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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】超音波送受波器
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/521 20060101AFI20240119BHJP
   G01S 15/96 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
G01S7/521 A
G01S15/96
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023556502
(86)(22)【出願日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 JP2023025666
【審査請求日】2023-10-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000243364
【氏名又は名称】本多電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114605
【弁理士】
【氏名又は名称】渥美 久彦
(72)【発明者】
【氏名】流田 賢治
【審査官】梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】特許第6991613(JP,B2)
【文献】中国特許出願公開第113815784(CN,A)
【文献】特開2014-196067(JP,A)
【文献】特開2018-179512(JP,A)
【文献】特開2001-166056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/52 - 7/64
G01S 15/00 - 15/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を送受信する超音波振動子と、前記超音波振動子を収容する釣鐘状のケースと、前記ケースを吊り下げるためのケーブルとを備えた魚群探知機用の超音波送受波器であって、
前記ケースは、上ケースと下ケースとにより構成され、
前記下ケース内の底部中央部に、音響整合層を兼ねるとともに相対的に大径の基材と、前記基材に接合されるとともに相対的に小径の圧電素子とにより構成された円柱状の前記超音波振動子が配置され、
前記ケースの内周面と前記超音波振動子の外周面とがなす隙間には、前記超音波振動子を囲むとともにその重心が、弾性体からなる前記下ケースの中心部に位置するように、剛性のある金属材料からなるリング状錘が配置され、
前記リング状錘の内周面は、前記圧電素子の外周面に非接触の状態で配置され、
前記ケース内の下部領域における前記隙間が充填剤により埋められるとともに、前記充填剤により前記リング状錘が前記ケースに対して固定されている
ことを特徴とする超音波送受波器。
【請求項2】
前記リング状錘の上面は、前記超音波振動子の上端面よりも低い位置にあることを特徴とする請求項に記載の超音波送受波器。
【請求項3】
前記リング状錘は、前記圧電素子の比重と同等またはそれ以上の比重を有することを特徴とする請求項に記載の超音波送受波器。
【請求項4】
前記充填剤は、流動性を有する樹脂の硬化物であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の超音波送受波器。
【請求項5】
記充填剤の上面が、前記下ケースと前記上ケースとの接合界面よりも上方かつ前記超音波振動子の上端面よりも上方に位置しており、
前記充填剤よりも上側の領域には、空洞部が残されている
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の超音波送受波器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を利用して魚群を探知する魚群探知機用の超音波送受波器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波振動子が収容されたケースを、信号伝送用のケーブルで吊り下げて水中に浸漬し、超音波振動子による超音波の送受信により魚群探知を行う超音波送受波器が知られている(例えば、特許文献1参照)。この超音波送受波器は、例えば、ワカサギ釣りなどのアイスフィッシングで用いられている。なお、超音波送受波器のケースは、アイスフィッシングにおいて氷にあけられた孔から水中に挿入されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6991613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、超音波送受波器の探知精度を向上させるためには、超音波振動子の音響放射面を水平にして超音波を鉛直下向きに照射(送信)することが好ましく、従来では、超音波振動子の自重により音響放射面を水平にしている。ところが、ケースの中心と超音波振動子の重心とのズレが大きい場合には、超音波送受波器が水中で傾斜し、音響放射面を傾斜するため、照射される超音波の向き(音圧中心軸)が鉛直方向に対して数度傾斜してしまう。この場合、魚群を正確に探知できないため、魚群探知機での表示に誤差が生じるという問題がある。従って、ケースを吊り下げた際に、超音波振動子が真下を向くように重心を調整する必要がある。
