(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】自動ドアシステム、携帯通信端末、信号発信機制御システム、情報配信システム、信号発信方法、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
E05F 15/77 20150101AFI20240119BHJP
E05F 15/73 20150101ALN20240119BHJP
【FI】
E05F15/77
E05F15/73
(21)【出願番号】P 2019235130
(22)【出願日】2019-12-25
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】317006258
【氏名又は名称】オプテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】入江 欣介
(72)【発明者】
【氏名】藤原 正幸
(72)【発明者】
【氏名】池田 学恭
(72)【発明者】
【氏名】高島 佳一
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-117570(JP,A)
【文献】特開2019-060068(JP,A)
【文献】特開2019-159496(JP,A)
【文献】特開2019-158416(JP,A)
【文献】特開2019-60068(JP,A)
【文献】特開2019-205070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G16Z99/00
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
E05F15/00-15/79
G09F19/00-27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近距離無線通信により、1または複数の信号を繰り返し送信可能な信号発信機を備えた自動ドアシステムであって、
予め複数のサービスが準備されているとともに、前記サービスのそれぞれが複数の前記信号のそれぞれに対応付けられており、
前記1または複数の信号それぞれの送信の可否を制御する送信可否制御部と、
前記複数のサービスのうち、選択されたサービスに対応する信号の送信を許可することを示す送信許可情報を取得する取得部と、
前記1または複数の信号を繰り返し送信する送信部と、を備え、
前記送信可否制御部は、前記取得部が取得した前記送信許可情報に対応する前記信号の送信を可とし、
前記送信部は、前記送信可否制御部によって送信可とされた前記信号の送信を行うことを特徴とする自動ドアシステム。
【請求項2】
前記取得部は、ユーザによって指定された信号に対応する前記送信許可情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の自動ドアシステム。
【請求項3】
前記1または複数の信号には、前記自動ドアシステムの内部情報を示す信号が含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の自動ドアシステム。
【請求項4】
前記1または複数の信号には、前記信号発信機を特定する特定情報および該信号発信機が設置されている場所を示す場所情報を示す信号が含まれることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の自動ドアシステム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の自動ドアシステムと通信可能な携帯通信端末であって、
前記予め準備された複数のサービスのうち、選択されたサービスに対応する信号の特定を受け付ける受付部と、
前記特定された信号の送信を
許可することを示す前記送信許可情報を、当該送信許可情報を管理する管理サーバに要求する要求部と、
前記管理サーバから前記送信許可情報を取得する取得部と、
取得した前記送信許可情報を前記自動ドアシステムに送信する送信部と、を備えたことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載の自動ドアシステムと、
請求項5に記載の携帯通信端末と、
前記携帯通信端末とネットワークを介して通信可能であり、前記送信許可情報を管理する管理サーバと、を含む信号発信機制御システム。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載の自動ドアシステムと、
前記自動ドアシステムと近距離無線通信により通信可能な携帯通信端末と、
前記携帯通信端末とネットワークを介して通信可能な情報配信サーバとを含み、
前記携帯通信端末は、前記自動ドアシステムから送信された1または複数の前記信号を取得するとともに、取得した前記信号を前記情報配信サーバに送信し、
前記情報配信サーバは、前記信号に対応する情報を前記携帯通信端末に送信する、ことを特徴とする情報配信システム。
【請求項8】
近距離無線通信により、1または複数の信号を繰り返し送信可能な信号発信機を備えた自動ドアシステムにおける信号発信方法であって、
予め複数のサービスが準備されているとともに、前記サービスのそれぞれが複数の前記信号のそれぞれに対応付けられており、
前記1または複数の信号それぞれの送信の可否を制御する送信可否制御ステップと、
