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特許7422431アリール炭化水素受容体の活性を抑制するペプチド及びこれを用いる化粧料組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】アリール炭化水素受容体の活性を抑制するペプチド及びこれを用いる化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
   C07K 5/113 20060101AFI20240119BHJP
   C07K 5/093 20060101ALI20240119BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20240119BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
C07K5/113 ZNA
C07K5/093
A61K8/64
A61Q19/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022536824
(86)(22)【出願日】2020-07-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 KR2020009499
(87)【国際公開番号】W WO2021125484
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】10-2019-0168700
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522212044
【氏名又は名称】スパドエリクサー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ジャン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミン ソ
【審査官】上條 のぶよ
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-516072(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01298210(EP,A1)
【文献】特表2005-511017(JP,A)
【文献】国際公開第2014/200910(WO,A2)
【文献】国際公開第2013/036791(WO,A2)
【文献】国際公開第2004/077058(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0113902(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 5/113
A61K 8/64
A61Q 19/00
A61K 38/06
A61K 38/07
A61P 17/16
A61P 29/00
C07K 5/093
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号~4のいずれか一つのアミノ酸配列から構成されたペプチドを含むことを特徴とする、化粧料組成物。
【請求項2】
前記化粧料組成物は、粒子状物質により発生する皮膚トラブルを緩和する効果を提供することを特徴とする、請求項に記載の化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アリール炭化水素受容体の活性を抑制するペプチド及びこれを用いる化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、発生頻度が急激に増加している粒子状物質は、粒径10μm以下の粒子状物質を意味し、自動車、工場などの排出ガスなどから発生し、主に炭素粒子で構成される。前記粒子状物質に含まれている炭素粒子は、多芳香族炭化水素などの有機物質と結合し、細胞内のアリール炭化水素受容体(aryl hydrocarbone recptor、AhR)と結合して活性酸素及び炎症を誘発して皮膚トラブルを引き起こす。
【0003】
具体的には、前記アリール炭化水素受容体は、細胞質の内部に存在する一種の転写因子であり、N末端にヘリックスループヘリックスDNA結合モチーフ(Helix-loop-helix motif)を持っており、不活性化状態の場合には、hsp90、p23、XAP2などのタンパク質と結合して複合体状態で存在するが、粒子状物質のハロゲン化芳香族炭化水素、多環芳香族炭化水素などと結合して活性化されると、核の内部に入ってArntと結合して転写因子として作用し、AHRE(AhR-response element)、DRE(Dioxin-response element)、XRE(Xenobiotics-response element)などの特定のDNA調節領域に結合し、主に下流(Downstream)に位置した多様な遺伝子の発現を促進し、これにより多様なタンパク質が発現するようにする。その結果、遺伝子発現が異常に行われる場合、細胞毒性が発生する。
【0004】
したがって、下記特許文献のように前記アリール炭化水素受容体の活性を抑制して疾患を予防及び治療することができるアリール炭化水素受容体活性抑制剤が開発されている(特許文献1)。
【0005】
しかし、従来のアリール炭化水素受容体活性抑制剤は、大部分が化学合成されて疾患の治療時に副作用が発生するという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0113902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、粒子状物質による皮膚トラブルを改善するために使用することができる、アリール炭化水素受容体の活性を抑制するペプチド及びこれを用いる化粧料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、次の構成を有する実施例によって実現される。
