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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】駆動回路及び駆動制御システム
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/16 20060101AFI20240119BHJP
   H03K 17/10 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
H03K17/16 F
H03K17/10
H03K17/16 J
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023020586
(22)【出願日】2023-02-14
【審査請求日】2023-02-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522097832
【氏名又は名称】株式会社アレックス
(74)【代理人】
【識別番号】100190274
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 滋之
(72)【発明者】
【氏名】太田 博幸
(72)【発明者】
【氏名】山崎 健一
(72)【発明者】
【氏名】地引 一利
【審査官】工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-221629(JP,A)
【文献】特開昭57-192113(JP,A)
【文献】特開2009-225648(JP,A)
【文献】特開2015-171182(JP,A)
【文献】特開2018-155976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F3/217
H03K17/10
H03K17/16
H03K19/0175-19/0185
H02M7/48-7/5395
H04R3/00-3/14
H04R17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源とGNDとの間に直列に接続され、互いに導電型が異なり、それぞれ3端子を備えた2つのスイッチング素子を有するハーフブリッジ回路からなる駆動回路と、
前記駆動回路の入力端子にPWM信号を出力する制御装置と、
2つの前記スイッチング素子間の出力端子に接続された圧電スピーカと、を有し、
電源側の前記スイッチング素子は、
前記3端子として、制御端子と、出力端子に接続された反転出力端子と、電源に接続される電源端子に接続された電源側端子と、を有し、
GND側の前記スイッチング素子は、
前記3端子として、制御端子と、出力端子に接続された反転出力端子と、GNDに接続されるGND端子に接続されたGND側端子と、を有し、
前記駆動回路は、
前記制御装置から前記入力端子に出力されるPWM信号により変化する出力端子への出力電圧によって前記圧電スピーカを動作させるものであり、
電源側の前記スイッチング素子の制御端子と反転出力端子との間に直列に接続され、負帰還回路を構成する電源側コンデンサ及び電源側抑制抵抗と、
GND側の前記スイッチング素子の制御端子と反転出力端子との間に直列に接続され、負帰還回路を構成するGND側コンデンサ及びGND側抑制抵抗と、
PWM信号が入力される前記入力端子と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続された抵抗と、
アノードが前記入力端子側に向いた状態で、電源側の前記抵抗に対し並列に接続された第1ダイオードと、
カソードが前記入力端子側に向いた状態でGND側の前記抵抗に対し並列に接続された第2ダイオードと、を有する、駆動制御システム
【請求項2】
前記駆動回路は、
前記入力端子と前記抵抗の前記入力端子側との間に接続されたシフトコンデンサと、
前記電源端子と前記シフトコンデンサとの間に接続されたバイアス抵抗と、
前記バイアス抵抗に対し並列に接続されたダイオードと、を有する、請求項1に記載の駆動制御システム
【請求項3】
前記駆動回路は、
前記入力端子とGNDとの間に接続された安定抵抗を有する、請求項2に記載の駆動制御システム
【請求項4】
電源とGNDとの間に直列に接続され、互いに導電型が異なり、それぞれ3端子を備えた2つのスイッチング素子及びPWM信号が入力される入力端子を含むハーフブリッジ回路を2組有するHブリッジ回路からなる駆動回路と、
一方の前記ハーフブリッジ回路の前記入力端子にPWM信号を出力すると共に、他方の前記ハーフブリッジ回路の前記入力端子に当該PWM信号とは逆位相のPWM信号を出力する制御装置と、
一方の前記ハーフブリッジ回路の2つの前記スイッチング素子間の出力端子と、他方の前記ハーフブリッジ回路の2つの前記スイッチング素子間の出力端子との間に接続された圧電スピーカと、を有し、
前記駆動回路は、
前記制御装置から各入力端子それぞれに出力されるPWM信号により変化する各出力端子間の電圧によって前記圧電スピーカを動作させるものであり、
2組の前記ハーフブリッジ回路は、それぞれ、
制御端子と、出力端子に接続された反転出力端子と、電源に接続される電源端子に接続された電源側端子とを、前記3端子として備えた電源側の前記スイッチング素子と、
制御端子と、出力端子に接続された反転出力端子と、GNDに接続されるGND端子に接続されたGND側端子とを、前記3端子として備えたGND側の前記スイッチング素子と、
電源側の前記スイッチング素子の制御端子と反転出力端子との間に直列に接続され、負帰還回路を構成する電源側コンデンサ及び電源側抑制抵抗と、
GND側の前記スイッチング素子の制御端子と反転出力端子との間に直列に接続され、負帰還回路を構成するGND側コンデンサ及びGND側抑制抵抗と、
前記入力端子と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続された抵抗と、
アノードが前記入力端子側に向いた状態で、電源側の前記抵抗に対し並列に接続された第1ダイオードと、
カソードが前記入力端子側に向いた状態でGND側の前記抵抗に対し並列に接続された第2ダイオードと、を有する駆動制御システム
【請求項5】
2組の前記ハーフブリッジ回路は、それぞれ、
前記入力端子と前記抵抗の前記入力端子側との間に接続されたシフトコンデンサと、
前記電源端子と前記シフトコンデンサとの間に接続されたバイアス抵抗と、
前記バイアス抵抗に対し並列に接続されたダイオードと、を有する、請求項4に記載の駆動制御システム
【請求項6】
2組の前記ハーフブリッジ回路は、それぞれ、
前記入力端子とGNDとの間に接続された安定抵抗を有する、請求項5に記載の駆動制御システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PWM信号に基づいて負荷を動作させる駆動回路及び駆動制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スピーカやモータなどを動作させるための駆動回路として、Hブリッジ回路あるいはハーフブリッジ回路が用いられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の駆動回路は、電源とGND(グランド)との間に設けられた2つのスイッチング素子が、PWM信号に応じて互いに反対のオンオフ動作を行い、負荷としてのスピーカから音声を出力するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許6308705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような従来の駆動回路は、スイッチング素子の状態が切り替わる際、出力側に突入電流が流れるため、輻射ノイズが発生するという課題がある。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、輻射ノイズの発生を抑制する駆動回路及び駆動制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る駆動回路は、電源とGNDとの間に直列に接続された2つのスイッチング素子を有するハーフブリッジ回路からなる駆動回路であって、2つのスイッチング素子の間と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続されたコンデンサと、PWM信号が入力される入力端子と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続された抵抗と、を有するものである。