前記複数のサービスのうち、選択されたサービスに対応する信号の送信を許可することを示す送信許可情報を取得する取得ステップと、
前記1または複数の信号を繰り返し送信する送信ステップと、を含み、
前記送信可否制御ステップでは、前記取得ステップで取得した前記送信許可情報に対応する前記信号の送信を可とし、
前記送信ステップでは、前記送信可否制御ステップで送信可とされた前記信号の送信を行うことを特徴とする自動ドアシステムにおける信号発信方法。
【請求項9】
請求項5に記載の携帯通信端末としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記受付部、前記要求部、前記取得部、および前記送信部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号発信機を備えた自動ドアシステム、および自動ドアシステムを含む情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、BLE(Bluetooth Low Energy)を用いてビーコン信号を発信し、広告やクーポン等の情報のプッシュ通知を行う広告配信システム等、ビーコン信号を用いるビジネスモデルが注目されている。BLEは、Bluetooth(登録商標)と比較して消費電力が低く、コイン電池、ボタン電池等を使用して、長期間、利用することができる。また、ビーコン信号発信機は、場所を選ばずに設置することができる。このため、BLEによりビーコン信号を発信することを用いたシステムは、需要も多い。
【0003】
例えば、特許文献1には、ビーコン信号発信機を備えた自動ドアシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-60068号公報(2019年4月18日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、ビーコン信号を用いたビジネスモデルは多種多様であり、ビジネスに活用可能な技術はまだまだ存在する。前記特許文献1についても、改良を行い、ビジネスに活用することは可能である。
【0006】
本発明の一態様は、前記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ビーコン信号発信機を用いてビジネス展開可能な技術として、ビーコン信号機から発信する信号の内容を制御可能な自動ドアシステム等を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る自動ドアシステムは、近距離無線通信により、1または複数の信号を繰り返し送信可能な信号発信機を備えた自動ドアシステムであって、前記1または複数の信号それぞれの送信の可否を制御する送信可否制御部と、前記1または複数の信号それぞれにおける、送信に必要となる送信許可情報を取得する取得部と、前記1または複数の信号を繰り返し送信する送信部と、を備え、前記送信可否制御部は、前記取得部が取得した前記送信許可情報に対応する前記信号の送信を可とし、前記送信部は、前記送信可否制御部によって送信可とされた前記信号の送信を行うことを特徴としている。
【0008】
前記の構成によれば、取得した送信許可情報に対応する信号のみ、信号発信機から信号を送信する。逆に言えば、送信許可情報を取得すれば、当該送信許可情報に対応する信号を送信する。よって、送信許可情報を取得するという容易な処理のみで送信する信号を設定することができる。
【0009】
また、信号発信機は、自動ドアシステムに備えられているので、自動ドアシステムが設定されているところであれば、新たに信号発信機を設置する必要がなくなる。
【0010】
本発明の一態様に係る自動ドアシステムでは、前記取得部は、ユーザによって指定された信号に対応する前記送信許可情報を取得するものであってもよい。
【0011】
前記の構成によれば、ユーザによって指定された信号に対応する前記送信許可情報を取得するので、ユーザ所望の信号を発信するように容易に設定することができる。
【0012】
本発明の一態様に係る自動ドアシステムでは、前記1または複数の信号には、前記自動ドアシステムの内部情報を示す信号が含まれるものであってもよい。
【0013】
前記の構成によれば、信号発信機から送信される信号に自動ドアシステムの内部情報を示す信号を含めることができるので、信号を取得した装置において、自動ドアシステムの内部情報を認識することができる。
【0014】
本発明の一態様に係る自動ドアシステムでは、前記1または複数の信号には、前記信号発信機を特定する特定情報および該信号発信機が設置されている場所を示す場所情報を示す信号が含まれるものであってもよい。
【0015】
前記の構成によれば、信号発信機から送信される信号に信号発信機を特定する特定情報および該信号発信機が設置されている場所を示す場所情報を示す信号を含めることができるので、信号を取得した装置において、信号発信機を特定するとともに、該信号発信機が設置されている場所を特定することができる。
【0016】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る携帯通信端末は、前記自動ドアシステムと通信可能な携帯通信端末であって、前記信号発信機からの送信を所望する信号の特定を受け付ける受付部と、前記特定された信号の送信を可とする送信許可情報を、当該送信許可情報を管理する管理サーバに要求する要求部と、前記管理サーバから前記送信許可情報を取得する取得部と、取得した前記送信許可情報を前記自動ドアシステムに送信する送信部と、を備えたことを特徴としている。
