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  • 特許-自動車のサスペンションストップ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】自動車のサスペンションストップ
(51)【国際特許分類】
   B60G 11/16 20060101AFI20240119BHJP
   F16J 15/16 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
B60G11/16
F16J15/16 A
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019136673
(22)【出願日】2019-07-25
(65)【公開番号】P2020033004
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-07-22
(31)【優先権主張番号】1856939
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507018894
【氏名又は名称】エヌテエヌ ユロップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ボノデ オーレリアン
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-531772(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0308555(US,A1)
【文献】国際公開第2016/030638(WO,A1)
【文献】特開2017-125598(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0243915(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 1/00-99/00
F16J 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部カップ(1)と下部カップ(2)とを含み、
前記上部カップと前記下部カップとは、
軸(A)を中心に相対回転するように嵌め込められ、
その間に少なくとも1つの環状チャンバ(6)を形成するように配置され、
前記環状チャンバは、
前記上部カップと前記下部カップとのそれぞれからの2つの壁(1a、2a)によって横方向に画定され、
前記壁(1a、2a)のそれぞれのベアリング面(1b、2b)の間に形成された外側セクション(6e)を有する
自動車のサスペンションストップであって、
外側シール要素(8e)を備え、
前記外側シール要素は、
2つの相補的なベアリング面(13)を有し、
安定位置と応力位置との間で前記外側セクション(6e)内を移動可能なように嵌め込められ、
前記安定位置において、前記相補的なベアリング面は、前記外側セクションの前記ベアリング面(1b、2b)から距離を置いて配置され、
前記応力位置において、前記相補的なベアリング面は、前記ベアリング面のそれぞれに対して押し付けられて、その境界面における前記外側セクション(6e)のシールを確実にし、
前記外側セクション(6e)は下方に向けられ、前記外側シール要素(8e)は前記応力位置に持ち上げられる
ことを特徴とするサスペンションストップ。
【請求項2】
前記ベアリング面(1b、2b)と前記相補的なベアリング面(13)とのうちの一方が実質的に平坦であり、
前記ベアリング面(1b、2b)と前記相補的なベアリング面(13)のうちの他方が湾曲していることを特徴とする請求項1に記載のサスペンションストップ。
【請求項3】
少なくとも1つのベアリング面(2b)が、ハウジング(14)によって境界付けられており、
前記ハウジング内で、外側シール要素(8e)が外側セクション(6e)内で安定した位置に保持されていることを特徴とする請求項1または2に記載のサスペンションストップ。
【請求項4】
前記外側シール要素(8e)は、前記相補的なベアリング面(13)が形成されるシール面(15)を有することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のサスペンションストップ。
【請求項5】
前記シール面(15)は、両側に湾曲した相補的なベアリング面(13)を形成する凸形状を有することを特徴とする請求項に記載のサスペンションストップ。
