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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】画像形成装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240119BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240119BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20240119BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240119BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
H04N1/00 912
H04N1/00 127B
B41J29/38 201
B41J5/30 Z
G03G21/00 384
G03G21/14
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019182449
(22)【出願日】2019-10-02
(65)【公開番号】P2021061459
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】熊橋 秀
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-112961(JP,A)
【文献】特開平05-292233(JP,A)
【文献】特開2008-254346(JP,A)
【文献】特開2010-171494(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 5/30
G03G 21/00
G03G 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを用紙に印刷する印刷手段を有する画像形成装置であって、
印刷ジョブのデータをページ毎に受け付ける受け付け手段と、
データを保持する揮発性の保持手段と、
前記受け付け手段を介して印刷ジョブのページ毎のデータを前記保持手段に保持させ、保持されたデータから画像データを生成する入力処理手段と、
前記生成された画像データを前記印刷手段に印刷させる出力処理手段と、
前記出力処理手段が第1印刷ジョブの画像データの印刷を実行中に、前記受け付け手段が前記第1印刷ジョブよりも優先度の高い第2印刷ジョブを受け付けたことによって、前記入力処理手段による前記第1印刷ジョブのページ毎のデータの取得を中断させるジョブ制御手段と、
ジョブの種類ごとに優先度を管理する情報である優先度情報を記憶する不揮発性の記憶手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ジョブ制御手段は、前記第2印刷ジョブの全てのページの印刷が完了することによって、中断した前記入力処理手段による前記第1印刷ジョブのデータの取得を再開させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記入力処理手段によるデータの取得は、取得中のページデータの取得を終えてから中断することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記入力処理手段によるデータの取得の再開は、中断する前に取得を終えたページのデータの次のページのデータの取得から再開することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ジョブ制御手段は前記第1印刷ジョブの画像データの印刷を実行中に、前記受け付け手段が前記第2印刷ジョブを受け付けたことによって、前記出力処理手段による前記第1印刷ジョブの画像データの印刷を中断させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ジョブ制御手段は、前記第2印刷ジョブの全てのページの印刷が完了することによって、中断した前記出力処理手段による前記第1印刷ジョブの画像データの印刷を再開させることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記出力処理手段による印刷は、実行中の画像データの印刷を終えてから中断することを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記入力処理手段は、前記取得したデータからページ毎の画像データを生成し、
前記保持手段は、前記生成されたページ毎の画像データを保持し、
前記出力処理手段は、前記保持手段に保持されたページ毎の画像データを読み出して、前記印刷手段に印刷を実行させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記入力処理手段は、前記第2印刷ジョブの画像データを生成して前記保持手段に保持させ、
