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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】身体支持装置
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/05 20060101AFI20240119BHJP
   A47C 17/04 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
A61G7/05
A47C17/04 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018182254
(22)【出願日】2018-09-27
(65)【公開番号】P2020048953
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-03-19
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】加藤 敦司
(72)【発明者】
【氏名】堀谷 正男
(72)【発明者】
【氏名】吉田 友毅
【合議体】
【審判長】筑波 茂樹
【審判官】一ノ瀬 覚
【審判官】沼生 泰伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-188129(JP,A)
【文献】特開2007-117441(JP,A)
【文献】特開平8-164037(JP,A)
【文献】特表2002-504839(JP,A)
【文献】特開平9-299413(JP,A)
【文献】中国実用新案第204192900(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/05 - 7/053
A47C 21/06
A47C 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトムを支持する本体と、
前記本体から上方に延びる柵と、
前記柵に収納された状態から、前記柵から前記本体の外側に延びる第1の状態と、前記柵から前記本体の内側に延びる第2の状態と、に展開できる第1部材と、
を備え、
記第1の状態における前記第1部材の高さを調節することにより、前記第1の状態において、前記ボトムの上に置かれるマットレスの上面と前記第1部材の上面とが面一になり、
使用者が、前記マットレス上から前記第1部材上を伝わって前記柵外に移動可能な、身体支持装置。
【請求項2】
前記第1部材は、前記柵に対する上下方向の位置を調節できる請求項1記載の身体支持装置。
【請求項3】
前記本体は、身体の頭側を支持する第1サポート領域と、前記身体の脚側を支持する第2サポート領域と、を含み、
前記柵は、前記第1サポート領域から前記第2サポート領域に向かう方向に沿って、前記第2サポート領域側に寄った位置に設けられ、
前記第1部材は、前記柵の前記第1サポート領域側に設けられる請求項1または2に記載の身体支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1から3に記載の身体支持装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3930692号公報
【文献】特許第4334313号公報
【文献】実用新案登録第3179814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、使用者の利便性を向上できる身体支持装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る身体支持装置は、本体と、前記本体から上方に延びる柵と、前記柵に収納された状態から、前記柵から前記本体の外側に延びる第1の状態と、前記柵から前記本体の内側に延びる第2の状態と、に展開できる第1部材と、を備える。前記第1の状態において、前記本体の上面と前記第1部材の上面とは面一になり、前記本体の前記上面から前記第1部材の上面を介して前記柵外に移動可能となる
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態のベッドにおける背ボトム及び脚ボトムを下げた状態の斜視図である。
