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特許7422490セキュアメッセージ提供方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】セキュアメッセージ提供方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/04 20220101AFI20240119BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20240119BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
H04L51/04
G06F21/62 309
H04M11/00 302
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019024516
(22)【出願日】2019-02-14
(65)【公開番号】P2019160302
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2022-02-07
(31)【優先権主張番号】10-2018-0026246
(32)【優先日】2018-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516014409
【氏名又は名称】ライン プラス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LINE Plus Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ホン ソクジュ
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0082391(US,A1)
【文献】特開2005-182774(JP,A)
【文献】特開2007-310601(JP,A)
【文献】特開2018-005425(JP,A)
【文献】特開2017-195920(JP,A)
【文献】特開2014-041562(JP,A)
【文献】特開2017-004561(JP,A)
【文献】特開2016-035750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/00
G06F 21/62
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置にセキュアメッセージ提供方法を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記セキュアメッセージ提供方法は、
メッセンジャーサーバが提供するメッセージングサービスによって第1ユーザのアカウントおよび第2ユーザのアカウントの間の通信セッションを設定する段階、
前記設定された通信セッションを介して前記第1ユーザの端末からセキュアメッセージおよび前記第1ユーザの端末で設定されたセキュリティ条件を受信する段階、
前記第2ユーザの端末が前記受信されたセキュリティ条件を満たしているかを判定する段階、および
前記受信されたセキュリティ条件が満たされている間、前記設定された通信セッションに対応するユーザインタフェースに前記セキュアメッセージの内容を表示する段階
を含み、
前記セキュリティ条件は、前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力されたイメージを含み、
前記セキュアメッセージ提供方法は、
前記セキュアメッセージと連係する第1領域を前記ユーザインタフェースに設定する段階
をさらに含み、
前記セキュアメッセージの内容を表示する段階は、
前記第2ユーザの端末で前記ユーザインタフェースの機能によって選択または入力された、前記第1ユーザによって選択または入力されたイメージと同じイメージを前記ユーザインタフェースに表示する段階、
前記ユーザインタフェースに表示された前記同じイメージに対する前記第2ユーザの入力に基づいて、前記同じイメージが表示される第2領域の位置を調節する段階、および
前記第2領域が前記第1領域上にオーバレイされる第3領域に前記セキュアメッセージの内容のうちの少なくとも一部を表示する段階
を含み、
前記受信されたセキュリティ条件を満たしているかを判定する段階は、
前記セキュリティ条件が含むイメージと同じイメージが前記第2ユーザの端末で前記ユーザインタフェースの機能によって選択または入力されて前記ユーザインタフェースに表示されている間、前記受信されたセキュリティ条件を満たしていると判定する、コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記セキュリティ条件は、(1)前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力されたテキスト、イメージ、オーディオ、および動画のうちの少なくとも1つの情報が前記第2ユーザの端末で選択、入力、表示、または再生される第1条件、(2)前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力された環境設定情報が前記第2ユーザの端末で設定される第2条件、および(3)前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力された地理的位置または場所に前記第2ユーザの端末が位置する第3条件のうちの少なくとも1つの条件を含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記セキュアメッセージ提供方法は、
前記受信されたセキュアメッセージを前記第2ユーザの端末のメッセージデータベースに格納し、前記セキュリティ条件を前記第2ユーザの端末のセキュア領域に格納する段階
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記セキュリティ条件は、前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力されたディスプレイの輝度値または輝度値の範囲を含み、
前記受信されたセキュリティ条件を満たしているかを判定する段階は、
前記第2ユーザの端末のディスプレイの輝度値が前記セキュリティ条件に含まれる輝度値または輝度値の範囲に対応する間、前記受信されたセキュリティ条件を満たしていると判定する、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記セキュリティ条件は、前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力されたオーディオデータを含み、
前記受信されたセキュリティ条件を満たしているかを判定する段階は、
前記セキュリティ条件が含むオーディオデータが、前記第2ユーザの端末が備えるオーディオ入力装置に入力されている間、前記受信されたセキュリティ条件を満たしていると判定する、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記セキュアメッセージ提供方法は、
前記受信されたセキュリティ条件が満たされない場合、前記セキュアメッセージの受信に関する通知情報を前記ユーザインタフェースに表示する段階
をさらに含み、
前記セキュアメッセージの内容を表示する段階は、
前記受信されたセキュリティ条件が満たされている間、前記通知情報に代えて前記セキュアメッセージの内容を前記ユーザインタフェースに表示する、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記受信する段階は、
前記第1ユーザの端末から前記通知情報として表示される表示情報をさらに受信し、
前記通知情報を前記ユーザインタフェースに表示する段階は、
前記さらに受信された表示情報を前記通知情報として前記ユーザインタフェースに表示する、請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
コンピュータ装置にセキュアメッセージ提供方法を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記セキュアメッセージ提供方法は、
メッセンジャーサーバが提供するメッセージングサービスによって第1ユーザのアカウントおよび第2ユーザのアカウントの間の通信セッションを設定する段階、
前記通信セッションを介して送信しようとするセキュアメッセージに対するセキュリティ条件を設定するユーザインタフェースを提供する段階、
前記ユーザインタフェースを利用して前記第1ユーザによって設定されたセキュリティ条件を確認する段階、および
前記第2ユーザの端末が前記設定されたセキュリティ条件を満たしている間、前記セキュアメッセージが前記第2ユーザの端末で表示されるように、前記通信セッションを介して前記セキュアメッセージおよび前記設定されたセキュリティ条件を前記第2ユーザの端末に送信する段階
を含み、
前記セキュリティ条件は、前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力されたイメージを含み、
前記セキュアメッセージ提供方法は、
前記セキュアメッセージと連係する第1領域を前記ユーザインタフェースに設定する段階
をさらに含み、
前記セキュアメッセージの内容を表示する段階は、
