IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図1
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図2
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図3
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図4
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図5
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図6
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図7
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図8
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図9
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図10
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図11
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図12
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図13
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図14
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図15
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図16
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図17
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図18
  • 特許-レンズ装置およびカメラシステム 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】レンズ装置およびカメラシステム
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20210101AFI20240119BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20240119BHJP
   G02B 15/20 20060101ALI20240119BHJP
   G02B 7/08 20210101ALI20240119BHJP
   G02B 7/10 20210101ALI20240119BHJP
   G02B 7/105 20210101ALI20240119BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20240119BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G02B13/18
G02B15/20
G02B7/04
G02B7/08 B
G02B7/10
G02B7/105 A
G02B7/02 E
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2019136290
(22)【出願日】2019-07-24
(65)【公開番号】P2020038354
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-07-05
(31)【優先権主張番号】P 2018163187
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】酒井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】岡田 忠典
(72)【発明者】
【氏名】岩本 俊二
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-217236(JP,A)
【文献】特開平07-120649(JP,A)
【文献】特開2013-179787(JP,A)
【文献】特開昭63-137204(JP,A)
【文献】特開平11-242157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02-7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、全ズーム範囲において全体として正の屈折力の後群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化し、広角端から望遠端へのズーミングに際して前記第1レンズ群が物体側へ移動する光学系と、
コイルを含む変圧手段と、
前記変圧手段からの電圧により駆動し、フォーカシングに際して前記光学系の一部のレンズ部を移動させるアクチュエータと、を有し、
前記コイルは、光軸方向において、広角端における前記光学系の最も物体側の面の位置から前記第1レンズ群の最大移動量以上像側に離れた位置、かつ、広角端における前記光学系の最も像側の面および前記アクチュエータの最も物体側の位置よりも物体側の位置に配置されていることを特徴とするレンズ装置。
【請求項2】
前記アクチュエータの駆動を制御する制御部を有し、
前記アクチュエータの最も物体側の位置は、光軸方向において、前記制御部よりも物体側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項3】
前記第1レンズ群を保持し、ズーミングに際して前記第1レンズ群とともに移動する保持部材を有し、
光軸方向視で前記保持部材の最外径の範囲内に前記コイルが配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレンズ装置。
【請求項4】
前記コイルは、広角端における前記光学系のバックフォーカスの2倍以上像面から離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項5】
前記一部のレンズ部を案内するための案内溝を有する案内筒と、
前記案内溝に係合するカムフォロアおよび前記カムフォロアに係合するカム溝を有するカム環とを有し、
前記コイルは前記案内溝およびカム溝の少なくとも一方に対してずれて配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項6】
前記変圧手段は複数のコイルを有し、該複数のコイルは前記光学系の周方向に分散して配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項7】
前記光学系の周方向に互いに非平行な複数の面を有する基板を有し、
前記複数のコイルは前記基板の複数の面に分散して配置されていることを特徴とする請求項6に記載のレンズ装置。
【請求項8】
広角端から望遠端へのズーミングに際しての前記第1レンズ群の移動量をM1、広角端における前記光学系の焦点距離をfwとするとき、前記光学系は、
0.5<|M1|/fw<1.3
なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項9】
前記第1レンズ群の最も物体側の面の有効径をB1obj_ea、前記第2レンズ群の最も像側の面の有効径をB2img_eaとするとき、前記光学系は、
1.5<B1obj_ea/B2img_ea<3.0
なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項10】
前記後群の最も物体側に配置されたレンズ群を第3レンズ群とし、該第3レンズ群を構成するレンズの有効径のうち、最も大きいレンズの有効径をB3max_ea、広角端における前記光学系の焦点距離をfwとするとき、前記光学系は、
1.0<B3max_ea/fw<2.0
なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項11】
広角端における前記光学系のバックフォーカスをskw、広角端における前記光学系の焦点距離をfwとするとき、前記光学系は、
0.3<skw/fw<1.1
なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項12】
前記第2レンズ群の最も物体側の面から前記第2レンズ群の最も像側の面までの光軸上の距離をT2、前記後群に含まれるレンズ群のうち最も像側に配置された最終レンズ群の最も物体側の面から該最終レンズ群の最も像側の面までの光軸上の距離をToとするとき、前記光学系は、
0.3<T2/To<1.0
なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項13】
前記一部のレンズ部は前記第2レンズ群であり、
無限遠から近距離物体へのフォーカシングに際して、前記第2レンズ群が物体側に移動することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項14】