図2】本発明の一実施形態のベッドにおける背ボトムを上げ、脚ボトムを下げた状態の斜視図である。
図3】本発明の一実施形態のベッドにおける第1部材が第1の状態である第1柵の斜視図である。
図4】本発明の一実施形態のベッドにおける第1柵の動作を模式的に示す図である。
図5】本発明の一実施形態のベッドにおける第1柵の軸体を第4支柱から取り外した状態を示す斜視図である。
図6図3中の切断線A1-A1の断面図である。
図7】本発明の一実施形態のベッドにおける第1柵の軸体を第4支柱から取り外した状態を示す斜視図である。
図8】本発明の一実施形態のベッドにおける第1部材と支持機構との嵌め合いを解除した状態を示す斜視図である。
図9】本発明の一実施形態のベッドにおける第1部材に嵌め合った支持機構の斜視図である。
図10】本発明の一実施形態のベッドにおける第1部材が第2の状態である第1柵の斜視図である。
図11図10中の切断線A2-A2の断面図である。
図12】本発明の一実施形態のベッドにおける第1部材が第3の状態である第1柵の斜視図である。
図13図12中の切断線A3-A3の断面図である。
図14】本発明の一実施形態のベッドにおける第1柵の第2昇降機構を第2の状態にしたときの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明に係る身体支持装置の一実施形態を、身体支持装置がベッドである場合を例にとって、図1から図14を参照しながら説明する。なお、身体支持装置はベッドに限定されず、椅子、ソファ等でもよい。
図1に示す本実施形態のベッド1は、例えば床面上に設置されている。
なお、図1を含む各図において、符号Xはベッド1の長手方向に沿った第1方向を示す。符号Yはベッド1の幅方向に沿った第2方向を示し、符号Zは上下方向に沿った第3方向を示す。第2方向Yは、第1方向Xに直交する方向である。第3方向Zは、第1方向X及び第2方向Yにそれぞれ直交する方向である。第1方向X及び第2方向Yは、水平面に沿う方向である。
【0008】
ベッド1の第1方向Xの長さは、ベッド1の第2方向Yの長さよりも長い。第1方向Xは、ベッド1上に横たわる使用者の全身に沿う方向である。
ベッド1は、使用者を支持するボトム11と、ボトム11を支持する架台(本体)21と、第1柵31、第2柵71と、を備えている。ベッド1は、電力を動力源として動作する電動ベッドである。
【0009】
ボトム11は、背ボトム(Back section)12と、腰ボトム(Seat section)13と、脚ボトム(Leg section)14と、を備えている。これら背ボトム12、腰ボトム13、及び脚ボトム14は、第1方向Xに沿ってこの順で並んでいる。背ボトム12は、使用者の背を支える。腰ボトム13は、使用者の腰を支える。脚ボトム14は、使用者の脚を支える。
なお、図1では、後述する背上げ機構及び膝上げ機構により、背ボトム12及び脚ボトム14を下げた状態を示している。
【0010】
脚ボトム14は、膝ボトム(Upper leg section)15と、足ボトム(Lower leg section)16と、を備えている。これら膝ボトム15及び足ボトム16は、第1方向Xに沿ってこの順で並んでいる。膝ボトム15は、足ボトム16よりも腰ボトム13の近くに配置されている。膝ボトム15は、使用者の膝から腰を支える。足ボトム16は、使用者の膝から足先を支える。
ボトム11上には、マットレス17が配置されている。マットレス17上に、使用者が横たわる。
【0011】
架台21は、床面に設置されるベースフレーム22と、ボトム11を支持するメインフレーム23と、ベースフレーム22に対してメインフレーム23を昇降させる第1昇降機構(不図示)と、背ボトム12をメインフレーム23に対して移動させる背上げ機構(不図示)と、膝ボトム15をメインフレーム23に対して移動させる膝上げ機構(不図示)と、を備えている。
【0012】
なお、図2では、背上げ機構により背ボトム12を上げ、膝上げ機構により脚ボトム14を下げた状態を示している。
【0013】
図1及び図3に示すように、第1柵31は、脚ボトム14寄りのメインフレーム23に固定されている。なお、図3等のように、第1柵31の説明に用いる図では、ベッド1における第1柵31以外の構成を二点鎖線で示す場合がある。