前記第2ユーザの端末で前記ユーザインタフェースの機能によって選択または入力された、前記第1ユーザによって選択または入力されたイメージと同じイメージを前記ユーザインタフェースに表示する段階、
前記ユーザインタフェースに表示された前記同じイメージに対する前記第2ユーザの入力に基づいて、前記同じイメージが表示される第2領域の位置を調節する段階、および
前記第2領域が前記第1領域上にオーバレイされる第3領域に前記セキュアメッセージの内容のうちの少なくとも一部を表示する段階
を含み、
前記設定されたセキュリティ条件を満たしているかを判定する段階は、
前記セキュリティ条件が含むイメージと同じイメージが前記第2ユーザの端末で前記ユーザインタフェースの機能によって選択または入力されて前記ユーザインタフェースに表示されている間、前記設定されたセキュリティ条件を満たしていると判定する、コンピュータプログラム。
【請求項9】
前記セキュリティ条件は、(1)前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力されたテキスト、イメージ、オーディオ、および動画のうちの少なくとも1つの情報が前記第2ユーザの端末で選択、入力、表示、または再生される第1条件、(2)前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力された環境設定情報が前記第2ユーザの端末で設定される第2条件、および(3)前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力された地理的位置または場所に前記第2ユーザの端末が位置する第3条件のうちの少なくとも1つの条件を含む、請求項8に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記セキュリティ条件を確認する段階は、
前記セキュリティ条件として前記第1ユーザによって選択または入力されたイメージを確認し、
前記送信する段階は、
前記確認されたイメージと同じイメージが前記第2ユーザの端末で選択または入力されて前記ユーザインタフェースに表示されている間、前記セキュアメッセージが前記第2ユーザの端末で表示されるように、前記通信セッションを介して前記セキュアメッセージおよび前記確認されたイメージを前記第2ユーザの端末に送信する、請求項8に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記セキュリティ条件を確認する段階は、
前記セキュリティ条件として前記第1ユーザによって選択または入力されたディスプレイの輝度値または輝度値の範囲を確認し、
前記送信する段階は、
前記第2ユーザの端末のディスプレイの輝度値が前記確認された輝度値または輝度値の範囲に対応する間、前記セキュアメッセージが前記第2ユーザの端末で表示されるように、前記通信セッションを介して前記セキュアメッセージおよび前記確認された輝度値または輝度値の範囲を前記第2ユーザの端末に送信する、請求項8に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記セキュリティ条件を確認する段階は、
前記セキュリティ条件として前記第1ユーザによって選択または入力されたオーディオデータを確認し、
前記送信する段階は、
前記確認されたオーディオデータが、前記第2ユーザの端末が備えるオーディオ入力装置に入力されている間、前記セキュアメッセージが前記第2ユーザの端末で表示されるように、前記通信セッションを介して前記セキュアメッセージおよび前記確認されたオーディオデータを前記第2ユーザの端末に送信する、請求項8に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
メッセンジャーサーバが提供するメッセージングサービスによって第1ユーザのアカウントおよび第2ユーザのアカウントの間の通信セッションを設定する段階、
セキュアメッセージと連係する第1領域を前記設定された通信セッションに対応するユーザインタフェースに設定する段階、
前記設定された通信セッションを介して前記第1ユーザの端末からセキュアメッセージおよび前記第1ユーザの端末で設定されたセキュリティ条件を受信する段階、
前記第2ユーザの端末が前記受信されたセキュリティ条件を満たしているかを判定する段階、および
前記受信されたセキュリティ条件が満たされている間、前記ユーザインタフェースに前記セキュアメッセージの内容を表示する段階
を含み、
前記セキュリティ条件は、前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力されたイメージを含み、
前記セキュアメッセージの内容を表示する段階は、
前記第2ユーザの端末で前記ユーザインタフェースの機能によって選択または入力された、前記第1ユーザによって選択または入力されたイメージと同じイメージを前記ユーザインタフェースに表示する段階、
前記ユーザインタフェースに表示された前記同じイメージに対する前記第2ユーザの入力に基づいて、前記同じイメージが表示される第2領域の位置を調節する段階、および
前記第2領域が前記第1領域上にオーバレイされる第3領域に前記セキュアメッセージの内容のうちの少なくとも一部を表示する段階
を含み、
前記受信されたセキュリティ条件を満たしているかを判定する段階は、
前記セキュリティ条件が含むイメージと同じイメージが前記第2ユーザの端末で前記ユーザインタフェースの機能によって選択または入力されて前記ユーザインタフェースに表示されている間、前記受信されたセキュリティ条件を満たしていると判定する、セキュアメッセージ提供方法。
【請求項14】
前記セキュリティ条件は、(1)前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力されたテキスト、イメージ、オーディオ、および動画のうちの少なくとも1つの情報が前記第2ユーザの端末で選択、入力、表示、または再生される第1条件、(2)前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力された環境設定情報が前記第2ユーザの端末で設定される第2条件、および(3)前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力された地理的位置または場所に前記第2ユーザの端末が位置する第3条件のうちの少なくとも1つの条件を含む、請求項13に記載のセキュアメッセージ提供方法。
【請求項15】
前記受信されたセキュリティ条件を満たしているかを判定する段階は、
前記セキュリティ条件が含むイメージと同じイメージが前記第2ユーザの端末で前記ユーザインタフェースの機能によって選択または入力されて前記ユーザインタフェースに表示されている間、前記受信されたセキュリティ条件を満たしていると判定する、請求項13に記載のセキュアメッセージ提供方法。
【請求項16】
前記セキュリティ条件は、前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力されたディスプレイの輝度値または輝度値の範囲を含み、
前記受信されたセキュリティ条件を満たしているかを判定する段階は、
前記第2ユーザの端末のディスプレイの輝度値が前記セキュリティ条件に含まれる輝度値または輝度値の範囲に対応する間、前記受信されたセキュリティ条件を満たしていると判定する、請求項13に記載のセキュアメッセージ提供方法。
【請求項17】
前記セキュリティ条件は、前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力されたオーディオデータを含み、
前記受信されたセキュリティ条件を満たしているかを判定する段階は、
前記セキュリティ条件が含むオーディオデータが、前記第2ユーザの端末が備えるオーディオ入力装置に入力されている間、前記受信されたセキュリティ条件を満たしていると判定する、請求項13に記載のセキュアメッセージ提供方法。
【請求項18】
請求項1~12のうちのいずれか一項に記載のコンピュータプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は、セキュアメッセージ提供方法およびシステムに関し、より詳細には、メッセージングサービスによってユーザ同士が送受信するセキュアメッセージに対し、第1ユーザ側で設定したセキュリティ条件を第2ユーザ側が満たす間、セキュアメッセージの内容を確認できるように制限することにより、セキュアメッセージの内容を保護することができるセキュアメッセージ提供方法、セキュアメッセージ提供方法を実行するコンピュータ装置、コンピュータ装置にセキュアメッセージ提供方法を実行させるコンピュータプログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のメッセージングサービスにおいて、メッセージのセキュリティは、サーバとクライアントとの間だけでメッセージがセキュアにされることに限定されている。例えば、第1ユーザがサーバを経て第2ユーザに送信しようとするメッセージが第3者に流出しないように保護するためのセキュリティがある。
【0003】