【請求項6】
前記外側シール要素(8e)は、前記シール面(15)の反対に支持面(18)を有することを特徴とする請求項4または5に記載のサスペンションストップ。
【請求項7】
前記支持面(18)が凹形状を有することを特徴とする請求項に記載のサスペンションストップ。
【請求項8】
前記外側セクション(6e)は、カップ(1、2)それぞれの2つの壁(1c、2c)の間に形成される開口部(16)を有し、
前記壁はその間に、前記開口部の減少したバッフルクリアランス(17)を形成することを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のサスペンションストップ。
【請求項9】
前記壁(1c、2c)は、実質的に半径方向に延びて、前記外側シール要素(8e)を取り囲む軸方向クリアランス(17)を形成することを特徴とする請求項に記載のサスペンションストップ。
【請求項10】
前記開口部(16)は、前記外側シール要素(8e)の軸方向下方に位置することを特徴とする請求項8または9に記載のサスペンションストップ。
【請求項11】
前記チャンバ(6)は、前記カップ(1、2)の前記壁(1a、2a)の間に配置された内側シール要素(8i)を備えた内側セクション(6i)を有することを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載のサスペンションストップ。
【請求項12】
壁(2a)は、前記内側シール要素(6i)のクラウン(10)が配置される環状溝(9)を有し、
前記内側シール要素は、他の壁(1a)と相互作用するためのセグメント(11)を有することを特徴とする、請求項11に記載のサスペンションストップ。
【請求項13】
前記クラウン(10)は、前記溝(9)と軸方向および/または半径方向クリアランス(12)を形成し、前記溝内での前記クラウンの変位を可能にすることを特徴とする、請求項12に記載のサスペンションストップ。
【請求項14】
前記外側シール要素(8e)およびあるならば前記内側シール要素(8i)は、剛性熱可塑性材料から作製されることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載のサスペンションストップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のサスペンションストップに関し、特に、自動車の駆動輪の伸縮式サスペンション支柱に一体化されるように設計された自動車のサスペンションストップに関する。
【0002】
本発明は、車両の車体に接続されるように設計された上部固定カップと、サスペンションばね用のベアリングを含む下部回転カップと、これらのカップの相対回転を可能にするようにこれらのカップの間に配置された転動体とを含むサスペンションストップに適用される。一変形例でカップは、カップ間に摩擦ワッシャを介在させて、または介在させずに、滑らかに相対的に回転するように嵌め込まれることができる。
【0003】
本発明は特に、シール要素が配置された少なくとも1つの環状チャンバをカップ間に形成するようにカップが配置され、一方ではカップ間の空間に設けられた潤滑剤の漏れを防止し、他方では外部からの汚染物質による前記空間の汚染を防止するようにカップが配置された、そのようなサスペンションストップに適用される。
【背景技術】
【0004】
これを達成するために、シールチャンバ内にこの目的のために形成された環状溝内に嵌め込まれた環状クラウンの形にシール要素を設けることが知られている。
【0005】
文献WO2009/019340号は、各カップと摩擦接触するようにシールチャンバ内に配置され、少なくとも1つのカップに対して移動可能に嵌め込まれた密封要素を提案している。したがって、加えられた応力の影響からサスペンションストップが変形した場合であっても、シール機能と誘発トルクとの間の妥協が特に満足のいく形で得られる。
【0006】
しかしながら、サスペンションストップは、特に車両が泥だらけおよび/または水溜りだらけの地面上を悪天候で使用される場合、外部汚染物質の投射、例えば水および/または泥の噴流を受ける可能性がある。
【0007】
この場合、汚染物質はシール要素に対して高速で投射され得、移動可能なシール要素がシールチャンバ内での変位をすることがあり、それによって、摩擦接触が破壊され、汚染物質のシールチャンバ内への侵入が引き起こされる。
【0008】
