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  • 特許-部品実装基板及びタイムスイッチ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】部品実装基板及びタイムスイッチ
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/12 20060101AFI20240119BHJP
   G04G 15/00 20060101ALI20240119BHJP
   G04G 17/08 20060101ALI20240119BHJP
   H01H 43/02 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
H05K7/12 P
G04G15/00 K
G04G17/08
H01H43/02 D
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018218505
(22)【出願日】2018-11-21
(65)【公開番号】P2020088099
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-08-10
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渕本 美布佑
【審査官】黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-170337(JP,A)
【文献】特開2000-187089(JP,A)
【文献】特開2012-004814(JP,A)
【文献】特開2013-055251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/12
G04G 15/00
G04G 17/08
H01H 43/02
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に実装された第1の電子部品と、
前記第1の電子部品に固定された緩衝部材と、
前記緩衝部材に載せ置かれた第2の電子部品と、を備え、
前記第1の電子部品、前記緩衝部材及び前記第2の電子部品は、前記基板の厚さ方向において前記基板、前記第1の電子部品、前記緩衝部材及び前記第2の電子部品の順に並ぶように前記基板に積み重なっており、
前記基板のうち前記第1の電子部品が配置されている一の面と、前記緩衝部材のうち前記基板の前記厚さ方向に沿った面と、前記第2の電子部品のうち前記基板の前記一の面に対向する面と、により3方を囲まれた流路を更に備える、
部品実装基板。
【請求項2】
前記第2の電子部品は、ガラスを材料として形成されたディスプレイである、
請求項1に記載の部品実装基板。
【請求項3】
前記基板の前記厚さ方向から見て、前記緩衝部材の面積は、前記第2の電子部品の面積よりも小さい、
請求項1又は2に記載の部品実装基板。
【請求項4】
前記基板の前記厚さ方向から見て、前記緩衝部材の外縁は、前記第2の電子部品の外縁よりも内側に位置する、
請求項3に記載の部品実装基板。
【請求項5】
前記基板の前記厚さ方向から見て、前記緩衝部材の外縁の形状は、前記第1の電子部品の外縁の形状に沿っている、
請求項1~4のいずれか一項に記載の部品実装基板。
【請求項6】
前記緩衝部材は、内部に複数の気泡を有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の部品実装基板。
【請求項7】
前記緩衝部材は、前記基板の前記厚さ方向に圧縮変形可能である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の部品実装基板。
【請求項8】
前記緩衝部材は、前記基板の前記厚さ方向と交差する方向に変形可能である、
請求項1~7のいずれか一項に記載の部品実装基板。
【請求項9】
前記基板に実装された第3の電子部品を更に備え、
前記第1の電子部品及び前記第3の電子部品は、前記緩衝部材と前記基板との間に配置されている、
請求項1~8のいずれか一項に記載の部品実装基板。
【請求項10】
前記基板に実装され熱を発生する発熱部品を更に備え、
前記基板は、前記基板のうち前記第1の電子部品が配置されている前記一の面が鉛直方向に沿うように配置されており、
前記発熱部品は、前記第1の電子部品よりも前記鉛直方向において下に配置されている、
請求項1~9のいずれか一項に記載の部品実装基板。
【請求項11】
前記第2の電子部品の形状は、平板状であり、
