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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】電力変換システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240119BHJP
   H02H 11/00 20060101ALI20240119BHJP
   H02M 3/28 20060101ALI20240119BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240119BHJP
【FI】
H02J7/00 T
H02H11/00 120
H02J7/00 P
H02M3/28 C
B60L3/00 H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021080470
(22)【出願日】2021-05-11
(65)【公開番号】P2022174584
(43)【公開日】2022-11-24
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】白川 隆史
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-040400(JP,A)
【文献】特開2019-213308(JP,A)
【文献】特開2002-010485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02H 11/00
H02M 3/28
B60L 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電部のプラス端子とマイナス端子に接続されるべきプラス端子とマイナス端子を有し、前記プラス端子に接続されたプラス配線と、前記マイナス端子に接続されたマイナス配線との間に、少なくともダイオードが逆向きに接続された接続部と、
前記接続部とケーブルを介して接続され、前記蓄電部に充電する直流電力または前記蓄電部から放電される直流電力の電圧を変換する電力変換部と、
前記蓄電部と前記接続部が非接続の状態で、前記電力変換部から前記接続部に電圧を印加し、電流が流れるか否かを検出することにより、前記ケーブルの誤接続の有無を判定する制御部と、を備えることを特徴とする電力変換システム。
【請求項2】
前記接続部は、前記電力変換部を含む筐体と別の筐体に設けられた端子台であることを特徴とする請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項3】
前記接続部は、電動車に接続するための充放電ケーブルアセンブリのコネクタ部であることを特徴とする請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項4】
前記電力変換部の前記ケーブルが接続される側のプラス配線、前記電力変換部の前記ケーブルが接続される側のマイナス配線、又は当該プラス配線と当該マイナス配線の両方に挿入されるスイッチをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換システム。
【請求項5】
前記スイッチと並列に突入電流防止回路をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の電力変換システム。
【請求項6】
前記突入電流防止回路は、直列接続された機械スイッチと抵抗、又は直列接続された半導体スイッチと抵抗を含むことを特徴とする請求項5に記載の電力変換システム。
【請求項7】
前記突入電流防止回路は、前記電力変換部を含む筐体内に設けられることを特徴とする請求項5又は6に記載の電力変換システム。
【請求項8】
前記電力変換部の前記ケーブルが接続される側のプラス配線、又は前記電力変換部の前記ケーブルが接続される側のマイナス配線に設置された電流センサをさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電力変換システム。
【請求項9】
前記抵抗の両端電圧を計測する電圧センサをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の電力変換システム。
【請求項10】
前記抵抗の近傍に設置された温度センサをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の電力変換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電部とケーブルを介して接続される電力変換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)等の電動車が普及するにつれ、電動車を家庭用の電力供給源として利用するためのV2H(Vehicle to Home)機器の需要が高まっている。V2H機器のシステム構成の1つとして、V2Hコンバータと、充放電ケーブルアセンブリを有する充放電スタンドを分離することが考えられる。
【0003】