前記変圧手段は、入力された電圧を昇圧して出力する昇圧回路を含むことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項15】
物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、全ズーム範囲において全体として正の屈折力の後群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化し、広角端から望遠端へのズーミングに際して前記第1レンズ群が物体側へ移動する光学系と、
コイルを含む変圧手段と、
前記変圧手段からの電圧により駆動し、フォーカシングに際して前記光学系の一部のレンズ部を移動させるアクチュエータと、を有し、
前記コイルは、光軸方向において、広角端における前記光学系の最も物体側の面の位置から前記第1レンズ群の最大移動量以上像側に離れた位置、かつ、広角端における前記光学系の最も像側の面および前記アクチュエータの最も物体側の位置よりも物体側の位置に配置されていることを特徴とするレンズ装置。
【請求項16】
前記アクチュエータの駆動を制御する制御部を有し、
前記アクチュエータの最も物体側の位置は、光軸方向において、前記制御部よりも物体側に配置されていることを特徴とする請求項15に記載のレンズ装置。
【請求項17】
前記第1レンズ群を保持し、ズーミングに際して前記第1レンズ群とともに移動する保持部材を有し、
光軸方向視で前記保持部材の最外径の範囲内に前記コイルが配置されていることを特徴とする請求項15または16に記載のレンズ装置。
【請求項18】
前記コイルは、広角端における前記光学系のバックフォーカスの2倍以上像面から離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項19】
前記一部のレンズ部を案内するための案内溝を有する案内筒と、
前記案内溝に係合するカムフォロアおよび前記カムフォロアに係合するカム溝を有するカム環とを有し、
前記コイルは前記案内溝およびカム溝の少なくとも一方に対してずれて配置されていることを特徴とする請求項15乃至18のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項20】
前記変圧手段は複数のコイルを有し、該複数のコイルは前記光学系の周方向に分散して配置されていることを特徴とする請求項15乃至19のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項21】
前記光学系の周方向に互いに非平行な複数の面を有する基板を有し、
前記複数のコイルは前記基板の複数の面に分散して配置されていることを特徴とする請求項20に記載のレンズ装置。
【請求項22】
前記第1レンズ群の最も物体側の面の有効径をB1obj_ea、前記後群において最も物体側に配置された第2レンズ群の最も像側の面の有効径をB2img_eaとするとき、前記光学系は、
1.5<B1obj_ea/B2img_ea<3.0
なる条件式を満たすことを特徴とする請求項15乃至21のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項23】
前記後群において最も物体側に配置された第2レンズ群と、該第2レンズ群の像側に隣り合って配置された第3レンズ群とを有し、
前記一部のレンズ部は前記第3レンズ群であり、
無限遠から近距離物体へのフォーカシングに際して、前記第3レンズ群が物体側に移動することを特徴とする請求項15乃至22のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項24】
前記変圧手段は、入力された電圧を昇圧して出力する昇圧回路を含むことを特徴とする請求項15乃至23のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項25】
請求項1乃至24のいずれか1項に記載のレンズ装置と、
前記光学系によって形成された像を受光する受光素子とを有することを特徴とするカメラシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ装置およびカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
高変倍化が比較的容易なズームレンズとして、最も物体側に正の屈折力のレンズ群が配置されたポジティブリード型のズームレンズが知られている。例えば、特許文献1は、広角端から望遠端へのズーミングに際して、最も物体側に配置された正の屈折力のレンズ群を物体側に移動させるズームレンズを開示している。当該ズームレンズでは、フォーカシングに際して比較的軽量な第5レンズ群を移動させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-090190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたズームレンズをさらに大口径化する場合、フォーカシングに際して収差変動が大きくなりやすい。また、当該収差変動を抑制しようとする場合、フォーカシングに際して移動させるレンズ群(以下、フォーカス群という)の重量が増大する傾向がある。
【0005】
フォーカス群が比較的重い場合、フォーカス群を移動させるためのモータの駆動効率を良くするためには、モータに供給するための電圧を昇圧する昇圧回路を配置することが必要となる。しかし、レンズ装置の光学系の構成を考慮せずに不適切な位置に昇圧回路を設置すると、レンズ装置の外径が大型化したり、昇圧回路に含まれるコイルから生じる磁場に起因して、カメラの撮像素子で取得される画像信号に対してノイズが重畳されたりする恐れがある。
【0006】
そこで本発明は、レンズ装置を小型に構成しつつ、撮像素子で取得される画像信号に対するノイズを低減することができる、レンズ装置およびカメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のレンズ装置は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、全ズーム範囲において全体として正の屈折力の後群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化し、広角端から望遠端へのズーミ
ングに際して前記第1レンズ群が物体側へ移動する光学系と、コイルを含む変圧手段と、前記変圧手段からの出力電圧により駆動し、フォーカシングに際して前記光学系の一部のレンズ部を移動させるアクチュエータと、を有し、前記コイルは、光軸方向において、広角端における前記光学系の最も物体側の面の位置から前記第1レンズ群の最大移動量以上像側に離れた位置かつ広角端における前記光学系の最も像側の面および前記アクチュエータの最も物体側の位置よりも物体側の位置に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、レンズ装置を小型に構成しつつ、撮像素子で取得される画像信号に対するノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態のレンズ装置の構成を示す図である。
図2】フォーカス機構について説明するための図である。
図3】モータユニットまわりの構成の断面図である。
図4】モータユニットの構成を示す斜視図である。
図5】駆動基板と制御基板との接続を示す要部斜視図である。
図6】実施例1の光学系の断面図である。
図7】実施例1の光学系の収差図である。
図8】実施例2の光学系の断面図である。
図9】実施例2の光学系の収差図である。
図10】実施例3の光学系の断面図である。
図11】実施例3の光学系の収差図である。
図12】実施例4の光学系の断面図である。
図13】実施例4の光学系の収差図である。
図14】実施例5の光学系の断面図である。
図15】実施例5の光学系の収差図である。
図16】実施例6の光学系の断面図である。
図17】実施例6の光学系の収差図である。
図18】第2実施形態のレンズ装置の構成を示す図である。
図19】カメラシステムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態にかかるレンズ装置およびカメラシステムについて、添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において同じ構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
[レンズ装置の構成]
(主な構成について)
図1は、第1実施形態にかかるレンズ装置200の構成を示す図である。レンズ装置200は、焦点距離が可変な光学系OL(すなわち、ズームレンズ)であって、図1(a)は広角端におけるレンズ装置200の断面図であり、図1(b)は望遠端におけるレンズ装置200の断面図である。
【0012】
レンズ装置200は、カメラ本体(後述)に対して着脱可能な交換レンズである。レンズ装置200は、光学系OLと、光学系OLを保持する部材(後述)と、コイルを含む変圧手段と、フォーカシングに際して光学系OLの一部のレンズ部を移動させるアクチュエータ(後述)を有する。そして、光学系OLによって形成された像がカメラ本体内に配置された撮像素子(後述)において画像信号として読み出される。
【0013】