前記ジョブ制御手段は、前記入力処理手段による再開を指示してから、前記印刷が完了した前記第2印刷ジョブの全ての画像データを前記保持手段から削除させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記受け付け手段によって受け付けた複数の印刷ジョブの優先度を比較する比較手段を有し、
前記比較手段は、前記出力処理手段が第1印刷ジョブの画像データの印刷を実行中に、前記受け付け手段が前記第1印刷ジョブと異なるジョブを受け付けることによって、優先度を比較することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記ジョブ制御手段によって中断される印刷ジョブが、中断可能であるか否かを判定する中断判定手段を有し、
前記第1印刷ジョブは、前記中断判定手段によって中断可能であると判定されたジョブであることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記中断判定手段による判定は、前記比較手段による比較の後に行われることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記受け付け手段は、ファックスデータを受け付けるデータ受け付け手段を含み、
前記入力処理手段は、ファックスデータの画像データを生成するファックスデータの入力処理手段を含み、
前記ファックスデータに基づく印刷ジョブは、中断不可であることを特徴とする請求項11または12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記データ受け付け手段は、PDLデータを受け付け、
前記入力処理手段は、PDLデータの画像データを生成するPDLデータの入力処理手段を含み、
前記PDLデータに基づく印刷ジョブは、中断可能であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記受け付け手段は、原稿を読み取り、画像データを生成する読み取り手段を含み、
前記入力処理手段は、前記読み取り手段によって読み取った画像データから印刷用の画像データを生成するコピーデータの入力処理手段を含み、
前記読み取った画像データに基づく印刷ジョブは、中断可能であることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記第1印刷ジョブと前記第2印刷ジョブは、異なる種類の印刷ジョブであることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記ジョブ制御手段による前記入力処理手段によるデータの取得は、取得中のデータを取得し、取得したデータの画像生成を終えてから中断することが可能であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記ジョブ制御手段による前記入力処理手段によるデータの取得は、取得中のデータを取得し、取得したデータの画像生成をする前に中断することが可能であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項19】
印刷ジョブを受け付ける受け付け手段と、データを保持する揮発性の保持手段と、画像データを用紙に印刷する印刷手段と、ジョブの種類ごとに優先度を管理する情報である優先度情報を記憶する不揮発性の記憶手段と、を有する画像形成装置の制御方法であって、
印刷ジョブのページ毎のデータを前記保持手段に保持させ、保持されたデータから画像データを生成する入力処理ステップと、
前記生成された画像データを前記印刷手段に印刷させる出力処理ステップと、
第1印刷ジョブの画像データの印刷を実行中に、前記優先度情報において前記第1印刷ジョブよりも優先度の高い第2印刷ジョブを受け付けたことによって、前記第1印刷ジョブのページ毎のデータの取得を中断させるジョブ制御ステップと、を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置とその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ等の各種機能を備えたMFP(多機能型周辺装置)は、機体の操作部もしくはネットワーク経由の操作者によって一斉に多数の処理要求(ジョブ)が発行されるケースが発生する。
【0003】
例えば、特許文献1では、多数のジョブを受け付けたMFPがジョブに優先度を設けて制御する構成が開示されている。該MFPは、優先度の高いジョブが来たときに現在行なっている優先度の低いジョブを中断させて優先度の高いジョブを実行し、優先度の高いジョブが終了した後に中断された動作を再開するように制御する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-233275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような割り込み印刷を行う場合は、複数のジョブの画像データをメモリ領域に格納する必要があり、搭載メモリ容量が少ないMFPにおいては、割り込み印刷を行うにあたって必要なメモリ容量が足りなくなるおそれがある。メモリ容量が足りない状態はパフォーマンスの低下や、ジョブのキャンセルが発生するおそれがある。
【0006】
