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特許7422308情報提供方法、サーバ、音声認識装置、及び情報提供プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】情報提供方法、サーバ、音声認識装置、及び情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/80 20180101AFI20240119BHJP
   G10L 15/10 20060101ALI20240119BHJP
   G10L 17/26 20130101ALI20240119BHJP
   G10L 15/22 20060101ALI20240119BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
G16H50/80
G10L15/10 500Z
G10L15/10 200W
G10L17/26
G10L15/22 300U
G10L15/22 453
G06F3/16 650
G06F3/16 690
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019120241
(22)【出願日】2019-06-27
(65)【公開番号】P2020027610
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2022-06-13
(31)【優先権主張番号】P 2018149706
(32)【優先日】2018-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018149707
(32)【優先日】2018-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018149708
(32)【優先日】2018-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】池嶋 博子
【審査官】玉木 宏治
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-186447(JP,A)
【文献】特開2016-081321(JP,A)
【文献】国際公開第02/061647(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/066033(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0024531(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 50/22
G10L 15/00-17/26
G06F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感染症に関する情報を提供する情報提供システムにおける情報提供方法であって、
前記情報提供システムのコンピュータが、
ネットワークを介して接続された1以上の音声認識装置から地域感染情報を取得し、
前記地域感染情報は、前記1以上の音声認識装置が音声信号を解析して得た1以上の感染注意レベルと、前記1以上の感染注意レベルに関連付けられた1以上の地域とを示し、
取得した前記地域感染情報に基づき前記1以上の地域のそれぞれの感染リスクの大きさを表す感染リスク値を算出し、
前記1以上の地域のそれぞれについて、算出した前記感染リスク値にしたがって出力情報を生成し、
前記1以上の地域のそれぞれについて、生成した前記出力情報を、当該出力情報に対応する地域に存在する機器に前記ネットワークを介して送信する、
情報提供方法。
【請求項2】
前記感染リスク値は、前記1以上の地域のそれぞれにおける前記1以上の感染注意レベルごとの報告件数を算出し、算出した前記報告件数に対して前記1以上の感染注意レベルに応じた重み付けを行い、重み付け後の前記報告件数を評価することで算出される、
請求項1に記載の情報提供方法。
【請求項3】
前記1以上の感染注意レベルは、前記1以上の音声認識装置が前記音声信号を解析して得た声認識内容を用いて推定したものである、
請求項1又は2に記載の情報提供方法。
【請求項4】
前記1以上の地域のそれぞれの利用者数及び前記1以上の地域のそれぞれにおける利用者の想定滞在時間を更に取得し、
前記1以上の地域のそれぞれの前記感染リスク値は、当該感染リスク値に対応する地域の第1補正係数を用いて算出され、
前記第1補正係数は、前記対応する地域の前記利用者数及び前記対応する地域における前記利用者の想定滞在時間の少なくとも一方が増大するにつれて前記対応する地域の前記感染リスク値を増大させる係数である、
請求項1~3のいずれかに記載の情報提供方法。
【請求項5】
ソーシャルネットワークサービスサーバから、前記1以上の地域での前記感染症の流行を示す地域感染ワードと前記地域感染ワードの使用頻度とを含む情報を更に取得し、
前記1以上の地域のそれぞれの前記感染リスク値は、当該感染リスク値に対応する地域の前記地域感染ワードの使用頻度が高くなるにつれて前記対応する地域の前記感染リスク値を増大させる第2補正係数を用いて算出される、
請求項1~4のいずれかに記載の情報提供方法。
【請求項6】
前記1以上の地域のそれぞれの前記感染症の患者数を示す患者数データを更に取得し、
前記1以上の地域のそれぞれの前記感染リスク値は、当該感染リスク値に対応する地域の患者数が増大するにつれて前記対応する地域の感染リスク値を増大させる第3補正係数を用いて算出される、
請求項1~5のいずれかに記載の情報提供方法。
【請求項7】
前記1以上の地域のそれぞれに設置されたウィルスセンサから測定値を更に取得し、
前記1以上の地域のそれぞれの前記感染リスク値は、当該感染リスク値に対応する地域に設置されたウイルスセンサの測定値が大きくなるにつれて前記対応する地域の前記感染リスク値を増大させる、
請求項1~6のいずれかに記載の情報提供方法。
【請求項8】
前記機器は、音声出力装置であり、
前記出力情報は、前記音声出力装置から前記感染リスク値に応じた感染リスクを通知する音声メッセージを出力させる第1制御コマンドである、
請求項1~7のいずれかに記載の情報提供方法。
【請求項9】
前記機器は、空気清浄機であり、
前記出力情報は、前記空気清浄機を動作させる第2制御コマンドである、
請求項1~8のいずれかに記載の情報提供方法。
【請求項10】
感染症に関する情報を提供する情報提供システムにおけるサーバであって、
ネットワークを介して接続された1以上の音声認識装置から、前記1以上の音声認識装置が音声信号を解析して得た1以上の感染注意レベルと、前記1以上の感染注意レベルに関連付けられた1以上の地域とを示す地域感染情報を取得する通信部と、
取得した前記地域感染情報に基づき前記1以上の地域のそれぞれの感染リスクの大きさを表す感染リスク値を算出する感染リスク値算出部と、
前記1以上の地域のそれぞれについて、算出した前記感染リスク値にしたがって出力情報を生成する出力情報生成部とを備え、
前記通信部は、前記1以上の地域のそれぞれについて、生成した前記出力情報を、当該出力情報に対応する地域に存在する機器に前記ネットワークを介して送信する、
サーバ。
【請求項11】
感染症に関連する情報を提供する音声認識装置であって、
周囲の音を検出し、検出結果に基づいて音声信号を出力するマイクと、
前記マイクが出力した音声信号に対して音声認識処理を実行するプロセッサと、
スピーカと、
メモリとを備え、
前記プロセッサは、
前記音声信号の前記音声認識処理の結果から感染リスクに関する単語及び音の少なくとも一方を含む第1音声データを抽出し、前記第1音声データから感染注意レベルを特定する感染注意レベル特定部と、
前記音声認識処理の結果から、前記第1音声データに対応する音が前記マイクで検出された時間の前後一定期間において前記マイクで検出された音に対応する第2音声データを抽出し、前記第2音声データから前記第1音声データに関連する地域を特定する、又は前記第1音声データの発話者の移動履歴を示す移動履歴データを用いて前記第1音声データに関連する地域を特定する地域特定部と、
特定された前記地域と、特定された前記感染注意レベルとを対応付けた地域感染情報を生成し、前記メモリに蓄積する地域感染情報生成部と、
蓄積された前記地域感染情報から前記地域の前記感染注意レベルに応じた音声メッセージを生成する出力情報生成部とを備え、
前記スピーカは、前記音声メッセージを出力する、
音声認識装置。
【請求項12】
前記感染注意レベル特定部は、前記第1音声データの発話内容から前記地域で流行している感染症又は特定の人物が感染している感染症を推定する、
請求項11記載の音声認識装置。
【請求項13】
前記感染注意レベル特定部は、前記第2音声データの発話内容から特定の人物が感染症に感染している期間を推定し、推定結果を用いて前記感染注意レベルを補正する、
請求項11又は12記載の音声認識装置。
【請求項14】
前記地域感染情報生成部は、前記地域感染情報を生成するための情報が不足している場合、質問メッセージを前記スピーカから出力させ、前記マイクを用いて前記質問メッセージの回答音声信号を取得し、前記回答音声信号を用いて前記地域感染情報を生成する、
請求項11~13のいずれかに記載の音声認識装置。
【請求項15】
前記地域感染情報は、前記地域を含む1以上の地域と前記感染注意レベルを含む1以上の感染注意レベルとを対応付けた情報であり、
前記プロセッサは、
前記メモリに蓄積された前記地域感染情報を前記1以上の地域及び前記1以上の感染注意レベルごとに分類することで、前記1以上の地域のそれぞれにおける前記1以上の感染注意レベルごとの前記感染症の報告件数を算出する報告件数算出部と、
算出された前記報告件数に対して前記1以上の感染注意レベルに応じた重み付けを行い、重み付け後の前記報告件数を評価することで前記1以上の地域のそれぞれの感染リスク値を算出する感染リスク値算出部とを更に備え、
前記出力情報生成部は、算出した前記感染リスク値にしたがって前記1以上の地域のそれぞれの出力情報を生成し、
前記1以上の地域のそれぞれについて、生成した前記出力情報を、当該出力情報に対応する地域に存在する機器にネットワークを介して送信する通信部を更に備える、
請求項11~14のいずれかに記載の音声認識装置。
【請求項16】
前記通信部を用いてソーシャルネットワークサービスサーバから、前記1以上の地域のそれぞれでの感染症の流行を示す地域感染ワードと前記地域感染ワードの使用頻度とを含む情報を取得するソーシャル情報取得部を更に備え、
前記感染リスク値算出部は、前記1以上の地域のそれぞれについて、前記地域感染ワードの使用頻度が高くなるにつれて感染リスク値を増大させる補正係数を用いて前記感染リスク値を算出する請求項15記載の音声認識装置。
【請求項17】
前記メモリは、他の音声認識装置で生成された地域感染情報を蓄積する、
請求項15又は16記載の音声認識装置。
【請求項18】
前記機器は、ネットワークを介して当該音声認識装置に接続された他の音声認識装置であり、
前記出力情報生成部は、前記他の音声認識装置から前記感染リスク値に応じた音声メッセージを出力させる第1制御コマンドを生成し、前記他の音声認識装置に送信する、
請求項15~17のいずれかに記載の音声認識装置。
【請求項19】
前記機器は、空気清浄機であり、
前記出力情報生成部は、前記空気清浄機を動作させる第2制御コマンドを生成し、前記空気清浄機に送信する、
請求項15~18のいずれかに記載の音声認識装置。
【請求項20】
感染症に関連する情報を提供する音声認識装置における情報提供方法であって、
前記音声認識装置のプロセッサが、
マイクが検出した音から感染リスクに関する単語及び音の少なくとも一方を含む第1音声データを抽出し、前記第1音声データから感染注意レベルを特定し、
前記第1音声データに対応する音が前記マイクで検出された時間の前後一定期間において前記マイクで検出された音から第2音声データを抽出し、前記第2音声データから前記第1音声データに関連する地域を特定する、又は前記第1音声データの発話者の移動履歴データを用いて前記第1音声データに関連する地域を特定し、
特定された前記地域と、特定した前記感染注意レベルとを対応付けた地域感染情報を生成してメモリに蓄積し、
蓄積した前記地域感染情報から前記地域の前記感染注意レベルに応じた音声メッセージを生成し、
前記音声メッセージをスピーカから出力する、
情報提供方法。
【請求項21】
感染症に関連する情報を提供する音声認識装置における情報提供プログラムであって、
前記音声認識装置のプロセッサに対して、
マイクが検出した音から感染リスクに関する単語及び音の少なくとも一方を含む第1音声データを抽出し、前記第1音声データから感染注意レベルを特定し、
前記第1音声データに対応する音が前記マイクで検出された時間の前後一定期間において前記マイクで検出された音から第2音声データを抽出し、前記第2音声データから前記第1音声データに関連する地域を特定する、又は前記第1音声データの発話者の移動履歴データを用いて前記第1音声データに関連する地域を特定し、
特定された前記地域と、特定した前記感染注意レベルとを対応付けた地域感染情報を生成してメモリに蓄積し、
蓄積した前記地域感染情報から前記地域の前記感染注意レベルに応じた音声メッセージを生成してメモリに蓄積し、
前記音声メッセージをスピーカから出力する、処理を実行させる、
情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、音声認識装置で得られた音声信号を用いて感染症に関する情報を提供する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の感染症に関する情報を提供する情報提供システムとして、特許文献1が知られている。特許文献1では、感染監視システム参加者の移動履歴を蓄積し、病院及び保健所によりウイルス感染が確認及び推定された感染監視システム参加者の移動履歴から当該感染監視システム参加者の接近場所を管理し、他の感染監視システム参加者が当該接近場所に接近した場合、当該他の感染監視システム参加者に当該接近場所と当該接近場所へのウィルス感染者の接近日時とを通知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-248802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成では、ウィルス感染地域を特定するに際して、病院などの医療機関でウィルス感染が確認された施設及び医療機関でウィルス感染が確認された感染監視システム参加者の移動履歴しか考慮されていない。そのため、地域ごとの感染症に対する感染リスクを正確且つタイムリーに特定するという点において更なる改善の必要があった。
【0005】
本開示は、地域ごとの感染症に感染する感染リスクを正確且つタイムリーに特定し、感染症の拡大を防止するために適切な情報を提供する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報提供方法は、感染症に関する情報を提供する情報提供システムにおける情報提供方法であって、前記情報提供システムのコンピュータが、ネットワークを介して接続された1以上の音声認識装置から地域感染情報を取得し、前記地域感染情報は、前記1以上の音声認識装置が音声信号を解析して得た1以上の感染注意レベルと、前記1以上の感染注意レベルに関連付けられた1以上の地域とを示し、取得した前記地域感染情報に基づき前記1以上の地域のそれぞれの感染リスクの大きさを表す感染リスク値を算出し、前記1以上の地域のそれぞれについて、算出した前記感染リスク値にしたがって出力情報を生成し、前記1以上の地域のそれぞれについて、生成した前記出力情報を、当該出力情報に対応する地域に存在する機器に前記ネットワークを介して送信する。
【0007】
本開示の別の一態様に係る音声認識装置は、感染症に関連する情報を提供する音声認識装置であって、周囲の音を検出し、検出結果に基づいて音声信号を出力するマイクと、前記マイクが出力した音声信号に対して音声認識処理を実行するプロセッサと、スピーカと、メモリとを備え、前記プロセッサは、前記音声信号の前記音声認識処理の結果から感染リスクに関する単語及び音の少なくとも一方を含む第1音声データを抽出し、前記第1音声データから感染注意レベルを特定する感染注意レベル特定部と、前記音声認識処理の結果から、前記第1音声データに対応する音が前記マイクで検出された時間の前後一定期間において前記マイクで検出された音に対応する第2音声データを抽出し、前記第2音声データから前記第1音声データに関連する地域を特定する、又は前記第1音声データの発話者の移動履歴を示す移動履歴データを用いて前記第1音声データに関連する地域を特定する地域特定部と、特定された前記地域と、特定された前記感染注意レベルとを対応付けた地域感染情報を生成し、前記メモリに蓄積する地域感染情報生成部と、蓄積された前記地域感染情報から前記地域の前記感染注意レベルに応じた音声メッセージを生成する出力情報生成部とを備え、前記スピーカは、前記音声メッセージを出力する。
【0008】
本開示のさらに別の一態様に係る情報提供方法は音声認識装置とサーバとを備え、感染症に関する情報を提供する情報提供システムにおける情報提供方法であって、前記音声認識装置が、マイクを用いて検出した音に基づく音声信号を音声認識して、前記感染症に感染している可能性のある感染可能性者と前記感染可能性者の前記感染症に対する感染可能性とを特定し、前記感染可能性を示す第1感染情報を前記感染可能性者の携帯端末に送信し、前記第1感染情報が送信された前記携帯端末が、当該携帯端末の位置情報と前記第1感染情報とを対応付けた対応付けデータを前記サーバに送信し、前記サーバが、前記携帯端末を含む複数の携帯端末から送信される、前記対応付けデータを含む複数の対応付けデータを用いて、マップデータ上の特定の場所と前記場所における感染可能性者数とを対応付けたマッピングデータを生成して前記感染可能性者の前記携帯端末又は前記感染可能性者とは別の人物の携帯端末に送信し、前記感染可能性者の前記携帯端末又は前記別の人物の前記携帯端末は、前記マッピングデータを用いて表示画面を生成してディスプレイに表示する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、地域ごとの感染症に感染する感染リスクを正確且つタイムリーに特定し、感染症の拡大を防止するために適切な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施の形態1に係る情報提供システムのネットワーク構成の一例を示す図である。
図2図1に示す情報提供システムの構成例を示すブロック図である。
図3図2に示すサーバの構成例を示すブロック図である。
図4】スマートスピーカのメモリが記憶する登録情報DBのデータ構成の一例を示す図である。
図5】スマートスピーカのメモリが記憶する地域感染情報DBのデータ構成の一例を示す図である。
図6】スマートスピーカのデータ解析部による音声認識処理を説明する図である。
図7】サーバのメモリが記憶する地域感染情報集計DBのデータ構成の一例を示す図である。
図8】本開示の実施の形態1に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図9図8において、スマートスピーカとサーバとの処理の詳細を示すフローチャートである。
図10図8の変形例に係るフローチャートである。
図11】本開示の情報提供システムのユースケースを示す図である。
図12】本開示の実施の形態2に係る情報提供システムのネットワーク構成の一例を示す図である。
図13図12に示すスマートスピーカの構成例を示すブロック図である。
図14】実施の形態2において、スマートスピーカのメモリが記憶する地域感染情報集計DBのデータ構成の一例を示す図である。
図15】本開示の実施の形態1に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図16図15において、スマートスピーカの処理の詳細を示すフローチャートである。
図17】本開示の実施の形態2に係る情報提供システムのネットワーク構成の一例を示す図である。
図18図17に示す情報提供システムの構成例を示すブロック図である。
図19図18に示すスマートスピーカ及びサーバの構成例を示すブロック図である。
図20】本開示の実施の形態3に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図21図20の変形例に係るフローチャートである。
図22】本開示の実施の形態4に係る情報提供システムのネットワーク構成の一例を示す図である。
図23図22に示す情報提供システムの構成例を示すブロック図である。
図24】サーバのメモリが記憶するマッピングDBのデータ構成の一例を示す図である。
図25図22に示す情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図26】マッピングデータを受信した携帯端末において表示される表示画面を示す図である。
図27】マッピングデータを受信した携帯端末において表示される表示画面の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示に至る経緯)
インフルエンザ等の感染症が流行すると病院及び保健所等の医療機関から地域ごとの感染者数を示す患者データが公表されるので、その患者データを参照すれば、使用者は、地域ごとの感染症の流行の度合いをある程度認識できる。しかし、この患者データは発表時点から1週間程度過去の患者数を示すのケースが多いので、タイムリーさに欠けるという問題がある。そのため、患者データを確認してから感染症の対策を行っても既に手遅れとなっていることが多く、患者データは感染症の流行を抑制する上では不十分である。
【0012】
そこで、感染症が流行する又は流行の予兆が表れた場合、地域ごとの感染症の流行の度合いをタイムリーに知らせることが要望されている。
【0013】
ところで、家庭内においては、感染症が流行したとき又は感染症の流行の予兆が表れたときに、例えば「AA小学校でインフルエンザが流行っているんだって。」といった発話、或いは「会社の取引先でインフルエンザが流行っているみたいだ。」といった発話が交わされることが想定される。そのため、このような発話を収集して内容を分析すれば地域ごとの感染リスクを正確且つタイムリーに特定することができる。
【0014】