このような投射は特に、サスペンションストップの試験段階中に、加圧液体の噴流をシールチャンバの開口部に当てることによってシミュレートされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、特に密封が改善されるサスペンションストップを提案することによって、特に汚染物質のこのような噴流が当たることからチャンバを保護することによって、先行技術を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのために、本発明は自動車のサスペンションストップを提案し、前記サスペンションストップは、上部カップと下部カップとを含み、前記上部カップと前記下部カップとは、軸を中心に相対回転するように嵌め込められ、その間に少なくとも1つの環状チャンバを形成するように配置され、前記環状チャンバは、前記上部カップと前記下部カップとのそれぞれからの2つの壁によって横方向が画定され、前記壁のそれぞれのベアリング面の間に形成された外側セクションを有し、前記サスペンションストップは、外側シール要素を備え、前記外側シール要素は、2つの相補的なベアリング面を有し、安定位置と応力位置との間で前記外側セクション内を移動可能なように嵌め込められ、前記安定位置において、前記相補的なベアリング面は、前記外側セクションの前記ベアリング面から距離を置いて配置され、前記応力位置において、前記相補的なベアリング面は、前記外側シール要素に凭れ掛ることにより、前記ベアリング面のそれぞれに対して押し付けられて、その境界面における前記外側セクションのシールを確実にする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の他の特徴および利点は、添付の他を参照してなされる以下の説明において与えられる。
図1】本発明の一実施形態に係るサスペンションストップの軸方向断面図である。
図1a】シールチャンバの右側を中心とする図1の拡大部分図である。
図1b】前記シールチャンバの外側セクションをより詳細に示す、図1aの部分拡大図である。
図2】本発明の別の一実施形態に係るサスペンションストップについての、図1aと同様の図である。
図3a】本発明の別の一実施形態に係るよるサスペンションストップについての、図1aおよび図2と同様の図である。
図3b図1bと同様の、図3aのゾーンBの部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では、空間内の位置に使用される用語が、サスペンションストップの回転軸A(図1では垂直)を基準にして与えられる。特に、用語「内部」は前記軸Aに近い配置に関連し、用語「外部」は前記軸Aから距離を置いた配置に関連する。さらに、用語「上部」および「下部」は図に表されるサスペンションストップの配置に関連し、用語「内側」および「外側」は、ストップの内部に対する配置に関連する。
【0013】
自動車のホイール、特に駆動ホイールは、地面に対する車体のサスペンションを可能にするサスペンションストラットによってシャーシに取り付けられる。この目的のために、サスペンションストラットは一般に、ショックアブソーバ、サスペンションばね、ならびに、ばねが直接または間接的に支持するサスペンションストップを備える。
【0014】
図面を参照すると、特に濾過ユニットを介して車両の車体に接続されるように設計された固定上部カップ1と、サスペンションばねのための支持体3を含む回転下部カップ2とを備え、前記カップは軸Aの周りに相対的に回転するように嵌め込まれるサスペンションストップが以下に説明される。したがって、ばねが圧縮されて戻り止めに引っ張られると、ばねのコイルのそれ自体への巻き付けが変更され、それによって下部カップ2の回転が引き起こされる。さらに、車輪の回転はまた、下部カップ2の回転を引き起こす。
【0015】
公知の方法ではサスペンションストップが、軸Aを中心とする相対回転を可能にするようにカップ間に配置された転動体を備えることができる。これを達成するために、上部カップ1および下部カップ2はそれぞれ、転動体のための下部および上部ローラトラックをそれぞれ備える(特に打ち抜き板金から作られた)ワッシャを備えることができる。一変形例では、カップ1、2はカップ間に摩擦ワッシャを介在させて、または介在させずに、滑らかに相対的に回転するように嵌め込められ得る。
【0016】