【0017】
前記の構成によれば、携帯通信端末は、送信を所望する信号の特定を受け付け、特定された信号の送信を可とする送信許可情報を管理サーバから取得し、自動ドアシステムに送信する。これにより、自動ドアシステムに備えられた信号発信機から送信する信号の設定を携帯通信端末で行うことができる。
【0018】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る信号発信機制御システムは、前記自動ドアシステムと、前記携帯通信端末と、前記携帯通信端末とネットワークを介して通信可能であり、前記送信許可情報を管理する管理サーバと、を含むことを特徴としている。
【0019】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報配信システムは、前記自動ドアシステムと、前記自動ドアシステムと近距離無線通信により通信可能な携帯通信端末と、前記携帯通信端末とネットワークを介して通信可能な情報配信サーバとを含み、前記携帯通信端末は、前記自動ドアシステムから送信された1または複数の前記信号を取得するとともに、取得した前記信号を前記情報配信サーバに送信し、前記情報配信サーバは、前記信号に対応する情報を前記携帯通信端末に送信する、ことを特徴としている。
【0020】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る信号発信方法は、近距離無線通信により、1または複数の信号を繰り返し送信可能な信号発信機を備えた自動ドアシステムにおける信号発信方法であって、前記1または複数の信号それぞれの送信の可否を制御する送信可否制御ステップと、前記1または複数の信号それぞれにおける、送信に必要となる送信許可情報を取得する取得ステップと、前記1または複数の信号を繰り返し送信する送信ステップと、を含み、前記送信可否制御ステップでは、前記取得ステップで取得した前記送信許可情報に対応する前記信号の送信を可とし、前記送信ステップでは、前記送信可否制御ステップで送信可とされた前記信号の送信を行うことを特徴としている。
【0021】
本発明の各態様に係る自動ドアシステムおよび携帯通信端末の制御ブロックは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記自動ドアシステムおよび携帯通信端末の制御ブロックとして動作させることにより前記自動ドアシステムおよび携帯通信端末をコンピュータにて実現させる自動ドアシステムおよび携帯通信端末の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によれば、取得した送信許可情報に対応する信号のみ、信号発信機から信号を送信する。逆に言えば、送信許可情報を取得すれば、当該送信許可情報に対応する信号を送信する。よって、送信許可情報を取得するという容易な処理のみで送信する信号を設定することができるという効果を奏する。また、信号発信機は、自動ドアシステムに備えられているので、自動ドアシステムが設定されているところであれば、新たに信号発信機を設置する必要がなくなるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】情報配信システムの全体概要を示す図である。
【
図2】自動ドアシステムの要部構成を示すブロック図である。
【
図3】設定用端末の要部構成示すブロック図である。
【
図4】情報配信システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図5】設定用アプリケーションの起動に関する流れ、および画面例を示す図である。
【
図6】ユーザ登録の流れ、および画面例を示す図である。
【
図7】設定アプリケーションへのログイン処理とBLEモジュールとのペアリング処理の流れ、および画面例を示す図である。
【
図8】サービス選択についての流れ、および画面例を示す図である。
【
図9】決済情報を登録するための流れ、および画面例を示す図である。
【
図10】BLEモジュールからビーコン信号を発信させるための処理を行う流れ、および画面例を示す図である。
【
図11】管理サーバにおける管理データの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔実施形態1〕
〔全体概要〕
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る情報配信システム(信号発信機制御システム)100の全体概要について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る情報配信システム100は、自動ドアシステム40、1または複数の携帯通信端末10、設定用端末(携帯通信端末)20、広告配信サーバ(情報配信サーバ)50、および管理サーバ60含み、携帯通信端末10、設定用端末20と、広告配信サーバ50および管理サーバ60とがネットワーク80により通信可能に接続されている。
【0025】
なお、携帯通信端末10と設定用端末20とは別の端末である必要は無く、同じものであってもよい。
【0026】