【0005】
なお、超音波振動子の指向特性は、共振周波数と音響放射面の直径とによって決定される。本願出願人は、様々な指向特性や周波数特性を有する超音波振動子を備えた超音波送受波器を製品としてラインナップしたいと考えている。しかし、それを特許文献1の構造を用いて実現する場合には、超音波振動子のサイズに応じて、内径の異なるケースをそれぞれ用意する必要があるため、超音波送受波器の製造コストが上昇してしまうという問題がある。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、水中での姿勢を安定させて探知精度を向上させる構造を、低コストで実現することができる超音波送受波器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、超音波を送受信する超音波振動子と、前記超音波振動子を収容する釣鐘状のケースと、前記ケースを吊り下げるためのケーブルとを備えた魚群探知機用の超音波送受波器であって、前記ケースは、上ケースと下ケースとにより構成され、前記下ケース内の底部中央部に、音響整合層を兼ねるとともに相対的に大径の基材と、前記基材に接合されるとともに相対的に小径の圧電素子とにより構成された円柱状の前記超音波振動子が配置され、前記ケースの内周面と前記超音波振動子の外周面とがなす隙間には、前記超音波振動子を囲むとともにその重心が、弾性体からなる前記下ケースの中心部に位置するように、剛性のある金属材料からなるリング状錘が配置され、前記リング状錘の内周面は、前記圧電素子の外周面に非接触の状態で配置され、前記ケース内の下部領域における前記隙間が充填剤により埋められるとともに、前記充填剤により前記リング状錘が前記ケースに対して固定されていることを特徴とする超音波送受波器をその要旨とする。
【0008】
従って、請求項1に記載の発明によれば、ケース内の底部中央部に超音波振動子を配置し、超音波振動子を囲むとともにその重心がケースの中心部に位置するように錘を配置することにより、ケーブルで吊り下げた際に揺れにくくなり、超音波送受波器の水中での姿勢が安定する。その結果、超音波振動子の音響放射面が水平になるため、超音波を鉛直下向きに送信することができ、超音波送受波器の探知精度が向上する。しかも、ケースの内周面と超音波振動子の外周面とがなす隙間において、超音波振動子を囲むように錘が配置される。これにより、ケースの内径に比べて超音波振動子の外径がかなり小さい場合であっても、超音波振動子は、錘によってケースの中心部に位置決めされる。この場合、超音波振動子のサイズに応じて、内径の異なるケースを用意しなくても済むため、ケースを共通化することができる。ゆえに、超音波送受波器の水中での姿勢を安定させて探知精度を向上させる構造を、低コストで実現することができる。
【0010】
そして本発明によると、リング状の錘に囲まれる超音波振動子を、ケース内の底部中央部に容易に位置決めすることができる。また、錘は、リング状錘であることから回転対称性を有するため、錘の重心がケースの中心部に一致しやすくなり、超音波送受波器の傾斜が解消されやすくなる。その結果、超音波送受波器の水中での姿勢を容易に安定させることができ、超音波振動子の音響放射面が水平になるため、超音波送受波器の探知精度を容易に向上させることができる。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項において、前記錘の上面は、前記超音波振動子の上端面よりも低い位置にあることをその要旨とする。
【0012】
従って、請求項に記載の発明によると、錘が超音波振動子よりも低くなるため、超音波送受波器の重心を下げやすくなる。その結果、超音波送受波器の水中での姿勢が確実に安定し、超音波振動子の音響放射面が確実に水平になるため、超音波を確実に鉛直下向きに送信することができる。
【0013】
また上記発明では、前記超音波振動子は、音響整合層を兼ねるとともに相対的に大径の基材と、前記基材に接合されるとともに相対的に小径の圧電素子とにより構成され、前記錘は、前記圧電素子に非接触の状態で配置されている
【0014】
従って、錘が圧電素子に非接触の状態で配置されるため、圧電素子の振動が錘によって妨げられなくて済む。よって、圧電素子の高感度化を図ることができる。また、錘が基材に接触した状態で配置されてもよく、その場合には超音波振動子を、錘によってケースの中心部に確実に保持することができる。その結果、超音波送受波器の水中での姿勢を容易に安定させることができ、超音波振動子の音響放射面が水平になるため、超音波送受波器の探知精度を容易に向上させることができる。