【0009】
本発明の一実施例によれば、本発明によるペプチドは、配列番号1~4のいずれか一つのアミノ酸配列から構成されることを特徴とする。
【0010】
本発明の他の実施例によれば、本発明によるペプチドは、アリール炭化水素受容体の活性を低下させることを特徴とする。
【0011】
本発明の別の実施例によれば、本発明によるペプチドは、粒子状物質に発生する皮膚トラブルを緩和するために使用されることを特徴とする。
【0012】
本発明の別の実施例によれば、本発明によるペプチドは、粒子状物質による炎症の発生を抑制することを特徴とする。
【0013】
本発明の別の実施例によれば、本発明による化粧料組成物は、配列番号1~4のいずれか一つのアミノ酸配列から構成されたペプチドを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の別の実施例によれば、本発明による化粧料組成物は、粒子状物質により発生する皮膚トラブルを緩和する効果を提供することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、前述した実施例によって次の効果を得ることができる。
【0016】
本発明は、配列番号1~4のいずれか一つのアミノ酸配列からなるペプチドを用いてアリール炭化水素受容体の活性を抑制することにより、粒子状物質による皮膚トラブルを改善することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例によるペプチドがAhRとPOLIIとの相互作用に及ぼす影響を示すグラフである。
図2】本発明の一実施例によるペプチドが粒子状物質による細胞毒性に及ぼす影響を確認するためのグラフである。
図3】本発明の一実施例によるペプチドが、粒子状物質により誘発される活性酸素の生成に及ぼす影響を確認するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明によるアリール炭化水素受容体の活性を抑制するペプチド及びこれを用いた化粧料組成物について、添付図面を参照して詳細に説明する。特別な定義がない限り、本明細書のすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する技術者が理解する当該用語の一般的な意味と同じであり、もし本明細書で使用された用語の意味と衝突する場合には、本明細書で使用された定義に従う。また、本発明の要旨を無駄に不明確にするおそれのある公知の機能及び構成についての詳細な説明は省略する。明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0019】
本発明の一実施例は、アリール炭化水素受容体の活性を抑制するペプチドに関するものであり、前記ペプチドは、配列番号1(Asp-Arg-Leu-Asn)、2(Asp-Arg-Leu)、3(Asn-Thr-Glu-Leu)又は4(Asn-Thr-Glu)のアミノ酸配列から構成されることを特徴とする。前記ペプチドは、アリール炭化水素受容体の活性を抑制して、粒子状物質がアリール炭化水素受容体に結合することにより発生する皮膚トラブルを緩和することができる。具体的には、前記ペプチドは、アリール炭化水素受容体の活性を抑制して、粒子状物質がアリール炭化水素受容体と結合して生じる細胞毒性、活性酸素、炎症性サイトカインの生成を抑制して皮膚トラブルを緩和することができる。
【0020】
本発明の別の実施例は、配列番号1~4のいずれか一つのアミノ酸配列からなるペプチドを含む化粧料組成物に関するものであって、前記化粧料組成物は、細胞毒性を緩和し、且つ活性酸素及び炎症性サイトカインの生成を抑制して、粒子状物質により発生する皮膚トラブルを緩和することができる。
【0021】
本発明の化粧料組成物は、水溶性ビタミン、油溶性ビタミン、高分子多糖、スフィンゴ脂質及び海藻エキスよりなる群から選択された組成物をさらに含むことができる。
【0022】
前記水溶性ビタミンとしては、化粧料に配合可能なものであればいずれでもよいが、好ましくは、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ピリドキシン、塩酸ピリドキシン、ビタミンB12、パントテン酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、葉酸、ビタミンC、ビタミンHなどを挙げることができ、それらの塩(チアミン塩酸塩、アスコルビン酸ナトリウム塩など)又は誘導体(アスコルビン酸-2-リン酸ナトリウム塩、アスコルビン酸-2-リン酸マグネシウム塩など)も、本発明で使用することができる水溶性ビタミンに含まれる。前記水溶性ビタミンは、微生物変換法、微生物の培養物からの精製法、酵素法又は化学合成法などの通常の方法によって得ることができる。
【0023】
前記油溶性ビタミンとしては、化粧料に配合可能なものであればいずれでもよいが、好ましくは、ビタミンA、カロチン、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンE(d1-アルファトコフェロール、d-アルファトコフェロール)などを挙げることができ、それらの誘導体(パルミチン酸アスコルビン、ステアリン酸アスコルビン、ジパルミチン酸アスコルビン、酢酸dl-アルファトコフェロール、ニコチン酸dl-アルファトコフェロールビタミンE、DL-パントテニルアルコール、D-パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテルなど)なども、本発明で使用される油溶性ビタミンに含まれる。前記油溶性ビタミンは、微生物変換法、微生物の培養物からの精製法、酵素又は化学合成法などの通常の方法によって取得することができる。