自動ドアシステム40は、人を検知してドアを開く自動ドアを含むシステムである。自動ドアシステム40の詳細については後述する。
【0027】
携帯通信端末10は、自動ドアシステム40の近傍に存在する携帯通信端末であり、所持者が自動ドアシステム40の近傍を通過することにより、自動ドアシステム40からの信号を受信する。そして、受信した信号に含まれる情報を、ネットワーク80を介して広告配信サーバ50に送信することにより、広告配信サーバ50から広告等の情報を受信する。
【0028】
設定用端末20は、自動ドアシステム40のオーナ、施主等が所持する携帯通信端末であり、所持者が設定用端末20を用いてBLEモジュール(信号発信機)410の設定を行うことにより自動ドアシステム40に備えられているBLEモジュール410から発信する信号を制御できるものである。設定用端末20によるBLEモジュール410の設定の詳細については後述する。
【0029】
なお、携帯通信端末10、および設定用端末20は全て同じ機能を有する携帯通信端末であってよく、用途に応じて、携帯通信端末10にもなり得るし、設定用端末20にもなり得る。また、携帯通信端末としての通常の機能(音声通話、メールの送受信、Webページの閲覧、アプリケーションの実行等)については公知の技術で可能であるので、ここではその説明を省略する。
【0030】
広告配信サーバ50は、ネットワーク80を介して、携帯通信端末10と接続されており、例えば、携帯通信端末10から通知された識別情報に応じた広告、クーポン、特典情報等の各種情報を携帯通信端末10に送信する。
【0031】
管理サーバ60は、BLEモジュール410を管理するための各種情報を格納し、設定用端末20からの要求に応じて、各種情報を設定用端末20に送信する。管理サーバ60の詳細については後述する。
【0032】
ネットワーク80は、接続された機器における情報の送受信を可能とするものであり、例えばインターネット等が含まれる。
【0033】
本実施形態に係る情報配信システム100では、自動ドアシステム40に備えられたBLEモジュール410から発信するビーコン信号を設定用端末20で制御できるものである。設定用端末20によりビーコン信号を制御できることにより、設定用端末20の所持者である自動ドアシステム40のオーナ、施主等は、所望の信号を発信するようにBLEモジュール410を制御することができる。
【0034】
また、本実施形態において、BLEモジュール410を制御するために必要な情報(例えば、パスワード等)は、管理サーバ60において管理されている。これにより、自動ドアシステム40のオーナ、施主等は、BLEモジュール410を制御するためには、必ず管理サーバ60を介さなくてはならないので、BLEモジュール410を用いたサービスを提供する管理者は、自らの与り知らないところでBLEモジュール410が使用される等がなくなり、当該サービスを適切に管理することができる。
【0035】
〔自動ドアシステムの構成〕
次に、
図2を参照して、自動ドアシステム40の要部構成について説明する。
図2は、自動ドアシステム40の要部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、自動ドアシステム40はBLEモジュール410、各種センサ部420、ドアシステム設定部430、ドアセンサ部440、ドア制御部450を含み、CAN通信網400により、これらが通信可能に接続されている。さらに、ドア駆動部460およびドア部470も含み、ドア制御部450によりドア駆動部460が駆動されることによりドア部470の開閉が行われる。
【0036】
CAN通信網400とは、CAN(Controller Area Network)により接続された装置が相互に通信可能な通信網である。
【0037】
BLEモジュール410は、近距離無線通信の1つであるBLE(Bluetooth Low Energy)を用いて信号を送信可能なモジュールであり、送信信号生成部411、要求信号受信部412、信号発信部(送信部)413、BLEモジュール制御部(送信可否制御部)414、および許可情報取得部(取得部)415を含む。BLEモジュール410から送信される信号は、所定の周期で発信される信号であってよく、例えばビーコン(beacon)信号である。なお、BLE以外の近距離無線通信を用いてビーコン信号を送信する構成であってもよい。
【0038】
また、本実施形態では、到達距離が数十メートル程度の無線通信(いわゆる、無線PANと呼ばれる通信)を近距離無線通信とよび、それおり到達範囲が長い無線通信(いわゆる、無線LAN、無線MAN、無線WANと呼ばれる通信)を中長距離無線通信と呼ぶ。例えば、近距離無線通信としては、上述したBLEが挙げられ、さらに、ANT、ANT+が挙げられる。また、中長距離無線通信としては、IEEEE802.11規格の無線LAN、W-CDMA、LTE、LTE-Advanced等が挙げられる。なお、以下では、近距離無線通信としてBLEを想定し、中長距離無線通信として無線LANおよびLTEを想定する。
【0039】
送信信号生成部411は、BLEモジュール410から送信する信号を生成する。より詳細には、送信信号生成部411は、周期的に送信するビーコン信号、メンテナンス情報用ビーコン信号、設定情報用ビーコン信号等を生成する。メンテナンス用通知信号とは、メンテナンス情報(内部情報)を送信可能な自機の存在を周辺機器に伝える信号である。つまり、メンテナンス用通知信号とは、要求があればメンテナンス情報を要求があった機器に送信する旨の信号である。同様に、設定情報用通知信号とは、設定情報を送信可能な時期の存在を周辺機器に伝える信号である。
