーデバイスの特性に応じて温度と電圧の関係をモデリングしたテーブルに基づいて前記補償を行い、前記第1電流又は前記第2電流を検出することを特徴とする請求項2に記載のパワーデバイスモニタリングシステム。
【請求項5】
前記第1パワーデバイス及び第2パワーデバイスは、
絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT: Insulated Gate Bipolar Transistor)でそれぞれ構成され、
前記第1電流は、
前記第1パワーデバイスのドレイン端子とソース端子間の電流であり、
前記第2電流は、
前記第2パワーデバイスのドレイン端子とソース端子間の電流であることを特徴とする請求項1に記載のパワーデバイスモニタリングシステム。
【請求項6】
それぞれが半導体エレメントを含む第1パワーデバイス及び第2パワーデバイスを含む電力スイッチングシステムのパワーデバイスモニタリング方法において、
前記第1パワーデバイスに流れる第1電流、前記第2パワーデバイスに流れる第2電流、及び前記第1パワーデバイスと前記第2パワーデバイス間に流れる第3電
流を検知するステップと
、
前記第3電流を基準電流に設定するステップと、
前記基準電流と前記第1電流及び前記第2電流を比較するステップと、
前記比較の結果
、前記第1電流又は前記第2電流が前記第3電流と同じ量の電流の場合、前記第1パワーデバイスの状態及び前記第2パワーデバイスの状態
に異常がないと判断するステップと
、
前記比較の結果、前記第1電流又は前記第2電流のどちらかが前記第3電流と電流量の違いがある場合、第1電流と第2電流のどちらが前記第3電流より電流量が高いか低いかによって、個別に前記第1パワーデバイス又は前記第2パワーデバイスのどちらかに異常があることを判断するステップを含む
ことを特徴とするパワーデバイスモニタリング方法。
【請求項7】
前記第1電
流と前記第2電流
の検知にさらに、
第1パワーデバイス及び第2パワーデバイスの温度をそれぞれ検知するステップと、
前記第1電流を前記第1パワーデバイスの検知温度に基づいて補正し、前記第2電流を前記第2パワーデバイスの検知温度に基づいて補正するステップと、を含み、
前記第1電流と前記第2電流の補正は各パワーデバイス毎に、各パワーデバイスの特性に応じて温度と電流の関係をモデリングしたテーブ
ルに基づい
て行うことを特徴とする請求項6に記載のパワーデバイスモニタリング方法。
【請求項8】
前記第1パワーデバイスの状態及び前記第2パワーデバイスの状態を判断するステップは、
前記基準電流と決定された前記第1電流及び前記第2電流の差が予め設定された許容誤差範囲内であるか否かを判断するステップと、
前記基準電流との差が前記許容誤差範囲を超えた場合、前記基準電流より大きいか、小さいかによって、決定された前記第1電流に対応する第1パワーデバイスの状態、又は決定された前記第2電流に対応する第2パワーデバイスの状態についてお互いに異なる判断をするステップとをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のパワーデバイスモニタリング方法。
【請求項9】
前記第1パワーデバイスの状態又は前記第2パワーデバイスの状態についてお互いに異なる判断をするステップは、
前記第1電流又は前記第2電流のいずれかが前記基準電流より大きい場合、前記いずれかの電流に対応する前記第1パワーデバイス又は前記第2パワーデバイスに漏れ電流の流入があったと判断するステップであることを特徴とする請求項8に記載のパワーデバイスモニタリング方法。
【請求項10】
決定された前記第1電流又は前記第2電流のいずれかが前記基準電流より小さい場合、前記いずれかの電流に対応する前記第1パワーデバイス又は前記第2パワーデバイスに焼損又は不良が発生したと判断することを特徴とする請求項8に記載のパワーデバイスモニタリング方法。
【請求項11】
前記
第1電流
と前記第2電流を検知するステップから前記第1パワーデバイスの状態及び前記第2パワーデバイスの状態を判断するステップまでを予め設定された周期で繰り返し行うステップとをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のパワーデバイスモニタリング方法。
【請求項12】
前記第1パワーデバイス及び前記第2パワーデバイスは、
絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT: Insulated Gate Bipolar Transistor)でそれぞれ構成され、
前記第1電流は、
前記第1パワーデバイスのドレイン端子とソース端子間の電流であり、
前記第2電流は、
