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特許7422418蓋付容器、容器蓋および容器蓋の脱着方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】蓋付容器、容器蓋および容器蓋の脱着方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/06 20060101AFI20240119BHJP
   B65D 77/20 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
B65D43/06 200
B65D77/20 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022032651
(22)【出願日】2022-03-03
(62)【分割の表示】P 2018226950の分割
【原出願日】2018-12-04
(65)【公開番号】P2022071135
(43)【公開日】2022-05-13
【審査請求日】2022-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】591148370
【氏名又は名称】吉村化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170449
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英彦
(72)【発明者】
【氏名】灰藤 秀樹
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-177261(JP,A)
【文献】特開平10-243875(JP,A)
【文献】特開2003-063573(JP,A)
【文献】特開2001-199461(JP,A)
【文献】特開2010-269824(JP,A)
【文献】特開2003-252357(JP,A)
【文献】特開2017-047937(JP,A)
【文献】特開2018-062368(JP,A)
【文献】特開2005-015054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 43/06
B65D 77/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口容器本体と、該開口容器本体の開口側に脱着自在に嵌合する容器蓋とを備えた蓋付容器であって、
前記開口容器本体は合成樹脂シートから熱成形され、かつ、加熱により熱収縮する性質を有し、
前記開口容器本体と前記容器蓋とは、それぞれの周縁において前記開口容器本体の開口向きに突出し、かつ、環状に設けられるフランジ部である1つの本体フランジ部及び、1つの蓋フランジ部を有し、
前記1つの本体フランジ部が水平方向の外向きに突出する鍔状の係止鍔部を有し、
前記1つの蓋フランジ部が前記水平方向の外側に有する周壁である蓋外側周壁から前記水平方向の内向きに突出する凸状の被係止凸部を有し、
前記係止鍔部は、熱収縮前の嵌合状態において、前記被係止凸部を鉛直方向の下向きに係止し、
前記開口容器本体の前記加熱による熱収縮後に、前記1つの蓋フランジ部と同一の前記蓋フランジ部が前記1つの本体フランジ部に内嵌合して前記開口容器本体に嵌合し、
熱収縮の前後で同一の前記蓋フランジ部内で前記本体フランジ部が嵌合する、
ことを特徴とする蓋付容器。
【請求項2】
鉛直方向の上向きに開口する開口容器本体と、該開口容器本体の開口側に脱着自在に嵌合する容器蓋とを備えた蓋付容器であって、
前記開口容器本体は合成樹脂シートから熱成形され、かつ、加熱により熱収縮する性質を有し、
前記開口容器本体と前記容器蓋とは、それぞれの周縁において前記上向きに突出し、かつ、環状に設けられるフランジ部である1つの本体フランジ部及び1つの蓋フランジ部を有し、
該1つの蓋フランジ部は、熱収縮前において、前記1つの本体フランジ部が水平方向の外向きに突出する鍔状の係止鍔部を有し、かつ前記1つの蓋フランジ部が前記水平方向の外側に有する周壁である蓋外側周壁から前記水平方向の内向きに突出する凸状の被係止凸部を有することにより、前記1つの本体フランジ部に対して外嵌合するとともに、前記1つの蓋フランジ部と同一の前記蓋フランジ部が水平方向の内側に有する周壁である本体内側周壁より前記内側に離間して配設される周壁である蓋内側周壁を有し、
該蓋内側周壁は、前記本体内側周壁に対し、前記本体内側周壁の前記水平方向における熱収縮代と同等の距離を離間しており、
熱収縮の前後で同一の前記蓋フランジ部内で前記本体フランジ部が嵌合する、
ことを特徴とする蓋付容器。
【請求項3】
前記本体内側周壁と前記蓋内側周壁とは、それぞれ前記鉛直方向の上側ほど前記内側に位置するように傾斜する
ことを特徴とする請求項2に記載の蓋付容器。
【請求項4】
合成樹脂シートから熱成形されるとともに加熱により熱収縮する性質を有する開口容器本体に対し、該開口容器本体と嵌合する容器蓋を脱着する容器蓋の脱着方法であり、
前記開口容器本体に外嵌合する前記容器蓋を前記開口容器本体から取り外す容器蓋取外し工程と、
前記容器蓋取外し工程の後に、前記開口容器本体を加熱する加熱工程と、
前記加熱工程の後に、前記容器蓋取外し工程において取り外した容器蓋を、前記加熱工程において熱収縮した前記開口容器本体に内嵌合させる再嵌合工程とを含み、
前記開口容器本体と前記容器蓋とは、それぞれの周縁において鉛直方向の上向きに突出し、かつ、環状に設けられるフランジ部である1つの本体フランジ部及び1つの蓋フランジ部を有し、
前記容器蓋取外し工程前の外嵌合状態においては、前記1つの本体フランジ部が水平方向の内側に有する周壁である本体内側周壁より前記内側に離間して配設される周壁である蓋内側周壁を前記1つの蓋フランジ部が有し、かつ、前記蓋内側周壁が、前記本体内側周壁に対し前記本体内側周壁の前記水平方向における熱収縮代と同等の距離を離間することにより、
前記容器蓋取外し工程は、前記1つの本体フランジ部から前記水平方向の外向きに突出する鍔状の係止鍔部と、前記1つの蓋フランジ部が外側に有する周壁である蓋外側周壁から内向きに突出する凸状の被係止凸部との係止状態を解除するステップを含み、
前記再嵌合工程は、前記容器蓋により前記開口容器本体を被蓋させるとともに、前記本体内側周壁と前記蓋内側周壁とが接触するように前記1つの蓋フランジ部を前記1つの本体フランジ部に内嵌合させるステップを含み、