【0024】
前記高分子多糖としては、化粧料に配合可能なものであればいずれでもよいが、好ましくは、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸又はその塩(ナトリウム塩など)などを挙げることができる。例えば、コンドロイチン硫酸又はその塩などは、通常、哺乳動物や魚類から精製して使用することができる。
【0025】
前記スフィンゴ脂質としては、化粧料に配合可能なものであればいずれでもよいが、好ましくは、セラミド、フィトスフィンゴシン、スフィンゴ糖脂質などを挙げることができる。前記スフィンゴ脂質は、通常、哺乳類、魚類、貝類、酵母又は植物などから通常の方法によって精製するか、或いは化学合成法によって取得することができる。
【0026】
前記海藻エキスとしては、化粧料に配合可能なものであればいずれもよいが、好ましくは、褐藻エキス、紅藻エキス、緑藻エキスなどを挙げることができ、また、これらの海藻エキスから精製されたカラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムなども、本発明で使用される海藻エキスに含まれる。前記海藻エキスは、海藻から通常の方法によって精製して取得することができる。
【0027】
本発明の化粧料組成物には、通常、化粧料組成物に配合される他の成分を配合することができる。例えば、油脂成分、保湿剤、エモリエント剤、界面活性剤、有機及び無機顔料、有機粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、植物抽出物、pH調整剤、アルコール、色素、香料、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、精製水などを挙げることができる。
前記油脂成分としては、エステル系油脂、炭化水素系油脂、シリコーン系油脂、フッ素系油脂、動物油脂、植物油脂などを挙げることができる。前記エステル系油脂としては、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアルキル、トリ(カプリル、カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノオレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソセチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル、カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアルキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリルなどのエステル系などを挙げることができる。前記炭化水素系油脂としては、スクアレン、流動パラフィン、アルファ-オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリンなどの炭化水素系油脂などを挙げることができる。前記シリコーン系油脂としては、ポリメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性シリコーン油、アミノ変性シリコーン油などを挙げることができる。前記フッ素系油脂としては、ペルフルオロポリエーテルなどを挙げることができる。前記動物又は植物油脂としては、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、米糊油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、菜種油、杏仁油、パーム核油、パーム油、ひまし油、ひまわり油、ブドウ種子油、綿実油、ヤシ油、ククイナッツ油、小麦胚芽油、米胚芽油、シアバター、月見草油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、卵黄油、牛脂、麻油、ミンク油、オレンジラフィー油、ホホバ油、キャンデリラワックス、カルナバワックス、液状ラノリン、硬化ひまし油などの動物又は植物油脂を挙げることができる。
【0028】
前記保湿剤としては、水溶性低分子保湿剤、脂溶性分子保湿剤、水溶性高分子、脂溶性高分子などを挙げることができる。前記水溶性低分子保湿剤としては、セリン、グルタミン、ソルビトール、マンニトール、ピロリドン-カルボン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコールB(重合度n=2以上)、ポリプロピレングリコール(重合度n=2以上)、ポリグリセリンB(重合度n=2以上)、乳酸、乳酸塩などを挙げることができる。前記脂溶性低分子保湿剤としては、コレステロール、コレステロールエステルなどを挙げることができる。前記水溶性高分子としては、カルボキシビニルポリマー、ポリアスパラギン酸塩、トラガカント、キサンタンガム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、水溶性キチン、キトサン、デキストランなどを挙げることができる。前記脂溶性高分子としては、ポリビニルピロリドン・エイコセン共重合体、ポリビニルピロリドン・ヘキサデセン共重合体、ニトロセルロース、デキストリン脂肪酸エステル、高分子シリコーンなどを挙げることができる。
【0029】
前記エモリエント剤としては、長鎖アシルグルタミン酸コレステリルエステル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、12-ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、ロジン酸、ラノリン脂肪酸コレステリルエステルなどを挙げることができる。