V2Hコンバータと充放電スタンド(以降、分離スタンドと表現する)間を直流配線で接続する場合、施工業者がプラス端子とマイナス端子を逆に接続する可能性がある。特に、現地調達の直流配線を利用する場合、誤接続する可能性が高まる。また、充放電ケーブルアセンブリは消耗品のため交換修理することがあり、修理の際に誤接続をする可能性がある。逆極性保護に関する技術として例えば、特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2019-509009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
直流配線のプラス端子とマイナス端子の逆接続の施工ミスは、電動車を接続して実際に運転するまでは分からない。逆接続されたまま運転が開始されると、電動車からV2Hコンバータのスイッチング素子の還流ダイオードを通じて短絡電流が流れる。短絡電流が流れる経路上にある部品に不具合を引き起こす可能性がある。例えば、車両側のコンタクタが溶着する可能性がある。
【0006】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、誤配線を事前に簡単に検出することができる電力変換システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の電力変換システムは、蓄電部のプラス端子とマイナス端子に接続されるべきプラス端子とマイナス端子を有し、前記プラス端子に接続されたプラス配線と、前記マイナス端子に接続されたマイナス配線との間に、少なくともダイオードが逆向きに接続された接続部と、前記接続部とケーブルを介して接続され、前記蓄電部に充電する直流電力または前記蓄電部から放電される直流電力の電圧を変換する電力変換部と、前記蓄電部と前記接続部が非接続の状態で、前記電力変換部から前記接続部に電圧を印加し、電流が流れるか否かを検出することにより、前記ケーブルの誤接続の有無を判定する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、誤配線を事前に簡単に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る車両用電力変換システムを説明するための図である。
図2図1の電力変換装置と分離スタンドの構成例を示す図である。
図3】実施の形態に係る、接続テストの流れを示すフローチャートである。
図4】接続テストにおいて、直流ケーブルの接続が正常な場合の回路状態を示す図である。
図5】接続テストにおいて、直流ケーブルの接続が異常な場合の回路状態を示す図である。
図6図6(a)-(b)は、コンバータ回路の変形例を示す図である。
図7図7(a)-(c)は、第1リレーRYの設置位置のバリエーションを示す図である。
図8図8(a)-(d)は、突入電流防止回路のバリエーションを示す図である。
図9図9(a)-(d)は、誤配線検出回路のバリエーションを示す図である。
図10】電流センサIsの検出位置のバリエーションを示す図である。
図11】電圧センサVsの検出位置のバリエーションを示す図である。
図12】温度センサTsの検出位置のバリエーションを示す図である。
図13】車両用電力変換システムの変形例を示す図である。
図14図6図13に示したバリエーションを表にまとめた図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、実施の形態に係る車両用電力変換システム1を説明するための図である。図1に示す車両用電力変換システム1は、住宅に既設の電力変換システム5の直流バスBdcに後付けされて設置される。
【0011】
既設の電力変換システム5は、太陽光発電システム用のパワーコンディショナである。電力変換システム5は、DC/DCコンバータ51、インバータ52、及び制御部53を備える。
【0012】
太陽電池6は光起電力効果を利用し、光エネルギーを直接、直流電力に変換する発電装置である。太陽電池6として、シリコン太陽電池、化合物半導体などを素材にした太陽電池、色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池などが使用される。太陽電池6は、DC/DCコンバータ51と接続され、発電した電力を電力変換システム5に出力する。
【0013】
DC/DCコンバータ51は、太陽電池6と直流バスBdcとの間に接続され、太陽電池6から出力される直流電力の電圧を調整可能なコンバータである。DC/DCコンバータ51は例えば、昇圧チョッパで構成することができる。DC/DCコンバータ51は基本制御として、太陽電池6の出力電力が最大になるようにMPPT(Maximum Power Point Tracking) 制御する。
【0014】
インバータ52は、直流バスBdcと分電盤3との間に接続される双方向インバータである。インバータ52は、直流バスBdcから入力される直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を分電盤3に出力することができる。分電盤3には、商用電力系統(以下、単に系統2という)が接続される。分電盤3には負荷4が接続される。負荷4は宅内の負荷の総称である。インバータ52は、系統2から分電盤3を介して供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を直流バスBdcに出力することもできる。制御部53は電力変換システム5全体を統括的に制御する。