前記1つの蓋フランジ部は、前記加熱工程の前後で前記1つの本体フランジ部を覆い、
熱収縮の前後で同一の前記蓋フランジ部内で前記本体フランジ部が嵌合する、
ことを特徴とする容器蓋の脱着方法。
【請求項5】
前記本体内側周壁と前記蓋内側周壁とは、それぞれ前記鉛直方向の上側ほど前記内側に位置するように傾斜する、
ことを特徴とする請求項4に記載の容器蓋の脱着方法。
【請求項6】
合成樹脂シートから熱成形されるとともに加熱により熱収縮する性質を有する開口容器本体に対し、該開口容器本体と嵌合する容器蓋を脱着する容器蓋の脱着方法であり、
前記開口容器本体に外嵌合する前記容器蓋を前記開口容器本体から取り外す容器蓋取外し工程と、
前記容器蓋取外し工程の後に、前記開口容器本体に高温状態の食品を充填する充填工程と、
前記充填工程の後に、前記容器蓋取外し工程において取り外した容器蓋を、前記充填工程において熱収縮した前記開口容器本体に内嵌合させる再嵌合工程とを含み、
前記開口容器本体と前記容器蓋とは、それぞれの周縁において鉛直方向の上向きに突出し、かつ、環状に設けられるフランジ部である1つの本体フランジ部及び1つの蓋フランジ部を有し、
前記容器蓋取外し工程前の外嵌合状態においては、前記本体フランジ部が水平方向の内側に有する周壁である本体内側周壁より前記内側に離間して配設される周壁である蓋内側
周壁を前記蓋フランジ部が有し、かつ、前記蓋内側周壁が、前記本体内側周壁に対し前記
本体内側周壁の前記水平方向における熱収縮代と同等の距離を離間し、
前記容器蓋取外し工程は、前記1つの本体フランジ部から前記水平方向の外向きに突出する鍔状の係止鍔部と、前記1つの蓋フランジ部が外側に有する周壁である蓋外側周壁から内向きに突出する凸状の被係止凸部との係止状態を解除するステップを含み、
前記再嵌合工程は、前記容器蓋により前記開口容器本体を被蓋させるとともに、前記本体内側周壁と前記蓋内側周壁とが接触するように前記1つの蓋フランジ部を前記1つの本体フランジ部に内嵌合させるステップを含み、
前記1つの蓋フランジ部は、充填工程の前後で前記1つの本体フランジ部を覆い、
熱収縮の前後で同一の前記蓋フランジ部内で前記本体フランジ部が嵌合する、
ことを特徴とする容器蓋の脱着方法。
【請求項7】
前記本体内側周壁と前記蓋内側周壁とは、それぞれ前記鉛直方向の上側ほど前記内側に位置するように傾斜する、
ことを特徴とする請求項6に記載の容器蓋の脱着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋付容器、容器蓋および容器蓋の脱着方法に関し、詳細には加熱により熱収縮する開口容器本体を備えた蓋付容器、加熱による熱収縮後の開口容器本体を被蓋する容器蓋及び加熱により熱収縮する開口容器本体と嵌合可能な容器蓋を脱着する容器蓋の脱着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉛直方向の上向きに開口する開口容器本体と、該開口容器本体の開口側に脱着自在に嵌合する容器蓋とを備えた蓋付容器がある。開口状態において、液体、半固体、固体等の内容物を前記開口から前記開口容器本体内に充填し、上下の向きを保ったままの姿勢で保存、調理、運搬などを行う。
【0003】
従来の蓋付容器は、水平方向の周囲において、前記開口容器本体に設けられた本体側嵌合部に対し、前記水平方向の外側から、前記容器蓋に設けられた蓋側嵌合部が嵌合することによって、前記開口容器本体と前記容器蓋とが嵌合する(特許文献1)。なお、このように、容器蓋が開口容器本体の外側から嵌合する方式の嵌合を外嵌合と呼び、その一方で、容器蓋が開口容器本体の内側に嵌合する方式の嵌合を内嵌合と呼ぶことが知られている。
【0004】
前記従来の蓋付容器は、合成樹脂シートから熱成形されるため、前記本体側嵌合部及び前記蓋側嵌合部が弾性変形し易く、前記容器蓋を前記開口容器本体に嵌め合わせる際、および、前記容器蓋を前記開口容器本体から取り外す際に前記本体側嵌合部が前記水平方向の内向きに適度に変形し、かつ、前記蓋側嵌合部が前記水平方向の外向きに適度に変形する。
【0005】
その結果、前記従来の蓋付容器は、前記嵌合状態において前記本体側嵌合部と前記蓋側嵌合部とが密着して、前記容器蓋が前記開口容器本体を密閉するとともに、手指によって前記容器蓋を嵌め合わせ、または、手指によって前記容器蓋を取り外すことによって、前記開口容器本体に対して自在に前記容器蓋を脱着することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-115002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、消費者や事業者のような使用者が、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、仕入先、工場などから購入・搬入する蓋付容器には、予め惣菜類、麺類、菓子等の食品が充填され、開口容器本体にこれらの食品が充填された状態のまま電子レンジやオーブン、焼成ラインのような加熱器具によって加熱するものがある。また、空の状態で購入・搬入する蓋付容器から容器蓋を取り外した後に、開口容器本体に高温状態の食品を充填した上で、その容器蓋によって再度被蓋する場合もある。
【0008】
さらに、加熱水蒸気等に曝して、熱により開口容器本体を殺菌消毒する場合もある。
【0009】
前記従来の蓋付容器において、前記合成樹脂シートから熱成形される開口容器本体には、こうした加熱により熱収縮する性質を有するものがある。このような熱成形後の再加熱による熱収縮を二次収縮ともいう。そのため、前記容器蓋が前記開口容器本体に外嵌合するのに対し、前記開口容器本体が熱収縮すれば、前記本体側嵌合部と前記蓋側嵌合部との間に隙間が生じ、これらが密着しなくなる事態が生じる。
【0010】
さらには、この隙間が大きければ、前記容器蓋が前記開口容器本体から抜脱するような事態も生じかねない。
【0011】
これらにより、前記開口容器本体の熱収縮後においては、前記容器蓋が前記開口容器本体を密閉することが困難である。
【0012】
本発明はこのような問題に鑑み、前記開口容器本体の熱収縮の前後の何れにおいても、前記容器蓋が前記開口容器本体を密閉することのできる蓋付容器、容器蓋、および、容器蓋の脱着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)本発明は、開口容器本体と、該開口容器本体の開口側に脱着自在に嵌合する容器蓋とを備えた蓋付容器であって、前記開口容器本体は合成樹脂シートから熱成形され、かつ、加熱により熱収縮する性質を有し、前記開口容器本体と前記容器蓋とは、それぞれの周縁において前記開口容器本体の開口向きに突出し、かつ、環状に設けられるフランジ部である本体フランジ部及び蓋フランジ部を有し、前記容器蓋は、前記開口容器本体の前記加熱による熱収縮後に、前記蓋フランジ部が前記本体フランジ部に内嵌合して前記開口容器本体に嵌合することを特徴とする蓋付容器を提供するものである。