【0007】
本発明の一態様に係る駆動回路は、電源とGNDとの間に直列に接続された2つのスイッチング素子及びPWM信号が入力される入力端子を2組有するHブリッジ回路からなる駆動回路であって、各組について、2つのスイッチング素子の間と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続されたコンデンサと、入力端子と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続された抵抗と、を有するものである。
【0008】
本発明の一態様に係る駆動制御システムは、上記の駆動回路と、入力端子にPWM信号を出力する制御装置と、を有するものである。
本発明の一態様に係る駆動制御システムは、上記の駆動回路と、入力端子にPWM信号を出力する制御装置と、直列に接続された2つのスイッチング素子の間に接続されたスピーカと、を有するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、2つのスイッチング素子の間と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続されたコンデンサと、入力端子と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続された抵抗と、を有し、これらによって各スイッチング素子の時定数が構成されるため、突入電流を抑え、輻射ノイズの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態1及び2に係る駆動制御システムを例示した構成図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る駆動回路を例示した構成図である。
図3図2の駆動回路において、PWM信号がHighのときの各スイッチング素子の状態等を例示した説明図である。
図4図2の駆動回路において、PWM信号がHighからLowに遷移する際の各スイッチング素子の状態等を例示した説明図である。
図5図2の駆動回路において、PWM信号がLowのときの各スイッチング素子の状態等を例示した説明図である。
図6図2の駆動回路において、PWM信号がLowからHighに遷移する際の各スイッチング素子の状態等を例示した説明図である。
図7図2の駆動回路について、図3図6それぞれの状態での各所の電流及び電圧の変化を例示したグラフである。
図8図2の駆動回路の出力の変化を、各スイッチング素子の状態変化と共に例示したグラフである。
図9】本発明の実施の形態2に係る駆動回路を例示した構成図である。
図10】本発明の実施の形態3及び4に係る駆動制御システムを例示した構成図である。
図11】本発明の実施の形態3に係る駆動回路を例示した構成図である。
図12図11の駆動回路において、第1PWM信号がHigh、第2PWM信号がLowのときの各スイッチング素子の状態等を例示した説明図である。
図13図11の駆動回路において、第1PWM信号がHighからLowに遷移し、第2PWM信号がLowからHighに遷移する際の各スイッチング素子の状態等を例示した説明図である。
図14図11の駆動回路において、第1PWM信号がLow、第2PWM信号がHighのときの各スイッチング素子の状態等を例示した説明図である。
図15図11の駆動回路において、第1PWM信号がLowからHighに遷移し、第2PWM信号がHighからLowに遷移する際の各スイッチング素子の状態等を例示した説明図である。
図16】本発明の実施の形態4に係る駆動回路を例示した構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1図8に基づき、本発明の実施の形態1における駆動回路10及び駆動制御システム100の構成例及び動作例について説明する。各図では、煩雑化を避ける等の意図で、符号の一部を適宜省略する。まず、図1及び図2を参照して、駆動制御システム100の全体的な構成と駆動回路10の各構成部材について説明する。
【0012】
図1に示すように、駆動制御システム100は、駆動回路10と、制御装置20と、記憶装置25と、負荷50と、を有している。制御装置20は、例えばマイコンからなり、制御部21と記憶部22とを含む。制御部21は、記憶装置25内の音声データ25dに基づくPWM信号を生成し、生成したPWM信号を駆動回路10へ出力するものである。制御部21は、CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)などにより構成される。すなわち、制御部21の各種機能は、CPUなどの演算装置と、その演算装置と協働して当該各種機能を実現させるソフトウェアとにより構成される。もっとも、制御部21における各種機能のうちの一部は、ハードウェアにより実現してもよい。
【0013】
記憶部22には、制御部21の動作プログラムの他、種々の情報が記憶される。図1では、制御部21の動作プログラムとして音声発声制御プログラム22pを例示している。記憶部22は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、eMMC(embedded Multi Media Card)、SSD(Solid State Drive)、又はHDD(Hard Disk Drive)などにより構成される。
【0014】
記憶装置25は、例えばシリアル通信の規格であるSPI(Serial Peripheral Interface)の信号線(CS)によって制御装置20に接続される。図1の例では、記憶装置25に音声データ25dが格納されている。記憶装置25は、例えば、フラッシュROM(Flash Memory)などのEEPROM (Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)により構成される。もっとも、音声データ25dは、記憶部22に格納されてもよく、この場合、駆動制御システム100は記憶装置25を有しなくてよい。
【0015】
負荷50は、例えばスピーカやモータなど、駆動回路10からの出力により動作する機器である。つまり、負荷50は、容量性負荷を含んでいてもよく、誘導性負荷を含んでいてもよい。図1では、負荷50として、印加される電圧により変形するピエゾ素子(圧電素子)51を含み、ピエゾ素子51の変形に起因した空気の振動により音又は音声を出力する圧電スピーカを例示している。すなわち、図1の駆動制御システム100は、制御装置20が出力するPWM信号により駆動回路10を制御し、負荷50としての圧電スピーカを駆動させて音又は音声を再生するよう構成されている。なお、駆動制御システム100は、負荷50とGNDとの間に設けられたコンデンサを有していてもよい。
【0016】
図2に示すように、駆動回路10は、電源とGNDとの間に直列に接続された2つのスイッチング素子(Q1、Q2)を有するハーフブリッジ回路である。駆動回路10は、2つのスイッチング素子の間と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続されたコンデンサ(C1、C2)と、PWM信号が入力される入力端子1aと各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続された抵抗(R1、R2)と、を有している。以下、電源から供給される電圧のことを電源電圧又はVDDという。また、GNDの電圧のことは「GND」と省略する。駆動回路10は、電源に接続される電源端子3aと、GNDに接続されるGND端子4aと、を有している。
【0017】
