IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 上高 修司の特許一覧 ▶ 南谷 高宏の特許一覧

<>
  • 特許-プリペイド式私物洗濯管理システム 図1
  • 特許-プリペイド式私物洗濯管理システム 図2
  • 特許-プリペイド式私物洗濯管理システム 図3A
  • 特許-プリペイド式私物洗濯管理システム 図3B
  • 特許-プリペイド式私物洗濯管理システム 図4A
  • 特許-プリペイド式私物洗濯管理システム 図4B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】プリペイド式私物洗濯管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240119BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018216416
(22)【出願日】2018-11-19
(65)【公開番号】P2020086639
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-11-05
(73)【特許権者】
【識別番号】516129448
【氏名又は名称】上高 修司
(73)【特許権者】
【識別番号】516129459
【氏名又は名称】南谷 高宏
(74)【代理人】
【識別番号】100091465
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 久夫
(72)【発明者】
【氏名】上高 修司
(72)【発明者】
【氏名】南谷 高宏
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-196245(JP,A)
【文献】特開2014-230682(JP,A)
【文献】特開2005-177055(JP,A)
【文献】特開2017-188110(JP,A)
【文献】米国特許第09589249(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
病院等の外部施設利用者が私物の洗濯を外部洗濯業者に洗濯依頼し、外部洗濯業者はそれを回収して洗濯後私物洗濯依頼者に返送する私物洗濯依頼を管理する方法であって、私物洗濯依頼者の利用申請により外部洗濯業者から発行される個人別識別コードIDと前払い料金を記録するプリペイド式利用者カードと、上記個人別識別コードIDを付与された洗濯物個人別収集ネット(30)と、上記識別コードを付与された個人別洗濯ネット(32)と、個人別収集ネット(30)から回収してきた全ての洗濯物(34)を、個人別洗濯ネット(32)に入れ替る間の動作を撮影する撮像装置(14)と、この撮影検品記録を上記識別コードとともに記録する記録装置(13)と、前記撮像装置(14)及び記録装置(13)を制御し、私物洗濯依頼者の個人別私物洗濯物の撮影検品記録を、インターネット回線を介してクラウド化して共有する制御装置(12)と、を備える管理システムを利用し、インターネット回線を介して、スタッフは必要に応じて端末からの通信により上記制御装置(12)の上記識別コード毎の撮影検品記録を共有し、上記識別コード毎の撮影検品記録を端末に取り込み、表示して私物洗濯依頼者に目視確認できるようにする方法において、
1) 私物洗濯依頼者は依頼者料金を支払って識別番号が付された洗濯物個人別収集ネット(30)と入金状況を示すプリペイド式利用者カードを購入する工程と、
2) 個人別識別コードが付された個人別収集ネット(30)に私物洗濯物を投入し、プ リペイド式利用者カードを表示して個人別洗濯許可情報を提示して病院等の回収地で私物洗濯を外部洗濯業者に申し込む工程と、
3) 外部洗濯業者は私物洗濯物を投入した洗濯物個人別収集ネット(30)をその洗濯許可情報と照合確認して回収し、回収日等を記録して洗濯工場に配送する工程と、
4) 外部洗濯業者は洗濯工場にて回収してきた個人別収集ネット(30)から全ての洗濯物 (34)を取り出して検品し、識別コードを付与された個人別洗濯ネット(32)に入れ替る間の動作を撮影し、私物洗濯依頼者の個人別識別コードに対応させて記録装置(13)に撮影検品記録する工程と、
5) 洗濯物(34)は識別コードを付与された個人別洗濯ネット(32)に入れた状態で連続的に洗濯し、連続的に乾燥する工程と、