前記第2パワーデバイスのドレイン端子とソース端子間の電流であることを特徴とする請求項6に記載のパワーデバイスモニタリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流伝達経路の主回路において直列に接続された複数のパワーデバイスのモニタリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、インバータや半導体ベースの遮断器などにおいては、電流伝達経路の主回路に半導体エレメントを含むパワーデバイスを直列に接続した電力スイッチングシステムにより、電力分配バス内の電力をスイッチングする。
【0003】
図1は複数のパワーデバイスが直列に接続された電力スイッチングシステムの構成例を示す図である。
【0004】
図1に示すように、通常の電力スイッチングシステムは、第1端子110及び第2端子112と、第1半導体エレメント114及び第2半導体エレメント116と、第1半導体エレメント114及び第2半導体エレメント116に接続されたダイオード118、120と、制御器126とからなる。ここで、第1半導体エレメント114及び第2半導体エレメント116は、それぞれ第1ダイオード118、第2ダイオード120に接続され、お互いに異なるパワーデバイス(power device)を形成する。
【0005】
第1半導体エレメント114及び第2半導体エレメント116は、第1端子110から第2端子112に、又は第2端子112から第1端子110に流れる電流を制御する。
【0006】
制御器126は、第1半導体エレメント114及び第2半導体エレメント116にそれぞれ電圧信号を印加し、第1半導体エレメント114で形成される第1パワーデバイス、及び第2半導体エレメント116で形成される第2パワーデバイス220のオン又はオフを制御する。
【0007】
一方、電力スイッチングシステム108は、第1端子110と第1バスセクション104間に電気接続される第1接続解除装置136と、第2端子112と第2バスセクション106間に電気接続される第2接続解除装置138とを含む。接続解除装置136、138は、正常動作中は閉鎖されており、それにより各バスセクションと端子間に電気接続を提供することができる。一方、接続解除装置136、138は、メンテナンスなどの目的で開放され、それにより電力分配バス102から電力スイッチングシステム108への接続が解除される。
【0008】
一方、電力スイッチングシステム108は、第1接続解除装置136と第1半導体エレメント114間、又は第2接続解除装置138と第2半導体エレメント116間に電流センサ122を含む。よって、制御器126は、電流センサ122で計測される電流値により、第1パワーデバイスと第2パワーデバイスに流れる電流をモニタリングする。
【0009】
一方、このような電力スイッチングシステムには、電流センサ122の電流計測結果から異常状態が検知された場合に、検知された異常状態が外部電流の引き込みによるものであるか、電力スイッチングシステム内部の電力用半導体や回路の焼損により発生したものであるかが分からないという問題がある。また、パワーデバイスを構成する電力用半導体の不良であるか、電力スイッチングシステム内部の回路の不良であるかを正確に判断できないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記問題及び他の問題を解決するために、電力スイッチングシステムを構成する各パワーデバイスの欠陥の有無を各パワーデバイス毎に判断することのできるモニタリングシステム及び方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、電力スイッチングから異常状態が検知されると、検知された異常状態が外部電流の流入により発生したものであるか、前記電力システムを構成するパワーデバイスの不良によるものであるかを検出することのできるモニタリングシステム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的又は他の目的を達成するための本発明の一態様によれば、本発明の実施形態によるモニタリングシステムは、それぞれが半導体エレメントを含む第1パワーデバイス及び第2パワーデバイスと、前記第1パワーデバイス及び前記第2パワーデバイスのそれぞれに接続され、前記第1パワーデバイスに流れる第1電流に関する第1電流関連情報を検知する第1センサ、及び前記第2パワーデバイスに流れる第2電流に関する第2電流関連情報を検知する第2センサと、前記第1パワーデバイスと前記第2パワーデバイス間に流れる第3電流に関する第3電流関連情報を検知する第3センサと、前記第3電流を基準に、前記第1電流及び前記第2電流と比較し、前記第1、第2電流と前記第3電流の差により各パワーデバイス毎に状態異常の有無を判断する制御部とを含むことを特徴とする。