【0015】
請求項に記載の発明は、請求項において、前記錘は、前記圧電素子の比重と同等またはそれ以上の比重を有することをその要旨とする。
【0016】
従って、請求項に記載の発明によると、錘の比重が大きくなるため、超音波送受波器が、水に沈みやすくなり、水中での姿勢が安定しやすくなる。
【0017】
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1項において、前記充填剤は、流動性を有する樹脂の硬化物であることをその要旨とする。
【0018】
従って、請求項に記載の発明によると、充填剤が流動性を有するため、ケースの内周面と超音波振動子の外周面とがなす隙間に充填剤が確実に充填される。その結果、充填剤が硬化することにより、錘をケースに対して固定することができる。また、錘と、同錘によって囲まれる超音波振動子とを、隙間に充填された充填剤を介して固定することもできる。
【0019】
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1項において、前記充填剤の上面が、前記下ケースと前記上ケースとの接合界面よりも上方かつ前記超音波振動子の上端面よりも上方に位置しており、前記充填剤よりも上側の領域には、空洞部が残されていることをその要旨とする。
【0020】
従って、請求項に記載の発明によれば、下ケースの内部空間が超音波振動子及び錘で埋められている。このため、上ケースの内部空間を満たす量の充填剤があれば、充填剤により、下ケースの内部空間全体を満たすのに加えて、上ケースの内部空間の少なくとも一部も満たすことができる。よって、充填剤が硬化することにより、下ケースと上ケースとを強固に接合することができる。しかも、錘が下ケース側に収容されることで、上ケース側に錘を収容する必要がなくなるため、上ケース内に、トランス、コイル、抵抗などを入れるスペースを確保することができる。また、ケース内において充填剤よりも上側の領域に空洞部が残されることにより、超音波送受波器の重心を下げることができるため、超音波送受波器の水中での姿勢がよりいっそう安定する。さらに、充填剤の上面が、下ケースと上ケースとの接合界面よりも上方に位置しているため、下ケースと上ケースとの接合部分がケース内に充填された充填剤に覆われる。その結果、接合部分からケース内への水の侵入が充填剤によって防止されるため、ケースの防水性能が向上する。
【発明の効果】
【0021】
以上詳述したように、請求項1~に記載の発明によると、超音波送受波器の水中での姿勢を安定させて探知精度を向上させる構造を、低コストで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施形態における超音波送受波器を示す側面図。
図2図1のA-A線断面図。
図3】超音波送受波器を示す分解斜視図。
図4】超音波送受波器の電気的構成を示すブロック図。
図5】他の実施形態における圧電素子を示す斜視図。
図6】他の実施形態における圧電素子を示す斜視図。
図7】他の実施形態における錘の配置態様を示す平面図。
図8】他の実施形態における錘の配置態様を示す平面図。
図9】他の実施形態における錘の配置態様を示す平面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0024】
図1図2に示されるように、本実施形態の超音波送受波器10は、水中に超音波を照射することにより、水中に存在する魚群を探知する魚群探知機用の機器である。超音波送受波器10は、超音波を送受信する超音波振動子21と、超音波振動子21を収容する釣鐘状のケース50と、ケース50を吊り下げるためのケーブル30とを備えている。なお、本実施形態の超音波送受波器10は、通常使用時において、ケーブル30に吊り下げられた状態で使用される。
【0025】
図1図3に示されるように、ケース50は、ケース50の上半部を構成する上ケース51と、ケース50の下半部を構成する下ケース61とを有している。上ケース51は、下端51aにて開口し、上端に行くに従って外径が徐々に小さくなる形状をなしている。上ケース51は、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)やPC樹脂(ポリカーボネート樹脂)などの、弾性を殆ど有しないために変形しにくい樹脂材料を用いて形成されている。さらに、上ケース51の上端部には貫通孔52が設けられ、貫通孔52には、クロロプレンゴムやネオプレンゴムなどからなるブッシング53が嵌合されている。ブッシング53は、配線挿通孔54を中心に有する円環状をなしており、配線挿通孔54を挿通するケーブル30を固定する機能を有している。
【0026】