まず、光学系OLの主な構成について図6を用いて説明する。図6は、光学系OLの一実施例の構成を示す図である。光学系OLは、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する複数のレンズ群を有する。当該複数のレンズ群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、全ズーム範囲において全体として正の屈折力の後群LRからなる。そして、広角端から望遠端へのズーミングに際して前記第1レンズ群L1が物体側へ移動する。さらに、光学系OLの一部のレンズ部(図6では第2レンズ群L2)は、フォーカシングに際して移動するフォーカス群として機能する。フォーカス群は図1では符号Lfを用いて図示している。第1レンズ群L1の物体側から1枚目と2枚目のレンズを、図1では符号220を用いて図示している。
【0014】
一般に、光学系OLのような屈折力構成の場合、第1レンズ群L1の外径が他のレンズ群よりも大きくなりやすい。さらに、第1レンズ群L1がズーミングに際して物体側に移動するため、第1レンズ群L1よりも物体側または第1レンズ群の外側(光軸直交方向側)にフォーカス群Lfを移動させるためのアクチュエータ等を配置することは困難である。
【0015】
図1の説明に戻り、光学系OL以外の構成について説明する。なお、本明細書において部材同士が固定されているという表現は、ビスや粘着材等の不図示の固定手段で、部材同士の所定方向への相対位置ずれを低減するように構成されていることを示す。
【0016】
レンズ装置200は、外装筒211、外装筒211の像側に外装筒211に固定して配置されたマウントリング212、および、マウントリング212の像側にマウントリング212に固定して配置されたマウント部213により主な外観を構成している。外装筒211の内側には、案内筒201が外装筒211に対して固定して配置されている。
【0017】
(ズーム機構について)
カム環202は、ズームリング210の回転操作に伴いズームリング210と一体的に回転する部材である。カム環202は案内筒201に対して、光軸方向に定位置かつ回転方向に回転可能に固定されている。
【0018】
保持部材221は、第1レンズ群L1を保持しており、第1レンズ群L1とともに光軸方向に移動する。保持部材は直進筒222に固定されている。直進筒222は、光軸に対する周方向に3箇所に配置されたカムフォロワ222aを有し、カムフォロワ222aは案内筒201の直進溝(案内溝)201aとカム環202のカム202aに係合している。そして、ユーザによりズームリング210が操作されると、案内筒201に対してカム環202が回転し、直進筒222および保持部材221が光軸方向に移動する。ズーミングに際して移動する他のレンズ群についても、第1レンズ群L1と同様に、案内筒201に対してカム環202が回転することで、当該他のレンズ群を保持する保持部材が光軸方向に移動する。
【0019】
(フォーカス機構について)
フォーカス群Lfはフォーカス鏡筒204に保持されている。モータユニット100は、フォーカシングに際してフォーカス群Lfを光軸方向に移動させるためのアクチュエータである。駆動基板301は、モータユニット100に供給する電圧を昇圧する手段(変圧手段)である。制御基板214は、モータユニットの駆動を制御する制御部としての機能を有する。また、制御基板214は、カメラと通信するための通信部としての機能を有する。駆動基板301、制御基板214、フレキシブルプリント基板214a(以下、FPC板214aという)、電気接点214bの具体的な機能や配置については後述する。
【0020】
図2は、フォーカス機構について説明するための図である。フォーカス鏡筒204は外周に3つのカムフォロア204aを有し、カムフォロア204aはフォーカスカム環203のカム溝203aに係合している。回転リング102に固定されたフォーカスキー102cは、フォーカス鏡筒204の外周部から光軸方向に延伸した部分に設けられたキー溝204bに対して光軸方向に移動自在に係合している。これにより、モータユニット100の駆動によって回転リング102が回転すると、当該回転力はフォーカスキー102cを介して、フォーカス鏡筒204に伝達される。フォーカス鏡筒204が回転しながら物体側に繰り出し、フォーカス鏡筒204とともにフォーカス群Lfも移動することで、フォーカス調整が行われる。
【0021】
(モータユニットの構成について)
次に、フォーカシングに際してフォーカス群Lfを光軸方向に移動させるためのモータユニット100の構成について説明する。図3図1において破線部で示した、モータユニット100まわりの構成の断面図である。なお、図3ではモータユニット100および回転リング102は光軸まわりの環状部材である。
【0022】
モータユニット100は、超音波式のモータであり、回転リング102を回転させことによって、間接的にフォーカス群Lfを光軸方向に移動させる。
【0023】
モータユニット100は、ロータ(可動子)104と、ステータ(固定子)105を有する。ステータ105に対して圧電素子106が固定して配置されており、制御基板214からの指示に基づいて圧電素子106が振動する。圧電素子106が振動することによりステータ105の、ロータ104に接触している部分105a(以下、接触部105aという)が楕円運動し、接触部105aと常に接触するように配置されたロータ104が回転する。
【0024】
ステータ105は、圧電素子106、緩衝部材107、緩衝部材108を介して固定筒101に対して支持されている。また、ステータ105は、緩衝部材107、金属リング109、ワッシャ110を介して付勢部材111に接続されており、付勢部材111によってロータ104側に所定の加圧力で付勢されている。付勢部材111の光軸方向の位置をずらすことによって、ステータ105に対する加圧力を調整可能である。
【0025】
回転リング102は、案内筒201に固定された筒状の部材である固定筒101の外周に配置されている。回転リング102に対してゴムリング103が固定されており、ゴムリング103に対してロータ104が固定されている。よって、ロータ104が回転することによって、ゴムリング103および回転リング102がロータ104と一体的に回転する。回転リング102は、端面102aを介して、周方向に等間隔で配置されたベアリング112に接触しており、ベアリング112およびビス113を介して光軸方向に支持されている。センサ118が、回転リング102の内周に配置されたスケール117に形成された周期的なパターンを検出する。検出結果を用いて制御基板214がモータユニット100を制御する。すなわち、制御基板214は、モータユニット100の駆動を制御することによって、回転リング102の回転角及び速度を制御し、さらには、フォーカス群Lfの移動方向および移動速度を制御する。
【0026】
次に、図4および図5を用いてモータユニット100を駆動するための回路構成について説明する。図4はモータユニット100の斜視図であり、回転リング102およびロータ104を取り外した状態を示している。
【0027】
図4において、駆動基板301は、コイル302a~302dを含む変圧手段であり、本実施形態では、コイル302a~302dを用いてカメラから供給された(入力された)電圧を昇圧する昇圧回路を備える。なお、当該昇圧回路は一般的な回路であるため詳細な説明は省略する。そして、駆動基板301の昇圧回路から出力された出力電圧がモータユニット100に供給され、当該出力電圧を用いてモータユニット100が駆動する。
【0028】
駆動基板301は、固定筒101の外周に巻き付けられるように配置されており、電子部品を実装するための平面部301a、301b、301c、301d(平面部301dは図5に図示)を有する。
【0029】
また、平面部301aにはコイル302a、平面部301bにはコイル302b、平面部301cにはコイル302c、平面部301dにはコイル302dが配置されている。このように、コイル302a~302dの全てを1つの平面部に配置するのではなく、コイル302a~302dを光学系OLの周方向(光軸まわりの方向)に分散して配置している。また、このようなコイル302a~302dの配置を可能とするため、平面部301a~301dを、互いに非平行な複数の面で構成している。このような平面部301a~301dおよびコイル302a~302dの構成により、レンズ装置200の外径の大型化を抑制することができる。なお、平面部301a~301dおよびコイル302a~302dの構成は一例であって、図4に示すような構成に限られない。
【0030】
図5は、駆動基板301と制御基板214との接続を示す要部斜視図である。図5では、電気的な接続に関連する部品のみを図示している。制御基板214は、モータユニット100や電磁絞りユニット(不図示)等の駆動制御をする。平面部301aはステータ105とFPC板305で接続されており、平面部301cは制御基板214とFPC板304で接続されており、平面部301dは制御基板214とFPC板303で接続されている。マウント部213に配置された電気接点214b(図1に図示)を介してカメラから供給された電力は、FPC板214aを介して制御基板214に供給され、残りの電力はFPC板303を介して駆動基板301に供給される。さらに、電気接点214b(図1に図示)を介してカメラから伝達された駆動命令や、フォーカスリング(不図示)からの信号は、FPC板304を介して駆動基板301の制御回路に伝達される。コイル302a~302dを含む昇圧回路で昇圧された電圧は、出力用のFPC板305を介してステータ105の圧電素子106に伝達される。そしてセンサ118によって検出された回転リング102の回転位置情報は、回転リング102のフィードバック制御のために、FPC板306を介して制御基板214へ伝達される。