【0015】
なお、電力変換システム5は、定置型蓄電システム用のパワーコンディショナであってもよい。その場合、太陽電池6の代わりに定置型蓄電池が設置され、DC/DCコンバータ51には双方向DC/DCコンバータが使用される。また、電力変換システム5は、太陽光発電システムと定置型蓄電システムをハイブリッド化したパワーステーションであってもよい。
【0016】
車両用電力変換システム1は、電力変換装置10、制御部20、分離スタンド30、充放電ケーブルアセンブリ50を備える。電力変換装置10と分離スタンド30は直流ケーブル40で接続される。
【0017】
電力変換装置10は双方向型のDC/DCコンバータである。電力変換装置10の筐体サイズは大きく、電動車7の駐車場の近くに十分な設置スペースを確保することが難しい場合がある。そこで本実施の形態では、充放電ケーブルアセンブリ50を接続するための端子台の機能を分離した分離スタンド30を別の筐体で構成し、分離スタンド30のみを駐車場の近くに設置する。電力変換装置10は宅内、又は宅外の駐車場から離れた位置に設置する。従って、分離スタンド30と電力変換装置10間を長い直流ケーブル40で接続する必要がある。
【0018】
充放電ケーブルアセンブリ50の先端には充放電コネクタ50aが取り付けられており、ユーザが充放電コネクタ50aを電動車7のインレットに差し込むことにより、車両用電力変換システム1と電動車7が接続される。
【0019】
電力変換装置10の一端は充放電ケーブルアセンブリ50を介して電動車7に接続され、電力変換装置10の他端は電力変換システム5の直流バスBdcに接続される。電力変換装置10は、系統2からインバータ52を介して、又は太陽電池6からDC/DCコンバータ51を介して供給される直流電力を、電動車7に搭載された蓄電部に充電することができる。また電力変換装置10は、電動車7に搭載された蓄電部から放電される直流電力を、インバータ52を介して分電盤3に供給することができる。電力変換装置10は、電動車7に搭載された蓄電部を充放電する際、直流電力の電圧を昇圧又は降圧することができる。
【0020】
電動車7に搭載された蓄電部は、複数のセルを含む充放電可能な蓄電部であり、主に走行用モータを駆動するための電源として使用される。セルには、リチウムイオン電池セル、ニッケル水素電池セル、電気二重層キャパシタセル、リチウムイオンキャパシタセルなどを用いることができる。
【0021】
制御部20は車両用電力変換システム1全体を統括的に制御する。車両用電力変換システム1の制御部20と、電力変換システム5の制御部53の間は通信線で接続される。
【0022】
車両用電力変換システム1の制御部20、及び電力変換システム5の制御部53はそれぞれ、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、又はハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源としてアナログ素子、マイクロコントローラ、DSP、ROM、RAM、ASIC、FPGA、その他のLSIを利用できる。ソフトウェア資源として、ファームウェアなどのプログラムを利用できる。
【0023】
図2は、図1の電力変換装置10と分離スタンド30の構成例を示す図である。電力変換装置10は、コンバータ回路11、フルブリッジ回路12、絶縁トランスTR1、第1コンデンサC1、第2コンデンサC2、第1リレーRY1、突入電流防止回路13、及び電流センサIs1を備える。
【0024】
コンバータ回路11の分離スタンド30側のプラス配線とマイナス配線間に、平滑用の第1コンデンサC1が接続される。フルブリッジ回路12の直流バスBdc側のプラス配線とマイナス配線間に、平滑用の第2コンデンサC2が接続される。第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2には例えば、電解コンデンサが使用される。
【0025】
図2では、コンバータ回路11にフルブリッジ回路を使用する例を示している。コンバータ回路11は、第1スイッチング素子S1と第2スイッチング素子S2が直列接続された第1アームと、第3スイッチング素子S3と第4スイッチング素子S4が直列接続された第2アームが並列接続されて構成される。第1アームの中点と第2アームの中点が、絶縁トランスTR1の一次巻線n1の両端にそれぞれ接続される。
【0026】
コンバータ回路11は、電動車7に搭載された蓄電部から供給される直流電圧を交流電圧に変換して、絶縁トランスTR1の一次巻線n1に出力することができる。またコンバータ回路11は、絶縁トランスTR1の一次巻線n1から供給される交流電圧を直流電圧に変換して、電動車7に搭載された蓄電部に出力することができる。
【0027】