第1柵31は、第2昇降機構32と、第1本体(柵)33と、軸体34と、第1部材35と、支持機構36と、を備えている。なお、図3では、第1本体33に対して第1部材35が後述する第1の状態P1である場合を示している。
【0014】
第2昇降機構32は、平行リンク機構を備えている。図4に示すように、例えば第2昇降機構32の下方の端部は、メインフレーム23に固定されている。第2昇降機構32の上方の端部は、第1本体33に固定されている。第2昇降機構32は、メインフレーム23に対して第1本体33が上方に配置された第1の状態P6と、第1本体33が第1の状態P6と比べて下方に配置された第2の状態P7と、に切換えできる。
第2昇降機構32は、第1の状態P6と第2の状態P7のいずれかの状態になる場合に限定されることなく、例えば第1の状態P6から第2の状態P7に移動する途中の状態で第2昇降機構32が保持されてもよい。
なお、図1に示すベッド1において、第1柵31の第2昇降機構32は、第1の状態P6である。
【0015】
図3に示すように、第1本体33は、第2部材39と、第1支柱41と、第3部材43と、第3昇降機構44と、を備えている。
第2部材39は、第2方向Yに見たときに上方が開口するU字状を呈している。第2部材39は一体に形成されているが、以下では便宜上、第2部材39を点線により複数の領域に分けて説明する。
第2部材39は、第1領域39aと、第2領域39bと、第3領域39cと、を備えている。
【0016】
第1領域39aは、板状に形成されている。第1領域39aは、表裏面が第2方向Yを向くように配置されている。第1領域39aの第1方向Xの長さは、第1領域39aの第3方向Zの長さよりも長い。第1領域39aの下端部における第1方向Xの中央部に、第2昇降機構32の上端部が固定されている。
第2領域39b及び第3領域39cは、それぞれ柱状に形成されている。第2領域39b及び第3領域39cは、それぞれ第3方向Zに沿って延びるように配置されている。
第2領域39bは、第1領域39aにおける第1方向Xの第1端部から上方に向かって延びている。第3領域39cは、第1領域39aにおける第1方向Xの第1端部とは反対の第2端部から上方に向かって延びている。
【0017】
第2領域39bにおける第3領域39cに対向する面には、切欠き39dが形成されている。切欠き39dは、第3領域39cの第3方向Zの全長にわたって形成されている。
第2領域39bには、第2領域39bを貫通する第1孔(不図示)が形成されている。第1孔は、第2領域39bを第2方向Yに貫通する。第1孔には、後述するピン49が挿入される。
【0018】
第1支柱41は、柱状に形成されている。第1支柱41は、第3方向Zに沿って延びる。第1支柱41は、第2部材39の第2領域39bと第3領域39cとの間に配置されている。第1支柱41は、第1領域39aにおける第1方向Xの中間部から上方に向かって延びている。
第1支柱41における第2領域39bに対向する面には、切欠き41aが形成されている。切欠き41aは、第1支柱41の第3方向Zの全長にわたって形成されている。
第1支柱41には、第1支柱41を貫通する第2孔(不図示)が形成されている。第2孔は、第2領域39bを第2方向Yに貫通する。第2孔には、後述するピン50が挿入される。
【0019】
第3部材43は、柱状に形成されている。第3部材43は、第1方向Xに沿って延びるように配置され、第2部材39の第3領域39cの上端部と第1支柱41の上端部とを連結している。第3部材43、第1領域39a、第3領域39c、及び第1支柱41の間に、空間が形成されている。
【0020】
第3昇降機構44は、例えば、第4支柱47,48と、ピン49,50と、を備えている。
第4支柱47は、柱状に形成されている。第4支柱47の外面には、第4支柱47の長手方向に互いに間隔を空けて貫通孔(不図示)が複数形成されている。第4支柱47は、第3方向Zに沿って延びるように配置され、第4支柱47の下端部は第2領域39bの切欠き39d内に配置されている。
第4支柱48は、第4支柱47と同様に構成されている。第4支柱48の外面には、第4支柱48の長手方向に互いに間隔を空けて貫通孔48aが複数形成されている。図3及び図5に示すように、第4支柱48の端には、切欠き48bが形成されている。第4支柱48は、第3方向Zに沿って延び、切欠き48bが第4支柱48の上端部に位置するように配置されている。第4支柱48の下端部は、第1支柱41の切欠き41a内に配置されている。切欠き48bは、第4支柱48の上端から下方に向かって延びている。切欠き48bは、第4支柱47に向かって開口している。
