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  • 特許-固形化粧料およびその作成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】固形化粧料およびその作成方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20240119BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20240119BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
A61K8/02
A61Q1/02
A61Q1/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019143060
(22)【出願日】2019-08-02
(65)【公開番号】P2021024799
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-06-06
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100187159
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 英明
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】高橋 希佳
(72)【発明者】
【氏名】老川 ひろみ
(72)【発明者】
【氏名】紀野 義堅
(72)【発明者】
【氏名】西見 和博
【審査官】宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-077043(JP,A)
【文献】特開2007-186437(JP,A)
【文献】特開2017-100963(JP,A)
【文献】特開平01-146812(JP,A)
【文献】特開2011-126799(JP,A)
【文献】特開2001-163724(JP,A)
【文献】特開2005-075789(JP,A)
【文献】特開2019-172578(JP,A)
【文献】特開2020-105137(JP,A)
【文献】国際公開第2018/078561(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/02
A61Q 1/02
A61Q 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受皿に担持された固形化粧料であって、
該固形化粧料の上面が複数の領域に区画され、前記複数の領域の固形化粧料が互いに異なる色に着色されており、
該固形化粧料の上面に、高低差が0.1~10mmの範囲にあって、斜面を含む微細凹凸領域が前記複数の領域に跨って設けられており、
少なくとも前記微細凹凸領域の一部を含む部分に、一次粒子径が10~100μmの範囲にある着色体が分散付着している、
ことを特徴とする固形化粧料。
【請求項2】
前記着色体が光沢粉体である請求項1に記載の固形化粧料。
【請求項3】
前記固形化粧料の上面が平坦に形成され、
この平坦な上面に前記微細凹凸領域が形成されている、
請求項1または2に記載の固形化粧料。
【請求項4】
請求項1からいずれか1項に記載の固形化粧料を作成する方法であって、
複数の領域に区画され、前記複数の領域が互いに異なる色に着色された上面を有し、かつ、高低差が0.1~10mmの範囲にあって、斜面を含む微細凹凸領域が前記複数の領域に跨って設けられた上面に有する固形化粧料を受皿に担持させた後、
一次粒子径が10~100μmの範囲にある着色体を含む組成物を、固形化粧料の上面の少なくとも前記微細凹凸領域に向けて散布する、
ことを特徴とする固形化粧料の作成方法。
【請求項5】
前記組成物を、着色体を分散付着させたい範囲に対応した開口を有するマスクを介して前記上面に向けて散布する、
請求項4に記載の固形化粧料の作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固形化粧料、より詳しくは、分散付着した着色体で加飾された固形化粧料、およびその作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、アイシャドーやファンデーション、フェイスパウダー等の固形化粧料に対して、アイキャッチ性を高め、商品訴求力を高めるために、その表面に様々な加飾をすることが提案されている。例えば特許文献1~3には、例えば粉体、特にパール剤やラメ等の光沢粉体を固形化粧料の表面に分散付着させて加飾することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平1-146812号公報
【文献】特許第4027868号公報
【文献】特許第5139636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような粉体あるいは粒状体の分散付着による加飾は、固形化粧料のアイキャッチ性を高める上で効果的であるが、未だ改善の余地が残されている。そこで本発明は、従来品よりもさらに商品訴求力の高い固形化粧料を提供することを目的とする。また本発明は、そのような固形化粧料を作成できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による固形化粧料は、