本発明は、メモリ容量が少ない画像形成装置において、メモリ領域が足りなくなる可能性を低減させて割り込み印刷を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、画像データを用紙に印刷する印刷手段を有する画像形成装置であって、印刷ジョブのデータをページ毎に受け付ける受け付け手段と、データを保持する揮発性の保持手段と、受け付け手段を介して印刷ジョブのページ毎のデータを保持手段に保持させ、保持されたデータから画像データを生成する入力処理手段と、生成された画像データを印刷手段に印刷させる出力処理手段と、出力処理手段が第1印刷ジョブの画像データの印刷を実行中に、受け付け手段が第1印刷ジョブよりも優先度の高い第2印刷ジョブを受け付けたことによって、入力処理手段による第1印刷ジョブのページ毎のデータの取得を中断させるジョブ制御手段と、ジョブの種類ごとに優先度を管理する情報である優先度情報を記憶する不揮発性の記憶手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、メモリ容量が少ない画像形成装置において、メモリ領域を逼迫させる可能性を低減させながら割り込み印刷を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】画像形成装置のハードウェア構成を示す図
図2】画像形成装置のソフトウェアモジュール構成を示す図
図3】画像データの流れを示す図
図4】ジョブの優先度と入力処理の中断可否を示す表及びジョブ情報の表を示す図
図5】比較例のタイムチャートと実施例のタイムチャートを示す図
図6】割り込み印刷を開始する際のフローチャートを示す図
図7】割り込み印刷を終了する際のフローチャートを示す図
図8】ジョブ制御部の管理状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して本発明の各実施例を詳しく説明する。以下の実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また各実施例で説明されている特徴の組み合わせすべてが発明の解決手段に必須の構成とは限らない。なお、以下の実施例では、情報処理装置の例として画像処理装置を用いる。
【0011】
(実施例1)
本発明の実施例1について説明する。
【0012】
図1は、画像形成装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施例では、画像形成装置10は、例えばスキャン機能やプリント機能等、複数の機能が一体化された、いわゆるMFP(多機能型周辺装置)として実現される。画像形成装置10は、装置全体を制御するコントローラユニット100、操作部106、スキャナ112、プリンタ114を含む。
【0013】
操作部106は、ユーザからのジョブ実行等の指示の入力を受け付けるためのテンキーや各種ハードキー等を含み、また、ユーザへ装置情報やジョブ進捗情報等、または、画像形成装置10が実行可能な機能の設定画面を表示する表示パネルを含む。スキャナ112は、セットされた原稿上の画像を光学的に読み取る画像入力デバイスである。プリンタ114は、画像データに基づいて、印刷用紙等の記録媒体に画像を印刷する画像出力デバイスである。
【0014】
操作部106は、コントローラユニット100に含まれる操作部インタフェース(I/F)105に接続される。スキャナ112、プリンタ114はそれぞれ、コントローラユニット100に含まれるスキャナ処理部111、プリンタ処理部113に接続される。このような構成により、操作部106、スキャナ112、プリンタ114はそれぞれ、コントローラユニット100から制御されて動作する。
【0015】
必要に応じて、USBメモリーメディアなどの外部記憶装置116を画像形成装置10に接続することができる。このとき、外部記憶装置116は外部記憶I/F115を介して接続され、コントローラユニット100から制御されて動作する。
【0016】
コントローラユニット100は、コントローラユニット100の各ブロックを統括的に制御するCPU101を含む。CPU101は、システムバス117を介して、RAM102、ROM103、HDD104、操作部I/F105、ネットワークI/F107、ファクスI/F109、画像処理部109、デバイスI/F110、外部記憶I/F115と接続される。
【0017】
RAM102は、汎用的な揮発性のRAMであり、CPU101の作業領域を提供するためのメモリである。また、RAM102は、パラメータや設定値等を一時的に記憶するためのメモリ領域と、画像データをページ等、所定単位で記憶するための画像メモリ領域と、を有する。
【0018】
ROM103は、汎用的なROMであり、例えばブートROMとしてシステムブートプログラムが格納されている。HDD104は、汎用的な不揮発性のHDDであり、システムソフトウェアプログラム、履歴データ、画像データ、テーブルなどが格納される。画像形成装置10の機能は、例えば、CPU101がROM103に格納されたプログラムをRAM102に読み出して実行することにより実現される。
【0019】
操作部I/F105は、操作部106との間で情報の入出力を行うためのインタフェースである。操作部I/F105は、CPU101からの指示により、表示用データを操作部106へ出力し、また、ユーザが操作部106上で入力した情報を、CPU101へ伝送する。