【0031】
次に、コイル302a~302dを含む駆動基板301の好ましい配置について説明する。
【0032】
駆動基板301は、コイル302a~302dの位置が、広角端における光学系OLの最も物体側の面(第1レンズ群L1の最も物体側のレンズの物体側の面)の位置から第1レンズ群L1の最大移動量以上像側に離れた位置になるように配置されている。
【0033】
このように配置する第1の理由は、広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1が物体側に移動するため、広角端における第1レンズ群L1の位置よりも物体側にコイル302a~302dを配置することは困難だからである。
【0034】
第2の理由は、レンズ装置200の外径の大型化を避けるためである。保持部材221や、保持部材221と一体的に移動する直進筒222より光軸直交方向側にコイル302a~302dを配置すると、レンズ装置200の外径が大型化してしまう。そのため、保持部材221および一体的に移動する直進筒222よりも像側にコイル302a~302dが配置されるようにしている。第1群レンズL1を保持している保持部材221と一体的に移動する直進筒222は、ズーミングに際しての第1レンズ群L1の最大移動量以上の光軸方向の長さを必要とする場合が多い。そこで、前述のように、広角端における第1レンズ群L1の最も物体側の面の位置と当該最大移動量を用いてコイル302a~302dの位置を特定している。このように、レンズ装置200において最も外径が大きくなる第1レンズ群L1を保持する保持部材221とコイル302a~302dとの光軸方向の位置をずらすことにより、レンズ装置200の外径の増大を抑制して、レンズ装置200を小型化している。
【0035】
さらに、駆動基板301は、コイル302a~302dの位置が、広角端における光学系OLの最も像側の面よりも物体側の位置になるように配置されている。これによりノイズの発生源となるコイル302a~302dをカメラの撮像素子が配置される像面IMGから離して配置することができ、撮像素子で取得される画像信号に対するノイズを低減することができる。より好ましいコイル302a~302dの位置は、広角端における光学系OLのバックフォーカスの2倍以上像面IMGから物体側に離れた位置である。ここで、「バックフォーカス」は、光学系OLの最終面(最も像側のレンズ面)から近軸像面までの光軸上の距離を空気換算長により表記したものである。
【0036】
さらに、光軸方向視で保持部材221および直進筒222の最外径の範囲内にコイル302a~302dが配置されるように、駆動基板301を配置することが好ましい。これにより、不必要なレンズ装置200の外径の増大を抑制することができる。
【0037】
さらに、駆動基板301は、第2レンズ群L2の近傍に配置されることが好ましい。具体的には、光軸直交方向視で、広角端における第2レンズ群L2と駆動基板301との少なくとも一部が重なるように配置されていることが好ましい。第2群レンズ群L2は光学的に外径を小さく構成しやすいため、レンズ装置200の外径を増大させずに、コイル302a~302dを像面IMGから離して配置することができる。
【0038】
光学系OLのような大口径レンズでは、フォーカシングに際して移動するレンズ群の質量が大きくなり、モータユニット100に高トルクを発生させる力が必要となる。その分モータユニット100や駆動基板301に設けられたコイル302a~302dは大型化する傾向がある。そこで、本実施形態では、駆動基板301とモータユニット100を光軸方向にずらして配置している。このように配置することによって、レンズ装置200の外径の増大を抑制している。さらに、駆動基板301をモータユニット100の物体側に配置している。駆動基板301をなるべく像面IMGから離して配置することで、像面IMGに配置された撮像素子で取得される画像信号に対するノイズを低減することができる。
【0039】
さらに、制御基板214よりも物体側に、駆動基板301およびモータユニット100が配置されている。これにより、駆動基板301上のコイル302a~302dから生じる磁場の影響を低減し、かつ、モータユニット100で生じる振動が撮像素子で取得される画像信号に影響することを低減できる。なお、制御基板214の物体側に駆動基板301が配置され、制御基板214の像側にモータユニット100が配置された構成であってもよい。
【0040】
さらに、コイル302a~302dは、直進溝201aおよびカム溝203aの少なくとも一方に対してずれて配置されていることが好ましい。ここで、ずれているとは、光軸直交方向視で、コイル302a~302dと、直進溝201aおよびカム溝203aの少なくとも一方とが重ならない状態を意味する。これにより、直進溝201aやカム溝203aを介してコイル302a~302dから生じた磁場が案内筒201の内部へのまわりこむことを抑制し、撮像素子で取得される画像信号に対するノイズを低減することができる。
【0041】
なお、フォーカス群Lfが第2レンズ群L2の場合を実施例として説明したが、フォーカス群Lfの構成はこれに限られない。
【0042】
また、モータユニット100が超音波モータである場合を例に説明したが、フォーカス群Lfを移動させることが可能な手段であればモータユニット100の具体的な構成はこれに限られない。また、コイル302a~302dが昇圧回路に用いられている場合を例に説明したが、これに限られない。駆動基板301は変圧手段としての機能を有していれば良く、例えば、モータユニット100との関係で望ましい場合は、コイル302a~302dが降圧回路に用いられていてもよい。
【0043】
(光学系の好ましい構成について)
次に、実施形態のレンズ装置200において、好適な光学系OLの構成について説明する。
【0044】
本発明の光学系OLは、前述のとおり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する複数のレンズ群を有する。そして、当該複数のレンズ群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、全体として正の屈折力の後群LRからなる。特に広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1が物体側に移動することによって高いズーム比を実現している。
【0045】
さらに、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して、第2レンズ群L2が物体側へ移動することが好ましい。これにより、光学系OLを大口径化した際でも、全フォーカス範囲において、フォーカシングに際してのコマ収差や倍率色収差の変動を低減しつつ、良好な光学性能を実現できる。
【0046】
さらに、光学系OLは、以下の条件式(1)~(5)のうち少なくとも1つを満たすことが好ましい。これにより、光学系OLの高光学性能化、レンズ装置200の小型化、撮像素子で取得される画像信号に対するノイズの低減のうち少なくとも一つの効果を得ることができる。
【0047】
広角端から望遠端へのズーミングに際しての第1レンズ群L1の移動量をM1、広角端における光学系OLの焦点距離をfwとするとき、条件式(1)を満たすことが好ましい。
0.5<|M1|/fw<1.3 ・・・(1)
【0048】
条件式(1)は第1レンズ群L1の好ましい移動量の範囲を規定している。条件式(1)の下限値を下回って第1レンズ群L1の移動量が小さくなると、ズーム比を確保することが困難となるため好ましくない。条件式(1)の上限値を上回って第1レンズ群L1の移動量が多くなると、第1レンズ群L1の移動量に応じて保持部材221や直進筒222が光軸方向に長くなる。そのため、コイル302a~302dが像面IMGに近寄って配置されることになり、撮像素子で取得される画像信号に対するノイズの低減が困難になるため好ましくない。
【0049】
第1レンズ群L1の最も物体側の面の有効径をB1obj_ea、第2レンズ群L2の最も像側の面の有効径をB2img_eaとするとき、条件式(2)を満たすことが好ましい。ただし、本明細書において有効径とはそのレンズ面を通過する光線のうち最も光軸から離れた位置を通過する光線のレンズ面上の径のことをいう。
1.5<B1obj_ea/B2img_ea<3.0 ・・・(2)
【0050】
条件式(2)は、第1レンズ群L1の最も物体側のレンズ有効径と、第2レンズ群L2の最も像側のレンズ有効径の比率を規定したものである。
【0051】
光学系OLの外径は第1レンズ群L1の外径により定まる傾向がある。さらに、コイル302a~302dが前述の構成を満たす位置に配置されている場合、コイル302a~302dは、第1レンズ群L1と第1レンズ群L1よりも外径の小さな第2レンズ群L2とにより形成される空間に配置されうる。そのため、条件式(2)の下限値を下回って、第2レンズ群の最も像側の面の有効径が大きくなると、レンズ装置200を小型に構成しつつコイル302a~302dを配置することが困難になるため好ましくない。条件式(2)の上限値を上回ると、第1レンズ群L1の最も物体側の面の有効径が大きくなり、レンズ装置200の外径が大きくなるため好ましくない。