【0014】
すなわち、前記蓋フランジ部が前記本体フランジ部に内嵌合するので、環状の前記蓋フランジ部は、その中央から離れる向きに位置する前記本体フランジ部の内側に嵌合する。このとき、前記開口容器本体が熱収縮し、環状の前記本体フランジ部がその中央に向けて収縮しているため、収縮後の前記本体フランジ部と前記蓋フランジ部とは密着する。
【0015】
これにより、本発明の蓋付容器は、前記容器蓋が前記開口容器本体を密閉することを可能とする。
【0016】
(2)本発明は、鉛直方向の上向きに開口する開口容器本体と、該開口容器本体の開口側に脱着自在に嵌合する容器蓋とを備えた蓋付容器であって、前記開口容器本体は合成樹脂シートから熱成形され、かつ、加熱により熱収縮する性質を有し、前記開口容器本体と前記容器蓋とは、それぞれの周縁において前記上向きに突出し、かつ、環状に設けられるフランジ部である本体フランジ部及び蓋フランジ部を有し、該蓋フランジ部は、前記嵌合状態において、前記本体フランジ部に対して外嵌合するとともに、前記本体フランジ部が水平方向の内側に有する周壁である本体内側周壁より前記内側に離間して配設される周壁である蓋内側周壁を有し、該蓋内側周壁は、前記本体内側周壁に対し、前記本体内側周壁の前記水平方向における熱収縮代と同等の距離を離間することを特徴とする蓋付容器を提供するものである。
【0017】
すなわち、本発明の蓋付容器は、前記蓋フランジ部が前記本体フランジ部に対して外嵌合することにより、前記容器蓋が前記開口容器本体を密閉することを可能とする。
【0018】
また、前記開口容器本体の熱収縮後においては、前記本体フランジ部の収縮に伴って、前記本体内側周壁の位置が熱収縮代だけ前記水平方向の内向きに変位する。そして、収縮前に予めこの熱収縮代と同等の距離を離間して前記蓋内側周壁が配置されているため、収縮後は、前記本体内側周壁と前記蓋内側周壁とが密着し、前記容器蓋は前記開口容器本体を密閉する。
【0019】
これらのように、本発明の蓋付容器は、前記開口容器本体の熱収縮の前後の何れにおいても、前記容器蓋が前記開口容器本体を密閉することを可能とする。
【0020】
なお、この密閉状態は、前記蓋内側周壁のような前記内向きに面した部位が前記開口容器本体側に密着して前記開口容器本体と前記容器蓋とが嵌合するため、前述の内嵌合に該当する。
【0021】
(3)また、前記本体内側周壁と前記蓋内側周壁とは、それぞれ前記鉛直方向の上側ほど前記内側に位置するように傾斜してもよい。
【0022】
すなわち、前記開口容器本体の熱収縮後における内嵌合状態において、互いに密着する前記内側周壁及び前記蓋内側周壁が、前記上側ほど前記内側に位置するように傾斜することによって係合するため、前記容器蓋が前記開口容器本体から抜脱するには、この係合状態を解除せねばならない。これによって、本発明の蓋付容器においては、前記容器蓋が前記開口容器本体から抜脱し難く、密閉状態を容易に保持することが可能である。
【0023】
(4)また、前記本体フランジ部が前記水平方向の外向きに突出する鍔状の係止鍔部を有し、前記蓋フランジ部が前記水平方向の外側に有する周壁である蓋外側周壁から前記水平方向の内向きに突出する凸状の被係止凸部を有し、前記係止凸部は、前記嵌合状態において、前記被係止鍔部を前記鉛直方向の下向きに係止してもよい。
【0024】
すなわち、外嵌合のための前記開口容器本体側の嵌合部分が前記被係止鍔部によってコンパクトに構成されるため、内容物の充填、洗浄等のために前記容器蓋を前記開口容器本体から取り外す際に、前記開口容器本体側の内向きの弾性変形と前記容器蓋側の外向きの弾性変形とをより小さくすることができる。これにより、本発明の蓋付容器においては、前記容器蓋が前記開口容器本体を密閉する構造でありながら、なお、前記容器蓋の脱着が容易である。
【0025】
(5)本発明は、開口容器本体を被蓋して蓋付容器を構成する容器蓋であって、周縁において前記開口容器本体の開口向きに突出し、かつ、環状に設けられる蓋フランジ部を有し、加熱による前記開口容器本体の熱収縮後に、前記蓋フランジ部が前記開口容器本体に内嵌合して前記開口容器本体を被蓋させることを特徴とする容器蓋を提供するものである。
【0026】
すなわち、前記蓋フランジ部が前記開口容器本体に内嵌合するので、環状の前記蓋フランジ部は、その中央から離れる向きに位置する前記開口容器本体の内側に嵌合する。このとき、前記開口容器本体が熱収縮し、その中央に向けて収縮しているため、収縮後の前記開口容器本体と前記蓋フランジ部とは密着する。
【0027】
これにより、本発明の容器蓋は前記開口容器本体を密閉する。
【0028】
(6)本発明は、合成樹脂シートから熱成形されるとともに加熱により熱収縮する性質を有する開口容器本体に対し、該開口容器本体と嵌合する容器蓋を脱着する容器蓋の脱着方法であり、前記開口容器本体に外嵌合する前記容器蓋を前記開口容器本体から取り外す容器蓋取外し工程と、前記容器蓋取外し工程の後に、前記開口容器本体を加熱する加熱工程と、前記加熱工程の後に、前記容器蓋取外し工程において取り外した容器蓋を、前記加熱工程において熱収縮した前記開口容器本体に内嵌合させる再嵌合工程とを含むことを特徴とする容器蓋の脱着方法を提供するものである。
【0029】
すなわち、本発明の容器蓋の脱着方法においては、前記加熱工程後のために、熱収縮後の前記開口容器本体の寸法に合わせた別の容器蓋を用意することなく、前記容器蓋外し工程において取り外した前記容器蓋によって、再度、前記開口容器本体を被蓋させることができる。よって、前記開口容器本体の熱収縮の前後の何れにおいても、一つの前記容器蓋が前記開口容器本体を密閉することができる。
【0030】
(7)また、前記開口容器本体と前記容器蓋とは、それぞれの周縁において鉛直方向の上向きに突出し、かつ、環状に設けられるフランジ部である本体フランジ部及び蓋フランジ部を有し、前記容器蓋取外し工程前の外嵌合状態においては、前記本体フランジ部が水平方向の内側に有する周壁である本体内側周壁より前記内側に離間して配設される周壁である蓋内側周壁を前記蓋フランジ部が有し、かつ、前記蓋内側周壁が、前記本体内側周壁に対し前記本体内側周壁の前記水平方向における熱収縮代と同等の距離を離間し、前記容器蓋取外し工程は、前記本体フランジ部から前記水平方向の外向きに突出する鍔状の係止鍔部と、前記蓋フランジ部が外側に有する周壁である蓋外側周壁から内向きに突出する凸状の被係止凸部との係止状態を解除するステップを含み、前記再嵌合工程は、前記容器蓋により前記開口容器本体を被蓋させるとともに、前記本体内側周壁と前記蓋内側周壁とが接触するように前記蓋フランジ部を前記本体フランジ部に内嵌合させるステップを含んでもよい。