【0020】
ネットワークI/F107は、有線や無線媒体のLAN108と接続され、画像形成装置10とLAN108上の機器との間の情報の入出力を可能にする。ネットワークI/Fは、入力された情報を一時的に記憶するメモリに保持する。ネットワークI/F107は、LAN108に対応した構成を有し、例えば、無線距離が数十cm程度の近距離無線通信(NearFieldCommunication)に対応した構成を有する場合もある。その場合には、携帯無線端末との間で相互に通信が行われる。
【0021】
画像処理部109は、汎用的な画像処理を実行する。例えば、LAN108を介して外部から取得した画像データに対して、拡大/縮小、回転、変換等の処理を実行する。また、画像処理部109は、LAN108を介して受信したPDLコードをビットマップ画像へ展開する処理を実行する。また、画像処理部109は、プリンタ処理部113を介してプリンタ114で出力する場合に、HDD104に圧縮・符号化されて記憶されている画像データをプリンタ処理部113で処理可能な形式にするための処理を実行する。
【0022】
デバイスI/F110は、スキャナ処理部111およびプリンタ処理部113を介してスキャナ112やプリンタ114に接続され、画像データの同期系/非同期系の変換や、設定値、調整値等を伝送する。また、デバイスI/F110は、スキャナ112やプリンタ114での状態情報をCPU101へ伝送する。その状態情報は、例えば、スキャナ112やプリンタ114で発生したジャムなどのエラー情報を含む。
【0023】
スキャナ処理部111は、スキャナ112で読み取られて入力した読取データに対して、補正、加工、像域分離、変倍、2値化処理などのスキャン機能に対応した各種処理を行う。スキャナ112は、不図示の自動連続原稿給送装置と圧板読取装置を含み、原稿ガラス台に設置された原稿の読取りや、複数枚の原稿の両面読取りなども実行可能である。また、不図示の給送装置カバーの開閉、不図示の原稿カバーの開閉、原稿の有無、原稿サイズ検知等を行うセンサがスキャナ112に設けられている。それらのセンサの検知信号やスキャナ112の状態情報は、スキャナ処理部111とデバイスI/F110を介してCPU101へ送信され、CPU101は、スキャナ112でのエラー発生やエラー解除等の状態を認識する。
【0024】
プリンタ処理部113は、プリント出力する画像データに対して、プリンタ114の出力特性に対応した出力補正、解像度変換、画像の印刷位置の調整などのプリント機能に対応した処理を行う。プリンタ114は、印刷用紙を収納するための1つ以上の不図示の給紙カセットと、トナーを収納するための1つ以上の不図示のトナートレイと、給紙カセットから紙を1枚ずつ逐次給紙可能な不図示の給紙ユニットとを含む。且つ、プリンタ114は、給紙した紙にトナーを印字するための不図示のマーキングユニットと、マーキングユニットにより印字されたトナーを熱と圧力により定着させるための不図示の定着ユニットを含む。各給紙カセットの開閉状況や用紙残量、トナートレイの開閉状況、不図示の給紙ユニットカバーの開閉、トナーの有無、給紙中の紙の位置などを検知するセンサがプリンタ114に設けられている。センサからの検知信号やプリンタ114の状態情報は、プリンタ処理部113とデバイスI/F110を介してCPU101へ送信され、CPU101は、プリンタ114でのエラー発生やエラー解除等の状態を認識する。
【0025】
外部記憶I/F115は、外部記憶装置116が接続されている場合に、CPU101からの指示に応じて、外部記憶装置116に保存されているデータの読み込みや、外部記憶装置116へのデータの書き込みを行う。
【0026】
図2は、画像形成装置10のソフトウェアモジュール構成を示す図である。図2の各モジュールは、CPU101がプログラムを実行することにより実現される。
【0027】
UI処理部201は、操作部I/F105や操作部106に関する処理を行う。UI処理部201は、ユーザが操作部106上で行った操作を必要に応じて他モジュールへ通知するとともに、他モジュールからの指示により操作部106上に画面を表示させる。また、UI処理部201は、操作部106に表示させるための描画データの編集などを行う。
【0028】
ネットワーク処理部202は、ネットワークI/F107を介してLAN108上の機器との通信処理を行う。ネットワーク処理部202は、LAN108上の機器からの制御コマンドやデータを受信すると、それらの情報を他モジュールへ通知する。また、ネットワーク処理部202は、他モジュールからの指示により、LAN108上の機器へ制御コマンドやデータを送信する。
【0029】
ジョブ制御部203は、他モジュールを制御し、コピー、プリント、ファクスなどの画像形成装置10内で発生する各ジョブの実行を統括的に制御する。ジョブ制御部203は、UI処理部201やネットワーク処理部202からジョブが投入されると、ジョブの種別を判定し、その種別に適した入力処理部に、印刷用の画像を生成する処理を実行するように指示する。例えば、コピージョブが投入されたのであればスキャン入力処理部206に、PDLが投入されたのであればPDL入力処理部207に実行指示を出す。
【0030】