【0030】
前記界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを挙げることができる。前記非イオン性界面活性剤としては、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POE(ポリオキシエチレン)、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ひまし油、POEひまし油、POEPOP(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)共重合体、POEPOPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーン、ラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質などを挙げることができる。前記陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、アルファ-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、ペルフルオロアルキルリン酸エステルなどを挙げることができる。前記陽イオン性界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩などを挙げることができる。前記両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型などの両性界面活性剤などを挙げることができる。
【0031】
前記有機及び無機顔料としては、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベンガラ、クレイ、ベントナイト、チタン皮膜雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン及びこれらの複合体などの無機顔料;ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、シルクパウダー、セルロース、CIピグメントイエロー、CIピグメントオレンジなどの有機顔料、及びこれらの無機顔料と有機顔料との複合顔料などを挙げることができる。
【0032】
前記有機粉体としては、ステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸;セチリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリルリン酸亜鉛、ラウリルリン酸カルシウムなどのアルキルリン酸金属塩;N-ラウロイル-ベータ-アラニンカルシウム、N-ラウロイル-ベータ-アラニン亜鉛、N-ラウロイルグリシンカルシウムなどのアシルアミノ酸多価金属塩;N-ラウロイル-タウリンカルシウム、N-パルミトイル-タウリンカルシウムなどのアミドスルホン酸多価金属塩;N-エプシロン-ラウロイル-L-リジン、N-エプシロン-パルミトイルリジン、N-アルファ-パルミトイルオルニチン、N-アルファ-ラウロイルアルギニン、N-アルファ-硬化ウジ脂肪酸アシルアルギニンなどのN-アシル塩基性アミノ酸;N-ラウロイルグリシルグリシンなどのN-アシルポリペプチド;アルファ-アミノカプリル酸、アルファ-アミノラウリン酸などのアルファ-アミノ脂肪酸;ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、四フッ化エチレンなどを挙げることができる。
【0033】
前記紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸オクチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸-2-エトキシエチル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサングリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、2,4,6-トリアニリノ-p-(カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどを挙げることができる。
【0034】
前記殺菌剤としては、ヒノキチオール、トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジングルコン酸塩、フェノキシエタノール、レゾルシン、イソプロピルメチルフェノール、アズレン、サリチル酸、ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム、感光素301号、モノニトログアイアコールナトリウム、ウンデシレン酸などを挙げることができる。
【0035】
前記酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、エリソルビン酸などを挙げることができる。
【0036】
前記pH調整剤としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸一水素ナトリウムなどを挙げることができる。
【0037】
前記アルコールとしては、セチルアルコールなどの高級アルコールを挙げることができる。
【0038】
また、これ以外に添加してもよい配合成分は、これに限定されるものではなく、また、前記いずれの成分も本発明の目的及び効果を損なわない範囲内で配合可能であるが、総重量に対して、好ましくは0.01~5%の重量百分率、さらに好ましくは、0.01~3%の重量百分率で配合される。
【0039】
