(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】水害時に建物内への水の侵入を防止する用具
(51)【国際特許分類】
E04H 9/14 20060101AFI20240119BHJP
【FI】
E04H9/14 Z
(21)【出願番号】P 2019199358
(22)【出願日】2019-10-14
【審査請求日】2022-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】519021141
【氏名又は名称】丸山 芳之
(74)【代理人】
【識別番号】100125645
【氏名又は名称】是枝 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100145609
【氏名又は名称】楠屋 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100149490
【氏名又は名称】羽柴 拓司
(72)【発明者】
【氏名】丸山 芳之
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-217102(JP,A)
【文献】特開2013-151854(JP,A)
【文献】特開2014-177804(JP,A)
【文献】特表2018-527487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 9/14
E06B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の外壁と基礎部分の隙間をなくすための防水性シート
と、
前記外壁と前記基礎部分に設置される表面が平滑な板状の部材
と、
前記防水性シートの上下端を前記板状の部材に固定する耐水性接着テープと、
を備える、水害時の建物隙間からの建物内への水の侵入防止
構造。
【請求項2】
建物の外壁と基礎部分の隙間をなくすための防水性シートと、
前記基礎部分に設置される表面が平滑な板状の部材と、
前記防水性シートの下端を前記板状の部材に固定し、前記防水性シートの上端を前記外壁の表面が平滑な外壁材に固定する耐水性接着テープと、
を備える、水害時の建物隙間からの建物内への水の侵入防止構造。
【請求項3】
建物の外壁と基礎部分に表面が平滑な板状の部材を設置し、
前記外壁と前記基礎部分の隙間をなくすための防水性シートの上下端を前記板状の部材に耐水性接着テープで固定する、
水害時の建物隙間からの建物内への水の侵入防止方法。
【請求項4】
建物の基礎部分に表面が平滑な板状の部材を設置し、
前記建物の外壁と前記基礎部分の隙間をなくすための防水性シートの下端を前記板状の部材に耐水性接着テープで固定し、
前記防水性シートの上端を前記外壁の表面が平滑な外壁材に耐水性接着テープで固定する、
水害時の建物隙間からの建物内への水の侵入防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物の外壁と基礎部分の隙間等建物の隙間から建物内への水の侵入を防止する用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水害時に建物内への水の侵入を防止するものとして、土のう、防水テープ等以外になかったため、建物内への水の侵入を防ぐことができなかった。この用具は、防水シートで建物の周囲を短時間で覆い建物内への水の侵入を防止するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまで、大雨、河川の氾濫等による水害時において、建物の外壁と基礎部分の隙間等建物の隙間からの建物内への水の侵入を防止するための有効な用具、方法がなかった。
本発明は、水害時に建物外壁と基礎部分の隙間等からの建物内への水の侵入を防止するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
建物内への水の侵入は、建物の外壁と基礎部分との間の隙間等からである。しかし、同隙間は通風のため重要なものであり、常時閉じておくことはできない。そのため、水害発生が予想される際にのみ、同隙間を閉じるための防水性シートと同シートを粘着テープで外壁と基礎部分に短時間で密着固定するための表面が平滑な部材及び表面が平滑な外壁材からなる用具である。
本発明は、以上の構成よりなる水害時の建物内への水の侵入を防止するための用具である。
【発明の効果】
【0006】
水害の発生が予測されると建物の外壁と基礎部分の間の隙間等を閉じるための防水性シートの上下端を外壁と基礎部分に耐水性粘着テープで隙間なく固定することで建物の隙間を閉じ、建物内への水の侵入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】 本発明の壁材へ直接貼付して使用時の全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
建物の外壁と基礎部分の隙間等建物の隙間をなくすための防水性シート(1)である。なお、防水性シートの高さが高くなる場合は、「浮力と重量の合力を0程度に調整した防水性シート」を使用する。
防水性シート上下端を粘着テープで固定するために建物外壁と基礎部分に表面が平滑な板状の部材(2)を予め隙間なく接着剤等を使用して設置しておく。
新築の際は、基礎部分に表面が平滑な板状の部材を表面を露出させ埋め込んで設置しておく。
外壁は、新築、リフォームの際、粘着テープが貼付できるよう、表面が平滑な外壁材(3)を使用して仕上げておく。
本発明は、以上のような構造である。
水害の発生が予想されこれを使用するときは、防水性シートの上下端を外壁と基礎部分の表面が平滑な部分に耐水性粘着テープで隙間なく固定する。
防水性シートの高さは、建物が建つ環境、建物外壁の隙間具合等によって任意の高さに決定することができる。
防水性シートを粘着テープで固定するための部材の位置は、シートの高さに合わせて設けておく。
防水性シートの材質は、高さが数十センチ程度であれば、従来の防水性シートでも水中状態下での浮力が少ないため引っ張り力が弱く使用することができるが、高さが高いと従来のシートでは浮力による引っ張り力で接着部分の接着度が弱まり、接着持続時間が短くなるため、「浮力と重量の合力を0程度に調整した防水シート」を使用し、水中状態下での浮力及び重力による引っ張りをなくし接着テープによる固定を持続させる。
【符号の説明】
【0009】
1 防水性シート
2 表面が平滑な板状の部材
3 表面が平滑な外壁材