各入力処理部は、ページ毎に画像を生成し、記憶部205に保存したらジョブ制御部203へ通知する。ジョブ制御部203は、その通知を受けたら出力処理部209へ当該画像を記録媒体に印刷する処理を実行するように指示する。この一連の制御をジョブのページ数分繰り返すことで画像の印刷を実現する。
【0031】
画像処理制御部204、画像処理部109に関する処理を行う。画像処理制御部204は、各入力処理部や出力処理部209からの指示により、ソフトウェアによる画像処理や、画像処理部109を用いたハードウェアによる画像処理を行う。
【0032】
記憶部205は、RAM102やHDD104からのデータの読み込みや、それらへのデータの書き込みを行う。記憶部205は、他モジュールからの指示により、ジョブの設定や画像データの保存を行う。
【0033】
スキャン入力処理部206は、ジョブ制御部203からの指示により、スキャナ処理部111とスキャナ112を制御して、スキャナ112上に設置されている原稿の読取処理を実行させる。スキャン入力処理部206は、スキャナ処理部111を制御して、読み取られた画像データ(コピーデータ)に対して画像処理を実行し、印刷用の画像データを生成する。また、スキャン入力処理部206は、スキャナ処理部111とスキャナ112の状態情報を取得し、ジョブ制御部203へ通知する。また、スキャン入力処理部206は、ジョブ制御部203から後述する中断指示を受けた場合には、原稿の読取処理および画像生成処理を中断することができる。
【0034】
PDL入力処理部207は、ジョブ制御部203からの指示により、ネットワーク処理部202を介してネットワークIF107に保持されたPDLデータをRAM102に保持させる。そして、保持させたPDLデータを解析して1ページ毎にビットマップ画像データへ展開する処理を行う。展開されたビットマップ画像データは記憶部205によって記憶領域に保存される。また、PDL入力処理部207は、ジョブ制御部203から後述する中断指示を受けた場合には、PDL解析処理および画像生成処理を中断することができる。
【0035】
ファクス入力処理部208は、ジョブ制御部203からの指示により、ネットワーク処理部202を介してネットワークIF107に保持されたファックスデータをRAM102に保持させる。そして、保持させたファックスデータを1ページ毎に二値画像データへ変換する処理を行う。変換された二値画像データは記憶部205によって記憶領域に保存される。
【0036】
出力処理部209は、ジョブ制御部203からの指示により、画像処理制御部204やプリンタ処理部113、プリンタ114を制御して、各入力処理部が生成した画像データに適切な画像処理を施し、記録媒体に印刷する処理を行う。また、出力処理部209は、プリンタ処理部113とプリンタ114の状態情報を取得し、ジョブ制御部203へ通知する。
【0037】
また、出力処理部209は、あるジョブの印刷処理を行っている間は他のジョブの印刷処理を行わないが、ジョブ制御部203から後述する優先度の更新通知を受けた場合に限り、印刷中のジョブの処理を中断し、別のジョブの処理を開始することがある。
【0038】
送信処理部210は、ジョブ制御部203からの指示により、画像処理制御部204やネットワーク処理部202を制御して、LAN108上の機器へ画像を送信する。
【0039】
図3は、入力処理を開始してから印刷処理が終了するまでに画像データが記憶される領域の変遷をあらわす図である。データが入力されるインタフェースはジョブの種類で異なる。コピージョブであれば原稿を読み込むスキャナ112から、PDLジョブやファクスジョブではLAN108を介してネットワークIF107から入力される。
【0040】
入力されたデータをもとに、ジョブごとに適した入力処理部が印刷用の画像データが生成する。各入力処理部はRAM102を作業領域として画像データを生成し、処理が終了したページの画像データをRAM102に保存する。
【0041】
出力処理部209は、RAM102に保存された画像データを作業領域であるRAM102へと読み出し、必要な画像処理を施したのちプリンタ114で印刷する。ジョブに設定された部数の印刷が完了すると、RAM102に記憶した画像データは削除される。
【0042】
したがって、並列に入力処理部がデータの入力を受け付ける構成では、単一の入力処理部が動いている場合と比較して、RAM102が多く使用されている状態となるおそれがある。詳細は図5(A)において説明する。
【0043】
図4(A)に本実施例における優先度表を示す。優先度表は、画像形成装置10における割り込みジョブとして割り込む際の各ジョブの優先度情報と、投入ジョブに割り込まれた際に各ジョブの入力処理(入力された情報から印刷用の画像を生成する処理)を中断することが可能か否かを示す。ここで言う入力処理は、例えば前述のスキャン入力処理部206、PDL入力処理部207、ファクス入力処理部208の処理である。
【0044】
画像形成装置10は、RAM102やHDD104に優先度表を保持し、後述するジョブ情報を優先度表で参照して後述する割り込み印刷を実現する。本実施例では、ユーザがMFPの前でUIを操作してジョブを投入するコピージョブを優先度「高」とし、次いでPDLジョブを優先度「中」、ファクスジョブを優先度「低」とする。