【0021】
ピン49は、第2領域39bの前記第1孔内、及び第4支柱47の貫通孔内にそれぞれ配置されている。ピン49が第4支柱47の貫通孔に嵌まることにより、第2領域39bに対して第4支柱47が第3方向Zに移動できなくなる。一方で、第4支柱47の貫通孔内からピン49を引き抜くと、第2領域39bに対して第4支柱47が第3方向Zに移動できる(図10参照)。
第2領域39bに対して第4支柱47が移動した位置で、ピン49を第4支柱47の貫通孔に嵌め合わせると、第2領域39bに対して第4支柱47が第3方向Zに移動できなくなる。
【0022】
ピン50は、第1支柱41の前記第2孔内、及び第4支柱48の貫通孔48a内にそれぞれ配置されている。ピン50は、ピン49と同様に、第1支柱41に対する第4支柱48の第3方向Zへの移動の可否を切り替える。
【0023】
図5及び図6に示すように、軸体34は円柱状に形成されている。図6に示すように、軸体34の外周面には突起34aが形成されている。突起34aは、軸体34の外周面における軸体34の長手方向の中央部に形成されている。例えば、軸体34の軸線に対する突起34aの中心角度θ1は約45°である。
【0024】
図3に示すように、軸体34の第1端部は、第4支柱47の上端部とヒンジ53を介して接続されている。図7に示すように、ヒンジ53により、軸体34は、第4支柱47に対して第2方向Yに平行な軸線周りに回転できる。例えば、ヒンジ53内で生じる摩擦力により、第4支柱47に対して軸体34を前記軸線周りの所望の向きで保持することができる。
軸体34は、第4支柱48の切欠き48bに嵌まることにより、第4支柱48に連結される。このとき、軸体34の軸線は、第1方向Xに平行となる。さらにこのとき、軸体34は、第4支柱47,48の上端部に対して軸線周りに回転できない。
なお、第4支柱47に対する軸体34の向きを保持するために、ヒンジ53がラチェット機構等の嵌合構造を備えてもよいし、回転可能状態と回転不能状態とを切換えできる構造を備えてもよい。
【0025】
図3に示すように、軸体34における第1端部とは反対の第2端部は、第4支柱48の切欠き48bに嵌め合っている。
【0026】
図7に示すように、第1部材35は、第1部材35の厚さ方向にみて矩形の板状に形成されている。本実施形態では、第1部材35の第1の面の中央部には、第1部材35の厚さ方向にみて円形状の凹み35aが形成されている。一方で、図3に示すように、第1部材35の第1の面とは反対側の第2の面の中央部は、窪んでいなく平坦である。
第1部材35は、第1部材35の長辺が第1方向Xに沿うように配置されている。
図6に示すように、第1部材35の縁部には、第1方向Xに沿って貫通孔56が形成されている。貫通孔56は、円柱状に形成されている。貫通孔56の内径は、軸体34の外径よりも大きい。貫通孔56の内周面には、突起56aが形成されている。突起56aは、第1方向Xに沿って延びている。例えば、貫通孔56の軸線に対する突起56aの中心角度θ2は約45°である。
【0027】
第1部材35の貫通孔56内には、軸体34が配置されている。第1部材35は、軸体34及び第3昇降機構44を介して第1柵31の第1本体33に設けられている。図6に示す第1本体33に対して第1部材35が第1の状態P1である場合には、第1部材35は、第1本体33から第2方向Yに沿い、かつ架台21の外側に向かって延びている。ここで言う架台21の外側とは、第3方向Zにみて架台21に重ならない範囲のことを意味する。
このとき、第1部材35は架台21よりも上方に配置されている。軸体34の突起34aと第1部材35の突起56aとは、離れていて接触していない。
【0028】
図8に示すように、第1部材35の第1の面における第1方向Xの各端部には、切欠き57がそれぞれ形成されている(一方の切欠き57は、図9参照)。各切欠き57は、第1方向Xにそれぞれ開口している。
【0029】
図3に示すように、第1柵31は、支持機構36を一対備えている。
図8及び図9に示すように、支持機構36は、第1リンク部材60と、第2リンク部材61と、突起62と、を備えている。