6) 洗濯・乾燥済みの洗濯物(34)は識別コードを付与された個人別洗濯ネット(32)から取り出し、上記個人別収集ネット(30)とともに結束して私物洗濯依頼者の個人別識別コードによって私物洗濯依頼者に返却する工程とを備え、スタッフの端末を介して申し込み内容の撮影検品記録を確認できるようにしたことを特徴とする方法
【請求項2】
申し込みの預かり品目と返却品目とが相違した場合に、スタッフは端末からの通信により撮影検品記録を保有する制御装置(12)に接続し、クラウド化した撮影検品記録データを端末に表示して参照し、遺失原因を探求することを特徴とする請求項1記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は私物洗濯管理システムに申込みにより識別コードを付与するだけでなく、プリペイド購入による洗濯許可情報を発行し、未払いの洗濯依頼及び引き取り手のない私物洗濯を無くす私物洗濯管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院や介護施設に入院又は入所すると、入院患者や入所者は衣類や日用品を必要とし、大きな病院や施設では売店が完備され、衣類や日用品を購入することが可能である。
【0003】
ところが、入院患者や入所者が日常使用する私物の下着衣類やタオルなどは洗濯が必要となるが、病院では病棟に設置された共同の洗濯機を使用して洗濯を行うのが現状であり、院内感染などの衛生上の問題が懸念される。また、介護施設では職員が衣類やタオルなどを集めて施設内の洗濯機で一括して洗濯することを行っているが、衛生上の問題が懸念されるばかりでなく、紛失や誤配も発生しているのが現状である。さらに、肌着の場合には他の入院患者や入居者に見られたくないとの要望があり、プライバシーの点で私物洗濯に留意する必要があった。
【0004】
そこで、バ-コ-ド及びICチップ付き洗濯ネットに洗濯物を入れ、業者がこれを回収してICチップのコードを読み取るとともに、洗濯物を洗濯し、仕上がった洗濯物を回収時のICチップ付き洗濯ネットに入れて配送するようにしたランドリーシステムが提案されている(特許文献1)。
【0005】
また、病院の入院患者や介護施設の入居者が病棟や施設に設置された端末を操作して衣類やタオルなどの利用の申込みを行うと、衣類やタオルなどのセットを申込み者に配達する一方、退院時や退去時にセットの費用を算出して申込み者に請求するようにした物品利用管理システムも提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2002-35500号公報
【文献】特開2007-156787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、かかる私物洗濯管理において、特許文献1記載のランドリーシステムでは入院患者や入居者の勘違いで自分のお気に入りのパジャマや肌着などをIC付き洗濯ネットに入れたと思い込み、返ってきたIC付き洗濯ネットにお気に入りのパジャマや肌着などが入っておらず、紛失したとの苦情を家族、病院や施設のスタッフや洗濯業者に申し立てることが多々あり、介護施設の高齢者の場合にはそのような問題が頻繁に起こることが懸念される。特に、最近はクレーマー対策が社会の大きな関心事になっており、洗濯物についての苦情が起きても迅速に解決できる私物洗濯管理システムを開発することが重要となっている。
【0008】
他方、特許文献2記載の物品利用管理システムは衣類・タオルセットのリースであって、リース物件の使用を懸念する昨今、私物の衣類やタオルの洗濯には適用できない問題もあるが、かかる私物洗濯管理システムにおいて、患者の退院等により、洗濯費用の未収問題、引き取り手の洗濯物の廃棄処分の問題が多くなっている。
【0009】
そこで、本発明はかかる問題点に鑑み、私物洗濯において、発生しやすい問題、病院の入院患者や施設の入居者の勘違いによるクレーム、苦情が発生したときに迅速に解決でき、しかも未収金問題が生じず、さらに引き取り手のない洗濯物の問題のない私物洗濯管理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は私物洗濯における上記大きな問題は、私物洗濯の申し込みに応じて識別番号又は識別コードを付与するとともに個人別収集ネットに支給し、私物洗濯依頼者にプリペイド購入により洗濯許可情報を発行し、この識別情報を付与した収集ネットを用いて私物洗濯の依頼返却を行う一方、洗濯工場内では個人別収集ネットから洗濯ネットに洗濯物を入れ替えるときに、検品記録を行い、しかもこの検品記録データを工場内クラウド化により利用できるようにすることにより、勘違いによるクレーム、苦情が発生したときに迅速に解決できることに鑑みて完成したもので、
