(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システム、及び、情報端末
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240119BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
(21)【出願番号】P 2019206992
(22)【出願日】2019-11-15
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】長嶺 博斗
(72)【発明者】
【氏名】梶本 晋平
(72)【発明者】
【氏名】足田 功雄
(72)【発明者】
【氏名】河合 亨
(72)【発明者】
【氏名】森本 直久
(72)【発明者】
【氏名】濱田 あゆみ
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-170035(JP,A)
【文献】特開2013-232122(JP,A)
【文献】特開2005-044292(JP,A)
【文献】特開2009-043164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一サーバによって実行される情報処理方法であって、
第二サーバが保有するユーザの個人情報を前記第二サーバが前記第一サーバに提供することについて前記ユーザが同意したことにより送信された同意情報であって、前記ユーザが前記第二サーバからサービスの提供を受けるためのIDを含む同意情報を受信する受信ステップと、
受信された前記同意情報に基づいて、前記IDに紐づけられた前記個人情報の提供を前記第二サーバに要求するための要求情報を送信する要求ステップと、
前記要求情報が送信されたことに応じて、前記第二サーバから前記個人情報を取得する取得ステップと、
取得された前記個人情報に基づいて、レコメンド情報を送信する提案ステップとを含む
情報処理方法。
【請求項2】
さらに、取得された前記個人情報に基づいて前記レコメンド情報を生成する生成ステップを含み、
前記提案ステップにおいては、生成された前記レコメンド情報を送信する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
さらに、
取得された前記個人情報を第三サーバに提供する情報提供ステップと、
前記個人情報を提供したことに応じて前記レコメンド情報を前記第三サーバから取得するステップとを含み、
前記提案ステップにおいては、前記第三サーバから取得した前記レコメンド情報を送信する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記同意情報には、前記第一サーバから他のサーバへの前記個人情報の提供が許可される許可範囲を示す許可範囲情報が含まれ、
前記情報提供ステップにおいては、取得された前記個人情報を、前記許可範囲によって定まる要件を満たす前記第三サーバに提供する
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記IDは、前記ユーザがアプリケーションプログラムを介して前記第二サーバからサービスの提供を受けるためのIDであり、
前記アプリケーションプログラムは、前記ユーザのスケジュールを管理するためのアプリケーションプログラムであり、
前記個人情報は、前記ユーザのスケジュール情報である
請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記受信ステップにおいては、前記ユーザが情報端末を操作することによって前記情報端末から送信された前記同意情報を、前記第二サーバを介さずに受信し、
前記提案ステップにおいては、取得された前記個人情報に基づいて、前記情報端末に前記レコメンド情報を送信する
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
情報処理システムであって、
前記情報処理システム外のサーバが保有するユーザの個人情報を前記サーバが前記情報処理システムに提供することについて前記ユーザが同意したことにより送信された同意情報であって、前記ユーザが前記サーバからサービスの提供を受けるためのIDを含む同意情報を受信する通信部と、
受信された前記同意情報に基づいて、前記IDに紐づけられた前記個人情報の提供を前記サーバに要求するための要求情報を前記通信部に送信させる情報処理部とを備え、
前記通信部は、前記要求情報を送信したことに応じて、前記サーバから前記個人情報を取得し、
前記情報処理部は、取得された前記個人情報に基づいて、レコメンド情報を前記通信部に送信させる
情報処理システム。
【請求項9】
第一サーバと通信する通信部と、
第二サーバが保有するユーザの個人情報を前記第二サーバが前記第一サーバに提供することについて前記ユーザが同意するための操作を前記ユーザから受け付ける操作受付部と、
前記操作が受け付けられた場合に、前記ユーザが前記第二サーバからサービスの提供を受けるためのIDを含む同意情報を前記通信部に前記第一サーバへ送信させる制御部とを備える
情報端末。