本実施の形態1のスイッチング素子(Q1、Q2)は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)、バイポーラトランジスタ(BJT)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などのトランジスタにより構成される。電界効果トランジスタには、複合型電解効果トランジスタ(JFET)や金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)などが含まれる。図2では、スイッチング素子(Q1、Q2)として、電界効果トランジスタ(FET)を例示しているため、その制御端子はゲート(G)に相当する。スイッチング素子(Q1、Q2)として、バイポーラトランジスタ(BJT)又は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を採用した場合、その制御端子はベース(B)に相当する。
【0018】
駆動回路10は、アノードが入力端子1a側に向いた状態で、電源側の抵抗(R1)に対し並列に接続されたダイオード(電源側ダイオード)D1と、カソードが入力端子1a側に向いた状態でGND側の抵抗(R2)に対し並列に接続されたダイオード(GND側ダイオード)D2と、を有している。ダイオードD1及びダイオードD2は、例えばショットキーバリアダイオード(SBD)により構成される。もっとも、ダイオードD1及びダイオードD2として、スイッチングダイオードや整流ダイオードなどの他のダイオードを採用してもよい。ただし、スイッチングスピードの速さ、電圧降下の小ささ、スイッチング素子(Q1、Q2)としてのトランジスタの採択範囲の広さなどの観点から、ダイオードD1及びダイオードD2としてはショットキーバリアダイオードが望ましい。
【0019】
ここで、図2の回路図に基づき、駆動回路10の各構成部材をより具体的に説明する。駆動回路10は、電源とGNDとの間に直列に接続されたトランジスタからなるスイッチング素子(電源側スイッチング素子)Q1及びスイッチング素子(GND側スイッチング素子)Q2を有している。駆動回路10は、入力端子1aから入力されるPWM信号により、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との間の出力端子2aに接続される負荷50を動作させるものである。以下、各スイッチング素子(Q1、Q2)が、ゲート(G)、ソース(S)、ドレイン(D)の3つの端子を有する電界効果トランジスタ(FET)であることを想定して説明する。すなわち、スイッチング素子Q1は、Pチャネル型のFETであり、スイッチング素子Q2は、Nチャネル型のFETであるものとする。
【0020】
駆動回路10は、入力端子1aとスイッチング素子Q1のゲートとの間に接続された抵抗(電源側抵抗)R1と、入力端子1aとスイッチング素子Q2のゲートとの間に接続された抵抗(GND側抵抗)R2と、を有している。駆動回路10は、スイッチング素子Q1のゲートと、スイッチング素子Q1のドレインとの間に接続されたコンデンサ(電源側コンデンサ)C1と、スイッチング素子Q2のゲートと、スイッチング素子Q2のドレインとの間に接続されたコンデンサ(GND側コンデンサ)C2と、を有している。抵抗R1及びコンデンサC1は、スイッチング素子Q1に対応づけられており、抵抗R2及びコンデンサC2は、スイッチング素子Q2に対応づけられている。かかる構成により、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2は、オンオフ(On/Off)の遷移時に不飽和領域で動作する。
【0021】
ダイオードD1は、アノードが入力端子1a側に向いた状態で抵抗R1に対し並列に接続されている。ダイオードD1は、PWM信号がH(High)からL(Low)に変化する際、抵抗R1、コンデンサC1、及びスイッチング素子Q1で構成される負帰還回路を有効にする。該負帰還回路の積分動作は、出力端子2aからの出力に反映される。また、ダイオードD1は、PWM信号がLからHに変化する際、On(導通状態)のスイッチング素子Q1を即座にOff(開放状態)へ遷移させることで、電源からスイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2を通じてGNDに流れる貫通電流を防止する。
【0022】
ダイオードD2は、カソードが入力端子1a側に向いた状態で抵抗R2に対し並列に接続されている。ダイオードD2は、PWM信号がLからHに変化する際、抵抗R2、コンデンサC2、及びスイッチング素子Q2で構成される負帰還回路を有効にする。該負帰還回路の積分動作は、出力端子2aからの出力に反映される。また、ダイオードD2は、PWM信号がHからLに変化する際、Onのスイッチング素子Q2を即座にOffへ遷移させることにより貫通電流を防止する。
【0023】
駆動回路10において、コンデンサC1及び抵抗R1は、スイッチング素子Q1がOnになるときの時定数を構成する要素となる。すなわち、PWM信号がHからLに変化すると、出力端子2aの電位は、コンデンサC1と抵抗R1とで構成される時定数によりGNDからVDDへなだらかに上昇する。同時にスイッチング素子Q2のゲートの電位は、ダイオードD2を通じてOnからOffへ急速に遷移する。
【0024】
一方、駆動回路10において、コンデンサC2及び抵抗R2は、スイッチング素子Q2がOnになるときの時定数を構成する要素となる。すなわち、PWM信号がLからHに変化すると、出力端子2aの電位は、コンデンサC2と抵抗R2とで構成される時定数によりVDDからGNDへなだらかに下降する。同時にスイッチング素子Q1のゲートの電位は、ダイオードD1を通じてOnからOffへ急速に遷移する。
【0025】
スイッチング素子Q1は、出力端子2aと電源との間の導通状態を制御するものである。スイッチング素子Q2は、出力端子2aとGNDとの間の導通状態を制御するものである。コンデンサC1は、スイッチング素子Q1のドレインの電位の上昇速度に比例した電流をスイッチング素子Q1のゲートにフィードバックするものである。コンデンサC2は、スイッチング素子Q2のドレインの電位の下降速度に比例した電流をスイッチング素子Q2のゲートにフィードバックするものである。抵抗R1は、コンデンサC1に流れるフィードバック電流に作用し、スイッチング素子Q1のゲートの電位を一定に保つよう機能する。抵抗R2は、コンデンサC2に流れるフィードバック電流に作用し、スイッチング素子Q2のゲートの電位を一定に保つよう機能する。
【0026】
次に図3図7を参照し、PWM信号の変化による駆動回路10の状態変化について説明する。図3には、PWM信号がHのとき、つまり入力端子1aの電圧である入力電圧ViがVのときの駆動回路10の状態を例示している。図3の例において、Vは、VDDと等しくなるよう設定されている。このとき、図7に示すように、入力端子1aに流れる電流である入力電流Ii、及び出力端子2aに流れる電流である出力電流Ioは、0[A]であり、どちらも流れていない。スイッチング素子Q1のゲート電圧VGS(ゲートソース間の電圧)は、ゲートしきい値電圧Vth未満であるため、スイッチング素子Q1はOffとなっている。一方、スイッチング素子Q2のゲート電圧VGSは、ゲートしきい値電圧Vth以上であるため、スイッチング素子Q2はOnとなっている。出力端子2aの電圧である出力電圧Voは、Low(以下「L」ともいう。)で安定している。以下、ゲートしきい値電圧Vthのことを電圧Vthをもいう。なお、電圧Vthは、スイッチング素子の種類等により異なるため、各スイッチング素子(Q1、Q2)の電圧Vthは、等しい場合もあれば、異なる場合もある。
【0027】
図4には、PWM信号がHからLに変化する際、つまり入力電圧ViがVからVに変化する際の駆動回路10の状態変化を例示している。図4のように、PWM信号がHからLに変化すると、図7にも示すように、入力電流Iiが入力端子1aから制御装置20側に流れ、出力電流Ioが出力端子2aから負荷50側に流れる。出力電圧Voは、LからHigh(以下「H」ともいう。)まで徐々に上昇していく。その際、スイッチング素子Q1のゲート電圧VGSは、電圧Vth未満で安定した状態を継続し、スイッチング素子Q1は一定期間Offの状態を維持する。一方、スイッチング素子Q2のゲート電圧VGSは、電圧Vth未満まで急速に低下するため、スイッチング素子Q2は即座にOffとなる。これにより、貫通電流を防ぐことができる。
【0028】
そして、図5のように、入力電流Ii及び出力電流Ioが0[A]となり、出力電圧VoがHで安定した状態となる(図7参照)。このとき、スイッチング素子Q1は、ゲート電圧VGSが電圧Vth以上なのでOnとなっており、スイッチング素子Q2は、ゲート電圧VGSが電圧Vth未満なのでOffとなっている。