そこで、本発明者は、近年、普及しつつあるスマートスピーカに着目した。このスマートスピーカを用いれば、上述したような発話を多数収集することができ、地域ごとの感染リスクを正確且つタイムリーに特定することが可能となる。更に、特定した感染リスクに基づいて適切な情報を使用者に提供することも可能になる。
【0015】
上述した特許文献1では、スマートスピーカが用いられていないので、上述した発話を収集することができず、地域ごとの感染リスクを正確且つタイムリーに取得することができない。
【0016】
また、特許文献1では、ウィルス感染が確認された感染監視システム参加者の接近場所が考慮されているに過ぎず、接近場所での感染リスクは何ら考慮されていない。そのため、特許文献1では、感染リスクに応じた適切な情報を使用者に提供することができず、使用者に対して過剰な感染症対策を行わせたり、使用者の感染症対策が不十分になるという課題が発生する。
【0017】
一方、スマートフォン及びタブレット端末等の携帯端末の大幅な普及により、携帯端末を所持する使用者の位置情報を特定することが容易になっている。そのため、発話内容から感染症に感染している可能性のある多数の感染可能性者の位置情報を追跡すれば、どの場所でどの程度感染可能性者が存在するかを正確且つタイムリーに特定することができる。
【0018】
そして、各場所での感染可能性者数をマッピングした情報を使用者に提示すれば、使用者に対して、特定の場所に行きべきか否か若しくは特定の場所を通るべきか否かといった判断材料、及び特定の場所へ行く場合又は通る場合にはどのような感染症対策をとるべきかといった判断材料を提示できる。
【0019】
上述した特許文献1では、スマートスピーカが用いられていないので、上述した発話を収集することができず、どの場所でどの程度感染可能性者が存在するかを正確且つタイムリーに取得することができない。
【0020】
また、特許文献1では、感染監視システム参加者が感染症に感染したか否かは、医療機関による判断結果が用いられているため、医療機関の診療を受けていないが、感染を自覚している感染監視システム参加者の位置情報は追跡されない。そのため、特許文献1は、どの場所でどの程度感染可能性が存在するかを正確且つタイムリーに特定することができない。これにより、特許文献1では、利用者に対して過剰な感染症対策を行わせたり、利用者の感染症対策が不十分になるという課題が発生する。
【0021】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、地域ごとの感染症に感染する感染リスクを正確且つタイムリーに特定し、感染症の拡大を防止するために適切な情報を提供することである。
【0022】
本開示の一態様は、感染症に関する情報を提供する情報提供システムにおける情報提供方法であって、前記情報提供システムのコンピュータが、ネットワークを介して接続された1以上の音声認識装置から地域感染情報を取得し、前記地域感染情報は、前記1以上の音声認識装置が音声信号を解析して得た1以上の感染注意レベルと、前記1以上の感染注意レベルに関連付けられた1以上の地域とを示し、取得した前記地域感染情報に基づき前記1以上の地域のそれぞれの感染リスクの大きさを表す感染リスク値を算出し、前記1以上の地域のそれぞれについて、算出した前記感染リスク値にしたがって出力情報を生成し、前記1以上の地域のそれぞれについて、生成した前記出力情報を、当該出力情報に対応する地域に存在する機器に前記ネットワークを介して送信する。
【0023】
本構成によれば、ネットワークを介して接続された1以上の音声認識装置から、前記1以上の音声認識装置が音声信号を解析して得た1以上の感染注意レベルと、前記1以上の感染注意レベルに関連付けられた地域とを含む地域感染情報が取得される。
【0024】
そして、取得された地域感染情報に基づき各地域の感染リスクの大きさを表す感染リスク値が算出される。そのため、本構成は、使用者の例えば、家庭で交わされる発話に基づいて生成された地域感染情報を多数収集して、地域ごとの感染リスク値を正確且つタイムリーに特定することができる。
【0025】
また、本構成では、感染リスク値に応じて各地域の出力情報が生成され、出力情報に対応する地域の機器に送信されている。そのため、感染リスク値に応じて適切な情報を使用者に提供することができ、使用者に対して過剰な感染症対策を行わせる、或いは使用者の感染症対策が不十分になるといった事態を回避できる。
【0026】
上記態様において、前記感染リスク値は、前記1以上の地域のそれぞれにおける前記1以上の感染注意レベルごとの報告件数を算出し、算出した前記報告件数に対して前記1以上の感染注意レベルに応じた重み付けを行い、重み付け後の前記報告件数を評価することで算出されてもよい。
【0027】
本構成によれば、地域感染情報から各地域の感染注意レベルごとの感染症の報告件数が算出され、算出された報告件数が感染注意レベルに応じて重み付けられ、重み付け後の報告件数が評価されて各地域の感染リスク値が算出される。そのため、本構成は、各地域の感染注意レベルを正確に算出できる。
【0028】
上記態様において、前記1以上の感染注意レベルは、前記1以上の音声認識装置が前記音声信号を解析して得た音声認識内容を用いて推定したものであってもよい。
【0029】
例えば、「隣のクラスがインフルエンザで学級閉鎖になったよ。」というような発話は、「AA君がインフルエンザで学校を休んでいる。」というような発話に比べて、感染者が多いと推定できるため感染リスクは高く、感染リスクのレベル分けが可能である。本構成によれば、このような発話内容から地域感染情報に含まれる感染注意レベルをレベル分けすることができる。
【0030】
上記態様において、前記1以上の地域のそれぞれの利用者数及び前記1以上の地域のそれぞれにおける利用者の想定滞在時間を更に取得し、前記1以上の地域のそれぞれの前記感染リスク値は、当該感染リスク値に対応する地域の第1補正係数を用いて算出され、前記第1補正係数は、前記対応する地域の前記利用者数及び前記対応する地域における前記利用者の想定滞在時間の少なくとも一方が増大するにつれて前記対応する地域の前記感染リスク値を増大させる係数であってもよい。
【0031】
本構成によれば、利用者数が多い地域及び利用者の想定滞在時間が長い地域ほど感染リスク値を高く算出することができ、より正確な感染リスク値を得ることができる。
【0032】
上記態様において、ソーシャルネットワークサービスサーバから、前記1以上の地域での前記感染症の流行を示す地域感染ワードと前記地域感染ワードの使用頻度とを含む情報を更に取得し、前記1以上の地域のそれぞれの前記感染リスク値は、当該感染リスク値に対応する地域の前記地域感染ワードの使用頻度が高くなるにつれて前記対応する地域の前記感染リスク値を増大させる第2補正係数を用いて算出されてもよい。
【0033】
本構成によれば、ソーシャルネットワーク上で、ある地域に対して感染症が発生していることが話題となっている場合、その話題を感染リスク値に反映させることができる。
【0034】
上記態様において、前記1以上の地域のそれぞれの前記感染症の患者数を示す患者数データを更に取得し、前記1以上の地域のそれぞれの前記感染リスク値は、当該感染リスク値に対応する地域の患者数が増大するにつれて前記対応する地域の感染リスク値を増大させる第3補正係数を用いて算出されてもよい。
【0035】
本構成によれば、ある地域における感染症の患者数の多さを考慮に入れて感染リスク値を算出することができる。
【0036】
上記態様において、前記1以上の地域のそれぞれに設置されたウィルスセンサから測定値を更に取得し、前記1以上の地域のそれぞれの前記感染リスク値は、当該感染リスク値に対応する地域に設置されたウイルスセンサの測定値が大きくなるにつれて前記対応する地域の前記感染リスク値を増大させてもよい。
【0037】
本構成によれば、ある地域に設置されたウィルスセンサの測定値の大きさを考慮に入れて感染リスク値を算出することができる。
【0038】
上記態様において、前記機器は、音声出力装置であり、前記出力情報は、前記音声出力装置から前記感染リスク値に応じた感染リスクを通知する音声メッセージを出力させる第1制御コマンドであってもよい。
【0039】
本構成によれば、音声出力装置から感染リスク値に応じた音声メッセージが出力されるため、利用者に対して感染症への感染を防止する上で必要な措置を採らせることができ、感染症の拡大を抑制できる。
【0040】
上記態様において、前記機器は、空気清浄機であり、前記出力情報は、前記空気清浄機を動作させる第2制御コマンドであってもよい。
【0041】
本構成によれば、例えば、感染リスク値の高い地域に設置された空気清浄機に対してウィルスを除去する制御コマンドを送信することで、感染症の拡大を抑制できる。
【0042】
本開示の一態様に係る音声認識装置は、感染症に関連する情報を提供する音声認識装置であって、周囲の音を検出し、検出結果に基づいて音声信号を出力するマイクと、前記マイクが出力した音声信号に対して音声認識処理を実行するプロセッサと、スピーカと、メモリとを備え、前記プロセッサは、前記音声信号の前記音声認識処理の結果から感染リスクに関する単語及び音の少なくとも一方を含む第1音声データを抽出し、前記第1音声データから感染注意レベルを特定する感染注意レベル特定部と、前記音声認識処理の結果から、前記第1音声データに対応する音が前記マイクで検出された時間の前後一定期間において前記マイクで検出された音に対応する第2音声データを抽出し、前記第2音声データから前記第1音声データに関連する地域を特定する、又は前記第1音声データの発話者の移動履歴を示す移動履歴データを用いて前記第1音声データに関連する地域を特定する地域特定部と、特定された前記地域と、特定された前記感染注意レベルとを対応付けた地域感染情報を生成し、前記メモリに蓄積する地域感染情報生成部と、蓄積された前記地域感染情報から前記地域の前記感染注意レベルに応じた音声メッセージを生成する出力情報生成部とを備え、前記スピーカは、前記音声メッセージを出力する。
【0043】
本構成によれば、マイクで検出された音声信号から感染リスクに関する単語及び音の少なくとも一方を含む第1音声データが抽出され、感染注意レベルが特定される。また、第1音声データに対応する音がマイクで検出された時間の前後一定期間においてマイクで検出された音に対応する第2音声データが抽出され、第1音声データに関連する地域、又は、第1音声データの発話者の移動履歴データを用いて第1音声データに関連する地域が特定される。そして、特定された感染注意レベルと特定された地域とが対応付けられて地域感染情報が生成されてメモリに蓄積され、蓄積された地域感染情報から感染注意レベルに応じた音声メッセージが生成され、スピーカから出力される。
【0044】
そのため、本構成は、使用者の、例えば、家庭で交わされる発話に基づいて生成された地域感染情報を収集して、地域ごとの感染注意レベルに適した音声メッセージを正確且つタイムリーに生成してスピーカから出力することができる。
【0045】
したがって、本構成は、感染注意レベルに応じて適切な情報を使用者に提供することができ、使用者に対して過剰な感染症対策を行わせる、或いは使用者の感染症対策が不十分になるといった事態を回避できる。なお、第1音声データに含まれる音とは、例えば、使用者によるくしゃみ及び咳などの音が該当する。
【0046】
上記態様において、前記感染注意レベル特定部は、前記第1音声データの発話内容から前記地域で流行している感染症又は特定の人物が感染している感染症を推定してもよい。
【0047】
本構成によれば、第1音声データにおいて、例えば、「BB地区でインフルエンザが流行っている」といった発話内容が含まれている場合、該当する地域でインフルエンザが流行していることが推定される。また、本構成によれば、例えば、「AA君がインフルエンザにかかった」といった発話内容が含まれている場合、特定の人物がインフルエンザに感染したと推定される。
【0048】
上記態様において、前記感染注意レベル特定部は、前記第2音声データの発話内容から特定の人物が感染症に感染している期間を推定し、推定結果を用いて前記感染注意レベルを補正してもよい。
【0049】
例えば、人物がインフルエンザに感染した場合、感染から1週間も経過すれば、その人物はインフルエンザから回復していることが見込まれる。本構成では、第2音声データの発話内容から感染症に感染している期間が推定され、推定結果から感染注意レベルが補正されるので、感染注意レベルを正確に特定できる。
【0050】
上記態様において、前記地域感染情報生成部は、前記地域感染情報を生成するための情報が不足している場合、質問メッセージを前記スピーカから出力させ、前記マイクを用いて前記質問メッセージの回答音声信号を取得し、前記回答音声信号を用いて前記地域感染情報を生成してもよい。
【0051】
本構成によれば、地域感染情報を生成するための情報が不足している場合、質問メッセージがスピーカから出力され、その質問メッセージに対する使用者の回答音声信号を用いて地域感染情報が生成される。そのため、地域感染情報が生成できない事態を可能な限り回避できる。
【0052】
上記態様において、前記地域感染情報は、前記地域を含む1以上の地域と前記感染注意レベルを含む1以上の感染注意レベルとを対応付けた情報であり、前記プロセッサは、前記メモリに蓄積された前記地域感染情報を前記1以上の地域及び前記1以上の感染注意レベルごとに分類することで、前記1以上の地域のそれぞれにおける前記1以上の感染注意レベルごとの前記感染症の報告件数を算出する報告件数算出部と、算出された前記報告件数に対して前記1以上の感染注意レベルに応じた重み付けを行い、重み付け後の前記報告件数を評価することで前記1以上の地域のそれぞれの感染リスク値を算出する感染リスク値算出部とを更に備え、前記出力情報生成部は、算出した前記感染リスク値にしたがって前記前記1以上の地域のそれぞれの出力情報を生成し、前記1以上の地域のそれぞれについて、生成した前記出力情報を、当該出力情報に対応する地域に存在する機器にネットワークを介して送信する通信部を更に備えてもよい。
【0053】
本構成によれば、取得された地域感染情報から各地域の感染注意レベルことの感染症の報告件数が算出され、算出された報告件数が感染注意レベルに応じて重み付けられ、重み付け後の報告件数が評価されて各地域の感染リスク値が算出される。そのため、本構成は、地域ごとの感染リスク値を正確且つタイムリーに特定することができる。
【0054】
上記態様において、前記通信部を用いてソーシャルネットワークサービスサーバから、前記1以上の地域のそれぞれでの感染症の流行を示す地域感染ワードと前記地域感染ワードの使用頻度とを含む情報を取得するソーシャル情報取得部を更に備え、前記感染リスク値算出部は、前記1以上の地域のそれぞれについて、前記地域感染ワードの使用頻度が高くなるにつれて感染リスク値を増大させる補正係数を用いて前記感染リスク値を算出してもよい。
【0055】
本構成によれば、ソーシャルネットワーク上である地域に対して感染症が発生していることが話題となっている場合、その話題を感染リスク値に反映させることができる。
【0056】
上記態様において、前記メモリは、他の音声認識装置で生成された地域感染情報を蓄積してもよい。
【0057】
本構成によれば、他の音声認識装置と連携して、より正確な感染リスク値を算出できる。
【0058】
上記態様において、前記機器は、ネットワークを介して当該音声認識装置に接続された他の音声認識装置であり、前記出力情報生成部は、前記他の音声認識装置から前記感染リスク値に応じた音声メッセージを出力させる第1制御コマンドを生成し、前記他の音声認識装置に送信してもよい。
【0059】
本構成によれば、感染症が流行している地域の他の音声認識装置から感染リスク値に応じた音声メッセージが出力されるため、使用者に対して感染症への感染を防止する上で必要な措置を採らせることができ、感染症の拡大を抑制できる。
【0060】
上記態様において、前記機器は、空気清浄機であり、前記出力情報生成部は、前記空気清浄機を動作させる第2制御コマンドを生成し、前記空気清浄機に送信してもよい。
【0061】
本構成によれば、例えば、感染リスク値の高い地域に設置された空気清浄機に対してウィルスを除去する制御コマンドを送信することで、感染症の拡大を抑制できる。
【0062】
本開示の一態様に係る情報提供方法は、音声認識装置とサーバとを備え、感染症に関する情報を提供する情報提供システムにおける情報提供方法であって、前記音声認識装置が、マイクを用いて検出した音に基づく音声信号を音声認識して、前記感染症に感染している可能性のある感染可能性者と前記感染可能性者の前記感染症に対する感染可能性とを特定し、前記感染可能性を示す第1感染情報を前記感染可能性者の携帯端末に送信し、前記第1感染情報が送信された前記携帯端末が、当該携帯端末の位置情報と前記第1感染情報とを対応付けた対応付けデータを前記サーバに送信し、前記サーバが、前記携帯端末を含む複数の携帯端末から送信される、前記対応付けデータを含む複数の対応付けデータを用いて、マップデータ上の特定の場所と前記場所における感染可能性者数とを対応付けたマッピングデータを生成して前記感染可能性者の前記携帯端末又は前記感染可能性者とは別の人物の携帯端末に送信し、前記感染可能性者の前記携帯端末又は前記別の人物の前記携帯端末は、前記マッピングデータを用いて表示画面を生成してディスプレイに表示する。
【0063】
本構成によれば、音声認識装置により感染可能性者と感染可能性者の感染症に対する感染可能性とが特定され、感染可能性を含む第1感染情報が感染可能性者の携帯端末に送信される。また、第1感染情報を受信した携帯端末は、自己の位置情報と感染情報とを対応付けた対応付けデータをサーバに送信する。したがって、サーバは、感染可能性者の携帯端末からその感染可能性者の位置情報を取得することができ、どの場所でどの程度感染可能性者が存在するかを、すなわち、地域ごとの感染リスクを正確且つタイムリーに特定できる。そして、このようにして特定された場所と感染可能性者数とが対応付けられたマッピングデータが携帯端末に送信され、そのマッピングデータを用いた表示画面が携帯端末に表示される。そのため、携帯端末の使用者は、例えば、これから行こうとしている場所にどの程度の感染可能性者数が存在するかを認識することができ、適切な感染症対策を取ることができる。
【0064】
上記態様において、前記音声認識装置は、前記音声信号の発話内容から前記感染可能性者が感染している前記感染症を推定してもよい。
【0065】
本構成によれば、例えば、「インフルエンザが流行っている」といった発話内容が含まれている場合、該当する地域でインフルエンザが流行していることが推定される。
【0066】
上記態様において、前記サーバは、前記感染可能性者数を用いて前記場所における感染リスクを算出し、前記マッピングデータは、前記感染リスクと、前記感染リスクに応じた感染予防対策のアドバイス情報とを含んでもよい。
【0067】
本構成によれば、特定の場所における感染リスクと感染リスクに応じた感染予防対策のアドバイス情報とが携帯端末に表示されるので、使用者は万全な感染症対策を取って特定の場所に行くことができる。
【0068】
上記態様において、前記マッピングデータは、前記場所に設置され、前記場所の環境情報を測定するセンサの測定データを含んでもよい。
【0069】
本構成によれば、特定の場所における、例えば、ウィルスの有無、湿度、及び温度といった情報が携帯端末に表示されるので、感染症対策の判断材料及び特定の場所に行くべきか否かの判断材料を使用者に提供できる。
【0070】
上記態様において、前記情報提供システムは外部サーバを更に備え、前記音声認識装置は、前記音声信号から前記感染症に関連する場所と前記場所に対する感染注意レベルとを特定し、前記場所および前記感染注意レベルを示す第2感染情報を前記外部サーバに送信し、前記外部サーバは、前記第2感染情報を含む複数の第2感染情報を受信し、前記複数の第2感染情報を場所及び感染注意レベルごとに分類することで各場所における感染注意レベルごとの報告件数を算出し、算出した前記報告件数に対して各感染注意レベルに応じた重み付けを行い、重み付け後の前記報告件数を評価することで場所ごとの感染リスク値を算出し、前記サーバは前記外部サーバから場所ごとの前記感染リスク値を取得し、前記マッピングデータは、各場所における前記感染リスク値を含んでもよい。
【0071】
本構成によれば、特定の場所における感染リスク値が携帯端末に表示されるため、感染症対策の判断材料及び特定の場所に行くべきか否かの判断材料を使用者に提供できる。
【0072】
上記態様において、前記表示画面は、前記場所における前記感染可能性者数を地図画像上に重畳表示させた画面であってもよい。
【0073】
本構成によれば、特定の場所における感染可能性者数が地図画像上に表示されるので、特定の場所で感染症が流行しているかを使用者は容易に認識できる。
【0074】
上記態様において、前記サーバは、前記携帯端末からの要求に応じて前記マッピングデータを送信してもよい。
【0075】
本構成によれば、例えば、使用者が今からある場所に出掛けるために移動ルートの検索依頼をサーバに対して行った場合、検索結果と合わせて、移動ルートの周囲においてどの程度の感染可能性者が存在するかを通知することが可能となり、使用者に対して感染症対策に関する判断材料を提示できる。
【0076】
本開示のさらに別の一態様に係る携帯端末は、感染症に関する情報を提供する情報提供システムにおける携帯端末であって、サーバから、マップデータ上の特定の場所と各場所における感染可能性者数と各場所における感染リスク及び前記感染リスクに応じた感染予防対策のアドバイス情報とを対応付けたマッピングデータを受信する通信部と、前記マッピングデータを用いて、各場所において前記感染可能性者数と感染リスクと前記アドバイス情報とを対応付けて表示する表示画面を生成し、表示部に表示する制御部とを備える。
【0077】
本開示のさらに別の一態様に係るマルチデバイスは、感染症に関連する情報を提供するマルチデバイスであって、前記マルチデバイスに入力された入力信号に対して単語認識処理を実行するプロセッサと、表示部と、メモリとを備え、前記プロセッサは、前記入力信号の前記単語認識処理の結果から感染リスクに関する単語を含む第1単語データを抽出し、前記第1単語データから感染注意レベルを特定する感染注意レベル特定部と、前記単語認識処理の結果から、前記第1単語データに対応する入力信号が得られた時間の前後一定期間における入力信号の単語認識処理の結果から第2単語データを抽出し、前記第2単語データから前記第1単語データに関連する地域を特定する、又は前記マルチデバイスの移動履歴を示す移動履歴データを用いて前記第1単語データに関連する地域を特定する地域特定部と、特定された前記地域と、特定された前記感染注意レベルとを対応付けた地域感染情報を生成し、前記メモリに蓄積する地域感染情報生成部と、蓄積された前記地域感染情報から前記地域の前記感染注意レベルに応じたメッセージを生成する出力情報生成部とを備え、前記表示部は、前記メッセージを表示する。