【請求項10】
コンピュータを、請求項9に記載の情報端末として動作させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理システム、及び、情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GDPR(General Data Protection Regulation)などの個人情報を保護する法律が整備され、各企業には、個人の要求に応じて、個人情報の参照、変更、移転、及び削除などを行う義務が課されている。個人情報の保護に関連する技術として、特許文献1には、個人情報の隠蔽化の度合を調整可能な文書匿名化装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、適切に取得した個人情報に基づいて、商品またはサービスなどをレコメンドすることができる情報処理方法等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、第一サーバによって実行される情報処理方法であって、第二サーバが保有するユーザの個人情報を前記第二サーバが前記第一サーバに提供することについて前記ユーザが同意したことにより送信された同意情報であって、前記ユーザが前記第二サーバからサービスの提供を受けるためのIDを含む同意情報を受信する受信ステップと、受信された前記同意情報に基づいて、前記IDに紐づけられた前記個人情報の提供を前記第二サーバに要求するための要求情報を送信する要求ステップと、前記要求情報が送信されたことに応じて、前記第二サーバから前記個人情報を取得する取得ステップと、取得された前記個人情報に基づいて、レコメンド情報を送信する提案ステップとを含む。
【0006】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、前記情報処理システム外のサーバが保有するユーザの個人情報を前記サーバが前記情報処理システムに提供することについて前記ユーザが同意したことにより送信された同意情報であって、前記ユーザが前記サーバからサービスの提供を受けるためのIDを含む同意情報を受信する通信部と、受信された前記同意情報に基づいて、前記IDに紐づけられた前記個人情報の提供を前記サーバに要求するための要求情報を前記通信部に送信させる情報処理部とを備え、前記通信部は、前記要求情報を送信したことに応じて、前記サーバから前記個人情報を取得し、前記情報処理部は、取得された前記個人情報に基づいて、レコメンド情報を前記通信部に送信させる。
【0008】
本発明の一態様に係る情報端末は、第一サーバと通信する通信部と、第二サーバが保有するユーザの個人情報を前記第二サーバが前記第一サーバに提供することについて前記ユーザが同意するための操作を前記ユーザから受け付ける操作受付部と、前記操作が受け付けられた場合に、前記ユーザが前記第二サーバからサービスの提供を受けるためのIDを含む同意情報を前記通信部に前記第一サーバへ送信させる制御部とを備える。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、前記情報端末として動作させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の情報処理システム等は、適切に取得した個人情報に基づいて、商品またはサービスなどをレコメンドすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るレコメンドシステムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、機器の状態を示す表示画面の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、スケジュール管理アプリを実行中の情報端末の表示画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、スケジュール情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係るレコメンドシステムの動作例1のシーケンス図である。
【
図6】
図6は、レコメンド画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係るレコメンドシステムの動作例2のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0014】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係るレコメンドシステムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係るレコメンドシステムの機能構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示されるように、レコメンドシステム100は、第一サーバ10と、第二サーバ20と、第三サーバ30と、情報端末40とを備える。第一サーバ10、第二サーバ20、第三サーバ30、及び、情報端末40は、インターネットなどの広域通信ネットワーク50を介して相互に通信可能である。レコメンドシステム100は、第三サーバ30を使用する事業者が提供する商品またはサービスを、情報端末40のユーザにレコメンドするためのシステムである。