図1図3に示されるように、下ケース61は、音響整合層を兼ねるクロロプレンゴム、ネオプレンゴム、ポリウレタンなどの弾性体からなり、底面62及び同底面62に対して垂直な外周面63を有している。また、下ケース61は、上端にて開口する有底円筒状のケースであり、底部64及び側壁65を一体形成することによって断面凹状に構成されている。そして、下ケース61の内部には、上ケース51の下端部が嵌入されている。なお、下ケース61の上端側開口部には、下ケース61の内部に嵌入された上ケース51の開口端(下端51a)を当接させるための段差面66が形成されている。
【0027】
また、下ケース61の側壁65の外周面63には、溝部67が形成されている。溝部67は、通常の使用とは異なる使用態様、具体的には、超音波送受波器10をボート(図示略)に取り付けて使用する際において、Uボルトや結束バンド等の締結部材(図示略)を嵌合させるためのものである。なお、締結部材は、超音波送受波器10を保持具(図示略)に固定させ、保持具は、ボートの船尾部分に取り付けられる。
【0028】
図2に示されるように、下ケース61の内周面68は、底部64に行くに従って内径が徐々に小さくなる形状をなしている。そして、ケース50の下ケース61側には超音波振動子21が収容されている。具体的に言うと、超音波振動子21は、下ケース61の底部64の中央部に配置されている。超音波振動子21は、全体として円柱状をなしており、音響整合層を兼ねるとともに相対的に大径の基材22と、基材22に接合されるとともに相対的に小径の圧電素子23とにより構成されている。なお、圧電素子23の中心軸O1と基材22の中心軸O2とのズレ量は、基材22の外径寸法の2%以下(本実施形態では0%)の大きさである。また、下ケース61の中心軸O3と基材22の中心軸O2とのズレ量は、下ケース61の外径寸法の2%以下(本実施形態では0%)の大きさである。
【0029】
なお、基材22は、ガラスエポキシ(FR-4)やガラス繊維強化樹脂(GFRP)などを用いて形成された円板状の樹脂製板状物である。また、圧電素子23は、例えば、圧電セラミックスであるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いて形成された円柱状のセラミックス製板状物である。圧電素子23は、前面24と、前面24の反対側にある背面25とを有している。さらに、圧電素子23の前面24には前面側電極(図示略)が形成され、圧電素子23の背面25には背面側電極(図示略)が形成されている。なお、本実施形態では、圧電素子23の前面24の全体が、前面側電極及び接着層(図示略)を介して基材22に接合されている。そして、基材22に接合される前面24が、圧電素子23が振動したときに超音波を照射(送信)するための音響放射面として機能する。
【0030】
そして、図2に示されるように、ケーブル30に含まれる2本の配線のうち、一方の配線31は前面側電極に接続され、もう一方の配線32は背面側電極に接続されている。配線31は、前面側電極から外側に延出された側面端子(図示略)に対してはんだ付けなどにより接続されている。配線32は、背面側電極の外周部に対してはんだ付けなどにより接続されている。そして、ケーブル30は、ケース50の上部に設けられた配線挿通孔54を通ってケース50外に引き出される。
【0031】
図2図3に示されるように、圧電素子23の背面25側には、シート状の防音材33(バッキング材)が貼付されている。防音材33は、背面25側の音を吸音して残響を抑えるためのものである。さらに、圧電素子23の外周面26には、防音材34(側面材)が巻き付けられている。防音材34は、外周面26への音を吸音して残響を抑えるためのものである。なお、防音材33,34としては、樹脂材料やゴムに対して、金属やセラミックスからなる粒子または繊維を含有させたものや、樹脂材料に対して空孔を分散的に設けたもの(スポンジなど)を用いることができる。
【0032】
また、ケース50の下ケース61側には錘41が収容されている。錘41は、下ケース61(ケース50)の内周面68と超音波振動子21の外周面とがなす隙間に配置されている。また、錘41は、その重心が下ケース61(ケース50)の中心部に位置するように配置されている。よって、錘41は、ケース50を水中に沈める機能と、ケーブル30でケース50を吊り下げた際にケース50が傾かないように重心を調整する機能とを有している。本実施形態の錘41は、リング状錘である。錘41は、下ケース61の内周面68側に位置する外周面42と、超音波振動子21の外周面側に位置する内周面43とを有し、超音波振動子21を外周面側から囲む環状部材である。錘41の外径は、下ケース61の内周面68の下端の内径と等しくなっている。また、錘41の内径は、圧電素子23の外径よりも若干大きく、かつ、基材22の外径と等しくなっている。これにより、錘41の内周面43は、圧電素子23の外周面26に非接触の状態でかつ基材22の外周面22aに面接触した状態で配置されている。なお、錘41の中心軸O4と圧電素子23の中心軸O1とのズレ量は、圧電素子23の外径寸法の2%以下(本実施形態では0%)の大きさである。また、錘41の上面44は、超音波振動子21の上端面21aよりも超音波振動子21の高さの3分の1以上3分の2以下だけ低い位置にある。一方、錘41の下面45は、超音波振動子21の下端面21bと同じ高さに位置している。