【0078】
本開示は、このような方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラム或いはこのコンピュータプログラムによって動作するサーバとして実現することもできる。また、このようなコンピュータプログラムを、CD-ROM等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
【0079】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることも出来る。
【0080】
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1に係る情報提供システムのネットワーク構成の一例を示す図である。情報提供システムは、サービスが適用される使用者が居住する地域及びその地域から一定範囲内にある1以上の地域を含むサービス適用地域において、地域ごとに使用者が感染症に罹患するリスクを算出し、算出結果に基づいて感染症に罹患することを防ぐための種々のサービスを使用者に提供するものである。ここで、地域は、地区及び場所を含む。地区は、例えば、市、町及び村というように、サービス適用地域を地理的要因等の所定の基準で複数に区画した場合の1区画が該当する。場所は、商業施設、病院及び小学校といった地域に含まれる施設の場所を示す。感染症は、病原体が生体内に侵入及び増殖して引き起こす病気であり、例えば、風邪、インフルエンザ、赤痢、マラリア、及びノロウィルス等が該当する。
【0081】
情報提供システムは、サーバ1、スマートスピーカ2(音声認識装置及び機器の一例)、携帯端末3、ウィルスセンサ4、患者数DB(データベース)5、SNSワードDB6、地域情報DB7、感染症推移DB8、地域感染情報DB9、登録情報DB10、移動情報DB11、検索情報DB12、及び空気清浄機13(機器の一例)を備えている。
【0082】
サーバ1~空気清浄機13は、ネットワークNTを介して相互に通信可能に接続されている。ネットワークNTは、例えば、インターネット通信網及び携帯電話通信網等を含む。
【0083】
サーバ1は、例えば、1以上のコンピュータで構成されたクラウドサーバであり、スマートスピーカ2から取得した地域感染情報を用いて各地域の感染リスク値を算出する。
【0084】
スマートスピーカ2は、例えば、使用者の家庭に設置されている。スマートスピーカ2は、AIスピーカとも称され、家庭内で交わされる発話をマイクで集音し、集音した音声信号を音声認識し、音声認識結果を用いて使用者に種々のサービスを提供する装置である。スマートスピーカ2は音声認識装置及び音声出力装置の一例である。図1の例では、2つのスマートスピーカ2_1、2_2が図示されているが、これは一例であり、スマートスピーカ2の個数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0085】
携帯端末3は、スマートスピーカ2が設置された家庭の使用者によって所持される装置である。携帯端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、及びボタン式の携帯電話等の携帯可能な情報処理装置で構成されている。図1では、3つの携帯端末3_1、3_2、3_3が示されているが、これは一例であり、携帯端末3の個数は1つであってもよいし、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0086】
ウィルスセンサ4は、例えば、インフルエンザウィルス、及びノロウィルス等のウィルスを検知するセンサで構成されている。
【0087】
患者数DB5は、地域ごとの感染症の患者数の分布を示す患者数データを記憶する。なお、患者数データは、病院及び保健所等の医療機関によって生成されるデータであり、例えば、感染症が流行した場合、感染症への対策を地域住民に促すために生成されるデータである。但し、患者数データに含まれる患者数は、感染症が流行してから一定期間後(例えば、1週間後)の患者数を示すことが一般的であるため、患者数データは、タイムリーさに欠けるという欠点がある。患者数DB5は、医療機関が管理する医療機関サーバ上に構築されたデータベースであり、医療機関サーバを介してネットワークNTと接続されている。
【0088】
SNS(ソーシャルネットワークサービス)ワードDB6は、SNS上で話題になったワードと、そのワードの使用頻度の時間的な推移とを対応付けて記憶するデータベースである。例えば、AA地区でインフルエンザが流行したため、SNS上で「AA地区」に関連して「インフルエンザ」の使用頻度が一定の値を超えた場合、SNSワードDB6は、「AA地区-インフルエンザ」というように場所と感染症とを対応付けた地域感染ワードに関する、使用頻度の時間的推移を記憶する。SNSワードDB6は、例えば、SNSの管理者が管理するSNS管理サーバ上で構築されたデータベースであり、SNS管理サーバを介してネットワークNTと接続されている。
【0089】
地域情報DB7は、サービス適用地域における、地図データと公共交通機関の路線図を示す路線図データと大型施設の混雑状況を示す混雑状況データとを記憶する。大型施設は、例えば、公民館、図書館、プール、及び商業施設等である。地域情報DB7は、例えば、本情報提供サービスの管理者が管理する管理サーバ上で構築されたデータベースであり、管理サーバを介してネットワークNTと接続される。なお、地域データに含まれる地図データは、例えば、インターネット上で検索エンジンの運営会社によって提供されている地図データを管理サーバが取り込むことによって地域情報DB7に記憶される。また、地域データに含まれる公共交通機関の路線図データは、鉄道会社及びバス会社等によってインターネット上で公開されている路線図データを管理サーバが取り込むことで地域情報DB7に記憶される。また、地域データに含まれる混雑状況データは、例えば、インターネット上で検索エンジンの運営会社によって生成されている混雑状況データを管理サーバが取り込むことで地域情報DB7に記憶される。
【0090】
感染症推移DB8は、過去において、感染症がどのように推移したかを感染症の種類及び地域ごとに示す感染症推移データを記憶する。感染症推移データは、例えば、過去において、感染症が流行したときの患者数と流行年月日を感染症の種類及び地域及ごとに記憶する。感染症推移DB8は、例えば、医療機関サーバ上で構築されるデータベースであり、医療機関サーバを介してネットワークNTと接続される。
【0091】
地域感染情報DB9は、スマートスピーカ2が音声認識した使用者の発話履歴を元に作成され、各地域の感染注意レベルを示す地域感染情報を記憶する。登録情報DB10は、スマートスピーカ2が設置された家庭の構成員の個人情報を記憶する。地域感染情報DB9及び登録情報DB10は、例えば、スマートスピーカ2のメモリに記憶されている。但し、これは一例であり、地域感染情報DB9及び登録情報DB10は外部サーバが記憶していてもよい。
【0092】
移動情報DB11は、携帯端末3を所持する使用者の移動情報を記憶する。移動情報は、例えば、携帯端末3が備えるGPSセンサが算出した位置情報を、算出時刻と対応付けたデータである。移動情報DB11は、例えば、携帯端末3のメモリに記憶されている。但し、これは一例であり、移動情報DB11は、外部サーバが記憶していてもよい。
【0093】
検索情報DB12は、携帯端末3上で実行される検索エンジンに対する使用者の検索履歴を示す検索情報を記憶する。検索情報は、例えば、検索エンジンに入力された検索ワードと検索時刻とを対応付けたデータである。
【0094】
空気清浄機13は、サービス適用地域内に設置され、対応するスマートスピーカ2から送信される第2制御コマンドにしたがって動作する。例えば、空気清浄機13は、設置された地域で感染症が流行した場合、その地域に設置されたスマートスピーカ2からの第2制御コマンドにしたがって動作して、周囲の空気を浄化することによって、感染症の拡大を防止する。
【0095】
図2は、図1に示す情報提供システムの構成例を示すブロック図である。スマートスピーカ2は、データ解析部201、メモリ202、スピーカ203、制御部204、通信部205、及びマイク206を備える。データ解析部201は、マイク206が集音した音声信号に対して音声認識処理を行うプロセッサで構成されている。
【0096】
ここで、データ解析部201は、マイク206が集音した音声信号から感染リスクに関する単語及び音声信号の少なくとも一方を含む第1音声データを抽出し、第1音声データから感染注意レベルを特定する。そして、データ解析部201は、第1音声データがマイク206で集音された時間の前後一定期間においてマイク206が集音した音声信号から第2音声データを抽出し、第2音声データから第1音声データに関連する地域を特定する。或いは、データ解析部201は、第1音声データの発話者の移動情報を用いて第1音声データに関連する地域を特定する。そして、データ解析部201は、特定された地域と、特定した感染注意レベルとを対応付けて地域感染情報を生成する。
【0097】
感染注意レベルは、第1音声データに含まれる咳及びくしゃみ等の音声信号又は第1音声データが示す発話内容を解析することで得られる、感染症の流行の度合いを数値化したデータである。第1音声データが集音された時間の前後一定期間としては、使用者同士で交わされる感染症に関する一連の会話の会話時間が採用され、例えば、10秒、30秒、1分等の値が採用される。
【0098】
メモリ202は、例えば半導体メモリで構成され、登録情報DB10及び地域感染情報DB9を記憶する。登録情報DB10及び地域感染情報DB9の詳細は後述する。
【0099】
スピーカ203は、制御部204の制御の下、音声メッセージを出力する。
【0100】
制御部204は、例えばCPUで構成され、スマートスピーカ2の全体制御を司る。通信部205は、スマートスピーカ2をネットワークNTに接続するための通信装置で構成されている。例えば、通信部205は、データ解析部201で生成された地域感染情報をサーバ1に送信する。マイク206は、周囲の音を集音し、音声信号に変換する。
【0101】
携帯端末3は、GPSセンサ301、メモリ302、制御部303、通信部304、表示部305、及び操作部306を備える。GPSセンサ301は、スマートフォンの位置を定期的に算出する。
【0102】
メモリ302は、例えば、半導体メモリで構成され、検索情報DB12及び移動情報DB11を記憶する。
【0103】
制御部303は、例えばCPUで構成され、携帯端末3の全体制御を司る。例えば、制御部303は、GPSセンサ301で算出された位置と算出時刻とを対応付けて移動情報を生成し、移動情報DB11に記憶する。また、制御部303は、操作部306を操作することによって検索エンジンに入力された検索ワードと検索時刻とを対応付けて検索情報を生成し、検索情報DB12に記憶する。
【0104】
通信部304は、携帯端末3をネットワークNTに接続する通信装置で構成されている。表示部305は、液晶パネル等の表示装置で構成され、制御部303の制御の下、種々の画像を表示する。例えば、表示部305は、検索エンジンの画像を表示する。
【0105】
操作部306は、例えば、タッチパネルで構成され、使用者によって入力される種々の操作を受け付ける。例えば、操作部306は、検索ワードを入力する操作を受け付ける。
【0106】
ウィルスセンサ4は、検出部401、メモリ402、制御部403、及び通信部404を備える。検出部401は、例えば、シアル酸及び金ナノ粒子の少なくとも一方が加えられた検体に光を当てる光源と、ウィルスの有無で変化する光の波長及び反射率(透過率)を検出する受光素子と、受光素子の検出結果を用いてウィルスの有無を判定するプロセッサとを備える。
【0107】
メモリ402は、例えば、半導体メモリで構成され、検出部401のウィルスの検出結果を記憶する。
【0108】
制御部403は、例えば、CPUで構成され、ウィルスセンサ4の全体制御を司る。通信部404は、ウィルスセンサ4をネットワークNTに接続する通信装置で構成されている。
【0109】
空気清浄機13は、制御部1301、イオン発生部1302、及び通信部1303を備える。制御部1301は、例えば、CPUで構成され、空気清浄機13の全体制御を司る。イオン発生部1302は、空気中にイオンを発生させ、ウィルスを不活性化させる。通信部1303は、空気清浄機13をネットワークNTに接続する通信装置で構成されている。
【0110】
データベース群14は、図1に示す患者数DB5、SNSワードDB6、地域情報DB7、及び感染症推移DB8を纏めて示したものであり、図1で説明した種々のサーバ上に構築される。
【0111】
図3は、図2に示すサーバ1の構成例を示すブロック図である。サーバ1は、プロセッサ101、通信部102、及びメモリ103を備える。プロセッサ101は、例えばCPUで構成され、報告件数算出部111、感染リスク値算出部112、出力情報生成部113、及びソーシャル情報取得部114を備える。報告件数算出部111~ソーシャル情報取得部114は、プロセッサ101がメモリ103に記憶されたコンピュータをサーバ1として機能させる制御プログラムを実行することで実現される。
【0112】
報告件数算出部111は、通信部102がスマートスピーカ2から受信した地域感染情報を地域及び感染注意レベルごとに分類することで、各地域のそれぞれにおける感染注意レベルごとの感染症の報告件数を算出する。
【0113】
感染リスク値算出部112は、報告件数算出部111が算出した報告件数に対して感染注意レベルに応じた重み付けを行い、重み付け後の報告件数を評価することで各地域の感染リスク値を算出する。ここで、感染リスク値とは、各地域における感染症の感染リスクの大きさを示す指標である。
【0114】
出力情報生成部113は、感染リスク値算出部112が算出した各地域の感染リスク値から出力情報を生成し、通信部102を用いて該当する地域の機器に送信する。出力情報としては、例えば感染リスク値が高いと判定された地域に設置されたスマートスピーカ2から音声メッセージを出力させるための第1制御コマンドが採用される。第1制御コマンドには、スマートスピーカ2に出力させる音声メッセージが含まれる。
【0115】
ソーシャル情報取得部114は、通信部102を用いてSNSワードDB6から地域感染ワードと、地域感染ワードの使用頻度の時間的推移とを取得する。メモリ103は、例えば半導体メモリで構成され、地域感染情報集計DB50を記憶する。地域感染情報集計DB50の詳細は後述する。
【0116】
図4は、スマートスピーカ2のメモリ202が記憶する登録情報DB10のデータ構成の一例を示す図である。登録情報DB10は、基本情報テーブルT11及び登録情報テーブルT12を含む。
【0117】
基本情報テーブルT11は、スマートスピーカ2の設置場所及び設定内容を記憶するテーブルである。具体的には、基本情報テーブルT11は、「スマートスピーカID」、「設置場所」、「お知らせ設定」、「お知らせ地区設定」、「機器制御設定」を記憶する。「スマートスピーカID」は、エントリーされたスマートスピーカ2に対して一意的に割り付けられた識別子である。「設置場所」はスマートスピーカ2の設置場所である。ここでは、スマートスピーカ2が設置された家屋の住所が採用されている。「お知らせ設定」は、サーバ1から第1制御コマンドを受信した場合に、スマートスピーカ2に音声メッセージを出力させるか否かを示す設定情報である。例えば、お知らせ設定がONである場合において、サーバ1から第1制御コマンドを受信した場合、スマートスピーカ2は第1制御コマンドに含まれる音声メッセージを出力する。一方、お知らせ設定がOFFである場合、サーバ1から第1制御コマンドを受信しても、スマートスピーカ2は第1制御コマンドに含まれる音声メッセージを出力しない。
【0118】
「お知らせ地区設定」は、地域感染情報DB9に記憶された地域感染情報を関連地区に設置されたスマートスピーカ2と共有するか否かを示す情報である。お知らせ地区設定が「関連地区含む」に設定されている場合、スマートスピーカ2は、同一地区又は予め定められた関連する地区に設置されたスマートスピーカ2と地域感染情報を共有させる。
【0119】
「機器制御設定」は、サーバ1から第1制御コマンドを受信した場合、対応する空気清浄機13を稼働させるための第2制御コマンドを対応する空気清浄機13に送信するか否かを示す設定情報である。例えば、機器制御設定が「おまかせ」であれば、スマートスピーカ2は、対応する空気清浄機13に第2制御コマンドを送信する。一方、機器制御設定が「おまかせ」でなければ、スマートスピーカ2は、対応する空気清浄機13に第2制御コマンドを送信しない。ここで、対応する空気清浄機13とは、スマートスピーカ2が設置された地域内に設けられた空気清浄機13であって、予めスマートスピーカ2と対応付けられた空気清浄機13を指す。例えば、対応する空気清浄機13とは、スマートスピーカ2がある家庭に設置されているとするとその家庭内に設置された空気清浄機13が該当する。
【0120】
登録情報テーブルT12は、スマートスピーカ2が設置された家庭の構成員の個人情報を記憶するテーブルである。登録情報テーブルT12は、1つのレコードに1つの登録情報を記憶するテーブルである。登録情報は、「No」、「ユーザ」、「第1呼称」、「第2呼称」、「第3呼称」、「声紋登録No」、「年齢」、「性別」、「よく行くところその1」、「よく行くレベルその1」、「滞在時間目安その1」、「よく行くところその2」、「よく行くレベルその2」、「滞在時間目安その2」、「疾患情報」、「関連呼称」、及び「続柄」を対応付けて記憶する。
【0121】
「No(ナンバー)」は家族の構成員の識別子である。「ユーザ」の欄には、家族の構成員の名前が記憶されている。ここでは、家族は4人の構成員で構成されているため、「ユーザ」の欄には、これら4名の構成員の名前が記憶されている。「第1呼称」、「第2呼称」、及び「第3呼称」はそれぞれ各構成員の家族内での呼び名である。「第1呼称」~「第3呼称」は、家族内において、自身に対する他の構成員からの呼び名又は自身による自身の呼び名を示す。家族内では、呼称は発話する人物と発話される人物との関係等に応じて種々のバリエーションがある。そこで、ここでは、種々のバリエーションに対応するべく、「第1呼称」~「第3呼称」の3つの呼称が登録情報テーブルT12に記憶されている。
【0122】
「声紋登録No(ナンバー)」は各構成員の声紋データのインデックスを示す。各構成員の声紋データはメモリ202において事前に声紋登録Noと対応付けて記憶されているため、声紋登録Noをキーにして、該当する構成員の声紋データがメモリ202から読み出される。「年齢」は各構成員の年齢を示し、「性別」は各構成員の性別を示す。「よく行くところその1」は、勤務先又は学校といった各構成員が最もよく行く場所を示す。「よく行くレベルその1」は、各構成員がよく行くところその1へ行く度合いを数値化したデータである。ここでは、1週間当たりに行く回数が「よく行くレベルその1」として採用されている。具体的には、「よく行くレベルその1」は、1週間に7日行く場所は「5」が設定され、1週間に4日以上6日以下行く場所は「4」が設定され、1週間に2日以上3日以下行く場所は「3」が設定され、1週間に1日行く場所は「2」が設定され、毎週行く訳ではないが1月に2回以上行く場所は「1」が設定されている。このことは「よく行くレベルその2」も同じである。
【0123】
「滞在時間目安その1」は、各構成員がよく行くところその1への滞在時間の目安を示す。「よく行くところその2」は、各構成員がよく行くところその1の次によく行く場所を示す。「よく行くレベルその2」及び「滞在時間目安その2」は、それぞれ、よく行くところその2に対するよく行くレベル及び滞在時間目安を示す。
【0124】
「疾患情報」は、メタボリックシンドローム(メタボ)及びアトピー性皮膚炎(アトピー)というように、各構成員が疾患している病気を示す。「関連呼称」は、家族外(例えば、会社及び学校等)における各構成員の呼称を示す。「続柄」は、上司及び友人というように、各構成員を関連呼称で呼ぶ人物と各構成員との関係を示す。
【0125】
図4において、「ユーザ」、「第1呼称」~「第3呼称」、「年齢」、「性別」、「疾患情報」、「関連呼称」、及び「続柄」は、例えばユーザが入力装置又は音声を用いて事前に入力したデータである。「声紋登録No」は、声紋登録フェーズにおいて付与されたデータある。「よく行くところその1」、「よく行くレベルその1」、及び「滞在目安時間その1」はユーザが入力装置又は音声を用いて入力したものであってもよいし、移動情報DB11に記憶された移動情報を用いて特定されたものであってもよい。このことは、「よく行くところその2」、「よく行くレベルその2」、及び「滞在目安時間その2」についても同じである。なお、登録情報テーブルT12に登録される各情報は、スマートスピーカ2が取得した音声を機械学習することにより自動的に登録された情報であっても良い。
【0126】
図5は、スマートスピーカ2のメモリ202が記憶する地域感染情報DB9のデータ構成の一例を示す図である。地域感染情報DB9は、スマートスピーカ2が設置された家庭の構成員の発話を元に作成され、地域ごとの感染注意レベルを含む地域感染情報を記憶するデータベースである。地域感染情報DB9は、1つのレコードに1つの地域感染情報を記憶する。地域感染情報は、1つの音声認識結果ごとに生成された情報であり、「時刻」、「検出」、及び「解析結果」を含む。
【0127】
「時刻」は、2018/1/18/7:00(2018年1月18日7時)というように音声認識された時刻を示す。「検出」は、音声認識結果を示し、「内容」と「元」とを含む。「内容」は、音声認識結果の内容(音声認識内容)を示す。「内容」は、音声認識内容が発話であれば、例えば、「昨日会社で会った取引先の人がインフルだったらしい」というような、発話内容をテキスト化したデータで構成される。また、「内容」は、音声認識内容が、咳及びくしゃみといった音であれば、「咳音」及び「くしゃみ音」等のデータで構成される。「元」は、音声認識内容の発言元を示す。ここでは、「元」の欄には「No.1/発言」というように、構成員の識別子と内容の種別とが記憶されている。構成員の識別子は、登録情報テーブルT12に記憶された構成員の識別子が採用され、例えば、太郎であればNo.1、花子であればNo.2となる。