【0013】
一実施形態において、前記第1センサ及び前記第2センサは、それぞれが温度センサをさらに含み、前記第1パワーデバイス又は前記第2パワーデバイスの温度を測定し、検知した前記第1パワーデバイス又は前記第2パワーデバイスに流れる電流関連情報と、前記測定した温度に関する情報を前記制御部に送信することを特徴とする。
【0014】
一実施形態において、前記制御部は、前記第1センサ及び前記第2センサの少なくとも1つから電流関連情報と温度情報を受信すると、前記電流関連情報を前記温度情報に基づいて補償することを特徴とする。
【0015】
一実施形態において、前記制御部は、各パワーデバイス毎に各パワーデバイスの特性に応じて温度と電流の関係をモデリングしたテーブルに基づいて前記補償を行い、前記第1電流又は前記第2電流を検出することを特徴とする。
【0016】
一実施形態において、前記制御部は、各パワーデバイス毎に各パワーデバイスの特性に応じて温度と電圧の関係をモデリングしたテーブルに基づいて前記補償を行い、前記第1電流又は前記第2電流を検出することを特徴とする。
【0017】
一実施形態において、前記第1パワーデバイス及び前記第2パワーデバイスは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT: Insulated Gate Bipolar Transistor)でそれぞれ構成され、前記第1電流は、前記第1パワーデバイスのドレイン端子とソース端子間の電流であり、前記第2電流は、前記第2パワーデバイスのドレイン端子とソース端子間の電流であることを特徴とする。
【0018】
一実施形態において、前記第1センサと前記第2センサのいずれかは、他のセンサに比べて高い精度と信頼性を有するセンサであることを特徴とする。
【0019】
上記目的又は他の目的を達成するための本発明の一態様によれば、本発明の実施形態による、それぞれが半導体エレメントを含む第1パワーデバイス及び第2パワーデバイスを含む電力スイッチングシステムのパワーデバイスモニタリング方法において、前記第1パワーデバイスに流れる第1電流、前記第2パワーデバイスに流れる第2電流、及び前記第1パワーデバイスと前記第2パワーデバイス間に流れる第3電流に関する電流関連情報を検知する第1ステップと、前記電流関連情報に基づいて、前記第1電流、前記第2電流及び前記第3電流を検出する第2ステップと、前記第3電流を基準電流に設定する第3ステップと、前記基準電流と前記第1電流及び前記第2電流を比較する第4ステップと、前記比較の結果に基づいて、前記第1パワーデバイスの状態及び前記第2パワーデバイスの状態を判断する第5ステップとを含むことを特徴とする。
【0020】
一実施形態において、前記第1電流に関する第1電流関連情報、及び前記第2電流に関する第2電流関連情報は、前記第1パワーデバイスの温度、及び前記第2パワーデバイスの温度をさらに含み、前記第2ステップは、前記第1電流関連情報を前記第1パワーデバイスの温度に応じて補償し、前記第2電流関連情報を前記第2パワーデバイスの温度に応じて補償する第2-1ステップをさらに含むことを特徴とする。
【0021】
一実施形態において、前記第2-1ステップは、各パワーデバイス毎に、各パワーデバイスの特性に応じて温度と電流の関係をモデリングしたテーブル、又は温度と電圧の関係をモデリングしたテーブルに基づいて前記補償を行うステップであることを特徴とする。
【0022】
一実施形態において、前記第5ステップは、前記基準電流と前記第1電流及び前記第2電流の差が予め設定された許容誤差範囲内であるか否かを判断する第5-1ステップと、前記基準電流との差が前記許容誤差範囲を超えた場合、前記基準電流より大きいか、小さいかによって、前記第1電流に対応する第1パワーデバイスの状態、又は前記第2電流に対応する第2パワーデバイスの状態についてお互いに異なる判断をする第5-2ステップとをさらに含むことを特徴とする。
【0023】
一実施形態において、前記第5-2ステップは、前記第1電流又は前記第2電流のいずれかが前記基準電流より大きい場合、前記いずれかの電流に対応する前記第1パワーデバイス又は前記第2パワーデバイスに外部電流の流入があったと判断するステップであることを特徴とする。
【0024】
一実施形態において、前記第1電流又は前記第2電流のいずれかが前記基準電流より小さい場合、前記いずれかの電流に対応する前記第1パワーデバイス又は前記第2パワーデバイスに焼損又は不良が発生したと判断することを特徴とする。
【0025】