前記第2の電子部品の厚さ方向は、前記基板の前記厚さ方向に沿っており、
前記第2の電子部品は、前記基板に接続されている複数の端子を有し、
前記第2の電子部品と前記基板との間の距離は、前記第2の電子部品の厚さの2倍以上である、
請求項1~10のいずれか一項に記載の部品実装基板。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の部品実装基板と、
前記部品実装基板を収容するケースと、を備え、
前記部品実装基板は、時刻に応じて負荷を制御する回路部を備える、
タイムスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は部品実装基板及びタイムスイッチに関し、より詳細には、複数の電子部品を備える部品実装基板及びこの部品実装基板を備えるタイムスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1記載のタイムスイッチは、ケースと、タイマ回路が形成された基板と、を備えている。タイマ回路は、マイクロコンピュータからなり、現在の曜日や現在時刻を計時する時計部と、所望の時刻に負荷を制御するためのプログラムが格納されたプログラム記憶部が内蔵された制御部と、液晶ディスプレイからなる液晶表示部とを備えている。液晶表示部は、ケースに設けられた開口窓を臨んだ状態で配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-054386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のタイムスイッチにおいて、液晶表示部(第2の電子部品)を開口窓に嵌め込むように配置するために、液晶表示部を基板から基板の厚さ方向に離して配置することが考えられる。しかしながら、この場合、液晶表示部ががたつく可能性がある。
【0005】
本開示は、基板から基板の厚さ方向に離れて配置された電子部品(第2の電子部品)ががたつく可能性を低減させられる部品実装基板及びタイムスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る部品実装基板は、基板と、第1の電子部品と、緩衝部材と、第2の電子部品と、を備える。前記第1の電子部品は、前記基板に実装されている。前記緩衝部材は、前記第1の電子部品に固定されている。前記第2の電子部品は、前記緩衝部材に載せ置かれている。前記第1の電子部品、前記緩衝部材及び前記第2の電子部品は、前記基板の厚さ方向において前記基板、前記第1の電子部品、前記緩衝部材及び前記第2の電子部品の順に並ぶように前記基板に積み重なっている。前記部品実装基板は、前記基板のうち前記第1の電子部品が配置されている一の面と、前記緩衝部材のうち前記基板の前記厚さ方向に沿った面と、前記第2の電子部品のうち前記基板の前記一の面に対向する面と、により3方を囲まれた流路を更に備える。
【0007】
本開示の一態様に係るタイムスイッチは、前記部品実装基板と、ケースと、を備える。前記ケースは、前記部品実装基板を収容する。前記部品実装基板は、時刻に応じて負荷を制御する回路部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、基板から基板の厚さ方向に離れて配置された電子部品ががたつく可能性を低減させられるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る部品実装基板の上から見た図である。
図2図2は、同上の部品実装基板の平面図であって、第2の電子部品及び緩衝部材を省略してある。
図3図3は、同上の部品実装基板の平面図であって、第2の電子部品を省略してある。
図4図4は、同上の部品実装基板の平面図である。
図5図5は、同上の部品実装基板を備えるタイムスイッチの平面図であって、ケースから化粧プレートを取り外した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る部品実装基板及びタイムスイッチについて、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
本実施形態の部品実装基板3は、例えば、タイムスイッチ1(図5参照)に備えられる。タイムスイッチ1が建物の壁又は分電盤の中等の場所に設置されている状態における鉛直上下方向を部品実装基板3の上下方向とすると、図1は、部品実装基板3を上から見た図である。ここで、上下方向とは、説明のために便宜的に規定した方向であって、タイムスイッチ1及び部品実装基板3の使用方向を限定する趣旨ではない。
【0012】