【0040】
また、周期的に送信するビーコン信号には、BLEモジュール410を特定するための特定情報、およびBLEモジュール410の設置場所を示す場所情報がふくまれる。
【0041】
要求信号受信部412は、携帯通信端末10からの要求により、BLEモジュール410から送信する信号を拡張する。例えば、要求信号受信部412は、メンテナンス用ビーコン信号に対する要求(返答要求)を携帯通信端末10から受信すると、メンテナンス用ビーコン信号の空パケットにメンテナンス情報を格納したビーコン信号に拡張する。
【0042】
信号発信部413は、送信信号生成部411が生成した信号、および要求信号受信部412が拡張した信号を発信する。より詳細には、信号発信部413は、自機の設置場所の属性を判別させるための識別情報、および外部装置からの特定情報の要求を求める要求有無情報を含む信号を繰り返し送信する。
【0043】
BLEモジュール制御部414は、BLEモジュール410からの信号送信、および送信する信号を制御するものであり、許可情報取得部415を含む。
【0044】
許可情報取得部415は、設定用端末20から、ビーコン信号の送信および送信する信号の内容を示す指示を取得する。当該指示には、設定用端末20が管理サーバ60から取得した、ビーコン信号の送信が許可されたことを示す情報(送信許可情報)が含まれている。
【0045】
そして、BLEモジュール制御部414は、ビーコン信号の送信および送信する信号の内容を示す指示を設定用端末20から受信すると、当該指示に基づいて、BLEモジュール410から上述したビーコン信号を送信するように制御する。
【0046】
各種センサ部420は、メンテナンス情報を検出するための各種センサを含む。各種センサ部420に含まれるセンサとしては、例えば、温度センサ、湿度センサ、振動センサ、衝撃センサ、開閉センサ、ドア駆動部460の負荷状況を検出するための負荷センサ等が挙げられる。
【0047】
ドアシステム設定部430は、自動ドアシステム40の設定を行う。設定内容としては、後述するドアセンサ部440の感度、検出領域、ドアの静止時間、ドアの開閉速度、トルク等が挙げられる。なお、ドアシステム設定部430は、BLEモジュール410と一体で構成されていてもよい。
【0048】
ドアセンサ部440は、人を検知したときにドア部470を開くためのセンサである。
【0049】
ドア制御部450は、後述するドア駆動部460を制御する。ドア駆動部460は、ドア制御部450の制御により駆動することによりドア部470を開閉する。ドア部470はドアである。ドアは、引き戸式であってもよいし、回転式であってもよいし、開き戸式であってもよい。
【0050】
なお、上記では、CAN通信網400を用いる構成として説明したが、自動ドアシステム40はこれに限られるものではない。制御部を備え、当該制御部が自動ドアシステム40全体を統括して制御することにより、メンテナンス情報の検出、送信等を行う構成であってもよい。
【0051】
〔設定用端末の構成〕
次に、
図3を参照して、設定用端末20の要部構成について説明する。
図3は、設定用端末20の要部構成示すブロック図である。
図3に示すように、設定用端末20は、ビーコン信号設定部210、近距離無線通信部(送信部)220、ネットワーク通信部230、および入力受付部(受付部)240を含む。また、ビーコン信号設定部210には、許可情報要求部(要求部)211および許可情報取得部(取得部)212が含まれる。なお、上述したように、設定用端末20は携帯通信端末であってよく、携帯通信端末としての機能は公知の技術を用いて実現可能である。
【0052】
ビーコン信号設定部210は、自動ドアシステム40に備えられたBLEモジュール410からビーコン信号を発信するための設定を行う。より詳細には、ビーコン信号設定部210は、入力受付部240を介して、ユーザから所望のBLEモジュール410、すなわち所望の自動ドアシステム40に備えられたBLEモジュール410からビーコン信号を発信する旨、および発信する信号の内容を取得すると、許可情報要求部211が、ネットワーク通信部230を介して管理サーバ60に許可情報を要求する。
【0053】
そして、許可情報取得部212が管理サーバ60から許可情報を取得すると、ビーコン信号を発信する旨、および発信する信号の内容に当該許可情報を含めた指示を、近距離無線通信部220を介して自動ドアシステム40に送信する。当該指示を受信した自動ドアシステム40は、この指示に従いBLEモジュール410からユーザ所望のビーコン信号を発信する。
【0054】
近距離無線通信部220は、自動ドアシステム40と近距離無線通信を行う。
【0055】
ネットワーク通信部230は、ネットワーク80を介して管理サーバ60との通信を行う。この通信において、ネットワーク80は、無線LANおよびインターネットによって構成される。なお、ネットワーク通信部230は、ネットワーク80としてLTE通信網およびインターネットを介して管理サーバ60と通信を行ってもよい。
【0056】
入力受付部240は、ユーザによる操作入力をタッチパネルによって受け付けるとともに、ディスプレイによる画像表示を行う。
【0057】
〔情報配信システムにおける処理の流れ〕
次に、