フルブリッジ回路12は、第5スイッチング素子S5と第6スイッチング素子S6が直列接続された第3アームと、第7スイッチング素子S7と第8スイッチング素子S8が直列接続された第4アームが並列接続されて構成される。第3アームの中点と第4アームの中点が、絶縁トランスTR1の二次巻線n2の両端にそれぞれ接続される。
【0028】
フルブリッジ回路12は、直流バスBdcから供給される直流電圧を交流電圧に変換して、絶縁トランスTR1の二次巻線n2に出力することができる。またフルブリッジ回路12は、絶縁トランスTR1の二次巻線n2から供給される交流電圧を直流電圧に変換して、直流バスBdcに出力することができる。
【0029】
第1スイッチング素子S1-第8スイッチング素子S8にはそれぞれ、還流ダイオードが逆並列に接続または形成される。第1スイッチング素子S1-第8スイッチング素子S8には例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を使用できる。IGBTが使用される場合、第1スイッチング素子S1-第8スイッチング素子S8のエミッタ・コレクタ間に外付けのダイオード素子が還流ダイオードとしてそれぞれ接続される。MOSFETが使用される場合、第1スイッチング素子S1-第8スイッチング素子S8のソース・ドレイン間にそれぞれ形成される寄生ダイオードを還流ダイオードとして使用してもよい。
【0030】
直流ケーブル40のプラス配線40pが接続されるプラス端子と、コンバータ回路11との間のプラス配線に第1リレーRY1が挿入される。第1リレーRY1と並列に突入電流防止回路13が接続される。図2では、突入電流防止回路13は、直列接続された第2リレーRY2と第2抵抗R2で構成される。第1リレーRY1とコンバータ回路11との間のプラス配線に電流センサIs1が設置される。電流センサIs1には例えば、CTセンサを使用することができる。
【0031】
分離スタンド30は、電動車7と接続するための充放電ケーブルアセンブリ50が接続されるべき第1プラス端子と第1マイナス端子を有し、充放電ケーブルアセンブリ50の端子台として機能する。また分離スタンド30は、電力変換装置10と接続するための直流ケーブル40が接続されるべき第2プラス端子と第2マイナス端子を有する。第1プラス端子と第2プラス端子間がプラス配線で接続され、第1マイナス端子と第2マイナス端子間がマイナス配線で接続される。
【0032】
更に実施の形態では、分離スタンド30は、内部のプラス配線とマイナス配線間に誤配線検出回路31を含む。図2では、誤配線検出回路31は、直列接続されたダイオードD1と第1抵抗R1で構成される。ダイオードD1のカソードがプラス配線に接続され、アノードが第1抵抗R1を介してマイナス配線に接続される。
【0033】
施工業者が車両用電力変換システム1を設置する際、電力変換装置10と分離スタンド30をそれぞれ所定の位置に設置し、電力変換装置10と分離スタンド30を直流ケーブル40で接続する。その際、直流ケーブル40のプラス配線40pの一端を電力変換装置10の車両側のプラス端子に接続し、他端を分離スタンド30の第2プラス端子に接続し、直流ケーブル40のマイナス配線40nの一端を電力変換装置10の車両側のマイナス端子に接続し、他端を分離スタンド30の第2マイナス端子に接続する必要がある。
【0034】
しかしながら、施工業者が入れ子に誤配線する可能性がある。即ち、電力変換装置10の車両側のプラス端子と分離スタンド30の第2マイナス端子間を直流ケーブル40のプラス配線40p又はマイナス配線40nで接続し、電力変換装置10の車両側のマイナス端子と分離スタンド30の第2プラス端子間を直流ケーブル40のマイナス配線40n又はプラス配線40pで接続する可能性がある。特に、現地調達の直流ケーブル40を利用する場合、現地で配線加工するためマーキングミスなどのヒューマンエラーが起こり得るので、誤配線が生じやすい。
【0035】
直流ケーブル40の極性が逆に接続された状態で、充放電ケーブルアセンブリ50が電動車7に接続されると、電動車7に搭載された蓄電部の正極がコンバータ回路11のローサイドに接続され、蓄電部の負極がコンバータ回路11のハイサイドに接続されることになる。この場合、充放電ケーブルアセンブリ50の接続時に、コンバータ回路11の還流ダイオードを通じて大電流が流れることになる。この大電流により、電動車7内のコンタクタが溶着するなどの部品の不具合が発生する可能性がある。
【0036】
本実施の形態ではこの対策として、分離スタンド30内に誤配線検出回路31を設け、施工業者が電力変換装置10と分離スタンド30間を直流ケーブル40で接続した後に、誤配線の有無を確認するための接続テストを行う。
【0037】
図3は、実施の形態に係る、接続テストの流れを示すフローチャートである。接続テストは、分離スタンド30に充放電ケーブルアセンブリ50が非接続の状態で行われる。施工業者又はユーザにより接続テスト(試運転)の操作が実行されると、制御部20は電力変換装置10から分離スタンド30に所定の直流電圧を印加するように制御する(S10)。具体的には制御部20は、通信線を介して制御部53に直流電圧の電圧指令値を送信する。制御部53は、直流バスBdcの電圧が当該電圧指令値になるように、インバータ52を制御する。