本発明の化粧料組成物は、溶液、乳化物、粘性型混合物などの形状を取ることができる。
本発明の化粧料組成物に含まれる成分は、有効成分として、前記化合物以外に化粧料組成物に通常用いられる成分を含むことができ、例えば、安定化剤、溶解化剤、ビタミン、顔料及び香料などの通常の補助剤及び担体を含む。
【0040】
本発明の化粧料組成物は、当業分野で通常製造されるいずれかの剤形でもよく、例えば、乳液、クリーム、ファンデーション、ローション、美容液、毛髪化粧料などを挙げることができる。具体的には、本発明の化粧料組成物は、スキンローション、スキンソフナー、モイスチャーローション、栄養ローション、マッサージクリーム、栄養クリーム、ハンドクリーム、モイスチャークリーム、エッセンス、パック、石鹸、化粧水、ミルクローション、ジェル、軟膏、パッチ、クレンジングフォーム、ボディクレンザ、アストリンジェント、噴霧剤の剤形を含む。本発明の剤形がペースト、クリーム又はゲルである場合には、担体成分として動物繊維、植物繊維、ワックス、パラフィン、デンプン、トラカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルク又は酸化亜鉛などが用いられることができる。本発明の剤形がパウダー又はスプレーである場合には、担体成分としてラクトース、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム又はポリアミドパウダーが用いられることができ、特にスプレーである場合には、さらにクロロフルオロヒドロカーボン、プロパン/ブタン又はジメチルエーテルなどの推進剤を含むことができる。本発明の剤形が溶液又は乳濁液である場合には、担体成分として溶媒、溶媒和剤又は乳濁化剤が用いられ、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチルグリコール油、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコール又はソルビタンの脂肪酸エステルがある。本発明の剤形が懸濁液である場合には、担体成分として水、エタノール又はプロピレングリコールなどの液状希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルなどの懸濁剤、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天又はトラカントなどが用いられることができる。本発明の剤形が界面活性剤含有クレンジング剤である場合には、担体成分として脂肪族アルコールサルフェート、脂肪族アルコールエーテルサルフェート、スルホコハク酸モノエステル、イセチオン酸塩、イミダゾリニウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物油、リノリン誘導体、又はエトキシル化グリセロール脂肪酸エステルなどが用いられることができる。
【0041】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。ところが、これらの実施例は、本発明をより詳細に説明するためのものに過ぎず、本発明の権利範囲を限定するものではない。
【0042】
<実施例1>ペプチドの合成
下記表1に記載された配列番号1~4のペプチドは、自動化合成機(PeptrEx-R48、ペプトロン、韓国)を用いてFMOC固相法(FMOC solid-phase method)で合成した。合成されたペプチドは、C18分析用RPカラム(Shiseido capcell pak)を用いた逆相高速液体クロマトグラフィー(Prominence LC-20AB、Shimadzu製、日本)で精製及び分析し、質量分析器(HP 1100 Series LC/MSD、Hewlett-Packard製、USA)を用いて同定した。
【0043】
【表1】
【0044】
<実施例2>実施例1で製造されたペプチドがアリール炭化水素受容体の活性を抑制してAhRとPOLIIとの物理的結合を低下させることを確認
1.実施例1で製造されたペプチドとAhRアンタゴニストである3-MC(3-Methylcholanthrene)をヒト角質(HaCaT)細胞に処理した後、in situ PLA(proximity ligation assay)法によってAhRとRNA Polymerase II(POLII)の物理的結合に対する影響を評価した。
【0045】
2.具体的に、24ウェルマイクロプレートの各ウェルに4.5×10個のHaCaT細胞をDMEM血清培地に分注し、37℃、5%COインキュベーターで24時間培養した。培養後、3-MCと実施例1で製造されたペプチド(AhR Pep1~4)のそれぞれを処理し、24時間同じ条件でインキュベートした。培地中の3-MCの濃度は3μM、各ペプチドの濃度は2、20μMとなるようにした。対照群としては、何の処理もしていないものと3-MCのみ単独処理したものを使用した。その後、各ウェルの細胞をPBSで洗浄し、2%ホルムアルデヒドで15分間処理して固定させた後、0.1%TritonX-100を5分間処理して細胞内への抗体透過性を高めた。anti-AhRポリクローナル抗体(abcam製、UK)及びanti-POLIIモノクローナル抗体(Santa cruz製、USA)を添加し、In situ PLAキット(Sigma-Aldrich製)を用いてPLAプローブを加えた後、ハイブリダイゼーション(hybridization)、ライゲーション(ligation)、増幅(amplification)及びマウンティング段階を行った。
【0046】
3.その後、それぞれの細胞から検出される発光信号(PLA signals)を共焦点レーザー顕微鏡(Olympus fluoview FW1000;Olympus製、日本)で測定してAhR及びPOLII抗体の物理的相互作用を定量し、その結果を図1に示した。