【0128】
内容の種別とは、音声認識内容の種別を示し、ここでは、「発言」及び「検索」がある。「発言」は、音声認識内容が、構成員の発話又は構成員の咳音若しくはくしゃみ音であることを示す。「検索」は、音声認識内容が、構成員によるスマートスピーカ2への検索依頼であることを示す。
【0129】
「解析結果」は、音声認識内容に対する解析結果を示し、「場所」、「地区」、「感染注意レベル」、「推定感染症名」、「流行時期補正値」、「対象者No(ナンバー)」、「感染可能性」、及び「付随データ」を含む。
【0130】
「場所」は、音声認識内容から推定される感染症の流行場所を示す。「地区」は、推定された流行場所が属する地区を示す。「感染注意レベル」は、音声認識内容から推定される感染症の流行の度合いを数値化したデータである。ここでは、感染注意レベルは、感染症の流行の度合いが高いほど、1から5までの数値の中から大きい数値が採用される。
【0131】
例えば、音声認識内容が多数(例えば2以上)の感染者を示す内容であれば、感染注意レベルは「5」が設定される。また、音声認識内容が人数は特定できないが少なくとも1名の感染者がいることを特定できる内容であれば、感染注意レベルは「4」が設定される。また、音声認識内容が、病名は特定できないが感染症に関する情報を含む内容であれば、感染注意レベルは「3」が設定される。また、音声認識内容が、感染症の初期症状(例えば、咳音及びくしゃみ音)を示す内容であれば、感染注意レベルは「2」が設定される。また、音声認識内容が、感染症に対する関心の高まりを示す内容であれば、感染注意レベルは「1」が設定される。
【0132】
前記地域感染情報は、マルチデバイスに打ち込まれたメッセージや検索ワードを用いて作成されてもよい。マルチデバイスは、打ち込まれた単語から感染注意レベルを設定し、設定した感染注意レベルに対応する単語が打ち込まれた時間の前後に打ち込まれた単語もしくは位置情報データより地域を特定し、感染注意レベルと地域とを対応付ける。
【0133】
マルチデバイスとは、例えば携帯端末、パソコンであり、メッセージ送付機能及び/又は検索エンジンを利用した検索機能をもつ。
【0134】
「推定感染症名」は、インフルエンザ及び風邪といった、音声認識内容から推定される感染症名を示す。「流行時期補正値」は、感染症の流行時期を考慮した感染注意レベルに対する補正係数である。例えば、感染症がインフルエンザであれば、1週間も経過すると回復するのが一般的である。そこで、音声認識内容から推定される感染症の流行時期が、現時点から過去に遡るほど、0~1の範囲内において、流行時期補正値は低い値が設定されている。ここでは、音声認識内容から推定される感染症の流行時期が1週間以内又は不明である場合は、流行時期補正値は「1」が設定される。また、音声認識内容から推定される感染症の流行時期が2週間以内であれば、流行時期補正値は「0.75」が設定される。また、音声認識内容から推定される感染症の流行時期が1ヶ月以内であれば、流行時補正値は「0.5」が設定される。また、音声認識内容から推定される感染症の流行時期が1ヶ月半以内であれば、流行時補正値は「0.25」が設定される。また、音声認識内容から推定される感染症の流行時期が1ヶ月半より過去であれば、流行時補正値は「0」が設定される。
【0135】
感染注意レベルの最終的な値は、流行時期補正値が示す補正値が乗じられることで算出される。
【0136】
「対象者No」は、音声認識内容から感染症に感染したと推定される構成員の識別子であり、ここでは、構成員の識別子が採用されている。「感染可能性」は、音声認識内容から推定される、「対象者No」の欄に記憶された構成員が感染症に感染している可能性を示す。
【0137】
ここでは、感染可能性は、構成員が感染症に感染した可能性が高いほど、1~6の数値の中から大きな数値が採用される。具体的には、構成員が感染者であると断定できる場合は感染可能性は「6」が設定される。また、構成員が感染者と濃厚接触した可能性がある場合は感染可能性は「5」が設定される。また、構成員の感染症の流行場所での滞在時間が長時間(例えば4時間以上)であれば、感染可能性は「4」が設定される。また、構成員の感染症の流行場所での滞在時間が短時間(例えば3時間以上4時間未満)であれば、感染可能性は「3」が設定される。また、滞在時間は特定できないが、構成員が感染症の流行場所に行ったことが推定できる場合又は構成員の感染症の流行場所での滞在時間が3時間未満である場合は、感染可能性は「2」が設定される。また、構成員が感染症に感染している可能性が低い場合は、感染可能性は「1」が設定される。
【0138】
「付随データ」の欄には、「対象者No」の欄に登録された構成員の移動ルートを示す移動情報が記憶されている。移動情報は、該当する構成員が携帯端末3を所持していれば、移動情報DB11から取得可能である。そのため、ここでは、携帯端末3を所持している「太郎」につき付随データが登録され、他の構成員には付随データは登録されていない。なお、「付随データ」の欄において、「移動情報/スマホ」とは、移動情報を取得した機器が携帯端末3であることを示している。また、「付随データ」に登録された移動情報は、音声認識内容の「時刻」を基準として過去一定期間の移動情報が採用される。このように、移動情報を記憶させることで、感染可能性の高い構成員が立ち寄った地域を特定でき、その地域における感染リスク値の算出に反映させることができる。
【0139】
図6は、スマートスピーカ2のデータ解析部201による音声認識処理を説明する図である。まず、データ解析部201はマイク206が集音した音声信号を音声認識する。ここでは、地域感染情報DB9の1行目に示すように、例えば、「昨日会社で会った取引先の人がインフルだったらしい」という音声認識内容が得られている。また、声紋データを用いることでこの発話の発話者が特定される。1行目の例では、発話者として「No.1」の「太郎」が特定されている。
【0140】
次に、データ解析部201は、音声認識内容の中から、病名ワード(感染リスクに関する単語)を含む第1音声データを抽出する。
【0141】
1行目の例では、病名ワードを含む「インフルだった」が第1音声データとして抽出される。次に、データ解析部201は、第1音声データの発話から感染注意レベルを特定する。1行目の例では、第1音声データである「インフルだった」との発話内容から少なくとも1名の人物がインフルエンザに感染したと推定できるので、感染注意レベルとして「4」が設定される。
【0142】
次に、データ解析部201は、第1音声データが集音された時間の前後一定期間においてマイク206が集音した音声信号から第2音声データを抽出する。1行目の例では、第1音声データ「インフルだった」より前の一定期間において発話された「昨日会社で会った取引先の人」が第2音声データとして抽出されている。
【0143】
次に、データ解析部201は、第2音声データから第1音声データに関連する場所を特定する。1行目の例では、「昨日会社で会った取引先の人」において、場所ワードである「会社」が含まれているため「会社」が抽出される。
【0144】
ここで、発話者は「太郎」であり、登録情報DB10には、「太郎」の「よく行くところその1」として太郎の勤務先である「AB商事」が記憶されている。そのため、第2音声データから第1音声データに関連する場所として「AB商事」が特定される。これにより、「場所」の欄には「AB商事」が記憶されている。また、「AB商事」の所在地は「BB地区」に属しているため、「地区」の欄には「BB地区」が記憶されている。ここで、データ解析部201は、地域情報DB7に含まれる地図データを参照することで、「場所」の属する「地区」を特定すればよい。
【0145】
次に、データ解析部201は、第2音声データから日時ワード及び人物ワードをそれぞれ特定する。1行目の例では、第2音声データ「昨日会社で会った取引先の人」の中には日時ワードとして「昨日」、及び人物ワードとして「会った取引先の人」が含まれているので、「昨日」及び「会った取引先の人」が特定される。
【0146】
1行目の例では、音声認識された時刻が2018年1月18の7時であり、日時ワードが「昨日」であるため、第1音声データに関連する日時として、「2018年1月17日」が特定される。ここで、2018年1月17日は音声認識された時刻、すなわち、現時点から1週間以内であるため、「流行時期補正値」として「×1」が設定される。
【0147】
また、1行目の例では、人物ワードである「会った取引先の人」には発話者である「太郎」が「取引先の人」と会っており、濃厚接触の可能性がある。そのため、「感染可能性」として「5」が設定されている。
【0148】
また、1行目の例では、発話者は「太郎」であるため、「対象者No」には「太郎」の識別子である「1」が記憶されている。
【0149】
ここで、データ解析部201は、日時ワード、場所ワード、人物ワード、及び病名ワードのそれぞれについて、候補となる単語が予め記憶された単語リストをメモリ202から読み出し、これらの単語リストを参照することで、音声認識内容から日時ワード、場所ワード、人物ワード、及び病名ワードのそれぞれを特定すればよい。
【0150】
図5を参照し、6行目の例では、マイク206が集音した音声信号からくしゃみ音が認識されたため、音声認識内容としてくしゃみ音が記憶されている。また、このくしゃみ音は「太郎」の発言であるため「元」の欄には、太郎の識別子である「No.1」と「発言」とが記憶されている。また、くしゃみ音は、スマートスピーカ2が設置された家庭で発言されたため、「場所」の欄には「家」が記憶され、「家」は「CC地区」に属しているため、「地区」の欄には、「CC地区」が記憶されている。また、くしゃみ音は感染症の初期症状であるため、「感染注意レベル」の欄には「2」が記憶され、くしゃみ音は風邪の場合に発言されるため、「推定感染症名」の欄には、「風邪」が記憶されている。また、くしゃみ音は現在発言されたものであるため、「流行時期補正値」は「×1」が設定される。また、くしゃみ音を発言した人物は「太郎」であるため、「対象者No.」の欄には、「太郎」の識別子である「1」が記憶されている。また、くしゃみ音を発言したのは「太郎」本人であり、太郎は風邪の感染者であるため、「感染可能性」の欄には「6」が記憶されている。また、「太郎」は携帯端末3を所持しており、移動情報が取得可能であるため、「付随データ」の欄には、太郎の移動情報が記憶されている。
【0151】
なお、スマートスピーカ2は、地域感染情報DB9に新たな地域感染情報を追加する都度、その追加した地域感染情報をサーバ1に送信する。送信される地域感染情報は、生成された地域感染情報に対して、「対象者No」によって示される構成員の年代及び性別が更に付加されている。地域感染情報には、「対象者No」において構成員の識別子が含まれているが、サーバ1は、登録情報DB10を備えていないため、「対象者No」から構成員の氏名等の個人情報を特定することはできない。これにより、個人情報の漏洩が防止されている。また、地域感染情報において年代及び性別を付加したのは、図7の第3テーブルT53を構築するために地域感染情報を年代及び性別で分類するためである。
【0152】
図7は、サーバ1のメモリ103が記憶する地域感染情報集計DB50のデータ構成の一例を示す図である。地域感染情報集計DB50は、スマートスピーカ2_1、2_2ら送信された地域感染情報を集計することで構築されるデータベースであり、第1テーブルT51、第2テーブルT52、第3テーブルT53、及び第4テーブルT54を備える。
【0153】
なお、第1テーブルT51~第4テーブルT54は、図9に示す解析条件が満たされて集計処理が行われる度に1つのテーブルが作成される。図7では、2018年1月18日に実施された集計処理で作成されたテーブルが示されている。
【0154】
第1テーブルT51は、スマートスピーカ2から送信された地域感染情報を場所ごとに分類することで構築されるテーブルであり、1つの場所について1つのレコードが割り当てられている。
【0155】
第1テーブルT51は、「場所」、「感染注意レベル別報告件数」、「利用者数による補正係数」(第1補正係数の一例)、「想定滞在時間による補正係数」(第1補正係数の一例)、「SNS情報による注意レベル」(第2補正係数の一例)、「患者数データによる注意レベル」(第3補正係数の一例)、「ウィルスセンサ」、「感染注意リスク値」、及び「関連場所」を対応付けて記憶する。
【0156】
「場所」の欄は地域感染情報に含まれる場所の名称を記憶する。「感染注意レベル別報告件数」は、地域感染情報に含まれる感染注意レベルごとに地域感染情報の報告件数を集計した値を示す。例えば、1行目の例では、「AB商事」に関して、感染注意レベルが5の地域感染情報が35通送信されている。そのため、「AB商事」の感染注意レベル「5」の欄には報告件数「35」が記憶されている。同様にして、「AB商事」の感染注意レベル「4」、「3」、「2」、「1」のそれぞれの欄についても、報告件数が「60」、「101」、「150」、「321」が記憶されている。
【0157】
また、感染注意レベルは、レベルごとに重み付けが設定されている。重み付けは、感染リスク値算出部112が、スマートスピーカ2で設定された感染注意レベルと、実際の感染症の流行結果とを比較することで学習されたデータである。ここで、実際の感染症の流行結果は、感染症推移DB8に記憶された感染症推移データを参照すればよい。
【0158】
例えば、感染注意レベルとして設定された「5」が実際の感染症の流行結果に対して過大評価されている場合、重み付けは「5」より低い値が採用される。
【0159】
詳細には、今回算出した感染注意レベル「5」の報告件数から感染症推移データが示す流行時の患者数を引いた差分を算出し、差分が所定値以上大きければ、過大評価されているとして、感染注意レベル「5」の現在の重み付けの値を所定の調整幅だけ減少させる。一方、前記差分が所定値よりも小さければ過大評価されていないとして現在の重み付けの値を維持する。
【0160】
また、前記差分が負の方向に所定値以上大きければ、過小評価されているとして、最大値を「5」とした上で、感染注意レベル「5」の現在の重み付けの値を所定の調整幅だけ増大させる。一方、前記差分が負の方向に所定値未満であれば、過小評価されていないとして現在の重み付けの値を維持する。このように重み付けの値は集計処理が行われる度に更新される。なお、他の感染注意レベルの重み付けの値についても同様にして更新される。
【0161】
図7の例では、感染注意レベル「5」の重みづけとしては「3」が採用されている。同様の考えの下、感染注意レベル「4」、「3」、「2」、「1」について、それぞれ、「1」、「0.7」、「0.4」、「0.1」というように重み付けが設定されている。なお、重み付けは定期的に算出されて更新される。
【0162】
「利用者数による補正係数」は、感染リスク値算出部112によって設定され、該当する場所において利用者数が多いほど大きな値が設定される。ここで、該当する場所における利用者数は、地域情報DB7の大型施設の現在の混雑状況を参照することで特定される。
【0163】
「想定滞在時間による補正係数」は、感染リスク値算出部112によって設定され、該当する場所において利用者の想定滞在時間が長いほど大きな値が設定される。ここで、「想定滞在時間による補正係数」は、場所ごとに予め定められた値が採用される。
【0164】
「SNS情報による注意レベル」は、感染リスク値算出部112によって設定され、SNS上において、該当する場所を示す地域感染ワードの現在の使用頻度が高くなるにつれて大きな値が設定される。ここで、地域感染ワードの使用頻度はSNSワードDB6から取得される。「患者数データによる注意レベル」は、場所を含む地域の患者数が増大するにつれて大きな値が設定される。
【0165】
「患者数データによる注意レベル」は、感染リスク値算出部112によって設定され、該当する場所の患者数データが多いほど大きな値が設定される。ここで、該当する場所の患者数データは、患者数DB5から取得される。
【0166】
「ウィルスセンサ」は、該当する場所でのウィルスセンサ4の設置の有無及び設置台数と、ウィルスセンサ4の現在の測定値とを示す。「感染リスク値」は、感染リスク値算出部112によって算出され、該当する場所における感染症の流行の度合いを示す。
【0167】
「感染リスク値」は、感染注意レベルi(=1~5)の重み付けをαi、場所jでの感染注意レベルiの報告件数をβij、場所jでの利用者数による補正係数をaj、場所jでの想定滞在時間による補正係数をbj、場所jでのSNS情報による注意レベルをcj、場所jでの患者数データによる注意レベルをdjとすると、感染リスク値算出部112は、場所jの感染リスク値を下記の式(1)により算出する。
【0168】
場所jでの感染リスク値=aj×bj×cj×dj×Σαi×βij (1)
例えば、AB商事の例では、感染リスク値はaj×bj×cj×dj×(35×3+60×1+101×0.7+150×0.4+321×0.1)により算出される。
【0169】
なお、重み付けは、「利用者数による補正係数」、「想定滞在時間による補正係数」、「SNS情報による注意レベル」、「患者数データによる注意レベル」のそれぞれに対して設定されていてもよい。
【0170】
「利用者数による補正係数」の重み付けは、感染リスク値算出部112によって設定され、実際の感染症の流行結果と利用者数とを比較することで学習されるデータである。この重み付けは、実際の感染症の流行結果に対して利用者数が与える影響度が低いほど小さな値が設定される。
【0171】
「想定滞在時間による補正係数」の重み付けは、感染リスク値算出部112によって設定され、実際の感染症の流行結果に対して想定滞在時間が与える影響度が低いほど小さな値が設定される。「SNS情報による注意レベル」の重み付けは、感染リスク値算出部112によって設定され、実際の感染症の流行結果に対してSNS情報の影響度が低いほど小さな値が設定される。「患者数データによる注意レベル」の重み付けは、感染リスク値算出部112によって設定され、実際の感染症の流行結果に対して患者数の与える影響度が低いほど小さな値が設定される。
【0172】
「利用者数による補正係数」、「想定滞在時間による補正係数」、「SNS情報による注意レベル」、及び「患者数データによる注意レベル」のそれぞれの重み付けをp1、p2、p3、p4とすると、感染リスク値算出部112は、感染リスク値を下記の式(2)を用いて算出する。
【0173】
場所jでの感染リスク値=p1×aj×p2×bj×p3×cj×p4×dj×Σαi×βij (2)
また、感染リスク値はウィルスセンサ4の設置台数及び測定値が考慮されてもよい。この場合、感染リスク値算出部112は、ウィルスセンサ4の設置台数が増大するにつれて式(1)又は式(2)により得られる感染リスク値を低下させ、ウィルスセンサ4の測定値が増大するにつれて式(1)又は式(2)により得られる感染リスク値を増大させることで、最終的な感染リスク値を算出すればよい。
【0174】
「関連場所」は、該当する場所に滞在する利用者であれば行く可能性が高い場所を示す。例えば、「AB商事」の従業員の多くが「DDジム」に通っているため、「AB商事」の関連場所として「DDジム」が記憶されている。
【0175】
この場合、該当する場所の感染リスク値は、関連場所の感染リスク値を考慮して設定されてもよい。例えば、該当する場所の感染リスク値に対して関連場所の感染リスク値に所定の係数を乗じた値を加えることで最終的な感染リスク値は算出されてもよい。
【0176】
第2テーブルT52は、スマートスピーカ2から送信された地域感染情報を地区ごとに分類することで構築されたテーブルである。第2テーブルT52は、地域感染情報を場所ごとではなく地区ごとに分類した点以外は第1テーブルT51と同じであるため、詳細な説明は省略する。但し、第2テーブルT52は、「利用者による補正係数」に代えて「滞在者数による補正係数」を備えている。「滞在者数による補正係数」は、地区において滞在した人物に応じた補正係数を示す。また、第2テーブルT52は、「関連場所」に代えて「関連地区」を備えている。
【0177】
第3テーブルT53は、スマートスピーカ2から送信された地域感染情報を年代及び性別ごとに分類することで構築されるテーブルであり、1つの年代及び性別について1つのレコードが割り当てられている。ここでは、年代及び性別は、「10歳未満男」、「10歳未満女」というように年齢を男女別に10ずつ区切たものが1区分として採用されている。
【0178】
第3テーブルT53は、第1テーブルT51と同様、「感染注意レベル別報告件数」、「SNS情報による注意レベル」、及び「患者数データによる注意レベル」を備えている他、「利用者数による補正係数」及び「想定滞在時間による補正係数」に代えて「全体比による補正係数」及び「免疫力による補正係数」を備えている。「全体比による補正係数」は、スマートスピーカ2から送信された地域感染情報から集計された全個体数に対する各年代の割合を示す。「想定免疫力による補正係数」は免疫力が高い年代ほど小さな値が設定される。
【0179】
第4テーブルT54は、スマートスピーカ2から送信された地域感染情報を場所及び感染症ごとに分類することで構築されたテーブルであり、1つの場所について1つのレコードが割り当てられている。例えば、1行目のAB商事の例では、地域感染情報による感染症別の報告件数が記憶されている。
【0180】
図8は、本開示の実施の形態1に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。S101では、スマートスピーカ2のマイク206が周囲の音を集音し、音声信号を取得する。S102では、スマートスピーカ2のデータ解析部201は、音声信号を解析し、地域感染情報を生成する。ここでは、音声信号に対して音声認識処理を実行することで、「昨日会社で会った取引先の人がインフルだったらしい」というような音声認識内容を取得する。また、ここでは、声紋データを用いることで、この音声認識内容の発話者が特定される。また、この音声認識内容から、病名ワード、場所ワード、日時ワード、人物ワードが抽出される。そして、これらのワードの抽出結果から、地域感染情報DB9に示す各欄にデータが記憶され、新たな地域感染情報が地域感染情報DB9に追加される(S103)。
【0181】
S104では、スマートスピーカ2の通信部205は、「年代」及び「性別」のデータを付加した地域感染情報をサーバ1に送信する。
【0182】