【0029】
図6には、PWM信号がLからHに変化する際、つまり入力電圧ViがVからVに変化する際の駆動回路10の状態変化を例示している。図6のように、PWM信号がLからHに変化すると、図7にも示すように、入力電流Iiが入力端子1aから駆動回路10の内部に流れ、出力電流Ioが出力端子2aから駆動回路10の内部に流れる。出力電圧Voは、HからLまで徐々に低下していく。その際、スイッチング素子Q2のゲート電圧VGSは、電圧Vth未満で安定した状態を継続し、スイッチング素子Q2は一定期間Offの状態を維持する。一方、スイッチング素子Q1のゲート電圧VGSは、電圧Vth未満まで急速に低下するため、スイッチング素子Q1はOffとなる。これにより、貫通電流を防ぐことができる。
【0030】
そして、図3のように、入力電流Ii及び出力電流Ioが0[A]となり、出力電圧VoがLで安定した状態となる(図7参照)。このとき、スイッチング素子Q1は、ゲート電圧VGSが電圧Vth未満なのでOffとなっており、スイッチング素子Q2は、ゲート電圧VGSが電圧Vth以上なのでOnとなっている。
【0031】
図8は、(a)駆動回路10の出力の変化、(b)スイッチング素子Q1のドレインの電位の変化と、及び(c)スイッチング素子Q2のドレインの電位の変化を例示したグラフである。駆動回路10は、出力電圧VoがL(GNDの電位に相当)からH(VDDに相当)まで上昇する際、スイッチング素子Q1側では、抵抗R1とコンデンサC1とにより時定数(t1)が構成される。よって、出力電圧Voは、(1)のようになだらかに上昇するため、突入電流を抑制することができる。一方、スイッチング素子Q2側では、スイッチング素子Q2の内部抵抗、ダイオードD2、制御装置20の出力インピーダンスなどが時定数を構成する要素となるが、これらの素子の特性上、構成される時定数(t2)は極めて短くなる。つまり、スイッチング素子Q2のインピーダンスは、スイッチング素子Q1の出力が立ち上がる前にHi-z(最大値)に遷移する。そのため、貫通電流を防ぐことができる。
【0032】
また、駆動回路10は、出力電圧VoがHからLまで低下する際、スイッチング素子Q2側では、抵抗R2とコンデンサC2とにより時定数(t4)が構成される。よって、出力電圧Voは、(2)のようになだらかに下降するため、突入電流を抑制することができる。一方、スイッチング素子Q1側では、スイッチング素子Q1の内部抵抗、ダイオードD1、制御装置20の出力インピーダンスなどが時定数を構成する要素となるが、これらの素子の特性上、構成される時定数(t3)は極めて短くなる。つまり、スイッチング素子Q1のインピーダンスは、スイッチング素子Q2の出力が立ち下がる前にHi-zに遷移する。そのため、貫通電流を防ぐことができる。なお、スイッチング素子Q1につき、(b)のグラフにおける破線の箇所はスイッチング素子Q2の動作に依存する。また、スイッチング素子Q2につき、(c)のグラフにおける破線の箇所はスイッチング素子Q1の動作に依存する。
【0033】
以上のように、駆動回路10は、ハーフブリッジ回路を構成する2つのスイッチング素子(Q1、Q2)の間と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続されたコンデンサ(C1、C2)を有している。また、駆動回路10は、入力端子1aと各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続された抵抗(R1、R2)を有している。このように、駆動回路10は、スイッチング素子ごとに、立ち上がり時あるいは立ち下がり時の時定数を構成するコンデンサと抵抗とを有している。立ち上がり時とは、スイッチング素子がOffからOnに遷移する際のことであり、立ち下がり時とは、スイッチング素子がOnからOffに遷移する際のことである。すなわち、駆動回路10では、PWM信号がHからLに変化する際、抵抗R1及びコンデンサC1が構成する時定数によりスイッチング素子Q1のなだらかな立ち上げを実現でき、PWM信号がLからHに変化する際、抵抗R2及びコンデンサC2が構成する時定数によりスイッチング素子Q2のなだらかな立ち下げを実現することができる。したがって、駆動回路10によれば、PWM信号が変化する際に発生する突入電流を抑えることができるため、輻射ノイズの発生を抑制することができ、かつ、浮遊抵抗や浮遊容量の影響を受けない信頼性の高いシステムを構築することができる。そして、抵抗R1及びコンデンサC1と抵抗R2及びコンデンサC2を、駆動回路10の用途や負荷50等に合わせて選定することにより、各スイッチング素子(Q1、Q2)の立ち上がり時あるいは立ち下がり時にかかる時間(時定数)を調整することができる。なお、駆動回路10を用いることで、周辺機器への輻射ノイズの影響が緩和されるため、周辺環境にも配慮したシステムを構築することができる。
【0034】
また、駆動回路10は、アノードが入力端子1a側に向いた状態で抵抗R1に対し並列に接続されたダイオードD1と、カソードが入力端子1a側に向いた状態で抵抗R2に対し並列に接続されたダイオードD2と、を有している。したがって、スイッチング素子Q1がOnになる際に、スイッチング素子Q2は、ダイオードD2を通じてOnからOffへ急速に遷移する。また、スイッチング素子Q2がOnになる際に、スイッチング素子Q1は、ダイオードD1を通じてOnからOffへ急速に遷移する。したがって、貫通電流を防ぐことができ、これにより、デッドタイム制御が不要となる。そして、図8にも例示するように、駆動回路10は、スイッチング素子Q1の立ち上がり時の時定数(t1)と、スイッチング素子Q2の立ち下がり時の時定数(t2)とが異なり、かつ、スイッチング素子Q1の立ち下がり時の時定数(t3)と、スイッチング素子Q2の立ち下がり時の時定数(t4)とが異なる。そのため、1ビットでスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2とを同時に制御することができる。
【0035】
ところで、一般的なハーフブリッジ回路の充放電電流の最大値は、下記の式(1)により演算することができる。式(1)において、Ron<Q1>は、スイッチング素子Q1のOnのときの抵抗値であり、Ron<Q2>は、スイッチング素子Q2のOnのときの抵抗値である。
【0036】
(数1)
充放電電流の最大値 = VDD/(Ron<Q1>+Ron<Q2>) ・・・(1)
【0037】
例えば、静電容量が0.1[uF]の圧電スピーカを負荷とし、Ron<Q1>及びRon<Q2>が1[Ω]、VDDが20[V]である回路構成を想定する。この場合、0.2[us](=5[MHz])程度で充放電され、その結果、輻射ノイズの原因となる電流の最大値(Icharge max)は10[A]となる。
【0038】
これに対し、負荷50としての上記圧電スピーカを駆動回路10により動作させる場合、ピエゾ素子51へ流れ込むピーク電流(Ipeak)は、ピエゾ素子の容量(C)及び時間当たりの電圧変化(dV/dt)を用い、下記式(2)により演算することができる。
【0039】
(数2)
Ipeak = C ×(dV/dt) ・・・(2)
【0040】
例えば、駆動回路10について、抵抗R1及び抵抗R2の抵抗値が330[Ω]、コンデンサC1の容量が220[pF]、コンデンサC2の容量が330[pF]と想定する。この場合、立ち上がり時の時定数は、72[ns](330[Ω]×220[pF])なので、dV/dtは13.8[V/us](1[V]/72[ns])となる。したがって、最大電流は1.38[A]となる。立ち下がり時の時定数は、109[ns](330[Ω]×330[pF])なので、dV/dtは9.2[V/us](1[V]/109[ns])となる。したがって、最大電流は0.92[A]となる。すなわち、輻射ノイズの原因となる電流の最大値は、1.38[A]に低減される。
【0041】
駆動制御システム100は、負荷50として、ピエゾ素子などを含む容量性負荷を有するよう構成してもよい。例えば、駆動制御システム100は、直列に接続された2つのスイッチング素子(Q1、Q2)の間に設けられた圧電スピーカを有していてもよい。駆動制御システム100は、駆動回路10と制御装置20とにより構成され、負荷50は外部構成であってもよく、駆動回路10と負荷50とにより構成され、制御装置20は外部構成であってもよい。
【0042】
実施の形態2.