【0052】
後群LRを構成するレンズ群のうち最も物体側に配置されたレンズ群を第3レンズ群L3とし、該第3レンズ群L3を構成するレンズの有効径のうち、最も大きいレンズの有効径をB3max_ea、広角端における光学系OLの焦点距離をfwとする。このとき、条件式(3)を満たすことが好ましい。
1.0<B3max_ea/fw<2.0 ・・・(3)
【0053】
条件式(3)は第3レンズ群L3を構成するレンズの有効径のうち、最も大きいレンズの有効径と広角端における光学系OLの焦点距離の比率を規定している。条件式(3)の下限値を下回って第3レンズ群L3の最大有効径が小さくなると、望遠端で十分に明るい開放Fナンバーを確保することと、高いズーム比を両立することが困難になるため好ましくない。条件式(3)の上限値を上回って、第3レンズ群L3の最大有効径が大きくなると、コイル302a~302dを配置した際に、レンズ装置200の外径が大きくなるため好ましくない。
【0054】
広角端における光学系OLのバックフォーカスをskw、広角端における光学系OLの焦点距離をfwとするとき、条件式(4)を満たすことが好ましい。
0.3<skw/fw<1.1 ・・・(4)
【0055】
条件式(4)は広角端におけるバックフォーカスと光学系の焦点距離の比率を示したものである。条件式(4)の下限値を下回ってバックフォーカスが短くなると、コイル302a~302dが像面IMGに比較的近寄って配置されることになる。そのため撮像素子で取得される画像信号に対するノイズが低減されづらくなるため好ましくない。さらに、最も像側に配置されたレンズがカメラのシャッター機構と干渉したり、強いゴーストが発生しやすくなるため好ましくない。条件式(4)の上限値を上回ってバックフォーカスが長くなると、光学系OLがレトロフォーカスの構成をとることが必要となる。これにより、歪曲収差等の補正が困難になるため好ましくない。
【0056】
第2レンズ群L2の最も物体側の面から第2レンズ群L2の最も像側の面までの光軸上の距離をT2、後群LRに含まれるレンズ群のうち最も像側に配置された最終レンズ群の最も物体側の面から該最終レンズ群の最も像側の面までの光軸上の距離をToとする。このとき、条件式(5)を満たすことが好ましい。
0.3<T2/To<1.0 ・・・(5)
【0057】
条件式(5)は第2レンズ群L2と最終レンズ群の光軸方向の長さの比を規定している。条件式(5)の下限値を下回って最終レンズ群が光軸方向に長くなると、光学系OLの最も像側に配置されるレンズの径が大きくなったり、第2レンズ群L2内での光線高さの変化が十分にとれず、像面湾曲等の補正が困難になるため好ましくない。条件式(5)の上限値を上回って第2レンズ群L2が光軸方向に長くなると、光学系OLの最も物体側に配置されるレンズの径が大きくなるため好ましくない。さらに、フォーカシングに際して第2レンズ群が移動する場合に、迅速なフォーカシングを行うことが困難となるため好ましくない。
【0058】
なお、条件式(1)~(5)の数値範囲を下記のように設定することがより好ましい。
0.7<|M1|/fw<1.1 ・・・(1a)
2.0<B1obj_ea/B2img_ea<2.8 ・・・(2a)
1.2<B3max_ea/fw<1.5 ・・・(3a)
0.5<skw/fw<1.0 ・・・(4a)
0.7<T2/To<0.95 ・・・(5a)
【0059】
次に、光学系OLの好ましい実施例について、図6~17を用いて説明する。図6、8、10、12、14、16に示す光学系OLの断面図において、像面IMGはカメラにおける撮像素子の配置位置に相当する。
【0060】
なお、図7、9、11、13、15、17に示す収差図は、左から右に順に、球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、色収差図を示している。球面収差の実線はフラウンホーファー線のd線(波長587.6nm)で、2点鎖線はg線(波長435.8nm)を示す。非点収差図における実線ΔSはサジタル光線、破線ΔMはメリジオナル光線を示し、歪曲収差図における実線はd線を示し、色収差図における2点鎖線はg線を示している。
【0061】
実施例1~3の光学系OLについて説明する。図6は、実施例1の光学系OLの広角端における断面図である。図7(a)は、無限遠物体に合焦時の広角端における収差図であり、図7(b)は、無限遠物体に合焦時の中間位置における収差図であり、図7(c)は、無限遠物体に合焦時の望遠端における収差図である。
【0062】
図8は、実施例2の光学系OLの広角端における断面図である。図9(a)は、無限遠物体に合焦時の広角端における収差図であり、図9(b)は、無限遠物体に合焦時の中間位置における収差図であり、図9(c)は、無限遠物体に合焦時の望遠端における収差図である。
【0063】
図10は、実施例3の光学系OLの広角端における断面図である。図11(a)は、無限遠物体に合焦時の広角端における収差図であり、図11(b)は、無限遠物体に合焦時の中間位置における収差図であり、図11(c)は、無限遠物体に合焦時の望遠端における収差図である。
【0064】
実施例1~3の光学系OLは、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、正の屈折力の第4レンズ群L4からなる。すなわち、全ズーム範囲で正の屈折力を有する後群LRは、第3レンズ群L3および第4レンズ群L4からなる。
【0065】
実施例1~3の光学系OLは、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群L1が物体側へ移動し、第2レンズ群L2が像側へ移動した後に物体側へ移動し、第3レンズ群L3および第4レンズ群L4が物体側へ移動する。無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して第2レンズ群L2が物体側へ移動する。
【0066】
実施例1~3の光学系は、互に、各レンズ群のレンズ枚数や、光学系OLを構成するレンズの屈折率や形状などが異なる。
【0067】
次に、実施例4の光学系OLについて説明する。図12は、実施例4の光学系OLの広角端における断面図である。図13(a)は、無限遠物体に合焦時の広角端における収差図であり、図13(b)は、無限遠物体に合焦時の中間位置における収差図であり、図13(c)は、無限遠物体に合焦時の望遠端における収差図である。
【0068】
実施例4の光学系OLは、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3からなる。すなわち、全ズーム範囲で正の屈折力を有する後群LRは、第3レンズ群L3からなる。
【0069】
広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群L1が物体側へ移動し、第2レンズ群L2が像側へ移動した後に物体側へ移動し、第3レンズ群L3が物体側へ移動する。無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して第2レンズ群L2が物体側へ移動する。
【0070】
次に、実施例5の光学系OLについて説明する。図14は、実施例5の光学系OLの広角端における断面図である。図15(a)は、無限遠物体に合焦時の広角端における収差図であり、図15(b)は、無限遠物体に合焦時の中間位置における収差図であり、図15(c)は、無限遠物体に合焦時の望遠端における収差図である。
【0071】
実施例5の光学系OLは、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、正の屈折力の第4レンズ群L4、正の屈折力の第5レンズ群L5からなる。すなわち、全ズーム範囲で正の屈折力を有する後群LRは、第3レンズ群L3、第4レンズ群L4、第5レンズ群L5からなる。
【0072】
広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群L1が物体側へ移動し、第2レンズ群L2が像側へ移動した後に物体側へ移動し、第3レンズ群L3、第4レンズ群L4、第5レンズ群L5が物体側へ移動する。無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して第2レンズ群L2が物体側へ移動する。
【0073】
本発明の実施形態は、最も物体側のレンズ群が正の屈折力を有する、所謂ポジティブリードのズームレンズに限られず、最も物体側のレンズ群が負の屈折力を有する、所謂ネガティブリードのズームレンズにも適用されうる。以下、ネガティブリードのズームレンズとして、実施例6の光学系OLについて説明する。
【0074】
図16は、実施例6の光学系OLの広角端における断面図である。図17(a)は、無限遠物体に合焦時の広角端における収差図であり、図17(b)は、無限遠物体に合焦時の中間位置における収差図であり、図17(c)は、無限遠物体に合焦時の望遠端における収差図である。
【0075】
実施例6の光学系OLは、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2、負の屈折力の第3レンズ群L3、正の屈折力の第4レンズ群L4、負の屈折力の第5レンズ群L5、正の屈折力の第6レンズ群L6からなる。第2レンズ群L2乃至第6レンズ群L6は全体として正の屈折力を有する後群LRである。
【0076】