【0045】
なお、この序列や段階分けはあくまで例であり、実施形態に合わせて任意に変更できるものとする。また、ジョブの種類もこの3種類以外のものがあってもよい。例えば、USBメモリーメディアを接続して保存されたデータを印刷する機能を持つMFPではUSBメモリーメディアプリントジョブを優先度表に追加してもよい。
【0046】
また、中断可否については、スキャン入力処理とPDL入力処理は中断可能であり、ファクス入力処理は不可としている。これは、スキャン入力処理とPDL入力処理は、印刷ジョブの再送が容易であるためやり直すことが容易な処理であるが、ファックス入力処理は、送信者に再送を依頼する必要があり、やり直しが容易ではない処理だからである。ただし、この可否についてもあくまで例であり、実施例に合わせて任意に変更できるものとする。また、対応するジョブの種類によっては入力処理部が追加されることも考えられるが、その場合には中断可否表に追加してもよい。
【0047】
図4(B)は、画像形成装置10内でジョブを扱うためのジョブ情報をあらわす概念図である。ジョブ制御部203は、ジョブが投入されるたびにジョブ情報を記憶部205に生成・保存して複数のジョブを管理する。「ID」は、ジョブ制御部203がジョブごとに固有なIDを付与する。「種類」は、ジョブを投入するモジュールから指定される。例えば、コピーはUI処理部201から投入されるので、UI処理部201が「種類」をコピーとしてジョブ制御部203に投入する。PDLやファクスはネットワーク処理部202から投入されるので、ネットワーク処理部202がPDLかファクスかを判断し、「種類」にいずれかを指定してジョブ制御部203に投入する。なお、ジョブの種類は、ジョブ情報に含まれる「種類」をCPU101が確認することによって判断される。
【0048】
「各種印刷設定」は、各モジュールに投入されたジョブに含まれる印刷設定であり、例えば、印刷部数、用紙サイズ、両面/片面等の印刷設定に関する情報である。
【0049】
図5は、割り込み印刷時のタイミングチャートである。図5(A)は、比較例として従来の構成を説明し、図5(B)は、本実施例の構成を説明する。なお、ここでは例として、3ページのPDLジョブの印刷中に、2ページのコピージョブの割り込み印刷をする場合について述べる。
【0050】
従来の構成である図5(A)は、コピージョブが割り込んできたときにPDLジョブの出力処理を中断し、PDLジョブの入力処理は停止しない場合のタイミングチャートの一例である。
【0051】
PDLジョブの1ページ目のPDLデータ(以下データ)が入力されると連続して以降のページデータ(2ページ目、3ページ目)のデータが入力される。入力された1ページ目のデータはRAM102に保持され、PDL入力処理部207によって1ページ目の画像データが生成されるとRAM102に保持される。出力処理部209は、生成された1ページ目の画像データを読み出してプリンタ114に印刷処理を実行させる。
【0052】
PDLジョブの1ページ目の印刷中にコピージョブが投入されると、出力処理部209は、PDLの1ページ目の印刷が終わった後に一旦PDLの印刷処理を中断する。一方、PDL入力処理部207は、コピージョブが投入されても、コピージョブのデータ入力と並行して、上述したように2ページ目、3ページ目のデータ入力を受け付ける。そして、各ページに対応する画像データを生成してRAM102に保持させる。
【0053】
また、コピージョブの1ページ目の画像データおよび2ページ目の画像データを連続して受け付け、スキャン入力処理部206がRAM102に保持させる。出力処理部209は、RAM102にコピージョブの1ページ目の画像データが保持されると、順次読み出して1ページ目の印刷処理をプリンタ114に実行させる。コピージョブの全2ページの印刷が完了すると、出力処理部209は、予めRAM102に保持したPDLジョブの2ページ目、3ページ目の画像データを順次読み出して順次印刷する。なお、印刷処理が終了した画像データは、適宜RAM102から消去する。詳細は後述の図7で説明する。
【0054】
つまり、従来の構成においては、割り込んだコピージョブを実行する際に、割り込まれたPDLジョブのデータの入力を並行して受け付けて、生成した画像データをRAMに保持することになる。このような構成では、メモリ容量が足りなくなるおそれがあり、ジョブを実行するとパフォーマンスの低下や、キャンセルが発生するおそれがある。
【0055】
図5(B)は、本実施例の構成であり、コピージョブが割り込んできたときにPDLジョブの出力処理を中断し、PDLジョブの入力処理も中断する場合のタイミングチャートである。ここでは、従来の構成との差分について説明する。
【0056】
PDLジョブの1ページ目の印刷中(PDLジョブの2ページ目の入力処理中)にコピージョブが投入されると、出力処理部209は、PDLジョブの1ページ目の印刷が終わった後に一旦PDLジョブの印刷処理を中断し、コピージョブの印刷処理を開始する。PDL入力処理部207は、取得中のPDLジョブの2ページ目のデータを受け付けて、生成した2ページ目の画像データをRAM102に保存した後、入力を中断する。
【0057】