【0033】
なお、錘41は、比重が7以上の材料、例えば、亜鉛(比重7.14)、鉄(比重7.85)、鉛(比重11.34)などによって形成されている。つまり、錘41は、圧電素子23の比重(本実施形態では7.7)と同等またはそれ以上の比重を有している。
【0034】
そして、図2に示されるケース50内には、樹脂材料(エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等)や接着剤(2液硬化タイプのエポキシ系接着剤や、ゴム系接着剤等)などからなる充填剤A1が充填されている。充填剤A1は、流動性を有する樹脂の硬化物である。また、充填剤A1の上面A3は、下ケース61と上ケース51との接合界面よりも上方、かつ、超音波振動子21の上端面21aよりも上方に位置している。これにより、充填剤A1よりも上側の領域には、空洞部A2が残されている。なお、充填剤A1の一部は、ケース50内の下部領域における隙間(例えば、下ケース61の内周面68と錘41の外周面42との隙間や、超音波振動子21の外周面と錘41の内周面43との隙間)にも充填されている。その結果、充填剤A1により、錘41がケース50に対して固定される。
【0035】
次に、超音波送受波器10の電気的構成について説明する。
【0036】
図4に示されるように、超音波送受波器10の液晶モニター(図示略)は、機器全体を統括的に制御する制御装置70を備えている。制御装置70は、CPU71、ROM72、RAM73等からなる周知のコンピュータにより構成されている。
【0037】
CPU71は、送受信回路74を介して超音波振動子21に電気的に接続されている。送受信回路74は、超音波振動子21に対して発振信号を出力して、超音波振動子21を駆動させるようになっている。その結果、超音波振動子21は、超音波を水中に向けて照射(送信)する。また、送受信回路74には、超音波振動子21で受信した超音波(反射波)を示す電気信号が入力されるようになっている。さらに、CPU71は、液晶モニターの操作部75及び表示部76に対してそれぞれ電気的に接続されている。
【0038】
そして、図4に示されるCPU71は、送受信回路74に対して超音波振動子21から超音波を照射させる制御を行う。また、CPU71は、超音波振動子21が反射波を受信したことを契機として生成される受信信号を、送受信回路74を介して受信する。そして、CPU71は、受信した受信信号に基づいて探知画像データを生成し、生成した探知画像データをRAM73に記憶させる。CPU71は、RAM73に記憶された探知画像データに基づいて、探知画像を表示部76に表示させる制御を行う。
【0039】
次に、超音波送受波器10の使用方法を説明する。
【0040】
本実施形態の超音波送受波器10は、ワカサギ釣りなどのアイスフィッシングで用いられる。アイスフィッシングでは、超音波振動子21が収容されたケース50を、ケーブル30で吊り下げて水中に浸漬する。そして、超音波振動子21による超音波の送受信により、魚群探知を行う。具体的には、まず、超音波送受波器10及び液晶モニターの電源(図示略)をオンする。なお、液晶モニターは、例えば作業者に把持された状態で使用される。次に、制御装置70のCPU71は、送受信回路74からケーブル30を介して超音波振動子21に発振信号を出力させる制御を行い、超音波振動子21を駆動させる。このとき、圧電素子23は、厚さ方向への伸縮と伸長とを繰り返す。その結果、圧電素子23が振動し、超音波振動子21から水中に対して超音波が照射(送信)される。そして、超音波が魚群や湖底に到達すると、超音波は、魚群や湖底で反射して反射波となり、超音波送受波器10に向かって伝搬して超音波振動子21に入力(受信)される。その後、超音波振動子21が受信した超音波(反射波)は、受信信号に変換され、ケーブル30及び送受信回路74を介してCPU71に入力される。CPU71は、この一連の送受信によって得られた受信信号の振幅と時間(タイミング)の情報とを画像化して表示部76に表示させる。
【0041】
次に、超音波送受波器10の製造方法を説明する。
【0042】
まず、基材22を準備する。具体的に言うと、例えばガラスエポキシ(FR-4)からなる樹脂製板状物を円形状に切削加工する。また、圧電素子23となるべきセラミックス製板状物を準備する。具体的には、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる円板状のセラミック製焼結体を作製した後、表面研磨を行うことにより、セラミックス製板状物を得る。次に、セラミックス製板状物の前面24に前面側電極を形成するとともに、セラミックス製板状物の背面25に背面側電極を形成する。具体的には、セラミックス製板状物の前面24及び背面25にそれぞれ銀ペーストを塗布し、塗布した銀ペーストを焼成することにより、前面側電極及び背面側電極を形成する。そして、前面側電極及び背面側電極の間に電圧を印加することにより、セラミックス製板状物を厚さ方向に分極させる分極処理を行う。