受皿に担持された固形化粧料であって、
該固形化粧料の上面に、高低差が0.1~10mmの範囲にあって、斜面を含む微細凹凸領域が形成され、
少なくとも微細凹凸領域の一部を含む部分に、一次粒子径が10~100μmの範囲にある着色体が分散付着している、
ことを特徴とするものである。なお、上記の「斜面」とは、固型化粧料内で隆起部や凹部が形成されていない平坦な部分に対して、非平行な面を意味する。
【0006】
上記の着色体は、パール剤やラメ等の光沢粉体であることが望ましい。
【0007】
また、本発明の固形化粧料においては、その上面に所定パターンの隆起部が形成され、微細凹凸領域が上記隆起部の表面の少なくとも一部に形成されていることが望ましい。
【0008】
また、本発明の固形化粧料においては、その上面に所定パターンの凹部が形成され、微細凹凸領域が、上記凹部の表面の少なくとも一部に形成されていることが望ましい。
【0009】
さらに、上述の隆起部と凹部とを共に固形化粧料の上面に形成し、それら両者の表面の少なくとも一部に微細凹凸領域を形成するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の固形化粧料においては、その上面が平坦に形成され、この平坦な上面に微細凹凸領域が形成されていてもよい。
【0011】
さらに本発明の固形化粧料においては、固形化粧料の上面が複数の領域に区画され、各領域の固形化粧料が互いに異なる色に着色されていてもよい。
【0012】
上述のように固形化粧料の上面が複数の領域に区画されている場合、微細凹凸領域は、上記複数の領域に跨って設けられているのが望ましい。
【0013】
他方、本発明による固形化粧料の作成方法は、以上説明した本発明による固形化粧料を作成する方法であって、
高低差が0.1~10mmの範囲にあって、斜面を含む微細凹凸領域を上面に有する固形化粧料を受皿に担持させた後、
一次粒子径が10~100μmの範囲にある着色体を含む組成物を、固形化粧料の上面の少なくとも微細凹凸領域に向けて散布する、
ことを特徴とするものである。
【0014】
本発明による固形化粧料の作成方法においては、上記組成物を、着色体を分散付着させたい範囲に対応した開口を有するマスクを介して固形化粧料の上面に向けて散布することが望ましい。また、着色体を分散付着させたい範囲内には、凹部および/または凸部を2つ以上含むことが好ましい。凹凸の多さは賦形による加飾の複雑さに直結しており、複雑な加飾を付与された固型化粧料は、消費者にとってより魅力的な外観となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明による固形化粧料は、斜面を含む微細凹凸領域の高低差が0.1~10mmの範囲にあり、そして、そこに分散付着している着色体は一次粒子径が10~100μmの範囲にあるものとされているので、着色体を溶媒に安定に分散させたインクとすることができる。
【0016】
また本発明による固形化粧料の作成方法は、
高低差が0.1~10mmの範囲にあって、斜面を含む微細凹凸領域を上面に有する固形化粧料を受皿に担持させた後、
一次粒子径が10~100μmの範囲にある着色体を含む組成物を、固形化粧料の上面の少なくとも微細凹凸領域に向けて散布するようにしたので、本発明による固形化粧料を作成できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態による固形化粧料を示す斜視図
図2】上記固形化粧料の一部を示す概略断面図
図3】上記固形化粧料の作成方法を示す概略図
図4】本発明の第2実施形態による固形化粧料を示す斜視図
図5】本発明の第3実施形態による固形化粧料を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態による固形化粧料1を示す斜視図である。この固形化粧料1は一例としてアイシャドーであって、比較的薄い矩形の受皿2の上に担持されている。受皿2は枠部2aによってA、B、C、およびDの4つの「田」の字状の領域に区画されており、固形化粧料1はこれらの領域A、B、C、およびDの中に収める形で受皿2に担持されている。したがって固形化粧料1も4つの領域に区画されている。各領域の中の固形化粧料1は、例えば水色、黄色、黄緑色、およびピンク色等のように、互いに異なる色のものが収められている。したがって、固形化粧料1の目視される上面1aは、上述の各色で着色された状態となっている。
【0019】
固形化粧料1の上面1aには所定パターン、ここでは一例として薔薇の花状のパターンとされた隆起部1bが形成されている。隆起部1bは、上記4つの領域A、B、C、およびDに跨って設けられている。ここで、図1の矢印Y方向から見た場合の固形化粧料1の縦断面形状を、拡大して概略的に図2に示す。この図2に示されるように隆起部1bの表面には、微細な凹凸が2次元的に分布してなる、斜面を含む微細凹凸領域1cが形成されている。このような隆起部1bは、例えば、固形化粧料に対して従来なされている打型成形によって賦形することができる。微細凹凸領域1cは、固形化粧料1を受皿2に担持させる際に同時に形成してもよいし、あるいは固形化粧料1を受皿2に担持させた後に形成してもよい。
【0020】