S111では、サーバ1の報告件数算出部111及び感染リスク値算出部112は、スマートスピーカ2から送信された地域感染情報を用いると共に、必要に応じてデータベース群14を用いることで、地域感染情報集計DB50を更新する。
【0183】
S112では、サーバ1の出力情報生成部113は、更新された地域感染情報集計DB50を参照して、要注意地域及び要注意年代を特定する。
【0184】
S113では、サーバ1の出力情報生成部113は、特定した要注意地域及び要注意年代を用いて、要注意地域に設置されたスマートスピーカ2から感染リスクを通知するための音声メッセージを出力させる第1制御コマンドを生成し、通信部102を用いて該当するスマートスピーカ2に送信する。
【0185】
S105では、第1制御コマンドを受信したスマートスピーカ2は、第1制御コマンドにしたがって音声メッセージをスピーカ203から出力させる。
【0186】
S106では、第1制御コマンドを受信したスマートスピーカ2は、対応する空気清浄機13に第2制御コマンドを送信する。
【0187】
S121では、第2制御コマンドを受信した空気清浄機13は第2制御コマンドにしたがって動作を開始し、周囲の空気を浄化する。
【0188】
図9は、図8において、スマートスピーカ2とサーバ1との処理の詳細を示すフローチャートである。S201~S204は、図8のS101~104と同じであるため、説明を省く。
【0189】
S301では、サーバ1のプロセッサ101は、解析開始条件を満たすか否かを判定する。ここで、解析開始条件は、地域感染情報集計DB50の解析を開始するための条件であり、例えば、前回解析してから一定期間が経過したという条件、又は、前回解析してから一定個数の地域感染情報を受信したという条件が採用される。
【0190】
解析開始条件を満たす場合(S301でYES)、処理はS302に進み、解析開始条件を満たさない場合(S301でNO)、処理はS301に戻る。
【0191】
S302では、報告件数算出部111は、前回解析してから今回解析するまでの間に新たに受信した地域感染情報を用いて報告件数を算出する。
【0192】
ここで、報告件数算出部111は、新たに受信した地域感染情報を場所ごとに分類すると共に感染注意レベルごとに分類することで、各場所の感染注意レベル別の報告件数を算出し、第1テーブルT51を生成する。
【0193】
図7を参照して、例えば、新たに受信した地域感染情報において、「AB商事」に関して感染注意レベル「5」の地域感染情報が35個であった。そのため、第1テーブルT51において、AB商事の感染注意レベル「5」の報告件数は「35」が記憶されている。
【0194】
同様にして、報告件数算出部111は、新たに受信した地域感染情報を地区ごとに分類すると共に感染注意レベルごとに分類することで、各地区の感染注意レベル別の報告件数を算出し、第2テーブルT52を生成する。
【0195】
更に、報告件数算出部111は、新たに受信した地域感染情報を年代及び性別ごとに分類すると共に感染注意レベルごとに分類することで、年代及び性別ごとの感染注意レベル別の報告件数を算出し、第3テーブルT53を生成する。
【0196】
更に、報告件数算出部111は、新たに受信した地域感染情報を場所ごとに分類すると共に「推定感染症」ごとに分類することで、場所ごとの感染症の報告件数を算出し、第4テーブルT54を生成する。
【0197】
S303では、感染リスク値算出部112は、生成された第1テーブルT51、第2テーブルT52、及び第3テーブルT53のそれぞれについての感染リスク値を算出する。ここで、感染リスク値算出部112は、上述した式(1)又は式(2)を用いて、第1テーブルT51に示す場所ごとの感染リスク値、第2テーブルT52に示す地区ごとの感染リスク値、第3テーブルT53に示す年代及び性別ごとの感染リスク値を算出する。
【0198】
S304では、出力情報生成部113は、感染リスク値が閾値よりも高い地域並びに年代及び性別があるか否かを判定する。図7の第1テーブルT51を参照し、場所に関する閾値が例えば「300」であるとすると、「AB商事」の感染リスク値は「327.8」であり、閾値よりも大きいため、AB商事は要注意場所と判定される。
【0199】
また、図7の第2テーブルT52を参照し、地区に関する閾値が例えば「400」であるとすると、「BB地区」の感染リスク値は、「518.6」であるため、「BB地区」は要注意地区と判定される。
【0200】
また、図7の第3テーブルT53を参照し、年代及び性別に関する閾値が「400」であり、10代男の感染リスク値が500であったとすると、10代男が要注意年代として特定される。
【0201】
S304では、感染リスク値が閾値よりも高い地域がなければ(S304でNO)、処理はS301に戻り、感染リスク値が閾値よりも高い地域があれば(S304でYES)、処理はS305に進む。
【0202】
S305では、出力情報生成部113は、要注意地区及び要注意場所に設置されたスマートスピーカ2に対して第1制御コマンドを生成する。ここで、出力情報生成部113は、例えば、「AA地区でインフルエンザが流行っています」といった音声メッセージをスマートスピーカ2から出力させる第1制御コマンドを生成すればよい。或いは、要注意年代を考慮に入れて、出力情報生成部113は、例えば、「AA地区でインフルエンザが流行っています。特に10代の男性において流行っています。」といった音声メッセージをスマートスピーカ2から出力させる第1制御コマンドを生成してもよい。或いは、出力情報生成部113は、感染リスク値の大きさにしたがって、感染リスクのレベルを例えば強、中、小の3段階程度に分けて、そのレベルに応じた音声メッセージをスマートスピーカ2から出力させる第1制御コマンドを生成してもよい。例えば、感染リスクのレベルが強であれば、「外出は避けましょう」といった音声メッセージ、感染リスクのレベルが中であれば、「外出時はマスクをしましょう。また、帰宅時にうがい及び手洗いをしましょう」といった音声メッセージ、感染リスクのレベルが小であれば、「手洗いをしましょう。」といった音声メッセージをスマートスピーカ2に出力させる第1制御コマンドが生成されればよい。
【0203】
S205では、スマートスピーカ2の通信部205が第1制御コマンドを受信した場合(S205でYES)、処理はS206に進み、第1制御コマンドを受信しなかった場合(S205でNO)、処理はS201に戻る。
【0204】
S206では、スマートスピーカ2の制御部204は、受信した第1制御コマンドにしたがって音声メッセージをスピーカ203から出力させる。ここでは、上述したような、使用者に感染症の流行を通知する音声メッセージ、流行っている年代及び性別を通知する音声メッセージ、並びに感染リスクのレベルを通知する音声メッセージが出力される。
【0205】
S207では、スマートスピーカ2の制御部204は、機器制御設定が「おまかせ」であるか否かを判定する。機器制御設定が「おまかせ」であれば(S207でYES)、スマートスピーカ2の制御部204は、第2制御コマンドを通信部205を用いて対応する空気清浄機13に送信する(S208)。一方、機器制御設定が「おまかせ」でなければ(S207でNO)、処理は201に戻る。
【0206】
図10は、図8の変形例に係るフローチャートである。図10のフローでは、図8のフローに対して更に携帯端末3の処理が追加されている。なお、図10において図8と同じ処理には同一のステップ番号を付し、説明を省略する。
【0207】
S131では、携帯端末3の制御部303は、利用情報をメモリ302に記憶する。ここで、利用情報には移動情報、検索情報が含まれており、制御部303は、一定の時間間隔で移動情報を移動情報DB11に記憶すると共に、使用者によってメッセージ及び/又は検索ワードが入力される都度、入力情報、検索情報を検索情報DB12に記憶すればよい。
【0208】
S132では、携帯端末3の通信部304は、利用情報をスマートスピーカ2に送信する。ここで、携帯端末3の制御部303は、移動情報DB11に記憶された移動情報のうち現在から過去一定期間の移動情報を利用情報に含めるとともに、検索情報DB12に記憶された検索情報のうち現在から過去一定期間の検索情報を利用情報に含めればよい。
【0209】
なお、携帯端末3は、定期的に利用情報をスマートスピーカ2に送信してもよいし、スマートスピーカ2からの要求に応じて利用情報をスマートスピーカ2に送信してもよい。
【0210】
S101に続くS102Aでは、スマートスピーカ2のデータ解析部201は、音声信号の解析に加え、必要に応じて利用情報を用いることで地域感染情報を生成する。例えば、音声認識内容から時間ワードは特定できたが、場所ワードが特定できなかったとする。この場合、データ解析部201は、発話者の移動情報があれば、その移動情報を用いて時間ワードに示される日時に発話者が居た場所を特定すればよい。
【0211】
このように、図10のフローでは、地域感染情報を生成する上で音声認識内容に不足する情報があれば、携帯端末3からの利用情報によって不足する情報が補われ、地域感染情報が生成されない事態を可能な限り回避できる。
【0212】
図11は、本開示の情報提供システムのユースケースを示す図である。家庭603では、太郎が「インフルになった」と発話しており(S601)、スマートスピーカ2_3によりこの発話が音声認識されている。スマートスピーカ2_3は、S601の発話から、太郎がインフルエンザに感染したと判断して、太郎の移動情報から太郎の行ったところである「AA駅」と「BB公園」とを注意場所として特定する(S602)。そして、特定した注意場所をサーバ1に通知する。
【0213】
家庭601では、花子が「となりのクラスでインフルが流行っているみたい」と発話しており(S603)、スマートスピーカ2_1によりこの発話が音声認識されている。スマートスピーカ2_1は、S603の発話から、花子の小学校であるAA小学校を注意場所として特定する(S604)。そして、特定した注意場所を通知するための地域感染情報をサーバ1に送信する。
【0214】
サーバ1は、これらの地域感染情報を解析することで、AA小学校が属しているCC地区で感染症が流行していると判定し、CC地区のスマートスピーカ2_1、_2にそのことを通知する(S605)。
【0215】
この通知を受けたスマートスピーカ2_1は、通勤ルートを「CC地区を通らないルートにしますか」といった音声メッセージを出力する。また、この通知を受けたスマートスピーカ2_2は、「本日の夕飯を免疫力向上メニューにしてはいかがですか?」といった音声メッセージを出力する(S607)、又は、「お住まいの地域で感染症流行注意レベルが上がっています。空気清浄機を感染対策モードに切り替えます。」といった音声メッセージを出力する(S608)。
【0216】
このように、本開示の情報提供システムによれば、ネットワークNTを介して接続された1以上のスマートスピーカ2から、スマートスピーカ2が音声信号を解析して得た感染注意レベルと、感染注意レベルに関連付けられた地域とを含む地域感染情報が取得される。
【0217】
そして、取得された地域感染情報から各地域の感染注意レベルことの感染症の報告件数が算出され、算出された報告件数が感染注意レベルに応じて重み付けられ、重み付け後の報告件数が評価されて各地域の感染リスク値が算出される。そのため、本情報提供システムは、利用者の例えば、家庭で交わされる発話に基づいて生成された地域感染情報を多数収集して、地域ごとの感染リスク値を正確且つタイムリーに特定することができる。
【0218】
また、本情報提供システムでは、感染リスク値にしたがった音声メッセージを各地域のスマートスピーカ2から出力させる第1制御コマンドが生成され、対応する地域のスマートスピーカ2に送信されている。そのため、感染リスク値に応じて適切な情報を利用者に提供することができ、利用者に対して過剰な感染症対策を行わせる、或いは利用者の感染症対策が不十分になるといった事態を回避できる。
【0219】
なお、実施の形態1は、下記の変形例が採用できる。
【0220】
(1-1)上記実施の形態1では、第2制御コマンドは第1制御コマンドを受信したスマートスピーカ2から空気清浄機13に送信されているが、本開示はこれに限定されない。例えば、第2制御コマンドはサーバ1から直接、空気清浄機13に送信されてもよい。この場合、サーバ1は、各スマートスピーカ2が設置された地域と、通信アドレスとを対応付けて記憶しておけばよい。
【0221】
(1-2)上記実施の形態1において、スマートスピーカ2のデータ解析部201は、地域感染情報を生成するに際し、音声認識内容から抽出した場所ワードと病名ワードとの発話距離を算出し、発話距離が一定の値以上離れていれば、使用者に対して場所ワードから特定した場所が正しいかを問い合わせる質問メッセージをスピーカ203から出力させてもよい。そして、使用者から正しいとの発話がされた場合、データ解析部201は、場所ワードから特定した場所と病名ワードから特定された感染注意レベルとを対応付けた地域感染情報を生成し、地域感染情報DB9に記憶させればよい。なお、発話距離とは、音声認識内容を示すテキストデータにおいて、病名ワードから場所ワードまで文字数が採用できる。これは、病名ワードから場所ワードまでの文字数が長くなるにつれて、両ワードの関連性が低下するとの考えに基づくものである。
【0222】
(1-3)地域感染情報を生成する際、スマートスピーカ2のデータ解析部201は、音声認識内容から特定した、感染注意レベルが一定レベル以上の構成員(感染者)の移動情報からその構成員の移動ルート上に位置する駅、商業施設、及び学校等の多数の人物が集まる施設を特定し、特定した施設を通信部205を用いてサーバ1に通知してもよい。そして、サーバ1は、通知された施設の場所及び地区の感染リスク値を所定値だけ上昇させてもよい。これにより、感染者の移動ルート上にある施設がある場所及び地区における感染リスク値をより正確に算出できる。
【0223】
(1-4)上記実施の形態1では、感染リスク値が閾値以上の地域のスマートスピーカ2に第1制御コマンドを送信したが、本開示はこれに限定されず、全てのスマートスピーカ2に第1制御コマンドを送信してもよい。この場合、感染リスク値に応じて異なる音声メッセージをスマートスピーカ2から出力させる第1制御コマンドをスマートスピーカ2に送信させればよい。例えば、上述したように、感染リスク値が強、中、小に応じて予め定められた音声メッセージをスマートスピーカ2から出力させる第1制御コマンドが送信されればよい。また、感染リスク値が閾値以下の地域に設置されたスマートスピーカ2に対しては、この地区では感染症が流行していないが、別の地区では感染症が流行していることを示す音声メッセージを出力させる第1制御コマンドが送信されればよい。
【0224】
(1-5)上記実施の形態1では、図7に示す重み付けは、変動するとして説明したが、本開示はこれに限定されず、重み付けは予め定められた固定値が採用されてもよい。この場合、例えば、感染注意レベル別報告件数に対するレベル「5」~「1」の各重み付けの値は、「5」~「1」が採用されればよい。
【0225】
(1-6)上記実施の形態1では、感染注意レベルごとの報告件数を感染注意レベルに応じた重み付けを行い、重み付け後の報告件数を評価することで感染リスク値は算出されているが、本開示はこれに限定されない。例えば、感染注意レベルごとの報告件数を重み付けせずに評価することで感染リスク値は算出されてもよい。
【0226】
(1-7)上述したマルチデバイスの具体例は下記の通りである。マルチデバイスは、プロセッサと、表示部と、メモリと、入力部とを含む。プロセッサは、入力部に入力された単語を含む入力信号に対して単語認識処理を実行する。単語としては、メッセージ及び/又は検索ワードが含まれる。入力部は、例えば、タッチパネル、キーボード、若しくはマウスなどの操作装置、又はマイクなどである。入力信号とは、入力部によって入力された単語を含む情報を電気信号に変換した信号のことである。
【0227】
プロセッサは、感染注意レベル特定部と、地域特定部と、地域感染情報生成部と、出力情報生成部とを含む。感染注意レベル特定部は、入力部が取得した入力信号に対して単語認識処理を実行する。感染注意レベル特定部は、単語認識処理の結果から感染リスクに関する単語を含む第1単語データを抽出し、第1単語データから感染注意レベルを特定する。第1単語データは、例えば図6で示した病名ワードなどである。
【0228】
地域特定部は、単語認識処理の結果から、第1単語データに対応する入力信号を入力部が取得した時間の前後一定期間における入力信号に対して単語認識処理を実行する。地域特定部は、単語認識処理の結果から第2単語データを抽出し、第2単語データから第1単語データに関連する地域を特定する。又は地域特定部は、マルチデバイスの移動履歴を示す移動履歴データを用いて第1単語データに関連する地域を特定する。第2単語データは、例えば、図6で説明した会社などの場所ワードである。
【0229】
地域感染情報生成部は、特定された地域と、特定された感染注意レベルとを対応付けた地域感染情報を生成し、地域感染情報DB9(メモリに相当)に蓄積する。
【0230】
出力情報生成部は、メモリに蓄積された地域感染情報から地域の感染注意レベルに応じたメッセージを生成する。
【0231】
(実施の形態2)
図12は、本開示の実施の形態2に係る情報提供システムのネットワーク構成の一例を示す図である。実施の形態2において実施の形態1と重複する内容については説明を省略する。実施の形態2における情報提供システムは、サーバ1に代えて複数のスマートスピーカ2Aが連携して、使用者に感染症に関する情報を提供するものである。
【0232】
実施の形態2における情報提供システムは、スマートスピーカ2A(音声認識装置及び機器の一例)、携帯端末3、地域感染情報DB9、登録情報DB10、移動情報DB11、検索情報DB12、及び空気清浄機13(機器の一例)を備えている。
【0233】
これらの機器は、ネットワークNTを介して相互に通信可能に接続されている。ネットワークNTは、例えば、インターネット通信網及び携帯電話通信網等を含む。
【0234】
図13は、図12に示すスマートスピーカ2Aの構成例を示すブロック図である。スマートスピーカ2Aは、プロセッサ210、マイク220、通信部230、スピーカ240、及びメモリ250を備える。プロセッサ210は、マイク220が集音した音声信号に対して音声認識処理を行う。
【0235】
プロセッサ210は、感染注意レベル特定部211、地域特定部212、地域感染情報生成部213、報告件数算出部214、感染リスク値算出部215、出力情報生成部216、及びソーシャル情報取得部217を備える。
【0236】
感染注意レベル特定部211は、マイク220が集音した音声信号から感染リスクに関する単語及び音の少なくとも一方を含む第1音声データを抽出し、第1音声データから感染注意レベルを特定する。感染注意レベル特定部211は、第1音声データの発話内容から地域で流行している感染症又は特定の人物が感染している感染症を推定する。感染注意レベル特定部211は、第2音声データの発話内容から特定の人物が感染症に感染している期間を推定し、推定結果を用いて感染注意レベルを補正する。
【0237】
地域特定部212は、第1音声データが集音された時間の前後一定期間においてマイクで集音された音声信号から第2音声データを抽出し、第2音声データから第1音声データに関連する地域を特定する。或いは、地域特定部212は、第1音声データの発話者の移動情報(移動履歴データの一例)を用いて第1音声データに関連する地域を特定する。第1音声データが集音された時間の前後一定期間としては、使用者同士で交わされる感染症に関する一連の会話の会話時間が採用され、例えば、10秒、30秒、1分等の値が採用される。
【0238】
地域感染情報生成部213は、地域特定部212により特定された地域と、感染注意レベル特定部211により特定された感染注意レベルとを対応付けて地域感染情報を生成し、メモリ250の地域感染情報DB9に蓄積する。地域感染情報生成部213は、地域感染情報を生成するための情報が不足している場合、質問メッセージをスピーカ240から出力させ、マイク220を用いて質問メッセージの回答音声信号を取得し、回答音声信号を用いて地域感染情報を生成する。
【0239】
報告件数算出部214は、地域感染情報DB9に蓄積された地域感染情報を地域及び感染注意レベルごとに分類することで、1以上の地域のそれぞれにおける1以上の感染注意レベルごとの感染症の報告件数を算出する。
【0240】
感染注意レベルは、第1音声データに含まれる咳及びくしゃみ等の音声信号又は第1音声データが示す発話内容を解析することで得られる、感染症の流行の度合いを数値化したデータである。
【0241】
感染リスク値算出部215は、報告件数算出部214が算出した報告件数に対して感染注意レベルに応じた重み付けを行い、重み付け後の報告件数を評価することで各地域の感染リスク値を算出する。ここで、感染リスク値とは、各地域における感染症の感染リスクの大きさを示す指標である。
【0242】
出力情報生成部216は、感染リスク値算出部215が算出した各地域の感染リスク値から感染リスク値に応じた音声メッセージを生成する。ここで、出力情報生成部216は、例えば、感染リスク値が高いと判定された地域に設置された他のスマートスピーカ2Aから生成した音声メッセージを出力させるための第1制御コマンドを生成し、通信部230を用いて当該他のスマートスピーカ2Aに送信する。出力情報生成部216は、感染リスク値が高いと判定された地域に設置された空気清浄機13を動作させる第2制御コマンドを生成し、空気清浄機13に送信する。
【0243】
ソーシャル情報取得部217は、通信部230を用いてソーシャルネットワークサービスサーバから、地域で地域の感染症の流行を示す地域感染ワードと地域感染ワードの使用頻度とを含む情報を取得する。この場合、感染リスク値算出部215は、対応する地域の地域感染ワードの使用頻度が高くなるにつれて対応する地域の感染リスク値を増大させる補正係数を用いて感染リスク値を算出する。
【0244】
マイク220は、周囲の音を集音し、音声信号に変換する。通信部230は、スマートスピーカ2AをネットワークNTに接続するための通信装置で構成されている。スピーカ240は、プロセッサ210の制御の下、音声メッセージを出力する。
【0245】
メモリ250は、例えば半導体メモリで構成され、登録情報DB10、地域感染情報DB9、及び地域感染情報集計DB50Aを記憶する。登録情報DB10、地域感染情報DB9、及び地域感染情報集計DB50Aの詳細は後述する。
【0246】