図1に示すように、基板4と、第1の電子部品5と、第2の電子部品6と、緩衝部材7とを備えている。部品実装基板3は、複数(図2では4つ)の第3の電子部品83と、リレー84(発熱部品)とを更に備えている(図2参照)。なお、部品実装基板3は、第1の電子部品5、第2の電子部品6、複数の第3の電子部品83、及びリレー84以外にも他の電子部品を備えているが、以下では、他の電子部品についての説明を省略する。
【0013】
第1の電子部品5は、基板4に実装されている。緩衝部材7は、第1の電子部品5に固定されている。第2の電子部品6は、緩衝部材7に載せ置かれている。第1の電子部品5、緩衝部材7及び第2の電子部品6は、基板4の厚さ方向において基板4、第1の電子部品5、緩衝部材7及び第2の電子部品6の順に並ぶように基板4に積み重なっている。
【0014】
基板4は、例えば、リジッド基板である。基板4の形状は、矩形板状である。基板4は、一の面41と、一の面41とは反対側の裏面42と、を有している。ここで、裏面42とは、一の面41に対する裏面を意味し、基板4の向きを限定する趣旨ではない。一の面41及び裏面42は、基板4の厚さ方向と交差する面である。基板4の一の面41と裏面42とにはそれぞれ、プリント配線が形成されている。基板4には、第2の電子部品6の複数の端子62が通される複数の挿通孔401(図2参照)が形成されている。
【0015】
図1、2に示すように、一の面41には、第1の電子部品5が配置されている。第1の電子部品5は、一例として、一の面41に表面実装されている。第1の電子部品5は、例えば、ワンチップマイコンである。ワンチップマイコンとは、マイクロコントローラを構成する回路を1つのパッケージ51に収容したデバイスである。第1の電子部品5は、パッケージ51と、パッケージ51から突出した複数の端子52とを有している。基板4の厚さ方向から見て、第1の電子部品5の形状は、正方形状である。なお、基板4の厚さ方向から見て、第1の電子部品5の形状は特に限定されず、例えば、長方形状であってもよい。
【0016】
第1の電子部品5は、部品実装基板3が有する回路をタイムスイッチとして機能させるための制御部として機能する。具体的には、第1の電子部品5は、タイマを有しており、タイマで計測された時刻に応じてリレー84(図2参照)を制御する。リレー84の入力端子には、商用電源又は蓄電池等の電源が接続され、リレー84の出力端子には、部品実装基板3の外部に設置された負荷が接続される。第1の電子部品5による制御に応じてリレー84が開閉することにより、電源から負荷への電力供給の有無が切り替わるので、負荷の動作が制御される。すなわち、部品実装基板3の第1の電子部品5(回路部)は、時刻に応じて負荷を制御する。
【0017】
複数の第3の電子部品83の各々は、例えば、チップ抵抗器である。複数の第3の電子部品83は、基板4の一の面41に配置されている。複数の第3の電子部品83は、一例として、一の面41に表面実装されている。
【0018】
緩衝部材7は、例えば、スポンジである。緩衝部材7は、例えば、合成樹脂を材料として形成されている。緩衝部材7は、内部に複数の気泡を有している。複数の気泡は、スポンジを構成する複数の繊維の隙間からなる。緩衝部材7の形状は、直方体状である。なお、緩衝部材7の形状は特に限定されず、例えば、立方体状であってもよい。
【0019】
緩衝部材7は、基板4の厚さ方向に圧縮変形可能である。また、緩衝部材7は、基板4の厚さ方向と交差する方向に変形可能である。例えば、緩衝部材7は、基板4の厚さ方向と交差する方向の力を受けて、緩衝部材7の重心が基板4の厚さ方向と交差する方向にずれるように変形可能である。
【0020】
図1、3に示すように、緩衝部材7は、第1の電子部品5と、複数の第3の電子部品83とに載せ置かれている。つまり、緩衝部材7は、第1の電子部品5と、複数の第3の電子部品83とに接している。言い換えれば、第1の電子部品5及び複数の第3の電子部品83は、緩衝部材7と基板4との間に配置されている。
【0021】
さらに、緩衝部材7は、第1の電子部品5に固定されている。より詳細には、部品実装基板3は、第1の接続部材85を備えており、緩衝部材7は、第1の接続部材85を介して第1の電子部品5に固定されている。第1の接続部材85は、例えば、両面テープである。
【0022】
基板4の一の面41から第1の接続部材85のうち緩衝部材7との接触面851までの距離L1は、基板4の一の面41から複数の第3の電子部品83のうち緩衝部材7との接触面831までの距離L2と等しい。ここで、距離L1と距離L2とが等しいとは、厳密に等しいことに限定されず、許容される誤差の範囲内で異なる値であってもよい。例えば、距離L1と距離L2との差が、距離L1と距離L2とのうちより大きい方の値の5%以下である場合も、距離L1と距離L2とが等しいとする。