【0038】
分離スタンド30に直流電圧が印加された状態で、制御部20は電流センサIs1から電流の計測値を取得する(S11)。制御部20は、電流が流れている場合(S12のN)、直流ケーブル40の接続を異常と判定し(S13)、電流が流れていない場合(S12のY)、正常と判定する(S14)。
【0039】
図4は、接続テストにおいて、直流ケーブル40の接続が正常な場合の回路状態を示す図である。図5は、接続テストにおいて、直流ケーブル40の接続が異常な場合の回路状態を示す図である。制御部53は直流ケーブル40の接続テストを実行する際、制御部53に直流電圧の電圧指令値を送信するとともに、第1スイッチング素子S1、第4スイッチング素子S4、第5スイッチング素子S5、第8スイッチング素子S8及び第2リレーRY2をターンオンさせる。
【0040】
図4に示すように、直流ケーブル40が正常に接続されている場合、分離スタンド30に直流電圧が印加されても、ダイオードD1が導通せず電流が流れない。一方、図5に示すように、直流ケーブル40が誤接続されている場合、分離スタンド30に直流電圧が印加されると、ダイオードD1が導通し電流が流れる。
【0041】
図6(a)-(b)は、コンバータ回路11の変形例を示す図である。図6(a)は、コンバータ回路11にバックコンバータ回路を使用する例を示している。電動車7に搭載された蓄電部の電圧が直流バスBdcの電圧に対して常に高い状態にある場合、図2に示したフルブリッジ回路ではなく、バックコンバータ回路を使用することができる。
【0042】
バックコンバータ回路は、分離スタンド30に繋がるプラス配線とマイナス配線間に、直列接続された第1スイッチング素子S1と第2スイッチング素子S2を有し、更に第1スイッチング素子S1と第2スイッチング素子S2間の中点と、絶縁トランスTR1の一次巻線n1の一端との間にインダクタL1を有する。一次巻線n1の他端は、分離スタンド30に繋がるマイナス配線に接続される。
【0043】
バックコンバータ回路は、電動車7に搭載された蓄電部から供給される直流電圧を降圧しつつ交流電圧に変換して、絶縁トランスTR1の一次巻線n1に出力することができる。またバックコンバータ回路は、絶縁トランスTR1の一次巻線n1から供給される交流電圧を昇圧しつつ直流電圧に変換して、電動車7に搭載された蓄電部に出力することができる。
【0044】
図6(b)は、コンバータ回路11にブーストコンバータ回路を使用する例を示している。電動車7に搭載された蓄電部の電圧が、直流バスBdcの電圧に対して常に低い状態にある場合、図2に示したフルブリッジ回路ではなく、ブーストコンバータ回路を使用することができる。
【0045】
ブーストコンバータ回路は、絶縁トランスTR1の一次巻線n1の両端間に、直列接続された第1スイッチング素子S1と第2スイッチング素子S2を有し、更に第1スイッチング素子S1と第2スイッチング素子S2間の中点と、分離スタンド30に繋がるプラス配線との間にインダクタL1を有する。第2スイッチング素子S2のローサイドの端子は、分離スタンド30に繋がるマイナス配線に接続される。
【0046】
ブーストコンバータ回路は、電動車7に搭載された蓄電部から供給される直流電圧を昇圧しつつ交流電圧に変換して、絶縁トランスTR1の一次巻線n1に出力することができる。またブーストコンバータ回路は、絶縁トランスTR1の一次巻線n1から供給される交流電圧を降圧しつつ直流電圧に変換して、電動車7に搭載された蓄電部に出力することができる。
【0047】
図7(a)-(c)は、第1リレーRY1の設置位置のバリエーションを示す図である。図7(a)は、第1リレーRY1を、直流ケーブル40のプラス配線40pが接続される電力変換装置10のプラス端子と、コンバータ回路11との間のプラス配線に挿入した例(図2に示した例)である。図7(b)は、第1リレーRY1を、直流ケーブル40のマイナス配線40nが接続される電力変換装置10のプラス端子と、コンバータ回路11との間のマイナス配線に挿入した例である。図7(c)は、第1リレーRY1を、電力変換装置10の当該プラス配線と当該マイナス配線の両方に挿入した例である。
【0048】
図8(a)-(d)は、突入電流防止回路13のバリエーションを示す図である。図8(a)-(b)は、突入電流防止回路13を、直列接続された第2リレーRY2と第2抵抗R2で構成する例である。第2リレーRY2と第2抵抗R2の順番は任意である。図8(a)に示すように第2リレーRY2が分離スタンド30側で第2抵抗R2がコンバータ回路11側であってもよいし、図8(b)に示すように第2抵抗R2が分離スタンド30側で第2リレーRY2がコンバータ回路11側であってもよい。なお、第2リレーRY2の代わりに別の機械スイッチを使用してもよい。例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems )スイッチを使用してもよい。
【0049】