一実施形態において、予め設定された周期の満期であるか否かを判断する第6ステップと、前記予め設定された周期の満期であるか否かに応じて、前記第1ステップ~前記第5ステップを繰り返し行う第7ステップとをさらに含むことを特徴とする。
【0026】
一実施形態において、前記第1パワーデバイス及び前記第2パワーデバイスは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)でそれぞれ構成され、前記第1電流は、前記第1パワーデバイスのドレイン端子とソース端子間の電流であり、前記第2電流は、前記第2パワーデバイスのドレイン端子とソース端子間の電流であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施形態の少なくとも1つによれば、本発明は、電力スイッチングシステムを構成する各パワーデバイス毎に電流を計測することにより、各パワーデバイス毎に欠陥の有無を判断できるようになるという効果がある。
【0028】
本発明の実施形態の少なくとも1つによれば、本発明は、各パワーデバイス間に流れる電流を基準に、各パワーデバイスに流れる電流と比較することにより、各パワーデバイス毎に欠陥の有無を判断できるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】複数のパワーデバイスが直列に接続された通常の電力スイッチングシステムの構成例を示す図である。
【
図2】電力スイッチングシステムにおいて本発明の実施形態により各パワーデバイスの状態をモニタリングするモニタリングシステムの構成を示す構成図である。
【
図3】本発明の第1実施形態によるパワーモニタリングシステムにおいて各センサの計測結果に基づいて各パワーデバイスの状態を判断する過程を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の第2実施形態によるパワーデバイスモニタリングシステムの構成を示す構成図である。
【
図5】本発明の第3実施形態によるパワーデバイスモニタリングシステムの構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書において用いられる技術用語は、単に特定の実施形態について説明するために用いられるものにすぎず、本発明を限定するものではない。また、本明細書において用いられる単数の表現には、特に断らない限り、複数の表現が含まれる。本明細書における「構成される」、「含む」などは、明細書に記載された様々な構成要素又はステップを必ず全て含むものと解釈されてはならず、そのうちの一部の構成要素又はステップを含まないこともあり、さらなる構成要素又はステップをさらに含むこともあるものと解釈されるべきである。
【0031】
さらに、本明細書に開示される技術について説明するにあたり、関連する公知技術についての具体的な説明が本明細書に開示される技術の要旨を不明にすると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0032】
以下、添付図面を参照して、本明細書に開示される実施形態について詳細に説明する。
【0033】
図2は電力スイッチングシステムにおいて本発明の実施形態により各パワーデバイス200の状態をモニタリングするモニタリングシステムの構成を示す構成図である。
【0034】
図2に示すように、本発明の実施形態によるパワーデバイスモニタリングシステム200は、第1パワーデバイス210及び第2パワーデバイス220と、第1パワーデバイス210に流れる電流を検知する第1センサ201と、第2パワーデバイス220に流れる電流を検知する第2センサ202と、第1パワーデバイス210と第2パワーデバイス220間に流れる電流を検知する第3センサ203と、第1パワーデバイス210のオン又はオフを制御する第1駆動部206と、第2パワーデバイス220のオン又はオフを制御する第2駆動部207と、第1駆動部206及び第2駆動部207の駆動を制御する制御部208とからなる。
【0035】
まず、第1パワーデバイス210は、第1半導体エレメント212と、第1ダイオード211とからなる。ここで、第1半導体エレメント212は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)で構成される。
【0036】
第1パワーデバイス210は、予め設定された電圧が第1駆動部206により印加されると動作し(オン状態になり)、オン状態では、第1半導体エレメント212を介して電流が流れるように形成される。それに対して、予め設定された電圧が第1駆動部206により印加されないと、オフ状態になり、第1ダイオード211を介して電流が流れるように形成される。
【0037】