図4を参照して、情報配信システム100における処理の流れについて説明する。
図4は、情報配信システム100における処理の流れを示すシーケンス図である。
図4に示すように、まず、設定用端末20において、ビーコン信号の送信、および送信する内容の設定が行われる(S101)。設定用端末20において設定が行われると、設定内容に基づく指示が自動ドアシステム40に送信される。
【0058】
指示を受信した自動ドアシステム40は、指示に基づきビーコン信号の送信を開始する(S102)。ビーコン信号は周期的に発信され(S103)、携帯通信端末10にて受信されると(S104)、携帯通信端末10では、受信したビーコン信号に基づき、広告配信サーバ50に対し要求信号を送信する(S105)。携帯通信端末10から要求信号を受信した広告配信サーバ50は、要求信号の内容に基づき対応する情報(例えば広告情報)の選択等を行い(S106)、対応する情報(広告情報)を携帯通信端末10に送信する(S107)。
【0059】
広告情報を受信した携帯通信端末10では、当該広告情報を表示する(S108)。
【0060】
このように、情報配信システム100では、設定用端末20で設定された内容に基づくビーコン信号が自動ドアシステム40のBLEモジュール410から送信され、当該ビーコン信号を受信した携帯通信端末10において、ビーコン信号に対応する広告情報が表示される。
【0061】
〔設定用端末によるBLEモジュールの設定の詳細〕
次に、
図5~
図11を参照して、設定用端末20における設定処理の詳細について説明する。
図5~
図10は、設定処理の流れおよび画面例を示す図であり、
図11は、管理サーバ60における管理データの例を示す図である。
【0062】
なお、本実施形態においてサービスとは、当該サービスに対応するビーコン信号をBLEモジュール410から発信するようにするものであり、ユーザはサービスを選択することにより、当該サービスに対応したビーコン信号を所望のBLEモジュール410から発信するようにできるものである。
【0063】
本実施形態では、サービスことにユニークなコード(UUID)が付与されており、例えば、サービスAのユニークコートは、「1234567890」であり、サービスBのユニークコードは「2345678901」であり、サービスCのユニークコードは「3456789012」であり、サービスDのユニークコードは「4567890123」である。
【0064】
また、管理サーバ60には、BLEモジュール410を稼働、すなわちBLEモジュール410からビーコン信号を発信させるための稼働情報が格納されている。管理サーバ60に格納されている稼働情報の例を
図11に示す。管理サーバ60には、例えば、
図11のテーブル1101に示すように、「製品シリアル」、「ユーザID」、「ユーザパスワード(PW)」、「物件住所」、「物件名」、「設置場所」、「業種」、「機器パスワード」、「登録サービス」、「サービス」、「決済」等が対応付けられたテーブルが格納されている。ここで、「製品シリアル」とは、BLEモジュール410それぞれを識別するための識別番号であり、「ユーザID」とはユーザが設定用アプリケーションにログインするためのIDであり、「ユーザパスワード(PW)」とはユーザが設定用アプリケーションにログインするためのパスワードであり、「物件住所」および「物件名」とはBLEモジュール410が備えられた自動ドアシステム40が設置されている物件の住所および名称であり、「設置場所」とは自動ドアシステム40が設置されている場所であり、「業種」とは自動ドアシステム40が設置されている物件の業種であり、「機器パスワード」とは当該BLEモジュール410を稼働させるためのパスワードであり、「登録サービス」とは、当該BLEモジュール410から送信するように設定されたビーコン信号に対応するサービスであり、「サービス」とは、設定されたサービスが稼働中かどうかを示すものであり、「決済」とはサービスを稼働するための費用の決済が完了しているかどうかを示す。
【0065】
〔設定用アプリケーション起動〕
まず、
図5を参照して、設定用端末20においてBLEモジュール410の設定を行うためのアプリケーション(以後、設定用アプリケーション)を起動する流れについて説明する。
図5は、設定用アプリケーションの起動に関する流れ、および画面例を示す図である。
【0066】
設定用端末20において設定用アプリケーションを起動すると、
図5の画面例501に示すように、まず、起動画面が表示される。そして、この起動画面において、「BeaconサービスApp」をタップすると、画面例502に示すような設定用アプリケーションの初期画面となる。初期画面には、「ユーザ登録」ボタンおよび「Beacon設定」ボタンが表示されている。
【0067】
〔ユーザ登録〕
次に、
図6を参照してユーザ登録の流れについて説明する。
図6は、ユーザ登録の流れ、および画面例を示す図である。
図6の画面例601(