スマートスピーカ2Aのメモリ250が記憶する登録情報DB10のデータ構成は、図4と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0247】
但し、実施の形態2において、基本情報テーブルT11に示す「お知らせ設定」は、サーバ1ではなく、他のスマートスピーカ2Aから第1制御コマンドを受信した場合に、スマートスピーカ2Aに音声メッセージを出力させるか否かを示す設定情報である。例えば、お知らせ設定がONである場合において、他のスマートスピーカ2Aから第1制御コマンドを受信した場合、スマートスピーカ2Aは第1制御コマンドに含まれる音声メッセージを出力する。一方、お知らせ設定がOFFである場合、他のスマートスピーカ2Aから第1制御コマンドを受信しても、スマートスピーカ2Aは第1制御コマンドに含まれる音声メッセージを出力しない。
【0248】
また、実施の形態2において、基本情報テーブルT11に示す「機器制御設定」は、サーバ1ではなく、他のスマートスピーカ2Aから第1制御コマンドを受信した場合、対応する空気清浄機13を稼働させるための第2制御コマンドを対応する空気清浄機13に送信するか否かを示す設定情報である。
【0249】
登録情報テーブルT12に示す「声紋登録No(ナンバー)」は、実施の形態1と同様、各構成員の声紋データのインデックスを示す。但し、実施の形態2において、各構成員の声紋データはメモリ250において事前に声紋登録Noと対応付けて記憶されているため、声紋登録Noをキーにして、該当する構成員の声紋データがメモリ250から読み出される。
【0250】
スマートスピーカ2Aのメモリ250が記憶する地域感染情報DB9のデータ構成は、図5と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0251】
スマートスピーカ2Aのプロセッサ210による音声認識処理を説明する図は、実施の形態1で説明した図6と同じであるため、詳細な説明は省略する。但し、実施の形態2では、データ解析部201ではなく、感染注意レベル特定部211がマイク220が集音した音声信号を音声認識する。
【0252】
また、実施の形態2では、データ解析部201ではなく、感染注意レベル特定部211が、音声認識内容の中から、病名ワード(感染リスクに関する単語)を含む第1音声データを抽出する。
【0253】
また、実施の形態2では、データ解析部201ではなく、地域特定部212が、第1音声データが集音された時間の前後一定期間においてマイク220が集音した音声信号から第2音声データを抽出する。
【0254】
また、実施の形態2では、データ解析部201ではなく、地域特定部212が、第2音声データから第1音声データに関連する場所を特定する。
【0255】
また、実施の形態2では、データ解析部201ではなく、地域特定部212が、第2音声データから日時ワード及び人物ワードをそれぞれ特定する。
【0256】
ここで、地域特定部212は、日時ワード、場所ワード、人物ワード、及び病名ワードのそれぞれについて、候補となる単語が予め記憶された単語リストをメモリ250から読み出し、これらの単語リストを参照することで、音声認識内容から日時ワード、場所ワード、人物ワード、及び病名ワードのそれぞれを特定すればよい。
【0257】
図14は、実施の形態2において、スマートスピーカ2Aのメモリ250が記憶する地域感染情報集計DB50Aのデータ構成の一例を示す図である。地域感染情報集計DB50Aは、地域感染情報DB9に記憶された地域感染情報を集計することで構築されるデータベースであり、第1テーブルT51A及び第2テーブルT52Aを備える。
【0258】
なお、第1テーブルT51A及び第2テーブルT52Aは、図16のS4005の解析条件が満たされて地域感染情報の解析処理が実行される度に1つのテーブルが作成される。図14では、2018年1月18日に実施された集計処理で作成されたテーブルが示されている。所定の解析条件としては、例えば、前回、解析処理を行ってから一定期間が経過したという条件、又は、前回集計処理を行ってから一定個数の地域感染情報が生成されたという条件が採用できる。
【0259】
第1テーブルT51Aは、地域感染情報DB9に記憶された地域感染情報を場所ごとに分類することで構築されるテーブルであり、1つの場所について1つのレコードが割り当てられている。
【0260】
第1テーブルT51Aは、「場所」、「感染注意レベル別報告件数」、「利用者数による補正係数」、「想定滞在時間による補正係数」、「SNS情報による注意レベル」(補正係数の一例)、「患者数データによる注意レベル」、「連携スマートスピーカによる注意レベル」、「感染注意リスク値」、及び「関連場所」を対応付けて記憶する。
【0261】
「場所」の欄は地域感染情報に含まれる場所の名称を記憶する。「感染注意レベル別報告件数」は、地域感染情報に含まれる感染注意レベルごとに地域感染情報の報告件数を集計した値を示す。例えば、1行目の例では、「AB商事」に関して、新たに生成された地域感染情報のうち感染注意レベルが「5」の地域感染情報は2つであったため、「AB商事」の感染注意レベル「5」の欄には報告件数「2」が記憶されている。同様にして、「AB商事」の感染注意レベル「4」、「3」、「2」、「1」のそれぞれの欄についても、報告件数が「2」、「4」、「5」、「10」が記憶されている。
【0262】
また、感染注意レベルは、レベルごとに重み付けが設定されている。重み付けは、感染リスク値算出部215が、スマートスピーカ2Aで設定された感染注意レベルと、実際の感染症の流行結果とを比較することで学習されたデータである。ここで、実際の感染症の流行結果は、感染症推移DB8に記憶された感染症推移データを参照すればよい。この重み付けの算出の詳細は実施の形態1と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0263】
「利用者数による補正係数」は、感染リスク値算出部215によって設定され、該当する場所において利用者数が多いほど大きな値が設定される。ここで、該当する場所における利用者数は、地域情報DB7の大型施設の現在の混雑状況を参照することで特定される。
【0264】
「想定滞在時間による補正係数」は、感染リスク値算出部215によって設定され、該当する場所において利用者の想定滞在時間が長いほど大きな値が設定される。ここで、「想定滞在時間による補正係数」は、場所ごとに予め定められた値が採用される。
【0265】
「SNS情報による注意レベル」は、感染リスク値算出部215によって設定され、SNS上において、該当する場所を示す地域感染ワードの現在の使用頻度が高くなるにつれて大きな値が設定される。ここで、地域感染ワードの使用頻度はSNSワードDB6から取得される。「患者数データによる注意レベル」は、場所を含む地域の患者数が増大するにつれて大きな値が設定される。
【0266】
「患者数データによる注意レベル」は、感染リスク値算出部215によって設定され、該当する場所の患者数データが多いほど大きな値が設定される。ここで、該当する場所の患者数データは、患者数DB5から取得される。
【0267】
「連携スマートスピーカによる感染リスク値」は連携する他のスマートスピーカ2Aが算出した地域ごとに算出した感染リスク値を示す。
【0268】
「感染リスク値」は、感染注意レベルi(=1~5)の重み付けをαi、場所jでの感染注意レベルiの報告件数をβij、場所jでの利用者数による補正係数をaj、場所jでの想定滞在時間による補正係数をbj、場所jでのSNS情報による注意レベルをcj、場所jでの患者数データによる注意レベルをdj、場所jでの連携スマートスピーカによる感染リスク値をejとすると、感染リスク値算出部215は、場所jの感染リスク値を下記の式(3)により算出する。
【0269】
場所jでの感染リスク値=aj×bj×cj×dj×ej×Σiαi×βij (3)
例えば、AB商事の例では、感染リスク値はaj×bj×cj×dj×ej×(2×3+2×1+4×0.7+5×0.4+10×0.1)により算出される。
【0270】
なお、重み付けは、「利用者数による補正係数」、「想定滞在時間による補正係数」、「SNS情報による注意レベル」、「患者数データによる注意レベル」のそれぞれに対して設定されていてもよい。
【0271】
「利用者数による補正係数」の重み付けは、感染リスク値算出部215によって設定され、実際の感染症の流行結果と利用者数とを比較することで学習されるデータである。この重み付けは、実際の感染症の流行結果に対して利用者数が与える影響度が低いほど小さな値が設定される。
【0272】
「想定滞在時間による補正係数」の重み付けは、感染リスク値算出部215によって設定され、実際の感染症の流行結果に対して想定滞在時間が与える影響度が低いほど小さな値が設定される。「SNS情報による注意レベル」の重み付けは、感染リスク値算出部215によって設定され、実際の感染症の流行結果に対してSNS情報の影響度が低いほど小さな値が設定される。「患者数データによる注意レベル」の重み付けは、感染リスク値算出部215によって設定され、実際の感染症の流行結果に対して患者数の与える影響度が低いほど小さな値が設定される。「連携スマートスピーカによる感染リスク値」の重み付けは、感染リスク値算出部215によって設定され、実際の感染症の流行結果に対して連携スマートスピーカによる感染リスク値の与える影響度が低いほど小さな値が設定される。
【0273】
「利用者数による補正係数」、「想定滞在時間による補正係数」、「SNS情報による注意レベル」、「患者数データによる注意レベル」、及び「連携スマートスピーカによる感染リスク値」のそれぞれの重み付けをp1、p2、p3、p4、p5とすると、感染リスク値算出部215は、感染リスク値を下記の式(4)を用いて算出する。
【0274】
場所jでの感染リスク値=p1×aj×p2×bj×p3×cj×p4×dj×p5×ej×Σiαi×βij (4)
「関連場所」は、該当する場所に滞在する利用者であれば行く可能性が高い場所を示す。例えば、「AB商事」の従業員の多くが「DDジム」に通っているため、「AB商事」の関連場所として「DDジム」が記憶されている。
【0275】
この場合、該当する場所の感染リスク値は、関連場所の感染リスク値を考慮して設定されてもよい。例えば、該当する場所の感染リスク値に対して関連場所の感染リスク値に所定の係数を乗じた値を加えることで最終的な感染リスク値は算出されてもよい。
【0276】
第2テーブルT52Aは、スマートスピーカ2Aから送信された地域感染情報を地区ごとに分類することで構築されたテーブルである。第2テーブルT52Aは、地域感染情報を場所ごとではなく地区ごとに分類した点以外は第1テーブルT51Aと同じであるため、詳細な説明は省略する。但し、第2テーブルT52Aは、「利用者による補正係数」に代えて「滞在者数による補正係数」を備えている。「滞在者数による補正係数」は、地区において滞在した人物に応じた補正係数を示す。また、第2テーブルT52Aは、「関連場所」に代えて「関連地区」を備えている。
【0277】
図15は、本開示の実施の形態1に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。S1001では、スマートスピーカ2Aのマイク220が周囲の音を集音し、音声信号を取得する。S1002では、スマートスピーカ2Aの感染注意レベル特定部211及び地域特定部212が音声信号を解析し、地域感染情報生成部213が音声信号の解析結果から地域感染情報を生成する。ここでは、音声信号に対して音声認識処理を実行することで、「昨日会社で会った取引先の人がインフルだったらしい」というような音声認識内容を取得する。また、ここでは、声紋データを用いることで、この音声認識内容の発話者が特定される。また、この音声認識内容から、病名ワード、場所ワード、日時ワード、人物ワードが抽出される。
【0278】
S1003では、スマートスピーカ2A_1のプロセッサ210は、新たに生成された地域感染情報を地域感染情報DB9に記憶する。
【0279】
S1004では、スマートスピーカ2A_1のプロセッサ210は、新たに生成した地域感染情報を通信部230を用いてスマートスピーカ2A_2に送信すると共に、スマートスピーカ2A_2から送信された地域感染情報を通信部230を用いて受信して地域感染情報DB9に記憶する。これにより、スマートスピーカ2Aのメモリ250は、他のスマートスピーカ2Aで生成された地域感染情報を蓄積することになる。
【0280】
S1005では、スマートスピーカ2A_1の報告件数算出部214及び感染リスク値算出部215は、地域感染情報DB9に記憶された地域感染情報を集計することで地域感染情報集計DB50Aを更新する。これにより、図14に示す第1テーブルT51A及び第2テーブルT52Aが生成される。
【0281】
S1006では、スマートスピーカ2A_1の出力情報生成部216は、更新された地域感染情報集計DB50Aを参照して、要注意地域を特定する。ここでは、スマートスピーカ2A_2が設置されている地域が要注意地域として特定されたとする。
【0282】
S1007では、スマートスピーカ2A_1の出力情報生成部216は、特定した要注意地域に設置されたスマートスピーカ2A_2から感染リスクを通知するための音声メッセージを出力させる第1制御コマンドを生成し、通信部230を用いてスマートスピーカ2A_2に送信する。
【0283】
S1008では、スマートスピーカ2A_1の出力情報生成部216は、特定した要注意地域の感染リスクをスマートスピーカ2A_1の使用者に通知するための音声メッセージを生成し、スピーカ240から出力させる。この音声メッセージの出力は、例えば、特定された要注意地域に出掛ける又は通る内容の音声がスマートスピーカ2A_1に発話されたことをトリガーに出力されてもよい。
【0284】
なお、スマートスピーカ2A_2が行うS2001~S2005の処理はS1001~S1005と同じあるため、説明は省く。
【0285】
S2006では、第1制御コマンドを受信したスマートスピーカ2A_2は、第1制御コマンドにしたがって音声メッセージをスピーカ240から出力させる。
【0286】
S2007では、第1制御コマンドを受信したスマートスピーカ2A_2は、対応する空気清浄機13に第2制御コマンドを送信する。
【0287】
S3001では、第2制御コマンドを受信した空気清浄機13は第2制御コマンドにしたがって動作を開始し、周囲の空気を浄化する。
【0288】
図16は、図15において、スマートスピーカ2A_1の処理の詳細を示すフローチャートである。ここでは、スマートスピーカ2A_1が他のスマートスピーカ2A_3から第1制御コマンドを受信し、空気清浄機13に第2制御コマンドを送信するユースケースを例に挙げて説明する。
【0289】
S4001~S4004は、図15のS1001~S1004と同じであるため、説明を省く。S4005では、スマートスピーカ2A_1のプロセッサ210は、解析開始条件を満たすか否かを判定する。ここで、解析開始条件は、地域感染情報集計DB50Aの解析を開始するための条件であり、例えば、前回解析してから一定期間が経過したという条件、又は、前回解析してから一定個数の地域感染情報を受信したという条件が採用される。
【0290】
解析開始条件を満たす場合(S4005でYES)、処理はS4006に進み、解析開始条件を満たさない場合(S4005でNO)、処理はS4001に戻る。
【0291】
S4006では、報告件数算出部214は、前回解析してから今回解析するまでの間に新たに受信した地域感染情報を用いて報告件数を算出する。
【0292】
ここで、報告件数算出部214は、新たに受信した地域感染情報を場所ごとに分類すると共に感染注意レベルごとに分類することで、各場所の感染注意レベル別の報告件数を算出し、第1テーブルT51Aを生成する。
【0293】
図14を参照して、例えば、新たに受信した地域感染情報において、「AB商事」に関して感染注意レベル「5」の地域感染情報が2個であった。そのため、第1テーブルT51Aにおいて、AB商事の感染注意レベル「5」の報告件数は「2」が記憶されている。
【0294】
同様にして、報告件数算出部214は、新たに受信した地域感染情報を地区ごとに分類すると共に感染注意レベルごとに分類することで、各地区の感染注意レベル別の報告件数を算出し、第2テーブルT52Aを生成する。
【0295】
S4007では、感染リスク値算出部215は、生成された第1テーブルT51A及び第2テーブルT52Aについて感染リスク値を算出する。ここで、感染リスク値算出部215は、上述した式(3)又は式(4)を用いて、第1テーブルT51Aに示す場所ごとの感染リスク値、第2テーブルT52Aに示す地区ごとの感染リスク値を算出する。
【0296】
S4008では、出力情報生成部216は、感染リスク値が閾値よりも高い地域があるか否かを判定する。図14の第1テーブルT51Aを参照し、場所に関する閾値が例えば「10」であるとすると、「AB商事」の感染リスク値は「13.8」であり、閾値よりも大きいため、AB商事は要注意場所と判定される。
【0297】
また、図14の第2テーブルT52Aを参照し、地区に関する閾値が例えば「400」であるとすると、「BB地区」の感染リスク値は、「518.6」であるため、「BB地区」は要注意地区と判定される。
【0298】
S4008では、感染リスク値が閾値よりも高い地域がなければ(S4008でNO)、処理はS4001に戻り、感染リスク値が閾値よりも高い地域があれば(S4008でYES)、処理はS4009に進む。
【0299】
S4009では、出力情報生成部216は、要注意地区及び要注意場所に設置されたスマートスピーカ2A_2に対して第1制御コマンドを生成する。ここで、出力情報生成部216は、例えば、スマートスピーカ2A_2が設置されている地区で感染症が流行っている旨の音声メッセージをスマートスピーカ2A_2から出力させる第1制御コマンドを生成すればよい。或いは、出力情報生成部216は、感染リスク値の大きさにしたがって、感染リスクのレベルを例えば強、中、小の3段階程度に分けて、そのレベルに応じた音声メッセージをスマートスピーカ2A_2から出力させる第1制御コマンドを生成してもよい。例えば、感染リスクのレベルが強であれば、「外出は避けましょう」といった音声メッセージ、感染リスクのレベルが中であれば、「外出時はマスクをしましょう。また、帰宅時にうがい及び手洗いをしましょう」といった音声メッセージ、感染リスクのレベルが小であれば、「手洗いをしましょう。」といった音声メッセージをスマートスピーカ2A_2に出力させる第1制御コマンドが生成されればよい。
【0300】
S4010では、スマートスピーカ2A_1の通信部230が他のスマートスピーカ2A_3から第1制御コマンドを受信した場合(S4010でYES)、処理はS4011に進み、第1制御コマンドを受信しなかった場合(S4010でNO)、処理はS4001に戻る。
【0301】
S4011では、スマートスピーカ2A_1の出力情報生成部216は、受信した第1制御コマンドにしたがって音声メッセージをスピーカ240から出力させる。ここでは、上述したような、使用者に感染症の流行を通知する音声メッセージ及び感染リスクのレベルを通知する音声メッセージが出力される。
【0302】
S4012では、スマートスピーカ2A_1の出力情報生成部216は、機器制御設定が「おまかせ」であるか否かを判定する。機器制御設定が「おまかせ」であれば(S4012でYES)、スマートスピーカ2A_1の出力情報生成部216は、第2制御コマンドを通信部230を用いて対応する空気清浄機13に送信する(S4013)。一方、機器制御設定が「おまかせ」でなければ(S4012でNO)、処理は4001に戻る。
【0303】
このように、本実施の形態によれば、使用者の、例えば、家庭で交わされる発話に基づいて感染注意レベルと地域とが対応付けられた地域感染情報が収集されるため、地域ごとの感染注意レベルに適した音声メッセージを正確且つタイムリーに生成してスピーカから出力することができる。
【0304】
したがって、本構成は、感染注意レベルに応じて適切な情報を使用者に提供することができ、使用者に対して過剰な感染症対策を行わせる、或いは使用者の感染症対策が不十分になるといった事態を回避できる。
【0305】
(実施の形態3)
実施の形態2に係る情報提供システムは、スマートスピーカ2Bとサーバ1Aとが連携して使用者に感染症に関する情報を提供するものである。実施の形態3において実施の形態1,2と重複する内容については説明を省略する。
【0306】
図17は、本開示の実施の形態2に係る情報提供システムのネットワーク構成の一例を示す図である。
【0307】
図17では、図13の構成に加えて、更に、サーバ1A及びウィルスセンサ4が設けられている。サーバ1Aは、例えば、1以上のコンピュータで構成されたクラウドサーバであり、スマートスピーカ2Bから取得した地域感染情報を用いて各地域の感染リスク値を算出する。
【0308】
図18は、図17に示す情報提供システムの構成例を示すブロック図である。図18において、サーバ1A及びスマートスピーカ2B以外の構成は、図2と同じであるため、説明を省く。
【0309】
図19は、図18に示すスマートスピーカ2B及びサーバ1Aの構成例を示すブロック図である。図19において、図13との相違点は、地域感染情報集計DB50Aがスマートスピーカ2Aのメモリ250に代えて、サーバ1Aのメモリ130に設けられている点、報告件数算出部214、感染リスク値算出部215、出力情報生成部216、及びソーシャル情報取得部217が、スマートスピーカ2Aのプロセッサ210に代えてサーバ1Aのプロセッサ110に設けられている点にある。
【0310】
図20は、本開示の実施の形態3に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。なお、図20において、図15と同一の処理には同一のステップ番号を付して説明を省略する。
【0311】
S1004に続くS5001では、地域感染情報をスマートスピーカ2Bから受信したサーバ1Aの報告件数算出部214及び感染リスク値算出部215は、スマートスピーカ2Bから送信された地域感染情報を用いると共に、必要に応じてデータベース群14を用いることで、地域感染情報集計DB50Aを更新する。
【0312】
S5002では、サーバ1Aの出力情報生成部216は、更新された地域感染情報集計DB50Aを参照して、要注意地域を特定する。
【0313】
S5003では、サーバ1Aの出力情報生成部216は、特定した要注意地域を用いて、要注意地域に設置されたスマートスピーカ2Bから感染リスクを通知するための音声メッセージを出力させる第1制御コマンドを生成し、通信部102を用いて該当するスマートスピーカ2Bに送信する。