同様に、第2パワーデバイス220は、第2半導体エレメント222と、第2ダイオード221とからなる。ここで、第2半導体エレメント222は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)で構成される。
【0038】
第2パワーデバイス220は、予め設定された電圧が第2駆動部207により印加されると動作し(オン状態になり)、オン状態では、第2半導体エレメント222を介して電流が流れるように形成される。それに対して、予め設定された電圧が第2駆動部207により印加されないと、オフ状態になり、第2ダイオード221を介して電流が流れるように形成される。
【0039】
一方、第1センサ201は、第1パワーデバイス210に流れる電流を直接又は間接的に計測するセンサである。例えば、第1センサ201は、第1パワーデバイス210に直接接続され、第1パワーデバイス210に流れる第1電流を直接計測するセンサ(例えば、ホール(hall)センサ)である。あるいは、前記第1電流を間接測定するための予め設定された抵抗を含む電圧センサである。
【0040】
ここで、第1センサ201で測定される電圧は、第1パワーデバイス210の第1半導体エレメント212におけるドレイン端子とソース端子間の電圧(VDS: Voltage Drain to Source)である。ここで、前記第1電流は、第1半導体エレメント212におけるドレイン端子とソース端子間に流れる電流である。
【0041】
同様に、第2センサ202は、第2パワーデバイス220に流れる電流を直接又は間接的に計測するセンサである。例えば、第2パワーデバイス220に流れる第2電流を直接計測する電流センサであるか、前記第1電流を間接測定するための予め設定された抵抗を含む電圧センサである。
【0042】
ここで、第2センサ202で測定される電圧は、第2パワーデバイス220の第2半導体エレメント222におけるドレイン端子とソース端子間の電圧(VDS)である。ここで、前記第2電流は、第2半導体エレメント222におけるドレイン端子とソース端子間に流れる電流である。
【0043】
一方、第3センサ203は、第1パワーデバイス210と第2パワーデバイス220間に流れる電流を直接又は間接計測するセンサである。例えば、第3センサ203は、第1パワーデバイス210と第2パワーデバイス220を接続する接続電線に配置され、前記接続電線に流れる電流を直接計測するセンサであるか、予め設定された抵抗を含む電圧センサである。
【0044】
一方、第1駆動部206及び第2駆動部207は、制御部208の制御により第1パワーデバイス210及び第2パワーデバイス220の少なくとも1つに予め設定された駆動電圧を印加する。ここで、第1パワーデバイス210に印加される駆動電圧と、第2パワーデバイス220に印加される駆動電圧は、お互いに異なる電圧であってもよい。
【0045】
一方、制御部208は、第1センサ201と第2センサ202の計測結果に基づいて、第1パワーデバイス210に流れる第1電流、及び第2パワーデバイス220に流れる第2電流を測定する。
【0046】
例えば、第1センサ201と第2センサ202が電流センサである場合、制御部208は、第1センサ201の計測結果と第2センサ202の計測結果に基づいて、第1パワーデバイス210に流れる第1電流、及び第2パワーデバイス220に流れる第2電流を判断する。
【0047】
しかし、第1センサ201と第2センサ202が電圧センサである場合、各パワーデバイスの特性に応じて電圧と電流の関係をモデリングした電流・電圧テーブルに基づいて、前記第1電流と前記第2電流をそれぞれ検出する。
【0048】
また、制御部208は、第3センサ203の計測値に基づいて、第1パワーデバイス210と第2パワーデバイス220間に流れる第3電流を測定する。ここで、第3センサ203が電流センサである場合、計測した電流値に基づいて、第1パワーデバイス210と第2パワーデバイス220間に流れる第3電流を直ちに検出する。しかし、第3センサ203が電圧センサである場合、予め設定された抵抗に応じて電圧と電流の関係をモデリングしたテーブルに基づいて、前記第3電流を検出する。
【0049】
次に、制御部208は、前記第3電流を基準電流に設定する。また、設定された基準電流と前記第1電流及び前記第2電流を比較する。比較の結果、前記第1電流と前記第2電流のいずれかが、前記第3電流との差が予め設定された許容誤差範囲を超える電流である場合、制御部208は、異常があると判断する。ここで、制御部208は、前記許容誤差範囲を超える電流に基づいて、異常のあるパワーデバイスを検出する。
【0050】
ここで、制御部208は、第1電流と基準電流の差が許容誤差範囲を超える場合、第1パワーデバイス210に異常があると検知する。それに対して、第2電流と基準電流の差が許容誤差範囲を超える場合、第2パワーデバイス220に異常があると検知する。