図1及び図9を参照し、本発明の実施の形態2に係る駆動回路10A及び駆動制御システム100について説明する。駆動制御システム100の全体的な構成例は、図1に示すとおりである。ただし、駆動制御システム100では、PWM信号のHレベルの電圧(V)が電源電圧(VDD)よりも小さくなるよう設定されている。実施の形態1の駆動回路10と同等の構成部材については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。各図では、煩雑化を避ける等の意図で、符号の一部を適宜省略する。
【0043】
図9に示すように、駆動回路10Aは、電源とGNDとの間に直列に接続された2つのスイッチング素子(Q1、Q2)を有するハーフブリッジ回路である。駆動回路10Aは、2つのスイッチング素子の間と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続されたコンデンサ(C1、C2)と、入力端子1aと各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続された抵抗(R1、R2)と、を有している。また、駆動回路10は、アノードが入力端子1a側に向いた状態で、抵抗R1に対し並列に接続されたダイオードD1と、カソードが入力端子1a側に向いた状態で、抵抗R2に対し並列に接続されたダイオードD2と、を有している。
【0044】
そして、駆動回路10Aは、2つのスイッチング素子(Q1、Q2)の間と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ、コンデンサ(C1又はC2)に対し直列に接続された抑制抵抗(R11、R21)を有している。より具体的に、駆動回路10Aは、スイッチング素子Q1の制御端子とコンデンサC1との間に接続された抑制抵抗(電源側抑制抵抗)R11と、スイッチング素子Q2の制御端子とコンデンサC2との間に接続された抑制抵抗(GND側抑制抵抗)R21と、を有している。
【0045】
抑制抵抗R11は、PWM信号がLからHになる際、つまりスイッチング素子Q2が積分動作によりOffからOnに遷移する際、コンデンサC1を通ってスイッチング素子Q1に流れる負帰還電流を制限するものである。抑制抵抗R21は、PWM信号がHからLになる際、つまりスイッチング素子Q1が積分動作によりOffからOnに遷移する際、コンデンサC2を通ってスイッチング素子Q2に流れる負帰還電流を制限するものである。駆動回路10Aは、抑制抵抗R11及び抑制抵抗R21を設けずに構成してもよいが、これらを設けなければ、制御装置20側へ逆流電流が流れ、スイッチングノイズが発生するおそれがある。
【0046】
図9には、スイッチング素子Q1のゲートに抑制抵抗R11が接続され、そのドレインにコンデンサC1が接続され、スイッチング素子Q2のゲートに抑制抵抗R21が接続され、そのドレインにコンデンサC2が接続された構成例を示しているが、これに限定されない。駆動回路10Aは、抑制抵抗R11とコンデンサC1の配置を入れ替えてもよく、抑制抵抗R21とコンデンサC2の配置を入れ替えてもよい。すなわち、スイッチング素子Q1のゲートにコンデンサC1が接続され、そのドレインに抑制抵抗R11が接続されるよう構成してもよい。同様に、スイッチング素子Q2のゲートにコンデンサC2が接続され、そのドレインに抑制抵抗R21が接続されるよう構成してもよい。
【0047】
駆動回路10Aは、入力端子1aと抵抗R1の入力端子1a側との間に接続されたコンデンサ(シフトコンデンサ)C5を有している。コンデンサC5は、PWM信号の振幅電圧では直接スイッチング素子Q1の制御ができない場合、スイッチング素子Q1のゲートの電位をシフトさせ、スイッチング素子Q1のオンオフ制御を実現させる。すなわち、駆動回路10Aは、コンデンサC5で直流遮断してスイッチング素子Q1のゲートの電位をPWM信号の変化に合わせてシフトさせ、スイッチング素子Q1の状態を遷移させるよう構成されている。コンデンサC5は、特に電源電圧(VDD)がPWM信号のHレベルの電圧(V)よりも一定程度高い場合(電源電圧>>Vの関係が成立する場合)に必須の構成となる。ここで、圧電スピーカは、音圧が印加電圧に比例するため、一般に、高い出力電圧Voが得られるよう構成される。駆動回路10Aは、コンデンサC5を有するため、負荷50としての圧電スピーカの駆動用にも好適に用いることができる。なお、駆動回路10Aにおいて、出力電圧VoがHからLまで低下する際、スイッチング素子Q1側では、スイッチング素子Q1の内部抵抗、ダイオードD1、及び制御装置20の出力インピーダンスの他、コンデンサC5も時定数を構成する要素となる。
【0048】
駆動回路10Aは、電源端子3aとコンデンサC5(抵抗R1の入力端子1a側)との間に接続されたバイアス抵抗R5を有している。バイアス抵抗R5は、コンデンサC5によるスイッチング素子Q1のゲートの電位のシフトにつき、コンデンサC5を電源電圧(VDD)にバイアスするものである。また、バイアス抵抗R5は、電源投入時において、スイッチング素子Q1のOffの状態を保持するために機能する。
【0049】
駆動回路10Aは、電源端子3aとコンデンサC5(抵抗R1の入力端子1a側)との間に接続されたダイオードZ5を有している。つまり、ダイオードZ5は、バイアス抵抗R5に対し並列に接続されたものである。ダイオードZ5は、例えばツェナーダイオードにより構成され、電圧クリップを1つの目的として設けられている。すなわち、ダイオードZ5は、スイッチング素子Q1のゲートの電位の上限をVDDにクリップし、コンデンサC5による電位シフトの幅を調整するものである。ダイオードZ5による電圧クリップで、スイッチング素子Q1のオンオフ時のゲートの電位は、PWM信号のデューティーに依存せず一定となるため、動作の安定性を高めることができる。また、ダイオードZ5は、スイッチング素子Q1の制御端子を保護する役割を担う。特に「VDD>VGSの最大値」の関係がある場合、ダイオードZ5としてはツェナーダイオードが望ましい。ダイオードZ5は、電源投入時、ツェナー電圧によりスイッチング素子Q1の制御端子を過電圧から保護するために機能する。そして、ダイオードZ5を設けることにより、スイッチング素子Q1のゲートしきい値電圧Vthに幅を持たせることができるため、スイッチング素子Q1としてのトランジスタの選定自由度が高まる。