コピージョブの全てのページの印刷が完了すると、中断していた入力処理を開始する。具体的には、PDLジョブの3ページ目のデータの入力を受け付けて、PDL入力処理部207が、画像データを生成してRAM102に保持させる。
【0058】
なお、入力処理を中断する際に2ページ目のデータに対応する画像データを生成しないで、2ページ目のデータをRAM102に保持するだけでもよい。その場合には、中断していた入力処理を開始する際に、2ページ目の画像データを生成してRAM102に保持させる処理から開始する。
【0059】
つまり、本実施例の構成においては、割り込んだコピージョブを実行する際に、割り込まれたPDLジョブの入力処理をコピージョブの印刷が完了するまで中断する。このような構成では、メモリ容量に余裕を持たすことが可能であり、パフォーマンスの低下や、ジョブのキャンセルの発生を抑制することが可能である。
【0060】
本実施例では、割り込まれたPDLジョブが全3ページの場合を説明したが、割り込みが発生した際に割り込まれたPDLジョブの未印刷状態のページ数が多いほど効果が大きくなる。
【0061】
なお、図5(B)の構成では、コピージョブの割り込みを受けた際に入力処理中であった、PDLジョブの2ページ目のデータは、印刷用の画像データとしてRAM102に保持する構成を示したが、これに限られない。例えば、印刷用の画像データを生成する前のデータをRAM102に保持してもよい。その場合には、再開時に入力処理部が画像データを生成するところから始める。
【0062】
図6は、画像形成装置10が割り込み印刷を開始する際のフローチャートである。図6を用いて図5(B)の処理の流れを詳細に説明する。このフローチャートの処理は、例えば、CPU101がHDD104に記憶されているプログラムをRAM102に読み出して実行することにより実現される。以降の説明では、PDLが先行している状況でコピーが投入されたと仮定する。開始時点でのジョブ制御部203の状態は図8(A)である。図8(A)では、ジョブリストにPDLジョブが存在することを示している。また、印刷優先度として中の優先度を持つジョブを実行するように管理されている。「印刷可能な優先度」とは、ジョブ制御部203が常に記憶部205に保存している情報であり、対応する優先度のジョブの印刷処理を優先する。
【0063】
例えば、「印刷可能な優先度」が「中」の場合は、出力処理部209はファクスジョブの印刷処理ではなく、PDLジョブの印刷処理を優先する。同様に「印刷可能な優先度」が「高」の場合は、出力処理部209はPDLジョブとファクスジョブの印刷処理ではなく、コピージョブの印刷処理を優先する。
【0064】
S601において、ジョブ制御部203は、新たにジョブを受け付ける。以降の説明では他のジョブと区別するためこのジョブを投入ジョブと呼ぶ。コピージョブであればUI処理部201からジョブ制御部203に投入される。PDLジョブかファクスジョブであればネットワーク処理部202からジョブ制御部203に投入される。ジョブ制御部203は、IDとジョブの種別と各種印刷設定をジョブ情報として記憶部205に保存する。保存された情報はジョブが終了するまで残り続ける。この時点でのジョブ制御部203の状態は図8(B)である。図8(B)では、ジョブリストにコピージョブが追加されたことを示している。
【0065】
S602において、ジョブ制御部203は、投入ジョブよりも先行して処理されているジョブ(以下、先行ジョブ)があるか判定する。ある場合にはS603に進む。ない場合にはS604に進む。本実施例では図8(B)のようにPDLが先行ジョブとして存在している。
【0066】
S603において、ジョブ制御部203は、投入ジョブの優先度が先行ジョブよりも高いか判定する。この判定は、すべての先行ジョブに対して行われる。投入ジョブおよび先行ジョブのジョブ種別を前述の優先度表で照会することで判定する。投入ジョブの優先度の方が高い場合にはS604に進む。投入ジョブの優先度が先行ジョブと同じ、もしくは先行ジョブより低い場合にはS607に進む。
【0067】
本実施例では先行ジョブであるPDLジョブの優先度が「中」、投入ジョブであるコピージョブの優先度が「高」のため、投入ジョブの優先度の方が高い。なお、先行ジョブの優先度と投入ジョブの優先度が同じ場合には、投入された順番にジョブの処理を行う。
【0068】
S604において、ジョブ制御部203は、「印刷可能な優先度」を投入ジョブの優先度として更新する。具体的には、本実施例ではもともと「中」であったものを「高」に変更する。この時点でのジョブ制御部203の状態は図8(C)である。
【0069】
S605において、ジョブ制御部203は、更新した「印刷可能な優先度」を出力処理部209に通知する。出力処理部209は、この通知を受けると現在の印刷処理をプリンタ処理部113に中断させて、投入ジョブの印刷準備に入る。実際に投入ジョブの印刷を始めるのは入力処理部が最初のページの画像生成を終えたタイミングとなる。
【0070】
S606において、ジョブ制御部203は、割り込まれる先行ジョブの入力処理が中断可能であるかを判断(中断判定)する。先行ジョブが例えばファックスジョブである場合には、入力処理の中断不可であるため、ステップS608に進む。つまり、先行ジョブの入力処理が中断不可である場合には、ファックスジョブの各ページのデータを受け付け、ファックス入力処理部208が生成した各ページの画像データをRAM102に保存する。先行ジョブが、PDLジョブである場合には、中断可能であるため、S607に進む。