【0051】
より詳細には、制御部208は、第1電流又は第2電流が前記基準電流(第3電流)より大きく、かつ基準電流との差が許容誤差範囲を超える場合、第1パワーデバイス210又は第2パワーデバイス220に流入する他の電流が存在すると判断する。すなわち、第1パワーデバイス210又は第2パワーデバイス220に漏洩電流などの外部電流の流入があったと判断する。
【0052】
それに対して、制御部208は、第1電流又は第2電流が前記基準電流(第3電流)より小さく、かつ基準電流との差が許容誤差範囲を超える場合、第1パワーデバイス210又は第2パワーデバイス220に不良又は焼損が発生したと判断する。
【0053】
一方、第1センサ201及び第2センサ202は、それぞれパワーデバイスに接続されるので、接続されたパワーデバイスから発生する熱による誤差が発生し得る。
【0054】
このような温度差により発生する誤差を防止するために、制御部208は、所定の温度・電流テーブル又は温度・電圧テーブルに基づいて前記誤差を補償する。このために、第1センサ201及び第2センサ202は温度センサをさらに含み、第1電流及び第2電流を検知する際に、各パワーデバイスから計測される電流値又は電圧値と、前記温度センサで計測される温度値を制御部208に送信する。
【0055】
また、制御部は、各パワーデバイス毎に、各パワーデバイスの特性に応じて温度と電流の関係をモデリングしたテーブル、又は各パワーデバイスの特性に応じて温度と電圧の関係をモデリングしたテーブルを備える。さらに、備えられたモデリングテーブルに基づいて、第1センサ201で計測される情報(電流値又は電圧値)、及び第2センサ202で計測される情報(電流値又は電圧値)を補償する。
【0056】
一方、第1センサ201と第2センサ202はそれぞれ第1パワーデバイス210と第2パワーデバイス220に接続されるのに対して、第3センサ203は第1パワーデバイス210と第2パワーデバイス220を接続する接続電線上に備えられるので、第1センサ201と第2センサ202には第1パワーデバイス210と第2パワーデバイス220から発生する熱が直接伝達され、それによる誤差が第1センサ201と第2センサ202で検知される情報に含まれるのに対して、第3センサ203には各パワーデバイスの熱が直接伝達されないので、熱により発生する誤差(すなわち、温度偏差)が第1センサ201及び第2センサ202より少ない。
【0057】
よって、第3センサ203においては、第1センサ201や第2センサ202より正確な電流が測定される。よって、制御部208は、第3センサ203で計測される第3電流を基準電流値に設定する。
【0058】
図3は本発明の第1実施形態によるパワーモニタリングシステムにおいて各センサの計測結果に基づいて各パワーデバイスの状態を判断する過程を示すフローチャートである。
【0059】
図3に示すように、本発明の実施形態によるパワーモニタリングシステムの制御部208は、まず第1センサ201、第2センサ202及び第3センサ203から各計測結果を受信する(S300)。ここで、第1センサ201~第3センサ203は、予め設定された電圧を含む電圧センサであるか、又は電流値を直接検知する電流センサである。
【0060】
一方、各センサの計測値が検知されると、制御部208は、第1センサ201と第2センサ202の計測結果に基づいて、第1パワーデバイス210に流れる第1電流及び第2電流を測定する(S302)。ここで、第1センサ201と第2センサ202が電圧センサである場合、各パワーデバイスの特性に応じて電流に対する電圧変化がモデリングされた電圧・電流テーブルにより、前記第1電流及び前記第2電流を測定し、第1センサ201と第2センサ202が温度センサである場合、各パワーデバイスの特性に応じて電流に対する温度変化がモデリングされた温度・電流テーブルにより、前記第1電流及び前記第2電流を測定する。
【0061】
なお、第1センサ201~第2センサ202は、それぞれが温度センサをさらに含んでもよい。ここで、第1センサ201と第2センサ202は、第1パワーデバイス210及び第2パワーデバイス220の電流値又は電圧値を検知する際に、前記温度センサにより検知される温度値を制御部208にさらに送信する。次に、制御部208は、送信された第1パワーデバイス210の温度値及び第2パワーデバイス220の温度値に基づいて、第1センサ201で検知された情報(電流値又は電圧値)、第2センサ202で検知された情報(電流値又は電圧値)を補償する。
【0062】