【0031】
すなわち、前記加熱工程においては、前記本体フランジ部の収縮に伴って、前記本体内側周壁の位置が熱収縮代だけ前記水平方向の内向きに変位する。そして、収縮前に予めこの熱収縮代と同等の距離を離間して前記蓋内側周壁が配置されているため、収縮後は、前記本体内側周壁と前記蓋内側周壁とが密着し、前記容器蓋は前記開口容器本体を密閉する
ことができる。
【0032】
このように、前記再嵌合工程において、面どうしである前記本体内側周壁と前記蓋内側周壁とが密着するため、液体や半固体のように隙間などから漏れやすい内容物が充填されるときでも、本発明の容器蓋に脱着方法においては、前記容器蓋が前記開口容器本体を強固に密閉することができる。
【0033】
(8)本発明は、合成樹脂シートから熱成形されるとともに加熱により熱収縮する性質を有する開口容器本体に対し、該開口容器本体と嵌合する容器蓋を脱着する容器蓋の脱着方法であり、前記開口容器本体に外嵌合する前記容器蓋を前記開口容器本体から取り外す容器蓋取外し工程と、前記容器蓋取外し工程の後に、前記開口容器本体に高温状態の食品を充填する充填工程と、前記充填工程の後に、前記容器蓋取外し工程において取り外した容器蓋を、前記充填工程において熱収縮した前記開口容器本体に内嵌合させる再嵌合工程とを含むことを特徴とする容器蓋の脱着方法を提供するものである。
【0034】
すなわち、本発明の容器蓋の脱着方法においては、前記充填工程後のために、熱収縮後の前記開口容器本体の寸法に合わせた別の容器蓋を用意することなく、前記容器蓋外し工程において取り外した前記容器蓋によって、再度、前記開口容器本体を被蓋させることができる。よって、前記開口容器本体の熱収縮の前後の何れにおいても、一つの前記容器蓋が前記開口容器本体を密閉することができる。
【0035】
(9)また、前記開口容器本体と前記容器蓋とは、それぞれの周縁において鉛直方向の上向きに突出し、かつ、環状に設けられるフランジ部である本体フランジ部及び蓋フランジ部を有し、前記容器蓋取外し工程前の外嵌合状態においては、前記本体フランジ部が水平方向の内側に有する周壁である本体内側周壁より前記内側に離間して配設される周壁である蓋内側周壁を前記蓋フランジ部が有し、かつ、前記蓋内側周壁が、前記本体内側周壁に対し前記本体内側周壁の前記水平方向における熱収縮代と同等の距離を離間し、前記容器蓋取外し工程は、前記本体フランジ部から前記水平方向の外向きに突出する鍔状の係止鍔部と、前記蓋フランジ部が外側に有する周壁である蓋外側周壁から内向きに突出する凸状の被係止凸部との係止状態を解除するステップを含み、前記再嵌合工程は、前記容器蓋により前記開口容器本体を被蓋させるとともに、前記本体内側周壁と前記蓋内側周壁とが接触するように前記蓋フランジ部を前記本体フランジ部に内嵌合させるステップを含んでもよい。
【0036】
すなわち、前記加熱工程においては、前記本体フランジ部の収縮に伴って、前記本体内側周壁の位置が熱収縮代だけ前記水平方向の内向きに変位する。そして、収縮前に予めこの熱収縮代と同等の距離を離間して前記蓋内側周壁が配置されているため、収縮後は、前
記本体内側周壁と前記蓋内側周壁とが密着し、前記容器蓋は前記開口容器本体を密閉することができる。
【0037】
このように、前記再嵌合工程において、面どうしである前記本体内側周壁と前記蓋内側周壁とが密着するため、液体や半固体のように隙間などから漏れやすい内容物が充填されるときでも、本発明の容器蓋に脱着方法においては、前記容器蓋が前記開口容器本体を強固に密閉することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明では、前記開口容器本体の熱収縮の前後の何れにおいても、前記容器蓋が前記開口容器本体を密閉することのできる蓋付容器、容器蓋、および、容器蓋の脱着方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の実施形態に係る蓋付容器1の正面図を表す。
図2】本発明の実施形態に係る開口容器本体2の正面断面図を表す。
図3】本発明の実施形態に係る開口容器本体2の平面図を表す。
図4】本発明の実施形態に係る容器蓋3の正面断面図を表す。
図5】本発明の実施形態に係る容器蓋3の平面図を表す。
図6】本発明の実施形態に係る容器蓋3平面のS部分の拡大図を表す。
図7】本発明の実施形態に係る蓋付容器1の正面断面図を表す。
図8】本発明の実施形態に係る蓋付容器1のE-E断面における二次収縮前嵌合状態Bsの部分端面図を表す。
図9】本発明の実施形態に係る蓋付容器1のE-E断面における二次収縮後嵌合状態Asの部分端面図を表す。
図10】本発明の実施形態に係る第1の容器蓋の脱着方法CS1を示すフロー図を表す。
図11】本発明の実施形態に係る第2の容器蓋の脱着方法CS11を示すフロー図を表す。
図12】本発明の実施形態の変形例に係る容器蓋の平面図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて例示する。図1の正面図において、1は蓋付容器である。蓋付容器1は、開口容器本体2と、開口容器本体2の開口側に脱着自在に嵌合する容器蓋3とを備える。蓋付容器1は、後に述べる開口容器本体2の平面図及び容器蓋3の平面図が示すように、平面視において左右に長い略長円形状に形成されている。
【0041】
図に示す蓋付容器1並びにこれを構成する開口容器本体2及び容器蓋3に関する向きについて、正面図の上下方向を鉛直方向Vと呼び、開口容器本体2が開口する向きを上向きUと呼び、その逆向きを下向きDと呼ぶ。また、正面図の左右及び前後方向を含む水平方向を単に水平方向Hと呼び、水平方向Hのうち正面図の左右方向を幅方向Wと呼び、正面図の左向きを単に左向きLと呼び、その逆向きを右向きRと呼ぶ。さらに、開口容器本体2又は容器蓋3の水平方向Hの中央へ近づく向きを内向きIと呼び、同じく中央から離れる向きを外向きOと呼ぶ。そして、水平方向Hにおいて内向きIの側を内側と呼び、同じく外向きOの側を外側と呼ぶ。
【0042】