サスペンションストップはまた、2つのカバー部品、特に、例えばポリアミド6.6から作られた剛性熱可塑性材料を成形することによって作られた、2つのカバー部品を含む。これらの部品はそれぞれ、シャーシと前記上部ワッシャとの間に挿入されるように上部ワッシャに接続されたカバー4と、下部ワッシャの下に接続された支持体5とであり、前記支持体はばね支持体3を含む。これらのカバー部品4、5は、特にバネ力の、および場合によってはバンプストップのバネ力のリカバリーを可能にする。
【0017】
カップ1、2はカップ間に少なくとも1つの環状チャンバ6を形成するように配置され、環状チャンバ6は前記カップの1つがそれぞれ有する2つの壁1a、2aによって横方向に画定される。
【0018】
図示の実施形態で、カバー4は、軸方向外部壁1aがその上に延在する環状外部スカート7と、前記スカートの軸方向外部壁1aと共に環状シールチャンバ6を画定する軸方向外部壁2aを有する支持体5とを備える。
【0019】
特に、環状チャンバ6は、上部カップ1に対する下部カップ2の回転をカップ間の干渉なしに可能にするように、半径方向クリアランスを提供する。
【0020】
一方ではカップ1、2の間の空間に設けられた潤滑剤の漏れを防止し、他方では外部汚染物質による前記空間の汚染を防止するために、少なくとも1つのシール要素8i、8eが環状チャンバ6内に配置されている。
【0021】
一実施形態によれば、チャンバ6は、シール要素8i、8eによって提供されるシール効果を改善するために粘性物質を含むことができる。特に、この物質は、チャンバ6内のシール要素8i、8eを変位させるための潤滑機能も有することができる。
【0022】
図において、チャンバ6は、カップ1、2の壁1a、2aの間に配置された内側シール要素8iを備えた内側セクション6iを有する。
【0023】
有利な様式では、内側シール要素8iがカップ1、2の各々に対して可動であるように嵌め込められ、これにより、加えられた応力の影響からサスペンションストップが変形した場合であっても、シール機能と誘発トルクとの間の特に満足のいく妥協を達成することが可能になる。
【0024】
別の実施形態によれば、内側シール要素8iは、要素8i、8eのシール機能を改善するために、カップ1、2と摩擦接触することができる。
【0025】
軸方向壁1a、2aの一方は、内側シール要素8iのクラウン10が配置される環状溝9を有し、前記内側シール要素は、他方の壁1a、2aと相互作用するセグメント11を有する。
【0026】
図示の実施例では、環状溝9は下部カップ2の軸方向壁2aに形成されている。一変形例では、溝9が上部カップ1の軸方向壁1aに形成され得る。
【0027】
クラウン10は溝9と軸方向及び/又は半径方向クリアランス12を形成し、前記溝内で前記クラウンの自由な変位を可能にする。これを達成するために、クラウン10は特に、減少した半径方向及び/又は軸方向寸法を有する溝9の幾何学的形状と相補的な幾何学的形状を有することができる。
【0028】
図示の実施形態では、クラウン10が溝9と共に、前記クラウンと前記溝との間の境界でU字形に延びるクリアランス12を形成し、したがって、シールバッフルを形成する。
【0029】
溝9およびクラウン10は、それぞれ、シールバッフルの良好な有効性を保証するのに十分な大きさの半径方向の深さおよび長さを有する。さらに、相互作用セグメント11は、外部カップ1の軸方向壁1aに半径方向に凭れ掛る。
【0030】
車両が泥だらけおよび/または水溜りだらけの地面上を悪天候で使用される場合、水および/または泥の噴流はシール要素8iに対して高速で投射され得、シール要素8iは、移動可能なために、摩擦接触の破壊を引き起こすシールチャンバ6内での変位をすることがあり、その結果、前記汚染物質が前記チャンバ内に侵入することがある。
【0031】
シール要素8iを外部汚染物質のこのような投射から保護するために、シールチャンバ6は、それぞれ1つの壁1a、2aのベアリング面1b、2bの間に形成され、外側シール要素8eが配置された外側セクション6eを有する。
【0032】
図示の実施形態では、シール要素8i、8eは両方とも環状の幾何学的形状を有する。さらに、シール要素8i、8eは、特に剛性熱可塑性材料、例えば、ポリオキシメチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド6、6.6、11または12から作られる。
【0033】