病院等の外部施設利用者が私物の洗濯を外部洗濯業者に依頼するときに用いる私物洗濯管理システムであって、
1)私物洗濯申込み者の利用申請により個人別識別コードを発行するとともにプリペイドカードの購入に基づいて私物洗濯申込み者に個人別洗濯許可情報を発行する一方、上記個人別識別コードを付与された洗濯物個人別収集ネット(30)を私物洗濯申込み者に支給する工程と、
2)私物洗濯申込み者は個人別識別コードが付された個人別収集ネット(30)に私物洗濯物を投入し、プリペイドカードを表示して個人別洗濯許可情報を提示して病院等の回収地で私物洗濯を洗濯業者に申し込む工程と、
3)洗濯業者は私物洗濯物を投入した洗濯物個人別収集ネット(30)をその洗濯許可情報と照合確認して回収し、回収日等を記録して洗濯工場に配送する工程と、
4)洗濯業者は洗濯工場にて回収してきた個人別収集ネット(30)から全ての洗濯物(34)を取り出して検品し、個人別洗濯ネット(32)に入れ替る間の動作を撮影し、申込み者の個人別識別コードに対応させて記録装置(13)に検品記録する工程と、
5)洗濯物(34)を個人別洗濯ネット(32)に入れた状態で連続的に洗濯し、連続的に乾燥する工程と、
6)洗濯・乾燥済みの洗濯物(34)を個人別洗濯ネット(32)から取り出し、洗濯物をたたみ、上記個人別収集ネット(30)とともに結束して申込み者の個人別識別コードによって申込み者に返却する工程とを備え、
私物洗濯申込み者のプリペイドによる洗濯許可情報により洗濯未収金を無くすとともに、識別コードにより識別される私物洗濯個人別収集ネットおよび個人別洗濯ネットの照合により、私物洗濯管理を行うこと特徴とするプリペイド式私物洗濯管理システムにある。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、前金式で購入するプリペイドカードの購入により個人別洗濯許可情報を発行するとともに、私物洗濯の申し込みにより個人別識別コードを付与した個人別収集ネットを支給し、両者を利用して私物洗濯の依頼、返却を行うので、未収金問題はなくなる一方、個人別収集ネットと個人別洗濯ネットに識別コードを付し、工場内での洗濯物の入れ替え時に洗濯物を検品し、記録するので、勘違いや洗濯物遺失に伴うクレーム・苦情処理を迅速に行うことができる。特に、上記工程1)から工程6)をクラウド化することにより、預かり品目と返却品目とが相違した場合にクラウド化した検品記録データを配送員が参照して遺失原因を探求することができるので、クレーム処理が容易となる。検品記録工程は、接線スイッチ等の検出手段を用いるのが好ましい。具体的には図4に示すように、接線スイッチまたはリミットスイッチを用いる。施設別回収バッグで施設から回収した個人別収集バッグ30を検品記録工程では開封して被洗濯物34を取り出し、個人別に対応するように、識別コードを付された個人別洗濯ネット32に移し替える時に接線スイッチ(図4A)又はリミットスイッチ(図4B)を用い、テーブル33上に拡げた私物洗濯品34を検品後、洗濯物の点数をカウントするために使用する。ここ図4Aでは移動テーブル33の幅方向両側に接線スイッチとして赤外線センサー投光機と受光機を配置し、検品済み洗濯品34をセンサーを横切らせることで私物洗濯品をカウントするものであるが、図4Bのように接線スイッチとしてリミットスイッチを使っても同様の機能を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る私物洗濯管理システムの好ましいフローを示すブロック図である。
図2】本発明の私物洗濯管理システムのクラウド化を例示するブロック図である。
図3A】本発明に係る洗濯フローの管理方法の好ましい実施形態の前半部分を模式的に示す図である。
図3B】上記実施形態の後半部分を模式的に示す図である。
図4A】個人別収集ネットから私物洗濯物を取り出し、個人別洗濯ネットに移し替える時の検品作業工程を接線スイッチとして赤外線センサーで行う説明図である。
図4B】個人別収集ネットから私物洗濯物を取り出し、個人別洗濯ネットに移し替える時の検品作業工程を接線スイッチとしてリミットスイッチで行う説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る私物洗濯管理システムの好ましい実施形態の1例を示す。