メッセージのセキュリティに関する他の例として、特許文献1には、ソーシャルネットワークサービスを利用したメッセージセキュリティシステムおよびその方法が開示されている。このような従来技術のメッセージセキュリティシステムは、ソーシャルネットワークサービスにメッセンジャープログラムがプラグイン形態で提供されている状態で、メッセージの一部または全部を暗号化/復号化する。このために、メッセージセキュリティシステムは、全ユーザが使用可能な共通暗号化キーとユーザグループごとに互いに異なるグループ暗号化キーを生成、格納、および配布することにより、ソーシャルネットワークサービス上ではユーザグループのセキュリティ等級に応じて互いに異なるセキュリティ等級のメッセージを提供できるようにしている。しかしながら、このようなメッセージのセキュリティも、配布されたキーを保持する端末では、この端末を利用してメッセージにアクセスするすべてのユーザがメッセージの内容を確認できてしまう。例えば、キーを保持する端末を紛失した場合、この端末を入手した他のユーザがメッセージの内容にアクセスできてしまうのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国登録特許第10-1644168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
メッセージングサービスによってユーザ同士が送受信するセキュアメッセージに対し、第1ユーザ側で設定したセキュリティ条件を第2ユーザ側が満たす間、セキュアメッセージの内容を確認できるように制限することにより、セキュアメッセージの内容を保護することができるセキュアメッセージ提供方法、セキュアメッセージ提供方法を実行するコンピュータ装置、コンピュータ装置にセキュアメッセージ提供方法を実行させるコンピュータプログラム、および記録媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
メッセンジャーサーバが提供するメッセージングサービスによって第1ユーザのアカウントおよび第2ユーザのアカウントの間の通信セッションを設定する段階、前記設定された通信セッションを介して前記第1ユーザの端末からセキュアメッセージおよび前記第1ユーザの端末で設定されたセキュリティ条件を受信する段階、前記第2ユーザの端末が前記受信されたセキュリティ条件を満たしているかを判定する段階、および前記受信されたセキュリティ条件が満たされている間、前記設定された通信セッションに対応するユーザインタフェースに前記セキュアメッセージの内容を表示する段階を含む、セキュアメッセージ提供方法を提供する。
【0007】
一側面によると、前記セキュリティ条件は、(1)前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力されたテキスト、イメージ、オーディオ、および動画のうちの少なくとも1つの情報が前記第2ユーザの端末で選択、入力、表示、または再生される第1条件、(2)前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力された環境設定情報が前記第2ユーザの端末で設定される第2条件、および(3)前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力された地理的位置または場所に前記第2ユーザの端末が位置する第3条件のうちの少なくとも1つの条件を含んでよい。
【0008】
他の側面によると、前記セキュアメッセージ提供方法は、前記受信されたセキュアメッセージを前記第2ユーザの端末のメッセージデータベースに格納し、前記セキュリティ条件を前記第2ユーザの端末のセキュア領域に格納する段階をさらに含んでよい。
【0009】
また他の側面によると、前記セキュリティ条件は、前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力されたイメージを含んでよく、前記受信されたセキュリティ条件を満たしているかを判定する段階は、前記セキュリティ条件が含むイメージと同じイメージが前記第2ユーザの端末で前記ユーザインタフェースの機能によって選択または入力されて前記ユーザインタフェースに表示される間、前記受信されたセキュリティ条件を満たしていると判定してよい。
【0010】
また他の側面によると、前記セキュアメッセージ提供方法は、前記セキュアメッセージと連係する第1領域を前記ユーザインタフェースに設定する段階をさらに含み、前記セキュアメッセージの内容を表示する段階は、前記第2ユーザの端末で前記ユーザインタフェースの機能によって選択または入力された前記同じイメージを前記ユーザインタフェースに表示する段階、前記ユーザインタフェースに表示された前記同じイメージに対する前記第2ユーザの入力に基づいて、前記同じイメージが表示される第2領域の位置を調節する段階、および前記第2領域が前記第1領域上にオーバレイされる第3領域に前記セキュアメッセージの内容のうちの少なくとも一部を表示する段階を含んでよい。
【0011】
また他の側面によると、前記セキュリティ条件は、前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力されたディスプレイの輝度値または輝度値の範囲を含んでよく、前記受信されたセキュリティ条件を満たしているかを判定する段階は、前記第2ユーザの端末のディスプレイの輝度値が前記セキュリティ条件に含まれる輝度値または輝度値の範囲に対応する間、前記受信されたセキュリティ条件を満たしていると判定してよい。
【0012】
また他の側面によると、前記セキュリティ条件は、前記第1ユーザの端末で前記第1ユーザによって選択または入力されたオーディオデータを含んでよく、前記受信されたセキュリティ条件を満たしているかを判定する段階は、前記セキュリティ条件が含むオーディオデータが、前記第2ユーザの端末が備えるオーディオ入力装置に入力されている間、前記受信されたセキュリティ条件を満たしていると判定してよい。
【0013】
また他の側面によると、前記セキュアメッセージ提供方法は、前記受信されたセキュリティ条件が満たされない場合、前記セキュアメッセージの受信に関する通知情報を前記ユーザインタフェースに表示する段階をさらに含んでよく、前記セキュアメッセージの内容を表示する段階は、前記受信されたセキュリティ条件が満たされている間、前記通知情報に代えて前記セキュアメッセージの内容を前記ユーザインタフェースに表示してよい。
【0014】
また他の側面によると、前記受信する段階は、前記第1ユーザの端末から前記通知情報として表示される表示情報をさらに受信してよく、前記通知情報を前記ユーザインタフェースに表示する段階は、前記さらに受信された表示情報を前記通知情報として前記ユーザインタフェースに表示してよい。
【0015】
メッセンジャーサーバが提供するメッセージングサービスによって第1ユーザのアカウントおよび第2ユーザのアカウントの間の通信セッションを設定する段階、前記通信セッションを介して送信しようとするセキュアメッセージに対するセキュリティ条件を設定するユーザインタフェースを提供する段階、前記ユーザインタフェースを利用して前記第1ユーザによって設定されたセキュリティ条件を確認する段階、および前記第2ユーザの端末が前記設定されたセキュリティ条件を満たしている間、前記セキュアメッセージが前記第2ユーザの端末で表示されるように、前記通信セッションを介して前記セキュアメッセージおよび前記設定されたセキュリティ条件を前記第2ユーザの端末に送信する段階を含むセキュアメッセージ提供方法を提供する。
【0016】
コンピュータ装置に前記セキュアメッセージ提供方法を実行させるコンピュータプログラムを提供する。
【0017】
前記コンピュータプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0018】
コンピュータ読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、メッセンジャーサーバが提供するメッセージングサービスによって第1ユーザのアカウントおよび第2ユーザのアカウントの間の通信セッションを設定する動作、前記設定された通信セッションを介して前記第1ユーザの端末からセキュアメッセージおよび前記第1ユーザの端末で設定されたセキュリティ条件を受信する動作、前記第2ユーザの端末が前記受信されたセキュリティ条件を満たしているかを判定する動作、および前記受信されたセキュリティ条件が満たされている間、前記設定された通信セッションに対応するユーザインタフェースに前記セキュアメッセージの内容を表示する動作を実行する、コンピュータ装置を提供する。
【0019】
コンピュータ読み取り可能な命令を実行ように実現される少なくとも1つのプロセッサを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、メッセンジャーサーバが提供するメッセージングサービスによって第1ユーザのアカウントおよび第2ユーザのアカウントの間の通信セッションを設定する動作、前記通信セッションを介して送信しようとするセキュアメッセージに対するセキュリティ条件を設定するユーザインタフェースを提供する動作、前記ユーザインタフェースを利用して前記第1ユーザによって設定されたセキュリティ条件を確認する動作、および前記第2ユーザの端末が前記設定されたセキュリティ条件を満たしている間、前記セキュアメッセージが前記第2ユーザの端末で表示されるように、前記通信セッションを介して前記セキュアメッセージおよび前記設定されたセキュリティ条件を前記第2ユーザの端末に送信する動作を実行する、コンピュータ装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態における、ネットワーク環境の例を示した図である。
図2】本発明の一実施形態における、コンピュータ装置の例を示したブロック図である。