開口容器本体2は、合成樹脂シートを熱成形して得られる無蓋有底の容器形状をした成形品であり、上向きUに開口するとともに、食品Fを内部に保持できるように鉛直方向Vに一定の深さを有する。開口容器本体2に成形される合成樹脂シートは、結晶性ポリマーを原料とするものを含み、例えばポリプロピレン(PP)、結晶性ポリエチレンテレフタレート(C-PET)をはじめとするPET系樹脂、ポリ乳酸を原料とするものを含む。図1は、開口容器本体2が白色に着色された状態を表す。
【0043】
これらの結晶性ポリマーなどを原料とする合成樹脂シートは、成形後の加熱により収縮することが知られている。例えばPET系樹脂の場合、110℃以上の加熱により、樹脂の種類によって千分の2から千分の18のうちの何れかの比率で熱収縮することが知られている。このような熱成形後の再加熱による熱収縮を二次収縮ともいう。
【0044】
開口容器本体2は、図1の正面図及び図2の正面断面図が示すように、周縁において上向きUに突出し、かつ、環状に設けられるフランジ部である本体フランジ部4を有する。開口容器本体2は、図2が示すように食品Fを保持するための容器部2aから段部2bを経て上向きUに開口する。そして、本体開口2cの周縁で、環状に取り囲むように本体フランジ部4が設けられる。図2の正面断面は、図3の開口容器本体平面図に示したE-E断面である。
【0045】
容器蓋3は、図1の正面図及び図4の正面断面図が示すように、周縁において上向きUに突出し、かつ、環状に設けられるフランジ部である蓋フランジ部5を有する。容器蓋3は、天井部分である天蓋部3aの端から下向きDに垂れ下がり、垂れ下がった最下部が蓋開口3bを構成する。そして、蓋開口3bの外側で、外向きOに拡がる窪部3cが設けられる。そして、窪部3cのさらに外側の周縁で、窪部3cから立ち上がるように、窪部3cを取り囲む環状の蓋フランジ部5が設けられる。
【0046】
容器蓋3は、開口容器本体2と同様に合成樹脂シートを熱成形して得られる成形品であるが、開口容器本体2のような二次収縮を起こさない原料が用いられるか、または、二次収縮を起こすときでもその収縮率が開口容器本体2の二次収縮時の収縮率よりも小さい原料が用いられている。図1は、容器蓋3が透明な状態を表す。
【0047】
本体フランジ部4は、図3が示すとおり、本体開口2cから外向きOに広がるように延在する。
【0048】
本体フランジ部4は図2及び図3が示すように上向きUの平面である本体フランジ接触面4aを有する。また、本体フランジ部4は本体フランジ接触面4aの外側の端から下向きDに垂れ下がり、その下端から、外向きOに突出する係止鍔部6を有する。さらに、本体フランジ部4は、内側の周壁であり、鉛直方向Vの上側ほど内側に位置するように傾斜
する本体内側周壁7を有する。
【0049】
蓋フランジ部5は、図5の蓋平面図が示すとおり、蓋開口3bの外側で窪部3cから外向きOに広がるように延在する。
【0050】
蓋フランジ部5は図4及び図5が示すように下向きDの平面である蓋フランジ接触面5aを有する。また、蓋フランジ部5は外側の周壁であり、蓋フランジ接触面5aの外側の端から下向きDに垂れ下がる蓋外側周壁8を有する。さらに、蓋フランジ部5は、内側の周壁であり、鉛直方向Vの上側ほど内側に位置するように傾斜する蓋内側周壁9を有する。なお、図4及び図5には後に詳述する蓋付容器1についてのE-E断面及びF-F断面を示すための矢印を付す。
【0051】
係止鍔部6は、図2の左半分において幅方向Wの左向きLに突出し、右半分において幅方向Wの右向きRに突出するように設けられている。また、係止鍔部6は、図3が示すように本体フランジ接触面4aの全周を取り囲む。すなわち、係止鍔部6は外向きOに突出するように、本体フランジ部4の全周に渡って設けられている。
【0052】
本体内側周壁7と蓋内側周壁9とは、各々の傾斜角度が略同一となるように形成される。
【0053】
蓋外側周壁8は、複数の被係止凸部8aを有する。各被係止凸部8aは、凸状に形成され、図4の左半分において幅方向Wの右向きRに突出し、右半分において幅方向Wの左向きLに突出する。各被係止凸部8aは、図5に示すように蓋外側周壁8に沿って細長く形成されるとともに、環状に、かつ、不連続に配置される。図6は、容器蓋3のうち図5のSの仮想線で示す部分の平面拡大図である。
【0054】
蓋外側周壁8は、蓋フランジ接触面5aよりも鉛直方向Vの下側且つ各被係止凸部8aよりも上側において、外向きOに凹む蓋外側周壁凹部8bを構成する。
【0055】
図7は、開口容器本体2に容器蓋3が嵌合した状態の蓋付容器1の正面断面図を表わす。この状態で、開口容器本体2は二次収縮を起こしていない。また、本体フランジ接触面4aに対して、蓋フランジ接触面5aが鉛直方向V上側から密着して接触する。二次収縮前のこうした嵌合状態を、以下において二次収縮前嵌合状態Bsという。
【0056】
開口容器本体2及び容器蓋3の寸法は、二次収縮前嵌合状態Bsにおいて、係止鍔部6の外向きOの先端が成す平面視形状が、蓋外側周壁凹部8bが成す平面視形状と同一、または、蓋外側周壁凹部8bが成す平面視形状よりもわずかに小さくなるような寸法に設定される。
【0057】
また、係止鍔部6から蓋フランジ接触面5aまでの鉛直方向Vの高さH1が、各被係止凸部8aの上端から蓋フランジ接触面5aまでの鉛直方向Vの高さH2よりも小さくなるような寸法に設定される。
【0058】
さらに、開口容器本体2及び容器蓋3の寸法は、二次収縮前嵌合状態Bsにおいて、本体フランジ部4が蓋フランジ部5の鉛直方向V下側から収まるような寸法に設定される。
【0059】
しかも、開口容器本体2及び容器蓋3の寸法は、二次収縮前嵌合状態Bsにおいて、開口容器本体2の段部2bの鉛直方向V上側に容器蓋3の窪部3cが位置するような寸法に設定される。
【0060】
こうした構成により、蓋フランジ部5が本体フランジ部4に対して外嵌合し、蓋付容器1全体としては、容器蓋3が開口容器本体2に外嵌合することが可能である。この外嵌合によって、蓋付容器1は二次収縮前嵌合状態Bsに至り、容器蓋3が開口容器本体2を密閉する。
【0061】
また、開口容器本体2の係止鍔部6が容器蓋3の被係止凸部8aを下向きDに係止するため、容器蓋3が開口容器本体2から抜脱することがなく、二次収縮前嵌合状態Bsが維持される。このとき、係止鍔部6は蓋外側周壁凹部8bに嵌まり込んでいる。
【0062】