一方、制御部208は、第3センサ203の計測結果に基づいて、第1パワーデバイス210と第2パワーデバイス220間に流れる第3電流を計測する(S304)。ここで、第3センサ203が電流センサである場合、計測された値に基づいて前記第3電流を直ちに計測するが、第3センサ203が予め設定された電圧センサである場合、前記予め設定された電圧による電圧・電流特性テーブルに基づいて前記第3電流を検出する。
【0063】
一方、第3電流を検出すると、制御部208は、検出した第3電流を基準に、前記第1電流及び前記第2電流と比較する(S306)。ステップS306において、制御部208は、基準電流、すなわち第3電流に比べて前記第1電流又は第2電流が大きいか、小さいかを判断し、前記第3電流と第1電流又は第2電流の差が予め設定された許容誤差範囲内であるか否かを検出する。
【0064】
次に、制御部208は、ステップS306の比較結果に基づいて、第1パワーデバイス210と第2パワーデバイス220の状態をそれぞれ判断する(S308)。
【0065】
例えば、制御部208は、第1電流が第3電流より大きく、その差が予め設定された許容誤差範囲を超えると、第1パワーデバイス210に外部電流の流入があったと判断する。あるいは、第1電流が第3電流より小さく、その差が予め設定された許容誤差範囲を超えると、第1パワーデバイス210が焼損又は不良により劣化したと判断する。
【0066】
また、制御部208は、第2電流が第3電流より大きく、その差が予め設定された許容誤差範囲を超えると、第2パワーデバイス220に外部電流の流入があったと判断する。あるいは、第2電流が第3電流より小さく、その差が予め設定された許容誤差範囲を超えると、第2パワーデバイス220が焼損又は不良により劣化したと判断する。
【0067】
すなわち、制御部208は、基準電流(第3電流)と第1電流又は第2電流の差が許容誤差範囲を超えると、第1電流又は第2電流が前記基準電流より小さいか、大きいかによって、前記第1パワーデバイスの状態と第2パワーデバイスの状態についてお互いに異なる判断をする。また、前記第1パワーデバイスの状態と前記第2パワーデバイスの状態をそれぞれ個別に判断する。
【0068】
一方、各パワーデバイスが同じ性能であり、同じ電流が流れ続ける場合、2つのパワーデバイスの特性は、電流の方向に応じた特性を示す。各パワーデバイスは、順方向又は逆方向の電流に応じて所定の特性値を有する。ここで、特定範囲以降のパワーデバイスの特性はV/Iの比で表すことができるので、いずれか一方が所定の特性値の範囲や比率を超えると損傷したと判断する。
【0069】
また、制御部208は、損傷したと判断される領域に入ると、上位システムに直ちに通知し、各パワーデバイスの動作を中止する。ここで、動作中止のために、システムの安定性を考慮して、制御部208により各構成要素(例えば、パワーデバイス)の動作中止順序が定められる。
【0070】
一方、
図3の過程は、初期のシステム駆動のための点検(initial check)過程で行われる。また、システムの動作中に予め設定された周期で繰り返し行われる持続的な点検(operation check)において、パワーデバイスの状態を点検し、各パワーデバイスの状態を判断する。よって、システムの信頼性が向上する。
【0071】
一方、
図4は本発明の第2実施形態によるパワーデバイスモニタリングシステムの構成を示す構成図である。
【0072】
まず、
図4の(a)に示すように、パワーデバイス400は、電流の流れに応じて双方向のコントロールが可能な統合パワーデバイスである。ここで、パワーデバイス400は、1つの駆動部440によりオン又はオフが制御される。駆動部440は、制御部450の制御により、第1半導体エレメント405と第2半導体エレメント406の駆動電圧を第1半導体エレメント405と第2半導体エレメント406にそれぞれ印加する。
【0073】
一方、パワーデバイス400は、
図4の(b)に示すように、2つの半導体エレメント405、406と、2つのダイオード401、402とからなる。
【0074】
ここで、第1センサ410及び第2センサ420は、それぞれ第1半導体エレメント405に流れる第1電流に関する情報(電流値又は電圧値)、及び第2半導体エレメント406に流れる第2電流に関する情報(電流値又は電圧値)を検知する。より詳細には、第1センサ410は、第1半導体エレメント405のドレイン端子とソース端子間に流れる電流(第1電流)に関する情報を検知し、第2センサ420は、第2半導体エレメント406のドレイン端子とソース端子間に流れる電流(第2電流)に関する情報を検知する。
【0075】
また、第1半導体エレメント405と第2半導体エレメント406間には、第1半導体エレメント405と第2半導体エレメント406間に流れる電流に関する情報(電圧値又は電流値)を検知する第3センサ430を含む。