図3】本発明の一実施形態における、セキュアメッセージ提供方法が実行される環境の例を示した図である。
図4】本発明の一実施形態における、セキュリティ条件を設定するための機能を提供する例を示した図である。
図5】本発明の一実施形態における、セキュリティ条件を設定するための機能を提供する例を示した図である。
図6】本発明の一実施形態における、セキュアメッセージを送信する例を示した図である。
図7】本発明の一実施形態における、イメージによって設定されたセキュリティ条件にしたがってセキュアメッセージを表示する例を示した図である。
図8】本発明の一実施形態における、ディスプレイの輝度によって設定されたセキュリティ条件にしたがってセキュアメッセージを表示する例を示した図である。
図9】本発明の一実施形態における、音楽によって設定されたセキュリティ条件にしたがってセキュアメッセージを表示する例を示した図である。
図10】本発明の一実施形態における、AP識別子によって設定されたセキュリティ条件にしたがってセキュアメッセージを表示する例を示した図である。
図11】本発明の一実施形態における、地理的位置によって設定されたセキュリティ条件にしたがってセキュアメッセージを表示する例を示した図である。
図12】本発明の一実施形態における、送信側のセキュアメッセージ提供方法の例を示したフローチャートである。
図13】本発明の一実施形態における、受信側のセキュアメッセージ提供方法の例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施形態について、添付の図面を参照しながら詳しく説明する。
【0022】
本発明の実施形態に係るセキュアメッセージ提供方法は、以下で説明される電子デバイスのようなコンピュータ装置によって実現されてよい。ここで、コンピュータ装置において、本発明の一実施形態に係るコンピュータプログラムがインストールおよび実行されてよく、コンピュータ装置は、実行されるコンピュータプログラムの制御にしたがって本発明の実施形態に係るセキュアメッセージ提供方法を実行してよい。上述したコンピュータプログラムは、コンピュータ装置にセキュアメッセージ提供方法を実行させるためにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態における、ネットワーク環境の例を示した図である。図1のネットワーク環境は、複数の電子デバイス110、120、130、140、複数のサーバ150、160、およびネットワーク170を含む例を示している。このような図1は、発明の説明のための一例に過ぎず、電子デバイスの数やサーバの数が図1のように限定されることはない。
【0024】
複数の電子デバイス110、120、130、140は、コンピュータ装置によって実現される固定端末や移動端末であってよい。複数の電子デバイス110、120、130、140の例としては、スマートフォン、携帯電話、ナビゲーション、PC(personal computer)、ノート型PC、デジタル放送用端末、PDA(Personal Digital Assistant)、PMP(Portable Multimedia Player)、タブレットなどがある。一例として、図1では、電子デバイス110の例としてスマートフォンを示しているが、本発明の実施形態において、電子デバイス110は、実質的に無線または有線通信方式を利用し、ネットワーク170を介して他の電子デバイス120、130、140および/またはサーバ150、160と通信することのできる多様な物理的なコンピュータ装置のうちの1つを意味してよい。
【0025】
通信方式が限定されることはなく、ネットワーク170が含むことのできる通信網(一例として、移動通信網、有線インターネット、無線インターネット、放送網など)を利用する通信方式だけではなく、デバイス間の近距離無線通信が含まれてもよい。例えば、ネットワーク170は、PAN(personal area network)、LAN(local area network)、CAN(campus area network)、MAN(metropolitan area network)、WAN(wide area network)、BBN(broadband network)、インターネットなどのネットワークのうちの1つ以上の任意のネットワークを含んでよい。さらに、ネットワーク170は、バスネットワーク、スターネットワーク、リングネットワーク、メッシュネットワーク、スター-バスネットワーク、ツリーまたは階層的ネットワークなどを含むネットワークトポロジのうちの任意の1つ以上を含んでもよいが、これらに限定されることはない。
【0026】
サーバ150、160それぞれは、複数の電子デバイス110、120、130、140とネットワーク170を介して通信して命令、コード、ファイル、コンテンツ、サービスなどを提供する1つ以上のコンピュータ装置によって実現されてよい。例えば、サーバ150は、ネットワーク170を介して接続した複数の電子デバイス110、120、130、140にサービス(一例として、ソーシャルネットワークサービス、メッセージングサービス、検索サービス、メールサービス、コンテンツ提供サービス)を提供するシステムであってよい。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態における、コンピュータ装置の例を示したブロック図である。上述した複数の電子デバイス110、120、130、140それぞれやサーバ150、160それぞれは、図2に示されるコンピュータ装置200によって実現されてよい。例えば、コンピュータ装置200において、一実施形態に係るコンピュータプログラムがインストールおよび実行されてよく、コンピュータ装置200は、実行されるコンピュータプログラムの制御にしたがって本発明の実施形態に係るセキュアメッセージ提供方法を実行してよい。
【0028】
このようなコンピュータ装置200は、図2に示すように、メモリ210、プロセッサ220、通信インタフェース230、および入力/出力インタフェース240を含んでよい。メモリ210は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)、およびディスクドライブのような永続的大容量記録装置を含んでよい。ここで、ROMやディスクドライブのような永続的大容量記録装置は、メモリ210とは区分される別の永続的記録装置としてコンピュータ装置200に含まれてもよい。また、メモリ210には、オペレーティングシステムと少なくとも1つのプログラムコードとが記録されてよい。このようなソフトウェア構成要素は、メモリ210とは別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体からメモリ210にロードされてよい。このような別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、フロッピー(登録商標)ドライブ、ディスク、テープ、DVD/CD-ROMドライブ、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含んでよい。他の実施形態において、ソフトウェア構成要素は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体ではない通信インタフェース230を通じてメモリ210にロードされてもよい。例えば、ソフトウェア構成要素は、ネットワーク170を介して受信するファイルによってインストールされるコンピュータプログラムに基づいてコンピュータ装置200のメモリ210にロードされてよい。
【0029】
プロセッサ220は、基本的な算術、ロジック、および入出力演算を実行することにより、コンピュータプログラムの命令を処理するように構成されてよい。命令は、メモリ210または通信インタフェース230によって、プロセッサ220に提供されてよい。例えば、プロセッサ220は、メモリ210のような記録装置に記録されたプログラムコードにしたがって受信される命令を実行するように構成されてよい。
【0030】
通信インタフェース230は、ネットワーク170を介してコンピュータ装置200が他の装置(例えば、上述した記録装置)と互いに通信するための機能を提供してよい。一例として、コンピュータ装置200のプロセッサ220がメモリ210のような記録装置に記録されたプログラムコードにしたがって生成した要求や命令、データ、ファイルなどが、通信インタフェース230の制御にしたがってネットワーク170を介して他の装置に伝達されてよい。これとは逆に、他の装置からの信号や命令、データ、ファイルなどが、ネットワーク170を経てコンピュータ装置200の通信インタフェース230を通じてコンピュータ装置200に受信されてもよい。通信インタフェース230を通じて受信した信号や命令、データなどは、プロセッサ220やメモリ210に伝達されてよく、ファイルなどは、コンピュータ装置200がさらに含むことのできる記録媒体(上述した永続的記録装置)に記録されてよい。
【0031】
入力/出力インタフェース240は、入力/出力装置250とのインタフェースのための手段であってよい。例えば、入力装置は、マイク、キーボード、またはマウスなどの装置を含んでよく、出力装置は、ディスプレイやスピーカのような装置を含んでよい。他の例として、入力/出力インタフェース240は、タッチスクリーンのように入力と出力のための機能が1つに統合された装置とのインタフェースのための手段であってもよい。入力/出力装置250は、コンピュータ装置200と1つの装置で構成されてもよい。