図8(c)-(d)は、突入電流防止回路13を、直列接続された第1のMOSFET(M1)、第2のMOSFET(M2)、及び第2抵抗R2で構成する例である。第1のMOSFET(M1)と第2のMOSFET(M2)は逆向きに接続される。第1のMOSFET(M1)、第2のMOSFET(M2)、及び第2抵抗R2の順番は任意である。図8(c)に示す例では、第1のMOSFET(M1)と第2のMOSFET(M2)の寄生ダイオードのアノード同士が向き合うように接続される。図8(d)に示す例では、第1のMOSFET(M1)と第2のMOSFET(M2)の寄生ダイオードのカソード同士が向き合うように接続される。なお、MOSFET以外の半導体スイッチを使用してもよい。例えば、IGBTを使用してもよい。
【0050】
なお、分離スタンド30の誤配線検出回路31に第1抵抗R1が接続されている場合は、電力変換装置10から突入電流防止回路13を省略することも可能である。
【0051】
図9(a)-(d)は、誤配線検出回路31のバリエーションを示す図である。図9(a)-(b)は、誤配線検出回路31を、直列接続されたダイオードD1と第1抵抗R1で構成する例である。ダイオードD1と第1抵抗R1の順番は任意である。図9(a)に示すようにダイオードD1がプラス配線側で第1抵抗R1がマイナス配線側であってもよいし、図9(b)に示すように第1抵抗R1がプラス配線側でダイオードD1がマイナス配線側であってもよい。
【0052】
図9(c)は、誤配線検出回路31をダイオードD1のみで構成する例である。電力変換装置10に突入電流防止回路13が設けられる場合は、誤配線検出回路31から第1抵抗R1を省略することも可能である。
【0053】
図9(d)は、誤配線検出回路31を、直列接続されたダイオードD1とヒューズF1で構成する例である。プラス配線とマイナス配線間に単一部品のみを配置することが禁止されている規格を採用する場合、ダイオードD1と直列に別の素子を接続する必要がある。図9(d)に示すように第1抵抗R1の代わりに、ヒューズF1を接続してもよい。また、プラス配線とマイナス配線間に2つ以上のダイオードを直列に接続してもよい。
【0054】
図10は、電流センサIsの検出位置のバリエーションを示す図である。図10では電流センサIsの11箇所の検出位置を示している。
(1)第1リレーRY1とコンバータ回路11のハイサイドとの間(Is1)
(2)スタンド接続側のプラス端子と第1リレーRY1の間(Is2)
(3)スタンド接続側のマイナス端子とコンバータ回路11のローサイドとの間(Is3)
(4)誤配線検出回路31とコンバータ接続側のプラス端子の間(Is4)
(5)誤配線検出回路31とコンバータ接続側のマイナス端子の間(Is5)
(6)コンバータ回路11の第1アームと絶縁トランスTR1の一次巻線n1の間(Is6)
(7)コンバータ回路11の第2アームと絶縁トランスTR1の一次巻線n1の間(Is7)
(8)フルブリッジ回路12のハイサイドとバス側プラス端子の間(Is8)
(9)フルブリッジ回路12のローサイドとバス側マイナス端子の間(Is9)
(10)絶縁トランスTR1の二次巻線n2とフルブリッジ回路12の第3アームとの間(Is10)
(11)絶縁トランスTR1の二次巻線n2とフルブリッジ回路12の第4アームとの間(Is11)
【0055】
接続テスト用の直流電圧が印加された際、正常配線なら電流は流れない。誤配線なら、検出位置(1)-(7)では、印加された直流電圧を(第1抵抗R1+第2抵抗R2)で割った値の電流が流れる。検出位置(8)-(11)では、誤配線時に流れる電流は、(第1抵抗R1+第2抵抗R2)以外に、直流バスBdcの電圧および絶縁トランスTR1の巻数比の影響も受ける。
【0056】
最も望ましい検出位置は(1)である。地絡検出回路の影響を避けつつ、コンバータ回路11の入出力電流を正確に検出することができる。次に望ましい検出位置は(2)、(3)である。次に望ましい検出位置は(4)、(5)である。分離スタンド30に制御系を持たせず、分離スタンド30を簡素に構成する観点からは、(4)、(5)より(2)、(3)の方が望ましい。
【0057】
図11は、電圧センサVsの検出位置のバリエーションを示す図である。図11では電圧センサVsの3箇所の検出位置を示している。
(1)ダイオードD1の両端(Vs1)
(2)第1抵抗R1の両端(Vs2)
(3)第2抵抗R2の両端(Vs3)
【0058】
接続テスト用の直流電圧が印加された際、検出位置(1)では、正常配線なら印加された電圧が検出され、誤配線ならダイオードD1の順方向電圧Vfが検出される。検出位置(2)では、正常配線なら電圧が検出されず、誤配線なら(電流×R1)の電圧が検出される。検出位置(3)では、正常配線なら電圧が検出されず、誤配線なら(電流×R2)の電圧が検出される。分離スタンド30に制御系を持たせず、分離スタンド30を簡素に構成する観点から、検出位置(3)が最も望ましい。
【0059】
図12は、温度センサTsの検出位置のバリエーションを示す図である。温度センサTsにはサーミスタや熱電対を使用することができる。図12では温度センサTsの6箇所の検出位置を示している。
(1)ダイオードD1(Ts1)
(2)第1抵抗R1(Ts2)
(3)第2抵抗R2(Ts3)
(4)コンバータ回路11(Ts4)
(5)絶縁トランスTR1(Ts5)
(6)フルブリッジ回路12(Ts6)
【0060】