【0014】
本発明の私物洗濯管理システムは、病院等の外部施設利用者が私物の洗濯を外部洗濯業者に依頼するときに用いる私物洗濯管理システムであって、1)私物洗濯申請工程と、2)私物洗濯依頼工程と、3)私物洗濯回収工程と、4)私物洗濯検品入れ替え工程と、5)私物洗濯・乾燥仕上げ工程と、6)私物洗濯返却工程とからなる。
【0015】
1)私物洗濯申請工程は、(1)私物洗濯申込み者に利用申請を行わせ、施設名、利用者の住所氏名等の書誌的事項を個人別識別コードとして記録するとともに、(2)プリペイドを購入させ、それに基づいて依頼者の個人別洗濯許可情報を発行する。(3)そのデータを工場の制御装置に入力させ、(4)利用者に、識別コードを付与された洗濯物個人別収集ネット(30)を支給する工程である。
【0016】
次いで、2)私物洗濯依頼工程は、(5)私物洗濯申込み者は識別コードを付与された個人別収集ネット(30)に私物洗濯物を投入し、その個人別収集ネットとともに、(6)購入したプリペイドカードを表示して私物洗濯許可情報を提示して病院等の回収地で私物洗濯を洗濯業者に申し込む工程(7)からなる。洗濯業者はプリペイドカードの示す洗濯許可情報と個人別識別コードを表示した収集ネット(30)とを確認して回収し、リネンバッグ(31)に収納する。
【0017】
そして3)私物洗濯回収工程は(7)私物洗濯業者は私物洗濯物を投入した洗濯物収納個人別収集ネット(30)の(8)依頼受付を行い、回収日を記録して洗濯工場に配送し、(9)対応する洗濯ネット(32)に識別コードを付与する工程からなる。
【0018】
4)私物洗濯検品入れ替え工程とは洗濯業者は洗濯工場にて回収してきた(10)個人別収集ネット(30)から全ての洗濯物(34)を取り出してテーブル(33)上に広げて検品し、識別コードを付与された個人別洗濯ネット(32)に入れ替る間の動作をカメラ(14)で撮影し、申込み者の識別コードに対応させて記録装置(13)に検品記録する工程からなる。
【0019】
その後、5)私物洗濯・乾燥仕上げ工程は洗濯物(34)を個人別洗濯ネット(32)に入れた状態で連続的に洗濯し、連続的に乾燥する工程(11)からなり、 6)私物洗濯返却工程では洗濯・乾燥済みの洗濯物(34)を個人別洗濯ネット(32)から取り出し、(12)洗濯物をたたみ、上記個人別収集ネット(30)とともに結束する工程からなり、申込み者の識別コードによって申し込み者の施設名、個人名、預かり日、仕上げに数、点数等の書誌的事項を記載したレシートとともに申込み者に返却する工程(14)からなる。かかるシステムでは私物洗濯申込み者は(2)プリペイドによる前金式支払いにより私物洗濯許可情報が発行されるので、未収金事故はなくなる。また、私物洗濯申込み時に付与される、識別番号又は識別コードにより私物洗濯個人別収集ネットおよび個人別洗濯ネットは識別され、しかも上記工程1)から工程6)をクラウド化し、(3)利用受付、(8)依頼受付による洗濯開始を行い、収集ネットから洗濯ネットへの入れ替え時に(10)入れ替え検品して、預かり品目と返却品目とを検品しているので、返却時に相違した場合に(13)検品記録データを参照して遺失原因を探求することができる。
【0020】
図3A及び図3Bは本発明に係る工場内の洗濯フローを示し、図2の洗濯フローの管理装置は端末10、インターネット回線11、制御処理装置12、記録装置13、撮像装置14及びディスプレイ15、16から構成され、クラウド化される。図2において、撮像装置14は制御処理装置12の制御信号を受け、洗濯工場において個人別収集ネット30から全ての洗濯物が取り出されてテーブル33上に広げられ、個人洗濯ネット32に入れられる間の動作及び状況を撮像するとともに、洗濯物の仕上げ状態を撮像するようになっている。また、記録装置13は制御処理装置12の制御信号を受け、撮像された動画を洗濯の申込み者に与えられた識別コード及び許可情報に対応させて読出し可能に記録するようになっている。制御処理装置12はID(識別コード)と料金残高(許可情報)を作成して記憶装置13に記憶させ、識別コードをバーコードで記録したラベルを作成し、個人別収集ネット(30)及び個人用洗濯ネット(32)に書き込むようになっている。
【0021】