【0032】
また、他の実施形態において、コンピュータ装置200は、図2の構成要素よりも少ないまたは多い構成要素を含んでもよい。しかしながら、大部分の従来技術的構成要素を明確に図に示す必要はない。例えば、コンピュータ装置200は、上述した入力/出力装置250のうちの少なくとも一部を含むように実現されてもよいし、トランシーバやデータベースなどのような他の構成要素をさらに含んでもよい。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態における、セキュアメッセージ提供方法が実行される環境の例を示した図である。図3は、第1ユーザの端末310、第2ユーザの端末320、およびメッセンジャーサーバ330を示している。ここで、第1ユーザの端末310および第2ユーザの端末320は、図1を参照しながら説明した複数の電子デバイス110、120、130、140のうちのいずれか1つに対応してよく、図2を参照しながら説明したコンピュータ装置200によって実現されてよい。同様に、メッセンジャーサーバ330は、図1を参照しながら説明したサーバ150に対応してよく、図2を参照しながら説明したコンピュータ装置200によって実現されてよい。
【0034】
図3では、第1ユーザの端末310がメッセンジャーサーバ330を経てセキュアメッセージおよびセキュリティ条件を第2ユーザの端末320に伝達する例を示している。より具体的な例として、メッセンジャーサーバ330が提供するメッセージングサービスによって第1ユーザのアカウントと第2ユーザのアカウントとの間の通信セッションが設定されてよく、第1ユーザの端末310は、このような通信セッションを介してセキュアメッセージおよびセキュリティ条件を第2ユーザの端末320に送信してよい。実際には、セキュアメッセージおよびセキュリティ条件を含むパケットがネットワーク170を介して伝達されてよい。
【0035】
ここで、セキュアメッセージは、第2ユーザの端末320が、第1ユーザの端末310で設定されたセキュリティ条件を満たす場合に、セキュアメッセージの内容が第2ユーザの端末320に表示されるように実現されてよい。このような実現は、第1ユーザの端末310および第2ユーザの端末320それぞれにおいてインストールおよび実行されるコンピュータプログラムの制御にしたがって行われてよい。例えば、第1ユーザの端末310においてインストールおよび実行されるコンピュータプログラムは、セキュアメッセージの生成時にセキュリティ条件を設定する機能を第1ユーザに提供するように実現されてよく、第2ユーザの端末320においてインストールおよび実行されるコンピュータプログラムは、セキュアメッセージに対応するセキュリティ条件が満たされている場合にセキュアメッセージを表示するように実現されてよい。このようなコンピュータプログラムは、メッセンジャーサーバ330が提供するメッセージングサービスのためのメッセンジャーアプリケーションであってよい。
【0036】
例えば、セキュリティ条件は、(1)第1ユーザの端末310で第1ユーザによって選択または入力されたテキスト、イメージ、オーディオ、および動画のうちの少なくとも1つの情報が第2ユーザの端末320で選択、入力、表示、または再生される第1条件、(2)第1ユーザの端末310で第1ユーザによって選択または入力された環境設定情報が第2ユーザの端末320で設定される第2条件、および(3)第1ユーザの端末310で第1ユーザによって選択または入力された地理的位置または場所に第2ユーザの端末320が位置する第3条件のうちの少なくとも1つの条件を含んでよい。
【0037】
上述したように、単にセキュリティキーを利用しながらメッセージを暗号化および復号化する技術は、メッセージを伝達する過程でメッセージをセキュアにするのには適するが、メッセージが既に受信および復号化されて表示済みのメッセージのセキュリティには適さない。これに対し、本実施形態では、第1ユーザと第2ユーザとが共有する特定のセキュリティ条件が満たされている間セキュアメッセージの内容が表示されるため、第2ユーザの端末320を第3ユーザが入手したとしても、セキュリティ条件が分からなければセキュアメッセージの内容を確認することはできない。
【0038】
セキュアメッセージの内容や形式は、セキュリティ条件の内容や形式とは関係なく、テキスト、イメージ、オーディオ、動画、顔文字などのように、一般的なメッセージングサービスで送受信可能なインスタントメッセージの内容や形式に対応してよい。例えば、第1ユーザは、メッセンジャーアプリケーションによって一般的なインスタントメッセージを作成した後、作成したインスタントメッセージをセキュアメッセージに切り換えるためにセキュリティ条件を設定してよい。これとは逆に、第1ユーザは、セキュリティ条件を設定した後にインスタントメッセージを作成してもよい。
【0039】
図4および図5は、本発明の一実施形態における、セキュリティ条件を設定するための機能を提供する例を示した図である。
【0040】
図4は、ユーザAとユーザBとの間のチャットルームをユーザBの観点から示したものである。例えば、図3のメッセンジャーサーバ330が提供するメッセージングサービスによってユーザAのアカウントとユーザBのアカウントとの間の通信セッションが設定される場合、ユーザAおよびユーザBのためのチャットルーム410が前記通信セッションに対応して生成されてよい。このようなチャットルーム410には、セキュリティ条件の設定のための機能を提供することのできるユーザインタフェース420が含まれてよい。
【0041】
例えば、図5に示すように、ユーザBがユーザインタフェース420を選択(一例として、タッチスクリーン環境でユーザインタフェース420が表示された領域をユーザBが指でタッチ)した場合、セキュリティ条件を設定するためのポップアップウィンドウ510がユーザBに提供されてよい。図5のポップアップウィンドウ510は、イメージ、音楽、輝度などのようにセキュリティ条件と関連する複数の種類が予め設定されてよく、ユーザBは、自身が希望する種類の値をポップアップウィンドウ510で設定してよい。例えば、イメージと関連する選択ボタン520は、ユーザBがセキュリティ条件として、自身の端末に格納されているイメージのうちから特定のイメージを選択することのできる機能を提供してよい。他の例として、音楽と関連する選択ボタン530は、ユーザBがセキュリティ条件として、自身の端末に格納されている音楽のうちから特定の音楽を選択することのできる機能を提供してよい。また他の例として、輝度と関連するバー540は、ユーザBがセキュリティ条件として、ディスプレイの輝度を設定することのできる機能を提供してよい。
【0042】
図5では、設定可能なセキュリティ条件の例として、イメージ、音楽、輝度という例示のみを説明しているが、実施形態によっては、地理的位置や接続したAP(Access Point)識別子、接続したWi-Fi(登録商標)識別子、設定されたメディアのボリューム、動画、特定のURLへの接続の可否などのように極めて多様な条件の設定が可能である。言い換えれば、セキュリティ条件は、ユーザAとユーザBとが共有することができて、ユーザBの設定によってユーザAの端末で該当のセキュリティ条件を満たしているかをユーザAの端末が認識可能な種類の条件であれば限定されることはない。より具体的な例として、同じ音楽であったとしても、該当の音楽のファイルが格納されているか、該当の音楽が再生されているか、該当の音楽が端末のマイクに入力されるかなどのように、ユーザBがユーザBの端末を利用してセキュリティ条件の詳細事項を設定することができて、ユーザAとユーザBとがセキュリティ条件の内容を共有することができて、ユーザAの端末が設定されたセキュリティ条件を満たしているかを読み取ることのできる条件であれば、本発明の実施形態に係るセキュリティ条件として利用可能である。
【0043】
さらに、セキュリティ条件は、送信しようとするメッセージに対して設定されてもよいが、送信済みのメッセージに対しても設定可能である。この場合、チャットルームに表示されていた従来のメッセージの内容は、設定されたセキュリティ条件が満たされる前には表示されないように変更されてよい。
【0044】
図6は、本発明の一実施形態における、セキュアメッセージを送信する例を示した図である。図6は、ユーザAが、セキュリティ条件が設定された内容「444」のセキュアメッセージ610を作成して送信することによってセキュアメッセージおよびセキュリティ条件がユーザBに伝達される例を示している。このとき、ユーザBのチャットルーム620には、セキュアメッセージ610の内容「444」の代わりに、セキュアメッセージ610が届いたことを知らせる通知情報630が表示されてよい。セキュアメッセージ610の内容「444」は、ユーザBの端末でセキュリティ条件が満たされる場合にユーザBのチャットルーム620に表示されてよい。例えば、セキュリティ条件が満たされる場合、セキュアメッセージ610の内容「444」が、通知情報630に代わって表示されてよい。セキュリティ条件が満たされない状態に再び戻った場合、通知情報630が、セキュアメッセージ610の内容「444」に代わって、再び表示されてよい。
【0045】