(1)ダイオードD1は、順方向電流If×順方向電圧Vfが損失となるため、電流が流れた際の温度上昇速度が早い。(2)第1抵抗R1は、I×R1が損失となるため、電流が流れた際の温度上昇速度が早い。(3)第2抵抗R2は、I×R2が損失となるため、電流が流れた際の温度上昇速度が早い。
【0061】
(4)コンバータ回路11は、スイッチング素子の種類によって損失の算出方法が異なるが、一般的に最大負荷を想定して放熱対策がなされているため、最大電流を流さない限り温度上昇速度は遅い。(5)絶縁トランスTR1は、一般的に最大負荷を想定して放熱対策がなされているため、最大電流を流さない限り温度上昇速度は遅い。(6)フルブリッジ回路12は、スイッチング素子の種類によって損失の算出方法が異なるが、一般的に最大負荷を想定して放熱対策がなされているため、最大電流を流さない限り温度上昇速度は遅い。
【0062】
なお、リレー、コンデンサ、端子台なども温度上昇が生じる部品であるが、(4)-(6)の部品よりも更に損失が小さいため、温度上昇速度が更に遅い。リレー、コンデンサ、端子台は、積極的に損失を低減するよう設計されている。
【0063】
分離スタンド30に制御系を持たせず、分離スタンド30を簡素に構成する観点から、(3)第2抵抗R2の温度を検出することが最も望ましい。なお、第2抵抗R2の値より第1抵抗R1の値が大きい場合は、(2)第1抵抗R1の温度を検出することの方が望ましい。
【0064】
以上の説明では、誤配線検出回路31を分離スタンド30内に設ける例を説明した。この点、誤配線検出回路31を、充放電ケーブルアセンブリ50の充放電コネクタ50a内に設けてもよい。
【0065】
図13は、車両用電力変換システム1の変形例を示す図である。変形例では分離スタンド30が設けられず、充放電ケーブルアセンブリ50が電力変換装置10の車両側のプラス端子とマイナスに直接接続される。充放電コネクタ50a内のプラス配線とマイナス配線間に、誤配線検出回路31が接続される。CHAdeMO(登録商標)の場合、黒と白の電源線間に誤配線検出回路31が接続される。図13に示す変形例では、接続テストは、充放電ケーブルアセンブリ50が電力変換装置10の端子に接続され、かつ電動車7のインレットに接続されていない状態で行われる。
【0066】
図14は、図6図13に示したバリエーションを表にまとめた図である。電流センサ、電圧センサ、温度センサは少なくとも1つ設置されればよい。例えば、電流センサと電圧センサを設置してもよいし、電流センサと温度センサを設置してもよいし、いずれか1つのみを設置してもよい。
【0067】
以上説明したように本実施の形態によれば、電力変換装置10と分離スタンド30間の直流ケーブル40の誤配線を事前に簡単に検出することができる。分離スタンド30を設けることにより、駐車場の近辺に大型の筐体を設置するスペースを確保する必要がなくなり、小型の分離スタンド30を設置するスペースを確保するだけで足りる。分離スタンド30には、少なくともダイオードD1を含む受動素子を配置するだけでよく、電流計測のための制御機能を搭載する必要はない。従って、分離スタンド30を小型で簡素に構成することができる。
【0068】
また、事前に接続テストを行うことにより、施工業者が直流ケーブル40のプラス端子とマイナス端子を逆に接続する施工ミスを検出することができる。これにより、直流ケーブル40が逆接続されたまま電動車7のインレットに充放電ケーブルアセンブリ50が差し込まれた際に、コンバータ回路11の還流ダイオードを通じて短絡電流が流れることを防止することができる。
【0069】
また、充放電ケーブルアセンブリ50の充放電コネクタ50a内に誤配線検出回路31を設けることにより、電力変換装置10に接続される充放電ケーブルアセンブリ50の誤配線を、事前に簡単に検出することができる。これにより、充放電ケーブルアセンブリ50が電力変換装置10に逆接続されたまま、電動車7のインレットに差し込まれた際に、コンバータ回路11の還流ダイオードを通じて短絡電流が流れることを防止することができる。
【0070】
充放電コネクタ50aは消耗品であり、交換修理することがある。充放電コネクタ50a内に誤配線検出回路31を設けることにより、充放電コネクタ50aの交換修理の作業時における誤配線も簡単に検出することができる。
【0071】
以上、本開示を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0072】
車両用電力変換システム1はインバータを更に含み、既設の電力変換システム5と連携せずに直接、分電盤3に接続される構成であってもよい。また車両用電力変換システム1は、電動車7への充電のみに対応するシステムであってもよい。その場合、電力変換装置10は、宅内から電動車7への単方向の電力変換装置10となる。
【0073】
また電動車7は、電動バイク(電動スクータ)や電動自転車であってもよい。また、ゴルフカート、ショッピングモールやエンタテイメント施設で使用されるランドカー等の低速の電気自動車であってもよい。
【0074】
また蓄電部は電動車7に搭載されたものでなく、定置されたものであってもよい。蓄電部と電力変換装置10が離れた位置に設置される場合、本開示を適用可能である。
【0075】