広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群L1が像側へ移動した後に物体側へ移動し、第2レンズ群L2、第3レンズ群L3、第4レンズ群L4、第5レンズ群L5、第6レンズ群L6が物体側へ移動する。無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して第3レンズ群L3が物体側へ移動する。
【0077】
図18(a)は広角端における第2実施形態のレンズ装置300の構成を示す図であり、図18(b)は望遠端におけるレンズ装置300の構成を示す図である。光学系OLは、ネガティブリードタイプのズームレンズである。レンズ装置300において、固定筒501、マウント部502、案内筒503、カム環504は、それぞれレンズ装置200の固定筒101、マウント部213、案内筒201、カム環202と同様の構成機能を備える。
【0078】
保持部材511は第1レンズ群L1を保持しており、第1レンズ群L1とともに光軸方向に移動する。保持部材512は、後群LRを一体的に保持している。保持部材513は、フォーカスレンズ群である第3レンズ群を保持し、保持部材515は第5レンズ群を保持している。カム環504が回転されること応じて、保持部材511、保持部材512、保持部材515は、光軸方向に移動することでズーミングが行われる。広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1は距離Lだけ移動する。
【0079】
モータユニット516、駆動基板517、制御基板518は、それぞれレンズ装置200のモータユニット100、駆動基板301、制御基板214と同様の機能を備える。すなわち、駆動基板517はモータユニット516に供給する電圧を昇圧する複数のコイルを備えた昇圧手段である。図18では、複数のコイルのうちの1つのコイルがコイル517aとして図示されている。モータユニット516の詳細な駆動原理は第1実施形態とほぼ同様であるため詳細な説明は省略する。
【0080】
負の屈折力の第1レンズ群L1と全体として正の屈折力を有する後群LRからなる光学系OLにおいても、フォーカシングに際して移動するレンズ群の質量が大きくなり、モータユニット516に高トルクを発生させる力が必要となりやすい。その分モータユニット516や駆動基板517は大型化する傾向がある。
【0081】
本実施形態でも第1実施形態と同様、駆動基板517とモータユニット516とを光軸方向にずらして配置している。これにより、レンズ装置300の外径の増大を抑制することができる。さらに、駆動基板517をモータユニット100の物体側に配置している。駆動基板517をなるべく像面IMGから離して配置することで、像面IMGに配置された撮像素子で取得される画像信号に対するノイズの発生を低減することができる。なお、制御基板518の物体側に駆動基板517が配置され、制御基板518の像側にモータユニット516が配置された構成であってもよい。
【0082】
駆動基板517は、コイル517aの位置が、広角端における光学系OLの最も物体側の面(第1レンズ群L1の最も物体側のレンズの物体側の面)の位置から第1レンズ群L1の最大移動量以上像側に離れた位置になるように配置されている。その理由は第1実施形態で説明したとおりである。
【0083】
さらに、駆動基板517は、コイル517aの位置が広角端における光学系OLの最も像側の面よりも物体側の位置になるように配置されることが好ましい。より好ましくはコイル517aが、広角端における光学系OLのバックフォーカスの2倍以上像面IMGから物体側に離れた位置であることが好ましい。
【0084】
さらに、光軸方向視で保持部材511および直進筒の最外径の範囲内にコイル517aが配置されるように、駆動基板517を配置することが好ましい。これにより、不必要なレンズ装置300の外径の増大を抑制することができる。
【0085】
さらに、駆動基板517は、第2レンズ群L2の近傍に配置されることが好ましい。具体的には、光軸直交方向視で、広角端における第2レンズ群L2と駆動基板517との少なくとも一部が重なるように配置されていることが好ましい。これによりレンズ装置300の外径を増大させずに、コイル517aを像面IMGから離して配置することができる。
【0086】
さらに、コイル517aは、レンズ装置300の直進溝およびカム溝の少なくとも一方に対してずれて配置されていることが好ましい。これにより、撮像素子で取得される画像信号に対するノイズを低減することができる。
【0087】
なお、フォーカス群Lfが第3レンズ群L3の場合を実施例として説明したが、フォーカス群Lfの構成はこれに限られない。
【0088】
また、モータユニット516が超音波モータである場合を例に説明したが、フォーカス群Lfを移動させることが可能な手段であればモータユニット516の具体的な構成はこれに限られない。また、駆動基板517は変圧手段としての機能を有していれば良く、例えば、モータユニット516との関係で望ましい場合は、当該コイルが降圧回路に用いられていてもよい。
【0089】
本実施形態においても、さらに、レンズ装置300は、前述の条件式(1)~(4)も満たす。これにより、前述の効果をそれぞれ得ることができる。
【0090】
実施例1~6の光学系OLに対応する数値実施例を、[数値実施例1]~[数値実施例6]に示す。各数値実施例において、面番号は、物体側からの光学面の順序を示す。rは光学面の曲率半径(mm)、dは隣り合う光学面の間隔(mm)、ndはd線における光学部材の材料の屈折率、νdはd線を基準とした光学部材の材料のアッベ数を示す。フラウンホーファー線のF線(486.1nm)、d線(587.6nm)、C線(656.3nm)に対する材料の屈折率をそれぞれNg、NF、Nd、NCとするとき、アッベ数νdを、
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
として表す。間隔dが(可変)となっている部分は、ズーミングに際して間隔が変化することを示している。代表的なズーム位置における間隔dを別途記載している。
【0091】
BFはバックフォーカスを示す。「バックフォーカス」は前述のとおりであり、「レンズ全長」は、光学系OLの最前面(最も物体側のレンズ面)から最終面までの光軸上の距離にバックフォーカスを加えた長さである。
【0092】
非球面は各数値実施例中の面番号の右側に*印を付している。非球面形状は光軸方向をX軸、光軸と垂直方向をH軸、光の進行方向を正、Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A4、A6、A8、A10、A12をそれぞれ非球面係数とするとき、
【0093】
【数1】
【0094】
で表している。非球面係数の「e±x」は10±xを意味する。
【0095】
さらに、[数値実施例1]~[数値実施例6]のそれぞれにおける、条件式(1)~(5)に対応する値を[表1]に示す。
【0096】
[数値実施例1]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 153.129 2.10 1.80810 22.8 77.37
2 68.126 9.20 1.72916 54.7 72.90
3 229.651 0.15 72.09
4 56.538 8.42 1.77250 49.6 66.23
5 143.922 (可変) 64.80
6* 177.309 1.50 1.85135 40.1 39.40
7 21.050 9.92 29.85
8 -48.645 0.90 1.76385 48.5 27.55
9 25.647 8.34 1.85478 24.8 25.49
10 -50.942 2.34 26.71
11 -31.481 5.59 1.51742 52.4 26.99
12 -18.463 1.20 1.88300 40.8 28.04
13* -44.498 (可変) 31.63
14(絞り) ∞ 0.30 35.48
15 65.756 4.12 1.72916 54.7 37.69
16 371.024 0.15 37.92
17 45.665 9.76 1.80400 46.6 39.09
18* -76.624 3.63 38.26
19 -51.901 1.50 1.73800 32.3 35.75
20 27.845 8.48 1.49700 81.5 34.23
21 510.252 (可変) 34.47
22 39.711 7.32 1.43875 94.7 35.21
23 -174.360 0.15 34.76
24 37.228 7.09 1.59522 67.7 32.96
25 -104.496 0.30 32.54
26 87.786 1.10 1.69895 30.1 30.89
27 31.012 5.54 29.28
28* -1000.000 2.00 1.85400 40.4 29.24
29* 55.807 1.31 30.31
30 57.476 1.20 1.48749 70.2 32.34
31 35.136 5.66 1.85025 30.1 33.65
32 172.397 (可変) 33.86
像面 ∞
非球面データ
第6面
K = 0.00000e+000 A 4= 5.10348e-006 A 6=-4.34457e-009 A 8= 1.37999e-011 A10=-2.48862e-014 A12= 2.63278e-017