【0016】
まず、情報端末40について説明する。情報端末40は、例えば、エネルギーマネジメント機能を有するHEMS(Home Energy Management System)コントローラであり、住宅などの建物内に設置され、当該建物内(あるいは、建物の敷地内)に設置された機器の消費電力を管理する。また、情報端末40は、機器の状態の取得及び表示、並びに、建物内(あるいは、建物の敷地内)に設置された機器の制御などを行う。
図2は、情報端末40の表示部42に表示される機器の状態を示す表示画面の一例を示す図である。情報端末40は、HEMSコントローラに限定されず、エネルギーマネジメント機能を有しない他のホームコントローラ、または、ゲートウェイ装置であってもよい。また、情報端末40は、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯端末、または、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の端末であってもよい。
【0017】
情報端末40は、具体的には、操作受付部41と、表示部42と、制御部43と、記憶部44と、通信部45とを備える。
【0018】
操作受付部41は、ユーザの操作を受け付ける。操作受付部41は、例えば、タッチパネルによって実現されるが、ハードウェアボタンによって実現されてもよい。
【0019】
表示部42は、制御部43の制御に基づいて、画像を表示する。表示部42は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルによって実現される。
【0020】
制御部43は、表示部42への画像の表示制御などを行う。制御部43は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0021】
記憶部44は、制御部43が実行するアプリケーションプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部44は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0022】
通信部45は、情報端末40が広域通信ネットワーク50を介して他の装置と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部45によって行われる通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0023】
次に、第二サーバ20について説明する。第二サーバ20に関連して、情報端末40は、記憶部44にあらかじめインストールされた、ユーザのスケジュールを管理するためのアプリケーションプログラム(以下、スケジュール管理アプリとも記載される)を実行することができる。これにより、情報端末40は、ユーザのスケジュールを表示することができる。
図3は、スケジュール管理アプリを実行中の情報端末40の表示画面の一例を示す図である。スケジュールの管理とは、スケジュールの追加、変更、及び、削除などである。
【0024】
第二サーバ20は、このようなスケジュールの追加、変更、及び、削除に関する実質的な情報処理を行うサーバ装置である。言い換えれば、情報端末40がスケジュール管理アプリを実行しているときにスケジュール管理に関する実質的な情報処理を行うのは第二サーバ20である。第二サーバ20は、例えば、スケジュール管理アプリを用いたサービスの運営事業者が使用するサーバである。
【0025】
第二サーバ20は、スケジュール情報記憶部21を備え、スケジュール情報記憶部21には、ユーザのスケジュール情報がユーザのID(ユーザがスケジュール管理アプリを実行するために情報端末40に入力するログインID、アカウントなど)などと紐づけて記憶される。
図4は、スケジュール情報の一例を示す図である。
図4の例では、スケジュール情報は、ユーザのIDに加えて、ユーザの属性情報にも紐づけられている。なお、スケジュール情報記憶部21は、HDD(Hard Disk Drive)などによって実現される。
【0026】
なお、スケジュール情報は、個人情報の一例である。個人情報とは、例えば、任意の一人の個人に関する情報であり、当該情報に含まれる記述等によって個人を特定または推定できる情報を意味する。本明細書中における個人情報は、広義の意味の個人情報である。スケジュール情報は、第二サーバ20からユーザがサービスの提供を受けたことに応じて生成される情報であり、属性情報のようにユーザ固有の性質を示す個人情報とは異なる。
【0027】
次に、第三サーバ30について説明する。第三サーバ30は、情報端末40のユーザに対して商品またはサービスのレコメンドを行うことを希望する事業者(図中ではサービスプロバイダとも記載される)が使用するサーバである。第三サーバ30を使用する事業者は、例えば、旅行事業者であり、情報端末40のユーザに対して旅行商品(旅行プラン)のレコメンドを行うことを希望する事業者である。