なお、実施の形態は、以下の項目によって特定されてもよい。
【0076】
[項目1]
蓄電部(7)のプラス端子とマイナス端子に接続されるべきプラス端子とマイナス端子を有し、前記プラス端子に接続されたプラス配線と、前記マイナス端子に接続されたマイナス配線との間に、少なくともダイオード(D1)が逆向きに接続された接続部(30)と、
前記接続部(30)とケーブル(40)を介して接続され、前記蓄電部(7)に充電する直流電力または前記蓄電部(7)から放電される直流電力の電圧を変換する電力変換部(10)と、
前記蓄電部(7)と前記接続部(30)が非接続の状態で、前記電力変換部(10)から前記接続部(30)に電圧を印加し、電流が流れるか否かを検出することにより、前記ケーブル(40)の誤接続の有無を判定する制御部(20)と、
を備えることを特徴とする電力変換システム(1)。
これによれば、電力変換部(10)と接続部(30)間のケーブル(40)の誤配線を事前に簡単に検出することができる。
[項目2]
前記接続部(30)は、前記電力変換部(10)を含む筐体と別の筐体に設けられた端子台であることを特徴とする項目1に記載の電力変換システム(1)。
これによれば、端子台を電力変換部(10)と別に設けることにより、蓄電部(7)の近辺に大型の筐体を設置するスペースを確保する必要がなくなる。
[項目3]
前記接続部(30)は、電動車(7)に接続するための充放電ケーブルアセンブリ(50)のコネクタ部(50a)であることを特徴とする項目1に記載の電力変換システム(1)。
これによれば、電力変換装部(10)に接続される充放電ケーブルアセンブリ(50)の誤配線を、事前に簡単に検出することができる。
[項目4]
前記電力変換部(10)の前記ケーブル(40)が接続される側のプラス配線、前記電力変換部(10)の前記ケーブル(40)が接続される側のマイナス配線、又は当該プラス配線と当該マイナス配線の両方に挿入されるスイッチ(RY1)をさらに備えることを特徴とする項目1又は2に記載の電力変換システム(1)。
これによれば、蓄電部(7)と電力変換部(10)が物理的に接続された状態で、電力変換部(10)側で電気的に切り離すことができる。
[項目5]
前記スイッチ(RY1)と並列に突入電流防止回路(13)をさらに備えることを特徴とする項目4に記載の電力変換システム(1)。
これによれば、規格上の安全基準を満たすことができる。
[項目6]
前記突入電流防止回路(13)は、直列接続された機械スイッチ(RY2)と抵抗(R2)、又は直列接続された半導体スイッチ(M1、M2)と抵抗(R2)を含むことを特徴とする項目5に記載の電力変換システム(1)。
これによれば、抵抗(R2)により突入電流を制限することができる。
[項目7]
前記突入電流防止回路(13)は、前記電力変換部(10)を含む筐体内に設けられることを特徴とする項目5又は6に記載の電力変換システム(1)。
これによれば、接続部(30)の構成を簡素化することができる。
[項目8]
前記電力変換部(10)の前記ケーブル(40)が接続される側のプラス配線、又は前記電力変換部(10)の前記ケーブル(40)が接続される側のマイナス配線に設置された電流センサ(Is)をさらに備えることを特徴とする項目1から7のいずれか1項に記載の電力変換システム(1)。
これによれば、接続部(30)の構成を簡素にしつつ、接続テスト時に電流が流れているか否かを検出することができる。
[項目9]
前記抵抗(R2)の両端電圧を計測する電圧センサ(Vs)をさらに備えることを特徴とする項目6に記載の電力変換システム(1)。
これによれば、接続部(30)の構成を簡素にしつつ、接続テスト時に電圧をもとに電流が流れているか否かを検出することができる。
[項目10]
前記抵抗(R2)の近傍に設置された温度センサ(Ts)をさらに備えることを特徴とする項目6に記載の電力変換システム(1)。
これによれば、接続部(30)の構成を簡素にしつつ、接続テスト時に温度変化をもとに電流が流れているか否かを検出することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 車両用電力変換システム、 2 系統、 3 分電盤、 4 負荷、 5 電力変換システム、 51 DC/DCコンバータ、 52 インバータ、 53 制御部、 Bdc 直流バス、 6 太陽電池、 7 電動車、 10 電力変換装置、 11 コンバータ回路、 12 フルブリッジ回路、 13 突入電流防止回路、 S1-S8 スイッチング素子、 TR1 絶縁トランス、 n1 一次巻線、 n2 二次巻線、 C1 第1コンデンサ、 C2 第2コンデンサ、 L1 インダクタ、 D1 ダイオード、 R1 第1抵抗、 R2 第2抵抗、 RY1 第1リレー、 RY2 第2リレー、 M1 第1のMOSFET、 M2 第2のMOSFET、 F1 ヒューズ、 20 制御部、 30 分離スタンド、 31 誤配線検出回路、 40 直流ケーブル、 50 充放電ケーブルアセンブリ、 50a 充放電コネクタ、 Is 電流センサ、 Vs 電圧センサ、 Ts 温度センサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14