図5の画面例502と同じ)において、「ユーザ登録」を選択すると、画面例602に示すように「利用規約」が表示され、ユーザの確認が終了すると、画面例603の「アカウント発行」画面が表示される。アカウント発行画面には「アカウント発行」ボタンが表示されており、「アカウント発行」ボタンが選択されると、設定用端末20から管理サーバ60に対し、ユーザIDとユーザパスワードの発行依頼が送信される。そして、管理サーバ60によりユーザID「ABCD」とユーザパスワード「EFGH」が発行されると、画面例604に示す入力画面が表示される。入力画面には、「製品シリアル」の入力欄が表示されるとともに「ユーザID」、および「ユーザパスワード」が示される。「製品シリアル」とは、制御対象となるBLEモジュール410の製品固有の番号であり、BLEモジュール410の所有者(当該BLEモジュール410を備えた自動ドアシステム40の所有者)のみが知り得るものである。ユーザ登録画面において製品シリアルの入力を必要とすることにより、第三者がBLEモジュール410を勝手に制御できてしまうことを防止することができる。
【0068】
そして、製品シリアル「AAAA1234-0001」の入力が行われ(画面例605)、登録要求がなされると、確認を求めるポップアップ表示がなされ(画面例606)、「OK」が選択されると、ユーザ登録が完了する(画面例607)。
【0069】
また、ユーザ登録がなされると、ユーザIDおよびユーザパスワードとともに、製品シリアルが設定用端末20から管理サーバ60に送信される。管理サーバ60では、受信した製品シリアル、ユーザID、およびユーザパスワードを稼働情報に書き込む。すなわち、
図11のテーブル1102に示すように、製品シリアル「AAAA1234-0001」とユーザID「ABCD」、ユーザパスワード「EFGH」が対応付けて格納される(テーブル欄1201)。
【0070】
〔ログインおよびペアリング〕
次に、設定アプリケーションへのログイン処理、および対象となるBLEモジュール410とのペアリング処理について、
図7を参照して説明する。
図7は、設定アプリケーションへのログイン処理とBLEモジュール410とのペアリング処理の流れ、および画面例を示す図である。
【0071】
図7の画面例701(
図5の画面例502と同じ)において、「Beacon設定」を選択すると、画面例702に示すように、対象候補となるBLEモジュール410が表示される。ここでは、対象として「AAAA1234-0001」および「AAAA1234-0002」が表示されている。ここでは、設定用端末20から近距離無線通信により通信可能なBLEモジュール410が表示される。画面例702において、対象となるBLEモジュール410(AAAA1234-0001)が選択されると、設定用端末20と対象となるBLEモジュール410とのペアリングが実行され、画面例703のように、製品シリアル、ユーザID、およびユーザパスワードが表示される。ここで正規のユーザIDおよびパスワードを入力し、ログインボタンがタップされると、製品シリアル、ユーザID、およびユーザパスワードが管理サーバ60に送信される。そして、管理サーバ60において認証が行われる。
【0072】
そして、管理サーバ60において正常に認証されると、管理サーバ60から設定用端末20に当該BLEモジュール410を制御するための機器パスワード(許可情報:12345678)が送信される。管理サーバ60から機器パスワードを受信した設定用端末20では、画面例704に示すようにBeacon設定初期画面が表示されるとともに、機器パスワードが設定用端末20からBLEモジュール410に送信される。Beacon設定初期画面には、「サービス選択」ボタン、「カード登録」ボタン、および「Beacon稼働」ボタンが表示されている。
【0073】
このタイミングにおける管理サーバ60における稼働情報(
図11のテーブル1103)は、ユーザ登録後のテーブル1102から変更されていない。
【0074】
〔サービス選択〕
次に、
図8を参照して、サービス選択について説明する。
図8は、サービス選択についての流れ、および画面例を示す図である。ここで、サービスとは、BLEモジュール410が発信する信号の内容と対応するものである。ユーザがサービスを選択することにより、BLEモジュール410から発信する信号の内容をユーザが選択できることになる。
【0075】
図8の画面例801(
図7の画面例704と同じ)に示すBeacon設定初期画面において、「サービス選択」が選択されると、画面例802に示すような選択可能なサービスの一覧が表示されるサービス一覧画面が表示される。そして、所望のサービス(例えばサービスA、サービスB)が選択されると、確認のポップアップ表示が行われ(画面例803)、「OK」が選択されると、選択されたサービスを示す情報が設定用端末20から管理サーバ60に送信されるとともに、選択されたサービスを実行するために必要な設定情報ファイルが管理サーバ60から設定用端末20に送信される。ここでは、サービスAの実行に必要な「1234567890」、およびサービスBの実行に必要な「2345678901」が送信される。そして、設定用端末20では画面例804に示すようにサービスが登録されたことを示す画面が表示されるとともに、設定用端末20からBLEモジュール410に設定情報ファイルが送信されることにより、当該サービスに対応するビーコン信号の送信が可能となる。
【0076】
また、管理サーバ60では、設定用端末20から選択されたサービスを示す情報を受信すると、稼働情報の対応する箇所に選択されたサービスを書き込む。ここでは、
図11のテーブル1104に示すように「登録サービス」欄に「A,B」と書き込む(テーブル欄1202)。
【0077】
〔決済情報の登録〕
次に、
図9を参照して、決済情報を登録する流れについて説明する。
図9は、決済情報を登録するための流れ、および画面例を示す図である。