【0047】
4.図1を参照すると、ヒト角質細胞に3-MCを処理する場合、AhRとRNA POLIIとの相互作用が増加するが、AhR Pep1~4を一緒に処理した場合、前記AhRとPOLIIとの相互作用の増加を減少させることを確認することができるため、AR Pep1~4がアリール炭化水素受容体の活性を抑制することが分かる。すなわち、AR Pep1~4がアリール炭化水素受容体の活性を抑制して、ARとPOLIIとの相互作用の増加を減少させることにより、皮膚トラブル(炎症など)を緩和することができる。
【0048】
<実施例3>実施例1で製造されたペプチドの細胞毒性評価
1.実施例1で製造されたペプチドの細胞毒性を評価するために、MTTアッセイを行った。培養されたHaCaT細胞に、実施例1で製造されたペプチド(AhR Pep1~4)のそれぞれを0、2、20、50μMの濃度で処理し、24時間培養した。その後、MTT溶液を入れて培養し、上清液を除去した後、DMSOを入れ、540nmで吸光度を測定した。
【0049】
2.測定結果、AhR Pep1~4はいずれも、細胞毒性がないことを確認した。
【0050】
<実施例4>実施例1で製造されたペプチドが粒子状物質による細胞毒性を抑制することを評価
1.実施例1で製造されたペプチドが粒子状物質による細胞毒性を抑制することを確認するために、培養されたHaCaT細胞に20μg/mlの粒子状物質(Sigma-Aldrich社から購入したディーゼル排気微粒子(diesel particulate matter)を使用)と、2、20μMの実施例1で製造されたペプチド(AhR Pep1~4)のそれぞれを処理し、24時間インキュベートした。その後、MTT溶液を入れて培養し、DMSOを入れ、540nmで吸光度を測定した後、細胞生存率を計算して図2に示した。対照群として、何の処理もしていないものと粒子状物質のみ単独処理したものを使用した。
【0051】
2.図2を参照すると、ヒト角質細胞に粒子状物質を単独処理した場合、細胞生存率が急激に低下することが分かるが、AhR Pep1~4を一緒に処理した場合、粒子状物質を単独処理した場合よりも細胞生存率が著しく大きいことを確認することができる。粒子状物質は、AhRと結合して細胞毒性を発生させるが、実施例1で製造されたペプチドは、粒子状物質とAhRとの結合を抑制して細胞毒性の発生を低下させることが分かる。これにより、細胞毒性の減少により皮膚トラブル(炎症など)を緩和することができる。
【0052】
<実施例5>実施例1で製造されたペプチドが、粒子状物質により誘発される活性酸素の生成を抑制することを評価
1.実施例1で製造されたペプチドが、粒子状物質により誘発される活性酸素の生成を抑制することを確認するためにDCF-DA法を用いた。
【0053】
2.具体的には、培養されたHaCaT細胞に、10μg/mlの粒子状物質と2、20μMの実施例1で製造されたペプチド(AhR Pep1~4)のそれぞれを処理し、24時間インキュベートした。その後、ジクロロフルオレセインジアセテート(DCF-DA)を30分間37℃で反応させた後、フローサイトメトリーを用いて分析し、その結果を図3に示した。
【0054】
3.図3を参照すると、ヒト角質細胞に粒子状物質を単独処理した場合、活性酸素の生成が著しく増加することが分かる。AhR Pep1~4を一緒に処理した場合、粒子状物質により増加した活性酸素の生成が抑制されることを確認することができる。粒子状物質は、AhRと結合して活性酸素を発生させるが、実施例1で製造されたペプチドは、粒子状物質とAhRとの結合を抑制して活性酸素の発生を低下させることが分かる。これにより、活性酸素生成の抑制により皮膚トラブル(炎症など)を緩和することができる。
【0055】
<実施例6>実施例1で製造されたペプチドが、粒子状物質により誘発されるプロインフラマトーリーサイトカイン(pro-inflammatory cytokines)の生成を抑制することを評価
1.実施例1で製造されたペプチドが、粒子状物質により誘発されるプロインフラマトーリーサイトカインの生成を抑制することを確認するためにELISA法を用いた。
【0056】
2.具体的には、培養されたHaCaT細胞に、10μg/mlの粒子状物質と20μMの実施例1で製造されたペプチド(AhR Pep1~4)のそれぞれを処理し、24時間インキュベートした。その後、IL-6及びTNF-αの量をマウスELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)キット(R&D Systems Inc、Minneapolis、MN、USA)を用いて測定し、その結果を表2に示した。
【0057】
3.表2を参照すると、ヒト角質細胞に粒子状物質を単独処理する場合、サイトカインの生成が増加することが分かる。AhR Pep1~4を一緒に処理した場合、粒子状物質により増加したサイトカインの生成が抑制されることを確認することができる。粒子状物質は、AhRと結合してサイトカインを生成させるが、実施例1で製造されたペプチドは、粒子状物質とAhRとの結合を抑制してサイトカインの発生を低下させることが分かる。これにより、サイトカインの生成抑制により皮膚トラブル(炎症等)を緩和することができる。
【0058】
【表2】
【0059】
以上、出願人は、本発明の好適な実施例を説明したが、これらの実施例は、本発明の技術的思想を実現する一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想を実現する限り、いずれの変更又は修正も本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
【配列表】
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