【0028】
第三サーバ30は、レコメンドベース情報記憶部31を備え、レコメンドベース情報記憶部31には、後述のレコメンド情報を生成するためのベースとなるレコメンドベース情報が記憶される。レコメンドベース情報は、例えば、ユーザへのレコメンドの候補となる旅行プランを示す情報である。レコメンドベース情報記憶部31は、HDDなどによって実現される。
【0029】
次に、第一サーバ10について説明する。第一サーバ10は、第二サーバ20から提供されるスケジュール情報に基づいて、第三サーバ30を使用する事業者の商品またはサービスを情報端末40のユーザにレコメンドするためのサーバである。第一サーバ10は、例えば、情報端末40の製造及び販売を行う事業者によって使用され、上記レコメンドは、情報端末40を介して行われる。第一サーバ10は、具体的には、情報処理部11と、サーバ記憶部12と、サーバ通信部13とを備える。
【0030】
情報処理部11は、上記レコメンドに関する情報処理を行う。情報処理部11は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0031】
サーバ記憶部12は、情報処理部11が実行するアプリケーションプログラムなどが記憶される記憶装置である。サーバ記憶部12は、例えば、HDDなどによって実現される。
【0032】
サーバ通信部13は、第一サーバ10が広域通信ネットワーク50を介して他の装置と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。サーバ通信部13によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0033】
[動作例1]
上述のように、第一サーバ10は、第二サーバ20から提供されるスケジュール情報に基づいて、第三サーバ30を使用する事業者の商品またはサービスを情報端末40のユーザにレコメンドする。このとき、個人情報の保護の観点から、第二サーバ20がスケジュール情報を第一サーバ10に提供することの同意をユーザから得る必要がある。一般的には、このような同意は、第二サーバ20(スケジュール管理アプリを用いたサービスの運営事業者)が情報端末40(ユーザ)から取得すると考えられる。これに対し、レコメンドシステム100においては、第一サーバ10(情報端末40の製造販売事業者)が情報端末40(ユーザ)から同意を得る。以下、このようなレコメンドシステム100の動作例1について説明する。
図5は、レコメンドシステム100の動作例1のシーケンス図である。
【0034】
まず、情報端末40の操作受付部41は、第二サーバ20が保有するユーザのスケジュール情報を第二サーバ20が第一サーバ10に提供することについてユーザが同意するための操作をユーザから受け付ける(S11)。このような操作が受け付けられた場合に、制御部43は、ユーザのIDを含む同意情報を、通信部45に第一サーバ10へ送信させる(S12)。ここでのIDは、ユーザがスケジュール管理アプリを実行するために情報端末40に入力するログインIDなどであり、言い換えれば、ユーザが第二サーバ20からサービスの提供を受けるためのIDである。
【0035】
同意情報には、少なくともユーザのIDが含まれればよいが、第一サーバ10から他のサーバへのスケジュール情報の提供が許可される許可範囲を示す許可範囲情報が含まれてもよい。許可範囲情報は、情報端末40への操作などによりユーザによって設定される情報である。許可範囲情報は、例えば、スケジュール情報の提供が許可される事業者を示す情報である。この場合、許可範囲情報は、旅行事業者へのスケジュール情報の提供はOKだが他の事業者への提供はNGといった内容である。許可範囲情報は、スケジュール情報の転送上限回数を指定する情報であってもよい。この場合、スケジュール情報は、第一サーバ10から他のサーバへの転送(1回の転送)はOKだが、他のサーバからさらに別のサーバへの転送(2回目以降の転送)は、NGといった内容である。また、許可範囲情報は、スケジュール情報の使用目的を指定する情報であってもよい。
【0036】
情報端末40の通信部45によって送信された同意情報は、第二サーバ20を介さずに、第一サーバ10のサーバ通信部13によって受信される。第一サーバ10の情報処理部11は、サーバ通信部13によって受信された同意情報に基づいて、要求情報をサーバ通信部13に送信させる(S13)。要求情報は、同意情報に含まれるユーザのIDに紐づけられたスケジュール情報の提供を第二サーバ20に要求するための情報である。要求情報には、同意情報に含まれるユーザのIDと同一のIDが含まれる。
【0037】
第一サーバ10のサーバ通信部13によって送信された要求情報は、第二サーバ20によって受信される。第二サーバ20は、要求情報を受信すると、スケジュール情報記憶部21を参照することにより、要求情報に含まれるユーザのIDに紐づけられたスケジュール情報を特定する。そして、特定したスケジュール情報を第一サーバ10へ送信する(S14)。
【0038】