【0023】
基板4の厚さ方向から見て、緩衝部材7の外縁の形状は、第1の電子部品5の外縁の形状に沿っている。より詳細には、基板4の厚さ方向から見て、緩衝部材7の外縁の形状は長方形状であり、第1の電子部品5の外縁の形状は正方形状である。基板4の厚さ方向から見て、緩衝部材7の外縁の2つの辺(図3における上辺及び右辺)は、第1の電子部品5の外縁の2つの辺(図3における上辺及び右辺)に隣接している。
【0024】
第2の電子部品6は、例えば、ディスプレイである。より詳細には、第2の電子部品6は、液晶ディスプレイである。第2の電子部品6は、ガラスを材料として形成されている。すなわち、第2の電子部品6は、ガラス基板を含んでいる。第2の電子部品6の形状は、平板状である。第2の電子部品6の厚さ方向は、基板4の厚さ方向に沿っている。第2の電子部品6の厚さ方向から見て、第2の電子部品6の形状は、長方形状である。
【0025】
第2の電子部品6は、パッケージ61と、複数の端子62とを有している。複数の端子62は、パッケージ61から基板4の厚さ方向に突出している。複数の端子62は、基板4に接続されている。より詳細には、複数の端子62は、基板4に形成された複数の挿通孔401(図3参照)に挿入された状態で、基板4に接続されている。
【0026】
図1、4に示すように、第2の電子部品6は、緩衝部材7に載せ置かれている。つまり、第2の電子部品6は、緩衝部材7に接している。さらに、第2の電子部品6は、緩衝部材7に固定されている。より詳細には、部品実装基板3は、第2の接続部材86を備えており、第2の電子部品6は、第2の接続部材86を介して緩衝部材7に固定されている。第2の接続部材86は、例えば、両面テープである。
【0027】
第2の電子部品6のパッケージ61は、基板4から基板4の厚さ方向に離れて配置されている。第2の電子部品6と基板4との間の距離L3は、第2の電子部品6の厚さL4の2倍以上である。ここで、距離L3は、第2の電子部品6の複数の端子62と基板4との距離ではなく、第2の電子部品6のパッケージ61のうち基板4の一の面41に対向する面611と基板4の一の面41との間の距離である。第2の電子部品6において、面611はパッケージ61の一面(図1における下面)の一部である。厚さL4は、第2の電子部品6のパッケージ61の厚さである。つまり、第2の電子部品6の複数の端子62の厚さは、第2の電子部品6の厚さに含まない。厚さL4は、2mm~2.5mm程度である。
【0028】
図4に示すように、基板4の厚さ方向から見て、緩衝部材7の面積は、第2の電子部品6の面積よりも小さい。さらに、基板4の厚さ方向から見て、緩衝部材7の外縁は、第2の電子部品6の外縁よりも内側に位置する。第2の電子部品6は、基板4の厚さ方向において緩衝部材7と第2の電子部品6の中心とが重なるように配置されている。
【0029】
図1に示すように、部品実装基板3は、基板4と第2の電子部品6との間に形成された流路300を備えている。流路300は、基板4のうち一の面41と、緩衝部材7のうち基板4の厚さ方向に沿った面71と、第2の電子部品6のうち基板4の一の面41に対向する面611と、により3方を囲まれている。
【0030】
流路300には、空気が図1の紙面奥行き方向に通過することがある。この場合、空気は、第2の電子部品6の複数の端子62の隙間を通過する。部品実装基板3を備えるタイムスイッチ1(図5参照)が建物の壁又は分電盤の中等の場所に設置されている状態では、図1の紙面奥行き方向は、鉛直方向(上下方向)に一致する。この場合、空気は、流路300を上下方向に通過することがある。以下の説明において、上下について言及する場合は、タイムスイッチ1が建物の壁又は分電盤の中等の場所に設置されている状態での上下を意味する。
【0031】
基板4は、一の面41が鉛直方向に沿うように配置されている。図2に示すように、リレー84は、基板4に実装されている。リレー84は、基板4の一の面41に配置されている。リレー84は、第1の電子部品5よりも鉛直方向において下に配置されている。より詳細には、リレー84は、第1の電子部品5の真下に配置されている。
【0032】
リレー84は、熱を発生する。すなわち、電源から供給される電流がリレー84に流れることによって、リレー84でジュール熱等の熱が発生する。リレー84で発生した熱により、リレー84の周囲の空気が暖まり比重が小さくなるので、リレー84の周囲の空気が上昇する。これにより、基板4の一の面41の付近では上昇気流が発生する。その結果、基板4の一の面41の付近における熱の循環が円滑になる。上昇気流により、一の面41の付近の空気の一部は、流路300を通過する。したがって、第1の電子部品5及び第2の電子部品6から放出される熱は、流路300を通過する空気により上へと移動しやすくなる。