【0071】
S607において、ジョブ制御部203は、S606で選定したすべての入力処理部に対して中断指示を出す。中断指示を受けた入力処理部は、現在実行中のジョブの入力処理を速やかに中断する。また、中断中の入力処理部はその後に投入されたジョブの入力処理も行わない。また、そもそも中断している入力処理部が中断指示を受けた場合にはこれを無視する。本実施例ではPDL入力処理部207に中断指示を出す。
【0072】
S608において、ジョブ制御部203は、投入ジョブに対応する入力処理部と出力処理部209にジョブの開始を通知する。これはジョブのIDや設定を通知するものであり、実際に入力処理や印刷処理を実行するかは各処理部の状態によって決まる。例えば、PDLジョブを実行中にさらにPDLジョブが投入された場合、PDL入力処理部207は開始の通知は受け付けるが、前のジョブの入力処理がすべて完了するまで次のジョブの入力処理を開始しない。
【0073】
以上のように本実施例では、ジョブが投入された際に、優先度に応じて割り込み印刷を行うために先行ジョブの入力処理を中断させる。これにより、割り込み印刷中にメモリ容量に余裕を持たすことが可能であり、パフォーマンスの低下や、ジョブのキャンセルの発生を抑制することが可能である。
【0074】
図7は、画像形成装置10が割り込み印刷を終了する際のフローチャートである。このフローチャートの処理は、例えば、CPU101がHDD104に記憶されているプログラムをRAM102に読み出して実行することにより実現される。以降の説明では、PDLジョブが割り込み印刷のため中断中であり、コピージョブの割り込み印刷が終了したと仮定する。開始時点でのジョブ制御部203の状態は図8(C)である。
【0075】
S701において、ジョブ制御部203は、ジョブの終了を受け付ける。ジョブの終了とは、すべてのページが正常に印刷されるケースの他に、途中でユーザからキャンセル指示を受けるケースや、内部エラーで強制終了するケースなども含む。
【0076】
S702において、ジョブ制御部203は、他に未終了のジョブがあるか判定する。ある場合にはS703に進む。ない場合にはS705に進む。本説明ではPDLジョブが中断中のジョブとして存在している。
【0077】
S703において、ジョブ制御部203は、未終了のジョブのうちもっとも高い優先度を優先度表にしたがって導出し、終了したジョブの優先度と比較する。終了したジョブの優先度の方が高い場合にはS704に進む。それ以外の場合はS709に進む。本実施例では終了したジョブがコピージョブ(優先度「高」)であり、未終了のジョブがPDLジョブ(優先度「中」)なので、S704に進む。
【0078】
S704において、ジョブ制御部203は、「印刷可能な優先度」をS703で導出した優先度に更新する。本実施例では、もともと「高」であったものが「中」に更新される。更新が完了するとS706に移動する。
【0079】
S705において、ジョブ制御部203は、「印刷可能な優先度」を「低」に更新する。S705を通る場合はジョブが残っていないので「低」固定となる。更新が完了するとS706に移動する。
【0080】
S706において、ジョブ制御部203は、更新した「印刷可能な優先度」を出力処理部209に通知する。これは前述したS605と同じ処理である。本説明では「中」を通知する。
【0081】
S707において、データの入力を再開させる入力処理部のある場合には、ステップS708に移動し、データの入力を再開させる入力処理部がない場合にはステップS709に移動する。
【0082】
S708において、ジョブ制御部203は、S707で選定したすべての入力処理部に対して再開指示を出す。再開指示を受けた入力処理部は、現在中断中のジョブの入力処理を速やかに再開する。また、そもそも中断していない入力処理部が再開指示を受けた場合にはこれを無視する。本実施例ではPDL入力処理部207に再開指示を出す。この時点でのジョブ制御部203の状態は図8(B)である。
【0083】
S708において、ジョブ制御部203は、終了したジョブおよびジョブ情報を削除する。この時点でのジョブ制御部203の状態は図8(A)である。
【0084】
以上のように本実施例では、割り込み印刷が終了した際に、中断していたジョブを再開する際に、印刷処理を終えた投入ジョブの画像データをRAM102から削除することが可能である。これにより再開した先行ジョブの実行時、メモリ容量に余裕を持たすことが可能であり、パフォーマンスの低下や、ジョブのキャンセルの発生を抑制することが可能である。
【0085】
(その他の実施形態)
以上、本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるものではない。
【0086】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0087】
101 CPU
102 RAM
114 プリンタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8