上記微細凹凸領域1cは、図2に示す高低差H、つまり凹部と凸部との高さの差が、0.1~10mmの範囲にあるように形成されている。そして微細凹凸領域1cには、一次粒子径が10~100μmの範囲にある粒状の着色体3が分散付着している。着色体3としては、化粧料の加飾に広く用いられている例えばパール剤やラメ等の光沢粉体が好適に用いられる。着色体として光沢粉体を用いた場合は、隆起部、凹部、ならびに微細凹凸により形成される複雑な形の賦形部の立体感が、光沢粉体付着前と比較して一段と際立ち、視認性が上がることにより、消費者にとってより魅力的な見映えに仕上げることができる。ただし着色体3としては、光沢粉体に限らず、その他例えば、全体や表面が着色顔料によって着色または被覆されている粒状体等も適用可能である。
【0021】
上記着色体3の分散付着は、例えば化粧料の表面加飾用に従来用いられているスプレー法を適用して行うことができる。図3はスプレー法を実施するための構成の要部を示しており、以下、この図3を用いて説明する。噴霧用ノズル5を有する噴霧装置は、このノズル5の他に、粒状の着色体3をアルコール等の溶媒に混合させて、着色体を含む組成物としての塗布用インク調製する容器や、得られたインクを圧送する圧送器や、圧送器とノズル5とを連絡させる配管(いずれも図示は省略)等を備え、圧送器から配管を通して圧送されたインク6をノズル5から噴霧させる。
【0022】
なお、上記インク6の粘度は一例として100~10000mPa・s程度であることが望ましい。インクを100~10000mPa・s程度の粘度とすることにより、インクを散布して、微細凹凸領域の上面に、意図した通り、すなわち、ずれたり、境界がぼやけたりすることなく精巧に着色できるようになる。またインク6はアルコール以外の例えば水を溶媒とするものであっても構わないが、アルコールを50%以上含むことが好ましい。
【0023】
また、インクの増粘剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンとビニルアセテート共重合物、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリル酸アルカノールアミン、アルキルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレート共重合物、ポリ2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ポリメタクリロイルオキシトリメチルアンモニウム、(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマー等が挙げられる。
【0024】
この噴霧装置を使用するに当たり、賦形された隆起部1bを有する固形化粧料1は、受皿2の上に担持された状態で、ノズル5と向かい合う位置に配される。また固形化粧料1の上面1aとノズル5との間で、比較的固形化粧料1に近い位置にはマスク10が配置される。このマスク10は、固形化粧料1の隆起部1bと略同形状の4つの開口10a、10b、10c、および10dを有するものであり、これらの開口10a~10dがそれぞれ隆起部1bと略整合する位置に配置される。このようにマスク10が配置された後に上記噴霧装置が作動され、ノズル5から、着色体3を含むインク6が固形化粧料1に向けて噴霧される。
【0025】
噴霧されたインク6は、マスク10の開口10a、10b、10c、および10dの部分だけを通過して、固形化粧料1の隆起部1bのほぼ全面に付着する。その後、インク6中の溶媒は気化あるいは自然乾燥等によって隆起部1bから離脱し、隆起部1bの表面は着色体3だけが残って分散付着した状態となる。固形化粧料1は、隆起部1bがこの状態になった後に、パッケージに収める等して販売される。
【0026】
以上のようにして作成された固形化粧料1は、目視されることが多い上面1aに目立ちやすい形をした隆起部1bが形成され、そしてこの隆起部1bのほぼ全面にパール剤等からなる着色体3が分散付着しているので、視覚の上で商品訴求力に優れた、いわゆるアイキャッチ効果が高いものとなる。またこの固形化粧料1は、特に、斜面を含む微細凹凸領域1cの高低差が0.1~10mmの範囲にあり、そして、そこに分散付着している着色体3は一次粒子径が10~100μmの範囲にあるものとされているので、着色体を溶媒に安定に分散させたインクとすることができ、そのインクを散布して、微細凹凸領域の上面に、意図した通り、すなわち、ずれたり、境界がぼやけたりすることなく着色できるようになるという効果を奏する。
【0027】
なお本実施形態の固形化粧料1は、前述した通りの形状とされた開口10a~10dを有するマスク10越しに混合液6を噴霧して作成されるので、着色体3の分散付着範囲は、隆起部1bの平面形状と厳密に整合してはいない。つまり、隆起部1bの外縁よりも外側に着色体3が多少分散付着していたり、反対に隆起部1bの外縁より内側に着色体3が分散付着していない箇所が部分的に存在したりしている。
【0028】
それに対して、着色体3の分散付着範囲を、隆起部1bの平面形状と厳密に整合させたいこともある。そのような要求は特に、隆起部1bの平面形状が、外縁に細かい出入りが多い場合に多く認められる。この要求を満たしたい場合は、マスク10の開口の形状を隆起部1bの平面形状と厳密に揃えた上で、インク6の噴霧時にはマスク10の開口の位置を隆起部1bの平面形状と厳密に整合させればよい。
【0029】