【0050】
駆動回路10Aは、入力端子1aとGNDとの間に接続された抵抗(安定抵抗)R6を有している。抵抗R6は、電源投入直後など、制御用の入力(PWM信号)が不定のとき、該入力をスイッチング素子Q2により遮断するために機能する。抵抗R6は、制御装置20のPWM信号用のポートが出力専用のポートの場合、あえて設ける必要はない。ただし、制御装置20の該ポートが入出力ポートの場合は特に、初期値がハイインピーダンスとなり、駆動制御システム100に何らかの問題が発生する可能性があるため、抵抗R6を設けた方がよい。駆動回路10Aの他の構成及び動作等については、実施の形態1の駆動回路10と同様である。なお、駆動制御システム100は、駆動回路10Aと制御装置20とにより構成されてもよく、駆動回路10Aと負荷50とにより構成されてもよい。
【0051】
以上のように、駆動回路10Aは、2つのスイッチング素子(Q1、Q2)の間と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続されたコンデンサ(C1、C2)と、入力端子1aと各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続された抵抗(R1、R2)と、を有している。よって、コンデンサC1及び抵抗R1、又はコンデンサC2及び抵抗R2から構成される時定数により突入電流を抑えることができ、輻射ノイズの発生を抑制することができる。また、駆動回路10Aは、2つのスイッチング素子(Q1、Q2)の間と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ、コンデンサ(C1又はC2)に対し直列に接続された抑制抵抗(R11又はR21)を有している。よって、駆動回路10Aによれば、制御装置20側に流れる逆流電流を防ぎ、スイッチングノイズの発生を回避することができる。駆動回路10Aを用いれば、上記の他、実施の形態1の駆動回路10と同様の効果が得られる。
【0052】
実施の形態3.
図10及び図15を参照し、本発明の実施の形態3に係る駆動回路110及び駆動制御システム200について説明する。上述した実施の形態1の駆動回路10、駆動制御システム100と同等の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。各図では、煩雑化を避ける等の意図で、符号の一部を適宜省略する。まず、図10及び図11を参照して、駆動制御システム200の全体的な構成と駆動回路110の各構成部材について説明する。
【0053】
図10に示すように、駆動制御システム200は、駆動回路110と、制御装置20と、記憶装置25と、負荷50と、を有している。本実施の形態3の制御部21は、記憶装置25内の音声データ25dに基づき、互いに逆位相となる2つのPWM信号を生成する。そして、制御部21は、一方のPWM信号を駆動回路110の入力端子1aに出力し、他方のPWM信号を駆動回路110の入力端子1bに出力する。以下、駆動回路110の入力端子1aに入力されるPWM信号を第1PWM信号又はPWM1とも称し、駆動回路110の入力端子1bに入力されるPWM信号を第2PWM信号又はPWM2とも称する。駆動回路110の出力端子2aは、負荷50の第1端子5aに接続され、駆動回路110の出力端子2bは、負荷50の第2端子5bに接続される。駆動制御システム200の他の構成については、上述した駆動制御システム100と同様である。駆動制御システム200は、駆動回路110と制御装置20とにより構成されてもよく、駆動回路110と負荷50とにより構成されてもよい。
【0054】
図11に示すように、駆動回路110は、電源とGNDとの間に直列に接続された2つのスイッチング素子(Q1、Q2/Q3、Q4)及びPWM信号が入力される入力端子(1a/1b)を2組有するHブリッジ回路である。つまり、駆動回路110は、同等の構成からなる2組のハーフブリッジ回路を、機能的に対称となるよう配置したものである。駆動回路110は、各組について、2つのスイッチング素子の間と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続されたコンデンサ(C1、C2、C3、C4)と、入力端子と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続された抵抗(R1、R2、R3、R4)と、を有している。また、駆動回路110は、各組について、アノードが入力端子(1a又は1b)側に向いた状態で、電源側の抵抗(R1又はR3)に対し並列に接続された第1ダイオード(D1又はD3)と、カソードが入力端子(1a又は1b)側に向いた状態でGND側の抵抗(R2/R4)に対し並列に接続された第2ダイオード(D2又はD4)と、を有している。
【0055】
すなわち、駆動回路110は、実施の形態1の駆動回路10を2つ組み合わせて構築されている。ここで、駆動回路110において、入力端子1a側のハーフブリッジ回路を第1回路10mとし、入力端子1b側のハーフブリッジ回路を第2回路10nとする。第1回路10mの各構成部材は、同一の符号が付された駆動回路10の各構成部材と同様に配置され、同様に機能する。第2回路10nの各構成部材、つまりスイッチング素子Q3、スイッチング素子Q4、コンデンサC3、コンデンサC4、抵抗R3、抵抗R4、第1ダイオードD3、第2ダイオードD4は、それぞれ、駆動回路10のスイッチング素子Q1、スイッチング素子Q2、コンデンサC1、コンデンサC2、抵抗R1、抵抗R2、ダイオードD1、ダイオードD2と同等のものであり、同様に配置され、同様に機能する。