第二サーバ20によって送信されたスケジュール情報は、第一サーバ10のサーバ通信部13によって取得される。つまり、第一サーバ10は、ステップS13において要求情報が送信されたことに応じて、第二サーバ20からスケジュール情報を取得する。
【0039】
第一サーバ10の情報処理部11は、サーバ通信部13によって取得されたスケジュール情報を第三サーバ30に提供する(S15)。情報処理部11は、具体的には、スケジュール情報をサーバ通信部13に第三サーバ30へ送信させる。
【0040】
なお、同意情報に上述した許可範囲情報が含まれる場合、情報処理部11は、許可範囲情報が示す許可範囲によって定める要件を第三サーバ30が満たすか否かの判定を行い、第三サーバ30が要件を満たすと判定された場合に、スケジュール情報をサーバ通信部13に第三サーバ30へ送信させる。つまり、情報処理部11は、スケジュール情報を、許可範囲が満たす要件を満たす第三サーバ30に提供する。
【0041】
第一サーバ10のサーバ通信部13によって送信されたスケジュール情報は、第三サーバ30によって受信される。第三サーバ30は、スケジュール情報を受信すると、受信されたスケジュール情報と、レコメンドベース情報記憶部31に記憶されたレコメンドベース情報に基づいて、レコメンド情報を生成する(S16)。
【0042】
例えば、第三サーバ30を使用する事業者が旅行事業者である場合、第三サーバ30は、スケジュール情報に基づいて、休日(土曜日、日曜日、及び、祝日)のうちユーザの予定が入力されていない日に提供できる旅行プランを決定し、決定した旅行プランを示すレコメンド情報を生成する。
【0043】
また、例えば、第三サーバ30を使用する事業者が家電機器の製造販売を行う事業者である場合、第三サーバ30は、スケジュール情報に基づいて、家電機器の購入をユーザに促すレコメンド情報を生成する。例えば、スケジュール情報を受け取った時点以降の所定期間内に運動会などのイベントが予定されている場合には、第三サーバ30は、カメラの購入をユーザに促すレコメンド情報を生成する。
【0044】
第三サーバ30は、このようなレコメンド情報を第一サーバ10に送信する(S17)。第三サーバ30によって送信されたレコメンド情報は、第一サーバ10のサーバ通信部13によって取得される。つまり、サーバ通信部13は、ステップS15においてスケジュール情報を提供したことに応じて、ステップS17においてレコメンド情報を第三サーバ30から取得する。その後、第一サーバ10の情報処理部11は、取得されたレコメンド情報を、サーバ通信部13に情報端末40へ送信させる(S18)。
【0045】
サーバ通信部13によって送信されたレコメンド情報は、情報端末40の通信部45によって受信される。情報端末40の制御部43は、通信部45によって受信されたレコメンド情報に基づいてレコメンド画面を表示部42に表示させる(S19)。
図6は、レコメンド画面の一例を示す図である。
【0046】
以上説明したように、レコメンドシステム100は、ユーザの同意を得て取得したスケジュール情報に基づいて、ユーザへ商品またはサービスのレコメンドを行うことができる。つまり、レコメンドシステム100は、適切に取得した個人情報に基づいて、商品またはサービスをレコメンドすることができる。
【0047】
なお、
図4に示されるように、スケジュール情報がユーザの属性情報にも紐づけられている場合、第一サーバ10は、ユーザの同意を得てスケジュール情報及び属性情報を取得し、取得したスケジュール情報及び属性情報を第三サーバ30に提供してもよい。これにより、第三サーバ30は、スケジュール情報及び属性情報に基づいてレコメンド情報を生成することができる。第三サーバ30は、例えば、ユーザの属性情報に応じてレコメンドする商品またはサービスを変更することができる。
【0048】
[動作例2]
動作例1では、レコメンド情報は第三サーバ30によって生成された。しかしながら、レコメンド情報は、第一サーバ10によって生成されてもよい。以下、このようなレコメンドシステム100の動作例2について説明する。
図7は、レコメンドシステム100の動作例2のシーケンス図である。
【0049】
ステップS21~ステップS24の処理は、動作例1のステップS11~ステップS14と同様である。ステップS24の後、第一サーバ10のサーバ通信部13は、第三サーバ30によって送信されるレコメンドベース情報を取得する(S25)。
【0050】
第一サーバ10の情報処理部11は、ステップS24において取得されたスケジュール情報と、ステップS25において取得されたレコメンドベース情報とに基づいて、レコメンド情報を生成する(S26)。レコメンド情報の生成方法は、動作例1と同様である。
【0051】
なお、同意情報に上述した許可範囲情報が含まれる場合、情報処理部11は、許可範囲情報が示す許可範囲(例えば、スケジュール情報の使用目的)によって定まる要件を生成されるレコメンド情報が満たすか否かの判定を行い、要件を満たすと判定された場合にのみレコメンド情報を生成する。その後、情報処理部11は、生成されたレコメンド情報を、サーバ通信部13に情報端末40へ送信させる(S27)。
【0052】