外側シール要素8eは、2つの相補的なベアリング面13が形成されるシール面15を有し、相補的なベアリング面13がベアリング面1b、2bから距離を置いて配置される安定位置と、(特に外部汚染物質の噴流によって)前記外側シール要素8eに凭れ掛ることからの応力位置との間で、外側セクション6eにおいて移動可能であるように嵌め込められる。応力位置で、相補的なベアリング面13は、ベアリング面1b、2bのうちの1つにそれぞれ押し付けられて、その境界面における外側セクション6eのシールを確実にする。
【0034】
したがって、図に示すように、外部汚染物質の投射がない場合、外側シール要素8eはサスペンションストップのための追加の摩擦トルクを誘発しないように、カップ1,2のうちの1つのみと接触する。さらに、安定位置にあるシール要素8eはチャンバ6内に追加のシールバッフル形成し、これは、前記チャンバのシールをさらに改善する。
【0035】
外部汚染物質の投射が外側シール要素8eに当たると、前記要素は、応力位置に変位されて、シール接触を形成し、外部汚染物質の前記投射に対する障壁を形成する。
【0036】
さらに、汚染物質の投射後、要素8eはもはや応力を受けず、次いで安定位置に戻り、それにより、ベアリング面1a、2aと相補的なベアリング面13との間のシール接触を破壊することが可能になり、したがって、2つの投射間に摩擦トルクを誘発しない。さらに、汚染物質が外側セクション6eを越えて通過する場合、前記要素を安定位置に戻すことにより、これらの潜在的な汚染物質がチャンバ6の外側に流れることが可能になる。
【0037】
図示の実施形態では、外側セクション6eが下方に向けられ、シール要素8eは応力位置に持ち上げられる。したがって、シール要素8eの安定位置への復帰は、重力によって行われる。
【0038】
少なくとも1つのベアリング面1b、2bはハウジング14によって境界付けられ、ハウジング14内では、シール要素8eがその変位を制限しながら、前記要素の外側セクション6e内でのセンタリングを確実にするために、外側セクション6e内の安定位置に保持される。図において、ハウジング14は、下部カップ2の軸方向壁2aに形成され、ベアリング面2bの下方に延びている。また、スカート7の自由端には、他方のベアリング面1bが形成されている。
【0039】
図1bおよび図3bに関して、ベアリング面1b、2bは、それぞれ、角度θ、θだけ、回動軸Aに対して傾斜している。好適な態様では、角度θ、θが実質的にθ=-θとなり、これにより、ベアリング面1b、2bの各々における相補的なベアリング面13のそれぞれの支持間の対称性を確実にすることができる。
【0040】
ベアリング面1b、2bと相補的なベアリング面13との一方は実質的に平坦であり、ベアリング面1b、2bと相補的なベアリング面13との他方は湾曲している。したがって、要素8eが応力位置にあるとき、円錐台面に対して円環面を押し付けることによって、シールが確実にされる。特に、要素8eは、ベアリング面1b、2bおよび相補的なベアリング面13が互いに押し付けられる点で変位できるようにわずかに変形可能であってもよい。
【0041】
図1図1a、図1b及び図2において、ベアリング面1b、2bが実質的に平坦であり、相補的なベアリング面13が湾曲している。特に、シール面15は、両側に湾曲した相補的なベアリング面13を形成するように凸形状を有する。
【0042】
図3aおよび図3bでは、ベアリング面1b、2bが湾曲しており、相補的なベアリング面13が実質的に平坦である。
【0043】
外側セクション6eは、それぞれカップ1、2の2つの壁1c、2cの間に形成される開口部16を有する。特に、壁1c、2cはその間に、開口部16の減少したバッフルクリアランス17を形成し、前記開口部を通って侵入する汚染物質の投射の速度および/または力を減少させるように設計されたバリアを形成する。
【0044】
壁1c、2cは、実質的に半径方向に延びて、外側シール要素8eを取り囲む軸方向クリアランスを形成する。さらに、外側シール要素8eはシール面15の反対に、内部に開く開口部16と向き合う支持面18を有する。好適な態様では、開口部16が外側シール要素8eの軸方向下方に配置される。
【0045】
したがって、外部汚染物質の投射が開口部16を通って侵入するとき、クリアランス17の位置は、前記投射を支持面18に向けることを可能にし、前記面に圧力を集中させ、したがって、要素8eをその応力位置に正しく設置することを可能にする。
【0046】
有利な態様において、図1図1a、図1b、図3a、図3bに示すように、支持面18は凹状の幾何学的形状を有し、これにより、支持面18への汚染物質の投射の案内を改善することができる。
図1
図1a
図1b
図2
図3a
図3b