【0056】
次に図12図15を参照し、PWM信号の変化による駆動回路110の状態変化について説明する。図12には、PWM1がHでPWM2がLのときの駆動回路110の状態を例示している。このとき、スイッチング素子Q1はOff、スイッチング素子Q2はOn、スイッチング素子Q3はOn、スイッチング素子Q4はOffとなっている。したがって、出力端子2bが高電位(≒VDD)で、出力端子2aが低電位(≒0)となった状態で安定している。
【0057】
図13のように、PWM1がHからLに変化すると、出力端子2aの電圧は、コンデンサC1と抵抗R1とで構成される時定数によりGNDからVDDへなだらかに上昇する。その際、スイッチング素子Q1のゲート電圧VGSは、電圧Vth未満で安定した状態を継続し、スイッチング素子Q1は一定期間Offの状態を維持する。一方、スイッチング素子Q2のゲート電圧VGSは、電圧Vth未満まで急速に低下するため、スイッチング素子Q2は即座にOffとなる。これらにより、突入電流を抑え、貫通電流を防ぐことができる。
【0058】
また、図13のように、PWM2がLからHに変化すると、出力端子2bの電圧は、コンデンサC4と抵抗R4とで構成される時定数によりVDDからGNDへなだらかに下降する。その際、スイッチング素子Q4のゲート電圧VGSは、電圧Vth未満で安定した状態を継続し、スイッチング素子Q4は一定期間Offの状態を維持する。一方、スイッチング素子Q3のゲート電圧VGSは、電圧Vth未満まで急速に低下するため、スイッチング素子Q3は即座にOffとなる。これらにより、突入電流を抑え、貫通電流を防ぐことができる。そして、図14のように、出力端子2aが高電位(≒VDD)で、出力端子2bが低電位(≒0)となった状態で安定する。
【0059】
図15には、PWM1がLからHに遷移し、PWM2がHからLに遷移する際の駆動回路110の状態変化を例示している。図15のように、PWM1がLからHに変化すると、出力端子2aの電圧は、コンデンサC2と抵抗R2とで構成される時定数によりVDDからGNDへなだらかに下降する。その際、スイッチング素子Q2のゲート電圧VGSは、電圧Vth未満で安定した状態を継続し、スイッチング素子Q2は一定期間Offの状態を維持する。一方、スイッチング素子Q1のゲート電圧VGSは、電圧Vth未満まで急速に低下するため、スイッチング素子Q1は即座にOffとなる。これらにより、突入電流を抑え、貫通電流を防ぐことができる。
【0060】
また、図15のように、PWM2がHからLに変化すると、出力端子2bの電圧は、コンデンサC3と抵抗R3とで構成される時定数によりGNDからVDDへなだらかに上昇する。その際、スイッチング素子Q3のゲート電圧VGSは、電圧Vth未満で安定した状態を継続し、スイッチング素子Q3は一定期間Offの状態を維持する。一方、スイッチング素子Q4のゲート電圧VGSは、電圧Vth未満まで急速に低下するため、スイッチング素子Q4は即座にOffとなる。これらにより、突入電流を抑え、貫通電流を防ぐことができる。そして、図12のように、出力端子2bが高電位(≒VDD)で、出力端子2aが低電位(≒0)となった状態で安定する。
【0061】
以上のように、駆動回路110は、電源とGNDとの間に直列に接続された2つのスイッチング素子を2組(Q1及びQ2とQ3及びQ4)有するHブリッジ回路である。駆動回路110は、各組について、2つのスイッチング素子の間と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続されたコンデンサ(C1、C2、C3、C4)と、入力端子と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続された抵抗(R1、R2、R3、R4)と、を有している。よって、PWM1がHからL、PWM2がLからHにそれぞれ遷移する際、コンデンサC1と抵抗R1とによる時定数、及びコンデンサC4と抵抗R4とによる時定数により、突入電流を抑えることができるため、輻射ノイズの発生を抑制することができる。同様に、PWM1がLからH、PWM2がHからLにそれぞれ遷移する際、コンデンサC2と抵抗R2とによる時定数、及びコンデンサC3と抵抗R3とによる時定数により、突入電流を抑えることができるため、輻射ノイズの発生を抑制することができる。
【0062】
また、駆動回路110は、各組について、アノードが入力端子側に向いた状態で、抵抗(R1/R3)に対し並列に接続された第1ダイオード(D1又はD3)と、カソードが入力端子側に向いた状態で抵抗(R2/R4)に対し並列に接続された第2ダイオード(D2/D4)と、を有している。したがって、スイッチング素子Q1がOnになる際に、スイッチング素子Q2がOnからOffへ急速に遷移し、スイッチング素子Q2がOnになる際に、スイッチング素子Q1がOnからOffへ急速に遷移する。同様に、スイッチング素子Q3がOnになる際に、スイッチング素子Q4がOnからOffへ急速に遷移し、スイッチング素子Q4がOnになる際に、スイッチング素子Q3がOnからOffへ急速に遷移する。したがって、貫通電流を防ぐことができ、これにより、デッドタイム制御が不要となる。そして、フルブリッジ回路である駆動回路110によれば、負荷50への印加電圧を、ハーフブリッジ回路である駆動回路10の2倍にすることができる。よって、駆動回路110を用いることにより、負荷50の出力を相対的に増大することができる。例えば、スピーカの出力音圧レベルは印加電圧に比例することから、印加電圧を増やせば、スピーカの最大音量を上げることができる。そのため、負荷50としてのスピーカの駆動用に駆動回路110を用いれば、音量の調整幅を大きくすることができる。駆動回路110による他の効果等については、実施の形態1の駆動回路10と同様である。
【0063】
実施の形態4.