第1リンク部材60は、第1片(Piece)60aと、第1突部60bと、を備えている。第1片60aは、第1片60aの厚さ方向にみて板状をなしている。第1片60aの第1端部は、リベット等の軸体64により、第4支柱48(第4支柱47)に対して第1方向Xに沿う軸線周りに回転できる。
第1片60aは、軸体64から上方に向かうに従い漸次、架台21における第2方向Yの外側に向かって延びている。
【0030】
第1突部60bは、第1片60aの下方の長辺側の縁部から第1片60aの厚さ方向に突出している。第1突部60bは、第1片60aの長手方向のほぼ全長にわたって設けられている。
【0031】
第2リンク部材61は、第2片61aと、第2突部61bと、を備えている。第2片61aは、第2片61aの厚さ方向にみて板状をなしている。第2片61aの第1端部は、軸体65により、第1リンク部材60の第1片60aにおける第1端部とは反対の第2端部に対して第1方向Xに沿う軸線周りに回転できる。
第2片61aは、軸体65から上方に向かうに従い漸次、架台21における第2方向Yの外側に向かって延びている。
【0032】
第2突部61bは、第2片61aの下方の長辺側の縁部から第2片61aの厚さ方向に突出している。第2突部61bは、第1突部60bが第1片60aから突出する向きと同じ向きに突出している。第2突部61bは、第2片61aの長手方向のほぼ全長にわたって設けられている。
第2突部61bは、第1リンク部材60の第1突部60bに対して第1片60aの長手方向に接触している。これにより、第1リンク部材60に対して第2リンク部材61が、軸体65周りの第1の向きD1に回転できない。一方で、第1リンク部材60に対して第2リンク部材61は、軸体65周りの第1の向きD1とは反対の第2の向きD2に回転できる。
【0033】
突起62は、第2リンク部材61の第2片61aにおける第1端部とは反対の第2端部に固定されている。突起62は、第1部材35の切欠き57に嵌まり、切欠き57に対して着脱できる。
【0034】
このように構成された支持機構36では、第1の状態P1である第1部材35の第2の面に下方に向かって荷重が作用したときに、第1リンク部材60に対して第2リンク部材61が軸体65周りの第1の向きD1に回転するような力が作用する。このため、支持機構36が、第4支柱47,48と第1部材35との間を支持するように機能し、第1の状態P1である第1部材35は、所定の大きさの荷重を支持できる。
一方で、支持機構36の突起62を第1部材35の切欠き57から取り外し、第1リンク部材60に対して第2リンク部材61を第2の向きD2に回転させ、図10に示すようにリンク部材60,61及び第2領域39b(第1支柱41)を第1方向Xに重ねる。すると、例えば、第2領域39bと第1リンク部材60との間、第1リンク部材60と第2リンク部材61との間にそれぞれ作用する摩擦力等により、第2領域39bに対するリンク部材60,61の位置が保持される。
【0035】
図10に示すように、第1柵31において、第1部材35を軸体34周りに回転して、第1部材35を、第1本体33から第2方向Yに沿い、かつ架台21の内側に向かって延びる第2の状態P2にする。ここで言う架台21の内側とは、第3方向Zにみて架台21に重なる範囲のことを意味する。
このとき、図11に示すように、第1部材35が軸体34周りの第1の向きD3に回転すると、軸体34の突起34aと第1部材35の突起56aが接触する。第1本体33に対して第1部材35が、軸体34周りの第1の向きD3に回転できなくなる。
第2の状態P2の第1部材35は、ベッド1上に横たわる使用者等のためのテーブルとして用いられる。第2の状態P2の第1部材35上には、コップや小物等が置かれる。
【0036】
図12に示すように、第1柵31において、第1部材35を軸体34周りに回転して、第1部材35を、第1本体33と同一面上に配置し、第1部材35の表裏面が第2方向Yを向く第3の状態P3にする。このとき、図13に示すように、第1部材35が軸体34周りの第1の向きD3とは反対の第2の向きD4に回転すると、軸体34の突起34aが第1部材35の突起56aに接触する。第1本体33に対して第1部材35が、軸体34周りの第2の向きD4に回転できなくなる。
第3の状態P3の第1部材35は、支柱47,48の間に第1部材35を収納する際に用いられる。第1部材35が第3の状態P3である第1柵31は、第1部材35が第1の状態P1及び第2の状態P2である第1柵31に比べて第2方向Yに薄い。