サーバ通信部13によって送信されたレコメンド情報は、情報端末40の通信部45によって受信される。情報端末40の制御部43は、通信部45によって受信されたレコメンド情報に基づいてレコメンド画面を表示部42に表示させる(S28)。
【0053】
以上説明したように、動作例2では、第一サーバ10は、スケジュール情報を他のサーバに送信しない。つまり、動作例2では、レコメンドシステム100は、個人情報の移転回数を抑制することで、より安全に商品またはサービスのレコメンドを行うことができる。
【0054】
なお、
図4に示されるように、スケジュール情報がユーザの属性情報にも紐づけられている場合、第一サーバ10は、ユーザの同意を得てスケジュール情報及び属性情報を取得し、取得したスケジュール情報、属性情報、及び、レコメンドベース情報に基づいてレコメンド情報を生成してもよい。第一サーバ10は、例えば、ユーザの属性情報に応じてレコメンドする商品またはサービスを変更することができる。
【0055】
[変形例]
上記実施の形態では、第二サーバ20は、スケジュール管理アプリを用いたサービスを提供するためのサーバであるとして説明されたが、第二サーバ20は、ユーザの個人情報を保有するサーバであればよく、第二サーバ20がどのようなサービスを提供するためのサーバであるかは特に限定されない。
【0056】
例えば、第二サーバ20は、イーコマースサイトのWebサーバなど、情報端末40へのアプリケーションのインストールを必要としない(言い換えれば、アプリケーションプログラムを介しない)サービスを提供するためのサーバであってもよい。第二サーバ20がイーコマースサイトのWebサーバである場合、ユーザの個人情報は、ユーザの商品の購入履歴情報などである。
【0057】
また、ユーザの個人情報は、例えば、スケジュール情報、及び、購入履歴情報などのユーザがサーバを介したサービス(インターネットを介したサービス)の提供を受けた結果、生成される情報である。しかしながら、ユーザの個人情報は、このような情報に限定されず、ユーザ個人を特定または推定することが可能なその他の情報であってもよい。
【0058】
また、上記実施の形態では、第三サーバ30を使用する事業者(サービスプロバイダ)として、旅行会社が例示された。しかしながら、サービスプロバイダは、保険会社、食品会社、宿泊施設の運営事業者、自治体、家電機器メーカ、医療機関、介護施設の運営事業者、または、健康施設の運営事業者などであってもよい。レコメンドされる商品またはサービスについても特に限定されない。
【0059】
[効果等]
以上説明したように、第一サーバ10によって実行される情報処理方法は、第二サーバ20が保有するユーザの個人情報を第二サーバ20が第一サーバ10に提供することについてユーザが同意したことにより送信された同意情報であって、ユーザが第二サーバ20からサービスの提供を受けるためのIDを含む同意情報を受信する受信ステップ(S12)と、受信された同意情報に基づいて、IDに紐づけられた個人情報の提供を第二サーバ20に要求するための要求情報を送信する要求ステップ(S13)と、要求情報が送信されたことに応じて、第二サーバ20から個人情報を取得する取得ステップ(S14)と、取得された個人情報に基づいて、レコメンド情報を送信する提案ステップ(S18)とを含む。
【0060】
このような情報処理方法によれば、第一サーバ10はユーザの同意を得て第二サーバ20から取得した個人情報に基づいてユーザへのレコメンドを行うことができる。つまり、情報処理方法によれば、第一サーバ10は、適切に取得した個人情報に基づいて、商品またはサービスなどをレコメンドすることができる。
【0061】
また、動作例2では、情報処理方法は、さらに、取得された個人情報に基づいてレコメンド情報を生成する生成ステップ(S26)を含み、提案ステップ(S27)においては、生成されたレコメンド情報を送信する。
【0062】
このような情報処理方法によれば、第一サーバ10は、スケジュール情報を他のサーバに送信せずにレコメンド情報を生成することができる。第一サーバ10は、個人情報の移転回数を抑制することで、より安全に商品またはサービスなどをレコメンドすることができる。
【0063】
また、動作例1では、情報処理方法は、さらに、取得された個人情報を第三サーバ30に提供する情報提供ステップ(S15)と、個人情報を提供したことに応じてレコメンド情報を第三サーバ30から取得するステップ(S17)とを含む。提案ステップ(S18)においては、第三サーバ30から取得したレコメンド情報を送信する。
【0064】
このような情報処理方法によれば、第一サーバ10においてレコメンド情報の生成が行われないため、第一サーバ10は、第一サーバ10における情報処理量を低減しつつ、商品またはサービスなどをレコメンドすることができる。
【0065】
また、例えば、同意情報には、第一サーバ10から他のサーバへの個人情報の提供が許可される許可範囲を示す許可範囲情報が含まれ、情報提供ステップ(S15)においては、取得された個人情報を、許可範囲によって定まる要件を満たす第三サーバ30に提供する。
【0066】
このような情報処理方法によれば、第一サーバ10は要件を満たさないサーバには個人情報を提供しないため、不適切な個人情報の提供が抑制される。