【0033】
図5に示すように、タイムスイッチ1は、部品実装基板3と、ケース2とを備えている。ケース2は、部品実装基板3を収容している。ケース2は、図5の紙面奥側に開口部を有しており、部品実装基板3は、開口部からケース2の内部に挿入される。開口部は、タイムスイッチ1が備えるカバーにより塞がれる。ケース2は、建物の壁又は分電盤の中等の場所に設置される。ケース2は、複数(図5では2つ)の取付穴201を有している。各取付穴201に通されたねじが、例えば、壁に取り付けられたスイッチボックスに固定される。
【0034】
ケース2は、窓部202を有している。第2の電子部品6は、窓部202を通してケース2の外部に露出している。タイムスイッチ1は、スイッチ11(スライドスイッチ)と、複数(図5では6つ)の釦12(押釦)とを更に備えている。スイッチ11及び複数の釦12は、基板4に取り付けられており、ケース2に形成された貫通孔を通してケース2の外部に露出している。第2の電子部品6は、既に述べたようにディスプレイであって、文字、図形及び記号等を表示可能である。スイッチ11及び複数の釦12に対する操作がされること、及び、時間の経過等に応じて、第1の電子部品5(図2参照)は、第2の電子部品6を制御して、第2の電子部品6の表示内容を変更させる。
【0035】
タイムスイッチ1は、化粧プレート13を更に備えている。化粧プレート13は、ケース2に取り付けられる。化粧プレート13は、複数の釦12を覆う。化粧プレート13は、窓部131を有している。化粧プレート13がケース2に取り付けられているとき、第2の電子部品6及びスイッチ11は、窓部131を通して化粧プレート13の外部に露出する。
【0036】
以上説明したタイムスイッチ1では、第2の電子部品6は、緩衝部材7に載せ置かれている。そのため、第2の電子部品6に圧力が加えられた場合に、緩衝部材7により圧力が緩衝され得る。例えば、ケース2の窓部202の周縁部と第2の電子部品6との接触圧力は、緩衝部材7により緩衝され得る。したがって、タイムスイッチ1では、第2の電子部品6が緩衝性の無い部材(例えば、金属板)に載せ置かれている場合と比較して、ケース2の窓部202の周縁部との接触圧力等により第2の電子部品6ががたつく可能性を低減できる。結果として、部品実装基板3をケース2に収容する際に、第2の電子部品6の位置合わせが容易となる。また、第2の電子部品6に加えられる圧力を緩衝部材7が緩衝することにより、第2の電子部品6を保護できる。
【0037】
また、緩衝部材7は変形可能なので、第2の電子部品6が位置ずれしている場合であっても、緩衝部材7を変形させることで、第2の電子部品6の位置を正しい位置に調整できる。例えば、基板4からの第2の電子部品6の高さを正しい高さに調整できる。また、基板4の厚さ方向と交差する方向における第2の電子部品6の位置を正しい位置に調整できる。
【0038】
また、緩衝部材7は、内部に複数の気泡を有している。緩衝部材7における熱は、複数の気泡においては、気泡の周りの部分よりも伝わりにくい。すなわち、緩衝部材7は、複数の気泡を有していることにより、気泡が無いことを除いて緩衝部材7と同様の構造を有する部材よりも断熱性能が高い。したがって、緩衝部材7を介して第1の電子部品5と第2の電子部品6との間で熱が伝わる可能性を低減できる。特に、第2の電子部品6の一部を構成する液晶を熱から保護できる。
【0039】
また、第1の電子部品5と第2の電子部品6との間に緩衝部材7が挟まれているので、第1の電子部品5で発生するノイズは、緩衝部材7により電磁的に遮蔽され得る。そのため、第1の電子部品5で発生するノイズが第2の電子部品6に伝わる可能性を低減できる。
【0040】
また、緩衝部材7と第1の電子部品5とは、第1の接続部材85により接続され、緩衝部材7と第2の電子部品6とは、第2の接続部材86により接続されている。そのため、第1の電子部品5に緩衝部材7が載せ置かれているだけの場合と比較して、緩衝部材7と第1の電子部品5との間に隙間が生じにくい。また、緩衝部材7に第2の電子部品が載せ置かれているだけの場合と比較して、緩衝部材7と第2の電子部品6との間に隙間が生じにくい。これにより、隙間に半田かす等の異物が入る可能性を低減できる。その結果、第2の電子部品6の位置ずれが起きる可能性を低減できる。また、異物により第2の電子部品6(ディスプレイ)に影がかかる可能性を低減できる。
【0041】