なお、通知情報630は、多様な方式で表現されてよい。例えば、通知情報630は、セキュアメッセージ610の内容を一部だけ表示する形態で表現されてもよいし、デフォルト設定されたテキストやイメージなどを表示する形態で表現されてもよい。より具体的な例として、ユーザBの端末においてインストールおよび実行されているメッセンジャーアプリケーションは、セキュアメッセージ610の内容「444」をイメージに変更した後、変更したイメージの全体ピクセルを基準としてランダムに選択された10%のピクセルだけを表示するようにユーザBの端末を制御してよい。
【0046】
このとき、セキュアメッセージ610は、ユーザBの端末のメッセンジャーアプリケーションによって生成および管理されるクライアントメッセージデータベース(DB)640において格納および管理されてよく、セキュリティ条件は、前記メッセンジャーアプリケーションまたはユーザBの端末によって生成および管理されるクライアントセキュア領域650において格納および管理されてよい。クライアントセキュア領域650は、ユーザBの認証によってアクセスできる領域であってよく、したがって、ユーザBではない他のユーザによるセキュリティ条件に対するアクセスを遮断することができる。言い換えれば、ユーザAとセキュリティ条件を共有しているユーザBではない他のユーザはセキュリティ条件を知ることができないため、他のユーザがユーザBの端末を入手したとしても、セキュアメッセージ610に対するセキュリティ条件が分からないことから、セキュアメッセージ610の内容「444」にアクセスすることはできない。
【0047】
図7は、本発明の一実施形態における、イメージによって設定されたセキュリティ条件にしたがってセキュアメッセージを表示する例を示した図である。図7は、ユーザBがセキュリティ条件として設定されたイメージと同じイメージ710をロードすることにより、ユーザBの端末においてインストールおよび実行されているメッセンジャーアプリケーションがイメージ710をチャットルーム620上に表示する例を示している。メッセンジャーアプリケーションは、イメージ710の位置をユーザBが制御することのできる機能を提供してよい。例えば、図7では、ユーザがイメージ710を指でタッチしてからドラッグすることによってイメージ710の位置が制御される例を示している。このとき、図7の実施形態では、イメージ710を、通知情報630が表示されている領域上にオーバレイさせることにより、オーバレイされた領域にセキュアメッセージ610の内容「444」が表示される例を示している。
【0048】
例えば、ユーザAおよびユーザBは、互いに認知しているイメージ710を予めセキュリティ条件として共有してよい。このとき、図5において、ユーザAは、ポップアップウィンドウ510の選択ボタン520によってイメージ710を選択してよい。この場合、セキュアメッセージ610およびイメージ710がユーザBに伝達されてよい。ユーザBがセキュリティ条件として送信されたイメージ710ではなく、ユーザBの端末に予め格納されていたイメージ710をチャットルーム620で提供される機能を利用して選択した場合、チャットルーム620上には、ユーザBが選択したイメージ710が表示されてよい。このとき、ユーザBが、イメージ710が表示される位置を調節してイメージ710を、通知情報630が表示されている領域上にオーバレイさせた場合、オーバレイされた領域にセキュアメッセージ610の内容のうちの少なくとも一部が表示されてよい。このために、ユーザBの端末においてインストールされたメッセンジャーアプリケーションは、クライアントセキュア領域650に格納されたセキュリティ条件をユーザBの端末が満たしているかをモニタリングしてよい。例えば、メッセンジャーアプリケーションは、イメージ710が選択された場合、クライアントセキュア領域650に格納されたイメージ710と選択されたイメージ710とを比較し、2つのイメージが同じである場合にイメージ710をチャットルーム620上に表示してよい。このとき、イメージの比較は計算量が大きいため、イメージをストリングの形態に変換し、ストリングの比較によってイメージが同じであるかを比較してもよい。
【0049】
実施形態によっては、ユーザBがイメージ710を選択してイメージ710をチャットルーム620上に表示すること自体が、セキュリティ条件を満たすと解釈されてもよい。例えば、ユーザBがチャットルーム620で提供される機能を利用してイメージ710を選択した場合、セキュアメッセージ610の内容「444」が、通知情報630に代わって表示されてよい。
【0050】
図8は、本発明の一実施形態における、ディスプレイの輝度によって設定されたセキュリティ条件にしたがってセキュアメッセージを表示する例を示した図である。図8は、セキュリティ条件として、ディスプレイのための特定の輝度値または輝度値の範囲が設定された場合の例を示している。例えば、輝度値の範囲が0~9までの値であり、図5に示すように、ポップアップウィンドウ510で輝度値6が設定されたと仮定する。この場合、ユーザBの端末のディスプレイの輝度値が6でない場合(一例として、図8の左側の例のように輝度値が8である場合)には、セキュリティ条件が満たされていないため、通知情報630が表示されてよい。ユーザBの端末のディスプレイの輝度値が6に調整された場合には、図8の右側の例のメッセージ810のように、セキュアメッセージ610の内容「444」が、通知情報630に代わって表示されてよい。
【0051】
図9は、本発明の一実施形態における、音楽によって設定されたセキュリティ条件にしたがってセキュアメッセージを表示する例を示した図である。図9は、上述したユーザBの端末の例910を示しており、このようなユーザBの端末にオーディオ入力装置としてマイクロフォン920が備えられた例を示している。図9は、セキュリティ条件として特定の音楽が設定された例を示している。このとき、ユーザBの端末は、メッセンジャーアプリケーションの制御にしたがってマイクロフォン920に保安条件として設定された音楽が入力されている間、メッセージ940に示したように、セキュアメッセージ610の内容「444」を、通知情報630に代えて表示してよい。マイクロフォン920に保安条件として設定された音楽が入力されない場合、メッセンジャーアプリケーションは、通知情報630を、セキュアメッセージ610の内容「444」に代えて再び表示し、セキュリティ条件が満たされている間はセキュアメッセージ610の内容「444」を表示してよい。このとき、セキュリティ条件として設定された音楽の入力において、ユーザBの端末がメッセンジャーアプリケーションの制御にしたがってセキュリティ条件として受信した音楽とマイクロフォン920から入力された音楽とを比較することによって識別されてよい。
【0052】
図10は、本発明の一実施形態における、AP識別子によって設定されたセキュリティ条件にしたがってセキュアメッセージを表示する例を示した図である。図10は、上述したユーザBの端末の例910を示しており、ユーザBの端末とAP1(1010)との接続がセキュリティ条件として設定された例を示している。例えば、図5を参照しながら説明したポップアップウィンドウ510では、ユーザAが、ユーザAの端末と接続または接続履歴のあるAPのうちから1つを選択することのできる機能が提供されてよい。このとき、ユーザAがAP1(1010)を選択した場合、AP1(1010)の識別子がセキュリティ条件としてユーザBに提供されてよい。この場合、ユーザBの端末においてインストールおよび実行されているメッセンジャーアプリケーションは、ユーザBの端末がAP1(1010)に接続した場合(一例として、ユーザBの端末が接続したAPの識別子がAP1(1010)の識別子である場合)に、セキュアメッセージ610の内容「444」を表示してよい。図10では、ユーザBの端末がAP1(1010)に接続することにより、メッセンジャーアプリケーションが、メッセージ1020に示したようにセキュアメッセージ610の内容「444」を、通知情報630に代えて表示する例を説明している。ユーザBの端末とAP1(1010)との接続が切れた場合には、通知情報630が再び表示されてよい。
【0053】
図11は、本発明の一実施形態における、地理的位置によって設定されたセキュリティ条件にしたがってセキュアメッセージを表示する例を示した図である。図11は、上述したユーザBの端末の例910を示しており、セキュリティ条件としてユーザBの端末が特定の場所A(1110)に位置する条件が設定された例を示している。一例として、特定の場所A(1110)は、特定のGPS座標であってもよいし、特定のGPS座標を中心とする予め定められた範囲の領域であってもよい。または、図10と同じように、AP1(1010)と接続可能な範囲を場所A(1110)として設定してもよい。また他の例として、特定の場所A(1110)は、行政区域や特定の建物周辺(該当の建物から予め設定された範囲内の領域)などに設定されてもよい。このとき、ユーザBの端末においてインストールおよび実行されているメッセンジャーアプリケーションは、ユーザBの端末が、セキュリティ条件として設定された場所A(1110)内に位置すると判定された場合を、セキュリティ条件を満たすと判定してよく、メッセージ1120に示したようにセキュアメッセージ610の内容「444」を、通知情報630に代えて表示してよい。ユーザBの端末が場所A(1110)を離れたと判定された場合には、通知情報630が再び表示されてよい。
【0054】