図9に示すように、画面例901(
図7の画面例704と同じ)において、「カード登録」が選択されると、画面例902に示すようなカード登録画面が表示される。ガード登録画面には、「カード会社」、「カード番号」、「有効期限」、「セキュリティ番号」の入力欄があり、入力が行われ、送信ボタンが押下されると、確認画面がポップアップ表示され(画面例903)、「OK」が選択されると、入力されたカード情報が決済システムに送信される。そして、決済システムから決済完了連絡が管理サーバ60に送信されると、設定用端末20に決済完了表示がされる(画面例904)。
【0078】
また、決済システムから決済完了連絡が管理サーバ60に送信されると、管理サーバ60は、
図11のテーブル1105に示すように稼働情報の決済欄に決済が完了した旨を書き込む(テーブル欄1203)。
【0079】
〔ビーコン稼働〕
次に、
図10を参照して、BLEモジュール410からビーコン信号を発信させるための処理を行う流れについて説明する。
図10は、BLEモジュール410からビーコン信号を発信させるための処理を行う流れ、および画面例を示す図である。BLEモジュール410からビーコン信号を発信させる場合、
図10の画面例1001(
図7の画面例704と同じ)において、「Beacon稼働」を選択する。そして、「Beacon稼働」が選択されると、稼働選択ボタンが表示され(画面例1002)、当該稼働選択ボタンが選択されると(画面例1003)、BLEモジュール410が稼働する(ビーコン信号が発信される)旨の情報が管理サーバ60に送信され、管理サーバ60により稼働条件を満たしていると判断された場合、BLEモジュール410に対してビーコン信号の発信を行うように指示が送信される(画面例1004)。そして、対象となるBLEモジュール410から所望のビーコン信号が周期的に発信される。
【0080】
また、稼働する旨の情報を受信した管理サーバ60では、
図11のテーブル1106に示すように、稼働情報の「サービス」欄にサービスが稼働している旨(Act)を書き込む(テーブル欄1204)。
【0081】
なお、このまま、ユーザが設定用端末20において設定用アプリケーションからログアウトしても、サービスの稼働状態は設定されたままとなる。すなわち、設定変更がなされるまで、サービスAおよびサービスBに対応するビーコン信号が周期的に発信し続けることになる。
【0082】
以上のように、本実施形態に係る情報配信システム100の自動ドアシステム40では、自動ドアシステム40の所有者、すなわち、BLEモジュール410の所有者が、自身の意思により、容易に、BLEモジュール410から信号を発信させる制御を行うことができる。また、所有者が容易に発信する信号の設定を行うことができる。
【0083】
また、所有者の意思があれば、自動ドアシステム40(すなわちBLEモジュール410)の設置者(プラットフォーマー)、情報を発信したい者(例えば、広告主)、自動ドアシステム40の施工業者、広告配信サービスを行う会社等の何れもが、所有者を介して、BLEモジュール410の信号発信の制御を行うことができる。
【0084】
また、BLEモジュール410の制御には、設定用アプリケーションが必要であり、当該アプリケーションに利用に伴い、情報配信システム100のサービスの提供者の許諾が必要となる。これにより、情報配信システム100のサービスの提供者が与り知らない所でBLEモジュール410が利用されることがなくなり、情報配信システム100を事業として成り立たせることができる。
【0085】
さらに、BLEモジュール410から発信可能な信号の内容が複数あり、それぞれの発信可否を制御することができるので、配信内容に応じて適切な信号を発信させることができる。すなわち、情報の内容、情報を扱う業界の分野、地域等に応じて自由に信号を組み合わせることができる。
【0086】
〔ソフトウェアによる実現例〕
自動ドアシステム40の制御ブロック(特にBLEモジュール制御部414)および携帯通信端末10、設定用端末20の制御ブロック(ビーコン信号設定部210)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0087】
後者の場合、自動ドアシステム40、携帯通信端末10、設定用端末20は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0088】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0089】
10 携帯通信端末
20 設定用端末(携帯通信端末)
40 自動ドアシステム
50 広告配信サーバ(情報配信サーバ)
60 管理サーバ
80 ネットワーク
100 情報配信システム(信号発信機制御システム)
210 ビーコン信号設定部
211 許可情報要求部(要求部)
212 許可情報取得部(取得部)
220 近距離無線通信部(送信部)
230 ネットワーク通信部
240 入力受付部(受付部)
400 CAN通信網
410 BLEモジュール(信号発信機)
411 送信信号生成部
412 要求信号受信部
413 信号発信部(送信部)
414 BLEモジュール制御部(送信可否制御部)
415 許可情報取得部(取得部)
420 各種センサ部
430 ドアシステム設定部
440 ドアセンサ部
450 ドア制御部
460 ドア駆動部
470 ドア部