さらに、隆起部1bの外縁近傍部分だけではなく、隆起部1b内に、着色体3が分散付着していない箇所を例えば多角形状や文字状にして明確に設けたり、あるいはその反対に隆起部1bの外側の上面1aに、着色体3が分散付着している箇所を明確に設けたりしてもよい。そのような着色体3の分散付着態様はいずれも、マスク10に形成する開口の形状および位置の設定次第で容易に実現可能である。どのような分散付着態様とするかは、狙っている美的効果等に応じて適宜定めればよい。
【0030】
また本実施形態では、固形化粧料1に形成された微細凹凸領域1cの全域に亘って着色体3が分散付着しているが、微細凹凸領域1cの一部だけに着色体3を分散付着させてもよい。
【0031】
なお前の説明では、隆起部1bが4つの領域A、B、C、およびDに跨って設けられているとしたが、厳密に言えば、隆起部1bは枠部2aを間に置いた状態で4箇所に分断されている。しかし隆起部1bは、全体が1つの薔薇の花のように見えるので、感覚的に上述のように4つの領域A~Dに亘って延びている、つまり領域A~Dに跨って延びているような印象を受ける。それに対して、互いに異なる色とされた複数の領域が間に枠部2aを介さずに連なっている場合は、それらの領域に亘って隆起部1bが形成されると、隆起部1bは途中で分断されずに物理的に連続して延びた状態となる。そのように形成された隆起部1bは実際に、複数の領域に跨って延びた状態となる。本発明において、「跨って設けられている」とは、以上のように実際に連なっている場合と、感覚的に連なっているように見える場合の双方を意味するものである。
【0032】
また本実施形態では、固形化粧料1が受皿2の枠部2aを介して複数の領域に区画されているが、固形化粧料1はこのような枠部2aを介さずに複数の領域に区画されてもよい。すなわち、固形化粧料1を受皿2の上で例えば「田」の字状や「目」の字状の複数領域に配し、隣接し合う領域を互いに異なる色にしておけば各領域は異なったものに見えるので、固形化粧料1が複数に区画された状態となる。
【0033】
次に図4を参照して、本発明の第2実施形態による固形化粧料について説明する。本実施形態における固形化粧料11は、コンパクト容器に収容されたファンデーションである。この固形化粧料11は、蓋体14と共にコンパクト容器を構成する容器本体12の上に担持されている。固形化粧料11の上面11aには所定パターン、ここでは一例として星形のパターンとされた凹部11bが形成されている。凹部11bの底面には、微細な凹凸が2次元的に分布してなる、斜面を含む微細凹凸領域11cが形成され、この微細凹凸領域11cには前述した着色体3と同様の着色体13が分散付着している。
【0034】
本実施形態でも、目視されることが多い固形化粧料11の上面11aに目立ちやすい形をした凹部11bが形成され、そしてこの凹部11bのほぼ全面にパール剤等からなる着色体3が分散付着している。そこでこの固形化粧料11も、視覚の上で商品訴求力に優れた、いわゆるアイキャッチ効果が高いものとなる。またこの固形化粧料11において、微細凹凸領域11cの高低差、並びにそこに分散付着している着色体13の一次粒子径は第1実施形態におけるのと同じ数値範囲にあるものとされており、それにより第1実施形態におけるのと同様の効果が得られる。
【0035】
本実施形態において、着色体13の分散付着は第1実施形態におけるのと同様にして行うことができる。また着色体13の分散付着範囲と凹部11bの平面形状との関係も、第1実施形態における着色体3の分散付着範囲と隆起部1bの平面形状との関係と同様に設定することができる。
【0036】
なお、第1実施形態における隆起部1bと同様の隆起部を、上記凹部11bと共に固形化粧料11の上面11aに設けて、それらの隆起部および凹部11bの双方に微細凹凸領域11cを形成し、双方の微細凹凸領域11cに着色体13を分散付着させてもよい。
【0037】
次に図5を参照して、本発明の第3実施形態による固形化粧料について説明する。本実施形態における固形化粧料21は、矩形の容器22に収容されたアイシャドーである。固形化粧料21の上面21aは平坦に形成されている。そして平坦な上面21aには、楕円形が3つ連なったパターンとされた、斜面を含む微細凹凸領域21cが形成され、この微細凹凸領域21cには前述した着色体3と同様の着色体23が分散付着している。
【0038】
本実施形態でも、目視されることが多い固形化粧料21の上面21aに微細凹凸領域21cが形成され、そしてこの微細凹凸領域21cのほぼ全面にパール剤等からなる着色体23が分散付着している。そこでこの固形化粧料21も、視覚の上で商品訴求力に優れた、いわゆるアイキャッチ効果が高いものとなる。またこの固形化粧料21において、微細凹凸領域21cの高低差、並びにそこに分散付着している着色体23の一次粒子径は第1実施形態におけるのと同じ数値範囲にあるものとされており、それにより第1実施形態におけるのと同様の効果が得られる。
【0039】
本実施形態において、着色体23の分散付着は第1実施形態におけるのと同様にして行うことができる。また着色体23の分散付着範囲と微細凹凸領域21cの平面形状との関係も、第1実施形態における着色体3の分散付着範囲と隆起部1bの平面形状との関係と同様に設定することができる。
【符号の説明】
【0040】
1、11、21 固形化粧料
1a、11a、21a 固形化粧料の上面
1b 固形化粧料の隆起部
1c、11c、21c 微細凹凸領域
2 22 容器
3、13、23 着色体
5 ノズル
6 インク
11b 固形化粧料の凹部
12 コンパクト容器の容器本体
図1
図2
図3
図4
図5