【0043】
次に、基材22の片面に対して、セラミックス製板状物を前面側電極を介して接合する。具体的には、前面側電極の表面及び基材22の表面のいずれか一方に対して、接着層となる接着剤(エポキシ系接着剤など)を塗布し、基材22に対してセラミックス製板状物を接着固定する。この時点で、超音波振動子21が完成する。なお、接着剤を塗布する代わりに、はんだ等を用いたロウ付けを行ってもよい。
【0044】
なお、超音波振動子21が完成した後、前面側電極に対して側面端子(図示略)を介して配線31をはんだ付けなどにより接続するとともに、背面側電極に対して配線32をはんだ付けなどにより接続する。次に、圧電素子23の外周面26に、残響を押さえるための防音材34を巻き付けた後、圧電素子23の背面25側に、同じく残響を押さえるための防音材33を貼付する。
【0045】
その後、超音波振動子21を下ケース61に収容する。そして、下ケース61の中心軸O3と基材22の中心軸O2とのズレ量が下ケース61の外径寸法の2%以下の大きさとなるように、超音波振動子21を配置した状態で、超音波振動子21を下ケース61に接着する。具体的には、下ケース61の内底面64a及び基材22の裏面(下端面21b)のいずれか一方に対して、接着剤(エポキシ系接着剤など)を塗布し、下ケース61に対して超音波振動子21を接着固定する。
【0046】
さらに、錘41を下ケース61に収容する。なお、下ケース61の内壁は、底部64に行くに従って内径が徐々に小さくなる形状をなすため、錘41は、内周面68との当接により、水平な状態を保持しつつ、内周面68と基材22(超音波振動子21)の外周面22aとがなす隙間内に案内される。このとき、錘41の中心軸O4と圧電素子23の中心軸O1とのズレ量は、圧電素子23の外径寸法の2%以下の大きさとなる。
【0047】
さらに、ケース50内に充填剤A1を充填する。具体的には、まず、上ケース51の貫通孔52にブッシング53を嵌合させる。次に、上ケース51を逆さまにした状態で、ケーブル30をブッシング53の配線挿通孔54に挿通させる。なお、ケーブル30の抜け防止のため、ケーブル30に対して、結び目を設けてもよいし、結束バンドを締結してもよい。
【0048】
次に、上ケース51内に対して液状の充填剤A1を流し込む。さらに、超音波振動子21及び防音材33,34が接着されて配線済みの下ケース61を逆さまにした状態で、下ケース61を上ケース51に被せて嵌合し、ケース50を形成する。なお、補強のために、上ケース51と下ケース61との接触部に予め接着剤(図示略)を塗布しておいてもよい。そして、上ケース51内に充填した充填剤A1が硬化する前に、ケース50の上下を反転させ、下ケース61の底面62を下方に向けた状態で、ケース50を水平な平坦面(図示略)に載置する。その結果、上ケース51内の充填剤A1が、下ケース61側に流れ込み、これに伴って、上ケース51の上部領域に空洞部A2が生じる。さらに、充填剤A1は、錘41の上面44から下ケース61の内底面64aまで行き渡るとともに、ケーブル30の下端部まで行き渡るため、上ケース51と下ケース61との接合部分が充填剤A1に覆われ、ケース50の密封状態が確保される。
【0049】
その後、ケース50を静置し、充填剤A1を硬化させる。また、充填剤A1の種類に応じて加熱処理を行い、充填剤A1を硬化させる。この時点で、錘41が固定され、超音波送受波器10が完成する。
【0050】
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0051】
(1)本実施形態の超音波送受波器10では、下ケース61内の底部64の中央部に超音波振動子21を配置し、超音波振動子21を囲むとともにその重心がケース50の中心部に位置するように錘41を配置する。これにより、超音波送受波器10が適度に重くなるため、ケーブル30で吊り下げた際に揺れにくくなり、超音波送受波器10の水中での姿勢が安定する。その結果、超音波振動子21を構成する圧電素子23の前面24が水平になるため、超音波を鉛直下向きに送信することができ、超音波送受波器10の探知精度が向上する。しかも、下ケース61の内周面68と超音波振動子21の外周面とがなす隙間において、超音波振動子21を囲むように錘41が配置される。これにより、下ケース61の内径に比べて超音波振動子21の外径がかなり小さい場合であっても、超音波振動子21は、錘41によってケース50の中心部に位置決めされる。この場合、超音波振動子21のサイズに応じて、内径の異なるケース50を用意しなくても済むため、ケース50を共通化することができる。ゆえに、超音波送受波器10の水中での姿勢を安定させて探知精度を向上させる構造を、低コストで実現することができる。
【0052】
(2)本実施形態では、下ケース61内の空間が錘41によって埋められるため、充填剤A1により、下ケース61内の全体を満たし、さらに上ケース51内の5割以上を満たすことができる。よって、充填剤A1を硬化させることにより、下ケース61と上ケース51とを確実に接着することができる。