第13面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.62945e-006 A 6=-1.93301e-009 A 8=-6.21737e-012 A10= 2.66590e-014 A12=-4.35899e-017

第18面
K = 0.00000e+000 A 4= 2.55792e-006 A 6=-1.69292e-009 A 8=-2.27540e-012 A10= 4.02496e-015 A12=-2.17151e-018

第28面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.41081e-005 A 6= 1.28044e-007 A 8=-2.10057e-010 A10=-1.84393e-013 A12= 8.43712e-016

第29面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.09220e-005 A 6= 1.56402e-007 A 8=-2.84790e-010 A10= 1.76646e-013 A12= 2.07899e-016

各種データ
ズーム比 2.35
広角 中間 望遠
焦点距離 28.90 42.99 67.90
Fナンバー 2.05 2.05 2.06
半画角(度) 36.82 26.72 17.67
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 163.98 171.82 184.65
BF 27.79 35.08 42.63

d 5 4.20 15.98 29.54
d13 16.62 8.94 2.27
d21 6.11 2.56 0.95
d32 27.79 35.08 42.63

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 105.64
2 6 -19.62
3 14 53.91
4 22 48.64
【0097】
[数値実施例2]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 149.047 2.10 1.80810 22.8 77.63
2 68.781 8.93 1.72916 54.7 72.67
3 223.676 0.15 71.87
4 58.980 8.28 1.77250 49.6 66.39
5 159.657 (可変) 65.01
6* 176.499 1.50 1.76902 49.3 40.92
7 20.208 9.19 30.20
8 -63.499 0.90 1.76385 48.5 29.27
9 24.792 8.37 1.85478 24.8 26.74
10 -55.595 1.57 25.71
11 -41.903 5.18 1.48749 70.2 25.91
12 -19.594 1.20 1.88300 40.8 26.61
13* -74.922 (可変) 29.60
14(絞り) ∞ 0.30 32.51
15 64.431 4.46 1.72916 54.7 34.49
16 ∞ 0.15 34.82
17 40.646 8.99 1.80400 46.6 35.97
18* -88.160 4.14 35.05
19 -47.780 1.50 1.73800 32.3 32.29
20 25.016 7.71 1.49700 81.5 30.89
21 248.460 (可変) 31.13
22 33.078 6.71 1.43875 94.7 31.98
23 -469.348 0.15 31.50
24 40.254 6.46 1.59522 67.7 32.14
25 -101.746 0.30 31.78
26 59.526 4.51 1.49700 81.5 30.01
27 -177.956 1.00 1.80610 33.3 28.99
28 44.079 4.23 27.51
29* -1000.000 3.00 1.85400 40.4 27.41
30* 109.178 3.26 28.71
31 -45.198 1.20 1.48749 70.2 29.04
32 45.131 6.42 2.00100 29.1 34.58
33 -169.151 (可変) 35.20
像面 ∞
非球面データ
第6面
K = 0.00000e+000 A 4= 4.40628e-006 A 6=-2.80374e-009 A 8= 3.12113e-012 A10= 2.43107e-015 A12=-2.17038e-018

第13面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.36140e-006 A 6=-1.08356e-009 A 8=-1.99552e-011 A10= 1.00829e-013 A12=-1.77388e-016

第18面
K = 0.00000e+000 A 4= 2.15576e-006 A 6=-2.33619e-009 A 8=-1.82040e-012 A10=-1.99976e-016 A12= 4.53234e-018

第29面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.82313e-005 A 6= 1.54634e-008 A 8= 3.00393e-010 A10=-1.04531e-012 A12= 1.51938e-015

第30面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.82244e-005 A 6= 5.87972e-008 A 8= 2.35247e-010 A10=-8.07024e-013 A12= 9.56680e-016

各種データ
ズーム比 2.35
広角 中間 望遠
焦点距離 28.91 42.97 67.89
Fナンバー 2.05 2.05 2.06
半画角(度) 36.81 26.72 17.68
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 155.86 165.41 178.09
BF 19.57 25.90 33.38

d 5 3.86 16.61 29.64
d13 14.92 8.44 2.27
d21 5.66 2.61 0.95
d33 19.57 25.90 33.38

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 105.82
2 6 -18.96
3 14 48.62
4 22 41.98
【0098】
[数値実施例3]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 185.690 2.10 1.89286 20.4 70.03
2 102.616 5.96 1.59522 67.7 67.25
3 506.983 0.15 66.40
4 60.547 6.61 1.76385 48.5 60.07
5 145.490 (可変) 58.57
6* 196.972 1.40 1.88300 40.8 38.96
7 23.897 8.29 31.23
8 -66.605 1.10 1.59282 68.6 30.42
9 27.915 4.65 1.90366 31.3 28.59
10 94.203 0.50 28.91
11 115.549 8.99 1.72825 28.5 29.11
12 -23.106 1.10 1.88300 40.8 29.78
13 -77.496 3.91 31.56
14 -25.285 1.20 1.95375 32.3 31.56
15 -39.935 (可変) 34.13
16(絞り) ∞ 0.30 38.87
17 57.217 5.76 1.80400 46.6 42.54
18 -14821.675 0.15 42.60
19 48.154 8.94 1.77250 49.5 42.92
20* -101.713 5.94 42.12
21 -56.728 1.40 1.85025 30.1 37.21
22 29.702 7.73 1.49700 81.5 35.67
23 318.842 (可変) 36.07
24 46.088 5.77 1.49700 81.5 37.51
25 -2453.348 0.15 37.36
26 44.616 6.25 1.59522 67.7 36.94
27 -342.571 0.25 36.79
28 40.473 1.40 2.00100 29.1 35.76
29 33.629 9.25 1.49700 81.5 34.58
30 -70.003 0.15 33.63
31* 180.669 1.40 1.85400 40.4 31.91
32 24.228 3.96 1.48749 70.2 30.02
33 38.371 6.68 30.09
34 -35.992 1.40 1.59522 67.7 30.23
35 42.748 6.75 2.00069 25.5 36.02
36 -218.385 (可変) 36.59
像面 ∞
非球面データ
第6面
K = 0.00000e+000 A 4= 4.39158e-006 A 6=-9.82898e-010 A 8= 2.69004e-012 A10=-1.15093e-015 A12= 6.67612e-018

第20面
K = 0.00000e+000 A 4= 2.99070e-006 A 6=-2.29872e-009 A 8=-1.18958e-012 A10= 3.78487e-015 A12=-2.25763e-018

第31面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.47587e-005 A 6=-1.30088e-008 A 8= 2.79729e-011 A10=-7.52442e-014 A12= 1.40883e-016

各種データ
ズーム比 2.70
広角 中間 望遠
焦点距離 28.84 44.96 77.80
Fナンバー 2.06 2.06 2.06
半画角(度) 36.87 25.70 15.54
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 162.79 173.70 191.92
BF 15.28 23.29 33.80

d 5 3.47 18.39 35.68
d15 16.63 8.99 1.85
d23 7.83 3.44 1.00
d36 15.28 23.29 33.80

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 120.53
2 6 -20.85
3 16 52.49
4 24 40.08
【0099】
[数値実施例4]
単位 mm
面番号 r d nd vd 有効径
1 150.854 2.10 1.80810 22.8 80.04
2 67.631 9.20 1.72916 54.7 72.45
3 234.942 0.15 71.01
4 55.670 8.42 1.77250 49.6 59.72
5 166.444 (可変) 56.37
6* 141.978 1.50 1.85135 40.1 44.03
7 21.106 9.92 31.77
8 -47.855 0.90 1.76385 48.5 31.77
9 26.216 8.34 1.85478 24.8 28.81
10 -52.510 2.34 27.92
11 -31.512 5.59 1.51742 52.4 27.23
12 -18.748 1.20 1.88300 40.8 28.33
13* -42.199 (可変) 31.78
14(絞り) ∞ 0.30 35.42
15 57.610 4.12 1.72916 54.7 37.80
16 181.689 0.15 37.91
17 39.841 9.76 1.80400 46.6 39.02
18* -112.072 3.63 37.86
19 -76.051 1.50 1.73800 32.3 35.10
20 22.014 8.48 1.49700 81.5 32.24
21 77.733 9.98 32.28
22 41.069 7.32 1.43875 94.7 35.15
23 -155.403 0.15 34.83
24 32.330 7.09 1.59522 67.7 34.40
25 -190.252 0.30 34.03
26 78.705 1.10 1.69895 30.1 32.53
27 29.270 6.20 30.82
28* ∞ 2.00 1.85400 40.4 30.84
29* 72.196 0.50 32.16
30 49.371 1.20 1.48749 70.2 34.85
31 34.914 5.66 1.85025 30.1 35.73
32 105.610 (可変) 35.71
像面 ∞

非球面データ
第6面
K = 0.00000e+000 A 4= 4.40847e-006 A 6=-6.65502e-009 A 8= 2.33218e-011 A10=-4.27753e-014 A12= 3.97452e-017

第13面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.89550e-006 A 6=-1.66337e-009 A 8=-5.39284e-012 A10= 9.54074e-015 A12= 2.00846e-018

第18面
K = 0.00000e+000 A 4= 3.02728e-006 A 6=-3.04809e-009 A 8= 1.61555e-012 A10=-6.28747e-015 A12= 8.01506e-018

第28面
K = 0.00000e+000 A 4=-5.48184e-005 A 6= 1.47546e-007 A 8=-1.54308e-010 A10= 5.34243e-015 A12= 3.31189e-017