また、第1の電子部品5、緩衝部材7及び第2の電子部品6が基板4に積み重なっている。そのため、基板4の厚さ方向から見て第1の電子部品5及び第2の電子部品6が互いに異なる位置に配置されている場合と比較して、基板4の厚さ方向から見て第1の電子部品5及び第2の電子部品6が占める面積を削減できる。
【0042】
(実施形態の変形例)
次に、実施形態の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0043】
緩衝部材7は、第1の電子部品5と複数の第3の電子部品83とのうち、第1の電子部品5のみに載せ置かれていてもよい。基板4の厚さ方向から見て、緩衝部材7の外縁は、第1の電子部品5の外縁の内側に位置していてもよい。
【0044】
部品実装基板3は、緩衝部材7を複数備えていてもよい。例えば、複数の緩衝部材7のうち1つは第1の電子部品5に固定されていて、複数の緩衝部材7のうち別の1つは複数の第3の電子部品83のうち少なくとも1つに固定されていてもよい。
【0045】
緩衝部材7は、スポンジに限定されない。緩衝部材7は、例えば、ゴム等の弾性部材、又は、プラスチックの成形品であってもよい。緩衝部材7は、第2の電子部品6に対する物理的な衝撃又は第2の電子部品6の変位を、緩衝部材7の変形により小さくする(緩衝する)部材であればよい。
【0046】
第1の電子部品5は、ワンチップマイコンに限定されない。第1の電子部品5は、例えば、抵抗器、コンデンサ又はリレーであってもよい。第1の電子部品5の形状は、直方体又は立方体のように、基板4に対向する面と、基板4の厚さ方向において上記面とは反対側の面とが平行である形状が好ましい。ここで、平行とは、厳密に平行であることに限定されず、許容される誤差の範囲内でずれがある場合を含む。
【0047】
第2の電子部品6は、液晶ディスプレイに限定されない。第2の電子部品6は、例えば、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の、液晶ディスプレイ以外の種類のディスプレイであってもよい。また、第2の電子部品6は、ディスプレイ以外の電子部品であってもよい。
【0048】
第3の電子部品83は、チップ抵抗器に限定されない。第3の電子部品83は、例えば、コンデンサ、又は、ワンチップマイコン等であってもよい。
【0049】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0050】
第1の態様に係る部品実装基板3は、基板4と、第1の電子部品5と、緩衝部材7と、第2の電子部品6と、を備える。第1の電子部品5は、基板4に実装されている。緩衝部材7は、第1の電子部品5に固定されている。第2の電子部品6は、緩衝部材7に載せ置かれている。第1の電子部品5、緩衝部材7及び第2の電子部品6は、基板4の厚さ方向において基板4、第1の電子部品5、緩衝部材7及び第2の電子部品6の順に並ぶように基板4に積み重なっている。
【0051】
上記の構成によれば、第2の電子部品6は緩衝部材7に載せ置かれているので、第2の電子部品6が緩衝性の無い部材に載せ置かれている場合と比較して、第2の電子部品6ががたつく可能性を低減できる。
【0052】
また、第2の態様に係る部品実装基板3では、第1の態様において、第2の電子部品6は、ガラスを材料として形成されたディスプレイである。
【0053】
上記の構成によれば、ディスプレイががたつく可能性を低減できるので、ディスプレイを見やすくできる。
【0054】
また、第3の態様に係る部品実装基板3では、第1又は2の態様において、基板4の厚さ方向から見て、緩衝部材7の面積は、第2の電子部品6の面積よりも小さい。
【0055】
上記の構成によれば、緩衝部材7の面積と第2の電子部品6の面積との大小関係が逆の場合と比較して、基板4上のスペースにおいて緩衝部材7が邪魔になる可能性を低減できる。
【0056】
また、第4の態様に係る部品実装基板3では、第3の態様において、基板4の厚さ方向から見て、緩衝部材7の外縁は、第2の電子部品6の外縁よりも内側に位置する。
【0057】
上記の構成によれば、緩衝部材7の外縁が第2の電子部品6の外縁よりも外側に位置する場合と比較して、基板4上のスペースにおいて緩衝部材7が邪魔になる可能性を低減できる。
【0058】
また、第5の態様に係る部品実装基板3では、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、基板4の厚さ方向から見て、緩衝部材7の外縁の形状は、第1の電子部品5の外縁の形状に沿っている。
【0059】
上記の構成によれば、第1の電子部品5に対して緩衝部材7ががたつきにくい。
【0060】