図10及び図16を参照し、本発明の実施の形態4に係る駆動回路110A及び駆動制御システム200について説明する。駆動制御システム200の全体的な構成例は、図10に示すとおりである。ただし、駆動制御システム100では、PWM1及びPWM2のHレベルの電圧(V)が電源電圧(VDD)よりも小さくなるよう設定されている。上述した各実施の形態の駆動回路10、10A、110と同等の構成部材については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。各図では、煩雑化を避ける等の意図で符号の一部を適宜省略する。
【0064】
駆動回路110Aは、実施の形態2の駆動回路10Aを2つ組み合わせて構築されている。ここで、駆動回路110Aにおいて、入力端子1a側のハーフブリッジ回路を第1回路110mとし、入力端子1b側のハーフブリッジ回路を第2回路110nとする。第1回路110mの各構成部材は、同一の符号が付された駆動回路10Aの各構成部材と同様に配置され、同様に機能する。第2回路110nの各構成部材のうち、スイッチング素子Q3、スイッチング素子Q4、コンデンサC3、コンデンサC4、抵抗R3、抵抗R4、第1ダイオードD3、第2ダイオードD4は、それぞれ、駆動回路110のものと同様に配置され、同様に機能する。
【0065】
第2回路110nの各構成部材のうち、抑制抵抗R31、抑制抵抗R41、コンデンサ(シフトコンデンサ)C7、バイアス抵抗R7、ダイオードZ7、抵抗(安定抵抗)R8は、それぞれ、抑制抵抗R11、抑制抵抗R21、コンデンサC5、バイアス抵抗R5、ダイオードZ5、抵抗R6と同等のものであり、同様に配置され、同様に機能する。
【0066】
すなわち、第2回路110nは、スイッチング素子Q3の制御端子とコンデンサC3との間に接続された抑制抵抗(電源側抑制抵抗)R31と、スイッチング素子Q4の制御端子とコンデンサC4との間に接続された抑制抵抗(GND側抑制抵抗)R41と、を有している。第2回路110nは、入力端子1bと抵抗R3の入力端子1b側との間に接続されたコンデンサC7を有している。第2回路110nは、電源端子3bとコンデンサC7(抵抗R3の入力端子1b側)との間に接続されたバイアス抵抗R7を有している。第2回路110nは、電源端子3bとコンデンサC7(抵抗R3の入力端子1b側)との間に接続されたダイオードZ7を有している。つまり、ダイオードZ7は、バイアス抵抗R7に対し並列に接続されたものである。第2回路110nは、入力端子1bとGNDとの間に接続された抵抗R8を有している。なお、駆動制御システム200は、駆動回路110Aと制御装置20とにより構成されてもよく、駆動回路110Aと負荷50とにより構成されてもよい。
【0067】
以上のように、駆動回路110Aは、2つのスイッチング素子を含む各組(Q1及びQ2/Q3及びQ4)について、2つのスイッチング素子の間と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続されたコンデンサ(C1、C2、C3、C4)と、入力端子と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続された抵抗(R1、R2、R3、R4)と、を有している。よって、PWM1がHからLに遷移し、かつPWM2がLからHに遷移する際、コンデンサC1と抵抗R1とによる時定数、及びコンデンサC4と抵抗R4とによる時定数により、突入電流を抑えることができるため、輻射ノイズの発生を抑制することができる。同様に、PWM1がLからHに遷移し、かつPWM2がHからLに遷移する際、コンデンサC2と抵抗R2とによる時定数、及びコンデンサC3と抵抗R3とによる時定数により、突入電流を抑えることができるため、輻射ノイズの発生を抑制することができる。
【0068】
また、駆動回路110は、各組について、アノードが入力端子側に向いた状態で、抵抗(R1/R3)に対し並列に接続された第1ダイオード(D1又はD3)と、カソードが入力端子側に向いた状態で抵抗(R2/R4)に対し並列に接続された第2ダイオード(D2/D4)と、を有している。したがって、スイッチング素子Q1がOnになる際に、スイッチング素子Q2がOnからOffへ急速に遷移し、スイッチング素子Q2がOnになる際に、スイッチング素子Q1がOnからOffへ急速に遷移する。同様に、スイッチング素子Q3がOnになる際に、スイッチング素子Q4がOnからOffへ急速に遷移し、スイッチング素子Q4がOnになる際に、スイッチング素子Q3がOnからOffへ急速に遷移する。したがって、貫通電流を防ぐことができ、これにより、デッドタイム制御が不要となる。
【0069】
さらに、駆動回路110Aは、各組について、2つのスイッチング素子の間と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ、コンデンサ(C1、C2、C3、C4)に対し直列に接続された抑制抵抗(R11、R21、R31、R41)を有している。よって、
駆動回路110Aによれば、制御装置20側に流れる逆流電流を防ぎ、スイッチングノイズの発生を回避することができる。
【0070】
上述した各実施の形態は、駆動回路及び駆動制御システムにおける好適な具体例であり、本発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではない。例えば、各図では、スイッチング素子(Q1、Q2、Q3、Q4)として、電界効果トランジスタ(FET)を例示しているが、これに限定されない。駆動回路10、10A、110、110Aは、スイッチング素子(Q1、Q2、Q3、Q4)として、BJT又はIGBTなどを有する構成を採ってもよい。BJTの場合は、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q3としてPNP型のものを採用し、スイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4としてNPN型のものを採用するとよい。
【0071】
各図では、負荷50として圧電スピーカを例示したが、これに限定されない。例えば、駆動制御システム100、200は、負荷50として、ダイナミックスピーカなどの他のスピーカを有していてもよく、モータなどの誘導性負荷を有していてもよい。すなわち、駆動回路10、10A、110、110Aは、種々のスピーカやモータ等の駆動用に利用してもよい。なお、図1及び図10では、制御部21の動作プログラムとして音声発声制御プログラム22pを例示しているが、制御部21の動作プログラムは、負荷50に合わせて変更される。また、図1及び図10では、PWM信号の元となるデータとして音声データ25dを例示しているが、PWM信号の元となるデータは、負荷50に合わせて変更される。電源端子3aとGND端子4aの数は、各図の例に限らず、回路配置の変更などに応じて適宜変更される。もっとも、各図での駆動回路10、10A、110、110Aにおける各構成部材の配置等は、便宜的な例であり、適宜調整・変更するとよい。なお、駆動回路10Aは、ダイオードZ5を設けずに構成してもよく、駆動回路110Aは、ダイオードZ5及びダイオードZ7を設けずに構成してもよい。ただし、ダイオードZ5を設けなければ、スイッチング素子Q1として採用できるトランジスタの種類が狭まり、ダイオードZ7を設けなければ、スイッチング素子Q3として採用できるトランジスタの種類が狭まるため、実装するのが望ましい。
【符号の説明】
【0072】
1a、1b 入力端子、2a、2b 出力端子、3a 電源端子、4a GND端子、5a 第1端子、5b 第2端子、10、10A、110、110A 駆動回路、10m、110m 第1回路、10n、110n 第2回路、20 制御装置、21 制御部、22 記憶部、22p 音声発声制御プログラム、25 記憶装置、25d 音声データ、50 負荷、51 ピエゾ素子、100、200 駆動制御システム、C1、C3 コンデンサ(電源側コンデンサ)、C2、C4 コンデンサ(GND側コンデンサ)、C5、C7 コンデンサ(シフトコンデンサ)、D1、D3 ダイオード(電源側ダイオード、第1ダイオード)、D2、D4 ダイオード(GND側ダイオード、第2ダイオード)、Q1、Q3 スイッチング素子(電源側スイッチング素子)、Q2、Q4 スイッチング素子(GND側スイッチング素子)、R1 抵抗(電源側抵抗)、R2 抵抗(GND側抵抗)、R11、R31 抑制抵抗(電源側抑制抵抗)、R21、R41 抑制抵抗(GND側抑制抵抗)、R5、R7 バイアス抵抗、R6、R8 抵抗(安定抵抗)、Z5、Z7 ダイオード。
【要約】
【課題】輻射ノイズの発生を抑制する駆動回路及び駆動制御システムを提供すること。
【解決手段】電源とGNDとの間に直列に接続された2つのスイッチング素子を有する駆動回路。駆動回路は、2つのスイッチング素子の間と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続されたコンデンサと、PWM信号が入力される入力端子と各スイッチング素子の制御端子との間にそれぞれ接続された抵抗と、を有している。駆動制御システムは、上記の駆動回路と、駆動回路にPWM信号を出力する制御装置と、直列に接続された2つのスイッチング素子の間に設けられた圧電スピーカと、を有している。
【選択図】図2

図1
図2
図3
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図5
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図16