【0314】
S2006Aでは、第1制御コマンドを受信したスマートスピーカ2Bは、第1制御コマンドにしたがって音声メッセージをスピーカ240から出力させる。
【0315】
S2007Aでは、第1制御コマンドを受信したスマートスピーカ2Bは、対応する空気清浄機13に第2制御コマンドを送信する。
【0316】
S3001では、第2制御コマンドを受信した空気清浄機13は第2制御コマンドにしたがって動作を開始し、周囲の空気を浄化する。
【0317】
図21は、図20の変形例に係るフローチャートである。図21のフローでは、図20のフローに対して更に携帯端末3の処理が追加されている。なお、図21において図20と同じ処理には同一のステップ番号を付し、説明を省略する。
【0318】
S1301では、携帯端末3の制御部303は、利用情報をメモリ302に記憶する。ここで、利用情報には移動情報と検索情報が含まれており、制御部303は、一定の時間間隔で移動情報を移動情報DB11に記憶すると共に、使用者によって検索ワードが入力される都度、検索情報を検索情報DB12に記憶すればよい。
【0319】
S1302では、携帯端末3の通信部304は、利用情報をスマートスピーカ2Bに送信する。ここで、携帯端末3の制御部303は、移動情報DB11に記憶された移動情報のうち現在から過去一定期間の移動情報を利用情報に含めるとともに、検索情報DB12に記憶された検索情報のうち現在から過去一定期間の検索情報を利用情報に含めればよい。
【0320】
なお、携帯端末3は、定期的に利用情報をスマートスピーカ2Bに送信してもよいし、スマートスピーカ2Bからの要求に応じて利用情報をスマートスピーカ2Bに送信してもよい。
【0321】
S1001に続くS1002Aでは、スマートスピーカ2Bのプロセッサ210は、音声信号の解析に加え、必要に応じて利用情報を用いることで地域感染情報を生成する。例えば、音声認識内容から時間ワードは特定できたが、場所ワードが特定できなかったとする。この場合、プロセッサ210は、発話者の移動情報があれば、その移動情報を用いて時間ワードに示される日時に発話者が居た場所を特定すればよい。
【0322】
このように、図21のフローでは、地域感染情報を生成する上で音声認識内容に不足する情報があれば、携帯端末3からの利用情報によって不足する情報が補われ、地域感染情報が生成されない事態を可能な限り回避できる。
【0323】
なお、実施の形態2、3は、下記の変形例が採用できる。
【0324】
(2-1)上記実施の形態2,3では、図15に示すように第2制御コマンドは第1制御コマンドを受信したスマートスピーカ2A_2から空気清浄機13に送信されているが、本開示はこれに限定されない。例えば、第2制御コマンドは第1制御コマンドを送信したスマートスピーカ2A_1から直接、空気清浄機13に送信されてもよい。この場合、スマートスピーカ2A_1は、各スマートスピーカ2Aが設置された地域と、通信アドレスとを対応付けて記憶しておけばよい。このことは、実施の形態3にも適用可能である。すなわち、図20において、第2制御コマンドは第1制御コマンドを送信したサーバ1Aから直接、空気清浄機13に送信されてもよい。
【0325】
(2-2)上記実施の形態2,3において、地域感染情報生成部213は、地域感染情報を生成するに際し、音声認識内容から抽出した場所ワードと病名ワードとの発話距離を算出し、発話距離が一定の値以上離れていれば、使用者に対して場所ワードから特定した場所が正しいかを問い合わせる質問メッセージをスピーカ240から出力させてもよい。そして、使用者から正しいとの発話がされた場合、地域感染情報生成部213は、場所ワードから特定した場所と病名ワードから特定された感染注意レベルとを対応付けた地域感染情報を生成し、地域感染情報DB9に記憶させればよい。なお、発話距離とは、音声認識内容を示すテキストデータにおいて、病名ワードから場所ワードまで文字数が採用できる。これは、病名ワードから場所ワードまでの文字数が長くなるにつれて、両ワードの関連性が低下するとの考えに基づくものである。
【0326】
(2-3)地域感染情報を生成する際、地域感染情報生成部213は、音声認識内容から特定した、感染注意レベルが一定レベル以上の構成員(感染者)の移動情報からその構成員の移動ルート上に位置する駅、商業施設、及び学校等の多数の人物が集まる施設を特定し、特定した施設を通信部230を用いて別のスマートスピーカ2A,2B又はサーバ1Aに通知してもよい。そして、別のスマートスピーカ2A,2B又はサーバ1Aは、通知された施設の場所及び地区の感染リスク値を所定値だけ上昇させてもよい。これにより、感染者の移動ルート上にある施設がある場所及び地区における感染リスク値をより正確に算出できる。
【0327】
(2-4)上記実施の形態2,3では、感染リスク値が閾値以上の地域のスマートスピーカ2A,2Bに第1制御コマンドを送信したが、本開示はこれに限定されず、全てのスマートスピーカ2A,2Bに第1制御コマンドを送信してもよい。この場合、感染リスク値に応じて異なる音声メッセージをスマートスピーカ2A,2Bから出力させる第1制御コマンドをスマートスピーカ2A,2Bに送信させればよい。例えば、上述したように、感染リスク値が強、中、小に応じて予め定められた音声メッセージをスマートスピーカ2A,2Bから出力させる第1制御コマンドが送信されればよい。また、感染リスク値が閾値以下の地域に設置されたスマートスピーカ2A,2Bに対しては、この地区では感染症が流行していないが、別の地区では感染症が流行していることを示す音声メッセージを出力させる第1制御コマンドが送信されればよい。
【0328】
(2-5)実施の形態2,3では、図14に示す重み付けは、変動するとして説明したが、本開示はこれに限定されず、重み付けは予め定められた固定値が採用されてもよい。この場合、例えば、感染注意レベル別報告件数に対するレベル「5」~「1」の各重み付けの値は、「5」~「1」が採用されればよい。
【0329】
(2-6)上記実施の形態では、図14に示す地域感染情報集計DB50Aに記載された感染リスク値に基づいて音声メッセージが生成されたが、本開示はこれに限定されない。例えば、図5に示す地域感染情報DB9から音声メッセージが生成されてもよい。例えば、スマートスピーカ2A,2Bは、使用者から感染症の流行場所を教えて欲しい旨の発話を受け付けたとする。この場合、スマートスピーカ2A,2Bは、地域感染情報において一定期間(例えば、本日)における感染注意レベルの合計値を算出し、その合計値が閾値以上の地域が感染症の流行場所であることを示す音声メッセージを生成してもよい。
【0330】
(実施の形態4)
図22は、本開示の実施の形態4に係る情報提供システムのネットワーク構成の一例を示す図である。実施の形態4に係る情報提供システムは、サービスが適用される使用者が居住する地域及びその地域から一定範囲内にある1以上の地域を含むサービス適用地域において、マップデータ上の特定の場所とその場所での感染可能性者数とを対応付けたマッピングデータを生成し、使用者に提供するものである。本実施の形態において、実施の形態1~3と同一の内容については説明を省略する。
【0331】
情報提供システムは、サーバ1B、スマートスピーカ2C、携帯端末3A、ウィルスセンサ4、患者数DB(データベース)5、SNSワードDB6、地域情報DB7、感染症推移DB8、地域感染情報DB9、登録情報DB10、移動情報DB11、検索情報DB12、対策情報DB16、感染リスク値DB14、及び外部サーバ15を備えている。
【0332】
サーバ1B~感染リスク値DB14は、ネットワークNTを介して相互に通信可能に接続されている。
【0333】
サーバ1Bは、例えば、1以上のコンピュータで構成されたクラウドサーバであり、上述したマッピングデータを生成し、携帯端末3Aに送信する。
【0334】
スマートスピーカ2Cは、例えば、使用者の家庭に設置されている。スマートスピーカ2Cは音声認識装置の一例である。図22の例では、2つのスマートスピーカ2C_1、2C_2が図示されているが、これは一例であり、スマートスピーカ2Cの個数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0335】
携帯端末3Aは、スマートスピーカ2Cが設置された家庭の使用者によって所持される装置である。携帯端末3Aは、例えば、スマートフォン、タブレット端末、及びボタン式の携帯電話等の携帯可能な情報処理装置で構成されている。図22では、3つの携帯端末3A_1、3A_2、3A_3が示されているが、これは一例であり、携帯端末3Aの個数は1つであってもよいし、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0336】
実施の形態4では、地域情報DB7は、例えば、本情報提供サービスの管理者が管理する外部サーバ15上で構築されたデータベースであり、外部サーバ15を介してネットワークNTと接続される。なお、地域データに含まれる地図データは、例えば、インターネット上で検索エンジンの運営会社によって提供されている地図データを外部サーバ15が取り込むことによって地域情報DB7に記憶される。また、地域データに含まれる公共交通機関の路線図データは、鉄道会社及びバス会社等によってインターネット上で公開されている路線図データを外部サーバ15が取り込むことで地域情報DB7に記憶される。また、地域データに含まれる混雑状況データは、例えば、インターネット上で検索エンジンの運営会社によって生成されている混雑状況データを外部サーバ15が取り込むことで地域情報DB7に記憶される。
【0337】
地域感染情報DB9は、スマートスピーカ2Cが音声認識した使用者の発話履歴を元に作成され、各地域の感染注意レベルを示す地域感染情報を記憶する。登録情報DB10は、スマートスピーカ2Cが設置された家庭の構成員の個人情報を記憶する。地域感染情報DB9及び登録情報DB10は、例えば、スマートスピーカ2Cのメモリに記憶されている。但し、これは一例であり、地域感染情報DB9及び登録情報DB10は外部サーバ15が記憶していてもよい。
【0338】
移動情報DB11は、携帯端末3Aを所持する使用者の移動情報を記憶する。移動情報は、例えば、携帯端末3Aが備えるGPSセンサが算出した位置情報を、算出時刻と対応付けたデータである。移動情報DB11は、例えば、携帯端末3Aのメモリに記憶されている。但し、これは一例であり、移動情報DB11は、外部サーバ15が記憶していてもよい。
【0339】
検索情報DB12は、携帯端末3A上で実行される検索エンジンに対する使用者の検索履歴を示す検索情報を記憶する。検索情報は、例えば、検索エンジンに入力された検索ワードと検索時刻とを対応付けたデータである。
【0340】
対策情報DB13は、サービス適用地域内において、大型商業施設、公民館、及び図書館といった各種施設に設置され、周囲の環境情報を計測する感染対策センサ20(図23)による計測データを含む測定データを記憶する。
【0341】
感染リスク値DB14は、外部サーバ15により構成され、場所ごとの感染リスクを示す感染リスク値を記憶するデータベースである。感染リスク値の算出の詳細は後述する。
【0342】
外部サーバ15は、1以上のコンピュータで構成されたクラウドサーバであり、地域情報DB7、対策情報DB13、及び感染リスク値DB14を記憶する。また、外部サーバ15は、場所ごとの感染リスク値を算出し、感染リスク値DB14に記憶する。
【0343】
図23は、図22に示す情報提供システムの構成例を示すブロック図である。スマートスピーカ2Cは、データ解析部201A、メモリ202、スピーカ203、制御部204A、通信部205A、及びマイク206を備える。データ解析部201Aは、マイク206が集音した音声信号に対して音声認識処理を行うプロセッサで構成されている。図23において、図2と重複するブロックは図2と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0344】
データ解析部201Aは、マイク206が集音した音声信号を音声認識して、感染症に感染している可能性のある感染可能性者と感染可能性者の感染可能性とを特定し、地域感染情報(第1感染情報の一例)を生成する。データ解析部201Aは、音声信号の発話内容から感染可能性者が感染している感染症を推定する。
【0345】
通信部205Aは、スマートスピーカ2CをネットワークNTに接続するための通信装置で構成されている。例えば、通信部205Aは、データ解析部201Aで生成された地域感染情報を感染可能性者の携帯端末3Aに送信する。
【0346】
携帯端末3Aは、GPSセンサ301、メモリ302、制御部303A、通信部304、表示部305(ディスプレイの一例)、及び操作部306を備える。
【0347】
制御部303Aは、図2に示す制御部303の機能に加えてさらに、スマートスピーカ2Cからの地域感染情報を通信部205Aが受信した場合、移動情報DB11から過去一定期間の位置情報を読み出し、読み出した位置情報と受信した地域感染情報と対応付けた対応付けデータを生成し、通信部205Aを用いてサーバ1Bに送信する。
【0348】
サーバ1Bは、データ解析部1001、メモリ1002、制御部1003、及び通信部1004を備える。データ解析部1001は、例えば、CPUで構成され、携帯端末3Aからの対応付けデータを通信部1004が受信した場合、対応付けデータを用いて、マップデータ上の特定の場所とその場所における感染可能性者数とを対応付けたマッピングデータを生成する。そして、データ解析部1001は、生成したマッピングデータをマッピングDB1005に記憶する。マップデータとは地図データのことを指し、特定の場所とは、音声認識内容から抽出された場所又は予め定められた地図データ上の場所が該当する。
【0349】
メモリ1002は、例えば、半導体メモリで構成され、マッピングDB1005を記憶する。マッピングDB1005の詳細については後述する。
【0350】
制御部1003は、例えば、CPUで構成され、通信部1004が携帯端末3Aからの要求を受信した場合、その要求を送信した携帯端末3Aに対してマッピングデータを通信部1004を用いて送信する。通信部1004は、サーバ1BをネットワークNTに接続する通信装置である。ここで、要求を送信する携帯端末3Aは、感染可能性者の携帯端末3Aと、それ以外のサービスの適用対象となる人物の携帯端末3Aとを含む。
【0351】
感染対策センサ20は、例えば、空気清浄機で構成され、検出部2001、メモリ2002、制御部2003、及び通信部2004を備える。検出部2001は、例えば、温度センサ及び湿度センサで構成され、周囲の温度及び湿度を検出する。検出部2001は、制御部2003が設定した、感染対策センサ20の設定値をメモリ2002から取得する。ここで、感染対策センサ20の設定値としては、例えば、「強」、「中」、及び「弱」といった感染対策センサ20の浄化能力の設定値が採用される。
【0352】
メモリ2002は、例えば、半導体メモリで構成され、検出部2001が検出した測定データ及び制御部2003が設定した設定値を記憶する。
【0353】
制御部2003は、例えば、CPUで構成され、感染対策センサ20の全体制御を司る。通信部2004は、感染対策センサ20をネットワークNTに接続させる通信装置で構成されている。
【0354】
データベース群14Aは、図22に示す患者数DB5、SNSワードDB6、地域情報DB7、感染症推移DB8、対策情報DB16、及び感染リスク値DB14を纏めて示したものであり、図22で説明した種々のサーバ上に構築される。
【0355】
スマートスピーカ2Cのメモリ202が記憶する登録情報DB10のデータ構成は、図4と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0356】
但し、実施の形態4では、基本情報テーブルT11に示す「お知らせ設定」は、サーバ1B又は外部サーバ15から発話コマンドを受信した場合に、スマートスピーカ2Cに音声メッセージを出力させるか否かを示す設定情報である。例えば、お知らせ設定がONである場合において、サーバ1B又は外部サーバ15から発話コマンドを受信した場合、スマートスピーカ2Cは発話コマンドに含まれる音声メッセージを出力する。一方、お知らせ設定がOFFである場合、サーバ1Bから発話コマンドを受信しても、スマートスピーカ2Cは発話コマンドに含まれる音声メッセージを出力しない。
【0357】
また、実施の形態4では、基本情報テーブルT11に示す「機器制御設定」は、サーバ1B又は外部サーバ15から発話コマンドを受信した場合、対応する空気清浄機を稼働させるための制御コマンドを対応する空気清浄機に送信するか否かを示す設定情報である。例えば、機器制御設定が「おまかせ」であれば、スマートスピーカ2Cは、対応する空気清浄機に制御コマンドを送信する。一方、機器制御設定が「おまかせ」でなければ、スマートスピーカ2Cは、対応する空気清浄機に制御コマンドを送信しない。ここで、対応する空気清浄機とは、スマートスピーカ2Cがある家庭に設置されているとするとその家庭内に設置された空気清浄機が該当する。
【0358】
スマートスピーカ2Cのメモリ202が記憶する地域感染情報DB9のデータ構成は、図5と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0359】
但し、実施の形態4では、「場所」は、音声認識内容から抽出された場所を示す。「地区」は、抽出された場所が属する地区を示す。
【0360】
また、実施の形態4では、「付随データ」の欄には、「対象者No」の欄に登録された構成員の移動ルートを示す移動情報が記憶されている。移動情報は、構成員が所持する携帯端末3Aの移動情報DB11から取得される。
【0361】
「付随データ」の欄において、「移動情報/スマホ」とは、移動情報を取得した機器が携帯端末3Aであることを示している。また、「付随データ」に登録された移動情報は、音声認識内容の「時刻」を基準として過去一定期間の移動情報が採用される。このように、移動情報を記憶させることで、感染可能性の高い構成員が立ち寄った場所を特定でき、特定した場所を用いて感染症の流行場所を特定できる。
【0362】
スマートスピーカ2Cのデータ解析部201Aによる音声認識処理を説明する図は、図6と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0363】
但し、1行目の例では、発話者「太郎」が感染症に感染した可能性のある人物、すなわち、感染可能性者であるため、「対象者No」には「太郎」の識別子である「1」が記憶されている。
【0364】
図24は、サーバ1Bのメモリ1002が記憶するマッピングDB1005のデータ構成の一例を示す図である。マッピングDB1005は、1つのレコードに1つのマッピングデータが割り当てられ、1又は複数の場所における感染可能性者数及び環境情報の時間的推移を記憶する。
【0365】
「場所」は、携帯端末3Aから送信された対応付けデータに含まれる場所、すなわち、図5に示す地域感染情報DB9に含まれる「場所」である。或いは、「場所」は、サービス適用地域において、大型商業施設、公民館、学校、病院及び駅といった多数の人物が集まる予め定められた場所であってもよい。以下、これらを総称して特定の場所と記述する。
【0366】
図24の例では、「AAショッピングセンター」と「CCスーパー」とが特定の場所として特定されている。また、「AAショッピングセンター」では、星広場及び月広場というように、より詳細な場所での感染可能性者数が特定されたため、これらの場所についても感染可能性者数が記憶されている。なお、AAショッピングセンターにおいて詳細な場所が特定されたのは、図5に示す地域感染情報の場所の欄に、「AAショッピングセンターの星広場」及び「AAショッピングセンターの月広場」が記憶されていたからである。或いは、AAショッピングセンターについては、星広場及び月広場を特定の場所として設定することが予め定められていたからである。
【0367】
ここでは、2018年1月18日9時、2018年1月18日10時、・・・というように1時間単位で特定の場所ごとの感染可能性者数が算出されているが、この1時間は一例であり、1分、10分、2時間、というように他の時間ごとに感染可能性者数が算出されてもよい。
【0368】
2018年1月18日10時を例に挙げると、まず、データ解析部1001は、前回感染可能性者数の算出時刻「2018年1月18日9時」から同日の「10時」までの時間帯において携帯端末3Aから送信された対応付けデータから感染可能性者の移動情報を抽出する。具体的には、対応付けデータに含まれる地域感染情報(図5)の「付随データ」の欄に記憶された移動情報が抽出される。
【0369】
そして、データ解析部1001は、抽出した移動情報からこの時間帯において感染可能性者が特定の場所に所定時間以上滞在したか否かを判定する。ここで、所定時間としては例えば、1分、2分、5分、及び10分といった時間が採用できる。また、感染可能性者が特定の場所に居るか居ないかの判定は、例えば、AAショッピングセンターの例では、地図データからAAショッピングセンターの緯度範囲と経度範囲とを特定し、この緯度範囲内と経度範囲内とに感染可能性者の移動情報が示す緯度及び経度があるか否かにより判定される。或いは、AAショッピングセンターの中心位置から一定範囲内に、感染可能性者の緯度及び経度が位置するか否かにより判定されてもよい。
【0370】
そして、データ解析部1001は、特定の場所ごとに所定時間以上滞在した感染可能性者数を集計することで、特定の場所ごとの感染可能性者数を算出し、マッピングDB1005の該当する欄に記憶する。
【0371】
図24の例では、9時から10時の時間帯において、8名の感染可能性者の移動情報が「AAショッピングセンターの星広場」に所定時間以上滞在していることを示していたので、「AAショッピングセンターの星広場」での2018年1月18日10時の感染可能性者数として8人が算出されている。同様にして、他の特定の場所についても感染可能性者数が算出される。
【0372】
環境情報は、特定の場所の周囲の環境情報及び感染症対策情報を示し、例えば、特定の場所に設置された感染対策センサ20から取得されたものである。図24の例では、環境情報として、「温度」、「湿度」、「設定値」、「感染リスク」、及び「感染リスク値」が含まれている。設定値は「強」、「中」、及び「弱」といった感染対策センサ20の浄化能力の設定値を示す。なお、感染対策センサ20が動作していない場合は設定値としてOFFが記憶される。感染対策センサ20が動作しているということは、特定の場所において感染症対策が行われていると考えられるので、「設定値」が「強」、「中」、及び「弱」の場合、環境対策が行われていると判断される。