使用者が容器蓋3を開口容器本体2に嵌め合わせるとき、または、意図的に容器蓋3を開口容器本体2から取り外すときは、開口容器本体2、容器蓋3、または、開口容器本体2及び容器蓋3をわずかに弾性変形させて、係止鍔部6を蓋外側周壁凹部8bに嵌めて、係止鍔部6により被係止凸部8aを係止し、または、係止鍔部6を蓋外側周壁凹部8bから外し、係止鍔部6による被係止凸部8aの係止状態を解除する。開口容器本体2及び容器蓋3の何れもが合成樹脂シートによる成形品のため、係止又は係止状態の解除のために容易に変形させることができる。
【0063】
また、各被係止凸部8aが不連続に配置されているため、開口容器本体2と容器蓋3との間に生じる摩擦を小さくすることができ、係止鍔部6による係止又は係止状態の解除を容易に行うことができる。しかも、各被係止凸部8aは、容器蓋3の平面視において図5及び図6が示すように、幅方向W及び奥行き方向Yにおいて左右前後対称となるように配置されている。そのため、係止鍔部6が被係止凸部8aを係止することによる容器蓋3の嵌め難さ又は外れ難さの度合いを蓋付容器1の左右前後について略均一に設定することができる。
【0064】
蓋内側周壁9は、二次収縮前嵌合状態Bsにおいて、本体内側周壁7の内側に離隔して配設される。図8の、二次収縮前嵌合状態Bsにおける左側フランジ部4,5を拡大したE-E断面の正面端面図には、E-E断面において蓋内側周壁9が本体内側周壁7に対して水平方向Hに離間する距離であるEE断面二次収縮前離間距離wdを示す。
【0065】
この状態で本体フランジ接触面4aと蓋フランジ接触面5aとが接触する。そして、蓋フランジ部5が本体フランジ部4に外嵌合することにより、蓋付容器1全体としては容器蓋3が開口容器本体2に外嵌合する。
【0066】
ここで、開口容器本体2及び容器蓋3の寸法を、EE断面二次収縮前離間距離wdが、図2に示す左右の本体内側周壁7間の距離であるEE断面二次収縮前周壁間距離w1から、開口容器本体2が二次収縮を起こした後の左右の本体内側周壁7間の距離であるEE断面二次収縮後周壁間距離w2を控除した距離の1/2となるように設定する。このような(w1-w2)/2の距離をEE断面二次収縮代waと呼ぶ。すなわち、開口容器本体2及び容器蓋3の寸法を、EE断面二次収縮前離間距離wdがEE断面二次収縮代waに相当するように設定する。
【0067】
二次収縮前の寸法と二次収縮後の寸法との関係について、開口容器本体2の原料が例えば結晶性ポリエチレンテレフタレート(C-PET)の場合、千分の2から千分の18の割合であることが知られている。
【0068】
図9は、開口容器本体2が加熱により二次収縮を起こし、図2に示す左側の本体内側周壁7がEE断面二次収縮代waの距離を右向きRに変位した状態を示す。左側の本体内側周壁7が右向きRに変位しつつも、蓋フランジ接触面5aは、二次収縮前と同様に本体フランジ接触面4aに密着して接触した状態である。また、容器蓋3の窪部3cの下面は開
口容器本体2の段部2bの上面に当接する。
【0069】
蓋内側周壁9が、二次収縮前嵌合状態Bsにおいて図8のように本体内側周壁7に対して水平方向HにEE断面二次収縮前離間距離wdだけ内側に位置していたことにより、開口容器本体2の二次収縮後に再度容器蓋3により開口容器本体2を被蓋させるときは、本体内側周壁7がEE断面二次収縮前離間距離wdに相当するEE断面二次収縮代waの距
離を内向きIに変位したため、本体内側周壁7が蓋内側周壁9に接触して密着する。これにより、蓋フランジ部5が本体フランジ部4に対して内嵌合し、蓋付容器1全体としては、容器蓋3が開口容器本体2に内嵌合することが可能である。二次収縮後のこうした嵌合状態を、以下において二次収縮後嵌合状態Asという。
【0070】
この二次収縮後嵌合状態Asにおいて、容器蓋3は開口容器本体2を密閉する。
【0071】
また、蓋内側周壁9が鉛直方向Vの上側ほど内側に位置するように傾斜するとともに、本体内側周壁7も同様に傾斜するため、二次収縮後嵌合状態Asにおいて、容器蓋3を開口容器本体2から上向きUに引き離そうとする力が働くときでも、本体内側周壁7は、容器蓋3を下向きDに係止し、密閉状態を維持することができる。
【0072】
使用者が容器蓋3を開口容器本体2に嵌め合わせるとき、または、意図的に容器蓋3を開口容器本体2から取り外すときは、開口容器本体2、容器蓋3、または、開口容器本体2及び容器蓋3をわずかに弾性変形させて、蓋内側周壁9を本体内側周壁7に摺り合わせて下向きD又は上向きUに移動させる。開口容器本体2及び容器蓋3の何れもが合成樹脂シートによる成形品のため、係止又は係止状態の解除のために容易に変形させることができる。
【0073】
図8及び図9においてE-E断面の正面断面における端面について示したが、図3及び図5に矢印を付したF-F断面の側面断面や、その他の角度からの断面についても、開口容器本体2と容器蓋3とは同様に構成される。例えば、F-F断面においては、左右のうちの一方の側の本体内側周壁7が、図示しないFF断面二次収縮代yaの距離を右向きR
に変位して蓋内側周壁9に接触して密着する。すなわち、蓋付容器1の全周について、二次収縮後嵌合状態Asにおいて本体内側周壁7が蓋内側周壁9に接触して密着することにより、蓋フランジ部5が本体フランジ部4に対して内嵌合し、蓋付容器1全体として容器蓋3は開口容器本体2に内嵌合することが可能である。
【0074】
図10においてCS1は本発明の第1の容器蓋の脱着方法の実施形態を例示している。第1の容器蓋の脱着方法CS1は、以上で述べたような蓋付容器1について、合成樹脂シートから熱成形されるとともに加熱により熱収縮する性質を有する開口容器本体2と嵌合する容器蓋3を脱着する方法である。
【0075】
第1の容器蓋の脱着方法CS1を行う前の蓋付容器1は、例えば加熱調理可能な食品Fが開口容器本体2に充填された状態で容器蓋3が開口容器本体2に脱着自在に嵌合する状態に置かれている。このときの食品Fは常温である。
【0076】
また、同じく蓋付容器1は、例えばその内側を過熱水蒸気により殺菌消毒するため、開口容器本体2に何も充填されていない状態に置かれていてもよい。
【0077】
そして、第1の容器蓋の脱着方法CS1を行う前においては、蓋付容器1が二次収縮前嵌合状態Bsにある。すなわち、図1図7及び図8が示すように蓋フランジ部5が本体フランジ部4に外嵌合し、これにより、容器蓋3が開口容器本体2に外嵌合している。
【0078】
第1の容器蓋の脱着方法CS1は、順に、容器蓋3を開口容器本体2から取り外す容器蓋取外し工程S1と、開口容器本体2を加熱する加熱工程S2と、容器蓋3を開口容器本体2に内嵌合させる再嵌合工程S3とを含む。
【0079】