【0037】
このように、使用者は、第1部材35を第1の状態P1と、第2の状態P2と、第3の状態P3と、に切替えできる。1回転を表す360°から、突起34aの中心角度約45°及び突起56aの中心角度約45°を引いた角度は、約270°になる。第1部材35は、軸体34周りに約270°回転する。約270°回転する範囲の第1端で第1部材35は第1の状態P1になり、前記範囲における第1端とは反対の第2端で第1部材35は第2の状態P2になる。前記範囲の中間部において、第1部材35は第3の状態P3になる。
そして、第1部材35は軸体34を介して第3昇降機構44の第4支柱47,48に支持されているため、使用者は、ピン49,50を操作することにより、第1本体33に対する第1部材35の第3方向Zの位置を調節できる。
【0038】
図1に示すように、第2柵71は、柵である。第2柵71は、脚ボトム14寄りのメインフレーム23に固定されている(以下この棚を、第2柵71Aとも言う)。また、第2柵71は、背ボトム12寄りのメインフレーム23に固定されている(以下この棚を、第2柵71Bとも言う)。
図2に示すように、一対の第2柵71Bは、背ボトム12を上げる際に上がる追従柵である。なお、背ボトム12を上げても一対の第2柵71Bが上がらないように、一対の第2柵71Bをベースフレーム22等に固定してもよい。第2柵71Aについても同様である。
【0039】
なお、図14に示すように、第1柵31の第2昇降機構32を第2の状態P7にし、第3昇降機構44により第1本体33に対する第1の状態P1の第1部材35の高さを調節すると、第1部材35の上面とマットレス17の上面とが、互いに面一になる。
【0040】
以上のように構成されたベッド1は、以下のように使用される。
使用者がベッド1上に横たわるときには、例えば図2に示すように、背上げ機構により背ボトム12を上げる。第1柵31において、第2昇降機構32を第1の状態P6に切換え、第1部材35を第2の状態P2に切換える。第4支柱48の切欠き48bと軸体34の第2端部との嵌め合いを解除し、第1部材35をヒンジ53周りに回転して、第1部材35を所望の向きに保持する。使用者は、第1部材35の凹み35aにコップ等を置いて、テーブルとして第1部材35を用いる。
【0041】
図14に示すように、ベッド1からベッド1の外部のポータブルトイレ101等に移乗するときには、ベッド1を図14に示すように構成した状態で、第1部材35に並べてポータブルトイレ101を配置する。使用者は、マットレス17上から第1部材35上を伝わって、ポータブルトイレ101に移乗する。
なお、ベッド1の外部のポータブルトイレ101等からベッド1に移乗するときに、第1の状態P1の第1部材35を用いてもよい。
【0042】
以上説明したように、本実施形態のベッド1によれば、第1部材35は第1の状態P1と第2の状態P2とに切換えできる。従って、第1の状態P1の第1部材35を移乗用に用いるとともに、第2の状態P2の第1部材35をテーブルとして用いることにより、使用者の利便性を向上できる。
第1部材35は、第3の状態P3に切換えできる。これにより、第3の状態P3の第1部材35を備える第1柵31を、第1柵31(第1本体33)の厚さ方向である第2方向Yに薄く構成することができる。
第1部材35は、第3昇降機構44により第1本体33に対する第3方向Zの位置を調節できる。このため、第1本体33に対する第1部材35の第3方向Zの位置を、使用者が要望する高さに調節できる。
【0043】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
例えば、前記実施形態では、第1部材35は第3の状態P3に切換えできないように構成してもよい。この場合、例えば、第1部材がフレームの上端部に水平面に沿って設けられ、フレームに対して第1部材が第2方向Yにスライドできてもよい。
第1柵31の第1本体33が、第3昇降機構44及びヒンジ53を備えなくてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 身体支持装置
21 架台(本体)
33 第1本体(柵)
35 第1部材
P1 第1の状態
P2 第2の状態
P3 第3の状態
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14