このような実施形態は一例に過ぎず、ビジネス事業者のメッセンジャーアカウントと一般ユーザのメッセンジャーアカウントとに対して設定された通信セッションを介してメッセージを送信する過程にも適用可能である。例えば、ビジネス事業者がセキュリティ条件としてビジネス事業者の売場にユーザCの端末が位置することを条件として含み、クーポンを内容とするセキュアメッセージをユーザCに送信することができる。この場合、ユーザCがビジネス事業者の売場に入った場合(一例として、ユーザCの端末が売場に位置したり、ユーザCの端末と売場のAPとが接続したりする場合)には、ユーザCの端末のチャットウィンドウにクーポンが表示されてよい。
【0055】
図12は、本発明の一実施形態における、送信側のセキュアメッセージ提供方法の例を示したフローチャートである。本実施形態に係るセキュアメッセージ提供方法は、セキュアメッセージの送信側の端末を実現するコンピュータ装置200によって実行されてよい。例えば、コンピュータ装置200のプロセッサ220は、メモリ210が含むオペレーティングシステムのコードや、少なくとも1つのプログラムのコードによる制御命令を実行するように実現されてよい。ここで、プロセッサ220は、コンピュータ装置200に記録されたコードが提供する制御命令にしたがってコンピュータ装置200が図12のセキュアメッセージ提供方法に含まれる段階1210~1240を実行するようにコンピュータ装置200を制御してよい。
【0056】
段階1210において、コンピュータ装置200は、メッセンジャーサーバが提供するメッセージングサービスによって第1ユーザのアカウントおよび第2ユーザのアカウントの間の通信セッションを設定してよい。本実施形態では、第1ユーザはセキュアメッセージの送信側であり、第2ユーザはセキュアメッセージの受信側であると仮定する。ここで、通信セッションはチャットルームに対応してよく、第1ユーザおよび第2ユーザに提供されるチャットルームに入力されるメッセージが前記通信セッションを介して送受信されてよい。
【0057】
段階1220において、コンピュータ装置200は、通信セッションを介して送信しようとするセキュアメッセージに対するセキュリティ条件を設定するユーザインタフェースを提供してよい。一例として、ユーザインタフェースは、図5を参照しながら説明したポップアップウィンドウ510に対応してよいが、これに限定されることはない。例えば、上述した多様な実施形態のうちの少なくとも1つのセキュリティ条件を第1ユーザが設定することのできるインタフェースであれば、制限なく多様に利用可能である。
【0058】
上述したように、セキュリティ条件は、(1)第1ユーザの端末で第1ユーザによって選択または入力されたテキスト、イメージ、オーディオ、および動画のうちの少なくとも1つの情報が第2ユーザの端末で選択、入力、表示、または再生される第1条件、(2)第1ユーザの端末で第1ユーザによって選択または入力された環境設定情報が第2ユーザの端末で設定される第2条件、および(3)第1ユーザの端末で第1ユーザによって選択または入力された地理的位置または場所に第2ユーザの端末が位置する第3条件のうちの少なくとも1つの条件を含んでよい。
【0059】
段階1230において、コンピュータ装置200は、ユーザインタフェースを利用して第1ユーザによって設定されたセキュリティ条件を確認してよい。上述したように、図12で説明するユーザインタフェースは、図5を参照しながら説明したポップアップウィンドウ510のように、セキュリティ条件を設定することのできる機能を第1ユーザに提供してよい。
【0060】
段階1240において、コンピュータ装置200は、第2ユーザの端末が、設定されたセキュリティ条件を満たしている間、セキュアメッセージが第2ユーザの端末で表示されるように、通信セッションを介してセキュアメッセージおよび設定されたセキュリティ条件を第2ユーザの端末に送信してよい。
【0061】
一実施形態として、コンピュータ装置200は、段階1230において、セキュリティ条件として第1ユーザによって選択または入力されたイメージを確認してよい。この場合、コンピュータ装置200は、段階1240において、確認されたイメージが第2ユーザの端末で選択または入力されてユーザインタフェースに表示されている間、セキュアメッセージが第2ユーザの端末で表示されるように、通信セッションを介してセキュアメッセージおよび確認されたイメージを第2ユーザの端末に送信してよい。一例として、図7では、このようなイメージによってセキュアメッセージを表示する例について説明した。
【0062】
他の実施形態では、コンピュータ装置200は、段階1230において、セキュリティ条件として第1ユーザによって選択または入力されたディスプレイの輝度値または輝度値の範囲を確認してよい。この場合、コンピュータ装置200は、段階1240において、第2ユーザの端末のディスプレイの輝度値が確認された輝度値または輝度値の範囲に対応する間、セキュアメッセージが第2ユーザの端末で表示されるように、通信セッションを介してセキュアメッセージおよび選択または入力された輝度値または輝度値の範囲を第2ユーザの端末に送信してよい。このような輝度値を利用する例については、図8を参照しながら説明した。
【0063】
また他の実施形態として、コンピュータ装置200は、段階1230において、セキュリティ条件として第1ユーザによって選択または入力されたオーディオデータを確認してよい。この場合、コンピュータ装置200は、段階1240において、確認されたオーディオデータが、第2ユーザの端末が備えるオーディオ入力装置に入力されている間、セキュアメッセージが第2ユーザの端末で表示されるように、通信セッションを介してセキュアメッセージおよび確認されたオーディオデータを第2ユーザの端末に送信してよい。例えば、図9では、セキュリティ条件として入力された音楽が、マイクロフォン920に入力されている間、セキュアメッセージの内容を表示する例について説明した。
【0064】
上述した実施形態の他にも、特定のカラーやメディアボリューム、着信音のボリューム、地理的位置、環境設定情報、ネットワーク状態などのような様々な種類のセキュリティ条件が設定および利用可能であることは、当業者であれば、上述した内容から容易に理解することができるであろう。なお、どの種類のセキュリティ条件を設定するかに応じてセキュリティの強度が異なってもよい。例えば、イメージや音楽を使用するセキュリティ条件は、ディスプレイの輝度を使用するセキュリティ条件よりもセキュリティの強度が相対的に高くなってよい。また、同じセキュリティ条件を使用したとしても、ユーザに応じてセキュリティの強度が相対的に異なってもよい。例えば、同じ位置をセキュリティ条件として使用したとしても、ユーザの該当の位置に対する接近性に応じてセキュリティの強度を異なるようにしてよい。
【0065】
図13は、本発明の一実施形態における、受信側のセキュアメッセージ提供方法の例を示したフローチャートである。本実施形態に係るセキュアメッセージ提供方法は、セキュアメッセージの受信側の端末を実現するコンピュータ装置200によって実行されてよい。例えば、コンピュータ装置200のプロセッサ220は、メモリ210が含むオペレーティングシステムのコードや、少なくとも1つのプログラムのコードによる制御命令を実行するように実現されてよい。ここで、プロセッサ220は、コンピュータ装置200に記録されたコードが提供する制御命令にしたがってコンピュータ装置200が図13のセキュアメッセージ提供方法に含まれる段階1310~1340を実行するようにコンピュータ装置200を制御してよい。
【0066】
段階1310において、コンピュータ装置200は、メッセンジャーサーバが提供するメッセージングサービスによって第1ユーザのアカウントおよび第2ユーザのアカウントの間の通信セッションを設定してよい。このような段階1310は、図12を参照しながら説明した段階1210に対応してよい。
【0067】
段階1320において、コンピュータ装置200は、設定された通信セッションを介して第1ユーザの端末からセキュアメッセージおよび第1ユーザの端末で設定されたセキュリティ条件を受信してよい。例えば、段階1320は、図12の段階1240で送信されるセキュアメッセージおよびセキュリティ条件を受信する過程であってよい。
【0068】
上述したように、セキュリティ条件は、(1)第1ユーザの端末で第1ユーザによって選択または入力されたテキスト、イメージ、オーディオ、および動画のうちの少なくとも1つの情報が第2ユーザの端末で選択、入力、表示、または再生される第1条件、(2)第1ユーザの端末で第1ユーザによって選択または入力された環境設定情報が第2ユーザの端末で設定される第2条件、および(3)第1ユーザの端末で第1ユーザによって選択または入力された地理的位置または場所に第2ユーザの端末が位置する第3条件のうちの少なくとも1つの条件を含んでよい。
【0069】
このとき、コンピュータ装置200は、受信したセキュアメッセージを第2ユーザの端末のメッセージデータベースに格納し、セキュリティ条件を第2ユーザの端末のセキュア領域に格納してよい。
【0070】
段階1330において、コンピュータ装置200は、第2ユーザの端末が、受信したセキュリティ条件を満たしているかを判定してよい。
【0071】