また、第6の態様に係る部品実装基板3では、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、緩衝部材7は、内部に複数の気泡を有する。
【0061】
上記の構成によれば、緩衝部材7が複数の気泡を有するので、緩衝部材7では熱が伝わりにくい。したがって、緩衝部材7を介して第1の電子部品5と第2の電子部品6との間で熱が伝わる可能性を低減できる。
【0062】
また、第7の態様に係る部品実装基板3では、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、緩衝部材7は、基板4の厚さ方向に圧縮変形可能である。
【0063】
上記の構成によれば、緩衝部材7が圧縮変形することにより、基板4からの第2の電子部品6の高さを調整できる。
【0064】
また、第8の態様に係る部品実装基板3では、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、緩衝部材7は、基板4の厚さ方向と交差する方向に変形可能である。
【0065】
上記の構成によれば、緩衝部材7が基板4の厚さ方向と交差する方向において変形することにより、基板4の厚さ方向と交差する方向において第2の電子部品6の位置を調整できる。
【0066】
また、第9の態様に係る部品実装基板3は、第1~8の態様のいずれか1つにおいて、第3の電子部品83を更に備える。第3の電子部品83は、基板4に実装されている。第1の電子部品5及び第3の電子部品83は、緩衝部材7と基板4との間に配置されている。
【0067】
上記の構成によれば、第1の電子部品5の表面のスペースだけではなく、第3の電子部品83の表面のスペースをも、緩衝部材7を配置するために利用できる。
【0068】
また、第10の態様に係る部品実装基板3は、第1~9の態様のいずれか1つにおいて、流路300を更に備える。流路300は、基板4のうち第1の電子部品5が配置されている一の面41と、緩衝部材7のうち基板4の厚さ方向に沿った面71と、第2の電子部品6のうち基板4の一の面41に対向する面611と、により3方を囲まれている。
【0069】
上記の構成によれば、第1の電子部品5及び第2の電子部品6から放出される熱を、流路300を通る空気により第1の電子部品5及び第2の電子部品6から離れさせることができる。したがって、第1の電子部品5及び第2の電子部品6の放熱効率が向上する。
【0070】
また、第11の態様に係る部品実装基板3は、第1~10の態様のいずれか1つにおいて、発熱部品(リレー84)を更に備える。発熱部品は、基板4に実装されている。発熱部品は、熱を発生する。基板4は、一の面41が鉛直方向に沿うように配置されている。発熱部品は、第1の電子部品5よりも鉛直方向において下に配置されている。
【0071】
上記の構成によれば、発熱部品(リレー84)で発生した熱が上昇気流を発生させるので、基板4の周囲における熱の循環が円滑になる。
【0072】
また、第12の態様に係る部品実装基板3では、第1~11の態様のいずれか1つにおいて、第2の電子部品6の形状は、平板状である。第2の電子部品6の厚さ方向は、基板4の厚さ方向に沿っている。第2の電子部品6は、基板4に接続されている複数の端子62を有する。第2の電子部品6と基板4との間の距離L3は、第2の電子部品6の厚さL4の2倍以上である。
【0073】
上記の構成によれば、第2の電子部品6と基板4との間の距離L3が第2の電子部品6の厚さL4の2倍未満である場合と比較して、基板4と第2の電子部品6との間で熱が伝わる可能性を低減できる。
【0074】
第1の態様以外の構成については、部品実装基板3に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0075】
また、第13の態様に係るタイムスイッチ1は、第1~12の態様のいずれか1つに係る部品実装基板3と、ケース2と、を備える。ケース2は、部品実装基板3を収容する。部品実装基板3は、時刻に応じて負荷を制御する回路部(第1の電子部品5)を備える。
【0076】
上記の構成によれば、第2の電子部品6は緩衝部材7に載せ置かれているので、第2の電子部品6が緩衝性の無い部材に載せ置かれている場合と比較して、第2の電子部品6ががたつく可能性を低減できる。
【符号の説明】
【0077】
1 タイムスイッチ
2 ケース
3 部品実装基板
4 基板
41 一の面
5 第1の電子部品
6 第2の電子部品(回路部)
62 端子
611 面
7 緩衝部材
71 面
83 第3の電子部品
84 リレー(発熱部品)
300 流路
L3 距離
L4 厚さ
図1
図2
図3
図4
図5