また、制御処理装置12は端末10がインターネット11を介して接続され、識別コードと許可情報とともにモニター要求信号が利用受付に送信されたときに、記録装置13から識別コード、検品コード、残高コード等必要なコードを読み出して端末10に向けて出力するようになっている。さらに、制御処理装置12は洗濯工場内において洗濯の申込み者の識別コード及びパスワードとモニター要求信号が入力されたときに、対応する動画を読み出してモニター15に表示させるようになっている。そして、端末10は病院や介護施設に設置され、インターネット上の洗濯業者のWEBページに接続し、モニター要求信号とともにIDとパスワードを制御処理装置12に対して出力することができるようになっている。
【0022】
次に、洗濯のフローについて説明する。したがって、私物衣類などの洗濯を依頼する場合、入院患者、入居者、その親族あるいは介護者が利用申請を行うと、病棟や施設の受付けカウンターにて識別コードIDが付与され、登録される。他方、プリペイドカードを購入すると、洗濯許可情報がIDとともに工場受付に記録される。これに基づき、個人別収集ネット30が支給され、利用者はこれを受け取り、(5)受け取った個人別収集ネット30に洗濯しようとする衣類やバスタオルなどを入れる(図3Aの(a))。そして、(6)個人別洗濯許可情報を表示して受付けカウンターに預けると、これが確認される(7)と、病棟毎にリネンバッグ31に入れられ(図3Aの(b))、洗濯業者が定期的又は不定期的にこれを回収して洗濯工場に輸送する一方(図3Aの(c))、依頼者のIDとパスワードとが台帳に記録されて管理される。
【0023】
洗濯工場では作業者がリネンバッグ31から個人別ネット30を取り出し、個人別ネット30のバーコードから申込み者を識別した後、個人別ネット30内の全ての洗濯物34を申込み者毎にテーブル33上に広げ(図3Aの(d))、作業者が視覚によって洗濯物の数を計数するとともに、洗濯物の汚れや損傷の有無を確認し、個人洗濯ネット32に移しかえ(図3Aの(e)(f))、洗濯機35に投入し(図3Bの(g))、所定数の個人洗濯ネット32が洗濯機35に投入されると洗濯が開始される。
【0024】
その際、撮像装置14が制御処理装置12の制御信号を受けて作動し、個人別収集ネット30内の全ての洗濯物34を申込み者毎にテーブル33上に広げ、個人洗濯ネット32に移しかえ、洗濯機35に投入するまでの間の動作及び状況、特にテーブル33上に広げられた洗濯物34の汚れや損傷の有無を撮像し、その動画が制御処理装置12の制御信号によって記録装置13に申込み者のID及びパスワードに対応させて記録される。
【0025】
洗濯は予洗、本洗濯、すすぎ、脱水の工程にて行う。まず、予洗は洗剤、アルカリ助剤を投入し、水温40°C前後の温度で行う。本洗濯は洗剤、アルカリ剤、過酢酸配合漂白殺菌剤を投入し、水温40°C前後の温度で行う。すすぎは中和剤、抗菌柔軟剤を投入して行う。洗濯が済むと、テーブル36上に申込み者毎に広げ(図3Bの(h))、申込み者毎に連続式自動乾燥機37に投入し(図3Bの(i))、設定温度60°C前後で乾燥し、クールダウンして仕上げテーブル38に自動排出されるので(図3Bの(j))、しわを伸ばしてたたみ(図3Bの(k))、個人別ネット39に入れ、配送バッグ310に例えば病棟のフロアー毎に入れて返却する(図3Bの(m))。
【0026】
その際、作業者が洗濯物の数をカウントするとともに、損傷の有無を視覚で確認し、その間の動作や状況を撮像装置14によって撮像し、申込み者のID及びパスワードに対応させて記録装置13に記録するのが好ましい。
【0027】
他方、病院の入院患者や施設の入居者が、洗濯を依頼したはずなのに、返ってきた個人別ネット39には洗濯を依頼した衣類が入っておらず、洗濯物を紛失したと勘違いしたような場合、あるいは返ってきた洗濯物が損傷していると思い違いし、家族、介護者、病院や施設のスタッフや洗濯業者に苦情を申し立てた場合、端末10にIDとパスワードを入力し、モニター要求を行うと、モニター要求信号がID及びパスワードとともに業者の制御処理装置12に送信され、それによって記録装置13に記録されている申込み者に関係する動画が読み出されて端末10に送られ、端末10のディスプスレイ16に表示され、洗濯を依頼した衣類の全て及び損傷の程度を申込み者が確認できるので、申込み者に勘違いや思い違いであると納得させることができ、苦情に迅速に対応できる。
【符号の説明】
【0028】
10 端末
12 制御処理装置
13 記録装置
14 撮像装置
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B