一実施形態として、セキュリティ条件は、第1ユーザの端末で第1ユーザによって選択または入力されたイメージを含んでよい。この場合、コンピュータ装置200は、段階1330において、セキュリティ条件が含むイメージと同じイメージが第2ユーザの端末でユーザインタフェースの機能を利用して選択または入力されてユーザインタフェースに表示されている間、受信したセキュリティ条件を満たしていると判定してよい。図13で説明するユーザインタフェースは、第2ユーザの端末においてインストールおよび実行されるメッセンジャーアプリケーションの制御にしたがって第2ユーザの端末で提供されるチャットルームに対応してよい。実施形態によっては、図7を参照しながら説明したように、コンピュータ装置200は、イメージのオーバレイによってセキュアメッセージの内容のうちの少なくとも一部を表示してもよい。例えば、コンピュータ装置200は、セキュアメッセージと連係する第1領域をユーザインタフェースに設定してよい。この場合、コンピュータ装置200は、段階1330において、ユーザインタフェースの機能を利用して選択または入力されたイメージをユーザインタフェースに表示してよく、ユーザインタフェースに表示されたイメージに対する第2ユーザの入力に基づいて、イメージが表示される第2領域の位置を調節してよい。このとき、コンピュータ装置200は、第2領域が第1領域上にオーバレイされる第3領域にセキュアメッセージの内容のうちの少なくとも一部を表示してよい。この場合にも、ユーザインタフェースの機能を利用して選択または入力されたイメージが、セキュリティ条件が含むイメージと同じイメージである場合に、セキュアメッセージの内容のうちの少なくとも一部が表示されてよい。
【0072】
他の実施形態として、セキュリティ条件は、第1ユーザの端末で第1ユーザによって選択または入力されたディスプレイの輝度値または輝度値の範囲を含んでよい。この場合、コンピュータ装置200は、段階1330において、第2ユーザの端末のディスプレイの輝度値が、セキュリティ条件が含む輝度値または輝度値の範囲に対応している間、受信したセキュリティ条件が満たされていると判定してよい。このような実施形態については、図8を参照しながら説明した。
【0073】
また他の実施形態として、セキュリティ条件は、第1ユーザの端末で第1ユーザによって選択または入力されたオーディオデータを含んでよい。この場合、コンピュータ装置200は、段階1330において、セキュリティ条件が含むオーディオデータが、第2ユーザの端末が含むオーディオ入力装置に入力されている間、受信したセキュリティ条件が満たされていると判定してよい。例えば、図9では、セキュリティ条件が含む音楽がマイクロフォン920に入力されている間、セキュアメッセージの内容を表示する例について説明した。
【0074】
上述した実施形態の他にも、特定のカラーやメディアボリューム、着信音のボリューム、地理的位置、環境設定情報、ネットワーク状態などのような様々な種類のセキュリティ条件が設定および利用可能であることは、当業者であれば、上述した内容から容易に理解することができるであろう。
【0075】
段階1340において、コンピュータ装置200は、受信したセキュリティ条件が満たされている間、設定された通信セッションに対応するユーザインタフェースにセキュアメッセージの内容を表示してよい。上述したように、コンピュータ装置200は、受信したセキュリティ条件が満たされない場合、セキュアメッセージを受信したことに対する通知情報をユーザインタフェースに表示してよい。この場合、セキュリティ条件が満たされている間には、セキュアメッセージの内容を、このような通知情報に代えてユーザインタフェースに表示してよい。
【0076】
なお、通知情報は、デフォルトで予め設定されてもよいが、通知情報を第1ユーザが直接設定してもよい。例えば、第1ユーザは、通知情報として表示するためのテキスト、イメージ、動画のような情報を第1ユーザの端末から送信してよく、コンピュータ装置200は、セキュリティ条件が満たされない場合に、第1ユーザの端末から受信した通知情報を、セキュアメッセージの内容の代わりにユーザインタフェースに表示してよい。例えば、デフォルト設定された通知情報の代わりに、「^-^」のように、第1ユーザと第2ユーザとの間で予め設定された顔文字や予め設定された絵文字などを通知情報として表示することにより、第1ユーザおよび第2ユーザ以外の他のユーザには該当のメッセージがセキュアメッセージであることを気付かせないようにすることも可能である。
【0077】
以上のように、本発明の実施形態によると、メッセージングサービスによってユーザ同士が送受信するセキュアメッセージに対し、第1ユーザ側で設定したセキュリティ条件を第2ユーザ側で満たしている間、セキュアメッセージの内容を確認できるように制限することにより、セキュアメッセージの内容を保護することができる。
【0078】
上述したシステムまたは装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、またはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組み合わせによって実現されてよい。例えば、実施形態で説明された装置および構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、FPGA(field programmable gate array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、または命令を実行して応答することができる様々な装置のように、1つ以上の汎用コンピュータまたは特殊目的コンピュータを利用して実現されてよい。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)およびOS上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行してよい。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答し、データにアクセスし、データを記録、操作、処理、および生成してもよい。理解の便宜のために、1つの処理装置が使用されるとして説明される場合もあるが、当業者は、処理装置が複数個の処理要素および/または複数種類の処理要素を含んでもよいことが理解できるであろう。例えば、処理装置は、複数個のプロセッサまたは1つのプロセッサおよび1つのコントローラを含んでよい。また、並列プロセッサのような、他の処理構成も可能である。
【0079】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、またはこれらのうちの1つ以上の組み合わせを含んでもよく、思うままに動作するように処理装置を構成したり、独立的または集合的に処理装置に命令したりしてよい。ソフトウェアおよび/またはデータは、処理装置に基づいて解釈されたり、処理装置に命令またはデータを提供したりするために、いかなる種類の機械、コンポーネント、物理装置、コンピュータ記録媒体または装置に具現化されてよい。ソフトウェアは、ネットワークに接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された状態で記録されても実行されてもよい。ソフトウェアおよびデータは、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。
【0080】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段によって実行可能なプログラム命令の形態で実現されてコンピュータ読み取り可能な媒体に記録されてよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含んでよい。媒体に記録されるプログラム命令は、実施形態のために特別に設計されて構成されたものであってもよいし、コンピュータソフトウェア当業者に公知な使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例は、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を記録して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含む。このような記録媒体は、単一または複数のハードウェアが結合した形態の多様な記録手段または格納手段であってよく、あるコンピュータシステムに直接接続する媒体に限定されることはなく、ネットワーク上に分散されて存在するものであってもよい。プログラム命令の例は、コンパイラによって生成されるもののような機械語コードだけではなく、インタプリタなどを使用してコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。
【0081】
以上のように、実施形態を、限定された実施形態および図面に基づいて説明したが、当業者であれば、上述した記載から多様な修正および変形が可能であろう。例えば、説明された技術が、説明された方法とは異なる順序で実行されたり、かつ/あるいは、説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が、説明された方法とは異なる形態で結合されたりまたは組み合わされたり、他の構成要素または均等物によって対置されたり置換されたとしても、適切な結果を達成することができる。
【0082】
したがって、異なる実施形態であっても、特許請求の範囲と均等なものであれば、添付される特許請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0083】
310:第1ユーザの端末
320:第2ユーザの端末
330:メッセンジャーサーバ
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