【0067】
また、例えば、上記IDは、ユーザがアプリケーションプログラムを介して第二サーバ20からサービスの提供を受けるためのIDであり、アプリケーションプログラムは、ユーザのスケジュールを管理するためのアプリケーションプログラムであり、個人情報は、ユーザのスケジュール情報である。
【0068】
このような情報処理方法によれば、第一サーバ10はユーザの同意を得て第二サーバ20から取得したスケジュール情報に基づいてユーザへのレコメンドを行うことができる。つまり、情報処理方法によれば、第一サーバ10は、適切に取得したスケジュール情報に基づいて、商品またはサービスなどをレコメンドすることができる。
【0069】
また、例えば、受信ステップ(S12)においては、ユーザが情報端末40を操作することによって情報端末40から送信された同意情報を、第二サーバ20を介さずに受信し、提案ステップ(S18)においては、取得された個人情報に基づいて、情報端末40にレコメンド情報を送信する。
【0070】
このような情報処理方法によれば、第一サーバ10は、情報端末40を介して、同意情報の取得、及び、ユーザへのレコメンドを行うことができる。
【0071】
また、第一サーバ10に相当する情報処理システムは、情報処理システム外の第二サーバ20が保有するユーザの個人情報を第二サーバ20が情報処理システムに提供することについてユーザが同意したことにより送信された同意情報であって、ユーザが第二サーバ20からサービスの提供を受けるためのIDを含む同意情報を受信するサーバ通信部13と、受信された同意情報に基づいて、IDに紐づけられた個人情報の提供を第二サーバ20に要求するための要求情報をサーバ通信部13に送信させる情報処理部11とを備える。サーバ通信部13は、要求情報を送信したことに応じて、第二サーバ20から個人情報を取得し、情報処理部11は、取得された個人情報に基づいて、レコメンド情報をサーバ通信部13に送信させる。
【0072】
このような情報処理システム(第一サーバ10)は、ユーザの同意を得て第二サーバ20から取得した個人情報に基づいてユーザへのレコメンドを行うことができる。つまり、情報処理システムは、適切に取得した個人情報に基づいて、商品またはサービスなどをレコメンドすることができる。
【0073】
また、情報端末40は、第一サーバ10と通信する通信部45と、第二サーバ20が保有するユーザの個人情報を第二サーバ20が第一サーバ10に提供することについてユーザが同意するための操作をユーザから受け付ける操作受付部41と、操作が受け付けられた場合に、ユーザが第二サーバ20からサービスの提供を受けるためのIDを含む同意情報を通信部45に第一サーバ10へ送信させる制御部43とを備える。
【0074】
このような情報端末40は、第一サーバ10が、ユーザの同意を得て第二サーバ20から取得した個人情報に基づいてユーザへのレコメンドを行うことを支援することができる。
【0075】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0076】
例えば、上記実施の形態において、第一サーバ及び第二サーバは、個人情報を送信するときに、個人情報を暗号化して送信してもよい。同様に、第二サーバ、及び、第三サーバは、暗号化された個人情報を受信したときに復号してもよい。
【0077】
また、上記実施の形態では、情報処理システムは、第一サーバに相当する単一の装置として実現されたが、複数の装置(例えば、複数のサーバ)によって実現されてもよい。情報処理システムが複数の装置によって実現される場合、情報処理システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0078】
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
【0079】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0080】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0081】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0082】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0083】
例えば、本発明は、上記実施の形態の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、コンピュータを、上記実施の形態の情報端末として動作させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0084】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
10 第一サーバ(情報処理システム)
11 情報処理部
12 サーバ記憶部(記憶部)
13 サーバ通信部(通信部)
20 第二サーバ
30 第三サーバ
40 情報端末
41 操作受付部
43 制御部
45 通信部