【0076】
一方、第1センサ410及び第2センサ420で計測される情報は、制御部450に送信される。また、第3センサ430で計測される情報は、駆動部440を介して制御部450に送信される。次に、制御部450は、第1センサ410~第3センサ430でそれぞれ計測される情報に基づいて、前記第1電流、前記第2電流及び前記第3電流を検出し、基準となる第3電流と前記第1電流及び前記第2電流の比較の結果に基づいて、パワーデバイス400の異常の有無を検出する。
【0077】
より詳細には、制御部450は、前記第3電流と前記第1電流及び前記第2電流を比較した結果に基づいて、パワーデバイス400を構成する半導体エレメントから異常が発生した半導体エレメントを検出する。
【0078】
一方、第1センサ410と第2センサ420のいずれか一方は、他方に比べて、より精密で、より信頼性の高いセンサで構成される。ここで、より高い精度と信頼性を有するセンサでパワーデバイス400に流れる電流又は電圧を計測することにより電流の方向を予測し、他のセンサの計測結果と比較して、パワーデバイス400の安定性を検討する。
【0079】
一方、本発明の実施形態によるパワーデバイスモニタリングシステムは、少なくとも1つの過電圧防止部をさらに含む。
図5は本発明の第3実施形態によるパワーデバイスモニタリングシステムの構成を示す構成図である。
【0080】
図5に示すように、本発明は、パワーデバイス(210 及び220)の両端に、過電圧防止のための過電圧防止部500をさらに含む。過電圧防止部500は、MOV(Metal Oxide Varistor)及びスナバ(snubber)素子の少なくともいずれかを含む。
【0081】
一方、過電圧防止部500は、パワーデバイス(210及び220)両端に配置されてもよい。また、パワーデバイス(210及び220)の両端には、直列に接続される抵抗510及び電圧センサ521、522が備えられる。
【0082】
ここで、直列抵抗510及び電圧センサ521、522は、それぞれパワーデバイス210、220に入力される電流の電圧を測定する。電圧センサ521、522は、それぞれ絶縁インタフェースと、アナログ電圧をデジタル値で計測することのできるADC(Analog Digital Converter)とを含む。前記絶縁インタフェースは、電圧センサ521、522で計測された電圧が制御部208に印加されることを防止する。
【0083】
通信インタフェース530がさらに備えられ、通信インタフェース530を介して外部の入力が制御部208に入力される。また、制御部208は、通信インタフェース530を介して外部の他の機器と情報を交換する。
【0084】
なお、前述した本発明の説明においては具体的な実施形態について説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変形を行うことができる。特に、本発明の実施形態においては、各パワーデバイスがダイオードを含む構成について説明したが、パワーデバイスの種類及び特性に応じてダイオードを含まなくてもよいことは言うまでもない。
【0085】
また、前述した本発明は電力用半導体遮断器に適用されるものであり、前述した説明においては、各パワーデバイスが絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)で構成された半導体エレメントを備える構成を例に挙げて説明したが、他の半導体エレメントを備えるものにも適宜適用されることは言うまでもない。例えば、SiCやGaNデバイスなどの他の電力用半導体やパワーデバイスにも本発明が適用されることは言うまでもない。
【0086】
前述した本発明は、プログラム記録媒体にコンピュータ可読コードで実現することができる。コンピュータ可読媒体には、コンピュータシステムにより読み取り可能なデータが記録されるあらゆる種類の記録装置が含まれる。コンピュータ可読媒体には、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Disk)、SDD(Silicon Disk Drive)、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶装置などが含まれ、かつ搬送波(例えば、インターネットによる送信)状に実現されるものも含まれる。さらに、前記コンピュータは、制御部を含んでもよい。よって、前述した詳細な説明はあらゆる面で制限的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮されるべきである。本発明の範囲は請求の範囲の合理的解釈により定められるべきであり、本発明の等価的範囲内でのあらゆる変更が本発明に含まれる。