容器蓋取外し工程S1は、開口容器本体2の周縁において上向きUに突出するとともに環状に設けられるフランジ部である本体フランジ部から外向きに突出する鍔状の係止鍔部6と、前記容器蓋の周縁において上向きUに突出するとともに環状に設けられるフランジ部である蓋フランジ部5が外側に有する周壁である蓋外側周壁8から内向きIに突出する凸状の被係止凸部8aとの係止状態を解除するステップS1aを含む。
【0080】
係止鍔部6と被係止凸部8aとの係止状態を解除するステップS1aにおいて、この係止状態を解除した後、容器蓋3を開口容器本体2から上向きUに引き離す。このように取り外した容器蓋3は、再嵌合工程S3で用いるため、次に述べる加熱工程S2の間も保管しておく。
【0081】
容器取外し工程S1により、消費者や事業者のような蓋付容器1の使用者は、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、仕入先、工場などから購入・搬入された直後の、食品Fが充填された状態の開口容器本体2を、電子レンジやオーブン、焼成ラインのような加熱器具によって加熱可能な状態とする。または、蓋付容器1の内側を過熱水蒸気による殺菌消毒が可能な状態とする。
【0082】
加熱工程S2は、消費者、事業者等の使用者が、開口容器本体2から容器蓋3を取り外した後に、例えば惣菜類、麺類、菓子等の食品Fが充填された状態の開口容器本体2を電子レンジやオーブン、焼成ラインのような加熱器具によって加熱して食品Fを調理するステップを含む。または、事業者等の使用者が、開口容器本体2から容器蓋3を取り外した後に、何も充填されていない状態の開口容器本体2を過熱水蒸気等に曝して、熱により開口容器本体2を殺菌消毒するステップを含む。
【0083】
こうした食品Fの加熱調理や、過熱水蒸気による殺菌によって、開口容器本体2じたいが加熱される。このとき開口容器本体2は110℃以上に昇温し、二次収縮を起こす。すなわち、開口容器本体2を加熱する加熱工程S2を経ることにより、開口容器本体2は二
次収縮を起こし、例えばE-E断面の場合、左右の本体内側周壁7間の距離がEE断面二次収縮前周壁間距離w1からEE断面二次収縮後周壁間距離w2へと減少する。
【0084】
上で述べた惣菜類や菓子のうち、グラタン又は焼菓子を加熱調理するときは、それぞれ150℃又は230℃まで昇温することが知られている。
【0085】
その一方で、容器蓋3の原料が二次収縮を起こさない原料を用いている場合は、加熱工程S2を経ても二次収縮を起こすことがない。また、二次収縮を起こす原料を用いている場合でも、容器蓋3はすでに開口容器本体2から取り外されているために二次収縮を起こさない。これらにより、開口容器本体2だけが加熱工程S2を経て二次収縮を起こす。
【0086】
再嵌合工程S3は、加熱工程S2の間に保管していた容器蓋3を、加熱工程S2によって加熱して熱収縮した開口容器本体2と組み合わせ、当該容器蓋3により開口容器本体2を被蓋させるステップを含む。
【0087】
また、再嵌合工程S3は、本体内側周壁7と蓋内側周壁9とが接触するように蓋フランジ部5を本体フランジ部4に内嵌合させるステップS3aを含む。この再嵌合工程S3により、容器蓋3を開口容器本体2に内嵌合させる。
【0088】
消費者等の使用者は、例えば電子レンジによって加熱調理された惣菜類、麺類等の食品Fを直ぐに食べるのではなく、保管、移動、蒸気や時間経過による追加調理などのために一定時間をおいてから食べることがある。また、事業者等の使用者は、例えばオーブン、焼成ライン等によって加熱調理された惣菜類、菓子等の食品Fを包装された状態で流通させることがある。
【0089】
このようなとき、食品Fを蒸すためや、食品Fをこぼさないため、食品Fに異物を混入させないために、使用者は、本発明の第1の容器蓋の脱着方法CS1によって、容器蓋3により開口容器本体2を被蓋させ、容器蓋3を開口容器本体2に再度嵌合させることができる。再嵌合工程S3においては、本体内側周壁7と蓋内側周壁9とが接触して密閉するため、液体や半固体のように隙間から漏れやすい内容物が充填されるときでも強固に密閉することができる。
【0090】
コンビニエンスストアやスーパーマーケットのような事業者は、開口容器本体2に充填された食品Fをこれらの店舗内で加熱調理し、かつ、再度容器蓋3により再度被蓋させることにより、売れ行きに合わせて、出来立て且つ適正な数量の加熱調理品を店頭に並べることができる。
【0091】
開口容器本体2を殺菌消毒したときも、開口容器本体2の内側の滅菌状態又は無菌状態を保つため、使用者は開口容器本体2を再び容器蓋3により被蓋させる。
【0092】
本発明の容器蓋の脱着方法CS1に用いる蓋付容器1は、二次収縮前嵌合状態Bsにおいて蓋フランジ部5が本体フランジ部4に外嵌合し、本体フランジ接触面4aに蓋フランジ接触面5aが接触して内容物の漏れを防ぐ。これに対し、二次収縮後嵌合状態Asにおいては、これらの接触面4a,5aよりも内側に位置する本体内側周壁7と蓋内側周壁9とが接触して密閉するため、内容物が漏れ出す惧れがより小さい。
【0093】
また、各内側周壁7,9じたいが傾斜しているとき、一方が他方を係止する構造のため、密閉の度合いがより高い。
【0094】
本発明の蓋付容器1及び第1の容器蓋の脱着方法CS1は、これらに用いる開口容器本体2及び容器蓋3の独特の構造により、開口容器本体2の熱収縮する性質を利用して、開口容器本体2と容器蓋3との強固な内嵌合を実現している。
【0095】
しかも、二次収縮前嵌合状態Bsで用いる容器蓋3は、二次収縮後嵌合状態Asにおいて共用することができる。そのため、容器蓋取外し工程S1において取り外した容器蓋3を、そのまま再嵌合工程S3のために用いることができ、熱収縮後の開口容器本体2の寸法に合わせた別の容器蓋3を用意する必要がない。
【0096】
図11においてCS11は、本発明の第2の容器蓋の脱着方法を例示している。第2の容器蓋の脱着方法CS11は、順に、容器蓋取外し工程S11と充填工程S12と再嵌合工程S13とを含む。
【0097】
第2の容器蓋の脱着方法CS11を行う前の蓋付容器1は、二次収縮前嵌合状態Bsにあり、開口容器本体2に何も充填されておらず、容器蓋3が開口容器本体2に脱着自在に嵌合する状態に置かれている。
【0098】
容器蓋取外し工程S11は、先に述べた実施形態の容器取外し工程S1と同じ構成であり、また、係止鍔部6と被係止凸部8aとの係止状態を解除するステップS11aを含む。
【0099】
消費者や事業者のような使用者は、準備した蓋付容器1の開口容器本体2を、容器取外し工程S11によって、食品Fのような内容物を充填可能な状態とする。
【0100】