【0053】
(3)本実施形態では、錘41が下ケース61側に収容されることで、上ケース51側に錘41を収容する必要がなくなるため、上ケース61内にスペースが確保される。よって、上ケース51内のスペースに、重心のズレが問題とならない程度の部品、例えば、トランス、コイル、抵抗などの格納することができる。しかも、下ケース61の内周面68と超音波振動子21の外周面とがなす隙間に錘41が配置されるため、下ケース61の下部に生じたスペース(隙間)を有効利用することができる。また、弾性体からなるために変形しやすい下ケース61を、剛性のある錘41によって補強することができる。よって、錘41によって包囲される超音波振動子21を保護することができる。
【0054】
(4)例えば、錘を圧電素子23の背面25上に載置した場合、錘の荷重によって圧電素子23の振動が妨げられるおそれがある。一方、本実施形態では、錘41が圧電素子23に非接触の状態で配置されるため、圧電素子23の振動が錘41によって妨げられなくて済む。よって、圧電素子23の高感度化を図ることができる。なお、圧電素子23には防音材33,34が接触しているが、防音材33,34は、錘41の比重よりもかなり小さい比重を有しているため、圧電素子23の振動が防音材33,34によって妨げられることはない。
【0055】
(5)本実施形態では、錘41が超音波振動子21よりも低くなるため、錘41が圧電素子23の背面25に載置される場合よりも、超音波送受波器10の重心を下げやすくなる。しかも、ケース50内において充填剤A1よりも上側の領域に空洞部A2が残されることにより、超音波送受波器10の重心をさらに下げることができる。その結果、超音波送受波器10の水中での姿勢がよりいっそう安定し、超音波振動子21の音響放射面が確実に水平になるため、超音波を鉛直下向きに送信することができ、超音波送受波器10の探知精度が確実に向上する。
【0056】
(6)本実施形態では、下ケース61が弾性体からなるため、超音波送受波器10が落下時に衝撃を受けたとしても、下ケース61が変形することで衝撃を吸収することができる。これにより、超音波送受波器10を保護することができる。また、下ケース61が変形可能な弾性体からなるため、上ケース51と嵌合させる際の作業性が向上する。
【0057】
(7)本実施形態では、圧電素子23の中心軸O1と基材22の中心軸O2とのズレ量が0%であり、中心軸O1と錘41の中心軸O4とのズレ量が0%であり、中心軸O2と下ケース61の中心軸O3とのズレ量が0%である。即ち、各中心軸O1~O4のズレ量が小さく抑えられるため、超音波送受波器10の重心を確実に位置合わせすることができる。
【0058】
なお、上記実施形態を以下のように変更してもよい。
【0059】
・上記実施形態のケース50は、上ケース51と下ケース61とを接合することにより構成されたものであったが、ケースは一体形成されたものであってもよい。
【0060】
・上記実施形態では、上ケース51の下端部を下ケース61の上端側開口から下ケース61の内部に嵌入させることにより、上ケース51と下ケース61とを接合していたが、他の方法によって両者を接合するようにしてもよい。例えば、上ケース51(または下ケース61)に設けたネジ挿通孔にネジを挿通し、挿通したネジの先端部を下ケース61(または上ケース51)に螺着させることにより、上ケース51と下ケース61とを接合してもよい。さらに、接着剤を用いて上ケース51と下ケース61とを接合してもよい。
【0061】
・上記実施形態の超音波振動子21は、円柱状の圧電素子23を備えていた。しかし、超音波振動子21は、複数の切り込みを形成することにより、複数の振動部に分割された圧電素子を備えていてもよい。例えば、図5に示されるように、超音波振動子21は、縦横に延びる切り込みK1を形成することにより、複数の柱状の振動部91に分割された1-3コンポジット構造の圧電素子92を備えていてもよい。また、図6に示されるように、超音波振動子21は、一方向に延びる切り込みK2を形成することにより、複数の帯状の振動部93に分割された2-2コンポジット構造の圧電素子94を備えていてもよい。
【0062】
このようにした場合、各振動部91,93のそれぞれが圧電素子92,94の厚さ方向に変形しやすくなるため、圧電素子92,94が各部位において変形しやすくなる。その結果、圧電素子92,94が振動しやすくなるため、電気機械結合係数が高くなり、周波数帯域も広くなる。また、一方向に延びる切り込みK2を形成して帯状の振動部93を得る場合には、縦横に延びる切り込みK1を形成して柱状の振動部91を得る場合に比べて、振動部の形成に必要な切り込みの形成回数が半分になり、切り込みK2の形成が容易になる。よって、超音波振動子21の製造コストを低減することができる。また、振動部93が帯状をなすため、柱状の振動部91に比べて、振動部93が平面方向に長くなる。その結果、振動部93の強度が高くなるため、超音波振動子21の信頼性が向上する。
【0063】