第29面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.52422e-005 A 6= 1.72898e-007 A 8=-2.36785e-010 A10= 1.82207e-013 A12=-7.90015e-017

各種データ
ズーム比 2.10
広角 中間 望遠
焦点距離 29.50 55.96 62.01
Fナンバー 2.05 2.05 2.05
半画角(度) 36.26 21.14 19.23
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 170.24 182.90 186.28
BF 27.86 44.59 45.27

d 5 3.30 15.88 19.84
d13 19.97 3.33 2.06
d32 27.86 44.59 45.27

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 95.47
2 6 -20.79
3 14 38.89
【0100】
[数値実施例5]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 155.037 2.10 1.80810 22.8 81.70
2 70.116 9.20 1.72916 54.7 76.52
3 195.501 0.15 75.57
4 57.008 8.42 1.77250 49.6 69.08
5 142.617 (可変) 68.11
6* 214.923 1.50 1.85135 40.1 40.56
7 21.096 9.92 30.15
8 -47.358 0.90 1.76385 48.5 27.97
9 25.320 8.34 1.85478 24.8 25.67
10 -50.621 2.34 25.15
11 -29.869 5.59 1.51742 52.4 25.45
12 -18.475 1.20 1.88300 40.8 26.78
13* -41.822 (可変) 29.88
14(絞り) ∞ 0.30 33.57
15 66.026 4.12 1.72916 54.7 35.48
16 364.260 0.15 35.76
17 45.771 9.76 1.80400 46.6 36.84
18* -76.427 3.63 35.94
19 -51.795 1.50 1.73800 32.3 33.65
20 27.337 8.48 1.49700 81.5 32.48
21 627.170 (可変) 32.81
22 39.190 7.32 1.43875 94.7 33.59
23 -169.944 0.15 33.12
24 35.976 7.09 1.59522 67.7 33.59
25 -105.493 0.30 33.23
26 87.336 1.10 1.69895 30.1 31.45
27 30.956 5.54 29.74
28* -979.971 2.00 1.85400 40.4 29.70
29* 60.597 (可変) 30.74
30 58.679 1.20 1.48749 70.2 33.01
31 36.321 5.66 1.85025 30.1 34.26
32 171.275 (可変) 34.47
像面 ∞

非球面データ
第6面
K = 0.00000e+000 A 4= 5.33975e-006 A 6=-4.16853e-009 A 8= 1.20950e-011 A10=-2.07542e-014 A12= 2.33792e-017

第13面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.42782e-006 A 6=-2.17995e-009 A 8=-3.88250e-012 A10= 2.49763e-014 A12=-4.87268e-017

第18面
K = 0.00000e+000 A 4= 2.64561e-006 A 6=-1.91946e-009 A 8=-2.05520e-012 A10= 3.81185e-015 A12=-1.75514e-018

第28面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.42649e-005 A 6= 1.28218e-007 A 8=-2.04999e-010 A10=-1.48969e-013 A12= 7.20523e-016

第29面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.10150e-005 A 6= 1.57698e-007 A 8=-2.81303e-010 A10= 1.78277e-013 A12= 1.99011e-016

各種データ
ズーム比 2.19
広角 中間 望遠
焦点距離 26.96 38.38 59.03
Fナンバー 2.05 2.05 2.06
半画角(度) 38.75 29.41 20.13
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 162.55 169.75 183.06
BF 26.37 32.98 40.70

d 5 4.84 15.74 29.53
d13 16.11 8.89 2.40
d21 5.83 2.61 0.98
d29 1.45 1.57 1.48
d32 26.37 32.98 40.70

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 114.61
2 6 -19.54
3 14 54.33
4 22 75.16
5 30 73.67
【0101】
[数値実施例6]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 30.000 1.60 1.77250 49.6 37.45
2 18.850 4.50 31.64
3* 26.555 2.50 1.53110 55.9 31.50
4* 22.754 4.00 29.33
5 -586.400 1.25 1.69680 55.5 29.45
6 21.473 0.50 26.46
7 21.403 4.50 1.80810 22.8 26.58
8 43.781 (可変) 25.57
9* 113.037 2.00 1.53110 55.9 13.30
10 -62.214 (可変) 13.30
11 -25.577 1.00 1.53110 55.9 12.10
12* 69.090 (可変) 12.48
13 3436.015 2.00 1.53110 55.9 13.25
14* -32.138 0.15 13.56
15 24.000 4.00 1.60311 60.6 13.96
16 -23.373 0.75 1.84666 23.9 13.86
17 -53.850 1.00 13.91
18(絞り) ∞ (可変) 13.68
19 -775.077 0.60 1.58144 40.8 12.14
20 13.120 2.10 1.80610 33.3 11.79
21 23.477 1.00 11.40
22 ∞ (可変) 11.37
23 1993.370 1.70 1.53110 55.9 16.20
24* 129.782 0.90 16.95
25 39.224 3.30 1.48749 70.2 18.09
26 -43.398 (可変) 18.47
像面 ∞

非球面データ
第3面
K = 4.32691e-001 A 4=-2.01075e-005 A 6=-5.77042e-008 A 8= 2.18817e-010
A10= 7.74314e-014

第4面
K =-8.80639e-001 A 4=-1.89233e-005 A 6=-8.57520e-008 A 8= 4.23972e-010
A10=-5.11033e-014

第9面
K = 6.06800e+001 A 4=-2.73271e-006 A 6=-9.63836e-008 A 8= 1.03681e-009

第12面
K = 3.45986e+001 A 4=-1.72460e-006 A 6=-2.27910e-007 A 8= 2.66175e-009

第14面
K = 6.16063e+000 A 4= 1.73713e-005 A 6= 1.56379e-007 A 8=-5.99782e-010

第24面
K =-5.25180e+001 A 4= 3.24345e-005 A 6= 6.21489e-008 A 8=-4.19270e-010
A10= 4.06004e-012

各種データ
ズーム比 2.88

焦点距離 18.58 36.51 53.49
Fナンバー 3.56 4.68 5.87
半画角(度) 36.32 20.51 14.32
像高 13.66 13.66 13.66
レンズ全長 125.55 116.84 125.36
BF 34.95 50.70 66.45

d 8 32.96 8.50 1.28
d10 3.15 3.89 4.29
d12 2.34 1.60 1.20
d18 3.38 9.00 12.35
d22 9.42 3.79 0.44
d26 34.95 50.70 66.45

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -29.86
2 9 75.86
3 11 -35.02
4 13 21.61
5 19 -57.76
6 23 50.77
【0102】
【表1】
【0103】
[カメラシステムの実施形態]
図19は、本発明の実施形態にかかるカメラシステム10の構成を示す図である。カメラシステム10は、レンズ装置200と、レンズ装置200の光学系OL(図19では不図示)によって形成された像を受光して撮像画像を生成する受光素子(撮像素子)12とを有する。
【0104】
なお、レンズ装置200がカメラ本体201に対して着脱可能に構成されていてもよいし、レンズ装置200とカメラ本体201とが一体的に(着脱不可能に)構成されていてもよい。レンズ装置200とカメラ本体201が一体的に構成されている場合、レンズ装置200にマウントリング212やマウント部213が備わっていなくてもよい。
【0105】
カメラ本体201は、一眼レフカメラであってもよいし、ミラーレスカメラであってもよい。
【0106】
このようなカメラシステムでは、高い光学性能を得つつ、撮像素子12で取得される画像信号に対するノイズを低減することができる。
【0107】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0108】
OL 光学系
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
LR 後群
Lf フォーカス群
100、516 モータユニット(アクチュエータ)
200、300 レンズ装置
301、517 駆動基板(変圧手段)
302a~302d、517a コイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19