次に、充填工程S12において、開口容器本体2に高温状態の食品Fを充填する。充填される食品Fは例えば惣菜類、麺類等であり、110℃以上に熱せられている。こうした高温状態の食品Fの充填により、開口容器本体2じたいが加熱される。このとき開口容器本体2は110℃以上に昇温し、二次収縮を起こす。すなわち、充填工程S12を経ることにより、開口容器本体2は二次収縮を起こし、例えばE-E断面の場合、左右の本体内側周壁7間の距離がEE断面二次収縮前周壁間距離w1からEE断面二次収縮後周壁間距離w2へと減少する。
【0101】
最後に、再嵌合工程S13は、先に述べた実施形態の再嵌合工程S3と同じ構成であり、充填工程S12の間に保管していた容器蓋3を、充填工程S12によって熱収縮した開口容器本体2と組み合わせ、当該容器蓋3により開口容器本体2を被蓋させるステップを含む。これらにより、蓋付容器1は二次収縮後嵌合状態Asに至る。その他にも、第2の
容器蓋の着脱方法CS11の構成は、特に説明しない限り、第1の容器蓋の着脱方法CSの構成と共通する。
【0102】
消費者等の使用者は、例えば高温状態で充填された惣菜類、麺類等の食品Fを直ぐに食べるのではなく、保管、移動、蒸気や時間経過による追加調理などのために一定時間をおいてから食べることがある。また、事業者等の使用者は、高温状態で充填された惣菜類、菓子等の食品Fを包装された状態で流通させることがある。
【0103】
このようなとき、食品Fを蒸すためや、食品Fをこぼさないため、食品Fに異物を混入させないために、使用者は、本発明の容器蓋の脱着方法CS11によって、容器蓋3により開口容器本体2を被蓋させ、容器蓋3を開口容器本体2に再度嵌合させることができる。再嵌合工程S13においては、本体内側周壁7と蓋内側周壁9とが接触して密閉するため、液体や半固体のように隙間から漏れやすい内容物が充填されるときでも強固に密閉することができる。
【0104】
以上の構成により、本発明の蓋付容器1、容器蓋3及び容器蓋の脱着方法CS1,CS11は、開口容器本体2の熱収縮の前後の何れにおいても、容器蓋3が開口容器本体2を密閉することを可能とする。
【0105】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0106】
例えば、蓋付容器1、開口容器本体2、容器蓋3、本体フランジ部4及び蓋フランジ部5の平面形状は、各図のような略長円形状以外の形状でもよく、全周にわたって図8及び図9に示すようなそれぞれ二次収縮前嵌合状態Bs及び二次収縮後嵌合状態Asにおける本体フランジ部4及び蓋フランジ部5の断面構造を備えることができれば、角形、楕円形、多角形、円形などの形状でもよい。変形例として、蓋付容器、開口容器本体、容器蓋、本体フランジ部及び蓋フランジ部の平面形状は、円形に形成されてもよく、例えば円形の容器蓋が図12の平面図に示されている。
【0107】
また、本体フランジ接触面4a及び蓋フランジ接触面5aは各図のような平面以外に形成されてもよく、二次収縮前嵌合状態Bs及び二次収縮後嵌合状態Asのそれぞれにおいて、全周にわたってお互いに密着して接触していれば、上向きUに膨らんだ曲面、下向きDに膨らんだ曲面などに形成されてもよい。
【0108】
さらに、本体内側周壁7及び蓋内側周壁9は各図のような平面以外に形成されてもよく、二次収縮後嵌合状態Asにおいて全周にわたってお互いに接触して密着すれば、外向きOに膨らんだ曲面、内向きIに膨らんだ曲面などに形成されてもよい。
【0109】
本体フランジ部4が外側に本体外側周壁を有し、二次収縮前嵌合状態Bsにおいて、その本体外側周壁に蓋外側周壁8が内向きIに当接することによって蓋フランジ部5が本体フランジ部4に外嵌合するような構成でもよい。また、このとき、本体外側周壁と蓋外側周壁8とが、それぞれ上側ほど外側に位置するように傾斜して、本体外側周壁が蓋外側周壁8を下向きDに係止してもよい。
【0110】
本体内側周壁7及び蓋内側周壁9は傾斜していなくとも、二次収縮後嵌合状態Asにおいてこれら内側周壁7,9どうしの間の摩擦により嵌合状態を保持することができれば、例えば鉛直方向Vに直立していてもよい。
【0111】
容器蓋3の材料は、合成樹脂シート以外の材料でもよく、開口容器本体2、容器蓋3、または、開口容器本体2及び容器蓋3が取外しや嵌め合せのために必要に応じて弾性変形することができれば、紙、木材、ガラスのような合成樹脂以外の材料でもよい。また、容器蓋3は、熱成形して得られる成形品のほか、鋳造、積層、切断、切削、圧縮成型などにより得られるものでもよい。
【0112】
容器取外し工程S1における蓋付容器1から容器蓋3を取り外す目的として、加熱調理、高温状態の食品Fの充填、過熱水蒸気による殺菌消毒の例を挙げたが、これら以外に、開口容器本体2の加熱を伴う表面加工処理や成型、塗布のような目的であってもよい。また、加熱工程S2における開口容器本体2の加熱理由が、これらの目的によるものであってもよい。
【0113】
食品Fを加熱するための目的として、加熱調理を例に挙げたが、食品Fの温め直しや高温殺菌のような加熱調理以外の目的であってもよい。また、開口容器本体2に充填される内容物として食品Fを例に挙げたが、薬液や化粧品、化学品などの食品F以外の固形物、半固形物、液体等でもよい。
【0114】
二次収縮を生じせしめる温度として、PET系樹脂の場合の110℃を例に挙げたが、開口容器本体2に用いる合成樹脂の種類によってこの温度は異なる。
【0115】
開口容器本体2だけが二次収縮を起こし、容器蓋3が二次収縮を起こさない場合を例に挙げたが、容器蓋3が開口容器本体2よりも小さい収縮率により熱収縮を起こす場合でも、開口容器本体2と容器蓋3との収縮率の差に応じてEE断面二次収縮前離間距離wdなどの二次収縮前嵌合状態Bsにおける本体内側周壁7と蓋内側周壁9との離間距離を設定すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明は、開口容器本体と容器蓋との密閉を要する蓋付容器に利用できる。
【符号の説明】
【0117】
1 蓋付容器
2 開口容器本体
3 容器蓋
4 本体フランジ部
4a 本体フランジ接触面
5 蓋フランジ部
5a 蓋フランジ接触面
6 係止鍔部
7 本体内側周壁
8 蓋外側周壁
8a 被係止凸部
8b 蓋外側周壁凹部
9 蓋内側周壁
CS1 第1の容器蓋の脱着方法
CS11 第2の容器蓋の脱着方法
S1、S11 容器取外し工程
S2 加熱工程
S12 充填工程
S3、S13 再嵌合工程





図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12