さらに、超音波振動子21は、円環状や矩形状の圧電素子を備えていてもよい。また、ゴム素材に圧電セラミックス粒子を混合してなる0-3コンポジット構造の圧電素子や、多孔質の圧電セラミックスからなる圧電素子(ポーラス素子)などを用いてもよい。
【0064】
・上記実施形態では、圧電素子23と下ケース61との間に音響整合層を兼ねる基材22が挟み込まれていたが、下ケース61も音響整合層を兼ねるため、基材22は省略されていてもよい。また、基材22は、1種類の素材からなるものに限定される訳ではなく、複数種類の素材を積層してなる多層整合層などであってもよい。
【0065】
・上記実施形態の錘41は、リング状(円環状)の錘であったが、他の形状をなす錘を用いてもよい。例えば、外周面42側の形状が、楕円形状をなす錘を用いてもよいし、矩形状や六角形状等の多角形状をなす錘を用いてもよい。この場合、錘41の内周面43側の形状は、超音波振動子21の外周面(上記実施形態では、基材22の外周面22a)に面接触する円形状をなすことが好ましい。また、錘41の内周面43全体は、超音波振動子21の外周面(基材22の外周面22a)に面接触していなくてもよい。この場合、楕円環状をなす錘を用いてもよいし、矩形環状や六角形環状等の多角形環状をなす錘を用いてもよい。また、下ケース61の内周面68と超音波振動子21の外周面とがなす隙間内に、リング状錘を分割してなる複数の錘101を配置してもよいし(図7参照)、例えばブロック状をなす複数の錘102を分散させて配置してもよい(図8参照)。さらに、リング状錘を分割してなる各錘101の少なくとも1つを、外周に巻線103を巻回してなるコイルとして用いてもよい(図9参照)。換言すると、コイルのような重さのある部品を錘として用いてもよい。
【0066】
・上記実施形態では、錘41の上面44が、超音波振動子21の上端面21aよりも低い位置にあった。しかし、錘41の上面44は、上端面21aと同じ高さに位置していてもよいし、上端面21aよりも高い位置にあってもよい。
【0067】
・上記実施形態の超音波振動子21は、相対的に大径の基材22と相対的に小径の圧電素子23とにより構成されていた。しかし、超音波振動子21は、互いに同じ外径を有する基材と圧電素子とにより構成されていてもよい。この場合、錘41は、圧電素子の外周面及び基材の外周面の両方に接触した状態で配置される。また、超音波振動子21は、相対的に小径の基材と相対的に大径の圧電素子とにより構成されていてもよい。この場合、錘41は、圧電素子に接触した状態でかつ基材の外周面に非接触の状態で配置される。
【0068】
・上記実施形態では、下ケース61の側壁65の外周面63に溝部67が形成されていたが、溝部67は設けられていなくてもよい。
【0069】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0070】
(1)請求項4において、前記錘の内周面は、前記圧電素子の外周面に非接触の状態でかつ前記基材の外周面に面接触した状態で配置されていることを特徴とする超音波送受波器。
【0071】
(2)請求項7において、前記錘の外径は、前記下ケースの内周面の下端の内径と等しくなっていることを特徴とする超音波送受波器。
【0072】
(3)請求項3において、前記錘の上面は、前記超音波振動子の上端面よりも前記超音波振動子の高さの3分の1以上3分の2以下だけ低い位置にあることを特徴とする超音波送受波器。
【0073】
(4)請求項3において、前記錘の下面は、前記超音波振動子の下端面と同じ高さに位置していることを特徴とする超音波送受波器。
【0074】
(5)請求項7において、前記充填剤は、前記錘の上面から前記下ケースの内底面まで行き渡るとともに、前記ケーブルの下端部まで行き渡ることを特徴とする超音波送受波器。
【符号の説明】
【0075】
10…超音波送受波器
21…超音波振動子
21a…超音波振動子の上端面
22…基材
23,92,94…圧電素子
30…ケーブル
41,101,102…錘
44…錘の上面
50…ケース
51…上ケース
51a…上ケースの下端
61…下ケース
64…下ケースの底部
65…下ケースの側壁
68…ケースの内周面
A1…充填剤
A2…空洞部
A3…充填剤の上面
【要約】
水中での姿勢を安定させて探知精度を向上させる構造を、低コストで実現できる超音波送受波器を提供する。本発明の超音波送受波器10は、超音波を送受信する超音波振動子21と、超音波振動子21を収容する釣鐘状のケース50と、ケース50を吊り下げるためのケーブル30とを備える。超音波振動子21は、円柱状をなし、ケース50内の底部中央部に配置される。ケース50の内周面58と超音波振動子21の外周面とがなす隙間には、超音波振動子21を囲むとともにその重心がケース50の中心部に位置するように、錘41が配置される。ケース50内の下部領域における隙間が充填剤A1により埋められるとともに、充填剤A1により錘41がケース50に対して固定される。選択図:図2
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