【0373】
感染リスクは、データ解析部1001が算出した特定の場所における感染リスクを示す。感染リスクは、例えば下記のように算出される。まず、データ解析部1001は、特定の場所における感染者密度を算出する。例えば、データ解析部1001は、地域情報DB7から取得したAAショッピングセンターの敷地面積をS、現在のAAショッピングセンターの流行感染者数をn、感染者密度をnrとすると、nr=n/Sにより感染者密度を算出する。次に、データ解析部1001は、感染者密度に対して、AAショッピングセンターの現在の温度から定まる温度係数ktと、湿度から定まる湿度係数km、設定値から定まる設定値係数klとを乗じることで、AAショッピングセンターの感染リスク評価値α(=nr・kt・km・kl)を算出する。例えば、インフルエンザウィルスは湿度が低く気温が低いほど増殖しやすいので、湿度及び温度が低くなるにつれて湿度係数km及び温度係数ktは大きく設定される。また、設定値が大きくなるにつれてウィルスは減少するので、設定値が大きいほど設定値係数klは小さく設定される。
【0374】
そして、データ解析部1001は、感染リスク評価値αが、「大」、「中」、及び「小」のそれぞれに対して予め定められた数値範囲のうちどの数値範囲に属しているかにしたがって感染リスクを算出する。すなわち、感染リスクは「大」、「中」、「小」の3段階で表されるのである。但し、これは一例であり、感染リスクは2段階で表されてもよいし、4段階以上で表されてもよい。
【0375】
感染リスク値は、スマートスピーカ2Cから送信された多数の地域感染情報を外部サーバ15が分析することで得られる特定の場所の感染リスクを数値化した指標である。感染リスク値は、感染リスク値DB14に記憶されており、サーバ1Bは、特定の場所の感染リスク値を感染リスク値DB14から取得する。
【0376】
感染リスク値は、外部サーバ15によって下記のように算出される。まず、外部サーバ15は、スマートスピーカ2Cから随時、地域感染情報(第2感染情報の一例)を受信している。そして、外部サーバ15は、地域感染情報を特定の場所及び感染注意レベルごとに分類することで特定の場所における感染注意レベルごとの報告件数を算出する。図5を参照して、AB商事において感染注意レベル「5」~「1」の地域感染情報を、それぞれ、「10」、「8」、「7」、「15」、「20」個、受信したとする。この場合、外部サーバ15は、AB商事について、感染注意レベル「5」~「1」のそれぞれの報告件数を「10」、「8」、「7」、「15」、「20」と算出する。
【0377】
次に、外部サーバ15は、感染注意レベル「5」~「1」のそれぞれについて予め定められた重み付けを用いて報告件数を重み付け加算することで、感染リスク値を算出する。例えば、感染注意レベル「5」~「1」のそれぞれの重み付けを「k5」、「k4」、「k3」、「k2」、「k1」とすると、AB商事の感染リスク値は下記のように算出される。
【0378】
AB商事の感染リスク値=k5・10+k4・8+k3・7+k2・15+k1・20
外部サーバ15はこのような処理を特定の場所ごとに実行することで特定の場所ごとの感染リスク値を算出する。ここで、外部サーバ15は、所定時間毎(例えば、1日)毎に、感染リスク値を算出し、時系列に感染リスク値DB14に記憶させる。そのため、サーバ1Bから感染リスク値の取得要求を受信した場合、外部サーバ15は、最新の感染リスク値をサーバ1Bに送信すればよい。
【0379】
図25は、図22に示す情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。S1101では、携帯端末3Aの制御部303Aは、利用情報をメモリ302に記憶する。ここで、利用情報には移動情報と検索情報とが含まれており、制御部303Aは、一定の時間間隔で移動情報を移動情報DB11に記憶すると共に、使用者によって検索ワードが入力される都度、検索情報を検索情報DB12に記憶すればよい。
【0380】
S1102では、携帯端末3Aの通信部304は、利用情報をスマートスピーカ2Cに送信する。ここで、携帯端末3Aの制御部303Aは、移動情報DB11に記憶された移動情報のうち現在から過去一定期間(例えば、1時間)の移動情報を利用情報に含めるとともに、検索情報DB12に記憶された検索情報のうち現在から過去一定期間(例えば、1時間)の検索情報を利用情報に含めればよい。なお、携帯端末3Aは例えば使用者の家庭に設置された予め定められたスマートスピーカ2Cに利用情報を送信すればよい。
【0381】
なお、携帯端末3Aは、定期的(例えば1時間ごと)に利用情報をスマートスピーカ2Cに送信してもよいし、スマートスピーカ2Cからの要求に応じて利用情報をスマートスピーカ2Cに送信してもよい。
【0382】
S2101では、スマートスピーカ2Cのマイク206が周囲の音を集音し、音声信号を取得する。S2102では、スマートスピーカ2Cのデータ解析部201Aは、音声信号を解析する。ここでは、音声信号に対して音声認識処理を実行することで、「昨日会社で会った取引先の人がインフルだったらしい」というような音声認識内容を取得する。また、ここでは、声紋データを用いることで、この音声認識内容の発話者が特定される。また、この音声認識内容から、病名ワード、場所ワード、日時ワード、人物ワードが抽出される。
【0383】
S2103では、スマートスピーカ2Cのデータ解析部201Aは、携帯端末3Aから送信された利用情報と、S2102により取得した音声認識内容とを用いて地域感染情報を生成し、地域感染情報DB9に記憶する。これにより、地域感染情報DB9に示す各欄にデータが記憶され、新たな地域感染情報が地域感染情報DB9に追加される。例えば、発話者の識別子が「対応者No」の欄に記憶され、病名ワードから推定された感染症名が「推定感染症名」の欄に記憶され、場所ワードから推定された場所及び地区が「場所」及び「地区」の欄に記憶され、日時ワードから推定された時刻から「流行時期補正値」が決定され、人物ワードから推定された感染可能性が「感染可能性」の欄に記憶され、利用情報が「付随データ」の欄に記憶される。
【0384】
S2104では、スマートスピーカ2Cのデータ解析部201Aは、生成した地域感染情報を通信部205Aを用いて感染可能性者の携帯端末3Aに送信する。ここで、感染可能性者はスマートスピーカ2Cが設置された家族の構成員であり、スマートスピーカ2Cは事前に各構成員の携帯端末3Aの通信アドレスをメモリ302に記憶している。そのため、スマートスピーカ2Cは、感染可能性者の携帯端末3Aに地域感染情報を送信できる。また、スマートスピーカ2Cは、地域感染情報を生成する都度、該当する携帯端末3Aに地域感染情報を送信すればよい。
【0385】
S1104では、携帯端末3Aの制御部303Aは、S2104で送信された地域感染情報と位置情報とを対応付けて対応付けデータを生成する。ここで、制御部303Aは、地域感染情報を受信してから過去一定期間(例えば1時間)の移動情報及び検索情報を移動情報DB11及び検索情報DB12から読み出して、対応付けデータに含ませればよい。
【0386】
S1105では、携帯端末3Aの通信部304は、S1104で生成された対応付けデータをサーバ1Bに送信する。以後、携帯端末3Aの通信部304は、定期的(例えば、1時間ごと)に対応付けデータをサーバ1Bに送信し、送信する都度、S3102以降の処理が行われ、マッピングデータが定期的に更新されることになる。
【0387】
S3101では、サーバ1Bの制御部204Aは、S1105で送信された対応付けデータをメモリ1002に蓄積する。
【0388】
S3102では、サーバ1Bのデータ解析部1001は、メモリ1002に蓄積された対応付けデータからマッピングデータを生成し、マッピングDB1005に記憶する。ここで、データ解析部1001は、所定時間間隔でマッピングデータを生成するものであり、前回マッピングデータを生成してから今回のマッピングデータを生成するまでの時間においてメモリ1002に記憶された対応付けデータを用いてマッピングデータを生成すればよい。
【0389】
S3103では、サーバ1Bの制御部1003は、感染対策センサ20を動作させる制御コマンドを通信部1004を用いて感染対策センサ20に送信する。ここで、制御部1003は、図24に示す「場所」を参照して、現時点における感染可能性者数に応じた制御コマンドを生成すればよい。図24の例では、2018年1月18日10時において、AAショッピングセンターの星広場における感染可能性者数は「8人」である。また、「8人」は、予め定められた閾値以上であったとする。この場合、制御部1003は、星広場に設置された感染対策センサ20を動作させる制御コマンドを感染対策センサ20に送信する。この場合、制御部1003は、「8」人に応じた浄化能力の設定値で感染対策センサ20を動作させる制御コマンドを送信すればよい。例えば、1人~5人であれば「弱」、5人~10人であれば「中」、10人より大きければ「強」というルールで設定値が定められるものであるとすると、制御部1003は「中」の設定値で動作させる制御コマンドを感染対策センサ20に送信すればよい。ここで、制御コマンドに含まれる設定値は感染可能性者数に応じて決定されたが、これは一例であり、特定の場所での感染者密度に応じて決定されてもよい。
【0390】
S4101では、感染対策センサ20の制御部2003は、送信された制御コマンドにしたがった設定値で感染対策センサ20を動作させる。
【0391】
S4102では、感染対策センサ20の制御部2003は、検出部2001を構成する湿度センサ及び温度センサのそれぞれが検出した測定データと、メモリ2002に記憶されている現在の設定値とを通信部2004を用いてサーバ1Bに送信する。
【0392】
S3104では、サーバ1Bのデータ解析部1001は、測定データをマッピングデータに反映させる。例えば、2018年1月18日10時の時点でAAショッピングセンターの星広場に設置された感染対策センサ20から、温度「24.5度」及び湿度「54%」の測定データと、設定値「中」とが送信されたとする。この場合、データ解析部1001は、図24に示す2018年1月18日10時の「星広場」の「環境情報」の欄に「温度:24.5度、湿度:54%、設定値:中」を記憶すればよい。
【0393】
S1106では、携帯端末3Aの制御部303Aは、使用者から操作部306を用いて要求の送信指示が入力されると、通信部304を用いて要求をサーバ1Bに送信する。携帯端末3Aには、例えば、本情報提示システムのサービスを使用者に提供するための提供アプリケーションがインストールされており、使用者がこの提供アプリケーションを起動させる操作を入力した場合、要求が送信されてもよい。或いは、使用者がこの提供アプリケーションを用いて地図情報の閲覧要求を入力した場合、要求が送信されてもよい。或いは、携帯端末3Aにおいて既存の経路検索アプリケーションが使用者の指示にしたがってある目的地までの移動ルートをサーバから取得したことを提供アプリケーションが検知した場合、要求が送信されてもよい。この場合、経路検索アプリケーションが取得した移動ルートの周囲に位置する特定の場所についてのマッピングデータを取得するための要求が送信されてもよい。或いは、携帯端末3Aにおいて使用者が地図アプリケーションを起動させたことを提供アプリケーションが検知した場合、使用者が閲覧している地図画面の中心場所から一定領域内の特定の場所のマッピングデータを取得するための要求が送信されてもよい。
【0394】
S3105では、サーバ1Bの通信部1004はマッピングDB1005から最新の感染可能性者数及び環境情報を含むマッピングデータを携帯端末3Aに送信する。なお、どの特定の場所のマッピングデータを送信するかについては種々の態様が採用できる。例えば、携帯端末3Aから移動ルートを示す要求が送信されたのであれば、移動ルートの周囲に位置する特定の場所のマッピングデータが送信されてもよい。また、携帯端末3Aの現在位置から周囲一定領域内にある特定の場所のマッピングデータが送信されてもよい。或いは、携帯端末3Aの地図アプリケーション上でユーザが地図を閲覧している場合、地図画面の中心場所から一定領域内にある特定の場所のマッピングデータが送信されてもよい。或いは、マッピングDB1005に記憶されている全ての特定の場所のマッピングデータが送信されてもよい。
【0395】
ここで、サーバ1Bは、送信するマッピングデータに含める環境情報として、温度、湿度、設定値、感染リスク、及び感染リスク値に加えて、ウィルスセンサ4によるウィルスの検出結果を含ませてもよい。例えば、AAショッピングセンターにおいてウィルスセンサ4が設置されており、このウィルスセンサ4からウィルスの検出結果が取得できるのであれば、サーバ1BはAAショッピングセンターにおけるウィルスの検出結果をマッピングデータに含めればよい。
【0396】
図26は、マッピングデータを受信した携帯端末3Aにおいて表示される表示画面G1,G2を示す図である。表示画面G1,G2は、携帯端末3Aの制御部303Aがサーバ1Bから送信されたマッピングデータを用いて生成されたものである。
【0397】
表示画面G1は地図画像上に各特定の場所の感染症に関する情報を表示する表示欄801,802が表示されている。ここでは、特定の場所として、AAショッピングセンターとCCスーパーが特定されているため、AAショッピングセンターに対応する表示欄801と、CCスーパーに対応する表示欄802とが表示されている。なお、表示画面G1は、使用者が提供アプリケーションを起動させる、或いは、地図アプリケーションを起動させることで表示される。
【0398】
表示欄801には、AAショッピングセンターでの、感染可能性者数と、感染対策と、感染リスクとが表示されている。感染可能性者数は、マッピングDB1005に記憶されたAAショッピングセンターでの最新の感染可能性者数を示す。
【0399】
感染対策は、AAショッピングセンターにおける感染対策の有無を示す。ここでは、感染対策がなされているため二重丸のマークと「詳細」と記載されたボタンとが表示されている。「詳細」ボタンが、使用者により選択する操作が入力されると、制御部303Aは、表示画面G1から表示画面G2へ表示画面を切り替える。
【0400】
感染リスクはAAショッピングセンターに対して算出された感染リスクである。ここでは、感染リスクが「小」と表示され、「小」に対応する感染対策のアドバイス情報が表示されている。ここでは、「帰ってきたら手洗い・うがいをしましょう」というアドバイス情報が表示されている。なお、アドバイス情報は、「大」、「中」、「小」の感染リスクに応じて予め定められたメッセージが採用される。
【0401】
表示欄802においても、表示欄801と同様の内容が表示されている。なお、CCスーパでは、感染対策が行われていないため、感染対策として「?」が表示され、「詳細」ボタンの表示はされていない。また、CCスーパーの感染リスクは中と算出されたため、
感染リスクが「中」と表示され、「中」に対応する感染対策のアドバイス情報として、「マスクをして行き、帰ったら手洗い・うがいをしましょう」が表示されている。
【0402】
表示画面G2は、特定の場所での感染対策の詳細情報を表示する画面であり、ここでは、AAショッピングセンターの詳細情報が表示されている。表示画面G2は、4つの表示欄R1~R4を備えている。表示欄R1はAAショッピングセンター全体での感染対策を示す。ここでは、感染対策が行われているため、感染対策が二重丸で表示されている。感染対策が行われているか否かは、例えば、感染対策センサ20の動作の有無により判定され、感染対策センサ20が動作していれば二重丸が表示され、動作していなければ×が表示される。また、表示欄R1にはAAショッピングセンターにおける感染リスク値「340」が表示されている。
【0403】
表示欄R2は、AAショッピングセンターの星広場における感染対策の詳細情報を示す。ここでは、「温度:24.5℃、湿度:54%、空気清浄機設定:強、ウィルスセンサ:反応なし、感染リスク:小」が表示されている。これらの情報は図25のS3103においてサーバ1Bから送信されたマッピングデータに含まれた情報である。空気清浄機設定とは、感染対策センサ20の設定値を示す。
【0404】
表示欄R3は、AAショッピングセンターの月広場における感染対策の詳細情報を示す。ここでは、星広場と同様の情報が表示されている。
【0405】
表示欄R4は、該当する携帯端末3Aの使用者の家庭に設置されたスマートスピーカ2Cが該当する使用者に対して算出した感染可能性を示す。図5を参照する。例えば、この携帯端末3Aが識別子「No.1」の「太郎」であったとする。この場合、地域感染情報DB9に記憶された太郎の感染可能性が表示欄R4に表示される。なお、地域感染情報DB9において「太郎」に関して複数の感染可能性が記憶されている場合、現時点から例えば過去一定期間(例えば、一日)分の地域感染情報に含まれる感染可能性の平均値が表示欄R4に表示されてもよい。感染可能性は、家庭にスマートスピーカ2Cが設置されている使用者についてのみ算出可能であるため、スマートスピーカ2Cが設置されていない使用者の携帯端末3Aでは、表示欄R4の表示は省かれる。
【0406】
感染可能性は、例えば、提供アプリケーションが起動されたときに、携帯端末3Aが家庭のスマートスピーカ2Cから該当する使用者の感染可能性を取得して算出すればよい。
【0407】
マッピングデータは、特定の場所に応じて感染リスクの算出に用いる環境情報が追加されてもよい。図27は、マッピングデータを受信した携帯端末3Aにおいて表示される表示画面の他の一例を示す図である。図27の例では、特定の場所が病院(AB総合病院)である。表示画面G3は図26の表示画面G1に対応しており、感染症に関する情報を表示する表示欄801,802を含んでいる。表示画面G4は図26の表示画面G2に対応しており、特定の場所での感染対策の詳細情報を表示する。図27の例では、表示欄R1には、「今日の感染患者数」の項目が追加されている。「今日の感染患者数」の項目は、AB総合病院において、当日受診した患者の中で感染症と判明した人数を示す。また、図27の例では、表示欄R2,R3には、感染予防対策の欄が設けられている。この欄が選択されると、「感染症予防対策」を示す表示画面G5が表示される。表示画面G5は、例えば「マスク着用の徹底」、「感染可能性者の受診区分け」、「換気の実施」、及び「消毒剤の設置」というように感染予防対策に対する項目と、各項目に対応する評価とを表示する。評価は感染予防対策の対策度合いを示している。ここでは、評価は二重丸(◎)、丸(〇は、◎より実施する程度が低い)といった記号が用いられている。
【0408】
このように、本実施の形態によれば、スマートスピーカ2Cにより感染可能性者と感染可能性者の感染症に対する感染可能性とが特定され、感染可能性を含む地域感染情報が感染可能性者の携帯端末3Aに送信される。また、地域感染情報を受信した携帯端末3Aは、自己の位置情報と地域感染情報とを対応付けた対応付けデータをサーバ1Bに送信する。したがって、サーバ1Bは、感染可能性者の携帯端末3Aからその感染可能性者の位置情報を取得することができ、どの場所でどの程度感染可能性者が存在するかを正確且つタイムリーに特定できる。そして、このようにして特定された場所と感染可能性者数とが対応付けられたマッピングデータが携帯端末3Aに送信され、そのマッピングデータを用いた表示画面G1,G2が携帯端末3Aに表示される。そのため、携帯端末3Aの使用者は、例えば、これから行こうとしている場所においてどの程度感染可能性者が存在するかを認識することができ、適切な感染症対策を取ることができる。
【0409】
なお、実施の形態4は以下の変形例が採用できる。
【0410】
(4-1)図25のフローのS1106では、対応付けデータをサーバ1Bに送信した携帯端末3A、すなわち、感染可能性者の携帯端末3Aから要求が送信されているが、本開示はこれに限定されない。例えば、感染可能性者とは別の人物の携帯端末3Aから要求が送信されてもよい。この場合、サーバ1Bは、S3105において、該当する人物の携帯端末3Aにマッピングデータを送信すればよい。
【0411】
(4-2)図25のフローのS4102では、サーバ1Bは感染対策センサ20から測定データを受信しているが、本開示はこれに限定されない。例えば、サーバ1Bは、対策情報DB13から特定の場所の測定データを受信してもよい。この場合、ウィルスセンサ4も測定データを対策情報DB13に蓄積させれている場合、サーバ1Bは、対策情報DB13から、感染対策センサ20の測定データに加えてウィルスセンサ4の測定データも取得すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0412】
本開示によれば、感染症の拡大を防止するうえで有用な技術を提供できる。
【符号の説明】
【0413】
1,1A,1B :サーバ
2,2A,2B,2C:スマートスピーカ
3,3A :携帯端末
4 :ウィルスセンサ
13 :空気清浄機
15 :外部サーバ
20 :感染対策センサ
101,110 :プロセッサ
103,130 :メモリ
111 :報告件数算出部
112 :感染リスク値算出部
113 :出力情報生成部
114 :ソーシャル情報取得部
201,201A :データ解析部
202 :メモリ
203 :スピーカ
204,204A :制御部
205,205A :通信部
206 :マイク
210 :プロセッサ
211 :感染注意レベル特定部
212 :地域特定部
213 :地域感染情報生成部
214 :報告件数算出部
215 :感染リスク値算出部
216 :出力情報生成部
217 :ソーシャル情報取得部
220 :マイク
230 :通信部
240 :スピーカ
250 :メモリ
301 :GPSセンサ
302 :メモリ
303,303A :制御部
304 :通信部
305 :表示部
306 :操作部
1001 :データ解析部
1002 :メモリ
1003 :制御部
1004 :通信部
10 :登録情報DB
1005 :マッピングDB
11 :移動情報DB
12 :検索情報DB
14 :感染リスク値DB
16 :対策情報DB
5 :患者数DB
50,DB50A :地域感染情報集計
7 :地域情報DB
8 :感染症推移DB
9 :地域感染情報DB
図1
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